説明

生ゴミ処理装置

【課題】本発明は、微生物の活性を高める環境を保つ構造、及び制御により、低消費電力で効率よく生ゴミを分解処理する業務用として好適な生ゴミ処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の生ゴミ処理装置は、水平方向に配置した回転軸3と、この回転軸3と直交する方向の回転軌跡を描くように中心部を取り付けるとともに通気性のある素材により自然通気が可能で、回転に伴い投入部に臨む菌床及び生ゴミ用の開閉可能な投入口及びトレイ21に臨む処理物用の開閉可能な排出口を設けた2個以上複数個並列配置の四角形ドラム型の回転槽4を回転駆動し、各回転槽4内に投入した菌床、生ゴミを金網メッシュ構造の通気孔からの通気下で撹拌するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ゴミ処理装置に関し、詳しくは、微生物の活性を高める環境を保つ構造、及び制御により、低消費電力で効率よく生ゴミを分解処理する業務用として好適な生ゴミ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最初に、従来における例えば業務用の生ゴミ処理機の分類を以下のように定義して説明する。
(a)バイオ式コンポスト型:微生物を利用して生ゴミを処理し、処理後の残渣を処理毎に取り出す方式の生ゴミ処理機。
(b)バイオ式減容型:微生物を利用して生ゴミを処理するが、処理後の残渣が一定期間残る方式の生ゴミ処理機。
(c)バイオ式消滅型:微生物を利用して生ゴミを処理し、処理後の残渣を水とともに排出する方式の生ゴミ処理機。
(d)乾燥型(炭化型含む):乾燥により生ゴミを減容するが、エネルギー負荷が大きい方式の生ゴミ処理機。
【0003】
上記(a)乃至(d)の分類で、まず(d)の生ゴミ処理機は、単なる乾燥機であり、消費電力も高いことから、比較の対象とはしない。(c)の生ゴミ処理機は、処理後の残渣を水とともに排出することから、排出先である浄化槽の負担が大きく、減容等の効果分担が明確でないことから、比較の対象とはしない。
【0004】
上記(a)乃至(d)の分類で、(a)と、(b)の生ゴミ処理機の線引きは難しいが、残渣を取り出すタイミングか異なるだけで、残渣が出るという点では同様の処理と考えることかできる。
【0005】
また、微生物の分解力を利用して生ゴミを減容、堆肥化するため、エネルギー負荷が低いとされ、上記の分類中で占める割合も大きく、生ゴミ処理機の代表的なタイプである。ここでは、この(a)と、(b)のバイオ式の生ゴミ処理機を従来技術として比較対象とする。
【0006】
従来のバイオ式の生ゴミ処理機(例えば特開平11−90405号をはじめとする上述した(a)と、(b))の殆どは、ステンレス製のタンク型槽に、縦又は横方向に軸を形成する撹拌羽根を備えた構造となっており、一般的には水分調整と微生物保持のために、おが屑等の木質チップ(一部でセラミック、樹脂等もあり)を使用した菌床資材をタンク槽に入れ、その中に生ゴミを投入する形態である。
【0007】
従来の典型的なバイオ式生ゴミ処理機としての特開平11−90405号公報の場合、通気確保策として、底面から配管を通して空気を供給している点が特徴であるが、空気の供給に動力が必要であることと併せ、十分な攪拌のためには頻繁な攪拌が必要となるため、消費電力が高くなってしまい、エネルギー負荷が低いはずのバイオ式のメリットが薄れてしまうという問題があった。
【0008】
そして、これらのバイオ式の生ゴミ処理機は、一般的に下記のような様々な問題点を有している。
(1)上面以外が密閉された槽のため、その構造から、好気性微生物の活動に必要な通気が不足し易く、嫌気的発酵による悪臭発生が起こり易い。
(2)悪臭対策として脱臭装置を備えたものもあるが、妥当な効果が認められるる加熱触媒では電気使用量が大きい。
(3)上面以外が密閉された槽で通気を確保するために、撹拌羽根の駆動時間が長く、電気使用量が大きい。
(4)撹拌羽根による撹拌で菌床と生ゴミが団子のように捏ねられることで、水分の蒸発性が悪<なり、水分過多による嫌気的発酵に陥り易いため、悪臭発生を抑えるためにタンク型槽や空気を加熱して水分蒸発を促す必要が生じ、電気使用量が大きい。
【0009】
特許文献1には、ステンレススチール製の網材を用いて形成した円筒型で一方の側面に蓋を有する処理容器内に、他方の側面側からパイプを用いて杉チップ等の菌床資材を予め入れておき、この処理容器の他方の側面側からパイプを用いて生ゴミを投入し、処理容器を回転駆動することで菌床と生ゴミとを撹拌し、生ゴミを分解するように構成した生ゴミ処理装置が提案されている。
【0010】
しかし、この特許文献1の場合には、円筒型の処理容器を回転駆動して菌床と生ゴミとを撹拌するものであることから、処理容器内の菌床と生ゴミとが処理容器の底部に留まり大きく移動しないことが多く、これらの撹拌を必ずしも十分に行うことができない。また、網材が底面だけのため、外径を大きくすると菌床の深さが増してしまい、通気が悪化する傾向にあるので、槽の大型化(大容量化)が困難である。
【0011】
特許文献2には、回転ドラムの周壁に設けた生ゴミ投入口から生ゴミを投入して、回転駆動機構により回転ドラムを回転駆動してチップ及び生ゴミを攪拌しチップの土壌菌によって生ゴミを分解、処理するように構成した生ゴミ処理機が提案されている。特許文献2の生ゴミ処理機は、多角形回転ドラムであるが、槽表面に通気はなく、通気確保策として、槽内部に配管を通して空気を回転槽内部に供給しているが、十分な通気のためには連続もしくは頻繁な攪拌が必要で消費電力増加を招くものとなる。
【特許文献1】特開2003−47934号公報
【特許文献2】特開2000−549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする問題点は、各種生ゴミ処理機の中でも、微生物を利用することから環境負荷が低いとされる従来のバイオ式生ゴミ処理機が、菌床を好気的に保ったり、臭気低減のために、無駄な電力を消費する構造であり、実際の環境負荷が高いという点である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の生ゴミ処理装置は、菌床及び生ゴミを投入する投入部、生ゴミ分解で発生する二酸化炭素と蒸発した水分、臭気を換気する排気口、吸気口を有する略箱型状の外装体と、前記外装体内で水平方向に配置した回転軸と、この回転軸に回転軸と直交する方向の回転軌跡を描くように中心部を取り付けるとともに、各面、もしくは側面のみの通気性のある素材により自然通気が可能で、回転に伴い内部に投入した菌床及び生ゴミを前記多数の通気性のある素材からの通気下で撹拌する多角形又は直線とRで形成される幾何学的形状のドラム型の回転槽と、を有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、外装体内において、各面もしくは側面のみの通気性のある素材により菌床が自然通気可能で、多角形又は直線とRで形成される幾何学的形状のドラム型の回転槽により、その内部に投入した菌床及び生ゴミを槽内で上下が反転するように、混ぜ合わせることで効率よく確実に菌床と生ゴミを混合でき、撹拌時の落下衝撃により菌床が固まりにくく、菌床を通気性がよい状態に保つことができ、通気性が良好な条件下で菌床を好気的に保ちながら生ゴミを分解することで、活性化した微生物の発酵熱により分解に適した菌床温度を保ちつつ、外部からの加熱なしで水分の蒸発も可能となり、結果として臭気の発生を抑えることができ、通気目的の無駄な撹拌や菌床の加熱、脱臭機構が必要ないため、電気使用量が低い生ゴミ処理装置を提供できる。また、生ゴミの分解処理で発生した二酸化炭素や蒸発水分、臭気の外部への排気を確実に行うことができる生ゴミ処理装置を提供できる。
なお、本発明において使用する菌床資材には、前もって特別な菌を付着させることはせず、菌床資材に含まれる土壌菌群や浮遊菌が、その時点の環境に適応した種類が繁殖するのを構造的、制御的に補うこととしている。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、回転槽内への菌床や生ゴミの投入、回転槽から収容手段への処理物の排出も容易に行うことができる生ゴミ処理装置を提供できる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、請求項1、請求項2記載の各発明の効果に加えて、前記回転槽の原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置の各位置への位置規制を容易に実現し、効率のよい運転を行うことができる生ゴミ処理装置を提供できる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明の効果に加えて、冬季等の低温環境下でにおいても菌床の発酵補助を行い生ゴミの分解効率を維持できる生ゴミ処理装置を提供できる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果を奏することに加えて、回転槽、収容手段を複数並列構成とすることによって、生ゴミの分解処理量を並列個数分増大することが可能な生ゴミ処理装置を提供できる。
【0019】
請求項6乃至8記載の発明によれば、2個以上複数個並列配置(例えば3個)の四角形ドラム型で金属メッシュの回転槽と、2個以上複数個並列配置(例えば3個)のトレイ及び回転駆動モータを含む構成によって、金属メッシュの通気下で効率よく確実に菌床と生ゴミを混合し、撹拌時の落下衝撃により菌床が固まりにくく、菌床を通気性がよい状態に保つことができ、通気性が良好な条件下で菌床を好気的に保つことができ、結果として臭気の発生を抑えることができるために、結果的に電気使用量も小さく、冬季等の低温環境下においても菌床の発酵補助を行い生ゴミの分解効率を維持できる生ゴミ処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、微生物の活性を高める環境を保つ構造、及び制御とすることで、低消費電力で効率よく生ゴミを分解処理する業務用として好適な生ゴミ処理装置を実現、提供するという目的を、菌床及び生ゴミを投入する投入部、生ゴミ分解で発生する二酸化炭素と蒸発した水分、臭気を換気する排気口、吸気口を有する略箱型状の外装体と、前記外装体内の下部に外部に取り出し可能に配置した通気性のある素材から落下した処理残さ、菌床を受け、菌床排出時には一時的に収容する2個以上複数個並列配置のトレイと、前記外装体内で水平方向に配置した2個以上複数個の回転槽配置用の回転軸と、前記回転軸にこの回転軸と直交する方向の回転軌跡を描くように中心部を取り付けた各面に金網メッシュ構造の通気孔を有し、回転に伴い前記投入部に臨む菌床及び生ゴミ用の開閉可能な投入口及び前記トレイに臨む処理物用の開閉可能な排出口を設けた2個以上複数個並列配置の四角形ドラム型の回転槽と、前記2個以上複数個の回転槽を回転駆動し、各回転槽内に投入した菌床、生ゴミを前記金網メッシュ構造の通気孔からの通気下で撹拌する回転駆動モータと、前記回転槽の原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置等の回転位置を検出する回転位置検出手段と、前記回転位置検出手段の検出信号を基にして前記回転駆動モータの回転制御を行い、前記回転槽の回転駆動、前記回転槽の原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置の各位置への位置規制を行う制御手段と、前記外装体内に温風を供給する温風発生ユニットと、を有する構成により実現した。
【実施例】
【0021】
以下に、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
本実施例に係る生ゴミ処理装置1は、図1乃至図4の各図に示すように、断熱構造で略箱型状に構成され、かつ、空洞の外装体2と、この外装体2の内部において、外装体2の相対向する垂直壁2a、2b間に水平配置に架設した回転軸3により中心部を回転可能に支持した垂直方向の断面形状が例えば四角形状を呈する四角形ドラム型で金網メッシュ構造に形成した生ゴミ処理用の回転槽4と、前記外装体2の正面上部に形成した傾斜部2cに設けた前記回転槽4内に菌床60や処理物である生ゴミを投入する際に開閉する長方形板状の投入部を構成するドア5と、前記外装体2の正面下部に設けたヒンジ開閉式又はネジ着脱式の長方形板状で把手6a付きの排出扉6と、前記外装体2の正面右側に配置した制御盤40と、前記外装体2の図1、図4において左側の垂直壁2aに設けた換気用空気(外気)を内部に導入するための吸気口部7と、外装体2の右側の垂直壁2bから外部に突出させ、生ゴミ分解処理により発生する二酸化炭素と蒸発した水分と発生する臭気を外装体2からその外部の垂直上方に向けて排気する排気手段8と、を有している。
図示する実施例では、回転槽4を断面形状が四角形状を呈する四角形ドラム型として形成し構成しているが、本発明においては、当該回転槽4を、直線とRで構成される幾何学的形状、例えば星形状、ハート形状、各種の花模様形状等、図示する実施例以外の形状をもって構成することができる。
なお、前記回転槽4を構成する金網メッシュの範囲(空いた目の幅)は、開目0.05mm〜5.00mm、開孔率(孔・目の面積比)5%以上が好都合で、また当該回転槽4のサイズは、外径方向の長さ200mm〜1,500mm、横幅50mm〜1,000mmが好都合である。
【0022】
前記菌床60は、例えば投入する生ゴミの水分調整と微生物の保持をする要素であり、例えば初期の菌床資材(例えば、生ゴミを分解し得る好気性菌等の微生物)と分解された生ゴミの残渣との混合物になる。本発明において、菌床資材には、前もって特別な菌を付着させることはせず、菌床資材に含まれる土壌菌群や浮遊菌が、その時点の環境に適応した種類が繁殖するのを構造的、制御的に補うこととしている。
【0023】
前記外装体2の底部には、例えばその四隅部に合計4個の高さ調節可能な固定支持具9を配置している。
【0024】
前記ドア5は、一端側の2箇所に開閉操作用のドアハンドル10を備えるとともに、その他端側を前記傾斜部2cの上部に対して図示しないがヒンジを用いて開閉可能に取り付けている。また、このドア5の左右両端と前記傾斜部2cの対応位置とにわたって取り付けた一対のガスダンパ11を利用し、ドアハンドル10の操作で容易に開閉可能な構成としている。前記傾斜部2cには、図2に示すように、前記ドア5を開いたときに露出する2個以上複数個(例えば3個)の投入口部2dを所定の間隔で開口している。
【0025】
前記吸気口部7は、外装体2から外部に排気した分外気を吸入するもので、フード7aを有し、また、図示しないが一方向バルブ(チャッキダンパー)を装着することで、排気停止中の臭気漏れを防止可能な構成としている。
【0026】
前記排気手段8は、周囲環境に応じてその高さを種々設定するものであり、図1乃至図4に示すように外装体2から外部に突出させた排気筒部(臭突)12及び図4に示すように外装体2内から排気筒部12内を経て蒸発した水分、発生する二酸化炭素、及び臭気を強制排気する排気ファン13を具備している。
【0027】
次に、前記外装体2の内部構成について、図1乃至図5の各図を参照して説明する。
前記外装体2には、前記垂直壁2bの更に外側に閉じられた空間である予備室14を設けている。この予備室14に、前記外装体2に連通する状態で前記排気ファン13を配置している。
【0028】
また、前記外装体2の内部空間には、既述したように、垂直壁2a、2b間に架設した前記回転軸3と、この回転軸3に所定間隔を持って各々取り付けた合計2個以上複数個(例えば3個)の回転槽4とを配置している。
【0029】
前記垂直壁2a、2bには各々所定の高さ位置で、かつ、相対向配置に軸受部15、15が配置されるとともに、外装体2の内底部からこの外装体2の垂直壁2a、2b間を例えば3等分する配置に柱16、17を立設している。
これら柱16、17の高さは、その上端が、前記回転軸3が架設される位置の若干下方となるように設定され、前記柱16、17の各上端に軸継手18、19を各々配置している。軸継手18、19の両端には柱16、17で懸架された軸受部15があり、各回転槽3、4を支持している。
【0030】
そして、2個以上複数個(例えば3個)の回転槽4の中心部を貫通させた各回転軸体4aを、前記軸受部15、15及び軸継手18、19を用いて直線的に連結し、図4に示すような一体構成となる回転軸3を構成している。
【0031】
すなわち、図4において左側の回転槽4を前記軸受部15、15で支持し、真ん中の回転槽4を前記軸受部15、15で支持し、右側の回転槽4を前記各軸受部15、15で支持するようになっている。
【0032】
前記予備室14側の垂直壁2bには、前記水平方向の回転軸3の右端に原動軸を連結させた回転駆動手段を構成する回転駆動モータ20を取り付けている。この回転駆動モータ20は、図示しないが減速機付きで、前記2個以上複数個(例えば3個)の回転槽4を連動させた状態で例えば1分間に1回転のように低速で(ゆっくりと)回転させる構成としている。
【0033】
また、前記垂直壁2bには、前記外装体2の内部空間に向けて温風を供給する温風発生ユニット21を取り付けている。この温風発生ユニット21は、冬季等の外気温が低い環境条件の際に、補助的に前記回転槽4内の菌床60を加熱するためのヒータ、ファンを用いて構成している。なお、通常は生ゴミ処理時の分解熱(発酵熱)で微生物活性温度の維持と水分蒸発を賄えるものである。
【0034】
前記外装体2の内底部には、前記2個以上複数個(例えば3個)の回転槽4のそれぞれ下方の位置に、図4、図5に示すように、収容手段を構成する上部が開口したバケット状の2個以上複数個(例えば3個)の各トレイ21を配置している。トレイ21は、菌床排出時の受け皿として機能するとともに、通常運転時に回転槽4のメッシュ穴からこぼれ落ちる菌床60の受け皿をも兼ねるものである。
【0035】
次に、前記回転槽4の具体的構造について、図4、図5、図6及び図7を参照して説明する。
前記回転槽4は、ステンレス材又は樹脂材を用いて四角形ドラム型に枠組4bを形成し、その幅方向中心部に前記回転軸体4aを貫通させてこの回転軸体4aの両端を各々外方に突出させるとともに、枠組4bが形成する各面(四角形状の2箇所の側面、4箇所の長方形状の端面、合計6面)に四角形状の金網23を多数張設し、回転槽4内に直方体状の生ゴミ処理空間24を形成している。回転軸体4aの直結により回転軸3を構成し、前記回転槽4は、前記回転軸3により支持され、この回転軸3と直交する方向の回転軌跡を描くようになっている。
【0036】
前記金網23のメッシュ構造により、回転槽4の外部から生ゴミ処理空間24内へメッシュ部分の多数の穴を通じての通気性を確保するようにしている。
なお、図示する実施例では、回転槽4を金網23のメッシュ構造に形成したものをもって構成しているが、本発明においては、回転槽4を図示する実施例以外の素材、例えば、布材をもって構成してもよく、当該回転槽4は、金網23のメッシュ構造に形成したもの又は布材をはじめとして、要は通気性のある幅広い各種素材をもって構成することができる。
【0037】
また、前記回転槽4の例えば前記金網23を張設した一つの端面には、図6に示すように、回転に伴い前記投入口部2dに臨む菌床60及び生ゴミ用の開閉可能な図7に示す投入口25を露出させるための開閉蓋26を設けている。
【0038】
この開閉蓋26は、図6に示すように、前記金網23を張設した一つの端面の中央部に幅方向に沿って一定間隔で配置した一対のヒンジ27により一端側を支持し、その他端側と前記回転槽4における枠組4bの隅部とにわたって配置した一対の金属製ファスナ28により回転槽4自体に開閉可能に取り付けている。
【0039】
更に、前記開閉蓋26の一部には、回転に伴い前記トレイ21に臨む処理物(菌床60又は生ゴミの残渣)用の開閉可能な排出口を露出させるための排出口蓋29を設けている。この排出口蓋29を開けることにより露出する排出口の大きさは、処理物(菌床60又は生ゴミの残渣)が一度に前記トレイ21に落下しないように前記投入口25の大きさよりも大幅に小さくしている。また、排出口蓋29は、詳細は図示しないが、例えばネジ止め着脱式やスライド着脱構造、ファスナ開閉構造等により容易に前記排出口を開閉可能な構成としている。
【0040】
なお、図7中、30は前記外装体2の正面近傍の床面等に配置する2段の階段式の踏み台であり、この踏み台30上にオペレータMが乗り、生ゴミの投入操作等を行うものである。
【0041】
次に、図8を参照して、本実施例の前記回転槽4の回転位置を検出する回転位置検出手段31について説明する。
回転位置検出手段31は、前記回転軸3の適宜位置(例えば前記軸受部15の近傍位置)に同心配置する円板状の槽角度検出プレート32と、この槽角度検出プレート32に対して各指標を検出できるように、プレート32とは別に設けた3個構成のセンサ33(図9参照)とを有している。
【0042】
前記槽角度検出プレート32には、図8に示すように、前記回転軸3の回転に伴い円形の原点用軌道L1上を変位する前記回転槽4の原点位置(図5に示す位置)を検出するための原点指標G1と、前記回転軸3の回転に伴い円形の投入位置検出軌道L2上を変位する前記回転槽4の投入位置(図7に示す位置)を検出するための投入位置指標G2、前記回転軸3の回転に伴い円形の馴らし反転軌道L3上を変位する前記回転槽4の時計方向回転の馴らし反転運転位置を検出するための馴らし反転運転指標G3及び前記回転槽4の反時計方向回転の馴らし反転運転位置を検出するための馴らし反転運転指標G4等を設けている。これら各指標の角度配置は図8に示す通りである。
【0043】
この場合、前記3個構成のセンサ33としては、例えば光学センサを用い、前記各指標としては槽角度検出プレート32の原点用軌道L1、投入位置検出軌道L2、馴らし反転軌道L3の図8に示す各位置に孔を穿設して、3個のセンサ33により各々前記各指標の位置を光学的に検出する例を挙げることができる。また、センサ33としては、近接センサにより穴や突起を検出する構成を採用することもできる。
【0044】
後述する制御部51は、センサ33により検出する原点指標G1、投入位置指標G2、馴らし反転運転指標G3、G4の検出信号に基づき、回転槽4を原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置に位置規制するようになっている。
【0045】
次に、前記制御盤40について、図1、図2を参照して概説する。
前記制御盤40は、その正面に制御パネル42を備えている。この制御パネル42には、投入準備スイッチ43、非常停止スイッチ44の他、モード切替や各種コマンドのスイッチ等を備えたスイッチ類45と、電源ランプ、運転ランプ、エラーランプ、投入位置準備完了ランプ、撹拌中ランプ、加熱中ランプ、換気中ランプ等を備えたランプ類46とを備えている。
【0046】
前記モード切替スイッチは、運転モード、菌床排出モード等を設定するものである。
【0047】
また、前記制御盤40には、図示しない制御機器、電源機器、電磁開閉器、漏電遮断器等の電気機器類が内蔵され、更に警報音を発生するブザー等の警報部47(図9参照)を組み込んでいる。
【0048】
次に、本実施例に係る生ゴミ処理装置1の制御系について図9を参照して説明する。
前記生ゴミ処理装置1の制御系は、生ゴミ処理装置1の全体を制御する制御部51と、生ゴミ処理装置1の各種動作を実行させるための動作プログラムを格納したROM等のプログラム記憶部52とを有する制御手段50を具備している。
【0049】
そして、前記センサ33の検出信号、投入準備スイッチ43、非常停止スイッチ44、スイッチ類45からの各スイッチ信号及び前記動作プログラムに基づいて動作する制御部51によって、前記回転駆動モータ20、温風発生ユニット21、排気ファン13等の駆動制御、ランプ類46の点灯制御、前記警報部47の鳴動制御を各々実行するように構成している。
【0050】
また、前記制御部51は、既述した回転位置検出手段31のセンサ類33が検出する前記回転槽4の原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置等の検出信号を基に、回転槽4をこれら各位置へ位置規制する制御を実行する。
【0051】
次に、本実施例に係る生ゴミ処理装置1の動作について詳述する。
この生ゴミ処理装置1において、生ゴミを投入する動作は以下の通りである。
(1)前記制御盤40に設けた投入準備スイッチ43を押して、回転駆動モータ20を始動させ、回転軸3及び回転槽4を回転させる。
(2)次に、前記センサ33が、回転軸3とともに回転する槽角度検出プレート32の投入位置指標G2を検出し、検出信号を制御部51に送る。
(3)制御部51は、センサ33からの検出信号を基に回転駆動モータ20を停止制御し、この結果、回転槽4は図7に示す投入位置に停止する。なお、回転槽4の回転中にドア5を開けると回転槽4は非常停止し、前記警報部47が鳴動する構成としている。
(4)前記回転槽4が投入位置に至った段階で、投入位置準備完了ランプが点灯し、この状態でオペレータMは図7に示すようにドア5を開ける。
(5)次に、オペレータMは、回転槽4内に生ゴミを投入するために回転槽4の開閉蓋26を開け、投入口25から生ゴミ処理空間24内に処理物である生ゴミを規定量投入する。
(5)この後、オペレータMは、開閉蓋26を閉じ、更にドア5を閉じる。
(6)オペレータMがドア5を閉めると、前記制御部51の制御の基に回転槽4は動作プログラムに従って回転駆動され、所定時間後に定常状態の位置で停止する。
【0052】
次に、本実施例の生ゴミ処理装置1における菌床排出(交換)処理について説明する。この場合の動作は以下の通りである。
(1)外装体2の排出扉6を開ける(もしくは取り外す)。
(2)前記制御盤40に設けた投入準備スイッチ43を押して、回転駆動モータ20を始動させ、回転軸3及び回転槽4を回転させる。
(3)次に、前記センサ33が、回転軸3とともに回転する槽角度検出プレート32の投入位置指標G2を検出し、検出信号を制御部51に送る。
(4)制御部51は、センサ33からの検出信号を基に回転駆動モータ20を停止制御し、この結果、回転槽4は図7に示す投入位置に停止する。なお、回転槽4の回転中にドア5を開けると回転槽4は非常停止し、前記警報部47が鳴動する。
(5)回転槽4が投入位置に至った段階で、投入位置準備完了ランプが点灯し、この状態でオペレータMは図7に示すようにドア5を開ける。
(6)菌床60を排出するために回転槽4の排出口蓋29を取り外す。
(7)次に、ドア5を閉めた後、前記制御盤40に設けた排出運転スイッチを菌床排出モードとして回転槽4を規定数回転させ、回転槽4の排出口蓋29からトレイ21へ菌床60を落下させる。
(8)回転槽4の規定数回転を繰り返し、前記トレイ21に排出された菌床60が適量になったら、トレイ21を外装体2の外へ引き出し、トレイ21から菌床60を取り出す。この後、トレイ21を元の位置に戻す。
(9)排出運転後は投入位置で回転槽4が停止するので、この段階で投入位置準備完了ランプ点灯を確認し、オペレータMはドア5を開ける。
(10)オペレータMは、排出口蓋29を回転槽4を取り付けた後、回転槽4の開閉蓋26を開け、投入口25から生ゴミ処理空間24内に交換用の菌床60を必要量投入する。
(11)更に、オペレータMは、開閉蓋26を閉じ、ドア5を閉め、更に外装体2の正面下部の排出扉6を閉める(若しくは取り付ける)。
(12)回転槽4は、プログラム動作で規定時間、規定条件で回転し、定常状態の位置(図5に示す位置)で停止する。
【0053】
上述した本実施例の生ゴミ処理装置1の動作により、各面(6面)が金属メッシュ構造で四角形ドラム型の回転槽4内において、四角形ドラムの回転による高い撹拌効率と菌床の固まり防止効果、そしてメッシュ構造による自然通気により、菌床を常に好気的に保ちつつ、活性化した微生物の発酵熱による最適な菌床温度の維持と水分の蒸発を外部のエネルギーなしで可能にすること、すなわち、外部のエネルギーなしで微生物を活性化させる環境を作り出すことで、生ゴミ処理を小さい電気使用量で的確に行うことができる。
【0054】
この場合、四角形ドラム型の回転槽4を採用した構造であるため、菌床60と生ゴミを槽内で上下が反転するように、混ぜ合わせることにより、効率の良い撹拌が可能となる。
【0055】
また、撹拌時の落下衝撃により菌床が固まりにくく、菌床を通気性がよい状態に保つことができ、撹拌時間も短時間で済み、電気使用量を低く抑えることができるとともに、菌床を通気し易い状態に保つことができる。
【0056】
また、金属メッシュ構造の槽であるため、エネルギーの必要な回転撹拌や強制通気なしでも、微生物の呼吸と水分蒸発に十分な自然通気が可能になり、菌床を常に好気的状態に保つことができる。
【0057】
この結果、嫌気的状態に起因する臭気の発生を抑えつつ、微生物の活性が高い状態を保つことが可能で、微生物の自己発熱により分解に適した菌床温度を保つことができるとともに、加熱無しで生ゴミに含まれる水分を蒸発させて金属メッシュの多数の穴から回転槽4の外部に排気させることができる。
【0058】
生ゴミの分解処理で発生した臭気や二酸化炭素、蒸発水分は前記排気ファン13により外装体2の外部に強制排気される。この場合、臭気排気や二酸化炭素と酸素交換に必要な換気量は、蒸発水分排出に必要な換気量に比べて低いため、内部の湿度に応じて排気ファン13の「入り」・「切り」により換気量を制御するのが、無駄な内部温度低下を抑える意味で望ましい。
【0059】
従って、臭気度合いが低く、撹拌時間も短くて済み、加熱も必要ないため、特に電気使用量が非常に小さく、環境負荷が小さい生ゴミ処理装置1を提供することができる。
【0060】
また、四角形ドラム型の回転槽4を採用した結果、菌床60と生ゴミを効率良く撹拌でき、回転槽4の回転時に菌床60が落下する際に衝撃を受け、このため菌床60が固まりにくく、常にサラサラして通気の良い状態を保つことができる。
【0061】
図示する本実施例の生ゴミ処理装置1においては、四角形ドラム型の回転槽4を3個並列配置した構成を採用し、各回転槽4を連動運転することで大容量の生ゴミ処理が可能であり業務用として好適なものとしているが、回転槽4の並列個数やトレイ21の配置個数は、1個、2個、4個等、生ゴミの処理量の規模に対応して所望の個数とした2個以上複数個の構成とすることもできる。
【0062】
また、図示する本実施例に係る生ゴミ処理装置1においては、四角形ドラム型の回転槽4を3個並列配置とし、一台の回転駆動モータ20で一括駆動するようにしているが、複数の回転槽に各々モータを配置して個別に回転駆動する構成とし、生ゴミの種別毎に使い分けたり、一方の回転槽を運転し、他方の回転槽を休止して保守作業を行う等の使用態様により効率のよい運用を行うことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、主に業務として生ゴミ処理を行う生ゴミ処理装置に適用する他、装置構成の小形化により一般家庭や小規模小売店等用の生ゴミ処理装置としても応用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施例に係る生ゴミ処理装置の概略正面図である。
【図2】本発明の実施例に係る生ゴミ処理装置のドアを開けた状態の概略正面図である。
【図3】本発明の実施例に係る生ゴミ処理装置の概略側面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】本発明の実施例に係る生ゴミ処理装置を回転軸と直交する方向に切断して示す断面図である。
【図6】本発明の実施例に係る生ゴミ処理装置の回転槽の平面及び側面の一部を示す概略図である。
【図7】本発明の実施例に係る生ゴミ処理装置における生ゴミ投入時に状態を示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施例に係る生ゴミ処理装置における槽角度検出プレートの正面図である。
【図9】本発明の実施例に係る生ゴミ処理装置の制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0065】
1 生ゴミ処理装置
2 外装体
2a 垂直壁
2b 垂直壁
2c 傾斜部
2d 投入口部
3 回転軸
4 回転槽
4a 回転軸体
4b 枠組
5 ドア
6 排出扉
6a 把手
7 吸気口部
7a フード
8 排気手段
9 固定支持具
10 ドアハンドル
11 ガスダンパ
12 排気筒部
13 排気ファン
14 予備室
15 軸受部
16 柱
17 柱
18 軸継手
19 軸継手
20 回転駆動モータ
21 トレイ
21 温風発生ユニット
23 金網
24 生ゴミ処理空間
25 投入口
26 開閉蓋
27 ヒンジ
28 金属製ファスナ
29 排出口蓋
30 踏み台
31 回転位置検出手段
32 槽角度検出プレート
33 センサ
40 制御盤
42 制御パネル
43 投入準備スイッチ
44 非常停止スイッチ
45 スイッチ類
46 ランプ類
47 警報部
50 制御手段
51 制御部
52 プログラム記憶部
60 菌床
G1 原点指標
G2 投入位置指標
G3 反転運転指標
G4 反転運転指標
L1 原点用軌道
L2 投入位置検出軌道
L3 馴らし反転軌道
M オペレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
菌床及び生ゴミを投入する投入部、生ゴミ分解で発生する二酸化炭素と蒸発した水分、臭気を換気する排気口、吸気口を有する略箱型状の外装体と、
前記外装体内で水平方向に配置した回転軸と、
前記回転軸にこの回転軸と直交する方向の回転軌跡を描くように中心部を取り付けるとともに、各面もしくは側面のみの通気性のある素材により自然通気が可能で、回転に伴い内部に投入した菌床及び生ゴミを前記通気性のある素材からの通気下で撹拌する多角形又は直線とRで形成される幾何学的形状のドラム型の回転槽と、
を有することを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項2】
菌床及び生ゴミを投入する投入部、生ゴミ分解で発生する二酸化炭素と蒸発した水分、臭気を換気する排気口、吸気口を有する略箱型状の外装体と、
前記外装体内の下部に配置され、通気性のある素材から落下した処理残さ、菌床を受けて、菌床排出時には一時的に収容する収容手段と、
前記外装体内で水平方向に配置した回転軸と、
前記回転軸にこの回転軸と直交する方向の回転軌跡を描くように中心部を取り付けたとともに、各面もしくは側面のみの通気性のある素材により自然通気が可能で、回転に伴い前記投入部に臨む菌床及び生ゴミ用の開閉可能な投入口及び前記収容手段に臨む処理物用の開閉可能な排出口を設けた多角形又は直線とRで形成される幾何学的形状のドラム型の回転槽と、
前記回転槽を回転駆動し、回転槽内に投入した菌床、生ゴミを通気性のある素材からの通気下で撹拌する回転駆動手段と、
を有することを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項3】
菌床及び生ゴミを投入する投入部、生ゴミ分解で発生する二酸化炭素と蒸発した水分、臭気を換気する排気口、吸気口を有する略箱型状の外装体と、
前記外装体内の下部に外部に取り出し可能に配置され、通気性のある素材から落下した処理残さ、菌床を受けて、菌床排出時には一時的に収容する収容手段と、
前記外装体内で水平方向に配置した回転軸と、
前記回転軸にこの回転軸と直交する方向の回転軌跡を描くように中心部を取り付けたとともに、各面もしくは側面のみの通気性のある素材により自然通気が可能で、回転に伴い前記投入部に臨む菌床及び生ゴミ用の開閉可能な投入口及び前記収容手段に臨む処理物用の開閉可能な排出口を設けた四角形ドラム型の回転槽と、
前記回転槽を回転駆動し、回転槽内に投入した菌床、生ゴミを通気性のある素材からの通気下で撹拌する回転駆動手段と、
前記回転槽の原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置等の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記回転位置検出手段の検出信号を基にして前記回転駆動手段の回転制御を行い、前記回転槽の回転駆動、前記回転槽の原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置の各位置への位置規制を行う制御手段と、
を有することを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項4】
菌床及び生ゴミを投入する投入部、生ゴミ分解で発生する二酸化炭素と蒸発した水分、臭気を換気する排気口、吸気口を有する略箱型状の外装体と、
前記外装体内の下部に外部に取り出し可能に配置され、通気性のある素材から落下した処理残さ、菌床を受けて、菌床排出時には一時的に収容する収容手段と、
前記外装体内で水平方向に配置した回転軸と、
前記回転軸にこの回転軸と直交する方向の回転軌跡を描くように中心部を取り付けたとともに、各面もしくは側面のみの通気性のある素材により自然通気が可能で、回転に伴い前記投入部に臨む菌床及び生ゴミ用の開閉可能な投入口及び前記収容手段に臨む処理物用の開閉可能な排出口を設けた四角形ドラム型の回転槽と、
前記回転槽を回転駆動し、回転槽内に投入した菌床、生ゴミを通気性のある素材からの通気下で撹拌する回転駆動手段と、
前記回転槽の原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置等の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記回転位置検出手段の検出信号を基にして前記回転駆動手段の回転制御を行い、前記回転槽の回転駆動、前記回転槽の原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置の各位置への位置規制を行う制御手段と、
前記外装体内に温風を供給する温風発生ユニットと、
を有することを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項5】
菌床及び生ゴミを投入する投入部、生ゴミ分解で発生する二酸化炭素と蒸発した水分、臭気を換気する排気口、吸気口を有する略箱型状の外装体と、
前記外装体内の下部に外部に取り出し可能に配置され、通気性のある素材から落下した処理残さ、菌床を受けて、菌床排出時には一時的に収容する収容手段と、
前記外装体内で水平方向に配置した単数回転槽配置用若しくは複数回転槽配置用の回転軸と、
前記回転軸にこの回転軸と直交する方向の回転軌跡を描くように中心部を取り付けたとともに、各面もしくは側面のみの通気性のある素材により自然通気が可能で、回転に伴い前記投入部に臨む菌床及び生ゴミ用の開閉可能な投入口及び前記収容手段に臨む処理物用の開閉可能な排出口を設けた単数若しくは複数並列配置の四角形ドラム型の回転槽と、
前記回転槽を回転駆動し、回転槽内に投入した菌床、生ゴミを通気性のある素材からの通気下で撹拌する回転駆動手段と、
前記回転槽の原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置等の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記回転位置検出手段の検出信号を基にして前記回転駆動手段の回転制御を行い、前記回転槽の回転駆動、前記回転槽の原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置の各位置への位置規制を行う制御手段と、
前記外装体内に温風を供給する温風発生ユニットと、
を有することを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項6】
菌床及び生ゴミを投入する投入部、生ゴミ分解で発生する二酸化炭素と蒸発した水分、臭気を換気する排気口、外気を導入する一方向バルブを装着した吸気口を有する略箱型状の外装体と、
前記外装体内の下部に外部に取り出し可能に配置され、通気性のある素材から落下した処理残さ、菌床を受けて、菌床排出時には一時的に収容する2個以上複数個並列配置のトレイと、
前記外装体内で水平方向に配置した2個以上複数個の回転槽配置用の回転軸と、
前記回転軸にこの回転軸と直交する方向の回転軌跡を描くように中心部を取り付けたとともに、各面もしくは側面のみの金網メッシュ構造の通気性のある素材により自然通気が可能で、回転に伴い前記投入部に臨む菌床及び生ゴミ用の開閉可能な投入口及び前記収容手段に臨む処理物用の開閉可能な排出口を設けた2個以上複数個並列配置の四角形ドラム型の回転槽と、
前記2個以上複数個の回転槽を回転駆動し、各回転槽内に投入した菌床、生ゴミを前記金網メッシュ構造の通気性のある素材からの通気下で撹拌する回転駆動モータと、
前記回転槽の原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置等の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記回転位置検出手段の検出信号を基にして前記回転駆動モータの回転制御を行い、前記回転槽の回転駆動、前記回転槽の原点位置、生ゴミ投入位置、時計方向及び反時計方向の馴らし反転運転位置の各位置への位置規制を行う制御手段と、
前記外装体内に温風を供給する温風発生ユニットと、
を有することを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項7】
前記回転槽は、外径方向の長さ200mm〜1,500mmで、横幅50mm〜1,000mmに形成したものであることを特徴とする請求項6記載の生ゴミ処理装置。
【請求項8】
前記回転槽における金網メッシュ構造の範囲すなわち開いた目の幅は、開目0.05mm〜5.00mmで、開孔率すなわち孔・目の面積比は、5%以上のものであることを特徴とする請求項6又は7記載の生ゴミ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−117836(P2007−117836A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−311281(P2005−311281)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(000181468)株式会社ムロコーポレーション (9)
【出願人】(304023318)国立大学法人静岡大学 (416)
【Fターム(参考)】