説明

生体情報取得システム

【課題】生体情報取得装置が実際に使用される事前における内蔵バッテリの消耗を防止可能な生体情報取得システムを提供する。
【解決手段】本発明の生体情報取得システムは、生体情報取得部を備えた生体情報取得装置と、生体情報取得装置を起動または停止させるための起動制御信号を送信する起動制御信号出力装置と、を有し、生体情報取得装置は、生体情報取得部を駆動するための駆動電力を供給可能な電源部と、相互に異なる共振周波数の共振回路を具備して構成された複数の起動制御信号受信部と、複数または全ての起動制御信号受信部において起動制御信号が受信された際に、電源部から生体情報取得部への駆動電力の供給状態を切り替える電力供給制御部と、を有し、起動制御信号出力装置は、起動制御信号受信部に設けられた各共振回路の共振周波数に対応する周波数の起動制御信号を送信可能な起動制御信号送信部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報取得システムに関し、特に、生体内の情報を取得可能な生体情報取得システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療分野における内視鏡は、生体内の観察等の用途において従来用いられている。そして、前述した内視鏡の種類の1つとして、被検者が嚥下することにより体腔内に配置され、蠕動運動に伴って該体腔内を移動しつつ被写体の像を撮像し、撮像した該被写体の像を撮像信号として外部に無線伝送可能なカプセル型内視鏡が近年提案されている。
【0003】
そして、前述したカプセル型内視鏡と略同様の構成を有するものとしては、例えば、特許文献1に開示されているようなものがある。
【0004】
具体的には、特許文献1には、1つの磁界検知用コイルを有して構成されたカプセル型内視鏡を含む生体観察システムにおいて、カプセル型内視鏡の外部から磁界を照射することにより、該カプセル型内視鏡の電源のオンオフを切り替えることが可能な構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された構成によれば、例えば、予期せぬ外乱ノイズが発生した場合に、該外乱ノイズを起動時の磁界と誤検知してしまうことにより、輸送時等においてカプセル型内視鏡の電源がオンしてしまうおそれがある。その結果、特許文献1に開示された構成によれば、実際に使用する事前にカプセル型内視鏡の内蔵バッテリが消耗してしまい、充分な動作時間を確保できないため、所望の部位が観察できなくなるという状況が発生し得る。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、生体情報取得装置が実際に使用される事前における内蔵バッテリの消耗を防止可能な生体情報取得システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の生体情報取得システムは、生体内部の情報を取得する生体情報取得部を備えた生体情報取得装置と、前記生体情報取得装置の外部に設けられ、前記生体情報取得装置を起動または停止させるための起動制御信号を送信する起動制御信号出力装置と、を有する生体情報取得システムであって、前記生体情報取得装置は、前記生体情報取得部を駆動するための駆動電力を供給可能な電源部と、相互に異なる共振周波数を備えた共振回路を1つずつ有して構成された、複数の起動制御信号受信部と、複数または全ての前記起動制御信号受信部において前記起動制御信号が受信された際に、前記電源部から前記生体情報取得部への前記駆動電力の供給状態を切り替える電力供給制御部と、を有し、前記起動制御信号出力装置は、前記複数の起動制御信号受信部に設けられた各共振回路の共振周波数に対応する送信周波数の前記起動制御信号を送信可能な起動制御信号送信部を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明における生体情報取得システムによれば、生体情報取得装置が実際に使用される事前における内蔵バッテリの消耗を防止可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例に係る生体情報取得システムの要部を示す図。
【図2】磁界検出部の具体的な構成の一例を示す図。
【図3】本発明の実施例における第1の変形例に係る生体情報取得システムの要部を示す図。
【図4】本発明の実施例における第2の変形例に係る生体情報取得システムの要部を示す図。
【図5】本発明の実施例における第3の変形例に係る生体情報取得システムの要部を示す図。
【図6】本発明の実施例における第4の変形例に係る生体情報取得システムの要部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0011】
図1から図6は、本発明の実施例に係るものである。
【0012】
本実施例の生体情報取得システム1は、図1に示すように、生体内部に配置可能な寸法及び形状等を有して構成されたカプセル型内視鏡10と、カプセル型内視鏡10に対して交流磁界による起動制御信号を送信する磁界発生装置20と、を有している。
【0013】
生体情報取得装置としてのカプセル型内視鏡10は、例えば図1に示すように、生体内部の被写体を照明する照明部11と、照明部11により照明された被写体を結像する図示しない対物光学系と、該対物光学系により結像された被写体を撮像して撮像信号を出力する撮像素子等を備えた撮像部12と、撮像部12から出力される撮像信号を無線信号に変換して外部へ出力する無線伝送部13と、を具備する生体情報取得部を内蔵している。
【0014】
さらに、カプセル型内視鏡10は、例えば図1に示すように、生体情報取得部を構成する各部の駆動に要する駆動電力を供給可能なバッテリ等からなる電源部14と、磁界発生装置20から発せられた交流磁界による起動制御信号を検出(受信)可能な磁界検出部15a及び15bと、磁界検出部15a及び15bからの出力信号が入力されるAND回路16と、AND回路16の制御に応じて電源部14から生体情報取得部を構成する各部への電力供給状態を切り替えるスイッチ部17と、を内蔵している。
【0015】
磁界検出部15aは、例えば図2に示すように、二次側コイル151a及び二次側コンデンサ152aを具備する第1の共振回路(受信アンテナ)と、該第1の共振回路から出力される出力信号を整流してAND回路16へ出力する整流回路153aと、を有している。また、磁界検出部15bは、例えば図2に示すように、二次側コイル151b及び二次側コンデンサ152bを具備する第2の共振回路(受信アンテナ)と、該第2の共振回路から出力される出力信号を整流してAND回路16へ出力する整流回路153bと、を有している。
【0016】
磁界検出部15aの第1の共振回路は、二次側コイル151aのインダクタンスと二次側コンデンサ152aの静電容量との組み合わせにより、第1の共振周波数を有するように構成されている。また、磁界検出部15bの第2の共振回路は、二次側コイル151bのインダクタンスと二次側コンデンサ152bの静電容量との組み合わせにより、第1の共振周波数とは異なる第2の共振周波数を有するように構成されている。
【0017】
磁界発生装置20は、例えば図1に示すように、発振器21aと、駆動制御部22aと、アンテナ23aと、を具備する第1の磁界発生部を有している。
【0018】
駆動制御部22aは、発振器21aからの出力信号に対して周波数変換等の処理を施した後、前述の第1の共振周波数と同じ周波数によりアンテナ23aを駆動する。そして、送信アンテナとしての機能を有するアンテナ23aは、駆動制御部22aの駆動制御に応じ、前述の第1の共振周波数と同じ周波数(送信周波数)の交流磁界(起動制御信号)を発する(送信する)。
【0019】
また、磁界発生装置20は、例えば図1に示すように、発振器21bと、駆動制御部22bと、アンテナ23bと、を具備する第2の磁界発生部を有している。
【0020】
駆動制御部22bは、発振器21bからの出力信号に対して周波数変換等の処理を施した後、前述の第2の共振周波数と同じ周波数によりアンテナ23bを駆動する。そして、送信アンテナとしての機能を有するアンテナ23bは、駆動制御部22bの駆動制御に応じ、前述の第2の共振周波数と同じ周波数(送信周波数)の交流磁界(起動制御信号)を発する(送信する)。
【0021】
次に、本実施例の作用について説明を行う。
【0022】
まず、ユーザは、図示しないパッケージ等からカプセル型内視鏡10を取り出し、カプセル型内視鏡10を磁界発生装置20の近くに配置した後、磁界発生装置20を起動させる。
【0023】
磁界発生装置20の起動に伴い、第1の共振周波数と同じ周波数の交流磁界がアンテナ23aから発せられ、さらに、第2の共振周波数と同じ周波数の交流磁界がアンテナ23bから発せられる。
【0024】
アンテナ23aから発せられた交流磁界は、第1の共振回路の一部である二次側コイル151aにおいて検出される。これに伴い、電磁誘導による電位差が二次側コイル151aの両端に発生し、該電位差に応じた交流の電気信号が整流回路153aへ出力される。二次側コイル151aから出力された交流の電気信号は、整流回路153aにおいて整流された後、直流の電気信号としてAND回路16へ出力される。
【0025】
一方、アンテナ23bから発せられた交流磁界は、第2の共振回路の一部である二次側コイル151bにおいて検出される。これに伴い、電磁誘導による電位差が二次側コイル151bの両端に発生し、該電位差に応じた交流の電気信号が整流回路153bへ出力される。二次側コイル151bから出力された交流の電気信号は、整流回路153bにおいて整流された後、直流の電気信号としてAND回路16へ出力される。
【0026】
AND回路16は、磁界検出部15aからの出力信号と、磁界検出部15bからの出力信号との両方が入力されるまでの期間において、スイッチ部17のオンオフを現在の状態に維持するような制御を行う。すなわち、磁界検出部15a及び磁界検出部15bの両方において交流磁界による起動制御信号が検出(受信)されるまでは、スイッチ部17がオフしたままの状態となる。
【0027】
一方、AND回路16は、磁界検出部15aからの出力信号と、磁界検出部15bからの出力信号との両方が入力されたタイミングにおいて、スイッチ部17のオンオフを現在の状態から切り替えるような制御を行う。すなわち、磁界検出部15a及び磁界検出部15bの両方において交流磁界による起動制御信号が検出(受信)された際に、スイッチ部17がオフからオンに切り替えられる。
【0028】
そして、スイッチ部17がAND回路16の制御に応じてオフからオンに切り替えられることに伴い、電源部14から生体情報取得部を構成する各部への駆動電力の供給が開始され、カプセル型内視鏡10が起動する。
【0029】
なお、以上に述べたような、スイッチ部17をオフからオンに切り替えてカプセル型内視鏡10を起動させる際の手順及び動作等は、スイッチ部17をオンからオフに切り替えてカプセル型内視鏡10を停止させる際の手順及び動作等として略同様に適用できる。
【0030】
以上に述べたように、本実施例によれば、共振周波数が相互に異なる共振回路を有して構成された磁界検出部15a及び磁界検出部15bの両方において交流磁界による起動制御信号が検出(受信)されるまでは、カプセル型内視鏡10が起動しないように構成されている。そのため、本実施例によれば、輸送中等において予期せぬ外乱ノイズの発生に伴ってカプセル型内視鏡10が起動してしまうことがなくなるため、結果的に、カプセル型内視鏡10が実際に使用される事前における電源部14の消耗を防止することができる。
【0031】
ところで、以上に述べた実施例によれば、前述の効果と略同一の効果を得ることが可能な種々の変形例が考えられる。そのため、以降においては、このような種々の変形例についての説明を行う。なお、以降においては、説明の簡単のため、既に述べたものと同じ構成要素等に関する詳細な説明を適宜省略する。
【0032】
本実施例における第1の変形例に係る生体情報取得システム1Aは、図3に示すように、カプセル型内視鏡10と、カプセル型内視鏡10に対して交流磁界による起動制御信号を送信する磁界発生装置20Aと、を有している。
【0033】
磁界発生装置20Aは、例えば図3に示すように、発振器21a及び21bと、周波数変換部24a及び24bと、信号合成部25と、アンテナ27と、を有して構成されている。
【0034】
周波数変換部24aは、発振器21aからの出力信号に対して周波数変換等の処理を施した後、前述の第1の共振周波数と同じ周波数の信号を信号合成部25へ出力する。
【0035】
周波数変換部24bは、発振器21bからの出力信号に対して周波数変換等の処理を施した後、前述の第2の共振周波数と同じ周波数の信号を信号合成部25へ出力する。
【0036】
信号合成部25は、周波数変換部24aからの出力信号と周波数変換部24bからの出力信号とを合成(加算)し、合成(加算)後の信号に応じてアンテナ27を駆動する。
【0037】
送信アンテナとしての機能を有するアンテナ27は、信号合成部25の駆動制御に応じ、前述の第1の共振周波数と同じ周波数(送信周波数)の交流磁界(起動制御信号)と、前述の第2の共振周波数と同じ周波数(送信周波数)の交流磁界(起動制御信号)と、が合成された合成磁界を発する(送信する)。
【0038】
以上に述べたように、本実施例における第1の変形例によれば、磁界検出部15a及び磁界検出部15bの両方において前述の合成磁界による起動制御信号が検出(受信)されるまでは、カプセル型内視鏡10が起動しないように構成されている。そのため、本実施例における第1の変形例によれば、輸送中等において予期せぬ外乱ノイズの発生に伴ってカプセル型内視鏡10が起動してしまうことがなくなるため、結果的に、カプセル型内視鏡10が実際に使用される事前における電源部14の消耗を防止することができる。
【0039】
本実施例における第2の変形例に係る生体情報取得システム1Bは、図4に示すように、生体内部に配置可能な寸法及び形状等を有して構成されたカプセル型内視鏡10Bと、カプセル型内視鏡10Bに対して交流磁界による起動制御信号を送信する磁界発生装置20Bと、を有している。
【0040】
生体情報取得装置としてのカプセル型内視鏡10Bは、例えば図4に示すように、照明部11と、図示しない対物光学系と、撮像部12と、無線伝送部13と、を具備する生体情報取得部を内蔵している。
【0041】
さらに、カプセル型内視鏡10Bは、例えば図4に示すように、電源部14と、磁界検出部15a及び15bと、AND回路16と、スイッチ部17と、信号制御部18と、を内蔵している。
【0042】
信号制御部18は、磁界検出部15aからの出力信号が入力された場合に、該出力信号を少なくとも所定の期間AND回路16へ出力させ続けるように、該出力信号の出力を保持可能に構成されている。また、信号制御部18は、磁界検出部15bからの出力信号が入力された場合に、該出力信号を少なくとも所定の期間AND回路16へ出力させ続けるように、該出力信号の出力を保持可能に構成されている。
【0043】
一方、磁界発生装置20Bは、例えば図4に示すように、発振器21a及び21bと、周波数変換部24a及び24bと、信号切替部26と、アンテナ27と、を有して構成されている。
【0044】
信号切替部26は、周波数変換部24aからの出力信号と、周波数変換部24bからの出力信号と、を交互に切り替えながら、いずれか一方の出力信号に基づいてアンテナ27を駆動する。
【0045】
磁界発生装置20Bのアンテナ27は、信号切替部26の駆動制御に応じ、前述の第1の共振周波数と同じ周波数(送信周波数)の交流磁界(起動制御信号)と、前述の第2の共振周波数と同じ周波数(送信周波数)の交流磁界(起動制御信号)と、を交互に発する(送信する)。換言すると、磁界発生装置20Bは、第1の期間において、前述の第1の共振周波数と同じ周波数の交流磁界を発し、かつ、前記第1の期間と重複しない第2の期間において、前述の第2の共振周波数と同じ周波数の交流磁界を発することが可能な構成を有している。
【0046】
以上に述べたように、本実施例における第2の変形例によれば、磁界検出部15aにおける交流磁界(起動制御信号)の検出(受信)に伴う信号出力が信号制御部18により保持され、かつ、磁界検出部15bにおける交流磁界(起動制御信号)の検出(受信)に伴う信号出力が信号制御部18により保持されない限りは、カプセル型内視鏡10Bが起動しないように構成されている。そのため、本実施例における第2の変形例によれば、輸送中等において予期せぬ外乱ノイズの発生に伴ってカプセル型内視鏡10Bが起動してしまうことがなくなるため、結果的に、カプセル型内視鏡10Bが実際に使用される事前における電源部14の消耗を防止することができる。
本実施例における第3の変形例に係る生体情報取得システム1Cは、図5に示すように、生体内部に配置可能な寸法及び形状等を有して構成されたカプセル型内視鏡10Cと、磁界発生装置20と、を有している。
【0047】
生体情報取得装置としてのカプセル型内視鏡10Cは、例えば図5に示すように、照明部11と、図示しない対物光学系と、撮像部12と、無線伝送部13と、を具備する生体情報取得部を内蔵している。
【0048】
さらに、カプセル型内視鏡10Cは、例えば図5に示すように、電源部14と、磁界検出部15a及び15bと、磁界検出部15aからの出力信号に応じてオンまたはオフに切り替わるスイッチ部17aと、磁界検出部15bからの出力信号に応じてオンまたはオフに切り替わるスイッチ部17bと、を内蔵している。
【0049】
スイッチ部17aは、図5に示すように、電源部14及びスイッチ部17bに対して直列に接続されている。また、スイッチ部17bは、図5に示すように、スイッチ部17a及び生体情報取得部の各部に対して直列に接続されている。そのため、スイッチ部17a及びスイッチ部17bの両方がオンしない限りは、電源部14と生体情報取得部の各部とが電気的に接続されない。
【0050】
以上に述べたように、本実施例における第3の変形例によれば、磁界検出部15a及び磁界検出部15bの両方において交流磁界による起動制御信号が検出(受信)されるまでは、スイッチ部17a及び17bの少なくとも一方がオフすることにより、カプセル型内視鏡10Cが起動しないように構成されている。そのため、本実施例における第3の変形例によれば、輸送中等において予期せぬ外乱ノイズの発生に伴ってカプセル型内視鏡10Cが起動してしまうことがなくなるため、結果的に、カプセル型内視鏡10Cが実際に使用される事前における電源部14の消耗を防止することができる。
【0051】
本実施例における第4の変形例に係る生体情報取得システム1Dは、図6に示すように、生体内部に配置可能な寸法及び形状等を有して構成されたカプセル型内視鏡10Dと、カプセル型内視鏡10Dに対して交流磁界による起動制御信号を送信する磁界発生装置20Dと、を有している。
【0052】
生体情報取得装置としてのカプセル型内視鏡10Dは、例えば図6に示すように、照明部11と、図示しない対物光学系と、撮像部12と、無線伝送部13と、を具備する生体情報取得部を内蔵している。
【0053】
さらに、カプセル型内視鏡10Dは、例えば図6に示すように、電源部14と、磁界検出部15a、15b及び15cと、AND回路16a、16b及び16cと、スイッチ切替制御部19と、スイッチ部17と、を内蔵している。
【0054】
磁界検出部15cは、第1の共振周波数及び第2の共振周波数のいずれとも異なる第3の共振周波数を有するように構成された第3の共振回路(受信アンテナ)と、該第3の共振回路から出力される出力信号を整流して出力する整流回路と、を有して構成されている。なお、磁界検出部15cの第3の共振回路は、例えば、前述の第1の共振回路及び第2の共振回路と同様に、二次側コイル及び二次側コンデンサを用いて構成することができる。
【0055】
AND回路16aは、磁界検出部15aからの出力信号と、磁界検出部15bからの出力信号との両方が入力されるまでの期間においては、スイッチ切替制御部19に対する信号出力を行わない。また、AND回路16aは、磁界検出部15aからの出力信号と、磁界検出部15bからの出力信号との両方が入力されたタイミングにおいて、スイッチ切替要求信号をスイッチ切替制御部19に対して出力する。
【0056】
AND回路16bは、磁界検出部15aからの出力信号と、磁界検出部15cからの出力信号との両方が入力されるまでの期間においては、スイッチ切替制御部19に対する信号出力を行わない。また、AND回路16bは、磁界検出部15aからの出力信号と、磁界検出部15cからの出力信号との両方が入力されたタイミングにおいて、スイッチ切替要求信号をスイッチ切替制御部19に対して出力する。
【0057】
AND回路16cは、磁界検出部15bからの出力信号と、磁界検出部15cからの出力信号との両方が入力されるまでの期間においては、スイッチ切替制御部19に対する信号出力を行わない。また、AND回路16cは、磁界検出部15bからの出力信号と、磁界検出部15cからの出力信号との両方が入力されたタイミングにおいて、スイッチ切替要求信号をスイッチ切替制御部19に対して出力する。
【0058】
スイッチ切替制御部19は、1つまたは複数の論理回路等を用いて構成され、AND回路16a、16b及び16cからのスイッチ切替要求信号の出力状態に基づき、スイッチ部17のオンオフの切り替えに関する制御を行う。
【0059】
具体的には、スイッチ切替制御部19は、AND回路16a、16b及び16cのうち、どのAND回路からもスイッチ切替要求信号が出力されていない場合、または、1つのAND回路のみからスイッチ切替要求信号が出力されている場合においては、スイッチ部17のオンオフを現在の状態に維持するような制御を行う。また、スイッチ切替制御部19は、AND回路16a、16b及び16cのうち、2つまたは3つのAND回路からスイッチ切替要求信号が出力されている場合においては、スイッチ部17のオンオフを現在の状態から切り替えるような制御を行う。
【0060】
一方、磁界発生装置20Dは、例えば図6に示すように、前述の第1の磁界発生部及び第2の磁界発生部に加え、さらに、発振器21cと、駆動制御部22cと、アンテナ23cと、を具備する第3の磁界発生部を有している。
【0061】
駆動制御部22cは、発振器21cからの出力信号に対して周波数変換等の処理を施した後、前述の第3の共振周波数と同じ周波数によりアンテナ23cを駆動する。そして、送信アンテナとしての機能を有するアンテナ23cは、駆動制御部22cの駆動制御に応じ、前述の第3の共振周波数と同じ周波数(送信周波数)の交流磁界(起動制御信号)を発する(送信する)。
【0062】
以上に述べたように、本実施例における第4の変形例によれば、磁界検出部15a、磁界検出部15b及び磁界検出部15cの全てにおいて交流磁界による起動制御信号が検出(受信)されるまでは、スイッチ切替制御部19によるスイッチ部17の切り替えに関する制御が行われないことにより、カプセル型内視鏡10Dが起動しないように構成されている。そのため、本実施例における第4の変形例によれば、輸送中等において予期せぬ外乱ノイズの発生に伴ってカプセル型内視鏡10Dが起動してしまうことがなくなるため、結果的に、カプセル型内視鏡10Dが実際に使用される事前における電源部14の消耗を防止することができる。
【0063】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0064】
1,1A,1B,1C,1D 生体情報取得システム
10,10B,10C,10D カプセル型内視鏡
11 照明部
12 撮像部
13 無線伝送部
14 電源部
15a、15b,15c 磁界検出部
16,16a,16b,16c AND回路
17,17a,17b スイッチ部
18 信号制御部
19 スイッチ切替制御部
20,20A,20B,20D 磁界発生装置
21a,21b,21c 発振器
22a,22b,22c 駆動制御部
23a,23b,23c アンテナ
24a,24b 周波数変換部
25 信号合成部
26 信号切替部
27 アンテナ
151a,151b 二次側コイル
152a,152b 二次側コンデンサ
153a,153b 整流回路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【特許文献1】特開2009−89907号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体内部の情報を取得する生体情報取得部を備えた生体情報取得装置と、前記生体情報取得装置の外部に設けられ、前記生体情報取得装置を起動または停止させるための起動制御信号を送信する起動制御信号出力装置と、を有する生体情報取得システムであって、
前記生体情報取得装置は、
前記生体情報取得部を駆動するための駆動電力を供給可能な電源部と、
相互に異なる共振周波数の共振回路を具備して構成された、複数の起動制御信号受信部と、
複数または全ての前記起動制御信号受信部において前記起動制御信号が受信された際に、前記電源部から前記生体情報取得部への前記駆動電力の供給状態を切り替える電力供給制御部と、を有し、
前記起動制御信号出力装置は、
前記複数の起動制御信号受信部に設けられた各共振回路の共振周波数に対応する送信周波数の前記起動制御信号を送信可能な起動制御信号送信部を有する
ことを特徴とする生体情報取得システム。
【請求項2】
前記起動制御信号送信部は、前記起動制御信号受信部と同数の送信アンテナを有し、該送信アンテナ各々から個別に前記起動制御信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の生体情報取得システム。
【請求項3】
前記起動制御信号送信部は、1つの送信アンテナを有し、前記送信周波数を切り替えながら前記1つの送信アンテナから前記起動制御信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の生体情報取得システム。
【請求項4】
前記電力供給制御部は、前記電源部と前記生体情報取得部との間に直列接続され、かつ、前記起動制御信号の受信に応じて個別にオンオフを切り替え可能な、前記起動制御信号受信部と同数のスイッチ部を有して構成されることを特徴とする請求項1に記載の生体情報取得システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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