説明

環状処理金属酸化物

本発明は、環状シラザンおよび疎水性付与剤により表面処理される金属酸化物粒子、こうしたものを製造する方法、およびそれらを含むトナー組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は環状処理金属酸化物に関する。
【背景技術】
【0002】
疎水性金属酸化物粒子は、高度な分散性を必要とする多くの用途において有用である物理的特性を有する。一部の疎水性金属酸化物粒子は、トナー組成物での使用のために望ましい物理的特性を有する。
【0003】
未処理の金属酸化物粒子は、未処理シリカ粒子の表面上のヒドロキシル基(−OH)などの極性基の存在のせいで親水性である。親水性金属酸化物粒子を処理することにより、粒子の親水性を減じることができ、それによって、粒子に種々の疎水性を付与することができる。金属酸化物粒子の表面処理用の数多くの方法が知られている。しかし、金属酸化物粒子の水性分散液の直接処理は、多くの場合、達成するには非効率的であるかまたは困難である。従って、さらなる処理金属酸化物粒子、とりわけトナー粒子の電荷を修正するために有用なものに対する、および、こうした疎水性金属酸化物粒子を調製するさらなる方法、とりわけ金属酸化物粒子の水性分散液から直接疎水性金属酸化物粒子を調製するために用いることができる方法に対する要望が依然として存在している。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、環状シラザンおよび疎水性付与剤で表面処理された、疎水性で非凝集性である金属酸化物粒子を含む粒子組成物を提供する。本発明の一つの態様により、金属酸化物粒子は約100nm未満の粒径を有する。本発明の別の態様により、金属酸化物粒子は、アルキルシランおよびアルコキシシランからなる群から選択される疎水性付与剤により処理される。
【0005】
本発明は、また、トナー粒子および本発明の金属酸化物粒子を含むトナー組成物を提供する。
【0006】
本発明は、さらに、(a)分散液が酸性または塩基性である金属酸化物粒子の水性分散液を提供し、(b)分散液を環状シラザンおよび疎水性付与剤と混合して反応混合物を提供し、(c)反応混合物を乾燥して疎水性の非凝集金属酸化物粒子を提供することを含む疎水性金属酸化物粒子を調製する方法を提供する。本発明の一つの態様により、疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子は、100nm未満の平均粒径を有する。本発明の別の態様により、(a)の金属酸化物粒子の分散液は酸性である。本発明のなお別の態様により、疎水性付与剤はアルキルシランおよびアルコキシシランからなる群から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】環状シラザンおよび疎水性付与剤により処理される金属酸化物粒子に塗布された環状シラザンの処理量(μモル/m2)、対処理金属酸化物粒子を含むトナー組成物の摩擦帯電電荷(μC/g)のグラフである。
【図2】環状シラザン単独で処理された金属酸化物粒子、および環状シラザンおよび疎水性付与剤により処理された金属酸化物粒子の1H・MAS・NMRスペクトルである。
【図3】環状シラザンおよび疎水性付与剤により処理された金属酸化物粒子の13C・CP/MAS・NMRスペクトルである。
【図4】環状シラザンおよび疎水性付与剤により処理された金属酸化物粒子の計算表面積(m2/g)、対処理金属酸化物粒子を含むトナー組成物の摩擦帯電電荷のグラフである。
【図5】環状シラザンおよび疎水性付与剤により処理された金属酸化物粒子の計算表面積(m2/g)、対処理金属酸化物粒子を含むトナー組成物の摩擦帯電電荷のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、環状シラザンおよび疎水性付与剤で表面処理された、疎水性で非凝集性である金属酸化物粒子を含む粒子組成物を提供する。
【0009】
処理金属酸化物粒子は、あらゆる適するタイプの金属酸化物を含むことができる。例えば、金属酸化物粒子はシリカ、アルミナ、セリア、またはチタニアを含むことができる。好ましくは、金属酸化物粒子はコロイド状シリカ粒子などのコロイド状金属酸化物粒子である。コロイド状金属酸化物粒子は、一般的に球状またはほぼ球状形態にある非凝集性の個々にバラバラの粒子であるが、しかし、他の形態(例えば、一般に楕円形、正方形、または長方形断面を有する形態)を有することができる。こうした粒子は、凝集した一次粒子の鎖様構造であるヒュームまたは火成調製(pyrogenically)した粒子とは構造的に異なる。
【0010】
本発明による処理金属酸化物を提供するように処理することができる非凝集性金属酸化物(例えば、コロイド状金属酸化物)は、市販されているか、または種々の出発材料(例えば、湿式タイプの金属酸化物)から公知の方法により調製することができる。一般的に、コロイド状金属酸化物出発材料は、ほとんどの場合水単独かまたは共溶媒および/または分解防止剤と一緒の適する溶媒中のコロイド状金属酸化物の分散液であるゾルとして利用可能である。例えば、Akitoshi Yoshida,Silica Nucleation,Polymerization,and Growth Preparation of Monodispersed Sols,in Colloidal Silica Fundamentals and Applications 47−56(H.E.Bergna & W.O.Roberts,eds.,2006)を参照すること。本発明で用いるために適する市販のコロイド状シリカの非限定例には、日産化学(Nissan Chemical)からのSNOWTEX(登録商標)製品、ナイアコル・ナノテクノロジーズ(Nyacol Nanotechnologies,Inc.,)から市販されているNexSil(商標)およびNexSil・A(商標)シリ−ズ製品、およびH.C.スタルク(Starck)から市販されているLevasil(登録商標)製品が挙げられる。
【0011】
それらから処理金属酸化物粒子が調製される非凝集性金属酸化物粒子は、多くの場合、それにより非凝集性金属酸化物が分散液中で製造されるかまたは安定化される方法の結果としてアルカリ金属カチオンを含む。アルカリ金属カチオンは粒子内部中、および粒子表面上に存在することが可能である。「遊離アルカリ金属カチオン」は、コロイド状シリカの分散液の水相中に可溶化されるアルカリ金属カチオンを示す、すなわち、それは金属酸化物粒子の表面に存在し、金属酸化物粒子の内部に結合されるかまたは捕捉され、従って、水相に近づくことができないアルカリ金属カチオンを示すものではない。
【0012】
処理金属酸化物粒子は、あらゆる適する量の遊離アルカリ金属カチオンを含むことができる。例えば、処理金属酸化物粒子は、約0.01重量%〜約0.5重量%(例えば、約0.01重量%〜約0.2重量%、約0.03重量%〜約0.1重量%、約0.1重量%〜約0.4重量%)の遊離アルカリ金属カチオンを含むことができる。しかし、望ましくは、金属酸化物粒子は、例えば、約0.2重量%以下(例えば、約0.15重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、約0.03重量%以下、または約0.01重量%以下)の遊離アルカリ金属カチオン含量を有する実質的に遊離アルカリ金属カチオンのないものである。それにより処理金属酸化物粒子の遊離アルカリ金属カチオン含量を減じることができる方法は、本明細書において本発明の他の態様に関して検討される。
【0013】
金属酸化物粒子は、環状シラザンおよび疎水性付与剤により処理される。環状シラザンはあらゆる適する環状シラザンであることができる。例えば、環状シラザンは以下の式を有することができる:
【化1】

式中、R1およびR2は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C10アリール基、およびC1〜C10アリールオキシ基からなる群から選択され;R3は、水素原子、nが0〜3の整数である(CH2nCH3、nが0〜3の整数であるC(O)(CH2nCH3、C(O)NH2、nが0〜3の整数であるC(O)NH(CH2nCH3、およびnおよびmが独立に0〜3の整数であるC(O)N[(CH2nCH3](CH2mCH3からなる群から選択され;およびR4は、式中X、YおよびZが独立に水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C10アリール基、およびC1〜C10アリールオキシ基からなる群から選択され、a、b、およびcが独立に(a+b+c)が2〜6の整数に等しいという条件を満足させる0〜6の整数である[(CH2a(CHX)b(CYZ)c]である。適する環状シラザン、および環状シラザンの調製方法は、米国特許第5,989,768号明細書に記載されている。好ましくは、環状シラザンは、R1およびR2がメトキシ基であり、R3がブチル(CH3CH2CH2CH2)基であり、R4が(CH2a(式中aは1〜3の整数である)である上記式によるものである。別の適する環状シラザンは以下の式を有する:
【化2】

異なる環状シラザンの混合物もまた用いることができる。
【0014】
疎水性付与剤は、金属酸化物粒子表面の全部または一部を疎水性にする。いかなる特定理論にも拘束されることを望むものではないが、疎水性付与剤が金属酸化物粒子表面上の表面ヒドロキシル基と反応して、親水基を他の疎水性の化学基に有効に置き換えると考えられる。
【0015】
本明細書において用いられる用語、「疎水性」金属酸化物粒子は種々のレベルまたは度合いの疎水性を網羅する。金属酸化物粒子に付与される疎水性の度合いは、用いられる処理剤のタイプおよび量に応じて変動する。本発明による疎水性金属酸化物粒子は、好ましくは、しかし、必ずしもそうであるとは限らないが、利用可能な金属酸化物表面ヒドロキシル基の約25%以上(例えば、約35%以上、約45%以上、または約50%以上)を反応させる。一般に、本発明による疎水性金属酸化物粒子は、利用可能な金属酸化物表面ヒドロキシル基の約85%以下(例えば、約75%以下、または約65%以下)を反応させる。
【0016】
疎水性付与剤は、好ましくは、金属酸化物粒子表面上のシラノール基と反応し、および/またはそれらを疎水性化学基と置き換えることができるあらゆる適する疎水性付与剤であることができる。適する疎水性付与剤には、例えば、有機ポリシロキサン、有機シロキサン、有機シラザン、有機オルガノシラン、ハロゲン有機ポリシロキサン、ハロゲン有機シロキサン、ハロゲン有機シラザン、およびハロゲン有機シランが挙げられる。
【0017】
好ましくは、疎水性付与剤はヘキサメチルジシラザン、アルキルシラン、またはアルコキシシラン化合物である。本発明の一つの態様により、疎水性付与剤はアルキルシランまたはアルコキシシランである。アルコキシシランには、一般式:R1xSi(OR24-x(式中、R1はC1〜C30分岐鎖および直鎖アルキル基、アミノアルキル基、アルケニル基、およびアミノアルケニル基、C3〜C10シクロアルキル基、およびC6〜C10アリール基からなる群から選択され、R2はC1〜C10分岐鎖および直鎖アルキル基であり、およびxは1〜3の整数である)を有する化合物が挙げられる。適するアルコキシシランの例には、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、およびメチルトリメトキシシランなどが挙げられるがそれらに限定されない。
【0018】
好ましくは、アルコキシシラン化合物はトリアルコキシシラン化合物である。トリアルコキシシラン化合物はあらゆる適するトリアルコキシシランであることができる。例えば、トリアルコキシシラン化合物は、式:R1Si(OR23(式中、R1はC1〜C30分岐鎖および直鎖アルキル基、アミノアルキル基、アルケニル基、およびアミノアルケニル基、およびC3〜C10シクロアルキル基からなる群から選択され、およびR2はC1〜C10分岐鎖および直鎖アルキル基である)を有することができる。好ましくは、トリアルコキシシラン化合物は、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ステアリルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ステアリルトリエトキシシラン、およびそれらの組合せからなる群から選択される。さらに好ましくは、トリアルコキシシラン化合物は、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ステアリルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ステアリルトリエトキシシラン、およびそれらの組合せからなる群から選択される。最も好ましくは、トリアルコキシシラン化合物はプロピルトリメトキシシラン(PTMS)である。2以上の疎水性付与剤の混合物もまた用いることができる。
【0019】
処理金属酸化物粒子は、あらゆる適するタップ密度を有することができる。処理金属酸化物粒子のタップ密度は、タップ体積計(3000タップ)および以下の式:タップ密度(g/L)=(処理金属酸化物粒子の重量(g))x(1000/(処理金属酸化物粒子の体積(ml)))を用いて決定することができる。
【0020】
金属酸化物粒子のタップ密度は、一般的に約420g/L以下(例えば、約400g/L以下、約350g/L以下、約300g/L以下、約250g/L以下、約200g/L以下、または約150g/L以下)である。処理金属酸化物粒子のタップ密度は、一般的に約75g/L以上(例えば、約85g/L以上、約95g/L以上、約100g/L以上、約125g/L以上、または約135g/L以上)である。従って、処理金属酸化物粒子のタップ密度は約75g/L〜約420g/L(例えば、約110g/L〜約420g/L、または約200g/L〜約300g/L)である。
【0021】
処理金属酸化物粒子は、好ましくは、約200m2/g以下のBET表面積(一般的にBET法と呼ばれる、S.Brunauer,P.H.Emmet,and I.Teller,J.Am.Chemical Society,60,309(1938)の方法により測定される)を有する。一般的に、処理金属酸化物粒子は、約15m2/g以上(例えば、約20m2/g以上、約25m2/g以上、約30m2/g以上、約40m2/g以上、約50m2/g以上、または約60m2/g以上)のBET表面積を有する。処理金属酸化物粒子のBET表面積は、一般的に約200m2/g以下、さらに一般的には約180m2/g以下(例えば、約160m2/g以下、約140m2/g以下、約130m2/g以下、約120m2/g以下、約100m2/g以下、約80m2/g以下、約60m2/g以下、約50m2/g以下、または約40m2/g以下)である。好ましくは、処理金属酸化物粒子のBET表面積は、約15m2/g〜約200m2/g、さらに好ましくは約20m2/g〜約180m2/g(例えば、約20m2/g〜約160m2/g、約20m2/g〜約140m2/g、約20m2/g〜約130m2/g、約20m2/g〜約120m2/g、または約20m2/g〜約100m2/g)である。
【0022】
処理金属酸化物粒子は、あらゆる適する平均非凝集粒子径を有することができる。粒径は非凝集粒子を囲む最小の球体の径を指す。凝集粒子(凝集体)は、通常、分子間力により互いにゆるく結びつけられるいくつかの一次粒子からなる。これは、粒子が焼結する場合のように一次粒子間の結合がより強くある凝結粒子(凝結体)とは著しく異なる。結果として、脱凝集は凝集体に対して容易に達成することができる。例えば、トナー粒子による(乾式分散)か、または高速度攪拌または音波処理を用いての適する液体(例えば、テトラヒドロフラン(THF))中の処理金属酸化物粒子の分散は、凝集を戻すために用いることができる。しかし、どのような有意な度合いにまでも凝結を戻すことは相当程度困難であるか、または不可能でさえある。一般的に、金属酸化物粒子は、約5nm以上(例えば、約10nm以上、約15nm以上、約20nm以上、または約30nm以上)、および一般に、約300nm以下(例えば、約250nm以下、約200nm以下、約150nm以下、または約130nm以下)の非凝集平均粒径を有する。本発明の一つの態様により、金属酸化物粒子の非凝集平均粒径は、約100nm未満(例えば、約90nm以下、約75nm以下、約50nm以下、または約30nm以下)である。従って、非凝集金属酸化物粒子の平均粒径は、約5nm〜約300nm(例えば、約10nm〜約100nm、約20nm〜約80nm、約30nm〜約70nm、または約40nm〜約60nm)であることができる。
【0023】
金属酸化物粒子(例えば、親水性粒子)は、あらゆる適する真密度を有することができる。一般的に、金属酸化物粒子は、約1.5g/cm3以上(例えば、約1.7g/cm3以上、約2.0g/cm3以上、または約2.2g/cm3以上)の真密度を有する。金属酸化物粒子の真密度は、一般的に約5g/cm3以下、さらに一般的には約4g/cm3以下(例えば、約3.5g/cm3以下、約3g/cm3以下、約2.8g/cm3以下、約2.5g/cm3以下、または約2.3g/cm3以下)である。好ましくは、金属酸化物粒子の真密度は、約1.5g/cm3〜約5g/cm3、さらに好ましくは約1.5g/cm3〜約4g/cm3(例えば、約1.5g/cm3〜約3.5g/cm3、約1.5g/cm3〜約3g/cm3、約1.8g/cm3〜約2.8g/cm3、約2g/cm3〜約2.5g/cm3、または約2.2g/cm3〜約2.4g/cm3)である。さらに好ましくは、金属酸化物粒子の真密度は、約1.7g/cm3〜約2.0g/cm3、または約2.0g/cm3〜約2.3g/cm3である。
【0024】
処理金属酸化物粒子の炭素含量は、処理金属酸化物粒子の処理レベルの指標として、従って、疎水性度の指標として用いることができる。処理粒子の炭素含量は、市販されている炭素分析器(例えば、Leco・C−200)を用いて測定することができる。本発明により調製される処理金属酸化物粒子は、望ましくは、約0.1重量%以上(例えば、約0.15重量%以上、約0.2重量%以上、約0.25重量%以上、約0.3重量%以上、約0.4重量%以上、または約0.5重量%以上)の炭素含量を有する。処理金属酸化物粒子の炭素含量は、一般的に、約8重量%未満(例えば、約7重量%以下、約6重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、または約3重量%以下)を含む。従って、処理金属酸化物粒子の炭素含量は、例えば、約0.1重量%〜約8重量%(例えば、約0.15重量%〜約6重量%、約0.15重量%〜約4重量%、約0.15重量%〜約2重量%、約1重量%〜約4重量%、約2重量%〜約5重量%、約3重量%〜約6重量%、または約4重量%〜約8重量%)であることができる。
【0025】
金属酸化物粒子に添加される環状シラザンの量は、あらゆる適する量であることができる。環状シラザンの量は、一般的に、金属酸化物粒子のBET表面積に対して約6μモル/m2未満(例えば、約5.5μモル/m2未満、約5μモル/m2未満、約4.5μモル/m2未満、約4μモル/m2未満、約3.5μモル/m2未満、または約3μモル/m2未満)である。環状シラザンの量は、一般に、金属酸化物粒子のBET表面積に対して約0.5μモル/m2を越える(例えば、約1.0μモル/m2を越え、約1.5μモル/m2を越え、約2μモル/m2を越え、または約2.5μモル/m2を越える)。従って、環状シラザンの量は、例えば、金属酸化物粒子のBET表面積に対して約0.5μモル/m2〜約6μモル/m2(例えば、約0.5μモル/m2〜約5.5μモル/m2、約0.5μモル/m2〜約5μモル/m2、約0.5μモル/m2〜約4.5μモル/m2、約0.5μモル/m2〜約4μモル/m2、約0.5μモル/m2〜約3.5μモル/m2、約0.5μモル/m2〜約3μモル/m2、約1μモル/m2〜約6μモル/m2、約1.5μモル/m2〜約6μモル/m2、約2μモル/m2〜約6μモル/m2、または約2.5μモル/m2〜約6μモル/m2)であることができる。
【0026】
金属酸化物粒子に添加される疎水性付与剤の量は、あらゆる適する量であることができる。疎水性付与剤の量は、一般的に、金属酸化物粒子のBET表面積に対して約20μモル/m2未満(例えば、約18μモル/m2未満、約15μモル/m2未満、約12μモル/m2未満、約10μモル/m2未満、約8μモル/m2未満、または約5μモル/m2未満)である。疎水性付与剤の量は、一般に、金属酸化物粒子のBET表面積に対して約0.1μモル/m2を越える(例えば、約0.25μモル/m2を越え、約0.5μモル/m2を越え、約1μモル/m2を越え、約1.5μモル/m2を越え、約2μモル/m2を越え、約2.5μモル/m2を越え、約3μモル/m2を越え、または約3.5μモル/m2を越える)。従って、疎水性付与剤の量は、例えば、金属酸化物粒子のBET表面積に対して約1μモル/m2〜約20μモル/m2(例えば、約1μモル/m2〜約18μモル/m2、約3μモル/m2〜約15μモル/m2、約5μモル/m2〜約12μモル/m2、約8μモル/m2〜約10μモル/m2、約10μモル/m2〜約18μモル/m2、約12μモル/m2〜約15μモル/m2、または約15μモル/m2〜約18μモル/m2)であることができる。
【0027】
環状シラザンおよび疎水性付与剤による金属酸化物粒子の表面処理は、金属酸化物粒子表面に結合した、または間接的に金属酸化物粒子表面に結合した種々のパターンの置換ケイ素原子を生み出すことができる。これらの置換パターンは、文献中では、Mサイト、Dサイト、Tサイト、およびQサイトと呼ばれてきている。例えば、Sindorf,Dean William,“Silicon−29 and Carbon−13 CP/MAS NMR Studies of Silica Gel and Bonded Silane Phases,”Department of Chemistry,Colorado State University,Fort Collins,Colorado,1982を参照すること。Mサイト、Dサイト、Tサイト、およびQサイトのCP/MAS29Si・NMRスペクトルにおける共鳴信号に対する相関関係も、また、例えば、Maciel,G.,Sindorf,D.W.,J.Am.Chem.Soc.,102:7607〜7608(1980)、Sindorf,D.W.,Maciel,G.,J.Phys.Chem.,86:5208〜5219(1982)、およびSindorf,D.W.,Maciel,G.,J.Am.Chem.Soc.,105:3767〜3776(1983)中に論じられている。
【0028】
本発明の一つの実施形態により、環状シラザンおよび疎水性付与剤による金属酸化物粒子の表面処理は、T2、T3、およびMサイトと呼ばれる支配的な置換パターンを有する金属酸化物粒子を提供する。本明細書において用いられるT2サイトは、さらには少なくともそれらの一つが金属酸化物粒子表面上にあるケイ素原子に結合する酸素原子への二つの結合、シラノール(Si−OH)基を含む酸素原子への一つの結合、および炭素原子への一つの結合を有する疎水性付与剤に由来するケイ素原子に対応する。T2サイトは、式(I):R−Si(OH)−(OSi−P1)(OSiP2)により表される(式中、Rは疎水性付与剤に対して本明細書において定義される通りであり、P1およびP2は、独立に、粒子表面上のケイ素原子、および/または別のシラン含有分子のケイ素原子への結合を表す)。T2サイトに対応するSi原子は、CP/MAS29Si・NMRスペクトルにおける−56.5ppm〜−58.5ppm範囲の化学シフト(ppmでの化学シフトは標準テトラメチルシランに対して測定される)を有する共鳴信号と相関してきた。
【0029】
本明細書において用いられるT3サイトは、さらにケイ素原子に結合する酸素原子への3結合を有する疎水性付与剤に由来するケイ素原子に対応する。少なくとも一つのケイ素原子は粒子上のケイ素原子である。本サイトは、式(II):R−Si(OSi−P1)(OSi−P2)(OSi−P3)により表される(式中、Rは疎水性付与剤に対して本明細書において定義される通りであり、P1、P2およびP3は、独立に、粒子表面上のケイ素原子、および/または別のシラン含有分子のケイ素原子への結合を表す)。T3サイトに対応するSi原子は、CP/MAS29Si・NMRスペクトルにおける−66.0ppm〜−68.0ppm範囲の化学シフト(ppmでの化学シフトは標準テトラメチルシランに対して測定される)を有する共鳴信号と相関してきた。
【0030】
本明細書において用いられるMサイトは、炭素原子への3結合、および、さらに、次にシリカ粒子表面と反応するとシリカ粒子の表面官能基に結合されるケイ素原子に結合する酸素原子への一つの結合を有するシラザン化合物に由来するケイ素原子に対応する。Mサイトは、式(III):R123−Si−OPにより表される(式中、R1、R2、およびR3はシラザン化合物中のケイ素原子に結合されるC1〜C10基であり、PはSi原子である)。Mサイトに対応するSi原子は、CP/MAS29Si・NMRスペクトルにおける+7ppm〜+18ppm範囲の化学シフト(ppmでの化学シフトは標準テトラメチルシランに対して測定される)を有する共鳴信号と相関してきた。
【0031】
本発明の処理金属酸化物粒子は、好ましくは、式:(T2+T3)/M0.005を満足するT2、T3、およびMに対するCP/MAS29Si・NMRピーク強度をもたらす置換パラメータを有する(式中、T2は−56ppm〜−59ppmの範囲内に集中するCP/MAS29Si・NMRスペクトルにおける化学シフトを有するピークの積分強度であり、T3は−65ppm〜−69ppmの範囲内に集中するCP/MAS29Si・NMRスペクトルにおける化学シフトを有するピークの積分強度であり、およびMは+7ppm〜+18ppmの範囲内に集中するCP/MAS29Si・NMRスペクトルにおける化学シフトを有するピークの強度である)。ピーク強度は、当業者に周知の標準計算法を用いて計算される通りの、その近似の位置での信号の最大ピーク高さ、または列挙範囲内で生じるピーク面積を指す。
【0032】
本発明の別の態様により、本発明の処理金属酸化物粒子は、好ましくは、式:T3/T22を満足するT2、T3、およびMに対するCP/MAS29Si・NMRピーク強度をもたらす置換パラメータを有する(式中、T2およびT3は上に定義されるピーク強度を表す)。
【0033】
粒子組成物は、乾燥粒子組成物(例えば、乾燥粉末)として、または処理金属酸化物粒子を含む分散液として配合することができる。本分散液は、好ましくは水単独の、または共溶媒、処理剤、または処理金属酸化物粒子の分散液中に通常用いられるあらゆるタイプの添加剤と一緒のあらゆる適する分散剤を含むことができる。
【0034】
処理金属酸化物粒子は、トナー組成物、ブロッキング防止剤、接着調整剤、ポリマー添加剤(例えば、エラストマーおよびシリコーンゴムなどのゴム)、耐磨耗塗膜およびフィルム、つや消し塗膜およびフィルム、レオロジー調整剤(例えば、エポキシまたは液体ポリマー用)、および機械的/光学的調整剤(例えば、複合材料およびプラスチック用)に限定されないがそれらを含む多種多様な用途に用いることができる。処理金属酸化物粒子は、とりわけ、トナー組成物において有用である。その点において、本発明は、トナー粒子、および、疎水性で非凝集性である、環状シラザンおよび疎水性付与剤により表面処理された金属酸化物粒子を含むトナー組成物を提供する。処理金属酸化物粒子のすべての他の態様は、本発明の粒子組成物に関して本明細書において記載されている通りである。
【0035】
処理金属酸化物粒子を含有するトナー組成物は、あらゆる適する方法により配合し、作成することができる。例えば、トナー組成物は、適量の処理粒子(例えば、トナー全重量に対して約1〜8重量%)を、混合機中で、好ましくはいかなる外部添加物もなしの、適する平均径(例えば、約9μm)を有する微粉トナー粒子(例えば、スチレンアクリレート)と混合することにより配合することができる。処理粒子を含有するトナー組成物は、次に、例えば、ガラス・ジャー中での回転(例えば、2/98重量%トナー/担体比での30分間にわたる回転)により作成することができる。担体は、例えば、シリコン樹脂により被覆される70μmCu−Znフェライトであることができる。
【0036】
本発明の処理金属酸化物粒子は、正電荷を帯びたまたは負電荷を帯びたトナー組成物を含むあらゆる適するトナー組成物中で用いることができる。いかなる特定理論にも拘束されることを望むものではないが、処理金属酸化物粒子の存在が金属酸化物粒子を含有するトナー組成物の絶対摩擦帯電電荷値を安定させ、増大させることは考えられる。
【0037】
処理金属酸化物粒子を含有するトナー組成物の摩擦帯電電荷は正または負のいずれかであることができる。摩擦帯電電荷測定は、技術上公知の適する技術および装置(例えば、VertexT−150摩擦帯電電荷測定器)を用いて行うことができる。測定は、トナー粒子を、30℃および80%相対湿度(HH)、および18℃および15%相対湿度(LL)で標準湿度室中において一夜にわたり調整した後に行うことができる。トナー粒子(例えば、約4重量%の処理金属酸化物粒子を含むトナー組成物の)は、好ましくは、約−10μC/g〜約+15μC/g(例えば、約−10μC/g〜約0μC/g、約−5μC/g〜約+10μC/g、約0μC/g〜約+5μC/g、または約+5μC/g〜約+10μC/g)のHH条件での摩擦帯電電荷を有する。トナー粒子は、好ましくは、約0μC/g〜約+45μC/g(例えば、約+5μC/g〜約+35μC/g、または約+10μC/g〜約+25μC/g)のLL条件での摩擦帯電電荷を有する。
【0038】
本発明の好ましい態様において、処理金属酸化物粒子はトナー組成物の自由流れ特性を改善するために用いることができる。いかなる特定理論にも拘束されることを望むものではないが、処理金属酸化物粒子、とりわけジェット・ミル化された粒子の存在が、処理粒子のより低いタップ密度およびかさ密度のせいで、金属酸化物粒子を含有するトナー組成物の自由流れを改善することは考えられる。本発明の関連で、自由流れは、40gのトナー組成物を含有し、全体での30回転用に1分間30rpmで回転される、7個の0.5mmの吐出孔を有する25mm径および350nm長さの接地した金属役割管から吐出されるトナーの割合である。
【0039】
処理金属酸化物粒子を含むトナー組成物は、好ましくは、約1重量%以上のロス(例えば、約1.5重量%以上のロス、約2重量%以上のロス、約2.5重量%以上のロス、約3重量%以上のロス、または約3.5重量%以上のロス)の自由流れを有する。トナー組成物の自由流れは、一般的に、約10重量%以下のロス(例えば、約8重量%以下のロス、約7重量%以下のロス、約6重量%以下のロス、約5重量%以下のロス、または約4重量%以下のロス)である。好ましくは、トナー組成物の自由流れは、約1重量%のロス〜約10重量%のロス(例えば、約1重量%のロス〜約8重量%のロス、約1重量%のロス〜約7重量%のロス、約1重量%のロス〜約6重量%のロス、約1重量%のロス〜約5重量%のロス、約1重量%のロス〜約4重量%のロス、約1.5重量%のロス〜約8重量%のロス、約2重量%のロス〜約8重量%のロス、約2.5重量%のロス〜約8重量%のロス、約3重量%のロス〜約8重量%のロス、または約3.5重量%のロス〜約8重量%のロス)である。
【0040】
また、(a)反応混合物が酸性または塩基性である金属酸化物粒子の水性分散液を提供し、(b)分散液を環状シラザンおよび疎水性付与剤と混合して反応混合物を提供し、および(c)反応混合物を乾燥して疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子を提供することを含む、疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子を調製する方法が提供される。環状シラザンおよび疎水性付与剤は、本発明の金属酸化物粒子に関して本明細書において記載されている通りである。
【0041】
金属酸化物粒子の水性分散液は、コロイド状に安定している。分散液のコロイド状安定性は、粒子のあらゆる実質的な部分が不可逆的に凝集するかまたはゲル化すること、または使用中の分散液から沈殿することを防止する。本発明と併せて用いられる金属酸化物粒子の水性分散液は、好ましくは、動的光散乱による測定で、分散液中の金属酸化物の平均全体粒径が1時間以上(例えば、約8時間以上、または約24時間以上)、さらに好ましくは2週間以上(例えば、約4週間以上、または約6週間以上)、最も好ましくは8週間以上(例えば、約10週間以上、または約12週間以上)、またはなおさらに約16週間以上の期間にわたって変化しない程のコロイド状安定性を有する。
【0042】
金属酸化物粒子の水性分散液は、金属酸化物粒子の水性分散液を環状シラザンおよび疎水性付与剤と混合する前には酸性または塩基性であることができる。分散液はあらゆる酸性または塩基性pHを有することができる。金属酸化物の酸性の水性分散液は、一般的に、約2〜約7未満のpHにより特徴付けられる。塩基性の水性分散液は、一般的に、約7より大きく約12までのpHにより特徴付けられる。分散液のpHは、例えば、酸または塩基を分散液に添加することにより望ましいレベルに調整することができる。本発明の一つの態様により、分散液は酸性である。
【0043】
金属酸化物粒子の水性分散液は、それらの数例が本発明の粒子組成物に関連して上に開示されている、金属酸化物粒子の市販されている分散液(例えば、市販されているコロイド状金属酸化物)により提供することができる。あるいは、金属酸化物粒子の水性分散液はあらゆる適する方法により調製することができる。例えば、金属酸化物粒子の水性分散液は、高剪断混合機を用いて、金属酸化物粒子を水単独または共溶媒と一緒の水の中に分散させることにより調製することができる。あるいは、金属酸化物粒子の水性分散液は金属酸化物前駆体からの溶液において調製することができる。例えば、シリカ粒子の水性分散液は、アルカリケイ酸塩溶液のpHを約9〜約11に調整することにより調製することができ、該アルカリケイ酸塩により提供されるケイ酸塩アニオンは重合を起こして、水性分散液の形態において望ましい平均粒径を有する個々のシリカ粒子を生み出す。このように金属酸化物の水性分散液を調製し、こうした分散液の粒径を制御する(例えば、温度、濃度、およびpHを調整することによる)ための特定プロトコルおよび技術は、一般に、技術上利用可能である。さらに、金属酸化物粒子の水性分散液を提供する他の適する方法は技術上公知であり、それらのあらゆるものは本発明と併せて用いることができる。好ましくは、金属酸化物粒子の水性分散液はコロイド状金属酸化物粒子、とりわけコロイド状シリカ粒子の水性分散液である。
【0044】
市販の製品により提供されようが、または何か他のやり方で提供されようが、金属酸化物粒子の水性分散液は、分散液の製造または安定化の結果としてアルカリ金属カチオンを含有することが可能である。アルカリ金属カチオンは、ナトリウム、カリウム、またはあらゆる他のI族金属カチオンであることができる。本発明の好ましい態様により、金属酸化物分散液の自由アルカリ金属カチオンは、例えば、酸性イオン交換樹脂による分散液の処理により減じることができる。あるいは、または加えて、塩基安定化分散液の遊離アルカリ金属カチオン含量は、限外濾過、例えば、ダイフィルトレーションを用いることにより減じることができる。自由アルカリ金属カチオン含量の減少は、また、分散液のpHを減じることも可能である。必要ならば、pHは、アミンまたは水酸化アンモニウム(NH4OH)の添加によりアルカリ金属含量を増大させることなく調整することができる。この点で、出発原料として金属酸化物のアンモニウム安定化水性分散液を用いることによって、本発明のこの好ましい態様により分散液のアルカリ金属カチオン含量を減じるための必要性を避けることも、また、可能である。
【0045】
金属酸化物の水性分散液の遊離アルカリ金属カチオンの必要とされる程度までの低減は、環状シラザンおよび/または疎水性付与剤が金属酸化物の水性分散液に添加される前または後のあらゆる時に行うことができる。例えば、遊離アルカリ金属カチオン低減処理(例えば、イオン交換、または限外濾過など)は、金属酸化物分散液の製造工程の一部として行うことができるか、または、本発明における使用前(例えば、使用前約1時間以下、または使用前約1日以下、または使用前約1週間以下)に金属酸化物の市販されている水性分散液を用いて行うことができる。あるいは、こうした処理は、環状シラザンおよび疎水性付与剤の一つまたは両方が金属酸化物粒子の分散液と混合された後に用いることができる。代わりに、または加えて、遊離アルカリ金属カチオン低減処理は、また、例えば、乾燥した処理金属酸化物粒子を水または許容可能溶媒中に分散させ、分散液のアルカリ金属含量を減じることにより、後になって処理金属酸化物粒子のアルカリ金属含量を減じるために用いることができると共に、その後、処理金属酸化物粒子はあらゆる適する方法により単離するかおよび/または乾燥することができる。
【0046】
分散液が環状シラザンおよび疎水性付与剤と混合される場合に、望ましくは、分散液は有機溶媒と混合しなくてもよい。さらに詳細には、金属酸化物粒子の水中での環状シラザンおよび疎水性付与剤による処理は、有機溶媒なしで有効である。例えば、疎水性付与剤が6個以下の炭素原子を含有する場合に、疎水性付与剤は水中に十分に溶解して有機溶媒の添加なしで金属酸化物粒子の処理を達成する。
【0047】
あるいは、分散液が環状シラザンおよび疎水性付与剤と混合される場合に、分散液は有機溶媒と混合することができる。有機溶媒はあらゆる適する有機溶媒であることができる。好ましくは、有機溶媒は水溶性または水混和性である。さらに好ましくは、有機溶媒は水溶性である。水溶性有機溶媒は、例えばアルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−プロパノール、エチレングリコール、およびプロピレングリコール)、ケトン(例えば、アセトンおよび2−ブタノン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフランおよび1,2−ジメトキシエタン)など、およびそれらの組合せなどのあらゆる適する水溶性有機溶媒であることができる。水および水溶性有機溶媒はいかなる順序でも添加することができる。例えば、水は水溶性有機溶媒の前に添加することができるし、または逆も同様である。望ましくは、とりわけ塩基安定化分散液を用いる場合に、水溶性有機溶媒添加前に固形物濃度を適する量に減じるために、水は最初に添加される。いかなる特定理論にも拘束されることを望むものではないが、水溶性有機溶媒前の水の添加は分散液のゲル化を防止することは考えられる。一般的に、反応混合物は約50重量%以下の有機溶媒を含み、好ましくは、約40重量%以下の有機溶媒を含む。
【0048】
分散液が水溶性有機溶媒と混合される場合に、水溶性有機溶媒対水体積比はあらゆる適する比率であることができる。この比率は一般的に約10未満(例えば、約8以下、約6以下、約5以下、約3以下、約2以下、または約1以下)である。比率は約0.05以上(例えば、約0.1以上、約0.5以上)であることができる。従って、比率は約0.05〜約10(例えば、約0.1〜約5、または約0.2〜約2)であることができる。好ましくは、比率は約1以下(例えば、0.7以下)である。
【0049】
金属酸化物粒子を含有する水性分散液は、あらゆる適する量の金属酸化物粒子を含有することができる。水性分散液は、一般的に、約45重量%以下(例えば、約35重量%以下、約25重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下。または約5重量%以下)の金属酸化物粒子を含む。水性分散液は約5重量%以上(例えば、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、または約30重量%以上)の金属酸化物粒子を含むことができる。従って、水性分散液は、例えば、約5重量%〜約45重量%(例えば、約10重量%〜約45重量%、または約15重量%〜約35重量%)の金属酸化物粒子を含むことができる。
【0050】
処理前に、金属酸化物粒子の水性分散液は、酸性、すなわち、pH約7未満であるか、または塩基性、すなわち、pH約7を越えることができる。分散液のpHは、例えば、約12未満(例えば、約11以下、約10以下、約9以下、約8以下、または約7以下)であることができる。一般に、反応混合物のpHは約1以上(例えば、約2以上、約3以上、約4以上、約5以上、または約6以上)である。従って、反応混合物のpHは、例えば、約1〜約12(例えば、約1〜約5、約1〜約3.5、約1〜約2.5、約7〜約12、約8〜約11、約9〜約10.5、または約9.5〜約10.5)であることができる。
【0051】
反応混合物は、環状シラザンおよび疎水性付与剤が金属酸化物粒子の水性分散液と完全にまたはどんな望ましい程度にまでも反応する(例えば、シリカ粒子表面上のシラノール基と反応する)ことを可能とするあらゆる温度で、あらゆる時間帯にわたり保持することができる。一般に、反応混合物は約20℃〜約100℃(例えば、約20℃〜約80℃、約30℃〜約55℃、約55℃〜約70℃)の温度で、約5分以上(例えば、約10分以上、または約30分以上)、またはなお60分以上(例えば、約120分以上、約180分以上、または約240分以上)にわたり保持される。より長い反応時間(例えば、約5時間以上、約7時間以上、約10時間以上、または約20時間以上)は、特定の反応条件(例えば、温度および試薬の濃度)に応じて必要とすることが可能である。
【0052】
反応混合物は開放型または閉鎖型反応器中に含有することができる。反応混合物は空気雰囲気中に保持することができるが、一方で、酸素は反応雰囲気から排除することができ、その事象においては、反応混合物は本質的に窒素、アルゴン、またはそれらの混合物からなる雰囲気下で保持することができる。
【0053】
環状シラザンおよび疎水性付与剤は、あらゆる適するやり方で水性分散液と混合することができる。金属酸化物粒子の水性分散液は、環状シラザンと組み合わせて第一反応混合物を提供することができ、第一反応混合物は、環状シラザンが本明細書において記載される金属酸化物粒子の水性分散液と反応することを可能とするあらゆる温度で、十分な時間にわたり保持することができる。一般に、第一反応混合物は、約20℃〜約70℃(例えば、約30℃〜約55℃、または約40℃〜約55℃)の温度で、約1時間以下(例えば、約5分、約20分、約30分、または約45分)にわたり保持される。環状シラザンを添加すると、第一反応混合物のpHは、一般的に、約7より大きくある(例えば、約7.5以上、または約8以上)。さらに好ましくは、第一反応混合物のpHは約9〜約11である。
【0054】
疎水性付与剤は、次に、第一反応混合物に添加して、第二反応混合物を提供することができ、第二反応混合物は、次に、疎水性付与剤が金属酸化物粒子上の表面ヒドロキシル基と反応することを可能とする温度で、十分な時間にわたり保持することができる。一般に、第二反応混合物は、約20℃〜約70℃(例えば、約30℃〜約55℃、または約40℃〜約55℃)の温度で、約1時間〜約7時間(例えば、約2時間〜約6時間、または約3時間〜約5時間)にわたり保持される。
【0055】
あるいは、水性分散液は疎水性付与剤と混合して環状シラザンを添加する前に第一反応混合物を提供する。第一反応混合物のpHは、出発分散液のpHおよび用いられる特定の疎水性付与剤に応じて酸性または塩基性である。一般に、第一反応混合物は、約45℃〜約55℃(例えば、約45℃〜50℃、または約50℃〜55℃)の温度で、約3時間以上(例えば、約4時間以上、約5時間以上、または約6時間以上)にわたり保持される。
【0056】
本実施形態により、環状シラザンは後に第一反応混合物に添加されて第二反応混合物を提供する。環状シラザンを添加すると、第二反応混合物のpHは、一般的に、約7より大きくある(例えば、約7.5以上、または約8以上)。さらに好ましくは、第二反応混合物のpHは約9〜約11である。一般に、第二反応混合物は約20℃〜約70℃(例えば、約20℃〜約25℃、または約25℃〜約30℃)の温度で、約1時間以上(例えば、約1.5時間以上、約2時間以上、約3時間以上、または約4時間以上)にわたり保持される。望ましくは、反応は室温(例えば、約20℃〜約30℃)で行うことができる。
【0057】
なお別の代案において、環状シラザンおよび疎水性付与剤は、同時に、または実質的に同時に水性分散液と混合されて、反応混合物を提供する。例えば、成分は、2成分の添加の間が5分以下(例えば、10分以下、または30分以下)の経過時間であるように、同時に、または段階的に金属酸化物粒子の水性分散液を含有する反応槽に混合することができる。環状シラザンを添加すると、反応混合物のpHは、一般的に、約7より大きくなる(例えば、約8以上、または約9以上)。一般に、反応混合物は約20℃〜約80℃(例えば、約30℃〜約55℃、または約40℃〜約55℃)の温度で、約1時間〜約8時間(例えば、約2時間〜約7時間、約3時間〜約6時間、または約4時間〜約5時間)にわたり保持される。
【0058】
環状シラザンおよび疎水性付与剤による処理後、金属酸化物粒子は、好ましくは、反応混合物から単離され、乾燥される。処理金属酸化物粒子は、反応混合物からの単離後か、または反応混合物の揮発成分を処理金属酸化物粒子から蒸発させることにより、反応混合物から直接に乾燥することができる。反応混合物の揮発成分の蒸発は、あらゆる適する技術、例えば、熱および/または減圧を用いて達成することができる。熱が用いられる場合に、処理金属酸化物粒子は、例えば、オーブンまたは他の類似の装置を用いることにより、または噴霧乾燥によりあらゆる適する乾燥温度に加熱することができる。
【0059】
噴霧乾燥は、微細ミストが熱風と接触し、反応混合物の揮発成分の蒸発を引き起こす、乾燥室中への微細ミストとしての疎水性金属酸化物粒子を含む反応混合物、またはその一部を噴霧することを意味する。
【0060】
選択される乾燥温度は、少なくとも一つには、蒸発を必要とする反応混合物の特定成分に応じて決まる。一般的に、乾燥温度は、約70℃以上(例えば、約80℃以上)またはなお約120℃以上(例えば、約130℃以上)などの約40℃以上(例えば、約50℃以上)である。従って、乾燥温度は、一般に、約60℃〜約200℃(例えば、約70℃〜約175℃)または約80℃〜約150℃(例えば、約90℃〜約130℃)などの約40℃〜約250℃(例えば、約50℃〜約200℃)の範囲に入る。
【0061】
疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子は、有用な蒸発速度を提供するあらゆる圧力で乾燥することができる。約120℃以上(例えば、約120℃〜約150℃)の乾燥温度が用いられる場合に、約125kPa以下(例えば、約75kPa〜約125kPa)の乾燥圧力は適する。約120℃未満(例えば、約40℃〜約120℃)の乾燥温度で、約100kPa以下(例えば、約75kPa以下)の乾燥圧力は有用である。勿論、減圧(例えば、約100kPa以下、75kPa以下、又はなお50kPa以下の圧力)は、反応混合物の揮発成分を蒸発させるための単独の方法として用いることができる。
【0062】
あるいは、疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子は、反応混合物の液体成分が固相に変換され(すなわち、凍結し)、次に、真空適用によりガス相に変換される凍結乾燥により乾燥することができる。例えば、疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子を含む反応混合物は、適する温度(例えば、約−20℃以下、または約−10℃以下、又はなお約−5℃以下)に導いて、反応混合物の液体成分を凍結することができると共に、真空は反応混合物のそれらの成分を蒸発させて乾燥した疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子を提供するように適用することができる。
【0063】
疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子は、反応混合物からの単離および/または乾燥の前または後に洗浄することができる。疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子の洗浄は、例えば水、水混和性有機溶媒、水非混和性溶媒、またはそれらの混合物などの適する洗浄用溶媒を用いて行うことができる。洗浄用溶媒は反応混合物に添加し、得られる混合物を適して混合し、続いて濾過し、遠心分離し、または乾燥して洗浄疎水性金属酸化物粒子を単離することができる。あるいは、疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子は、洗浄の前に反応混合物から単離することができる。洗浄された疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子は、さらに、追加の洗浄段階、続いての追加の濾過、遠心分離、および/または乾燥段階により洗浄することができる。
【0064】
疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子は、少なくとも一つには、初期分散液中の金属酸化物粒子の粒径に依存する粒径を有する。本発明の方法により調製される疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子の好ましい平均粒径は、本発明の粒子組成物に関して記載されている通りである。望ましくは、本発明の方法により調製される疎水性で非凝集性の粒子の平均粒径は、出発分散液の金属酸化物粒子の平均粒径の約50%内、好ましくは約30%内(例えば、約20%、約15%、又はなお約5%内)にある。
【0065】
好ましくは、疎水性金属酸化物粒子の粒径は、さらに、乾燥後減じる。疎水性金属酸化物粒子の粒径減少のための適する工程には、湿式または乾式研削、ハンマー・ミリング、およびジェット・ミリングが挙げられるがそれらに限定されない。
【0066】
疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子を調製する本発明の方法および得られる製品のすべての他の態様は、本発明の粒子組成物に関して本明細書において記載される通りである。
【0067】
以下の実施例は、さらに本発明を説明するが、しかし、勿論、どの面からもその範囲を限定するとは解釈されるべきでない。
【実施例】
【0068】
以下の実施例それぞれにおいて、環状シラザンおよび疎水性付与剤により市販のコロイド状シリカ粒子の水性分散液を処理することにより、疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子を調製した。実施例は、指定の疎水性付与剤として、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)またはプロピルトリメトキシシラン(PTMS)を用いる。実施例中で参照される環状シラザンは、以下の式の化合物であった:
【化3】

【0069】
実施例中で用いられる市販のコロイド状シリカ粒子を、表1に要約する。特記のない限り、コロイド状シリカ粒子の処理を、天井型攪拌用モーター、熱電対、およびコンデンサーを備え適切に寸法化された三つ口丸底フラスコ中で行った。
【0070】
【表1】

【0071】
以下の実施例中で参照されるトナー組成物を、実験室配合機中で4重量%の処理シリカ粒子を、いかなる外部添加剤も含まない微粉スチレンアクリレート・ブラックトナー(9μ平均径)と混合し、続いてガラス・ジャー中、2/98重量%トナー/担体比で30分間にわたり回転させることにより調製した。担体はシリコン樹脂により被覆された70μmのCu−Znフェライトであった。試料を、一夜にわたり、高湿度および高温度(30℃および相対湿度80%)(「HH」)か、または低湿度および低温度(18℃および相対湿度15%)(「LL」)のいずれかで標準湿度室で調整した。摩擦帯電電荷測定はVertex・T−150摩擦帯電電荷測定装置を用いて行った。
【0072】
(実施例1)
この実施例は、処理金属酸化物粒子表面上に吸収される環状シラザン量と、処理金属酸化物粒子を含むトナー組成物の摩擦帯電電荷間の相関関係を実証する。
【0073】
3個のコロイド状シリカ組成物(組成物1A〜1C)を以下のように調製した:脱イオン水166mLをSNOWTEX・OL−40コロイド状シリカ分散液100gに添加し、シリカ濃度を約15重量%に下げた。環状シラザンを、一定の攪拌を伴って、表2中に示される量の分散液に添加し、放置して、約2時間にわたり室温で厳密な攪拌条件下でコロイド状シリカ分散液と反応させた。次に、PTMSを表2に示す量で混合物に添加し、放置して約3時間にわたり反応させた。この分散液を約120℃でオーブン中において乾燥させ、得られる白色固形製品を食品加工機で粉砕した。得られる処理粒子の炭素含量を表2に示す。
【0074】
トナー組成物を前述のやり方で処理粒子を用いて調製した。得られるトナー組成物の摩擦帯電電荷値を表2に示す。図1に示すように、摩擦帯電電荷値を、金属酸化物粒子を処理するために用いられる環状シラザン量に対してプロットした。
【0075】
【表2】

【0076】
結果は、トナーの摩擦帯電電荷が、金属酸化物粒子を処理するために用いられる環状シラザン量の増大と共に増大することを示す(例えば、組成物1Aと組成物1Bを比較すること)。これらの結果は、トナーの摩擦帯電電荷が金属酸化物粒子を処理するために用いられる環状シラザンの量により制御することができることを実証する。
【0077】
(実施例2)
この実施例は、環状シラザンおよび疎水性付与剤の両方による金属酸化物粒子処理の、処理金属酸化物粒子を含むトナー組成物の摩擦帯電電荷および自由流れ特性に及ぼす影響を実証する。
【0078】
2個のコロイド状シリカ組成物(組成物2A〜2B)を以下のように調製した:脱イオン水を、コロイド状シリカ濃度を約20重量%に下げるために十分な量で、SNOWTEX・YLコロイド状シリカ分散液100gに添加した。環状シラザンを、連続攪拌を伴って、表3中に示す量の分散液に添加し、放置して、約2時間にわたり室温で厳密な攪拌条件下で反応させた。次に、PTMSを表3に示す量で混合物に添加し、放置して約3時間にわたり室温で反応させた。この分散液を約130℃でオーブン中において乾燥させ、得られる白色固形製品を食品加工機で粉砕した。得られる粒子の炭素含量を表3に示すと共に、粒子の1HMAS・NMRスペクトルを図2に示す。
【0079】
トナー組成物を前述のやり方で処理粒子を用いて調製した。トナー組成物の摩擦帯電電荷値を表3に示す。
【0080】
【表3】

【0081】
図2において、図の左隅で拡大される約5ppmでのピークは、粒子組成物中に存在するバルク水の量を示す。組成物2Aおよび2Bのピークの比較は、環状シラザンおよび疎水性付与剤両方(組成物2B)により処理された粒子が、環状シラザンのみ(組成物2A)により処理された粒子よりも有意に少ないバルク水を含有することを示す。
【0082】
処理粒子組成物を用いて調製されたトナー組成物の摩擦帯電電荷および自由流れの比較は、環状シラザンおよび疎水性付与剤両方(組成物2B)により処理された金属酸化物粒子が、環状シラザンのみ(組成物2A)により処理された金属酸化物粒子に較べて、大幅にトナー粒子の正の摩擦帯電電荷および自由流れ特性を増大させることを示す。
【0083】
これらの結果は、処理粒子のバルク水含量、および処理粒子を用いて調製したトナー組成物の摩擦帯電電荷および自由流れ特性は、用いられる処理のタイプにより制御することができることを実証する。
【0084】
(実施例3)
この実施例は、環状シラザンおよび疎水性付与剤による金属酸化物粒子処理の、処理金属酸化物粒子を含むトナー組成物の摩擦帯電電荷に及ぼす影響を実証する。
【0085】
3個の処理シリカ粒子組成物(組成物3A〜3C)を以下のように調製した:脱イオン水を、シリカ濃度を約15重量%に下げるために十分な量で、表4に示すシリカ分散液に添加した。環状シラザンを、表4中に示す量の分散液に添加し、混合物を放置して、約1時間にわたり室温で厳密な攪拌条件下で反応させた。次に、PTMS(6.4μモル/m2)を混合物に添加し、放置して約2時間にわたり室温で反応させた。この分散液を約120℃でオーブン中において乾燥させ、得られる白色固形物を食品加工機で粉砕した。
【0086】
有機溶媒による抽出の前後での乾燥粒子の炭素含量を表4に示す。抽出はシリカ0.5〜2gおよび約100mlのトルエンを用いるソックスレー抽出であった。処理粒子組成物の13CCP/MAS・NMRスペクトルを図3に示す。各処理シリカ組成物を前述のやり方でトナー組成物を調製するために用いた。トナー組成物の摩擦帯電電荷値を表4に示す。
【0087】
【表4】

【0088】
図3は、粒子の処理レベルが環状シラザン量の増大と共に増大することを示す。さらに、トナー組成物の摩擦帯電電荷値の比較は、摩擦帯電電荷の絶対値が金属酸化物粒子を処理するために用いられる環状シラザン量の増大と共に増大することを示す。
【0089】
(実施例4)
この実施例は、処理金属酸化物粒子の表面積の、処理金属酸化物粒子を含むトナー組成物の摩擦帯電電荷および自由流れ特性に及ぼす影響を実証する。
【0090】
5個のコロイド状シリカ組成物(組成物4A〜4E)を以下のように調製した:脱イオン水を、コロイド状シリカ濃度を約18〜20重量%に下げるために十分な量で、表5に示すコロイド状シリカの分散液に添加した。表5に示す量での環状シラザンを混合物に添加し、放置して、約1〜3時間にわたり室温で厳密な攪拌条件下で反応させた。次に、HMDZを表5に示す量で添加し、放置して、約3〜5時間にわたり50℃で反応させた。この分散液を約120℃でオーブン中において乾燥させ、得られる白色固形製品を食品加工機で粉砕した。処理粒子の炭素含量および表面積を表6に示す。
【0091】
トナー組成物を前述のやり方で処理粒子を用いて調製した。トナー組成物の摩擦帯電電荷および自由流れ値を表6に示す。処理粒子の表面積を、図4に示すように、粒子を含有するトナー組成物の摩擦帯電電荷に対してプロットした。
【0092】
【表5】

【0093】
【表6】

【0094】
結果は、摩擦帯電電荷が処理金属酸化物粒子の表面積増大および得られる炭素含量(処理レベル)の増大と共に増大することを示す。
【0095】
(実施例5)
この実施例は、処理金属酸化物粒子の表面積の、処理金属酸化物粒子を含むトナー組成物の摩擦帯電電荷および自由流れ特性に及ぼす影響を実証する。
【0096】
3個のコロイド状シリカ組成物(組成物5A〜5C)を以下のように調製した:脱イオン水を、コロイド状シリカ濃度を約18〜20重量%に下げるために十分な量で、表7に示すコロイド状シリカの分散液に添加した。表7に示す量での環状シラザンを混合物に添加し、放置して、約2〜3時間にわたり室温で厳密な攪拌条件下で反応させた。次に、PTMSを表7に示す量で添加し、放置して、約2〜3時間にわたり室温で反応させた。この分散液を約120℃でオーブン中において乾燥させ、得られる白色固形製品を食品加工機で粉砕した。処理粒子の炭素含量および表面積を表8に示す。
【0097】
トナー組成物を前述のやり方で処理粒子を用いて調製した。トナー組成物の摩擦帯電電荷および自由流れ値を表8に示す。処理粒子の表面積を、図5に示すように、粒子を含有するトナー組成物の摩擦帯電電荷に対してプロットした。
【0098】
【表7】

【0099】
【表8】

【0100】
結果は、摩擦帯電電荷が処理金属酸化物粒子の表面積増大および得られる炭素含量(処理レベル)の増大と共に増大することを示す。
【0101】
(実施例6)
この実施例は、コロイド状シリカ粒子を環状シラザンおよび疎水性付与剤により処理することによる疎水性金属酸化物粒子の調製を実証する。
【0102】
反応槽にSNOWTEX・XLコロイド状シリカ分散液39kgを投入した。分散液を攪拌機により連続的に攪拌し、ホモジナイザーを通して再循環しながら、脱イオン水52kgを分散液に添加して、コロイド状シリカ濃度を約17重量%に下げた。次に、環状シラザン0.48kgを連続攪拌しながら分散液に添加した。反応混合物を室温で保持し、放置して3時間にわたり反応させ、その後に、ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)2.1kgを連続的に攪拌し再循環しながら混合物に添加した。混合物の温度を6時間にわたり58℃に上げた。
【0103】
反応器への熱入力を6時間後に止めたが、しかし、攪拌と再循環はさらに12時間にわたり続けた。次の日、スラリーを約122℃の温度(乾燥機出口温度)で噴霧乾燥した。乾燥機への入口温度は235℃であった。粉末をサイクロンコレクタおよびバッグフィルタの両方から収集した。乾燥後、粉末をジェット・ミルにかけた。
【0104】
得られる粒子組成物は抽出前に1.42重量%の炭素含量を有した。トルエンによる抽出後、粒子組成物は1.23重量%の炭素含量を有した。抽出を、シリカ0.5〜2gおよび約100mlのトルエンを用いるソックスレー抽出技術により行った。粒子のタップ密度を測定し、267g/L(0タップ)、347g/L(300タップ)、376g/L(600タップ)、397g/L(1250タップ)、417g/L(3000タップ)であった。トナー組成物を前述のやり方で粒子組成物を用いて調製した。得られるトナー組成物は、−2μC/gの摩擦帯電電荷(HH)、+9μC/gの摩擦帯電電荷(LL)、および2.01重量%ロスの自由流れを有した。
【0105】
(実施例7)
この実施例は、コロイド状シリカ粒子を環状シラザンおよび疎水性付与剤により処理することによる疎水性金属酸化物粒子の調製を実証する。
【0106】
反応槽にSNOWTEX・OLコロイド状シリカ分散液59kgを投入した。分散液を攪拌機により連続的に攪拌し、ホモジナイザーを通して再循環しながら、脱イオン水7kgを分散液に添加して、コロイド状シリカ濃度を約19重量%に下げた。次に、環状シラザン0.42kgを連続攪拌しながら分散液に添加した。反応混合物を室温で保持し、放置して0.3時間にわたり反応させ、その後に、ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)2.1kgを、それを連続的に攪拌し再循環しながら混合物に添加した。温度を5時間にわたり58℃に上げた。
【0107】
反応器への熱入力を6時間後に止めたが、しかし、攪拌と再循環はさらに16時間にわたり続けた。次の日、スラリーを約125℃の温度(乾燥機出口温度)で噴霧乾燥した。乾燥機への入口温度は235℃であった。粉末をサイクロンコレクタおよびバッグフィルタの両方から収集した。乾燥後、粉末をジェット・ミルにかけた。
【0108】
得られる粒子組成物は1.38重量%の炭素含量を有した。トルエンによる抽出後、粒子組成物は1.17重量%の炭素含量を有した。抽出を、シリカ0.5〜2gおよび約100mlのトルエンを用いるソックスレー抽出技術により行った。粒子のタップ密度を測定し、241g/L(0タップ)、328g/L(300タップ)、350g/L(600タップ)、373g/L(1250タップ)、385g/L(3000タップ)であった。トナー組成物を前述のやり方で粒子組成物を用いて調製した。得られるトナー組成物は、+3μC/gの摩擦帯電電荷(HH)、+31μC/gの摩擦帯電電荷(LL)、および6.83重量%ロスの自由流れを有した。
【0109】
本明細書において引用される出版物、特許明細書、および特許を含むすべての参考文献は、各文献が、まるで、参考のため包含されるために個々に特別に表示されると共に、本明細書においてその全体が陳列されるような程度に、本明細書において参考のため包含される。
【0110】
本発明を説明することの関連において(とりわけ以下のクレームとの関連で)、用語「a」および「an」および「the」および類似の指標の使用は、本明細書において特記のない限りまたは文脈により明確に否定されない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈することができる。用語「含む」、「有する」、「包含する」、および「含有する」は、特記のない限り、制約のない用語として解釈することができる(すなわち、「包含するが、しかし限定されない」ことを意味する)。本明細書における範囲値の列挙は、単に、本明細書において特記のない限り、範囲内に入るそれぞれ個々の値を個々に参照することの省略法として役立つように意図されており、それぞれの個々の値は、それが本明細書においてまるで個々に引用されるように、明細書中に包含される。本明細書において記載されるすべての方法は、本明細書において特記のない限りまたは文脈により明確に否定されない限り、あらゆる適する順序で行うことができる。あらゆるおよびすべての実施例の使用、または本明細書において提供される典型的な言葉(例えば、「など」)は、単に本発明をより明確に説明するように意図されていると共に、クレームされていない限り、本発明の範囲に制約を置くものではない。明細書中の言葉は、本発明の実行に本質的であるいかなるクレームされていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0111】
本発明を遂行するために発明者らに知られている最良の態様を含む本発明の好ましい実施形態は、本明細書において記載されている。それらの好ましい実施形態の変形は、これまでの記載を読むと、当業者には明らかとなることが可能である。発明者らは当業者がこうした変形を適切として用いることを予想すると共に、発明者らは本発明が本明細書において特別に記載される通りでなく別途に実行されることを意図している。従って、本発明は、適用法律により許可されるものとして、本明細書に添付されるクレーム中に引用される主題のすべての修正および同等物を包含する。さらに、それらのすべての可能な変形における上述の要素のあらゆる組合せは、本明細書において特記のない限りまたは文脈により明確に否定されない限り、本発明により包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状シラザンおよび疎水性付与剤により表面処理された金属酸化物粒子を含む粒子組成物であって、該金属酸化物粒子は、疎水性で非凝集性であり、約100nm以下の平均粒径を有すると共に、約75g/L〜約420g/Lのタップ密度を有する粒子組成物。
【請求項2】
環状シラザンが以下の式により表される、請求項1に記載の組成物:
【化1】

式中、R1およびR2は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C10アリール基、およびC1〜C10アリールオキシ基からなる群から選択され;R3は、水素原子、nが0〜3の整数である(CH2nCH3、nが0〜3の整数であるC(O)(CH2nCH3、C(O)NH2、nが0〜3の整数であるC(O)NH(CH2nCH3、およびnおよびmが独立に0〜3の整数であるC(O)N[(CH2nCH3](CH2mCH3からなる群から選択され;およびR4は、式中X、YおよびZが独立に水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C10アリール基、およびC1〜C10アリールオキシ基からなる群から選択され、a、b、およびcが独立に(a+b+c)が2〜6の整数に等しいという条件を満足させる0〜6の整数である[(CH2a(CHX)b(CYZ)c]である。
【請求項3】
1およびR2がメトキシ基であり、R3がブチル(CH3CH2CH2CH2)基であり、およびR4が(CH2a(式中aは1〜3の整数である)である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
環状シラザンが以下の式により表される、請求項1に記載の組成物:
【化2】

【請求項5】
疎水性付与剤が、有機ポリシロキサン、有機シロキサン、有機シラザン、有機シラン、ハロゲン有機ポリシロキサン、ハロゲン有機シロキサン、ハロゲン有機シラザン、およびハロゲン有機シランからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
疎水性付与剤がアルキルシランおよびアルコキシシランからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
疎水性付与剤がトリアルコキシシラン化合物である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
トリアルコキシシラン化合物がプロピルトリメトキシシランである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
疎水性付与剤がヘキサメチルジシラザンである、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
金属酸化物粒子が約200m2/g以下のBET表面積を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
金属酸化物粒子が約40m2/g以下のBET表面積を有する、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
金属酸化物粒子が約1.7g/cm3〜約2.0g/cm3の真密度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
金属酸化物粒子が約2.0g/cm3〜約2.3g/cm3の真密度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
金属酸化物粒子が約0.1重量%〜約8重量%の炭素含量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
金属酸化物粒子が、金属酸化物粒子のBET表面積に対して約0.5〜約6μモル/m2の環状シラザンにより処理される、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
金属酸化物粒子が、金属酸化物粒子のBET表面積に対して約1〜約20μモル/m2の疎水性付与剤により処理される、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
金属酸化物粒子の固体Si核磁気共鳴スペクトルが、約0.005以下の比率(T2+T3)/M(式中、Mは+7ppm〜+18ppm範囲内に集中するCP/MAS29Si・NMRスペクトルにおける化学シフトを有するピークの積分強度であり、式中、T2は−56ppm〜−59ppm範囲内に集中するCP/MAS29Si・NMRスペクトルにおける化学シフトを有するピークの積分強度であり、および式中、T3は−65ppm〜−69ppm範囲内に集中するCP/MAS29Si・NMRスペクトルにおける化学シフトを有するピークの積分強度である)を示す、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
金属酸化物粒子の固体Si核磁気共鳴スペクトルが、約2〜約10の比率T3/T2(式中、T2は−56ppm〜−59ppm範囲内に集中するCP/MAS29Si・NMRスペクトルにおける化学シフトを有するピークの積分強度であり、および式中、T3は−65ppm〜−69ppm範囲内に集中するCP/MAS29Si・NMRスペクトルにおける化学シフトを有するピークの積分強度である)を示す、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
金属酸化物粒子がコロイド状シリカ粒子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
トナー粒子および請求項1〜19のいずれかの粒子組成物を含むトナー組成物。
【請求項21】
トナー組成物が正電荷を帯びたトナー組成物である、請求項20に記載のトナー組成物。
【請求項22】
トナーが、高湿度および高温度(30℃および80%相対湿度)で標準湿度室中において約−10μC/g〜約+15μC/g、および低湿度および低温度(18℃および15%相対湿度)で約0μC/g〜約+45μC/gの摩擦帯電電荷を有する、請求項20に記載のトナー組成物。
【請求項23】
トナーが約1重量%ロス〜約10重量%ロスの自由流れを有する、請求項20に記載のトナー組成物。
【請求項24】
(a)水性分散液が塩基性である金属酸化物粒子の水性分散液を提供し、
(b)分散液を環状シラザンおよび疎水性付与剤と混合して反応混合物を提供し、および
(c)反応混合物を乾燥して、約100nm以下の粒径および約75g/L〜約420g/Lのタップ密度を有する疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子を提供すること、
を含む、疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子を調製する方法。
【請求項25】
環状シラザンが以下の式により表される、請求項24に記載の方法:
【化3】

式中、R1およびR2は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C10アリール基、およびC1〜C10アリールオキシ基からなる群から選択され;R3は、水素原子、nが0〜3の整数である(CH2nCH3、nが0〜3の整数であるC(O)(CH2nCH3、C(O)NH2、nが0〜3の整数であるC(O)NH(CH2nCH3、および、nおよびmが独立に0〜3の整数であるC(O)N[(CH2nCH3](CH2mCH3からなる群から選択され;およびR4は、式中X、YおよびZが独立に水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C10アリール基、およびC1〜C10アリールオキシ基からなる群から選択され、a、b、およびcが独立に(a+b+c)が2〜6の整数に等しいという条件を満足させる0〜6の整数である[(CH2a(CHX)b(CYZ)c]である。
【請求項26】
環状シラザンが以下の式により表される、請求項24に記載の方法:
【化4】

【請求項27】
(a)水性分散液が酸性である金属酸化物粒子の水性分散液を提供し、
(b)分散液を環状シラザンおよび疎水性付与剤と混合して反応混合物を提供し(該環状シラザンは以下の式により表される)、
【化5】

および
(c)反応混合物を乾燥して、約100nm以下の粒径および約110g/L〜約420g/Lのタップ密度を有する疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子を提供すること、
を含む、疎水性で非凝集性の金属酸化物粒子を調製する方法。
【請求項28】
疎水性付与剤が、有機ポリシロキサン、有機シロキサン、有機シラザン、有機シラン、ハロゲン有機ポリシロキサン、ハロゲン有機シロキサン、ハロゲン有機シラザン、およびハロゲン有機シランからなる群から選択される、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
疎水性付与剤がアルキルシランおよびアルコキシシランからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
疎水性付与剤がトリアルコキシシラン化合物である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
トリアルコキシシラン化合物がプロピルトリメトキシシランである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
疎水性付与剤がヘキサメチルジシラザンである、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
段階(b)が、さらに、
(b1)分散液を環状シラザンと混合して第一反応混合物を提供し、該第一反応混合物を約1時間までの時間、約20℃〜約70℃の温度に保持すること、
(b2)疎水性付与剤を第一反応混合物に添加して第二反応混合物を提供し、該第二反応混合物を約1時間〜約7時間、約20℃〜約70℃の温度に保持すること、
を含む、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
段階(b)の環状シラザンおよび疎水性付与剤が分散液と実質的に同時に混合されて反応混合物を提供し、反応混合物を約1時間〜約8時間、約20℃〜約70℃の温度に保持する、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
段階(b)が、さらに、
(b1)分散液を疎水性付与剤と混合して第一反応混合物を提供し、該第一反応混合物を約3時間以上、約45℃〜約55℃の温度に保持し、
(b2)環状シラザンを第一反応混合物に添加して第二反応混合物を提供し、該第二反応混合物を約1時間以上、約20℃〜約30℃の温度に保持すること、
を含む、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
反応混合物が水混和性有機溶媒を含有する、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
反応混合物が有機溶媒を全く含有しない、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
反応混合物が有機界面活性剤を全く含有しない、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
金属酸化物粒子の凝集粒径が分散液乾燥後に減少する、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
金属酸化物粒子がコロイド状シリカ粒子である、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−532741(P2010−532741A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514880(P2010−514880)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/008292
【国際公開番号】WO2009/009010
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(391010758)キャボット コーポレイション (164)
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
【Fターム(参考)】