生ごみの切断装置
【課題】投入された生ごみを良好に切断した上、切断容器底部の排出口から排出することのできる生ごみの切断装置を提供する。
【解決手段】底部46に切断後の生ごみの排出穴54の形成された生ごみの切断容器30と、切断容器30の中心部に設けられた回転軸42とを有する生ごみの切断装置18において、回転軸42に沿って蓋36直下の最上位置に第1回転刃62を、また底部46の直上の最下位置に第2回転刃64を設けるとともに、それらの間に第1固定刃66及び第2固定刃68を設けておく。
【解決手段】底部46に切断後の生ごみの排出穴54の形成された生ごみの切断容器30と、切断容器30の中心部に設けられた回転軸42とを有する生ごみの切断装置18において、回転軸42に沿って蓋36直下の最上位置に第1回転刃62を、また底部46の直上の最下位置に第2回転刃64を設けるとともに、それらの間に第1固定刃66及び第2固定刃68を設けておく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はキッチンのシンクの底部の排水口を通じて投入された生ごみを処理する装置に関し、詳しくは生ごみを粉砕せずに切断して処理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、キッチンで発生した生ごみを処理するための生ごみの処理装置として各種のものが提案されている。
ハンマーミル式のディスポーザと称される生ごみの処理装置はその代表的なものであって、このディスポーザはキッチンのシンクの下側且つキャビネット内部に設けられ、投入された生ごみを給水下でハンマーによりすり潰して微粉砕し、そしてその粉砕物を排水とともに排出口から排出する。
例えば下記特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4にこのようなディスポーザが開示されている。
【0003】
しかしながらこの生ごみの処理装置としてのディスポーザの場合、生ごみを微粉砕して排水とともに排出するため、その排水から生ごみの粉砕物を分離するための固液分離のための装置が大がかりなものとなり、また必ずしも十分に生ごみの粉砕物を排水から分離できず、排水が生ごみの粉砕物で汚れてしまって、これをそのまま放流すると水質を悪化させるといった問題がある。
【0004】
一方このような固液分離によらないで、生ごみの粉砕物を含む排水を生物処理槽(排水処理槽)で処理し、浄化するといったことも行われている。
しかしながらその生物処理槽は装置価格が高いとともに、これを地中に埋設するための工事費用がかかり、またその他に生物処理槽の設置場所を確保することが必要であるとともに、その後においても汚泥の引抜き等のメンテナンスにコストがかかるといった問題がある。
従って集合住宅のように多世帯で使用し、所要コストを各世帯で分担できるケースでは比較的普及が進んでいるが、戸建住宅等では高コストとなり、また設置場所を確保することも必ずしも容易ではないといった問題がある。
【0005】
一方このようなディスポーザ以外の他の生ごみの処理装置の場合、多くはキッチン内部のシンクとは別の箇所に設置することが必要であって、この場合専用の特別の設置スペースを必要とする問題がある。
【0006】
以上のような事情の下に、キッチンで生じた生ごみを微粉砕しないで粗切状態に切断し、処理する生ごみの切断装置が提案されている。
このように生ごみを粗切りして処理するようにすれば、微粉砕の際の押潰しやすり潰し等によって生じた生ごみ汁が排水に溶け込んで排水を汚してしまったりする問題を回避でき、また排水から生ごみを容易に固液分離することが可能である。
【0007】
このような切断による生ごみの処理装置については、下記特許文献5に開示がなされている。
しかしながらこの特許文献5に開示の装置では、容器内に投入された生ごみを回転刃が容器の周壁に押し付けるようにして切断するものであるため切断の効率が悪く、生ごみを円滑に所定の大きさまで切断することが困難であるのに加えて、生ごみを容器の周壁に回転刃にて押し付けながら切断するため、その際に生ごみ汁が発生してしまうのを十分に防止できないといった問題がある。
【0008】
そこで本出願人は、互いに対をなす回転刃と固定刃とを切断容器内部に設け、切断容器内部に投入された生ごみをそれら回転刃と固定刃とで挟み込んで剪断作用により切断する生ごみの切断装置を提案している(特願2004−272494:未公開)。
ところでこの生ごみの切断装置において、図11(A)に示しているように切断容器200内部の下部に回転軸206と一体回転する回転刃202と、固定刃204とを1セットだけ設けておいた場合、切断容器200内部に投入された大きく背の高い生ごみN(図11(B)参照)を切断する際に、回転刃202の回転運動によって下部を回転方向に押された生ごみNが、図11(B),(C)に示しているように傾いた姿勢のまま固定刃204の上に載り上げてしまい、回転刃202と固定刃204とで生ごみNを上手く挟み込んで切断できない場合が生ずることが判明した。
【0009】
そこで図12に示しているように回転刃202と固定刃204とのセットを、切断容器200内部に上下に複数セット設けることが考えられ、本発明者等が実際に試験を行ったところ、回転軸206の最上位置に固定刃204が位置していると、切断容器200内部に投入した生ごみが最上位置の固定刃204の上に載ったまま下方に上手く落下せず、従ってこの場合においても生ごみを良好に固定刃204と回転刃202とによって切断できないことが判明した。
【0010】
そこで次に本発明者等は、図13に示しているように回転軸206の最上位置に撹拌用の回転羽根208を設けてみたところ、切断容器200内部に投入した生ごみが下方に落ち易くはなったものの、回転羽根208の先端と切断容器200の周壁との間に生じた隙間に生ごみが挟まれてしまい、且つ挟まれた生ごみが回転羽根208と一緒に切断容器200の周壁に沿っていつまでも回転し続けてしまい、その後の切断が良好に行われないこと、また回転羽根208とその下側の固定刃204との間にも隙間Sが生じているため、固定刃204上に生ごみが載ったままとなってしまい、隙間Sの生ごみが続いて良好に切断されないこと、更にはまた回転羽根208が魚の骨等の硬い生ごみを下側の固定刃204とで周方向に挟み込んだときに、回転羽根208が大きな抵抗力により折れたり損傷したりしてしまう問題のあることが判明した。
本発明は以上のような事情の下に案出されたものである。
【0011】
尚、下記特許文献6には本発明と同様に切断容器の内部に固定刃と回転刃とのセットを複数セット有し、投入された生ごみを切断するようになしたものが開示されている。
しかしながらこの特許文献6に開示のものは、回転軸の最上位置のものが下側の固定刃との間に隙間を有する回転羽根としてのものであり、また切断容器の底部の直上に位置するものが固定刃である点で本発明と異なっている。
【0012】
【特許文献1】特開2002−45722号公報
【特許文献2】特開2002−248368号公報
【特許文献3】特開2003−211016号公報
【特許文献4】特開2003−305379号公報
【特許文献5】特開2002−219375号公報
【特許文献6】特開2004−298808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は以上のような事情を背景とし、投入された生ごみを良好に切断した上、切断容器底部の排出口から排出することのできる生ごみの切断装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
而して請求項1のものは、(a)キッチンのシンクの底部の排水口に内部を連通させる状態に該シンクの下側に固定状態に配設され、底部には切断後の生ごみを排出する排出穴の形成された生ごみの切断容器と、(b)該切断容器の中心部に設けられた回転軸とを有しており、前記切断容器の内部には、前記回転軸に沿って該切断容器の蓋の直下の最上位置に前記中心部から径方向に延びる第1回転刃が、また前記底部の直上の最下位置には該中心部から径方向に延びる第2回転刃が、それぞれ前記回転軸と一体回転する状態に設けられるとともに、前記第1回転刃の直下には、該第1回転刃に対して相対摺動可能に接して該第1回転刃とともに生ごみを挟み込んで切断する、該第1回転刃よりも径方向に長く延びて先端が前記切断容器の周壁に固定された固定刃が、前記第2回転刃の直上には、該第2回転刃に対して相対摺動可能に接して該第2回転刃とともに生ごみを挟み込んで切断する固定刃若しくは逆回転刃が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項2のものは、請求項1において、前記第1回転刃が前記回転軸から径方向に延びる片側の1本の棒状体単独で構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3のものは、請求項2において、前記第1回転刃の横断面形状が、横寸法Wに対する縦寸法Hの比率H/Wが1/5〜5の四角形状をなしていることを特徴とする。
【0017】
請求項4のものは、請求項3において、前記第2回転刃,第1回転刃及び第2回転刃に対してそれぞれ対をなす固定刃若しくは逆回転刃の何れの横断面形状も、横寸法Wに対する縦寸法Hの比率H/Wが1/5〜5の四角形状をなしていることを特徴とする。
【0018】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記回転軸若しくはこれと一体に回転する軸状部材が前記切断容器の蓋との間に生ごみを挟込み不能な位置まで高く上向きに突出していることを特徴とする。
【0019】
請求項6のものは、請求項1〜5の何れかにおいて、前記底部には生ごみを縦に切断するための固定の縦刃を起立状態に設ける一方、前記最下位置の回転刃には対応する位置に切欠きを設けて、該切欠きの縁部を該縦刃に対応する回転の縦刃となしてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0020】
以上のように本発明は、回転軸に沿って切断容器の蓋の直下の最上位置に第1回転刃を、また底部の直上の最下位置に第2回転刃を、それぞれ回転軸と一体回転する状態に設けるとともに、第1回転刃の直下には、第1回転刃に対して相対摺動可能に接して先端が切断容器の周壁に固定された固定刃を、また第2回転刃の直上には、第2回転刃に対して相対摺動可能に接する固定刃若しくは逆回転刃を設けたものである。
【0021】
かかる本発明の生ごみの切断装置においては、切断容器内部の回転軸の最上位置に第1回転刃が設けてあるため、切断容器内部に投入された生ごみが、最上位置の第1回転刃の回転運動により良好に下方に落下し、従ってこれを切断容器内部において固定刃と回転刃とにより良好に切断することができる。
【0022】
また最上位置の第1回転刃と切断容器の周壁との間の隙間に生ごみが挟み込まれることがあっても、その最上位置の第1回転刃が直下の固定刃の位置に到ると、挟み込まれた生ごみがそこで第1回転刃と固定刃とにより切断され、或いは下側の固定刃に引っ掛ることによって、引続く第1回転刃の回転とともに良好に下方に落下せしめられ、第1回転刃と切断容器の周壁との間に挟み込まれた生ごみが、第1回転刃の回転に連れていつまでもそのまま安定的に回転し続けるといった問題が解消される。
また最上位置の第1回転刃と直下の固定刃との間には実質的に隙間が生じていないため、最上位置の第1回転刃と直下の固定刃との間の隙間に生ごみが位置したまま残ってしまうといった問題も解消することができる。
【0023】
また最上位置の第1回転刃と直下の固定刃とにはそれぞれ刃部が設けてあり、しかもそれらの間には上下に隙間が生じていないため、魚の骨等の硬い生ごみが投入された場合においても、最上位置の第1回転刃と固定刃とで硬い生ごみをそれぞれの刃部で挟み込み、剪断作用でこれを良好に切断することができる。
その結果として、最上位置の第1回転刃や下側の固定刃が硬い生ごみを挟み込んだときに大きな抵抗(負荷)が生じ、その抵抗によりそれらが折れたり損傷したりする問題も解決することができる。
【0024】
本発明ではまた、排出穴を有する切断容器の底部の直上に位置する回転軸の最下位置の刃が第2回転刃とされており、この最下位置の第2回転刃がスクレーパとしての働きをなして、切断容器内部で切断された生ごみを円滑に底部の排出穴から排出させることができる特長を有する。
また最下位置の刃と最上位置の刃とが、ともに回転刃とされているため、大きな背の高い生ごみが切断容器内部に投入された場合でも、かかる大きな生ごみの下部と上部とに対し各回転刃の力を回転方向に作用させることができ、それらの間の固定刃ないし逆回転刃とによって良好にこれを切断することができる。
即ち、図11(B),(C)に示したように生ごみNが固定刃204の上に載り上がってしまって良好に切断できないといった問題を良好に解決することができる。
【0025】
この場合において、最上位置の第1回転刃と最下位置の第2回転刃とは同じ回転位相で回転するもの、即ち各刃が上下に互いに重なった状態で回転するものとなしておくことができる。
このようにすれば、大きな背の高い生ごみに対し最下位置の第2回転刃と最上位置の第1回転刃とにより、回転方向の同じ位置でかかる生ごみに対し回転方向に力を加えることができ、より効率的にかかる生ごみを切断することができる。
【0026】
本発明では、第2回転刃の直上に位置して第2回転刃と対をなす刃を、第2回転刃よりも径方向に長く延びて先端が切断容器の周壁に固定された固定刃となしておくことができる。
このようにすれば、最下位置の第2回転刃の先端と切断容器の周壁との間に生ごみが挟み込まれたままいつまでも周回運動してしまうといったことを防止し得て、これを良好に直上の固定刃との間で切断し、また固定刃に生ごみを引っ掛けさせてこれを落下せしめることができる。
【0027】
本発明では、請求項2に従って第1回転刃を回転軸から径方向に延びる片側の1本の棒状体単独で構成しておくことができる。
回転軸から切断容器の周壁に向かって放射状に第1回転刃を設けるといったことも考えられるが、第1回転刃がこのように複数放射状に設けてあると、切断容器内部に大きな生ごみを投入したとき、その第1回転刃が障害となって大きな生ごみがそれより下方に落ち難くなる恐れが生ずる。
しかるにこの請求項2では、回転軸から切断容器の周壁に向かって回転刃が1つだけ(1本だけ)延びた状態にあることから、第1回転刃と同じ高さの同一平面内において生ごみの落下に対する障害が少なく、大きな生ごみであっても良好に下方の空間へとこれを挿入状態とすることができ、回転刃及び固定刃による切断を引き続いて良好に行うことが可能となる。
【0028】
この場合においてその棒状をなす第1回転刃の横断面形状を、横寸法Wに対する縦寸法Hの比率H/Wが1/5〜5となるような四角形状となしておくことができる(請求項3)。
このようにすれば、第1回転刃の強度を高強度となすことができ、硬い生ごみを切断する際に第1回転刃が折れたり損傷したりするのをより良好に防止することができる。
【0029】
次に請求項4は、第2回転刃,第1回転刃及び第2回転刃に対してそれぞれ対をなす固定刃若しくは逆回転刃の何れの横断面形状も上記と同様の四角形状となしたもので、このようにしておけば、それら第2回転刃,固定刃若しくは逆回転刃もまた高強度となすことができる。
【0030】
請求項5は、回転軸若しくはこれと一体に回転する軸状部材の上端部を、切断容器の蓋との間に生ごみを挟込み不能な位置まで高く上向きに突出させたもので、このようにしておけば、例えば切断容器の生ごみの投入口と同サイズを有するような横寸法の大きな生ごみを回転軸が投入不能となし(蓋をすることができなくなる)、生ごみに対する切断効率を高めることができる(大きな生ごみは投入前に小さくしてから入れるようにする)。
この場合において、上記の上端部と蓋との間の上下の隙間は(切断容器の半径−突出部の半径)より小さくなるようにしておくことが望ましい。
【0031】
次に請求項6は、底部と最下位置の第2回転刃とに、生ごみを縦に切断する縦刃を設けたもので、このようにしておけば、生ごみを横に切断するだけでなく縦にも切断することができ、生ごみを効率高く小サイズに切断することができる。
【0032】
また上記第1回転刃は切断容器の底部より15〜60mm、望ましくは25〜40mmの高さに設けておくことができる。
更に切断装置は生ごみを5〜30mmの大きさに粗切りするものとなしておくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10はキッチンに設置された流し台で、12はシンク、14はカウンターで、16はそのカウンター14上に設けられた流し台水栓である。
17は流し台10におけるキャビネットで、このキャビネット17の内部且つシンク12の下側に、生ごみの切断装置(以下単に切断装置とする)18と、内部に搬送水を貯える貯水タンク20とが設けられている。
【0034】
22は排水管で、24はその排水管22の一部にて構成されたトラップ部である。
トラップ部24は、切断装置18にて切断された生ごみを一時的に貯溜する貯溜部としても働く。
このトラップ部24には封水が保持されており、その封水によって排水管22の下流側からシンク12側に臭気が逆流するのが防止される。
【0035】
排水管22は、上部が主管22-1と枝管22-2とに分かれており、その主管22-1の上端部が切断装置18の排出口28(図3参照)に接続され、また枝管22-2の上端部が貯水タンク20の底部に接続されている。
この枝管22-2と貯水タンク20の接続部には排水弁26が設けられており、貯水タンク20に貯えられた搬送水は、この排水弁26を開くことによって枝管22-2を通じトラップ部24へと一挙に放出され、その搬送水による搬送力によって、トラップ部24に一時的に貯溜されている切断後の生ごみがトラップ部24から一掃され、排水管22を下流側へと搬送される。
【0036】
図2に示しているように切断装置18は、円筒形状をなす切断容器30を有している。
切断容器30は、上端の生ごみの投入口32をシンク底部12Aの排水口13に合致させる状態で、シンク底部12Aに連結されている。
この切断容器30は、上部30-1と下部30-2とに分割されており、それらの間が円筒形状のゴムパッキン34にて水密にシールされている。
尚上部30-1は、切断容器30のシンク底部12Aへの取付部材としての働きを有している。
【0037】
36は切断容器30の蓋であって、生ごみの切断はこの蓋36をセットした状態の下で、なお且つ流し台水栓16から切断容器30内部への給水下で行われる。
その給水のため、蓋36は流し台水栓16からの給水を通過可能な構造とされている。
【0038】
本実施形態において、切断容器30の下部30-2は樹脂製であってこの切断容器30の下側には、すり鉢状をなす樹脂製の排出パン38が一体に構成されている。
この排出パン38は、切断容器30内部で切断された生ごみを排水とともに排出するもので、壁部40が勾配θで傾斜している。
ここで勾配θは30°以上としておくのが望ましく、より望ましくは45°以上の角度を持たせておく。
但し壁部40は、勾配θのテーパ形状となしておくほか、これを湾曲形状となしておいても良い。
【0039】
切断容器30の中心部には回転軸42が設けられており、この回転軸42の下端部が図1のモータ44に連結され、回転軸42がかかるモータ44にて回転駆動されるようになっている。
図5に示しているように、切断容器30の底部はその大部分が金属製の底板46にて構成されている。
この切断容器30の底部であって底板46を除く、切断容器30と一体に成形された他の一部には、嵌込溝48と雌ねじ孔50とが設けられており(図6参照)、その嵌込溝48に底板46が嵌め込まれ、回転方向に位置決めされた状態で、かかる底板46が上方から固定ねじ52にて固定されている。
【0040】
本実施形態において、切断装置18は生ごみを5〜30mmの大きさに粗切状態に切断するもので、この底板46には粗切状態に切断された生ごみが通過可能な円形の排出穴54と、大きな半円形状をなす切欠穴形状の排出穴56とが、底板46を上下に貫通する状態で設けられている。
また中心部には回転軸42を回転可能に挿通する円形の且つ貫通の嵌込孔57が設けられている。
この底板46にはまた、回転軸42から互いに逆方向に離隔した位置において、断面形状が三角形状をなす縦刃58がその上面から上向きに起立する状態で設けられている。
この縦刃58は生ごみを縦に切断するためのもので、幅方向両端縁に沿って鋭角をなす刃部60が形成されている。
【0041】
図2に示しているように、切断容器30の内部には回転軸42に沿って蓋36の直下の最上位置に、中心部から径方向に延びる第1回転刃62が、また底板46の直上の最下位置に中心部から径方向に延びる第2回転刃64が、それぞれ回転軸42と一体回転する状態で設けられている。
また第1回転刃62の直下には、第1回転刃62に対して相対摺動可能に接して第1回転刃62とともに生ごみを挟み込んで切断する第1固定刃66が、また第2回転刃64の直上には、第2回転刃64に対して相対摺動可能に接して第2回転刃64とともに生ごみを挟み込んで切断する第2固定刃68が設けられている。
【0042】
第1回転刃62,第2回転刃64,第1固定刃66及び第2固定刃68のそれぞれは、図5に示しているように横断面形状が台形状(四角形状)をなす金属製の棒状体にて構成されており、そして第1回転刃62は長辺側の底を下向きにして、また第1固定刃66は長辺側の底を上向きにして設けられている。
更に第2回転刃64は長辺側の底を上向きにして、また対応する第2固定刃68は長辺側の底を下向きにしてそれぞれ配設されている。
【0043】
尚第1回転刃62,第2回転刃64,第1固定刃66及び第2固定刃68のそれぞれは、横断面形状の横方向(幅方向)の寸法Wに対する縦方向(高さ方向)の寸法Hの比率H/Wが1/5〜5とされている。
【0044】
更にこの実施形態では、図2〜図5に示しているように第1回転刃62,第2回転刃64,第1固定刃66及び第2固定刃68の何れも、中心部から切断容器30の周壁に向かって径方向に且つ片側にだけ延びる各1本の棒状体にてそれぞれ単独に設けられている。
但し第1固定刃66と第2固定刃68とは、円筒形状をなす切断容器30の直径方向に一直線状に延びる状態に、互いに逆向きに設けられており、また一方第1回転刃62と第2回転刃64とは、回転軸42に対して同じ側に且つ同一回転位相、即ち上下に互いに重なり合う状態に設けられている。
【0045】
これらの第1回転刃62,第2回転刃64,第1固定刃66及び第2固定刃68のそれぞれには、図5の部分拡大図に示しているように長辺側の底の幅方向端縁に沿って径方向に延びる鋭角の刃部70が形成されている。
第1回転刃62及びこれと対をなす第1固定刃66は、それら刃部70にて生ごみを回転方向に挟み込み、剪断作用で生ごみを切断する。
また同様に第2回転刃64及びこれと対をなす第2固定刃68も、各刃部70にて生ごみを回転方向に挟み込み、剪断作用でこれを切断する。
【0046】
上記回転軸42の上部43には、図5に示しているように切落し形状の平坦な係合面72が形成されている。
これに対応して第1回転刃62及び第2回転刃64には、その係合面72に対応した平坦な係合面74を有する係合孔76が設けられており、第1回転刃62及び第2回転刃64は、それら係合孔76において回転軸42の上部43に嵌め込まれ、かかる回転軸42と一体回転させられるようになっている。
【0047】
一方第1固定刃66,第2固定刃68は、それぞれと対をなす第1回転刃62,第2回転刃64よりも径方向に長く延びていて、各先端が切断容器30の周壁内面に形成された嵌込溝80,82(図2,図6参照)に図中上から下向きに嵌め込まれ、回転方向に位置決め且つ固定状態とされている。
また基端側には円形の且つ上下に貫通の挿通孔78が形成されており、各挿通孔78において回転軸42を回転可能に挿通させる状態に回転軸42の上部43に嵌め込まれている。
尚嵌込溝80,82は、それぞれ図3,図6に示しているように上端が上向きに開放されており、第1固定刃66及び第2固定刃68の各先端を、それぞれ図中上方から下向きに嵌込可能且つ図中下方から上向きに抜出可能とされている。
【0048】
上記最下位置の第2回転刃64には、図2に示しているように底板46上に起立状態に設けられた縦刃58に対応する位置において、自身の回転時に縦刃58を通過させる切欠が設けられており、その切欠の縁部が回転側の縦刃94とされている。
【0049】
上記の第2回転刃64,第2固定刃68,第1固定刃66及び第1回転刃62は、図5に示しているようにそれぞれ回転軸42に対して、詳しくはその上部43に対して図中上方から下向きに嵌込可能であり、また第2固定刃68,第1固定刃66についてはその先端が、それぞれ切断容器30の周壁内面に形成された嵌込溝82,80に対し図中上方から下向きに嵌込可能であり、そしてその状態で第2回転刃64,第2固定刃68,第1固定刃66,第1回転刃62のそれぞれが、円錐台形状をなす押え部材84、更にその押え部材84の中心部の貫通孔86を貫通して回転軸42の上端面に形成された雌ねじ孔88にねじ込まれた固定ねじ90により、回転軸42から抜止状態にそれぞれ組付固定されている。
【0050】
尚、第1回転刃62は切断容器30の底部より15〜60mm、望ましくは25〜40mmの高さに設けておく(ここで高さとは、第1回転刃62の底面、即ち刃部70の位置までの高さを表している)。
【0051】
回転軸42の上部43の基端には、図2に示す段付部92が形成されており、その段付部92にて最下位置の第2回転刃64の上下方向位置が定められている。
尚第2固定刃68の先端は、前記嵌込溝82の下端の段付面96にて下側から支持され、また第1固定刃66の先端は嵌込溝80の下端の段付面98にて下側から支持されている。
【0052】
図7において、100は屋外に設置された処理装置で、排水(搬送水)とともにここに送られて来た切断後の生ごみが、この処理装置100にて処理される。
この処理装置100はケーシング101の内部に固液分離装置102と乾燥装置104とを有している。
【0053】
固液分離装置102は、細幅のスクリーンバー106をそれらの間に隙間形成する状態で幅方向に多数連設して成る濾過スクリーン108を有しており、流入口110から流入した切断後の生ごみと排水とを含む被処理物を、濾過スクリーン108の図7中上面即ち濾過面で受けて排水のみをスクリーンバー106と106との間の隙間を通じて下方に落下させ、固形分の切断後の生ごみを濾過面上に残して固液分離する。
【0054】
而して濾過スクリーン108の濾過面上に残った固形分の生ごみは、モータ112にて駆動され、スクリーンバー106と106との間の隙間を走行する掻取爪114にて図中上向きに搬送され、投入口116からその搬送先の乾燥容器118内の乾燥室120に投入される。
尚投入口116にはこれを開閉するシャッター124が設けられている。
ここでシャッター124は固形分の生ごみを乾燥室120に投入する際には開状態に保持される。
一方濾過スクリーン108から下方に落下した排水は排出口126から下水として外部に排出される。
【0055】
上記乾燥装置104は、乾燥室120の内部にモータ128にて回転駆動される撹拌羽根130を有しており、この撹拌羽根130にて乾燥室120に投入された固形分の生ごみが撹拌作用を受けながら、乾燥用ヒータ132により加熱されて乾燥処理される。
この乾燥装置104は、乾燥ファン134及びこれを駆動するモータ136を備えており、乾燥ファン134にて送風された空気が乾燥用ヒータ132により加熱されて、乾燥室120の内部の固形分の生ごみに吹き付けられる。
尚乾燥ファン134は吸気口138からの吸気と、乾燥室120の内部に発生した水蒸気及び臭気を投入口116を通じて図7中上方に排気するためのファンも兼ねている。
【0056】
処理装置100のケーシング101には、生ごみの乾燥物を取り出すための取出口140と、これを開閉する扉142とが設けられている。
【0057】
本実施形態では、次のようにして生ごみを切断する。
詳しくは、蓋36を開いた状態で切断容器30内部に生ごみを投入し、その後蓋36を閉じて流し台水栓16から給水を行いつつ、モータ44を起動させて回転軸42を回転させる。
すると切断容器30内部の最上位置の第1回転刃62と、最下位置の第2回転刃64とが回転軸42と一体に回転し、その回転に伴って第1回転刃62と第1固定刃66、及び第2回転刃64と第2固定刃68とで、投入された生ごみを回転方向に挟み込み、剪断作用でこれを切断する。
【0058】
尚この実施形態において切断装置18は、その停止状態において第1回転刃62と第2回転刃64が、第1固定刃66に対し回転方向の同じ位置、即ち上下に互いに重なり合った状態となっており(制御部によりそのように制御される)、このため大きな背の高い生ごみを切断容器30内部に投入したとき、これを切断容器30深くまで挿入状態とすることができる。
【0059】
以上のような本実施形態の生ごみの切断装置18によれば、切断容器30内部の回転軸42の最上位置に第1回転刃62が設けてあるため、切断容器30内部に投入された生ごみを最上位置の第1回転刃62の回転運動により良好に下方に落下させ得、これを切断容器30内部で良好に切断することができる。
【0060】
また図8(B)に示すように、最上位置の第1回転刃62と切断容器30の周壁との間の隙間に生ごみが挟み込まれることがあっても、その最上位置の第1回転刃62が直下の第1固定刃66の位置に到ると、挟み込まれた生ごみがそこで第1回転刃62と第1固定刃66とにより切断され、或いは下側の第1固定刃66に引っ掛ることによって、引続く第1回転刃62の回転とともに良好に下方に落下せしめられ、第1回転刃62と切断容器30の周壁との間に挟み込まれた生ごみが、第1回転刃62の回転につれていつまでもそのまま安定的に回転し続けるといったことが無い。
また最上位置の第1回転刃62と直下の第1固定刃66との間には実質的に隙間が生じていないため、最上位置の第1回転刃62と直下の第1固定刃66との間の隙間に生ごみが位置したまま残ってしまうといった問題も生じない。
【0061】
また最上位置の第1回転刃62と直下の第1固定刃66とにはそれぞれ刃部70が設けてあり、しかもそれらの間には上下に隙間が生じていないため、魚の骨等の硬い生ごみが投入された場合においても、最上位置の第1回転刃62と第1固定刃66とで硬い生ごみをそれぞれの刃部70によって良好に挟み込み、剪断作用で良好に切断でき、その結果として最上位置の第1回転刃62や下側の第1固定刃66が硬い生ごみを挟み込んだときにその大きな抵抗によって折れたり損傷したりする問題も解決することができる。
【0062】
本実施形態ではまた、排出穴54,56を有する切断容器30の底板46の直上に位置する、回転軸42の最下位置の刃が第2回転刃64とされており、この最下位置の第2回転刃64がスクレーパとしての働きをなして、切断容器30内部で切断された生ごみを円滑に底板46の排出穴54,56から排出させることができる。
また最下位置の刃と最上位置の刃とがともに回転刃(第1回転刃62,第2回転刃64)とされており、また最上位置の第1回転刃62と最下位置の第2回転刃64とは同じ回転位相で、即ち各刃が互いに上下に重なった状態で回転するようになしてあるため、大きな背の高い生ごみが切断容器30内部に投入された場合においても、図8(A)に示しているようにかかる大きな生ごみの下部と上部とに対して第1回転刃62,第2回転刃64からの力を、同じ回転方向位置で同回転方向に加えることができ、それらの間の第1固定刃66及び第2固定刃68とともに良好にこれを切断することができる。
即ち、図11(B),(C)に示したように生ごみNが固定刃204の上に載り上がってしまって良好に切断できないといった問題を良好に解決することができる。
【0063】
本実施形態では、第2回転刃64の直上に位置して第2回転刃64と対をなす刃を、第2回転刃64よりも径方向に長く延びて先端が切断容器30の周壁に固定された第2固定刃68となしてあるため、最下位置の第2回転刃64の先端と切断容器30の周壁との間に生ごみが挟み込まれた場合であっても、その挟まれた生ごみがいつまでも周回運動してしまうといったことを防止し得、かかる生ごみを直上の第2固定刃68との間で良好に切断し、また第2固定刃68に生ごみを引っ掛けさせてこれを落下せしめることができる。
【0064】
更に本実施形態では、第1回転刃62が、更にはその下側の第1固定刃が回転軸42から切断容器30の周壁に向かって各1本だけ且つ片側にだけ延びているため、投入された生ごみの落下に対する障害が少なく、大きな生ごみであっても良好に下方の空間へとこれを挿入状態とすることができ、各刃による切断を良好に行うことができる。
【0065】
また併せてその棒状をなす第1回転刃62の横断面形状を、上記の四角形状となしているため、第1回転刃62の強度を高強度となすことができ、硬い生ごみを切断する際に第1回転刃62が折れたり損傷したりするのを良好に防止することができる。
更に第2回転刃64,第1固定刃66及び第2固定刃68の何れの横断面形状も同様の四角形状となしてあるので、第2回転刃64,第1固定刃66及び第2固定刃68もまた高強度となすことができる。
【0066】
図9は本発明の他の実施形態を示している。
この実施形態は、回転軸42若しくはこれと一体に回転する軸状部材にて、蓋36との間に生ごみを挟込み不能な高さまで突出する突出部144を形成した例である。
尚ここでは突出部144の上端と蓋36の下面との間の間隔は(切断容器30の半径−突出部144の半径)より小さくしてある。
この実施形態によれば、例えば切断容器30の生ごみの投入口32と同サイズを有するような横方向に大きな生ごみを、突出部144にて投入不能となし得(蓋36をすることができなくなる)、生ごみに対する切断効率を高めることができる。
【0067】
図10は本発明の更に他の実施形態を示している。
図10(A)の例は、生ごみ切断用の刃を上下に3段に構成した例である。
具体的には、最上位置の第1回転刃62と最下位置の第2回転刃64との間に、それぞれに対して共通の固定刃146を設けた例である。
この場合、固定刃146は第1回転刃62とともに生ごみを切断し、また併せて第2回転刃64とともに生ごみを切断する。
【0068】
尚、第1回転刃62と第2回転刃64とは回転軸42から互いに同じ方向に径方向に延び出させても良いし、或いはまた逆方向に延び出させても良く、更にはまた別の角度で延び出させるようにしても良い。
【0069】
他方、図10(B)の例は第1固定刃66と第2固定刃68との間に更に第3回転刃148を設けた例である。
この場合、第1固定刃66及び第2固定刃68は第3回転刃148に対しての固定刃としての働きも有する。
尚ここでは第2回転刃64及び第2固定刃68が回転軸42から径方向且つ互いに逆方向に延びる棒状体にて構成されている。
【0070】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、第2回転刃64の直上に位置して第2回転刃64と対をなす刃を、これとは逆方向に回転する逆回転刃として構成することも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態である生ごみの切断装置を流し台とともに示す図である。
【図2】図1の生ごみの切断装置を示す断面図である。
【図3】図2の一部切欠斜視図である。
【図4】図2の平面図である。
【図5】図2の生ごみ切断装置の各部品を分解して示す斜視図である。
【図6】同実施形態の切断容器の下部を単体で示す図である。
【図7】切断後の生ごみを処理する処理装置を示す図である。
【図8】同実施形態の作用説明図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【図11】本発明の背景説明図としての生ごみの切断装置を示す図である。
【図12】図11の変形例としての生ごみの切断装置を示す図である。
【図13】最上位置に回転羽根を設けた場合の問題点の説明図である。
【符号の説明】
【0072】
12 シンク
12A シンク底部
13 排水口
30 切断容器
36 蓋
42 回転軸
46 底板(底部)
54,56 排出穴
58,94 縦刃
62 第1回転刃
64 第2回転刃
66 第1固定刃
68 第2固定刃
144 突出部
146 固定刃
148 第3回転刃
【技術分野】
【0001】
この発明はキッチンのシンクの底部の排水口を通じて投入された生ごみを処理する装置に関し、詳しくは生ごみを粉砕せずに切断して処理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、キッチンで発生した生ごみを処理するための生ごみの処理装置として各種のものが提案されている。
ハンマーミル式のディスポーザと称される生ごみの処理装置はその代表的なものであって、このディスポーザはキッチンのシンクの下側且つキャビネット内部に設けられ、投入された生ごみを給水下でハンマーによりすり潰して微粉砕し、そしてその粉砕物を排水とともに排出口から排出する。
例えば下記特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4にこのようなディスポーザが開示されている。
【0003】
しかしながらこの生ごみの処理装置としてのディスポーザの場合、生ごみを微粉砕して排水とともに排出するため、その排水から生ごみの粉砕物を分離するための固液分離のための装置が大がかりなものとなり、また必ずしも十分に生ごみの粉砕物を排水から分離できず、排水が生ごみの粉砕物で汚れてしまって、これをそのまま放流すると水質を悪化させるといった問題がある。
【0004】
一方このような固液分離によらないで、生ごみの粉砕物を含む排水を生物処理槽(排水処理槽)で処理し、浄化するといったことも行われている。
しかしながらその生物処理槽は装置価格が高いとともに、これを地中に埋設するための工事費用がかかり、またその他に生物処理槽の設置場所を確保することが必要であるとともに、その後においても汚泥の引抜き等のメンテナンスにコストがかかるといった問題がある。
従って集合住宅のように多世帯で使用し、所要コストを各世帯で分担できるケースでは比較的普及が進んでいるが、戸建住宅等では高コストとなり、また設置場所を確保することも必ずしも容易ではないといった問題がある。
【0005】
一方このようなディスポーザ以外の他の生ごみの処理装置の場合、多くはキッチン内部のシンクとは別の箇所に設置することが必要であって、この場合専用の特別の設置スペースを必要とする問題がある。
【0006】
以上のような事情の下に、キッチンで生じた生ごみを微粉砕しないで粗切状態に切断し、処理する生ごみの切断装置が提案されている。
このように生ごみを粗切りして処理するようにすれば、微粉砕の際の押潰しやすり潰し等によって生じた生ごみ汁が排水に溶け込んで排水を汚してしまったりする問題を回避でき、また排水から生ごみを容易に固液分離することが可能である。
【0007】
このような切断による生ごみの処理装置については、下記特許文献5に開示がなされている。
しかしながらこの特許文献5に開示の装置では、容器内に投入された生ごみを回転刃が容器の周壁に押し付けるようにして切断するものであるため切断の効率が悪く、生ごみを円滑に所定の大きさまで切断することが困難であるのに加えて、生ごみを容器の周壁に回転刃にて押し付けながら切断するため、その際に生ごみ汁が発生してしまうのを十分に防止できないといった問題がある。
【0008】
そこで本出願人は、互いに対をなす回転刃と固定刃とを切断容器内部に設け、切断容器内部に投入された生ごみをそれら回転刃と固定刃とで挟み込んで剪断作用により切断する生ごみの切断装置を提案している(特願2004−272494:未公開)。
ところでこの生ごみの切断装置において、図11(A)に示しているように切断容器200内部の下部に回転軸206と一体回転する回転刃202と、固定刃204とを1セットだけ設けておいた場合、切断容器200内部に投入された大きく背の高い生ごみN(図11(B)参照)を切断する際に、回転刃202の回転運動によって下部を回転方向に押された生ごみNが、図11(B),(C)に示しているように傾いた姿勢のまま固定刃204の上に載り上げてしまい、回転刃202と固定刃204とで生ごみNを上手く挟み込んで切断できない場合が生ずることが判明した。
【0009】
そこで図12に示しているように回転刃202と固定刃204とのセットを、切断容器200内部に上下に複数セット設けることが考えられ、本発明者等が実際に試験を行ったところ、回転軸206の最上位置に固定刃204が位置していると、切断容器200内部に投入した生ごみが最上位置の固定刃204の上に載ったまま下方に上手く落下せず、従ってこの場合においても生ごみを良好に固定刃204と回転刃202とによって切断できないことが判明した。
【0010】
そこで次に本発明者等は、図13に示しているように回転軸206の最上位置に撹拌用の回転羽根208を設けてみたところ、切断容器200内部に投入した生ごみが下方に落ち易くはなったものの、回転羽根208の先端と切断容器200の周壁との間に生じた隙間に生ごみが挟まれてしまい、且つ挟まれた生ごみが回転羽根208と一緒に切断容器200の周壁に沿っていつまでも回転し続けてしまい、その後の切断が良好に行われないこと、また回転羽根208とその下側の固定刃204との間にも隙間Sが生じているため、固定刃204上に生ごみが載ったままとなってしまい、隙間Sの生ごみが続いて良好に切断されないこと、更にはまた回転羽根208が魚の骨等の硬い生ごみを下側の固定刃204とで周方向に挟み込んだときに、回転羽根208が大きな抵抗力により折れたり損傷したりしてしまう問題のあることが判明した。
本発明は以上のような事情の下に案出されたものである。
【0011】
尚、下記特許文献6には本発明と同様に切断容器の内部に固定刃と回転刃とのセットを複数セット有し、投入された生ごみを切断するようになしたものが開示されている。
しかしながらこの特許文献6に開示のものは、回転軸の最上位置のものが下側の固定刃との間に隙間を有する回転羽根としてのものであり、また切断容器の底部の直上に位置するものが固定刃である点で本発明と異なっている。
【0012】
【特許文献1】特開2002−45722号公報
【特許文献2】特開2002−248368号公報
【特許文献3】特開2003−211016号公報
【特許文献4】特開2003−305379号公報
【特許文献5】特開2002−219375号公報
【特許文献6】特開2004−298808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は以上のような事情を背景とし、投入された生ごみを良好に切断した上、切断容器底部の排出口から排出することのできる生ごみの切断装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
而して請求項1のものは、(a)キッチンのシンクの底部の排水口に内部を連通させる状態に該シンクの下側に固定状態に配設され、底部には切断後の生ごみを排出する排出穴の形成された生ごみの切断容器と、(b)該切断容器の中心部に設けられた回転軸とを有しており、前記切断容器の内部には、前記回転軸に沿って該切断容器の蓋の直下の最上位置に前記中心部から径方向に延びる第1回転刃が、また前記底部の直上の最下位置には該中心部から径方向に延びる第2回転刃が、それぞれ前記回転軸と一体回転する状態に設けられるとともに、前記第1回転刃の直下には、該第1回転刃に対して相対摺動可能に接して該第1回転刃とともに生ごみを挟み込んで切断する、該第1回転刃よりも径方向に長く延びて先端が前記切断容器の周壁に固定された固定刃が、前記第2回転刃の直上には、該第2回転刃に対して相対摺動可能に接して該第2回転刃とともに生ごみを挟み込んで切断する固定刃若しくは逆回転刃が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項2のものは、請求項1において、前記第1回転刃が前記回転軸から径方向に延びる片側の1本の棒状体単独で構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3のものは、請求項2において、前記第1回転刃の横断面形状が、横寸法Wに対する縦寸法Hの比率H/Wが1/5〜5の四角形状をなしていることを特徴とする。
【0017】
請求項4のものは、請求項3において、前記第2回転刃,第1回転刃及び第2回転刃に対してそれぞれ対をなす固定刃若しくは逆回転刃の何れの横断面形状も、横寸法Wに対する縦寸法Hの比率H/Wが1/5〜5の四角形状をなしていることを特徴とする。
【0018】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記回転軸若しくはこれと一体に回転する軸状部材が前記切断容器の蓋との間に生ごみを挟込み不能な位置まで高く上向きに突出していることを特徴とする。
【0019】
請求項6のものは、請求項1〜5の何れかにおいて、前記底部には生ごみを縦に切断するための固定の縦刃を起立状態に設ける一方、前記最下位置の回転刃には対応する位置に切欠きを設けて、該切欠きの縁部を該縦刃に対応する回転の縦刃となしてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0020】
以上のように本発明は、回転軸に沿って切断容器の蓋の直下の最上位置に第1回転刃を、また底部の直上の最下位置に第2回転刃を、それぞれ回転軸と一体回転する状態に設けるとともに、第1回転刃の直下には、第1回転刃に対して相対摺動可能に接して先端が切断容器の周壁に固定された固定刃を、また第2回転刃の直上には、第2回転刃に対して相対摺動可能に接する固定刃若しくは逆回転刃を設けたものである。
【0021】
かかる本発明の生ごみの切断装置においては、切断容器内部の回転軸の最上位置に第1回転刃が設けてあるため、切断容器内部に投入された生ごみが、最上位置の第1回転刃の回転運動により良好に下方に落下し、従ってこれを切断容器内部において固定刃と回転刃とにより良好に切断することができる。
【0022】
また最上位置の第1回転刃と切断容器の周壁との間の隙間に生ごみが挟み込まれることがあっても、その最上位置の第1回転刃が直下の固定刃の位置に到ると、挟み込まれた生ごみがそこで第1回転刃と固定刃とにより切断され、或いは下側の固定刃に引っ掛ることによって、引続く第1回転刃の回転とともに良好に下方に落下せしめられ、第1回転刃と切断容器の周壁との間に挟み込まれた生ごみが、第1回転刃の回転に連れていつまでもそのまま安定的に回転し続けるといった問題が解消される。
また最上位置の第1回転刃と直下の固定刃との間には実質的に隙間が生じていないため、最上位置の第1回転刃と直下の固定刃との間の隙間に生ごみが位置したまま残ってしまうといった問題も解消することができる。
【0023】
また最上位置の第1回転刃と直下の固定刃とにはそれぞれ刃部が設けてあり、しかもそれらの間には上下に隙間が生じていないため、魚の骨等の硬い生ごみが投入された場合においても、最上位置の第1回転刃と固定刃とで硬い生ごみをそれぞれの刃部で挟み込み、剪断作用でこれを良好に切断することができる。
その結果として、最上位置の第1回転刃や下側の固定刃が硬い生ごみを挟み込んだときに大きな抵抗(負荷)が生じ、その抵抗によりそれらが折れたり損傷したりする問題も解決することができる。
【0024】
本発明ではまた、排出穴を有する切断容器の底部の直上に位置する回転軸の最下位置の刃が第2回転刃とされており、この最下位置の第2回転刃がスクレーパとしての働きをなして、切断容器内部で切断された生ごみを円滑に底部の排出穴から排出させることができる特長を有する。
また最下位置の刃と最上位置の刃とが、ともに回転刃とされているため、大きな背の高い生ごみが切断容器内部に投入された場合でも、かかる大きな生ごみの下部と上部とに対し各回転刃の力を回転方向に作用させることができ、それらの間の固定刃ないし逆回転刃とによって良好にこれを切断することができる。
即ち、図11(B),(C)に示したように生ごみNが固定刃204の上に載り上がってしまって良好に切断できないといった問題を良好に解決することができる。
【0025】
この場合において、最上位置の第1回転刃と最下位置の第2回転刃とは同じ回転位相で回転するもの、即ち各刃が上下に互いに重なった状態で回転するものとなしておくことができる。
このようにすれば、大きな背の高い生ごみに対し最下位置の第2回転刃と最上位置の第1回転刃とにより、回転方向の同じ位置でかかる生ごみに対し回転方向に力を加えることができ、より効率的にかかる生ごみを切断することができる。
【0026】
本発明では、第2回転刃の直上に位置して第2回転刃と対をなす刃を、第2回転刃よりも径方向に長く延びて先端が切断容器の周壁に固定された固定刃となしておくことができる。
このようにすれば、最下位置の第2回転刃の先端と切断容器の周壁との間に生ごみが挟み込まれたままいつまでも周回運動してしまうといったことを防止し得て、これを良好に直上の固定刃との間で切断し、また固定刃に生ごみを引っ掛けさせてこれを落下せしめることができる。
【0027】
本発明では、請求項2に従って第1回転刃を回転軸から径方向に延びる片側の1本の棒状体単独で構成しておくことができる。
回転軸から切断容器の周壁に向かって放射状に第1回転刃を設けるといったことも考えられるが、第1回転刃がこのように複数放射状に設けてあると、切断容器内部に大きな生ごみを投入したとき、その第1回転刃が障害となって大きな生ごみがそれより下方に落ち難くなる恐れが生ずる。
しかるにこの請求項2では、回転軸から切断容器の周壁に向かって回転刃が1つだけ(1本だけ)延びた状態にあることから、第1回転刃と同じ高さの同一平面内において生ごみの落下に対する障害が少なく、大きな生ごみであっても良好に下方の空間へとこれを挿入状態とすることができ、回転刃及び固定刃による切断を引き続いて良好に行うことが可能となる。
【0028】
この場合においてその棒状をなす第1回転刃の横断面形状を、横寸法Wに対する縦寸法Hの比率H/Wが1/5〜5となるような四角形状となしておくことができる(請求項3)。
このようにすれば、第1回転刃の強度を高強度となすことができ、硬い生ごみを切断する際に第1回転刃が折れたり損傷したりするのをより良好に防止することができる。
【0029】
次に請求項4は、第2回転刃,第1回転刃及び第2回転刃に対してそれぞれ対をなす固定刃若しくは逆回転刃の何れの横断面形状も上記と同様の四角形状となしたもので、このようにしておけば、それら第2回転刃,固定刃若しくは逆回転刃もまた高強度となすことができる。
【0030】
請求項5は、回転軸若しくはこれと一体に回転する軸状部材の上端部を、切断容器の蓋との間に生ごみを挟込み不能な位置まで高く上向きに突出させたもので、このようにしておけば、例えば切断容器の生ごみの投入口と同サイズを有するような横寸法の大きな生ごみを回転軸が投入不能となし(蓋をすることができなくなる)、生ごみに対する切断効率を高めることができる(大きな生ごみは投入前に小さくしてから入れるようにする)。
この場合において、上記の上端部と蓋との間の上下の隙間は(切断容器の半径−突出部の半径)より小さくなるようにしておくことが望ましい。
【0031】
次に請求項6は、底部と最下位置の第2回転刃とに、生ごみを縦に切断する縦刃を設けたもので、このようにしておけば、生ごみを横に切断するだけでなく縦にも切断することができ、生ごみを効率高く小サイズに切断することができる。
【0032】
また上記第1回転刃は切断容器の底部より15〜60mm、望ましくは25〜40mmの高さに設けておくことができる。
更に切断装置は生ごみを5〜30mmの大きさに粗切りするものとなしておくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10はキッチンに設置された流し台で、12はシンク、14はカウンターで、16はそのカウンター14上に設けられた流し台水栓である。
17は流し台10におけるキャビネットで、このキャビネット17の内部且つシンク12の下側に、生ごみの切断装置(以下単に切断装置とする)18と、内部に搬送水を貯える貯水タンク20とが設けられている。
【0034】
22は排水管で、24はその排水管22の一部にて構成されたトラップ部である。
トラップ部24は、切断装置18にて切断された生ごみを一時的に貯溜する貯溜部としても働く。
このトラップ部24には封水が保持されており、その封水によって排水管22の下流側からシンク12側に臭気が逆流するのが防止される。
【0035】
排水管22は、上部が主管22-1と枝管22-2とに分かれており、その主管22-1の上端部が切断装置18の排出口28(図3参照)に接続され、また枝管22-2の上端部が貯水タンク20の底部に接続されている。
この枝管22-2と貯水タンク20の接続部には排水弁26が設けられており、貯水タンク20に貯えられた搬送水は、この排水弁26を開くことによって枝管22-2を通じトラップ部24へと一挙に放出され、その搬送水による搬送力によって、トラップ部24に一時的に貯溜されている切断後の生ごみがトラップ部24から一掃され、排水管22を下流側へと搬送される。
【0036】
図2に示しているように切断装置18は、円筒形状をなす切断容器30を有している。
切断容器30は、上端の生ごみの投入口32をシンク底部12Aの排水口13に合致させる状態で、シンク底部12Aに連結されている。
この切断容器30は、上部30-1と下部30-2とに分割されており、それらの間が円筒形状のゴムパッキン34にて水密にシールされている。
尚上部30-1は、切断容器30のシンク底部12Aへの取付部材としての働きを有している。
【0037】
36は切断容器30の蓋であって、生ごみの切断はこの蓋36をセットした状態の下で、なお且つ流し台水栓16から切断容器30内部への給水下で行われる。
その給水のため、蓋36は流し台水栓16からの給水を通過可能な構造とされている。
【0038】
本実施形態において、切断容器30の下部30-2は樹脂製であってこの切断容器30の下側には、すり鉢状をなす樹脂製の排出パン38が一体に構成されている。
この排出パン38は、切断容器30内部で切断された生ごみを排水とともに排出するもので、壁部40が勾配θで傾斜している。
ここで勾配θは30°以上としておくのが望ましく、より望ましくは45°以上の角度を持たせておく。
但し壁部40は、勾配θのテーパ形状となしておくほか、これを湾曲形状となしておいても良い。
【0039】
切断容器30の中心部には回転軸42が設けられており、この回転軸42の下端部が図1のモータ44に連結され、回転軸42がかかるモータ44にて回転駆動されるようになっている。
図5に示しているように、切断容器30の底部はその大部分が金属製の底板46にて構成されている。
この切断容器30の底部であって底板46を除く、切断容器30と一体に成形された他の一部には、嵌込溝48と雌ねじ孔50とが設けられており(図6参照)、その嵌込溝48に底板46が嵌め込まれ、回転方向に位置決めされた状態で、かかる底板46が上方から固定ねじ52にて固定されている。
【0040】
本実施形態において、切断装置18は生ごみを5〜30mmの大きさに粗切状態に切断するもので、この底板46には粗切状態に切断された生ごみが通過可能な円形の排出穴54と、大きな半円形状をなす切欠穴形状の排出穴56とが、底板46を上下に貫通する状態で設けられている。
また中心部には回転軸42を回転可能に挿通する円形の且つ貫通の嵌込孔57が設けられている。
この底板46にはまた、回転軸42から互いに逆方向に離隔した位置において、断面形状が三角形状をなす縦刃58がその上面から上向きに起立する状態で設けられている。
この縦刃58は生ごみを縦に切断するためのもので、幅方向両端縁に沿って鋭角をなす刃部60が形成されている。
【0041】
図2に示しているように、切断容器30の内部には回転軸42に沿って蓋36の直下の最上位置に、中心部から径方向に延びる第1回転刃62が、また底板46の直上の最下位置に中心部から径方向に延びる第2回転刃64が、それぞれ回転軸42と一体回転する状態で設けられている。
また第1回転刃62の直下には、第1回転刃62に対して相対摺動可能に接して第1回転刃62とともに生ごみを挟み込んで切断する第1固定刃66が、また第2回転刃64の直上には、第2回転刃64に対して相対摺動可能に接して第2回転刃64とともに生ごみを挟み込んで切断する第2固定刃68が設けられている。
【0042】
第1回転刃62,第2回転刃64,第1固定刃66及び第2固定刃68のそれぞれは、図5に示しているように横断面形状が台形状(四角形状)をなす金属製の棒状体にて構成されており、そして第1回転刃62は長辺側の底を下向きにして、また第1固定刃66は長辺側の底を上向きにして設けられている。
更に第2回転刃64は長辺側の底を上向きにして、また対応する第2固定刃68は長辺側の底を下向きにしてそれぞれ配設されている。
【0043】
尚第1回転刃62,第2回転刃64,第1固定刃66及び第2固定刃68のそれぞれは、横断面形状の横方向(幅方向)の寸法Wに対する縦方向(高さ方向)の寸法Hの比率H/Wが1/5〜5とされている。
【0044】
更にこの実施形態では、図2〜図5に示しているように第1回転刃62,第2回転刃64,第1固定刃66及び第2固定刃68の何れも、中心部から切断容器30の周壁に向かって径方向に且つ片側にだけ延びる各1本の棒状体にてそれぞれ単独に設けられている。
但し第1固定刃66と第2固定刃68とは、円筒形状をなす切断容器30の直径方向に一直線状に延びる状態に、互いに逆向きに設けられており、また一方第1回転刃62と第2回転刃64とは、回転軸42に対して同じ側に且つ同一回転位相、即ち上下に互いに重なり合う状態に設けられている。
【0045】
これらの第1回転刃62,第2回転刃64,第1固定刃66及び第2固定刃68のそれぞれには、図5の部分拡大図に示しているように長辺側の底の幅方向端縁に沿って径方向に延びる鋭角の刃部70が形成されている。
第1回転刃62及びこれと対をなす第1固定刃66は、それら刃部70にて生ごみを回転方向に挟み込み、剪断作用で生ごみを切断する。
また同様に第2回転刃64及びこれと対をなす第2固定刃68も、各刃部70にて生ごみを回転方向に挟み込み、剪断作用でこれを切断する。
【0046】
上記回転軸42の上部43には、図5に示しているように切落し形状の平坦な係合面72が形成されている。
これに対応して第1回転刃62及び第2回転刃64には、その係合面72に対応した平坦な係合面74を有する係合孔76が設けられており、第1回転刃62及び第2回転刃64は、それら係合孔76において回転軸42の上部43に嵌め込まれ、かかる回転軸42と一体回転させられるようになっている。
【0047】
一方第1固定刃66,第2固定刃68は、それぞれと対をなす第1回転刃62,第2回転刃64よりも径方向に長く延びていて、各先端が切断容器30の周壁内面に形成された嵌込溝80,82(図2,図6参照)に図中上から下向きに嵌め込まれ、回転方向に位置決め且つ固定状態とされている。
また基端側には円形の且つ上下に貫通の挿通孔78が形成されており、各挿通孔78において回転軸42を回転可能に挿通させる状態に回転軸42の上部43に嵌め込まれている。
尚嵌込溝80,82は、それぞれ図3,図6に示しているように上端が上向きに開放されており、第1固定刃66及び第2固定刃68の各先端を、それぞれ図中上方から下向きに嵌込可能且つ図中下方から上向きに抜出可能とされている。
【0048】
上記最下位置の第2回転刃64には、図2に示しているように底板46上に起立状態に設けられた縦刃58に対応する位置において、自身の回転時に縦刃58を通過させる切欠が設けられており、その切欠の縁部が回転側の縦刃94とされている。
【0049】
上記の第2回転刃64,第2固定刃68,第1固定刃66及び第1回転刃62は、図5に示しているようにそれぞれ回転軸42に対して、詳しくはその上部43に対して図中上方から下向きに嵌込可能であり、また第2固定刃68,第1固定刃66についてはその先端が、それぞれ切断容器30の周壁内面に形成された嵌込溝82,80に対し図中上方から下向きに嵌込可能であり、そしてその状態で第2回転刃64,第2固定刃68,第1固定刃66,第1回転刃62のそれぞれが、円錐台形状をなす押え部材84、更にその押え部材84の中心部の貫通孔86を貫通して回転軸42の上端面に形成された雌ねじ孔88にねじ込まれた固定ねじ90により、回転軸42から抜止状態にそれぞれ組付固定されている。
【0050】
尚、第1回転刃62は切断容器30の底部より15〜60mm、望ましくは25〜40mmの高さに設けておく(ここで高さとは、第1回転刃62の底面、即ち刃部70の位置までの高さを表している)。
【0051】
回転軸42の上部43の基端には、図2に示す段付部92が形成されており、その段付部92にて最下位置の第2回転刃64の上下方向位置が定められている。
尚第2固定刃68の先端は、前記嵌込溝82の下端の段付面96にて下側から支持され、また第1固定刃66の先端は嵌込溝80の下端の段付面98にて下側から支持されている。
【0052】
図7において、100は屋外に設置された処理装置で、排水(搬送水)とともにここに送られて来た切断後の生ごみが、この処理装置100にて処理される。
この処理装置100はケーシング101の内部に固液分離装置102と乾燥装置104とを有している。
【0053】
固液分離装置102は、細幅のスクリーンバー106をそれらの間に隙間形成する状態で幅方向に多数連設して成る濾過スクリーン108を有しており、流入口110から流入した切断後の生ごみと排水とを含む被処理物を、濾過スクリーン108の図7中上面即ち濾過面で受けて排水のみをスクリーンバー106と106との間の隙間を通じて下方に落下させ、固形分の切断後の生ごみを濾過面上に残して固液分離する。
【0054】
而して濾過スクリーン108の濾過面上に残った固形分の生ごみは、モータ112にて駆動され、スクリーンバー106と106との間の隙間を走行する掻取爪114にて図中上向きに搬送され、投入口116からその搬送先の乾燥容器118内の乾燥室120に投入される。
尚投入口116にはこれを開閉するシャッター124が設けられている。
ここでシャッター124は固形分の生ごみを乾燥室120に投入する際には開状態に保持される。
一方濾過スクリーン108から下方に落下した排水は排出口126から下水として外部に排出される。
【0055】
上記乾燥装置104は、乾燥室120の内部にモータ128にて回転駆動される撹拌羽根130を有しており、この撹拌羽根130にて乾燥室120に投入された固形分の生ごみが撹拌作用を受けながら、乾燥用ヒータ132により加熱されて乾燥処理される。
この乾燥装置104は、乾燥ファン134及びこれを駆動するモータ136を備えており、乾燥ファン134にて送風された空気が乾燥用ヒータ132により加熱されて、乾燥室120の内部の固形分の生ごみに吹き付けられる。
尚乾燥ファン134は吸気口138からの吸気と、乾燥室120の内部に発生した水蒸気及び臭気を投入口116を通じて図7中上方に排気するためのファンも兼ねている。
【0056】
処理装置100のケーシング101には、生ごみの乾燥物を取り出すための取出口140と、これを開閉する扉142とが設けられている。
【0057】
本実施形態では、次のようにして生ごみを切断する。
詳しくは、蓋36を開いた状態で切断容器30内部に生ごみを投入し、その後蓋36を閉じて流し台水栓16から給水を行いつつ、モータ44を起動させて回転軸42を回転させる。
すると切断容器30内部の最上位置の第1回転刃62と、最下位置の第2回転刃64とが回転軸42と一体に回転し、その回転に伴って第1回転刃62と第1固定刃66、及び第2回転刃64と第2固定刃68とで、投入された生ごみを回転方向に挟み込み、剪断作用でこれを切断する。
【0058】
尚この実施形態において切断装置18は、その停止状態において第1回転刃62と第2回転刃64が、第1固定刃66に対し回転方向の同じ位置、即ち上下に互いに重なり合った状態となっており(制御部によりそのように制御される)、このため大きな背の高い生ごみを切断容器30内部に投入したとき、これを切断容器30深くまで挿入状態とすることができる。
【0059】
以上のような本実施形態の生ごみの切断装置18によれば、切断容器30内部の回転軸42の最上位置に第1回転刃62が設けてあるため、切断容器30内部に投入された生ごみを最上位置の第1回転刃62の回転運動により良好に下方に落下させ得、これを切断容器30内部で良好に切断することができる。
【0060】
また図8(B)に示すように、最上位置の第1回転刃62と切断容器30の周壁との間の隙間に生ごみが挟み込まれることがあっても、その最上位置の第1回転刃62が直下の第1固定刃66の位置に到ると、挟み込まれた生ごみがそこで第1回転刃62と第1固定刃66とにより切断され、或いは下側の第1固定刃66に引っ掛ることによって、引続く第1回転刃62の回転とともに良好に下方に落下せしめられ、第1回転刃62と切断容器30の周壁との間に挟み込まれた生ごみが、第1回転刃62の回転につれていつまでもそのまま安定的に回転し続けるといったことが無い。
また最上位置の第1回転刃62と直下の第1固定刃66との間には実質的に隙間が生じていないため、最上位置の第1回転刃62と直下の第1固定刃66との間の隙間に生ごみが位置したまま残ってしまうといった問題も生じない。
【0061】
また最上位置の第1回転刃62と直下の第1固定刃66とにはそれぞれ刃部70が設けてあり、しかもそれらの間には上下に隙間が生じていないため、魚の骨等の硬い生ごみが投入された場合においても、最上位置の第1回転刃62と第1固定刃66とで硬い生ごみをそれぞれの刃部70によって良好に挟み込み、剪断作用で良好に切断でき、その結果として最上位置の第1回転刃62や下側の第1固定刃66が硬い生ごみを挟み込んだときにその大きな抵抗によって折れたり損傷したりする問題も解決することができる。
【0062】
本実施形態ではまた、排出穴54,56を有する切断容器30の底板46の直上に位置する、回転軸42の最下位置の刃が第2回転刃64とされており、この最下位置の第2回転刃64がスクレーパとしての働きをなして、切断容器30内部で切断された生ごみを円滑に底板46の排出穴54,56から排出させることができる。
また最下位置の刃と最上位置の刃とがともに回転刃(第1回転刃62,第2回転刃64)とされており、また最上位置の第1回転刃62と最下位置の第2回転刃64とは同じ回転位相で、即ち各刃が互いに上下に重なった状態で回転するようになしてあるため、大きな背の高い生ごみが切断容器30内部に投入された場合においても、図8(A)に示しているようにかかる大きな生ごみの下部と上部とに対して第1回転刃62,第2回転刃64からの力を、同じ回転方向位置で同回転方向に加えることができ、それらの間の第1固定刃66及び第2固定刃68とともに良好にこれを切断することができる。
即ち、図11(B),(C)に示したように生ごみNが固定刃204の上に載り上がってしまって良好に切断できないといった問題を良好に解決することができる。
【0063】
本実施形態では、第2回転刃64の直上に位置して第2回転刃64と対をなす刃を、第2回転刃64よりも径方向に長く延びて先端が切断容器30の周壁に固定された第2固定刃68となしてあるため、最下位置の第2回転刃64の先端と切断容器30の周壁との間に生ごみが挟み込まれた場合であっても、その挟まれた生ごみがいつまでも周回運動してしまうといったことを防止し得、かかる生ごみを直上の第2固定刃68との間で良好に切断し、また第2固定刃68に生ごみを引っ掛けさせてこれを落下せしめることができる。
【0064】
更に本実施形態では、第1回転刃62が、更にはその下側の第1固定刃が回転軸42から切断容器30の周壁に向かって各1本だけ且つ片側にだけ延びているため、投入された生ごみの落下に対する障害が少なく、大きな生ごみであっても良好に下方の空間へとこれを挿入状態とすることができ、各刃による切断を良好に行うことができる。
【0065】
また併せてその棒状をなす第1回転刃62の横断面形状を、上記の四角形状となしているため、第1回転刃62の強度を高強度となすことができ、硬い生ごみを切断する際に第1回転刃62が折れたり損傷したりするのを良好に防止することができる。
更に第2回転刃64,第1固定刃66及び第2固定刃68の何れの横断面形状も同様の四角形状となしてあるので、第2回転刃64,第1固定刃66及び第2固定刃68もまた高強度となすことができる。
【0066】
図9は本発明の他の実施形態を示している。
この実施形態は、回転軸42若しくはこれと一体に回転する軸状部材にて、蓋36との間に生ごみを挟込み不能な高さまで突出する突出部144を形成した例である。
尚ここでは突出部144の上端と蓋36の下面との間の間隔は(切断容器30の半径−突出部144の半径)より小さくしてある。
この実施形態によれば、例えば切断容器30の生ごみの投入口32と同サイズを有するような横方向に大きな生ごみを、突出部144にて投入不能となし得(蓋36をすることができなくなる)、生ごみに対する切断効率を高めることができる。
【0067】
図10は本発明の更に他の実施形態を示している。
図10(A)の例は、生ごみ切断用の刃を上下に3段に構成した例である。
具体的には、最上位置の第1回転刃62と最下位置の第2回転刃64との間に、それぞれに対して共通の固定刃146を設けた例である。
この場合、固定刃146は第1回転刃62とともに生ごみを切断し、また併せて第2回転刃64とともに生ごみを切断する。
【0068】
尚、第1回転刃62と第2回転刃64とは回転軸42から互いに同じ方向に径方向に延び出させても良いし、或いはまた逆方向に延び出させても良く、更にはまた別の角度で延び出させるようにしても良い。
【0069】
他方、図10(B)の例は第1固定刃66と第2固定刃68との間に更に第3回転刃148を設けた例である。
この場合、第1固定刃66及び第2固定刃68は第3回転刃148に対しての固定刃としての働きも有する。
尚ここでは第2回転刃64及び第2固定刃68が回転軸42から径方向且つ互いに逆方向に延びる棒状体にて構成されている。
【0070】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、第2回転刃64の直上に位置して第2回転刃64と対をなす刃を、これとは逆方向に回転する逆回転刃として構成することも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態である生ごみの切断装置を流し台とともに示す図である。
【図2】図1の生ごみの切断装置を示す断面図である。
【図3】図2の一部切欠斜視図である。
【図4】図2の平面図である。
【図5】図2の生ごみ切断装置の各部品を分解して示す斜視図である。
【図6】同実施形態の切断容器の下部を単体で示す図である。
【図7】切断後の生ごみを処理する処理装置を示す図である。
【図8】同実施形態の作用説明図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【図11】本発明の背景説明図としての生ごみの切断装置を示す図である。
【図12】図11の変形例としての生ごみの切断装置を示す図である。
【図13】最上位置に回転羽根を設けた場合の問題点の説明図である。
【符号の説明】
【0072】
12 シンク
12A シンク底部
13 排水口
30 切断容器
36 蓋
42 回転軸
46 底板(底部)
54,56 排出穴
58,94 縦刃
62 第1回転刃
64 第2回転刃
66 第1固定刃
68 第2固定刃
144 突出部
146 固定刃
148 第3回転刃
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)キッチンのシンクの底部の排水口に内部を連通させる状態に該シンクの下側に固定状態に配設され、底部には切断後の生ごみを排出する排出穴の形成された生ごみの切断容器と、(b)該切断容器の中心部に設けられた回転軸とを有しており、
前記切断容器の内部には、前記回転軸に沿って該切断容器の蓋の直下の最上位置に前記中心部から径方向に延びる第1回転刃が、また前記底部の直上の最下位置には該中心部から径方向に延びる第2回転刃が、それぞれ前記回転軸と一体回転する状態に設けられるとともに、前記第1回転刃の直下には、該第1回転刃に対して相対摺動可能に接して該第1回転刃とともに生ごみを挟み込んで切断する、該第1回転刃よりも径方向に長く延びて先端が前記切断容器の周壁に固定された固定刃が、前記第2回転刃の直上には、該第2回転刃に対して相対摺動可能に接して該第2回転刃とともに生ごみを挟み込んで切断する固定刃若しくは逆回転刃が設けられていることを特徴とする生ごみの切断装置。
【請求項2】
請求項1において、前記第1回転刃が前記回転軸から径方向に延びる片側の1本の棒状体単独で構成されていることを特徴とする生ごみの切断装置。
【請求項3】
請求項2において、前記第1回転刃の横断面形状が、横寸法Wに対する縦寸法Hの比率H/Wが1/5〜5の四角形状をなしていることを特徴とする生ごみの切断装置。
【請求項4】
請求項3において、前記第2回転刃,第1回転刃及び第2回転刃に対してそれぞれ対をなす固定刃若しくは逆回転刃の何れの横断面形状も、横寸法Wに対する縦寸法Hの比率H/Wが1/5〜5の四角形状をなしていることを特徴とする生ごみの切断装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかにおいて、前記回転軸若しくはこれと一体に回転する軸状部材が前記切断容器の蓋との間に生ごみを挟込み不能な位置まで高く上向きに突出していることを特徴とする生ごみの切断装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかにおいて、前記底部には生ごみを縦に切断するための固定の縦刃を起立状態に設ける一方、前記最下位置の回転刃には対応する位置に切欠きを設けて、該切欠きの縁部を該縦刃に対応する回転の縦刃となしてあることを特徴とする生ごみの切断装置。
【請求項1】
(a)キッチンのシンクの底部の排水口に内部を連通させる状態に該シンクの下側に固定状態に配設され、底部には切断後の生ごみを排出する排出穴の形成された生ごみの切断容器と、(b)該切断容器の中心部に設けられた回転軸とを有しており、
前記切断容器の内部には、前記回転軸に沿って該切断容器の蓋の直下の最上位置に前記中心部から径方向に延びる第1回転刃が、また前記底部の直上の最下位置には該中心部から径方向に延びる第2回転刃が、それぞれ前記回転軸と一体回転する状態に設けられるとともに、前記第1回転刃の直下には、該第1回転刃に対して相対摺動可能に接して該第1回転刃とともに生ごみを挟み込んで切断する、該第1回転刃よりも径方向に長く延びて先端が前記切断容器の周壁に固定された固定刃が、前記第2回転刃の直上には、該第2回転刃に対して相対摺動可能に接して該第2回転刃とともに生ごみを挟み込んで切断する固定刃若しくは逆回転刃が設けられていることを特徴とする生ごみの切断装置。
【請求項2】
請求項1において、前記第1回転刃が前記回転軸から径方向に延びる片側の1本の棒状体単独で構成されていることを特徴とする生ごみの切断装置。
【請求項3】
請求項2において、前記第1回転刃の横断面形状が、横寸法Wに対する縦寸法Hの比率H/Wが1/5〜5の四角形状をなしていることを特徴とする生ごみの切断装置。
【請求項4】
請求項3において、前記第2回転刃,第1回転刃及び第2回転刃に対してそれぞれ対をなす固定刃若しくは逆回転刃の何れの横断面形状も、横寸法Wに対する縦寸法Hの比率H/Wが1/5〜5の四角形状をなしていることを特徴とする生ごみの切断装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかにおいて、前記回転軸若しくはこれと一体に回転する軸状部材が前記切断容器の蓋との間に生ごみを挟込み不能な位置まで高く上向きに突出していることを特徴とする生ごみの切断装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかにおいて、前記底部には生ごみを縦に切断するための固定の縦刃を起立状態に設ける一方、前記最下位置の回転刃には対応する位置に切欠きを設けて、該切欠きの縁部を該縦刃に対応する回転の縦刃となしてあることを特徴とする生ごみの切断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−334475(P2006−334475A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160147(P2005−160147)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
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