説明

生体情報検査システム

複数の検出手段における再現性の高い生体情報を効率的に蓄積可能で、関連情報を多要因解析ができる生体情報検査システムにおいて、システムの簡略化・コンパクト化を実現する。本発明の生体情報検査システム10は、遺伝子等の試料が保持されるセンサチップ20と、センサチップ20が配置されるセンサチップ保持部11と、センサチップ20の検出部21とマーカー部23の画像データを取得するデータ読取部13とを有する。更に、検出部21の画像データから生
体情報データを取得する複数のプログラムを実行するデータ演算ユニット16を有する。読み取られたマーカー部23の画像データから、センサチップ20がどの検査手段に対応するかを判別する。そして、検出部21に対応する検査手段に応じたプログラムをデータ演算ユニット16が実行し、検出部21の画像データから検出部21に保持されるサンプル特有の生体情報を検出する。これにより、マーカー部23の情報と、検出部21の情報を同一の機構(データ読取部13)により取得できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、遺伝子等の生体情報を検査するとともに、得られる生体情報を分析する生体情報検査システムに関する。
【背景技術】
遺伝子等の生体情報を分析し、得られる結果を病気の予防や治療に利用することが行われている。これら遺伝子等の生体情報を検査・分析する機器として、例えば非特許文献(原一雄 他、「2型糖尿病のゲノム解析と疾患感受性遺伝子」、実験医学、羊土社、2003年1月号、p.5−10)に記載されているような分析機器・センサが知られている。しかし、これら従来の分析機器やセンサは単一のターゲットに対する検出を行い、単一の判断を出力するものが殆どである。しかしながら、昨今では複数種類の検出技術によって得られる複数の生体情報を解析して新しい知見を得ることも多くなってきている。そのため、高度な解析及び評価結果を提供するために、複数の検出技術における再現性の高いデータを蓄積することや、その蓄積された関連データを相互に関連付けて解析することが求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の分析機器やセンサでは、個々の検査技術における結果から解析を行うのみであり、複数の検査技術から得られる複数の検査結果(生体情報)を網羅的に解析することはできなかった。
また、複数の検出技術を行うにしても、従来は別々の装置により別々の条件で検査が行われることが多いため、関連するデータがあっても条件の違いにより精度のよい解析が行われなったり、得られるデータを条件があうように補正したりする必要があった。そのため、再現性の高いデータを効率的に蓄積することは困難であった。
本発明は、以上のような実情を鑑みて為されたものであって、複数の検査手段(検査技術)における再現性の高いデータ(生体情報)を効率的に蓄積することができる生体情報検査システムを提供すること並びにその蓄積された関連データを解析することで、高度な解析及び評価結果を提供することができる生体情報検査システムを提供することを課題とする。更に、本発明のもう一つの課題は、上記のような生体情報検査システムにおいて、より簡略化・コンパクト化された生体情報検査システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(第1手段)
上記課題を解決する本発明の生体情報検査システムは、生体情報を検出するための複数の検査手段と、これら複数の検査手段にそれぞれ対応する複数種類のセンサチップと、該センサチップを保持するセンサチップ保持部と、該センサチップ保持部にセンサチップを配置したときに、配置されたセンサチップがどの検査手段に対応するものかを判別するセンサチップ判別部と、該センサチップ判別部の判別結果に対応する検査手段を作動させる制御手段と、前記検査手段の検査結果を記憶する記憶手段と、複数の前記検査手段による複数の検査結果から生体の特徴を多要因解析する解析手段とを有することを特徴とする。
そして、前記センサチップは、前記センサチップ保持部に対応する形態のカートリッジを有し、それぞれの検査手段に対応する形態の検出部が前記カートリッジに取り付けられているものとすることができる。
また、前記センサチップは、対応する前記検査手段毎に異なる形態のマーカー部が形成されているものであり、前記センサチップ判別部は前記マーカー部の違いを読み取るものを採用できる。
更に、センサチップの各センサチップは、前記センサチップ保持部に保持されるように複数種類の前記センサチップで共通する形状を有するカートリッジ部と、複数の前記検査手段のうちいずれかの検査手段に対応する検出部と、当該検出部が複数の前記検査手段のうちいずれに対応するものであるかを示すマーカー部とを有するものであって、前記検出部と前記マーカー部の2次元情報を取得するデータ読取部を更に有し、前記マーカー部の2次元情報から前記検出部がどの検査手段に対応するものであるかを判別するとともに、前記検出部に対応する検査手段により、前記検出部の2次元情報から生体情報を検出するようにすることができる。
そして、前記データ読取部は、前記検出部及び前記マーカー部の画像データを取得するものが採用できる。
また、前記センサチップは、前記検出部と前記マーカー部とが一方向に並設して配置されるものであり、前記データ読取部はラインセンサを有するものであって、該ラインセンサは、前記センサチップの前記マーカー部と前記検出部とが並設する方向に走査されることにより、前記マーカー部及び前記検出部の画像を取得するものを採用することもできる。
更に、前記マーカー部はバーコードあるいは前記センサチップに形成される凹凸形状であるものを採用することもできる。
(第2手段)
更に上記課題を解決する本発明の生体情報検査システムは、それぞれ異なる種類の生体情報を検出するための複数の検査手段と、これら複数の検査手段に対応する複数種類のセンサチップと、これら複数種類のセンサチップを保持可能なセンサチップ保持部とを有し、
各センサチップは、前記センサチップ保持部に保持されるように複数種類の前記センサチップで共通する形状を有するカートリッジ部材と、複数の前記検査手段のうちいずれかの検査手段に対応する検出部と、当該検出部が複数の前記検査手段のうちいずれに対応するものであるかを示すマーカー部とを有するものであって、
前記検出部と前記マーカー部の2次元情報を取得するデータ読取部を更に有し、前記マーカー部の2次元情報から前記検出部がどの検査手段に対応するものであるかを判別するとともに、前記検出部に対応する検査手段により、前記検出部の2次元情報から生体情報を検出するようにしたことを特徴とする生体情報検査システム。
なお、本手段において検査手段とは、検出部の2次元情報から生体情報を検出する生体情報検出手段を有するものである。ここで、生体情報検出手段は、検出部の2次元情報がデータ化された2次元情報データを、特定のアルゴリズムにより演算し、ある生体情報を示す生体情報データに変換するものとすることができる。この特定のアルゴリズムは、該アルゴリズムに対応するプログラムを実行するデータ演算ユニットにより行われる。このとき、検出部の2次元情報データを生体情報データに変換するためのアルゴリズムは、検出部におけるサンプルの種類や求める生体情報に応じて異なるものを採用することができる。
ここで、本手段において「複数の検査手段」を有するとは、「複数の生体情報検出手段」がシステムに備えられていることを示すものであり、データ読取部が一つしか備えられていない場合であっても、生体情報検出手段が複数ある場合は、複数の検査手段を有するものとみなすこととする。更に、「生体情報検出手段」が行うデータ演算は、実際にはデータ演算ユニットが行うが、「生体情報検出手段が複数ある」とは、必ずしもデータ演算ユニットが複数あることを示すものではない。つまり、データ演算ユニットが実際には一つしかなくても、この一つのデータ演算ユニットにより、異なる生体情報を検出するための複数のプログラムが実行される場合には、「生体情報検出手段が複数ある」ものとみなすこととする。
そして、前記データ読取部は、前記検出部及び前記マーカー部の画像データを取得するものが採用できる。
また、前記センサチップは、前記検出部と前記マーカー部とが一方向に並設して配置されるものであり、前記データ読取部はラインセンサを有するものであって、該ラインセンサは、前記センサチップの前記マーカー部と前記検出部とが並設する方向に走査されることにより、前記マーカー部及び前記検出部の画像を取得するものを採用することもできる。
更に、前記マーカー部はバーコードあるいは前記センサチップに形成される凹凸形状であるものを採用することもできる。
【発明の効果】
(1)上記第1手段においては、複数の検査手段を有し、これら複数の検査手段に対応する複数種類のセンサチップを配置可能なセンサチップ保持部を有するので、複数の検査を一つのシステムで行うことができる。また、同一のセンサチップ保持部にセンサチップを配置して複数の検査を行えるので、検査結果の複数の検査間でのバラツキを軽減することができる。
更に、これら複数の検査による検査結果は検査の後すぐに記憶手段に記憶され、かつ、すでに記憶されている関連のある情報をもとに解析手段により解析される。そのため、複数の検査手段(検査技術)における再現性の高いデータを蓄積することやその蓄積された関連データを解析することで、高度な解析及び評価結果を提供することができる。
また、センサチップは、センサチップ保持部に対応する形状のカートリッジを有するので、一つのセンサチップ保持部に複数種類のセンサチップを配置することができ、かつ、それぞれの検査手段に対応する形態の検出部がカートリッジに取り付けられているので、センサチップ保持部が一つであっても複数の検査を行うことができる。
また、センサチップには対応する検査手段毎に異なる形態のマーカー部が形成されているので、複数の検査手段にそれぞれ対応する複数種類のセンサチップをセンサチップ保持部に配置しても、センサチップ判別部において、センサチップがどの検査手段に対応するものであるかが判別することができる。そのため、一つの検査システムで複数種類の検査技術を行うようにしても、センサチップ保持部に配置されたセンサチップに対応する検査技術をいつでも行うことができる。
つまり、センサチップ判別部は、センサチップに形成されているマーカー部によりそのセンサチップがどの検査手段に対応したものであるかを判別するものであり、センサチップの一部のみにおいて、そのセンサチップがどの検査手段に対応するものであるかを識別できるようにしておけばよく、センサチップの判別がより容易となる。
また、マーカー部が、対応する検査手段の情報を示すものだけではなく、サンプル数等の情報も識別できるものとしておけば、同一検出技術の中でも単検体・複数検体の判別も行うことができる。
なお、マーカー部としては、単にセンサチップに種類毎に異なる凹凸形状を設けたり、対応する検査手段等の情報が記憶されたIC等を設けたりすることができる。
(2)上記第2手段においては、複数の検査手段を有し、これら複数の検査手段に対応する複数種類のセンサチップを保持可能なセンサチップ保持部を有するので、複数の検査を一つのシステムで行うことができる。また、各センサチップはセンサチップ保持部に保持されるように、複数種類のセンサチップ間で共通する形状を有するカートリッジ部を有するので、同一のセンサチップ保持部に複数種類のセンサチップを配置して複数の検査を行えるので、複数の検査技術を略同一の条件で行うことができる。そのため、より再現性の高いデータを効率的に蓄積することができる。また、検査によって得られる複数種類のデータにより、更に精度のよい解析を行うことができる。
ここで、本発明の生体情報検査システムにおいては、検査手段は検出部の2次元情報から生体情報を検出するものであり、データ読取部は検出部の2次元情報を取得する際にマーカー部の2次元情報をも取得するものであるので、得られるマーカー部の2次元情報から、センサチップの検出部がどの検査手段に対応するものであるかを判別することができる。そのため、センサチップ保持部に保持されたセンサチップがどの検査手段に対応するものであるかを判別する機構(マーカー判別部)を別途設ける必要がなく、システムの簡略化・コンパクト化に寄与する。また、同一機構により、検出部とマーカー部との2次元情報を取得することができ、効率的に再現性の高いデータを蓄積することができる。
更に、センサチップの検出部とマーカー部との画像情報をこれらの2次元情報として取得するようにすれば、単に検出部とマーカー部とを撮影手段により撮影することで容易に検出部とマーカー部との2次元情報を取得することができる。
ここで、センサチップとして検出部とマーカー部とが、該センサチップの一表面に並設されているものとし、データ読取部としてラインセンサを採用することにより、センサチップの一端から他端にラインセンサを一次元に走査させることで、容易に検出部とマーカー部との2次元情報(画像)を取得することができる。
更に、マーカー部として、バーコードや凹凸形状を採用することにより、マーカー部の判別がより容易となる。
なお、検出部あるいはマーカー部における電荷量、吸光度、発光量等の特定の物理量を、プローブ等をデータ読取部として検出部及びマーカー部に走査させることで検出し、検出部及びマーカー部における当該物理量の分布情報を、当該検出部及びマーカー部の2次元情報として取得することも可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の生体情報検査システムの一例を示す概略図である。
図2は、本発明の生体情報検査システムの作動フローを示す図である。
図3は、センサチップの検出部とマーカー部の2次元情報を取得する方法を説明する図である。
図4は、本発明の生体情報検査システムの一例を示す概略図である。
図5は、本発明の生体情報検査システムの作動フローを示す図である。
図6は、センサチップのマーカー部の一例及びセンサチップ判別部の概要を説明する図である。
図7は、センサチップのマーカー部の図6とは異なる一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の生体情報検査システムの概略について、図面を参照しつつ説明する。
(第1形態)
図1は、本実施形態の生体情報検査システム10を示す図である。生体情報検査システム10は、遺伝子等の試料が保持されているセンサチップ20と、該センサチップ20が配置されるセンサチップ保持部11と、該センサチップ20の検出部21とマーカー部23の2次元情報を取得するデータ読取部13と、を有する。ここで、データ読取部13は、検出部21とマーカー部23の、2次元情報としての画像を撮影して、2次元情報データとしての画像データを取得するものである。なお、生体情報検査システム10は、複数種類の検査が本システムでできるように複数の検査手段を有する。これら複数の検査手段は一つのセンサチップ保持部11に配置される複数種類のセンサチップ20に対しそれぞれ異なる検査を行うものである。つまり、センサチップ保持部11にはそれぞれ異なる検査手段に対応する複数種類のセンサチップ20のうち、操作者が行いたい検査手段に対応する一つのセンサチップ20が配置されることになる。
具体的に、各センサチップ20は、それぞれの検査手段に対応する形態の検出部21と、検査手段にはよらず、複数種類のセンサチップ20間で共通の形状を有するカートリッジ部22から構成されている。つまり、検出部21は対応する検出手段が異なれば異なる形態となるが、カートリッジ部22は検査手段が異なるものでも同一の形状を有する。このような形態のセンサチップ20によれば、センサチップ20のカートリッジ部22の形状に合わせてセンサチップ保持部11の形状を設定しておけば、一つのセンサチップ保持部11により異なる種類のセンサチップ20(異なる種類の検出部21を有するセンサチップ20)を保持することができる。
また、センサチップ20には、マーカー部23が形成されている。このマーカー部23は、当該センサチップ20に設けられている検出部21が複数の検査手段のうちどの検査手段に対応するものであるかを示すものである。本実施形態においては、マーカー部23は図3に示すようなバーコード23である。バーコード23の形状の違いにより、検出部21、ひいてはセンサチップ20がどの検査手段に対応するものであるかを判別することができる。
一方、複数の検査手段は、一つのデータ読取部13を共有しており、生体情報検査システム10には一つのデータ読取部13が設けられている。本実施形態において、データ読取部13は、図3に示すようなラインセンサ13である。図1及び図3を参照して、センサチップ20の検出部21とマーカー部23の2次元情報(画像)の取得方法を説明する。図3に示すように、検出部21とマーカー部23であるバーコード23は、センサチップ20の一表面に並んで配置されている。センサチップ保持部11にセンサチップ20を保持した状態で、生体情報検査システム10を作動させると、検出部21とマーカー部23とが並設する方向(図3の矢印方向)にラインセンサ13が走査される。これにより、検出部21とバーコード23とを同一機構により撮影することができる。そして、得られるバーコード23の画像から、センサチップ20の検出部21がどの検査手段に対応するものであるかを判別することができる。このように、検出部21の撮影とマーカー部23の撮影とを同一機構により行うようにしたので、センサチップ20のマーカー部23を判別するための機構を別途設ける必要がなく、システムの簡略化・コンパクト化に寄与する。
なお、データ読取部13としては、センサチップ20上を走査するラインセンサ13だけでなく、単にセンサチップ20の検出部21とマーカー部23とをCMOSカメラにより同時に撮影するものを採用することもできる。
更に、生体情報検査システム10は、データ読取部13で読み取られた2次元情報データとしての画像データを記憶するメモリ(記憶手段)15と、データ読取部13により読み取られた画像データ、あるいはメモリ15に記憶されている画像データを、ある特定の生体情報を示す生体情報データに変換するデータ演算ユニット16と、得られた生体情報を表示する表示部14と、メモリ15に記憶されているデータを他のコンピュータに移行するためのインターフェース部17と、を有する(図1参照)。更に、メモリ15には、検出部21の画像データに基づき、特定の生体情報データを取得するための複数異種のアルゴリズムを実行する複数のプログラムが記憶されており、データ演算ユニット16は、これら複数のプログラムを実行することができるものである。
データ読取部13により取得された検出部21の画像データは、マーカー部23の判別結果(検出部21がどの検査手段に対応するものであるかの情報)とともに、メモリ15に記憶される。そして、検出部21に対応する検査手段に基づき、検出部21の画像データから生体情報を検出する。
以下、本実施形態の生体情報検査システム10の使用例について説明する。例えば、本実施形態の生体情報検査システム10は、糖尿病の検査及びその治療方法の解析に使用することができる。糖尿病のうち2型糖尿病は遺伝因子に加えて高脂肪食や運動不足などの環境因子が組み合わさって発症する多因子病である。そのため、血糖値等の検査のみではなく、遺伝因子にも着目して検査を行うことが糖尿病になる危険度を検査する上で重要である。したがって、糖尿病になる危険度を精度よく検査するためには、複数の検査手段が必要になる。また、糖尿病がすでに発病している場合でも、その原因となる因子を見極め、その原因にあった治療方法を策定することが重要である。
糖尿病の検査及び治療方法の解析に本発明の生体情報検査システム10を使用する場合の使用例を図2を用いて説明する。まず、検査試料が検出部21に配置されたセンサチップ20を、生体情報検査システム10のセンサチップ保持部11に配置する(S1)。そして、生体情報検査システム10を作動させると、データ読取部13が作動して、センサチップ20の検出部21とマーカー部23の画像を撮影する(S2)。
得られたマーカー部23の画像から画像解析により、センサチップ保持部11に配置されたセンサチップ20の検出部21が、どの検査手段に対応するものであるかを判別する(S3)。ここで、検査手段としては、血糖値検査や、特定遺伝子の有無や存在量を、該特定遺伝子に特異的に結合する蛍光の光量により検出する方法を例示することができる。特定遺伝子の有無やその存在量を検出する場合は、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法等により特定の遺伝子を増幅させた後、その特定の遺伝子の有無及び存在量を、蛍光量により検出する方法や、サンプル中の遺伝子の発現状況を、チップ上における蛍光の検出位置で検出するDNAチップ法等を例示することができる。センサチップ20の検出部21は、これらいずれかの検査手段に対応する試料により、それぞれの検査手段に対応する形態を有するものとなっている。
S3において、配置されたセンサチップ20がどの検査手段に対応するものであるかが判別されると、検出部21の画像データを、当該検出部21がどの検査手段に対応するものであるかの情報とともにメモリ15に一旦記憶させる。そして、メモリ15に記憶されている画像データに対して、対応する検査手段に基づき画像データの処理が行われる。ここでは、複数の検査手段として、血糖値検査(A検査)、遺伝因子チェック検査(B検査)、環境因子チェック検査(C検査)を実施する場合について説明する。具体的に、S3の結果、配置されたセンサチップ20がA検査に対応するものであると判別されると、S4においてA検査を実施するための、A検査用プログラムがデータ演算ユニット16により実行される。具体的に、A検査に対応するセンサチップ20の検出部21には、サンプルとして血液が配置されており、該血液中にはグルコースに付着する蛍光物質が添加されている。そのため、血液中のグルコースの存在確率が血液中の蛍光を発する領域の面積によりわかるようになっている。したがって、S4の検査Aにおいては、検出部21の画像データから生体情報としてのグルコースの存在量を検出するプログラムがデータ演算ユニット16により行われる。A検査の結果は、その定量値や糖尿病の危険度等の情報として、試料番号(披検査者毎に付与される)や検査手段の情報とともに生体情報検査システム10のメモリ15に記憶され(S5)、データ表示部14に表示される。
一方、S3の結果、配置されたセンサチップ20がB検査に対応するものであると判別されると、データ読取部13により取得された検出部21の画像データはB検査に基づいて処理される(S6)。B検査に対応するセンサチップ20の検出部21には、サンプルとして染色体が保持されており、このサンプルには糖尿病誘発遺伝子と考えられる遺伝子(例えば:カルペイン3、PI−3、アディポネクチン等)に付着して蛍光を発する蛍光物質が添加されている。サンプルの画像情報から、B検査に基づく画像処理により蛍光を発する領域の面積等の情報を抽出することで、生体情報を取得することができる。このような状態の検出部21の画像データから生体情報としての糖尿病誘発遺伝子の有無、あるいは糖尿病誘発遺伝子の存在量を検出するプログラムが、データ演算ユニット16により実行され、生体情報が検出される。B検査の結果は、糖尿病誘発遺伝子の有無や、その存在量等の情報として、試料番号や検査手段の情報とともにメモリ15に記憶され(S7)、データ表示部14に表示される。更に、B検査の結果から、糖尿病となる原因のうち、遺伝的な要因が高いか低いかということを判定して、その結果をメモリ15に記憶するとともに、データ表示部14に表示することもできる。
また、S3の結果、配置されたセンサチップ20がC検査に対応するものであると判別されると、データ読取部13により取得された検出部21の画像データはC検査に基づいて処理される(S8)。C検査に対応するセンサチップ20の検出部21には、サンプルとして染色体が保持されており、このサンプルには肥満遺伝子と考えられる遺伝子(例えば:レプチン、β3アドレナリン受容体、SHP等)に付着して蛍光を発する蛍光物質が添加されている。このような状態の検出部21の画像データから生体情報としての肥満遺伝子の有無や、肥満遺伝子の存在量等を検出するプログラムが、データ演算ユニット16により実行され、生体情報が検出される。C検査の結果は、肥満遺伝子の有無や、その存在量等の情報として、試料番号や検査手段の情報とともにメモリ15に記憶され(S9)、データ表示部14に表示される。また、C検査の結果から、糖尿病となる原因のうち、環境的な要因が高いか低いかということを判定して、その結果を、メモリ15に記憶するとともに、データ表示部14に表示することもできる。
このように、いずれかの検査が行われると、S10において、その他の検査手段による検査が行われているかどうかが判別される。このとき、複数の検査が行われていることが判別されると、S11において複数の検査結果に基づいた多要因解析が行われる。これにより、それぞれのケースにおいて、より適した治療方法がわかるようになっている。
具体的には、A検査、B検査、C検査がすべて完了している場合、A検査により糖尿病である(あるいは糖尿病の可能性が高い)と検査され、また、B検査により遺伝因子での要因が大きいと判定され、かつ、C検査により環境因子での要因も大きいということが判定されている場合には、食事療法や運動療法等により環境因子での要因を軽減するとともに、遺伝子療法により遺伝因子での要因を軽減できる治療方法が提案される。この場合、遺伝子療法として提案される方法としては、B検査により抽出された遺伝子の種類により決定されるものである。また、検査の結果、糖尿病誘発遺伝子の発現量がわかれば、その発現量に基づいた治療が提案されることになる。例えば、検査の結果、アディポネクチン遺伝子というインスリン感受性物質が少ないということがわかれば、遺伝子療法としてアディポネクチンの補充療法をしながらインスリンを投与する方法を採用することができる。
一方、A検査により糖尿病(あるいは糖尿病の可能性が高い)と診断された場合であって、B検査による遺伝因子での要因はあるが、C検査による環境因子での要因はない場合、遺伝因子の要因のみを軽減できるようなより効率的な治療方法(食事療法や運動療法よりも遺伝子療法に重きを置く治療方法)を提案することができる。逆に、A検査により糖尿病(あるいは糖尿病の可能性が高い)と診断された場合であって、B検査による遺伝因子での要因はないが、C検査による環境因子での要因はある場合、環境的な要因のみを軽減できるような治療方法(例えば、食事療法や運動療法を主体にし、遺伝子療法をに重点を置かない治療方法)を提案することができる。
また、A検査により糖尿病と診断されなかった場合でも、B検査及び(あるいは)C検査により遺伝因子及び(あるいは)環境因子の存在が認められる場合には、これらの検査結果に基づいた予防方法が提案される。
なお、多要因解析においては、同一試料番号における複数検査間の情報を元に解析を行う他に、例えば患者の親族等に対して同一の検査を行い、その結果を患者との関係とともにメモリ15に記憶させておき、これらの情報の相関から羅患同胞対法に基づいた解析を行うことも可能である。
上記のような解析結果は、S12において生体情報検査システム10(図1)のデータ表示部14に表示され操作者に治療方法の情報が提供されることになる。
このように、一つの病気に対して原因を特定してその治療案を選定するという一連の治療基準を提供するためには、同一検出器での再現性が要求される。ここで、本実施形態の生体情報検査システム10においては、異なる検査手段に対応するセンサチップ20であっても、一つのセンサチップ保持部11により保持することができ、更に、一つのデータ読取部13で、センサチップ20の検出部21に配置されている試料の情報(2次元情報)を取得することができることから、より安定して再現性のあるデータを得ることができる。
更に、センサチップ20の検出部21の情報と、マーカー部23の情報とを、同一の機構(ラインセンサ13)により、2次元情報として取得するようにしたので、センサチップ保持部11に配置されるセンサチップ20がどの検査手段に対応するものであるかを判別する機構を、別途システムに設けなくてもよいので、システムの簡略化・コンパクト化を実現することができる。
また、生体情報検査システム10のメモリ15(記憶手段)に記憶された情報は、インターフェース部15を介して、例えばPCのハードディスクドライブや、外部記憶手段等のその他の記憶手段に記憶させることもできる。
(第2形態)
図4は、本実施形態の生体情報検査システム100を示す図である。図4に示す生体情報検査システム100は、図1に示す生体情報検査システム10と基本的には同一の構成である。なお、図4では、図1で示した生体情報検査システムと同様の構成要素については同じ符号を付している。生体情報検査システム100は、遺伝子等の試料が保持されているセンサチップ200が配置されるセンサチップ保持部110と、該センサチップ200から生体情報を読み取るデータ読取部130と、センサチップ保持部110に配置されたセンサチップの種類を判別するセンサチップ判別部120と、を有する。なお、生体情報検査システム100は、複数種類の検査が本システムでできるように複数の検査手段を有する。これら複数の検査手段は一つのセンサチップ保持部110に配置される異なる複数のセンサチップ200に対し異なる検査を行うものである。そのため、センサチップ保持部110にはそれぞれ異なる検査手段に対応する複数種類のセンサチップ200が配置されることになる。
具体的に、センサチップ200は、それぞれの検査手段に対応する形態の検出部210と、検査手段にはよらず形態が統一されているカートリッジ部220から構成されている。このような形状のセンサチップ200によれば、センサチップ200のカートリッジ部220の形状に合わせて生体情報検査システム100のセンサチップ保持部110の形状を設定しておけば、一つのセンサチップ保持部110により異なる種類のセンサチップ200を保持することができる。
また、センサチップ200には、検出部210に対応する検査手段がどの種類の検査手段であるかを示すマーカー部230が形成されている。一方、生体情報検査システム100にはセンサチップ判別部としてマーカー判別部120が形成されている。センサチップ200のマーカー部230が生体情報検査システムのマーカー判別部120に配置されると、マーカー判別部120によりセンサチップ200の種類が特定されるようになっている。
更に、本実施形態の生体情報検査システム100は、マーカー判別部120の判別結果に対応する検査手段を作動させる図示しない制御手段を有する。制御手段は、図1に示す生体情報検査システム10のメモリ15及びデータ演算ユニット16と同様のものを例示できる。マーカー判別部120によりセンサチップ200の種類が特定されると、制御手段により生体情報検査システム100に設置されている複数の検査手段のうち対応する検査手段を動作させるプログラムが起動する。
更に、生体情報検査システム100は、データ読取部130で読み取られたデータを記憶する記憶手段と、記憶されたデータに基づいて生体情報を多要因解析する解析手段と、解析結果を表示する表示部14と、記憶手段に記憶されているデータを他のコンピュータ等に移行するためのインターフェース部15と、を有する。
検査手段が行う検査結果はデータ読取部130により読み取られて、記憶手段に記憶される。このとき、例えば一つの検体について複数の検査を行い、その結果を検体に付与されるサンプルナンバーと、検査手段の種類に対応付けする形で記憶手段に記憶するようにする。そして、一つの検査手段により検査が終了したり、あるいは、入力手段により、例えば検体のサンプルナンバー等がシステムに入力されると、解析手段により複数の検査手段による複数の検査結果が読み出されるとともに、これら複数の検査結果に基づき多要因解析が行われることになる。多要因解析の結果は表示部14に表示される。
ここで、センサチップのマーカー部230、及び生態情報検査システム100のマーカー判別部110としては、図6に示すようなものを採用することができる。図6は、センサチップ200をセンサチップ保持部110に配置するときの状況を示すものであり、センサチップ200を側面から図示したものである。また、ここでは、センサチップ200を生態情報検査システム100に開口部として形成されているセンサチップ保持部110に対して挿入して、センサチップ200をセンサチップ保持部110に保持する形態を採用する場合の一例について示す。図6(a)に示すように、センサチップ200のセンサチップ保持部110に挿入される一端側には、当該センサチップ200に対応する検査手段に固有の形状で、切り欠き部24が形成されている。一方、センサチップ保持部110側には、センサチップ200の挿入される端面20aに接触するように複数の凹凸センサ19が配置されている。一つ一つの凹凸センサ19は、センサチップ200がセンサチップ保持部110に挿入されない場合に位置する第一位置と、センサチップ200がセンサチップ保持部110に挿入された場合に、センサチップ200の端面20aに押されて移動する第二位置との間で移動できるようになっている。ここでは、各々の凹凸センサ19が第一位置にあるとき当該凹凸センサ19がオフ状態であるとし、各々の凹凸センサ19が第二位置にあるとき当該凹凸センサ19がオン状態であるとして、以下説明を続ける。
図6に示すように、切り欠き部24が端面20aに形成されているセンサチップ200をセンサチップ保持部110に挿入すると、端面20aに押される凹凸センサ19は、第二位置に移動し、センサがオン状態となる。一方、切り欠き部24の位置に対応する凹凸センサ19は端面20aにより押されないので、第一位置に位置するままでありオフ状態である。ここで、対応する検査手段によって、センサチップ200の端面20aに形成される切り欠き部24の位置と形状を代えておくことで、センサチップ200をセンサチップ保持部110に挿入したときに、対応する検査手段に応じて複数の凹凸センサのオン・オフ状態が変わるので、対応する検査手段の識別を行うことができる。
このような構成により、センサチップ200をセンサチップ保持部110に挿入したときに、自動で目的とする検査手段を選択することができる。
また、センサチップ200のマーカー部230としては、図7のような構成を採用することもできる。つまり、図7に示すように、センサチップ200のマーカー部230として、IC25を採用し、マーカー判別部120として、このICの情報を読み取る読取部を有するものを採用することができる。
以下、本実施形態の生体情報検査システム100の使用例について説明する。例えば、本実施形態の生体情報検査システム100は、糖尿病の検査及びその治療方法の解析に使用することができる。
糖尿病の検査及び治療方法の解析に本発明の生体情報検査システム100を使用する場合の使用例を図5を用いて説明する。まず、S101において核酸タンパク等の試料が検出部210に配置されたセンサチップ200を生体情報検査システム100のセンサ保持部110に配置する。そして、S102においてセンサチップ保持部110に配置されたセンサチップ200がどの検査手段に対応するものかを、マーカー判別部120により判別する。ここで、検査手段としては、血糖値検査や、遺伝因子を検査するためのサザンハイブリダイゼーション法、SNPs法、RFLP法、ドットブロット法、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法等があり、センサチップ200の検出部210には、これらいずれかの検査手段に対応する試料が、それぞれの検査方法に対応する形態で配置されている。
S102において、配置されたセンサチップ200がどの検査手段に対応するものであるかが判別されると、対応する検査手段により検査が行われる。ここでは、複数の検査手段として、血糖値検査(A検査)、遺伝因子チェック検査(B検査)、環境因子チェック検査(C検査)を実施する場合について説明する。S102の結果、配置されたセンサチップ200がA検査に対応するものであると判別されると、S103においてA検査が実施される。A検査は具体的には、血液を採取し、グルコース含有量を測定することで行われる。A検査の結果は、その定量値や糖尿病の危険度等の情報として、試料番号(披検査者毎に付与される)や検査手段の情報とともに生体情報検査システム100の記憶手段に記憶される(S104)。
一方、S102の結果、配置されたセンサチップ200がB検査に対応するものであると判別されると、S105においてB検査が行われる。B検査は、具体的には生体情報検査システム100に設けられている検査手段としての電気泳動装置により行われる。このB検査によって、糖尿病誘発遺伝子の有無を検出することができる。なお、その糖尿病誘発遺伝子の発現量を検出することも可能である。B検査の結果は、S104と同様に、試料番号や検査手段の情報とともに記憶手段に記憶される(S106)。
また、S102の結果、配置されたセンサチップ200がC検査に対応するものであると判別されると、S107においてC検査が実施される。C検査は具体的には生体情報検査システム100に設けられているRNA発現解析装置により行うことができる。このC検査により肥満遺伝子を検出することができ、その発現量や、一般的な値からのズレ等を測定することができる。C検査の結果は、S104、S106と同様に、試料番号や検査手段の情報とともに生体情報検査システム100の記憶手段に記憶される(S108)。
このように、いずれかの検査が行われると、S109において、その他の検査手段による検査が行われているかどうかが判別される。このとき、複数の検査が行われていることが判別されると、S110において複数の検査結果に基づいた多要因解析が行われる。これにより、第1形態と同様の方法でそれぞれのケースにおいてより適した治療方法がわかるようになっている。
このように、一つの病気に対して原因を特定してその治療案を選定するという一連の治療基準を提供するためには、同一検出器での再現性が要求される。ここで、本実施形態の生体情報検査システム100においては、異なる検査手段に対応する複数種類のセンサチップ200であっても、一つのセンサチップ保持部110により保持することができ、更に、一つのデータ読取部130で、センサチップ200の検出部210に配置されている試料の検査を行えることから、より安定した再現性を得ることができる。
また、生体情報検査システム100の記憶手段に記憶された情報は、インターフェース部15を介して、その他の記憶手段に記憶させることもできる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を検出するための複数の検査手段と、これら複数の検査手段にそれぞれ対応する複数種類のセンサチップと、該センサチップを保持するセンサチップ保持部と、該センサチップ保持部にセンサチップを配置したときに、配置されたセンサチップがどの検査手段に対応するものかを判別するセンサチップ判別部と、該センサチップ判別部の判別結果に対応する検査手段を作動させる制御手段と、前記検査手段の検査結果を記憶する記憶手段と、複数の前記検査手段による複数の検査結果から生体の特徴を多要因解析する解析手段とを有することを特徴とする生体情報検査システム。
【請求項2】
前記センサチップは、前記センサチップ保持部に対応する形態のカートリッジを有し、それぞれの検査手段に対応する形態の検出部が前記カートリッジに取り付けられているものであることを特徴とする請求項1に記載の生体情報検査システム。
【請求項3】
前記センサチップは、対応する前記検査手段毎に異なる形態のマーカー部が形成されているものであり、前記センサチップ判別部は前記マーカー部の違いを読み取るものであることを特徴とする請求項1に記載の生体情報検査システム。
【請求項4】
前記センサチップの各センサチップは、前記センサチップ保持部に保持されるように複数種類の前記センサチップで共通する形状を有するカートリッジ部と、複数の前記検査手段のうちいずれかの検査手段に対応する検出部と、当該検出部が複数の前記検査手段のうちいずれに対応するものであるかを示すマーカー部とを有するものであって、
前記検出部と前記マーカー部の2次元情報を取得するデータ読取部を更に有し、前記マーカー部の2次元情報から前記検出部がどの検査手段に対応するものであるかを判別するとともに、前記検出部に対応する検査手段により、前記検出部の2次元情報から生体情報を検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の生体情報検査システム。
【請求項5】
前記データ読取部は、前記検出部及び前記マーカー部の画像データを取得するものであることを特徴とする請求項4に記載の生体情報検査システム。
【請求項6】
前記センサチップは、前記検出部と前記マーカー部とが一方向に並設して配置されるものであり、前記データ読取部はラインセンサを有するものであって、該ラインセンサは、前記センサチップの前記マーカー部と前記検出部とが並設する方向に走査されることにより、前記マーカー部及び前記検出部の画像を取得するものであることを特徴とする請求項4に記載の生体情報検査システム。
【請求項7】
前記マーカー部はバーコードあるいは前記センサチップに形成される凹凸形状であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の生体情報検査システム。
【請求項8】
それぞれ異なる種類の生体情報を検出するための複数の検査手段と、これら複数の検査手段に対応する複数種類のセンサチップと、これら複数種類のセンサチップを保持可能なセンサチップ保持部とを有し、
各センサチップは、前記センサチップ保持部に保持されるように複数種類の前記センサチップで共通する形状を有するカートリッジ部材と、複数の前記検査手段のうちいずれかの検査手段に対応する検出部と、当該検出部が複数の前記検査手段のうちいずれに対応するものであるかを示すマーカー部とを有するものであって、
前記検出部と前記マーカー部の2次元情報を取得するデータ読取部を更に有し、前記マーカー部の2次元情報から前記検出部がどの検査手段に対応するものであるかを判別するとともに、前記検出部に対応する検査手段により、前記検出部の2次元情報から生体情報を検出するようにしたことを特徴とする生体情報検査システム。
【請求項9】
前記データ読取部は、前記検出部及び前記マーカー部の画像データを取得するものであることを特徴とする請求項8に記載の生体情報検査システム。
【請求項10】
前記センサチップは、前記検出部と前記マーカー部とが一方向に並設して配置されるものであり、前記データ読取部はラインセンサを有するものであって、該ラインセンサは、前記センサチップの前記マーカー部と前記検出部とが並設する方向に走査されることにより、前記マーカー部及び前記検出部の画像を取得するものであることを特徴とする請求項8に記載の生体情報検査システム。
【請求項11】
前記マーカー部はバーコードあるいは前記センサチップに形成される凹凸形状であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の生体情報検査システム。

【国際公開番号】WO2005/052597
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【発行日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515845(P2005−515845)
【国際出願番号】PCT/JP2004/017909
【国際出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】