説明

環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料

【課題】
胃酸でも溶けずらく、色素たんぱく質のような腸内細菌のえさにもなる配合成分が腸にまで届くようにして、有胞子性有用菌が働きやすい腸内細菌叢を形成することができる環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料を提供する。
【解決手段】
サンゴパウダーおよび/またはパーライトを主成分とし、シルク成分でコーティングした光触媒、有機ゲルマニウムおよび色素タンパク質を配合することにより、サンゴパウダーに配合成分を吸着させたことを特徴とする環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サンゴパウダーに各種有用成分を吸着させることにより、胃酸でも溶けずらく、色素たんぱく質のような腸内細菌のえさにもなる配合成分が腸にまで届くようにして、有胞子性有用菌が働きやすい腸内細菌叢を形成することができるようにした環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品添加物等として「サンゴパウダー」を使用している先行技術としては以下のような例が見られる。
1)特開2007−330124号公報(特許文献1参照)
a)食欲抑制作用を有する成分、b)消化酵素活性阻害作用を有する成分、c)キノコキトサン複合多糖体成分、及びd)食物繊維からなる健康食品用組成物。
2)特開2006−176483号公報(特許文献2参照)
水と反応して電子を放出するミネラル粉末と、水と反応して水素を放出するサンゴ粉末とからなることを特徴とする健康食品。
3)特開2002−281941号公報(特許文献3参照)
高カルシウム含有量の食品調合物であって、前記カルシウムは製品中に他の成分と結合して化合物を形成して含有され、該化合物が多量のイオン形体のカルシウムを提供でき、そしてオステオパシーに広く用い得ることを特徴とする高カルシウム含有量の食品調合物。
【0003】
また、食品添加物等に「光触媒」を使用している先行技術としては以下のような例が見られる。
4)特開2007−181447号公報(特許文献4参照)
そば粉に有機ゲルマニウム、二酸化チタン等を配合したソバの製造方法。
5)特開2006−81971号公報(特許文献5参照)
酸化チタンと、前記酸化チタンの表面を部分的に被覆する、無機成分、セルロース、及びセルロース誘導体よりなる群から選択される1種以上の被覆成分と、前記被覆成分に担持される、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及びカテキン類から選択される1種以上の機能性成分とを有する機能性材料
【0004】
いずれの先行技術も、サンゴパウダーに各種有用成分を吸着させることにより、胃酸でも溶けずらく、色素たんぱく質のような腸内細菌のえさにもなる配合成分が腸にまで届くようにして、有胞子性有用菌が働きやすい腸内細菌叢を形成することができるようにしたものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−330124号公報
【特許文献2】特開2006−176483号公報
【特許文献3】特開2002−281941号公報
【特許文献4】特開2007−181447号公報
【特許文献5】特開2006−81971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、サンゴパウダーおよび/またはパーライトを主成分とし、シルク成分でコーティングした光触媒、有機ゲルマニウムおよび色素タンパク質を配合してサンゴパウダーに各種有用成分を吸着させることにより、胃酸でも溶けずらく、色素たんぱく質のような腸内細菌のえさにもなる配合成分が腸にまで届くようにして、有胞子性有用菌が働きやすい腸内細菌叢を形成することができる環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、この発明の環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料は、サンゴパウダーおよび/またはパーライトを主成分とし、シルク成分でコーティングした光触媒、有機ゲルマニウムおよび色素タンパク質を配合することにより、サンゴパウダーに配合成分を吸着させたことを特徴とするものである。
【0008】
この発明の環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料は、前記サンゴパウダーおよび/またはパーライト100重量部に対し、シルク成分でコーティングした光触媒1〜10重量部、有機ゲルマニウム1〜10重量部および色素タンパク質1〜20重量部配合することにより、サンゴパウダーに配合成分を吸着させたことをも特徴とするものである。
【0009】
この発明の環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料は、前記サンゴパウダーおよびパーライトを、1:0.01〜0.5の配合割合で混在させることをも特徴とするものである。
【0010】
この発明において主成分として使用しているサンゴパウダーおよび/またはパーライトにおけるサンゴパウダーは、竹炭などと同じく「多孔質」と呼ばれる目に見えない微小な穴が無数に開いたものである。したがって、サンゴパウダーには各種有用成分を吸着させることができる。
またパーライトは、火山岩として産出されるパーライトや黒曜石を高温で熱処理してできる発泡体である。ガラス質の岩石中に含まれる構造水がガス化して発泡する。「真珠石」とも呼ばれ、多孔質という特性から、各種有用成分を吸着させることができる。
【0011】
この発明において使用するシルク成分でコーティングした光触媒は、二酸化チタンの粉体などの光触媒機能を有する基材を、処理液と接触させて当該基材の表面を多孔性リン酸カルシウムで被覆して光触媒性複合組成物を製造する際、前記処理液中に、絹からセリシンを除去して得たフィブロインなどの繊維状蛋白質を含ませておく。しかる後に、この方法で製造した光触媒性複合組成物を焼成する。
【0012】
前記製造方法についてより詳しく説明すると、シルク粉末として、絹糸もしくは天然の蚕を使用し、シルク繊維に含まれているフィブロインという絹タンパク質を分解抽出したあとに、分子レベルのアミノ酸パウダーに加熱処理したものを使用する。これをアパタイトに対して0.01〜数%(重量)の割合で混合し、シルク粉末含有アパタイトの微細粉末を得る。
次に、シルク粉末含有アパタイトで光触媒機能を有する金属酸化物を被覆する。この金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化レニウム、酸化ビスマス、チタン酸ストロンチウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類の酸化物が混合されている。なお本実施例では二酸化チタンを使用した。
以上のシルク成分でコーティングした光触媒の製造方法については、特開2006−136778号公報(特許第4652776号)に記載されており、得られたシルク成分でコーティングした光触媒は、本件出願人である株式会社環境保全研究所より商品名トリニティーとして販売されている。
【0013】
この発明において使用する有機ゲルマニウムは、有機ゲルマニウム化合物であり、特に3−オキシゲルミルプロピオン酸は複雑な重合性を有する化合物として知られている。この化合物は、抗ウイルス作用を初めとして、多様な薬理活性を有することから、多くの医薬用途に関する研究がなされている。例えば、高血圧心臓血管疾患に対する用途、インターフェロン産生増強作用、メイラード反応阻害作用、MCP-1拮抗作用、動脈硬化性疾患に対する用途、II型糖尿病性腎症に対する用途等が報告されている。
前記MCP-1拮抗作用を開示した特開2000−136139号公報には、本有機ゲルマニウム化合物が、慢性関節リウマチ、膵炎、腎炎、I型糖尿病性組織炎症、アトピー性皮膚炎等に有用であることを開示している。
【0014】
この発明において使用する色素タンパク質は、複合タンパク質の一つで、天然の状態において、ある特定の色素と結合しているタンパク質の総称であり、動植物の細胞および体液に存在する。色素を含む補欠分子団(複合タンパク質の非タンパク質部分)によって色調や生理的機能が異なり、次のように分類することができる。
(1)ヘムタンパク質 鉄‐ポルフィリン錯塩とタンパク質との結合体。
(2)金属錯化合物 金属錯イオンとタンパク質との結合体。
(3)フィコ色素タンパク質 ピロール誘導体とタンパク質の結合体。紅藻植物の紅色を示すフィコエリトリン、藍藻(らんそう)植物の藍(あい)色を示すフィコシアニンなどがある。
(4)フラビンタンパク質 補欠分子団として、フラビンモノヌクレオチドまたはフラビンアデニンジヌクレオチドをもつ。すべて酸化還元酵素としての作用をもち、黄色(おうしょく)酵素ともよばれる。
(5)カロチノイドタンパク質 カロチノイドとタンパク質との結合体。ビタミンAとタンパク質との結合体である。ロドプシンはその一つである。
【発明の効果】
【0015】
この発明の環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料によれば、環境浄化のために配合した成分をサンゴパウダーの多孔質によって吸着保持させ、環境浄化や整腸効果を長く持続させることができるようになった。
また、環境浄化のために配合した成分をサンゴパウダーの多孔質によって吸着保持させているので、胃酸でも溶けずらく、色素たんぱく質のような腸内細菌のえさにもなる配合成分が腸にまで届くようにして、有胞子性有用菌が働きやすい腸内細菌叢を形成することができるようになった。
【0016】
前記有胞子性有用菌における例えば有胞子性乳酸菌は、耐熱性、耐酸性、耐糖性、耐塩性に優れ、粉末で食品に添加しても非常に安定で、温度40℃、湿度80%、4週の虐待試験でもほとんど変化せず、保存性に非常に優れている。
もちろん、腸管内での増殖・定着性に優れており、長時間にわたり増加し続け、結果腸管内は常在菌であるビフィズス菌等の乳酸菌が増加しやすい環境となる。
【0017】
この発明の環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料によれば、前記シルク成分でコーティングした光触媒と、有機ゲルマニウムの生体触媒効果との相乗作用により、これを飲用した人や家畜の整腸作用等の健康改善はもちろん、その家庭や畜舎の浄化槽が非常に清潔になるという顕著な作用効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
沖縄産サンゴパウダー100重量部に対し、シルク成分でコーティングした例えば二酸化チタン等の光触媒(商品名:トリニティー、株式会社環境保全研究所)を2重量部、有機ゲルマニウム5重量部を配合して攪拌し、これをうどん麺の原料に約2重量%混合して製麺した。
得たうどん麺を3日間夕食で食した10名中8名が胃腸にすっきり感を覚え、排便が規則正しくなったというテスト結果が得られた。
【実施例2】
【0019】
パーライト100重量部に対し、シルク成分でコーティングした例えば二酸化チタン等の光触媒(商品名:トリニティー、株式会社環境保全研究所)を0.2重量部、有機ゲルマニウム2重量部を配合して攪拌し、これをプディングの原料に約2重量%混合して製麺した。
得たプディングを3日間食した10名中8名が胃腸にすっきり感を覚え、排便が規則正しくなったというテスト結果が得られた。
【実施例3】
【0020】
沖縄産サンゴパウダー50重量部・パーライト50重量部の主成分に対し、シルク成分でコーティングした例えば二酸化チタン等の光触媒(商品名:トリニティー、株式会社環境保全研究所)を0.5重量部、有機ゲルマニウム1重量部を配合して攪拌し、これを食パンの原料である小麦粉に約2重量%混合して製麺した。
得た食パンを3日間朝食で食した10名中8名が胃腸にすっきり感を覚え、排便が規則正しくなったというテスト結果が得られた。
【実施例4】
【0021】
沖縄産サンゴパウダー100重量部の主成分に対し、シルク成分でコーティングした例えば二酸化チタン等の光触媒(商品名:トリニティー、株式会社環境保全研究所)を1重量部、有機ゲルマニウム3重量部を配合して攪拌し、これをトウモロコシを主体とし、大豆カスや小麦を加えた市販の飼料に約10重量%混合した。
得た飼料を30日間で食した豚の排便からは、ほとんど悪臭がしなくなったという結果が得られた。
【0022】
前記実施例の環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料を人や家畜が食したり服用した場合における排泄物は、浄化槽等を利用してろ過分解されるので、その家庭や畜舎の浄化槽がとてもきれいになるという顕著な作用効果を呈していた。
そして、このようにしてろ過した放流水は、再度畜舎の用水として再利用することができる。すなわち、畜舎において糞尿等を洗浄して排出するための洗浄水としてばかりか、家畜の飲み水として利用しても何ら問題のないことが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0023】
この発明の環境浄化用食品添加物は、パンや菓子類、うどんやそば等の麺類、パスタ類のみならず、各種の食品類に、また家畜の飼料等にも有用に添加することができる。
また、カプセル状・錠剤状・ソフトジェル状・ジェルカプセル状・粉末状・ペースト状・棒状・液状の整腸剤としても有用に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンゴパウダーおよび/またはパーライトを主成分とし、シルク成分でコーティングした光触媒、有機ゲルマニウムおよび色素タンパク質を配合することにより、サンゴパウダーに配合成分を吸着させたことを特徴とする環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料。
【請求項2】
前記サンゴパウダーおよび/またはパーライト100重量部に対し、シルク成分でコーティングした光触媒1〜10重量部、有機ゲルマニウム1〜10重量部および色素タンパク質1〜20重量部配合することにより、サンゴパウダーに配合成分を吸着させたことを特徴とする請求項1記載の環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料。
【請求項3】
前記サンゴパウダーおよびパーライトを、1:0.01〜10の配合割合で混在させることを特徴とする請求項1記載の環境浄化用食品添加物兼整腸剤及び飼料。

【公開番号】特開2012−170381(P2012−170381A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34197(P2011−34197)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(504383531)株式会社宇宙環境保全センター (3)
【Fターム(参考)】