説明

球状物品の整列装置

【課題】本発明は、楕円ボール形の物品を所定の向きに揃えられる球状物品の整列装置を提供する。
【解決手段】本発明の整列装置は、入口S1から受け入れた楕円ボール形の物品Pを載置面15に載せて出口S2へ搬送する搬送ベルト13を設け、この搬送ベルトを挟んだ一方の側方に、載置面より上方で、搬送ベルトに並行に、搬送ベルトの搬送速度より遅い速度で移動する第1の整列ベルト20を設け、他方の側方に、第1の整列ベルトとの間で物品の長軸方向長さより小さな間隔を保ちながら、搬送ベルト13の搬送速度より速い速度で移動する第2の整列ベルト21を並行に設けた。同構成により、楕円ボール形の物品が、入口から搬送ベルトの幅方向に長軸方向が向いた姿勢で、搬送ベルトの載置面へ受け渡され、該物品の長軸方向の片側が、第1、第2の整列ベルトに触れると、物品が中央部を中心に回動し、長軸方向が搬送ベルトの搬送方向に向く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楕円ボール形の物品を所定に向きに揃える球状物品の整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
チョコレート商品では、直交する各方向の長さが異なる球状物品、例えば楕円ボール形に形成されたチョコレート粒を包装箱内に入れて販売することが行われている。
こうした商品では、製造した楕円ボール形のチョコレート粒の品質を検査するために、製造された多数の楕円形チョコレート粒の中から、所定形状より外形が小さいチョコレート粒を分離したり、表面が歪んだチョコレート粒を分離したりして、不良品を除くことが行われている。このような検査は人手作業で行っていた。
【0003】
ところが、人手作業は、効率的ではない。そこで、機械化が考えられる。しかし、機械による検査は、外形が小さいチョコレート粒の分離については対応できるものの、表面が歪んだチョコレート粒の分離については、チョコレート粒の表面や裏面を検査することが求められるため、容易には不良品の検査が行えない。特にこの検査は、チョコレート粒を同じ向きに揃えなければ行えないが、チョコレート粒の形状は、特殊な形状、すなわち楕円ボール形をなしているために、安定性に欠け、特定の方向に揃えるのは難しい。そのため、人手に頼っている。
【0004】
ところで、他の物品を取り扱う分野を見ると、特許文献1に示されるような円筒状のキャップの向き揃える技術はある。この技術は、円筒状のキャップという、片側に平坦な面をもち、その平坦な面側に重心が偏っているという物品の特徴を利用して、円錐台形状の整列器を回転させ、この整列器の一方から円筒状のキャップを入れて回転させ、他方へ搬送する間で、キャップを所定の向きに揃えるというものである。
【特許文献1】特開2007−145595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
楕円ボール形の物品は、重心が中央にあり、略球状をなしているために、円筒状のキャップとは異なり、転がりやすいという不安定な要素があるので、一つの場所に止めておくのが難しい。特に、品質検査は、一定の止まった姿勢が保たれて、始めて、画像検出などにより表面形状の具合が認識されるので、楕円ボール形の物品には、それに即した整列が求められる。
【0006】
ところが、特許文献1の技術は、転がりやすい不安定な楕円ボール形の物品を考慮していないので、楕円ボール形の物品を所定の向きに揃えること自体、かなり難しい。
そこで、本発明の目的は、楕円ボール形の物品を所定の向きに揃えられる球状物品の整列装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、上面に載置面を有し、楕円ボール形の物品を受け入れる入口から、整列した物品を受け渡す出口へ向って延び、入口から受け入れた物品を載置面に載せながら出口へ搬送する搬送ベルトを設け、この搬送ベルトを挟んだ一方の側方に、搬送ベルトの載置面より上方の位置で、搬送ベルトに沿って並行に、搬送ベルトの搬送速度より、若干、遅い速度で、搬送ベルトと共に移動する第1の整列ベルトを設け、搬送ベルトを挟んだ他方の側方に、搬送ベルトの載置面より上方の位置で、第1の整列ベルトとの間で物品の長軸方向長さより小さな間隔を保ちながら、搬送ベルトに沿って並行に設けられ、搬送ベルトの搬送速度より、若干、速い速度で、搬送ベルトと共に移動する第2の整列ベルトを設け、速度の異なる第1、第2の整列ベルトが、入口から搬送ベルトに受け渡される物品に、長軸方向を搬送方向へ向かせる挙動を与える構成とした。
【0008】
同構成により、入口から、楕円ボール形の物品が、搬送ベルトの幅方向に長軸方向が向いた姿勢で、搬送ベルトの載置面へ受け渡され、物品の長軸方向の片側が、第1、第2の整列ベルトの一方、あるいは両方に触れる。すると、該物品は、搬送ベルトと第1,2の整列ベルトとの速度差から、中央部を中心に回動し、長軸方向が搬送ベルトの搬送方向に向き、整列ベルト間に収まる。そして、その姿勢のまま、出口へ搬送される。
【0009】
請求項2に記載の発明は、更に、楕円ボール形の物品の長軸方向が搬送方向へ向きやすくなるよう、第1、第2の整列ベルトは、載置面の近くに配置し、更に、第1、第2の整列ベルトを上下に振動させ、載置面上の物品に第1、第2の整列ベルトと触れる機会を与えるベルト振動装置を設ける構成を採用した。
請求項3に記載の発明は、更に、楕円ボール形の物品が、載置面上で安定して止まるように、搬送ベルトの載置面は、搬送方向とは交差する向きの多数の溝部を有する構成とした。
【0010】
請求項4に記載の発明は、更に、楕円ボール形の物品に対する傷つけを防ぐよう、整列ベルトには、断面形状が円形のベルト部材を用いた。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、楕円ボール形の物品は、どのような向きで搬送ベルトに受け渡されても、長軸方向端部が第1の整列ベルトや第2の整列ベルトに触れる挙動を利用して、搬送ベルトと第1,2の整列ベルトの速度差から、中央部を中心に回動する挙動を与え、長軸方向を搬送方向へ向かせることができる。これにより、同物品は、長軸方向が搬送ベルトの搬送方向に向いた状態で、第1,2の整列ベルト間に収まりながら搬送できる。
【0012】
したがって、難しいとされる不安定な楕円ボール形の物品を所定の向きに揃えることができる。
請求項2の発明によれば、楕円ボール形の物品は、搬送中も、第1、第2の整列ベルトと触れる機会が与えられるから、確実に所定の向きに揃えることができる。
請求項3の発明によれば、載置面上で、楕円ボール形の物品を安定して止めることができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、傷つけを防ぎながら、楕円ボール形の物品に、向きを揃える挙動を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を図1〜図6に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は、直交する各方向の長さが異なる球状の物品、例えばラグビーボール形状に似た楕円ボール形状の物品、具体的には短軸方向と長軸方向の球面の形状が異なる楕円ボール形のアーモンドチョコレート粒P(以下、単にチョコレート粒Pという)の品質を検査する品質検査装置1の概略的な構成を示している。また図2は、同装置1に組み込まれた整列装置10を説明する斜視図を示し、図3は、同整列装置10の一部平面図を示し、図4は、図2中のA−A線に沿う断面図を示し、図5は、図2中のB−B線に沿う断面図を示し、図6は、図2中のC−C線に沿う断面図を示している。
【0015】
品質検査装置1は、例えば多数のチョコレート粒Pを繰り出す繰出部2の後に続いて、順に、ロープコンベア3で外形が小さいチョコレート粒Pを分離する小粒排除装置4、分離後のチョコレート粒Pの外形をネットコンベア5と該コンベア5の上部並びに裏面の照明下で画像検出するカメラ6とを用いて検査する外形検査装置7、異形な外形のチョコレート粒Pをエアの噴射で排除するエア噴射式排除装置8、排除後のチョコレート粒Pを所定の向きに揃える整列装置10、2組のカメラ30で所定の向きに揃えたチョコレート粒Pの表と裏の面状態を検査する表・裏面検査装置31、歪んだ面をもつチョコレート粒Pをエアの噴射で排除するエア噴射式排除装置33、出口コンベア35を配設して構成される。
【0016】
本発明の要部となるチョコレート粒Pの向きを揃える整列装置10には、図2に示されるような整列装置10のフレーム部品などで構成される上面10aに、多数の小幅のロープコンベアSを並行に配設した構造が用いられる。ロープコンベアSは、いずれも整列装置10の搬送方向である左右方向に沿って延びている。
以下、同ロープコンベアSの構造を説明すると、図1および図2中11は、表・裏面検査装置31の入口側に配置した出口ローラ、12は、これら出口ローラ11と対となる複数の入口ローラである。入口ローラ12は、いずれも外形検査装置7の出口側に配置してある(図1だけ図示)。出口ローラ11および入口ローラ12は、いずれも所定の間隔で、多数、並行に配置してある。
【0017】
図2に示されるように各出口ローラ11と各入口ローラ12間には、それぞれ搬送ベルト、例えば無端状の平ベルトで構成されるタイミングベルト13が掛け渡されている。これにより、図1に示されるように各タイミングベルト13の往側をなす往区間のベルト部分13aは、上面10aに沿って、コンベアSの入口S1となる外形検査装置7の出口から、ロープコンベアSの出口S2となる表・裏面検査装置31の入口まで配置される。また復側をなす上面10aから下方へ反転する各タイミングベルト13の復区間のベルト部分13bは、いずれも共通な駆動装置、例えば電動モータで構成されるタイミングベルト送り用駆動装置14(図2に図示)の出力部とつながっていて、同装置14の作動により、それぞれタイミングベルト13が、所定の一定な速度で駆動されるようにしている。なお、図1中、16aは、往区間のベルト部分13aの中間を案内するガイドローラ(図2にも図示)、16bは、復区間のベルト部分13bを案内するガイドローラ(図2だけ図示)を示す。
【0018】
図2に示されるように各タイミングベルト13の上面(外側に向く面)は、載置面15となっていて、タイミングベルト13の周回により、入口S1からの外形検査を終えたチョコレート粒Pを受け取って、出口S2へ搬送できるようにしている。なお、載置面15には、搬送方向とは交差する向きで、多数の小溝部15aが形成してある。
図1および図2に示されるように出口ローラ11を挟んだ両側には、それぞれ出口プーリ17が並行に配置されている。また入口ローラ12を挟んだ両側には、出口プーリ17と対となる入口プーリ18(図1だけ図示)がそれぞれ並行に配置されている。これら出口プーリ17と入口プーリ18間には、それぞれ整列ベルトが掛け渡されている。なお、整列ベルトには、商品が不用意に傷つかないよう、断面形状が円形のベルト部材、例えば無端状の丸ベルト20,21が用いてある。こうしたプーリ掛けにより、タイミングベルト13の両側にそれぞれ一対の丸ベルト20,21を配置させている。丸ベルト20,21の往側をなす往区間のベルト部分20a,21aは、いずれも図4〜図6に示されるように載置面15に載るチョコレート粒Pの長軸方向端の下側を通るよう、載置面15の近くに配置してある。具体的には、ベルト部分20a、21aは、図3および図4に示されるように載置面15の近くの高さで、チョコレート粒Pの長軸方向長P1(図3に図示)より、やや小さい間隔を保ちながら、タイミングベルト13のベルト部分13aと並行に配置させてある。また各丸ベルト20,21の上面10aから下方へ反転する復区間の2本のベルト部分20b,21bのうち、片側のベルト部分、例えばベルト部分20bは、図2に示されるように駆動装置、例えば電動モータで構成される丸ベルト送り用第1駆動装置22の出力部とつながっている。この丸ベルト送り用第1駆動装置22により、片方の丸ベルト20は、タイミングベルト13の速度より、若干、具体的にはわずかに遅い速度でタイミングベルト13と同方向へ駆動されるようにしてある。また反対側のベルト部分21bは、駆動装置、例えば電動モータで構成される丸ベルト送り用第2駆動装置23の出力部とつながっている。この丸ベルト送り用第2駆動装置23により、反対側の丸ベルト21は、タイミングベルト13の速度より、若干、具体的にはわずかに速い速度でタイミングベルト13と同方向へ駆動されるようにしてある。なお、図2中、24aは、ガイドローラ16aと一緒に、往区間のベルト部分20a、21aの中間を案内するガイドプーリ、24bは、復区間のベルト部分20b,21bを案内するガイドプーリ(図1に図示)を示す。
【0019】
また往区間には、丸ベルト20,21を交互に振動させるベルト振動装置25が設けられている。このベルト振動装置25には、例えば図1、図2および図5に示されるように入口S1側の各ベルト部分20a、21aを、所定の間隔で配置された複数、例えば3組の偏心プーリ26(図2では2個しか図示せず)で振動させる構造が用いられている。
具体的に説明すると、3組の偏心プーリ26は、タイミングベルト13の両側にそれぞれ配設される。これら3組の偏心プーリ26は、それぞれタイミングベルト13を挟んだ一方のプーリと他方のプーリとで位相が異なるように配置してある。例えば180度位相するタイミングで配置してある。さらに3組の偏心プーリ26は、搬送方向に対しても、位相が異なるように設けてある。例えば搬送方向で隣り合う偏心プーリ26,26間は、180度位相するタイミングにしてある。これら3組の偏心プーリ26は、図5に示されるように外周のプーリ部が内蔵の軸受27によって回転自在としてある。そして、これら偏心プーリ26の中心部が、組毎、共通な駆動用シャフト28に支持されている。3本の駆動用シャフト28は、いずれも図2に示されるように共通な駆動装置、例えば電動モータで構成される丸ベルト振動用駆動装置29の出力部とつながっていて、同装置29の作動がもたらす、各偏心プーリ28の偏心運動による丸ベルト20,21の押し上げと戻りとの繰り返しにより、入口S1側のベルト部分13aを挟んだ両側のベルト部分20a,21aが交互に振動されるようにしている。
【0020】
なお、図4および図6中40は、上面10aの各部に配設され、丸ベルト20,21の往区間のベルト部分20a,21aをガイドするガイド部を示している(図4、図6のみ図示)。
つぎに、このように構成された整列装置の10の作用を、品質検査装置1の作用と共に説明する。
【0021】
今、図1に示されるように多数の楕円ボール形のチョコレート粒Pが繰出部2から、小粒排除装置4へ供給されたとする。すると、同小粒排除装置4のロープコンベア3を通過する間に、多数のチョコレート粒Pの中から、通常より小さな外形のチョコレート粒Pn(不良品)が分離される。これにより、通常の大きさのチョコレート粒Pだけが、続く外形検査装置7のネットコンベア5に送られる。
【0022】
このネットコンベア5を通過する間に、ネットコンベア5上のチョコレート粒Pは、ネットコンベア5の上部並びに裏面から行われる照明下で、上面がカメラ6で撮像される。このカメラ6で捕らえた画像により、歪な外形のチョコレート粒Pの検出が行われる。続くエア噴射式排除装置8により、整列装置10の入口S1へ至る前に、通常の外形形状とは異なるチョコレート粒Pm(不良品)が取り除かれる。これにより、通常の正規な外形形状のチョコレート粒Pだけが、整列装置10のロープコンベアSの入口S1へ受け渡される。
【0023】
ネットコンベア5からのチョコレート粒Pは、図3に示されるような長軸方向がタイミングベルト13の幅方向に向くなど多くは、搬送方向とは異なる向きで、タイミングベルト13へ至る(落下)。このとき、タイミングベルト13の両側の丸ベルト20,21は、タイミングベルト13より上側に配置されているうえ、両ベルト間の空隙は、チョコレート粒Pの長軸方向長P1より、若干、小さいから、横向きや斜めの方向など長軸方向が搬送方向とは異なる方向に向くチョコレート粒Pは、載置面15へ至る際、長軸方向の端部が、丸ベルト20,21の一方、あるいは双方に触れるという挙動が生ずる。
【0024】
ここで、両側の丸ベルト20,21は、タイミングベルト13の移動速度を基準速度として、一方の丸ベルト20は、わずかに該基準速度より遅い速度で、他方の丸ベルト21は、わずかに該基準速度より速い速度で移動している。
このため、図3および図4に示されるように基準速度より遅い速度の丸ベルト20にチョコレート粒Pの端部が触れると、チョコレート粒Pには、丸ベルト20とタイミングベルト13との速度差にしたがい、図3中の矢印に示されるような中央部を中心に搬送方向後方向へ回動する挙動が与えられる。また基準速度より速い速度の丸ベルト21にチョコレート粒Pの端部が触れると、チョコレート粒Pには、丸ベルト21とタイミングベルト13との速度差にしたがい、図3中の矢印に示されるような中央部を中心に搬送方向前方向へ回動変位させる挙動が与えられる。むろん、双方の丸ベルト20,21に触れた場合にも、チョコレート粒Pには、中央部を中心に回動する挙動が与えられる。これにより、チョコレート粒Pは、長軸方向が搬送方向へ向く。
【0025】
一方、図5に示されるように3組の偏心プーリ26で支えられている入口S1側のベルト部分20a,21aは、当該3組の偏心プーリ26がもたらす凹凸的な動きにより、交互に上下方向に振動させられている。
この振動により、チョコレート粒Pは、タイミングベルト13へ受け渡されるとき、所定の向きに十分に向かなくとも、続く3組の偏心プーリ26を通過するときに、ベルト部分20a、21aの振動(変位)によって、チョコレート粒Pの長軸方向の端部と触れる機会が与えられ、所期の向きに整えられる。このときの接触は、図5に示されるようにベルト部分20a、21aで、チョコレート粒Pの長軸方向の端部を押し上げるように行われるので、チョコレート粒Pは、高低差による転がりにより、向きの変更がしやすく、速やかに長軸方向が搬送方向へ向く。
【0026】
こうした向きの変更により、チョコレート粒Pは、図3の左側に示されるように、長軸方向が搬送方向に向いた姿勢で、ベルト部分20a,21a間に収まる。このとき、載置面15には、多数の小溝部15aが形成されているので、チョコレート粒Pは、不安定な球面形状であるが、転がらずに、載置面15の一個所の地点に止まる。
このようにして整列されたチョコレート粒Pは、長軸方向長P1がタイミングベルト13の長手方向へ向き、短軸方向長P2がタイミングベルト13の幅方向へ向くという定姿勢のまま、出口S2から搬出される。
【0027】
なお、整列された多数のチョコレート粒Pは、出口S2から出コンベア35へ受け渡される間に、表・裏面検査装置31の2組のカメラ30により、チョコレート粒Pの載置面側の面と、反対側の面とがそれぞれ撮像されて、チョコレート粒Pの表と裏の面状態が検査される。歪んだ面をもつチョコレート粒Po(不良品)があると、エア噴射式排除装置33で排除され、正規の楕円形のチョコレート粒Pだけが選ばれる。
【0028】
このように、所定の向きに揃えるのが難しいとされる楕円形ボール形のチョコレート粒Pは、タイミングベルト13の両側の丸ベルト20,21により、中央部を中心に回動する挙動が与えられることによって、どのような向きでタイミングベルト13に受け渡されても、長軸方向が搬送方向に向くように揃えられる。
したがって、不安定な楕円ボール形のチョコレート粒P(物品)を所定の向きに揃えることができる。特に丸ベルト20,20を振動させて、チョコレート粒Pと丸ベルト20,20と接触する機会を多く与えるようにすると、不完全な姿勢で止まることはなくなり、確実に所定の向きにチョコレート粒Pを揃えることができる。
【0029】
しかも、多数の小溝部15aを有する載置面15を採用すると、不安定な楕円ボール形のチョコレート粒P(物品)でも安定して止めておける。そのうえ、丸ベルト20、21の採用により、チョコレート粒Pに対する傷つけを防ぎながら、チョコレート粒Pの向き揃えが行える。
なお、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば一実施形態では、楕円ボール形の物品として、楕円ボール状のチョコレート粒を用いた例を挙げたが、これに限らず、他の楕円ボール形の物品を所定の向きに揃えるようにしてもよい。もちろん、ベルト振動装置も、偏心プーリを用いた以外の構造で構成しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態の球状物品の整列装置を、同装置を組み込んだ品質検査装置と共に示す概略的な正面図。
【図2】同整列装置の構造を示す斜視図。
【図3】同整列装置の一部の平面図。
【図4】図2中のA−A線に沿う側断面図。
【図5】図2中のB−B線に沿う側断面図。
【図6】図2中のC−C線に沿う側断面図。
【符号の説明】
【0031】
10 整列装置
13 タイミングベルト(搬送ベルト)
15 載置面
15a 小溝部(溝部)
20 丸ベルト(第1の整列ベルト)
21 丸ベルト(第2の整列ベルト)
25 ベルト振動装置
P チョコレート粒(楕円ボール形の物品)
S1 入口
S2 出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に載置面を有し、楕円ボール形の物品を受け入れる入口から、整列した物品を受け渡す出口へ向って延び、前記入口から受け入れた前記物品を載置面に載せながら前記出口へ搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを挟んだ一方の側方に、前記搬送ベルトの載置面より上方の位置で、前記搬送ベルトに沿って並行に設けられ、前記搬送ベルトの搬送速度より、若干、遅い速度で、前記搬送ベルトと共に移動する第1の整列ベルトと、
前記搬送ベルトを挟んだ他方の側方に、前記搬送ベルトの載置面より上方の位置で、前記第1の整列ベルトとの間で前記物品の長軸方向長さより小さな間隔を保ちながら、前記搬送ベルトに沿って並行に設けられ、前記搬送ベルトの搬送速度より、若干、速い速度で、前記搬送ベルトと共に移動する第2の整列ベルトとを有し、
前記速度の異なる第1、第2の整列ベルトが、前記入口から前記搬送ベルトに受け渡される物品に、長軸方向を搬送方向へ向かせる挙動を与える
ことを特徴とする球状物品の整列装置。
【請求項2】
前記第1、第2の整列ベルトは、前記載置面の近くに配置され、
更に、前記第1、第2の整列ベルトを上下に振動させ、前記載置面上の物品に前記第1、第2の整列ベルトと触れる機会を与えるベルト振動装置を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の球状物品の整列装置。
【請求項3】
前記搬送ベルトの載置面は、搬送方向とは交差する向きの多数の溝部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の球状物品の整列装置。
【請求項4】
前記第1、第2の整列ベルトは、断面形状が円形のベルト部材から形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の球状物品の整列装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−23806(P2009−23806A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189984(P2007−189984)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(592118686)ジェイティエンジニアリング株式会社 (15)
【Fターム(参考)】