説明

現場ゴム引きされると共に2+M+N構造を有する3層スチールコード

本発明は、現場でゴム引きされた2+M+N構造の3つの層(C1+C2+C3)を有するスチールコードであって、3つの層は、ピッチp1で螺旋状に組み立てられた直径d1の2本のワイヤから成る第1の層又は中央層(C1)を含み、直径d2のM本のワイヤが第2の層(C2)の状態でピッチp2で螺旋状に中央層(C1)に巻き付けられ、直径d3のN本のワイヤが第3の層(C3)の状態でピッチp3で螺旋状に第2の層に巻き付けられ、コードは、以下の特徴(d1、d2、d3、p1、p2及びp3は、mmで表されている)を有し、即ち、‐0.08≦d1≦0.50、‐0.08≦d2≦0.50、0.08≦d3≦0.50、‐3<p1<50、‐6<p2<50、‐9<p3<50、コードの3cm長さ分にわたり、「充填ゴム」と呼ばれるゴムコンパウンドは、一方において第1の層(C1)の2本のワイヤ並びに他方において第2の層(C2)のM本のワイヤ及び第3の層(C3)のN本のワイヤより画定された毛管の各々の中に存在し、コード中の充填ゴムの量は、コード1g当たり10〜50mgであることを特徴とするスチールコードに関する。本発明は又、このようなコードの製造方法及びストランドのうちの少なくとも1本が本発明に従って現場ゴム引きされた3層スチールコード(C‐1)であるスチールコードに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、産業車両用のゴムで作られた物品、例えばタイヤを補強するために使用できる3層金属コードに関する。
【0002】
本発明は又、「現場ゴム引き」型の3層金属コード、即ち、内側が製造中、未架橋(未硬化)状態のゴム又はゴムコンパウンドでゴム引きされたコードに関する。
【0003】
本発明は、より詳細には、特定の2+M+N構造の3層金属コード及び産業車両用のタイヤの「カーカス」とも呼ばれているカーカス補強材中へのこれらコードの使用に関する。
【0004】
公知のように、ラジアルタイヤは、トレッド、2つの非伸長性ビード、ビードをトレッドに連結する2つのサイドウォール及びカーカス補強材とトレッドとの間に周方向に位置決めされたベルトを有している。このカーカス補強材は、公知の仕方で、ゴムから成る少なくとも1枚のプライ(又は「層」)で構成され、このゴムプライは、産業車両用のタイヤの場合、一般に金属製の補強要素(「補強材」)で補強されている。
【0005】
上述のカーカス補強材を補強するため、一般に、中央層及びこの中央層の周りに位置決めされたワイヤから成る1つ又は2つ以上の同心層で構成されたスチールコードと呼ばれているものが用いられている。最も用いられる場合の多い層状コードは、本質的に、L+M+N構造のコードであり、このようなコードは、M本のワイヤの中央層をN本のワイヤの外側層で包囲したものである。
【0006】
今日、産業車両のタイヤ用のカーカス補強材中に使用でき、目的が最も高い機械的強度を達成することにより、従って多数本のワイヤが必要である3層コードの中で、特に知られている3層コードは、2本のワイヤの中央層をM本のワイヤの中間層で包囲し、中間層それ自体をN本のワイヤの外側層で包囲して形成された2+M+N構造のコードであり、組立体全体を外側層に螺旋状に巻き付けられた外部包装ワイヤで包装される場合がある。
【0007】
周知のように、これら層状コードは、タイヤが走行しているときに高い応力、特に、繰り返し曲げ又は曲率の変化を受け、それにより、特に隣り合う層相互間の接触によりワイヤのところに摩擦が生じ、従って摩耗及び疲労が生じ、従って、これら層状コードは、「フレッチング疲労」と呼ばれている現象に対して高い耐性を備えなければならない。
【0008】
また、多層コードには、ゴムがコードを構成するワイヤ相互間の空間の全てに完全に入り込む(侵入する)ためにできるだけ遠くまでゴムを含浸させることが特に重要である。確かに、この侵入が不十分であると、コードに沿って且つコード内に空のチャネル又は毛管(又は毛管状隙間)が形成され、例えばこれらトレッドに生じた切れ目の結果としてタイヤの中に入り込みやすい腐食物質、例えば水又は空気中の酸素がこれら空のチャネルに沿ってタイヤのカーカス中に移動する。この水分の存在は、乾燥状態の雰囲気で用いられる場合と比較して、腐食を生じさせると共に上述の劣化プロセス(「腐食疲労」現象)を促進させるうえで重要な役割を果たす。
【0009】
これら疲労現象の全ては、一般に、「フレッチング腐食疲労」という包括的な用語でグループ化でき、このような現象は、コードの機械的性質に累進的な劣化をもたらすと共に過酷な走行条件下においてコードの寿命に悪影響を及ぼす場合がある。
【0010】
上述の欠点を軽減するため、国際公開第2005/071157号パンフレットは、L+M+N構造(Lは、1〜4、Mは、3〜12、Nは、8〜20)、特に1+6+12構造の3層状コードを提案しており、このような3層状コードの本質的な特徴のうちの1つは、ジエンゴムコンパウンドから成るシースが少なくとも、M本のワイヤで構成された中間層を覆い、コードそれ自体のコアがゴムで被覆されているか被覆されていないかのいずれかであることが可能である。この特定の設計により、先行技術のコードと比較して、腐蝕の問題を抑える優れたゴム侵入度が得られるだけでなく、耐フレッチング疲労性も又特に向上している。重量物運搬車両用タイヤの耐用寿命及びこれらのカーカス補強材の耐用寿命は、非常に目に見えて向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2005/071157号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、提案されているこれらコードの製造方法及びその結果として得られるコードそれ自体は、欠点がないわけではない。
【0013】
まず最初に、これら3層コードは、数個のステップで得られ、これら数個のステップは、不連続であるという欠点を有し、このようなステップでは、まず最初に、中間のL+Mコードを作り、次に押出ヘッドを用いてこの中間コード又はコアを外装し、最後に、外側層を形成するために残りのN本のワイヤをこのように外装されたコア(L+M)周りにケーブリングするという最終作業を行う必要がある。外側層をコア周りにケーブリングする前にゴムシースの未硬化ゴムの粘着性が非常に高いという問題を回避するために、中間スプール巻き取り及び巻き出し作業中、層間プラスチックフィルムも又使用しなければならない。これら連続して行われる取り扱い作業の全ては、工業上の観点からは問題があり、高い製造速度の達成に反する。
【0014】
さらに、コード軸線に沿うコードの考えられる限り最も低い通気度を得るためにコード中へのゴムの高い侵入レベルを達成することが望ましい場合、先行技術のこれら方法を用いると、外装作業中、ゴムを比較的多量に使用することが必要であることが判明した。量が多いことにより、製造されたばかりの完成状態のコードの周囲に未硬化ゴムの幾分顕著な望ましくないにじみ出し(オーバースピル)が生じる。
【0015】
上述したように、未硬化(未架橋)状態のゴムの粘着性が非常に高いので、このような望ましくないオーバースピルは、最終のタイヤの製造作業及び最終の硬化に先だって、未硬化状態の場合と同様、コードの後の取扱中、特にゴムのストリップ中へのコードの組み込みのために次に行われる圧延作業中、相当な不利益を生じさせる。
【0016】
上述の欠点の全ては、当然のことながら、工業的生産速度を落とし、コードの最終コスト及びこれらコードが補強するタイヤの最終コストにマイナスの影響を及ぼす。
【0017】
生じるもう1つの欠点(これは、2+M+N構造のコードに特有である)は、中央層の2本のワイヤがコード内で互いに接触したままであり、これが、知られているように、これらの耐疲労腐食性にとって有害であるということである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本出願人は、自分たちの研究の続行中、上述の欠点を軽減することができる特定の製造法を用いることによって得られた2+M+N構造の改良型3層コードを発明した。
【0019】
したがって、本発明の第1の要旨は、現場でゴム引きされた2+M+N構造の3つの層(C1+C2+C3)を有する金属コードであって、3つの層は、ピッチp1で螺旋状に組み立てられた直径d1の2本のワイヤから成る第1の層又は中央層(C1)を含み、直径d2のM本のワイヤが第2の層(C2)の状態でピッチp2で螺旋状に中央層(C1)に巻き付けられ、直径d3のN本のワイヤが第3の層(C3)の状態でピッチp3で螺旋状に第2の層に巻き付けられ、コードは、以下の特徴(d1、d2、d3、p1、p2及びp3は、mmで表されている)を有し、即ち、
‐0.08≦d1≦0.50
‐0.08≦d2≦0.50
‐0.08≦d3≦0.50
‐3<p1<50
‐6<p2<50
‐9<p3<50
‐PKに等しい外側ストランドの任意の3cm長さ分にわたり、「充填ゴム」と呼ばれるゴムコンパウンドは、一方において第1の層(C1)の2本のワイヤ並びに他方において第2の層(C2)のM本のワイヤ及び第3の層(C3)のN本のワイヤより画定された毛管の各々の中に存在し、
‐コード中の充填ゴムの量は、コード1g当たり10〜50mgであることを特徴とする金属コードにある。
【0020】
本発明のこの3層コードは、先行技術の現場ゴム引き3層構造と比較して、含有する充填ゴムの量が少ないという顕著な利点を有し、それにより、コードがコンパクトになり、このゴムは又、コードの内側の毛管の各々の中で一様に分布して配置され、コードにはその軸線に沿って最適な不浸透性が与えられる。
【0021】
本発明は又、ゴム製品又は半完成品、例えばプライ、ホース、ベルト、コンベヤベルト及びタイヤを補強するためのこのようなコードの使用に関する。
【0022】
本発明のコードは、大抵の場合、特に産業車両(即ち、重量物を運搬する車両)、例えばバン、重車両と呼ばれている車両、即ち、地下走行車両、バス、路上輸送車、例えばローリ、トラクタ、トレーラ又は路上外走行車、農業機械又は土木作業機械及び任意型式の輸送又は取扱い車両向けのタイヤのカーカス補強材用の補強要素として使用されるようになっている。
【0023】
本発明は又、本発明のコードで補強された場合のこれらゴム製品又は半完成品、特に産業車両、例えばバン又は重車両用のタイヤに関する。
【0024】
本発明は又、本発明のコードを製造する方法に関し、この方法は、少なくとも次のステップ、即ち、
‐中央層の2本のワイヤをツイスティングして「第1の組み立て箇所」と呼ばれている第1の箇所のところに第1の層又は中央層(C1)を形成する第1の組み立てステップを有し、
‐M本のワイヤを中央層(C1)の周りにツイスティングして「第2の組み立て箇所」と呼ばれる第2の箇所に、2+M構造の「コアストランド」と呼ばれる中間コード(C1+C2)を形成する第2の組み立てステップを有し、
‐第1の組み立て箇所の下流側において、中央層(C1)及び/又はコアストランド(C1+C2)を未硬化状態の充填ゴムで外装する外装ステップ、外装は、第2の組み立て箇所の上流側か下流側かのいずれか又は上流側と下流側の両方で実施され、
‐次に、N本のワイヤを外装されたコアストランドの周りにツイスティング又はケーブリングすることによる第3の組み立てステップを有し、
‐次に最終の撚りバランス取りステップを有する。
【0025】
本発明の内容及びその利点は、以下の説明及び実施形態並びにこれら実施形態に関する図1〜図4に照らして容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】現場でゴム引きされた円筒形層を有するタイヤの本発明の2+8+14構造のコードの断面図である。
【図2】現場でゴム引きされていないが同様に、円筒形層を有するタイヤの2+8+14構造の従来型コードの断面図である。
【図3】本発明に従ってコードを製造するために使用できる現場ゴム引き・ツイスティング設備の一例を示す図である。
【図4】この一般化された図では、本発明に従っていても良く又はそうでなくても良い半径方向カーカス補強材を備えた従来物運搬車両タイヤケーシングの半径方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
I.測定及び試験
I‐1.引張特性(ダイナモメトリック)測定
金属ワイヤ及び金属コードに関し、破断荷重Fm(単位N(ニュートン)の最大荷重)、Rmにより示された引張強度(単位MPa)及びAtにより示された破断点伸び率(単位%の全伸び率)の測定は、1984年の規格ISO6892に従って張力下で行われる。
【0028】
ゴムコンパウンド(配合物)に関し、弾性率(モジュラス)の測定は、別段の指定がなければ、1998年の標準ASTM・D・412(試験片“C”)に従って引張下で実施され、即ち、E10と呼ばれていてMPaで表された10%伸び率における「真」の割線モジュラス(試験片の実断面に関する割線モジュラス)を1999年の規格ASTM・D・1349による通常の温度及び湿度条件下で第2の伸びで(即ち、1回の適合サイクル後に)測定する。
【0029】
I‐2通気度試験
この試験により、試験対象のコードの長手方向通気度を所与の時間にわたり一定の圧力下で試験片を通過した空気の量を測定することによって決定することができる。当業者には周知であるこのような試験の原理は、コードが空気に対して不透過性であるようにするためにコードの処理の有効性を実証することにある。この試験は、例えば、規格ASTM・D・2692‐98に記載されている。
【0030】
この試験は、ここでは、タイヤ又はタイヤを補強しているゴムプライから抽出したコード(従って、既に外側が硬化ゴムですでに被覆されたコード)か製造されたばかりのコードかのいずれかに対して行われる。
【0031】
後者の場合、製造されたばかりのコードは、まず最初に外部から被覆ゴムと呼ばれているゴムで被覆されなければならない。これを行うため、互いに平行であるように配列された一連の10本のコード(20mmのコード間距離)を硬化ゴムコンパウンドの2つのスキム(80×200mmの2つの長方形)相互間に配置し、各スキムの厚さは、3.5mmであり、次に、組立体全体をモールド内にクランプし、コードの各々は、クランプモジュールを用いてモールド内に配置されたときにこれが真っ直ぐのままであるようにするために十分な張力(例えば、2daN)下に維持され、加硫(硬化)プロセスは、140℃の温度で且つ15バールの圧力(80×200mmの長方形ピストンによって加えられる)下で40分にわたって行われる。その後、組立体を脱型し、特徴付けのために適当な寸法(7×7×20mm又は7×7×30mm)の平行六面体の形態をした上述のように被覆されているコードの10個の試験片の状態に切断する。
【0032】
従来型タイヤゴムコンパウンドを被覆ゴムとして用い、このようなゴムコンパウンドは、天然(解凝固)ゴム及びN330カーボンブラック(60phr)を主成分とし、更に以下の通常の添加剤、即ち、硫黄(7phr)、スルフェンアミド促進剤(1phr)、ZnO(8phr)、ステアリン酸(0.7phr)、酸化防止剤(1.5phr)及びコバルトナフテネート(1.5phr)を更に含み(なお、phrは、ゴムの100部当たりの重量部を意味している)、被覆ゴムの弾性率E10は、約10MPaである。
【0033】
例えば、試験を以下の仕方で、ここでは包囲ゴムコンパウンド(又は被覆ゴム)で被覆されたコードの所定(例えば3cm又は2cm)の長さ分について実施し、1バールの圧力下で空気をコードの入口に注入し、流量計を用いてこれから出る空気の量を測定する(例えば、0〜500cm3/分まで較正する)。測定中、コード試験片をコードの長手方向軸線に沿って一端から他端までコードを通過した空気の量だけが測定されるよう圧縮気密シール(例えば、高密度フォーム又はゴムシール)中に不動化し、シールの密封能力を前もって、中実ゴム試験片を用いて、即ち、コードなしのゴム試験片を用いてチェックする。
【0034】
コードの長手方向不透過性が高ければ高いほど、測定された平均空気流量(10個の試験片の平均値)がそれだけ一層低い。測定値は±0.2cm3/分という精度を持っているので、0.2cm3/分以下の測定値は、ゼロと見なされ、これら測定値は、コード軸線に沿って(即ち、コード長手方向に沿って)気密(完全に気密)であるといえるコードに対応している。
【0035】
I‐3.充填ゴム含有量
充填ゴムの量は、初期コード(従って、現場ゴム引きコード)の重量と適当な電解処理によって充填ゴムを除去したコード(従って、そのワイヤのコード)の重量の差を測定することによって測定される。
【0036】
サイズを減少するためにそれ自体巻かれたコード試験片(長さ1m)は、電解槽のカソード(発電機の負端子に接続されている)を構成し、アノード(正端子に接続されている)は、白金ワイヤから成っている。電解質は、1リットル当たり1モルの炭酸ナトリウムを含む水溶液(脱イオン水)から成っている。
【0037】
電解質中に完全に浸漬された試験片には、15分間電圧が印加され、流れた電流は300mAである。次に、コードを浴から取り出し、十分に水ですすぎ洗いする。この処理により、ゴムをコードから容易に取り去ることができる(そうでない場合でも、電解は数分間続く)。例えば、ワイヤをコードから1本ずつほどきながら吸収布を用いてゴムを単に拭うことによりゴムを注意深く除去する。再び、ワイヤを水ですすぎ洗いし、次に脱イオン水(50%)とエタノール(50%)の混合液の入っているビーカ内に浸漬させる。ビーカを10分間超音波浴内に浸漬する。このようにして全ての微量ゴムを取り除いたワイヤをビーカから取り出し、窒素又は空気の流れ中で乾燥させ、最後に秤量する。
【0038】
このことから、計算により、10回の測定(即ち、全部でコード10m分について)の平均された初期コードの1g(グラム)当たりの充填ゴムのmg(ミリグラム)で表わされたコード中の充填ゴム含有量が導き出される。
【0039】
II.本発明の詳細な説明
本明細書において、別段の指定がなければ、百分率(%)は全て、重量パーセントである。
【0040】
さらに、「aとbとの間」(又は「a〜b」)という表現によって示される値域は、aよりも大きい値からbよりも小さい値までの範囲を表わし(即ち、端点a,bは排除される)、これに対し、「aからbまで」という表現によって示される間の値は、aからbまでの値の範囲を意味している(即ち、厳密な意味での端点a,bを含む)。
【0041】
II‐1.本発明のコード
したがって、本発明のコードは、次の3つの同心層を有する。
‐ピッチp1で螺旋状に組み立てられた直径d1の2本のワイヤから成る第1の層又は中央層(C1)、
‐ピッチp2で螺旋状に中央層(C1)に巻き付けられた直径d2のM本のワイヤが第2の層(C2)、及び
‐ピッチp3で螺旋状に第2の層に巻き付けられた直径d3のN本のワイヤが第3の層(C3)。
【0042】
公知のように、第1及び第2の組み立て層(C1+C2)は、外側層(C3)を支持したコードの中心と通称されたものを構成する。
【0043】
本発明のコードは、以下の特徴(d1、d2、d3、p1、p2及びp3は、mmで表されている)を有することを特徴とし、即ち、
‐0.08≦d1≦0.50
‐0.08≦d2≦0.50
‐0.08≦d3≦0.50
‐3<p1<50
‐6<p2<50
‐9<p3<50
‐PKに等しい外側ストランドの任意の3cm長さ分にわたり、「充填ゴム」と呼ばれるゴムコンパウンドは、一方において第1の層(C1)の2本のワイヤ並びに他方において第2の層(C2)のM本のワイヤ及び第3の層(C3)のN本のワイヤより画定された毛管の各々の中に存在し、
‐コード中の充填ゴムの量は、コード1g当たり10〜50mgである。
【0044】
本発明のこのコードは、現場ゴム引きコードと呼ばれる場合があり、即ち、このコードは、その実際の製造中(及び従って製造されたばかりの状態では)充填ゴムで内部からゴム引きされている。換言すると、第1の層(C1)の2本のワイヤと第2の層(C2)のM本のワイヤとの間に位置し且つこれら両方によって画定されると共に第2の層(C2)のM本のワイヤと第3の層(C3)のN本のワイヤとの間に位置し且つこれら両方によって画定された毛管又は隙間(これら2つの区別なく使用できる用語は、充填ゴムが存在していない状態では空である空所又は空間を意味している)の各々が少なくとも部分的に連続的に又はコードの軸線に沿って充填ゴムで充填されている。
【0045】
好ましい実施形態によれば、上述の各毛管又は隙間は、コードの任意の3cm長さ分又はより好ましくは任意の2cm長さ分にわたり、少なくとも1つのゴム線を有し、換言すると、好ましくは、コードの3cmごと又は好ましくは2cmごとに少なくとも1つのゴム線が設けられ、このゴム線は、通気度試験(項目I‐2に準拠している)において、本発明のこのコードが2cm3/分未満、より好ましくは0.2cm3/分未満又はせいぜい0.2cm3/分に等しい平均空気流量を有するようにコードの各毛管又は隙間を塞いでいる。
【0046】
本発明のコードの他の本質的な特徴は、その充填ゴム量がコード1g当たり10〜50mmのゴムであるということにある。指定した最小値未満においては、充填ゴムは、コードの任意の3cmにわたり、好ましくは2cmにわたり、好ましくは少なくとも1つのゴム栓を形成するようストランドの隙間又は毛管の各々の中に少なくとも部分的に正確に存在するようにすることが可能ではなく、これに対し、指定した最大値を超える場合、コードは、充填ゴムがストランドの周囲の表面のところでにじみ出ることによる上述の種々の問題を生じる場合がある。これらの理由の全てにより、充填ゴム含有量は、ストランド1g当たり15〜45mg、例えば15〜40mgであることが好ましい。
【0047】
このような充填ゴムの量は(この量が上述の限度内で制御される)、コードの幾何学的形状に適合した特定のツイスティング‐ゴム引きプロセスの使用によってのみ可能になり、これについては後で詳細に説明する。
【0048】
この特定のプロセスの利用により、同時に、充填ゴムの量が制限されたストランドを得ることができるが、内側仕切り(ストランドの軸線に沿って連続しているにせよ不連続であるにせよいずれにせよ)又はゴム栓が本発明のコードの毛管内に十分な数で存在するようになり、本発明のコードは、コードに沿う腐食性流体、例えば水又は空気からの酸素に対して不透過性であり又はその伝搬を止めるようになり、本明細書の背景技術の項に記載された吸い上げ効果が阻止される。
【0049】
本発明の特に好ましい一実施形態によれば、特定の特徴が検証され、即ち、コードの任意の3cm、好ましくは2cm長さ分にわたり、コードは、長手方向に沿って気密であり又は事実上気密である。換言すると、各毛管は、この所与の長さにわたり充填ゴムの少なくとも1つの栓(又は内部仕切り)を有し、従って、このコード(外部がポリマー、例えばゴムでいったん被覆されると)、長手方向に沿って気密であり又は事実上気密である。
【0050】
項目I‐2で説明した通気度試験では、長手方向において「気密」であると呼ばれるコードは、平均空気流量が0.2cm3/分未満であり又はせいぜいこれに等しいことを特徴とし、これに対し、「事実上気密」であると呼ばれるコードは、平均空気流量が2cm3/分未満、より好ましくは1cm3/分未満であるという特徴を有する。
【0051】
コードの強度と実現可能性と剛性とコードの圧縮の際の曲げ耐久性との間の最適化された妥協点を見出すため、層C1,C2,C3中のワイヤの直径が(これらワイヤが或る1つの層と次の層とで同一の直径を有しているにせよそうでないにせよいずれにせよ)次の関係式を満たすことが好ましい(d1,d2,d3は、mmで表されている)。
‐0.10≦d1≦0.40
‐0.10≦d2≦0.40
‐0.10≦d3≦0.40
【0052】
さらにより好ましくは、次の関係式が満たされる。
‐0.10≦d1≦0.30
‐0.10≦d2≦0.30
‐0.10≦d3≦0.30
【0053】
層C1,C2,C3中のワイヤは、或る1つの層と次の層とで同一の直径又は異なる直径を有しても良く、好ましくは、或る1つの層と次の層とで同一直径のワイヤが用いられる(即ち、d1=d2=d3)。というのは、これにより、製造が特に単純化されると共にコードのコストが減少するからである。
【0054】
ピッチp2,p3は、より好ましくは、特にd2=d3の場合、8mm〜25mmまでの範囲、更により好ましくは10mm〜20mmまでの範囲で選択される。
【0055】
別の好ましい実施形態によれば、p2とp3は等しく、ピッチp1は、ピッチp2と同一又はこれとは異なっていても良い。他の考えられる実施形態によれば、p1=p2≠p3又は変形例としてp1≠p2≠p3である。
【0056】
別の好ましい実施形態によれば、コードの強度と可撓性との間の良好な妥協点を見出すためには、次の特徴が満たされる。
‐3<p1<30
‐6<p2<30
‐9<p3<30
【0057】
知られているように、ピッチ“p”は、コードの軸線に平行に測定した長さを表し、コードの端部のところでは、このピッチのワイヤは、コードの上述の軸線回りに丸1回転している。
【0058】
別の特定の実施形態によれば、3つのピッチp1,p2,p3は、同一ではない。これは、特に、例えば図1に概略的に示されている円筒形型のような円筒形型の層を有するコードの場合であり、この場合、3つの層C1,C2,C3は、好ましくは、同一のツイスティング方向(S/S/S又はZ/Z/Z)に巻回されているという追加の特徴を有する。
【0059】
円筒形層を有するこのようなコードでは、知られているように、コンパクトさが、このようなコードの断面が例えば図1(本発明の2+8+14構造の円筒形層を有するコード)又は図2(2+8+14構造の円筒形層を有するコントロールコード、即ち、現場ゴム引きされていないコード)に示されているように多角形ではなく円筒形である輪郭を有するようなものである。
【0060】
第3の層又は外側層C3は、飽和層であるという好ましい特徴を有し、即ち、定義上、この層中には、直径d3の少なくとも1本の(Nmax+1)番目のワイヤを追加するに足るほどの空間が存在せず、Nmaxは、第2の層C2周りに層をなして巻回することができるワイヤの最大本数を表している。この構造は、充填ゴムがその周囲のところでにじみ出る恐れを一段と制限し、コード直径が所与の場合、高い強度をもたらすという顕著な利点を有する。
【0061】
しかしながら、本発明は、外側層(C3)が非飽和層である場合にも利用できる。
【0062】
ワイヤの本数Nは、本発明の特定の実施形態に応じて非常に広く様々であって良く、好ましくは外側層を飽和状態に保つためにN本のワイヤの最大本数Nmaxを、これらの直径d3を第2の層のワイヤの直径d2と比較して減少させた場合、増大させることができることは言うまでもない。
【0063】
好ましい実施形態によれば、第2の層(C2)は、6〜10本のワイヤを含み、第3の層(C3)は、12〜16本のワイヤを含み、上述のコードのうち、特に選択されたコードは、層C2と層C3とで同一の直径を有するワイヤから成るコードである(即ち、d2=d3)。
【0064】
特に好ましい実施形態によれば、第2の層(C2)は、7又は8本のワイヤを含み(即ち、Mは、7又は8に等しい)、第3の層(C3)は、13又は14本のワイヤを含み(即ち、Nは、13又は14に等しい)。本発明のコードは、特に有利な構造2+7+13及び2+8+14を有する。
【0065】
本発明のコードは、任意の層状コードと同様、2つの形式のものであって良く、即ち、コンパクト型のものであっても良く円筒形層型のものであっても良い。
【0066】
好ましくは、3つの層C1,C2,C3は、同一のツイスティング方向、即ち、S方向(“S/S/S”構造)又はZ方向(“Z/Z/Z”構造)に巻回されている。これら層を同一方向に巻回することにより、有利には、これら2つの層相互間の摩擦及びこれら層を構成するワイヤの摩耗が最小限に抑えられる。
【0067】
より好ましくは、3つの層は、例えば図1に示されているコードと同様円筒形層型のコードを得るために同一のツイスティング方向で且つp2及びp3が互いに同一であるにせよ互いに異なるにせよいずれにせよ、p2及び/又はp3とは異なるp1で巻回される。
【0068】
本発明のコードの構成により、有利には、包装ワイヤを省くことができる。というのは、ゴムは、その構造中に良好に入り込み、自動包装効果を与えるからである。
【0069】
「金属コード」という用語は、本願における定義上、主として(即ち、これらワイヤの本数の50%を超える)又は全体が(ワイヤの100%が)金属材料で作られたワイヤで形成されているコードを意味するものと理解されたい。
【0070】
中央層(C1)の1本又は複数本のワイヤ、第2の層(C2)の複数本のワイヤ及び第3の層(C3)の複数本のワイヤは、互いに別個独立に又は1つの層から別の層まで、好ましくは、スチールで作られ、より好ましくは炭素鋼で作られる。しかしながら、当然のことながら、他のスチール、例えばステンレス鋼又は他の合金を用いることが可能である。
【0071】
炭素鋼を用いる場合、その炭素含有量(スチールの重量を基準とした%)は、好ましくは、0.4%〜1.2%、特に0.5%〜1.1%であり、このような含有量は、タイヤに必要な機械的性質とワイヤの実現性との良好な妥協点を表している。注目されるべきこととして、0.5%〜0.6%の炭素含有量がこのようなスチールを最終的にコスト安にすることができる。というのは、このようなスチールは、延伸が容易だからである。また、本発明の別の有利な実施形態は、意図した用途に応じて、コスト安及び高いワイヤ延伸性に鑑みて、低炭素含有量、例えば0.2%〜0.5%の炭素含有量を有するスチールの使用にある。
【0072】
用いられる金属又はスチールは、特にこれが炭素鋼であるにせよステンレス鋼であるにせよ、いずれにせよ、それ自体、金属層で被覆されるのがよく、この金属層は、例えば、金属コード及び(又は)その構成要素の処理特性又はコード及び(又は)タイヤそれ自体の使用特性、例えば、付着性、耐腐食性又は耐老化性を向上させる。好ましい実施形態によれば、用いられるスチールは、真鍮(Zn−Cu合金)又は亜鉛の層で覆われる。思い起こされることとして、ワイヤの製造方法中、真鍮又は亜鉛被膜は、ワイヤの絞り成形並びにゴムへのワイヤの付着性を容易にする。しかしながら、ワイヤは、例えばこれらワイヤの耐腐食性及び(又は)ゴムへのワイヤの付着性を向上させる機能を持つ真鍮又は亜鉛以外の薄い金属層、例えば、Co、Ni、Al又は元素Cu、Zn、Al、Ni、Co、Snのうち2つ以上の合金の薄い層で覆われても良い。
【0073】
本発明のコードは、好ましくは、炭素鋼で作られ、好ましくは2,500MPa以上、より好ましくは3,000MPa以上の引張強さ(Rm)を有する。本発明のコードの各構成要素としてのストランドの破断点全伸び率(Atで表される)、即ち、その構造伸び率、弾性伸び率及び塑性伸び率の合計は、好ましくは、2.0%以上であり、より好ましくは少なくとも2.5%に等しい。
【0074】
充填ゴムのエラストマー(又は区別なく言えば「ゴム」、これら2つの用語は、同義語であると見なされる)は、好ましくは、ジエンエラストマー、即ち、定義上、少なくとも一部(即ち、ホモポリマー又はコポリマー)がジエンモノマー(即ち、2つの共役又は違った仕方の炭素‐炭素二重結合を備えたモノマー)に由来するエラストマーである。ジエンエラストマーは、より好ましくは、ポリブタジエン(BR)、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、種々のブタジエンコポリマー、種々のイソプレンコポリマー、及びこれらエラストマーの混合物から成る群から選択される。このようなコポリマーは、より好ましくは、ブタジエン‐スチレンコポリマー(SBR)(乳化重合(ESBR)によって調製されるにせよ溶液重合(SSBR)によって調製されるにせよ、いずれにせよ)、ブタジエン‐イソプレンコポリマー(BIR)、スチレン‐イソプレンコポリマー(SIR)及びスチレン‐ブタジエン‐イソプレンコポリマー(SBIR)から成る群から選択される。
【0075】
好ましい一実施形態は、「イソプレン」エラストマー、即ち、イソプレンのホモポリマー又はコポリマー、換言すると、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、種々のイソプレンコポリマー及びこれらエラストマーの混合物から成る群から選択されたジエンエラストマーを用いることから成る。イソプレンエラストマーは、好ましくは、天然ゴム又はシス−1,4系の合成ポリイソプレンである。これら合成ポリイソプレンのうち、好ましくは、シス−1,4結合の含有量(モル%)が90%以上、より好ましくは98%以上のポリイソプレンが用いられる。他の好ましい実施形態によれば、イソプレンエラストマーを別のジエンエラストマー、例えばSBR系及び/又はBR系のエラストマーと組み合わせても良い。
【0076】
充填ゴムは、好ましくは架橋可能であり、即ち、充填ゴムは、一般に、配合物の硬化中(即ち、溶融ではなく、ハードニング中)、配合物を架橋することができるのに適した架橋系から成る。このような場合、このゴムコンパウンドは、どのような温度に加熱してもこれを溶融させることができないので、「溶融不能」と呼ばれる場合がある。好ましくは、ジエンゴムコンパウンドの場合、このゴムシースの架橋系は、加硫系であり、即ち、硫黄(又は硫黄ドナー)及び少なくとも1種類の加硫促進剤を主成分としている。種々の公知の加硫活性剤をこの基本加硫系に添加するのがよい。硫黄は、0.5〜10phr、より好ましくは1〜8phrの好ましい量で用いられ、加硫促進剤、例えば、スルフェンアミド(sulphenamide)は、好ましくは0.5〜10phr、より好ましくは0.5〜5.0phrの量で用いられる。
【0077】
充填ゴムは、上述の架橋系とは別に、タイヤの製造向きのゴム母材中に通常用いられる添加剤、例えば、補強充填剤、例えばカーボンブラック又は無機充填剤、例えばシリカ、結合剤、老化防止剤、酸化防止剤、可塑化剤、又はエキステンダ油(後者は、性質上芳香性であるにせよ非芳香性であるにせよ、いずれにせよ)(特に、ほんの僅かに芳香性であり或いは全く芳香性ではない油、例えば、粘度の高い又は好ましくは低いナフテン系の油又はパラフィン系の油、MES又はTDAE油))、30℃よりも高いTgの可塑化樹脂、非硬化状態の組成物の処理(処理性)を容易にする作用剤、粘着性樹脂、加硫戻り防止剤、メチレン受容体及び供与体、例えばHMT(ヘキサメチレンテトラミン)又はH3M(ヘキサメトキシメチルメラミン)、補強樹脂(例えばレソルチノール又はビスマレイミド)、金属塩、特にコバルト又はニッケル塩タイプの公知の密着性促進(定着)系のうち全て又は幾つかを更に含むのが良い。
【0078】
補強充填材、例えば、カーボンブラック又は補強無機充填材、例えばシリカの量は、好ましくは、50phr以上、例えば、50〜120phrである。この量は、より好ましくは、70phr以上、例えば70〜120phrである。カーボンブラックに関し、例えば、特にタイヤに従来用いられていたタイプHAF、ISAF及びSAFのあらゆるカーボンブラック(タイヤ用ブラックと呼ばれている)が適している。これらのうちで、ASTM300、600又は700等級のカーボンブラック(例えば、N326、N330、N347、N375、N683、N772)が特に挙げられる。適当な無機補強充填材は、特に、シリカ(SiO2)系の鉱物充填材であり、特に、BET表面積が450m2/g以下、好ましくは30〜400m2/gの沈降又は熱分解法シリカである。
【0079】
当業者であれば、本明細書の説明に照らして、充填ゴムの処方を調整することができ、その目的は、所望レベルの特性(特に、弾性モジュラス)を達成すると共に処方を特定の意図した用途に適合させることにある。
【0080】
本発明の第1の実施形態によれば、充填ゴムの調合は、本発明のコードが補強しようとしているゴム母材の処方と同一であるように選択される。充填ゴムの材料と上述のゴム母材の材料との間には適合性に関する問題はない。
【0081】
本発明の第2の実施形態によれば、充填ゴムの調合は、本発明のコードが補強するようになったゴム母材の調合とは異なるよう選択されるのが良い。充填ゴムの調合は、特に、比較的多量の定着剤、代表的には例えば5〜15phrの金属塩、例えばコバルト塩、ニッケル塩又はネオジミウム塩を用いることにより、そして、有利には、周りのゴム母材中の上述の定着剤の量を減少させる(或いは、それどころかこれを完全に無くす)ことにより調整されるのが良い。当然のことながら、充填ゴムの粘度及びコードが製造されているときにコードに入り込むその能力を最適化するために充填ゴムの調合を調節することも可能である。
【0082】
好ましくは、充填ゴムは、架橋状態では、E10(10%伸び率における)割線引張モジュラスが、2〜25MPa、より好ましくは3〜20MPa、特に3〜15MPaである。
【0083】
本発明は、当然のことながら、未硬化状態(充填ゴムが架橋されていない)及び硬化状態(充填ゴムが加硫されている)の両方における上述のストランドコードに関する。しかしながら、未硬化状態の充填ゴムを備えた本発明のストランドコードを使用し、次に、充填ゴム最終架橋又は加硫中、充填ゴムと周囲のゴムマトリックス(例えば、圧延ゴム)との結合を促進するようストランドコードの設計対象の半完成品又は完成品、例えばタイヤに組み込まれることが好ましい。
【0084】
図1は、本発明の好ましい2+8+14コードの一例をコード(これは、真っ直ぐであると共に休止状態であると仮定される)の軸線に垂直な断面で概略的に示している。
【0085】
このコード(C‐1で示されている)は、円筒形層型のものであり、即ち、その第1、第2及び第3の層(それぞれ、C1,C2,C3)は、互いに異なるピッチで又は互いに異なるツイスティング方向で巻回されている。この種の構造は、その第2及び第3の層(C2,C3)のワイヤ(それぞれ、11,12)が第1の層(C1)の2本のワイヤ(10)の周りに、各々がいわゆるコンパクト層型のコードの場合のように多角形(より具体的に言えば、六角形)ではなく、実質的に円筒形である輪郭(E)(点線で示されている)を有する2つの実質的に円筒形層を形成するという作用効果を有する。
【0086】
この図1から理解できるように、充填ゴム(13)は、ワイヤを非常に僅かではあるが分けた状態で一方において第1の層(C1)の2本のワイヤ(10)及び第2の層(C2)のM本のワイヤ(11)により、他方、第2の層(C2)のM本のワイヤ(11)及び第3の層(C3)のN本のワイヤ(12)により画定された毛管又は隙間(14)(一例を挙げると、これらのうちの幾つかは三角形で示されている)の各々を少なくとも部分的に充填し、これらワイヤは、少なくとも3本の隣り合うワイヤ(この場合、図1に示されている毛管又は隙間の例によれば3本、4本、5本又は6本)から成る群の状態であると考えられる。
【0087】
好ましい実施形態によれば、本発明のコードでは、充填ゴムは、好ましくは、これが覆っている第2の層(C2)の周りに連続して延びる。
【0088】
比較すると、図2は、これ又コンパクト型の従来型2+8+14コード(C‐2で示され(即ち、現場でゴム引きされていない)、円筒形層型の場合(円筒形輪郭E)と同様、3つの層(C1,C2,C3)を有するコード)の残部を断面で示している。この種のコードの特徴は、その種々のワイヤが多くのチャネル又は毛管(14)を形成し、これらチャネル又は毛管は、閉鎖されると共に空のままであり、従って「吸い上げ」効果により腐食性媒体、例えば水の伝搬に都合が良い。
【0089】
本発明のコードは、例えば、このコードの周りに外側層(C3)のピッチよりも短いピッチで且つこの外側層の巻回方向とは逆の又は同じ巻回方向で螺旋状に巻回された単一の金属又は非金属細線から成る外部包装体(ラッパ)を備えても良い。しかしながら、既に自動包装されている本発明のコードは、その特別な構造に鑑みて、外側包装細線の仕様を必要とせず、これは、有利には、包装体とコードの最も外側の層のワイヤとの間の摩耗の問題を解決する。
【0090】
しかしながら、包装細線が用いられる場合、外側層のワイヤが炭素鋼で作られている一般的な場合、有利には、例えば国際公開第98/41682号パンフレットによって教示されているようにステンレス鋼包装体(ラッパ)と接触状態にあるこれら炭素鋼ワイヤのフレッチング摩耗を減少させるためにステンレス鋼で作られた包装細線を選択するのが良く、オプションとして、ステンレス鋼ワイヤに代えて、均等例として、欧州特許出願公開第976541(A)号明細書に記載されているように外層がステンレス鋼で作られ、コアが炭素鋼で作られている複合ワイヤを用いることが可能である。また、国際公開第03/048447号パンフレットに記載されているようにポリエステル又はサーモトロピック芳香族ポリエステルアミドで作られた包装体を用いることが可能である。
【0091】
当業者であれば理解されるように、上述の本発明のコードで用いられるストランドは、オプションとして、ジエン以外のエラストマー、特に熱可塑性エラストマー(TPE)、例えばポリウレタン(TPU)エラストマーを主成分とする充填ゴムで現場ゴム引きされる場合があり、このようなエラストマーは、知られているように、架橋され又は加硫されることが必要ではなく、常用温度では、加硫後のジエンエラストマーの特性とほぼ同じ特性を有する。
【0092】
しかしながら、特に好ましくは、本発明は、このようなエラストマーに特に適した特定の製造プロセスを特に用いて上述のジエンエラストマーを主成分とする充填ゴムについて実施され、この製造プロセスについて以下に詳細に説明する。
【0093】
II‐2.本発明のコードの製造
好ましくはジエンエラストマーを用いて現場ゴム引きされた本発明の上述のコードは、好ましくはインラインで且つ連続的に実施される以下のステップを含む方法を用いて製造されるのが良い。
‐中央層の2本のワイヤをツイスティングして「第1の組み立て箇所」と呼ばれている第1の箇所のところに第1の層又は中央層(C1)を形成する第1の組み立てステップを有し、
‐M本のワイヤを中央層(C1)の周りにツイスティングして「第2の組み立て箇所」と呼ばれる第2の箇所に、2+M構造の「コアストランド」と呼ばれる中間コード(C1+C2)を形成する第2の組み立てステップを有し、
‐第1の組み立て箇所の下流側において、中央層(C1)及び/又はコアストランド(C1+C2)を未硬化状態の充填ゴムで外装する外装ステップ、外装は、第2の組み立て箇所の上流側か下流側かのいずれか又は上流側と下流側の両方で実施され、
‐次に、N本のワイヤを外装されたコアストランドの周りにツイスティング又はケーブリングすることによる第3の組み立てステップを有し、
‐次に最終の撚りバランス取りステップを有する。
【0094】
好ましくは、充填ゴムによる外装ステップは、第1の組み立て箇所の下流側で且つ第2の組み立て箇所の上流側で中央層(C1)にのみ行われ、充填ゴムは、本発明のコードを得るのに十分な量で単一ショットで送り出される。実施形態の考えられる一変形形態では、第2の組み立て箇所の下流側で、コアストランド(C1+C2)を外装する追加のステップを実施する。しかしながら、外装ステップを1回だけ用いることが好ましい。
【0095】
ここで思い起こされるように、金属ワイヤを組み立てるための2つの考えられる技術、即ち、
‐ケーブリング(cabling)(このような場合、ワイヤは、組み立て箇所の前後における同期回転に鑑みてこれら自身の軸線回りの撚りを示さない)、
‐又は、ツイスティング(twisting)(このような場合、ワイヤは、一括的な撚りとこれら自身の軸線回りの個々の撚りの両方を示し、それによりワイヤの各々にはアンツイスティング(撚りをほどく)トルクが生じる)が存在する。
【0096】
上述の方法の本質的な一特徴は、第2の層(C2)をコア(C1)の周りに組み立てると共に第3の層(C3)を第2の層(C2)の周りに組み立てるツイスティングステップの使用にある。
【0097】
第3の層(C3)は、ツイスティング又はケーブリングにより第2の層(C2)周りに組み立てられるのが良い。例えば最初の2回の組み立て作業(層C1,C2)についてはツイスティング作業を用いることが好ましい。
【0098】
第3の層(C3)をケーブリングにより組み立てる場合、コードを好ましくは、2つの非連続ステップ(最初の2つの層のツイスティング、次に第3の層のケーブリング)で製造し、この場合、2回の外装ステップ(即ち、中央層(C1)の第1の外装、コアストランド(C1+C2)に対する後の第2の外装)を用いることが好ましい。
【0099】
一例を挙げると、手順は次の通りである。
第1のステップの際、中央層の2本のワイヤを一緒にツイスティングして(S又はZ方向)それ自体知られている仕方で第1の層(C1)を形成し、2本のワイヤを共通ツイスティング箇所(又は第1の組み立て箇所)に収斂させるようになった組み立てガイドに結合されても良く又は結合されていなくても良い供給手段、例えばスプール、分離格子によってワイヤを送り出す。
【0100】
先のステップの終了時、第2の層(C2)のM本のワイヤを中央層(C1)周りに一緒にツイスティングし(S方向又はZ方向)コアストランド(C1+C2)を形成し、中央層のワイヤについては従前通り、M本のワイヤを共通ツイスティング箇所(又は第2の組み立て箇所)に収斂させるようになった組み立てガイドに結合されても良く又は結合されていなくても良い供給手段、例えばスプール、分離格子によって第2の層のワイヤを送り出す。
【0101】
次に、このように形成されたコア(C1+C2)を適当な温度で押し出しスクリューにより供給された未硬化充填ゴムで外装する。充填ゴムを単一押し出しヘッドによって単一且つ小容量固定箇所のところで送り出すのが良い。
【0102】
押し出しヘッドは、1つ又は2つ以上のダイ、例えば、上流側案内ダイ及び下流側サイジングダイを有するのが良い。コードの直径を連続的に測定すると共に制御する手段を追加するのが良く、これらは、押し出し機に連結される。好ましくは、充填ゴムの押し出し温度は、50℃〜120℃、より好ましくは50℃〜100℃である。
【0103】
押し出しヘッドは、例えば中央層(C1)に対して外装ステップが1回だけ実施される好ましい場合、回転筒体の形状を備えた外装ゾーンを構成し、その直径は、好ましくは、0.15mm〜1.2mm、より好ましくは0.2〜1.0mmであり、その長さは、好ましくは、4〜10mmである。
【0104】
押し出しヘッドにより送り出される充填ゴムの量は、最終の(即ち、製造完了後の現場ゴム引きされた)コード1グラム当たり10〜50mgの好ましい範囲、特に5〜30mgの範囲内で調節される。
【0105】
指定した最小値を下回る場合、充填ゴムがコードの毛管又は隙間の各々の中に確かに存在するようにすることは可能ではなく、これに対し、指定した最大値を上回る場合、コードは、本発明の特定の作用条件及び製造されるコードの特定の構造に応じて、充填ゴムがコードの周囲のところでにじみ出し(オーバースピル)を生じることに起因した上述の種々の問題を生じる場合がある。これらの理由の全てにより、充填ゴム含有量は、好ましくはコード1g当たり15〜45mg、より好ましくはコード1g当たり15〜40mgである。
【0106】
組み立て箇所の下流側では、コアストランドに加わる引張応力は、好ましくはその破断強さの10〜25%である。
【0107】
中央層(C1)について実施される単一外装ステップの好ましい場合、コードの中央層をこれが押し出しヘッドを出るときにその周囲の全ての箇所のところが好ましくは、20μmを超え、より好ましくは30μmを超え、特に30〜80μmの最小厚さの充填ゴムで被覆する。
【0108】
第3のステップの際、第3の層又は外側層(C3)のP本のワイヤを、この場合も又、上述のように外装されたコアストランド(C1+C2)の周りにツイスティングする(S又はZ方向に)ことによって最終的に組み立てる。
【0109】
プロセス中のこの段階においては、本発明のコードは、完成されておらず、第2の層(C2)のM本のワイヤ及び第3の層(C3)のN本のワイヤによって画定された上記毛管は、まだ充填ゴムで一杯にはなっておらず、或いは、どの場合であっても、空気の最適不透過性のコードを得るのに十分な充填状態にはない。
【0110】
重要な次のステップでは、未硬化状態の充填ゴムを備えたコードを撚りバランス取りされた(即ち、実際に残留ねじりがない状態)と言えるコードが得られるようにするために、撚りバランス取り手段に通し、「撚りバランス取り」という用語は、この場合、公知のように、それぞれの層内のツイスティング状態にあるコードの各ワイヤに及ぼされる残留ツイスティングトルク(又は解撚又はアンツイスティングスプリングバック)の打ち消しを意味しているものと理解されたい。撚りバランス取りツールは、ツイスティング技術における当業者には周知であり、これら撚りバランス取りツールは、例えば、ストレートナ及び/又は「ツイスタ」及び/又は「ツイスタ‐ストレートナ」から成る場合があり、これらは、ツイスタの場合にはプーリかストレートナの場合には小径ローラかのいずれかを有し、コードは、単一の平面又は好ましくは少なくとも2つの互いに異なる平面内でプーリ又はローラを通って走行する。
【0111】
経験上、上述の種々のバランス取り手段の通過中、バランス取り手段は、第2及び第3の層(C2,C3)のN本及びP本のワイヤに加わる撚り及び半径方向圧力を生じさせ、このような撚り及び半径方向圧力は、依然として高温であり且つ比較的流動的な未硬化(即ち、未架橋、未加工)状態の充填ゴムを中央層(C1)及び第2の層(C2)のN本のワイヤで形成された毛管から第2の層(C2)のN本のワイヤ及び第3の層(C3)のP本のワイヤで形成された毛管中に部分的に移送することによってこのような充填ゴムを再分配するのに十分であり、最終的に、本発明のコードにこれを特徴付ける優れた通気度特性を与える。また、矯正又はくせ取りツールを用いることによって提供される矯正機能は、ストレートナのローラと第3の層(C3)のワイヤの接触により、充填ゴムに追加の圧力が及ぼされ、充填ゴムが更にコードの第2の層(C2)と第3の層(C3)との間に存在する毛管に十分に侵入するようになるという利点を有する。
【0112】
換言すると、上述の本発明のプロセスは、充填ゴムをコードの内部に半径方向に分布すると同時に供給される充填ゴムの量を完全に制御するようコードの最終製造段階においてワイヤの撚り及びワイヤに及ぼされる半径方向圧力を用いる。当業者であれば、特に、ワイヤに及ぼされる半径方向圧力の強度を変化させる目的で撚りバランス取り手段のプーリ及び/又はローラの配置及び直径の調節の仕方について知っているであろう。
【0113】
予期せぬこととして、第1の層又は中央層(C1)の形成のために2本のワイヤの第1の組み立て箇所の下流側でゴムを被着させると同時に単一押し出しヘッドの使用により送り出される充填ゴムの量を制御すると共に最適化することにより、充填ゴムを本発明のコードのまさに心臓部中にそしてその毛管の全ての中に侵入させることが可能であることが判明した。
【0114】
この最終撚りバランス取りステップ後においては、本発明の方法によるコードの製造は、コードが未硬化充填ゴムで現場でゴム引きされた状態で、完了している。
【0115】
好ましくは、この完成後のコードでは、コードの隣り合うワイヤ(これらワイヤがどれであるにせよ、特に、中央層(C1)の2本ワイヤ相互間)相互間の充填ゴムの厚さは、1μmを超え、好ましくは1〜10μmである。このコードを貯蔵のために受け入れスプールに巻き付けるのが良く、その後、例えば、例えばタイヤカーカス補強材として使用でき又は変形例としてマルチストランドロープ中へ組み込むことができる金属/ゴム複合ファブリックを調製するために、圧延設備によりこのコードを処理する。
【0116】
今説明したばかりの製造法の実施形態の別の形態では、中央層(C1)それ自体に対して、即ち、第2の組み立て箇所の下流側ではなく上流側で外装ステップを実施するのが良い。次に、生の状態の充填ゴムを本発明のコードを得ることができるのに十分な量で単一ショットで送り出す。
【0117】
また、実施形態の別の変形形態では、2回の連続した外装ステップ、即ち、中央層(C1)に対して第1の外装ステップ、そしてコアストランド(C1+C2)に対して第2の外装ステップを実施するのが良く、次に、充填ゴムを生の状態で2つの別々のステップで、適当なそれぞれの量で送り出す。しかしながら、外装ステップを1回だけ用い、好ましくはコアストランド(C1+C2)の外装ステップを用いることが好ましい。
【0118】
本発明の方法は、製造されるコードの形式(コンパクトコード又は円筒形層状コード)とは無関係に初期撚り、ゴム引き及び最終の撚りから成る作業全体をインラインで且つ単一のステップで実施することができ且つこの全てを高速で行うことが可能であるという利点を有する。上述の方法は、50m/分を超え、好ましくは、100m/分を超え、特に100m/分を超える速度(ツイスティング‐ゴム引きラインに沿うコードの移動速度)で実施できる。
【0119】
当然のことながら、この方法は、コンパクト型コード(思い起こされるように、定義上、層C1,C2,C3を同一ピッチで同一方向に巻いたコード)と円筒形層状コード(思い起こされるように、定義上、層C1,C2,C3を互いに異なるピッチ(これらのツイスティング方向が同一であってもそうでなくても)で若しくは互いに逆方向(これらのピッチが同一であっても異なっていても)に巻いたコード)の両方の製造に利用できる。
【0120】
本発明の方法により、周囲に充填ゴムが存在せず(又は事実上存在しない)コードを製造することが可能である。このような表現は、コードの周囲上には裸眼で見える充填ゴムが存在していないということを意味しており、即ち、当業者であっても、製造後、裸眼では且つ3メートル以上の距離を置いたところでは本発明のコードのスプールと現場でゴム引きされなかった従来型コードのスプールの差を識別することができない。
【0121】
好ましくはこの方法を実施するために使用できるゴム引き・組み立て装置は、コードが形成されているときにコードの移動方向において上流側から下流側に以下、即ち、
‐中央層の2本のワイヤをツイスティングして「第1の組み立て箇所」と呼ばれている第1の箇所のところに第1の層又は中央層(C1)を形成する供給手段及び第1の組み立て手段、
‐M本のワイヤを中央層(C1)の周りにツイスティングして「第2の組み立て箇所」と呼ばれる第2の箇所に、2+M構造の「コアストランド」と呼ばれる中間コード(C1+C2)を形成する供給手段及び第2の組み立て手段、
‐第2の組み立て箇所の上流側か下流側かのいずれか又は上流側と下流側の両方で実施される中央層(C1)及び/又はコアストランド(C1+C2)を未硬化状態の充填ゴムで外装する外装手段、
‐次に、N本のワイヤを外装されたコアストランドの周りにツイスティング又はケーブリングする供給手段及び第3の組み立て手段、及び
‐第3の組み立て手段の端部のところに設けられた撚りバランス取り手段を有する装置である。
【0122】
添付の図3は、例えば上述の図1に示されている円筒形層状型の2+M+N構造の3層コードの製造に用いることができるツイスティング組み立て装置(30)の一例を示している。
【0123】
この装置(30)では、供給手段(110)は、まず最初に、2本のワイヤ(10)を分離格子(111)(軸対称分離方式である)中に送り出し、この分離格子は、組み立てガイド(112)に結合されていても良く結合されていなくても良く、この分離格子を超えて、2本のワイヤ(10)は、第1の組み立て箇所(113)に収斂して第1の層又は中央層(C1)を形成する。
【0124】
次に、供給手段(114)は、中央層(C1)の周りに、M本のワイヤ(11)を例えば組み立てガイドに結合された分離格子中に送り出し、第2の層のM(例えば、8)本のワイヤは、この分離格子を超えて、第2の組み立て箇所(115)に収斂して2+M(例えば2+8)構造のコアストランド(C1+C2)を形成する。
【0125】
次に、このようにして形成されたコアストランド(C1+C2)は、例えば押し出しヘッドから成る外装ゾーン(116)を通過する。外装箇所(116)と収斂箇所(115)との間の距離は、例えば1〜5メートルである。
【0126】
供給手段(117)によって送り出された外側層(C3)のN本のワイヤ(12)(例えば14本のワイヤが設けられている)は、次に、このようにして形成されたコアストランド(C1+C2)の周りへのツイスティング(16)によって組み立てられ、矢印の方向Fに進む。最終のコード(C1+C2+C3)は、撚りバランス取り手段(118)を通過した後、最終的に回転レシーバ(119)上に集められ、撚りバランス取り手段(118)は、例えばストレートナ及び/又は「ツイスタ‐ストレートナ」から成る。
【0127】
ここで思い起こされるように、当業者には周知であるように、例えば図1に示されているような円筒形層状型のコードを製造するためには、用いられる装置は、コンパクト型の層を備えたコードの場合のようにたった1つではなく、少なくとも2つの互いに結合された回転(供給又はレシーバ)部材を備えなければならない。
【0128】
II‐3.タイヤカーカス補強材中におけるコードの使用
本明細書の背景技術の項で説明したように、本発明のコードは、特に、産業車両用タイヤのカーカス補強材向きである。
【0129】
一例として、図4は、金属カーカス補強材を備えたタイヤの半径方向断面を概略的に示しており、このような金属クラウン補強材は、この全体的略図では、本発明に従ったものであっても良く又はそうでなくても良い。
【0130】
このタイヤ1は、クラウン補強材又はベルト6によって補強されたクラウン2、2つのサイドウォール3及び2つのビード4を有し、これらビード4の各々は、ビードワイヤ5によって補強されている。クラウン2は、トレッド(この略図では示されていない)で覆われている。カーカス補強材7が各ビード4中の2本のビードワイヤ5に巻き付けられ、この補強材7の上曲がり部8は、例えばタイヤ1の外側に向かって層をなしており、タイヤ1は、この場合、そのリム9に取り付けられた状態で示されている。それ自体知られているように、カーカス補強材7は、「ラジアル(半径方向)」コードにより補強された少なくとも1枚のプライによって形成され、即ち、これらコードは、事実上互いに平行であり、中間円周方向平面(この平面は、2つのビード4相互間の途中に配置され、クラウン補強材6の中央を通過したタイヤの回転軸線に垂直である)と80°〜90°の角度をなすよう一方のビードから他方のビードまで延びている。
【0131】
本発明のタイヤは、そのカーカス補強材7が少なくとも、少なくとも1枚のカーカスプライを補強する要素により、本発明の金属コードを構成するということを特徴としている。当然のことながら、このタイヤ1は、知られているように、タイヤの半径方向内側フェースを構成すると共にカーカスプライをタイヤ内部の空間から来る空気の拡散から保護するようになったゴム又はエラストマーの内側層(通常、「内側ライナ」と呼ばれている)を更に有する。
【0132】
好ましくは、カーカス補強プライのファブリックに用いられるゴムコンパウンドは、加硫状態(即ち、硬化後)では、2〜25MPa、好ましくは2320MPa、特に3〜15MPaのE10伸び率における割線モジュラスを有する。
【0133】
III.本発明の実施形態
以下の試験は、本発明の3層コードが先行技術の現場ゴム引き3層コードと比較することにより、少量の充填ゴムを含み、それによりこれらコードを一層コンパクトにするという顕著な利点を有し、このゴムは、コード内のその毛管の各々の中に一様に分布され、コードに最適な長手方向不透過性が与えられていることを示している。
【0134】
以下の試験において、細い真鍮被覆炭素鋼ワイヤで作られた2+8+14構造の層状コードを製造した。
【0135】
炭素鋼ワイヤを公知の仕方で、例えば、機械ワイヤ(直径5〜6mm)を先ず最初に圧延及び/又は引き抜きによりほぼ1mmの中間直径まで加工硬化させることによって調製した。用いたスチールは、炭素含有量が0.70%の公知の炭素鋼(米国規格AISI 1069
)であった。中間直径のワイヤは、脱脂及び/又は酸洗い処理を受け、その後、これらを変換する。真鍮の被膜をこれら中間ワイヤに被着させた後、「最終」加工硬化と呼ばれる作業を、例えば水性乳濁液又は分散液の形態をした絞り成形用潤滑剤を含む湿式媒体中で冷間絞り成形することにより各ワイヤに対して行った(即ち、最終パテンティング熱処理後)。ワイヤを包囲している真鍮の被膜は、非常に小さい厚さのものであり、1ミクロンよりも著しく小さく、例えば、約0.15〜0.30μmであり、これは、スチールワイヤの直径と比べて無視できるほどのものであった。このようにして引き抜いたスチールワイヤは、以下の直径及び機械的性質を有していた。
【0136】
〔表1〕
表 1
スチール φ(mm) Fm(N) Rm(MPa)
NT 0.18 68 2820
【0137】
次に、これらワイヤを2+8+14構造の層状コードの形態に組み立て、これらの構成は、図1に示されており、その機械的性質は、表2に記載されている。
【0138】
〔表2〕
表2
コード p1 p2 p3 Fm Rm At
(mm) (mm) (mm) (daN) (MPa) (%)
C‐1 6 12 18 115 2680 2.4
【0139】
図1に概略的に示されているような上述の方法により調製された本発明の実施例としての2+8+14コード(C‐1)は、全部で24本のワイヤ(中央層(C1)を形成する2本のワイヤ及びその周りの22本のワイヤ、これらワイヤの直径は、全て0.18mmである)を互いに異なるピッチで(且つ同一の撚り方向で)3つの同心層の状態に巻回して円筒形の層を有するコードを得て構成されたものである。段落II‐I‐Cにおいて上述した方法に従って測定した充填ゴムの含有量は、コード1g当たり約32mgであった。この充填ゴムは、コードの毛管の各々の中に存在し、即ち、充填ゴムは、これら毛管の各々を完全に又は少なくとも部分的に充填し、コードの任意の3cm(好ましくは2cm)長さ分に関し、各毛管内にゴムの少なくとも1つのゴム栓が存在するようにした。
【0140】
このコードを製造するため、上述すると共に図3に概略的に示された装置を用いた。充填ゴムは、産業車両用のタイヤのカーカス補強材用の従来型ゴムコンパウンドであり、このようなゴムコンパウンドは、コードC‐1が補強するようになったゴムカーカスプライと同じ配合を有し、このコンパウンドは、天然(解凝固)ゴム及びN330カーボンブラック(55phr)を主成分としており、このコンパウンドは、次の通常の添加物、即ち、硫黄(7phr)、スルフェンアミド促進剤(1phr)、ZnO(9phr)、ステアリン酸(0.7phr)、酸化防止剤(1.5phr)及びコバルトナフテネート(1phr)を更に含んでおり、コンパウンドの弾性率E10は、約6MPaであった。このコンパウンドを0.420mmサイジングダイにより約85℃の温度で押し出した。
【0141】
このようにして調製されたコードC‐1について1分でコードを通る空気の体積(単位:cm3)を測定することにより段落II‐I‐Bにおいて説明した通気度試験を実施した(試験された各コードについて10回の測定値の平均値を取った)。試験した各コードC‐1に関し且つ測定値の100%に関し(即ち、10個のうちで10個の試験片)、流量の測定値は、ゼロ又は0.2cm3/分未満であり、換言すると、本発明に従って調製されたコードのこれらの例は、これらの軸線に沿って気密であると見なされ、従って、これらは、ゴムによる最適侵入レベルを有している。
【0142】
さらに、現場ゴム引きされると共に上述のコンパクトコードC‐1と同一構造のコントロールコードを上述の国際公開第2005/071157号パンフレットに記載されている方法に従って数個の不連続ステップで調製し、即ち、押出ヘッドを用いて中間1+6コアストランドを外装し、次に第2段階において、残りの15本のワイヤをこのようにして外装されたコアの周りにケーブリングして外側層を形成した。次に、これらコントロールコードに段落I‐2の通気度試験を行った。
【0143】
まず最初に、これらコントロールコードの中で、ゼロ又は0.2cm3/分未満の100%(即ち、10個のうちで10個の試験片)の流量測定値をもたらしたものはなく、換言すると、これらコントロールコードの中で、その軸線に沿って気密(完全に気密)であると見なされたものはなかった。
【0144】
また、これらコントロールコードの中で、最善の通気度結果(即ち、約2cm3/分の平均流量)を示したコントロールコードは全て、これらの周囲からの比較的多量の望ましくない充填ゴムのにじみ出し(オーバースピル)を示し、これらコードが工業条件下における満足のゆく圧延作業には不適当であったことが判明した。
【0145】
以上要するに、本発明の方法により、現場ゴム引きされた2+M+N構造のコードの製造が可能であり、これらコードは、ゴムによる最適入り込みレベルを有することにより、一方において、タイヤカーカス補強材に高い耐久性を示すと共に他方において特に製造中におけるゴムの過剰のにじみ出しと関連した問題を生じないで、工業条件下において効果的に使用できる。
【0146】
当然のことながら、本発明は、上述の実施形態には限定されない。
例えば、ゴム又は任意他の材料によるコードの侵入度を一段と向上させるために、本発明のコード(層(C1,C2,C3)のうちのどれを考慮しても良い)の少なくとも1本(即ち、1本又は2本以上)のワイヤに代えて、予備成形又は変形ワイヤ又はより一般的に、直径d1及び/又はd2及び/又はd3の他のワイヤの断面とは異なる断面のワイヤを用いても良く、この交換ワイヤのエンベロープ直径は、関連の層(C1及び/又はC2及び/又はC3)を構成する他のワイヤの直径(d1及び/又はd2及び/又はd3)よりも小さくても、これに等しくても又はこれよりも大きくても良い。
【0147】
本発明の精神を変更しないで、本発明のコードを構成するワイヤのうちの何割かは、スチールワイヤ、金属ワイヤ等以外のワイヤで置き換えても良く、特に、高い機械的強度の無機又は有機材料、例えば液晶有機ポリマーで作られたモノフィラメントで作られたワイヤ又は細線であっても良い。
【0148】
本発明は又、構造が少なくとも、要素ストランドとして、本発明の層状コードを含む任意のマルチストランドスチールコード(又は「マルチストランドロープ」)に関する。
【0149】
例えば土木作業型の産業車両用のタイヤ、特にタイヤのカーカス又はクラウン補強材に用いることができる本発明のマルチストランドロープの一例として、例えば、それ自体知られている次の一般的な構成のストランドの2つの層(J+K)を備えたマルチストランドロープを挙げることができ、即ち
‐全部で6本の要素ストランドで形成された(1+5)×(2+M+N)(1本が中心に位置し、残りの5本のストランドが中心回りにケーブリングされている)、
‐全部で7本の要素ストランドで作られた(1+6)×(2+M+N)(1本が中心に位置し、残りの6本が中心回りにケーブリングされている)、
‐全部で9本の要素ストランドで形成された(2+7)×(2+M+N)(2本が中心に位置し、残りの7本のストランドが中心回りにケーブリングされている)、
‐全部で10本の要素ストランドで作られた(2+8)×(2+M+N)(2本が中心に位置し、残りの8本が中心回りにケーブリングされている)、
‐全部で11本の要素ストランドで作られた(3+8)×(2+M+N)(3本が中心に位置し、残りの8本が中心回りにケーブリングされている)、
‐全部で12本の要素ストランドで形成された(3+9)×(2+M+N)(3本が中心に位置し、残りの9本のストランドが中心回りにケーブリングされている)、
‐全部で13本の要素ストランドで作られた(4+9)×(2+M+N)(4本が中心に位置し、残りの9本が中心回りにケーブリングされている)
‐全部で14本の要素ストランドで作られた(4+10)×(2+M+N)(4本が中心に位置し、残りの10本が中心回りにケーブリングされている)であるが、この場合、各要素ストランド(又は、少なくともこれらのうちの一部)は、2+M+N、特に2+7+13又は2+8+14構造の本発明の3層コードで構成される。
【0150】
特に(1+5)(2+7+13)、(1+6)(2+7+13)、(2+7)(2+7+13)、(2+8)(2+7+13)、(3+8)(2+7+13)、(3+9)(2+7+13)、(4+9)(2+7+13)、(4+10)(2+7+13)、(1+5)(2+8+14)、(1+6)(2+8+14)、(2+7)(2+8+14)、(2+8)(2+8+14)、(3+8)(2+8+14)、(3+9)(2+8+14)、(4+9)(2+8+14)又は(4+10)(2+8+14)型のこのようなマルチストランドスチールロープは、これら自体、これらの製造時に現場でゴム引きされるのが良く、これは、この場合、中央ストランドをそれ自体又は、これらのうちの数本が存在している場合には中央のストランドをこれら自体、未加硫充填ゴム(この充填ゴムは、個々のストランドの現場ゴム引きに用いられた配合と同一又は異なる調合を有している)によって外装し、その後、外側層を形成している周囲ストランドをケーブリングによって定位置に配置する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場でゴム引きされた2+M+N構造の3つの層(C1+C2+C3)を有する金属コードであって、前記3つの層は、ピッチp1で螺旋状に組み立てられた直径d1の2本のワイヤから成る第1の層又は中央層(C1)を含み、直径d2のM本のワイヤが第2の層(C2)の状態でピッチp2で螺旋状に前記中央層(C1)に巻き付けられ、直径d3のN本のワイヤが第3の層(C3)の状態でピッチp3で螺旋状に前記第2の層に巻き付けられ、前記コードは、以下の特徴(d1、d2、d3、p1、p2及びp3は、mmで表されている)を有し、即ち、
‐0.08≦d1≦0.50
‐0.08≦d2≦0.50
‐0.08≦d3≦0.50
‐3<p1<50
‐6<p2<50
‐9<p3<50
‐PKに等しい前記外側ストランドの任意の3cm長さ分にわたり、「充填ゴム」と呼ばれるゴムコンパウンドは、一方において前記第1の層(C1)の前記2本のワイヤ並びに他方において前記第2の層(C2)の前記M本のワイヤ及び前記第3の層(C3)の前記N本のワイヤより画定された毛管の各々の中に存在し、
‐前記コード中の前記充填ゴムの量は、コード1g当たり10〜50mgである、
ことを特徴とする金属コード。
【請求項2】
前記充填ゴムのゴムは、ジエンエラストマーである、請求項1記載の金属コード。
【請求項3】
前記充填ゴムの前記ジエンエラストマーは、ポリブタジエン、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこれらエラストマーの配合物から成る群から選択される、
請求項2記載の金属コード。
【請求項4】
前記ジエンエラストマーは、イソプレンコポリマー、好ましくは天然ゴムである、
請求項3記載の金属コード。
【請求項5】
以下の特徴、即ち、
‐3<p1<30
‐6<p2<30
‐9<p3<30
が満たされる、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属コード。
【請求項6】
p1≦p2≦p3である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属コード。
【請求項7】
以下の特徴、即ち、
‐0.10≦d1≦0.40
‐0.10≦d2≦0.40
‐0.10≦d3≦0.40
が満たされる、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属コード。
【請求項8】
前記第1の層(C1)の前記2本のワイヤ、前記第2の層(C2)の前記M本のワイヤ及び前記第3の層(C3)の前記N本のワイヤは、同一のツイスティング方向に巻回されている、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属コード。
【請求項9】
d1=d2=d3である、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属コード。
【請求項10】
p2=p3である、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の金属コード。
【請求項11】
前記第2の層(C2)は、6〜10本のワイヤから成り、前記第3の層(C3)は、12〜16本のワイヤから成る、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属コード。
【請求項12】
前記第2の層(C2)は、7又は8本のワイヤから成り、前記第3の層(C3)は、13又は14本のワイヤから成る、
請求項11記載の金属コード。
【請求項13】
前記第3の層(C3)は、飽和層である、
請求項1〜12のいずれか1項に記載の金属コード。
【請求項14】
前記充填ゴムコンパウンドの量は、ストランド1g当たり15〜40mgである、
請求項1〜13のいずれか1項に記載のマルチストランド金属コード。
【請求項15】
通気度試験(段落I‐2)において、前記コードは、2cm3/分未満の平均空気流量を有する、
請求項1〜14のいずれか1項に記載の金属コード。
【請求項16】
通気度試験(段落I‐2)において、前記コードは、0.2cm3/分未満又はこれにせいぜい等しい平均空気流量を有する、
請求項15記載の金属コード。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載のコードを製造する方法であって、少なくとも次のステップ、即ち、
‐前記中央層の前記2本のワイヤをツイスティングして「第1の組み立て箇所」と呼ばれている第1の箇所のところに前記第1の層又は中央層(C1)を形成する第1の組み立てステップを有し、
‐前記M本のワイヤを前記中央層(C1)の周りにツイスティングして「第2の組み立て箇所」と呼ばれる第2の箇所に、2+M構造の「コアストランド」と呼ばれる中間コード(C1+C2)を形成する第2の組み立てステップを有し、
‐前記第1の組み立て箇所の下流側において、中央層(C1)及び/又は前記コアストランド(C1+C2)を未硬化状態の充填ゴムで外装する外装ステップを有し、前記外装は、前記第2の組み立て箇所の上流側か下流側かのいずれか又は上流側と下流側の両方で実施され、
‐次に、前記N本のワイヤを前記外装されたコアストランドの周りにツイスティング又はケーブリングすることによる第3の組み立てステップを有し、
‐次に最終の撚りバランス取りステップを有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項18】
ストランドのうちの少なくとも1本が請求項1〜16のいずれか1項に記載のコードであるマルチストランドロープ。
【請求項19】
半完成品又はゴムで作られた物品を補強する請求項1〜16及び請求項18のいずれか1項に記載のコードの使用。
【請求項20】
前記ゴム製物品は、タイヤである、請求項19記載の使用。
【請求項21】
請求項1〜16及び請求項18のいずれか1項に記載のコードを有するタイヤ。
【請求項22】
前記タイヤは、産業車両のタイヤである、請求項21記載のタイヤ。
【請求項23】
前記コードは、前記タイヤのカーカス補強材又はクラウン補強材中に存在する、請求項21又は22記載のタイヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−531538(P2012−531538A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518923(P2012−518923)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059486
【国際公開番号】WO2011/000950
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(512068547)コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン (169)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)
【Fターム(参考)】