説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】印刷された画像にバンディングなどの縞状の画質劣化を発生させることがない現像装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の現像装置は、トナー及びキャリアを含む液体現像剤を担持する現像ローラー20Yと、前記現像ローラー20Yと当接して前記現像ローラー20Yに前記液体現像剤を供給する弾性ローラー16Yと、前記弾性ローラー16Yと当接して前記弾性ローラー16Yに前記液体現像剤を塗布するアニロックスローラー32Yと、前記アニロックスローラー32Yにより前記液体現像剤が塗布された前記弾性ローラー16Yと当接するとともに、前記弾性ローラー16Yの回転軸の回転方向と同じ方向に回転軸が回転する摺動ローラー19Yと、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナー及びキャリアからなる液体現像剤によって現像する現像装置、及び現像装置によるトナー及びキャリアからなる現像像をさらに記録媒体に転写して、転写されたトナー像を融着し定着して画像形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコーンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
【0003】
上記のような液体現像剤を用いた画像形成プロセスにおいては、現像効率を向上させるために、現像ローラー上の液体現像剤に対してバイアス電圧の印加を行い、液体現像剤中のトナーを圧縮状態とする技術が知られている。このような技術としては、例えば、特許文献1(特開2008−310368号公報)に記載の画像形成装置を挙げることができる。この特許文献1においては、現像ローラー20Yに当接するバイアス印可ローラー22Yを設け、液体現像剤中に分散したトナーを現像ローラー20Y側に移動させて凝集させると共に、このバイアス印可ローラー22Yの回転数を制御したり、バイアス印可ローラー22Yに印加する電圧を制御したりすることで、現像ローラー20Y上の液体現像剤中のトナーの圧縮状態を制御する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2008−310368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の画像形成装置は、現像ローラー20Yにバイアス印可ローラー22Yを当接させると共に、現像ローラー20Yに当接させたバイアス印可ローラー22Yの回転数を制御する構成であるが、現像ローラー20Yとバイアス印可ローラー22Yとの当接面において、それぞれの回転数が異なるようなことがあると、当該当接面で微小振動が発生することがあり、この微小振動が現像ローラー20Yと当接している像担持体10Yに伝搬し、像担持体10Yにおいて、露光器で静電潜像を形成している際に、露光ムラを生じさる、という問題があった。そして、像担持体10Y上でこのような露光ムラが発生すると、印刷された画像にバンディングなどの縞状の画質劣化が生じる、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためのもので、本発明に係る現像装置は、トナー及びキャリアを含む液体現像剤を担持する現像ローラーと、前記現像ローラーと当接して前記現像ローラーに前記液体現像剤を供給する弾性ローラーと、前記弾性ローラーと当接して前記弾性ローラーに前記液体現像剤を塗布する塗布ローラーと、前記塗布ローラーにより前記液体現像剤が塗布された前記弾性ローラーと当接するとともに、前記弾性ローラーの回転軸の回転方向と同じ方向に回転軸が回転する摺動ローラーと、を有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る現像装置は、前記現像ローラーと対向し、前記弾性ローラーにより供給された前記液体現像剤にバイアスを印加するコロナ発生器を有する。
【0007】
また、本発明に係る現像装置は、前記現像ローラー、前記弾性ローラー、前記塗布ローラー、及び前記摺動ローラーは等電位もしくは略等電位のバイアスが印加される。
【0008】
また、本発明に係る現像装置は、前記現像ローラーは、回転軸を有し、前記現像ローラーの前記回転軸は、ワンウェイクラッチが配設されて前記現像ローラーを回転させる駆動力を伝達する駆動軸に接続される。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、潜像が形成される潜像担持体と、前記潜像担持体を露光して前記潜像を形成する露光部と、前記潜像担持体に形成された前記潜像をトナー及びキャリアを含む液体現像剤で現像する現像ローラー、前記現像ローラーと当接して前記現像ローラーに前記液体現像剤を供給する弾性ローラー、前記弾性ローラーと当接して前記弾性ローラーに前記液体現像剤を塗布する塗布ローラー、及び前記塗布ローラーにより前記液体現像剤が塗布された前記弾性ローラーと当接して前記弾性ローラーの回転軸の回転方向と同じ方向に回転する摺動ローラーを有する現像部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記現像ローラーと対向して前記弾性ローラーにより供給された前記液体現像剤中のトナーを圧縮状態とするコロナ発生器が配される。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記現像ローラー、前記弾性ローラー、前記塗布ローラー及び前記摺動ローラーにバイアスを印加するバイアス印加部と、前記現像ローラー、前記弾性ローラー、前記塗布ローラー及び前記摺動ローラーに等電位もしくは略等電位のバイアスが印加されるように制御する制御部と、を有する。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、駆動源と、ワンウェイクラッチが配設されるとともに、前記駆動源に接続されて前記現像ローラーを回転させる駆動軸を有する。
【0013】
以上、本発明の現像装置及び画像形成装置は、現像ローラーとは異なる弾性ローラーを設けておき、この弾性ローラーに当接する摺動ローラーによって、液体現像剤におけるトナー状態を改善するものであり、本発明によれば、現像ローラーに微小振動を生じさせることがなく、従って、現像ローラーと当接する像担持体に露光ムラを生じさることないので、印刷された画像にバンディングなどの縞状の画質劣化を発生させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示した断面図である。
【図3】本発明に用いられるアニロックスローラーの斜視図である。
【図4】本発明の現像装置のバイアス電圧印加手段の概要を示す図である。
【図5】本発明に用いられる現像剤容器とそれに関連する構成の斜視図である。
【図6】本発明に用いられるオーガの斜視図である。
【図7】本発明の現像装置の停止時の状態と動作時の状態とを示す図である。
【図8】本発明の現像装置に係るローラーの駆動関係を説明する図である。
【図9】本発明の現像装置における各構成の設置機構を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に
係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成装置の下部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60は、画像形成装置の上部に配置されている。
【0016】
画像形成部は、感光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、不図示の露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロナ帯電器11Y、11M、11C、11Kによって、感光体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、入力された画像信号に基づいて露光ユニット12Y、12M、12C、12Kに搭載される各露光ヘッドを駆動することで、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
【0017】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0018】
転写ベルト40は、エンドレスのベルトであり、駆動ローラー41とテンションローラー42との間に張架され、一次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラー41により回転駆動される。一次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで一次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0019】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラー41と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からなるクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置において、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像をシート材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の記録媒体に転写する。
【0020】
さらに、経路シート材搬送経路Lの下流には、定着ユニット90が配置され、用紙等の記録媒体上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体に融着させ定着させる。
【0021】
また、テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41と共に転写ベルト40を超過しており、転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所で、転写ベルトクリーニングブレード46からなるクリーニング装置が当接・配置されている。
【0022】
次に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部及び現像装置について説明する。図2は画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示した断面図である。各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0023】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングブレード18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20
Y、感光体スクイーズローラー13Y、感光体スクイーズローラー13Y’が配置されている。また、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、付属構成として感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’からなるクリーニング装置が配置されている。70Y、71Y、72Y、73Yは各クリーニングブレードを保持するクリーニングブレード保持部材である。
【0024】
そして、現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、弾性ローラー16Y、トナー圧縮コロナ発生器22Yが配置されている。弾性ローラー16Yには、アニロックスローラー32Yが当接しており、アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整する規制ブレード33Yが当接している。75Yは規制ブレード33Yを保持するブレード保持部材である。また、弾性ローラー16Yには摺動ローラー19Yが当接しており、この摺動ローラー19Yは弾性ローラー16Yと同じ方向に回転するように構成されている。
【0025】
弾性ローラー16Yには、現像ローラー20Yに供給されずに弾性ローラー16Y上に残った液体現像剤を掻き落とす弾性ローラークリーニングブレード17Yが当接している。
【0026】
なお、特許文献1(特開2008−310368号公報)に係る発明においては、現像ローラーにバイアス印可ローラーを当接させるようにしていたが、これに対し、本実施形態に係る現像装置においては、現像ローラー20Yとアニロックスローラー32Yとの間を媒介する弾性ローラー16Yを設けて、この摺動ローラー19Yによってトナーをならすようにしている。本実施形態においても、弾性ローラー16Yと摺動ローラー19Yとの間で微小振動が発生することはあるが、その影響が現像ローラー20Yに伝わり、現像ローラー20Yに微小振動を生じさせることがない。これは弾性ローラー16Yの弾性層による効果である。すなわち、本発明の構成によれば、現像ローラー20Yに微小振動を生じさせることがなく、従って、現像ローラー20Yと当接する感光体10Yに露光ムラを生じさることないので、印刷された画像にバンディングなどの縞状の画質劣化を発生させることがない。
【0027】
液体現像剤容器31Yの中に液体現像剤オーガ34Y、回収スクリュー321Yが収容されている。
【0028】
また、転写ベルト40に沿って、感光体10Yと対向する位置に一次転写部の一次転写ローラー51Yが配置され、その移動方向下流側に転写ベルトスクイーズローラー53Y、バックアップローラー54Y、転写ベルトスクイーズローラークリーニングブレード55Yからなる転写ベルトスクイーズ装置52Yが配置されている。
【0029】
感光体10Yは、現像ローラー20Yの幅より広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、例えば図2に示すように時計回りの方向に回転する。該感光体10Yの感光層は、有機感光体又はアモルファスシリコン感光体等で構成される。コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上にレーザ光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。
【0030】
なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなどの構成より上流にあるものと定義する。
【0031】
現像装置30Yは、コンパクション作用を施すトナー圧縮コロナ発生器22Y、キャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Yを有する。この現像剤容器31Yには、アニロックスローラー32Yに供給されなかった液体現像剤などを回収する回収スクリュー321Yも備えられている。
【0032】
トナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像効率を向上させるために、現像ローラー20Y上の液体現像剤に対してバイアス電圧の印加を行い、液体現像剤中のトナーを圧縮状態とする。
【0033】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤を現像ローラー20Yに供給する弾性ローラー16Yと、この弾性ローラー16Yに液体現像剤を塗布ローラーであるアニロックスローラー32Yと、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックスローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ローラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするトナー圧縮コロナ発生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Yを有する。76Yは現像ローラークリーニングブレード21Yを保持するクリーニングブレード保持部材である。なお、コンパクション状態とは、液体現像剤中のトナー成分を現像ローラー20Y表面側に圧縮状態にすることをいう。
【0034】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコーンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0035】
アニロックスローラー32Yは、弾性ローラー16Yに対して液体現像剤を供給し、塗布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円筒状の部材であり、表面に液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図2に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックスローラー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックスローラー32Yは時計回りに回転して、反時計回りに回転する弾性ローラー16Yに液体現像剤を塗布する。アニロックスローラー32Yによって弾性ローラー16Yに塗布された液体現像剤は、反時計回りに回転する現像ローラー20Yに供給される。
【0036】
図3は本発明に用いられるアニロックスローラーの斜視図である。図3に示すようにアニロックスローラー32Yの表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸が形成されている。
【0037】
規制ブレード33Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスローラー32Yの表面に当設し、アニロックスローラー32Yによって坦持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制し、弾性ローラー16Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0038】
現像ローラー20Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラー20Yは鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。
【0039】
弾性ローラー16Yについても、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。このように、弾性ローラー16Yは一定の弾性を有しており、この弾性ローラー16Yに対してニップ部においてカウンター方向で回転する摺動ローラー19Yが当接し、微小振動が発生したとしても、弾性ローラー16Yの弾性により振動が吸収されるために、現像ローラー20Yに微小振動を生じさせることがなく、従って、現像ローラー20Yと当接する感光体10Yに露光ムラを生じさることないので、印刷された画像にバンディングなどの縞状の画質劣化を発生させることがない。
【0040】
トナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、現像ローラー20Yによって搬送される液体現像剤は、図2に示すようにトナー圧縮コロナ発生器22Yによって、トナー圧縮部位でトナー圧縮コロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が印加される。
【0041】
特許文献1(特開2008−310368号公報)に係る発明においては、現像ローラーにバイアス印可ローラーを当接させていたが、本実施形態に係る現像装置においては、現像ローラー20Yには、直接接触しないトナー圧縮コロナ発生器22Yを設ける構成によって、トナー圧縮に伴い発生していた微小振動をなくすようにしている。一方、本実施形態に係る現像装置においては、弾性ローラー16Yに摺動ローラー19Yを設けて、これによりトナーをならすようにしており、特許文献1におけるバイアス印可ローラーのトナーならし効果を付与させている。また、本実施形態に係る現像装置においては、現像ローラー20Yに非接触なトナー層圧縮手段を採用することにより現像ローラー20Yの駆動に影響を及ぼさないようにしている。
【0042】
現像ローラー20Yに担持されてトナー圧縮された現像剤は、現像ローラー20Yが感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所望の電界印加によって、感光体10Yの潜像に対応して現像される。そして、現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収部に滴下して再利用される。なお、このようにして再利用されるキャリア及びトナーは混色状態ではない。
【0043】
図4は本発明の現像装置のバイアス電圧印加手段の概要を示す図である。本実施形態に係る現像装置においては、現像ローラー20Yと弾性ローラー16Y、アニロックスローラー32Yと摺動ローラー19Yとは等電位に保持されるようなバイアス電圧印加手段(電圧印加装置200Y及び電圧制御装置201Y)を有しており、このようなバイアス電圧印加手段によれば、現像ローラー20Y上における液体現像在中のトナー膜が良好な状態となることが確認されている。これは、各ローラーのニップ部において、電界によるトナー粒子の片寄せを生じさせないことによるものであり、各ローラー上においてトナーとキャリアの濃度を一定にすることで、固形分の搬送量の安定性が確保できるからである。
【0044】
また、トナー圧縮コロナ発生器22Yには、図4に示すように、電圧印加装置210Y及び電圧制御装置211Yによって生成される電圧が印加されることによって、トナー圧縮コロナ発生器22Yは電界を発生する。
【0045】
一次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰現像剤を回収するものであり、図2に示すように表面に弾性体を被覆して感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材から成る感光体スクイーズローラー13Y、13Y’と、該感光体スクイーズローラー13Y、13Y’に押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード14Y、14Y’とから構成され、感光体10Yに現像された現像剤から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。一次転写前の感光体スクイーズ装置として、本実施形態では複数の感光体スクイーズローラー13Y、13Y’を設けているが、ひとつの感光体スクイーズローラーによって構成しても良い。また、液体現像剤の状態などに応じて、複数の感光体スクイーズローラー13Y、13Y’のうち一方が当離接するように構成しても良い。
【0046】
一次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を一次転写ローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0047】
一次転写の下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上の転写されずに残った液体現像剤をクリーニングする。
【0048】
転写ベルトスクイーズ装置52Yは、一次転写部50Yの下流側に配置され、転写ベルト40上から余剰なキャリア液を除去し、顕像内のトナー粒子比率を上げる処理を行うものである。
【0049】
転写ベルトスクイーズ装置52Yは、感光体スクイーズ装置と同様、表面に弾性体を被覆して感光体40に摺接して回転する弾性ローラー部材から成る転写ベルトスクイーズローラー53Y、感光体40を挟んで転写ベルトスクイーズローラー53Yと対向配置されるバックアップローラー54Y、転写ベルトスクイーズローラー53Yに押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード55Yから構成され、転写ベルト40に一次転写された現像剤から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを回収する機能を有する。
【0050】
次に、本発明の現像装置、画像形成装置に用いられる現像剤容器の詳細な構成についてより詳しく説明する。図5は本発明に用いられる現像剤容器とそれに関連する構成の斜視図であり、図6は本発明に用いられるオーガの斜視図であり、図7は本発明の現像装置の停止時の状態と動作時の状態とを示す図である。
【0051】
図5乃至図7において、31Yは現像剤容器、32Yはアニロックスローラー、33Yは規制ブレード、75Yは規制ブレード保持部材、34Yはオーガ、310Yは供給貯留部、320Yは回収貯留部、321Yは回収スクリュー、330Yは仕切り部、340Yは軸部、341Yは長手羽根、345Yは螺旋状羽根、360Yは液体現像剤供給部材、361Yは凹部、363YはOリング、365Yは液体現像剤供給口、370Yは液体現像剤供給管、371Yは液体現像剤回収管をそれぞれ示している。
【0052】
図5はアニロックスローラー32Yを除いて、現像容器31Yの上面付近を斜視的に図示している。図5、図7に示されるように、現像容器31Y内の空間は仕切り部330Yによって2つに分け隔てられている。
【0053】
この仕切り部330Yによって分けられる空間の一方は、液体現像剤を供給するための
供給貯留部310Yとして利用され、他方は液体現像剤を回収するための回収貯留部320Yとして利用される。供給貯留部310Yと回収貯留部320Yは、互いに長手方向に並列するように仕切り部330Yにより隔てられる。
【0054】
供給貯留部310Yには、オーガ34Yが回転可能に設けられており、このオーガ34Yが装置動作時に回転することで、供給貯留部310Yに溜まっている液体現像剤がアニロックスローラー32Yに供給される。供給貯留部310Yと液体現像剤供給管370Yは連結しており、供給貯留部310Yに対する液体現像剤の供給は液体現像剤供給管370Yにより行われる。
【0055】
また、回収貯留部320Yには回収スクリュー321Yが回転可能に設けられており、回収スクリュー321Yが装置動作時に回転することで、現像に利用されなかった液体現像剤や、感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’などのクリーニングブレードから滴下したキャリアなどを回収する。
【0056】
回収貯留部320Yと液体現像剤回収管371Yとは連結されており、回収スクリュー321Yが回転することで、液体現像剤回収管371Yが連結されている回収貯留部320Yの一方端に液体現像剤を搬送するようになっている。このようにして回収貯留部320Yで回収された液体現像剤は、液体現像剤回収管371Yによって不図示の液体現像剤リサイクル機構へと導かれる。
【0057】
仕切り部330Yは、長手方向で異なる第1の高さ(H1)の領域と第2の高さ(H2)の領域とが形成されている。本実施形態では、第1の高さ(H1)の領域は仕切り部33
0Yの中央部に設定され、第2の高さ(H2)の領域は仕切り部330Yの両端部に設定
されており、第1の高さ(H1)は、第2の高さ(H2)より高く設定されている。
【0058】
仕切り部330Yの第1の高さ(H1)の領域は、装置動作時のオーガ34Yの回転に
より回収貯留部320Y側に向かおうとする液体現像剤をせき止めることによって液体現像剤の液面を持ち上げる働きをする。すなわち、第1の高さ(H1)の領域は、オーガ3
4Yが回転動作しているときにだけオーガ34Yからアニロックスローラー32Yへ液体現像剤を搬送できるようにするために設けられている。
【0059】
仕切り部330Yの第2の高さ(H2)の領域は、装置の停止時における供給貯留部3
10Y中の液体現像剤の液面の液位を決定する。また、装置の動作時においては、液体現像剤供給管370Yから供給貯留部310Yに定常的に供給されてくる液体現像剤を回収貯留部320Y側に流すための経路となる。
【0060】
仕切り部330Yの第2の高さ(H2)の領域は、装置の停止時における供給貯留部3
10Yの液体現像剤の液面を決定する役割を持っているが、これによって、装置の停止時、アニロックスローラー32Yが液体現像剤に浸かることを防止している。
【0061】
もし装置の停止時、アニロックスローラーが液体現像剤に浸かるようなこととなると、長時間画像形成動作がなかった場合、アニロックスローラー表面と液体現像剤表面の境界における、アニロックスローラー上に液体現像剤のトナー成分が固着する場合があり得る。このようになると、アニロックスローラーに固着したトナー成分によって、装置動作再開時、現像ローラー20Yへの液体現像剤塗布量の局所的不均衡が発生してしまう。すると、画像形成時に不均衡な液体現像剤塗布量の影響が画像に反映されることがある。そのため、本実施形態のような構成により、装置停止時は液体現像剤からアニロックスローラーを離す状態としている。
【0062】
図6は、図5に示す現像容器31Yに装着されているオーガ34Yの詳細な構造を斜視的に示すものである。供給貯留部310Yに設けられるオーガ34Yの周囲には、供給貯留部310Y内で液体現像剤を搬送するための、長手羽根341Y及び螺旋状羽根345Yの2種類の羽根が配されている。長手羽根341Yはオーガ34Yの周方向に液体現像剤を搬送するためのものであり、螺旋状羽根345Yはオーガ34Yの軸方向に液体現像剤を搬送するためのものである。
【0063】
長手羽根341Yは、オーガ34Y回転時、液体現像剤の液位を上昇させ、アニロックスローラー32Yに液体現像剤を供給する。
【0064】
図6において、Aの領域に属する螺旋状羽根345YとBの領域に属する螺旋状羽根345Yとは螺旋の旋回方向が異なっており、Aの領域とBの領域とで異なる方向に液体現像剤を搬送することができるようになっている。
【0065】
液体現像剤は液体現像剤供給管370Yを通じて、供給貯留部310Yの長手方向略半分のところに位置する液体現像剤供給口365Yから供給貯留部310Yに供給されるようになっており、オーガ34Y回転時、液体現像剤供給口365Yから供給された液体現像剤は、螺旋状羽根345Yによって、長手方向中央付近から端部付近へと搬送される。このように、液体現像剤の供給を供給貯留部310Yの略中央で行い、螺旋錐上のオーガ34Yで軸方向の両端に送るようになっているので、装置の動作時、液体現像剤の液面が供給貯留部310Y全体に渡って均一に保たれ、オーガ34Yからアニロックスローラー32Yへのトナー搬送が安定する。
【0066】
図7(a)及び(b)は共に、図5におけるX−X’での断面を示している。また、図7(a)は現像装置の停止時の状態を示しており、図7(b)は現像装置の動作時の状態を示している。
【0067】
図7(a)に示すように、装置停止時には、供給貯留部310Yにおける液体現像剤の液位は、仕切り部330Yの第2の高さ(H2)となり、アニロックスローラー32Yが
液体現像剤に浸かるようなことがない。これに対して、図7(b)に示すように、装置動作時には、オーガ34Yの回転動作に伴い、仕切り部330Yの第1の高さ(H1)の領
域ではこの領域のせき止め効果によって液体現像剤の液位は上昇し、第2の高さ(H2
の領域では、液体現像剤は供給貯留部310Yから回収貯留部320Yに流れていくため、液位は略第2の高さ(H2)と等しくなる。
【0068】
液体現像剤供給口365Yが設けられている液体現像剤供給部材360Yは、凹部361Y内のOリング363Yによって、現像剤容器31Yと防滴的に装着されており、液体現像剤供給口365Yから供給貯留部310Yに液体現像剤が供給される。現像剤供給口365Yは供給貯留部310Yの長手方向中心付近に位置しており、現像剤供給口365Yから供給される液体現像剤は、装置動作時には、オーガ34Yの回転動作に伴い、螺旋状羽根345Yの効果によって供給貯留部310Yの両端部に搬送される。また、液体現像剤供給口365Yが、仕切り部330Yの第1の高さ(H1)の領域に対応する位置に
あることで、このような液体現像剤搬送を実施することができるようになっている。
【0069】
次に、本発明の現像装置、画像形成装置における各ローラーの回転駆動についてより詳しく説明する。図8は本発明の現像装置に係るローラーの駆動関係を説明する図である。図8(a)は現像装置の側面図であり、図8(b)は現像装置を構成するローラーの駆動関係をローラー軸方向に垂直な方向からの視点で模式的に示した図である。
【0070】
第1モーター401Yは、アニロックスローラー32Yと弾性ローラー16Yとを回転
駆動するために設けられるモーターである。第1モーター401Yとこれらのローラーの間には、回転駆動力を分配するために駆動力伝達歯車群404Yが設けられている。
【0071】
また、第2モーター402Yは現像ローラー20Yを回転駆動するモーターであり、第2モーター402Yと現像ローラー20Yとの間にはワンウェイクラッチ405Yが設けられており、このワンウェイクラッチ405Yを繋いだり離したりすることにより、第2モーター402Yから現像ローラー20Yへの駆動力をオンオフすることができるようになっている。また、第3モーター403Yは、感光体10Yをダイレクトドライブにより回転駆動させるモーターである。
【0072】
これまでに説明したように、本実施形態に係る現像装置、画像形成装置においては、アニロックスローラー32Yと弾性ローラー16Yと現像ローラー20Yからなる一連のローラーが構成されており、弾性ローラー16Yと現像ローラー20Yの表面の移動方向が逆方向であり、弾性ローラー16Yに、トナー膜表面均しローラーである摺動ローラー19Yが当接するように構成されている。そして、現像ローラー20Yの回転方向に自由回転できるように現像ローラー20Yの駆動軸にワンウェイクラッチ405Yを設ける構成となっている。さらに、弾性ローラー16Yと現像ローラー20Yのニップ部の動摩擦が、現像ローラー20Yと感光体10Yのニップ部の動摩擦よりも小さくなるように設定されている。
【0073】
ここで、当接状態における荷重は、各ローラーの食い込み量を0.1mm、現像ローラー20Yの幅が300mmの場合に、各ニップ部の荷重は感光体10Y−現像ローラー20Yで130[N]、現像ローラー20Yと弾性ローラー16Yで50[N]程度である。
【0074】
摩擦力は、摩擦係数×垂直抗力であらわされため、現像ローラー20Yと弾性ローラー16Yの動摩擦係数が2倍であっても、上記のような動摩擦関係の設定を行うことができる。本実施形態では弾性ローラー16Yには、微粒子を分散したコート層にし、Rz5μm程度の粗度を持たせることによって、ローラー表面同士の接触面積を低減させ、摩擦係数を下げている。
【0075】
以上のような構成により、現像ローラー20Yが感光体10Yの表面速度に従動し、凹凸のないトナー膜を形成することが可能となる。また、感光体10Yへの駆動への影響も低減できる。
【0076】
また、弾性ローラー16Yと現像ローラー20Yの表面の移動方向が逆方向であること、及び、現像ローラー20Yの駆動軸にワンウェイクラッチ405Yが設けられていることにより、現像ローラー20Yの表面移動速度を、感光体10Yの表面移動速度のみに従動することが可能となる。また、摺動ローラー19Yは、弾性ローラー16Yに当接するように設けられているため、現像ローラー20Yの表面移動速度を乱すことがない。
【0077】
また、本実施形態に係る現像装置、画像形成装置においては、アニロックスローラー32Yと現像ローラー20Yとの間に弾性ローラー16Yを設けることで、弾性ローラー16Yと現像ローラー20Yのニップ部の動摩擦を、現像ローラー20Yと感光体10Yのニップ部の動摩擦よりも小さくするように設定することが容易となる。
【0078】
一般的に現像剤供給ローラーとしては、凹凸を有するアニロックスローラーが用いられるが、その凹凸からトナーを転写するには、高いニップ圧(食い込み)が必要である。そのため、現像ローラーとアニロックスローラーの摩擦力が大きくなり、従来技術の構成では、弾性ローラー16Yと現像ローラー20Yのニップ部の動摩擦を、現像ローラー20
Yと感光体10Yのニップ部の動摩擦よりも小さくするように設定することが困難となる。
【0079】
次に、弾性ローラー16Yと現像ローラー20Yのニップ部の動摩擦を、現像ローラー20Yと感光体10Yのニップ部の動摩擦よりも小さくするための機構について具体的に説明する。図9は本発明の現像装置における各構成の設置機構を説明する図である。
【0080】
本実施形態に係る現像装置においては、第1ユニット501Y及び第2ユニット502Yを設けるようにしており、第1ユニット501Yには、現像ローラー20Y、現像ローラークリーニングブレード21Y、トナー圧縮コロナ発生器22Yが固定・保持されるようになっている。また、第2ユニット502Yには、弾性ローラー16Y、弾性ローラークリーニングブレード17Y、摺動ローラー19Y、アニロックスローラー32Y、規制ブレード33Y、現像剤容器が固定・保持されるようになっている。
【0081】
第1バネ部材503Yは不図示の本体シャーシと第1ユニット501Yに連結され、感光体10Yと現像ローラー20Yが一定圧で当接する。
【0082】
また、第2バネ部材504Yは第1ユニット501Yと第2ユニット502Yとの間に連結される。また、第1ユニット501Yと、第2ユニット502Yとは回動軸505Yを中心とした回転機構となっている。これにより、現像ローラー20Yと弾性ローラー16Yとが一定圧で当接する。
【0083】
一般的に、ローラーの軸間が固定された位置の場合、組み立て精度による軸間のばらつきや液体現像剤中のキャリアオイルが原因となるローラー径の膨張によって、ニップ圧が変動し、動摩擦力が変動してしまう。その場合、先のような動摩擦係数の設定がずれてしまうことがある。そこで、図9に示すようなユニットを採用することで、「(動)摩擦力=(動)摩擦係数×垂直抗力(ニップ圧)」の式中、垂直抗力を一定圧にし、動摩擦の変動を小さくするための機構を設ける。
【0084】
以上、本発明の現像装置及び画像形成装置は、現像ローラーとは異なる弾性ローラーを設けておき、この弾性ローラーに当接する摺動ローラーによって、液体現像剤におけるトナー状態を改善するものであり、本発明によれば、現像ローラーに微小振動を生じさせることがなく、従って、現像ローラーと当接する像担持体に露光ムラを生じさることないので、印刷された画像にバンディングなどの縞状の画質劣化を発生させることがない。
【0085】
なお、本明細書においては、種々の実施の形態について説明したが、それぞれの実施の形態の構成を適宜組み合わせて構成された実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0086】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y、13Y’・・・感光体スクイーズローラー、14Y、14Y’・・・感光体スクイーズローラークリーニングブレード、16Y・・・弾性ローラー、17Y・・・弾性ローラークリーニングブレード、18Y・・・感光体クリーニングブレード、19Y・・・摺動ローラー、20Y、20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y・・・現像ローラークリーニングブレード、22Y・・・トナー圧縮コロナ発生器、24Y・・・キャリア量調整ローラー、25Y・・・キャリア量調整エアナイフ、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスローラー、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、33Y・・・規制ブレード、34Y・・・オーガ(供給ローラー)、40・・・転写
ベルト、41・・・ベルト駆動ローラー、42・・・テンションローラー、45・・・現像剤回収部、46・・・転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・・一次転写部、51Y、51M、51C、51K・・・一次転写バックアップローラー、52Y、52M、52C、52K・・・転写ベルトスクイーズ装置、53Y・・・転写ベルトスクイーズローラー、54Y・・・転写ベルトスクイーズバックアップローラー、55Y・・・転写ベルトスクイーズローラークリーニングブレード、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転写ローラー、62・・・2次転写ローラークリーニングブレード、70Y、71Y、72Y、73Y、74Y、76Y・・・(クリーニング)ブレード保持部材、75Y・・・規制ブレード保持部材、90・・・定着ユニット、310Y・・・供給貯留部、320Y・・・回収貯留部、321Y・・・回収スクリュー、330Y・・・仕切り部、340Y・・・軸部、341Y・・・長手羽根、345Y・・・螺旋状羽根、360Y・・・液体現像剤供給部材、361Y・・・凹部、363Y・・・Oリング、365Y・・・液体現像剤供給口、370Y・・・液体現像剤供給管、371Y・・・液体現像剤回収管、401Y・・・第1モーター、402Y・・・第2モーター、403Y・・・第3モーター、404Y・・・駆動力伝達歯車群、405Y・・・ワンウェイクラッチ、501Y・・・第1ユニット、502Y・・・第2ユニット、503Y・・・第1バネ部材、504Y・・・第2バネ部材、505Y・・・回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー及びキャリアを含む液体現像剤を担持する現像ローラーと、
前記現像ローラーと当接して前記現像ローラーに前記液体現像剤を供給する弾性ローラーと、
前記弾性ローラーと当接して前記弾性ローラーに前記液体現像剤を塗布する塗布ローラーと、
前記塗布ローラーにより前記液体現像剤が塗布された前記弾性ローラーと当接するとともに、前記弾性ローラーの回転軸の回転方向と同じ方向に回転軸が回転する摺動ローラーと、を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像ローラーと対向し、前記弾性ローラーにより供給された前記液体現像剤にバイアスを印加するコロナ発生器を有する請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像ローラー、前記弾性ローラー、前記塗布ローラー、及び前記摺動ローラーは等電位もしくは略等電位のバイアスが印加される請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像ローラーは、回転軸を有し、
前記現像ローラーの前記回転軸は、ワンウェイクラッチが配設されて前記現像ローラーを回転させる駆動力を伝達する駆動軸に接続される請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
潜像が形成される潜像担持体と、
前記潜像担持体を露光して前記潜像を形成する露光部と、
前記潜像担持体に形成された前記潜像をトナー及びキャリアを含む液体現像剤で現像する現像ローラー、前記現像ローラーと当接して前記現像ローラーに前記液体現像剤を供給する弾性ローラー、前記弾性ローラーと当接して前記弾性ローラーに前記液体現像剤を塗布する塗布ローラー、及び前記塗布ローラーにより前記液体現像剤が塗布された前記弾性ローラーと当接して前記弾性ローラーの回転軸の回転方向と同じ方向に回転する摺動ローラーを有する現像部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記現像ローラーと対向して前記弾性ローラーにより供給された前記液体現像剤中のトナーを圧縮状態とするコロナ発生器が配される請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像ローラー、前記弾性ローラー、前記塗布ローラー及び前記摺動ローラーにバイアスを印加するバイアス印加部と、
前記現像ローラー、前記弾性ローラー、前記塗布ローラー及び前記摺動ローラーに等電位もしくは略等電位のバイアスが印加されるように制御する制御部と、を有する請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
駆動源と、
ワンウェイクラッチが配設されるとともに、前記駆動源に接続されて前記現像ローラーを回転させる駆動軸を有する請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−221329(P2011−221329A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91207(P2010−91207)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】