説明

生体情報測定便器

【課題】下水配管内における圧力変動の影響を受けることなく、尿量や尿流率などの生体情報を高精度で測定可能な生体情報測定便器を提供する。
【解決手段】洋式便器11は、使用者の尿を受けるボール16と、ボール16内を洗浄する洗浄手段24を構成する給水ノズル24aと、ボール16と下水配管とを連通する排出管路25と、排出管路25を開閉する排出管路開閉手段29と、を有している。また、排出管路25の排出管路開閉手段29より上流側に圧力測定管路7が設けられ、ボール16内へ排泄された尿による溜水水位W1Lの変化量を、圧力測定管路7内に形成される閉塞空間6内の圧力変化を圧力測定手段33で計測することによって尿量や尿流率などの生体情報を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の尿量や尿流率などの各種生体情報を測定することのできる生体情報測定便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の生体情報測定便器としては、使用者が洋式便器に排尿したときの溜水水位の変化を計測し、予め記憶した水位と溜水量との検量関係に基づいて尿量や尿流率などの生体情報を算出するものがある。また、下水配管内で発生する圧力変動によって溜水水位の計測値が変動するのを回避するため、下水配管内の圧力変動を測定して、圧力変動のない状態に補正する機能を設けたものもある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、特許文献1記載の生体情報測定便器(大便器ユニット)のように物理的なトラップ構造を設けて溜水を形成するのではなく、排水管路の終端開口部に設けられた開閉弁を閉止し、水位測定を行いながら所定量の給水を行って溜水を形成する方式の水洗便器がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】国際公開2004/113630号パンフレット
【特許文献2】特開平8−60730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の生体情報測定便器(大便器ユニット)の場合、洋式便器を用いて尿量や尿流率などの各種生体情報を測定することができる反面、施工場所の環境要因として現れる下水圧変動が便器内の溜水に対してどのような影響を与えるかを想定して補正アルゴリズムが決められているため、想定外の周波数をもつ下水圧波動が伝達されたり、測定管を含む溜水部が共振するような周波数をもつ下水圧波動が伝達されたりすると、測定精度が悪化したり、測定不能となることがある。
【0006】
一方、特許文献2記載の水洗便器は、洋式便器のボール内に貯留される溜水の水位を任意高さに調整することができるものであるが、尿量や尿流率などの各種生体情報を測定する機能は備えられていない。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、下水配管内における圧力変動の影響を受けることなく、尿量や尿流率などの生体情報を高精度で測定することのできる生体情報測定便器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の生体情報測定便器は、
使用者の尿を受けるボールと、
前記ボール内へ洗浄水を供給する洗浄手段と、
前記ボール内の収容物を下水配管へ排出するため前記ボールと前記下水配管とを連通する排出管路と、
前記ボール内に溜水を貯留するため前記排出管路に設けられた管路開閉手段と、
を備えた生体情報測定便器であって、
測定開始時の溜水水位より低い位置で前記管路開閉手段より上流側の前記排出管路に開口端を有する測定管路と、
前記測定管路の他端が閉塞されているときに形成される閉塞空間内の圧力を計測する圧力測定手段と、を設け
使用者の排尿に伴って変化する前記閉塞空間内の圧力を計測することによって、少なくとも尿量を含む排尿情報を測定することを特徴とする。
【0009】
このような構成とすれば、測定管路内に、排出管路に設けられた開口端がボール内の溜水によって封止された閉塞空間が形成され、使用者がボール内へ排尿することに伴って溜水水位が高まることにより、この閉塞空間内の圧力が高まるため、その変化量を圧力測定手段で計測することにより尿量や尿流率などの生体情報を算出することができる。この場合、使用者が排泄した尿はボール内に漏れなく全量が収容され、管路開閉手段が閉止され下水配管との連通を絶った状態で前記閉塞空間内の圧力を計測するため、下水配管内の圧力変動の影響を受けない。従って、下水配管内において圧力変動が生じても、その影響を受けること無く、尿量や尿流率などの生体情報を高精度で測定することができる。
【0010】
ここで、
前記測定管路の他端が前記管路開閉手段より下流側に位置する前記排出管路に開口され、
前記測定管路の途中に測定管路開閉手段を備え、測定時は前記測定管路開閉手段を閉止する構成とすることができる。このような構成とすれば、測定時以外は測定管路開閉手段を開放しておくことにより、測定管路を通常のオーバーフロー経路として機能させることができる。
【0011】
一方、前記管路開閉手段が前記排出管路を閉止しているときは前記洗浄手段の給水機能を停止する機能を設けることもできる。このような構成とすれば、排出管路が管路開閉手段で閉塞されている状態のときに、誤って洗浄手段が作動して洗浄水がボール内へ供給され、ボール内の収容物が便器から溢れ出るようなトラブル発生を回避することができる。
【0012】
また、前記管路開閉手段の開閉状態を検知する検知手段を設け、前記検知手段が前記管路開閉手段の開放状態を検知していないときは、前記洗浄手段の給水機能を停止する機能を設けることもできる。このような構成とすれば、管路開閉手段が排出管路を完全に開放していない限り洗浄手段が作動しないため、管路開閉手段が半開状態のときなどに、誤って洗浄手段が作動して洗浄水がボール内へ供給され、ボール内の収容物が便器から溢れ出るようなトラブル発生を回避することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、下水配管内における圧力変動の影響を受けることなく、尿量や尿流率などの生体情報を高精度で測定可能な生体情報測定便器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の第一形態について説明する。図1は本発明の実施の形態である生体情報測定便器を示す斜視図、図2は前記生体情報測定便器のシステムブロック図、図3は前記生体情報測定便器が待機状態にあるときの垂直断面図、図4は前記生体情報測定便器が測定状態にあるときの垂直断面図、図5は前記生体情報測定便器が洗浄開始時にあるときの垂直断面図、図6は前記生体情報測定便器が排出状態にあるときの垂直断面図、図7は前記生体情報測定便器を構成する開閉弁駆動機構を示す図、図8は図1に示す生体情報測定便器の動作シーケンスを示す図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の生体情報測定便器10は、使用者の排泄物を受けて下水に排出する洋式便器11と、排尿情報測定ユニット12および制御手段13などが内蔵されたキャビネット14と、洋式便器11の側方壁面に配置された操作・表示部20と、を備えている。洋式便器11は、使用者が着座するための便座15と、ボール16および便座15を開閉可能に覆う便蓋17と、採尿器18aおよび採尿アーム18bを有する採尿ユニット18とを備えている。操作・表示部20は、洋式便器11に設けられた衛生洗浄装置23を操作するためのリモコン19と、排尿情報測定ユニット12を機能させるためのリモコン21と、排尿情報測定データを印刷するためのプリンタ22とを備えている。
【0016】
また、図2に示すように、洋式便器のボール16は排出管路25によって下水配管35に連通されており、排出管路25の途中には、ボール16内に溜水を貯めたり、排出したりするために開閉される排出管路開閉手段29が設けられている。そして、排出管路25には、排出管路開閉手段29の上流側と下流側とを連通する圧力測定管路7が設けられている。この圧力測定管路7には経路を開閉する測定管路開閉手段28が設けられている。また、測定管路開閉手段28の上流側の圧力測定管路7には経路内の圧力を計測する圧力測定手段33が設けられている。なお、採尿ユニット18と衛生洗浄装置23とは、本発明に係る生体情報測定便器10を構成する必須要件ではない。
【0017】
また、洋式便器11に連接される排尿情報測定ユニット12には生体情報測定便器10の各種動作を制御する制御手段13が収納されており、この制御手段13には、検量線記憶手段38,排尿情報演算手段39、情報記憶手段40が設けられている。ここで、検量線記憶手段38は圧力測定手段33によって計測される圧力測定管路7の圧力変化とその時のボール16内の溜水量変化との関係を記憶するものである。また、排尿情報演算手段39は圧力測定手段33によって計測された圧力から検量線記憶手段38に記憶されている検量関係によってその時の溜水量を演算によって求めるものである。さらにまた、情報記憶手段40は計測・演算された圧力や溜水量等の測定情報や取得された個人情報等の各種データを記憶するためのものである。
【0018】
次に、図3を参照して本発明に係る生体情報測定便器10の詳細構成について説明する。図3に示すように、洋式便器11は、使用者の尿を受けるボール16と、ボール16内を洗浄する洗浄手段24を構成する給水ノズル24aと、大気と区画された排水ソケット一体型の排水槽9を介してボール16と下水配管35とを連通する排出管路25と、排出管路25を開閉する排出管路開閉手段29と、を有している。排出管路開閉手段29は、図7に示すように、駆動モータ5で支軸29aを中心に回動させることにより排出管路25を開閉し、ボール16内の排泄物などを下水配管35へ排出したり、溜水W1を貯留したりする。排出管路開閉手段29を排出管路25の開口部に押圧するためのテンションスプリング4が設けられ、位置検出手段37は排出管路開閉手段29の位置を検出しながら、駆動モータ5により排出管路開閉手段29を回動する。
【0019】
また、排出管路25には、前述したように、圧力測定管路7が設けられ、排出管路開閉手段29が万一故障して閉止位置のままとなった場合にボール16内に給水が行なわれてもボール16内の収容物が便器外に溢れるのを回避する構成となっている。圧力測定管路7はボール16内の溜水水位W1L以下に位置する排出管路25の天井部に流入口7aが配置され、排水槽9の側壁に流出口7bが設けられており、両者を連通する圧力測定管路7には測定時に当該圧力測定管路7を閉止する測定管路開閉手段28が設けられている。なお、本実施形態では排水槽9は排出管路25の一部をなしているが、両者を別体とする構成でも良い。
【0020】
本実施形態の生体情報測定便器10においては、測定管路開閉手段28で圧力測定管路7を閉止することにより、溜水W1と測定管路開閉手段28との間に閉塞空間6を形成した後、ボール16内へ排泄された尿による溜水量の変化に伴う閉塞空間6内の圧力変化を圧力測定手段33で計測し、両者の検量関係によって尿量を測定する。
【0021】
以下、図3〜図6を参照し、生体情報測定便器10における尿量測定の手順について説明する。図3は洋式便器11が待機状態にあるときを示すもので、排出管路25は排出管路開閉手段29で閉止された状態にある。このとき、ボール16内の溜水W1は溜水水位W1Lの位置にあり、測定管路開閉手段28は開放状態にある。従って、ボール16と下水配管35とは圧力測定管路7を介して連通状態にある。本実施形態では、この状態で測定管路開閉手段28を閉止して尿量測定を開始する。従って、このように圧力測定管路7が測定管路開閉手段28で閉止されたときの溜水水位W1Lが測定開始水位Yとなる。
【0022】
次に、洋式便器11において尿量測定中は、図4に示すように、測定管路開閉手段28で圧力測定管路7が閉止されるため、溜水W1と測定管路開閉手段28との間の圧力測定管路7に気密状の閉塞空間6が形成される。
【0023】
この状態において、使用者がボール16内へ排尿すると、溜水W1に流入する尿Nにより、測定開始水位Yである溜水水位W1Lが溜水水位W2Lまで上昇し、閉塞空間6の気圧が増加する。このときの圧力変化を、圧力センサを使用した圧力測定手段33で計測することにより水量変化量が圧力変化量として計測され、そのデータが排尿情報測定ユニット12の制御手段13へ送信される。制御手段13においては、送られたデータと検量線記憶手段38の記憶データ(検量関係)とに基づいて排尿情報演算手段39が尿量を算出し、その尿量値が操作・表示部20に表示されるとともに、情報記憶手段40に記憶される。
【0024】
尿量測定が終わり、所定の便器洗浄操作を行うと、図5に示すように、給水ノズル24aからボール16内へ洗浄水が供給される。給水ノズル24aからの給水開始から一定時間経過すると、図6に示すように、駆動モータ5が作動して管路開閉弁29を上方へ回動させるため、排出管路25の開口部25aが開放される。これによって、ボール16および排出管路25内にある尿N混じりの溜水W1は開口部25aから排水槽9に向かって排出され下水配管35へ流下する。この状態で溜水W1と共に排泄物を排出すると、再び駆動モータ5が作動して排出管路開閉手段29を下方へ回動させ、開口部25aを閉止する。この後、給水ノズル24aからの給水が引き続き行われ、一定時間経過後、停止されるため、ボール16および排出管路25内には一定量の溜水W1が貯留され、図3に示される通常の待機状態に復帰する。
【0025】
次に、図1〜図8を参照しながら、本実施形態の生体情報測定便器10の動作について説明する。生体情報測定便器10が配置されたトイレ内に使用者が入室してリモコン21に対して準備操作を行うと、測定管路開閉手段28が作動して圧力測定管路7を閉止して、閉塞空間6を形成する測定のための準備動作が行なわれる。準備動作が完了するとリモコン21に準備完了報知が示されるので、使用者は脱衣して、便座15上に着座するか、起立した姿勢で、ボール16に向かって排尿を開始する。
【0026】
使用者の尿Nがボール16の溜水W1に流入すると、その水位W1Lが上昇することにより、閉塞空間6内の気圧が増加するので、前述したように、圧力測定手段33の圧力センサが、その変化量を計測する。排尿が終了し、使用者がリモコン21に対して終了操作を行うと、情報記憶手段40に記憶されたデータに基づいた尿量や尿流率、排尿時間等の測定結果がリモコン21の表示部に表示される。このとき、リモコン21に所定の出力操作を行うと、測定結果が印字された紙片がプリンタ22から出力される。
【0027】
この後、所定の便器洗浄操作を行うと、給水ノズル24aからボール16内へ洗浄水が供給され、一定時間経過すると、駆動モータ5が作動して排出管路開閉手段29が開口部25aを開放する(図6参照)。これによってボール16内および排出管路25内の尿N混じりの溜水W1が下水配管35へ排出される。溜水と共に排泄物を排出すると、再び駆動モータ5が作動して、排出管路開閉手段29が開口部25aを閉止する。この後、給水ノズル24aからの給水が引き続き行われ、一定時間経過した後、停止されるため、ボール16内および排出管路25内には一定量の溜水W1が貯留され、通常の待機状態に復帰する(図3参照)。このような一連の動作は自動的に行われるため、使用者は便器洗浄操作を行った後、トイレから自由に離室することができる。
【0028】
次に、図9〜図11に基づいて、本発明の実施の第二形態について説明する。図9は本発明の実施の第二形態である生体情報測定便器のシステムブロック図、図10は前記生体情報測定便器が待機状態にあるときの垂直断面図、図11は前記生体情報測定便器の動作シーケンスを示す図である。なお、図9〜図11において、図1〜図8に示す符号と同じ符号を付している部分は第一実施形態の生体情報測定便器10の構成部分と同じ構造、機能を有する部分であるため、説明を省略する。
【0029】
前述した第一実施形態の生体情報測定便器10と第二実施形態の生体情報測定便器50とは、圧力測定管路7の構成とそれに関連する測定管路開閉手段28に関係する制御が異なっているが、他の部分の構成は同じであるため、以下、異なる部分を中心とした説明を行う。図9,図10に示すように、本実施形態の生体情報測定便器50においては、圧力測定管路7xは閉塞端7cを有しているため、当該圧力測定管路7xを開閉するための測定管路開閉手段28は設けられていない点が異なる。
【0030】
前述したように、圧力測定管路7xの一方は排出管路25に連通されておらず、常時、閉塞端7cとなっている。このため、図10に示す待機状態においては、圧力測定管路7xの中の水位W3Lはボール部の水位W1Lより閉塞空間6xの空気の圧縮分だけ低い水位となっている。
【0031】
図11は生体情報測定便器50の動作シーケンスを示すものであるが、第一実施形態の生体情報測定便器10とは、測定管路開閉手段28の動作がない点と、準備操作がない点のみが異なっている。
【0032】
前述したように、第一実施形態の生体情報測定便器10においては、測定時に測定管路開閉手段28を閉止することによって閉塞空間6を形成していたが、本実施形態ではその動作は不要なため、装置の構成が簡単になるだけでなく、使用者による準備操作は必要なく、直ちに排尿を開始することができるため、測定時間の短縮を図ることができる。
【0033】
さらに、本実施形態の変形例として、ボール16内の溜水W1が洋式便器11x外へ溢流するのを防止するため、生体情報測定便器50の排出管路25に、排出管路開閉手段29をバイパスする形で通常のオーバーフロー管を設けても良い。
【0034】
以上のように、本発明に係わる生体情報測定便器10,50においては、圧力測定管路7,7xを排出管路25に設けて、ボール16内の溜水W1と圧力測定管路7,7xとの間に形成される閉塞空間6,6x内の圧力変化を圧力測定手段33で計測することによって尿量の測定を行うので、ボール16内の溜水W1が下水配管35内の圧力変動の影響を受けない状態で測定が出来る。また、使用者が排泄した尿Nはボール16内に漏れなく収容される。このため、尿量や尿流率などの生体情報を高精度で測定することができる。また、フラップ弁方式の洋式便器11,11xにおいても容易に生体情報測定便器10,50を構成することができる。
【0035】
また、図2,図9に示すように、排出管路開閉手段29と併せて、その位置検出手段37を設け、位置検出手段37が開口部25aの開放状態を検知していないときは、洗浄手段24の機能を停止する機能を設けている。従って、排出管路25の開口部25aが排出管路開閉手段29で閉止されている状態のときに、誤って洗浄手段24が作動して洗浄水がボール16内へ供給され、ボール16内にある排泄物混じりの溜水W1が洋式便器11,11xから溢れ出るようなトラブルを回避することができる。
【0036】
さらに、排出管路開閉手段29は、下水配管雰囲気や衛生害虫などがトイレ内に侵入することを防いでいることに加え、停電すると閉止位置へ自動的に回動するようになっており、この場合、図7に示す支軸29aを手動操作することによって排出管路開閉手段29を開放することもできる。このため、停電時や故障時に使用不能となったり、ボール16内にある排泄物混じりの溜水W1が洋式便器11,11xから溢れ出たりすることがない。また、故障時には、警報音、警報光により報知するようになっているため、故障のまま放置されるおそれがなく、迅速に対処することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の生体情報測定便器は、尿量や尿流率などの生体情報測定を必要とする病院のトイレや一般家庭のトイレなどにおいて広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の第一形態である生体情報測定便器を示す斜視図である。
【図2】図1に示す生体情報測定便器のシステムブロック図である。
【図3】図1に示す生体情報測定便器が待機状態にあるときの垂直断面図である。
【図4】図1に示す生体情報測定便器が測定状態にあるときの垂直断面図である。
【図5】図1に示す生体情報測定便器が洗浄開始時にあるときの垂直断面図である。
【図6】図1に示す生体情報測定便器が排出状態にあるときの垂直断面図である。
【図7】図1に示す生体情報測定便器を構成する開閉弁駆動機構を示す図である。
【図8】図1に示す生体情報測定便器の動作シーケンスを示す図である。
【図9】本発明の実施の第二形態である生体情報測定便器のシステムブロック図である。
【図10】本発明の実施の第二形態である生体情報測定便器が待機状態にあるときの垂直断面図である。
【図11】本発明の実施の第二形態である生体情報測定便器の動作シーケンスを示す図である。
【符号の説明】
【0039】
4 テンションスプリング
5 駆動モータ
6,6x 閉塞空間
7,7x 圧力測定管路
7a 流入口
7b 流出口
7c 閉塞端
9 排水槽
10,50 生体情報測定便器
11,11x 洋式便器
12 排尿情報測定ユニット
13 制御手段
14 キャビネット
15 便座
16 ボール
17 便蓋
18 採尿ユニット
18a 採尿器
18b 採尿アーム
19,21 リモコン
20 操作・表示部
22 プリンタ
23 衛生洗浄装置
24 洗浄手段
24a 給水ノズル
25 排出管路
25a 開口部
28 測定管路開閉手段
29 排出管路開閉手段
29a 支軸
33 圧力測定手段(圧力センサー)
35 下水配管
37 位置検出手段
38 検量線記憶手段
39 排尿情報演算手段
40 情報記憶手段
N 尿
W1 溜水
W1L 溜水水位(排尿前)
W2L 溜水水位(排尿後)
W3L 水位
X 空水位
Y 測定開始水位
Z 排尿後水位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の尿を受けるボールと、
前記ボール内へ洗浄水を供給する洗浄手段と、
前記ボール内の収容物を下水配管へ排出するため前記ボールと前記下水配管とを連通する排出管路と、
前記ボール内に溜水を貯留するため前記排出管路に設けられた管路開閉手段と、
を備えた生体情報測定便器であって、
測定開始時の溜水水位より低い位置で前記管路開閉手段より上流側の前記排出管路に開口端を有する測定管路と、
前記測定管路の他端が閉塞されているときに形成される閉塞空間内の圧力を計測する圧力測定手段と、を設け
使用者の排尿に伴って変化する前記閉塞空間内の圧力を計測することによって、少なくとも尿量を含む排尿情報を測定することを特徴とする生体情報測定便器。
【請求項2】
前記測定管路の他端が前記管路開閉手段より下流側に位置する前記排出管路に開口され、
前記測定管路の途中に測定管路開閉手段を備え、測定時は前記測定管路開閉手段を閉止することを特徴とする請求項1記載の生体情報測定便器。
【請求項3】
前記管路開閉手段が前記排出管路を閉止しているときは前記洗浄手段の給水機能を停止する機能を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の生体情報測定便器。
【請求項4】
前記管路開閉手段の開閉状態を検知する検知手段を設け、前記検知手段が前記管路開閉手段の開放状態を検知していないときは、前記洗浄手段の給水機能を停止する機能を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生体情報測定便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−270587(P2007−270587A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−100787(P2006−100787)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】