説明

環状アミノ基で置換されたリレンテトラカルボン酸ジイミド

一般式(I)のリレンテトラカルボン酸ジイミド。更に本発明は、このリレンテトラカルボン酸ジイミドの製造及びその有機及び無機材料、特に塗料、印刷インク及びプラスチックの着色のための使用、有機顔料用の分散助剤及び顔料添加剤としての使用、電磁スペクトルの近赤外領域において吸収を示す水性ポリマー分散液を製造するための使用、人間の目に不可視の、赤外光吸収マーキング及び標識を生じさせるための使用及び熱管理用の赤外線吸収剤としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、一般式(I)
【化1】

[式中、置換基及び変数は、以下の意味を有する:
R、R′は、互いに無関係に:
水素であり;
(1)C1〜C30−アルキルであり、このアルキルの炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−C≡C−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつ以下の基で一箇所以上置換されていてよい:
(i)C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR1、−CR1=CR12、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR23、−NR2COR3、−CONR23、−SO2NR23、−COOR2及び/又は−SO32
(ii)アリール又はヘタリール、これらに炭素骨格が1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい更なる飽和又は不飽和5〜7員環が縮合していてよく、その際この環系全体は以下の基で一箇所以上置換されていてよい:C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR1、−CR1=CR12、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR23、−NR2COR3、−CONR23、−SO2NR23、−COOR2、−SO32、アリール及び/又はヘタリール、これらはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR23、−NR2COR3、−CONR23、−SO2NR23、−COOR2及び/又は−SO32で置換されていてよい;
(iii)C3〜C8−シクロアルキル、このシクロアルキルの炭素骨格は1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつこれに炭素骨格が1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい更なる飽和又は不飽和5〜7員環が縮合していてよく、その際この環系全体は以下の基で一箇所以上置換されていてよい:C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR1、−CR1=CR12、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR23、−NR2COR3、−CONR23、−SO2NR23、−COOR2及び/又は−SO32
(iv)基−U−アリール、この基は、アリール基(ii)についての置換基として挙げた前記基で一箇所以上置換されていてよく、その際、Uは基−O−、−S−、−NR1−、−CO−、−SO−又は−SO2−を意味する;
(2)C3〜C8−シクロアルキルであり、このシクロアルキルに炭素骨格が1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい更なる飽和又は不飽和5〜7員環が縮合していてよく、その際この環系全体は以下の基で一箇所以上置換されていてよい:基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び/又は
(v)C1〜C30−アルキル、このアルキルの炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−C≡C−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつ以下の基で一箇所以上置換されていてよい:C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR1、−CR1=CR12、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR23、−NR2COR3、−CONR23、−SO2NR23、−COOR2、−SO32、アリール及び/又は飽和又は不飽和C4〜C7−シクロアルキル、このシクロアルキルの炭素骨格は1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい、その際アリール基及びシクロアルキル基はそれぞれC1〜C18−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として挙げた前記基で一箇所以上置換されていてよい;
(3)アリール又はヘタリールであり、これらに炭素骨格が1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−C≡C−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい更なる飽和又は不飽和5〜7員環が縮合していてよく、その際この環系全体は、基(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)及び/又はアリールアゾ及び/又はヘタリールアゾ(これらはそれぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又はシアノで置換されていてよい)で置換されていてよい;
1は、水素又はC1〜C18−アルキルであり、基R1は、複数箇所で生ずる場合に同じか又は異なっていてよい;
2、R3は、互いに無関係に水素であり;
1〜C18−アルキルであり、このアルキルの炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつC1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ及び/又は−COOR1で一箇所以上置換されていてよい;
アリール又はヘタリールであり、これにそれぞれ炭素骨格が1個以上の基−O−、−S−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい更なる飽和又は不飽和5〜7員環が縮合していてよく、その際この環系全体はC1〜C12−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として挙げた前記基で一箇所以上置換されていてよい;
Aは、窒素原子を介して結合した5〜9員環であり、この炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、NR1−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、これに炭素鎖が同様にこれらの基及び/又は−N=で中断されていてよい1個又は2個の飽和又は不飽和4〜8員環が縮合していてよく、その際この環系全体は以下の基で一箇所以上置換されていてよい:
ヒドロキシ、ニトロ、−NHR2、カルボキシ、−COOR2、−CONR23又は−NR2COR3
1〜C30−アルキル、このアルキルの炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C1〜C6−アルコキシ、−COOR2、−CONR23、アリール(これはC1〜C18−アルキル又はC1〜C6−アルコキシで置換されていてよい)及び/又は、更なるヘテロ原子を含有しかつ芳香族性であってよい、窒素原子を介して結合した5〜7員複素環基で一箇所以上置換されていてよい;
5〜C8−シクロアルキル、このシクロアルキルの炭素骨格は1個以上の基−O−、−S−及び/又は−NR1−で中断されていてよく、及び/又はC1〜C6−アルキルで一箇所以上置換されていてよい;
アリール又はヘタリール、これらはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−CONR23、−NR2COR3、−SO2NR23及び/又はアリールアゾ又はヘタリールアゾ(これらはそれぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又はシアノで置換されていてよい)で一箇所以上置換されていてよく、かつ基Aはm>1の場合に同じか又は異なっていてよい;
Xは、塩素又は臭素であり、その際、基Xはx>1の場合に同じか又は異なっていてよい;
Zは、C3〜C20−アルキル、C3−C20−アルケン−2−イル又はC3−C20−アルキン−2−イルであり、このアルキル鎖はそれぞれ1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつ、シアノ、C1〜C6−アルコキシ、−COOR2、−CONR23、アリール(これはC1〜C18−アルキル又はC1〜C6−アルコキシで置換されていてよい)及び/又は、更なるヘテロ原子を含有しかつ芳香族性であってよい、窒素原子を介して結合した5〜7員複素環基で一箇所以上置換されていてよい;
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオであり、これらにそれぞれ炭素骨格が1個以上の基−O−、−S−、−NR′−、−N=CR′−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい更なる飽和又は不飽和5〜7員環が縮合していてよく、その際この環系全体はR及びR′について挙げたアルキル基(1)、シクロアルキル基(2)、アリール−又はヘタリール基(3)及び/又はそこで挙げた基(i)及び/又は(iv)で一箇所以上置換されていてよく、
その際、基Zはz>1の場合に同じか又は異なっていてよい;
mは、1又は2であり;
nは、m=1の場合に1〜4であり;
m=2の場合に1〜6であり;
xは、m=1の場合に0〜3であり、その際、n+x+z≦4であり、
m=2の場合に0〜5であり、その際、n+x+z≦6であり;
zは、m=1の場合に0〜3であり、その際、n+x+z≦4であり、
m=2の場合に0〜5であり、その際、n+x+z≦6である]の新規リレンテトラカルボン酸ジイミドに関する。
【0002】
更に、本発明は、リレンテトラカルボン酸ジイミドの製造及びその有機及び無機材料、特に塗料、印刷インク及びプラスチックの着色のための使用、有機顔料用の分散助剤及び顔料添加剤としての使用、電磁スペクトルの近赤外領域において吸収を示す水性ポリマー分散液を製造するための使用、人間の目に不可視の、赤外光吸収マーキング及び標識を生じさせるための使用及び熱管理用の赤外線吸収剤としての使用に関する。
【0003】
高級なリレンテトラカルボン酸ジイミド(以下、略して「リレンイミド」と称する。)は、周知のとおり、電磁スペクトルの近赤外領域での強い吸収を示すことにより特定の応用技術にとって重要である。例えばWO−A−02/77081においては、クアテリレンテトラカルボン酸ジイミドを、ガラスラミネートにおける熱保護のための赤外線吸収剤として用いる使用を記載している。
【0004】
リレン骨格が置換されていないリレンイミドの他に、トリレン及びクアテリレンを基礎として、ハロゲン、アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ、ヘタリールチオ、アルキル、アルケニル又はアルキニルを置換基としてリレン骨格上に有するリレンイミドが公知である (Chem. Eur. J. 3, 219-225 (1997); WO−A−03/104232;WO−A−96/22332; Angew. Chem. 107, 1487-1489 (1995); WO−A−02/76988)。Tetrahedron Letters 40, 7047-7050 (1999)からは、ペリレン骨格中に2−ピロリジニル−、ピペリジル−、又はモルホリニル基を有するN,N′−ジシクロヘキシルペリレン−3,4:9.10−テトラカルボン酸ジイミドが公知である。
【0005】
本発明の課題は、それぞれの適用媒質中に良好に添加でき、かつこの媒質に適合できるだけでなく、慣用の公知のリレンイミドと比べて長波長の吸収を示す、有利な応用特性を有するリレンイミドを提供することであった。
【0006】
これに応じて、冒頭に規定した式Iのリレンイミドを見出した。
【0007】
好ましい、かつ特に好ましいリレンイミドIは、従属請求項から得ることができる。
【0008】
更に、一般式(Ia)
【化2】

[式中、置換基及び変数は冒頭で挙げた意味を有する]のリレンイミドを製造する方法において、式IIa
【化3】

[式中、置換基及び変数のX及びx1aは以下の意味を有する:
xは、ハロゲンであり;
x1aは、m=1の場合に1〜4であり;
m=2の場合に1〜6である]のハロゲン化リレンテトラカルボン酸ジイミドと、所望により非酸性溶剤の存在下で、式III
H−A III
の環状アミン又はこのアミンの塩と反応させることを特徴とする方法を見出した。
【0009】
更に、一般式Ib
【化4】

[式中、R、R′、A、Z及びmは、冒頭に挙げた意味を有し、かつn1及びz1は、以下の意味を有する:
n1は、m=1の場合に1〜3であり;
m=2の場合に1〜5であり;
z1は、m=1の場合に1〜3であり、その際、n1+z1≦4であり;
m=2の場合に1〜5であり、その際、n1+z1≦6である]のリレンイミドを製造する方法において、一般式IIb
【化5】

[式中、X及びx1bは以下の意味を有する:
Xは、ハロゲンであり、
x1bは、m=1の場合に1〜3であり、その際、x1b+z1≦4であり;
m=2の場合に1〜5であり、その際、x1b+z1≦6である]のリレンイミドと、所望により非酸性溶剤の存在下で、上述の式IIIの環状アミン又はこのアミンの塩とを反応させることを特徴とする方法を見出した。
【0010】
もっぱら、リレンイミドIを高分子有機及び無機材料の着色に用いる使用、有機顔料用の分散助剤及び顔料添加剤としての使用、電磁スペクトルの近赤外領域において吸収を示す水性ポリマー分散液の製造のための使用、人間の目に不可視の、赤外光吸収マーキングを生じさせるための使用及び熱管理用の赤外線吸収剤としての使用を見出した。
【0011】
これらの式中に挙げた基R、R′R1、R2、A、X及びZ並びにその置換基の例としては、以下のものが個々に挙げられる:
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、及びエイコシル(前記の呼称イソオクチル、イソノニル、イソデシル及びイソトリデシルは常用名であり、かつオキソ合成により得られるアルコールに由来する);
2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−及び3−メトキシプロピル、2−及び3−エトキシプロピル、2−及び3−プロポキシプロピル、2−及び3−ブトキシプロピル、2−及び4−メトキシブチル、2−及び4−エトキシブチル、2−及び4−プロポキシブチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、4,8−ジオキサノニル、3,7−ジオキサオクチル、3,7−ジオキサノニル、4,7−ジオキサオクチル、4,7−ジオキサノニル、2−及び4−ブトキシブチル、4,8−ジオキサデシル、3,6,9−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9−トリオキサドデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシル及び3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル;
2−メチルチオエチル、2−エチルチオエチル、2−プロピルチオエチル、2−イソプロピルチオエチル、2−ブチルチオエチル、2−及び3−メチルチオプロピル、2−及び3−エチルチオプロピル、2−及び3−プロピルチオプロピル、2−及び3−ブチルチオプロピル、2−及び4−メチルチオブチル、2−及び4−エチルチオブチル、2−及び4−プロピルチオブチル、3,6−ジチアヘプチル、3,6−ジチアオクチル、4,8−ジチアノニル、3,7−ジチアオクチル、3,7−ジチアノニル、2−及び4−ブチルチオブチル、4,8−ジチアデシル、3,6,9−トリチアデシル、3,6,9−トリチアウンデシル、3,6,9−トリチアドデシル、3,6,9,12−テトラチアトリデシル及び3,6,9,12−テトラチアテトラデシル;
2−モノメチル−及び2−モノエチルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチル、2−及び3−ジメチルアミノプロピル、3−モノイソプロピルアミノプロピル、2−及び4−モノプロピルアミノブチル、2−及び4−ジメチルアミノブチル、6−メチル−3,6−ジアザヘプチル、3,6−ジメチル−3,6−ジアザヘプチル、3,6−ジアザオクチル、3,6−ジメチル−3,6,−ジアザオクチル、9−メチル−3,6,9−トリアザデシル、3,6,9−トリメチル−3,6,9−トリアザデシル、3,6,9−トリアザウンデシル、3,6,9−トリメチル−3,6,9−トリアザウンデシル、12−メチル−3,6,9,12−テトラアザトリデシル及び3,6,9,12−テトラメチル−3,6,9,12−テトラアザトリデシル;
(1−エチルエチリデン)アミノエチレン、(1−エチルエチリデン)アミノプロピレン、(1−エチルエチリデン)アミノブチレン、(1−エチルエチリデン)アミノデシレン及び(1−エチルエチリデン)アミノドデシレン;
プロパン−2−オン−1−イル、ブタン−3−オン−1−イル、ブタン−3−オン−2−イル、及び2−エチルペンタン−3−オン−1−イル;
2−メチルスルホキシドエチル、2−エチルスルホキシドエチル、2−プロピルスルホキシドエチル、2−イソプロピルスルホキシドエチル、2−ブチルスルホキシドエチル、2−及び3−メチルスルホキシドプロピル、2−及び3−エチルスルホキシドプロピル、2−及び3−プロピルスルホキシドプロピル、2−及び3−ブチルスルホキシドプロピル、2−及び4−メチルスルホキシドブチル、2−及び4−エチルスルホキシドブチル、2−及び4−プロピルスルホキシドブチル及び4−ブチルスルホキシドブチル;
2−メチルスルホニルエチル、2−エチルスルホニルエチル、2−プロピルスルホニルエチル、2−イソプロピルスルホニルエチル、2−ブチルスルホニルエチル、2−及び3−メチルスルホニルプロピル、2−及び3−エチルスルホニルプロピル、2−及び3−プロピルスルホニルプロピル、2−及び3−ブチルスルホニルプロピル、2−及び4−メチルスルホニルブチル、2−及び4−エチルスルホニルブチル、2−及び4−プロピルスルホニルブチル及び4−ブチルスルホニルブチル;
カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、5−カルボキシペンチル、6−カルボキシヘキシル、8−カルボキシオクチル、10−カルボキシデシル、12−カルボキシドデシル及び14−カルボキシテトラデシル;
スルホメチル、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、5−スルホペンチル、6−スルホヘキシル、8−スルホオクチル、10−スルホデシル、12−スルホドデシル及び14−スルホテトラデシル;
2−ヒドロキシエチル、2−及び3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロパ−2−イル、3−及び4−ヒドロキシブチル、1−ヒドロキシブタ−2−イル、及び8−ヒドロキシ−4−オキサオクチル;
2−シアノエチル、3−シアノプロピル、3−及び4−シアノブチル、2−メチル−3−エチル−3−シアノプロピル、7ーシアノ−7−エチルヘプチル及び4−メチル−7−メチル−7−シアノヘプチル;
2−クロロエチル、2−及び3−クロロプロピル、2−、3−及び4−クロロブチル、2−ブロモエチル、2−及び3−ブロモプロピル及び2−、3−及び4−ブロモブチル;
2−ニトロエチル、2−及び3−ニトロプロピル、及び2−、3−、及び4−ニトロブチル;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、t−ペントキシ及びヘキソキシ;
メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、t−ペンチルチオ及びヘキシルチオ;
メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、ジシクロヘプチルアミノ、ジフェニルアミノ、及びジベンジルアミノ;
ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、及びベンゾイルアミノ;
カルバモイル、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ブチルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、ヘキシルアミノカルボニル、ヘプチルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、ノニルアミノカルボニル、デシルアミノカルボニル、及びフェニルアミノカルボニル;
アミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、N,N−ジエチルアミノスルホニル、N,N−ジプロピルアミノスルホニル、N,N−ジイソプロピルアミノスルホニル、N,N−ジブチルアミノスルホニル、N,N−ジイソブチルアミノスルホニル、N,N−ジ−s−ブチルアミノスルホニル、N,N−ジ−t−ブチルアミノスルホニル、N,N−ジペンチルアミノスルホニル、N,N−ジヘキシルアミノスルホニル、N,N−ジヘプチルアミノスルホニル、N,N−ジオクチルアミノスルホニル、N,N−ジノニルアミノスルホニル、N,N−ジデシルアミノスルホニル、N,N−ジドデシルアミノスルホニル、N−メチル−N−エチルアミノスルホニル、N−メチル−N−ドデシルアミノスルホニル、N−ドデシルアミノスルホニル、(N,N−ジメチルアミノ)エチルアミノスルホニル、N,N−(プロポキシエチル)ドデシルアミノスルホニル、N,N−ジフェニルアミノスルホニル、N,N−(4−t−ブチルフェニル)オクタデシルアミノスルホニル及びN,N−ビス(4−クロロフェニル)アミノスルホニル;
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ヘキソキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、(4−t−ブチル−フェノキシ)カルボニル及び(4−クロロフェノキシ)カルボニル;
メトキシスルホニル、エトキシスルホニル、プロポキシスルホニル、イソプロポキシスルホニル、ブトキシスルホニル、イソブトキシスルホニル、t−ブトキシスルホニル、ヘキソキシスルホニル、ドデシルオキシスルホニル、オクタデシルオキシスルホニル、フェノキシスルホニル、1−及び2−ナフチルオキシスルホニル、(4−t−ブチルフェノキシ)スルホニル及び(4−クロロフェノキシ)スルホニル;
塩素、臭素、及びヨウ素;
フェニルアゾ、2−ナフチルアゾ、2−ピリジルアゾ及び2−ピリミジルアゾ;
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、2−及び3−メチルシクロペンチル、2−及び3−エチルシクロペンチル、シクロヘキシル、2−、3−及び4−メチルシクロヘキシル、2−、3−及び4−エチルシクロヘキシル、3−及び4−プロピルシクロヘキシル、3−及び4−イソプロピルシクロヘキシル、3−及び4−ブチルシクロヘキシル、3−及び4−s−ブチルシクロヘキシル、3−及び4−t−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、2−、3−及び4−メチルシクロヘプチル、2−、3−及び4−エチルシクロヘプチル、3−及び4−プロピルシクロヘプチル、3−及び4−イソプロピルシクロヘプチル、3−及び4−ブチルシクロヘプチル、3−及び4−s−ブチルシクロヘプチル、3−及び4−t−ブチルシクロヘプチル、シクロオクチル、2−、3−、4−及び5−メチルシクロオクチル、2−、3−、4−及び5−エチルシクロオクチル及び3−、4−及び5−プロピルシクロオクチル;3−及び4−ヒドロキシシクロヘキシル、3−及び4−ニトロシクロヘキシル及び3−及び4−クロロシクロヘキシル;
1−、2−及び3−シクロペンテニル、1−、2−、3−及び4−シクロヘキセニル、1−、2−及び3−シクロヘプテニル及び1−、2−、3−及び4−シクロオクテニル;
2−ジオキサニル、1−モルホリニル、1−チオモルホリニル、2−及び3−テトラヒドロフリル、1−、2−及び3−ピロリジニル、1−ピペラジル、1−ジケトピペラジル及び1−、2−、3−及び4−ピペリジル;
フェニル、2−ナフチル、2−及び3−ピリル、2−、3−及び4−ピリジル、2−、4−及び5−ピリミジル、3−、4−及び5−ピラゾリル、2−、4−及び5−イミダゾリル、2−、4−及び5−チアゾリル、3−(1,2,4−トリアジル)、2−(1,3,5−トリアジル)、6−キナルジル、3−、5−、6−及び8−キノリニル、2−ベンズオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアジアゾリル、2−及び5−ベンズイミダゾリル及び1−及び5−イソキノリル;
1−、2−、3−、4−、5−、6−及び7−インドリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−及び7−イソインドリル、5−(4−メチルイソインドリル)、5−(4−フェニルイソインドリル)、1−、2−、4−、6−、7−及び8−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、3−(5−フェニル)−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、5−(3−ドデシル−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−及び8−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)及び2−、3−、4−、5−、6−、7−及び8−クロマニル、2−、4−及び7−キノリニル、2−(4−フェニルキノリニル)及び2−(5−エチルキノリニル);
2−、3−及び4ーメチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−、3−及び4−エチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジエチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、2−、3−及び4−プロピルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジプロピルフェニル、2,4,6−トリプロピルフェニル、2−、3−及び4−イソプロピルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、2−、3−及び4−ブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジブチルフェニル、2,4,6−トリブチルフェニル、2−、3−及び4−イソブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジイソブチルフェニル、2,4,6−トリイソブチルフェニル、2−、3−、及び4−s−ブチルフェニル、2,4−、3,5−、及び2,6−ジ−s−ブチルフェニル及び2,4,6−トリ−s−ブチルフェニル;2−、3−及び4−メトキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−、3−及び4−エトキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジエトキシフェニル、2,4,6−トリエトキシフェニル、2−、3−及び4−プロポキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジプロポキシフェニル、2−、3−及び4−イソプロポキシフェニル、2,4−及び2,6−ジイソプロポキシフェニル及び2−、3−及び4−ブトキシフェニル;2ー、3−及び4−クロロフェニル及び2,4−、3,5−及び2,6−ジクロロフェニル;2−、3−及び4−ヒドロキシフェニル及び2,4−、3,5−及び2,6−ジヒドロキシフェニル;2−、3−及び4−シアノフェニル;3−及び4−カルボキシフェニル;3−及び4−カルボキサミドフェニル、3−及び4−N−メチルカルボキサミドフェニル及び3−及び4−N−エチルカルボキサミドフェニル;3−及び4−アセチルアミノフェニル、3−及び4−プロピオニルアミノフェニル及び3−及び4−ブチリルアミノフェニル;3−及び4−N−フェニルアミノフェニル、3−及び4−N−(o−トリル)アミノフェニル、3−及び4−N−(m−トリル)アミノフェニル及び3−及び4−(p−トリル)アミノフェニル;3−及び4−(2−ピリジル)アミノフェニル、3−及び4−(3−ピリジル)アミノフェニル、3−及び4−(4−ピリジル)アミノフェニル、3−及び4−(2−ピリミジル)アミノフェニル及び4−(4−ピリミジル)アミノフェニル;
4−フェニルアゾフェニル、4−(1−ナフチルアゾ)フェニル、4−(2−ナフチルアゾ)フェニル、4−(4−ナフチルアゾ)フェニル、4−(2−ピリジルアゾ)フェニル、4−(3−ピリジルアゾ)フェニル、4−(4−ピリジルアゾ)フェニル、4−(2−ピリミジルアゾ)フェニル、4−(4−ピリミジルアゾ)フェニル及び4−(5−ピリミジルアゾ)フェニル;
フェノキシ、フェニルチオ、2−ナフトキシ、2−ナフチルチオ、2−、3−及び4−ピリジルオキシ、2−、3−及び4−ピリジルチオ、2−、4−及び5−ピリミジルオキシ及び2−、4−及び5−ピリミジルチオ;
エチニル、1−及び2−プロピニル、1,2及び3−ブチニル、1−、2−、3−及び4−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニル、1−、2−、3−、4−及び5−ヘキシニル、3−及び4−メチル−1−ペンチニル、3,3−ジメチル−1−ブチニル、1−へプチニル、3−、4−及び5−メチル−1−ヘキシニル、3,3−、3,4−及び4,4−ジメチル−1−ペンチニル、3−エチル−1−ペンチニル、1−オクチニル、3−、4−、5−及び6−メチル−1−へプチニル、3,3−、3,4−、3,5−、4,4−及び4,5−ジメチル−1−ヘキシニル、3−、4−及び5−エチル−1−ヘキシニル、3−エチル−3−メチル−1−ペンチニル、3−エチル−4−メチル−1−ペンチニル、3,3,4−及び3,4,4−トリメチル−1−ペンチニル、1−ノニニル、1−デシニル、1−ウンデシニル及び1−ドデシニル;
4−シアノ−1−ブチニル、5−シアノ−1−ペンチニル、6−シアノ−1−ヘキシニル、7−シアノ−1−へプチニル及び8−シアノ−1−オクチニル;
4−ヒドロキシ−1−ブチニル、5−ヒドロキシ−1−ペンチニル、6−ヒドロキシ−1−ヘキシニル、7−ヒドロキシ−1−へプチニル、8−ヒドロキシ−1−オクチニル、9−ヒドロキシ−1−ノニニル、10−ヒドロキシ−1−デシニル、11−ヒドロキシ−1−ウンデニル及び12−ヒドロキシ−1−ドデシニル;
4−カルボキシ−1−ブチニル、5−カルボキシ−1−ペンチニル、6−カルボキシ−1−ヘキシニル、7−カルボキシ−1−へプチニル、8−カルボキシ−1−オクチニル、4−メチルカルボキシ−1−ブチニル、5−メチルカルボキシ−1−ペンチニル、6−メチルカルボキシ−1−ヘキシニル、7−メチルカルボキシ−1−へプチニル、8−メチルカルボキシ−1−オクチニル、4−エチルカルボキシ−1−ブチニル、5−エチルカルボキシ−1−ペンチニル、6−エチルカルボキシ−1−ヘキシニル、7−エチルカルボキシ−1−ペプチニル及び8−エチルカルボキシ−1−オクチニル;
1−エテニル、1−及び2−プロペニル、1−、2−及び3−ブテニル、1−、2−、3−及び4−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−、2−、3−、4−及び5−ヘキセニル、3−及び4−メチル−1−ペンテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、1−ヘプテニル、3−、4−及び5−メチル−1−ヘキセニル、3,3−、3,4−及び4,4−ジメチル−1−ペンテニル、3−エチル−1−ペンテニル、1−オクテニル、3−、4−、5−及び6−メチル−1−ヘプテニル、3,3−、3,4−、3,5−、4,4−及び4,5−ジメチル−1−ジメチル−1−ヘキセニル、3−、4−及び5−エチル−1−ヘキセニル、3−エチル−3−メチル−1−ペンテニル、3−エチル−4−メチル−1−ペンテニル、3,3,4−及び3,4,4−トリメチル−1−ペンテニル、1−ノネニル、1−デセニル、1−ウンデセニル及び1−ドデセニル;
4−シアノ−1−ブテニル、5−シアノ−1−ペンテニル、6−シアノ−1−ヘキセニル、7−シアノ−1−ヘプテニル及び8−シアノ−1−オクテニル;
4−ヒドロキシ−1−ブテニル、5−ヒドロキシ−1−ペンテニル、6−ヒドロキシ−1−ヘキセニル、7−ヒドロキシ−1−ヘプテニル、8−ヒドロキシ−1−オクテニル、9−ヒドロキシ−1−ノネニル、10−ヒドロキシ−1−デセニル、11−ヒドロキシ−1−ウンデセニル及び12−ヒドロキシ−1−ドデセニル;
4−カルボキシ−1−ブテニル、5−カルボキシ−1−ペンテニル、6−カルボキシ−1−ヘキセニル、7−カルボキシ−1−ヘプテニル、8−カルボキシ−1−オクテニル、4−メチルカルボキシ−t−ブテニル、5−メチルカルボキシ−1−ペンテニル、6−メチルカルボキシ−1−ヘキセニル、7−メチルカルボキシ−1−ヘプテニル、8−メチルカルボキシ−1−オクテニル、4−エチルカルボキシ−1−ブテニル、5−エチルカルボキシ−1−ペンテニル、6−エチルカルボキシ−1−ヘキセニル、7−エチルカルボキシ−1−ヘプテニル及び8−エチルカルボキシ−1−オクテニル。
【0012】
本発明にかかるテリレンイミドIは、6個までの置換基、好ましくは4個又は2個の置換基をテリレン骨格中に有していてよい。本発明にかかるクアテリレンイミドIは、8個までの置換基、好ましくは6個、4個又は2個の置換基をクアテリレン骨格中に有していてよい。
【0013】
好ましくは、このリレン骨格は少なくとも2個の環状アミノ基Aで置換されており、これは発色団系の構成成分として、吸収及び発光の予期しない強度の深色シフトを生じさせ、この変位は、それぞれ非置換の又は他の基で置換されたリレンイミドに対して、テリレンイミドの場合に約110nm、かつクアテリレンイミドの場合に約60nmである。
【0014】
本発明にかかるリレンイミドは、その製造の際に、一般的に、種々の置換度を有する生成混合物の形で生じ、これは所望によりクロマトグラフにより分離することができる。
【0015】
本発明にかかる、もっぱら環状アミノ基Aで置換されたリレンイミドIaの製造は、ハロゲン化された、好ましくは塩素化された、特に好ましくは臭素化されたリレンイミドIIaと相応のアミンIIIとの反応により有利に実施することができる。
【0016】
ハロゲン化されたリレンイミドIIa及びその製造は、WO−A−03/104232、96/22332及び02/76988並びに先願のドイツ国特許出願102004048729.4から公知である。
【0017】
同様に本発明にかかる、リレン骨格が環状アミン基Aによっても(ヘタ)アリールオキシ−及び/又は(ヘタ)アリールチオ基Zによっても置換されたリレンイミドIbは、既に基Zで置換され、かつ更なるハロゲン原子Xを環状アミノ基Aの代わりに有するリレンイミドIIaに基づいて製造することができる。
【0018】
このリレンイミドイミドIIaは、同様に上述のWO−A−03/104232、96/22332及び02/76988から公知であり、かつハロゲン化リレンイミドIIaから、部分的なハロゲン原子Xの基Zでの交換により得られる。
【0019】
本発明にかかる、環状アミノ基A、(ヘタ)アリールオキシ−及び/又は(ヘタ)アリールチオ基Z及びハロゲン原子Xを有するか又は環状アミノ基A及びハロゲン原子Xをリレン骨格中に有するリレンイミドIは、それぞれ同様に部分的なハロゲン原子Xのアミノ基A及び場合により基Zでの交換により得られる。しかしながら、これらのリレンイミドIは、副次的な重要性のみを有する。
【0020】
本発明にかかるリレンイミドイミドIIa又はIIbと環状アミンIIIとの反応の際に、非酸性溶剤を反応媒質として適用することができるが、アミンIIIはそれ自体溶剤として機能することができる。
【0021】
環状アミンIIIとしては、特に、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、モルホリン及びチオモルホリン(1,4−チアジン)が好適であり、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン及びモルホリンが好ましく、ピペリジンが特に好ましい。
【0022】
この環状アミンIIIは、化学的に修飾されていてよい、すなわち、その炭素鎖は−O−、−S−又は−NR1-だけでなく、−CO−、−SO−又は−SO2−によっても中断されていてよく、これらは1個又は2個の芳香族又は飽和4〜7員縮合環を有してよく、その炭素鎖は同様に上述の基で中断されていてよく、かつこれらは冒頭に挙げたアルキル−、シクロアルキル−及び/又は(ヘタ)アリール基で置換されていてよい。しかしながら、好ましくは非修飾アミンIIIである。
【0023】
好適なアミンIIIの例として以下のものが個々に挙げられる:
ピペリジン、2−又は3−メチルピペリジン、6−エチルピペリジン、2,6−又は3,5−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルピペリジン、4−フェニルピペリジン、ピペリジン−4−オール、ピペリジン−4−カルボン酸、ピペリジン−4−カルボン酸メチルエステル、ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル、ピペリジン−4−カルボン酸アミド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアミン、デカヒドロキノリン及びデカヒドロイソキノリン;
ピロリジン、2−メチルピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、2,5−ジエチルピロリジン、トロパノール、ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル、ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル、ピロリジン−2−カルボン酸ベンジルエステル、ピロリジン−2−カルボン酸アミド、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−3−カルボン酸、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル、ピロリジン−3−イルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチルアミン、(2,6−ジイソプロピルフェニル)ピロリジン−2−イルメチルアミン及びドデカヒドロカルバゾール;
ピペラジン、ジケトピペラジン、1−ベンジルピペラジン、1−フェニルエチルピペラジン、1−シクロヘキシルピペラジン、1−フェニルピペラジン、1−(2,4−ジメチルフェニル)ピペラジン、1−(2−、3−又は4−メトキシフェニル)ピペラジン、1−(2−、3−又は4−エトキシフェニル)ピペラジン、1−(2−、3−又は4−フルオロフェニル)ピペラジン、1−(2−、3−又は4−クロロフェニル)ピペラジン、1−(2−、3−又は4−ブロモフェニル)ピペラジン、1−、2−又は3−ピリジン−2−イルピペラジン及び1−ベンゾ[1.3]ジオキソール−4−イルメチルピペラジン;
モルホリン、2,6−ジメチルモルホリン、3,3,5,5−テトラメチルモルホリン、モルホリン−2−又は−3−イルメタノール、モルホリン−2−又は−3−イル酢酸、モルホリン−2−又は−3−酢酸メチルエステル、モルホリン−2−又は−3−イル酢酸エチルエステル、3−モルホリン−3−イル−プロピオン酸メチルエステル、3−モルホリン−3−イルプロピオン酸エチルエステル、3−モルホリン−3−イルプロピオン酸−t−ブチルエステル、モルホリン−2−又は−3−イルアセトアミド、3−モルホリン−3−イル−プロピオン酸アミド、3−ベンジルモルホリン、3−メチル−2−フェニルモルホリン、2−又は3−フェニルモルホリン、2−(4−メトキシフェニル)モルホリン、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)モルホリン、2−(4−クロロフェニル)モルホリン、2−(3,5−ジクロロフェニル)モルホリン、モルホリン−2−又は−3−カルボン酸、モルホリン−3−カルボン酸メチルエステル、3−ピリジン−3−イルモルホリン、5−フェニルモルホリン−2−オン、2−モルホリン−2−イルエチルアミン及びフェノキサジン;
チオモルホリン、2−又は3−フェニルチオモルホリン、2−又は3−(4−メトキシフェニル)チオモルホリン、2−又は3−(4−フルオロフェニル)チオモルホリン、2−又は3−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオモルホリン、2−又は3−(2−クロロフェニル)チオモルホリン、4−(2−アミノエチル)チオモルホリン、3−ピリジン−3−イルチオモルホリン、3−チオモルホリンカルボン酸、6,6−ジメチル−5−オキソ−3−チオモルホリンカルボン酸、3−チオモルホリン及び2−フェニルチオモルホリン−3−オン並びにチオモルホリンオキシド及び−ジオキシド。
【0024】
遊離のアミンIIIの代わりに、再び塩基添加によりアミンを遊離させることができるその塩、例えば無機酸の塩、例えばフッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩及び亜リン酸水素塩、又は有機酸の塩、例えばギ酸塩、酢酸塩及びプロピオン酸塩を使用することもできる。
【0025】
環状アミンIIIを反応相手としてのみ使用し、かつ同時に溶剤として使用しないのであれば、その使用量は慣用的に、リレンアミドIIa又はIIb中の交換されるべきハロゲン原子当たり1〜10モル、特に1〜3モルである。
【0026】
環状アミンIIIの量は、所望により、非求核性窒素含有塩基を添加することにより、ほぼ化学量論的に必要な量に還元することができる。塩基としては、反応条件下で液体のトリアルキルアミン、特にトリ−(C3〜C6−アルキル)アミン、例えばトリプロピルアミン及びトリブチルアミン、及びとりわけ窒素含有複素環、例えばピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、キナルジン、ジアザビシクロノナン(DBN)及びジアザビシクロウンデセン(DBU)が挙げられる。
【0027】
非求核性塩基を使用するのであれば、その量は、一般的に、リレンイミドIIa又はIIb中の交換されるべきハロゲン原子当たり1〜5モル、好ましくは1〜3モルである。
【0028】
本発明にかかる、ハロゲン化されたリレンイミドIIa又はIIbと環状アミンIIIとの反応のための溶剤としては、このアミンIIIをプロトン化しない非酸性溶剤が好適である。
【0029】
好ましい溶剤群は、脂肪族カルボン酸アミド、とりわけN,N−ジ(C1〜C6−アルキル)−(C1〜C6−カルボン酸)アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN,N−ジメチルブチルアミド及びラクタム、特にN−(C1〜C6−アルキル)ラクタム、例えばN−メチルピロリドンであり、ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドンが特に好ましい。
【0030】
更なる好ましい溶剤群は、ハロゲン化された芳香族及び脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン及びトリクロロベンゼン並びにハロゲン化メタン及びエタン、例えば塩化メチレン、クロロホルム、トリブロモメタン、テトラクロロメタン、テトラブロモメタン、1,2−ジクロロ−、1,1−及び1,2−ジブロモ−、1,1,1−及び1,1,2−トリクロロ−、1,1,1−及び1,1,2−トリブロモ−、1,1,1,2−及び1,1,2,2−テトラクロロ−及び1,1,1,2−及び1,1,2,2−テトラブロモメタンであり、塩化メチレン、クロロホルム及びクロロベンゼンが特に好ましい。
【0031】
更に、アミンIIIのみを溶解させるがハロゲン化リレンイミドIIaを溶解させない溶剤を使用することができる。アミンIIIをプロトン化しないプロトン性溶剤、例えば水、脂肪族C1〜C6−アルコール及び、OH−(C24O)a−Hで示され、その式中、a=1〜6の型のグリコールの他に、グリコールのジ−(C1〜C6−アルキル)エーテル並びに芳香族炭化水素が溶剤の好適な例として挙げられる。
【0032】
本発明にかかる方法においては、溶剤量は、一般的に、反応条件下でハロゲン化リレンイミドIIa又はIIb1g当たり10〜100g、好ましくは10〜50gの液相が存在するように選択する。
【0033】
この場合、この液相は、非酸性溶剤及び環状アミンIIIからなるか、又は環状アミンIIIが同時に溶剤としても機能する場合には、このアミンIII単独で、及び場合により非求核性塩基からなる。
【0034】
本発明にかかる方法において、反応温度は、一般的に30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
【0035】
選択された反応温度が成分の1つの沸点を上回る場合には、この閉鎖系中において生ずる圧力下で作業することができる。
【0036】
反応時間は、慣用的に12時間ないし10日間、特に1〜5日間である。
【0037】
方法技術的には、本発明により、リレンイミドIIa又はIIb及び環状アミンIII並びに所望により非酸性溶剤及び/又は非求核性塩基からの混合物を選択された反応温度に加熱し、そして12時間ないし10日間にわたってこの温度で撹拌することにより進行させることができる。
【0038】
この反応混合物のリレンイミドIへの後処理は、場合により沈殿した反応生成物の濾過か又は蒸発並びに引き続いてのカラム濾過か又はカラムクロマトグラフィにより実施することができる。
【0039】
この反応生成物の沈殿のために、プロトン性溶剤、例えば水、アルコール、特にC1〜C6−アルカノール、例えば、メタノール、エタノール、n−及びi−プロパノール、n−、i−及びs−ブタノール、n−ペンタノール、アミルアルコール及びn−及びi−ヘキサノール、エチレングリコールモノ(C1〜C4−アルキル)エーテル、例えばエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、及びカルボン酸、特に脂肪族C1〜C4−カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸及び酪酸が好適である。
【0040】
次いで濾別か又は蒸発により単離された反応生成物は、慣用的にこれらの溶剤の1種か又は希釈された無機酸、例えば硫酸、塩酸又はリン酸、又は溶剤の組合物を用いて洗浄するか又はこれらの溶剤中で撹拌し、そして再び濾過する。
【0041】
付加的に、反応溶剤として挙げた塩素化炭化水素又はカルボン酸アミド及びラクタムから、場合により沈殿に好適な溶剤又は希釈された無機酸との組合せで再結晶を行うことができる。
【0042】
この反応生成物は最終的なカラムクロマトグラフィにより、更に精製することができる。このために、種々の置換度のリレンイミドIを互いに分離することができる。
【0043】
展開剤としては、上述の塩素化炭化水素、好ましくはクロロホルム及び塩化メチレンが好ましく、並びにエステル、例えば酢酸エチルエステル、及び/又はアルコール、例えばメタノール又はエタノール、及び脂肪族炭化水素、例えば35〜120℃の沸点範囲を有する石油エーテル、又は芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン及びエチルベンゼンの混合物が好適である。固定相としては、慣用的にシリカゲルを使用する。
【0044】
本発明にかかる方法を用いれば、リレンイミドIを一般的に30〜90%の収率で、かつ少なくとも90%の純度で得ることができる。
【0045】
本発明にかかるリレンイミドIは、1100nmまでの波長における近赤外領域での強い吸収を示し、ひいては慣用の公知のリレン化合物を用いて得られるスペクトル範囲を有利に補填する。
【0046】
本発明にかかるリレンイミドIは、多数の応用、例えば高分子有機及び無機材料、特に塗料、印刷インク及びプラスチックの着色に、有機顔料用の分散助剤及び顔料添加剤として、電磁スペクトルの近赤外線領域において吸収を示す水性ポリマー分散液の製造に、人間の目に不可視の、赤外光吸収マーキング及び標識の製造に、及び熱管理用の赤外線吸収剤として好適である。
【0047】
実施例
実施例1
N,N′−(2,6−ジイソプロピル)フェニル−1,6,9,13−テトラ−(N−ピペリジル)テリレン−3,4:11,12−テトラカルボン酸ジイミド
4.6gのN,N′−(2,6−ジイソプロピル)フェニル−1,6,9,13−テトラブロモテリレン−3,4:11,12−テトラカルボン酸ジイミドと60mlのピペリジンとの混合物を、5日間にわたって106℃で撹拌した。生じた生成物を、この反応混合物を室温に冷却した後に濾別し、最初に50mlのエタノール、次いで100mlの水、最後に再び50mlのエタノールを用いてそれぞれ1時間にわたって攪拌し、次いで濾別し、そして真空中で乾燥させた。
【0048】
石油エーテル/酢酸(8:1 v/v)を用いたシリカゲル上でのカラム濾過により、3.9gの黒色の固体が得られ(収率 約90%)、これは分光測定分析により、2〜4個のピペリジル基を有するN,N′−(2,6−ジイソプロピルフェニル)テリレン−3,4:11,12−テトラカルボン酸ジイミドの混合物に相当し、かつ以下の吸収を示した:
λmax(ε)(塩化メチレン)=791nm(53 lg-1cm-1
クロロホルムを用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィにおいて、1.5gの純粋なN,N′−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,9,13−テトラ−(N−ピペリジル)テリレン−3,4:11,12−テトラカルボン酸ジイミドが得られ(34%の収率)、以下の吸収を示した:
λmax(ε)(アセトン)=538(4099)、804(21582)nm(lmol-1cm-1);
λmax(ε)(クロロホルム)=819nm(23000 lmol-1cm-1
【0049】
実施例2
1〜6個のピペリジル基をクアテリレン骨格中に有するN,N′−(2,6−ジイソプロピルフェニル)クアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミドの混合物
2.9gのN,N′−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ヘキサブロモクアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミドと、30mlのピペリジンと、30mlジメチルホルムアミドとの混合物を、5日間にわたって還流しつつ(106℃)撹拌した。
【0050】
この反応生成物を、室温に冷却した後に、10mlの水及び10mlのエタノールの添加により沈殿させ、濾別し、50mlの水を用いて80℃で複数回攪拌し、そして濾別し、最終的に水/エタノール(1:1 v/v)を用いて3回洗浄し、次いで真空下で乾燥させた。
【0051】
トルエン/酢酸(10:1 v/v)を用いたシリカゲル上でのカラム濾過の後に、0.96gの黒色の固体が得られ(収率 約40%)、これは分光測定分析により、1〜6個のピペリジル基を有するN,N′−(2,6−ジイソプロピルフェニル)テリレン−3,4:11,12−テトラカルボン酸ジイミドの混合物に相当し(6置換されたジイミド中のピペリジル基の位置:1,6,8,11,16,19及び1,6,8,11,16,18)、かつ以下の吸収を示した:
λmax(ε)(塩化メチレン)=805nm(61 lg-1cm-1
【0052】
実施例3
N,N′−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,11,16−テトラ(4−t−オクチルフェノキシ)−8,18−ジ(N−ピペリジル)−クアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミド
1.94gのN,N′−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,11,16−テトラ(4−t−オクチルフェノキシ)−8,18−及び−8,19−ジブロモクアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミドからの異性体混合物(約1:1)と、20mlのピペリジンとの混合物を5日間にわたって85℃で撹拌した。
【0053】
次いでこの反応混合物を、100mlの水及び100mlのメタノールからの混合物中に添加し、そして濾過する前に30分にわたって室温で撹拌した。この湿分を有するプレスケーキを1mの塩酸50ml中で30分にわたって撹拌し、濾別し、次いで100mlの水/メタノール(1:1 v/v)中で撹拌し、濾別し、そして真空中で乾燥させた。
【0054】
1.86gの黒色の固体が得られ、これをトルエンを用いたシリカゲル上でのカラム濾過により精製した。この場合、1.37gの黒色の固体が得られ(70%の収率)、これは分光測定分析により、テトラ(t−オクチルフェノキシ)ジピペリジル−、テトラ(t−オクチルフェノキシ)モノピペリジル−、トリ(t−オクチルフェノキシ)ジピペリジル−及びトリ(t−オクチルフェノキシ)トリピペリジル置換N,N′−(2,6−ジイソプロピルフェニル)クアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミドの混合物に相当し、かつ以下の吸収を示した:
λmax(ε)(塩化メチレン)=847(40)nm(gmol-1cm-1
塩化メチレンを用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィにおいて、N,N′−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,11,16−テトラ(4−t−オクチルフェノキシ)−8,18−及び−8,19−ジ(N−ピペリジル)クアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミドの異性体混合物(約1:1)1.1gが得られ(55%の収率)、これは以下の吸収を示した:
λmax(ε)(アセトン)=489(13015)、878(75000)nm(lmol-1cm-1);
λmax(ε)(クロロホルム)=910nm(105000 lmol-1cm-1
【0055】
実施例4
3〜5個のピペリジル基をクアテリレン骨格中に有するN,N′−(2,6−ジイソプロピルフェニル)クアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミドの混合物
20.23gのN,N′−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ヘキサブロモクアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミドと、210mlのピペリジンと、210mlのN−メチルピロリドンとの混合物を、撹拌しつつ122時間にわたって117℃に加熱した。
【0056】
この反応混合物を80℃に冷却した後に、500mlの水に沈殿させた。この混合物を3時間にわたって80℃で撹拌した。この沈殿した反応生成物を濾過し、温水で洗浄し、次いで真空下で乾燥させた。
【0057】
トルエン/酢酸(10:1 v/v)を用いたシリカゲル上でのカラム濾過の後に、3.23gの黒色の固体が得られ(収率 約42%)、これは分光測定分析により、3〜5個のピペリジル基を有するN,N′−(2,6−ジイソプロピルフェニル)テリレン−3,4:11,12−テトラカルボン酸ジイミドの混合物に相当し、かつ以下の吸収を示した:
λmax(ε)(塩化メチレン)=877nm(51 lg-1cm-1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

[式中、置換基及び変数は、以下の意味を有する:
R、R′は、互いに無関係に:
水素であり;
(1)C1〜C30−アルキルであり、このアルキルの炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−C≡C−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつ以下の基で一箇所以上置換されていてよい:
(i)C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR1、−CR1=CR12、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR23、−NR2COR3、−CONR23、−SO2NR23、−COOR2及び/又は−SO32
(ii)アリール又はヘタリール、これらに炭素骨格が1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい更なる飽和又は不飽和5〜7員環が縮合していてよく、その際この環系全体は以下の基で一箇所以上置換されていてよい:C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR1、−CR1=CR12、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR23、−NR2COR3、−CONR23、−SO2NR23、−COOR2、−SO32、アリール及び/又はヘタリール、これらはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR23、−NR2COR3、−CONR23、−SO2NR23、−COOR2及び/又は−SO32で置換されていてよい;
(iii)C3〜C8−シクロアルキル、このシクロアルキルの炭素骨格は1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつこのシクロアルキルに炭素骨格が1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい更なる飽和又は不飽和5〜7員環が縮合していてよく、その際この環系全体は以下の基で一箇所以上置換されていてよい:C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR1、−CR1=CR12、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR23、−NR2COR3、−CONR23、−SO2NR23、−COOR2及び/又は−SO32
(iv)基−U−アリール、この基は、アリール基(ii)についての置換基として挙げた前記基で一箇所以上置換されていてよく、その際、Uは基−O−、−S−、−NR1−、−CO−、−SO−又は−SO2−を意味する;
(2)C3〜C8−シクロアルキルであり、このシクロアルキルに炭素骨格が1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい更なる飽和又は不飽和5〜7員環が縮合していてよく、その際この環系全体は以下の基で一箇所以上置換されていてよい:基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び/又は
(v)C1〜C30−アルキル、このアルキルの炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−C≡C−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつ以下の基で一箇所以上置換されていてよい:C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR1、−CR1=CR12、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR23、−NR2COR3、−CONR23、−SO2NR23、−COOR2、−SO32、アリール及び/又は飽和又は不飽和C4〜C7−シクロアルキル、この炭素骨格は1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、その際アリール基及びシクロアルキル基はそれぞれC1〜C18−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として挙げた前記基で一箇所以上置換されていてよい;
(3)アリール又はヘタリールであり、これらに炭素骨格が1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−C≡C−、−CR1=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい更なる飽和又は不飽和5〜7員環が縮合していてよく、その際この環系全体は、基(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)及び/又はアリールアゾ及び/又はヘタリールアゾで置換されていてよく、これはそれぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又はシアノで置換されていてよい;
1は、水素又はC1〜C18−アルキルであり、基R1は、複数箇所で生ずる場合に同じか又は異なっていてよい;
2、R3は、互いに無関係に水素であり;
1〜C18−アルキルであり、このアルキルの炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつC1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ及び/又は−COOR1で一箇所以上置換されていてよい;
アリール又はヘタリールであり、これらにそれぞれ炭素骨格が1個以上の基−O−、−S−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい更なる飽和又は不飽和5〜7員環が縮合していてよく、その際この環系全体はC1〜C12−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として挙げた前記基で一箇所以上置換されていてよい;
Aは、窒素原子を介して結合した5〜9員環であり、この炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、NR1−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、これに炭素鎖が同様にこれらの基及び/又は−N=で中断されていてよい1個又は2個の飽和又は不飽和4〜8員環が縮合していてよく、その際この環系全体は以下の基で一箇所以上置換されていてよい:
ヒドロキシ、ニトロ、−NHR2、カルボキシ、−COOR2、−CONR23又は−NR2COR3
1〜C30−アルキル、このアルキルの炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C1〜C6−アルコキシ、−COOR2、−CONR23、アリール(これはC1〜C18−アルキル又はC1〜C6−アルコキシで置換されていてよい)及び/又は、更なるヘテロ原子を含有しかつ芳香族性であってよい、窒素原子を介して結合した5〜7員複素環基で一箇所以上置換されていてよい;
5〜C8−シクロアルキル、このシクロアルキルの炭素骨格は1個以上の基−O−、−S−及び/又は−NR1−で中断されていてよく、及び/又はC1〜C6−アルキルで一箇所以上置換されていてよい;
アリール又はヘタリール、これらはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−CONR23、−NR2COR3、−SO2NR23及び/又はアリールアゾ又はヘタリールアゾ(これらはそれぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又はシアノで置換されていてよい)で一箇所以上置換されていてよく、その際、基Aは、m>1の場合に同じか又は異なっていてよい;
Xは、塩素又は臭素であり、その際、基Xはx>1の場合に同じか又は異なっていてよい;
Zは、C3〜C20−アルキル、C3−C20−アルケン−2−イル又はC3−C20−アルキン−2−イルであり、このアルキル鎖はそれぞれ1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつ、シアノ、C1〜C6−アルコキシ、−COOR2、−CONR23、アリール(これはC1〜C18−アルキル又はC1〜C6−アルコキシで置換されていてよい)及び/又は、更なるヘテロ原子を含有しかつ芳香族性であってよい、窒素原子を介して結合した5〜7員複素環基で一箇所以上置換されていてよい;
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオであり、これらにそれぞれ炭素骨格が1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−N=CR1−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−で中断されていてよい更なる飽和又は不飽和5〜7員環が縮合していてよく、その際この環系全体はR及びR′について挙げたアルキル基(1)、シクロアルキル基(2)、アリール−又はヘタリール基(3)及び/又はそこで挙げた基(i)及び/又は(iv)で一箇所以上置換されていてよく、
その際、基Zはz>1の場合に同じか又は異なっていてよい;
mは、1又は2であり;
nは、m=1の場合に1〜4であり;
m=2の場合に1〜6であり;
xは、m=1の場合に0〜3であり、その際、n+x+z≦4であり;
m=2の場合に0〜5であり、その際、n+x+z≦6であり、
zは、m=1の場合に0〜3であり、その際、n+x+z≦4であり;
m=2の場合に0〜5であり、その際、n+x+z≦6である]のリレンテトラカルボン酸ジイミド。
【請求項2】
置換基及び変数が、以下の意味を有する:
R、R′は、互いに無関係に水素であり;
1〜C30−アルキルであり、このアルキルの炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつ、シアノ、C1〜C6−アルコキシ、アリール(これはC1〜C18−アルキル又はC1〜C6−アルコキシで置換されていてよい)及び/又は、更なるヘテロ原子を含有しかつ芳香族性であってよい、窒素原子を介して結合した5〜7員複素環基で一箇所以上置換されていてよい;
5〜C8−シクロアルキルであり、このシクロアルキルの炭素骨格は1個以上の基−O−、−S−及び/又は−NR1−で中断されていてよく、及び/又はC1〜C6−アルキルで一箇所以上置換されていてよい;
アリール又はヘタリールであり、これらはC1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−CONR23、−SO2NR23、−COOR2、−SO32及び/又はアリールアゾ又はヘタリールアゾ(これらはそれぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又はシアノで置換されていてよい)で一箇所以上置換されていてよく;
1は、水素又はC1〜C6−アルキルであり;
2、R3は、互いに無関係に水素であり;
1〜C18−アルキルであり、このアルキルはC1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ及び/又はシアノで置換されていてよい;アリール又はヘタリールであり、これはアルキルについて挙げた前記基並びにC1〜C6−アルキルで置換されていてよい;
Aは、窒素原子を介して結合した5〜9員環であり、この炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、NR1−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、これに炭素鎖が同様にこれらの基及び/又は−N=で中断されていてよい1個又は2個の飽和又は不飽和4〜8員環が縮合していてよく、その際この環系全体は以下の基で一箇所以上置換されていてよい:
ヒドロキシ、ニトロ、−NR23、−COOR2、−CONR23又は−NR2COR3
1〜C30−アルキル、このアルキルの炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C1〜C6−アルコキシ、−COOR2、−CONR23、アリール(これはC1〜C18−アルキル又はC1〜C6−アルコキシで置換されていてよい)及び/又は、更なるヘテロ原子を含有しかつ芳香族性であってよい、窒素原子を介して結合した5〜7員複素環基で一箇所以上置換されていてよい;
5〜C8−シクロアルキル、このシクロアルキルの炭素骨格は1個以上の基−O−、−S−及び/又は−NR1−で中断されていてよく、及び/又はC1〜C6−アルキルで一箇所以上置換されていてよい;
アリール又はヘタリール、これらはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−CONR23、−NR2COR3、−SO2NR23及び/又はアリールアゾ又はヘタリールアゾ(これらはそれぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又はシアノで置換されていてよい)で一箇所以上置換されていてよく、その際、基Aは、m>1の場合に同じか又は異なっていてよい;
Xは、塩素又は臭素であり、その際、基Xはx>1の場合に同じか又は異なっていてよい;
Zは、C3〜C20−アルキル、C3〜C20−アルケン−2−イル又はC3〜C20−アルキン−2−イルであり、このアルキル鎖はそれぞれ1個以上の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、かつ、シアノ、C1〜C6−アルコキシ、−COOR2、−CONR23、アリール(これはC1〜C18−アルキル又はC1〜C6−アルコキシで置換されていてよい)及び/又は、更なるヘテロ原子を含有しかつ芳香族性であってよい、窒素原子を介して結合した5〜7員複素環基で一箇所以上置換されていてよい;
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオであり、これらはそれぞれRについて挙げられ、水素とは異なる基か又はこれと異なる基で1箇所以上置換されていてよく、その際、基Zはz>1の場合に同じか又は異なっていてよい;
mは、1又は2であり;
nは、m=1の場合に1〜4であり;
m=2の場合に1〜6であり;
xは、m=1の場合に0〜3であり、その際、n+x+z≦4であり、
m=2の場合に0〜5であり、その際、n+x+z≦6であり;
zは、m=1の場合に0〜3であり、その際、n+x+z≦4であり、
m=2の場合に0〜5であり、その際、n+x+z≦6である、
請求項1に記載の一般式Iのリレンテトラカルボン酸ジイミド。
【請求項3】
置換基及び変数が、以下の意味を有する:
R、R′は、互いに無関係に水素であり;
1〜C30−アルキルであり、このアルキルの炭素鎖は、1個以上の基−O−及び/又は−CO−で中断されていてよく、かつ、シアノ、C1〜C6−アルコキシ、アリール(これはC1〜C18−アルキル又はC1〜C6−アルコキシで置換されていてよい)及び/又は、更なるヘテロ原子を含有しかつ芳香族性であってよい、窒素原子を介して結合した5〜7員複素環基で一箇所以上置換されていてよい;
5〜C8−シクロアルキルであり、このシクロアルキルはC1〜C6−アルキルで一箇所以上置換されていてよい;
フェニル、ナフチル、ピリジル又はピリミジルであり、これらはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−CONR23、−SO2NR23及び/又はフェニル−又はナフチルアゾ(これらはそれぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又はシアノで置換されていてよい)で一箇所以上置換されていてよく、
1は、水素又はC1〜C6−アルキルであり;
2、R3は、互いに無関係に水素であり;
1〜C18−アルキルであり、このアルキルはC1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ及び/又はシアノで置換されていてよい;アリール又はヘタリールであり、これはアルキルについて挙げた前記基並びにC1〜C6−アルキルで置換されていてよい;
Aは、窒素原子を介して結合した5〜7員環であり、この炭素鎖は、1個以上の基−O−、−S−、NR1−、−CO−及び/又は−SO2−で中断されていてよく、これに炭素鎖が同様にこれらの基及び/又は−N=で中断されていてよい1個又は2個の飽和又は不飽和4〜8員環が縮合していてよく、その際この環系全体は、C1〜C24−アルキル(これは、C1〜C18−アルキルを置換基として有してよいアリールで置換されていてよい)で一箇所以上置換されていてよく、:
Zは、フェノキシ、フェニルチオ、ピリジルオキシ、ピリミジルオキシ、ピリジルチオ又はピリジルチオであり、これらはそれぞれアリールで置換されていてよいC1〜C12−アルキルで1箇所以上置換されていてよく、及び/又はアリールで置換されていてよく、その際、基Zは、z>1の場合に同じか又は異なっていてよい;
mは、1又は2であり;
nは、m=1の場合に2〜4であり;
m=2の場合に2〜6であり;
zは、m=1の場合に0〜2であり、その際、n+z≦4であり;
m=2の場合に0〜4であり、その際、n+z≦6である、
請求項1に記載の一般式Iのリレンテトラカルボン酸ジイミド。
【請求項4】
一般式Ia
【化2】

[式中、置換基及び変数は請求項1に挙げた意味を有する]のリレンテトラカルボン酸ジイミドを製造する方法において、式IIa
【化3】

[式中、置換基及び変数のX及びx1aは以下の意味を有する:
xは、ハロゲンであり;
x1aは、m=1の場合に1〜4であり;
m=2の場合に1〜6である]のハロゲン化リレンテトラカルボン酸ジイミドと、所望により非酸性溶剤の存在下で、式III
H−A III
の環状アミン又はこのアミンの塩と反応させることを特徴とする方法。
【請求項5】
一般式Ib
【化4】

[式中、R、R′、A、Z及びmは、請求項1に挙げた意味を有し、かつn1及びz1は、以下の意味を有する:
n1は、m=1の場合に1〜3であり;
m=2の場合に1〜5であり;
z1は、m=1の場合に1〜3であり、その際、n1+z1≦4であり;
m=2の場合に1〜5であり、その際、n1+z1≦6である]のリレンテトラカルボン酸ジイミドを製造する方法において、一般式IIb
【化5】

[式中、X及びx1bは以下の意味を有する:
Xは、ハロゲンであり;
x1bは、m=1の場合に1〜3であり、その際、x1b+z1≦4であり;
m=2の場合に1〜5であり、その際、x1b+z1≦6である]のリレンイミドと、所望により非酸性溶剤の存在下で、式III
H−A III
の環状アミン又はこのアミンの塩とを反応させることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1から3までの何れか1項に記載の式Iのリレンテトラカルボン酸ジイミドの、有機及び無機材料の着色のための使用。
【請求項7】
高分子材料が塗料、印刷インク又はプラスチックであることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
請求項1から3までの何れか1項に記載の式Iのリレンテトラカルボン酸ジイミドの、有機顔料用の分散助剤及び顔料添加剤としての使用。
【請求項9】
請求項1から3までの何れか1項に記載の式Iのリレンテトラカルボン酸ジイミドの、電磁スペクトルの近赤外領域において吸収を示す水性ポリマー分散液の製造のための使用。
【請求項10】
請求項1から3までの何れか1項に記載の式Iのリレンテトラカルボン酸ジイミドの、人間の目に不可視の、赤外光を吸収するマーキング及び標識を生じさせるための使用。
【請求項11】
請求項1から3までの何れか1項に記載の式Iのリレンテトラカルボン酸ジイミドの、熱管理用の赤外線吸収剤としての使用。

【公表番号】特表2008−521766(P2008−521766A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541855(P2007−541855)
【出願日】平成17年11月26日(2005.11.26)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012661
【国際公開番号】WO2006/058674
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】