説明

現金処理システム、現金処理方法、管理部および現金出納装置

【課題】現金精算装置に収納されている売上金等を現金出納装置に確実に収納することができる現金処理システムを提供する。
【解決手段】現金管理システム1は、現金精算装置11、現金出納装置21および現金搬送カセット30を備えている。現金精算装置11および現金出納装置21は各々、現金搬送カセット30の記憶部35からカセットID情報を読み出すリード部157,257を有している。また現金管理システム1は、現金搬送カセット30が受ける現金精算装置11内の現金が現金出納装置21に入金され得るかどうかを判定する入金判定手段26Aを有する管理部26と、管理部26からの情報を案内する案内装置と、現金出納装置21のリード部257により読み出されたカセットID情報と管理部26からの情報とを照合する照合部27と、をさらに備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金処理システムおよび現金処理方法に係わり、例えば、店舗内での精算において現金の受け渡しを行い、その現金を収納する現金処理システムおよび現金処理方法に関する。また本発明は、管理部および現金出納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から店舗のチェックアウトカウンターにおいて店員が客との現金の受け渡し業務を行うために現金精算装置およびPOS(Point Of Sale)レジスタが使用されている。現金精算装置は、投入された現金を識別・計数して金額を算出した上で、収納すると共に、収納されている現金を釣銭として払い出す機能を有している。
【0003】
一方、店舗のバックオフィスにおいては、その店舗内に設置された現金精算装置に釣銭準備金等の現金を装填し、あるいは、現金精算装置の売上金等を回収するために現金出納装置が使用されている。現金出納装置は、現金精算装置から回収された現金を収納し、現金精算装置へ装填する現金を投出する機能を有している。
【0004】
通常、営業終了後に店員は、チェックアウトカウンターの現金精算装置に収納されている売上金等をバックオフィスの現金出納装置に収納する必要がある。しかしながら、現金出納装置における現金の収納量には上限があり、このため、現金精算装置からの売上金を現金出納装置へ搬送したとしても、当該現金を現金出納装置に入金できない場合がある。
【0005】
このような課題を解決するため、特許文献1および2は、現金出納装置における入金可否状況を照会するとともに照会結果を表示可能な照会手段を備えた入金システムを提案している。これによって、搬送されてきた現金を現金出納装置に入金することができない、という状況が生じることを回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4485884号公報
【特許文献2】特開2006−59269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現金精算装置から現金出納装置への現金の搬送は、通常、現金を収納する現金搬送カセットを店員が搬送することにより実施される。この場合、店員が現金精算装置から現金出納装置へ搬送する間に不測の事態が発生する可能性がある。例えば、搬送中に何らかの事象が生じて、店員が、照会手段による照会において入金可とされた数量の現金を収納する一の現金搬送カセットを、その他の現金搬送カセットと取り違えてしまうことが考えられる。この場合、現金出納装置には、一の現金搬送カセットとは異なるその他の現金搬送カセットからの現金が入金されることになり、この結果、搬送されてきた現金を現金出納装置に入金することができない、という事態が生じ得る。
【0008】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る現金処理システム、現金処理方法、管理部および現金出納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による現金処理システムは、現金を入金および出金することにより顧客との精算処理を行う現金精算装置と、前記現金精算装置へ装填する現金を出金し、前記現金精算装置から回収した現金を入金する現金出納装置と、前記現金精算装置および前記現金出納装置に着脱可能であり、前記現金精算装置内の現金を受け、当該現金を前記現金出納装置に渡す現金搬送カセットと、を備え、前記現金搬送カセットは、当該現金搬送カセットを特定するためのカセットID情報を少なくとも記憶する記憶部を有し、前記現金精算装置および前記現金出納装置は各々、前記現金搬送カセットの前記記憶部から前記カセットID情報を読み出すリード部を有し、管理部および照合部がさらに設けられており、前記管理部は、前記現金精算装置および前記現金出納装置に通信可能に接続されており、また前記管理部は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、当該現金搬送カセットが受ける前記現金精算装置内の現金が前記現金出納装置に入金され得るかどうかを判定する入金判定手段を有するとともに、前記入金判定手段により前記現金出納装置に入金され得ると判定された現金を前記現金精算装置から受ける現金搬送カセットのカセットID情報を前記照合部へ送信するよう構成されており、前記照合部は、前記現金搬送カセットが前記現金出納装置に装着されている時、当該現金出納装置のリード部により読み出されたカセットID情報と前記管理部から送信されるカセットID情報とを照合するよう構成されていることを特徴とする現金処理システムである。
【0010】
本発明による現金処理システムにおいて、前記現金出納装置は複数設けられていてもよい。この場合、前記管理部の前記入金判定手段は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、当該現金搬送カセットが受ける前記現金精算装置内の現金が各現金出納装置に入金され得るかどうかをそれぞれ判定し、前記管理部は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、前記入金判定手段からの情報に基づいて、前記現金搬送カセットが受ける前記現金精算装置内の現金が入金されるべき一の現金出納装置を選択する選択手段をさらに有し、前記照合部は、前記現金搬送カセットが複数の現金出納装置のいずれか1つに装着されている時、当該現金出納装置のリード部により読み出されたカセットID情報と前記管理部の前記選択手段からの情報とを照合してもよい。
【0011】
本発明による現金処理システムの前記現金精算装置において、当該現金精算装置内に装填されるべき現金の量である所定装填量が定められていてもよい。この場合、前記現金搬送カセットは、前記所定装填量の現金が前記現金精算装置内に残されるよう当該現金精算装置内の現金を受け、当該現金を前記現金出納装置に渡してもよい。
【0012】
本発明による現金処理システムにおいて、前記現金搬送カセットは、前記現金出納装置内の現金を受け、当該現金を前記現金精算装置に渡すこともできるよう構成されていてもよい。この場合、前記現金精算装置において、当該現金精算装置内に装填されるべき現金の量である所定装填量が定められており、前記管理部は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、当該現金精算装置の前記所定装填量を満たす量の現金が前記現金出納装置から出金され得るかどうかを判定する出金判定手段をさらに有していてもよい。
【0013】
本発明による現金処理システムにおいて、前記現金出納装置は複数設けられていてもよい。この場合、前記管理部の入金判定手段は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、当該現金搬送カセットが受ける前記現金精算装置内の現金が各現金出納装置に入金され得るかどうかをそれぞれ判定し、前記管理部の出金判定手段は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、当該現金精算装置の前記所定装填量を満たす量の現金が各現金出納装置から出金され得るかどうかをそれぞれ判定し、前記管理部は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、前記入金判定手段および前記出金判定手段からの情報に基づいて、前記現金搬送カセットが受ける前記現金精算装置内の現金が入金されるべき一の現金出納装置を選択する選択手段をさらに有し、前記照合部は、前記現金搬送カセットが複数の現金出納装置のいずれか1つに装着されている時、当該現金出納装置のリード部により読み出されたカセットID情報と前記管理部の前記選択手段からの情報とを照合してもよい。
【0014】
本発明による現金処理方法は、現金搬送カセットを現金精算装置に装着する工程と、現金精算装置が、当該現金精算装置に装着されている現金搬送カセットのカセットID情報を読み取るとともに、当該カセットID情報および現金搬送カセットが受ける現金精算装置内の現金に関する情報を管理部に送信する工程と、現金搬送カセットが現金精算装置に装着されている時、管理部が、現金搬送カセットが受ける現金精算装置内の現金が現金出納装置に入金され得るかどうかを判定する判定工程と、管理部が、前記現金出納装置に入金され得ると判定された現金を前記現金精算装置から受ける現金搬送カセットのカセットID情報を照合部に送信する工程と、現金搬送カセットが現金精算装置内の現金を受ける工程と、現金搬送カセットを現金精算装置から離脱させ、その後、当該現金搬送カセットを現金出納装置に装着する工程と、現金出納装置が、当該現金出納装置に装着されている現金搬送カセットのカセットID情報を読み取るとともに、当該カセットID情報を照合部に送信する工程と、現金搬送カセットが現金出納装置に装着されている時、照合部が、当該現金出納装置により読み出されたカセットID情報と管理部から送信されるカセットID情報とを照合する照合工程と、を備えたことを特徴とする現金処理方法。
【0015】
本発明による管理部は、現金を入金および出金することにより顧客との精算処理を行う現金精算装置と、前記現金精算装置へ装填する現金を出金し、前記現金精算装置から回収した現金を入金する現金出納装置と、前記現金精算装置および前記現金出納装置に着脱可能であり、前記現金精算装置内の現金を受け、当該現金を前記現金出納装置に渡す現金搬送カセットと、照合部と、を備えた現金処理システムにおいて用いられる管理部であって、前記管理部は、前記現金精算装置および前記現金出納装置に通信可能に接続され、また前記管理部は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、当該現金搬送カセットが受ける前記現金精算装置内の現金が前記現金出納装置に入金され得るかどうかを判定する入金判定手段を有するとともに、前記入金判定手段により前記現金出納装置に入金され得ると判定された現金を前記現金精算装置から受ける現金搬送カセットのカセットID情報を前記照合部へ送信するよう構成されており、前記現金精算装置および前記現金出納装置は各々、前記現金搬送カセットの前記記憶部から前記カセットID情報を読み出すリード部を有し、前記現金処理システムの前記照合部は、前記現金搬送カセットが前記現金出納装置に装着されている時、当該現金出納装置のリード部により読み出されたカセットID情報と前記管理部から送信されるカセットID情報とを照合するよう構成されていることを特徴とする管理部である。
【0016】
本発明による現金出納装置は、現金を収納する現金搬送カセットを装着可能な現金出納装置であって、前記現金搬送カセットは、当該現金搬送カセットを特定するためのカセットID情報を少なくとも記憶する記憶部を有し、前記現金搬送カセットに収納された現金が前記現金出納装置に入金され得るかどうかに関する情報、または、前記現金搬送カセットに収納された現金が前記現金出納装置に入金されるべきかどうかに関する情報が、前記カセットID情報に対応付けられて予め生成されており、前記現金出納装置は、前記現金搬送カセットの前記記憶部から前記カセットID情報を読み出すリード部と、前記現金搬送カセットが前記現金出納装置に装着されている時に前記リード部により読み出されたカセットID情報と、予め生成されている前記情報に対応付けられた前記カセットID情報とを照合する照合部と、を有することを特徴とする現金出納装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、現金搬送カセットに収納されている売上金等を現金出納装置に確実に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る実施形態に従った現金管理システム1の構成例を示すブロック図。
【図2】各現金精算装置11の一例を示す外観図。
【図3】現金精算装置11の構成例を示すブロック図。
【図4】現金精算装置11のうち紙幣精算装置12の内部構成の一例を示す断面図。
【図5】現金精算装置11のうち硬貨精算装置13の内部構成の一例を示す断面図。
【図6】現金出納装置21の一例を示す外観図。
【図7】現金出納装置21の構成例を示すブロック図。
【図8】現金出納装置21のうち紙幣出納装置22の内部構成の一例を示す断面図。
【図9】現金出納装置21のうち硬貨出納装置23の内部構成の一例を示す断面図。
【図10】第1の動作の形態における回収処理を示すフロー図。
【図11】第1の動作の形態において、管理部による判定結果を示す図。
【図12】第2の動作の形態における回収処理を示すフロー図。
【図13】第2の動作の形態において、管理部による判定および選択結果を示す図。
【図14】第3の動作の形態において、管理部による判定および選択結果を示す図。
【図15】第4の動作の形態における回収処理を示すフロー図。
【図16】第4の動作の形態において、管理部による判定結果を示す図。
【図17】第5の動作の形態における回収処理を示すフロー図。
【図18】第5の動作の形態において、管理部による判定および選択結果を示す図。
【図19】第6の動作の形態において、管理部による判定および選択結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明に係る第1の実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0020】
図1は、本発明に係る第1の実施形態に従った現金管理システム1の構成例を示すブロック図である。現金管理システム1は、店員が顧客から受け取った現金、および、店員が顧客へ支払う現金を処理および管理するシステムである。
【0021】
現金管理システム1は、店舗内のチェックアウトエリアに設けられており、店員が顧客との間でやりとりした現金を入出金するチェックアウトカウンター10と、チェックアウトカウンター10の現金および商品を管理するバックオフィス20と、チェックアウトカウンター10とバックオフィス20との間において現金を搬送する現金搬送カセット30とから構成されている。
【0022】
チェックアウトカウンター10には、現金を入金および出金することにより顧客との精算処理を行う単数または複数の現金精算装置11が設けられている。例えば、合計で30台の現金精算装置11が設けられている。現金精算装置11は、店員または顧客自らによって操作され、店員と顧客との間の精算処理に用いられる。例えば、現金精算装置11は、顧客が支払った代金を入金し、あるいは、顧客へ支払う釣銭を出金する。
【0023】
現金精算装置11は、例えば、店員によって操作されるPOSレジスタまたは顧客によって操作されるセルフチェックアウト用レジスタと通信可能に接続されている。現金精算装置11は、POSレジスタまたはセルフチェックアウト用レジスタと一体に構成されていてもよい。
【0024】
バックオフィス20には、単数または複数の現金出納装置21と、現金管理装置25と、POS管理装置28が設けられている。例えば、合計で3台の現金出納装置21が設けられている。現金出納装置21は、現金精算装置11と通信可能に接続されており、例えば、現金精算装置11へ装填するための釣銭準備金を出金し、あるいは、現金精算装置11から回収した売上金を入金する。現金管理装置25は、LAN(Local Area Network)等を介して現金精算装置11および現金出納装置21と通信可能に接続されている。現金管理装置25は、現金精算装置11および現金出納装置21に収納されている現金を管理する。例えば、現金管理装置25は、現金精算装置11のそれぞれにおいて精算処理された現金、並びに、現金精算装置11と現金出納装置21との間で授受された現金を管理する。また、現金管理装置25は、現金精算装置11または現金出納装置21に現金搬送カセット30が装着されているか否かを監視してもよい。POS管理装置28は商品の流れを管理する。尚、商品の流れについては本発明と直接関連しないので、ここではPOS管理装置28に関する詳細な説明を省略する。
【0025】
また現金管理装置25は、図1に示すように、管理部26と照合部27とを有している。このうち管理部26は、後述するように、現金精算装置11の売上金を店員が現金出納装置21に搬送する回収処理の際、現金搬送カセット30が現金精算装置11に装着されている時に、適切な搬送先に関する判定または選択を実施するよう構成されている。また照合部27は、現金搬送カセット30が現金出納装置21に装着されている時、当該現金出納装置21の後述するリード部257により読み出されたカセットID情報と管理部26からの情報とを照合するよう構成されている。なお現金管理装置25において、管理部26および照合部27は、管理部に記憶されている情報を照合部27が読み出すことができる限りにおいて、物理的に一体のものとして構成されていてもよく、若しくは、物理的に別体のものとして構成されていてもよい。管理部26および照合部27が物理的に一体のものとして構成されている例としては、管理部26および照合部27の機能がいずれも、一個のIC内においてソフトウェアにより実現される場合を挙げることができる。この場合、管理部26および照合部27は、ハードウェアとしては区別不可能であるが、ソフトウェアのモジュールとして区別可能となっている。
【0026】
管理部26は、図1に示すように、入金判定手段26A、選択手段26Bおよび出金判定手段26Cを含んでいる。これらの構成要素の作用については後述する。
【0027】
現金搬送カセット30は、現金精算装置11および現金出納装置21に着脱可能に構成されており、現金精算装置11または現金出納装置21に装着されているときには現金精算装置11または現金出納装置21との間で現金を授受することができる。一方、現金搬送カセット30は、現金精算装置11および現金出納装置21から離脱しているときには内部の現金を取出せないように収納している。店員は、現金搬送カセット30を用いて現金精算装置11と現金出納装置21との間における現金の搬送を行う。例えば、釣銭準備金の装填時あるいは売上金の回収時には、店員は、現金搬送カセット30を用いて現金を現金精算装置11と現金出納装置21との間で搬送する。店員は、現金の搬送時に現金搬送カセット30内の現金に触れることができないので、セキュリティ上安全な状態で現金を搬送することができる。
【0028】
現金搬送カセット30は、紙幣および硬貨のいずれか一方を搬送するように構成されていてもよく、両方を搬送できるように構成されていてもよい。紙幣用の現金搬送カセット30は、紙幣を積み重ねて収納するスタック式カセットであってもよく、あるいは、紙幣を一枚ずつ複数のテープ間に挟み込んだ状態で該テープを紙幣とともに巻き取るテープリール式カセットであってもよい。硬貨用の現金搬送カセット30は、金種混合の状態で硬貨を収納するカセットでよい。
【0029】
[現金精算装置11の構成]
各現金精算装置11は、硬貨を入金および出金することにより精算処理を行う硬貨精算装置13と、紙幣を入金および出金することにより精算処理を行う紙幣精算装置12とを含む。
【0030】
以下、紙幣精算装置12の構成要素と硬貨精算装置13の構成要素とを区別するために、紙幣精算装置12の構成要素の参照番号に“a”を付し、硬貨精算装置13の構成要素の参照番号に“b”を付す。尚、硬貨精算装置13および紙幣精算装置12は、取り扱う対象が硬貨と紙幣とでそれぞれ異なるので具体的構成については相違するものの、図3に示す基本的なブロック構成については同様でよい。表示装置195は、ただし、紙幣精算装置12または硬貨精算装置13のいずれか一方に設けられ、共通に用いられる。
【0031】
図2は、各現金精算装置11の一例を示す外観を示す図である。現金精算装置11は、紙幣精算装置12および硬貨精算装置13を備える。紙幣精算装置12は、筐体100aと、入金部110aと、出金部120aとを備えている。また紙幣精算装置12には、表示装置195が取り付けられている。入金部110aは、顧客から受け取った紙幣を投入するために設けられている。出金部120aは、釣銭紙幣を投出するために設けられている。筐体100aの前カバー101aを開けると、現金搬送カセット30を装着するためのカセット装着部(図4の160a参照)が設けられている。
【0032】
硬貨精算装置13は、筐体100bと、入金部110bと、出金部120bとを備えている。入金部110bは、顧客から受け取った硬貨を投入するために設けられている。出金部120bは、釣銭硬貨を投出するために設けられている。筐体100bの前カバー101bを開けると、現金搬送カセット30を装着するためのカセット装着部(図5の160b参照)が設けられている。
【0033】
図3は、現金精算装置11の構成例を示すブロック図である。現金精算装置11は、入金部110および出金部120のほか、搬送部130と、識別部140と、収納部150と、リード部157と、ライト部158と、カセット装着部160と、メモリ170と、通信部180と、制御部190とをさらに備えている。
【0034】
搬送部130は、入金部110に投入された現金を収納部150へ搬送し、あるいは、出金部120から投出される現金を収納部150から搬送する。また、搬送部130は、現金を収納部150へ装填するためにカセット装着部160に装着された現金搬送カセット30内の現金を収納部150へ搬送し、あるいは、現金を収納部150から回収するために収納部150に収納された現金を現金搬送カセット30へ搬送できるように構成されている。
【0035】
識別部140は、搬送部130によって搬送されている現金の金種、真偽、正損、新旧、数量等を検知するように構成されている。例えば、識別部140は、イメージセンサまたは磁気センサ等のセンサを備えている。
【0036】
収納部150は、識別部140において識別された現金を金種ごとに収納することができるように構成されている。収納部150は、紙幣を収納する場合、各紙幣を金種ごとに積み重ねて収納するスタック式収納部でもよく、あるいは、各紙幣を金種ごとに複数のテープ間に挟み込んだ状態で該テープを紙幣とともに巻き取る複数のテープリール式収納部であってもよい。
【0037】
カセット装着部160は、現金搬送カセット30を着脱可能に構成されている。カセット装着部160は、現金搬送カセット30から現金を入金し、あるいは、現金搬送カセット30へ現金を出金することができるように構成されている。
【0038】
リード部157は、後述する現金搬送カセット30に設けられた記憶部35に格納された情報を読み取ることができるように構成されている。またライト部158は、現金搬送カセット30に設けられた記憶部35へ情報を書き込むことができるように構成されている。
【0039】
メモリ170は、現金精算装置11を制御する各種プログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)またはHDD(Hard Disk Drive)、および、プログラムのロード領域やプログラム実行時における作業領域となるRAM(Random Access Memory)等を含む。メモリ170は、収納部150および現金搬送カセット30に収納されている現金の情報(金種、数量等)も記憶している。さらに、メモリ170は、識別部140で識別された現金の数量を金種ごとに記憶してもよい。
【0040】
通信部180は、現金処理システム1を構成する他の装置(現金出納装置21、現金管理装置25、POS管理装置28)と通信可能に接続されている。
【0041】
制御部190は、メモリ170内のプログラムを実行して現金精算装置11の全体を制御するように構成された演算処理装置である。
【0042】
図4は、現金精算装置11のうち紙幣精算装置12の内部構成の一例を示す断面図である。紙幣精算装置12は入金部カバー111aを備えており、店員は入金時に入金部カバー111aを開けて紙幣を入金部110aへ投入する。入金部110aは投入された紙幣を一枚ずつ搬送部130aへ繰り出すように構成されている。搬送部130aは、繰り出された紙幣を識別部140aに通過させた後、収納部150a、現金搬送カセット30または出金部120aへ搬送するように構成されている。識別部140aは、搬送されている紙幣の金種、真偽、正損、新旧、数量等を識別する。搬送部130aは、識別部140aによる識別結果に基づいて紙幣を金種ごとに収納部150aに収納する。
【0043】
尚、搬送部130aは、収納部150aがフルの場合等、必要に応じて、現金搬送カセット30に紙幣を搬送してよい。また、搬送部130aは、識別部140aにおいて紙幣が識別することができなかったり、偽紙幣が識別された場合、それを出金部120aへ投出するようになっている。
【0044】
一方、紙幣を出金するために、収納部150aは、紙幣を一枚ずつ搬送部130aへ繰り出すように構成されている。搬送部130aは、繰り出された紙幣を出金部120aへ搬送する。紙幣精算装置12は、出金部シャッタ121aを備えており、出金時に出金部シャッタ121aを開け、紙幣を投出する。
【0045】
このように、紙幣精算装置12は、入金部110aに投入された紙幣を収納部150aへ収納し、逆に、収納部150aに収納された紙幣を出金部120aへ投出することができる。即ち、紙幣精算装置12は、入金された紙幣を出金に再利用することができるように構成されている。
【0046】
現金搬送カセット30がカセット装着部160aに装着されている場合、紙幣精算装置12は、現金搬送カセット30から収納部150aへ紙幣を装填し、あるいは、収納部150aから現金搬送カセット30へ紙幣を回収することができる。紙幣を装填する場合、現金搬送カセット30が紙幣を一枚ずつ搬送部130aへ繰り出す。搬送部130aは繰り出された紙幣を収納部150aへ装填する。紙幣を回収する場合、収納部150aが紙幣を一枚ずつ搬送部130aへ繰り出す。搬送部130aは繰り出された紙幣を現金搬送カセット30へ回収する。
【0047】
このように、紙幣精算装置12は、現金搬送カセット30を用いて紙幣の装填および回収を行うことができるように構成されている。
【0048】
表示装置195は、現金管理装置25の管理部26に通信可能に接続され、管理部26からの情報を表示する案内装置として機能するよう構成されている。表示装置195は、例えば、液晶ディスプレイ等でよい。
【0049】
図5(A)および図5(B)は、現金精算装置11のうち硬貨精算装置13の内部構成の一例を示す断面図である。図5(A)は硬貨精算装置13を側方から見た断面図であり、図5(B)は硬貨精算装置13を正面から見た断面図である。尚、図5(B)では、現金搬送カセット30および繰出部137bの図示を省略しており、収納部150bを図示している。
【0050】
硬貨精算装置13は、図5(B)に示すように入金部110bを備えており、店員は入金時に硬貨を入金部110bへ投入する。このとき、複数の金種の硬貨は、混合された状態で投入されてよい。円盤型の繰出部133bは、入金部110bに投入された硬貨を一枚ずつ搬送部130bへ繰り出すように構成されている。搬送部130bは、繰り出された硬貨を識別部140bに通過させた後、収納部150b、現金搬送カセット30または出金部120bへ搬送する。識別部140bは、搬送されている硬貨の金種、真偽、正損、新旧、数量等を識別する。搬送部130bは、識別部140bによる識別結果に基づいて硬貨を金種ごとに選別し、硬貨を対応する金種の収納部150bに収納する。
【0051】
尚、搬送部130bは、収納部150bがフルの場合等、必要に応じて、硬貨を現金搬送カセット30または回収ボックス135bに搬送してよい。また、搬送部130bは、識別部140bにおいて硬貨がリジェクト硬貨であると識別された場合、そのリジェクト硬貨を出金部120bへ投出する。
【0052】
一方、硬貨を出金するために、収納部150bは、硬貨を一枚ずつ搬送部131bへ繰り出すように構成されている。複数の収納部150bは、各金種ごとに貨幣を収納しており、それぞれ円盤型の繰出部153bを備えている。繰出部153bは、硬貨を一枚ずつ搬送部130bへ繰り出すように構成されている。搬送部130bは、繰り出された硬貨を出金部120bへ搬送する。これにより、硬貨精算装置13は、硬貨を出金部120bへ投出する。
【0053】
このように、硬貨精算装置13は、入金部110bに投入された硬貨を収納部150bへ収納し、逆に、収納部150bに収納された硬貨を出金部120bへ投出することができる。即ち、硬貨精算装置13は、入金された硬貨を出金に再利用することができるように構成されている。
【0054】
現金搬送カセット30がカセット装着部160bに装着されている場合、硬貨精算装置13は、現金搬送カセット30から収納部150bへ硬貨を装填し、あるいは、収納部150bから現金搬送カセット30へ硬貨を回収することができる。硬貨を装填する場合、現金搬送カセット30は、図5(A)に示す繰出部137bに硬貨を投出する。このとき、現金搬送カセット30は、金種の混合された状態で硬貨を繰出部137bに投出してよい。繰出部137bは硬貨を搬送部131bに繰り出す。搬送部131bは繰り出された硬貨を繰出部133bへ搬送し、繰出部133bは、硬貨を一枚ずつ搬送部130bへ繰り出す。搬送部130bは、繰り出された硬貨を識別部140bに通過させた後、収納部150bまたは出金部120bへ搬送するように構成されている。識別部140bは、搬送されている硬貨の金種を識別する。搬送部130bは、識別部140bによる識別結果に基づいて硬貨を金種ごとに収納部150bに収納する。
【0055】
硬貨を回収する場合、硬貨精算装置13は、収納部150bから硬貨を一枚ずつ搬送部131bへ繰り出す。搬送部131bは繰り出された硬貨を現金搬送カセット30へ回収する。
【0056】
このように、硬貨精算装置13は、現金搬送カセット30を用いて硬貨の装填および回収を行うことができるように構成されている。
【0057】
[現金出納装置21の構成]
現金出納装置21は、硬貨精算装置13へ装填する硬貨を出金し、硬貨精算装置13から回収した硬貨を入金する硬貨出納装置23と、紙幣精算装置12へ装填する紙幣を出金し、紙幣精算装置12から回収した紙幣を入金する紙幣出納装置22とを含む。
【0058】
以下、紙幣出納装置22の構成要素と硬貨出納装置23の構成要素とを区別するために、紙幣出納装置22の構成要素の参照番号に“a”を付し、硬貨出納装置23の構成要素の参照番号に“b”を付す。紙幣出納装置22および硬貨出納装置23は、取り扱う対象が硬貨と紙幣とでそれぞれ異なるため具体的な構成については相違するものの、図7に示す基本的なブロック構成については同様でよい。操作表示部295は、紙幣出納装置22または硬貨出納装置23のいずれか一方に設けられ、それらの両方の情報を表示するために共通に用いられる。
【0059】
図6は、現金出納装置21の一例を示す外観を示す図である。現金出納装置21は、紙幣出納装置22および硬貨出納装置23を備える。紙幣出納装置22は、筐体200aと、入金部210aと、出金部220aと、操作表示部295とを備えている。入金部210aは、紙幣を投入するために設けられている。出金部220aは、紙幣を投出するために設けられている。入金部210aは、バラ紙幣を繰り出すバラ紙幣繰出部211aまたは現金搬送カセット30を選択的に装着できるように構成されている。従って、入金部210aは、現金搬送カセット30を用いることなくバラ紙幣を入金することができ、現金搬送カセット30から紙幣を入金することもできる。出金部220aは、現金搬送カセット30を用いることなくバラ紙幣を出金することができる。前カバー201aを開くと、図8に示す回収部255aおよび収納部250aが設けられている。
【0060】
操作表示部295は、現金出納装置21、現金精算装置11および現金搬送カセット30の状態等を表示し、かつ、店員がデータを入力することができるように構成されている。操作表示部295は、例えば、タッチパネル式ディスプレイ等でよい。
【0061】
硬貨出納装置23は、筐体200bと、入金部210bと、出金部220bとして機能するドロワ装着部260とを備えている。入金部210bは、硬貨を投入するために設けられている。ドロワ装填部260は、硬貨を投出するために設けられている。入金部210bは、バラ硬貨をそのまま投入するか、または現金搬送カセット30を装着できるように構成されている。従って、入金部210bは、現金搬送カセット30を用いることなくバラ硬貨を入金することができ、現金搬送カセット30から硬貨を入金することもできる。ドロワ装着部260は、硬貨を金種ごとに収納する収納ドロワ258bまたは現金搬送カセット30を選択的に装着できるように構成されている。従って、ドロワ装着部260は、現金搬送カセット30を用いることなく硬貨を出金することができ、現金搬送カセット30へ硬貨を出金することもできる。
【0062】
図7は、現金出納装置21の構成例を示すブロック図である。現金出納装置21は、入金部210、出金部220および操作表示部295のほか、搬送部230と、識別部240と、収納部250と、回収部255と、リード部257と、ライト部258と、機外リジェクト部222と、機内リジェクト部224と、メモリ270と、通信部280と、制御部290とをさらに備えている。
【0063】
現金出納装置21の入金部210は、バラ貨幣繰出部201または現金搬送カセット30を選択的に装着することができるように構成されている。例えば、店員が現金出納装置21へバラ貨幣を入金する場合には、バラ貨幣繰出部201が入金部210に装着される。店員が現金出納装置21へ現金搬送カセット30を用いて現金を入金する場合には、バラ貨幣繰出部201に代えて、現金搬送カセット30が入金部210に装着される。即ち、現金出納装置21は、バラ貨幣繰出部201に代えて、入金部210に現金搬送カセット30を着脱することができるように構成されている。
【0064】
搬送部230は、入金部210に投入された現金を収納部250へ搬送し、あるいは、出金部220から投出される現金を収納部250から搬送する。また、搬送部230は、収納部250から現金搬送カセット30へ現金を搬送し、あるいは、現金搬送カセット30から収納部250へ現金を搬送できるように構成されている。
【0065】
識別部240は、搬送部230によって搬送されている現金の金種、真偽、正損、新旧、数量等を検知するように構成されている。例えば、識別部240は、磁気センサ、蛍光センサ、金属スレッドセンサ、厚みセンサ、イメージセンサ等のセンサを備えている。また、識別部240は、現金の数量を金種別にカウントする。
【0066】
収納部250は、識別部240において識別された現金を金種ごとに収納することができるように構成されている。収納部250は、紙幣を収納する場合、スタック式収納部でもよく、あるいは、テープリール式収納部であってもよい。
【0067】
なお収納部250においては、収納部250内に収容可能な現金の数量(収容可能量)が金種ごとに予め定められている。なお本実施の形態による現金管理システム1においては、後述するように、現金精算装置11の売上金を店員が現金出納装置21に搬送する回収処理の際、現金出納装置21に収容される現金の数量が収容可能量を超えないよう、現金管理装置25の管理部26が適切な搬送先に関する判定または選択を実施している。
【0068】
リード部257は、後述する現金搬送カセット30に設けられた記憶部35に格納された情報を読み取ることができるように構成されている。またライト部258は、現金搬送カセット30に設けられた記憶部35へ情報を書き込むことができるように構成されている。
【0069】
メモリ270は、現金出納装置21を制御する各種プログラムおよびデータを格納するROMまたはHDD、および、プログラムのロード領域やプログラム実行時における作業領域となるRAM等を含む。メモリ270は、収納部250および現金搬送カセット30に収納されている現金の情報(金種、数量等)も記憶している。さらに、メモリ270は、識別部240で識別された現金の数量を金種ごとに記憶してもよい。
【0070】
通信部280は、現金処理システム1を構成する他の装置(現金精算装置11、現金管理装置25、POS管理装置28)と通信可能に接続されている。
【0071】
制御部290は、メモリ270内のプログラムを実行して現金出納装置21の全体を制御するように構成された演算処理装置である。
【0072】
図8は、現金出納装置21のうち紙幣出納装置22の内部構成の一例を示す断面図である。図8は、入金部210aに現金搬送カセット30を装着した状態を示す。尚、操作表示部295については、図8においてその図示を省略している。
【0073】
店員が現金搬送カセット30から収納部250aへ紙幣を入金する場合、図8に示すように、店員は、入金部210aに現金搬送カセット30を装着する。現金搬送カセット30は、その中にある紙幣を一枚ずつ搬送部230aへ繰り出す。搬送部230aは、繰り出された紙幣を識別部240aに通過させた後、収納部250a、回収集積部254aまたは機外リジェクト部222aへ搬送するように構成されている。識別部240aは、搬送されている紙幣の金種、真偽、正損、新旧、数量等を識別する。搬送部230aは、識別部240aによる識別結果に基づいて紙幣を金種ごとに収納部250aに収納する。
【0074】
また、搬送部230aは、識別部240aにおいて紙幣を識別することができなかったり、偽紙幣が識別された場合、それを機外リジェクト部222aへ投出する。
【0075】
一方、紙幣を出金する場合には、紙幣を現金搬送カセット30へ搬送するために、収納部250aが紙幣を一枚ずつ搬送部230aへ繰り出す。搬送部230aは、繰り出された紙幣を現金搬送カセット30へ出金する。これにより、紙幣出納装置22は、現金精算装置11へ装填する紙幣を現金搬送カセット30へ出金することができる。紙幣の搬送の途中でセンサ242aが重送、連鎖、斜行等の搬送異常を検出した場合、搬送部230aは、その紙幣を機内リジェクト部224aへ搬送する。
【0076】
このように、紙幣出納装置22は、現金精算装置11へ装填される紙幣を現金搬送カセット30へ出金することができ、また、現金精算装置11から回収された紙幣を現金搬送カセット30から入金することができるように構成されている。即ち、紙幣出納装置22は、入金された紙幣を出金に再利用することができるように構成されている。
【0077】
図9(A)および図9(B)は、現金出納装置21のうち硬貨出納装置23の内部構成の一例を示す断面図である。図9(A)は硬貨出納装置23を側方から見た断面図であり、図9(B)は硬貨出納装置23を正面から見た断面図である。
【0078】
硬貨出納装置23は、入金部210bを備えており、現金精算装置11から回収した硬貨を現金搬送カセット30から入金することができるように構成されている。また、硬貨出納装置23は、回収部255bおよび現金搬送カセット30を装着可能なドロア装着部260を備えている。ドロア装着部260に現金搬送カセット30を装着することによって、現金精算装置11へ装填する硬貨を現金搬送カセット30へ金種別に区分けして出金することができる。
【0079】
現金搬送カセット30が入金部210bに装着されている場合、硬貨出納装置23は、現金精算装置11から回収した硬貨を現金搬送カセット30から入金することができる。店員が現金搬送カセット30を入金部210bに装着すると、現金搬送カセット30は、繰出部233bへ硬貨を投入する。このとき、貨幣は、金種混合の状態で投入されてよい。
【0080】
円盤型の繰出部233bは、入金部210bに投入された硬貨を一枚ずつ搬送部230bへ繰り出すように構成されている。搬送部230bは、繰り出された硬貨を識別部240bに通過させた後、一時保留部235bへ搬送するように構成されている。一時保留部235bは、金種ごとに設けられており、硬貨を一時的に保留するように構成されている。
【0081】
識別部240bは、搬送されている硬貨の金種、真偽、正損、新旧、数量等を識別する。搬送部230bは、識別部240bによる識別結果に基づいて硬貨を金種ごとに選別し、硬貨を対応する金種の一時保留部235bに入れる。
【0082】
各一時保留部235bは、対応する金種の収納部250bにシュート236bを介して連通しており、投入された硬貨が全て一時保留部235bに保留された後、硬貨を対応する金種の収納部250bへ収納する。
【0083】
搬送部230bは、識別部240bにおいて硬貨がリジェクト硬貨であると識別された場合に、そのリジェクト硬貨をリジェクト部234bへ搬送してよい。
【0084】
また硬貨出納装置23は、現金精算装置11へ装填する硬貨を現金搬送カセット30へ出金することができる。この場合、硬貨は、収納部250bからシュート256bを介して現金搬送カセット30へ投出される。このとき、現金搬送カセット30へ投出された硬貨は、金種混合の状態であってもよい。
【0085】
このように、硬貨出納装置23は、現金搬送カセット30からの硬貨を収納部250bへ収納し、逆に、収納部250bに収納された硬貨を現金搬送カセット30へ投出することができる。
【0086】
現金搬送カセット30は、該現金搬送カセット30を特定するためのカセットID情報を少なくとも記憶する記憶部35を備えている。現金処理システム1内に複数の現金搬送カセット30がある場合、各現金搬送カセット30は、互いに異なるカセットID情報を有する。これにより、現金精算装置11および現金出納装置21が、現金搬送カセット30を特定することができる。カセットID情報は、例えば、複数の現金搬送カセット30のそれぞれに対して設定された固有の番号でよい。また、記憶部35は、必要に応じて現金搬送カセット30に収容されている現金の金種や数量等の情報を格納してもよい。
【0087】
(現金処理システム1の動作)
次に、現金処理システム1の具体的な動作を説明する。各現金精算装置11の現金在高、現金出納装置21の現金在高、各現金精算装置11において入金または出金された現金の金額、現金出納装置21と各現金精算装置11との間で装填または回収された現金の金額は、各装置11,12毎に管理されるとともに、すべて現金管理装置25において管理されている。また、複数の現金精算装置11は、互いに区別することができるようにそれぞれ固有のID情報を有し、複数の現金精算装置11の各メモリ170がそのID情報を格納している。同様に、複数の現金出納装置21は、互いに区別することができるようにそれぞれ固有のID情報を有し、複数の現金出納装置21の各メモリ270がそのID情報を格納している。また、現金管理装置25も各現金精算装置11及び各現金出納装置21のID情報を把握している。
【0088】
例えば合計で30台の現金精算装置11が設けられている場合、各現金精算装置11はそれぞれXk(k=1〜30の整数)というID情報を有している。なお以下の説明において、XkというID情報を有する現金精算装置11を現金精算装置11(Xk)と称する。例えば、X1というID情報を有する現金精算装置11を現金精算装置11(X1)と称する。
【0089】
また、合計で3台の現金出納装置21が設けられている場合、各現金出納装置21はそれぞれYl(l=1〜3の整数)というID情報を有している。なお以下の説明において、YlというID情報を有する現金出納装置21を現金出納装置21(Yl)と称する。例えば、Y1というID情報を有する現金出納装置21を現金出納装置21(Y1)と称する。
【0090】
また、以下の説明において、現金搬送カセット30は現金精算装置11と同数だけ準備されており、また、各現金搬送カセット30は30台の現金精算装置11のうちいずれか1台の現金精算装置11に対応付けられているとする。例えば、Zk(k=1〜30の整数)というカセットID情報をそれぞれ有する30台の現金搬送カセット30が準備されており、また、ZkというカセットID情報を有する現金搬送カセット30は、現金精算装置11(Xk)に対応付けられているとする。すなわち、ZkというカセットID情報を有する現金搬送カセット30は、現金精算装置11(Xk)で専ら使用されるものとする。なお以下の説明において、ZkというカセットID情報を有する現金搬送カセット30を現金搬送カセット30(Zk)と称する。例えば、Z1というカセットID情報を有する現金搬送カセット30を現金搬送カセット30(Z1)と称する。
【0091】
以下の各処理において、現金精算装置11と現金出納装置21との間の通信は現金管理装置25を介して行われる。しかし、現金精算装置11と現金出納装置21とは互いに直接通信してもよいことは言うまでもない。
【0092】
また、以下の具体的な動作の例において、現金処理システム1は、紙幣および硬貨のいずれにも適用できる。例えば、紙幣を処理する場合、現金精算装置11のうち紙幣精算装置12を使用し、現金出納装置21のうち紙幣出納装置22を使用すればよい。また、現金搬送カセット30は、紙幣用の現金搬送カセット(スタック式またはテープリール式のいずれでもよい)を使用すればよい。一方、硬貨を処理する場合、現金精算装置11のうち硬貨精算装置13を使用し、現金出納装置21のうち硬貨出納装置23を使用すればよい。以下、便宜的に紙幣と硬貨とをまとめて「現金」と表現するが、「現金」は、「紙幣」または「硬貨」のいずれに置き換えてもよい。
【0093】
また、以下の具体的な動作の例において、説明の便宜上、各現金出納装置21における収容部250の収容可能量は、金種によらず300枚となっていると仮定する。
【0094】
第1の動作の形態
はじめに、各現金精算装置11のうち現金精算装置11(X1)に収納された売上金を店員が現金出納装置21へ回収する際の動作の一形態について説明する。ここでは、説明の便宜上、現金精算装置11(X1)に収納された売上金および各現金出納装置21に収納されている現金が、1つの金種のみからなると仮定する。また、現金精算装置11(X1)には、90枚の現金が収納されており、そして、90枚の現金全てが現金搬送カセット30(Z1)によって回収されると仮定する。また、3台の現金出納装置21(Y1)〜21(Y3)にはそれぞれ250枚、200枚、40枚の現金が既に収納されていると仮定する。
【0095】
なお以下に説明する本形態において、管理部26の入金判定手段26Aは、現金搬送カセット30が現金精算装置11に装着されている時、当該現金搬送カセット30が受ける現金精算装置11内の現金が現金出納装置21に入金され得るかどうかを判定するよう構成されている。
【0096】
[回収処理]
以下、図10および図11を参照して、本形態における回収処理について説明する。図10は、本形態による現金管理システム1における回収処理の動作を示すフロー図である。
【0097】
まず、店員が現金精算装置11(X1)、現金出納装置21または現金管理装置25において回収処理の開始を選択すると、現金精算装置11(X1)は、収納部150に収納された90枚の現金全てを繰り出し、現金搬送カセット30(Z1)へ出金する(S200)。また現金精算装置11(X1)のリード部157は、現金搬送カセット30(Z1)の記憶部35に記憶されているカセットID情報を読み取る。
【0098】
現金精算装置11(X1)は、自己のID情報(=X1)、回収される現金(以下、回収金という)を収容した現金搬送カセット30(Z1)のカセットID情報(=Z1)、回収金の金種情報および数量情報を関連付けて、バックオフィス20の現金出納装置21へ送信する(S210)。以下、現金精算装置11のID情報、回収金を収容した現金搬送カセット30(Z1)のカセットID情報、回収金の金種情報および数量情報を「回収関連情報」と呼ぶ。
【0099】
バックオフィス20に設置された現金管理装置25は、現金精算装置11(X1)からの回収関連情報を受信し、この回収関連情報を記憶する(S220)。現金精算装置11(X1)のライト部158は、回収関連情報を現金搬送カセット30(Z1)の記憶部35に書き込んでもよい。
【0100】
現金管理装置25の管理部26の入金判定手段26Aは、現金精算装置11(X1)からの回収関連情報に基づいて、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金が各現金出納装置21(Y1)〜21(Y3)に入金され得るかどうかをそれぞれ判定する(S222)。
【0101】
具体的には、入金判定手段26Aは、はじめに、現金出納装置21(Y1)に既に収納されている現金の数量250枚と、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金の数量90枚とを加算する。次に、算出された加算結果が現金出納装置21の収容可能量を超えているかどうかを判定する。この場合、加算結果は340枚となっており、現金出納装置21(Y1)の収容可能量300枚を超えている。従って、現金出納装置21(Y1)に対する入金判定の結果は「NG」となる。
【0102】
同様にして、入金判定手段26Aは、現金出納装置21(Y2)および現金出納装置21(Y3)に対する入金判定を実施する。このようにして実施される判定の結果をまとめたものを図11に示す。これらの判定の結果は、現金搬送カセット30(Z1)のカセットID情報に対応付けられた上で管理部26に記憶される。なお図11において、「判定時の在高」という行は、入金判定手段26Aが判定を実施する際に各現金出納装置21(Y1)〜21(Y3)に既に収納されている現金の数量を表している。
【0103】
次に、管理部26の入金判定手段26Aによって実施された判定の結果に関する情報が、表示装置195に送信される(S228)。この情報は、図10に示すように各現金出納装置21にも送信されてもよい。このとき、上述の回収関連情報が同時に各現金出納装置21に送信されてもよい。
【0104】
表示装置195は、管理部26から送られた判定結果を表示する(S232)。例えば、各現金出納装置21(Y1)〜21(Y3)に関する「OK」または「NG」という判定結果が表示される。これによって、店員は、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金を入金することが可能な現金出納装置21に関する情報を得ることができる。
【0105】
次に、店員は、現金搬送カセット30(Z1)を現金精算装置11(X1)から離脱させる(S240)。そして、店員は、現金出納装置21へ現金搬送カセット30(Z1)を搬送する。ここで上述のように、店員は、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金を入金することが可能な現金出納装置21に関する情報を得ている。このため、店員は、迷うことなく現金出納装置21(Y2),21(Y3)のいずれかへ現金搬送カセット30(Z1)を搬送すればよい。
【0106】
店員が現金搬送カセット30を現金出納装置21に装着すると(S245)、現金出納装置21のリード部257は、現金搬送カセット30(Z1)の記憶部35に記憶されている情報(カセットID情報および回収関連情報)を読み取る(S250)。読み取られたカセットID情報は、現金搬送カセット30(Z1)が装着された現金出納装置21のID情報とともに現金管理装置25の照合部27に送信される。
【0107】
照合部27は、管理部26の入金判定手段26Aによって実施された判定の結果と、現金搬送カセット30(Z1)の記憶部35から読み取られたカセットID情報とを照合する(S260)。具体的には、現金搬送カセット30(Z1)が装着された現金出納装置21のID情報が、入金判定手段26Aによる判定結果において現金搬送カセット30(Z1)に対して「OK」と判定された現金出納装置21に対応しているかどうかを照合する。これによって、現金搬送カセット30(Z1)が、判定結果において「OK」と判定された現金出納装置21(Y2),21(Y3)のいずれかに適切に装着されているかどうかが判断される。
【0108】
現金搬送カセット30(Z1)が適切な現金出納装置21に装着されていると判断された場合(S265のYES)、現金出納装置21は、現金搬送カセット30(Z1)に収容された現金を回収する(S270)。回収された現金は、現金出納装置21の収納部250へ収納される。
【0109】
照合の結果、現金搬送カセット30(Z1)が適切な現金出納装置21に装着されていないと判断された場合(S265のNO)、現金出納装置21は、現金搬送カセット30(Z1)の現金を回収せず、エラーを店員に通知する(S275)。エラーは、操作表示部295に表示すればよい。エラー通知を受けた店員は、現金搬送カセット30(Z1)を適切な現金出納装置21に装着する等の対応をとることによってエラーを解消する。
【0110】
現金の回収が終了すると、現金出納装置21は、回収完了通知を現金管理装置25へ送信する(S280)。
【0111】
現金管理装置25は、回収完了通知を受信すると、現金精算装置11(X1)および現金搬送カセット30(Z1)が装着された現金出納装置21の在高を更新する(S285)。これにより、現金精算装置11(X1)に関する一連の回収処理が完了する。その他の現金精算装置11(X2)〜11(X30)に関しても、上記ステップS200〜S285を繰り返すことによって、回収処理を実施することができる。
【0112】
以上のように、本形態による現金処理システム1は、現金精算装置11および現金出納装置21に通信可能に接続された管理部26であって、現金搬送カセット30が現金精算装置11に装着されている時、当該現金搬送カセット30が受ける現金精算装置11内の現金が現金出納装置21に入金され得るかどうかを判定する入金判定手段26Aを有する管理部26と、管理部26に通信可能に接続されており、管理部26からの情報を表示する表示装置195と、を備えている。このため、店員は、特定の現金精算装置11から現金搬送カセット30が受ける回収金を入金することが可能な現金出納装置21に関する情報を得ることができる。このため、店員は、迷うことなく現金搬送カセット30の回収金を適切な現金出納装置21へ搬送することができる。これによって、売上金の回収に要する時間を短くすることができる。
【0113】
また、本形態による現金処理システム1は、管理部26に通信可能に接続された照合部27であって、現金搬送カセット30が現金出納装置21に装着されている時、当該現金出納装置21のリード部257により読み出されたカセットID情報と管理部26からの情報とを照合する照合部27をさらに備えている。このため、回収金が納められた現金搬送カセット30が、不適切な現金出納装置21に誤って装着されることを防ぐことができる。
【0114】
なお本形態において、現金出納装置21が複数設けられている例を示した。しかしながら、仮に現金出納装置21が1台のみ設けられている場合であっても、本形態による現金管理システム1は効果を発揮することができる。例えば、本形態による現金管理システム1によって、店員は、特定の現金精算装置11から現金搬送カセット30が受ける回収金を当該現金出納装置21に入金することができるかどうかに関する情報を、表示装置195から得ることができる。このため、現金出納装置21の収納部250がフルとなっている場合に、店員が無駄に回収金を当該現金出納装置21へ搬送することを防ぐことができる。また、店員が現金精算装置11から現金出納装置21へ現金搬送カセット30を運ぶ間に不測の事態が発生した場合であっても、不適切な現金搬送カセット30が現金出納装置21に装着されることを防ぐことができる。
【0115】
また本形態において、現金出納装置21のリード部257により読み出されたカセットID情報と管理部26からの情報とを照合する照合部27が、現金管理装置25に設けられている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、照合部27が現金出納装置21に設けられていてもよい。例えば、照合部27としての機能が、現金出納装置21の制御部290に実装されていてもよい。この場合、制御部290は、ステップS228において管理部26から送信される、判定の結果に関する情報および回収関連情報などの情報と、リード部257により読み出されたカセットID情報とを照合するよう構成されている。
【0116】
第2の動作の形態
次に、各現金精算装置11のうち現金精算装置11(X1)に収納された売上金を店員が現金出納装置21へ回収する際の動作のその他の形態について説明する。
【0117】
本形態において、管理部26の選択手段26Bは、現金搬送カセット30が現金精算装置11に装着されている時、入金判定手段26Aからの情報に基づいて、現金搬送カセット30が受ける現金精算装置11内の現金が入金されるべき一の現金出納装置21を選択するよう構成されている。本形態において、他の構成は、上述の第1の形態と略同一となっている。従って、以下に説明する本形態において、上述の第1の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0118】
本形態においても、上述の第1の形態の場合と同様に、現金精算装置11(X1)には、90枚の現金が収納されており、そして、90枚の現金全てが現金搬送カセット30(Z1)によって回収されると仮定する。また、3台の現金出納装置21(Y1)〜21(Y3)にはそれぞれ250枚、200枚、40枚の現金が既に収納されていると仮定する。
【0119】
[回収処理]
以下、図12および図13を参照して、本形態における回収処理について説明する。図12は、本形態による現金管理システム1における回収処理の動作を示すフロー図である。
【0120】
まず、店員が現金精算装置11(X1)、現金出納装置21または現金管理装置25において回収処理の開始を選択すると、現金精算装置11(X1)は、収納部150に収納された90枚の現金全てを繰り出し、現金搬送カセット30(Z1)へ出金する(S200)。以下、図12に示すステップS200〜S222までの動作は、図10に示す第1の形態におけるステップS200〜S222までの動作と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0121】
ステップS222において管理部26の入金判定手段26Aにより実施される判定の結果をまとめたものを図13に示す。これらの判定の結果は、現金搬送カセット30(Z1)のカセットID情報に対応付けられた上で管理部26に記憶される。なお本形態においては、入金判定手段26Aによる判定の際、「OK」と判定された現金出納装置21に現金精算装置11(X1)からの回収金が入金されるとした場合の、入金後の各現金出納装置21における在高(以下、仮想的な在高と称する)が同時に算出されてもよい。図13においては、算出された仮想的な在高が括弧内に示されている。
【0122】
次に、管理部26の選択手段26Bは、入金判定手段26Aからの情報に基づいて、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金が入金されるべき一の現金出納装置21を選択する(S226)。この際の選択基準としては様々な基準が考えられるが、例えば一例として、「OK」と判定された現金出納装置21のうち、仮想的な在高と収容可能量との差が最も小さい現金出納装置21を選択する、という選択基準が考えられる。
【0123】
ここで、現金出納装置21(Y2)における仮想的な在高は290枚であり、従って、仮想的な在高と収容可能量との差は10枚となっている。一方、現金出納装置21(Y3)における仮想的な在高は130枚であり、従って、仮想的な在高と収容可能量との差は170枚となっている。従って、選択手段26Bは、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金が入金されるべき一の現金出納装置21として現金出納装置21(Y2)を選択する(図13参照)。
【0124】
次に、管理部26の選択手段26Bによって実施された選択の結果に関する情報が、表示装置195に送信される(S228)。この情報は、図12に示すように各現金出納装置21にも送信されてもよい。このとき、回収関連情報が同時に各現金出納装置21に送信されてもよい。
【0125】
また、選択手段26Bにより現金出納装置21(Y2)が選択された後、現金管理装置25は、選択された現金出納装置21(Y2)の在高を暫定的に更新してもよい(S230)。すなわち、現金出納装置21(Y2)の在高を、現状の在高である200枚と、現金精算装置11(X1)からの回収金である90枚とを加算して得られる値である290枚へ更新してもよい。これによって、現金精算装置11(X1)からの回収金が実際に現金出納装置21(Y2)に入金されるよりも前に、入金判定手段26Aがその他の現金精算装置11に関する入金可否の判定を実施する場合に、入金判定手段26Aが適切な判定を実施することが可能となる。
【0126】
表示装置195は、管理部26から送られた選択結果を表示する(S232)。例えば、表示装置195は、現金搬送カセット30(Z1)に収納される回収金を現金出納装置21(Y2)に搬送する、という選択結果を表示する。これによって、店員は、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金が入金されるべき現金出納装置21に関する情報を得ることができる。
【0127】
次に、店員は、現金搬送カセット30(Z1)を現金精算装置11(X1)から離脱させる(S240)。そして、店員は、現金出納装置21(Y2)へ現金搬送カセット30(Z1)を搬送する。
【0128】
店員が現金搬送カセット30を現金出納装置21に装着すると(S245)、現金出納装置21のリード部257は、現金搬送カセット30(Z1)の記憶部35に記憶されている情報(カセットIDおよび回収関連情報)を読み取る(S250)。読み取られたカセットID情報は、現金搬送カセット30(Z1)が装着された現金出納装置21のID情報とともに現金管理装置25の照合部27に送信される。
【0129】
照合部27は、管理部26の選択手段26Bによって実施された選択の結果と、現金搬送カセット30(Z1)の記憶部35から読み取られたカセットID情報とを照合する(S260)。具体的には、現金搬送カセット30(Z1)が装着された現金出納装置21のID情報が、選択手段26Bによって選択された現金出納装置21のID情報(=Y2)と一致しているかどうかを判断する。これによって、現金搬送カセット30(Z1)が、選択された現金出納装置21(Y2)に適切に装着されているかどうかが判断される。
【0130】
現金搬送カセット30(Z1)が適切な現金出納装置21(Y2)に装着されていると判断された場合(S265のYES)、現金出納装置21(Y2)は、現金搬送カセット30(Z1)に収容された現金を回収する(S270)。回収された現金は、現金出納装置21(Y2)の収納部250へ収納される。
【0131】
照合の結果、現金搬送カセット30(Z1)が適切な現金出納装置21(Y2)に装着されていないと判断された場合(S265のNO)、現金出納装置21は、現金搬送カセット30(Z1)の現金を回収せず、エラーを店員に通知する(S275)。エラーは、操作表示部295に表示すればよい。このとき、管理部26が記憶する情報に基づいて、現金搬送カセット30(Z1)が装着されるべき現金出納装置21を操作表示部295に表示することも出来る。エラー通知を受けた店員は、現金搬送カセット30(Z1)を適切な現金出納装置21(Y2)に装着する等の対応をとることによってエラーを解消する。
【0132】
現金の回収が終了すると、現金出納装置21は、回収完了通知を現金管理装置25へ送信する(S280)。
【0133】
現金管理装置25は、回収完了通知を受信すると、現金精算装置11(X1)および現金搬送カセット30(Z1)が装着された現金出納装置21(Y2)の在高を更新する(S285)。これにより、現金精算装置11(X1)に関する一連の回収処理が完了する。その他の現金精算装置11(X2)〜11(X30)に関しても、上記ステップS200〜S285を繰り返すことによって、回収処理を実施することができる。
【0134】
以上のように、本形態による現金処理システム1の管理部26は、現金搬送カセット30が現金精算装置11に装着されている時、入金判定手段26Aからの情報に基づいて、現金搬送カセット30が受ける現金精算装置11内の現金が入金されるべき一の現金出納装置21を選択する選択手段26Bをさらに有している。このため、店員は、特定の現金精算装置11からの回収金を迷うことなく最適な現金出納装置21へ搬送することができる。これによって、売上金の回収に要する時間をさらに短くすることができる。
【0135】
なお本形態において、選択手段26Bが、仮想的な在高と収容可能量との差が最も小さい現金出納装置21を選択する例を示した。しかしながら、選択手段26Bにおける具体的な選択基準が特に限られることはない。例えば、選択手段26Bは、仮想的な在高と収容可能量との差が最も大きい現金出納装置21を選択してもよい。若しくは、選択手段26Bは、仮想的な在高と収容可能量との差が、予め定められた値に最も近くなっている現金出納装置21を選択してもよい。
【0136】
第3の動作の形態
次に、各現金精算装置11のうち現金精算装置11(X1)〜11(X3)に収納された売上金を店員が現金出納装置21へ回収する際の動作の形態について説明する。
【0137】
本形態においては、現金精算装置11(X1)に関する管理部26の動作の後、現金精算装置11(X1)からの回収金が実際に現金出納装置21に入金されるよりも前に、現金精算装置11(X2)および現金精算装置11(X3)に関する管理部26の動作が実施される場合について説明する。以下に説明する本形態において、上述の第1の形態および第2の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0138】
現金精算装置11(X1)〜(X3)には、それぞれ90枚,40枚,120枚の現金が収納されており、そして、収納されている現金全てが、対応する現金搬送カセット30(Z1) 〜(Z3)によって回収されると仮定する。また、3台の現金出納装置21(Y1)〜21(Y3)にはそれぞれ250枚、200枚、40枚の現金が既に収納されていると仮定する。
【0139】
[回収処理]
以下、図14を参照して、本形態における回収処理について説明する。なお個々の現金精算装置11に対する現金管理装置25の動作は、図12に示す第2の形態の場合と略同一であるので、本形態においても、図12に示されるフロー図が適宜参照される。
【0140】
まず、第1の店員が現金精算装置11(X1)において回収処理の開始を選択すると、現金精算装置11(X1)は、収納部150に収納された90枚の現金全てを繰り出し、現金搬送カセット30(Z1)へ出金する(S200)。その後、上述の第2の実施の形態の場合と同様に、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金が入金されるべき一の現金出納装置21として現金出納装置21(Y2)が選択される(S226)。次に、選択の結果に関する情報が、現金精算装置11(X1)の表示装置195に送信される(S228)。
【0141】
図14は、本形態において実施される入金判定手段26Aによる判定結果および選択手段26Bによる選択結果をまとめて示している。これら判定結果および選択結果は、現金搬送カセット30(Z1)のカセットID情報に対応付けられた上で管理部26に記憶される。図14に示すように、「X1」の行には、図13に示す第2の形態の場合と同一の結果が示されている。
【0142】
その後、現金精算装置11(X1)に関して選択された現金出納装置21(Y2)の在高を暫定的に更新する(S230)。すなわち、現金出納装置21(Y2)の在高を、現状の在高である200枚と、現金精算装置11(X1)からの回収金である90枚とを加算して得られる値である290枚へ更新する。図14において、「X2」が表されている行のうち「判定時の在高」の行には、暫定的に更新された後の各現金出納装置21(Y1)〜(Y3)における在高が示されている。
【0143】
次に、第2の店員が現金精算装置11(X2)において回収処理の開始を選択すると、現金精算装置11(X2)は、収納部150に収納された40枚の現金全てを繰り出し、現金搬送カセット30(Z2)へ出金する(S200)。その後、暫定的に更新された後の各現金出納装置21(Y1)〜(Y3)における在高に基づいて、管理部26の入金判定手段26Aによる判定と、管理部26の選択手段26Bによる選択が実施される。この結果、図14に示すように、現金搬送カセット30(Z2)が受ける回収金が入金されるべき一の現金出納装置21として現金出納装置21(Y1)が選択される(S226)。次に、選択の結果に関する情報が、現金精算装置11(X2)の表示装置195に送信される(S228)。
【0144】
その後、現金精算装置11(X2)に関して選択された現金出納装置21(Y1)の在高を暫定的に更新する(S230)。すなわち、現金出納装置21(Y1)の在高を、現状の在高である250枚と、現金精算装置11(X2)からの回収金である40枚とを加算して得られる値である290枚へ更新する。図14において、「X3」が表されている行のうち「判定時の在高」の行には、暫定的に更新された後の各現金出納装置21(Y1)〜(Y3)における在高が示されている。
【0145】
次に、第3の店員が現金精算装置11(X3)において回収処理の開始を選択すると、現金精算装置11(X3)は、収納部150に収納された120枚の現金全てを繰り出し、現金搬送カセット30(Z3)へ出金する(S200)。その後、暫定的に更新された後の各現金出納装置21(Y1)〜(Y3)における在高に基づいて、管理部26の入金判定手段26Aによる判定と、管理部26の選択手段26Bによる選択が実施される。この結果、図14に示すように、現金搬送カセット30(Z3)が受ける回収金が入金されるべき一の現金出納装置21として現金出納装置21(Y3)が選択される(S226)。次に、選択の結果に関する情報が、現金精算装置11(X3)の表示装置195に送信される(S228)。
【0146】
各現金精算装置11(X1)〜11(X3)の表示装置195は、管理部26から送られた選択結果を表示する(S232)。これによって、第1〜第3の店員は、各現金搬送カセット30(Z1)〜30(Z3)が受ける回収金が入金されるべき現金出納装置21に関する情報を得ることができる。
【0147】
その後、各店員は、各現金搬送カセット30(Z1)〜30(Z3)を現金精算装置11(X1)〜11(X3)から離脱させる(S240)。そして、各店員は、表示装置195によって示された現金出納装置21へ現金搬送カセット30(Z1)〜30(Z3)を搬送する。各現金出納装置21における入金に関する動作およびその後の現金管理装置25における動作は、図12に示す第2の形態におけるステップS245〜S285までの動作と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0148】
以上のように、本形態による現金処理システム1によれば、一の現金精算装置11からの回収金が実際に現金出納装置21に入金されるよりも前に、その他の現金精算装置11に関する管理部26の動作を、各現金出納装置21における暫定的な在高を考慮しながら実施することができる。このため本形態によれば、複数の現金精算装置11からの売上金の回収を平行して実施することができ、かつ、各店員は、現金精算装置11からの回収金を迷うことなく最適な現金出納装置21へ搬送することができる。これによって、売上金の回収に要する時間をさらに短くすることができる。
【0149】
第1乃至第3の動作の形態の変形例
なお上述の第1乃至第3の動作の形態において、各現金精算装置11に収納されている現金全てが回収される例を示したが、これに限られることはない。例えば、各現金精算装置11において、現金精算装置11内に装填されるべき現金の量である所定装填量が予め定められており、各現金精算装置11に対応する現金搬送カセット30は、所定装填量の現金が各現金精算装置11内に残されるよう各現金精算装置11内の現金を受け、そして当該現金を適切な現金出納装置21に渡してもよい。
【0150】
例えば、現金搬送カセット30は、店舗の開店前に現金精算装置11に装填されるべき釣銭準備金として必要な数量の現金が現金精算装置11に残るよう、現金精算装置11内に収容されている現金を回収してもよい。すなわち、現金精算装置11内に収容されている現金の数量から釣銭準備金として必要な数量(例えば150枚)を引くことにより算出される余剰の現金の数量のみが、現金搬送カセット30によって回収されてもよい。
【0151】
このように余剰の現金の数量のみが回収される場合であっても、本形態による現金管理システム1は効果を発揮することができる。なお、この場合の現金管理システム1の動作は、図11、図13または図14に示される「回収量」が、各現金精算装置11内に収納されている数量全てではなく余剰の数量となる点が異なるのみであり、その他の動作は同一である。従って、本変形例の動作に関する詳細な説明を省略する。
【0152】
第4の動作の形態
次に、各現金精算装置11のうち現金精算装置11(X1)に収納された売上金を店員が現金出納装置21へ回収する際の動作のその他の形態について説明する。
【0153】
本形態においては、上述の第1乃至第3の動作の形態の変形例の場合と同様に、現金精算装置11内に装填されるべき現金の量である所定装填量が予め定められている。また、本形態おいて、管理部26の出金判定手段26Cは、現金搬送カセット30が現金精算装置11に装着されている時、現金精算装置11の所定装填量を満たす量の現金が現金出納装置21から出金され得るかどうかを判定するよう構成されている。本形態において、他の構成は、上述の第1の形態と略同一となっている。従って、以下に説明する本形態において、上述の第1の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0154】
本形態においては、現金精算装置11(X1)には、90枚の現金が収納されており、そして、90枚の現金全てが現金搬送カセット30(Z1)によって回収されると仮定する。また、3台の現金出納装置21(Y1)〜21(Y3)にはそれぞれ150枚、200枚、40枚の現金が既に収納されていると仮定する。一方、本形態においては、現金精算装置11(X1)に収納されている90枚の現金が回収された後、例えば回収の翌日、店舗の開店前に、150枚の現金が釣銭準備金として現金精算装置11(X1)に装填されている必要があると仮定する。
【0155】
[回収処理]
以下、図15および図16を参照して、本形態における回収処理について説明する。図15は、本形態による現金管理システム1における回収処理の動作を示すフロー図である。
【0156】
まず、店員が現金精算装置11(X1)、現金出納装置21または現金管理装置25において回収処理の開始を選択すると、現金精算装置11(X1)は、収納部150に収納された90枚の現金全てを繰り出し、現金搬送カセット30(Z1)へ出金する(S200)。
【0157】
現金精算装置11(X1)は、自己のID情報(=X1)、回収される現金(以下、回収金という)を収容した現金搬送カセット30(Z1)のカセットID情報(=Z1)、回収金の金種情報および数量情報を関連付けて、バックオフィス20の現金出納装置21へ送信する(S210)。バックオフィス20に設置された現金管理装置25は、現金精算装置11(X1)からの回収関連情報を受信し、この回収関連情報を記憶する(S220)。
【0158】
現金管理装置25の管理部26の入金判定手段26Aは、現金精算装置11(X1)からの回収関連情報に基づいて、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金が各現金出納装置21(Y1)〜21(Y3)に入金され得るかどうかをそれぞれ判定する(S222)。
【0159】
具体的には、入金判定手段26Aは、はじめに、現金出納装置21(Y1)に既に収納されている現金の数量150枚と、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金の数量90枚とを加算する。次に、算出された加算結果が現金出納装置21の収容可能量を超えているかどうかを判定する。この場合、加算結果は240枚となっており、現金出納装置21(Y1)の収容可能量300枚を下回っている。従って、現金出納装置21(Y1)に対する入金判定の結果は「OK」となる。
【0160】
同様にして、入金判定手段26Aは、現金出納装置21(Y2)および現金出納装置21(Y3)に対する入金判定を実施する。このようにして実施される入金判定の結果をまとめたものを図16に示す。これら判定結果は、現金搬送カセット30(Z1)のカセットID情報に対応付けられた上で管理部26に記憶される。
【0161】
次に、現金管理装置25の管理部26の出金判定手段26Cは、現金精算装置11(X1)からの回収関連情報に基づいて、現金精算装置11(X1)の釣銭準備金として必要な数量の現金が、回収後に各現金出納装置21から出金され得るかどうかをそれぞれ判定する(S224)。なお出金判定手段26Cは、各現金出納装置21(Y1)〜(Y3)のうち、入金判定手段26Aによって「OK」と判定された現金出納装置21についてのみ、出金の可否に関する判定を実施すればよい。
【0162】
具体的には、出金判定手段26Cは、はじめに、現金出納装置21(Y1)に既に収納されている現金の数量150枚と、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金の数量90枚とを加算する。次に、算出された加算結果が現金精算装置11(X1)の釣銭準備金として必要な数量(150枚)を超えているかどうかを判定する。この場合、加算結果は240枚となっており、現金精算装置11(X1)の釣銭準備金として必要な数量を超えている。従って、現金出納装置21(Y1)に対する出金判定の結果は「OK」となる。
【0163】
同様にして、出金判定手段26Cは、現金出納装置21(Y2)および現金出納装置21(Y3)に対する出金判定を実施する。このようにして実施される出金判定の結果を、上述の図16に併せて示す。なお図16において、「判定時の在高」という行は、入金判定手段26Aおよび出金判定手段26Cが判定を実施する際に各現金出納装置21(Y1)〜21(Y3)に既に収納されている現金の数量を表している。
【0164】
次に、管理部26の入金判定手段26Aおよび出金判定手段26Cによって実施された判定の結果に関する情報が、表示装置195に送信される(S228)。この情報は、図15に示すように各現金出納装置21にも送信されてもよい。このとき、回収関連情報が同時に各現金出納装置21に送信されてもよい。
【0165】
表示装置195は、管理部26から送られた判定結果を表示する(S232)。例えば、各現金出納装置21(Y1)〜21(Y3)における入金および出金に関する「OK」または「NG」という判定結果が表示される。これによって、店員は、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金を入金することができ、かつ、現金精算装置11(X1)の釣銭準備金として必要な数量の現金を出金することができる現金出納装置21に関する情報を得ることができる。
【0166】
次に、店員は、現金搬送カセット30(Z1)を現金精算装置11(X1)から離脱させる(S240)。そして、店員は、現金出納装置21へ現金搬送カセット30(Z1)を搬送する。ここで上述のように、店員は、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金を入金することができ、かつ、現金精算装置11(X1)の釣銭準備金として必要な数量の現金を出金することができる現金出納装置21に関する情報を得ている。このため、店員は、迷うことなく現金出納装置21(Y1),21(Y2)のいずれかへ現金搬送カセット30(Z1)を搬送すればよい。
【0167】
現金出納装置21における入金に関する動作およびその後の現金管理装置25における動作は、図10に示す第1の形態におけるステップS245〜S285までの動作と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0168】
[装填処理]
次に、店舗の開店前に、釣銭準備金を現金精算装置11(X1)に装填するための動作について説明する。本形態では、店員が現金搬送カセット30(Z1)を用いて釣銭準備金を現金出納装置21(Y1),21(Y2)のいずれかから現金精算装置11(X1)へ搬送する例について説明する。
【0169】
まず、店員は、現金出納装置21または現金管理装置25において装填処理の開始を選択し、現金の入っていない現金搬送カセット30(Z1)を現金出納装置21へ装着する。現金搬送カセット30が装着されると、現金出納装置21のリード部257は、現金搬送カセット30(Z1)の記憶部35に記憶されている情報(カセットID)を読み取る。読み取られたカセットID情報は、現金搬送カセット30(Z1)が装着された現金出納装置21のID情報とともに現金管理装置25に送信される。
【0170】
現金管理装置25は、回収時に管理部26の入金判定手段26Aおよび出金判定手段26Cによって実施された判定の結果と、現金出納装置21によって読み取られたカセットID情報とを照合する。具体的には、現金搬送カセット30(Z1)が装着された現金出納装置21のID情報が、回収時に入金判定手段26Aおよび出金判定手段26Cによる判定結果において「OK」と判定された現金出納装置21に対応しているかどうかを照合する。これによって、現金搬送カセット30(Z1)が、判定結果において「OK」と判定された現金出納装置21(Y1),21(Y2)のいずれかに適切に装着されているかどうかが判断される。
【0171】
現金管理装置25は、現金搬送カセット30の装着通知を受信すると、現金の装填を必要とする現金精算装置11のID情報(=X1)、並びに、装填される金種情報および数量情報(=150枚)を現金出納装置21へ送信する。現金出納装置21は、釣銭準備金を装填すべき現金精算装置11(X1)に装填する現金を、収納部250から現金搬送カセット30(Z1)へ出金する。
【0172】
次に、現金出納装置21は、操作表示部295に、釣銭準備金を装填すべき現金精算装置11(X1)のID情報を表示する。これにより、店員は、釣銭準備金を装填すべき現金精算装置11を特定することができる。次に、店員は、現金搬送カセット30(Z1)を現金出納装置21から離脱させる。そして、店員は、釣銭準備金を装填するために現金精算装置11(X1)へ現金搬送カセット30を搬送する。
【0173】
店員が現金搬送カセット30(Z1)を現金精算装置11に装着すると、現金精算装置11のリード部157は、現金搬送カセット30(Z1)の記憶部35に記憶されている情報(カセットID情報)を読み取る。読み取られたカセットID情報は、現金搬送カセット30(Z1)が装着された現金精算装置11のID情報とともに現金管理装置25に送信される。
【0174】
現金管理装置25は、現金搬送カセット30(Z1)が装着された現金精算装置11のID情報と、当該現金精算装置11によって読み取られたカセットID情報とを照合する。これによって、現金搬送カセット30(Z1)が現金精算装置11(X1)に適切に装着されているかどうかが判断される。
【0175】
現金搬送カセット30(Z1)が現金精算装置11(X1)に適切に装着されていると判断された場合、現金精算装置11(X1)は、現金搬送カセット30(Z1)から現金を入金し、その現金を収納部150へ収納する。これによって、必要量の釣銭が現金精算装置11(X1)に準備される。
【0176】
以上のように、本形態による現金処理システム1の管理部26は、現金搬送カセット30が現金精算装置11に装着されている時、現金精算装置11の所定装填量を満たす量の現金が現金出納装置21から出金され得るかどうかを判定する出金判定手段26Cをさらに有している。このため、店員は、特定の現金精算装置11から現金搬送カセット30が受ける回収金を入金することができ、かつ、当該現金精算装置11の釣銭準備金として必要な数量の現金を出金することができる現金出納装置21に関する情報を得ることができる。これによって、店員は、特定の現金精算装置11からの回収金を迷うことなく適切な現金出納装置21へ搬送することができる。これによって、売上金の回収に要する時間を短くすることができ、かつ、現金精算装置11の釣銭準備金を確実に準備することができる。
【0177】
第5の動作の形態
次に、各現金精算装置11のうち現金精算装置11(X1)に収納された売上金を店員が現金出納装置21へ回収する際の動作のその他の形態について説明する。
【0178】
本形態において、管理部26の選択手段26Bは、現金搬送カセット30が現金精算装置11に装着されている時、入金判定手段26Aおよび出金判定手段26Cからの情報に基づいて、現金搬送カセット30が受ける現金精算装置11内の現金が入金されるべき一の現金出納装置21を選択するよう構成されている。本形態において、他の構成は、上述の第4の形態と略同一となっている。従って、以下に説明する本形態において、上述の第4の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0179】
本形態においても、上述の第4の形態の場合と同様に、現金精算装置11(X1)には、90枚の現金が収納されており、そして、90枚の現金全てが現金搬送カセット30(Z1)によって回収されると仮定する。また、3台の現金出納装置21(Y1)〜21(Y3)にはそれぞれ150枚、200枚、40枚の現金が既に収納されていると仮定する。また、現金精算装置11(X1)に収納されている90枚の現金が回収された後、例えば回収の翌日、店舗の開店前に、150枚の現金が釣銭準備金として現金精算装置11(X1)に装填されている必要があると仮定する。
【0180】
[回収処理]
以下、図17および図18を参照して、本形態における回収処理について説明する。図17は、本形態による現金管理システム1における回収処理の動作を示すフロー図である。
【0181】
まず、店員が現金精算装置11(X1)、現金出納装置21または現金管理装置25において回収処理の開始を選択すると、現金精算装置11(X1)は、収納部150に収納された90枚の現金全てを繰り出し、現金搬送カセット30(Z1)へ出金する(S200)。以下、図17に示すステップS200〜S222までの動作は、図15に示す第4の形態におけるステップS200〜S224までの動作と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0182】
管理部26の入金判定手段26Aおよび出金判定手段26Cにより実施される判定の結果をまとめたものを図18に示す。これら判定結果は、現金搬送カセット30(Z1)のカセットID情報に対応付けられた上で管理部26に記憶される。なお本形態においては、入金判定手段26Aによる判定の際、「OK」と判定された現金出納装置21に現金精算装置11(X1)からの回収金が入金されるとした場合の、入金後の各現金出納装置21における仮想的な在高が同時に算出されてもよい。図18においては、算出された仮想的な在高が括弧内に示されている。
【0183】
次に、管理部26の選択手段26Bは、入金判定手段26Aおよび出金判定手段26Cからの情報に基づいて、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金が入金されるべき一の現金出納装置21を選択する(S226)。この際の選択基準としては様々な基準が考えられるが、例えば一例として、入金判定手段26Aおよび出金判定手段26Cにより「OK」と判定された現金出納装置21のうち、仮想的な在高と収容可能量との差が最も小さい現金出納装置21を選択する、という選択基準が考えられる。
【0184】
ここで、現金出納装置21(Y1)における仮想的な在高は240枚であり、従って、仮想的な在高と収容可能量との差は60枚となっている。また、現金出納装置21(Y2)における仮想的な在高は290枚であり、従って、仮想的な在高と収容可能量との差は10枚となっている。また、現金出納装置21(Y3)における仮想的な在高は130枚であり、従って、仮想的な在高と収容可能量との差は170枚となっている。従って、選択手段26Bは、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金が入金されるべき一の現金出納装置21として現金出納装置21(Y2)を選択する(図18参照)。
【0185】
次に、管理部26の選択手段26Bによって実施された選択の結果に関する情報が、表示装置195に送信される(S228)。この情報は、図17に示すように各現金出納装置21にも送信されてもよい。このとき、回収関連情報が同時に各現金出納装置21に送信されてもよい。
【0186】
また、選択手段26Bにより現金出納装置21(Y2)が選択された後、現金管理装置25は、選択された現金出納装置21(Y2)の在高を暫定的に更新してもよい(S230)。すなわち、現金出納装置21(Y2)の在高を、現状の在高である200枚と、現金精算装置11(X1)からの回収金である90枚とを加算して得られる値である290枚へ更新してもよい。これによって、現金精算装置11(X1)からの回収金が実際に現金出納装置21(Y2)に入金されるよりも前に、入金判定手段26Aおよび出金判定手段26Cがその他の現金精算装置11に関する入金可否および出金可否の判定を実施する場合に、入金判定手段26Aおよび出金判定手段26Cが適切な判定を実施することが可能となる。
【0187】
表示装置195は、管理部26から送られた選択結果を表示する(S232)。例えば、現金搬送カセット30(Z1)に収納される回収金を現金出納装置21(Y2)に搬送する、という選択結果がされる。これによって、店員は、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金が入金されるべき現金出納装置21に関する情報を得ることができる。
【0188】
次に、店員は、現金搬送カセット30(Z1)を現金精算装置11(X1)から離脱させる(S240)。そして、店員は、現金出納装置21(Y2)へ現金搬送カセット30(Z1)を搬送する。各現金出納装置21における入金に関する動作およびその後の現金管理装置25における動作は、図12に示す第2の形態におけるステップS245〜S285までの動作と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0189】
[装填処理]
上述の回収処理の後、店舗の開店前において、店員は、現金搬送カセット30(Z1)を用いて、釣銭準備金を現金出納装置21(Y2)から現金精算装置11(X1)へ搬送する。装填処理における具体的な動作は、上述の第4の形態における装填処理の動作と略同一であるので、詳細な説明を省略する。
【0190】
以上のように、本形態による現金処理システム1の管理部26は、現金搬送カセット30が現金精算装置11に装着されている時、入金判定手段26Aおよび出金判定手段26Cからの情報に基づいて、現金搬送カセット30が受ける現金精算装置11内の現金が入金されるべき一の現金出納装置21を選択する選択手段26Bをさらに有している。このため、店員は、特定の現金精算装置11からの回収金を迷うことなく最適な現金出納装置21へ搬送することができる。これによって、売上金の回収に要する時間をさらに短くすることができる。
【0191】
なお本形態において、選択手段26Bが、仮想的な在高と収容可能量との差が最も小さい現金出納装置21を選択する例を示した。しかしながら、選択手段26Bにおける具体的な選択基準が特に限られることはない。例えば、選択手段26Bは、仮想的な在高と収容可能量との差が最も大きい現金出納装置21を選択してもよい。若しくは、選択手段26Bは、仮想的な在高と収容可能量との差が、予め定められた値に最も近くなっている現金出納装置21を選択してもよい。
【0192】
第6の動作の形態
次に、各現金精算装置11のうち現金精算装置11(X1)〜11(X3)に収納された売上金を店員が現金出納装置21へ回収する際の動作の形態について説明する。
【0193】
本形態においては、現金精算装置11(X1)に関する管理部26の動作の後、現金精算装置11(X1)からの回収金が実際に現金出納装置21に入金されるよりも前に、現金精算装置11(X2)および現金精算装置11(X3)に関する管理部26の動作が実施される場合について説明する。以下に説明する本形態において、上述の第4の形態および第5の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0194】
現金精算装置11(X1)〜(X3)には、それぞれ90枚,40枚,120枚の現金が収納されており、そして、収納されている現金全てが、対応する現金搬送カセット30(Z1) 〜(Z3)によって回収されると仮定する。また、3台の現金出納装置21(Y1)〜21(Y3)にはそれぞれ150枚、200枚、40枚の現金が既に収納されていると仮定する。また、各現金精算装置11(X1)〜(X3)に収納されている現金全てが回収された後、例えば回収の翌日、店舗の開店前に、150枚の現金が釣銭準備金として各現金精算装置11(X1)〜(X3)に装填されている必要があると仮定する。
【0195】
[回収処理]
以下、図19を参照して、本形態における回収処理について説明する。なお個々の現金精算装置11に対する現金管理装置25の動作は、図17に示す第5の形態の場合と略同一であるので、本形態においても、図17に示されるフロー図が適宜参照される。
【0196】
まず、第1の店員が現金精算装置11(X1)において回収処理の開始を選択すると、現金精算装置11(X1)は、収納部150に収納された90枚の現金全てを繰り出し、現金搬送カセット30(Z1)へ出金する(S200)。その後、上述の第5の実施の形態の場合と同様に、現金搬送カセット30(Z1)が受ける回収金が入金されるべき一の現金出納装置21として現金出納装置21(Y2)が選択される(S226)。次に、選択の結果に関する情報が、現金精算装置11(X1)の表示装置195に送信される(S228)。
【0197】
図19は、本形態において実施される入金判定手段26A,出金判定手段26Cによる判定結果および選択手段26Bによる選択結果をまとめて示している。これら判定結果および選択手段は、現金搬送カセット30(Z1)のカセットID情報に対応付けられた上で管理部26に記憶される。図19に示すように、「X1」の行には、図18に示す第5の形態の場合と同一の結果が示されている。
【0198】
その後、現金精算装置11(X1)に関して選択された現金出納装置21(Y2)の在高を暫定的に更新する(S230)。すなわち、現金出納装置21(Y2)の在高を、現状の在高である200枚と、現金精算装置11(X1)からの回収金である90枚とを加算して得られる値である290枚へ更新する。図19において、「X2」が表されている行のうち「判定時の在高」の行には、暫定的に更新された後の各現金出納装置21(Y1)〜(Y3)における在高が示されている。
【0199】
次に、第2の店員が現金精算装置11(X2)において回収処理の開始を選択すると、現金精算装置11(X2)は、収納部150に収納された40枚の現金全てを繰り出し、現金搬送カセット30(Z2)へ出金する(S200)。その後、暫定的に更新された後の各現金出納装置21(Y1)〜(Y3)における在高に基づいて、管理部26の入金判定手段26A,出金判定手段26Cによる判定と、管理部26の選択手段26Bによる選択が実施される。この結果、図19に示すように、現金搬送カセット30(Z2)が受ける回収金が入金されるべき一の現金出納装置21として現金出納装置21(Y1)が選択される(S226)。次に、選択の結果に関する情報が、現金精算装置11(X2)の表示装置195に送信される(S228)。
【0200】
その後、現金精算装置11(X2)に関して選択された現金出納装置21(Y1)の在高を暫定的に更新する(S230)。すなわち、現金出納装置21(Y1)の在高を、現状の在高である150枚と、現金精算装置11(X2)からの回収金である40枚とを加算して得られる値である190枚へ更新する。図19において、「X3」が表されている行のうち「判定時の在高」の行には、暫定的に更新された後の各現金出納装置21(Y1)〜(Y3)における在高が示されている。
【0201】
次に、第3の店員が現金精算装置11(X3)において回収処理の開始を選択すると、現金精算装置11(X3)は、収納部150に収納された120枚の現金全てを繰り出し、現金搬送カセット30(Z3)へ出金する(S200)。その後、暫定的に更新された後の各現金出納装置21(Y1)〜(Y3)における在高に基づいて、管理部26の入金判定手段26A,出金判定手段26Cによる判定と、管理部26の選択手段26Bによる選択が実施される。この結果、図19に示すように、現金搬送カセット30(Z3)が受ける回収金が入金されるべき一の現金出納装置21として現金出納装置21(Y3)が選択される(S226)。次に、選択の結果に関する情報が、現金精算装置11(X3)の表示装置195に送信される(S228)。
【0202】
各現金精算装置11(X1)〜11(X3)の表示装置195は、管理部26から送られた選択結果を表示する(S232)。これによって、第1〜第3の店員は、各現金搬送カセット30(Z1)〜30(Z3)が受ける回収金が入金されるべき現金出納装置21に関する情報を得ることができる。
【0203】
その後、各店員は、各現金搬送カセット30(Z1)〜30(Z3)を現金精算装置11(X1)〜11(X3)から離脱させる(S240)。そして、各店員は、表示装置195によって示された現金出納装置21へ現金搬送カセット30(Z1)〜30(Z3)を搬送する。各現金出納装置21における入金に関する動作およびその後の現金管理装置25における動作は、図12に示す第2の形態におけるステップS245〜S285までの動作と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0204】
[装填処理]
上述の回収処理の後、店舗の開店前において、現金搬送カセット30(Z1)を用いることにより、釣銭準備金が現金出納装置21(Y2)から現金精算装置11(X1)へ搬送される。また、現金搬送カセット30(Z2)を用いることにより、釣銭準備金が現金出納装置21(Y1)から現金精算装置11(X2)へ搬送される。また、現金搬送カセット30(Z3)を用いることにより、釣銭準備金が現金出納装置21(Y3)から現金精算装置11(X3)へ搬送される。装填処理における具体的な動作は、上述の第4の形態における装填処理の動作と略同一であるので、詳細な説明を省略する。
【0205】
以上のように、本形態による現金処理システム1によれば、一の現金精算装置11からの回収金が実際に現金出納装置21に入金されるよりも前に、その他の現金精算装置11に関する管理部26の動作を、各現金出納装置21における暫定的な在高を考慮しながら実施することができる。このため本形態によれば、複数の現金精算装置11からの売上金の回収を平行して実施することができ、かつ、各店員は、現金精算装置11からの回収金を迷うことなく最適な現金出納装置21へ搬送することができる。これによって、売上金の回収に要する時間をさらに短くすることができる。
【0206】
なお上述の第4乃至第6の動作の形態において、回収の翌日に釣銭準備金が現金精算装置11に装填される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、回収の直後に釣銭準備金を現金精算装置11に装填してもよい。
【0207】
変形例
なお上述の各動作の形態において、Zk(k=1〜30の整数)というカセットID情報を有する現金搬送カセット30が、現金精算装置11(Xk)に対応付けられている例を示した。すなわち、Zk(k=1〜30の整数)というカセットID情報を有する現金搬送カセット30が、現金精算装置11(Xk)で専ら使用される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、現金搬送カセット30が特定の現金精算装置11に対応付けられていなくてもよい。すなわち、現金搬送カセット30が、各現金精算装置11のいずれにおいても使用可能となっていてもよい。このような変形例について説明する。
【0208】
はじめに回収処理が実施される場合について説明する。まず、どの現金精算装置11にも対応付けられていない現金搬送カセット30(以下、現金搬送カセット30(F)と称する)を特定の現金精算装置11、例えば現金精算装置11(X4)に装着する。現金精算装置11(X4)は、現金精算装置11(X4)に現金搬送カセット30が装着されたという情報を、自己のID情報(=X4)、回収金の金種情報および数量情報とともに現金管理装置25に送信する。また現金精算装置11(X4)のライト部158は、現金搬送カセット30(F)が現金精算装置11(X4)に装着された旨の情報を、現金搬送カセット30(F)の記憶部35に書き込む。
【0209】
現金管理装置25は、上述の各動作の形態の場合と同様にして、現金精算装置11(X4)からの回収金を入金する上で適切な、または最適な現金出納装置21に関する情報を表示装置195に送信する。店員は、表示装置195の表示に基づいて、現金精算装置11(X4)からの回収金を、現金搬送カセット30(F)を用いて、特定の現金出納装置21、例えば現金出納装置21(Y2)に搬送する。
【0210】
店員は、現金搬送カセット30(F)を現金出納装置21(Y2)に装着する。現金出納装置21(Y2)のリード部257は、現金搬送カセット30(F)の記憶部35から、現金搬送カセット30(F)が現金精算装置11(X4)に装着されていたという旨の情報を読み出す。また現金出納装置21(Y2)は、現金搬送カセット30(F)の記憶部35からの情報を、自己のID情報(=Y2)とともに現金管理装置25に送信する。
【0211】
現金管理装置25の照合部27は、現金精算装置11(X4)に関して現金管理装置25によって実施された判定または選択の結果と、現金出納装置21(Y2)から送られた情報とを照合する。具体的には、現金出納装置21(Y2)に装着された現金搬送カセット30が、現金精算装置11(X4)に装着されていた現金搬送カセット30(F)であるかどうかを照合する。これによって、現金搬送カセット30(F)が適切な現金出納装置21へ搬送されたことを確認することができる。
【0212】
次に、上述の第4乃至第6の形態の場合のように装填処理が実施される場合について説明する。まず、どの現金精算装置11にも対応付けられていない現金搬送カセット30(F)を特定の現金出納装置21、例えば現金出納装置21(Y2)に装着する。現金出納装置21(Y2)は、現金出納装置21(Y2)に現金搬送カセット30が装着されたという情報を、自己のID情報(=Y2)とともに現金管理装置25に送信する。
【0213】
現金管理装置25は、前回の回収処理の際、現金出納装置21(Y2)が、どの現金精算装置11に対する出金判定において「OK」と判定されていたか、若しくは、どの現金精算装置11に対して選択されていたかに関する情報を検索する。この結果、前回の回収処理の際、現金出納装置21(Y2)が、現金精算装置11(X4)に対して選択されていたことが判明する。次に、現金管理装置25は、現金の装填を必要とする現金精算装置11のID情報(=X4)、並びに、装填される金種情報および数量情報(=150枚)を現金出納装置21(Y2)へ送信する。現金出納装置21は、釣銭準備金を装填すべき現金精算装置11(X4)に装填する現金を、収納部250から現金搬送カセット30(F)へ出金する。また現金出納装置21(Y2)のライト部258は、現金搬送カセット30(F)が現金出納装置21(Y2)に装着された旨の情報を、現金搬送カセット30(F)の記憶部35に書き込む。
【0214】
次に、現金出納装置21(Y2)は、操作表示部295に、釣銭準備金を装填すべき現金精算装置11(X4)のID情報を表示する。これにより、店員は、釣銭準備金を装填すべき現金精算装置11を特定することができる。次に、店員は、現金搬送カセット30(F)を現金出納装置21(Y2)から離脱させる。そして、店員は、釣銭準備金を装填するために現金精算装置11(X4)へ現金搬送カセット30(F)を搬送する。
【0215】
店員が現金搬送カセット30(F)を現金精算装置11に装着すると、現金精算装置11のリード部157は、現金搬送カセット30(F)の記憶部35に記憶されている情報、すなわち、現金搬送カセット30(F)が現金出納装置21(Y2)に装着されていた旨の情報を読み取る。読み取られた情報は、現金搬送カセット30(F)が装着された現金精算装置11のID情報とともに現金管理装置25に送信される。
【0216】
現金管理装置25は、現金搬送カセット30(F)が装着された現金精算装置11のID情報と、当該現金精算装置11によって読み取られた現金搬送カセット30(F)の記憶部35からの情報とを照合する。これによって、現金出納装置21(Y2)から出金された現金を収納している現金搬送カセット30(F)が現金精算装置11(X4)に適切に装着されているかどうかが判断される。
【0217】
現金搬送カセット30(F)が現金精算装置11(X4)に適切に装着されていると判断された場合、現金精算装置11(X4)は、現金搬送カセット30(F)から現金を入金し、その現金を収納部150へ収納する。これによって、必要量の釣銭が現金精算装置11(X4)に準備される。
【0218】
このように本変形例によれば、現金搬送カセット30が特定の現金精算装置11に対応付けられていない場合であっても、管理部26によってもたらされる効果により、現金精算装置11と現金出納装置21との間での現金の搬送を適切に行うことができる。
【0219】
また、本変形例のように現金搬送カセット30が特定の現金精算装置11に対応付けられていない場合、現金精算装置11の数と現金搬送カセット30の数とは必ずしも同一となっていなくてもよい。従って、本変形例によれば、必要とされる現金搬送カセット30の数量を少なくすることができ、これによって、現金精算装置11と現金出納装置21との間での現金の搬送に要するコストを削減することができる。
【0220】
その他の変形例
また上述の各動作の形態において、説明の便宜上、1つの金種の数量のみに基づいて、管理部26が、現金精算装置11からの回収金が入金される現金出納装置21に関する判定または選択を実施する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、複数の金種の数量をそれぞれ考慮した上で、管理部26が上述の判定または選択を実施してもよい。
【0221】
また上述の各動作の形態において、現金精算装置11の売上金が現金搬送カセット30によって一度に回収される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、現金精算装置11の売上金を、複数回に分けて現金搬送カセット30によって回収してもよい。この場合、各回の回収数量に基づいて、管理部26による上述の判定または選択がその都度実施されてもよい。
【0222】
また上述の各動作の形態において、現金搬送カセット30が現金精算装置11から受ける現金の数量と、現金出納装置21に既に収納されている現金の数量とに基づいて、管理部26による上述の判定または選択が実施される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、その他の条件に基づいて管理部26が上述の判定または選択を実施してもよい。例えば、特定の現金出納装置21に収納されている現金の数量が所定値を下回った際、当該現金出納装置21が自身への入金を求めるアラーム信号を管理部26に対して送信するよう、現金出納装置21が構成されていてもよい。そして、このアラーム信号を考慮して、管理部26が上述の判定または選択を実施してもよい。例えば、現金精算装置11からの回収金が、アラーム信号を送信した現金出納装置21に優先的に入金されるよう、管理部26が上述の判定または選択を実施してもよい。
【0223】
また上述の実施の形態および各動作の形態において、管理部26からの情報を表示する表示装置195が、現金出納装置21の紙幣出納装置22に取り付けられている例を示した。しかしながら、店員が確認することができる場所に設けられている限りにおいて、表示装置195の設置場所が特に限定されることはない。
【0224】
また上述の実施の形態および各動作の形態において、管理部26からの情報が店員に対して表示装置195を介して視覚的に伝えられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、管理部26からの情報が店員に対してその他の態様で伝えられてもよい。例えば、管理部26からの情報が音声によって店員に伝えられてもよい。すなわち、上述の実施の形態および各動作の形態において、管理部26からの情報を案内する案内装置は、音声案内装置など聴覚を通じて情報を伝えるものであってもよい。また、管理部26からの情報を案内するための表示装置195などの案内装置が設置される場所が特に限られることはなく、店員に対して管理部26からの情報を案内することができる限りにおいて、案内装置は様々な場所に設置され得る。
【0225】
また上述の実施の形態および各動作の形態において、管理部26が、現金精算装置11および現金出納装置21とは別個に設けられた現金管理装置25内に実装される例を示した。しかしながら、管理部26が現金精算装置11および現金出納装置21に通信可能に接続される限りにおいて、管理部26の具体的な実装形態が特に限られることはない。例えば、管理部26が現金精算装置11の筐体内に実装されていてもよく、若しくは、管理部26が現金出納装置21の筐体内に実装されていてもよい。
【0226】
また上述の各動作の形態において、現金精算装置11のID情報、回収金を収容した現金搬送カセット30(Z1)のカセットID情報、回収金の金種情報および数量情報などに関する回収関連情報が、現金出納装置21のリード部257によって現金搬送カセット30の記憶部35から読み取られる例を示した。しかしながら、現金出納装置21が回収関連情報を得る方法がこれに限られることはなく、管理部26が回収関連情報を現金出納装置21に送信することにより、現金出納装置21が回収関連情報を得てもよい(例えば上述のS228参照)。
【0227】
照合部の動作の変形例
また上述の各動作の形態において、照合部27が、現金搬送カセット30が装着された現金出納装置21のID情報を基準として、現金搬送カセット30が適切な現金出納装置21に装着されているかどうかを判断する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、照合部27は、現金搬送カセット30のカセットID情報を基準として、現金搬送カセット30が適切な現金出納装置21に装着されているかどうかを判断してもよい。特に照合部27が各現金出納装置21に設けられている場合、照合部27による判断が、現金搬送カセット30のカセットID情報を基準として実施されることが好ましい。
【0228】
例えば上述の第1の動作の形態の変形例として、照合部27が各現金出納装置21に設けられており、また照合部27が、現金搬送カセット30のカセットID情報を基準として判断する場合について説明する。この場合、管理部26は、現金搬送カセット30(Z1)からの現金が入金され得ると入金判定手段26Aによって判定された現金出納装置21(Y2)の照合部27に対して、現金搬送カセット30(Z1)のカセットID情報を送信する。その後、照合部27は、現金出納装置21(Y2)に所定の現金搬送カセット30が装着されている時、現金出納装置21(Y2)のリード部257により読み出された前記所定の現金搬送カセット30のカセットID情報と、管理部26から送信される現金搬送カセット30(Z1)カセットID情報とを照合する。これによって、現金出納装置21(Y2)に装着された前記所定の現金搬送カセット30が、入金判定手段26Aによる判定結果に合致するものであるかどうかが判断される。
【0229】
また上述の第2の動作の形態の変形例として、照合部27が各現金出納装置21に設けられており、また照合部27が、現金搬送カセット30のカセットID情報を基準として判断する場合について説明する。この場合、管理部26は、選択手段26Bによって選択された現金出納装置21(Y2)の照合部27に対して、現金搬送カセット30(Z1)のカセットID情報を送信する。その後、照合部27は、現金出納装置21(Y2)に所定の現金搬送カセット30が装着されている時、現金出納装置21(Y2)のリード部257により読み出された前記所定の現金搬送カセット30のカセットID情報と、管理部26から送信される現金搬送カセット30(Z1)カセットID情報とを照合する。これによって、現金出納装置21(Y2)に装着された前記所定の現金搬送カセット30が、選択手段26Bによる選択結果に合致するものであるかどうかが判断される。
【0230】
上述の第3乃至第6の動作の形態において、これら第1の動作の形態の変形例および第2の動作の形態の変形例の場合と同様に、照合部27は、現金搬送カセット30のカセットID情報を基準として、現金搬送カセット30が適切な現金出納装置21に装着されているかどうかを判断してもよい。
【符号の説明】
【0231】
1・・・現金管理システム、10・・・チェックアウトカウンター、20・・・バックオフィス、11・・・現金精算装置、21・・・現金出納装置、25・・・現金管理装置、26・・・管理部、26A・・・入金判定手段、26B・・・選択手段、26C・・・出金判定手段、27・・・照合部、28・・・POS管理装置、30・・・現金搬送カセット、35・・・記憶部、110・・・入金部 120・・・出金部、130・・・搬送部、140・・・識別部、150・・・収納部、157・・・リード部、158・・・ライト部、160・・・カセット装着部、170・・・メモリ、180・・・通信部、190・・・制御部、210・・・入金部、220・・・出金部、295・・・操作表示部、230・・・搬送部、240・・・識別部、250・・・収納部、255・・・回収部、257・・・リード部、258・・・ライト部、222・・・機外リジェクト部、224・・・機内リジェクト部、270・・・メモリ、280・・・通信部、290・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金を入金および出金することにより顧客との精算処理を行う現金精算装置と、
前記現金精算装置へ装填する現金を出金し、前記現金精算装置から回収した現金を入金する現金出納装置と、
前記現金精算装置および前記現金出納装置に着脱可能であり、前記現金精算装置内の現金を受け、当該現金を前記現金出納装置に渡す現金搬送カセットと、を備え、
前記現金搬送カセットは、当該現金搬送カセットを特定するためのカセットID情報を少なくとも記憶する記憶部を有し、
前記現金精算装置および前記現金出納装置は各々、前記現金搬送カセットの前記記憶部から前記カセットID情報を読み出すリード部を有し、
管理部および照合部がさらに設けられており、
前記管理部は、前記現金精算装置および前記現金出納装置に通信可能に接続されており、また前記管理部は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、当該現金搬送カセットが受ける前記現金精算装置内の現金が前記現金出納装置に入金され得るかどうかを判定する入金判定手段を有するとともに、前記入金判定手段により前記現金出納装置に入金され得ると判定された現金を前記現金精算装置から受ける現金搬送カセットのカセットID情報を前記照合部へ送信するよう構成されており、
前記照合部は、現金搬送カセットが前記現金出納装置に装着されている時、当該現金出納装置のリード部により読み出されたカセットID情報と前記管理部から送信されるカセットID情報とを照合するよう構成されていることを特徴とする現金処理システム。
【請求項2】
前記現金出納装置は複数設けられており、
前記管理部の前記入金判定手段は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、当該現金搬送カセットが受ける前記現金精算装置内の現金が各現金出納装置に入金され得るかどうかをそれぞれ判定し、
前記管理部は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、前記入金判定手段からの情報に基づいて、前記現金搬送カセットが受ける前記現金精算装置内の現金が入金されるべき一の現金出納装置を選択する選択手段をさらに有し、
前記照合部は、前記現金搬送カセットが複数の現金出納装置のいずれか1つに装着されている時、当該現金出納装置のリード部により読み出されたカセットID情報と前記管理部の前記選択手段からの情報とを照合することを特徴とする請求項1に記載の現金処理システム。
【請求項3】
前記現金精算装置において、当該現金精算装置内に装填されるべき現金の量である所定装填量が定められており、
前記現金搬送カセットは、前記所定装填量の現金が前記現金精算装置内に残されるよう当該現金精算装置内の現金を受け、当該現金を前記現金出納装置に渡すことを特徴とする請求項1または2に記載の現金処理システム。
【請求項4】
前記現金搬送カセットは、前記現金出納装置内の現金を受け、当該現金を前記現金精算装置に渡すこともできるよう構成されており、
前記現金精算装置において、当該現金精算装置内に装填されるべき現金の量である所定装填量が定められており、
前記管理部は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、当該現金精算装置の前記所定装填量を満たす量の現金が前記現金出納装置から出金され得るかどうかを判定する出金判定手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の現金処理システム。
【請求項5】
前記現金出納装置は複数設けられており、
前記管理部の入金判定手段は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、当該現金搬送カセットが受ける前記現金精算装置内の現金が各現金出納装置に入金され得るかどうかをそれぞれ判定し、
前記管理部の出金判定手段は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、当該現金精算装置の前記所定装填量を満たす量の現金が各現金出納装置から出金され得るかどうかをそれぞれ判定し、
前記管理部は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、前記入金判定手段および前記出金判定手段からの情報に基づいて、前記現金搬送カセットが受ける前記現金精算装置内の現金が入金されるべき一の現金出納装置を選択する選択手段をさらに有し、
前記照合部は、前記現金搬送カセットが複数の現金出納装置のいずれか1つに装着されている時、当該現金出納装置のリード部により読み出されたカセットID情報と前記管理部の前記選択手段からの情報とを照合することを特徴とする請求項4に記載の現金処理システム。
【請求項6】
現金搬送カセットを現金精算装置に装着する工程と、
現金精算装置が、当該現金精算装置に装着されている現金搬送カセットのカセットID情報を読み取るとともに、当該カセットID情報および現金搬送カセットが受ける現金精算装置内の現金に関する情報を管理部に送信する工程と、
現金搬送カセットが現金精算装置に装着されている時、管理部が、現金搬送カセットが受ける現金精算装置内の現金が現金出納装置に入金され得るかどうかを判定する判定工程と、
管理部が、前記現金出納装置に入金され得ると判定された現金を前記現金精算装置から受ける現金搬送カセットのカセットID情報を照合部に送信する工程と、
現金搬送カセットが現金精算装置内の現金を受ける工程と、
現金搬送カセットを現金精算装置から離脱させ、その後、当該現金搬送カセットを現金出納装置に装着する工程と、
現金出納装置が、当該現金出納装置に装着されている現金搬送カセットのカセットID情報を読み取るとともに、当該カセットID情報を照合部に送信する工程と、
現金搬送カセットが現金出納装置に装着されている時、照合部が、当該現金出納装置により読み出されたカセットID情報と管理部から送信されるカセットID情報とを照合する照合工程と、を備えたことを特徴とする現金処理方法。
【請求項7】
現金を入金および出金することにより顧客との精算処理を行う現金精算装置と、前記現金精算装置へ装填する現金を出金し、前記現金精算装置から回収した現金を入金する現金出納装置と、前記現金精算装置および前記現金出納装置に着脱可能であり、前記現金精算装置内の現金を受け、当該現金を前記現金出納装置に渡す現金搬送カセットと、照合部と、を備えた現金処理システムにおいて用いられる管理部であって、
前記管理部は、前記現金精算装置および前記現金出納装置に通信可能に接続され、また前記管理部は、前記現金搬送カセットが前記現金精算装置に装着されている時、当該現金搬送カセットが受ける前記現金精算装置内の現金が前記現金出納装置に入金され得るかどうかを判定する入金判定手段を有するとともに、前記入金判定手段により前記現金出納装置に入金され得ると判定された現金を前記現金精算装置から受ける現金搬送カセットのカセットID情報を前記照合部へ送信するよう構成されており、
前記現金精算装置および前記現金出納装置は各々、前記現金搬送カセットの前記記憶部から前記カセットID情報を読み出すリード部を有し、
前記現金処理システムの前記照合部は、前記現金搬送カセットが前記現金出納装置に装着されている時、当該現金出納装置のリード部により読み出されたカセットID情報と前記管理部から送信されるカセットID情報とを照合するよう構成されていることを特徴とする管理部。
【請求項8】
現金を収納する現金搬送カセットを装着可能な現金出納装置であって、
前記現金搬送カセットは、当該現金搬送カセットを特定するためのカセットID情報を少なくとも記憶する記憶部を有し、
前記現金搬送カセットに収納された現金が前記現金出納装置に入金され得るかどうかに関する情報、または、前記現金搬送カセットに収納された現金が前記現金出納装置に入金されるべきかどうかに関する情報が、前記カセットID情報に対応付けられて予め生成されており、
前記現金出納装置は、前記現金搬送カセットの前記記憶部から前記カセットID情報を読み出すリード部と、前記現金搬送カセットが前記現金出納装置に装着されている時に前記リード部により読み出されたカセットID情報と、予め生成されている前記情報に対応付けられた前記カセットID情報とを照合する照合部と、を有することを特徴とする現金出納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−8209(P2013−8209A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140552(P2011−140552)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】