説明

現像液の液量検出装置

【課題】 現像液量を精度良く検出することが可能な検出装置の提供を目的とする。
【解決手段】 容器に格納された所定の現像液の量を検出する液量検出装置であって、所定の現像液が格納された容器の重量を検出する重量検出手段有し、前記重量検出手段により検出された重量に基づいて前記容器に格納された前記所定の現像液の量を検出する液量検出装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿式画像形成装置に使用される現像液の液量検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法を利用した画像形成装置として、湿式画像形成装置が知られている。湿式画像形成装置は、キャリア液中にトナーを含んだ現像液を現像ローラ表面に担持させ、この現像液を感光ドラムに供給して現像を行うよう構成されている。湿式画像形成装置で用いられるトナーは、乾式画像形成装置で用いられる粉状のトナーよりも微細である為、一般に湿式画像形成装置は乾式画像形成装置よりも高画質な画像を形成できる。
【0003】
現像液は現像液容器に格納され、画像形成に伴って現像装置へと供給される。湿式画像形成装置においては、印刷される画像の濃淡は、現像液中のトナーの濃度によって変化する。印刷される画像を高品質に保つには、現像液中の濃度分布が均一となるよう撹拌すると共に、現像液中のトナーの濃度が一定値に保持されるよう濃度調整が行われている。現像液容器中の現像液量は、画像形成の進行に伴って減少するため、適宜現像液容器にトナーおよびキャリア液を補給する必要がある。そのためには、現像液容器中の現像液量を検出する必要がある。特許文献1に、現像液量を検出する検出装置の一例が記載されている。
【特許文献1】登録実用新案第2556068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、液体タンクと、液体タンクが載置され、支点を中心に回動する支持枠と、該支持枠を弾性的に支持する支持台とを有する現像液の液量検出装置が開示されている。上記の検出装置では、液体タンクの重量に応じて、該支持枠が支点を中心に回動する。該支持枠の一部に、回動量に応じて接触または非接触するセンサが設けられており、そのセンサの接触または非接触に基づいて規定量の現像液が容器中にあるかどうかを検出することができる。
【0005】
また、現像液量を検出する別の方法としては、液体タンクにフロートを浮かべ、フロートに固定されたドグの位置を複数のセンサで検出することにより液面の高さを検出し、その液面の高さから現像液量を検出する方法もある。
【0006】
上記特許文献1に記載された検出装置は、センサの接触または非接触により2種類の液量を検出するものであり、複数種類の現像液量を検出することができない。またフロートを用いた方法においては、フロートに現像液が付着すると適切にフロートが浮上しないという問題点があった。また、フロート式の検出方法は、現像液の撹拌中は、渦の発生により検出精度が落ちるとういう問題点もあった。さらに、ドグを検出する方式の場合、検出しようとする液面のレベル毎にセンサが必要となるため、検出レベルの数が増えるにつれて、検出装置のサイズが大きくなるという問題もあった。
【0007】
本発明は、以上の事情に鑑み、現像液量を精度良く検出することが可能な検出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための、請求項1に記載の現像液の液量検出装置は、容器に格納された所定の現像液の量を検出する液量検出装置であって、前記所定の現像液が格納された前記容器の重量を検出する重量検出手段を有し、前記重量検出手段により検出された重量に基づいて前記容器に格納された前記所定の現像液の量を検出すること、を特徴とする。
請求項2に記載の現像液の液量検出装置において、前記重量検出手段が、前記容器の上下方向のみの移動を許容し、上下方向以外の方向での移動を規制するガイド手段と、前記容器を上下方向において弾性的に支持しつつ前記容器の重量を計測する重量センサと、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の液量検出機能付き現像液容器は、前記現像液の液量検出装置と、前記所定の現像液が格納される前記容器とを備えることを特徴とする。
請求項4に記載の液量検出機能付き現像液容器は、前記所定の現像液を攪拌するための攪拌手段を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の液量検出機能付き現像液容器は、前記攪拌手段が、モータにより回転駆動されるスクリューを有することを特徴とする。
請求項6に記載の液量検出機能付き現像液容器は、前記攪拌手段が、前記容器とは独立した機構に固定されていることを特徴とする。
請求項7に記載の液量検出機能付き現像液容器は、前記モータが間欠動作することを特徴とする。
請求項8に記載の液量検出機能付き現像液容器は、前記所定の現像液の液量検出が、前記モータの停止中に行われることを特徴とする。
請求項9に記載の液量検出機能付き現像液容器は、前記攪拌手段が、前記容器と一体的に配置されていることを特徴とする。
請求項10に記載の湿式画像形成装置は、前記現像液の液量検出装置を備えることを特徴とする。
請求項11に記載の湿式画像形成装置は、前記液量検出機能付き現像液容器を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現像液量を精度良く検出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態である湿式プリンタについて説明する。
図1は、湿式プリンタ100の概略構成を示す側断面図である。湿式プリンタ100は、キャリア液中にトナーを含んだ現像液を用いて、電子写真法により、記録紙P1上に画像を形成する装置である。
【0012】
湿式プリンタ100は、文字・画像情報に応じて変調されたレーザ光を出力するレーザスキャニングユニット(Laser Scanning unit、以下、LSUと略記)30と、コンピュータなどの外部装置から入力される文字・画像情報に応じて感光ドラムに形成された静電潜像を電子写真法によって現像して、トナー像を生成する現像ユニット50と、記録紙P1を搬送する搬送ユニット90と、現像ユニット50で現像されたトナー像を転写位置において記録紙P1上に転写する転写ユニット70と、記録紙P1上に転写されたトナー像を定着させる定着ユニット80と、を有する。
【0013】
現像ユニット50は、保持ローラ51、現像液を計量するための計量ローラ52、計量ローラ52の表面の現像液を均一厚さにする計量ローラブレード52a、計量ローラ52から供給された現像液を担持する現像ローラ53、現像ローラ53表面から現像液を掻き取り除去する現像ローラクリーニングブレード53a、現像ローラ53を帯電させる現像ローラ用帯電コロナ54、LSU30からのレーザ光によって静電潜像が形成される感光ドラム55、感光ドラム55表面を一様に帯電させる感光ドラム用帯電コロナ57、感光ドラム55からキャリア液を回収するスクイーズドローラ58、現像ユニット50で発生した残留現像液を湿式プリンタ100内に配置された現像液容器3(図2参照)に戻すスクリュー59を有する。
【0014】
現像液が収納された現像液容器3(図2)から現像液パイプ49(図1、図2参照)を経由して供給された現像液は、保持ローラ51と計量ローラ52との転接部上方に供給される。現像液は、計量ローラ52で計量され、現像ローラ53に塗布される。一方、感光ドラム用帯電コロナ57により一様な電位に帯電された感光ドラム55の表面に、文字・画像情報に応じて変調されたレーザ光が照射される。感光ドラム55表面のレーザ光が照射された部分は一様な電位に比べて電位が下がる。この電位が下がった部分が静電潜像となる。現像ローラ53に塗布された現像液のトナーは帯電しており、感光ドラム55と現像ローラ53が対向する位置において、トナーが感光ドラム55の静電潜像の部分に吸着される。こうして静電潜像は現像され、トナー像が形成される。
【0015】
転写ユニット70は、中間転写ローラ71と二次転写ローラ73とを有する。中間転写ローラ71にはトナーと逆極性の電圧が印加されており、感光ドラム55表面のトナー像は、感光ドラム55と中間転写ローラ71との転接部において、中間転写ローラ71表面に一次転写される。二次転写ローラ73は、記録紙P1の搬送路を挟んで中間転写ローラ71と対向する位置に設置され、中間転写ローラ71よりも高電圧の逆極性の電圧が印加されている。そのため中間転写ローラ71表面に転写されたトナー像は、二次転写ローラ73との転接部において、記録紙P1を挟んで二次転写ローラ73の方向に吸引され、記録紙P1に転写される。
【0016】
定着ユニット80は、記録紙P1を加熱するヒートローラ81と、搬送路を挟んでヒートローラ81と対向した位置に設置され、自身とヒートローラ81とによって記録紙P1を挟んで加圧するプレスローラ82とから構成されている。この定着ユニット80によって、記録紙P1上のトナー像は加熱及び加圧され、記録紙P1に定着される。
【0017】
搬送ユニット90は、ロール状の記録紙P1が設置されるロール軸91、記録紙P1を搬送する給紙駆動ローラ93、給紙駆動ローラ93と転接する給紙従動ローラ94、給紙駆動ローラ93を駆動する駆動モータ95を有する。
【0018】
次に、現像液が収納される現像液容器3の配置について説明する。図2は、図1の紙面裏側から湿式プリンタ100を見た場合の部分側断面図で、現像液容器3周辺を示す図である。湿式プリンタ100は、現像ユニット50に現像液を供給する現像液容器3、現像液容器3に現像液を補給する現像液予備容器5、現像液容器3にキャリア液を補給するキャリア液予備容器7、現像液予備容器5から現像液を現像液容器3に搬送するのに使用される現像液補給ポンプ9、現像液容器3から現像液を現像ユニット50に搬送する現像液循環ポンプ11を有する。
【0019】
湿式プリンタ100の動作中には、現像液容器3内の現像液は、現像液循環ポンプ11によって現像ユニット50に搬送される。現像液循環ポンプ11の吐出口は現像液パイプ49に繋がっている。画像形成の進行に伴い、現像液容器3内の現像液の量は減少していく。現像液容器3内の現像液が少なくなりすぎると、現像ユニット50に適量の現像液を供給することができなくなる。このため、本実施形態においては、現像液容器3内の現像液の量が所定の下限量に達すると、現像液予備容器5から予備の現像液が現像液容器3に補給される。また、画像形成の進行に伴い、現像液容器3内の現像液のトナー濃度が徐々に増加する。このため、図示しない濃度検出装置により現像液容器3中の現像液のトナー濃度をモニタし、必要に応じてキャリア液予備容器7からキャリア液を補給する。
【0020】
印刷される画像は、トナーの比率が高いと濃くなり、低いと淡くなる。本実施形態の湿式プリンタ100においては、現像液容器3内の現像液のトナー濃度が一定になるよう常時調整されており、印刷される画像の品質が一定に保たれている。具体的には、例えば、現像液容器3及び現像液予備容器5内の現像液は、重量比で約30%がトナー、残りの約70%がキャリア液で構成されている。
【0021】
現像液容器3は、側部開口部6を有する。攪拌装置4は、その一部が現像液容器3内に配置されている。現像液は粘度が高く、放置すると半固形状になって流動性が損なわれるため、攪拌装置4によって攪拌される。前述のスクリュー59(図1参照)の軸の延長線上には開口部が形成されており、その開口部はパイプを通じて側部開口部6に繋がっている。スクリュー59により搬送された現像液は、側部開口部6から現像液容器3に戻される。
【0022】
図2において、現像液の量が液面レベルL1よりも下方にある場合には現像液が少なすぎて、現像ユニット50に現像液が充分に供給されない可能性がある。現像液の液面レベルL2は、現像液容器3に現像液を補給するか否かを判定するスレッシュホールドに相当する。すなわち現像液容器3中の現像液が減少し、液面レベルがL2に達する毎に、後述するように、所定量の現像液が補充される。現像液の液面レベルL3は、現像液量を調整する際の基準となる液面レベルであり、通常の動作時はレベルL3を中心として、L2〜L4の範囲に現像液があることが好ましい。現像液の液面がレベルL5に達する場合には現像液容器3内の現像液が多すぎる場合であり、オーバーフローを起こす可能性がある場合である。
なお、上述のように、現像ユニット50に供給された現像液は、現像に用いられた後、スクリュー59を介して再度現像液容器3に戻される。このため、画像形成の進行に伴って、現像液容器3内の現像液は減少するが、そのトナー濃度は徐々に増加する。このため、図示しない検出装置より現像液容器3内のトナー濃度は常時モニターされており、必要に応じてキャリア液予備容器5からキャリア液が現像液容器3内に補給される。これによって、画像形成が進行しても、現像液容器3内のトナー濃度は一定に保たれる。
【0023】
図3は、本発明の実施形態の現像液容器3及びその近傍を模式的に示す図である。。現像液容器3は、筒状の形状をしており、底部は閉塞され、上部は開口している。現像液容器3付近には、上蓋103a、攪拌装置4、重量センサ105が配置されている。攪拌装置4は、駆動モータ119、回転することによって現像液を撹拌するスクリュー等の攪拌部111、一端が駆動モータ119に結合され、他端が攪拌部111に結合されて、駆動モータ119の回転を攪拌部111に伝達する回転軸113を有する。駆動モータ119は、上蓋103aに固定されており、上蓋103aは湿式プリンタ100に固定されている。駆動モータ119は、現像液の撹拌時に回転され、攪拌部111が回転することにより、現像液も回転しながら撹拌される。
【0024】
現像液容器3の周囲には現像液容器3の上下方向の移動のみを許容するガイド108が湿式プリンタ100本体に固定されている。現像液容器3をガイド108の内周部分に沿って現像液の液面と垂直な方向に上下動可能な構造となっている。ガイド108は、例えば、内周側に複数のベアリングを有し、現像液容器3の周囲に形成された上下方向に延びる溝部(ベアリングを用いた場合のみの構成である)に該ベアリングが係合するように配置させた構成とすることができる。この構成においては、現像液容器3の上下方向の移動を自由にし、筒状の現像液容器3の周囲方向の移動(回転)を防止することができる。重量センサ105は現像液容器3を下方から支持している。重量センサ105としては、例えば周知のLC共振回路を用いた重量センサが使用される。重量センサ105は、現像液容器3の底部に現像液容器3下方から当接するとともに現像液を含む現像液容器3の重量に応じて上下する円柱状のプッシュロッド107、プッシュロッド107を現像液容器3に対して付勢するバネ109、プッシュロッド107の下部を取り巻くようして設置されたLC共振回路のインダクタンス成分Lとなるコイル115、インダクタンス成分L以外の部分のLC共振回路121(コイル115と回路121を合わせてLC共振回路122とする)、LC共振回路122から出力される電流の共振周波数を取り込み、その周波数から現像液の量を判断する現像液量検知部123を有する。また、現像液量検知部123は、検知した現像液の量により、現像液補給ポンプ9のON/OFF動作を制御する。
【0025】
現像液容器3中の現像液の増減による現像液を含む現像液容器3の重量の変化に応じて、プッシュロッド107は上下動する。プッシュロッド107の下部は、例えば磁性を帯びた強磁性体で構成されておりプッシュロッド107の上下動に応じて、コイル115のインダクタンスが変化する。その結果、LC共振回路122における電流の共振周波数が変化する。
【0026】
上記の構成において、現像液を含む現像液容器3の重量とLC共振回路122における電流の共振周波数とは、線形関数で表される関係がある。そのため、LC共振回路122から出力される電流の共振周波数から現像液を含む現像液容器3の重量を検出することができる。また、前述の通り、現像液の濃度はほぼ一定となるように調整されているため、その現像液の濃度に対応した比重と、現像液の重量(現像液を含む現像液容器3から現像液容器3の重量を引いた重量)から、現像容器3内の現像液量(体積)を検出することができる。なお重量センサは、例えば、歪みゲージを使用した重量センサ等、現像液容器3を支持しつつその重量を精密に計測できるものであればよく、上に例示したLC共振回路122を用いた重量センサに限定される必要はない。
【0027】
上述のように重量センサを用いた現像液の液量検出装置では、検出器が現像液と接触することなく、現像液の重量及び現像液量が検出されるので、現像液の粘度が高いことに起因する、現像液の検出手段への付着や攪拌時の液面の変動に起因する検出精度の低下がない。また、現像液容器3に供給される現像液の種類に拘わらず、一つの重量センサのみで、現像液量を検出することができる。すなわち、現像液の種類毎に、重量センサにより検出される現像液を含む現像液容器3の重量と現像液量(体積)との関係をあらかじめ求めておけば、同じ重量センサを用いて、現像液の種類に拘わらず、現像液容器3内の現像液の量を正確に検出することができる。このため、システムの構成を簡素化できる。また、現像液容器3の下部に重量センサを配置するだけでよいため、現像液容器3の上部及び測部周辺にセンサ等を配置する必要がなく、配置スペースを縮小でき湿式プリンタを小型化することが可能となる。
【0028】
また、本発明の実施形態による現像液の液量検出装置による液量検出は、攪拌装置4の駆動モータ119の停止時に行われる。攪拌装置4は現像液の攪拌を所定の時間間隔の間欠動作で行う。スクリュー等の攪拌部111の回転時には、現像液が図3中上方向又は下方向への外力を受ける可能性がある。したがって、攪拌部111の回転停止中に現像液を含む現像液容器3の重量を検出することによって、現像液の液量を正確に検出することができる。具体的には、例えば、攪拌装置4において、現像液の攪拌が間欠動作として行われるようにモータ119の駆動が制御されても良い。
【0029】
次に、重量センサ105を用いて検出した現像液量において、検出した現像液量が少ない場合には現像液の補給、検出した現像液量が多い場合にはエラー処理を行う、現像液補給処理について、図4を参照して説明する。図4は、湿式プリンタ100の動作中に所定の時間間隔で制御部により繰り返し実行される、現像液補給処理のフローチャートである。現像液補給処理が開始されると、まず攪拌装置4による攪拌が行われているかどうか判断する(ステップS0)。攪拌が停止中であれば(S0:YES)、重量センサ105により現像液量を検出する(S1)。ここでHは、液面レベルが前述したL5以上のレベルにある状態を示す(図2参照)。MHは、液面レベルがL5未満、L4以上の状態を示す。Mは、液面レベルがL4未満でL2より上方にある状態を示す。MLは、液面レベルがL1より上方で、L2以下の状態を示す。ここでLは、液面レベルがL1以下にある状態を示す。
【0030】
検出された現像液量がMLの場合(液面レベルがL1より上方でL2以下の場合)には、現像液容器103中の現像液が残り少なくなっている。このため、制御部は現像液補給ポンプ9の運転を開始し(S2)、現像液容器103への現像液の補給を開始する。現像液補給ポンプ9が単位時間に現像液を補給する量は一定なので、補給開始前の現像液量に基づいて、補給時間(現像液補給ポンプ9の運転時間)が設定される。現像液補給ポンプ9の運転時間が設定された時間に到達すると(S3:YES)、制御部は現像液供給ポンプ9の運転を停止する(S4)。現像液量がMまたはMHの場合には(S1:M or MH)、現像液量が適性であるため、現像液補給処理を終了する(S3)。また、現像液量がHまたはLの場合(液面レベルがL5以上またはL1以下の場合)には、制御部はエラー処理(ユーザに対するエラー通知:ビープ音の発生やエラーメッセージの表示)を行い(S5)、湿式プリンタ100の動作を停止する(S6)。
【0031】
なお、上述の実施形態においては、攪拌装置4は、上蓋103aを介して湿式プリンタ100本体に固定されていた。しかし、攪拌装置4は、上蓋103aを介して現像液容器3に固定されていてもよい。その場合、重量センサ105により測定される重量は、現像液を含む現像液容器3と攪拌装置4と上蓋103aの和となる。したがって、それらの重量から現像液容器3と攪拌装置4と上蓋103aの重量を引くことにより現像液の重量を求めることができ、結果として現像液量を求めることができる。本実施形態においては、攪拌装置4の攪拌によっても現像液を含む現像液容器3と攪拌装置4と上蓋103aの重量が変化しないため、攪拌部111の回転中であっても常時正確な検出を行うことができる。本発明の実施形態においては、図4に示すフローチャートのステップS0を省略することができる。
【0032】
以上のように、湿式プリンタ100においては、重量センサにより現像液の重量を検出し、それに基づいて現像液容器内の現像液量を求めているため、現像液によって検出手段が影響を受けることが無く、現像液量を精度良く検出することが可能となる。また、現像液の重量と体積との関係がわかっていれば、現像液の種類に拘わらず、正確に現像液量を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、湿式プリンタの構成を示す側断面図である。
【図2】図2は、図1の背面方向から湿式プリンタを観察した側断面図である。
【図3】図3は、本実施形態の現像液容器近傍を模式的に示す図である。
【図4】図4は、現像液容器内の液量調整の過程を示す、現像液補給処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0034】
3 現像液容器
4 攪拌装置
5 現像液予備容器
7 キャリア液予備容器
9 現像液補給ポンプ
11 現像液循環ポンプ
49 現像液パイプ
50 現像ユニット
59 スクリュー
80 定着ユニット
95 駆動モータ
97 給紙センサ
100 湿式プリンタ
103a 上蓋
105 重量センサ
107 プッシュロッド
108 ガイド
109 バネ
111 攪拌部
113 回転軸
115 コイル
119 駆動モータ
122 LC共振回路
123 現像液量検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に格納された所定の現像液の量を検出する液量検出装置であって、
前記所定の現像液が格納された前記容器の重量を検出する重量検出手段を有し、
前記重量検出手段により検出された重量に基づいて前記容器に格納された前記所定の現像液の量を検出すること、
を特徴とする現像液の液量検出装置。
【請求項2】
前記重量検出手段が、
前記容器の上下方向のみの移動を許容し、上下方向以外の方向での移動を規制するガイド手段と、
前記容器を上下方向において弾性的に支持しつつ前記容器の重量を計測する重量センサと、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の現像液の液量検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の現像液の液量検出装置と、
前記所定の現像液が格納される前記容器と、
を備えた液量検出機能付き現像液容器。
【請求項4】
前記所定の現像液を攪拌するための攪拌手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の液量検出機能付き現像液容器。
【請求項5】
前記攪拌手段が、モータにより回転駆動されるスクリューを有することを特徴とする請求項4に記載の液量検出機能付き現像液容器。
【請求項6】
前記攪拌手段が、前記容器とは独立した機構に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の液量検出機能付き現像液容器。
【請求項7】
前記モータが間欠動作することを特徴とする請求項6に記載の液量検出機能付き現像液容器。
【請求項8】
前記所定の現像液の液量検出が、前記モータの停止中に行われることを特徴とする請求項7に記載の液量検出機能付き現像液容器。
【請求項9】
前記攪拌手段が、前記容器と一体的に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の液量検出機能付き現像液容器。
【請求項10】
請求項1または2に記載の現像液の液量検出装置を備えた湿式画像形成装置。
【請求項11】
請求項3から9のいずれかに記載の液量検出機能付き現像液容器を備えた湿式画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−323050(P2006−323050A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−145095(P2005−145095)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】