説明

玩具用組立ユニット及び形態変形玩具

【課題】 係合用凹部を囲む一対の側壁に亀裂が入るのを防止できる玩具用組立ユニットを得る。
【解決手段】 複数の部品ユニットを係合用凸部109と係合用凹部111とによって連結する。係合用凸部109を、ベース113と、このベースから離れる方向に延びる板状部115と、この板状部の先端に設けた係合部側張り出し部117とで構成する。係合用凹部111は、先端部に係合部側張り出し部117の抜け止めを図る被係合部側張り出し部119を一体に備えた可撓性を有する一対の側壁121と、これら一対の壁部の基部を連結する底壁123とによって囲まれて構成される。係合用凹部111を構成する底壁123には、一対の側壁121にそれぞれ設けた一対の被係合部側張り出し部119間に形成したギャップ127に沿って延び且つこのギャップに向かう方向に底壁123を貫通する貫通孔129を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の部品ユニットと第2の部品ユニットとを、連結機構を介して連結する玩具用組立ユニット及びこれを用いた形態変形玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
出願人は、この種の玩具用組立ユニットとこのユニットを用いた形態変形玩具として、特願2003−423874を提案している。この特願2003−423874に提案した玩具用組立ユニット及び形態変形玩具で採用されている連結機構の構造は、玩具の分野では、この出願よりも前には提案されていない。
この玩具用組立ユニットは、図8に示すように、第1の部品ユニット1側の2箇所に設けられた係合部3と、一対の第2の部品ユニット5側に設けられ且つ係合部3が着脱可能に係合する構造を有する被係合部7とを備えている。
【0003】
係合部3は、係合用凸部9及び該係合用凸部9と着脱可能に係合する係合用凹部11の一方により構成されている。また被係合部7は、係合用凸部9及び係合用凹部11の他方によって構成されている。図8においては、係合部3は係合用凸部9によって構成され、被係合部7は係合用凹部11によって構成されている。
【0004】
係合用凸部9は、板状のベース13と、該ベース13と一体に設けられて該ベース13から離れる方向に直交して板状に延びる板状部15と、該板状部15の先端に添うようにして板状部15と一体に設けられた円柱状の係合部側張り出し部17とを備えて構成されている。また係合用凹部11は、所定の間隔をあけて配置されて、板状部15及び係合部側張り出し部17を間に挟み、先端部に係合部側張り出し部17の抜け止めを図る円柱状の被係合部側張り出し部19を一体に備えた可撓性を有する一対の側壁21,21と、これら一対の壁部21,21の基部を連結する底壁23とによって囲まれて構成されている。
【0005】
これら係合用凸部9と係合用凹部11は、合成樹脂材料によって形成されている。係合用凸部9と係合用凹部11とを係合する際には、係合用凸部9の係合部側張り出し部17を、係合用凹部11の左右の被係合部側張り出し部19,19の間に押し込む。そして一対の側壁21,21の先端間を係合部側張り出し部17で外側に撓ませることにより、係合部側張り出し部17をこれら被係合部側張り出し部19,19の間に挿入する。これにより係合用凸部9の板状部15が左右の被係合部側張り出し部19,19で挟持され、係合部側張り出し部17が左右の被係合部側張り出し部19,19で抜け止めされて、連結された状態になる。
【特許文献1】特願2003−423874
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の構造の係合用凹部11では、係合用凸部9の係合部側張り出し部17を、係合用凹部11の左右の被係合部側張り出し部19,19の間に押し込むこと、及び係合部側張り出し部17を被係合部側張り出し部19,19の間から引き抜くこと(係合離脱動作)を繰り返すと、一対の壁部21,21や底部23に亀裂が入ることがあった。
【0007】
本発明の目的は、係合離脱動作を繰り返しても、係合用凹部の底壁や一対の壁部の基部側に亀裂が入るのを防止できる玩具用組立ユニットを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、係合用凸部の係合部側張り出し部を、係合用凹部の左右の被係合部側張り出し部の間に、その長手方向の端部から容易に押し込める玩具用組立ユニットを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、係合用凹部の一対の側壁の先端間が外側に撓む際に、撓みやすく、しかも底壁の機械的強度を向上できる玩具用組立ユニットを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、係合用凹部の一対の側壁を容易に撓ませることができる玩具用組立ユニットを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、連結機構の係合用凹部の底壁や一対の壁部の基部側に亀裂が入るのを防止できる形態変形玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の玩具用組立ユニットは、第1の部品ユニットと第2の部品ユニットとが、第1の部品ユニット側に設けられた係合部と、第2の部品ユニット側に設けられ且つ係合部が着脱可能に係合する構造を有する被係合部とを備えている。係合部は、係合用凸部及び該係合用凸部と着脱可能に係合する係合用凹部の一方によって構成される。また被係合部は、係合用凸部及び係合用凹部の他方によって構成される。そして係合用凸部は、ベースと、該ベースと一体に設けられて該ベースから離れる方向に延びる板状部と、該板状部の先端に添うようにして該板状部と一体に設けられた係合部側張り出し部とを備えている。係合用凹部は、所定の間隔をあけて配置されて、板状部及び係合部側張り出し部を間に挟み、先端部に係合部側張り出し部の抜け止めを図る被係合部側張り出し部を一体に備えた可撓性を有する一対の側壁と、一対の壁部の基部を連結する底壁とによって囲まれて構成されている。特に、前述の底壁には、一対の側壁にそれぞれ設けられた一対の被係合部側張り出し部間に形成されるギャップに沿って延び且つ該ギャップに向かう方向に底壁を貫通する1以上の貫通孔が形成されている。
【0013】
係合用凹部を形成するための底壁に、このような1以上の貫通孔を設けると、一対の側壁の先端間を外側に撓ませる際に、貫通孔の周囲に残った底壁部分が容易に前述のギャップに向かう方向に凸となるように湾曲して、その幅が狭くなるように撓むことになる。その結果、一対の側壁を従来と比べて撓み易くすることができ、係合用凸部の係合部側張り出し部を、係合用凹部の左右の被係合部側張り出し部の間に押し込む際や、そこから引き抜く際に、係合用凹部の底壁や一対の側壁の基部側に亀裂が入るのを防止できる。よって本発明によれば、係合用凹部の寿命が延び、信頼性を向上させることができる。
【0014】
なお、被係合部側張り出し部のギャップに沿う方向の長さを、一対の側壁のギャップに沿う方向の長さよりも短くして、一対の側壁の先端部のギャップに沿う方向の両端部に、被係合部側張り出し部を存在させないようにすることが好ましい。このようになっていると、一対の側壁の先端部のギャップに沿う方向の両端部の被係合部側張り出し部が存在しない場所に、最初に係合用凸部の係合部側張り出し部の一方の端部が入ると、その後はスムーズに一対の被係合部側張り出し部間に、係合用凸部を挿入することができる。そのため係合用凸部と係合用凹部とが正対し無い位置関係で、係合動作(挿入動作)を行っても支障なく、係合用凸部と係合用凹部とを係合させることができる。
【0015】
また、複数の貫通孔は、ギャップに沿って並んで形成されていることが好ましい。このようになっていると、これら底壁の貫通孔により、係合用凹部の一対の側壁の先端間が外側に撓む際に、撓み易くなる。
【0016】
また、一対の側壁及び底壁は、合成樹脂材料により一体に成形されていることが好ましい。前述の構造を採用すると、合成樹脂材料の可撓性を最大限利用して、係合用凹部を囲む一対の側壁を容易に撓ませることができる。
【0017】
本発明は、複数の部品ユニットが、それぞれ係合部と該係合部に係合する構造を有する被係合部とからなる1以上の連結機構を介して連結されて構成され、複数の部品ユニットの連結組み合わせを変えるか、予め用意した別の部品ユニットを連結機構を利用して複数の部品ユニットの一部と交換するか、予め用意した別の部品ユニットを連結機構を利用して複数の部品ユニットに追加することにより姿を変える形態変形玩具にも当然にして適用できる。
【0018】
本発明に係る形態変形玩具では、係合部が係合用凸部及び該係合用凸部と着脱可能に係合する係合用凹部の一方によって構成され、被係合部が係合用凸部及び係合用凹部の他方によって構成され、係合用凸部が、ベースと、該ベースと一体に設けられて該ベースから離れる方向に延びる板状部と、該板状部の先端に添うようにして該板状部と一体に設けられた係合部側張り出し部とを備え、係合用凹部が、所定の間隔をあけて配置されて、板状部及び係合部側張り出し部を間に挟み、先端部に係合部側張り出し部の抜け止めを図る被係合部側張り出し部を一体に備えた可撓性を有する一対の側壁と、該一対の壁部の基部を連結する底壁とによって囲まれて構成され、係合用凹部を構成する底壁には、一対の側壁にそれぞれ設けられた一対の被係合部側張り出し部間に形成されるギャップに沿って延び且つ該ギャップに向かう方向に底壁を貫通する1以上の貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、係合用凹部を形成するための底壁に、1以上の貫通孔を設けたので、一対の側壁の先端間を外側に撓ませる際に、貫通孔の周囲に残った底壁部分が容易に前述のギャップに向かう方向に凸となるように湾曲して、その幅が狭くなるように撓み、一対の側壁を従来と比べて撓み易くすることができる。その結果、係合用凸部の係合部側張り出し部を、係合用凹部の左右の被係合部側張り出し部の間に押し込む際や、そこから引き抜く際に、係合用凹部の底壁や一対の側壁の基部側に亀裂が入るのを防止できる。よって本発明によれば、係合用凹部の寿命が延び、信頼性を向上させることができる利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1(A)及び(B)乃至図4(A)及び(B)は本発明を実施するための最良の形態の一例を示したもので、図1(A)及び(B)は本例の玩具用組立ユニットで用いる係合部と被係合部との構造を示す斜視図及びこの斜視図を反転した状態を示す斜視図、図2(A),(B),(C),(D),(E)及び(F)は本例で用いている被係合部の正面図、平面図、底面図、左側面図、右側面図、及び図2(B)のA−A線断面図、図3(A),(B),(C)及び(D)は本例で用いる係合部と被係合部との嵌め合わせ過程を示す説明図、図4(A)及び(B)は本例で用いる係合部を被係合部の長手方向の端部から嵌め合わせ過程を示す説明図である。なお、本例では前述した図8に示した先に提案した構成部品と同様の部品には、図8に付した符号の数に100を加えた数の符号を付する。
【0022】
本例では、係合用凸部109が、図示しない第1の部品ユニットに設けられる係合部を構成しており、係合用凹部111が図示しない第2の部品ユニットに設けられる被係合部を構成している。
【0023】
係合用凸部109は、合成樹脂材料により一体に成形されており、図1(A)及び(B)に示すように、板状のベース113と、該ベース113と一体に設けられて該ベース113から離れる方向に直交して板状に延びる板状部115と、該板状部115の先端に添うようにして板状部115と一体に設けられた円柱状の係合部側張り出し部117とを備えて構成されている。
【0024】
係合用凹部111は、図1(A)及び(B)及び図2(A),(B),(C),(D),(E)及び(F)に示すように、可撓性を有する一対の側壁121,121と底壁123とによって囲まれて形成されている。一対の側壁121,121は、所定の間隔のギャップ125をあけて対向配置されている。一対の側壁121,121は、係合用凸部109の板状部115及び係合部側張り出し部117を間に挟む。そして一対の側壁121,121の先端部には、係合部側張り出し部117の抜け止めを図るために、被係合部側張り出し部119が一体に設けられている。また底壁123は、一対の側壁121,121の基部を連結する。前述した所定の間隔のギャップ125は、一対の側壁121,121間に係合部側張り出し部117を収容できる幅を持つように定められている。
【0025】
係合用凹部111を構成する底壁123には、1つの長四角形状の貫通孔129が形成されている。この貫通孔129は、一対の側壁121,121にそれぞれ設けられた一対の被係合部側張り出し部119間に形成されるギャップ127に沿って延びている。そして貫通孔129は、ギャップ127に向かう方向に底壁123を貫通している。
【0026】
被係合部側張り出し部119のギャップ127に沿う方向の長さは、一対の側壁121,121のギャップ125に沿う方向の長さよりも短い。その結果、一対の側壁121,121の先端部のギャップ125に沿う方向の両端部には、被係合部側張り出し部119は存在しておらず、テーパ形の凹部(または平行に延びるスリット)131,131が形成されている。
【0027】
このような構造の一対の側壁121,121及び底壁123は、合成樹脂材料により一体に成形されている。係合用凸部109も、合成樹脂材料により一体に成形されている。これら係合用凸部109と係合用凹部111は、例えば、ポリアセタール(POM)のような合成樹脂材料によって形成されている。
【0028】
このような係合用凸部109と係合用凹部111は、図3(A)及び(B)に示すように、係合用凸部109の係合部側張り出し部117を、係合用凹部111の左右の被係合部側張り出し部119,119の間に押し込む。次に、図3(C)に示すように係合部側張り出し部117が一対の側壁121,121の先端間を外側に撓ませることにより、係合部側張り出し部117をこれら被係合部側張り出し部119,119の間に挿入する。これにより図3(D)に示すように係合用凸部109の板状部115が左右の被係合部側張り出し部119,119に位置する。そして、係合部側張り出し部117が一対の側壁121,121間のギャップ125に収容され、係合部側張り出し部117が左右の被係合部側張り出し部119,119で抜け止めされた状態になる。これによって、係合用凸部109と係合用凹部111の係合が完了する。
【0029】
このような構造の玩具用組立ユニットでは、係合用凹部111を囲む底壁123に、一対の被係合部側張り出し部119,119間に形成されるギャップ127に沿って延び且つ該ギャップ127に向かう方向に底壁123を貫通する1つの貫通孔129を設けているので、一対の側壁121,121の先端間を外側に撓ませる際に、底壁123がギャップ127に向かって凸となるように湾曲する。その結果、一対の側壁121,121は外側に撓み易くなる。このため係合用凸部109の係合部側張り出し部117を、係合用凹部111の左右の被係合部側張り出し部119,119の間に押し込む際に、係合用凹部111の底壁123や一対の壁部121,121の基部側に亀裂が入るのを防止することができる。その結果、係合用凹部111の寿命が延びて、信頼性が向上する。
【0030】
また一対の側壁121,121の先端部のギャップに沿う方向の両端部の被係合部側張り出し部が存在しない場所131,131の一方に、最初に係合用凸部109の係合部側張り出し部117の一方の端部が入り、その後はスムーズに一対の被係合部側張り出し部119,119間に、係合用凸部109を挿入することができる。そのため係合用凸部109と係合用凹部111とが正対し無い位置関係で、係合動作(挿入動作)を行っても支障なく、係合用凸部109と係合用凹部111とを係合させることができる。
【0031】
なお、貫通孔129は、ギャップ127に沿って所定の間隔をあけて並んで複数形成してもよい。このようにすると、底壁123に形成した複数の貫通孔129の数の調整により、底壁123の可撓性を調整することが可能になる。また、底壁123に形成された隣接する貫通孔129間の部分は、幅方向に連結された状態になるため、貫通孔の数を適宜に定めることにより、底壁123の機械的強度も調整が可能である。
【0032】
図5乃至図7は前述した係合用凸部109と係合用凹部111からなる連結機構を形態変形玩具のコアロボット玩具と大型ロボット玩具の連結に用いた具体例を示したものである。図5はコアロボット玩具の正面図、図6(A)及び(B)はコアロボット玩具を組み込んでいない大型ロボット玩具の正面図及びその縦断側面図、図7はコアロボット玩具を組み込んだ大型ロボット玩具の要部構成を示す一部縦断側面図である。
【0033】
本例では、図5に示すコアとなるコアロボット玩具に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品を装着することにより、図6(A)及び(B)に示す大型ロボット玩具を構成する形態変形玩具を示したものである。
【0034】
コアロボット玩具133は、図5に示すように、頭部135と、この頭部135を上部に備えた胴部137と、この胴部137の左右に関節部を介して取り付けられた一対の腕部139と、この胴部139の下部に関節部を介して取り付けられた一対の脚部141とを備えた人形ロボット玩具である。この図では図示しないが、頭部135はその下の首部を支える変位機構により、該頭部135が押し下げられると下降する機能と、該頭部135が後に倒れて胴部137の後に位置する機能とを有するようになっている。胴部137の前面には、発光表示部138が取り付けられている。胴部137内は、空洞になっていて、その上部が開口部となっている。この開口部は、変位機構の構成部品で塞がれるようになっている。開口部内には、頭部135が押し下げられたときオンとなるスイッチと、このスイッチの作動で発光表示部138にバッテリーから給電する給電回路が内蔵されている。頭部135が後に倒れると、変位機構の構成部品も変位して胴部137の上部が開口してスイッチが露出するようになっている。各脚部141は、大腿部141aと脛部141bと足部141cを備え、大腿部141aは関節部141dで胴部5に接続され、大腿部141aと脛部141bとは関節部141eで相互に接続されている。大腿部141aの前面には、前述した係合用凹部111が図示のようにギャップ127が紙面の上下方向に延びるように取り付けられている。各脚部141は、後述するように折り曲げられて胴部137の後に位置するようになっている。
【0035】
大型ロボット玩具は、図6(A)及び(B)及び図7に示すように、コアとなるコアロボット玩具133に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品145,147を装着することにより構成されている。即ち、コアロボット玩具133は、図7に示すようにコンパクトに折り畳まれた状態で、その上部に分割部品145が図示しない雄雌の接続機構で着脱可能に接続され、その下部に分割部品147がコアロボット玩具133の前述した係合用凹部111と該分割部品147内に組み込まれた係合用凸部109とよりなる接続機構で着脱可能に接続されている。
【0036】
分割部品145は、胸部として機能する箱形の組立部品145aと、この組立部品145aの前に取り付けられた箱形の組立部品145bと、組立部品145aの上部に取り付けられて頭部として機能する組立部品145cと、組立部品145aの左右に関節部145dを介して取り付けられて腕部として機能する組立部品145eとから構成されている。折り畳まれた状態のコアロボット玩具133の上部に、箱形の組立部品145aの下部が図示しない雄雌の接続機構を介して着脱可能に接続されている。
【0037】
分割部品147は、腰として機能する箱形の組立部品147aと、この組立部品147aの左右の下部に接続された一対の脚部として機能する一対の組立部品147bとから構成されている。
【0038】
折り畳まれた状態で組み込まれたコアロボット玩具133は、発光表示部138が組立部品145aと組立部品147aの間に露出するか、あるいは組立部品145aに設けられた窓部(図示せず)を介して露出された状態で、大型ロボット玩具143内に組み込まれている。
【0039】
分割部品145は、コアロボット玩具133に対して複数の分割部品145,147を装着して構成した大型ロボット玩具143の状態で、分割部品145の操作部149を操作することにより、コアロボット玩具133のスイッチを操作できるように構成されている。この操作部149を備えた分割部品145の内部には、コアロボット玩具133に対して装着された状態で、スイッチを直接的に操作することを可能にする操作機構151が内蔵されている。複数の組立部品145a,145bの内部には、操作機構151が3つの操作機構部151a,151b,151cに分割されて内蔵されている。操作機構部151aは、組立部品145a内にあって、スイッチのキートップを押圧操作できるように縦向きで上下動できるように構成されている。操作機構部151bは、組立部品145a内にあって、操作機構部151aの先端に直交する向きで水平移動するように構成されている。スライド部材151bが押されでスライドすることおにより、スライド部材151aが押し下げられるように構成されている。操作機構部151cは、組立部品145b内にあって、操作機構部151bの基端に整列させて操作機構部151cを押圧することにより該操作機構部151bを後退移動させるように構成されている。
【0040】
胸部を構成する分割部品145の前面の組立部品145bはライオンの顔の形状に構成されている。
【0041】
この例では、ライオンの顔の大きく開いた口の内部が、コアロボット玩具133に設けた発光表示部138の発光により明るくなることにより、大型ロボット玩具143が発光表示状態となる。
【0042】
なお、前述した係合用凸部109と係合用凹部111の取り付け関係は、逆であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(A)及び(B)は、本発明を実施するための最良の形態の一例の玩具用組立ユニットで用いる係合部と被係合部との構造を示す斜視図及びこの斜視図を反転した状態を示す斜視図である。
【図2】(A),(B),(C),(D),(E)及び(F)は、は本例で用いている被係合部の正面図、平面図、底面図、左側面図、右側面図、及び図2(B)のA−A線断面図である。
【図3】(A),(B),(C)及び(D)は、本例で用いる係合部と被係合部との嵌め合わせ過程を示す説明図である。
【図4】(A)及び(B)は、本例で用いる係合部を被係合部の長手方向の端部から嵌め合わせ過程を示す説明図である。
【図5】コアロボット玩具の正面図である。
【図6】(A)及び(B)は、コアロボット玩具を組み込んでない大型ロボット玩具の正面図及びその縦断面図である。
【図7】コアロボット玩具を組み込んだ大型ロボット玩具の要部構成を示す縦断面図である。
【図8】従来の玩具用組立ユニットの要部構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 第1の部品ユニット
3 係合部
5 第2の部品ユニット
7 被係合部
9,109 係合用凸部
11,111 係合用凸部
13,113 ベース
15,115 板状部
17,117 係合部側張り出し部
19,119 被係合部側張り出し部
21,121 壁部
23,123 底壁
125,127 ギャップ
129 貫通孔
131 凹部
131 コアロボット玩具
135 頭部
137 胴部
141 脚部
143 大型ロボット玩具
145,147 分割部品
149 操作部
151 操作機構
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の部品ユニットと第2の部品ユニットとを、連結機構を介して連結する玩具用組立ユニット及びこれを用いた形態変形玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
出願人は、この種の玩具用組立ユニットとこのユニットを用いた形態変形玩具として、特願2003−423874を提案している。この特願2003−423874に提案した玩具用組立ユニット及び形態変形玩具で採用されている連結機構の構造は、玩具の分野では、この出願よりも前には提案されていない。
この玩具用組立ユニットは、図8に示すように、第1の部品ユニット1側の2箇所に設けられた係合部3と、一対の第2の部品ユニット5側に設けられ且つ係合部3が着脱可能に係合する構造を有する被係合部7とを備えている。
【0003】
係合部3は、係合用凸部9及び該係合用凸部9と着脱可能に係合する係合用凹部11の一方により構成されている。また被係合部7は、係合用凸部9及び係合用凹部11の他方によって構成されている。図8においては、係合部3は係合用凸部9によって構成され、被係合部7は係合用凹部11によって構成されている。
【0004】
係合用凸部9は、板状のベース13と、該ベース13と一体に設けられて該ベース13から離れる方向に直交して板状に延びる板状部15と、該板状部15の先端に添うようにして板状部15と一体に設けられた円柱状の係合部側張り出し部17とを備えて構成されている。また係合用凹部11は、所定の間隔をあけて配置されて、板状部15及び係合部側張り出し部17を間に挟み、先端部に係合部側張り出し部17の抜け止めを図る円柱状の被係合部側張り出し部19を一体に備えた可撓性を有する一対の側壁21,21と、これら一対の側壁21,21の基部を連結する底壁23とによって囲まれて構成されている。
【0005】
これら係合用凸部9と係合用凹部11は、合成樹脂材料によって形成されている。係合用凸部9と係合用凹部11とを係合する際には、係合用凸部9の係合部側張り出し部17を、係合用凹部11の左右の被係合部側張り出し部19,19の間に押し込む。そして一対の側壁21,21の先端間を係合部側張り出し部17で外側に撓ませることにより、係合部側張り出し部17をこれら被係合部側張り出し部19,19の間に挿入する。これにより係合用凸部9の板状部15が左右の被係合部側張り出し部19,19で挟持され、係合部側張り出し部17が左右の被係合部側張り出し部19,19で抜け止めされて、連結された状態になる。
【特許文献1】特願2003−423874
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の構造の係合用凹部11では、係合用凸部9の係合部側張り出し部17を、係合用凹部11の左右の被係合部側張り出し部19,19の間に押し込むこと、及び係合部側張り出し部17を被係合部側張り出し部19,19の間から引き抜くこと(係合離脱動作)を繰り返すと、一対の側壁21,21や底23に亀裂が入ることがあった。
【0007】
本発明の目的は、係合離脱動作を繰り返しても、係合用凹部の底壁や一対の側壁の基部側に亀裂が入るのを防止できる玩具用組立ユニットを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、係合用凸部の係合部側張り出し部を、係合用凹部の左右の被係合部側張り出し部の間に、その長手方向の端部から容易に押し込める玩具用組立ユニットを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、係合用凹部の一対の側壁の先端間が外側に撓む際に、撓みやすく、しかも底壁の機械的強度を向上できる玩具用組立ユニットを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、係合用凹部の一対の側壁を容易に撓ませることができる玩具用組立ユニットを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、連結機構の係合用凹部の底壁や一対の側壁の基部側に亀裂が入るのを防止できる形態変形玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の玩具用組立ユニットは、第1の部品ユニットと第2の部品ユニットとが、第1の部品ユニット側に設けられた係合部と、第2の部品ユニット側に設けられ且つ係合部が着脱可能に係合する構造を有する被係合部とを備えている。係合部は、係合用凸部及び該係合用凸部と着脱可能に係合する係合用凹部の一方によって構成される。また被係合部は、係合用凸部及び係合用凹部の他方によって構成される。そして係合用凸部は、ベースと、該ベースと一体に設けられて該ベースから離れる方向に延びる板状部と、該板状部の先端に添うようにして該板状部と一体に設けられた係合部側張り出し部とを備えている。係合用凹部は、所定の間隔をあけて配置されて、板状部及び係合部側張り出し部を間に挟み、先端部に係合部側張り出し部の抜け止めを図る被係合部側張り出し部を一体に備えた可撓性を有する一対の側壁と、一対の側壁の基部を連結する底壁とによって囲まれて構成されている。特に、前述の底壁には、一対の側壁にそれぞれ設けられた一対の被係合部側張り出し部間に形成されるギャップに沿って延び且つ該ギャップに向かう方向に底壁を貫通する1以上の貫通孔が形成されている。
【0013】
係合用凹部を形成するための底壁に、このような1以上の貫通孔を設けると、一対の側壁の先端間を外側に撓ませる際に、貫通孔の周囲に残った底壁部分が容易に前述のギャップに向かう方向に凸となるように湾曲して、その幅が狭くなるように撓むことになる。その結果、一対の側壁を従来と比べて撓み易くすることができ、係合用凸部の係合部側張り出し部を、係合用凹部の左右の被係合部側張り出し部の間に押し込む際や、そこから引き抜く際に、係合用凹部の底壁や一対の側壁の基部側に亀裂が入るのを防止できる。よって本発明によれば、係合用凹部の寿命が延び、信頼性を向上させることができる。
【0014】
なお、被係合部側張り出し部のギャップに沿う方向の長さを、一対の側壁のギャップに沿う方向の長さよりも短くして、一対の側壁の先端部のギャップに沿う方向の両端部に、被係合部側張り出し部を存在させないようにすることが好ましい。このようになっていると、一対の側壁の先端部のギャップに沿う方向の両端部の被係合部側張り出し部が存在しない場所に、最初に係合用凸部の係合部側張り出し部の一方の端部が入ると、その後はスムーズに一対の被係合部側張り出し部間に、係合用凸部を挿入することができる。そのため係合用凸部と係合用凹部とが正対し無い位置関係で、係合動作(挿入動作)を行っても支障なく、係合用凸部と係合用凹部とを係合させることができる。
【0015】
また、複数の貫通孔は、ギャップに沿って並んで形成されていることが好ましい。このようになっていると、これら底壁の貫通孔により、係合用凹部の一対の側壁の先端間が外側に撓む際に、撓み易くなる。
【0016】
また、一対の側壁及び底壁は、合成樹脂材料により一体に成形されていることが好ましい。前述の構造を採用すると、合成樹脂材料の可撓性を最大限利用して、係合用凹部を囲む一対の側壁を容易に撓ませることができる。
【0017】
本発明は、複数の部品ユニットが、それぞれ係合部と該係合部に係合する構造を有する被係合部とからなる1以上の連結機構を介して連結されて構成され、複数の部品ユニットの連結組み合わせを変えるか、予め用意した別の部品ユニットを連結機構を利用して複数の部品ユニットの一部と交換するか、予め用意した別の部品ユニットを連結機構を利用して複数の部品ユニットに追加することにより姿を変える形態変形玩具にも当然にして適用できる。
【0018】
本発明に係る形態変形玩具では、係合部が係合用凸部及び該係合用凸部と着脱可能に係合する係合用凹部の一方によって構成され、被係合部が係合用凸部及び係合用凹部の他方によって構成され、係合用凸部が、ベースと、該ベースと一体に設けられて該ベースから離れる方向に延びる板状部と、該板状部の先端に添うようにして該板状部と一体に設けられた係合部側張り出し部とを備え、係合用凹部が、所定の間隔をあけて配置されて、板状部及び係合部側張り出し部を間に挟み、先端部に係合部側張り出し部の抜け止めを図る被係合部側張り出し部を一体に備えた可撓性を有する一対の側壁と、該一対の側壁の基部を連結する底壁とによって囲まれて構成され、係合用凹部を構成する底壁には、一対の側壁にそれぞれ設けられた一対の被係合部側張り出し部間に形成されるギャップに沿って延び且つ該ギャップに向かう方向に底壁を貫通する1以上の貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、係合用凹部を形成するための底壁に、1以上の貫通孔を設けたので、一対の側壁の先端間を外側に撓ませる際に、貫通孔の周囲に残った底壁部分が容易に前述のギャップに向かう方向に凸となるように湾曲して、その幅が狭くなるように撓み、一対の側壁を従来と比べて撓み易くすることができる。その結果、係合用凸部の係合部側張り出し部を、係合用凹部の左右の被係合部側張り出し部の間に押し込む際や、そこから引き抜く際に、係合用凹部の底壁や一対の側壁の基部側に亀裂が入るのを防止できる。よって本発明によれば、係合用凹部の寿命が延び、信頼性を向上させることができる利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1(A)及び(B)乃至図4(A)及び(B)は本発明を実施するための最良の形態の一例を示したもので、図1(A)及び(B)は本例の玩具用組立ユニットで用いる係合部と被係合部との構造を示す斜視図及びこの斜視図を反転した状態を示す斜視図、図2(A),(B),(C),(D),(E)及び(F)は本例で用いている被係合部の正面図、平面図、底面図、左側面図、右側面図、及び図2(B)のA−A線断面図、図3(A),(B),(C)及び(D)は本例で用いる係合部と被係合部との嵌め合わせ過程を示す説明図、図4(A)及び(B)は本例で用いる係合部を被係合部の長手方向の端部から嵌め合わせ過程を示す説明図である。なお、本例では前述した図8に示した先に提案した構成部品と同様の部品には、図8に付した符号の数に100を加えた数の符号を付する。
【0022】
本例では、係合用凸部109が、図示しない第1の部品ユニットに設けられる係合部を構成しており、係合用凹部111が図示しない第2の部品ユニットに設けられる被係合部を構成している。
【0023】
係合用凸部109は、合成樹脂材料により一体に成形されており、図1(A)及び(B)に示すように、板状のベース113と、該ベース113と一体に設けられて該ベース113から離れる方向に直交して板状に延びる板状部115と、該板状部115の先端に添うようにして板状部115と一体に設けられた円柱状の係合部側張り出し部117とを備えて構成されている。
【0024】
係合用凹部111は、図1(A)及び(B)及び図2(A),(B),(C),(D),(E)及び(F)に示すように、可撓性を有する一対の側壁121,121と底壁123とによって囲まれて形成されている。一対の側壁121,121は、所定の間隔のギャップ125をあけて対向配置されている。一対の側壁121,121は、係合用凸部109の板状部115及び係合部側張り出し部117を間に挟む。そして一対の側壁121,121の先端部には、係合部側張り出し部117の抜け止めを図るために、被係合部側張り出し部119が一体に設けられている。また底壁123は、一対の側壁121,121の基部を連結する。前述した所定の間隔のギャップ125は、一対の側壁121,121間に係合部側張り出し部117を収容できる幅を持つように定められている。
【0025】
係合用凹部111を構成する底壁123には、1つの長方形形状の貫通孔129が形成されている。この貫通孔129は、一対の側壁121,121にそれぞれ設けられた一対の被係合部側張り出し部119間に形成されるギャップ127に沿って延びている。そして貫通孔129は、ギャップ127に向かう方向に底壁123を貫通している。
【0026】
被係合部側張り出し部119のギャップ127に沿う方向の長さは、一対の側壁121,121のギャップ125に沿う方向の長さよりも短い。その結果、一対の側壁121,121の先端部のギャップ125に沿う方向の両端部には、被係合部側張り出し部119は存在しておらず、被係合部側張り出し部が存在しない場所(スリット)131,131が形成されている。
【0027】
このような構造の一対の側壁121,121及び底壁123は、合成樹脂材料により一体に成形されている。係合用凸部109も、合成樹脂材料により一体に成形されている。これら係合用凸部109と係合用凹部111は、例えば、ポリアセタール(POM)のような合成樹脂材料によって形成されている。
【0028】
このような係合用凸部109と係合用凹部111は、図3(A)及び(B)に示すように、係合用凸部109の係合部側張り出し部117を、係合用凹部111の左右の被係合部側張り出し部119,119の間に押し込む。次に、図3(C)に示すように係合部側張り出し部117が一対の側壁121,121の先端間を外側に撓ませることにより、係合部側張り出し部117をこれら被係合部側張り出し部119,119の間に挿入する。これにより図3(D)に示すように係合用凸部109の板状部115が左右の被係合部側張り出し部119,119に位置する。そして、係合部側張り出し部117が一対の側壁121,121間のギャップ125に収容され、係合部側張り出し部117が左右の被係合部側張り出し部119,119で抜け止めされた状態になる。これによって、係合用凸部109と係合用凹部111の係合が完了する。
【0029】
このような構造の玩具用組立ユニットでは、係合用凹部111を囲む底壁123に、一対の被係合部側張り出し部119,119間に形成されるギャップ127に沿って延び且つ該ギャップ127に向かう方向に底壁123を貫通する1つの貫通孔129を設けているので、一対の側壁121,121の先端間を外側に撓ませる際に、底壁123がギャップ127に向かって凸となるように湾曲する。その結果、一対の側壁121,121は外側に撓み易くなる。このため係合用凸部109の係合部側張り出し部117を、係合用凹部111の左右の被係合部側張り出し部119,119の間に押し込む際に、係合用凹部111の底壁123や一対の側壁121,121の基部側に亀裂が入るのを防止することができる。その結果、係合用凹部111の寿命が延びて、信頼性が向上する。
【0030】
また一対の側壁121,121の先端部のギャップ125に沿う方向の両端部の被係合部側張り出し部が存在しない場所131,131の一方に、最初に係合用凸部109の係合部側張り出し部117の一方の端部が入り、その後はスムーズに一対の被係合部側張り出し部119,119間に、係合用凸部109を挿入することができる。そのため係合用凸部109と係合用凹部111とが正対しい位置関係で、係合動作(挿入動作)を行っても支障なく、係合用凸部109と係合用凹部111とを係合させることができる。
【0031】
なお、貫通孔129は、ギャップ127に沿って所定の間隔をあけて並んで複数形成してもよい。このようにすると、底壁123に形成した複数の貫通孔129の数の調整により、底壁123の可撓性を調整することが可能になる。また、底壁123に形成された隣接する貫通孔129間の部分は、幅方向に連結された状態になるため、貫通孔の数を適宜に定めることにより、底壁123の機械的強度も調整が可能である。
【0032】
図5乃至図7は前述した係合用凸部109と係合用凹部111からなる連結機構を形態変形玩具のコアロボット玩具と大型ロボット玩具の連結に用いた具体例を示したものである。図5はコアロボット玩具の正面図、図6(A)及び(B)はコアロボット玩具を組み込んでいない大型ロボット玩具の正面図及びB−B線縦断側面図、図7はコアロボット玩具を組み込んだ大型ロボット玩具の要部構成を示す一部縦断側面図である。
【0033】
本例では、図5に示すコアとなるコアロボット玩具に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品を装着することにより、図6(A)及び(B)に示す大型ロボット玩具を構成する形態変形玩具を示したものである。
【0034】
コアロボット玩具133は、図5に示すように、頭部135と、この頭部135を上部に備えた胴部137と、この胴部137の左右に関節部を介して取り付けられた一対の腕部139と、この部139の下部に関節部を介して取り付けられた一対の脚部141とを備えた人形ロボット玩具である。この図では図示しないが、頭部135はその下の首部を支える変位機構により、該頭部135が押し下げられると下降する機能と、該頭部135が後に倒れて胴部137の後に位置する機能とを有するようになっている。胴部137の前面には、発光表示部138が取り付けられている。胴部137内は、空洞になっていて、その上部が開口部となっている。この開口部は、変位機構の構成部品で塞がれるようになっている。開口部内には、頭部135が押し下げられたときオンとなるスイッチと、このスイッチの作動で発光表示部138にバッテリーから給電する給電回路が内蔵されている。頭部135が後に倒れると、変位機構の構成部品も変位して胴部137の上部が開口してスイッチが露出するようになっている。各脚部141は、大腿部141aと脛部141bと足部141cを備え、大腿部141aは関節部141dで胴部137に接続され、大腿部141aと脛部141bとは関節部141eで相互に接続されている。大腿部141aの前面には、前述した係合用凹部111が図示のようにギャップ127が紙面の上下方向に延びるように取り付けられている。各脚部141は、後述するように折り曲げられて胴部137の後に位置するようになっている。
【0035】
大型ロボット玩具143は、図6(A)及び(B)及び図7に示すように、コアとなるコアロボット玩具133に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品145,147を装着することにより構成されている。即ち、コアロボット玩具133は、図7に示すようにコンパクトに折り畳まれた状態で、その上部に分割部品145が図示しない雄雌の接続機構で着脱可能に接続され、その下部に分割部品147がコアロボット玩具133の前述した係合用凹部111と該分割部品147内に組み込まれた係合用凸部109とよりなる接続機構で着脱可能に接続されている。
【0036】
分割部品145は、胸部として機能する箱形の組立部品145aと、この組立部品145aの前に取り付けられた箱形の組立部品145bと、組立部品145aの上部に取り付けられて頭部として機能する組立部品145cと、組立部品145aの左右に関節部145dを介して取り付けられて腕部として機能する組立部品145eとから構成されている。折り畳まれた状態のコアロボット玩具133の上部に、箱形の組立部品145aの下部が図示しない雄雌の接続機構を介して着脱可能に接続されている。
【0037】
分割部品147は、腰として機能する箱形の組立部品147aと、この組立部品147aの左右の下部に接続された一対の脚部として機能する一対の組立部品147bとから構成されている。
【0038】
折り畳まれた状態で組み込まれたコアロボット玩具133は、発光表示部138が組立部品145aと組立部品147aの間に露出するか、あるいは組立部品145aに設けられた窓部(図示せず)を介して露出された状態で、大型ロボット玩具143内に組み込まれている。
【0039】
分割部品145は、コアロボット玩具133に対して複数の分割部品145,147を装着して構成した大型ロボット玩具143の状態で、分割部品145の操作部149を操作することにより、コアロボット玩具133のスイッチを操作できるように構成されている。この操作部149を備えた分割部品145の内部には、コアロボット玩具133に対して装着された状態で、スイッチを直接的に操作することを可能にする操作機構151が内蔵されている。複数の組立部品145a,145bの内部には、操作機構151が3つの操作機構部151a,151b,151cに分割されて内蔵されている。操作機構部151aは、組立部品145a内にあって、スイッチのキートップを押圧操作できるように縦向きで上下動できるように構成されている。操作機構部151bは、組立部品145a内にあって、操作機構部151aの先端に直交する向きで水平移動するように構成されている。操作機構部151bが押されスライドすることにより、操作機構部151aが押し下げられるように構成されている。操作機構部151cは、組立部品145b内にあって、操作機構部151bの基端に整列させて操作機構部151cを押圧することにより該操作機構部151bを後退移動させるように構成されている。
【0040】
胸部を構成する分割部品145の前面の組立部品145bはライオンの顔の形状に構成されている。
【0041】
この例では、ライオンの顔の大きく開いた口の内部が、コアロボット玩具133に設けた発光表示部138の発光により明るくなることにより、大型ロボット玩具143が発光表示状態となる。
【0042】
なお、前述した係合用凸部109と係合用凹部111の取り付け関係は、逆であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(A)及び(B)は、本発明を実施するための最良の形態の一例の玩具用組立ユニットで用いる係合部と被係合部との構造を示す斜視図及びこの斜視図を反転した状態を示す斜視図である。
【図2】(A),(B),(C),(D),(E)及び(F)は、は本例で用いている被係合部の正面図、平面図、底面図、左側面図、右側面図、及び図2(B)のA−A線断面図である。
【図3】(A),(B),(C)及び(D)は、本例で用いる係合部と被係合部との嵌め合わせ過程を示す説明図である。
【図4】(A)及び(B)は、本例で用いる係合部を被係合部の長手方向の端部から嵌め合わせ過程を示す説明図である。
【図5】コアロボット玩具の正面図である。
【図6】(A)及び(B)は、コアロボット玩具を組み込んでない大型ロボット玩具の正面図及びそのB−B線断面図である。
【図7】コアロボット玩具を組み込んだ大型ロボット玩具の要部構成を示す縦断面図である。
【図8】従来の玩具用組立ユニットの要部構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 第1の部品ユニット
3 係合部
5 第2の部品ユニット
7 被係合部
9,109 係合用凸部
11,111 係合用凸部
13,113 ベース
15,115 板状部
17,117 係合部側張り出し部
19,119 被係合部側張り出し部
21,121 壁部
23,123 底壁
125,127 ギャップ
129 貫通孔
131 凹部
131 コアロボット玩具
135 頭部
137 胴部
141 脚部
143 大型ロボット玩具
145,147 分割部品
149 操作部
151 操作機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部品ユニットと第2の部品ユニットとが、前記第1の部品ユニット側に設けられた係合部と、前記第2の部品ユニット側に設けられ且つ前記係合部が着脱可能に係合する構造を有する被係合部とを備え、
前記係合部が係合用凸部及び該係合用凸部と着脱可能に係合する係合用凹部の一方によって構成され、前記被係合部が前記係合用凸部及び前記係合用凹部の他方によって構成され、
前記係合用凸部が、ベースと、前記ベースと一体に設けられて前記ベースから離れる方向に延びる板状部と、前記板状部の先端に添うようにして前記板状部と一体に設けられた係合部側張り出し部とを備え、
前記係合用凹部が、所定の間隔をあけて配置されて、前記板状部及び前記係合部側張り出し部を間に挟み、先端部に前記係合部側張り出し部の抜け止めを図る被係合部側張り出し部を一体に備えた可撓性を有する一対の側壁と、前記一対の壁部の基部を連結する底壁とによって囲まれて構成されている玩具用組立ユニットであって、
前記底壁には、前記一対の側壁にそれぞれ設けられた一対の前記被係合部側張り出し部間に形成されるギャップに沿って延び且つ前記ギャップに向かう方向に前記底壁を貫通する1以上の貫通孔が形成されていることを特徴とする玩具用組立ユニット。
【請求項2】
前記被係合部側張り出し部の前記ギャップに沿う方向の長さは、前記一対の側壁の前記ギャップに沿う方向の長さよりも短く、前記一対の側壁の先端部の前記ギャップに沿う方向の両端部には、前記被係合部側張り出し部が存在しないことを特徴とする請求項1に記載の玩具用組立ユニット。
【請求項3】
複数の前記貫通孔が、前記ギャップに沿って並んで形成されている請求項1に記載の玩具用組立ユニット。
【請求項4】
前記一対の側壁及び前記底壁は、合成樹脂材料により一体に成形されている請求項1または2に記載の玩具用組立ユニット。
【請求項5】
複数の部品ユニットが、それぞれ係合部と前記係合部に係合する構造を有する被係合部とからなる1以上の連結機構を介して連結されて構成され、前記複数の部品ユニットの連結組み合わせを変えるか、予め用意した別の部品ユニットを前記連結機構を利用して前記複数の部品ユニットの一部と交換するか、予め用意した別の部品ユニットを前記連結機構を利用して前記複数の部品ユニットに追加することにより姿を変える形態変形玩具であって、
前記係合部が係合用凸部及び該係合用凸部と着脱可能に係合する係合用凹部の一方によって構成され、前記被係合部が前記係合用凸部及び前記係合用凹部の他方によって構成され、
前記係合用凸部が、ベースと、前記ベースと一体に設けられて前記ベースから離れる方向に延びる板状部と、前記板状部の先端に添うようにして前記板状部と一体に設けられた係合部側張り出し部とを備え、
前記係合用凹部が、所定の間隔をあけて配置されて、前記板状部及び前記係合部側張り出し部を間に挟み、先端部に前記係合部側張り出し部の抜け止めを図る被係合部側張り出し部を一体に備えた可撓性を有する一対の側壁と、前記一対の壁部の基部を連結する底壁とによって囲まれて構成され、
前記係合用凹部を構成する底壁には、前記一対の側壁にそれぞれ設けられた一対の前記被係合部側張り出し部間に形成されるギャップに沿って延び且つ前記ギャップに向かう方向に前記底壁を貫通する1以上の貫通孔が形成されていることを特徴とする形態変形玩具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部品ユニットと第2の部品ユニットとが、前記第1の部品ユニット側に設けられた係合部と、前記第2の部品ユニット側に設けられ且つ前記係合部が着脱可能に係合する構造を有する被係合部とを備え、
前記係合部が係合用凸部及び該係合用凸部と着脱可能に係合する係合用凹部の一方によって構成され、前記被係合部が前記係合用凸部及び前記係合用凹部の他方によって構成され、
前記係合用凸部が、ベースと、前記ベースと一体に設けられて前記ベースから離れる方向に延びる板状部と、前記板状部の先端に添うようにして前記板状部と一体に設けられた係合部側張り出し部とを備え、
前記係合用凹部が、所定の間隔をあけて配置されて、前記板状部及び前記係合部側張り出し部を間に挟み、先端部に前記係合部側張り出し部の抜け止めを図る被係合部側張り出し部を一体に備えた可撓性を有する一対の側壁と、前記一対の側壁の基部を連結する底壁とによって囲まれて構成されている玩具用組立ユニットであって、
前記底壁には、前記一対の側壁にそれぞれ設けられた一対の前記被係合部側張り出し部間に形成されるギャップに沿って延び且つ前記ギャップに向かう方向に前記底壁を貫通する1以上の貫通孔が形成されていることを特徴とする玩具用組立ユニット。
【請求項2】
前記被係合部側張り出し部の前記ギャップに沿う方向の長さは、前記一対の側壁の前記ギャップに沿う方向の長さよりも短く、前記一対の側壁の先端部の前記ギャップに沿う方向の両端部には、前記被係合部側張り出し部が存在しないことを特徴とする請求項1に記載の玩具用組立ユニット。
【請求項3】
複数の前記貫通孔が、前記ギャップに沿って並んで形成されている請求項1に記載の玩具用組立ユニット。
【請求項4】
前記一対の側壁及び前記底壁は、合成樹脂材料により一体に成形されている請求項1または2に記載の玩具用組立ユニット。
【請求項5】
複数の部品ユニットが、それぞれ係合部と前記係合部に係合する構造を有する被係合部とからなる1以上の連結機構を介して連結されて構成され、前記複数の部品ユニットの連結組み合わせを変えるか、予め用意した別の部品ユニットを前記連結機構を利用して前記複数の部品ユニットの一部と交換するか、予め用意した別の部品ユニットを前記連結機構を利用して前記複数の部品ユニットに追加することにより姿を変える形態変形玩具であって、
前記係合部が係合用凸部及び該係合用凸部と着脱可能に係合する係合用凹部の一方によって構成され、前記被係合部が前記係合用凸部及び前記係合用凹部の他方によって構成され、
前記係合用凸部が、ベースと、前記ベースと一体に設けられて前記ベースから離れる方向に延びる板状部と、前記板状部の先端に添うようにして前記板状部と一体に設けられた係合部側張り出し部とを備え、
前記係合用凹部が、所定の間隔をあけて配置されて、前記板状部及び前記係合部側張り出し部を間に挟み、先端部に前記係合部側張り出し部の抜け止めを図る被係合部側張り出し部を一体に備えた可撓性を有する一対の側壁と、前記一対の側壁の基部を連結する底壁とによって囲まれて構成され、
前記係合用凹部を構成する底壁には、前記一対の側壁にそれぞれ設けられた一対の前記被係合部側張り出し部間に形成されるギャップに沿って延び且つ前記ギャップに向かう方向に前記底壁を貫通する1以上の貫通孔が形成されていることを特徴とする形態変形玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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