説明

環境浄化ネットワークシステム

【課題】 大気浄化を効率的に、且つ継続的に行うことができる環境浄化ネットワークシステムとする。
【解決手段】 移動体11にはエアコン18或いはエンジン給気系統等に大気浄化装置17を搭載する。この大気浄化装置17は大気中の有害物質を吸着する吸着剤、有害物質を処理する光触媒を備えたカセット20を装着している。能力が低下した吸着剤・光触媒カセットは移動体の移動により、地域に分散して配置されている公共機関12、商業施設13、ガソリンスタンド14、排熱を利用可能な工場・ゴミ焼却場15等の吸着剤・光触媒再生基地に走行し、再生済みのものと交換する。再生基地は工場・ゴミ焼却場15のみとし他は配送基地としても良く、その際の配送基地では再生基地から搬送される再生済カセットと、前記移動体からの要再生カセットとを保管する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の移動体に搭載した吸着剤により外気の有害物質を吸着し、或いは光触媒等により外気を化学処理して無害化するとともに、その吸着剤或いは光触媒等を地域内に設置した再生装置により再生して使用することができるようにした環境浄化ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は地球環境の浄化は急務とされており、世界的に多くの施策が実施され、より効果的な環境浄化技術の研究が広く行われている。しかしながら、有害物質を排出しないようにする技術、建物内部等の局所的な空間内の環境浄化技術は数多く存在しても、一旦外気に排出された後の大気中の有害物質を浄化することは極めて困難であり、格別の対策技術が開発されておらず、何らかの有効な技術開発が望まれている。
【0003】
大気中の有害物質としてはフッ素化合物、SOx、NOx、煤など多くの種類のものが存在し、オゾン層の破壊、或いはこれを吸う人間の健康を害するもの等種々の問題を生じている。その中でも特に、人間が集中的に生活している市街地やその近郊において、大気中に人間に有害な物質が多く存在することは、その空気をそのまま吸わざるを得ない多くに人間にとって健康に直接影響することとなるため、大気の清浄化は緊急を要する課題となっている。それに対して、現在は広域の、或いは特定地域の大気中の有害物質を継続的に除去する手段は開発されておらず、その技術の開発が望まれている。
【0004】
上記のような人間の生活環境において、自動車はなくてはならないものとなり、特に市街地には極めて多くの自動車が走行しており、排気ガス規制を次第に強化しているものの、全体としては未だ多くの有害物質を排出している。一方ではほとんどの自動車にエアコンを搭載しており、多くのものは1時間当たり数百立方メートルの外気を取り込むものも多い。このようなエアコンにおいて用いる空気は、前記のような室内換気用の外気と室内循環空気とを適宜切り換えて用いている。このエアコンにおいては上記のような外気及び室内循環空気を室内に取り込む際、フィルタにより塵埃を除去し、また必要に応じて適宜の空気処理を行っているものの、室外の空気、即ち外気を浄化することまでは考慮されていない。
【0005】
また、近年の省エネルギー対策として空調装置にデシカント(乾燥剤)を用いることが広く行われるようになっている。このようなデシカント空調装置は、処理行程と再生行程が対面通行の形で行われ、デシカントを塗布した除湿ローターと顕熱交換ローターが直列に配置されており、処理側に導入した環境空気の除湿と熱交換を逐次的に行う。顕熱交換ローターの後流に水スプレーを配置し、中温・低湿の空気に水を噴霧することで水の気化熱が奪われ、空気は低温・高湿となる。一方、再生行程では、室内の中温・高湿の環境空気を取り込み、蒸発式冷却器により低温・高湿の空気とし、顕熱交換ローターに送り込まれる。処理側で高温となった顕熱交換ローターは、この中温・高湿空気によって冷却される。また、顕熱交換ローターより熱が与えられ、温度が高くなった空気はさらに加熱ヒータにより加熱される。この高温空気によって除湿ローターを加熱し、除湿剤上の水分を蒸発させ、除湿剤を再生する。このようなデシカント空調装置は例えば下記特許文献1及び非特許文献1等に記載されている。
【0006】
上記のようなデシカント空調装置に用いられるデシカントは、これを通過する空気中の水分を吸着することができる一方で、空気中の有害物質も吸着することが知られている。したがって空調装置として導入する外気、或いは室内循環空気の除湿を行いながら室内に取り込む空気の浄化を行うことができる。しかしながら、この吸着した有害物質はデシカントの再生時に放出され、或いはそのときの有害物質の除去再生効果が充分ではないときには次第にこれがデシカントに蓄積する。
【0007】
デシカントに吸着した有害物質がデシカントの再生時に放出されるときには、その有害物質が外気中に放散されることとなり、地域全体、或いは地球全体からみると大気の浄化には寄与していない。また、デシカントに有害物質が蓄積するときには、デシカントの交換に多くの費用を要することとなる。
【0008】
更に近年は有害物質の処理技術として光触媒が注目されており、広い分野で光触媒を用いた有害物質処理を行っている。また、この光触媒を吸着剤に担持させたものも使用されるようになっており、このような光触媒付き吸着物質を用いると、有害物質を吸着剤に吸着しながら吸着した有害物質を光触媒で無害な物質に処理を行うことができ、これを水洗等によって再生することもできる。
【特許文献1】特開2003−35434号公報
【非特許文献1】化学工学会第36回秋季大会C2A04、化学工学論文集第3号(2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように現在は極めて多くの自動車が走行しているものの、その自動車は有害物質の排出源であり大気の汚染源となっており、またカーエアコン或いはエンジンでは多くの大気を吸入する給気機能があるものの大気の浄化には寄与しておらず、このような自動車の大気浄化への利用が望まれている。また、近年広く用いられているデシカント空調装置におけるデシカントは、有害物質の吸着能力が高いので大気中の有害物質の吸着剤として用いることが期待されるものの、その再生装置を含めたシステムが考えられておらず、大気浄化に利用することができないでいる。また、光触媒によって大気中の有害物質を処理することができるものの、この光触媒の再生処理を含めたシステムについても同様に未だ考えられていない。
【0010】
したがって本発明は、自動車等の移動体における給気機能を利用し、且つ吸着剤や光触媒の大気浄化物質を利用して大気の浄化を地域全体で行い、またその処理を継続的に行い、更にそれらの吸着剤や光触媒の再生を地域全体で円滑に行うことができるようにした環境浄化ネットワークシステムを得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による環境浄化ネットワークシステムは前記課題を解決するため、外気または移動体の室内空気から有害物質を吸着あるいは化学処理する大気浄化物質を備えた移動体と、前記大気浄化物質を再生する大気浄化物質再生装置を設置している大気浄化物質再生処理施設とを備え、前記移動体の走行により、前記大気浄化物質再生処理施設または大気浄化物質を保管している配送施設に前記有害物質を吸着或いは処理後の未再生大気浄化物質を搬送するとともに、再生済大気浄化物質と交換することを特徴とする。
【0012】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記化学処理する大気浄化物質を光触媒としたことを特徴とする。
【0013】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記大気浄化物質はカセット状であり、移動体内と大気浄化物質再生処理施設間をカセットで搬送することを特徴とする。
【0014】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記カセット状の大気浄化物質は、カセット構造体に大気浄化物質を担持させたものであることを特徴とする。
【0015】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記カセット状の大気浄化物質は、粒子状物質をカセット容器内に収容したものであることを特徴とする。
【0016】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記カセット容器内の粒子状物質をからなる大気浄化物質は、前記移動体の粒子溜と前記大気浄化物質再生処理施設の粒子溜、または前記配送施設の粒子溜間を、管路により移送されることを特徴とする。
【0017】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記大気浄化物質を、移動体の換気装置の給気路に配置したことを特徴とする。
【0018】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記大気浄化物質を、移動体のエンジン給気路に配置したことを特徴とする。
【0019】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記再生処理施設は、公共機関又はガソリンスタンド、コンビニエンスストア、自動車整備会社などの民間施設であり、前記再生処理施設への前記大気浄化物質持ち込み者には、前記大気浄化物質の再生処理費用に応じて、公的機関から報奨金あるいは報奨金に相当するクレジットを支払うことを特徴とするム。
【0020】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記再生処理施設で再生した再生済大気浄化物質と、前記移動体からの未再生大気浄化物質とを保管する配送施設を備え、前記再生処理施設及び前記配送施設間において前記再生済大気浄化物質と未再生大気浄化の搬送を移動体により行うことを特徴とする。
【0021】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記配送施設は公共機関又はガソリンスタンド、コンビニエンスストアなどの民間施設であり、前記再生施設は排熱利用により再生処理を行う施設であることを特徴とする。
【0022】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記再生処理施設及び前記配送施設間において前記再生済大気浄化物質と未再生大気状を搬送する移動体は、定期循環車両であることを特徴とする。
【0023】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記再生処理施設では、複数のカセット内の粒子状大気浄化物質をまとめて再生処理を行い、再生後の粒子を再びカセット内に収容することを特徴とする。
【0024】
また本発明による他の環境浄化ネットワークシステムは、前記環境浄化ネットワークシステムにおいて、前記再生処理施設或いは前記配送基地における未再生大気浄化及び再生済大気浄化物質の量を各施設から通信手段により入力し、各施設における未再生大気浄化物質及び再生済大気浄化物質の量の過不足を求め、移動体に対して前記過不足に応じて各施設間の前記未再生大気浄化物質及び再生済大気浄化物質の量の調整用搬送を行うための指示を行う管理部門を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は地上を広範囲に走行する移動体の特性を利用し、かつその移動体が備えている大量の給気能力を利用して、吸着剤及び光触媒等を用いて大気を効率的に浄化処理することができると共に、そのような移動体が行った大気浄化により処理能力が低下した吸着剤や光触媒等を、地域に分散している再生基地に設けている再生装置に、移動体の特性である移動能力を利用して移送することができ、且つその再生基地で再生済の吸着剤や光触媒等と交換することもでき、効率的にしかも円滑に、且つ継続的に作動可能な環境浄化ネットワークシステムとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、大気の浄化を地域全体で継続的に且つ円滑に行うことを、外気または移動体の室内空気から有害物質を吸着あるいは酸化処理する大気浄化物質を備えた移動体と、前記大気浄化物質を再生する大気浄化物質再生装置を設置している大気浄化物質再生処理施設とを備え、前記移動体の走行により、前記大気浄化物質再生処理施設または大気浄化物質を保管している配送施設に前記有害物質を吸着或いは酸化処理後の未再生大気浄化物質を搬送するとともに、再生済大気浄化物質と交換することにより実現する。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明による環境浄化ネットワークシステムの例を示し、環境汚染物質吸着装置或いは光触媒処理装置を搭載した車両と、その車両で吸着し或いは処理を行ったカセット状の大気汚染浄化物質の再生を行う吸着剤・光触媒再生基地、或いはこれらのカセットの配送基地、更にはカセットの管理を行う管理センター等の管理部門が存在する例を示している。
【0028】
図1における環境汚染物質吸着装置或いは光触媒処理装置の搭載車両である移動体11は、各種自家用車を初め、バス、ゴミ収集車、トラック等を利用することができ、それらの利用者の形態からは公共車両、輸送業務車両、一般私用車両等が存在し、更に走行形態からはバス、ゴミ収集車のように特定コースを循環する循環走行車両と、比較的特定ルートを走行するコンビニやレストラン等のフランチャイズ店に物資を配送する配送車とその他の一般車両等、種々の形態の車両が存在する。そのような各種の車両は、それぞれの利用形態、走行形態に応じて、この環境浄化ネットワークシステムにおいて特有の役割を果たすことができる。
【0029】
このような移動体11としての車両には、図1中で大気浄化装置17としてその一部を模式的に拡大して示しているように、車両のエアコン18の換気機能をなす吸入側に吸着剤或いは光触媒のカセット20を配置し、切換弁21により外気と室内空気の換気通路の切り換え、或いはそれらの比率調整を行っている。この吸着剤または光触媒のカセット20は、従来のエアコンのカセット式フィルタのように容易に取り換え可能のものとし、図示するような略ハニカム状等の各種断面をなすカセット自体は、各種車両に共通の形状及び大きさとするか、予め定めたできる限り少ない種類の特定の形状或いは大きさのものとする。前記カセット20としては種々のものが用いられるが、図示するような断面略六角形状のカセット構造体に大気浄化物質を担持させたものが主として用いられるが、粒子状物質をカセット容器内に収容したもの等を用いても良い。
【0030】
なお、図示の例では車両においてエアコンの換気機能をなす吸気部分に吸着剤或いは光触媒を設けた例を示したが、エンジンの吸気作動に負担にならない程度のものであるならば、エアフィルの近傍に、或いはエアフィルタに替えてエンジンの吸気系に配置するようにしても良い。また、これらの吸着剤或いは光触媒は例えば図1に示すようにセンサ22によってその吸着能力或いは光触媒作用の能力を検出し、所定以下の能力になったときにはランプ23等により利用者に知らせることができるようにする。
【0031】
ここで用いる吸着剤としてはSOx、NOx、煤等を吸着する各種物質を用いることができるが、従来から空調装置に吸湿剤、即ち乾燥剤として使用されている各種デシカントを用いることができ、そのようなデシカントは例えば図1にカセット20として示されるように略ハニカム状に形成したカセット構造体の担体に大気浄化物質を担持させたもの、或いはフィン状のカセット構造体に担体に大気浄化物質を担持させたもの等が用いられる。
【0032】
その後か、多孔性の粒状体に大気浄化物質を担持させてカセット内に収容したもの等も用いることができる。この粒状体をカセット内に収容するに際しては、比較的多くの空間を有するように収容し、車両においてこのカセット内に大気を通す際、及び再生装置において加熱空気を通す際に粒状の吸着剤が流動層状態となるようにしても良い。
【0033】
カセット内に粒状体の吸着剤を収容する際は、通常の取り扱い時にはそのカセット内の粒状体を取り出すことがないようにし、全てカセット単体として取り扱うようにすることもできるが、例えば再生時にはカセット内から粒状体を適宜取り出して他の容器に収容し、再生後には再びもとのカセットに粒状体を収容する等、各種の態様でこの粒状体を取り扱うようにすることができる。
【0034】
一方光触媒としては種々の触媒を用いることができるが、酸化チタンに光を照射したときに生じる強力な酸化力を利用し、各種有機化合物を水や炭酸ガスに分解することができ、この作用を利用して前記デシカントと同様の多孔性粒状体の表面に酸化チタン膜を形成し、吸入した大気等に含まれる有害物質を無害な物質に変換して無害になった物質をその多孔性粒状体に吸着させることができる。また、多孔性粒状体に一時的に吸着された各種有害物質を、その表面に形成されている光触媒によって無害の物質に処理することもできる。
【0035】
このような光触媒によって処理され多孔性粒状体に吸着された物質は、水洗等により容易に取り除くことができ、再使用可能となる。このような光触媒は多孔性である吸着剤に担持することができるので、この吸着剤の多孔性表面に光触媒膜を形成して主として光触媒として用いるものと、このような光触媒膜を形成しない通常の吸着剤粒子とを一つのカセット内に混在させることにより、吸着と光触媒作用を行うカセットとしても良い。
【0036】
図1の例においては前記のようにして車両に搭載したエアコンの換気機能をなす吸気部で、前記のような吸着剤または光触媒のカセットを用い、大気及び車室内空気の浄化を行い、吸着能力或いは光触媒能力が低くなった時には前記のようにセンサ22でこれを検出し、これを警告灯23で表示して運転者等に知らせる。そのときは運転者は図中吸着剤・光触媒配送基地として示している各種の基地に走行するか、或いは近くを通ったときに立ち寄る。これらの吸着剤・光触媒再生基地としては、一つの態様として役所、各種会館等の公共機関12、スーパーコンビニ等の商業施設13、ガソリンスタンド14、或いは図示されていない車両整備を行う各種施設、或いは車両関連商品を扱う商業施設等を利用することができ、これらの施設に設置した吸着剤・光触媒再生装置によってそれらの施設の人が仕事の一つとして再生作業を行う。
【0037】
吸着剤・光触媒再生基地としては上記のような種々の施設の他、工場やゴミ焼却場のように大量の排熱が発生する施設が特に有効に利用することができ、これらの施設において工場全体、或いはゴミ焼却場全体の熱効率向上のためのシステムを構成する一つの施設として、前記のような吸着剤・光触媒再生装置を設置する。このような大規模施設が近くに存在する地域では、前記のような吸着剤・光触媒再生基地として公共機関12、商業施設13、ガソリンスタンド14等で小型の再生装置を用いて再生を行うことは効率が悪いので、これらの施設は吸着剤・光触媒配送基地として用い、工場やゴミ焼却場の排熱を利用して再生した吸着剤や光触媒を車両等によってこの配送基地に分配し、配送基地ではこれを適宜蓄えておいて、配送基地に立ち寄った車両が吸着能力が低下した吸着剤、或いは作用が劣化した光触媒のカセットを置いていくとき、前記蓄えていた再生済みの吸着剤や光触媒のカセットと交換することによりこのシステムは有効に機能する。
【0038】
これらのシステムを更に有効に機能させるためには管理センター16を設置し、各吸着剤・光触媒再生基地における再生済み、及び使用済みであって要再生のカセットの量を監視し、在庫に過不足が生じた場合には専用の配送車、或いは定期循環走行車両に連絡し、カセットの補充、更には各再生基地のカセットの在庫均等化等の管理を行う。特にこれらの定期循環走行車両に吸着剤・光触媒カセットを搭載しているときには、管理センター10が走行範囲内における適切な再生基地を指示し、全体の再生基地のカセットの均等化を図るようにしても良い。
【0039】
前記図1に示した各種の態様を行うことができるようにしたネットワークシステムにおいて、最も基本となるカセットを利用した態様を図2に示す。図1における移動体11に相当する多数の移動体31−1、31−2・・・に、図1における大気浄化装置17の吸着剤・光触媒カセット20に相当する有害物質を吸着する吸着剤或いは有害物質を処理する光触媒からなるカセット33を搭載し、各移動体の走行中にエアコンに吸気される空気を浄化する。それによりこれらの移動体が走行する地域の環境の浄化を行う。
【0040】
また、この地域には図1の公共機関12、商業施設13、ガソリンスタンド14、工場・ゴミ焼却場15等の吸着剤・光触媒再生基地32−1、32−2・・・が存在し、各吸着剤・光触媒再生基地にはカセットの再生装置を備え、前記カセット33を水洗し、熱源35で加熱された温水の配管34により加熱することによって、吸着能力や光触媒作用の低下したカセット33を再生する。
【0041】
上記のような移動体31−1、31−2・・・は、走行中に搭載している吸着剤・光触媒カセット33の吸着能力や光触媒作用が低下して、図1に示すようなランプ23が点灯したときには、近くのコンビニ、ガソリンスタンド等の吸着剤・光触媒再生基地32−1、32−2・・・に走行し、そのカセットをそれらの再生基地に渡す。また、そのとき各再生基地に保管している再生済のカセットと交換する。
【0042】
その際この移動体の利用者は、予め決められている所定の額の報奨金を受け取り、或いはクレジット処理による報奨金の受け取りをする。これらの報奨器の支払いは、最終的には国、県、市町村等の環境浄化予算から各再生基地に対して支払われる。また、再生基地の各施設においても予め定められた費用等が支払われる。このようなシステムにおいては更に図1の管理センター16が各再生基地の在庫の過不足を調べ、随時その過不足を調整するため、専用の配送車等にしじして調整作業を行うようにする等、種々のシステム上の付加を行うことができる。
【0043】
図1に示した各種の態様を行うことができるようにしたネットワークシステムにおいて、更に図3に示すような態様でそのシステムを構成することができる。即ち図3に示す例においては、吸着剤・光触媒再生基地39−1、39−2・・・として、例えば図1の工場・ゴミ焼却場等が利用でき、大量にカセットの再生ができる場合に特に有効であり、ここでは吸着剤・光触媒配送基地37−1、37−2・・・を備えている。
【0044】
図3に示すシステムにおいては、前記図2の実施例と同様に移動体36−1、36−2・・・に吸着剤・光触媒カセット40を搭載し、前記のように環境浄化を行う。これらの移動体において吸着剤の吸着能力が低下し、或いは光触媒の作用が低下したときには、その移動体は図1に吸着剤・光触媒配送基地として示す近くのコンビニやガソリンスタンド等に走行し、それらの配送基地に保管している再生済カセットと交換する。その際にこのカセットの持ち込み者は各種の態様で報奨金を受け取ることは前記と同様である。
【0045】
吸着剤・光触媒配送基地37−1、37−2・・・では、このようにして各移動体から持ち込まれた要再生カセットを一時的に保管しておき、管理センター42では各配送基地のカセットの状況を把握して、特にカセット搬送用移動体38−1、38−2・・・の内、例えば近くを走行している移動体等を選択し搬送依頼を行う。それにより、要再生カセット40が多数保管された配送基地にカセット搬送用移動体が走行し、これを収集して吸着剤・光触媒再生基地39−1、39−2・・・に搬送する。再生基地39−1、39−2・・・においては前記図3の再生基地と同様に、水洗後に熱源41で加熱された温水の配管により加熱することによって、吸着能力や光触媒作用の低下したカセット40を再生する。特にこのときの熱源41としては、工場やゴミ焼却場の排熱を利用することができる。
【0046】
このようにして吸着剤・光触媒再生基地39−1、39−2・・・で再生されたカセット40がそれらの再生基地に多数蓄えられたときには、管理センター67はその状況を把握し、カセット搬送用移動体38−1、38−2・・・のいずれかにその回収を指示し、これらを回収したカセット搬送用移動体は管理センターの指示により、保管している再生済カセット40が少なくなっている吸着剤・光触媒配送基地37−1、37−2・・・のいずれかに搬送する。これらのシステムを運用する費用も、各種の公共予算でまかなわれる。
【0047】
このようなカセットを用いる際には例えば図4に示すような取り扱いがなされる。図4に示す例においては、前記図1の大気浄化装置17と同様の車両用エアコン44に大気浄化用の吸着剤・光触媒カセット43を取り付けた例をより具体的に示している。図4(a)の車両用エアコン44に吸着剤・光触媒43を適用するに際して、同図(b)に示すような断面略ハニカム構造をなす吸着剤・光触媒カセット43を図中横向きに収容する。
車両エアコン44で吸着剤・光触媒カセット43を使用し、外気或いは車室内空気の有害物質を吸着して吸着能力が低下したときには、図示実施例においては車両用エアコン44の上方の蓋49を開け、内部の吸着剤・光触媒カセット43を取り出して搬出する。このような吸着剤・光触媒カセット43は、図1に示す移動体11によって、デシカント再生基地15等のデシカント再生装置に搬送されて再生され、或いはその移動体が図1のデシカント再生装置搭載車両であるときにはその車両で再生される。デシカント再生装置では図4(c)に示すように吸着剤・光触媒カセット43を再生容器46内に収容する。図4に示す例においては、上方に水洗用水噴霧器51を備えた蓋53を有し、下方に配水管52を備えており、この装置内に収容されたカセットに対して最初にこの装置によって水洗洗浄を行う。図示の例においては排熱により加熱された温水を利用して吸着剤・光触媒粒子を加熱再生する例を示しており、外筺47の周囲に加熱配管48を配置し、更に図示の例では密封した外筺47内をポンプ50で吸引し、内部を真空にして減圧再生を可能としている。このような装置を用いて、図示の例ではカセット1個づつ水洗と加熱による再生を連続して行うことができる。このような処理を行うためには、図示のように1個づつ再生処理を行う以外に、1つのカセット再生装置内に多数のカセットを収容し、一度に水洗洗浄と加熱を行うようにしても良い。
【0048】
上記のような全体構成からなるネットワークシステムにおいて、利用する吸着剤や光触媒は上記のようなカセットとして取り扱うほか、粒子をそのまま流動化して取り扱うこともできる。例えば図5(a)には上記のようなカセットとして取り扱う例を示しており、車両等の移動体54に設けたエアコン55の吸い込み口にカセット状の吸着剤・光触媒保持容器56を取り付け、外気、或いは車室内空気の清浄化を行う。
【0049】
その機能が低下してきたときには吸着剤・光触媒再生基地57に走行し、そのカセットと再生済カセットとを交換して戻る。吸着剤・光触媒再生基地57では、搬入されたカセットが吸着剤のカセットであるか、光触媒のカセットであるかに応じた再生操作を行うが、基本的には水洗を行った後加熱することにより再生を行うことができ、特に吸着剤は真空ポンプでカセット内を減圧することにより再生させることもできる。図5(a)に示す再生処理においては、排熱を利用してカセットを加熱する例を示している。なお、ここで用いるカセットとしては上記のような粒子状のもののほか、ハニカム状のものを含め種々の態様のものを用いることができるのは前記の通りである。
【0050】
図5(b)には吸着剤や光触媒として粒子状のものを用い、それを特にカセット化することなく、車両等の移動体60のエアコン42に前記図5(a)と同様の位置に取り付けた吸着剤・光触媒粒子溜62にその粒子を適量収容して使用する。吸着剤や光触媒の能力が低下してきたときには、前記と同様にセンサにより検出し、ランプの点灯等によって利用者にその状態を知らせる。そのとき利用者は吸着剤・光触媒再生基地63に走行する。
【0051】
その再生基地63では従来のガソリンスタンドと同様に走行してきた車両60の吸着剤・光触媒粒子溜62に粒子供給管64と粒子吸引管65とを接続し、ポンプ66の作動によって車両側の吸着剤・光触媒粒子を吸引し、再生基地63側の使用済吸着剤・光触媒配粒子溜67内に貯留する。一方、使用済吸着剤・光触媒粒子溜67内の使用済み粒子は前記と同様に水洗い後加熱して再生を行う。その加熱に際しては、前記と同様に排熱を利用することができる。再生後の吸着剤・光触媒粒子は再生済吸着剤・光触媒粒子溜69に溜めておく。
【0052】
上記のようにポンプ66の作動によって車両60の吸着剤・光触媒粒子溜62内の粒子が全て再生基地63側の使用済み吸着剤・光触媒粒子溜67内に移されて空になったとき、ポンプ70を作動して再生基地63側の再生済吸着剤・光触媒粒子溜69内の粒子を粒子供給管64を介して車両60側の吸着剤・光触媒粒子溜62内に移送する。このようにして車両の吸着剤・光触媒粒子溜62の粒子は、再生能力が低下した粒子から再生済の粒子に交換することができる。
【0053】
このようなカセットを用いる際には例えば図6及び図7に示すような取り扱いがなされる。図6及び図7に示す例においては、前記図1の大気浄化装置17と同様の車両用エアコン73に大気浄化用の吸着剤・光触媒カセット71を取り付けた例をより具体的に示している。図6(a)の車両用エアコン73に吸着剤・光触媒74を適用するに際して、それらの粒状物を金網や通気性繊維などで形成した内容器75内に充填し、この内容器75を多孔性の外容器76に収納して使用する。図示実施例では外容器76の更に外側にシャッター77を設け、同実施例においては図6(a)のように車両用エアコン73で使用するときには、シャッター77が自重で降下して、外容器76の通孔78とシャッター77の通孔79とが一致する。この内容器75、外容器76、シャッター77を組み合わせてカセット組立体80として使用している状態の斜視図を図6(b)に示す。
【0054】
図6(a)のように車両エアコン73で吸着剤・光触媒74を使用し、外気或いは車室内空気の有害物質を吸着し、吸着能力が低下したときには、図示実施例においては車両用エアコン73の上方の蓋81を開け、内部のカセット組立体71を取り出し、これを図6(c)のように反転する。それによりシャッター77は自重で降下し、外容器76の通孔78はシャッター77の通孔79と一致が解消され、シャッター77で遮蔽される。カセット組立体71はこの状態で自由に移動させることができるようにしている。
【0055】
このようなカセット組立体71は図6(c)の状態で図1に示す移動体11によって、デシカント再生基地15等のデシカント再生装置に搬送されて再生され、或いはその移動体が図1のデシカント再生装置搭載車両であるときにはその車両で再生される。デシカント再生装置では図7(a)に示すように外容器の蓋86を下方に開くと、内部に収納されていたカセットとしての内容器75が図7(b)に示すように排出され、同図(c)に示すようなカセット再生装置82内に落下する。
【0056】
上記のようにしてカセット再生装置82にカセットを構成する内容器75が収納された状態を図8に示している。図8に示す例においては、上方に水洗用水噴霧器87を備えた蓋90を有し、下方に配水管88を備えており、この装置内に収容されたカセットに対して最初にこの装置によって水洗洗浄を行う。図示の例においては排熱により加熱された温水を利用して吸着剤・光触媒粒子を加熱再生する例を示しており、外筺83の周囲に加熱配管84を配置し、更に図示の例では密封した外筺83内をポンプ85で吸引し、内部を真空にして減圧再生を可能としている。このような装置を用いて、図示の例ではカセット1個づつ水洗と加熱による再生を連続して行うことができる。このような処理を行うためには、図示のように1個づつ再生処理を行う以外に、1つのカセット再生装置内に多数のカセットを収容し、一度に水洗洗浄と加熱を行うようにしても良い。
【0057】
上記実施例においては移動体として自動車を用いた例を示したが、吸着剤や光触媒を再生する大気浄化物質再生施設、或いはそれらの配送施設として駅のコンビニが利用されるときには、移動体として電車を利用することができ、その際にはその電車のエアコンの外気或いは車両内空気取込口等の給気系統にこれらの大気浄化物質を取り付けることとなる。また前記のような光触媒以外に、大気を汚染する各種有害物質のうち、他の手段では除去しにくい特定の成分について、それを化学処理で無害化するための各種触媒等を同様の手法で採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明による移動体の特性である移動能力と大量の給気能力を利用して効率的な環境浄化ネットワークシステムとして利用することができるものであるが、特にこの環境浄化ネットワークシステムに前記のような種々の経済効果を与えることにより、各地域を超えたより広範囲の環境浄化ネットワークシステムを容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明による環境ネットワークシステムの全体概要を示す説明図である。
【図2】カセット交換方式のシステム例の一態様を示す説明図である。
【図3】カセット交換方式のシステム例の他の態様を示す説明図である。
【図4】本システムにおいてカセットを用いる際の実施例を示し、(a)はエアコンにカセットを装着した状態の断面模式図であり、(b)はカセットを取り出した状態のの斜視図であり、(c)は再生装置にカセットを収容して再生を行う状態を示す断面図である。
【図5】粒子状の吸着剤・光触媒を用いた際の再生処理の態様を示す模式図であり、(a)は粒子を収容したカセットを交換する方式、(b)は粒子を交換する方式を示す図である。
【図6】本システムにおいてカセットを用いる際の実施例を示し、(a)はエアコンにカセットを装着した状態の断面模式図であり、(b)は同装着状態のカセットの斜視図であり、(c)はこれを反転して運搬する状態の斜視図である。
【図7】同実施例のカセットを用いて再生装置に装着する際の使用例を示し、(a)はカセットの蓋を開けて内部の内容器を取り出した状態を示す斜視図であり、(b)は取り出された内容器の斜視図であり、(c)は再生装置の蓋を開けて内部にカセットの内容器を収容する状態を示す斜視図である。
【図8】同実施例において、再生装置にカセットを収容して再生を行う状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0060】
11 移動体
12 公共機関
13 商業施設
14 ガソリンスタンド
15 工場・ゴミ焼却場
16 管理センター
17 大気浄化装置
20 吸着剤・光触媒カセット
21 切換弁
22 センサ
23 ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気または移動体の室内空気から有害物質を吸着あるいは化学処理する大気浄化物質を備えた移動体と、
前記大気浄化物質を再生する大気浄化物質再生装置を設置している大気浄化物質再生処理施設とを備え、
前記移動体の走行により、前記大気浄化物質再生処理施設または大気浄化物質を保管している配送施設に前記有害物質を吸着或いは処理後の未再生大気浄化物質を搬送するとともに、再生済大気浄化物質と交換することを特徴とする環境浄化ネットワークシステム。
【請求項2】
前記化学処理する大気浄化物質は光触媒であることを特徴とする請求項1記載の環境浄化ネットワークシステム。
【請求項3】
前記大気浄化物質はカセット状であり、
移動体内と大気浄化物質再生処理施設間をカセットで搬送することを特徴とする請求項1記載の環境浄化ネットワークシステム。
【請求項4】
前記カセット状の大気浄化物質は、カセット構造体に大気浄化物質を担持させたものであることを特徴とする請求項3記載の環境浄化ネットワークシステム。
【請求項5】
前記カセット状の大気浄化物質は、粒子状物質をカセット容器内に収容したものであることを特徴とする請求項3記載の環境浄化ネットワークシステム。
【請求項6】
前記カセット容器内の粒子状物質をからなる大気浄化物質は、前記移動体の粒子溜と前記大気浄化物質再生処理施設の粒子溜、または前記配送施設の粒子溜間を、管路により移送されることを特徴とする請求項5記載の環境浄化ネットワークシステム。
【請求項7】
前記大気浄化物質を、移動体の換気装置の給気路に配置したことを特徴とする請求項1記載の環境浄化ネットワークシステム。
【請求項8】
前記大気浄化物質を、移動体のエンジン給気路に配置したことを特徴とする請求項1記載の環境浄化ネットワークシステム。
【請求項9】
前記再生処理施設は、公共機関又はガソリンスタンド、コンビニエンスストア、自動車整備会社などの民間施設であり、
前記再生処理施設への前記大気浄化物質持ち込み者には、前記大気浄化物質の再生処理費用に応じて、公的機関から報奨金あるいは報奨金に相当するクレジットを支払うことを特徴とする請求項1記載の環境浄化ネットワークシステム。
【請求項10】
前記再生処理施設で再生した再生済大気浄化物質と、前記移動体からの未再生大気浄化物質とを保管する配送施設を備え、
前記再生処理施設及び前記配送施設間において前記再生済大気浄化物質と未再生大気浄化の搬送を移動体により行うことを特徴とする請求項1記載の環境浄化ネットワークシステム。
【請求項11】
前記配送施設は公共機関又はガソリンスタンド、コンビニエンスストアなどの民間施設であり、
前記再生施設は排熱利用により再生処理を行う施設であることを特徴とする請求項10記載の環境浄化ネットワークシステム。
【請求項12】
前記再生処理施設及び前記配送施設間において前記再生済大気浄化物質と未再生大気状を搬送する移動体は、定期循環車両であることを特徴とする請求項10記載の環境浄化ネットワークシステム。
【請求項13】
前記再生処理施設では、複数のカセット内の粒子状大気浄化物質をまとめて再生処理を行い、再生後の粒子を再びカセット内に収容することを特徴とする請求項5記載の環境浄化ネットワークシステム。
【請求項14】
前記再生処理施設或いは前記配送基地における未再生大気浄化及び再生済大気浄化物質の量を各施設から通信手段により入力し、各施設における未再生大気浄化物質及び再生済大気浄化物質の量の過不足を求め、移動体に対して前記過不足に応じて各施設間の前記未再生大気浄化物質及び再生済大気浄化物質の量の調整用搬送を行うための指示を行う管理部門を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1つに記載の環境浄化ネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−167615(P2006−167615A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−364338(P2004−364338)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】