説明

生体信号解析装置、生体信号解析方法、生体信号解析プログラム

【課題】生体信号の解析を高次元で行うため、多くの情報が失われること無く取得できる一方、3次元空間座標に生体信号の解析結果を表示するので、数学的に知識のない者でも瞬時に生体信号の状態を確認することができる。
【解決手段】生体信号を受信する生体信号受信部100と、前記生体信号をm次元(mは4以上の整数)において解析する高次元空間解析部110と、前記高次元空間解析部110の解析に基づいて生成される、3次元の空間に表示させるための信号である3次元表示信号を送信する、3次元表示信号送信部140を備える、生体信号解析装置を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体信号解析装置、生体信号解析方法、生体信号解析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
生体信号の挙動を理解するための方法について、生体信号を受信して観測する方法が広く行われている。その生体信号の観測結果を表示する手段として、従来から図1のように時間を横軸、振幅を縦軸とする表示方法により観測する手段などが用いられている。
【0003】
一方、生体信号を4次元以上の高次元における相関次元により解析する方法が特開平9−56833号公報において用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−56833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、一般に表示された図形より得られる情報は高次元より低次元のほうが情報量において劣る。図1を例とする従来の表示方法では、生体信号の挙動の異常を観測するにあたり情報量が不足するため、医療従事者の長年の経験により補う必要があり、経験の浅い者が異常を観測することが困難なことがあった。また、医療従事者の経験も観測者の主観に委ねられる部分が多く、客観的で明確な基準が欠けることがあった。
【0006】
一方、生体信号を4次元以上の高次元空間で理解する方法が考えられる。しかし、例えば特許文献1に記載されているような方法では、結果を瞬時に理解することは数学的に高度な知識を必要とするため、緊急性を要する医療の現場においては、直ちに処置に活かすことは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以上に鑑みてなされたものであり、生体信号を受信する生体信号受信部と、前記生体信号をm次元(mは4以上の整数)において解析する高次元空間解析部と、前記高次元空間解析部の解析に基づいて生成される、3次元の空間に表示させるための信号である3次元表示信号を送信する、3次元表示信号送信部を備える、生体信号解析装置であることを特徴とする。これにより生体信号が規則的であるかどうかが可視的に容易に確認することができ、観測者は経験の浅い者であっても、視覚的に生体信号が規則的であることについての状態を確認することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明における生体信号解析装置、生体信号解析方法、生体信号解析プログラムによれば、生体信号の解析を高次元で行うため多くの情報が失われること無く取得できる。一方、3次元空間座標に生体信号の解析結果を表示するので、数学的に知識のない者でも瞬時に生体信号の状態を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来の生体信号の表示方法を現す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の構成を表すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の手順を表すフローチャートである。
【図4】生体信号受信部100の構成を表すブロック図である。
【図5】ずらし時間設定部120の構成を表すブロック図である。
【図6】ずらし時間設定部120の構成を表すブロック図である。
【図7】n個のベクトルを生成するイメージを表す図である。
【図8】埋め込み変換処理部130の構成を表すブロック図である。
【図9】3次元表示信号処理送信部140の構成を表すブロック図である。
【図10】3次元空間のイメージを表す図である。
【図11】5次元空間を3次元空間に表示するための座標の組み合わせを表す図である。
【図12】数3で表される数式により生成されるグラフの軌跡を表す図である。
【図13】覚醒時の呼吸運動を表すグラフである。
【図14】無呼吸時の呼吸運動を表すグラフである。
【図15】CPAPにより呼吸を整えた場合の呼吸運動を表すグラフである。
【図16】本発明の第2の実施の形態の構成を表すブロック図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態の手順を表すフローチャートである。
【図18】心電図のアナログデータをA/D変換して表すグラフである。
【図19】健常者の心電図を表すグラフである。
【図20】心電図の時間ずらしの決定方法を説明するためのグラフである。
【図21】健常者の心電図の解析で4次元空間情報を3次元空間に射影した場合を示すグラフである。
【図22】健常者の心電図の新しい表示法について拡大して説明するためのグラフである。
【図23】心室性期外収縮を伴う患者の心電図を従来表示法及び新しい表示法で対比して表すグラフである。
【図24】心房細動を伴う患者の心電図を従来表示法及び新しい表示法で対比して表すグラフである。
【図25】欠神てんかん患者のてんかん発作がない脳波部分及びてんかん発作脳波部分を対比して表すグラフである。
【図26】欠神てんかん患者のてんかん発作がない脳波部分の3次元分割描写を表すグラフである。
【図27】欠神てんかん患者のてんかん発作脳波部分の3次元分割描写を表すグラフである。
【図28】健康男性の浅睡眠脳波及び深睡眠脳波を従来表示法で対比して表すグラフである。
【図29】健康男性の浅睡眠脳波の3次元空間分割描写を表すグラフである。
【図30】健康男性の深睡眠脳波の3次元空間分割描写を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〈1.基本的な実施の形態〉
本発明の第1の実施の形態について説明する。本実施の形態について、図2に構成のブロック図を、図3に手順のフローチャートを表す。
【0011】
生体信号受信部100は、生体信号を受信する(S100)。この受信する生体信号は呼吸運動をはじめとして、脳波、心電図、胃電図など、様々な生体信号について用いることが可能である。生体信号受信部100の一例として、アナログ生体信号受信部101、アナログ生体信号記録部102、A/D変換部103を備える構成とすることが考えられる。図4は生体信号受信部100の構成を表すブロック図である。
【0012】
アナログ生体信号受信部101は、アナログの状態の生体信号であるアナログ生体信号の受信を行う(S101)。
【0013】
アナログ生体信号記録部102は、受信したアナログ生体信号を記録する(S102)。
【0014】
A/D変換部103は、生体信号の1周期の挙動が十分観測できる値であるサンプリング時間Δtをとり、アナログ生体信号記録部102において記録されたアナログ生体信号をデジタル変換し、デジタル生体信号とし(S103A)、高次元空間解析部110へ送信する(S103B)。
【0015】
高次元空間解析部110は、生体信号を高次元において解析する(S110)。この高次元における解析の一例として、Takensの埋め込み定理を用いて解析を行い、解析結果としてm次元空間(mは4以上の整数)における生体信号の軌跡を取得することが考えられる。この高次元空間解析部110は、一例として、ずらし時間設定部120、埋め込み変換処理部130を備える構成とすることが考えられる。
【0016】
ずらし時間設定部120は、受信した生体信号について、ずらし時間の設定を行う(S120)。ずらし時間は生体信号を高次元で解析するにあたり、Takensの埋め込み定理を用いる場合に必要となる。Takensの埋め込み定理を用いる場合には、ノイズの影響などを考慮してずらし時間は自己相関関数が最初に0になる時間、または1/e(eは自然対数)になる時間を用いると適切であることが知られている。自己相関関数とはtについての関数y(t)を例にすると、y(t)とτだけ位相をずらしたy(t+τ)の変動の類似性を表すものであり、同一であれば1、正負が逆であれば−1となるものである。
【0017】
ずらし時間設定部120の構成を挙げる。この場合のずらし時間設定部120は、一例としてずらし時間決定部121、ずらし時間記録部122、ずらし時間呼出部123を備える構成とすることが考えられる。この場合のずらし時間設定部120のブロック図を図5に表す。
【0018】
ずらし時間決定部121は、特定のずらし時間の値を表す、ずらし時間信号をずらし時間記録部122に送信する(S121)。このずらし時間の値は、過去に同様の生体信号についての自己相関関数を求めた経験等により得られた一定の値を用いてもよい。この一定の値について、生体信号を時間tについての関数x(t)と考え、このx(t)自己相関関数の値が最初に0または1/eになるτの値を用いることが考えられる。
【0019】
ずらし時間記録部122は、受信したずらし時間信号を記録する(S122A)。
【0020】
ずらし時間呼出部123は、ずらし時間記録部122に記録されたずらし時間信号の呼出を行うための信号であるずらし時間呼出信号を、ずらし時間記憶部122へ送信する(S123)。
【0021】
また、ずらし時間記録部122は、受信したずらし時間呼出信号に基づいて、記録されたずらし時間信号を呼出し(S122B)、ずらし時間信号を埋め込み変換処理部130に送信する(S122C)。
【0022】
また、ずらし時間設定部120におけるずらし時間の設定は、自己相関関数を計算して行う方法も考えられる。この場合は、ずらし時間入力部124、自己相関関数計算部125、ずらし時間記録部126、ずらし時間呼出部127を備える構成とすることが考えられる。この場合のずらし時間設定部120のブロック図を図6に表す。
【0023】
ずらし時間入力部124は、適当にずらし時間の値を調整する(S124)。例えば適当なずらし時間の値が連続的に入力され、ずらし時間信号の送信を行う構成としてもよい。
【0024】
自己相関関数計算部125は、受信した連続した値のずらし時間信号に基づいて、自己相関関数を計算する(S125)。
【0025】
ずらし時間記録部126は、計算された自己相関関数の値及びその際のずらし時間信号を記録する(S126A)。
【0026】
ずらし時間呼出部127は、自己相関関数の値が例えば0または1/eなど特定の値となる際のずらし時間の値の呼出を行うため、ずらし時間記録部126へずらし時間呼出信号を送信する(S127)。
【0027】
また、ずらし時間記録部126は、受信したずらし時間呼出信号に基づいて、記録したずらし時間信号の呼出を行い(S126B)、ずらし時間信号をずらし時間信号埋め込み変換処理部130に送信する(S126C)。
【0028】
また、ずらし時間設定部120が自己相関関数に基づいてずらし時間を設定するにあたって、生体信号は完全に規則的なものではないので、x(t)によって表される関数も異なる、したがってtの値をいずれにするかによって自己相関関数も異なる値をとることがある。このような場合に対応するべく、自己相関関数計算部125は複数の自己相関関数を求め、その全部または一部の平均をとるなど、複数の自己相関関数に基づいてずらし時間を求める構成とすることも考えられる。
【0029】
埋め込み変換処理部130は生体信号から得られるベクトルを、m次元空間に埋め込む(S130)。埋め込み変換処理部130は、一例として次元設定部131、基本ベクトル生成部132、m次元軸生成部133、m次元配置部134、m次元ベクトル情報生成部135を備える構成とすることが考えられる。その場合の埋め込み変換処理部130のブロック図を図8に表す。
【0030】
次元設定部131は、何次元の空間において解析を行うかを決定し、mの値を設定する。(S131)。
【0031】
基本ベクトル生成部132は、受信したずらし時間信号に基づいて、数1に記載されるようにずらし時間τずつ時間をずらしたx(t)について、m個の要素数からなるベクトルをn個生成する(S132)。数1について、x(1)とx(2)の時間差はΔtである。x(t)からn個のベクトルを生成する手順のイメージを図7に表す。nの値はベクトルからなる軌跡を描くために十分な数の値である。
【0032】
【数1】

【0033】
m次元軸生成部133は、τずつずらした位相に基づいて、x(t)軸、x(t+τ)軸、x(t+2τ)軸、…、x(t+(m−1)τ)軸の、m次元空間を構成するm個の軸を生成する(S133)。
【0034】
m次元配置部134は、n個の基本ベクトルに基づいて、n個の点を、m次元軸生成部133が生成したm個の座標軸からなるm次元空間に配置する(S134)。これにより、数1のベクトルに基づく座標である、(x(1),x(1+τ),x(1+2τ),…,x(1+(m−1)τ))、(x(2),x(2+τ),x(2+2τ),…,x(2+(m−1)τ))、…、(x(n),x(n+τ),x(n+2τ),…,x(n+(m−1)τ))からなるn個のm次元ベクトルで表される座標の軌跡を、m次元空間上に配置する。
【0035】
m次元ベクトル情報生成部135は、m次元空間に配置されたベクトルを表す信号であるm次元ベクトル情報信号を生成し(S135A)、m次元ベクトル情報信号を3次元表示信号処理送信部140に送信する(S135B)。
【0036】
3次元表示信号処理送信部140は、高次元において解析された生体信号の解析結果に基づいて生成される、3次元表示信号を送信する(S140)。3次元表示信号処理送信部140は、一例として、3次元空間生成部141、3次元射影部142、3次元表示信号生成部143、3次元表示信号送信部144、を備える構成とすることが考えられる。この場合の3次元表示信号処理送信部140のブロック図を図9に表す。
【0037】
3次元空間生成部141は、m次元情報ベクトルを受信し、m次元ベクトルが射影される3次元空間を作成する(S141)。3次元空間は上記m次元空間の軸であるm個の軸からから3個が選択されることにより作成する。その選択の組み合わせはm個から3個を選択する場合の数であり、全部で数2で表される数だけ存在する。
【0038】
【数2】

【0039】
3次元射影部142は、上記の3次元空間上に、m次元ベクトルがなす軌跡を3次元空間上に配置する(S142)。例えば3次元空間の座標軸が(x(t)、x(t+τ)、x(t+2τ))の組み合わせである場合には、m次元ベクトルの各ベクトル要素のうち、τの係数が同じである、(x(1),x(1+τ),x(1+2τ))、(x(2),x(2+τ),x(2+2τ))、…(x(n),x(n+τ),x(n+2τ))、の各座標上の点を3次元空間上に配置する。そのイメージを図10に表す。
【0040】
3次元表示信号生成部143は、3次元空間上に配置された各座標上の点及び座標軸を表す信号である3次元表示信号を生成する(S143)。
【0041】
3次元表示信号送信部144は、生成された3次元表示信号を表示画面等に送信する(S144)。3次元空間の表示方法としては、3軸の組み合わせの異なる3次元空間の全部または一部を1つの画面で表示できるようにしてもよいし、1つだけなど一部の画面を表示して、他の画面に切り替えを行うようにできる設定としてもよい。表示画面は3次元空間を表示することが可能なものであればよい。
【0042】
本実施の形態を用いることにより3次元空間において配置された点により描かれる軌跡は、規則的なものであれば輪を描くような図形が描写され、不規則なものであれば輪のできない形で描かれる。例えばサインカーブについて上記の方法を行い、3次元空間に表示させた場合には軌跡は一本の線からなる輪となり、これは全ての3次元空間において描かれる。ここで規則的であるとは、一般にその振幅及び周期が一定であることを指す。
【0043】
本実施の形態について、例えば数3のような式からなるkについての関数x(k)を生体信号受信部100が受信した場合を考える。
【0044】
【数3】

【0045】
この場合、高次元空間解析部110が、5次元の場合は数1でm=5を代入して得られる5次元空間ベクトルを生成する。3次元表示信号処理送信部140は、時間tとずらし時間τに基づいて生成される5本の軸x(t)、x(t+τ)、x(t+2τ)、x(t+3τ)、x(t+4τ)のうち選択された3本からなる3次元空間を生成する。その3次元空間における3軸を選択する組み合わせは5つから3つを選択する場合の数であり、数2の式にm=5を代入して10通りとなる。具体的な10通りの組み合わせを図11に表す。
【0046】
この場合、3次元表示信号処理送信部140より送信された信号に基づいて、3次元空間に軌跡を表示した場合には、図12で示される図形を描く。図12において上の2次元からなるグラフではこの信号に規則的な周期があるかどうかを判別することは容易ではない。しかし、3次元空間の表示を確認すれば、非常に明確な中空の輪が描かれており、規則的な関数によりなされたものであることが容易に判別できる。
【0047】
(応用例1:呼吸運動)
本実施の形態を、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者に有効な治療法の一つであるCPAP(continuous positive airway pressure)に用いる方法を挙げる。CPAPとは何らかの原因で発生する気道閉塞に対して行う対処療法の一つで、鼻マスクを鼻にかけ、その鼻マスクを利用して空気を送り込み、圧力をかけ、気道を閉じないようにするものである。空気圧が低すぎると効果が無く、高すぎると逆に呼吸が不安定になるので、適切な空気圧をいかに設定するかが問題になる。そこで鼻マスクに空気圧を徐々に上げていくにあたり、本発明を利用することにより、適切な空気圧を容易に確認することができる。
【0048】
この場合、生体信号受信部100が無呼吸症候群の患者の呼吸運動を受信し、高次元空間解析部110が生体信号を5次元空間において解析し、3次元表示信号処理送信部140が送信する3次元表示信号に基づいて3次元空間上に表示させた場合を図13ないし図15に示す。図13は覚醒時の呼吸運動を表すものであり、上図は横軸を時間、縦軸を振幅とした従来のグラフであり、下図は5次元空間を10個の3次元空間座標に表示したグラフである。また、図14は無呼吸時の呼吸運動を表すものであり、上図は横軸を時間、縦軸を振幅としたグラフであり、下図は5次元空間を10個の3次元空間座標に表示したグラフである。図15はCPAPにより適切な空気圧を加えたときの呼吸運動を表すものであり、上図は横軸を時間、縦軸を振幅としたグラフであり、下図は5次元空間を10個の3次元空間座標に表示したグラフである。
【0049】
この場合、一般にCPAPにより適切な空気圧を加えたときは呼吸が規則的になるよう空気圧を調整するので最も呼吸が規則的である。次いで覚醒時は呼吸を意識しながら行っているのである程度規則的に行われている。そして無呼吸時は呼吸が非常に不規則である。図13ないし図15の下図を見ると、図15の下図は10個の3次元空間座標の10個すべてについて明瞭に輪ができているのに対し、図13の下図では7個について輪が見られる。また図14の下図では輪が描かれていない。
【0050】
(応用例2:心電図)
本実施の形態を、例えば心電図に用いた場合を述べる。通常の心電図を生体信号として受信すると、健康な状態では特有の規則的なパターンの信号が確認されるが、心室性期外収縮又は心房細動を起こした場合には、一時的に心電図が別の規則的なパターンに変化したり不規則的なものになったりすることが知られている。したがって、本発明を用い、そのパターンの変化や不規則性を観測することにより、心室性期外収縮又は心房細動による異常を容易に観測することができる。
【0051】
図18は、心電図のアナログデータをA/D変換して表す従来のグラフである。この解析例では、心電図をアナログデータとして測定し、そのアナログデータを0.005秒(200Hz)の等間隔でA/D変換した。このようにして時系列データを0.005秒間隔でサンプリングすると、P波、QRS波、T波が順に観察された。図19は、健常者の心電図を表すグラフである。すなわち、図18の時系列データ0.005秒間隔を20秒間(4000個)解析したものである。
【0052】
図20は、心電図の時間ずらしの決定方法を説明するためのグラフである。時間ずらしτの値は生体信号の種類によって異なるため、再構成したベクトルを空間に埋め込むための「時間ずらし」τの決定を以下のようにして行った。すなわち、時間ずらしτ(整数)は、自己相関関数が最初に1/eに減衰する時間(τ・△t)に関連する。その結果、図示した自己相関関数の結果例では、時間ずらしは、6×0.005=0.03秒(τ=6)と決定した。なお、eは自然対数の底を意味する。
【0053】
この場合、生体信号受信部100が心電図の測定対象の患者の心電図データを受信し、高次元空間解析部110が心電図データを4次元空間において解析し、3次元表示信号処理送信部140が送信する3次元表示信号に基づいて3次元空間上に表示させた場合を図21ないし図24に示す。図21は、健常者の心電図の解析で4次元空間情報を3次元空間に射影した場合を示すグラフである。このように健常者の心電図の場合にはループ状の軌跡が確認される。図22は、健常者の心電図の新しい表示法について拡大して説明するためのグラフである。P波、T波、QRS波がそれぞれ特徴的な軌跡を描いていることがわかる。
【0054】
図23は、心室性期外収縮を伴う患者の心電図を従来表示法及び新しい表示法で対比して表すグラフである。上図は横軸を時間、縦軸を振幅とした従来のグラフであり、下図は4次元空間を4個の3次元空間座標に表示したグラフである。このように心室性期外収縮を伴う患者の心電図では、健常者の場合には見られない心室性期外収縮特有のループ状の軌跡が観察された。そのため、この心電図の新しい表示法を用いれば、未熟練の医療従事者であっても心室性不整脈を直感的に把握することができる。また、この心室性期外収縮特有のループ状の軌跡の発生時刻を情報として記録しておけば病態も把握可能になる。
【0055】
図24は、心房細動を伴う患者の心電図を従来表示法及び新しい表示法で対比して表すグラフである。上図は横軸を時間、縦軸を振幅とした従来のグラフであり、下図は4次元空間を4個の3次元空間座標に表示したグラフである。このように心房細動を伴う患者の心電図では、健常者の場合とは異なり、R波が不規則となり、f波がばらばらの状態を反映する。そのため、この心電図の新しい表示法を用いれば、未熟練の医療従事者であっても心房性不整脈を直感的に把握することができる。
【0056】
このように本実施の形態を心電図に用いれば、高次元情報から再構成した心電図の軌跡を3次元空間に分割描写できる。そのため、この技術を医療現場で心電図監視装置の新しい3次元表示法として使用可能である。そして、従来の縦軸が振幅、横軸が時間の心電図表示法に比べて、3次元空間表示で周期性、ゆらぎが心電図由来の軌跡では明らかなため専門知識がなくても直感的に解釈できる。すなわち、心電図でR波が不整になる上室性期外収縮(心房細動、心房性期外収縮など)では3次元空間内の心電図由来の軌跡が重なりあうため、直感的に異常が確認できる。くわえて、従来表示法では時間と共に過去の波形が確認できなくなるが、本実施形態では3次元空間内で変化を確認できる。特に本実施形態では不整脈発生がわかりやすい。また、心室性期外収縮は大きな振幅をもつため新しい3次元表示法で通常時の心電図ループと違う心室性期外収縮ループとして認識できる。
【0057】
また、本実施の形態の心電図監視装置には、例えばマウスをそのループ上におけば、心室性期外収縮の発生時刻を記録されたタイムスタンプから確認できる機能を組み込むことができる。さらに、本実施の形態では、3次元空間に描写するため、立体視眼鏡など別個装置を用いれば立体的な変化としても表示できる。そのため、本実施の形態の技術は、医学教育に利用できる。すなわち、心電図の周期性、ゆらぎを3次元空間における心電図由来の軌跡から理解させて説明することができる。
【0058】
(応用例3:脳波)
本実施の形態を、例えば脳波に用いた場合を述べる。通常の脳波を生体信号として受信すると、健康な状態では複雑で不規則な信号が確認されるが、てんかん発作を起こした場合には、一時的に脳波が規則的なものになることが知られている。したがって、本発明を用い、その規則性を観測することにより、てんかん発作による異常を容易に観測することができる。
【0059】
図25は、欠神てんかん患者のてんかん発作がない脳波部分及びてんかん発作脳波部分を対比して表すグラフである。上図は欠神てんかん(癲癇)患者のてんかん発作がない脳波部分(3秒間)を表しており、振幅が小さく、速波周波数の通常のβ波である。一方、下図は欠神てんかん患者のてんかん発作脳波部分(3秒間)を表しており、広汎性徐波で振幅が大きい特徴がある。上下いずれの図においても、縦軸は脳波の振幅(μV)に関連した任意値を示し、横軸はサンプリングした時系列データの番号を示す。各時系列データの時間差は0.005秒(200Hzでサンプリング)である。
【0060】
ここで、脳波は周波数により、デルタ波、シータ波、アルファ波、ベータ波の4つに分けられる。そして、アルファ波より周波数の小さい波を徐波、高い波を速波と呼ぶ。
【0061】
【表1】

【0062】
脳波の種類
デルタ波 0.5〜4Hz未満 ぐっすり寝ている時に現れる。
シータ波 4〜8Hz未満 とろとろと眠くなって来た時に現れる。
アルファ波 8〜13Hz未満 脳の休めている部位に現れる波である。健康な成人の安静、リラックス、閉眼時に後頭部に現れる。前頭部にはあまり見られない。このアルファ波は目を開けると消えてしまい、振幅も小さいベータ波へと変わる。これは、今まで休んでいた後頭部の視覚野が開眼したことにより活発に働き出したからである。
ベータ波 13〜40Hz未満 精神活動している部位に現れる。
【0063】
図26は、欠神てんかん患者のてんかん発作がない脳波部分の3次元分割描写を表すグラフである。このように4次元情報の3次元分割描写の軌跡はすべて重なり合っている。一方、図27は、欠神てんかん患者のてんかん発作脳波部分の3次元分割描写を表すグラフである。このように4次元情報の3次元分割描写はてんかん発作のある程度の周期性を反映してループ状の軌跡が発生していることがわかる。そのため、この脳波の新しい表示法を用いれば、未熟練の医療従事者であってもてんかん発作を直感的に把握することができる。
【0064】
図28は、健康男性の浅睡眠脳波及び深睡眠脳波を従来表示法で対比して表すグラフである。上下いずれの図においても、縦軸は脳波の振幅(μV)に関連した任意値を示し、横軸はサンプリングした時系列データの番号を示す。上図に示すように24歳健康男性の浅睡眠脳波(stage I)(3秒間)では小振幅のシータ波が認められ、下図に示すように24歳健康男性の深睡眠脳波(stage IV)(3秒間)では高振幅徐波が認められる。上下いずれの図においても、縦軸は脳波の振幅(μV)に関連した任意値を示し、横軸はサンプリングした時系列データの番号を示す。各時系列データの時間差は0.005秒(200Hzでサンプリング)である。
【0065】
図29は、健康男性の浅睡眠脳波の3次元空間分割描写を表すグラフである。このように4次元情報の3次元分割描写の軌跡はすべて重なり合って乱雑な軌跡を示している。図30は、健康男性の深睡眠脳波の3次元空間分割描写を表すグラフである。このように4次元情報の3次元分割描写は深睡眠の高振幅徐波の周期性を反映してループ状の軌跡が発生していることが分かるが、てんかん発作に比べて不規則であることが直感的に分かる。そのため、この脳波の新しい表示法を用いれば、未熟練の医療従事者であっても患者が浅睡眠又は深睡眠のいずれであるかを直感的に把握することができる。
【0066】
このように本実施の形態を脳波に用いれば、高次元情報から再構成した脳波の軌跡を3次元空間に分割描写できる。そのため、この技術を医療現場で脳波監視装置の新しい3次元表示法として使用可能である。そして、従来の縦軸が振幅、横軸が時間の脳波表示法に比べて、3次元空間表示で周期性、ゆらぎが脳波由来の軌跡では明らかなため専門知識がなくても直感的に解釈できる。すなわち、てんかん患者のてんかん発作時の脳波は周期性が明らかになってくるため、通常の脳波状態との区別が容易である。くわえて、従来表示法では時間と共に過去の波形が確認できなくなるが、本実施形態では3次元空間内で変化を確認できる。特に本実施形態では睡眠段階の浅睡眠と深睡眠の脳波の違いを直感的に明らかにできる。すなわち、深睡眠においては、高振幅徐波が出願するため3次元空間内での脳波由来の軌跡はループを描いてくる。通常脳波は波の重なりで3次元表示では脳波由来の軌跡は複雑に重なり合っている。
【0067】
また、本実施の形態の脳波監視装置には、例えばマウスをそのループ上におけば、てんかん発作の発生時刻を記録されたタイムスタンプから確認できる機能を組み込むことができる。さらに、本実施の形態では、3次元空間に描写するため、立体視眼鏡など別個装置を用いれば立体的な変化としても表示できる。そのため、本実施の形態の技術は、医学教育に利用できる。すなわち、脳波の周期性、ゆらぎを3次元空間における脳波由来の軌跡から理解させて説明することができる。
【0068】
本実施の形態を用いれば、以上のとおり、生体信号が規則的なものであれば、3次元空間上の軌跡は中空の輪が描かれ、不規則な場合には輪が潰れ、中が詰まった形になる。したがって生体信号が規則的であるかどうかが可視的に容易に確認することができ、観測者は経験の浅い者であっても、視覚的に生体信号が規則的であることについての状態を確認することができる。
【0069】
〈2.生体信号の比較を行う実施の形態〉
本発明の第2の実施の形態について説明する。生体信号の軌跡が3次元空間上に表示されると、上記のように軌跡に中空の輪ができれば規則的であると評価できる。しかし、さらに詳細な分析を行うため、本実施の形態では、過去に受信され、記録された生体信号と、現在受信されている生体信号を比較し、その変化の程度を確認することができる。本実施の形態について、図16に構成のブロック図を、図17に手順のフローチャートを表す。
【0070】
生体信号受信部200、高次元空間解析部210及びその内部の構成並びにそれらを用いた実施の手順は、上記の生体信号受信部100、高次元空間解析部110及びその内部の構成並びにそれらを用いた実施の手順と同様であるので、説明を省略する。
【0071】
情報記録部250は、受信した信号を記録する(S250)。情報記録部250は埋め込み変換処理部230により処理が行われたm次元ベクトル情報信号を、m次元ベクトル情報記録信号として記録する構成とすることが考えられる。
【0072】
情報比較部260は、2つ生体信号に基づく信号の比較を行う(S260)。情報比較部260は情報記録部250が記録したm次元ベクトル情報記録信号と、埋め込み変換処理部230が受信したm次元ベクトル情報信号という、受信時間の異なる2つの生体信号に基づいて生成された信号を比較する構成とすることが考えられる。
【0073】
情報比較部260において比較の対象とされるm次元ベクトル情報記録信号は任意の時間における生体信号に基づくm次元ベクトル情報信号でよいが、特に生体信号の異常を観測したいと考えるのであれば、最も規則的な状態の生体信号についてのm次元ベクトル情報信号であることが望ましい。生体信号がどの程度規則的であるかを求める手段としては、生体信号について埋め込み変換を行った後、Grassberger−Procaccia法により相関指数を計算し、埋め込み次元を増加させることにより相関指数が飽和した場合を相関次元と定義し、その相関次元を求めることが考えられる。相関次元が低いほど規則性が高いことが知られているので、最も相関次元の低いと考えられる受信時間におけるm次元ベクトル情報信号を用いることが考えられる。この場合、情報記録部250は、最も相関次元の低いと考えられる受信時間におけるm次元ベクトル情報信号を送信する構成としてもよい。
【0074】
また、情報比較部260は、2つの生体信号の各々を、情報記録部250においてm次元ベクトル情報記録信号として記録された2つ以上の記録信号を比較する構成としてもよいし、m次元ベクトル情報信号及びm次元ベクトル記録情報信号を3次元に処理し、それぞれを3次元ベクトルについての表示信号とした後に比較する構成としてもよい。また、情報比較部260は、比較の結果を数値で表すための信号を3次元表示信号処理送信部240に送信する構成としてもよい。また、情報比較部260は3つ以上の信号を比較する構成としてもよい。
【0075】
3次元表示信号処理送信部240は、基本的に3次元表示信号処理送信部140と同様の構成を備え、同様の手順を行うが、2つ以上の3次元表示信号を送信する(S240)。さらに、3次元表示信号処理送信部240は、m次元ベクトル情報記録信号に基づいて生成される3次元ベクトル情報記録信号と、m次元ベクトル情報信号に基づいて生成される3次元ベクトル情報信号を表示するための信号を送信する構成としてもよい。また、3次元表示信号処理送信部240は、m次元ベクトル記録情報に基づいて生成された3次元空間記録表示信号と、受信しm次元ベクトル情報信号に基づく3次元表示信号を併せて送信し、両者を同一の画面に表示させる構成としてもよい。
【0076】
本実施の形態によれば、現在の状態を表す生体信号と記録された状態の生体信号を比較し被験者の現在の体調の変化を容易に観測することができる。
【0077】
本実施の形態については、受信された生体信号を、アナログ生体信号記録部102において記録し、最も規則的と考えられる時間など特定の時間におけるアナログ生体信号を適宜呼出し、高次元空間解析部110において高次元空間における解析を行い、情報比較部260において比較するような構成としてもよい。
【0078】
本実施の形態をCPAPに用い、空気圧の制御を自動的に行うことも可能である。その場合には情報比較部260の比較結果に基づいて空気供給部より空気圧を制御する方法が考えられる。具体的には、情報比較部260において、ベクトルのなす軌跡がどの程度一致しているといえるか、という一致の程度を数値化し、測定結果より一致の程度が一定値以下の場合には空気供給部から送られる空気の空気圧を変化させる、という手段を用いることが考えられる。また、情報比較部260は、一致の程度が一定値以下の場合には、空気圧を調整するように要請する表示信号を3次元表示信号処理送信部240の表示画面等に表示させるような構成としてもよい。
【0079】
本実施の形態においては、過去に受信し、記録した生体信号と、現在受信している生体信号を比較し、その変化の程度を確認することができるので、被験者個人の性質にあわせて体調の変化を確認することができる。
【0080】
以上、本発明の各実施の形態について記載したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の同一性を失わない範囲で実施の形態を変更するものについても本発明に含まれる。また本発明の実施手順を行うプログラムを作成し、コンピュータに実行させることにより本発明を実施することも可能である。
【符号の説明】
【0081】
100 生体信号受信部
101 アナログ生体信号受信部
102 アナログ生体信号記録部
103 A/D変換部
110 高次元空間解析部
120 ずらし時間設定部
121 ずらし時間決定部
122 ずらし時間記録部
123 ずらし時間呼出部
124 ずらし時間入力部
125 自己相関関数計算部
126 ずらし時間記録部
127 ずらし時間呼出部
130 埋め込み変換処理部
131 次元設定部
132 基本ベクトル生成部
133 m次元軸生成部
134 m次元配置部
135 m次元ベクトル情報生成部
140 3次元表示信号処理送信部
141 3次元空間生成部
142 3次元射影部
143 3次元表示信号生成部
144 3次元表示信号送信部
200 生体信号受信部
210 高次元空間解析部
220 ずらし時間設定部
230 埋め込み変換処理部
240 3次元表示信号処理送信部
250 情報記録部
260 情報比較部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体信号を受信する生体信号受信部と、
前記生体信号をm次元(mは4以上の整数)において解析する高次元空間解析部と、
前記高次元空間解析部の解析に基づいて生成される、3次元の空間に表示させるための信号である3次元表示信号を送信する、3次元表示信号送信部を備える、生体信号解析装置。
【請求項2】
前記高次元空間解析部は、前記生体信号に対して埋め込み変換を行う埋め込み変換部を備える、請求項1に記載の生体信号解析装置。
【請求項3】
前記3次元表示信号は、3軸の組み合わせが異なる複数の3次元座標に表示する信号である、請求項1または2に記載の生体信号解析装置。
【請求項4】
前記3次元表示信号は、3軸の組み合わせが異なる3次元空間を表示させるための信号を数4の数式で表される数だけ表示する信号である、請求項1ないし3のいずれかに記載の生体信号解析装置。
【数4】

【請求項5】
前記生体信号は、呼吸運動、心電図又は脳波を示す信号である、請求項1ないし4のいずれかに記載の生体信号解析装置。
【請求項6】
前記生体信号受信部は、第1の生体信号、及び前記第1の生体信号と受信した時間の異なる第2の生体信号を受信し、
前記高次元空間解析部は、前記第1の生体信号及び前記第2の生体信号をm次元(mは4以上の整数)において解析し、
前記3次元表示信号送信部は、前記高次元空間解析部の解析を行うことにより、前記第1の生体信号に基づいて生成される3次元の空間に表示させるための信号である第1の3次元表示信号、及び前記第2の生体信号に基づいて生成される3次元の空間に表示させるための信号である第2の3次元表示信号、を送信する、請求項1に記載の生体信号解析装置。
【請求項7】
前記高次元空間解析部は、前記第1の生体信号に基づいてm次元のベクトルの信号である第1のm次元ベクトル情報信号を生成し、前記第2の生体信号に基づいてm次元のベクトルの信号である第2のm次元ベクトル情報信号を生成するm次元ベクトル情報生成部を備える、請求項6に記載の生体信号解析装置。
【請求項8】
前記第1の3次元表示信号と、前記第2の3次元表示信号を比較する情報比較部をさらに備える、請求項6または7に記載の生体信号解析装置。
【請求項9】
前記第1のm次元ベクトル情報信号と、前記第2のm次元ベクトル情報信号を比較する情報比較部をさらに備える、請求項7に記載の生体信号解析装置。
【請求項10】
生体信号を受信する手順と、
前記生体信号をm次元(mは4以上の整数)において解析し、解析結果を取得する手順と、
前記解析結果に基づいて生成される、3次元の空間に表示させるための信号である3次元表示信号を送信する手順を行う、生体信号解析方法。
【請求項11】
生体信号を受信する手順である手順と、
前記生体信号をm次元(mは4以上の整数)において解析し、解析結果を取得する手順と、
前記解析結果に基づいて生成される、3次元の空間に表示させるための信号である3次元表示信号を送信する手順をコンピュータに実行させる、生体信号解析プログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図16】
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【図17】
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【図1】
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【図7】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−104340(P2011−104340A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169094(P2010−169094)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(504150461)国立大学法人鳥取大学 (271)
【Fターム(参考)】