説明

環境負荷量計算装置、その計算方法、およびプログラム

【課題】屋内及び屋外において、装置単体で環境負荷量を算出できる環境負荷量算出装置を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる環境負荷量算出装置101は、現在地を取得する位置情報取得部102と、少なくとも気温、湿度、及び照度のいずれか1以上を測定する測定部103と、位置情報と関連づけられた、気候に関する情報である気候情報を取得する気候情報取得部104と、測定部の測定結果と気候情報との差に基づいて環境に与える負荷である環境負荷を算出するための環境負荷係数を記憶した環境負荷係数記憶部105と、測定結果と、現在地の気候情報と、環境負荷係数とに基づき、環境に与える負荷量である環境負荷量を算出する環境負荷量算出部106とを有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は環境負荷量計算装置、その計算方法、およびプログラムに関し、特にエネルギー消費に関する環境負荷量計算装置、その計算方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題が大きく問題となっている。環境問題を解決する手段の1つとして省エネルギー化を推進するべきであるが、省エネルギーを行う上では、現時点でどの程度エネルギーを消費し、そのエネルギーの消費により、どの程度環境に影響を与えているかを把握することが重要である。
【0003】
特許文献1には、移動手段を推定し、環境負荷量を計算する装置に関する技術が記載されている。特許文献1に記載の技術は、利用者の位置を位置計測部で計測し、その履歴を履歴記憶部に記憶する。そして、当該記憶された履歴と、位置情報とをもとに利用者の移動状態、すなわち移動手段と移動距離とを特定する。次に、移動状態と、移動方法毎の環境負荷量データをもとに、利用者の移動に伴う環境負荷量を計算して、環境負荷量表示部に表示する。
【0004】
特許文献2には、移動型の環境計測システムに関する技術が記載されている。特許文献2に記載の技術は、移動型の環境計測装置が、温度、湿度、及び大気中のガス濃度と位置情報により、都市の環境測定を行うシステムである。
【0005】
特許文献3には、住宅内環境ナビゲーションシステムに関する技術が記載されている。特許文献3に記載の技術は、屋内環境及び屋外環境を測定する。また、屋内設備監視手段によって屋内設備の作動状況を監視する。そして、エネルギー監視手段により、エネルギーの使用状況や、太陽光発電等による発電状況等の監視を行う。そして、これらの情報をもとに、最適環境提案手段が屋内環境の最適化条件を演算して、屋内の最適な条件の提案を作成するものである。
【0006】
特許文献4には、屋内、屋外の環境計測を実施し、空調機器などを制御するシステムに関する技術が記載されている。特許文献4に記載の技術は、環境調整機器の需要電力を予測し、当該重要電力が閾値を超えないように、環境調整機器を制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−190001号公報
【特許文献2】特開2008−170249号公報
【特許文献3】特開2006−300428号公報
【特許文献4】特開2009−225629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、移動手段による環境負荷量を計算する装置であり、移動手段に乗車している場合以外の場所における環境負荷量は考慮されていないという課題がある。
【0009】
また、特許文献2に記載の技術では、屋外の環境を測定することはできるが、屋内の利用は考慮していないという課題がある。
【0010】
さらに、特許文献3に記載の技術は、屋外に対してもセンサ等により環境計測をする必要があり、装置単体での動作はできない。また、設置された住宅内等、特定の場所での利用を対象としており、特定の場所以外の場所における環境負荷量を計算することはできない。
【0011】
さらにまた、特許文献4に記載の技術では、屋外に対してもセンサ等により環境計測を実施する必要があり、装置単体での動作はできない。また、屋内での利用を対象としており、例えば電車の中等における環境負荷量を計算することはできない。従って、特許文献1乃至4に記載された技術では、どこででも環境負荷量を即時に計算することができるわけではない。
【0012】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、屋内及び屋外において、装置単体で環境負荷量を算出できる環境負荷量算出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明にかかる環境負荷量算出装置は、現在地を取得する位置情報取得部と、少なくとも気温、湿度、及び照度のいずれか1以上を測定する測定部と、位置情報と関連づけられた、気候に関する情報である気候情報を取得する気候情報取得部と、測定部の測定結果と気候情報との差に基づいて環境に与える負荷である環境負荷を算出するための環境負荷係数を記憶した環境負荷係数記憶部と、測定結果と、現在地の気候情報と、環境負荷係数とに基づき、環境に与える負荷量である環境負荷量を算出する環境負荷量算出部とを有するものである。
【0014】
本発明にかかる環境負荷量算出方法は、現在地を取得し、少なくとも気温、湿度、及び照度のいずれか1以上を測定し、位置情報と関連づけられた、気候に関する情報である気候情報を取得し、測定結果と気候情報との差に基づいて環境に与える負荷である環境負荷を算出するための環境負荷係数を環境負荷係数記憶部に記憶し、測定結果と、現在地の気候情報と、環境負荷係数とに基づき、環境に与える負荷量である環境負荷量を算出するものである。
【0015】
本発明にかかる環境負荷量算出プログラムは、所定の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、現在地を取得する処理と、少なくとも気温、湿度、及び照度のいずれか1以上を測定させる処理と、位置情報と関連づけられた、気候に関する情報である気候情報を取得させる処理と、測定部の測定結果と気候情報との差に基づいて環境に与える負荷である環境負荷を算出するための環境負荷係数を環境負荷係数記憶部に記憶させる処理と、測定結果と、現在地の気候情報と、環境負荷係数とに基づき、環境に与える負荷量である環境負荷量を算出する処理とを実行させるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、屋内及び屋外において、装置単体で環境負荷量を算出できる環境負荷量算出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1にかかる環境負荷量算出装置101を示す図である。
【図2】実施の形態1にかかる環境負荷量算出装置101を詳細に示す図である。
【図3】実施の形態1にかかる気候情報の一例を示す図である。
【図4】実施の形態1にかかる室内の温度と室外の温度の温度差を二酸化炭素排出量に換算するための、温度差に基づく環境負荷係数を示す表である。
【図5】実施の形態1にかかる室内の湿度と室外の湿度との湿度差を二酸化炭素排出量に換算するための、湿度差に基づく環境負荷係数を示す表である。
【図6】実施の形態1にかかる室内の照度と室外の照度の照度差を二酸化炭素排出量に換算するための環境負荷係数を示す表である。
【図7】実施の形態1にかかる表示部111に表示された環境負荷量の表示の一例を示す図である。
【図8】実施の形態1にかかる環境負荷量算出装置101の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2にかかる環境負荷量算出装置101の動作を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態3にかかるカーナビゲーションシステム701を示す図である。
【図11】実施の形態4にかかる環境負荷量算出装置801を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる環境負荷量算出装置101を示す図である。本実施の形態1に記載の環境負荷量算出装置101は、位置情報取得部102と、測定部103と、気候情報取得部104と、環境負荷係数記憶部としての環境負荷係数データベース105と、環境負荷量算出部106とを有する。
【0019】
位置情報取得部102は、現在地を取得する。測定部103は、気温、湿度及び照度のいずれか1以上を測定する。
【0020】
気候情報取得部104は、気候に関する情報を取得する。環境負荷係数データベース105は、測定部の測定結果と気候情報との差に基づいて環境に与える負荷である環境負荷を算出するための環境負荷係数を記憶する。
【0021】
環境負荷量算出部106は、測定結果と、現在地の気候情報と、環境負荷係数とに基づき、環境に与える負荷量である環境負荷量を算出する。
【0022】
これにより、本実施の形態にかかる環境負荷量算出装置は、装置単体でその場所の環境負荷量を算出することができる。
【0023】
本実施の形態にかかる環境負荷量算出装置101について、更に詳細に説明する。図2は、環境負荷量算出装置101を詳細に示す図である。環境負荷量算出装置101は、位置情報取得部102と、測定部103と、気候情報取得部104と、環境負荷係数データベース105と、環境負荷量算出部106とを有し、気候情報取得部104は、気候情報データベース107と、通信部108とを有している。そして、時刻情報取得部109と、環境負荷量操作部110と、表示部111とを有する。
【0024】
位置情報取得部102は、環境負荷量算出部106等が位置情報取得部102から位置情報の読み出しを行う際に、読み出した時点の環境負荷量算出装置101の位置情報を取得する。具体的には、GPS(Global Positioning System)受信器のような位置情報を取得可能な機能で構成される。本実施の形態では、複数のGPS(Global Positioning System)衛星から位置情報として当該GPS衛星が送信する信号を受信し、当該受信した信号に基づいて現在の緯度、経度等を算出する。位置情報取得部102として、GPSを利用した機能を用いているが、現在位置を示す位置情報を取得できればよいため、PHS機能や無線LAN機能などを使用してもよい。また、位置情報取得部102は、予め位置情報の取得に掛ける時間を設定しておき、それ以上の時間がかかった場合には、位置取得の処理を停止し、前回位置情報取得のための処理を行った際の位置情報を現在の位置情報とするようにしてもよい。
【0025】
測定部103は、気温、湿度、及び照度を測定する。測定部103は、具体的には、温度センサや湿度センサ、照度センサ等の取得できるセンサで構成される。測定部103としてのセンサ部分については、外気に触れている必要があるため、本装置筐体の外部に設置するようにするか、または、環境負荷量算出装置101本体と離れた位置に設置し、装置本体と有線又は無線で接続されるようにしてもよい。ここで、例えば本実施の形態にかかる環境負荷表示装置101が携帯電話等の機能として適用された場合には、本体装置がユーザである利用者の身体に近い部分に保持されることが予測される。このような場合、例えば気温等を測定しても、ユーザの体温に影響されて、ユーザが現在所在している場所の環境を正しく測定できない可能性があるが、そういった場合には、測定部103を本体装置と離れた位置に設置し、無線通信または有線通信を利用して本体装置と通信するようにしてもよい。
【0026】
更に、測定部103は、赤外線センサまたは超音波センサのいずれか1以上を有するようにしてもよい。これにより、ユーザがある空間内にいる場合、赤外線センサまたは超音波センサにより、その空間の大きさを測定することができる。これにより、その空間の大きさにより環境負荷係数を変更して、より厳密な環境負荷量を計算できようにしてもよい。
【0027】
照度については照度センサではなくイメージセンサを用いるようにしてもよい。イメージセンサを用いることにより、蛍光灯の光であるか、太陽の光であるか判別できる。そのため、蛍光灯の光であると判断された場合には、蛍光灯を使用することによる電力の消費を環境負荷量として算出でき、それにより、より正確に環境負荷量が算出できる。
【0028】
また、本実施の形態では、測定部103として、温度や湿度、照度を取得するとしているが、それら以外にもCO濃度などのガス濃度や黒煙粒子、花粉、ホコリ、揮発性有機化合物(VOC: volatile organic compounds)、気圧を取得し、環境負荷量と同時に表示部401に出力して表示させるようにしてもよい。この場合例えばCOの濃度をグラフにして表示するなどしてもよい。また、気圧を測定することにより、屋外と屋内の気圧差から空調機器の稼働状況を推定するよう、気圧差に関する環境負荷係数を環境負荷係数データベース105に有することにより、気圧差から環境負荷量を計算し、表示部111に表示するようにしてもよい。
【0029】
気候情報取得部104は、気候情報を記憶した気候情報データベース107及び通信部108のいずれか一方、又は両方を有する。本実施の形態においては、気候情報データベース107を用いて気候情報を取得するものとする。ここで、気候情報データベース107は、それぞれの位置に対応づけられた気候情報を記憶している。具体的には、気候情報とは、公的機関が公開する気象統計情報の過去1年間分の日時情報、位置情報、及び気象の情報を対応させたものである。図3は、気候情報の一例を示す図である。気候情報データベース107には時刻情報や緯度、経度、住所といった位置情報、温度や湿度といった気候情報が全国1年分保持されている。図3は、2008年8月11日の奈良県奈良市の気候情報を示しており、環境負荷量表示時の時刻情報が2009年8月11日11時台であり、位置情報が奈良県奈良市付近であれば、温度32.4度、湿度60%という気候情報を読み込むこととなる。なお、月日時と位置情報を必ずしも同一である必要はなく、時刻情報であれば1時間単位、位置情報であれば最も近い位置情報の気候情報を読み込んでもよい。
【0030】
ここで、気候情報データベース107について更に説明する。本実施の形態では、気候情報データベース107は過去1年分の気候に関する情報と、日時と、位置情報とを対応させた情報を有する。ここで、気候情報データベース107は、更に気候情報として気圧の情報を有するようにしてもよい。また、気候の情報として、天候の情報(晴れ、曇天、雨天)を有するようしてもよい。気候情報は、去年の同じ日時であっても、天候(晴れ、曇天、雨天)等により、大きく異なってしまう場合がある。そのため、例えば気候情報データベース107は、1週間毎(例えば9月の第1週等)の気温、湿度等の情報を時間毎に平均した、平均の天候情報を有するようにしてもよい。これにより、現在の気候情報と、気候情報データベース107の有する気候情報とのずれを小さくすることができる。また、天候が異なる場合にはさらに過去の気候情報と現在の気候情報とのずれが大きくなるため、更に詳しい情報として、例えば1週間のうち、晴れの日の平均の気候情報と、曇天の日の気候情報と、雨天の場合の平均の気候情報とを、何月の第何週の気候情報として有するようにしてもよい。これにより、天候により寒暖差が激しい季節であっても、現在の気候情報と、気候情報データベース107の有する気候情報とのずれを小さくすることができる。また、このように日時毎の気候情報と、天候に対応させた気候情報とを両方有するようにしてもよい。これにより、環境負荷量を算出する際、屋外の天候がわかる場合には天候に対応した気候情報を用い、屋外の天候が不明な場合には1週間の平均の気候情報を用いる等することができる。気候情報データベース107は、具体的には装置内のHDDやRAM、ROMで構成される。
【0031】
ところで、本実施の形態では気候情報を気候情報データベース107から取得するとしたが、気候情報データベース107に換えて、通信部108を用いて、現時点の気候情報をネットワークを介して入手するようにしてもよい。また、気候情報データベース107及び通信部108の両方を気候情報取得部104が有するようにしてもよい。
【0032】
通信部108は、具体的にはインターネット等のネットワークと接続され、当該ネットワークを介して、天気情報等を公開しているHPにアクセスする等して、外部と通信することにより、気象情報を取得する。この場合、通信部108を用いて現在の気候情報を取得することにより、より正確な気候情報を取得することができ、より正確に環境負荷量を算出することができる。
【0033】
環境負荷係数データベース105は、環境負荷係数を記憶する。ここで、環境負荷係数とは、気候情報の気温、湿度、及び照度と、測定値の気温、湿度、及び照度とのそれぞれの差に基づき設定される値であって、当該差を環境負荷量に換算するための係数である。本実施の形態においては、環境負荷係数は、環境負荷量を二酸化炭素排出量に換算する。図4は、室内の温度と室外の温度の温度差を二酸化炭素排出量に換算するための、温度差に基づく環境負荷係数を示す表である。また、図5は、室内の湿度と室外の湿度との湿度差を二酸化炭素排出量に換算するための、湿度差に基づく環境負荷係数を示す表である。そして図6は、室内の照度と室外の照度の照度差を二酸化炭素排出量に換算するための環境負荷係数を示す表である。さらに、測定部103が気圧を測定する場合、環境負荷係数データベース105は測定部103の測定した気圧と、気候情報の気圧との差に基づいて設定された環境負荷係数を有するようにしてもよい。また、環境負荷係数データベース105は、装置内のHDDやRAM、ROMで構成される。
【0034】
ここで環境負荷係数の計算方法について説明する。例えば、一般的な家庭のエアコンの1時間当たりの消費電力を2.2(kWh)とする。消費電力が1(kWh)時のCO排出量は0.373kgである。よって、1時間エアコンをフル稼働させて使用した場合のCO排出量は、0.373(kg)×2.2(kW)=0.8206(kg)となる。例えば、9時間使用した場合は、0.8206(kg)×9(h)=7.3854(kg)となる。
【0035】
本実施の形態においては、図4の温度差に基づく環境負荷係数の場合、一例として、9時間エアコンを稼働させた場合の、1度差から15度差までの係数を求めるものとする。温度差が小さい場合には、エアコンの消費電力は小さくなると考えられる。従って本実施の形態では、15度差の場合にエアコンがフル稼働するものとして、9時間フル稼働時のCO2排出量を、15等分した排出量を1度差分の排出量とする。従って1度差の場合は、
(7.3854÷15)×1=0.49236≒0.5(kg)
となり、2度差の場合は1(kg)、3度差の場合は1.5(kg)となる。また、図5に記載の湿度差に基づいた環境負荷係数では、湿度差の場合はそれほど消費電力を使用しないと仮定し、温度差の環境負荷係数に0.8をかけた値としている。また、図6に記載の照度差に基づく環境負荷係数についても、9時間使用した場合を想定し、ルクス(lx)と消費電力の関係から係数を求めたものである。なお、これらの係数の算出方法は、一例であって、これに限るものではない。
【0036】
環境負荷量算出部106は、環境負荷量操作部110の操作や定時刻(1時間おきや5分間おきなど)を契機に、各取得部(時刻情報取得部109、位置情報取得部102、測定部103及び環境負荷係数データベース105)から各種情報(時刻情報、位置情報および測定結果)を取得する。そして、気候情報取得部104の気候情報データベース107又は通信部108から得られる、同じ又は最も近い位置の気候情報(温度、湿度、照度)を取得し、それぞれ気候情報の差分を計算する。そして、差分に対して環境負荷係数データベース105から得られる環境負荷係数を積算し、積算された環境負荷量を表示部111へ出力する。ここで、環境負荷量算出部106は、環境負荷係数データベース105が気圧の情報を有する場合、測定部103の測定した気圧と気候情報データベース107の気圧との差と、気圧に基づいた環境負荷係数とを積算して環境負荷量を算出するようにしてもよい。
【0037】
時刻情報取得部109は、読み出しを行うことで読み出した時点の時刻を取得する機能と、書き込みを行うことで書き込んだ時刻を設定する機能とを有する。時刻情報取得部109は基準クロック発生部(不図示)と、この基準クロック発生部から発生されるクロックに同期して計時動作を行う時計回路(不図示)とで構成されている。
【0038】
環境負荷量操作部110は、環境負荷量の表示や装置の電源、時刻情報の設定、各種データベースの更新、位置情報のキャリブレーションを行うための操作インタフェースであり、スイッチ及びタッチパネルで構成される。
【0039】
表示部111は、環境負荷量算出部106において計算された環境負荷量を表示する。具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)で構成される。図7は、表示部111に表示された環境負荷量の表示の一例を示す図である。上段には現在地が表示され、下段には環境負荷量として二酸化炭素排出量を示すグラフが表示されている。グラフは右に伸びるほど環境負荷量が多いことを示す。本実施の形態では、現在の二酸化炭素排出量は1.8(kg)であり、気候情報と測定値との温度差による二酸化炭素排出量が0.8(kg)、湿度差による二酸化炭素排出量が0.4(kg)、照度差による二酸化炭素排出量が0.6(kg)であることを示す。なお、表示する際の形式は、本実施の形態のように各環境負荷量を個別に表示するようにしてもよいし、各環境負荷量を合算して表示してもよい。また更に、現在地として位置情報より得られる住所を表示しするようにしてもよい。またさらに測定部103が、ガス濃度や黒煙粒子、花粉、ホコリ、揮発性有機化合物(VOC)を測定する機能を有している場合には、取得した測定値を算出された環境負荷量と共に表示するようにしてもよい。
【0040】
本実施の形態においては、時刻情報と位置情報、気候情報を取得し、屋外の気候情報と比較し、環境負荷量を計算、表示することで、その場所における環境負荷量を即時に、且つ、簡易に表示することができる。
【0041】
次に環境負荷量表示までの動作を説明する。図8は、本実施の形態にかかる環境負荷量算出装置101の動作を示すフローチャートである。環境負荷量の算出は、環境負荷量操作部110を介して環境負荷量表示の指示が入力された場合、又は定時刻(1時間おきや5分間おきなど)を契機に開始される。
【0042】
まず、各種情報の取得を実施する(ステップS201)。各種情報の取得201では、時刻情報取得部109から時刻情報、位置情報取得部102から位置情報、測定部103から測定結果を取得する。位置情報の取得について、屋内では取得を試みても正常に取得できない場合があるため、予め時間を設定し、当該時間を過ぎても位置情報を正常に取得できなかった場合には、タイムアウトとして前回の位置情報を使用する。測定部103は温度や湿度、照度を取得する。
【0043】
次に、気候情報の読込を実施する(ステップS202)。ステップS202では、気候情報データベース107から気候情報を読み込む。本実施の形態では、読み込む気候情報は、時刻情報と位置情報によりフィルタリングを実施し、同月日時であり同位置情報である気候情報を読み込む。
【0044】
次に、気候情報の比較を実施する(ステップS203)。ステップS203では、各種情報の取得201と気候情報の読込202で得られた各気候情報を比較し差分を取る。例えば、温度の場合は、各種情報の取得201では26℃、気候情報の読込202では30℃を取得できた場合、−4℃が差分となる。
【0045】
次に、環境負荷係数の読込を実施する(ステップS204)。ステップS204では、環境負荷係数データベース105から温度差や湿度差に基づいた環境負荷係数を読み込む。
【0046】
次に、環境負荷量の計算を実施する(ステップS205)。ステップS205では、ステップS203で得られた温度差分や湿度差分に対して、各環境負荷係数を積算する。照度に関しては、位置情報の取得タイムアウトが発生している場合、又は照度センサとしてイメージセンサを用いている場合に、蛍光灯の光であることが判別できた場合は、屋内と判断し照明光として環境負荷係数を積算する。位置情報の取得が正常に完了している場合には太陽光と判断し環境負荷係数を0として積算し、照度としての環境負荷量は0とする。
【0047】
最後に、環境負荷量の表示を実施する(ステップS206)。ステップS206では、ステップS205で得られた各環境負荷量を表示部111に表示する。ここで、温度や湿度、照度を取得した場合の例であり、ガス濃度や黒煙粒子、花粉、ホコリ、揮発性有機化合物(VOC)を取得した場合には、算出された環境負荷量と共に表示するようにしてもよい。
【0048】
本実施の形態にかかる環境負荷量算出装置101は、装置自体が取得した測定値と、装置内に保持している気候情報とを比較し、環境負荷係数により環境負荷量を計算、表示しているので、装置単体で環境負荷量を計算、表示できる。更に、照度センサやイメージセンサ、位置情報により、太陽光以外の照明光を判断している場合には、装置単体で照明光による環境負荷量を計算、表示できる。さらにまた、その場所における測定値を取得し、環境負荷量を計算、表示しているので、その場所において快適な環境を作るために発生している環境負荷量を把握できる。また、現時点の測定値を取得して環境負荷量を計算、表示しているので、リアルタイム性の高い表示ができる。
【0049】
実施の形態2
本実施の形態にかかる環境負荷量算出装置101は、実施の形態1にかかる環境負荷量算出装置101と同一の構成を有する。しかし、本実施の形態にかかる環境負荷量算出装置の位置情報取得部102は、環境負荷量算出装置101が現在屋外にあるが屋内にあるかを判断する点が異なる。以下に本実施の形態にかかる環境負荷量算出装置101について説明する。
【0050】
本実施の環境負荷量算出装置101の有する位置情報取得部102は、実施の形態1と同様に、複数の位置情報を受信し、当該複数の位置情報に基づいて現在地を特定すると共に受信可能な位置情報の数に基づいて、環境負荷算出装置が屋内にあるか屋外にあるか判断する。具体的には、GPS(Global Positioning System)受信器のような位置情報を取得可能な機能で構成される。本実施の形態では、複数のGPS(Global Positioning System)衛星から位置情報として当該GPS衛星が送信する信号を受信し、当該受信した信号に基づいて現在の緯度、経度等を算出するが、本実施の形態ではさらに、位置情報の精度、言いかえれば受信可能な位置情報の数に基づいて、環境負荷算出装置101が屋内にあるか屋外にあるか判断する。GPS衛星から受信した電波をもとに測位する場合、GPS衛星からの信号を4以上受信しなければならない。よって、本実施の形態では例えば、測位状態が測位可であり、衛星数が4以上であれば環境負荷量算出装置101が屋外にあるとし、それ以外は屋内にあるとするといった判断をするようにしてもよい。また他にも例えば、GPS衛星を用いて位置を測位する部品としてのGPSモジュールには、「測位可」や「測位不可」といった位置の検出の状態を示す「測位状態」という情報を出力するものを使用する場合は、その情報を取得するように提供してもよい。また、上記の「測位状態」と、受信した信号の衛星数によって屋内か屋外を判断するようにしてもよい。またさらに、位置情報を取得する際に、予め定めておいた時間が経過しても正常な位置情報が取得できなかった場合に、環境負荷量算出装置101が屋内あると位置情報取得部102が判断するようにしてもよい。
【0051】
そして、位置情報取得部102が、環境負荷算出装置101は屋外にあると判断した場合、気候情報取得部104は、測定部103を介して屋外の気温、湿度、及び照度等を測定する。そして、気候情報データベース107に当該測定値を気候情報として書き込む。
【0052】
図9は、本実施の形態にかかる環境負荷量算出装置101の動作を示すフローチャートである。環境負荷量算出装置101が屋内にあるか、屋外にあるかを判断し、気候情報取得部104が気候情報データベース107に測定部103の測定値を書き込む部分以外は実施の形態1の動作と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
各種情報の取得であるステップS201の後、位置情報取得部102は屋内判断を行う(ステップS601)。屋内であると判断された場合(ステップS601:No)、気候情報を読み込む(ステップS202)。
【0054】
ステップS601において、屋外であると判断された場合(ステップS602)、気候情報データベース107に気候情報の書込を行い(ステップS602)、気候情報を気候情報データベース107に書き込む。ステップS602以降の動作は、実施の形態1と同様である。
【0055】
ここで、屋内と判断する場合について、位置情報取得時の精度が低い場合のみでなく、位置情報を取得する処理において、タイムアウトが発生した場合としてもよい。この場合には、位置情報取得においてタイムアウトが発生した場合、屋内に移動したと判断する。更に、前回取得した温度との差分が大きい場合(例えば5℃以上の差があった場合)、又は前回取得した気圧との差分が大きい場合に、屋外に移動したと判断してもよい。さらに、これらの判断方法を組み合わせて、位置情報取得時の精度が低い場合に、前回取得した温度差と、現在測定されている温度とのの差分を求め、決められた閾値以上の差分がある場合には、屋内に移動したと判断するようにしてもよい。屋外と判断された後の動作は、上記の実施例と同様である。
【0056】
これにより、公的機関が公開する気象統計情報すべてを保持する必要がなくなり、気候情報データベースの容量を抑えることができる。また、実際に計測した外気温を利用するため、公的機関が公開する気象統計情報よりも精度の高いデータを得られるという効果がある。
【0057】
実施の形態3
本実施の形態にかかるカーナビゲーションシステムについて説明する。図10は、本実施の形態にかかるカーナビゲーションシステム701を示す図である。カーナビゲーションシステム701は、一般のカーナビゲーションシステムに、環境負荷量を算出する機能を追加したものである。本実施の形態では、環境負荷量を、使用されたガソリンの量から算出する。
【0058】
カーナビゲーションシステム701は、位置情報取得部102と、測定部103と、気候情報取得部104と、環境負荷係数データベース105と、環境負荷量算出部106と、時刻情報取得部109と、環境負荷量操作部110と、表示部111を有し、さらに燃料取得部702と、走行距離取得部703と、車載測定部704とを有する。
【0059】
燃料取得部702は、カーナビゲーションシステム701の搭載された自動車の使用したガソリンの使用量の取得を行う。走行距離取得部703は、走行距離の取得を行う。車載測定部704は、自動車に搭載された車内の温度センサや湿度センサを示す。ここで、燃料取得部702は、例えばECU(Engine Control Unit)が搭載された自動車である場合、このECUの信号線であるワイヤハーネスに接続されたコネクタから、車速パルスとインジェクタ信号を取得することで燃料の使用量と走行距離とを取得するようにしてもよい。ここで車速パルスとは、ある一定距離で1パルス出力する信号であり、走行距離取得部703は、パルスを検出、処理することで走行距離を取得する。インジェクタ信号とは、燃料噴射を指示する信号で、燃料取得部702は、波形を検出、処理することで燃料の使用量を取得する。
【0060】
次に環境負荷量表示までの動作を説明する。基本的な動作は実施の形態1及び2と同様であるため、異なる部分のみ説明する。カーナビゲーションシステム701は、気候情報データベース107を有していない。気候情報に関しては、自動車は車内の温度センサや湿度センサを実装した車載測定部704を有しているため、それらのセンサを利用し、車外の気候情報を取得する。また、時刻情報や位置情報、環境負荷量操作、環境負荷量表示に関しては、カーナビゲーションシステム701の機能を利用する。
【0061】
また、環境負荷係数データベース105は、ガソリンの使用量に基づく環境負荷係数を更に有する。
【0062】
ここで、カーナビゲーションシステム701の環境負荷量算出部106について説明する。環境負荷量算出部106は、環境負荷係数と車外温度、車内温度、車外湿度、車内湿度、ガソリン使用量、及び走行距離の情報を取得する。そして、これらの情報から環境負荷量を計算する。
【0063】
まず、車外温度と車内温度の差分を取り、環境負荷係数と積算する。また、同様に湿度についても差分を取り、環境負荷係数と積算する。さらに、ガソリン使用量と、環境係数とを積算する。本実施の形態では、ガソリン使用量による環境負荷量に温度差と湿度差とによる環境負荷量が含まれる。
【0064】
このように、本実施の形態では、自動車が消費する燃料による環境負荷量と、車内の快適な環境を作るために発生している環境負荷量とを計算、表示することができる。これにより、自動車の走行により排出された環境負荷量と、自動車の車内の環境の構築のための環境負荷量とが把握できる。
【0065】
実施の形態4
本実施の形態にかかる環境負荷量算出装置801は、実施の形態1にかかる環境負荷量算出装置101と比較して、他の環境負荷量算出装置と通信するための通信部としての他器通信部802と、環境負荷量の信頼度を決定する信頼度算出部803とをさらに有する。図11は、本実施の形態にかかる環境負荷量算出装置801を示す図である。
【0066】
他器通信部802は、無線通信、又は、有線通信により、近隣の環境負荷量計算装置801と通信を行う。通信方式自体は数十メートル程度の通信範囲であればどんな方式でもよい。他器通信部802は、他の環境負荷量算出装置801と通信し、他の環境負荷量算出装置801が一か所に留まっていた時間である停止時間、測定結果が、現在の時刻より、予め定められた時間の前に測定された測定値と比較して変化した値である環境変化量、及び環境負荷量を取得する。
【0067】
信頼度算出部803は、環境負荷量算出装置801を介して取得した値と、環境負荷量算出装置801の算出した停止時間及び環境変化量とを比較して、停止時間がより長い方、若しくは環境変化量のうち1以上の値の変化量がより少ない方、又は停止時間がより長い方及び環境変化量のうち1以上の値の変化量がより少ない方の環境負荷量算出装置の算出した環境負荷量の方が、信頼度が高いと判断し、当該信頼度が高いと判断された方の環境負荷量算出装置の環境負荷量に合わせて、信頼度が低いと判断された環境負荷量算出装置の環境負荷量を補正する。
【0068】
ここで信頼度について説明する。例えば、ショッピングセンターに入った場合、既に他の環境負荷量計算装置(他)が当該ショッピングセンターに2時間前から滞在していたとする。環境負荷量計算装置(自)は、滞在時間は少なく、屋外からショッピングセンターに入ったために、環境情報変動量は大きい。この場合には、環境負荷量計算装置(他)から得られる環境情報の方が信頼度は高く、自身の環境情報の信頼度は低いことになり、他者の持つ環境負荷量計算装置(他)の環境情報の方が、信頼性が高いため、環境負荷量の精度を向上させることができる。
【0069】
従って信頼度算出部803は、環境負荷量算出装置801の算出した停止時間及び環境変化量から信頼度を算出し、算出した信頼度と環境負荷量算出装置801を介して取得した信頼度とを比較し、取得した信頼度が高いと判断された方の環境負荷量算出装置の測定結果を使用して環境負荷量を計算する。
【0070】
次に、環境負荷量算出装置801の環境負荷量表示までの動作を説明する。基本的な動作は他の実施の形態と同様であるため、異なる部分のみ説明する。他器通信部802は常時受信状態であり、近隣に他の環境負荷量計算装置801が存在した場合には、その環境負荷量計算装置が計算した環境負荷量と信頼度を受信し、保持しておく。
【0071】
信頼度は滞在時間と気候情報の変動量から計算され、滞在時間が長ければ長いほど高く、気候情報の変動量が小さければ小さいほど高い値を示す。例えば、2時間同じ場所に滞在し、気候情報変動量が1℃であれば、滞在時間を気候情報変動量で割算した値(2)を信頼度とする。
【0072】
そして、表示する際に、通信部から得られる他の環境負荷量計算装置の環境負荷量と信頼度を自身が計算した環境負荷量と信頼度と比較し、信頼度が高いほうに合わせて補正を行う。これにより、信頼度が高い環境負荷量にあわせて環境負荷量を補正するため、環境負荷量の精度を向上させることができる。
【0073】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
(付記1)
現在地を取得する位置情報取得部と、
少なくとも気温、湿度、及び照度のいずれか1以上を測定する測定部と、
位置情報と関連づけられた、気候に関する情報である気候情報を取得する気候情報取得部と、
前記測定部の測定結果と前記気候情報との差に基づいて環境に与える負荷である環境負荷を算出するための環境負荷係数を記憶した環境負荷係数記憶部と、
前記測定結果と、現在地の前記気候情報と、前記環境負荷係数とに基づき、環境に与える負荷量である環境負荷量を算出する環境負荷量算出部とを有する環境負荷量算出装置。
(付記2)
前記気候情報取得部は、
前記気候情報を記憶した気候情報データベースを有し、
前記気候情報取得部は、前記気候情報データベースから前記気候情報を取得する付記1記載の環境負荷量算出装置。
(付記3)
前記気候情報取得部は、
ネットワークを介して外部と通信する通信部を有し、
前記気候情報取得部は、前記通信部を使用し前記ネットワークを介して外部から前記気候情報を取得する付記1記載の環境負荷量算出装置。
(付記4)
前記位置情報取得部は、複数の位置情報を受信し、当該複数の位置情報に基づいて現在地を特定すると共に受信可能な位置情報の数に基づいて、前記環境負荷算出装置が屋内にあるか屋外にあるか判断する付記1乃至3記載の環境負荷算出装置。
(付記5)
前記気候情報取得部は、前記環境負荷量算出装置が屋外にある場合に、前記測定部に少なくとも気温、湿度及び照度の1以上の値を測定させ、
前記環境負荷量算出部は、屋内において前記環境負荷量を算出する際、前記気候情報取得部が測定させた前記屋外での気候情報と、屋内での前記測定結果と、前記環境負荷係数とに基づき、環境負荷量を算出する付記4記載の環境負荷算出装置。
(付記6)
前記環境負荷量算出部は、
前記気候情報取部から現在地の気候情報を取得し、
前記測定部の測定結果と、前記気候情報の差を算出し、
前記差と、前記環境負荷係数とを積算して環境負荷を算出する付記1乃至5記載の環境負荷量算出装置。
(付記7)
前記気候情報は、気温、湿度及び照度のうち少なくとも1以上の情報を、位置情報、及び日時に対応させた情報であり、
前記環境負荷係数は、前記気候情報の気温、湿度、及び照度と、前記測定値の気温、湿度、及び照度とのそれぞれの差に基づき設定される値であって、当該差を前記環境負荷量に換算するための係数である付記1乃至5記載の環境負荷量算出装置。
(付記8)
前記気候情報は、気温、湿度及び照度のうち少なくとも1以上の情報を、位置情報、日時、及び天候とに対応させた情報であり、
前記測定部は、照度に基づいて天候を判断し、
前記環境負荷算出部は、天候に対応した前記気候情報と、前記測定値との差を前記環境負荷量に換算する付記7記載の環境負荷算出装置。
(付記9)
前記気候情報は、気温、湿度及び照度のうち少なくとも1以上の情報を、位置情報、日時、及び天候に対応させた情報であり、
前記測定部が、照度に基づいて天候を判断できなかった場合、
前記環境負荷算出部は、前年の日時に対応した前記気候情報と、前記測定値との差を前記環境負荷量に換算し、
付記7又は8記載の環境負荷量算出装置。
(付記10)
前記環境負荷係数は、前記環境負荷量を二酸化炭素排出量に換算するための係数である付記1乃至9記載の環境負荷量算出装置。
(付記11)
他の前記環境負荷量算出装置と通信する通信部と、
環境負荷量の信頼度を決定する信頼度算出部とを更に有し、
前記信頼度算出部は、一か所に留まっていた時間である停止時間、測定結果が、現在の時刻より、予め定められた時間の前に測定された測定値と比較して変化した値である環境変化量、及び環境負荷量を、前記通信部を介して他の前記環境負荷量算出装置から取得し、
取得した値と自身で算出した停止時間及び環境変化量とを比較して、前記停止時間がより長い方、若しくは前記環境変化量のうち1以上の値の変化量がより少ない方、又は前記停止時間がより長い方及び前記環境変化量のうち1以上の値の変化量がより少ない方の環境負荷量算出装置の算出した環境負荷量の方が信頼度が高いと判断し、
当該信頼度が高いと判断された方の環境負荷量算出装置の環境負荷量に合わせて、信頼度が低いと判断された環境負荷量算出装置の環境負荷量を補正する付記1乃至10記載の環境負荷量算出装置。
(付記12)
前記測定部は、前記環境負荷量算出装置本体と離れた位置に設置され、前記装置本体と有線又は無線で接続される付記1乃至11記載の環境負荷量算出装置。
(付記13)
前記測定部は、更に気圧を測定し、
前記気候情報取得部は、更に気圧の情報を前記気候情報として取得し、
前記環境負荷係数記憶部は、前記測定部の測定した気圧と、前記気候情報の気圧との差に基づいて設定された環境負荷係数を更に有し、
前記環境負荷量算出部は、前記測定部の測定した気圧と前記気候情報の気圧との差と、前記環境負荷係数とを積算して前記環境負荷量を算出する付記7乃至12記載の環境負荷量算出装置。
(付記14)
現在地を取得し、
少なくとも気温、湿度、及び照度のいずれか1以上を測定し、
位置情報と関連づけられた、気候に関する情報である気候情報を取得し、
前記測定結果と前記気候情報との差に基づいて環境に与える負荷である環境負荷を算出するための環境負荷係数を環境負荷係数記憶部に記憶し、
前記測定結果と、現在地の前記気候情報と、前記環境負荷係数とに基づき、環境に与える負荷量である環境負荷量を算出する環境負荷量算出方法。
(付記15)
前記気候情報を取得部する際、
前記気候情報を記憶した気候情報データベースから前記気候情報を取得する付記14記載の環境負荷量算出方法。
(付記16)
前記気候情報を取得する際、
ネットワークを介して外部と通信し、
前記ネットワークを介して外部から前記気候情報を取得する付記14記載の環境負荷量算出方法。
(付記17)
所定の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
現在地を取得する処理と、
少なくとも気温、湿度、及び照度のいずれか1以上を測定させる処理と、
位置情報と関連づけられた、気候に関する情報である気候情報を取得させる処理と、
前記測定部の測定結果と前記気候情報との差に基づいて環境に与える負荷である環境負荷を算出するための環境負荷係数を環境負荷係数記憶部に記憶させる処理と、
前記測定結果と、現在地の前記気候情報と、前記環境負荷係数とに基づき、環境に与える負荷量である環境負荷量を算出する処理とを実行させる環境負荷量算出プログラム。
【符号の説明】
【0074】
101 環境負荷量算出装置
102 位置情報取得部
103 測定部
104 気候情報取得部
105 環境負荷係数データベース
106 環境負荷量算出部
107 気候情報データベース
108 通信部
109 時刻情報取得部
110 環境負荷量操作部
111 表示部
701 カーナビゲーションシステム
702 燃料取得部
703 走行距離取得部
704 車載測定部
801 環境負荷量算出装置
802 他器通信部
803 信頼度算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地を取得する位置情報取得部と、
少なくとも気温、湿度、及び照度のいずれか1以上を測定する測定部と、
位置情報と関連づけられた、気候に関する情報である気候情報を取得する気候情報取得部と、
前記測定部の測定結果と前記気候情報との差に基づいて環境に与える負荷である環境負荷を算出するための環境負荷係数を記憶した環境負荷係数記憶部と、
前記測定結果と、現在地の前記気候情報と、前記環境負荷係数とに基づき、環境に与える負荷量である環境負荷量を算出する環境負荷量算出部とを有する環境負荷量算出装置。
【請求項2】
前記気候情報取得部は、
前記気候情報を記憶した気候情報データベースを有し、
前記気候情報取得部は、前記気候情報データベースから前記気候情報を取得する付記1記載の環境負荷量算出装置。
【請求項3】
前記気候情報取得部は、
ネットワークを介して外部と通信する通信部を有し、
前記気候情報取得部は、前記通信部を使用し前記ネットワークを介して外部から前記気候情報を取得する付記1記載の環境負荷量算出装置。
【請求項4】
前記位置情報取得部は、複数の位置情報を受信し、当該複数の位置情報に基づいて現在地を特定すると共に受信可能な位置情報の数に基づいて、前記環境負荷算出装置が屋内にあるか屋外にあるか判断する付記1乃至3記載の環境負荷算出装置。
【請求項5】
前記気候情報取得部は、前記環境負荷量算出装置が屋外にある場合に、前記測定部に少なくとも気温、湿度及び照度の1以上の値を測定させ、
前記環境負荷量算出部は、屋内において前記環境負荷量を算出する際、前記気候情報取得部が測定させた前記屋外での気候情報と、屋内での前記測定結果と、前記環境負荷係数とに基づき、環境負荷量を算出する付記4記載の環境負荷算出装置。
【請求項6】
前記環境負荷量算出部は、
前記気候情報取部から現在地の気候情報を取得し、
前記測定部の測定結果と、前記気候情報の差を算出し、
前記差と、前記環境負荷係数とを積算して環境負荷を算出する付記1乃至5記載の環境負荷量算出装置。
【請求項7】
前記気候情報は、気温、湿度及び照度のうち少なくとも1以上の情報を、位置情報、及び日時に対応させた情報であり、
前記環境負荷係数は、前記気候情報の気温、湿度、及び照度と、前記測定値の気温、湿度、及び照度とのそれぞれの差に基づき設定される値であって、当該差を前記環境負荷量に換算するための係数である付記1乃至5記載の環境負荷量算出装置。
【請求項8】
前記気候情報は、気温、湿度及び照度のうち少なくとも1以上の情報を、位置情報、日時、及び天候とに対応させた情報であり、
前記測定部は、照度に基づいて天候を判断し、
前記環境負荷算出部は、天候に対応した前記気候情報と、前記測定値との差を前記環境負荷量に換算する付記7記載の環境負荷算出装置。
【請求項9】
現在地を取得し、
少なくとも気温、湿度、及び照度のいずれか1以上を測定し、
位置情報と関連づけられた、気候に関する情報である気候情報を取得し、
前記測定結果と前記気候情報との差に基づいて環境に与える負荷である環境負荷を算出するための環境負荷係数を環境負荷係数記憶部に記憶し、
前記測定結果と、現在地の前記気候情報と、前記環境負荷係数とに基づき、環境に与える負荷量である環境負荷量を算出する環境負荷量算出方法。
【請求項10】
所定の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
現在地を取得する処理と、
少なくとも気温、湿度、及び照度のいずれか1以上を測定させる処理と、
位置情報と関連づけられた、気候に関する情報である気候情報を取得させる処理と、
前記測定部の測定結果と前記気候情報との差に基づいて環境に与える負荷である環境負荷を算出するための環境負荷係数を環境負荷係数記憶部に記憶させる処理と、
前記測定結果と、現在地の前記気候情報と、前記環境負荷係数とに基づき、環境に与える負荷量である環境負荷量を算出する処理とを実行させる環境負荷量算出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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