説明

玩具

【課題】
台座の台板上に載置した磁着体(移動体)を、いろいろな動きの変化ができるようにする玩具を提供する。
【解決手段】
中央付近に上下に貫通する孔11を有すると共に少なくとも上面が平坦に形成された上部に配置される台板1aと、台板1aの孔11を貫通すると共にその先端が台板1aの上側に僅かに突出した状態で垂直に配置される磁性体からなる回転軸Kと、回転軸Kを回転させる回転駆動機構6,7,8とを備えた台座1と、少なくとも下側が台板1a上面に沿うと共に外周又は内周が連続するように形成され、更に台板1a上面に載置されると共に台板1aの上側に突出している回転軸Kの先端側面に外周又は内周が直接接触して磁着される磁着体Mとから構成する。回転駆動機構6,7,8を駆動して回転軸Kを回転させることで、磁着体Mをその形状に沿って連続的に送り出し、台板1上で磁着体M、その上部に取り付けた移動体Sを連続して移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台座内に備えた磁石などの磁性体を動かすことにより、台板上面に載置した磁着体を移動させて、動きの変化を楽しむ玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の玩具としては、台座内に磁石を移動可能に設けると共にこの台座の台板上に磁着体を備えた移動体を載置し、台板を介して磁石に磁着体を磁着させた状態で、台座内の磁石を台板の下面に沿って移動させることにより、台板上の移動体を移動させてその動きを楽しむようにしている。また、移動体を歩行玩具とした場合に、より動きの変化をつけるようにするため、台座内の磁石を上下動させながら周回移動させて、より人間の動きに似せた歩行をさせることのできる歩行玩具に関するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3063128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の玩具にあっては、台座の台板を介した状態で、台座内の磁石と台板上の移動体に備えた磁着体とを非接触で磁着させていることから、磁石の作用を効率よく磁着体に伝えることができないため、移動体の動きの変化を複雑にするには限界があり、どうしても単調な動きにならざるを得ないと共にスピード感にも乏しく、面白さに欠け、飽き易いものであった。また、このような玩具にあっては、基本的に移動体の動きの変化は1パターンであることから、移動体の形状は変えることはできるとしても、動きの変化は変えることができないことから、やはり、面白さに欠け、飽き易いものであった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、台座の台板上に載置した磁着体(移動体)を、いろいろな動きの変化ができるようにしてする玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明の玩具にあっては、中央付近に上下に貫通する孔を有すると共に少なくとも上面が平坦に形成された上部に配置される台板と、台板の孔を貫通すると共にその先端が台板の上側に僅かに突出した状態で垂直に配置される磁性体からなる回転軸と、回転軸を回転させる回転駆動機構とを備えた台座と、少なくとも下側が台板上面に沿うと共に外周又は内周が連続するように形成され、更に台板上面に載置されると共に台板の上側に突出している回転軸の先端側面に外周又は内周が直接接触して磁着される磁着体と、から構成し、回転駆動機構を駆動して回転軸を回転させることで、磁着体をその形状に沿って送り出し、台板上で磁着体を連続して移動させることを特徴とする。
【0007】
また、磁着体は、板状体又は線状体からなる任意の形状であることを特徴とする。
【0008】
また、磁着体の上部に、任意の形態の移動体を取り付けたことを特徴とする。
【0009】
また、磁着体の外周又は内周のコーナーに、アールを形成したことを特徴とする。
【0010】
また、磁着体を交換自在とすることを特徴とする。
【0011】
また、回転軸は、鉄製で構成され、台座内部で磁石を取り付け固定することで磁化し磁性体とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の玩具にあっては、回転駆動機構を駆動して磁性体からなる回転軸を回転させることで、連続するように形成された外周又は内周が直接接触して磁着される磁着体をその形状に沿って連続的に送り出し、台板上で磁着体を連続して移動させるようにしたことで、磁着体の形状に沿った動きの変化が連続して得ることができる。したがって、磁着体の形状のみにより、シンプルな直線的な往復の動き、くねくね的な動き、回転的な動きなどどのような動きの変化も、シンプルな構造でありながら連続して得ることができる。磁着体は、磁性体からなる回転軸に外周又は内周を直接接触して磁着していることから、磁石の作用を効率的に伝えることができ、したがって複雑な動きもスピード感のある動きも容易に得ることができる。
【0013】
また、磁着体の上部に、任意の形態の移動体として、例えば自動車や人形などのおもちゃなどを取り付けることで、更に楽しむことができる。また、磁着体の形状による動きの変化に対応する移動体を上部に取り付けることで、例えばくねくね状の形状をした磁着体の上部に、ヘビの形状をしたおもちゃの移動体を取り付けることで、おもちゃのヘビがリアルな動きをするため、面白みが増し、飽きがこない。
【0014】
また、磁着体の外周又は内周のコーナーにアールを形成したことで、磁着体の進む方向を急激に変化させるために急な角度の箇所を送り出すような場合でも、回転軸の空回りを最小限に抑えて、スムーズに磁着体の進む方向を変化させることができる。
【0015】
また、磁着体は、磁性体からなる回転軸に直接接触して磁着するようにしているだけで固定はされていないので、簡単に交換することができる。即ち、いろいろな形状の磁着体を複数個用意しておくことで、遊ぶ人の趣味に応じて、容易に交換して楽しむことができる。また、後で追加することも可能である。
【0016】
また、回転軸を鉄製で構成し、台座内部で磁石を取り付け固定するといった簡単な構成で、回転軸を磁化し磁性体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の玩具の一部を破断した斜視図である。
【図2】磁着体、移動体、回転軸を取り出して示す斜視図である。
【図3】磁着体、移動体、回転軸を取り出して示す断面図である。
【図4】磁着体、移動体、回転軸の位置関係、移動方向、移動状態を表す説明図である。
【図5】各種形状の磁着体の平面図であり、回転軸の位置と磁着体の移動方向を表す。
【図6】磁着体、回転軸を取り出して示す他の実施形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る玩具を説明する。
【0019】
図1〜図3に示すように、本発明の玩具は、台座1と、台座1の台板1a上に載置され移動する磁着体M(移動体S)とから構成される。
【0020】
台座1は、中央付近に上下に貫通する孔11を有すると共に少なくとも上面が平坦に形成された上部に配置される台板1aと、台板1aの孔11を貫通すると共にその先端が台板1aの上側に僅かに突出した状態で垂直に配置される磁性体からなる回転軸Kと、回転軸Kを回転させる回転駆動機構とを備えて構成される。
【0021】
回転駆動機構は、台板1aの孔11を貫通する磁性体からなる回転軸Kを回転駆動させるもので、回転軸Kを中心に固定したプーリー6と、プーリー6に掛け渡されたベルト7と、ベルト7を介してプーリー6を回転駆動するモーター8とを備えている。2は、回転軸Kを台座1内で垂直に配置すると共に回転可能に支持する支持部材である。電源スイッチ10のオン操作により、電池ケース9に内蔵した電池からの電源供給を受けてモーター8は回転駆動し、このモーター8の回転駆動はベルト7、プーリー6を介して伝わり、回転軸Kは回転することになる。なお、モーター8は、商用交流電源の供給を受けて回転駆動するようにしても良い。
【0022】
回転軸Kは、鉄製であり、台座1内部で磁石3を磁石取付部材4で固定することで磁化され磁性体を構成する。回転軸Kは磁性体を構成すれば良いことから、例えば、回転軸K自体が磁石であっても良い。また、磁石3は磁石取付部材4により取付け、取外しが自在にできることから、例えば、磁力の異なる磁石3に交換可能である。
【0023】
台座1上部の台板1aは、少なくとも上面が平坦であると共に磁力の影響を受けない素材、例えば、木材、プラスチック、紙、繊維などで形成される。なお、台板1aの上面は滑り難い素材が好ましい。滑り易いと回転軸Kが回転した際、磁着している磁着体Mがその場で回転してしまうだけになる可能性があるからである。
【0024】
磁着体Mは、板状体又は線状体の任意の形状からなり、少なくとも下側が平坦な台板1a上面に沿うと共に外周又は内周が連続するように形成される。また、鉄など磁着する材料で形成される。
【0025】
使用する場合は、磁着体Mを、図1、図3に示すように台板1a上面に載置すると共に台板1aの上側に突出している回転軸Kの先端側面に外周又は内周を直接に接触させる。このことで、その磁力により磁着体Mは回転軸Kに磁着することになる。磁着体Mの外周又は内周が回転軸Kを磁着している状態で、回転駆動機構を駆動して回転軸Kを回転させることで、磁着体Mは台板1a上面でその形状に沿って送り出される。磁着体Mの外周又は内周は連続するように形成されているため、回転軸Kが回転している間は、磁着体Mは台板1a上で、その形状に沿って連続して送り出され移動することになる。
【0026】
磁着体Mの外周又は内周のコーナーには、アールを形成することが好ましい。コーナーが直角や鋭角など急な角度だと、磁着力が弱かったり、回転軸Kの回転速度が速い場合には、磁着体Mのコーナーを送り出す際にうまく送り出せず、空回りすることになり、最悪、回転軸Kとの磁着が解除され外れてしまうことになるからである。磁着体Mの外周又は内周のコーナーに、アールを形成し、カーブを緩くしておくことで、磁着体Mの進む方向を急激に変化させるために急な角度の箇所を送り出すような場合でも、回転軸Kの空回りを最小限に抑えて、スムーズに磁着体Mの進む方向を変化させることができる。
【0027】
また、磁着体Mは、磁性体からなる回転軸Kに直接接触して磁着するようにしているだけで固定はされていないので、簡単に交換することができる。即ち、例えば図5に示すようないろいろな形状の磁着体Mを複数個用意しておくことで、遊ぶ人の趣味に応じて、容易に交換して楽しむことができる。また、後で追加することも可能である。
【0028】
磁着体Mだけでも、回転軸Kを回転させることで連続して送り出され移動することになることから、その動き変化により楽しむことは可能であるが、磁着体Mの上部に、任意の形態の移動体S、例えば自動車や人形などのおもちゃなどを取り付けることで、更に楽しむことができる。また、磁着体Mの形状による動きの変化に対応する移動体Sを上部に取り付けることで、相乗効果により思った以上の動き変化が得られ、面白みが増し、飽きがこない。例えば、図1〜図3に示したような細長い板状をした磁着体Mの上部に、自動車、電車、新幹線のような直線的な動きに特徴のあるおもちゃの移動体Sを取り付けることで、自動車等のおもちゃがスピード感あふれた直線的な動きの変化が得られる。また、くねくね状の形状をした磁着体Mの上部に、ヘビの形状をしたおもちゃの移動体Sを取り付けることで、本物のヘビのようなくねくね的な動きの変化が得られる。
【0029】
次に、本発明の玩具の作用について、図4により具体的に説明する。この実施形態にあっては、図1〜図4に示すように、磁着体Mの形状は細長い板状で、その上部には車輪5有する自動車のおもちゃからなる移動体Sが取り付けられているものである。図4では、左側の図で磁着体Mと回転軸Kを、右側の図で回転軸Kと磁着体Mの上部に取り付けてある自動車のおもちゃの移動体Sを取り出して示している。
【0030】
使用する場合は、先ず磁着体Mを、台板1a上面に載置すると共に図4(1)に示すように長辺の一方の側面を台板1aの上側に突出している回転軸Kの先端側面に直接接触に接触する。このことで、その磁力により磁着体Mは回転軸Kに磁着することになる。次に、磁着体Mの側面が回転軸Kの先端側面に磁着している状態で、電源スイッチ10をオン操作する。このことで、電池からの電源供給を受けてモーター8が回転駆動し、このモーター8の回転駆動はベルト7、プーリー6を介して伝わり、回転軸Kは回転する。
【0031】
回転軸Kが矢印(時計)方向に回転すると、磁着体Mは台板1a上面で、側面の形状に沿って送り出される。即ち、直線状の長辺の形状に沿って直線的に送り出され移動することになる。自動車のおもちゃからなる移動体Sは、磁着体Mの長辺に沿って取り付けてあることから、磁着体Mが直線的に移動すると自動車のおもちゃも図示のように前進方向に直線的に移動することになる。
【0032】
磁着体Mが直線的に送り出されて端部のコーナーに達すると、図4(2)に示すようにコーナーのカーブに沿って送り出す際に磁着体Mは回転軸Kの回転方向とは逆方向に僅かに回転する。
【0033】
磁着体Mの回転軸Kへの接触場所がコーナーを越えて、長辺の他方の側面に達すると、図4(3)に示すように、側面の形状に沿って送り出される。即ち、直線状の長辺の形状に沿って直線的に送り出され移動することになる。但し、長辺の一方の側面が送り出される方向とは逆方向に直線的に送り出され移動することになる。したがって、自動車のおもちゃからなる移動体Sは、図示のように後進方向に直線的に移動することになる。
【0034】
磁着体Mが直線的に送り出されて反対の端部のコーナーに達すると、図4(4)に示すようにコーナーのカーブに沿って送り出す際に磁着体Mは回転軸Kの回転方向とは逆方向に僅かに回転する。
【0035】
磁着体Mの回転軸Kへの接触場所がコーナーを越えて、長辺の一方の側面に一周して戻ると、また、直線状の長辺の形状に沿って直線的に送り出され移動することになる。
【0036】
このように、細長い板状で、長辺が直線状で、端部のコーナーにカーブが形成されている連結した外周を有する磁着体Mの形状の場合には、磁着した接触状態で回転軸Kを回転すると、長辺の一方の直線状の側面では直線的に送り出され、コーナーではカーブに沿って僅かに回転するように送り出され、長辺の他方の直線状の側面では直線的に逆方向に送り出され、またコーナーではカーブに沿って僅かに回転するように送り出されて一周し、その後も回転軸Kが回転している間は、このような動きを連続して繰り返すことになる。即ち、磁着体Mは、回転軸Kをほぼ中心にして、直線的に前進、後進移動を繰り返しながら、徐々に半時計方向に回転移動を連続して行うようになる。上部に取り付けてある自動車のおもちゃからなる移動体Sは、前進、僅かに方向変換、後進、僅かに方向変換を連続して繰り返しているような動きに見えることになる。
【0037】
磁着体Mを、台板1a上に載せると共に外周を台板1aの上側に突出している回転軸Kの先端側面に直接接触させた状態にし、この状態で回転駆動機構を駆動して磁性体からなる回転軸Kを回転させることで、磁着体Mはその形状に沿って連続的に送り出され、形状に沿った動きの変化が連続して得られることになる。即ち、磁着体Mの形状が変わった箇所に、回転軸Kが接着するとその形状に沿って移動方向が変わることになる。
【0038】
移動スピードや方向変換の速さや大きさは、回転軸Kの直径や回転速度と、磁着体Mの縦横の比率、コーナーのカーブの緩急などにより決まることになる。また、回転軸Kの磁力が強すぎたり、移動体Sの重量が軽すぎると、回転軸Kに磁着体Mが完全に接着状態になり回転軸Kと磁着体Mが供回りすることがある。このため移動体Sの形状と共に重量に対する磁力の強さも考慮する必要がある。
【0039】
図5は、磁着体のいろいろな形状の例を示すものであり、各種形状の磁着体M1〜M5と回転軸Kを取り出して示している。
【0040】
第5図(1)に示すような、長方形状の磁着体M1にあっては、図1〜図4に示した磁着体Mと類似しているが、コーナー間に直線状の短辺が形成されている点が異なる。直線距離の長い長辺に回転軸Kが接触している際は、その長い長辺の長さ分だけ直線的に移動し、コーナーのカーブで若干回転し、短辺の短い長さ分だけ直線的に移動する。全体的な動きは、図1〜図4の磁着体M1の動きに似ているが、短辺部分での動きがあることで、周回するスピードが早くなる。全体としては、直線的に移動するものであることから、上部に取り付ける移動体Sとしては、例えば自動車、電車、新幹線のような直線的な動きに特徴のあるおもちゃが適している。
【0041】
図5(2)に示すような、リング状の磁着体M2にあっては、リングの外周又は内周
に回転軸Kを接触して磁着し使用する。磁着体M2の外周と内周に回転軸Kを配置した場合で、回転方向が逆方向となる。また、磁着体M2は、回転場所を移動しながら回転する。ちょうど、地球と太陽の自転と公転のよぅに回転することになる。
【0042】
図5(3)に示すような、蚊取り線香のような渦巻き状の磁着体M3にあっては、渦巻き状の内側のカーブに回転軸Kが接触していると回転軸Kの回転と同じ方向に送り出し渦巻き状に回転移動し、渦巻き状の外側のカーブに接触していると回転軸Kの回転と逆方向に送り出され渦巻き状に逆回転移動する。渦巻き状の最外側、最内側の端部のコーナーでは、図1〜図4に示した磁着体Mのコーナー部と同じ動きをして僅かに回転方向を変え、右回り、左回りを交互に連続して繰り返すことになる。図5(2)(3)に示すような回転に移動に特徴を有するような磁着体M2,M3にあっては、上部に取り付ける移動体Sとしては、例えばコーヒーカップのような回転する動きに特徴のあるおもちゃが適している。
【0043】
図5(4)に示すような、くねくね状の磁着体M4にあっては、内側のカーブに回転軸Kが接触しているとくねくねしながら右方向に移動し、外側のカーブに接触しているとくねくねしながら左方向に移動する。端部のコーナーの動きは図5(1)(3)と同様である。くねくねするような移動に特徴を有するような磁着体M4にあっては、上部に取り付ける移動体Sとしては、例えばヘビのおもちゃが適している。
【0044】
図5(5)に示すような、直線と曲線(くねくね状)の組み合わせた形状の磁着体M5にあっては、直線的に移動したり、くねくね曲がりながら移動することになる。
【0045】
図6は、他の実施形態を磁着体と回転軸を取り出して示す説明図である。この実施形態にあっては、複数の磁着体を接触し磁着させて使用する形態である。磁性体である回転軸Kに磁着体を接触すると磁着することになるが、その磁力により磁着体も磁化されるため、その磁着体に、更に鉄など磁着する材料で形成される他の磁着体を接触すると磁着することになる。回転軸Kに磁着体を磁着し、この磁着体に他の磁着体の外周を磁着させた状態で、回転軸Kを回転すると、磁着体はその形状に沿って送り出され移動し、その他の磁着体は回転軸Kが磁着している磁着体の外周に沿って逆回転しながら連続して移動する。
【0046】
例えば、図6(1)に示すように、リング状の磁着体M6の内周に回転軸Kを接触して磁着し、磁着体M6の外周に、他の磁着体M7(リング状)、M8(トライアングル状)、M9(枠状)を接触し磁着した状態で、回転軸Kを矢印(時計)方向に回転すると、磁着体M6は、送り出されて回転場所を移動しながら回転する。他の磁着体M7(リング状)、M8(トライアングル状)、M9(枠状)は、時計方向に回転している磁着体M6の外周で、形状に沿って時計方向とは逆方向に回転しながら移動を繰り返す。
【0047】
また、図6(2)に示すように、枠状の磁着体M10の内周に回転軸Kを接触して磁着し、磁着体M10の外周に、他の磁着体M7(リング状)、M8(トライアングル状)、M9(枠状)を接触し磁着した状態で、回転軸Kを矢印(時計)方向に回転すると、磁着体M10は、枠内の形状に沿って送り出されて移動する。他の磁着体M7(リング状)、M8(トライアングル状)、M9(枠状)は、磁着体M10の外周で、形状に沿って磁着体M10の回転(時計)方向とは逆方向に回転しながら移動を繰り返す。回転軸Kに接触する磁着体、特にトライアングル状や枠状の磁着体の内周のコーナーには、スムーズに送り出せるようにアールを形成することが好ましい。
【0048】
この実施形態のように、回転軸Kに磁着体の内周を磁着し、磁着体の外周に他の磁着体の外周を磁着して使用する場合は、回転軸Kからの距離により磁力の強弱が生ずると共に磁着体と他の磁着体の形状により、予測不可能な動きが得られることになり、更に面白みが増し、飽きがこないものとなる。なお、磁着体、他の磁着体共どのような形状のものであっても良いし、また、磁着体に磁着する他の磁着体の個数も限定されないものである。
【0049】
このように本発明にあって、磁着体は、少なくとも下側が台板上面に沿うと共に外周又は内周が連続するように形成されていれば、どのような形状であっても良いものであり、磁着体の形状のみにより、シンプルな直線的な往復の動き、くねくね的な動き、回転的な動きなどどのような動きの変化も、シンプルな構造でありながら連続して得ることができる。磁着体は、磁性体からなる回転軸Kに外周又は内周を直接接触して磁着していることから、磁石の作用を効率的に伝えることができ、したがって複雑な動きもスピード感のある動きも容易に得ることができる。また、磁着体の外周に対し他の磁着体を1又は複数個磁着して使用することで、更に複雑で面白い動きを得ることができる。
【符号の説明】
【0050】
K 回転軸
M,M1〜M10 磁着体
S 移動体
1 台座
1a 台板
2 支持部材
3 磁石
4 磁石取付部材
5 車輪
6 プーリー
7 ベルト
8 モーター
9 電池ケース
10 電源スイッチ
11 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央付近に上下に貫通する孔を有すると共に少なくとも上面が平坦に形成された上部に配置される台板と、前記台板の孔を貫通すると共にその先端が前記台板の上側に僅かに突出した状態で垂直に配置される磁性体からなる回転軸と、前記回転軸を回転させる回転駆動機構とを備えた台座と、
少なくとも下側が前記台板上面に沿うと共に外周又は内周が連続するように形成され、更に前記台板上面に載置されると共に前記台板の上側に突出している前記回転軸の先端側面に外周又は内周が直接接触して磁着される磁着体と、
から構成し、
前記回転駆動機構を駆動して前記回転軸を回転させることで、前記磁着体をその形状に沿って送り出し、前記台板上で前記磁着体を連続して移動させることを特徴とする玩具。
【請求項2】
前記磁着体は、板状体又は線状体からなる任意の形状であることを特徴とする請求項1記載の玩具。
【請求項3】
前記磁着体の上部に、任意の形態の移動体を取り付けたことを特徴とする請求項1記載の玩具。
【請求項4】
前記磁着体の外周又は内周のコーナーに、アールを形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の玩具。
【請求項5】
前記磁着体を交換自在とすることを特徴とする請求項1又は2記載の玩具。
【請求項6】
前記回転軸は、鉄製で構成され、前記台座内部で磁石を取り付け固定することで磁化し磁性体とすることを特徴とする請求項1記載の玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−55495(P2012−55495A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201509(P2010−201509)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(594028602)
【Fターム(参考)】