説明

環境負荷を考慮した最適なプリンタシステムを提供するシステム、方法、環境負荷を考慮した最適なプリンタシステムを提供するシステムで用いる印刷サーバ及び該印刷サーバで実行することが可能なコンピュータプログラム

【課題】環境負荷を考慮した最適なプリンタシステムを提供するシステム、方法、環境負荷を考慮した最適なプリンタシステムを提供するシステムで用いる印刷サーバ及び該印刷サーバで実行することが可能なコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】印刷サーバが、稼働中のプリンタシステムについて、少なくとも環境負荷に関する情報を含む単価算出基礎情報を所定のタイミングで取得し、取得した単価算出基礎情報に基づいて、プリンタシステムごとの印刷単価を算出する。算出した印刷単価を、プリンタシステムを識別する識別情報に対応付けて記憶し、印刷単価及び識別情報をクライアントへ送信する。クライアントは、印刷単価及び識別情報を受信し、一の識別情報の選択を受け付け、選択を受け付けた識別情報に対応するプリンタシステムで実行することが可能な印刷ジョブを生成して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウド・コンピューティング環境において、省電力、印刷コスト削減、CO2 排出量削減等の観点を含む環境負荷を考慮した最適なプリンタシステムを提供するシステム、方法、環境負荷を考慮した最適なプリンタシステムを提供するシステムで用いる印刷サーバ及び該印刷サーバで実行することが可能なコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クラウド・コンピューティング環境の普及に伴い、印刷サービスの分野でも配送まで含めたサービスを提供する業者が増加しつつある。すなわち、サービス被提供者の印刷条件をSLA(サービスレベルアグリーメント)とし、SLAを具備するクラウドサーバを介して、所望のデータを印刷して配送するサービスである。
【0003】
複数のクラウドサービスが存在する場合、サービス被提供者はどのクラウドサービスが最適なサービスであるのか判断することが困難である場合が多い。そこで、例えば特許文献1では、ネットワークに接続されている複数の印刷デバイスのうち、最も印刷コストが低い印刷デバイスに対して印刷ジョブを出力することができる画像出力システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、プリンタのトータルなランニングコストも考慮してプリント出力単価情報を設定し、設定したプリント出力単価情報に基づいて、プリント出力要求に基づくデータを印刷するのに最適なプリンタを選択する画像形成システムが開示されている。特許文献2では、出力単価情報に基づいて最も安く印刷することができるプリンタを選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−234215号公報
【特許文献2】特開2001−229001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1及び2における印刷コストの算出は、いずれも過去の実績に基づく固定的なコストとして算出している。したがって、緊急保守作業の発生、稼働効率の一時的低下、時間帯等に応じて印刷コストを変動させることができず、印刷ジョブによっては印刷コストが実情に見合っていないおそれがあるという問題点があった。
【0007】
一方、CO2 排出量取引が一般化し、スマートグリッド、スマートビルディング等が普及するに伴い、CO2 排出量をコスト換算する等、環境負荷に応じた課金体系に対する要望も強くなってきている。この場合、印刷ジョブの実行時の電力単価、CO2 排出量に加えて、プリンタが使用されない場合に生じる機会損失額、印刷物配送時のCO2 排出量等も考慮に入れて印刷コストを算出するべきである。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、動的に変化する環境負荷を反映させた印刷単価に基づいて最適なプリンタシステムを選択して提供することができるシステム、方法、最適なプリンタシステムを提供するシステムで用いる印刷サーバ及び該印刷サーバで実行することが可能なコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために第1発明に係るシステムは、ネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してある複数のプリンタシステムの中から印刷ジョブを実行するプリンタシステムを選択する印刷サーバと、該印刷サーバとネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してあり、印刷ジョブを生成して送信するクライアントとを備え、前記印刷サーバは、稼働中のプリンタシステムについて、少なくとも環境負荷に関する情報を含む単価算出基礎情報を所定のタイミングで取得する基礎情報取得部と、取得した単価算出基礎情報に基づいて、プリンタシステムごとの印刷単価を算出する単価算出部と、算出した印刷単価を、プリンタシステムを識別する識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、前記印刷単価及び前記識別情報を前記クライアントへ送信する送信部とを備え、前記クライアントは、前記印刷単価及び前記識別情報を受信する受信部と、受信した識別情報の中から、一の識別情報の選択を受け付ける選択受付部と、選択を受け付けた識別情報に対応するプリンタシステムで実行することが可能な印刷ジョブを生成して送信する印刷ジョブ生成部とを備える。
【0010】
また、第2発明に係るシステムは、第1発明において、前記クライアントは、印刷ジョブを実行するプリンタシステムを特定するための条件に関する情報の指定を受け付ける条件指定受付部と、指定を受け付けた条件に関する情報を前記印刷サーバへ送信する条件送信部とを備え、前記印刷サーバは、前記条件に関する情報を受信する条件受信部と、受信した条件に関する情報を満たすプリンタシステムを抽出するプリンタシステム抽出部とを備え、前記送信部は、抽出したプリンタシステムを識別する識別情報及び対応する印刷単価を前記クライアントへ送信するようにしてある。
【0011】
また、第3発明に係るシステムは、第1又は第2発明において、前記単価算出基礎情報は、少なくともCO2 排出量取引の市場価格に関する情報を含む。
【0012】
次に、上記目的を達成するために第4発明に係る印刷サーバは、印刷ジョブを生成して送信するクライアントと、ネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してあり、ネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してある複数のプリンタシステムの中から印刷ジョブを実行するプリンタシステムを選択する印刷サーバにおいて、稼働中のプリンタシステムについて、少なくとも環境負荷に関する情報を含む単価算出基礎情報を所定のタイミングで取得する基礎情報取得部と、取得した単価算出基礎情報に基づいて、プリンタシステムごとの印刷単価を算出する単価算出部と、算出した印刷単価を、プリンタシステムを識別する識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、前記印刷単価及び前記識別情報を前記クライアントへ送信する送信部とを備える。
【0013】
また、第5発明に係る印刷サーバは、第4発明において、印刷ジョブを実行するプリンタシステムを特定するための条件に関する情報を受信する条件受信部と、受信した条件に関する情報を満たすプリンタシステムを抽出するプリンタシステム抽出部とを備える。
【0014】
また、第6発明に係る印刷サーバは、第4又は第5発明において、前記単価算出基礎情報は、少なくともCO2 排出量取引の市場価格に関する情報を含む。
【0015】
次に、上記目的を達成するために第7発明に係る方法は、ネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してある複数のプリンタシステムの中から印刷ジョブを実行するプリンタシステムを選択する印刷サーバと、該印刷サーバとネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してあり、印刷ジョブを生成して送信するクライアントとを備えるシステムで印刷する方法であって、前記印刷サーバは、稼働中のプリンタシステムについて、少なくとも環境負荷に関する情報を含む単価算出基礎情報を所定のタイミングで取得する工程と、取得した単価算出基礎情報に基づいて、プリンタシステムごとの印刷単価を算出する工程と、算出した印刷単価を、プリンタシステムを識別する識別情報に対応付けて記憶する工程と、前記印刷単価及び前記識別情報を前記クライアントへ送信する工程とを含み、前記クライアントは、前記印刷単価及び前記識別情報を受信する工程と、受信した識別情報の中から、一の識別情報の選択を受け付ける工程と、選択を受け付けた識別情報に対応するプリンタシステムで実行することが可能な印刷ジョブを生成して送信する工程とを含む。
【0016】
また、第8発明に係る方法は、第7発明において、前記クライアントは、印刷ジョブを実行するプリンタシステムを特定するための条件に関する情報の指定を受け付ける工程と、指定を受け付けた条件に関する情報を前記印刷サーバへ送信する工程とを含み、前記印刷サーバは、前記条件に関する情報を受信する工程と、受信した条件に関する情報を満たすプリンタシステムを抽出する工程とを含み、抽出したプリンタシステムを識別する識別情報及び対応する印刷単価を前記クライアントへ送信する。
【0017】
また、第9発明に係る方法は、第7又は第8発明において、前記単価算出基礎情報は、少なくともCO2 排出量取引の市場価格に関する情報を含む。
【0018】
次に、上記目的を達成するために第10発明に係るコンピュータプログラムは、印刷ジョブを生成するクライアントと、ネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してあり、ネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してある複数のプリンタシステムの中から印刷ジョブを実行するプリンタシステムを選択する印刷サーバで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記印刷サーバを、稼働中のプリンタシステムについて、少なくとも環境負荷に関する情報を含む単価算出基礎情報を所定のタイミングで取得する基礎情報取得手段、取得した単価算出基礎情報に基づいて、プリンタシステムごとの印刷単価を算出する単価算出手段、算出した印刷単価を、プリンタシステムを識別する識別情報に対応付けて記憶する記憶手段、及び前記印刷単価及び前記識別情報を前記クライアントへ送信する送信手段として機能させる。
【0019】
また、第11発明に係るコンピュータプログラムは、第10発明において、前記印刷サーバを、印刷ジョブを実行するプリンタシステムを特定するための条件に関する情報を受信する条件受信手段、及び受信した条件に関する情報を満たすプリンタシステムを抽出するプリンタシステム抽出手段として機能させる。
【0020】
また、第12発明に係るコンピュータプログラムは、第10又は第11発明において、前記単価算出基礎情報は、少なくともCO2 排出量取引の市場価格に関する情報を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、印刷単価の算出に環境負荷も反映させることができ、サービス提供者のリソース利用効率の向上と、使用者の環境負荷低減とを両立させることが可能となる。また使用者は、環境負荷を反映させた印刷単価を所定のタイミング、例えば定期的に取得することができ、取得した印刷単価に基づいて最適なプリンタシステムを選択することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る、環境負荷を考慮した最適なプリンタシステムを提供するクラウド印刷システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムで用いるクライアントを、CPUを用いて構成した例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムで用いるプリンタシステムの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムの機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムのプリンタシステム選択画面の例示図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムの単価算出部で印刷単価を算出するために取得する情報の流れを示す概念図である。
【図7】単価算出モデルの例示図である。
【図8】複数の単価算出モデルを組み合わせて一の印刷単価算出モデルを求める例示図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムの印刷サーバのCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムのクライアントのCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムの印刷サーバのCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態に係る、環境負荷を考慮した最適なプリンタシステムを提供するシステムについて、図面に基づいて具体的に説明する。以下の実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、実施の形態の中で説明されている特徴的事項の組み合わせの全てが解決手段の必須事項であるとは限らないことは言うまでもない。
【0024】
また、本発明は多くの異なる態様にて実施することが可能であり、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるべきものではない。実施の形態を通じて同じ要素には同一の符号を付している。
【0025】
以下の実施の形態では、コンピュータシステムにコンピュータプログラムを導入した装置について説明するが、当業者であれば明らかな通り、本発明はその一部をコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムとして実施することができる。したがって、本発明は、環境負荷を考慮した最適なプリンタシステムを提供するシステムというハードウェアとしての実施の形態、ソフトウェアとしての実施の形態、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせの実施の形態をとることができる。コンピュータプログラムは、ハードディスク、DVD、CD、光記憶装置、磁気記憶装置等の任意のコンピュータで読み取ることが可能な記録媒体に記録することができる。
【0026】
本発明の実施の形態によれば、印刷単価の算出に環境負荷も反映させることができ、サービス提供者のリソース利用効率の向上と、使用者の環境負荷低減とを両立させることが可能となる。また使用者は、環境負荷を反映させた印刷単価を所定のタイミング、例えば定期的に取得することができ、取得した印刷単価に基づいて最適なプリンタシステムを選択することが可能となる。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態に係る、環境負荷を考慮した最適なプリンタシステムを提供するクラウド印刷システムの構成を模式的に示すブロック図である。本発明の実施の形態に係る、環境負荷を考慮した最適なプリンタシステムを提供するクラウド印刷システムは、印刷サーバ1と、使用者が用いる複数のクライアント3、3、・・・と、印刷サービスを提供するサービス提供者が用いるプリンタシステム4、4、・・・とが、ネットワーク2を介してデータ通信することが可能に接続されている。
【0028】
印刷サーバ1は、少なくともCPU(中央演算装置)11、メモリ12、記憶装置13、I/Oインタフェース14、ビデオインタフェース15、可搬型ディスクドライブ16、通信インタフェース17及び上述したハードウェアを接続する内部バス18で構成されている。
【0029】
CPU11は、内部バス18を介して印刷サーバ1の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置13に記憶しているコンピュータプログラム100に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ12は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラム100の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム100の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0030】
記憶装置13は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶装置13に記憶しているコンピュータプログラム100は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体90から、可搬型ディスクドライブ16によりダウンロードされ、実行時には記憶装置13からメモリ12へ展開して実行される。もちろん、通信インタフェース17を介してネットワーク2に接続されている外部のコンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
【0031】
なお、プリンタシステム4ごとの印刷単価を算出するために必要となる単価算出基礎情報(以下、基礎情報という)、例えば単価算出ポリシーに関する情報、電力単価に関する情報、CO2 取引単価に関する情報、排出権相場情報等は、外部機関が使用する外部のコンピュータから取得すれば足りるが、外部のコンピュータから読み出して記憶装置13に記憶しておいても良い。
【0032】
通信インタフェース17は内部バス18に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワーク2に接続されることにより、クライアント3、3、・・・、プリンタシステム4、4、・・・、外部のコンピュータ等とデータ送受信を行うことが可能となっている。
【0033】
I/Oインタフェース14は、キーボード21、マウス22等のデータ入力媒体と接続され、データの入力を受け付ける。また、ビデオインタフェース15は、CRTモニタ、LCD等の表示装置23と接続され、所定の画像を表示する。
【0034】
クライアント3は、印刷を所望する使用者が、プリンタシステム4で実行することが可能な印刷ジョブを生成し、印刷サーバ1へ送信する。図2は、本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムで用いるクライアント3を、CPUを用いて構成した例を示すブロック図である。本発明の実施の形態に係るクライアント3は、印刷サーバ1と、ネットワーク2を介してデータ通信することが可能に接続されている。
【0035】
クライアント3は、少なくともCPU(中央演算装置)31、メモリ32、記憶装置33、I/Oインタフェース34、ビデオインタフェース35、可搬型ディスクドライブ36、通信インタフェース37及び上述したハードウェアを接続する内部バス38で構成されている。
【0036】
CPU31は、内部バス38を介してクライアント3の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置33に記憶しているコンピュータプログラム110に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ32は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラム110の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム110の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0037】
記憶装置33は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶装置33に記憶しているコンピュータプログラム110は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体95から、可搬型ディスクドライブ36によりダウンロードされ、実行時には記憶装置33からメモリ32へ展開して実行される。もちろん、通信インタフェース37を介してネットワーク2に接続されている外部のコンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
【0038】
通信インタフェース37は内部バス38に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワーク2に接続されることにより、印刷サーバ1及び外部のコンピュータ等とデータ送受信を行うことが可能となっている。
【0039】
I/Oインタフェース34は、キーボード24、マウス25等のデータ入力媒体と接続され、データの入力を受け付ける。また、ビデオインタフェース35は、CRTモニタ、LCD等の表示装置26と接続され、所定の画像を表示する。
【0040】
プリンタシステム4は、ネットワーク2を介して印刷サーバ1とデータ通信することが可能に接続してあり、消耗品残量、稼働状態に関する情報、トナー価格、用紙価格等の印刷単価を算出するために必要となる基礎情報を印刷サーバ1へ送信する。基礎情報を送信するタイミングは一定時間間隔で定期的に送信しても良いし、トナー価格の更新時のように条件が更新された時点で送信するようにしても良い。
【0041】
図3は、本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムで用いるプリンタシステム4の構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態に係るプリンタシステム4は、印刷サーバ1と、ネットワーク2を介してデータ通信することが可能に接続されている。
【0042】
プリンタシステム4は、プリンタ42及びプリンタ42の動作を制御し、プリンタ42の稼働状態を抽出するコンピュータ41で構成されている。コンピュータ41は、プリンタ42の消耗品残量、稼働状態に関する情報、プリンタ42で用いるトナー価格、用紙価格等の印刷単価を算出するために必要となる基礎情報を抽出し、所定のタイミングで印刷サーバ1へ送信する。
【0043】
以下、上述した構成のクラウド印刷システムにて最適なプリンタシステム4を選択して印刷ジョブを実行する方法について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムの機能ブロック図である。
【0044】
図4において、印刷サーバ1の基礎情報取得部101は、ネットワーク2を介してデータ通信することが可能に接続されているプリンタシステム4、4、・・・、あるいは外部機関40が使用する外部のコンピュータを検索し、サービス提供者が印刷サービスを提供するプリンタシステム4の消耗品残量、稼働状態に関する情報、トナー価格、用紙価格等の印刷単価を算出するために必要となる基礎情報、及び環境負荷を考慮して印刷単価を算出するために必要となる基礎情報を取得する。取得するタイミングは特に限定されるものではないが、環境負荷を略リアルタイムに反映させた印刷単価を算出するためには、一定時間間隔(例えば1秒間隔)で定期的に取得することが好ましい。もちろん、いずれかの基礎情報が更新された時点で取得しても良い。
【0045】
単価算出部102は、取得した基礎情報に基づいて、プリンタシステム4ごとの印刷単価を算出する。基礎情報には、印刷条件ごとの使用電力量、発電方式の比率等の環境負荷に関する情報の他、単位時間当たりの印刷ジョブ数、待機時間、ジョブスケジューリングポリシーに関する情報、消耗品保守コスト等が含まれる。
【0046】
従来のクラウド印刷システムと異なるのは、取得する基礎情報に少なくとも環境負荷を考慮して印刷単価を算出するために必要となる基礎情報が含まれている点である。ここで、環境負荷を考慮して印刷単価を算出するために必要となる基礎情報とは、環境保護に関与する情報全般を意味しており、例えば発電方式ごとの電力単価、時間帯による電力単価、電力売買取引市場価格、CO2 排出量取引市場価格、気象情報、税制に関する情報等を意味している。例えばサービス提供者から取得した発電方式の比率と併用することにより、略リアルタイムに価格変動に対応した印刷単価を算出することができる。
【0047】
各プリンタシステム4から取得する基礎情報は、時間に応じて変動する、予測を含む連続した値であることが多い。より具体的には、1印刷ジョブ当たりの使用されるハードウェアの減価償却費用を含む印刷ジョブ実行コスト、1印刷ジョブ当たりの必要な電力単価、1印刷ジョブ当たりのCO2 排出量、プリンタ稼働率に基づく割引率、サービス提供者が有しているCO2 排出枠等である。
【0048】
また、サービス提供者ではなく外部機関40、例えば電力会社、CO2 排出量取引者等からも、必要な基礎情報を取得することが好ましい。より具体的には、発電方式ごとの使用電力量当たりのコスト、発電方式ごとの使用電力量当たりのCO2 排出量、発電方式ごとの使用電力量当たりの税額(国ごと、地域ごと)、CO2 排出権の取得単価、排出枠を超過した場合の罰金額等である。
【0049】
単価記憶部(記憶部)103は、算出した印刷単価を、プリンタシステム4を識別する識別情報に対応付けた印刷単価情報として記憶装置13に記憶する。印刷単価情報は、時系列あるいは単位時間当たりのジョブ数等の指標に応じて連続的に変化する値として記憶され、金額だけでなく、プリンタシステム4を提供する印刷サービスの環境に対する属性情報も含む。例えば発電方式、印刷ジョブの実行時間帯、天候等が属性情報として記憶される。
【0050】
印刷単価送信部(送信部)104は、サービス提供者が提供するプリンタシステム4ごとに、印刷する条件に応じた印刷単価情報を、プリンタシステム4を識別する識別情報とともに送信する。印刷する条件は、事前に設定されていても良いし、都度、使用者による入力を受け付けても良い。
【0051】
クライアント3は、アプリケーション200が常時稼働しており、印刷単価受信部(受信部)201は、識別情報に対応付けた印刷単価情報を受信して選択受付部202へ送信する。アプリケーション200は、印刷要求の入力を受け付け、印刷要求の入力を受け付けた時点で選択受付部202が稼働する。
【0052】
選択受付部202は、受信した印刷単価情報及び識別情報に基づいてサービス提供者が用いるプリンタシステム4を識別する識別情報の選択を受け付ける。具体的には、プリンタシステム4の選択画面を表示して、選択を受け付ける。図5は、本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムのプリンタシステム選択画面の例示図である。
【0053】
図5の例では、印刷条件として「近傍プリンタ」、「同一ビル限定」、「印刷単価範囲が5円以上7円以下」、「待機時間5分以内」等の印刷する条件の入力を受け付け、受け付けた印刷する条件に合致するプリンタシステム4の存在場所を、プリンタシステム4を識別する識別情報とともにグラフィカルに表示している。プリンタシステム4に関する詳細な情報は、常時表示しても良いし、表示されるカーソルの位置がプリンタシステム4が表示されている位置の近くへ移動した場合にのみ表示しても良い。使用者がマウス25を介して、選択するプリンタシステム4にカーソルを合わせてクリック操作することにより、プリンタシステム4の選択を受け付けることができる。
【0054】
図4に戻って、選択受付部202で一の識別情報の選択を受け付けた場合、すなわちプリンタシステム4の選択を受け付けた場合、印刷ジョブ生成部203は、選択を受け付けたプリンタシステム4で実行することが可能な印刷ジョブを生成して、選択を受け付けたプリンタシステム4を識別する識別情報に対応付けて印刷サーバ1へ送信する。
【0055】
印刷サーバ1のジョブ処理部105は、使用者のクライアント3から印刷ジョブを受信し、印刷する条件に応じて印刷ジョブのスケジューリングを実行する。使用者通知部107は、使用者のクライアント3に対して印刷ジョブの処理結果を通知し、クライアント3の結果表示部204は、印刷ジョブの処理結果を表示することにより、使用者へ通知する。
【0056】
なお、クライアント3にて使用者が、印刷ジョブを実行するプリンタシステム4を特定するための条件に関する情報を指定しても良い。この場合、アプリケーション200は、条件指定画面を表示し、条件指定受付部205は、印刷ジョブを実行するプリンタシステム4を特定するための条件に関する情報の指定を受け付ける。条件送信部206は、指定を受け付けた条件に関する情報を印刷サーバ1へ送信する。
【0057】
印刷サーバ1の条件受信部108は、指定を受け付けた条件に関する情報を受信し、ジョブ処理部105へ送信する。ジョブ処理部105のプリンタシステム抽出部106は、ネットワーク2を介してデータ通信することが可能に接続されているプリンタシステム4の中から、受信した条件に関する情報を満たすプリンタシステム4を抽出して、抽出したプリンタシステム4を識別する識別情報に基づき、記憶されている印刷単価情報を単価記憶部103から取得する。
【0058】
使用者から指定を受け付けた条件に関する情報としては、例えば図5の画面での「近傍プリンタ」、「同一ビル限定」等のプリンタシステム4を特定するための条件に関する情報、印刷ジョブの量、「印刷単価範囲が5円以上7円以下」のような希望単価レンジ、「待機時間5分以内」等の希望納期のほか、電力リソース、CO2 排出量のような環境負荷に関する情報もプリンタシステム4を特定するための条件に関する情報として追加する。
【0059】
プリンタシステム抽出部106は、プリンタシステム4を特定するための条件に関する情報を満たすプリンタシステム4を抽出し、ジョブ処理部105は、印刷ジョブの量に基づいてプリンタシステム4の使用時間を決定する。ジョブ処理部105は、希望単価レンジに基づいて、使用時間分の印刷単価を算出し、プリンタシステム4の候補を決定する。もちろん、条件に関する情報を満たしていないプリンタシステム4を次点候補として抽出しておいても良い。
【0060】
印刷単価送信部104は抽出されたプリンタシステム4に対応する印刷単価情報を識別情報とともにクライアント3へ送信し、クライアント3の選択受付部202は、受信した識別情報の中から一の識別情報の選択、すなわち印刷ジョブを実行するプリンタシステム4の選択を受け付ける。
【0061】
もちろん、全ての基礎情報を基礎情報取得部101から取得することに限定されるものではなく、プリンタシステム4にてサービス提供者によるパラメータの入力を受け付けても良いし、クライアント3にて使用者によるパラメータの入力を受け付けても良いし、外部のコンピュータにて外部機関40、例えば電力会社、CO2 排出権取引業者等によるパラメータの入力を受け付けても良い。図6は、本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムの単価算出部102で印刷単価を算出するために取得する情報の流れを示す概念図である。
【0062】
サービス提供者により入力されたパラメータは、サービス提供者パラメータ受付部601にて受け付けて単価算出部102へ渡す。サービス提供者により入力されるパラメータとしては、印刷条件ごとの使用電力量、発電方式の比率、単位時間当たりの印刷ジョブ数、待機時間、ジョブスケジューリングポリシーに関する情報、消耗品保守コスト等である。
【0063】
外部機関40により入力されたパラメータは、外部機関パラメータ受付部602にて受け付けて単価算出部102へ渡す。外部機関40により入力されるパラメータとしては、発電方式ごとの電力単価、時間帯による電力単価、電力売買取引市場価格、CO2 排出量取引市場価格、気象情報、税制に関する情報等の環境負荷に関する情報等である。
【0064】
使用者により入力されたパラメータは、使用者パラメータ受付部603にて受け付けて単価算出部102へ渡す。使用者により入力されるパラメータとしては、カラー印刷の有無、両面印刷の有無、用紙の品質、希望単価レンジ、希望納期等の印刷ジョブに関する情報である。これらの情報は、印刷ジョブを実行するプリンタシステム4を選択する場合のSLAとなる。
【0065】
単価算出部102は、上述した各パラメータ等に基づいて印刷単価を算出する。例えばプリンタシステム4のプリンタ42が省エネモードである場合、既に起動している他のプリンタシステム4のプリンタ42よりは印刷単価が高くなる。また、プリンタ42の稼働時間が長いほど消耗品の劣化が予想されるため、消耗品保守コストが高くなり印刷単価が高くなる。さらに、同じサイズの用紙で連続して印刷する方が用紙変更を必要としないことから印刷単価を安くすることができる。
【0066】
同様に原子力発電比率が高い方が印刷単価が安くなり、夜間印刷比率が高い方が安くなる。また、真夏で電力が不足している場合には電力の価格が高くなるので印刷単価が高くなる。さらに、CO2 排出権を多く有している国では印刷単価が安くなり、国、地域等の電力の価格、インフラの価格、送料等に応じても印刷単価が変動する。
【0067】
これらの印刷単価変動要素を総合的に勘案して、単位時間における所定の印刷ジョブ数に対する単価として印刷単価を算出する。印刷単価は、大別して(1)固定コスト分、(2)CO2 排出に関するコスト分、(3)稼働率に応じた割引率の3つで構成されている。
【0068】
(1)固定コスト分は、1つの印刷ジョブ当たりに要する固定コストとして従来と同様の方法で算出することができる。また、(2)CO2 排出に関するコスト分は、例えば消費される電力、印刷ジョブの実行により排出されるCO2 の量等、あるいは所定のCO2 排出量を超えた場合の罰金等の法制変動分を含めて算出することができる。さらに、(3)稼働率に応じた割引率は、印刷ジョブの量及び実行時間帯に応じて特定される。
【0069】
これらのパラメータを取得した単価算出部102は、記憶装置13に記憶してある単価算出モデル604に従って印刷単価を算出する。図7は、単価算出モデル604の例示図である。図7の例では、縦軸を印刷単価係数と、横軸を単位時間当たりの印刷ジョブ数としている。
【0070】
図7に示すように、単位時間当たりの印刷ジョブ数の変動に左右されず一定の印刷単価係数である固定コスト71と、単位時間当たりの印刷ジョブ数に応じて変動する印刷単価係数である変動コスト72との和として単価算出モデル604が設定されている。図7の例では、電力の単価変動、印刷ジョブの集中等は考慮せず、印刷ジョブ数の増加によりプリンタシステム4のリソースの利用効率が向上することで、印刷単価係数が低下することを前提としている。
【0071】
図8は、複数の単価算出モデルを組み合わせて一の印刷単価算出モデルを求める例示図である。図8の例では、図7に示す単価算出モデルと同様の単価算出モデル81、プリンタシステム4のプリンタ42の稼働状態に伴う電力消費量に基づく単価算出モデル82、時間帯、天候等により定まる電力価格に基づく単価算出モデル83、及び複数の単価算出モデルを組み合わせて、一の印刷単価算出モデル84を求めている。このように、単なる印刷コストだけから印刷単価を算出するのではなく、単価算出モデル82、83のような環境負荷を考慮した印刷単価を考慮に入れて、総合的な印刷単価算出モデル84を求めている。
【0072】
図9は、本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムの印刷サーバ1のCPU11の処理手順を示すフローチャートである。図9において、印刷サーバ1のCPU11は、ネットワーク2を介してデータ通信することが可能に接続されているプリンタシステム4、4、・・・、あるいは外部機関40が使用する外部のコンピュータを検索し、サービス提供者が印刷サービスを提供するプリンタシステム4の消耗品残量、稼働状態に関する情報、トナー価格、用紙価格等の印刷単価を算出するために必要となる基礎情報、及び環境負荷を考慮して印刷単価を算出するために必要となる基礎情報を取得する(ステップS901)。取得するタイミングは特に限定されるものではないが、環境負荷を略リアルタイムに反映させた印刷単価を算出するためには、一定時間間隔で定期的に取得することが好ましい。もちろん、いずれかの情報が更新された時点で取得しても良い。
【0073】
CPU11は、取得した基礎情報に基づいて、プリンタシステム4ごとの印刷単価を算出して記憶する(ステップS902)。基礎情報には、印刷条件ごとの使用電力量、発電方式の比率等の環境負荷に関する情報の他、単位時間当たりの印刷ジョブ数、待機時間、ジョブスケジューリングポリシーに関する情報、消耗品保守コスト等が含まれる。
【0074】
また、算出した印刷単価は、プリンタシステム4を識別する識別情報に対応付けた印刷単価情報として記憶装置13に記憶される。印刷単価情報は、時系列あるいはデータ量に比例した連続的な値として記憶され、金額だけでなく、プリンタシステム4を提供する印刷サービスの環境に対する属性情報も含む。例えば発電方式、印刷ジョブの実行時間帯、天候等が属性情報として記憶される。
【0075】
CPU11は、サービス提供者が提供するプリンタシステム4ごとに、印刷する条件に応じた印刷単価情報を識別情報とともに送信する(ステップS903)。印刷する条件は、事前に設定されていても良いし、都度、使用者による入力を受け付けても良い。
【0076】
CPU11は、使用者のクライアント3から印刷ジョブを受信し(ステップS904)、印刷ジョブを実行するプリンタシステム4を特定して(ステップS905)、印刷する条件に応じて印刷ジョブのスケジューリングを実行する。CPU11は、スケジューリングに応じて、印刷ジョブをプリンタシステム4へ転送する(ステップS906)。
【0077】
なお、クライアント3にて使用者が、印刷ジョブを実行するプリンタシステム4を特定するための条件に関する情報を指定しても良い。図10は、本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムのクライアント3のCPU31の処理手順を示すフローチャートである。図10において、クライアント3のCPU31は、印刷ジョブを実行するプリンタシステム4を特定するための条件に関する情報の指定を受け付ける(ステップS1001)。条件に関する情報の指定の受付は、図5に示すプリンタシステム4の選択画面からの入力として受け付けても良いし、別個の条件指定受付画面からの入力として受け付けても良い。CPU31は、指定を受け付けた条件に関する情報を印刷サーバ1へ送信する(ステップS1002)。
【0078】
図11は、本発明の実施の形態に係るクラウド印刷システムの印刷サーバ1のCPU11の処理手順を示すフローチャートである。図11において、印刷サーバ1のCPU11は、指定を受け付けた条件に関する情報を受信し(ステップS1101)、受信した条件に関する情報に基づいて、印刷ジョブを実行するプリンタシステムの候補を抽出する(ステップS1102)。
【0079】
CPU11は、抽出されたプリンタシステムの候補ごとに印刷単価情報を記憶装置13から取得して(ステップS1103)、取得した印刷単価情報を、プリンタシステムの候補を識別する識別情報に対応付けてクライアント3へ送信する(ステップS1104)。
【0080】
図10に戻って、クライアント3のCPU31は、送信した条件に関する情報に応じて抽出されたプリンタシステム4に対応する印刷単価情報及び識別情報を印刷サーバ1から受信し(ステップS1003)、受信した識別情報の中から一の識別情報を選択、すなわち印刷ジョブを実行するプリンタシステム4の選択を受け付ける(ステップS1004)。選択を受け付ける方法は図5の例で説明したのと同様である。
【0081】
CPU31は、印刷ジョブを生成して(ステップS1005)、選択を受け付けたプリンタシステム4を識別する識別情報と対応付けた印刷ジョブを印刷サーバ1へ送信する(ステップS1006)。
【0082】
以上のように本実施の形態によれば、印刷単価の算出に環境負荷も反映させることができ、サービス提供者のリソース利用効率の向上と、使用者の環境負荷低減とを両立させることが可能となる。また使用者は、略リアルタイムに環境負荷を反映させた印刷単価を所定のタイミング、例えば定期的に取得することができ、環境負荷を考慮した最適なプリンタシステム4を選択することが可能となる。
【0083】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変更、改良等が可能である。例えば本実施の形態では、プリンタシステム4を条件に関する情報を満たす候補の中から選択しているが、特に選択して印刷することに限定されるものではなく、プリンタシステム4ごとに条件に関する情報を満たす程度を示す条件合致度を算出して、最も条件合致度の高いプリンタシステム4を印刷サーバ1が選択するものであっても良い。
【符号の説明】
【0084】
1 印刷サーバ
2 ネットワーク
3 クライアント
4 プリンタシステム
11、31 CPU
12、32 メモリ
13、33 記憶装置
14、34 I/Oインタフェース
15、35 ビデオインタフェース
16、36 可搬型ディスクドライブ
17、37 通信インタフェース
18、38 内部バス
90、95 可搬型記録媒体
100、110 コンピュータプログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してある複数のプリンタシステムの中から印刷ジョブを実行するプリンタシステムを選択する印刷サーバと、
該印刷サーバとネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してあり、印刷ジョブを生成して送信するクライアントと
を備え、
前記印刷サーバは、
稼働中のプリンタシステムについて、少なくとも環境負荷に関する情報を含む単価算出基礎情報を所定のタイミングで取得する基礎情報取得部と、
取得した単価算出基礎情報に基づいて、プリンタシステムごとの印刷単価を算出する単価算出部と、
算出した印刷単価を、プリンタシステムを識別する識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、
前記印刷単価及び前記識別情報を前記クライアントへ送信する送信部と
を備え、
前記クライアントは、
前記印刷単価及び前記識別情報を受信する受信部と、
受信した識別情報の中から、一の識別情報の選択を受け付ける選択受付部と、
選択を受け付けた識別情報に対応するプリンタシステムで実行することが可能な印刷ジョブを生成して送信する印刷ジョブ生成部と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記クライアントは、
印刷ジョブを実行するプリンタシステムを特定するための条件に関する情報の指定を受け付ける条件指定受付部と、
指定を受け付けた条件に関する情報を前記印刷サーバへ送信する条件送信部と
を備え、
前記印刷サーバは、
前記条件に関する情報を受信する条件受信部と、
受信した条件に関する情報を満たすプリンタシステムを抽出するプリンタシステム抽出部と
を備え、
前記送信部は、抽出したプリンタシステムを識別する識別情報及び対応する印刷単価を前記クライアントへ送信するようにしてある請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記単価算出基礎情報は、少なくともCO2 排出量取引の市場価格に関する情報を含む請求項1又は2記載のシステム。
【請求項4】
印刷ジョブを生成して送信するクライアントと、ネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してあり、ネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してある複数のプリンタシステムの中から印刷ジョブを実行するプリンタシステムを選択する印刷サーバにおいて、
稼働中のプリンタシステムについて、少なくとも環境負荷に関する情報を含む単価算出基礎情報を所定のタイミングで取得する基礎情報取得部と、
取得した単価算出基礎情報に基づいて、プリンタシステムごとの印刷単価を算出する単価算出部と、
算出した印刷単価を、プリンタシステムを識別する識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、
前記印刷単価及び前記識別情報を前記クライアントへ送信する送信部と
を備える印刷サーバ。
【請求項5】
印刷ジョブを実行するプリンタシステムを特定するための条件に関する情報を受信する条件受信部と、
受信した条件に関する情報を満たすプリンタシステムを抽出するプリンタシステム抽出部と
を備える請求項4記載の印刷サーバ。
【請求項6】
前記単価算出基礎情報は、少なくともCO2 排出量取引の市場価格に関する情報を含む請求項4又は5記載の印刷サーバ。
【請求項7】
ネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してある複数のプリンタシステムの中から印刷ジョブを実行するプリンタシステムを選択する印刷サーバと、
該印刷サーバとネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してあり、印刷ジョブを生成して送信するクライアントと
を備えるシステムで印刷する方法であって、
前記印刷サーバは、
稼働中のプリンタシステムについて、少なくとも環境負荷に関する情報を含む単価算出基礎情報を所定のタイミングで取得する工程と、
取得した単価算出基礎情報に基づいて、プリンタシステムごとの印刷単価を算出する工程と、
算出した印刷単価を、プリンタシステムを識別する識別情報に対応付けて記憶する工程と、
前記印刷単価及び前記識別情報を前記クライアントへ送信する工程と
を含み、
前記クライアントは、
前記印刷単価及び前記識別情報を受信する工程と、
受信した識別情報の中から、一の識別情報の選択を受け付ける工程と、
選択を受け付けた識別情報に対応するプリンタシステムで実行することが可能な印刷ジョブを生成して送信する工程と
を含む方法。
【請求項8】
前記クライアントは、
印刷ジョブを実行するプリンタシステムを特定するための条件に関する情報の指定を受け付ける工程と、
指定を受け付けた条件に関する情報を前記印刷サーバへ送信する工程と
を含み、
前記印刷サーバは、
前記条件に関する情報を受信する工程と、
受信した条件に関する情報を満たすプリンタシステムを抽出する工程と
を含み、
抽出したプリンタシステムを識別する識別情報及び対応する印刷単価を前記クライアントへ送信する請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記単価算出基礎情報は、少なくともCO2 排出量取引の市場価格に関する情報を含む請求項7又は8記載の方法。
【請求項10】
印刷ジョブを生成するクライアントと、ネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してあり、ネットワークを介してデータ通信することが可能に接続してある複数のプリンタシステムの中から印刷ジョブを実行するプリンタシステムを選択する印刷サーバで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記印刷サーバを、
稼働中のプリンタシステムについて、少なくとも環境負荷に関する情報を含む単価算出基礎情報を所定のタイミングで取得する基礎情報取得手段、
取得した単価算出基礎情報に基づいて、プリンタシステムごとの印刷単価を算出する単価算出手段、
算出した印刷単価を、プリンタシステムを識別する識別情報に対応付けて記憶する記憶手段、及び
前記印刷単価及び前記識別情報を前記クライアントへ送信する送信手段
として機能させるコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記印刷サーバを、
印刷ジョブを実行するプリンタシステムを特定するための条件に関する情報を受信する条件受信手段、及び
受信した条件に関する情報を満たすプリンタシステムを抽出するプリンタシステム抽出手段
として機能させる請求項10記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記単価算出基礎情報は、少なくともCO2 排出量取引の市場価格に関する情報を含む請求項10又は11記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−68699(P2012−68699A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210581(P2010−210581)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100117260
【弁理士】
【氏名又は名称】福永 正也
【Fターム(参考)】