環状円板成形用素材並びに環状円板成形方法及び金型
【課題】本発明は自動車の自動変速機クラッチパックにおけるリテーニングプレート等の環状円板を成形するための素材並びにその成形方法及び金型に関し、板材のスクラップ量を削減しかつ高精度製品の製造に支障がないようにすることを目的とする。
【解決手段】環状円板成形用素材10は金属板材よりプレス打抜きされ、長円形をなす。長円形からの円形への成形は塑性加工により行われ、素材10の短径部内周に成形部27を当接させ、成形部27をカム22により離間移動させることで短径部を拡開、長径部を縮小させる。加工中に素材は外周では窪み部24-2によって案内することにより最終的に円形に塑性変形させる。塑性変形中に上下面間では材料の逃げを阻止するように規制を行う。
【解決手段】環状円板成形用素材10は金属板材よりプレス打抜きされ、長円形をなす。長円形からの円形への成形は塑性加工により行われ、素材10の短径部内周に成形部27を当接させ、成形部27をカム22により離間移動させることで短径部を拡開、長径部を縮小させる。加工中に素材は外周では窪み部24-2によって案内することにより最終的に円形に塑性変形させる。塑性変形中に上下面間では材料の逃げを阻止するように規制を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は自動車の自動変速機のクラッチパックに使用されるリテーニングプレート等に成形するための環状円板に成形するための素材並びに環状円板成形方法及びその成形のための金型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の自動変速機のクラッチパックに使用されるリテーニングプレートは円形環状をなし、通常は金属板材(シート材若しくはコイル材)から円環形状の素材を打抜き、外周若しくは内周のスプラインを成形することで製造している。しかしながら、平板からの円環形状の素材の打抜きはスクラップを大量に生じ、金属板材のコストが上がっている現状ではリテーニングプレートのコストもそれに伴って嵩んでしまう問題がある。
【0003】
そこで、円環形状部材の製造方法として、金属線材をリング状にカール成形後、端面同士を溶接することで、円環形状に成形したり(特許文献1)、円弧状に分割された素材をプレス打抜き、溶接により円環形状に一体化することが提案されている。
【特許文献1】特開2000−42647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属線材をカール成形後の溶接構造やプレス打抜きされた円弧状分割素材の溶接構造はスクラップを少なくし材料の歩留まりを高めることはできるが、溶接構造の採用は接合部の強度・品質の管理が難しくコスト増の原因となる。また、溶接設備及び溶接部のバリ取り装置が必須で、この点でもコストが嵩む結果となる。また溶接部の存在は自動車の自動変速機のクラッチパックにおいてリテーニングプレートに使用した場合、摩擦材の偏磨耗の懸念があり、また、スプラインの精度確保が困難になる問題がある。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、板材のスクラップ量を削減することができかつ高精度製品の製造に支障がないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の環状円板成形用素材は金属板材より環状にプレス打抜きされ、内外周で長円形をなし、塑性加工により内外周で円形に成形される。
【0007】
長環状円板からの環状円板の成形は塑性加工により行われ、内外周で長円形の環状で板状の素材に素材平面に平行に長円形における短径において内周より半径外方に離間方向に外力を付与すると同時に長円形における長径において半径内方にフリーとし、これにより素材を内外周で円形を呈するべく塑性変形に至らしめる。長円形から円形への素材の塑性変形と同時に上下面間では材料の逃げを阻止することができる。また、長円形から円形への素材の塑性変形の際に素材の外周をガイドすることができる。
【0008】
この成形方法のための金型は、素材の長円形における短径に沿って離間方向に移動可能に一対配置され、各々が素材の載置面と、載置面より起立し、素材の長円形における短径内周に当接し、最終的に成形すべき円環の内径に相当する外周円弧面を備えた成形部とを備えたカム従動体と、カム従動体にカム係合することによりカム従動体を離間方向に移動させるカムとからなる。金型は、更に、素材の載置面との間で素材の上下方向の逃げを阻止する押さえ部及び素材の塑性変形中に素材の長円形における長径外周を案内する案内部を更に備えることができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、環状円板成形用素材は内外周で長円形であり、板材からのプレス打抜きの際に素材をより密接して打抜くことが可能であり、スクラップの減少を実現することができる。そして、塑性加工により長円形から円形への成形を行っており、溶接が行われないことから加工後の製品の精度を高めることができる。そして、殆ど一度の塑性加工で長円形から円形の成形を行うことができ、加工コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1はこの発明の長円形素材の、板材からのプレス打抜き状態を示す図である。
【図2】図2は従来の円形素材の、板材からのプレス打抜き状態を示す図である。
【図3】図3は上下型が離間状態におけるこの発明の金型を備えたプレス機の縦断面図である。
【図4】図4は図3の金型における下型の平面図であり、(イ)は素材の加工開始状態を示し、(ロ)は環状円板に塑性加工が完了した状態を示す。
【図5】図5は図3のV−V線に沿った矢視断面図である。
【図6】図6は図3のVI−VI線に沿った矢視断面図である。
【図7】図7は図3のVII−VII線に沿った矢視断面図である。
【図8】図8は図3のVIII−VIII線に沿った矢視断面図である。
【図9】図9は図3のIX−IX線に沿った矢視断面図である。
【図10】図10は図3のプレス機による素材の塑性加工の段階(a)−(d)を示す縦断面図である。
【図11】図11は塑性加工により長環状円板より環状円板に成形する際に素材の外周を案内する窪みの形状を説明する図である。
【図12】図12は下型及び下型に載置された素材を示す斜視図であり、(イ)は加工開始時を示し、(ロ)は加工終了時を示す。
【図13】図13はこの発明の環状円板成形用素材における長円形の別形態をそれぞれ(a)(b)に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は金属板材よりプレス打抜きされる素材10を示しており、素材10は上下面は平坦であり、内外周が相似同芯な長円形(板幅D)をなし、素材10は塑性加工により自動車の自動変速機のクラッチパックに使用されるリテーニングプレート等のための上下面平坦で内外周が同芯の円形(図2と同様な形状)に成形される。本発明の長円形の素材10は短径に沿ってくびれ部10-1を有し、長径に沿った部位10-2は円弧形状をなしている。図2は従来のプレスからの打抜き素材10´を示し、プレス打抜き形状は最初から内外で同芯の円形(板幅D)をなしており、板材からの打抜きの際のスクラップ量が多い問題があったが、本発明ではプレス打抜き時の素材10の形状は長円形とすることで板材からの素材のプレス打抜き時のスクラップ発生を抑え、素材コストが大幅に軽減され、円形に塑性加工するための付加工程及び設備による幾分のコスト増があっても、トータルの製品コストは従来法(図2)と比較して軽減することが可能である。
【0012】
次に、図1の素材10を塑性加工下で円形に成形する金型の構造について説明すると、図3において、12はプレス機械の下側ダイホルダ、14はプレス機械の上側ダイホルダを示す。この発明の金型は下型16と上型18とから成る。
【0013】
下型16はダイプレート19と、カム22と、一対のガイドブロック24(図3にはその一方のみ、図6には両側にて示す)と、一対のカム従動体26とを備える。ダイプレート19はダイクッションロッド20の上端に固定され、下側ダイホルダ12の上面の窪み12Aに案内されることで昇降する。カム22は矩形の断面形状をなし(図8及び図9)、下側ダイホルダ12の窪み12Aの底面中央部に直立固定される。一対のガイドブロック24は、各々がダイプレート19上に固定され、図3の紙面に直交する方向に平行に離間して配置される。一対のカム従動体26は一対のガイドブロック24間に配置され、ダイプレート19上を離間方向に移動する。一対のガイドブロック24間に図3の紙面と平行な案内路25(図4(イ)も参照)が形成され、カム従動体26は案内路25に沿って図3の左右(図4(イ)の矢印f方向)に移動する。案内路25に沿ってカム従動体26の移動を案内するため、カム従動体26は下端に案内突起26-1を備え、案内突起26-1はガイドブロック24の案内溝24-1に係合する(図6)。カム22は上端が断面山形をなし、図3の紙面に直交方向に延びる一対のカム駆動面22-1(図12(イ)(ロ)も参照)を形成し、他方、一体のカム従動体26の各々は対向したカムのカム駆動面22-1に相補的なカム従動面26-2を備え、対向したカム駆動面22-1とカム従動面26-2とは面接しており、カム22がダイプレート19に対して相対的に上昇することにより、カム2により図3の左右のカム従動体26は図3及び図12(イ)の初期状態からダイプレート19上を左右に離間するように図12(ロ)のフルストローク状態まで駆動され、これにより、後述のように塑性変形下での素材10の成形が行われる。
【0014】
図4(イ)に示すように、ガイドブロック24はカム従動体26を挟んでカム従動体26の移動方向(矢印f)を挟んで両側に位置している。ガイドブロック24はその上面に略3角形の窪み24-2(素材外周案内部)を形成し、カム従動体26を挟んだ一対のガイドブロック24間で窪み24-2は3角形状が底辺側にて向き合うように配置される。窪み24-2の深さは素材10の厚みに拮抗しており(図12(イ)も参照)、図4(イ)に示すように、素材10の長径の両側は夫々のガイドブロック24上の窪み24-2に載置収容され、この状態においては、素材10は外周の4点(図11のP2)において窪み24-2の側壁面に当接若しくは微小隙間で位置するようになっている。一方、素材10は長円形の長軸方向では内周ではフリーであり、長円形から円形への塑性変形を可能とする。カム従動体26はその上面に一体に成形部27を備える。各成形部27は図4(イ)に示すように上面側より見た形状は円弧を弦で結んだ形状をなし、成形部27はカム従動体26より素材10の肉厚相当分突出している(図3及び図12(イ)参照)。そして、図4(イ)に示すように、初期状態(加工開始時)では一対のカム従動体26間で成形部27はその弦が合わさるように配置され、かつ外周27Aにおいて素材10の直径対立位置における短径内周に当接している。成形部27の外周の円弧形状は、後述のように、塑性加工により長環状円板から環状円板に成形したときの内周側の円形における曲率と同一の曲率となっている。そして、後述のように、塑性加工の開始に先立ち、素材10はその長径側の直径対向位置でガイドブロック24の窪み24-2に載置され、素材10はその外周が4点で窪み24-2の直立側壁面に当接され(又は素材の投入の円滑のため後述のように些少の隙間が残され)、他方、素材10はその内周が短径側の直径対立位置で成形部27の外周面27Aに当接する。そして、一対のカム従動体26を短径に沿って離間方向に移動させることによって、カム従動体26による素材10は長環状円板から環状円板への塑性加工が行われる。
【0015】
図3において、上型18はダイプレート30と、ダイプレート30の下面に固定され、図3の紙面に直交する方向に離間して一対設けられたガイドブロック32と、一対のガイドブロック32間の案内路34を図3の紙面に平行に左右に離間方向に移動されるカムスライド36とからなる。カムスライド36はカム従動面36-1を備え、後述のように長環状円板から環状円板への塑性加工の終了段階のやや手前において、カム22の駆動面22-1がカム従動面36-1に当接することによりカムスライド36は図3の状態から離間方向に駆動され、所望ストロークまでのカム22の相対移動を許容する。カムスライド36のこのような移動を案内するため、カムスライド36は上端に案内突起36-2を備え、案内突起36-2はガイドブロック32の案内溝32-1に係合する(図7)。カムスライド36とガイドブロック32とはその下面が面一であり、これも面一をなすガイドブロック24とカム従動体26との上面26Aとの間で塑性加工中の素材の上下の逃げを拘束する役目を果たすことになる。
【0016】
以上説明した金型による素材の塑性加工について説明すると、塑性加工開始前には図3に示すようにダイクッションロッド20は上方に延出位置され、ダイプレート19は上昇位置する。また、図3の左右のカム従動体26は対向面で当接し、この当接面は金型中心線Lと一致している。また、上型18の左右のカムスライド36については対向端縁は当接し、この当接部も金型中心線L(図3)上にある。図4(イ)に示すように、素材10は長径に沿った両端部の夫々がガイドブロック24の窪み24-2上に載置される。カム従動体26はその上面26Aが窪み24-2の底面と面一であり(図12参照)、素材10を安定載置することができる。そして、カム従動体26と一体の成形部27は素材の肉厚分だけ面26Aより突出し、成形部27の外周円弧面27Aは素材10の短径に沿った内周に当接している。また、上側ダイホルダ14は上昇位置している。
【0017】
図10はこの発明の金型による素材の塑性加工の段階(a)−(d)を示す。(a)は図3に一致する初期状態を示し、素材10はカム従動体26上載置され、成形部27は素材10に短径部内周に当接し、長径部両端はガイドブロック24の窪み24-2上に載置され、素材10の外周縁は窪み24-2の直立壁面24-2A(図12)に当接する。上側ダイホルダ14を図4(a)の状態から下降させて行き、図4(b)では上型カムスライド36の下面36A及びこれと面一のガイドブロック32(図3)の下面32A(カムスライド36の下面36Aとで本発明の押え部を構成する)が素材10の上面と当接する。すなわち、素材10は下面では面一にあるカム従動体26の上面26Aとガイドブロック24の窪み24-1上に載置され、成形部27はこの面一面から素材10の肉厚分隆起しており、そのため、下側の面一面と上側の面一面との間に素材10の丁度肉厚分が残されるのみとなり、塑性加工中の素材の上下方向への逃げが阻止され、加工中に素材10は平板状態を維持することができる。
【0018】
図10(c)において上側ダイホルダ14の下降が更に進むと、ダイプレート19はカム22に対して下降する。このような下降は図示しない油圧機構によりダイクッションロッド20に加わる上方付勢力に抗してダイプレート19及びこれに固定されるガイドブロック24を下降させ、その結果、カム22によってカム従動体26はガイドブロック24間を左右に離間方向(図4(イ)の矢印f方向)に移動させる。このようなカム従動体26の移動により、素材の短軸に沿った内周面に外周が当接する成形部27は素材の短径部を直径に沿って外方に変形に至らしめる。他方、素材10の長軸部は内周側には規制がないため、窪み24-2により外周を規制・案内されながら半径内方に変形してゆく。図10(d)は上側ダイホルダ14のフルストローク状態を示し、ダイクッションロッド20の更なる下降によって、カム22のカム面はカム従動体26を完全に突き抜け、カムスライド36に当接してこれを左右に離間させ、カム従動体26に対するカム22のフルストロークを許容する。図4(ロ)はフルストローク状態での成形部27の位置を示し、成形部27の外周円弧面27Aは全周で素材10の内周に当接し、素材は円形に成形される。また、素材10の外周は窪み24-2の直立面24-2Aに最内側位置にて当接している(図12(ロ)も参照)。窪み24-2はその直立面24-2Aによって成形部27を短軸離間方向において素材内周に係合状態で拡開させることによる素材の長円形から円形への塑性加工の過程において素材の外周を案内・規制する形状となっている。図11は窪み24-2の形状如何について説明するもので、素材10は塑性変形により長円形から円形に形成される。塑性加工前の長円形素材の内周をAIにて、外周をAOにて表し、塑性加工後の円形素材の内周をBIにて、外周をBOにて表す。周長としては、塑性加工前の長円形素材の内周AI=塑性加工後の円形素材の内周BI=πφIであり、塑性加工前の外周AO=塑性加工後の円形素材の外周BO=πφOとすることができる。即ち、この場合は、素材は長円形から円形への塑性変形の過程で内径も外周も周長は一定である。しかしながら、塑性加工前後で内周及び外周の双方を必ずしも一致させなくても、内周若しくは外周の一方のみを一致させるようにしても良い。そして、円形への塑性変形の完了状態において、素材の外周部に一致するように窪み24-2の直立面24-2Aに対する素材当接部p1(4点)の形状(曲線形状)は決められる。そして、塑性加工前の素材に接線を構成するように素材の当接部位p2(4点)に惹かれた接線が窪み24-2における素材当接部(3角形の斜辺)の形状となる。このような形状により長円形から円形への塑性変形の全過程で素材の外周のスムースな案内が可能となる。尚、部位p2においては塑性加工開始に先立っての素材の投入を容易とするため、適当な隙間を持たせることが可能である。
【0019】
素材10から円形形状への塑性変形は金型1段でも可能(必要あればトリミングを行う)であるが、塑性加工の精度を高めるため金型を2段としても良い。
【0020】
素材10の形状要件について説明すると、長径部位10-2(図1)は円弧形状をなし、長径部位10-2は塑性変形により円形に広げていることから、その内径は最終的な円形加工品の内径より小さいが、長径部位10-2の内径が小さすぎると最終的円形状のいびつの度合いが大きくなってしまうので適当な大きさに設定する。長径部位10-2の内径の適値は素材如何でも異なるが、この辺りは試行錯誤も含めて適値が得られるように決定する必要がある。素材10の短径部位10-1は成形部27による変形規制部位であるため形状の自由度は大きいが、長径部位10-2と滑らかに繋がった形状になっていることが好ましい。当然のことであるが、長径部位10-2は成形部27によって拡開されることから、内径としては成形部27が入り得るような設定となっている。
【0021】
素材10の形状は図1の実施形態のように短径部10-1を凹ませることが板材からのプレス打抜き時においてスクラップ量を最小とすることにおいて好ましいが、図13(a)のような短径部が幾分膨らんだ長円形状(楕円)や図13(b)のように短径部が直線上の小判形状のような長円形状とすることができ、プレス打抜き時のスクラップ量減を実現することができる。
【符号の説明】
【0022】
10…素材
12…下側ダイホルダ
14…上側ダイホルダ
16…下型
18…上型
20…ダイクッションロッド
22…カム
24…下型のガイドブロック
24-2…素材載置用窪み
26…カム従動体
27…成形部
32…上型のガイドブロック
36…カムスライド
【技術分野】
【0001】
この発明は自動車の自動変速機のクラッチパックに使用されるリテーニングプレート等に成形するための環状円板に成形するための素材並びに環状円板成形方法及びその成形のための金型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の自動変速機のクラッチパックに使用されるリテーニングプレートは円形環状をなし、通常は金属板材(シート材若しくはコイル材)から円環形状の素材を打抜き、外周若しくは内周のスプラインを成形することで製造している。しかしながら、平板からの円環形状の素材の打抜きはスクラップを大量に生じ、金属板材のコストが上がっている現状ではリテーニングプレートのコストもそれに伴って嵩んでしまう問題がある。
【0003】
そこで、円環形状部材の製造方法として、金属線材をリング状にカール成形後、端面同士を溶接することで、円環形状に成形したり(特許文献1)、円弧状に分割された素材をプレス打抜き、溶接により円環形状に一体化することが提案されている。
【特許文献1】特開2000−42647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属線材をカール成形後の溶接構造やプレス打抜きされた円弧状分割素材の溶接構造はスクラップを少なくし材料の歩留まりを高めることはできるが、溶接構造の採用は接合部の強度・品質の管理が難しくコスト増の原因となる。また、溶接設備及び溶接部のバリ取り装置が必須で、この点でもコストが嵩む結果となる。また溶接部の存在は自動車の自動変速機のクラッチパックにおいてリテーニングプレートに使用した場合、摩擦材の偏磨耗の懸念があり、また、スプラインの精度確保が困難になる問題がある。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、板材のスクラップ量を削減することができかつ高精度製品の製造に支障がないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の環状円板成形用素材は金属板材より環状にプレス打抜きされ、内外周で長円形をなし、塑性加工により内外周で円形に成形される。
【0007】
長環状円板からの環状円板の成形は塑性加工により行われ、内外周で長円形の環状で板状の素材に素材平面に平行に長円形における短径において内周より半径外方に離間方向に外力を付与すると同時に長円形における長径において半径内方にフリーとし、これにより素材を内外周で円形を呈するべく塑性変形に至らしめる。長円形から円形への素材の塑性変形と同時に上下面間では材料の逃げを阻止することができる。また、長円形から円形への素材の塑性変形の際に素材の外周をガイドすることができる。
【0008】
この成形方法のための金型は、素材の長円形における短径に沿って離間方向に移動可能に一対配置され、各々が素材の載置面と、載置面より起立し、素材の長円形における短径内周に当接し、最終的に成形すべき円環の内径に相当する外周円弧面を備えた成形部とを備えたカム従動体と、カム従動体にカム係合することによりカム従動体を離間方向に移動させるカムとからなる。金型は、更に、素材の載置面との間で素材の上下方向の逃げを阻止する押さえ部及び素材の塑性変形中に素材の長円形における長径外周を案内する案内部を更に備えることができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、環状円板成形用素材は内外周で長円形であり、板材からのプレス打抜きの際に素材をより密接して打抜くことが可能であり、スクラップの減少を実現することができる。そして、塑性加工により長円形から円形への成形を行っており、溶接が行われないことから加工後の製品の精度を高めることができる。そして、殆ど一度の塑性加工で長円形から円形の成形を行うことができ、加工コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1はこの発明の長円形素材の、板材からのプレス打抜き状態を示す図である。
【図2】図2は従来の円形素材の、板材からのプレス打抜き状態を示す図である。
【図3】図3は上下型が離間状態におけるこの発明の金型を備えたプレス機の縦断面図である。
【図4】図4は図3の金型における下型の平面図であり、(イ)は素材の加工開始状態を示し、(ロ)は環状円板に塑性加工が完了した状態を示す。
【図5】図5は図3のV−V線に沿った矢視断面図である。
【図6】図6は図3のVI−VI線に沿った矢視断面図である。
【図7】図7は図3のVII−VII線に沿った矢視断面図である。
【図8】図8は図3のVIII−VIII線に沿った矢視断面図である。
【図9】図9は図3のIX−IX線に沿った矢視断面図である。
【図10】図10は図3のプレス機による素材の塑性加工の段階(a)−(d)を示す縦断面図である。
【図11】図11は塑性加工により長環状円板より環状円板に成形する際に素材の外周を案内する窪みの形状を説明する図である。
【図12】図12は下型及び下型に載置された素材を示す斜視図であり、(イ)は加工開始時を示し、(ロ)は加工終了時を示す。
【図13】図13はこの発明の環状円板成形用素材における長円形の別形態をそれぞれ(a)(b)に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は金属板材よりプレス打抜きされる素材10を示しており、素材10は上下面は平坦であり、内外周が相似同芯な長円形(板幅D)をなし、素材10は塑性加工により自動車の自動変速機のクラッチパックに使用されるリテーニングプレート等のための上下面平坦で内外周が同芯の円形(図2と同様な形状)に成形される。本発明の長円形の素材10は短径に沿ってくびれ部10-1を有し、長径に沿った部位10-2は円弧形状をなしている。図2は従来のプレスからの打抜き素材10´を示し、プレス打抜き形状は最初から内外で同芯の円形(板幅D)をなしており、板材からの打抜きの際のスクラップ量が多い問題があったが、本発明ではプレス打抜き時の素材10の形状は長円形とすることで板材からの素材のプレス打抜き時のスクラップ発生を抑え、素材コストが大幅に軽減され、円形に塑性加工するための付加工程及び設備による幾分のコスト増があっても、トータルの製品コストは従来法(図2)と比較して軽減することが可能である。
【0012】
次に、図1の素材10を塑性加工下で円形に成形する金型の構造について説明すると、図3において、12はプレス機械の下側ダイホルダ、14はプレス機械の上側ダイホルダを示す。この発明の金型は下型16と上型18とから成る。
【0013】
下型16はダイプレート19と、カム22と、一対のガイドブロック24(図3にはその一方のみ、図6には両側にて示す)と、一対のカム従動体26とを備える。ダイプレート19はダイクッションロッド20の上端に固定され、下側ダイホルダ12の上面の窪み12Aに案内されることで昇降する。カム22は矩形の断面形状をなし(図8及び図9)、下側ダイホルダ12の窪み12Aの底面中央部に直立固定される。一対のガイドブロック24は、各々がダイプレート19上に固定され、図3の紙面に直交する方向に平行に離間して配置される。一対のカム従動体26は一対のガイドブロック24間に配置され、ダイプレート19上を離間方向に移動する。一対のガイドブロック24間に図3の紙面と平行な案内路25(図4(イ)も参照)が形成され、カム従動体26は案内路25に沿って図3の左右(図4(イ)の矢印f方向)に移動する。案内路25に沿ってカム従動体26の移動を案内するため、カム従動体26は下端に案内突起26-1を備え、案内突起26-1はガイドブロック24の案内溝24-1に係合する(図6)。カム22は上端が断面山形をなし、図3の紙面に直交方向に延びる一対のカム駆動面22-1(図12(イ)(ロ)も参照)を形成し、他方、一体のカム従動体26の各々は対向したカムのカム駆動面22-1に相補的なカム従動面26-2を備え、対向したカム駆動面22-1とカム従動面26-2とは面接しており、カム22がダイプレート19に対して相対的に上昇することにより、カム2により図3の左右のカム従動体26は図3及び図12(イ)の初期状態からダイプレート19上を左右に離間するように図12(ロ)のフルストローク状態まで駆動され、これにより、後述のように塑性変形下での素材10の成形が行われる。
【0014】
図4(イ)に示すように、ガイドブロック24はカム従動体26を挟んでカム従動体26の移動方向(矢印f)を挟んで両側に位置している。ガイドブロック24はその上面に略3角形の窪み24-2(素材外周案内部)を形成し、カム従動体26を挟んだ一対のガイドブロック24間で窪み24-2は3角形状が底辺側にて向き合うように配置される。窪み24-2の深さは素材10の厚みに拮抗しており(図12(イ)も参照)、図4(イ)に示すように、素材10の長径の両側は夫々のガイドブロック24上の窪み24-2に載置収容され、この状態においては、素材10は外周の4点(図11のP2)において窪み24-2の側壁面に当接若しくは微小隙間で位置するようになっている。一方、素材10は長円形の長軸方向では内周ではフリーであり、長円形から円形への塑性変形を可能とする。カム従動体26はその上面に一体に成形部27を備える。各成形部27は図4(イ)に示すように上面側より見た形状は円弧を弦で結んだ形状をなし、成形部27はカム従動体26より素材10の肉厚相当分突出している(図3及び図12(イ)参照)。そして、図4(イ)に示すように、初期状態(加工開始時)では一対のカム従動体26間で成形部27はその弦が合わさるように配置され、かつ外周27Aにおいて素材10の直径対立位置における短径内周に当接している。成形部27の外周の円弧形状は、後述のように、塑性加工により長環状円板から環状円板に成形したときの内周側の円形における曲率と同一の曲率となっている。そして、後述のように、塑性加工の開始に先立ち、素材10はその長径側の直径対向位置でガイドブロック24の窪み24-2に載置され、素材10はその外周が4点で窪み24-2の直立側壁面に当接され(又は素材の投入の円滑のため後述のように些少の隙間が残され)、他方、素材10はその内周が短径側の直径対立位置で成形部27の外周面27Aに当接する。そして、一対のカム従動体26を短径に沿って離間方向に移動させることによって、カム従動体26による素材10は長環状円板から環状円板への塑性加工が行われる。
【0015】
図3において、上型18はダイプレート30と、ダイプレート30の下面に固定され、図3の紙面に直交する方向に離間して一対設けられたガイドブロック32と、一対のガイドブロック32間の案内路34を図3の紙面に平行に左右に離間方向に移動されるカムスライド36とからなる。カムスライド36はカム従動面36-1を備え、後述のように長環状円板から環状円板への塑性加工の終了段階のやや手前において、カム22の駆動面22-1がカム従動面36-1に当接することによりカムスライド36は図3の状態から離間方向に駆動され、所望ストロークまでのカム22の相対移動を許容する。カムスライド36のこのような移動を案内するため、カムスライド36は上端に案内突起36-2を備え、案内突起36-2はガイドブロック32の案内溝32-1に係合する(図7)。カムスライド36とガイドブロック32とはその下面が面一であり、これも面一をなすガイドブロック24とカム従動体26との上面26Aとの間で塑性加工中の素材の上下の逃げを拘束する役目を果たすことになる。
【0016】
以上説明した金型による素材の塑性加工について説明すると、塑性加工開始前には図3に示すようにダイクッションロッド20は上方に延出位置され、ダイプレート19は上昇位置する。また、図3の左右のカム従動体26は対向面で当接し、この当接面は金型中心線Lと一致している。また、上型18の左右のカムスライド36については対向端縁は当接し、この当接部も金型中心線L(図3)上にある。図4(イ)に示すように、素材10は長径に沿った両端部の夫々がガイドブロック24の窪み24-2上に載置される。カム従動体26はその上面26Aが窪み24-2の底面と面一であり(図12参照)、素材10を安定載置することができる。そして、カム従動体26と一体の成形部27は素材の肉厚分だけ面26Aより突出し、成形部27の外周円弧面27Aは素材10の短径に沿った内周に当接している。また、上側ダイホルダ14は上昇位置している。
【0017】
図10はこの発明の金型による素材の塑性加工の段階(a)−(d)を示す。(a)は図3に一致する初期状態を示し、素材10はカム従動体26上載置され、成形部27は素材10に短径部内周に当接し、長径部両端はガイドブロック24の窪み24-2上に載置され、素材10の外周縁は窪み24-2の直立壁面24-2A(図12)に当接する。上側ダイホルダ14を図4(a)の状態から下降させて行き、図4(b)では上型カムスライド36の下面36A及びこれと面一のガイドブロック32(図3)の下面32A(カムスライド36の下面36Aとで本発明の押え部を構成する)が素材10の上面と当接する。すなわち、素材10は下面では面一にあるカム従動体26の上面26Aとガイドブロック24の窪み24-1上に載置され、成形部27はこの面一面から素材10の肉厚分隆起しており、そのため、下側の面一面と上側の面一面との間に素材10の丁度肉厚分が残されるのみとなり、塑性加工中の素材の上下方向への逃げが阻止され、加工中に素材10は平板状態を維持することができる。
【0018】
図10(c)において上側ダイホルダ14の下降が更に進むと、ダイプレート19はカム22に対して下降する。このような下降は図示しない油圧機構によりダイクッションロッド20に加わる上方付勢力に抗してダイプレート19及びこれに固定されるガイドブロック24を下降させ、その結果、カム22によってカム従動体26はガイドブロック24間を左右に離間方向(図4(イ)の矢印f方向)に移動させる。このようなカム従動体26の移動により、素材の短軸に沿った内周面に外周が当接する成形部27は素材の短径部を直径に沿って外方に変形に至らしめる。他方、素材10の長軸部は内周側には規制がないため、窪み24-2により外周を規制・案内されながら半径内方に変形してゆく。図10(d)は上側ダイホルダ14のフルストローク状態を示し、ダイクッションロッド20の更なる下降によって、カム22のカム面はカム従動体26を完全に突き抜け、カムスライド36に当接してこれを左右に離間させ、カム従動体26に対するカム22のフルストロークを許容する。図4(ロ)はフルストローク状態での成形部27の位置を示し、成形部27の外周円弧面27Aは全周で素材10の内周に当接し、素材は円形に成形される。また、素材10の外周は窪み24-2の直立面24-2Aに最内側位置にて当接している(図12(ロ)も参照)。窪み24-2はその直立面24-2Aによって成形部27を短軸離間方向において素材内周に係合状態で拡開させることによる素材の長円形から円形への塑性加工の過程において素材の外周を案内・規制する形状となっている。図11は窪み24-2の形状如何について説明するもので、素材10は塑性変形により長円形から円形に形成される。塑性加工前の長円形素材の内周をAIにて、外周をAOにて表し、塑性加工後の円形素材の内周をBIにて、外周をBOにて表す。周長としては、塑性加工前の長円形素材の内周AI=塑性加工後の円形素材の内周BI=πφIであり、塑性加工前の外周AO=塑性加工後の円形素材の外周BO=πφOとすることができる。即ち、この場合は、素材は長円形から円形への塑性変形の過程で内径も外周も周長は一定である。しかしながら、塑性加工前後で内周及び外周の双方を必ずしも一致させなくても、内周若しくは外周の一方のみを一致させるようにしても良い。そして、円形への塑性変形の完了状態において、素材の外周部に一致するように窪み24-2の直立面24-2Aに対する素材当接部p1(4点)の形状(曲線形状)は決められる。そして、塑性加工前の素材に接線を構成するように素材の当接部位p2(4点)に惹かれた接線が窪み24-2における素材当接部(3角形の斜辺)の形状となる。このような形状により長円形から円形への塑性変形の全過程で素材の外周のスムースな案内が可能となる。尚、部位p2においては塑性加工開始に先立っての素材の投入を容易とするため、適当な隙間を持たせることが可能である。
【0019】
素材10から円形形状への塑性変形は金型1段でも可能(必要あればトリミングを行う)であるが、塑性加工の精度を高めるため金型を2段としても良い。
【0020】
素材10の形状要件について説明すると、長径部位10-2(図1)は円弧形状をなし、長径部位10-2は塑性変形により円形に広げていることから、その内径は最終的な円形加工品の内径より小さいが、長径部位10-2の内径が小さすぎると最終的円形状のいびつの度合いが大きくなってしまうので適当な大きさに設定する。長径部位10-2の内径の適値は素材如何でも異なるが、この辺りは試行錯誤も含めて適値が得られるように決定する必要がある。素材10の短径部位10-1は成形部27による変形規制部位であるため形状の自由度は大きいが、長径部位10-2と滑らかに繋がった形状になっていることが好ましい。当然のことであるが、長径部位10-2は成形部27によって拡開されることから、内径としては成形部27が入り得るような設定となっている。
【0021】
素材10の形状は図1の実施形態のように短径部10-1を凹ませることが板材からのプレス打抜き時においてスクラップ量を最小とすることにおいて好ましいが、図13(a)のような短径部が幾分膨らんだ長円形状(楕円)や図13(b)のように短径部が直線上の小判形状のような長円形状とすることができ、プレス打抜き時のスクラップ量減を実現することができる。
【符号の説明】
【0022】
10…素材
12…下側ダイホルダ
14…上側ダイホルダ
16…下型
18…上型
20…ダイクッションロッド
22…カム
24…下型のガイドブロック
24-2…素材載置用窪み
26…カム従動体
27…成形部
32…上型のガイドブロック
36…カムスライド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板材より環状にプレス打抜きされ、内外周で長円形をなし、塑性加工により内外周で円形に成形される素材。
【請求項2】
請求項1に記載の素材より環状円板に成形する方法であって、前記素材に素材平面に平行に長円形における短径において内周より半径外方に離間方向に外力を付与すると同時に長円形における長径において半径内方にフリーとし、これにより素材を内外周で円形を呈するべく塑性変形に至らしめる方法。
【請求項3】
請求項2に記載の発明において、長円形から円形への素材の塑性変形と同時に上下面間では材料の逃げを阻止するべく規制する方法。
【請求項4】
請求項2若しくは3に記載の発明において、長円形から円形への素材の塑性変形の際に素材の外周を案内する方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法実施のための金型であって、素材の長円形における短径に沿って離間方向に移動可能に一対配置され、各々が素材の載置面と、載置面より起立し、素材の長円形における短径内周に当接し、最終的に成形すべき円環の内径に相当する外周円弧面を備えた成形部とを備えたカム従動体と、カム従動体にカム係合することによりカム従動体を離間方向に移動させるカムとからなる金型。
【請求項6】
請求項5に記載の発明において、素材の載置面との間で素材の上下方向の逃げを阻止する押さえ部を更に備えた金型。
【請求項7】
請求項5若しくは6に記載の発明において、素材の塑性変形中に素材の長円形における長径外周を案内する案内部を更に備えた金型。
【請求項1】
金属板材より環状にプレス打抜きされ、内外周で長円形をなし、塑性加工により内外周で円形に成形される素材。
【請求項2】
請求項1に記載の素材より環状円板に成形する方法であって、前記素材に素材平面に平行に長円形における短径において内周より半径外方に離間方向に外力を付与すると同時に長円形における長径において半径内方にフリーとし、これにより素材を内外周で円形を呈するべく塑性変形に至らしめる方法。
【請求項3】
請求項2に記載の発明において、長円形から円形への素材の塑性変形と同時に上下面間では材料の逃げを阻止するべく規制する方法。
【請求項4】
請求項2若しくは3に記載の発明において、長円形から円形への素材の塑性変形の際に素材の外周を案内する方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法実施のための金型であって、素材の長円形における短径に沿って離間方向に移動可能に一対配置され、各々が素材の載置面と、載置面より起立し、素材の長円形における短径内周に当接し、最終的に成形すべき円環の内径に相当する外周円弧面を備えた成形部とを備えたカム従動体と、カム従動体にカム係合することによりカム従動体を離間方向に移動させるカムとからなる金型。
【請求項6】
請求項5に記載の発明において、素材の載置面との間で素材の上下方向の逃げを阻止する押さえ部を更に備えた金型。
【請求項7】
請求項5若しくは6に記載の発明において、素材の塑性変形中に素材の長円形における長径外周を案内する案内部を更に備えた金型。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−35305(P2012−35305A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178668(P2010−178668)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000178804)ユニプレス株式会社 (83)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000178804)ユニプレス株式会社 (83)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]