説明

現像装置

【課題】現像ローラの周面に担持される現像剤の層厚をその軸線方向にわたって均一にしながら、小型化を図ることができる、現像装置を提供する。
【解決手段】層厚規制部材41は、現像ローラ軸37と間隔を空けて平行をなす揺動軸42を中心に揺動可能に設けられ、左右方向に沿って延びている。現像ローラ8における非現像寄与部分と層厚規制部材41との各間には、コイルばね50が設けられている。層厚規制部材41は、揺動軸42と直交する方向の一方側に、コイルばね50により非現像寄与部分から離れる方向に押圧される被押圧部44を有している。また、層厚規制部材41は、揺動軸42と直交する方向の一方側と反対の他方側に、左右方向に沿って現像ローラ8に当接するローラ当接部45を有している。そして、被押圧部44が押圧されることにより、ローラ当接部45が現像ローラ8を押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に備えられる現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタなどの画像形成装置には、その装置本体内に現像装置が備えられている。
【0003】
現像装置は、ボックス形状のトナーホッパを有している。トナーホッパ内には、トナーが収容されている。トナーホッパの一側面には、長手状の開口が形成されている。そして、トナーホッパの外側には、現像ローラが開口を閉塞するように設けられている。
【0004】
また、現像ローラの周面には、トナー層厚規制部材の一端部が弾性的に当接している。トナー層厚規制部材は、現像ローラの長手方向に長い導電性の板状部材である。トナー層厚規制部材の他端部は、トナーホッパの上部に固定されている。
【0005】
トナーホッパ内のトナーは、現像ローラの周面に付着した後、トナー層厚規制部材により、一定厚さのトナー層として現像ローラの周面に担持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−338256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の構成では、トナー層厚規制部材は、一端部が現像ローラの周面に弾性的に当接し、他端部がトナーホッパの上部(筐体)に固定されている。しかしながら、トナー層厚規制部材を適当な弾性力を有した状態で現像ローラの周面に当接させるためには、トナー層厚規制部材の一端部と他端部との間の距離(トナー層厚規制部材の長さ)を一定以上確保する必要がある。そのため、現像装置におけるトナー層厚規制部材の長さ方向のサイズの小型化が困難であった。
【0008】
また、上記の構成では、現像ローラの回転軸が、トナーホッパの両端部に固定されている。そのため、トナー層厚規制部材からの押圧力により、現像ローラの長手方向の中央部が撓むおそれがある。このような撓みが現像ローラに生じていると、現像ローラの中央部と現像ローラの両端部とで、トナー規制部材との間の間隔が異なり、現像ローラの中央部と両端部とで、その周面に担持される現像剤の層厚にバラつきが生じる。
【0009】
本発明の目的は、現像ローラの撓みを防止でき、かつ、小型化を図ることができる、現像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するため、本発明は、感光体に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像装置であって、現像軸線を中心に回転可能に設けられ、その表面に現像剤を担持する現像ローラと、前記現像軸線と間隔を空けた揺動軸線を中心に揺動可能に設けられ、前記現像軸線方向に沿って延びる揺動部材と、前記現像ローラにおける前記静電潜像の現像に寄与する部分に対する前記現像軸線方向の両側の非現像寄与部分と前記揺動部材との各間に設けられる弾性部材とを備え、前記揺動部材は、前記揺動軸線と直交する方向の一方側に、前記弾性部材により前記非現像寄与部分から離れる方向に押圧される被押圧部を有し、前記揺動軸線と直交する方向の前記一方側と反対の他方側に、前記揺動軸線方向に沿って前記現像ローラに当接するローラ当接部を有し、前記被押圧部が押圧される力により前記ローラ当接部が前記現像ローラを押圧するように形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、現像ローラは、現像軸線を中心に回転可能に設けられる。揺動部材は、現像軸線と間隔を空けた揺動軸線を中心に揺動可能に設けられ、現像軸線方向に沿って延びている。現像ローラにおける静電潜像の現像に寄与する部分に対する現像軸線方向の両側の部分、つまり静電潜像の現像に寄与しない非現像寄与部分と揺動部材との各間には、弾性部材が設けられている。
【0012】
揺動部材は、揺動軸線と直交する方向の一方側に、弾性部材により非現像寄与部分から離れる方向に押圧される被押圧部を有している。また、揺動部材は、揺動軸線と直交する方向の一方側と反対の他方側に、揺動軸線方向に沿って現像ローラに当接するローラ当接部を有している。そして、被押圧部が押圧されることにより、ローラ当接部が現像ローラを押圧する。
【0013】
被押圧部と非現像寄与部分との間に弾性部材が設けられ、弾性部材の押圧力によりローラ当接部が現像ローラの周面に押圧されるので、ローラ当接部を現像ローラの周面に弾性的に当接させるために、揺動部材自体に弾性を持たせる必要がない。そのため、揺動部材の弾性を確保するために、揺動部材のサイズを大きくしなくてもよい。よって、揺動部材を小型化することができ、ひいては、現像装置の小型化を図ることができる。
【0014】
また、弾性部材は、現像ローラにおける現像軸線方向の両側に設けられている。そのため、弾性部材が現像ローラの両側を押圧し、現像ローラの中央部を撓ませる力と、ローラ当接部が現像ローラを押圧し、現像ローラの中央部を撓ませる力とは、ほぼ同じ大きさかつ逆方向の力である。よって、現像ローラの中央部が撓むのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る現像カートリッジが備えられたプリンタの中央断面図である。
【図2】図2は、図1に示す現像カートリッジの斜視図であり、筐体の左右両側壁が省略された状態を示す。
【図3】図3は、図2に示す現像ローラおよび揺動部材の分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施形態に係る揺動部材、現像ローラおよび感光ドラムを示す模式的な側面図である。
【図5】図5は、図4に示す現像ローラおよび揺動部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
1.プリンタの全体構成
プリンタ1は、タンデム型のカラープリンタである。図1に示すように、プリンタ1の本体ケーシング2内には、ドラムユニット3が装着されている。このドラムユニット3は、本体ケーシング2の一方側壁に設けられたフロントカバー4を開けて、本体ケーシング2に対して着脱可能となっている。
【0017】
なお、以下の説明において、フロントカバー4が設けられる側(図1における左側)を前側(正面側)とし、その反対側(図1における右側)を後側(背面側)とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。
【0018】
ドラムユニット3には、4つの感光ドラム5が備えられている。4つの感光ドラム5は、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色に対応して設けられ、前後方向に沿って、前側からブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの順に等間隔に並列に配置されている。
【0019】
また、ドラムユニット3には、各感光ドラム5に対応して、スコロトロン型帯電器6と、現像装置の一例としての現像カートリッジ7とが備えられている。現像カートリッジ7は、感光ドラム5にトナー(現像剤)を供給するための現像ローラ8と、内部にトナーを収容するボックス形状をなし、下端部に現像ローラ8をその周面の一部が露出する状態で保持する筐体9とを含む構成である。各現像カートリッジ7は、ドラムユニット3に対して着脱可能に装着されている。
【0020】
ドラムユニット3の上方には、各色に対応した4本のレーザビームを出射する露光器10が配置されている。
【0021】
感光ドラム5の回転に伴って、感光ドラム5の表面は、スコロトロン型帯電器6からの放電によって一様に帯電された後、露光器10からのレーザビームにより選択的に露光される。この露光によって、感光ドラム5の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム5の表面に静電潜像が形成される。静電潜像が現像ローラ8に対向すると、現像ローラ8から静電潜像にトナーが供給される。これにより、感光ドラム5の表面にトナー像が形成される。
【0022】
なお、露光器10に代えて、4つのLEDアレイが各感光ドラム5に対応して設けられてもよい。
【0023】
本体ケーシング2の底部には、用紙Pを収容する給紙カセット11が配置されている。給紙カセット11に収容されている用紙Pは、各種ローラにより、搬送ベルト12上に搬送される。搬送ベルト12は、4つの感光ドラム5に下方から対向して配置されている。感光ドラム5に対して搬送ベルト12の上側部分を挟んで対向する各位置には、転写ローラ13が配置されている。搬送ベルト12上に搬送された用紙Pは、搬送ベルト12の走行により、搬送ベルト12と各感光ドラム5との間を順次に通過する。そして、感光ドラム5の表面上のトナー像は、用紙Pと対向したときに、転写ローラ13に印加された転写バイアスによって、用紙Pに転写される。
【0024】
搬送ベルト12に対して用紙Pの搬送方向における下流側には、定着器14が設けられている。トナー像が転写された用紙Pは、定着器14に搬送される。定着器14では、加熱および加圧により、トナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着した用紙Pは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ15に排出される。
2.現像カートリッジ
図2に示すように、現像カートリッジ7の筐体9は、前壁21および後壁22を備えている。前壁21および後壁22は、上下方向および左右方向に延びる略矩形板状をなし、前後方向に間隔を空けて対向している。前壁21は、後壁22よりも下方に長手に形成されている。前壁21および後壁22の各上端部間には、上壁23が架設されている。そして、図2では図示が省略されているが、前壁21および後壁22の左端部間には、左側壁が架設されている。また、前壁21および後壁22の右端部間には、右側壁が架設されている。これにより、筐体9は、その下端部に後側下方に向けて開放される開口24が形成された略ボックス形状に形成されている。
【0025】
また、筐体9内には、トナー収容室31と現像室32とが上下方向に並んで形成されている。トナー収容室31と現像室32とは、連通口33により連通されている。
【0026】
トナー収容室31には、非磁性一成分の正帯電のトナーが収容されている。
【0027】
現像室32は、連通口33に対してトナー収容室31の下方に設けられている。また、現像室32は、筐体9の下端部に形成された開口24を介して、外部と連通している。
【0028】
現像室32には、連通口33の下方に供給ローラ34が設けられている。
【0029】
また、現像室32には、現像ローラ8が設けられている。現像ローラ8は、現像ローラ本体36および現像ローラ軸37を有している。
【0030】
現像ローラ本体36は、筐体9の長手方向(左右方向)に延びる円柱状に形成され、その周面の一部が開口24から後側下方に露出している。
【0031】
現像ローラ軸37は、現像ローラ本体36の中心軸線に沿って延び、現像ローラ本体36の左右方向両端部から外側に突出している。現像ローラ軸37の両端部には、外嵌部材の一例としての軸受部材40が外嵌されている。そして、軸受部材40は、筐体9の両側壁(図示せず)に固定されている。これにより、現像ローラ軸37は、軸受部材40を介して、筐体9に相対回転可能に支持されている。
【0032】
また、筐体9の後壁22の下端部には、揺動部材の一例としての層厚規制部材41が設けられている。層厚規制部材41は、左右方向に長手に形成され、現像ローラ本体36の周面に対してその軸線方向にわたって対向する板状部43を備えている。板状部43は、繊維強化樹脂などの剛性の高い樹脂材料からなる。
【0033】
板状部43には、現像ローラ軸37と平行な方向(左右方向)に延びる同一軸線上に、その左右方向両端面から突出する揺動軸線の一例としての揺動軸42が形成されている。揺動軸42は、筐体9の両側壁(図示せず)に相対回転可能に支持されている。したがって、揺動軸42は、現像ローラ軸37と一定間隔を空けて平行に延びている。
【0034】
板状部43には、揺動軸42に対する一端側に、被押圧部44が形成されている。被押圧部44は、板状部43の左右方向両端部から軸受部材40に向けて延びる棒状に形成されている。
【0035】
被押圧部44と軸受部材40との間には、弾性部材の一例としてのコイルばね50が圧縮状態で介在されている。被押圧部44は、コイルばね50の一端側からその内部に挿入されている。そして、コイルばね50の他端部は、軸受部材40の外周面に係止されている。これにより、被押圧部44は、軸受部材40(現像ローラ8)から離間する方向に常に押圧されている。
【0036】
また、板状部43には、揺動軸42に対して被押圧部44と反対側の他端側に、ローラ当接部45が形成されている。ローラ当接部45は、板状部43から現像ローラ8に向けて延びる板状に形成されている。ローラ当接部45の先端部は、現像ローラ本体36の周面における現像に寄与する部分に対して、その全幅にわたって当接している。
【0037】
図3に示すように、現像ローラ軸37と直交し、被押圧部44を通る第1直線L1と、現像ローラ軸37と直交し、ローラ当接部45を通る第2直線L2とのなす角θは、0°以上90°以下である。この実施形態では、角θは、たとえば、25°である。
【0038】
そして、コイルばね50の押圧力により被押圧部44が現像ローラ8から離間する方向に常に押圧されているので、揺動軸42を挟んで反対側に形成されているローラ当接部45の先端部は、現像ローラ本体36の周面に対して弾性的に押圧されている。
【0039】
トナー収容室31内から現像室32にトナーが送られると、供給ローラ34を介して現像ローラ8(現像ローラ本体36)の周面にトナーが供給される。そして、現像ローラ8の回転に伴って、現像ローラ本体36の周面に弾性的に押圧されているローラ当接部45により、余分なトナーが削ぎ落とされる。これにより、現像ローラ本体36の周面上にトナーが一定厚さの薄層として担持される。
3.作用効果
以上のように、現像ローラ8は、現像ローラ軸37を中心に回転可能に設けられる。層厚規制部材41は、現像ローラ軸37と間隔を空けて平行をなす揺動軸42を中心に揺動可能に設けられ、左右方向に沿って延びている。現像ローラ8における静電潜像の現像に寄与する部分に対する左右方向の両側の部分、つまり静電潜像の現像に寄与しない非現像寄与部分と層厚規制部材41との各間には、コイルばね50が設けられている。
【0040】
層厚規制部材41は、揺動軸42と直交する方向の一方側に、コイルばね50により非現像寄与部分から離れる方向に押圧される被押圧部44を有している。また、層厚規制部材41は、揺動軸42と直交する方向の一方側と反対の他方側に、左右方向に沿って現像ローラ8に当接するローラ当接部45を有している。そして、被押圧部44が押圧されることにより、ローラ当接部45が現像ローラ8を押圧する。
【0041】
被押圧部44と非現像寄与部分(軸受部材40)との間にコイルばね50が設けられ、コイルばね50の押圧力によりローラ当接部45が現像ローラ8の周面に押圧されるので、ローラ当接部45を現像ローラ8の周面に弾性的に当接させるために、層厚規制部材41自体に弾性を持たせる必要がない。そのため、層厚規制部材41の弾性を確保するために、層厚規制部材41のサイズを大きくしなくてもよい。よって、層厚規制部材41を小型化することができ、ひいては、現像カートリッジ7の小型化を図ることができる。
【0042】
さらに、現像カートリッジ7の前後方向のサイズの小型化が達成されれば、図1に示すタンデム型のプリンタ1において、現像カートリッジ7が前後方向に沿って4つ並列に配置されたときの平面積を小さくすることができる。その結果、プリンタ1の小型化を達成することができる。
【0043】
また、コイルばね50は、現像ローラ8の左右方向の両側に設けられている。そのため、コイルばね50が現像ローラ8の両側を押圧し、現像ローラ8の中央部を撓ませる力と、ローラ当接部45が現像ローラ8を押圧し、現像ローラ8の中央部を撓ませる力とは、ほぼ同じ大きさかつ逆方向の力である。よって、現像ローラ8の中央部が撓むのを防止することができる。
【0044】
また、現像ローラ軸37は、現像に寄与しないので、現像ローラ軸37と被押圧部44との間にコイルばね50が設けられることにより、コイルばね50を非現像寄与部分と被押圧部44との間に確実に配置することができる。
【0045】
また、現像ローラ本体36に対して左右方向の両側には、軸受部材40が設けられている。軸受部材40には、現像ローラ軸37が回転可能に挿通される。そして、コイルばね50は、軸受部材40と被押圧部44との間に配置されている。これにより、現像ローラ8の回転による振動などが、コイルばね50を介して層厚規制部材41に伝達されることを防止できる。したがって、ローラ当接部45を現像ローラ8の周面に対して安定して当接させることができる。
【0046】
また、層厚規制部材41は、現像ローラ軸37と直交し、被押圧部44を通る第1直線L1と、現像ローラ軸37と直交し、ローラ当接部45を通る第2直線L2とのなす角度θが、0≦θ≦90°となるように形成されている。これにより、現像ローラ8がコイルばね50から受ける力の方向と現像ローラ8がローラ当接部45から受ける力の方向とをほぼ逆方向にすることができるので、現像ローラ8に撓みが生じるのをより良好に防止することができる。
【0047】
また、現像ローラ8および層厚規制部材41は、現像カートリッジ7の筐体9に保持されている。現像ローラ軸37と揺動軸42との間の距離は一定である。これにより、層厚規制部材41のローラ当接部45を現像ローラ8の周面における一定の位置に当接させることができる。
4.第2の実施形態
図4,5に示す層厚規制部材61は、図3に示す層厚規制部材41に代えて採用することができる。
【0048】
図3に示す層厚規制部材41は、被押圧部44とローラ当接部45とが側面視で互いに間隔を空けて配置されている。これに対して、図4,5に示す層厚規制部材41は、被押圧部64とローラ当接部65とが、側面視で交差している。
【0049】
具体的には、層厚規制部材41は、左右方向に長手に形成され、現像ローラ本体36の周面に対してその軸線方向にわたって対向する板状部63を備えている。板状部63は、繊維強化樹脂などの剛性の高い樹脂材料からなる。
【0050】
板状部63には、現像ローラ軸37と平行な方向(左右方向)に延びる同一軸線上に、その左右方向両端面から突出する揺動軸62が形成されている。揺動軸62は、筐体9の両側壁(図示せず)に相対回転可能に支持されている。したがって、揺動軸62は、現像ローラ軸37と一定間隔を空けて平行に延びている。
【0051】
板状部63には、揺動軸62に対する一端側に、被押圧部64が形成されている。被押圧部64は、板状部63の左右方向両端部から軸受部材40に向けて延びる棒状に形成されている。被押圧部64は、板状部63における揺動軸62と直交する方向の長さよりも大きな長さを有している。
【0052】
被押圧部64と軸受部材40との間には、弾性部材の一例としてのコイルばね70が圧縮状態で介在されている。被押圧部64は、コイルばね70の一端側からその内部に挿入されている。そして、コイルばね70の他端部は、軸受部材40の外周面に係止されている。これにより、被押圧部64は、軸受部材40(現像ローラ8)から離間する方向に常に押圧されている。
【0053】
また、板状部63には、揺動軸62に対して被押圧部64と反対側の他端側に、ローラ当接部65が形成されている。ローラ当接部65は、板状部63から現像ローラ8に向けて延び、その途中部が側面視で被押圧部64と交差する板状に形成されている。ローラ当接部65の先端部は、現像ローラ本体36の周面における現像に寄与する部分に対して、その全幅にわたって当接している。
【0054】
図4に示すように、現像ローラ軸37と直交し、被押圧部64を通る第1直線L1と、現像ローラ軸37と直交し、ローラ当接部65を通る第2直線L2とのなす角θは、0°以上90°以下である。この実施形態では、角θは、たとえば、15°である。
【0055】
そして、コイルばね70の押圧力により被押圧部64が現像ローラ8から離間する方向に常に押圧されているので、揺動軸62を挟んで反対側に形成されているローラ当接部65の先端部は、現像ローラ本体36の周面に対して弾性的に押圧されている。
【0056】
このような構成の層厚規制部材61を備える現像カートリッジ7であっても、図3に示す層厚規制部材41を備える現像カートリッジ7と同様の効果を奏することができる。
5.変形例
以上、本発明の2つの実施形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
【0057】
たとえば、被押圧部44,64およびローラ当接部45,65は、板状部43,63と一体的に形成されていてもよいし、板状部43,63とは別体として形成され、板状部43,63に固定されていてもよい。ローラ当接部45,65が板状部43,63とは別体として形成される場合、ローラ当接部45,65は、金属材料から形成されていてもよい。
【0058】
また、外嵌部材の一例として、現像ローラ軸37の両端部を支持する軸受部材40を例示したが、外嵌部材は、現像ローラ本体36の周面に設定される現像寄与部分よりも外側に設けられていればよく、たとえば、現像ローラ軸37の端部に外嵌されるカラー部材などが外嵌部材の一例として採用されてもよい。
【0059】
その他、特許請求の範囲の記載に基づいて、種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 プリンタ
7 現像カートリッジ
8 現像ローラ
9 筐体
36 現像ローラ本体
37 現像ローラ軸
40 軸受部材
41 層厚規制部材
42 揺動軸
43 板状部
44 被押圧部
45 ローラ当接部
61 層厚規制部材
62 揺動軸
63 板状部
64 被押圧部
65 ローラ当接部
L1 第1直線
L2 第2直線
θ 角


【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像装置であって、
現像軸線を中心に回転可能に設けられ、その表面に現像剤を担持する現像ローラと、
前記現像軸線と間隔を空けた揺動軸線を中心に揺動可能に設けられ、前記現像軸線方向に沿って延びる揺動部材と、
前記現像ローラにおける前記静電潜像の現像に寄与する部分に対する前記現像軸線方向の両側の非現像寄与部分と前記揺動部材との各間に設けられる弾性部材とを備え、
前記揺動部材は、前記揺動軸線と直交する方向の一方側に、前記弾性部材により前記非現像寄与部分から離れる方向に押圧される被押圧部を有し、前記揺動軸線と直交する方向の前記一方側と反対の他方側に、前記揺動軸線方向に沿って前記現像ローラに当接するローラ当接部を有し、前記被押圧部が押圧される力により前記ローラ当接部が前記現像ローラを押圧するように形成されている、現像装置。
【請求項2】
前記現像ローラは、前記現像軸線を中心軸線とする円周面を有する現像ローラ本体と、前記現像軸線に沿って延び、前記現像ローラ本体の両端から突出する現像ローラ軸とを備え、
前記非現像寄与部分は、前記現像ローラ軸を含む、請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像ローラ本体に対して前記現像軸線方向の両側に設けられ、前記現像ローラ軸が回転可能に挿通される外嵌部材をさらに備え、
前記弾性部材は、前記外嵌部材と前記被押圧部との間に配置されている、請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記揺動部材は、前記現像軸線と直交し、前記被押圧部を通る第1直線と、前記現像軸線と直交し、前記ローラ当接部を通る第2直線とのなす角度θが、0≦θ≦90°となるように形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項5】
筐体を備え、
前記現像ローラおよび前記揺動部材は、前記現像軸線と前記揺動軸線との間の距離が一定となるように、前記筐体に保持されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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