説明

状態監視方法

エレベータの安全回路の安全スイッチの状態監視をする方法である。エレベータの安全回路の電流を安全回路の状態が変化した直後に測定、確認することで、安全スイッチの状態を推測することができる。電流信号をフィルターにかけた後、スイッチの接触不良による干渉の量をフィルタリングされた電流信号から割り出す。干渉量に基づいて、スイッチがどのような状態にあるかを判断することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、エレベータシステムに関するものである。本発明はとくに、エレベータの安全回路の安全スイッチの状態を監視する方法およびシステムに関する。
【発明の背景】
【0002】
エレベータシステムの動作において一番重要なことは、エレベータシステムが完璧な状態で、そして何よりも安全に動作することである。そのため、数多くの様々な安全装置がエレベータシステムに用いられている。その中のひとつが安全回路と呼ばれるものである。エレベータの安全装置間を移動する安全回路は、エレベータの電気安全システムの最重要部分である。この回路は、連鎖端子および静的回路のスイッチなどのスイッチ、乗りかごおよび乗り場扉のスイッチ、錠のスイッチ、およびエレベータの接触子を含む。安全装置のうちの一つでも安全回路との接続が切れていると、エレベータは停止したり、始動しなくなったりする。たとえばエレベータ乗りかごの扉が開いている場合、安全回路が開き、扉が閉じて安全回路全体が閉じる前にエレベータは動き始めない。
【0003】
すでに使用されているエレベータは点検が必要であり、エレベータの状態を法的な必要条件に基づいて確認してエレベータの安全な運転を確実にしている。エレベータの状態検査では、動作テストを実施する。すなわち、各安全装置および各アラーム装置の動作をテストして、エレベータが乗りかごおよび乗り場の扉が閉まる前に動き出さないことや、これらの扉がエレベータがある階に着く前に開かないことを確認する。したがって、安全回路ならびにその端子およびスイッチは、エレベータの状態監視に重要な役割を果たす。エレベータの状態を検査する際には様々な状態監視器具を使用することができ、状態監視機器の分析器は安全回路を流れる電流に関する情報を利用することができる。
【0004】
したがって、エレベータの安全回路および回路の安全スイッチの動作を検査することにより、エレベータの状態を推測することができる。安全回路の様々なポイントを流れる電流の強度を基に、安全回路に属するスイッチのうち、どのスイッチが各瞬間に開いているのか、または閉じているのかを推測することができ、また、安全回路のスイッチが設定された規則に従って動作しているかどうかを推測することができる。
【0005】
安全回路の端子の状態に応じて、つまり、各スイッチが開いているか閉じているかに応じて、安全回路を流れる電流は異なったレベルの強度を受ける。エレベータの始動時、安全回路の全電流レベルのサンプルを受け取り、そのサンプルを分類する。その結果、安全回路の各状態に応じた電流強度の分類の中心が確認される。エレベータの始動後、通常運転時に、安全回路から測定された電流によって、たとえば、測定した電流の強度に最もよく対応している分類の中心を調べることによって、安全回路の状態を判断することができる。
【0006】
安全回路の動的部分に設けられたスイッチは、エレベータの通常運転中、たえずその状態が変化し、その場合、スイッチは磨耗してしまい、必ずしも正常に接続するとはいえない。また、スイッチに入り込む埃や油などによって、接触不良が起きる。安全回路の端子の1つでも接続していないと、エレベータを動かすことができなかったり、またはエレベータが動いる場合は停止してしまったりする。全てのスイッチが直列に接続されているうえに、それぞれがエレベータ昇降路の異なる側に設けられ互いに離れているため、不具合のあるスイッチを見つけ出すことはやっかいである。また、故障が隠れてしまうこともあり、その場合、スイッチの1つが無作為に切り替わるという不都合が生じる。
【0007】
スイッチの接触不良は、たとえば、始動の失敗から、または完全に閉まった扉が再度開くことで、間接的にモニターすることができる。接触不良の判断において、扉が再び開くかどうかを監視することは、制御システムが扉を再度開くことで安全回路が壊れないようにするという事実に基づいている。修理者の立場から見た従来の難しい状況は、エレベータが走行中に階と階との間で止まってしまった場合である。問題の発生源が扉または乗り場の錠の端子にあり、またエレベータに遠隔監視装置がない場合、障害箇所を特定するのが難しい場合がある。このような例では、エレベータは、たとえば再始動(リセット)後に走行を開始することが可能であり、その場合、障害は隠れたままとなり、そのうちにまた新たな故障状態が引き起こされる。また、スイッチもアクセスしにくい位置にあることがあり、それに加えて、とくに高層ビルでは、スイッチはエレベータ昇降路に互いにかなり離れて設置されている。
【0008】
そこで、最新の遠隔監視装置も使用して、扉の再開扉および始動未遂から接触障害を間接的にモニターすることができる。しかしこの場合、接触障害は非常に遠いところで進行していて、障害状態を引き起こす。また、再開扉および始動の失敗によりエレベータは輸送力を損なううえ、乗車時の快適性も低下する。
【発明の目的】
【0009】
本発明の目的は、エレベータの安全回路の安全スイッチの状態を監視する方法およびシステムを開示することにある。
【発明の概要】
【0010】
本発明による方法、システム、およびソフトウェア製品は、請求項1、7、および13の特徴部に開示されている事項により特徴付けられる。また、本発明のその他の実施形態は、他の請求項に開示されている事項により特徴付けられる。またいくつか発明の実施形態は、本願の図面に示されている。本願に開示されている発明の内容は、特許請求の範囲に規定されているものとは別の形で規定することも可能である。また、本発明は、とくに文言あるいは内在するサブタスクの点から見た場合、または達成される利点あるいは利点の種類から見た場合、いくつかの別々の発明から成っているかもしれない。この場合、特許請求の範囲に含まれる属性のいくつかは、別々の発明の概念からみて不必要であるかもしれない。本発明の様々な実施形態における特徴は、本発明の基本概念の枠内で他の実施形態と併せて適用可能である。
【0011】
本発明は、エレベータの安全回路の安全スイッチの状態を監視する方法を対象とし、本方法では、安全回路を流れる電流の強度を測定して、この測定した電流に基づいて安全回路の状態を規定し、安全回路の状態に基づいて、安全スイッチの状態と同様、スイッチの接触障害によって起こる干渉の量を割り出す。
【0012】
本発明の方法によれば、安全回路の電流信号をフィルターにかけ、その後、安全スイッチの干渉量をフィルタリングされた電流信号から決定する。電流信号は、好ましくは帯域消去フィルターでフィルタリングされる。安全スイッチの状態は、フィルタリングされた電流信号から受けた干渉の量に基づいて判断する。
【0013】
本発明はまた、エレベータの安全回路の安全スイッチの状態を監視するシステムを対象とする。本システムはエレベータの安全回路を含み、安全回路は直列接続された安全スイッチおよび安全端子を含む。また本システムは、安全回路を流れる電流を測定する測定手段と、測定した電流に基づいて安全回路の状態を判断する手段と、安全回路の電流信号をフィルタリングする手段と、フィルタリングされた電流信号から干渉量を決定する手段とを含む。本システムはさらに、安全スイッチの状態を干渉量と安全回路の状態に基づいて判断する手段を含む。
【0014】
本発明はまた、システムにおいてエレベータの安全回路の安全スイッチの状態を監視するソフトウェア製品を対象とし、このシステムは、直列接続された安全スイッチを備えたエレベータの安全回路、および安全回路を流れる電流を測定する測定手段を含む。ソフトウェア製品は、方法の請求項に示す方法段階をデータ処理機器で実施する際に各方法段階を実行するのに適したコードを含む。
【0015】
本発明の一実施形態において、安全回路の状態が変化する時を、安全回路の電流信号から判断し、干渉量を安全回路の状態が変化したすぐ後にフィルタリングされた電流信号から求める。ここで「すぐ」とは、状態の変化を確認した直後または状態の変化に続く所期の時間遅れて干渉量を算出することを意味する。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、干渉量は次の式に従ってフィルタリングされた電流信号から算出される。
【0017】
【数1】

ここで、i(t)は安全回路のフィルタリングされた電流信号を表し、時間間隔ta-tbは安全回路の状態が変化した直後の時間間隔を表す。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、一定時間長にわたる平均干渉量は、安全回路の状態毎および/または建物の階毎に決定される。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、干渉に関するヒストグラムは、安全回路の状態毎および/または建物の階毎に求められる。
【0020】
本発明の目的は安全回路の安全スイッチの状態を監視することであり、不良接触により安全回路の接続が切れおよび障害状況を引き起こす前に、磨耗した安全スイッチを検出することができる。また本発明は、最新の状態監視分析器に用いることもでき、この分析器は安全回路の電流を測定して、そこから安全回路の状態および状態が変化する時間を特定する。このような状態監視分析器に次のような機能を追加するのは簡単である。すなわち、各端子の状態を監視して、従来の状態監視システムがそこに生じる問題を再開扉および始動未遂を通じて検出する前に、その問題を検出する機能である。このように、エレベータの状態を容易に監視することができ、エレベータが安全に機能することを保証することができる。
【0021】
本発明は、従来方式に比べ多くの利点を有する。本発明により、安全回路のスイッチの状態を継続的に監視することができ、その場合、通常の点検視察と組み合わせることで、潜在的な問題がエレベータを停止させるような障害状態に発展するずっと前に、その問題を未然に防ぐことができる。磨耗したスイッチおよび端子は、これらがエレベータの特性を実際に損なう前に点検/調整/交換することができる。本発明により、安全回路の補修を要するすべてのスイッチを特定することが可能であり、この場合、補修は迅速に行われ、また不要な故障修理は回避される。
【0022】
次に、本発明を、実施形態におけるいくつかの実施例を用いて詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】エレベータの安全回路および安全回路を流れる電流、ならびに安全回路の安全スイッチを示す図である。
【図2a】安全回路に関連するスイッチが良好な状態のときに、安全回路を流れる電流を示す図である。
【図2b】関連のスイッチが磨耗した状態のときの、安全回路の電流を示す図である。
【図3a】安全回路に関連するスイッチが良好な状態のときの、安全回路の電流信号およびフィルタリングされた電流信号を示す図である。
【図3b】関連のスイッチが磨耗した状態のときの、安全回路の電流信号およびフィルタリングされた電流信号を示す図である。
【図4】一定時間蓄積されたスイッチのノイズ/障害の蓄積エネルギーを示すヒストグラムである。
【図5】本発明によるシステムの一実施形態を示すブロック図である。
【発明の詳細な説明】
【0024】
以下、図1ないし図5を参照して本発明を詳細に説明する。
【0025】
エレベータの始動時に、安全回路の全電流レベルのサンプルを受け取る。測定された電流から、安全回路の状態と、安全回路の状態が変化する瞬間、すなわち安全回路のスイッチの状態が変化する瞬間とが推測される。
【0026】
図1は安全回路の一実施形態を示し、電流i1、i2、i3、およびi4は図中の異なる部分に示されている。図1における安全回路のSCは、安全回路の静的回路を表す。スイッチCDは乗りかごの扉のスイッチを表し、スイッチN*LDは乗り場の扉のスイッチを表す。レベル数はNであり、その数はエレベータの階数によって決まる。スイッチMCは主接触子に対応する。電流i1、i2、i3、およびi4は、安全回路のガルバニック絶縁要素を表し、ガルバニック要素とは、たとえば、エレベータの各安全装置を制御し、および/または安全回路の状態を示す継電器または光遮断器の制御電流などである。
【0027】
p点における総電流ipは、以下の式から求められる。
【0028】
【数2】

式中、スイッチSC、CD、LD、およびMCは、0または1の値をとる。
【0029】
安全回路の状態は、どの時点においても総電流の大きさから推定することができる。推定される安全回路の状態を、以下の表1に示す。
【0030】
【表1】

このように、実施例の安全回路は5つの異なる状態をとることができ、この5つの状態はそれぞれp地点を流れる電流の大きさに基づいて識別することができる。安全連鎖回路に物理的に上流設けられたスイッチが、連鎖回路の下流に設けられたスイッチの状態に関する情報を隠してしまう。しかしこれは重大な欠陥とはならない。なぜならば、重要なのは、安全回路のどの部分がエレベータの始動を妨げているのかを知ることであるからである。また、当業者には明白なことであるが、安全回路を、図1とは異なる方法で直列接続させた複数のスイッチで構成してもよく、その場合、識別可能な状態の数もまた、上述の実施例とは異なってもよい。
【0031】
安全回路のスイッチが良好な状態にある場合、安全回路から測定される電流信号は図2aに示されるような信号になる。通常、安全回路は配電網からの供給を受け、この場合、電流信号は実際には、安全回路のスイッチの状態に応じて振幅変調された50Hz(北米では60Hz)の搬送波である。本実施例では、安全回路の状態は時点t=2.27において変化し、この変化は電流信号の振幅の変化から確認することができる。図2bの場合、安全スイッチは磨耗しているか、もしくは欠陥があり、この場合、安全回路の電流信号に干渉が起きるが、まだ再開扉または始動の失敗には至らない。言い換えると、時点t=2.05において安全回路の状態が変化して(電流信号の振幅が変化して)、磨耗した/欠陥のあるスイッチが時点t=2.15において電流信号にノイズを生じさせる。この状態の変化に関連して電流信号に干渉が起きることは知られているから、安全回路のスイッチに異常がある部分もまた知られている。
【0032】
図3aおよび図3bは、測定された安全回路の電流信号ip(t)および帯域消去フィルターを通る電流信号i(t)を示す。帯域消去フィルターは、搬送波自体を電流信号から除去し、搬送波に属さない周波数成分をすべて取り除くためのものである。図3aの電流信号は、良好な状態の安全スイッチの電流信号である。図3bのフィルタリングされた電流信号i(t)から、端子のスイッチ干渉の他に、搬送波(50/60Hz)の高周波成分を観察することができ、この高調波成分は50Hzの搬送波周波数の高周波を表す。高調波成分は、安全回路の状態が変化した直後に現れる。つまり、フィルタリングされた電流信号i(t)の振舞いを、安全回路の状態が変化した直後に時間間隔(ta−tb)で監視することにより、安全回路の端子の状態を推測することができる。
【0033】
したがって、安全スイッチの状態は、安全回路の状態が変化した直後の、フィルタリングされた電流信号のノイズの量に影響を与える。磨耗したスイッチがもたらすノイズ量または干渉量は、たとえば、式(1)を用いて、状態の変化直後の接触不良による高い周波数干渉の「エネルギー」を測定することで算出することができる。
【0034】
【数3】

ここで、i(t)はフィルタリングされた電流信号であり、E(ta,tb)は「エネルギー」期間ta−tbにおける干渉1の量を表す。
【0035】
干渉エネルギーの統計値は、たとえば、階毎の各扉や階床や安全回路に対する24時間分の干渉エネルギーの平均、例えば干渉電力の平均を算出することで得ることができる。統計値を得て記録するための別のより綿密な方法として、図4に示す干渉エネルギーのヒストグラムが挙げられる。本図では、機能不良の扉端子が4階に存在し、その階の干渉エネルギーは他の階のほぼ10倍である。このことから、4階の扉/錠端子が不良状態であり、点検/調整/交換の必要があることが推測可能である。全ての階で切替エネルギーが一様に増加している場合、異常の原因が乗りかごのドア錠端子または扉端子にあることが推測できる。また、安全回路の状態定義を、各状態変化の直後の干渉エネルギーの決定に利用してもよい。
【0036】
図5は本発明によるシステムの一実施例であるブロック図を示し、このシステムはエレベータの安全回路1を含む。安全回路は直列接続された安全スイッチおよび安全端子を含み(図5には図示せず)、回路の状態を状態監視機器6で調べる。本システムは、安全回路の電流を測定する測定手段2を含む。安全回路の電流は、好ましくは電気安全回路に負荷をかけずに、つまり安全回路のエネルギーを費やすことなく測定される。測定手段は、好ましくは、電流によって発生する磁界の強さを測定する電流センサを含む。また本システムは、安全回路の電流信号をフィルタリングする手段3と、フィルタリングされた電流信号に基づいて磨耗したスイッチにより起こるノイズまたは干渉の量を決定する手段4とを含む。本システムはさらに、安全回路の状態およびその状態が変化する瞬間を判定する手段7と、干渉量に基づいて安全スイッチの状態を判定する手段5とを含む。本システムはこの他に、安全回路の各状態および/または建物の各階に及ぶ干渉を示すヒストグラムを得る手段9と、安全回路の各状態および/または建物の各階に一定時間長にわたって及ぶ干渉の平均値を決定する手段8とを含む。
【0037】
なお、上述の構成図は本発明によるシステムの基本的な実施例にすぎない。故に、当然のことながら、本システムは、上記に示したもの以外の構成要素および機能ブロックも内蔵してよい。本システムは、例えばインタフェースを含んでいてもよく、このインタフェースを介して、本システムが作成した状態監視データを別のシステムに伝達することができる。別のシステムとは、たとえば、遠隔サービスシステム、エレベータおよび/またはエレベータ群の制御システム、またはその他の同様のあらゆる独立したシステムなどである。また本システムは、システム全体あるいは一部を、エレベータシステムに接続された既存のシステム、たとえばエレベータの状態監視システムおよび/またはエレベータの制御システムに統合することも可能である。同様に、本システムはインタフェースを介して、たとえばその時点でのエレベータのいる階に関する情報などのエレベータシステムの情報を受信してもよい。
【0038】
本発明は上述の実施形態のみに限定されるものでなく、本願特許請求の範囲で規定された発明の概念の範囲内であればさまざまな変形形態が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された安全スイッチを含むエレベータの安全回路の安全スイッチの状態を監視し、該安全回路を伝達する電流信号を測定する段階を含む方法において、該方法はまた、
該安全回路の電流信号から該安全回路の状態が判断される段階と、
該安全回路の電流信号がフィルタリングされる段階と、
該フィルタリングされた電流信号から干渉量が決定される段階と、
少なくとも1つの安全スイッチの状態が、該干渉量および前記安全回路の状態に基づいて規定される段階とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記安全回路の状態が変化した時刻が前記安全回路の電流信号から判断され、
前記干渉量が該安全回路の状態が変化した直後の前記フィルタリングされた電流信号から求められることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、
前記電流信号は帯域消去フィルターでフィルタリングされることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法において、前記干渉量は以下の式に従って前記フィルタリングされた電流信号から算出され、
【数1】



該式において、i(t)は前記安全回路のフィルタリングされた電流信号であり、時間間隔ta-tbは該安全回路の状態が変化した直後の時間間隔であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、該方法はさらに、
一定時間長にわたる平均干渉量が、前記安全回路の状態毎および/または建物の階毎に決定される段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、該方法はさらに、
干渉に関するヒストグラムが、前記安全回路の状態毎および/または建物の階毎に求められる段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
直列接続された安全スイッチを含む安全回路(1)と、
該安全回路を流れる電流を測定する測定手段(2)とを含む、エレベータの安全回路の安全スイッチの状態を監視するシステムであって、該システムはさらに、
該安全回路の状態を前記測定された電流に基づいて判断する手段(7)と、
該安全回路の電流信号をフィルタリングする手段(3)と、
該フィルタリングされた電流信号に基づいて干渉量を決定する手段(4)と、
該干渉量および前記安全回路の状態に基づいて、少なくとも1つの安全スイッチの状態を規定する手段(5)とを含むことを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムにおいて、該システムはさらに、前記安全回路の状態が変化する時間を、該安全回路の電流信号から判断する手段(7)を含み、
前記手段(4)は、該安全回路の状態が変化した直後に前記フィルタリングされた電流信号から干渉量を決定することを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項7または8に記載のシステムにおいて、前記安全回路の電流信号をフィルタリングする手段(3)は帯域消去フィルターを含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項7ないし9に記載のシステムにおいて、前記手段(4)は以下の式に従って前記フィルタリングされた電流信号から干渉量を算出し、
【数2】

該式において、i(t)は前記安全回路のフィルタリングされた電流信号であり、時間間隔ta-tbは該安全回路の状態が変化した直後の時間間隔であることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項7ないし10に記載のシステムにおいて、該システムはさらに、
一定時間長にわたる平均干渉量を、前記安全回路の状態毎および/または建物の階毎に算出する手段(8)を含むことを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項7ないし11に記載のシステムにおいて、該システムはさらに、
干渉に関するヒストグラムを、前記安全回路の状態毎および/または建物の階毎に求める手段(9)を含むことを特徴とするシステム。
【請求項13】
直列接続された安全スイッチを含む安全回路(1)と、
該安全回路を流れる電流を測定する測定手段(2)とを含むシステムでエレベータの安全回路の安全スイッチの状態を監視するソフトウェア製品において、
該ソフトウェア製品は、方法の請求項1に記載された各方法段階をデータ処理機器で実施する際に、該方法段階を実行するのに適したコードを含むことを特徴とするソフトウェア製品。
【請求項14】
請求項13に記載のソフトウェア製品において、該ソフトウェア製品はさらに、方法の請求項2ないし6に記載された方法段階を1つ以上実行するのに適していることを特徴とするソフトウェア製品。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−511578(P2010−511578A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539772(P2009−539772)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【国際出願番号】PCT/FI2007/000284
【国際公開番号】WO2008/068375
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(591159044)コネ コーポレイション (75)
【氏名又は名称原語表記】KONE CORPORATION
【Fターム(参考)】