生体情報測定装置
【課題】 運動に対する動機付けができる生体情報測定装置を提供する。
【解決手段】 生体情報測定装置は、運動強度に関する目標値を設定する設定部20と、運動強度に換算可能な生体情報を測定する測定部10と、第1第1の運動期間内に前記測定部にて測定された生体情報により求められる運動強度に関する第1の実測値に基づいて、前記目標値を補正する補正部30と、を含む。前記第1の実測値が第1の閾値よりも小さい場合、前記補正部30は、前記目標値を前記第1の実測値に補正してもよい。前記第1の実測値が第2の閾値以下である場合、前記補正部30は、前記目標値を前記第2の閾値に補正してもよい。前記測定部10は、前記生体情報として、脈拍数又は心拍数を測定してもよい。
【解決手段】 生体情報測定装置は、運動強度に関する目標値を設定する設定部20と、運動強度に換算可能な生体情報を測定する測定部10と、第1第1の運動期間内に前記測定部にて測定された生体情報により求められる運動強度に関する第1の実測値に基づいて、前記目標値を補正する補正部30と、を含む。前記第1の実測値が第1の閾値よりも小さい場合、前記補正部30は、前記目標値を前記第1の実測値に補正してもよい。前記第1の実測値が第2の閾値以下である場合、前記補正部30は、前記目標値を前記第2の閾値に補正してもよい。前記測定部10は、前記生体情報として、脈拍数又は心拍数を測定してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報測定装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば人間が散歩をする時の運動強度は、心拍数(広義には、生体情報)を用いて表すことができる。このような運動強度は、例えばカルボーネン法等の評価式によって評価することができる。心拍数は、通常、脈拍数(広義には、生体情報)と一致するので、心拍数の代わりに脈拍数を用いることができる。言い換えれば、生体情報測定装置の一例として脈拍数を測定する脈拍計は、心拍計と呼ばれることがある。また、心拍数又は脈拍数の代わりに、例えば酸素摂取量、血中乳酸濃度等の生体情報に基づき運動強度を評価してもよい。言い換えれば、運動強度に換算可能な生体情報として、例えば酸素摂取量、血中乳酸濃度等を用いてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3421738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、運動時の心拍数(広義には、運動強度)が適正な心拍数の範囲(広義には、ゾーン)内であるか否かをユーザー(広義には、被検査体)に告知する装置を開示する。特許文献1は、心拍数を用いているが、例えば、心拍数の上昇率、心拍数の下降率等の実際の運動能力には個人差が大きいという問題がある。従って、同じ年齢(広義には、生体情報パラメーター)を前提とする場合であっても、特許文献1の請求項1の[数1]に示されるような固定の評価式では、適正な心拍数の範囲を設定することは困難である。例えば、適正な心拍数の範囲の下限値(広義には、目標値)が高く設定されてしまう場合、運動時の心拍数が適切な心拍数の範囲に到達し難い。このような状況では、運動に対する動機付けができない。
【0005】
本発明の幾つかの態様によれば、運動に対する動機付けができる生体情報測定装置を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、運動強度に関する目標値を設定する設定部と、
運動強度に換算可能な生体情報を測定する測定部と、
第1の運動期間内に前記測定部にて測定された生体情報により求められる運動強度に関する第1の実測値に基づいて、前記目標値を補正する補正部と、を含むことを特徴とする生体情報測定装置に関係する。
【0007】
本発明の一態様によれば、運動強度に関する目標値は、第1の運動期間内の運動強度に関する第1の実測値に基づいて補正される。このように、第1の運動期間内の第1の実測値(即ち、第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力)が考慮されている。被検査体の実際の運動能力として、例えば、第1の運動期間内の脈拍数を考慮することが可能になり、運動に対する動機付けができる。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記補正部は、既知の生体情報パラメーターに基づいて、前記第1の実測値を取得してもよい。
【0009】
このように、既知の生体情報パラメーターに基づいて、第1の実測値をより正確に得ることができる。なお、既知の生体情報パラメーターに基づいて、目標値をより正確に得てもよく、本発明の一態様では、前記設定部は、既知の生体情報パラメーターに基づいて、前記目標値を取得してもよい。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記第1の実測値が第1の閾値よりも小さい場合、前記補正部は、前記目標値を前記第1の実測値に補正してもよい。
【0011】
このように、目標値として第1の実測値を用いることにより、第1の運動期間後の運動時の生体情報は、容易に目標値に到達できる。従って、運動に対する動機付けができる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記第1の実測値が、前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以下である場合、前記補正部は、前記目標値を前記第2の閾値に補正してもよい。
【0013】
このように、目標値として第2の閾値を用いることにより、目標値が低く設定されることを防止することができる。
【0014】
また、本発明の一態様では、生体情報測定装置は、前記第1の運動期間内の理想の運動ペース及び現在のペースの少なくとも一方を被検査体に告知する第1の告知部をさらに含んでもよい。
【0015】
このように、第1の運動期間内の理想の運動ペース及び現在の運動ペースの少なくとも一方を提示することにより、被検査体は、理想の運動ペースを守ったり、現在のペースを理想の運動ペースに近づけることができる。その結果、生体情報測定装置は、第1の運動期間内の第1の実測値(即ち、第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力)をより正確に把握することができる。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であってもよく、
生体情報測定装置は、前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値に基づいて、前記ゾーン内の現在の位置を被検査体に告知する第2の告知部をさらに含んでもよい。
【0017】
このように、運動強度に関するゾーン内の現在の位置を提示することにより、被検査体は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の現在の運動強度の評価値を把握することができる。なお、生体情報測定装置が第1の告知部を含む場合、第2の告知部は、第1の告知部であってもよい。即ち、第1の告知部が運動ペース及び現在のペースの少なくとも一方を被検査体に告知するとともに、現在の位置も被検査体に告知してもよい。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であってもよく、
前記ゾーンは、前記第1の閾値から前記ゾーンの上限値までの第1の領域を有してもよく、
前記第1の領域は、複数の副領域に分割されてもよく、
前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が前記第1の領域の前記複数の副領域の何れか1つに属するのかを前記被検査体に告知する告知部をさらに含んでもよい。
【0019】
このように、運動強度に関するゾーン内の第1の領域における1つの副領域であるか否かを提示することにより、被検査体は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の現在の運動強度を把握することができる。
【0020】
また、本発明の一態様では、前記複数の副領域の前記何れか1つは、前記複数の副領域の中で前記運動強度が最も高い副領域であってもよい。
【0021】
このように、複数の副領域の中で運動強度が最も高い副領域であるか否かを提示することにより、被検査体は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の現在の運動強度が高いレベルであるか否かを把握することができる。
【0022】
また、本発明の一態様では、前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であってもよく、
前記ゾーンは、前記第1の閾値から前記ゾーンの上限値までの第1の領域と前記第2の閾値又は前記第1の実測値から前記第1の閾値までの第2の領域とに分割されてもよく、
生体情報測定装置は、前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が前記第1の領域又は前記第2の領域の何れか一方に属するのかを前記被検査体に告知する告知部をさらに含んでもよい。
【0023】
このように、被検査体は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の現在の運動強度を評価することが可能となり、被検査体は、例えば、第2の領域から第1の領域に変わるように、運動ペースを増加させることができる。なお、告知部は、上記第1の告知部及び上記第2の告知部の少なくとも一方の機能を実施してもよい。
【0024】
また、本発明の一態様では、前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であってもよく、
前記ゾーンは、前記第1の閾値から前記ゾーンの上限値までの第1の領域と前記第1の実測値から前記第1の閾値までの第2の領域とに分割されてもよく、
生体情報測定装置は、は、前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が前記第1の領域又は前記第2の領域の何れか一方に属するのかを前記被検査体に告知する告知部をさらに含んでもよい。
【0025】
このように、被検査体は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の現在の運動強度を評価することが可能となり、被検査体は、例えば、第2の領域から第1の領域に変わるように、運動ペースを増加させることができる。
【0026】
また、本発明の一態様では、前記測定部は、前記生体情報として、脈拍数又は心拍数を測定してもよく、
前記補正部は、前記第1の運動期間内に前記測定部にて測定された脈拍数又は心拍数により求められる前記第1の実測値に基づいて、前記目標値を補正してもよい。
【0027】
このように、生体情報として脈拍数又は心拍数を用いることができる。運動に対する動機付けができる生体情報測定装置(脈拍計又は心拍計)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態の生体情報測定装置の構成例。
【図2】図1の生体情報測定装置の具体的な構成例。
【図3】年齢と安静時の脈拍数との対応例。
【図4】図1の生体情報測定装置の他の具体的な構成例。
【図5】図2又は図4の測定部の動作例を表すフローチャート。
【図6】6分間歩行中の脈拍数の変化例。
【図7】図4の設定部の動作例を表すフローチャート。
【図8】年齢に基づく脈拍数の目標値の設定例。
【図9】図4の補正部の動作例を表すフローチャート。
【図10】第1の実測値に基づく脈拍数の目標値の設定例。
【図11】図2の具体的な構成例の変形例。
【図12】図4の具体的な構成例の変形例。
【図13】図13(A)、図13(B)、図13(C)は、第1の実測値に基づく脈拍数の目標値の他の設定例。
【図14】第1の実測値に基づくゾーンの設定例。
【図15】本実施形態の生体情報測定装置の他の構成例。
【図16】図16(A)、図16(B)は、運動強度に関するゾーン内の現在の位置の告知例。
【図17】図17(A)、図17(B)、図17(C)、図17(D)は、運動強度に関するゾーンの分割例。
【図18】図18(A)、図18(B)、図18(C)、図18(D)、図18(E)は、第2の実測値の告知例。
【図19】図15の生体情報測定装置の具体的な構成例。
【図20】図19の測定部の動作例を表すフローチャート。
【図21】図19の告知部の動作例を表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0030】
1. 第1のモード(第1の運動期間)
1.1 基本構成
図1は、本実施形態の生体情報測定装置の構成例を示す。図1の例は、第1の運動期間(広義には、第1のモード)に対応する構成例であり、第1の運動期間後の第2の運動期間内(広義には、第2のモード)に対応する構成例については、後述する。図1に示すように、生体情報測定装置は、測定部10、設定部20及び補正部30を含む。測定部10は、生体情報を測定する。生体情報は、例えば、脈拍数であり、脈拍数を測定する測定部10を含む生体情報測定装置は、脈拍計と呼ぶことができる。また、測定部10は、例えば特許文献1のように心拍数を測定してもよく、運動強度に換算可能な酸素摂取量、血中乳酸濃度等を測定してもよい。
【0031】
設定部20は、運動強度に関する目標値を設定する。目標値の単位は、運動強度そのものでもよく、測定部10によって測定される生体情報(例えば、脈拍数)でもよい。健康の維持や増進に向けた生活習慣改善のための散歩等の運動を行う際、運動強度が例えば40[%]〜70[%]の範囲にある場合、その運動は、有酸素運動であることが知られている。従って、設定部20は、例えば運動強度の範囲が40[%]〜70[%]であるゾーンの下限値(40[%])を目標値として設定することができる。
【0032】
また、運動強度は、カルボーネン法等の評価式によって、運動強度に換算可能な生体情報で表すこともできるので、設定部20は、ゾーンの下限値(例えば、40[%])に相当する脈拍数(例えば、111[bpm])を目標値として設定してもよい。さらに、運動強度に関する目標値は、有酸素運動以外の運動を対象としてもよく、また、運動強度に関する目標値は、ゾーンの上限値であってもよく、ゾーンそのものでもよい。
【0033】
補正部30は、第1の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第1の実測値に基づいて、目標値(例えば、111[bpm]=40[%])を補正する。第1の実測値の単位は、運動強度そのものでもよく、測定部10によって測定される生体情報(例えば、脈拍数)でもよい。例えば6分間、被検査体(例えば、ユーザーA)に歩行させ、その運動期間中の脈拍数を測定する。第1の運動期間内の生体情報が、例えば108[bpm]である場合、第1の実測値は、例えば108[bpm]である。また、108[bpm]に相当する運動強度が、例えば37[%]である場合、第1の実測値は、例えば37[%](=108[bpm])でもよい。補正部30は、第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力(例えば、108[bpm]=37%)を考慮して、目標値(例えば、111[bpm]=40[%])を補正することができる。
【0034】
ユーザーAにとって、例えば108[bpm]の脈拍数に到達し易い一方、当初の目標値である111[bpm]には到達し難い場合もある。言い換えれば、被検査体の運動が、当初の目標値である111[bpm]に厳密に到達していなくとも、健康の維持や増進に向けた生活習慣改善という目的に合致していれば、例えば108[bpm]の脈拍数に相当する運動を「合格」とみなすことができる。このような場合、運動に対する動機付けができる生体情報測定装置(狭義には、脈拍計)をユーザーAに提供することができる。
【0035】
具体的には、第1の実測値(例えば、108[bpm]=37%)が第1の閾値(例えば、111[bpm]=40[%])よりも小さい場合、補正部30は、目標値(例えば、111[bpm]=40[%])を第1の実測値(例えば、108[bpm]=37%)に補正することができる。第1の閾値は、例えば目標値であり、第1の閾値の単位は、運動強度そのものでもよく、測定部10によって測定される生体情報(例えば、脈拍数)でもよい。例えば、目標値が111[bpm]であり、第1の閾値が40[%]であってもよい。目標値として第1の実測値を用いることにより、第1の運動期間後の第2の運動期間内の運動時の生体情報は、容易に目標値に到達できる。従って、運動に対する動機付けができる。
【0036】
また、ユーザーBの第1の運動期間内の生体情報が、例えば89[bpm]である場合、第1の実測値は、例えば89[bpm]である。第1の実測値(例えば、89[bpm]=20%)が第2の閾値(例えば、100[bpm]=30%)以下である場合、補正部30は、目標値(例えば、111[bpm]=40[%])を第2の閾値(例えば、100[bpm]=30%)に補正してもよい。第2の閾値は、例えば第1の閾値より小さく設定することができ、第2の閾値の単位は、運動強度そのものでもよく、測定部10によって測定される生体情報(例えば、脈拍数)でもよい。目標値として第2の閾値を用いることにより、目標値が低く設定されることを防止することができる。言い換えれば、ユーザーBにとって、例えば89[bpm]の脈拍数に到達し易い場合であっても、健康の維持や増進に向けた生活習慣改善という目的に合致していなければ、「不合格」とみなすことができる。但し、当初の目標値である111[bpm](=40[%])に達することで「合格」とする場合と比べて、第2の閾値(例えば、100[bpm]=30%)に達することで「合格」とすることで、ユーザーBに関して、運動に対する動機付けができる。
【0037】
図1の例では、測定部10、設定部20及び補正部30で生体情報測定装置が構成されているが、測定部10、設定部20及び補正部30は、例えばゲートアレイ等のASICで構成することができる。また、測定部10、設定部20及び補正部30の全部又は一部をコンピューター(広義には、処理部及び記憶部を含む装置)で構成してもよい。処理部は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)である。記憶部は、処理部(狭義には、測定部10、設定部20及び補正部30の全部又は一部)のワーク領域となるものであり、記憶部は、例えば、メモリー、HDD(ハードディスクドライブ)等である。生体情報測定装置は、例えば、プログラム、データ等を格納する情報記憶媒体(コンピューターにより読み取り可能な媒体)を有することができ、情報記憶媒体は、例えば、メモリーカード、光ディスク等である。処理部は、情報記憶媒体又は記憶部に格納されるプログラムに基づいて、種々の処理を行うことができる。即ち、情報記憶媒体又は記憶部には、測定部10、設定部20及び補正部30の全部又は一部として、コンピューターを機能させるためのプログラムが記憶されてもよい。
【0038】
1.2 第1の構成例
図2は、図1の生体情報測定装置の具体的な構成例を示す。図2の例では、生体情報測定装置が脈拍計であるが、生体情報測定装置の具体的な構成例は、図2に限定されない。また、上述した構成例と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図2に示すように、生体情報測定装置は、入力部40、変換部50及び比較部60をさらに含むことができる。入力部40は、例えば、操作ボタン、タッチパネル等である。変換部50及び比較部60は、測定部10、設定部20及び補正部30と同様に、例えばゲートアレイ等のASICで構成することができる。また、変換部50及び比較部60の全部又は一部の機能を測定部10、設定部20及び補正部30の少なくとも1つで実現してもよい。
【0040】
図2の例では、既知の生体情報パラメーターとして、例えば年齢が入力部40に入力される。変換部50は、測定部10からの脈拍数を運動強度に変換する。変換部50は、脈拍数と運動強度との間の換算式を有してもよく、脈拍数と運動強度との間の換算結果を格納するLUT(ルックアップテーブル)を有してもよい。換算式は、例えばカルボーネン法等の評価式を用いることができ、カルボーネン法は、以下の式1で表すことができる。
【0041】
【数1】
【0042】
式1において、Sは、運動強度[%]を示し、HRAVEは、運動時の脈拍数[bpm]を示し、HRRESTは、安静時の脈拍数[bpm]を示し、HRMAXは、最大脈拍数[bpm]を示す。
【0043】
図3は、年齢と安静時の脈拍数との対応例を示す。図3に示すように、安静時の脈拍数HRRESTは、例えば、年齢から求めることができる。例えば、年齢が20[才]であれば、安静時の脈拍数HRRESTは、70[bpm]に設定することができる。また、年齢が60[才]であれば、安静時の脈拍数HRRESTは、62[bpm]に設定することができる。なお、安静時の脈拍数HRRESTは、測定部10によって測定してもよく、年齢に関係なく一定値を用いてもよい。
【0044】
最大脈拍数HRMAXも、例えば、年齢から求めるが、年齢に関係なく一定値を用いてもよい。最大脈拍数HRMAXを測定部10によって測定することは困難であるので、最大脈拍数HRMAXは、以下の式2で表すことができる。
【0045】
【数2】
【0046】
式2において、AGEは、年齢[才]を示し、例えば、年齢が20[才]であれば、最大脈拍数HRMAXは、200[bpm]に設定することができる。また、年齢が60[才]であれば、最大脈拍数HRMAXは、160[bpm]に設定することができる。
【0047】
図2の例では、変換部50は、測定部10からの脈拍数及び入力部40からの年齢に基づき、例えば式1、式2及び図3に示すような対応式を用いて、運動強度を得ることができる。変換部50において得られた運動強度は、第1の実測値(第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力)である。入力部40からの年齢を考慮することにより、生体情報測定装置(狭義には、補正部30、より狭義には、変換部50)は、第1の実測値をより正確に得ることができる。
【0048】
図2の例では、運動強度の目標値として、例えば40[%]が設定部20に予め設定されている。目標値(例えば、運動強度=40[%])は、例えばメモリーに保持することができ、目標値を記憶するメモリー等の記憶部を設定部20と呼ぶこともできる。目標値(例えば、運動強度=40[%])がゾーンの下限値である場合、他の目標値として、ゾーンの上限値(例えば、運動強度=70[%])が設定部20に予め設定されてもよい。
【0049】
図2の例では、運動強度の第1の閾値として、例えば40[%]が設定部20に予め設定され、運動強度の第2の閾値として、例えば30[%]が設定部20に予め設定されている。比較部60は、第1の実測値(第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力)と第1の閾値(例えば、運動強度=40[%])及び第2の閾値(例えば、運動強度=30[%])の少なくとも一方を比較することができる。
【0050】
補正部30は、比較部60の比較結果に基づき、目標値(例えば、運動強度=40[%])を補正する。第1の実測値が第1の閾値よりも小さい場合、補正部30は、目標値を第1の実測値(補正用の運動強度)に補正する。第1の実測値が第2の閾値以下である場合、補正部30は、目標値を第2の閾値(補正用の運動強度)に補正する。なお、第1の実測値が第1の閾値以上である場合、補正部30は、目標値を維持することができる。
【0051】
1.3 第2の構成例
図4は、図1の生体情報測定装置の他の具体的な構成例を示す。上述した構成例と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。図2の例では、運動強度の目標値が設定部20に予め設定され、運動強度の目標値そのものがメモリーに記憶されていた。図4の例では、脈拍数の目標値がメモリーに記憶されている。
【0052】
図4の例では、変換部50は、設定部20からの運動強度の目標値(例えば、40[%])を脈拍数の目標値に変換する。上述した式1は、以下の式3に変形することができる。
【0053】
【数3】
【0054】
式3において、HRSは、脈拍数の目標値[bpm]であり、式1のHRAVEに対応する。運動強度の目標値として、S=40[%]を式3に代入すると、運動強度=40[%]に相当する脈拍数の目標値HRSを得ることができる。例えば、年齢が41[才]である場合、脈拍数の目標値HRSは、111[bmp]である。入力部40からの年齢を考慮することにより、生体情報測定装置(狭義には、設定部20、より狭義には、変換部50)は、脈拍数の目標値(例えば、111[bmp])をより正確に得ることができる。図4の例では、目標値(例えば、脈拍数=111[bpm])は、例えばメモリーに保持することができる。
【0055】
また、図2の例では、補正部30が、目標値(例えば、運動強度=40[%])を直接に補正していた。図4の例では、目標値の単位が脈拍数であるので、補正部30は、変換部50を介して、目標値(例えば、脈拍数=111[bpm])を補正する。図4の例では、第1の実測値(第1の運動期間中の運動強度)が第1の閾値(例えば、運動強度=40[%])よりも小さい場合、変換部50は、第1の実測値を脈拍数に変換する。補正部30は、メモリーに保持されている脈拍数の目標値を第1の実測値に相当する脈拍数(変換部50において得られた補正用の脈拍数)に補正する。また、第1の実測値が第2の閾値(例えば、運動強度=30[%])以下である場合、変換部50は、第2の閾値を脈拍数に変換する。補正部30は、メモリーに保持されている脈拍数の目標値を第2の閾値に相当する脈拍数(変換部50において得られた補正用の脈拍数)に補正する。
【0056】
さらに、図4に示すように、生体情報測定装置は、告知部70を含むことができる。なお、図2の第1の構成例が、告知部70を含んでもよい。告知部70(第1の告知部に相当)は、第1の運動期間内の理想の運動ペースを被検査体に告知することができる。第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力をより正確に把握するために、生体情報測定装置は、例えば6分間、例えば2[Hz]の運動ペースで、被検査体に歩行させる。例えば、告知部70は、「ピッ」というペース音を1秒当たり2回鳴らすことができる。被検査体は、ペース音に合わせて、1秒当たり2歩前進することで、理想の運動状態を形成することができる。告知部70は、例えば、スピーカーであるが、LED、バイブレーター等でもよい。告知部70は、1秒当たり2回発光してもよく、1秒当たり2回振動してよい。
【0057】
また、告知部70は、第1の運動期間内の現在の運動ペースを被検査体に告知してもよい。この場合、告知部70は、例えば実際の歩数に合わせて、音、光等を出力することができる。実際の運動ペースを把握することで、被検査体は、自発的に、実際の運動ペースを理想の運動ペース(例えば、2[Hz])に一致させることができる。歩数は、例えば加速度センサーで測定することでき、例えば測定部10が歩数を測定してもよい。このように、生体情報測定装置は、第1の運動期間内の理想の運動ペース及び現在のペースの少なくとも一方を被検査体に告知することができる。
【0058】
1.4 動作例
図5は、図2又は図4の測定部10の動作例を表すフローチャートを示す。先ず、測定部10が第1のモードを実施する前に、被検査体は、例えば6分間の歩行を準備する。具体的には、被検査体は、6分間の歩行の前に安静を保ち、第1のモードの設定を準備する。なお、第1のモードが設定される前に、被検査体は、入力部40を操作して、年齢を生体情報測定装置に入力する。年齢が入力部40に入力されると同時に第1のモードが設定されてもよく、第1のモードを設定するための専用の操作ボタン等が押されると同時に第1のモードが設定されてもよい。例えば入力部40が専用の操作ボタン等を有することができる。
【0059】
図5の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、第1のモードが設定されたか否か判定する(ステップS11)。第1のモードが設定されていない場合、測定部10は、再びステップS11を実施する。第1のモードが設定された場合、測定部10は、第1のモードを実施する。測定部10は、第1のモードとして、第1のモードが設定された時からの経過時間を測定する。
【0060】
被検査体は、生体情報測定装置を第1のモードに設定した後、6分間歩行する。理想の運動状態が2[Hz]の運動ペースである場合、被検査体は、6分間、1秒当たり2歩の前進を継続する。生体情報測定装置が告知部70を含む場合、第1のモードが設定されると同時に告知部70は、6分間、「ピッ」というペース音を1秒当たり2回の発鳴を継続することができる。また、告知部70は、6分間、実際の歩数に基づき、「現在の運動ペースは2Hzです。」、「このペースを守って下さい。」、「現在の運動ペースは1.9Hzです。」、「早く歩いて下さい。」、「現在の運動ペースは2.5Hzです。」、「遅く歩いて下さい。」等の現在の運動ペース(理想の運動ペースとの対比を行う現在の運動ペースを含む)を被検査体に告知することができる。
【0061】
図6は、6分間歩行中の脈拍数の変化例を示す。図6の例では、第1のモードが設定された時、即ち、経過時間が0[min]の時、脈拍数は、安静時の脈拍数を示す。なお、経過時間が0[min]を示す時の安静時の脈拍数(測定値)は、図3で示すような年齢から求める安静時の脈拍数(推定値)と異なってもよい。被検査体が歩行を開始すると、脈拍数は上昇し、その後、運動時の脈拍数は、定常状態を示す(図6参照)。定常状態である脈拍数は、被検査体の実際の運動能力に対応させることができる。脈拍数の上昇率には個人差があるので、例えば経過時間が3[min]〜6[min]である範囲を第1の運動期間に定めることができる。測定部10が第1の運動期間内の脈拍数を測定することにより、被検査体の実際の運動能力を評価することができる。なお、例えば経過時間が0[min]〜6[min]である範囲を第1の運動期間に定めてもよく、例えば測定部10が定常状態の有無を判断し、第1の運動期間内の定常状態における脈拍数を測定してもよい。
【0062】
図5の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、第1のモードが設定された時から3分が経過したか否か判定する(ステップS12)。経過時間が3[min]より小さい場合、測定部10は、再びステップS12を実施する。経過時間が3[min]以上である場合、測定部10は、脈拍数を所与の間隔でサンプリングする(ステップS13)。例えば、測定部10は、リアルタイムで脈拍数を測定し、例えば10秒毎に脈拍数を保存する。
【0063】
図5の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、第1のモードが設定された時から6分が経過したか否か判定する(ステップS14)。経過時間が6[min]より小さい場合、測定部10は、再びステップS13を実施する。経過時間が6[min]以上である場合、測定部10は、サンプリングを中止する。測定部10は、経過時間が3[min]〜6[min]である範囲で、例えば18(=3×6)個の脈拍数を保存することができる。
【0064】
図5の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、平均脈拍数を算出する(ステップS15)。測定部10は、例えば18個の脈拍数の平均値を求めることができ、第1の運動期間内の脈拍数(広義には、生体情報)として、この平均値を用いることができる。なお、測定部10は、平均脈拍数の代わりに、定常状態における1つの脈拍数を用いてもよい。
【0065】
図7は、図4の設定部20の動作例を表すフローチャートを示す。図7の例では、設定部20(広義には、生体情報測定装置)は、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])を読み出す(ステップS21)。その後、設定部20(広義には、生体情報測定装置)は、例えば変換部50及び入力部40を介して、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])を例えば年齢に基づき脈拍数(運動強度に関する目標値)に変換する(ステップS22)。設定部20(広義には、生体情報測定装置)は、脈拍数(運動強度に関する目標値)を例えばメモリーに設定する(ステップS23)。
【0066】
図8は、年齢に基づく脈拍数の目標値の設定例を示す。図8に示すように、脈拍数(運動強度に関する目標値)は、例えば、年齢から求めることができる。図8に示すような設定式は、例えば式1、式2及び図3に示すような対応式を用いて、求めることができる。例えば、ユーザーAの年齢が41[才]である場合、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])に相当する111[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される(ステップS23)。また、例えばユーザーBの年齢も41[才]である場合、111[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される(ステップS23)。例えば、ユーザーC及びDの年齢が35[才]である場合、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])に相当する114[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される(ステップS23)。
【0067】
図7の例では、設定部20(広義には、生体情報測定装置)は、例えば比較部60、補正部30及び変換部50を介して、メモリーに設定された脈拍数(運動強度に関する目標値)を補正する必要があるか否か判定する(ステップS24)。脈拍数(運動強度に関する目標値)を補正する必要がない場合、設定部20は、脈拍数(運動強度に関する目標値)を維持する。脈拍数(運動強度に関する目標値)を補正する必要がある場合、設定部20は、メモリーに設定された脈拍数(運動強度に関する目標値)を補正用の脈拍数に書き換える(ステップS25)。
【0068】
図9は、図4の補正部30の動作例を表すフローチャートを示す。図9の例では、補正部30(広義には、生体情報測定装置)は、例えば変換部50及び入力部40を介して、第1の運動期間内の脈拍数(広義には、生体情報)を例えば年齢に基づき運動強度(第1の実測値)に変換する(ステップS31)。補正部30(広義には、生体情報測定装置)は、例えば比較部60を介して、運動強度(第1の実測値)が第1の閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS32)。運動強度(第1の実測値)が第1の閾値よりも小さい場合、補正部30(広義には、生体情報測定装置)は、さらに、運動強度(第1の実測値)が第2の閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS33)。なお、第1の閾値及び第2の閾値は、例えば設定部20に設定されており、比較部60(広義には、補正部30)は、第1の閾値及び第2の閾値を読み出すことができる。
【0069】
運動強度(第1の実測値)が第1の閾値よりも小さく、且つ、運動強度(第1の実測値)が第2の閾値よりも大きい場合、補正部30(広義には、生体情報測定装置)は、例えば変換部50及び入力部40を介して、運動強度(第1の実測値)を例えば年齢に基づき脈拍数(補正用の脈拍数)に変換する(ステップS34)。運動強度(第1の実測値)が第2の閾値以下である場合、補正部30(広義には、生体情報測定装置)は、例えば変換部50及び入力部40を介して、第2の閾値を例えば年齢に基づき脈拍数(補正用の脈拍数)に変換する(ステップS35)。
【0070】
図9の例では、補正部30(広義には、生体情報測定装置)は、例えば変換部50を介して、脈拍数(目標値)の補正を例えば設定部20に指示する(ステップS36)。設定部20は、ステップS34又はステップS35で得られた補正用の脈拍数を用いて、メモリーに設定された脈拍数(目標値)を書き換える(図7のステップS25)。
【0071】
図10は、第1の実測値に基づく脈拍数の目標値の設定例を示す。図10の例では、例えば、41[才]のユーザーAの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数108[bpm]により求められる運動強度37[%])が第1の閾値より小さく第2の閾値よりも大きい場合、第1の実測値に相当する109[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される(図9のステップS34、ステップS36)。例えば、41[才]のユーザーBの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数89[bpm]により求められる運動強度20[%])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値に相当する100[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される(ステップS35、ステップS36)。
【0072】
図10の例では、例えば、35[才]のユーザーCの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数92[bpm]により求められる運動強度21[%])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値に相当する102[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される(図9のステップS35、ステップS36)。例えば、35[才]のユーザーDの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数120[bpm]により求められる運動強度45[%])が第1の閾値以上である場合、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])に相当する114[bpm]が、補正されることなく、そのまま使用される。
【0073】
1.5 変形例
図11は、図2の具体的な構成例の変形例を示す。上述した構成例と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。図2の例では、運動強度と第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方とが比較部60で比較されていた。図11の例では、比較部60は、運動強度の代わりに、第1の運動期間内の脈拍数そのものを用いる。
【0074】
図12は、図4の具体的な構成例の変形例を示す。上述した構成例と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。図4の例では、運動強度と第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方とが比較部60で比較されていた。図12の例では、比較部60は、運動強度の代わりに、第1の運動期間内の脈拍数そのものを用いる。
【0075】
図11の例及び図12の例では、第1の閾値の基準値である例えば40[%]が設定部20に予め設定され、第2の閾値の基準値である例えば30[%]が設定部20に予め設定されている。変換部50(広義には、生体情報測定装置)は、例えば設定部20及び入力部40を介して、予め設定されている基準値(例えば、40[%])を例えば年齢に基づき脈拍数(脈拍数の第1の閾値)に変換する。また、変換部50は、予め設定されている基準値(例えば、30[%])を例えば年齢に基づき脈拍数(脈拍数の第2の閾値)に変換する。
【0076】
図11の例及び図12の例では、比較部60は、第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数そのもの)と第1の閾値(例えば、運動強度=40[%]に相当する脈拍数)及び第2の閾値(例えば、運動強度=30[%]に相当する脈拍数)の少なくとも一方を比較することができる。
【0077】
図11の例では、補正部30は、変換部50を介して、目標値(例えば、運動強度=40[%])を補正する。図11の例では、第1の実測値が第1の閾値(例えば、運動強度=40[%]に相当する脈拍数)よりも小さい場合、変換部50は、第1の実測値を運動強度に変換する。補正部30は、メモリーに保持されている運動強度の目標値を第1の実測値(変換部50において得られた補正用の運動強度)に補正する。また、第1の実測値が第2の閾値(例えば、運動強度=30[%]に相当する脈拍数)以下である場合、変換部50は、第2の閾値を運動強度に変換する。補正部30は、メモリーに保持されている脈拍数の目標値を第2の閾値(変換部50において得られた補正用の運動強度)に補正する。
【0078】
図12の例では、補正部30は、比較部60の比較結果に基づき、目標値(例えば、運動強度=40[%]に相当する脈拍数)を補正する。第1の実測値が第1の閾値よりも小さい場合、補正部30は、目標値を第1の実測値(補正用の脈拍数)に補正する。第1の実測値が第2の閾値以下である場合、補正部30は、目標値を第2の閾値(補正用の脈拍数)に補正する。
【0079】
図13(A)、図13(B)、図13(C)は、第1の実測値に基づく脈拍数の目標値の他の設定例を示す。図13(A)は、図2に対応し、図13(B)は、図11に対応し、図13(C)は、図12に対応する。
【0080】
図13(A)の例では、例えば、41[才]のユーザーAの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数108[bpm]により求められる運動強度37[%])が第1の閾値より小さく第2の閾値よりも大きい場合、第1の実測値37[%]が、運動強度(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。例えば、41[才]のユーザーBの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数89[bpm]により求められる運動強度20[%])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値30[%]が、運動強度(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。
【0081】
図13(A)の例では、例えば、35[才]のユーザーCの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数92[bpm]により求められる運動強度21[%])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値30[%]が、運動強度(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。例えば、35[才]のユーザーDの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数120[bpm]により求められる運動強度45[%])が第1の閾値以上である場合、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])が、補正されることなく、そのまま使用される。
【0082】
図13(B)の例では、例えば、41[才]のユーザーAの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数108[bpm])が第1の閾値より小さく第2の閾値よりも大きい場合、第1の実測値に相当する37[%]が、運動強度(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。例えば、41[才]のユーザーBの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数89[bpm])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値に相当する30[%]が、運動強度(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。
【0083】
図13(B)の例では、例えば、35[才]のユーザーCの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数92[bpm])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値に相当する30[%]が、運動強度(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。例えば、35[才]のユーザーDの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数120[bpm])が第1の閾値以上である場合、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])が、補正されることなく、そのまま使用される。
【0084】
図13(C)の例では、例えば、41[才]のユーザーAの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数108[bpm])が第1の閾値より小さく第2の閾値よりも大きい場合、第1の実測値108[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。例えば、41[才]のユーザーBの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数89[bpm])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値100[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。
【0085】
図13(C)の例では、例えば、35[才]のユーザーCの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数92[bpm])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値に相当する102[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。例えば、35[才]のユーザーDの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数120[bpm])が第1の閾値以上である場合、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])に相当する114[bpm]が、補正されることなく、そのまま使用される。
【0086】
1.6 ゾーンの設定
図10、図13(A)、図13(B)、図13(C)に示すように、設定部20に設定される運動強度に関する目標値の単位は、運動強度そのものでもよく、運動強度に相当する脈拍数(広義には、測定部10によって測定される生体情報)でもよい。図2、図4、図11、図12において、運動強度の目的値としての40[%]又は脈拍数の目標値としての40[%]に相当する脈拍数が設定部20に予め設定されていた。
【0087】
しかしながら、上述の通り、運動強度の目標値に関して、例えば運動強度の範囲が40[%]〜70[%]であるゾーンの下限値(40[%])だけでなく、ゾーンの上限値(70[%])も、設定部20に予め設定することができる。同様に、心拍数の目標値に関して、ゾーンの下限値(40[%]に相当する脈拍数)だけでなく、ゾーンの上限値(70[%]に相当する脈拍数)を設定部20に予め設定することができる。
【0088】
図14は、第1の実測値に基づくゾーンの設定例を示す。図14は、図10に対応し、ゾーンの上限値を加えたものである。図14の例では、第1の実測値(第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力)に基づきゾーンの下限値を補正する場合であっても、ゾーンの上限値はそのまま使用することができる。即ち、41[才]のユーザーAのゾーンは、111[bpm]〜145[bpm]の範囲の代わりに109[bpm]〜145[bpm]の範囲を有するように補正される。41[才]のユーザーBのゾーンは、111[bpm]〜145[bpm]の範囲の代わりに100[bpm]〜145[bpm]の範囲を有するように補正される。35[才]のユーザーCのゾーンは、114[bpm]〜150[bpm]の範囲の代わりに102[bpm]〜150[bpm]の範囲を有するように補正される。35[才]のユーザーDのゾーンは、114[bpm]〜150[bpm]の範囲をそのまま有するように補正されない。
【0089】
2. 第2のモード(第1の運動期間後の第2の運動期間)
2.1 基本構成
図15は、本実施形態の生体情報測定装置の他の構成例を示す。図15の例は、第1の運動期間後の第2の運動期間(広義には、第2のモード)に対応する構成例である。設定部20に設定される運動強度に関する目標値は、図1に示されるように、補正部30により、必要に応じて、補正されている。また、上述した構成例と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0090】
第1のモードにおいて、運動強度に関する目標値は、第1の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第1の実測値を考慮して、設定されている。従って、第1の運動期間後、即ち、運動強度に関する目標値が適正に設定された後、第2のモードにおいて、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、ゾーン(目標値)との関係において、被検査体の散歩等の運動状態を適正に評価することができる。
【0091】
図15の例では、告知部70(第2の告知部に相当)は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値に基づいて、運動強度に関するゾーン内の現在の位置を被検査体に告知する。第2の実測値の単位は、運動強度そのものでもよく、測定部10によって測定される生体情報(例えば、脈拍数)でもよい。例えば30分間、被検査体(例えば、ユーザーA)に散歩させ、その運動期間中の脈拍数を測定する。第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報(散歩を開始してから例えば10分後の脈拍値)が、例えば123[bpm]である場合、第2の実測値は、例えば123[bpm]である。また、123[bpm]に相当する運動強度が、例えば50[%]である場合、第2の実測値は、例えば50[%](=123[bpm])でもよい。告知部70は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の被検査体の実際の運動能力(例えば、脈拍数123[bpm]=運動強度50%)を被検査体に告知することができる。
【0092】
2.2 告知例
図16(A)、図16(B)は、運動強度に関するゾーン内の現在の位置の告知例を示す。図16(A)、図16(B)は、告知部70の例として、例えば液晶ディスプレイ等の表示部を表している。また、図16(A)、図16(B)において、生体情報測定装置の外観例が示され、生体情報測定器は、生体情報測定器を被検査体(ユーザー)の腕(狭義には、手首)に取り付け可能なリストバンド150をさらに含むことができる。
【0093】
運動強度に関するゾーンが、例えば図14のユーザーAの脈拍数のゾーン(109[bpm]〜145[bmp]=37[%]〜70[%])である場合、告知部70は、第2の実測値(例えば123[bpm])が運動強度に関するゾーン内のどこに位置するのかユーザーAに告知することができる。図16(A)の例では、運動強度に関するゾーン内の現在の位置は、例えば以下の式4を用いて表されている。
【0094】
【数4】
【0095】
式4において、Yは、第2の実測値であり、ZMINは、ゾーンの下限値であり、ZMAXは、ゾーンの上限値である。Xは、ゾーン内の位置を示す。また、YがZMAXを示す時にXが1を示すように、式4のXは、正規化されている。
【0096】
図16(A)の例では、現在の位置Xがバーレベル表示されている。図16(A)の例では、告知部70(表示部)の横方向のバーの長さが、運動強度に関するゾーン内の現在の位置X(=(123[bpm]−109[bpm])/(145[bmp]−109[bpm])=0.39)に対応する。被検査体は、バーの長さを知覚することより、第1の運動期間後の第2の運動期間内の被検査体の実際の運動能力を把握することができる。
【0097】
図16(B)の例では、運動強度に関するゾーン内の現在の位置がスコアリングされている。例えば第2の実測値がゾーンの下限値に一致する場合には、0[点]と表示することができる。また、例えば第2の実測値がゾーンの上限値に一致する場合には、100[点]と表示することができる。図16(B)の例では、第2の実測値(例えば123[bpm])が39[点]として、スコアリングされている。図16(B)の例では、スコアの値が、例えば式4で示される運動強度に関するゾーン内の現在の位置X(=0.39)に対応する。被検査体は、スコアの値を知覚することより、第1の運動期間後の第2の運動期間内の被検査体の実際の運動能力を把握することができる。
【0098】
告知部70の形態は、図16(A)、図16(B)に限定されず、運動強度に関するゾーン内の現在の位置を例えば音声等で出力してもよい。なお、図16(A)、図16(B)に示すように、告知部70は、第2の実測値(現在の脈拍数=123[bpm])を表示することができる。
【0099】
図17(A)、図17(B)、図17(C)、図17(D)は、運動強度に関するゾーンの分割例を示す。図17(A)、図17(C)は、例えば図14のユーザーAのゾーンに対応し、図17(B)、図17(D)は、例えば図14のユーザーBのゾーンに対応する。図17(A)の例では、生体情報測定装置は、第1の実測値(脈拍数109[bpm]=運動強度37[%]))に基づいて、運動強度に関するゾーン(運動強度37[%]〜70[%])を2つの領域(合格領域、グッド領域)を分割する。言い換えれば、運動強度に関する当初の第1の領域(運動強度40[%]〜70[%]:第1の閾値からゾーンの上限値まで)に、第1の閾値(運動強度40[%])に基づき第2の領域(運動強度37[%]〜40[%]:第1の実測値から第1の閾値まで)が加えられる。図17(B)の例では、生体情報測定装置は、第1の閾値(運動強度40[%])に基づいて、運動強度に関するゾーン(運動強度30[%]〜70[%])を2つの領域(合格領域(第2の領域:第2の閾値から前記第1の閾値まで)、グッド領域(第1の領域:第1の閾値からゾーンの上限値まで))に分割する。図17(A)、図17(B)のグッド領域に相当する当初の第1の領域(運動強度40[%]〜70[%])は、図17(C)、図17(D)に示すように、3つの領域(グッド領域、ベター領域、ベスト領域)に分割することができる。3つの領域は、当初の第1の領域内の第1の副領域、第2の副領域及び第3の副領域と呼ぶことができる。なお、第1の領域をあまり細かく分割する場合、運動時に例えば脈拍数(第2の実測値)をその分割された1つの副領域に入れることが難しくなるため、好ましくは、第1の領域を2〜3の副領域に分割する。
【0100】
このように、生体情報測定装置は、第1の閾値に基づいて、運動強度に関するゾーンを複数の領域に分割することができる。なお、例えば図14のユーザーDのゾーンのように、第1の実測値に基づいてゾーンの下限値が補正されない場合、生体情報測定装置は、運動強度に関するゾーン(運動強度40[%]〜70[%])そのものだけを用いてもよい。但し、図17(C)、図17(D)に示すように、ユーザーDのゾーンを複数の副領域、即ち3つの領域(グッド領域、ベター領域、ベスト領域)に分割してもよい。
【0101】
図18(A)、図18(B)、図18(C)、図18(D)、図18(E)は、第2の実測値の告知例を示す。告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が第1の領域又は第2の領域の何れか一方に属するのかを被検査体に告知することができる。また、第2の領域が存在しない場合、告知部70は、第2の実測値が第1の領域に属することを被検査体に告知する。なお、第1の領域が複数の副領域を含む場合、告知部70は、第2の実測値がどの副領域に属するのかを被検査体に告知してもよい。代替的に、告知部70は、第2の実測値が副領域の何れか1つ(例えば、複数の副領域の中で運動強度が最も高い副領域)に属するのかを被検査体に告知してもよい。
【0102】
図18(A)の例では、第2の実測値(例えば、脈拍数123[bmp]=運動強度50[%])が第1の閾値以上であり、且つゾーンの上限値以下であるので、例えば図17(A)のグッド領域(運動強度40[%]〜70[%])であることを示している。また、図18(B)の例では、第2の実測値(例えば、脈拍数100[bmp]=運動強度39[%])が第2の閾値又は第1の実測値以上であり、且つ第1の閾値未満であるので、例えば図17(A)の合格領域(運動強度37[%]〜40[%])であることを示している。合格領域は、当初のゾーンに追加された領域であるので、被検査体は、より高い領域に向けて、散歩等の運動ペースを増加させることができる。
【0103】
また、告知部70は、図18(C)に示すように、第2の実測値が複数の領域のどの領域に属するのかを被検査体に告知するとともに、運動強度に関するゾーン内の現在の位置の履歴も被検査体に告知することができる。或いは、告知部70は、第2の実測値が複数の領域のどの領域に属するのかを被検査体に告知するとともに、例えば図16(A)で示すような運動強度に関するゾーン内の現在の位置も被検査体に告知することができる。図18(C)の例では、ゾーンの上限値(例えば、脈拍数145[bmp]=運動強度70[%])及び下限値(例えば、脈拍数109[bmp]=運動強度37[%])が点線で示されている。また、図18(C)の例では、運動強度に関するゾーン内の現在の位置の履歴は、第2の実測値(脈拍数)が徐々に減少していることを示し、最近の現在の位置は、黒い縦方向のバーで描かれている。
【0104】
さらに、告知部70は、図18(D)、図18(E)に示すように、第2の実測値が例えば図17(C)、図17(D)に示されるようなベスト領域(広義には、複数の副領域の中の1つの副領域)に属するのかを被検査体に告知することができる。図18(D)の例では、第2の実測値(例えば、脈拍数139[bmp]=運動強度65[%])は、第1の閾値以上であり、かつゾーンの上限値以下であり、複数の副領域のうちの例えば図17(C)のベスト領域であることを示している。図18(E)の例では、第2の実測値(例えば、脈拍数128[bmp]=運動強度55[%])は、複数の副領域のうちの例えば図17(C)のベスト領域未満であるので、ベスト領域に入っていないことを被検査体に告知することができる。複数の副領域の中で運動強度が最も高い副領域に入っているか否かを提示することによって、被検査体は、より高い運動強度での運動を実施することができる。
【0105】
2.3 第1の構成例
図19は、図15の生体情報測定装置の具体的な構成例を示す。図19の例では、生体情報測定装置が脈拍計であるが、生体情報測定装置の具体的な構成例は、図19に限定されない。また、上述した構成例と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0106】
図19に示すように、生体情報測定装置は、入力部40、変換部50及び判定部80をさらに含むことができる。変換部50及び判定部80は、測定部10及び設定部20と同様に、例えばゲートアレイ等のASICで構成することができる。また、変換部50及び判定部80の全部又は一部の機能を測定部10、設定部20及び告知部70の少なくとも1つで実現してもよい。
【0107】
入力部40は、第1のモードと同様に機能する。第2のモードにおいて、生体情報測定装置は、第1のモードにおいて入力部40に入力された年齢を用いることができる。なお、第2のモードにおいて、既知の生体情報パラメーターとして、例えば年齢が入力部40に再度入力されてもよい。
【0108】
図19の例では、第2のモードにおいて、変換部50は、測定部10からの脈拍数及び入力部40からの年齢に基づき、例えば式1、式2及び図3に示すような対応式を用いて、運動強度を得ることができる。変換部50において得られた運動強度は、第2の実測値(第1の運動期間後の第2の運動期間内の被検査体の実際の運動能力)である。
【0109】
図19の例では、第1のモードと同様に、運動強度の第1の閾値として、例えば40[%]が設定部20に予め設定されている。また、第1のモードが実施された後、ゾーン(目標値)が、例えばメモリーに保持されている。図19の例では、第2のモードにおいて、判定部80は、第1の閾値に基づいて、運動強度に関するゾーンを複数の領域に分割し、第2の実測値が複数の領域のどの領域に属するのか判定することができる。
【0110】
図19の例では、第2のモードにおいて、告知部70は、判定部80の判較結果、即ち、第2の実測値(現在の運動強度)が複数の領域のどの領域に属するのかを被検査体に告知することができる。また、図19の例では、第2のモードにおいて、告知部70は、運動強度に関するゾーンを第2の実測値(現在の運動強度)に関連付けることにより、運動強度に関するゾーン内の現在の位置を被検査体に告知することができる。さらに、図19の例では、現在の脈拍数を被検査体に告知することができる。
【0111】
2.4 動作例
図20は、図19の測定部10の動作例を表すフローチャートを示す。図20の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、第2のモードが設定されたか否か判定する(ステップS41)。第2のモードが設定されていない場合、測定部10は、再びステップS41を実施する。例えば、第2のモードを設定するための専用の操作ボタン等が押されると同時に第2のモードを設定することができる。
【0112】
図20の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、第1のモードが実施されたか否か判定する(ステップS42)。第1のモードが実施されていない場合、被検査体は、例えば6分間の歩行を準備し、生体情報測定装置を第1のモードに設定する必要がある。第1のモードが実施されている場合、被検査体は、例えば30分間、散歩することができ、測定部10は、第2のモードにおいて、その運動期間中の脈拍数を測定することができる。被検査体は、何時間散歩してもよく、また、ジョギング等の好きな運動をしてもよい。なお、被検査体が生体情報測定装置を第2のモードに設定した後、告知部70は、「運動を開始して下さい。」等の催促を被検査体に告知してもよい。
【0113】
図20の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、脈拍数を所与の間隔でサンプリングする(ステップS43)。測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、第2のモードが解除されたか否か判定する(ステップS44)。第2のモードが解除されていない場合、測定部10は、再びステップS43を実施する。例えば、測定部10は、リアルタイムで脈拍数を測定し、第2のモードが解除されるまでの間、例えば10秒毎に脈拍数を保存することができる。例えば、第2のモードを設定するための専用の操作ボタンが再度押されると同時に第2のモードを解除することができる。或いは、第2のモードを解除するための専用の解除操作ボタン等が押されると同時に第2のモードを解除することができる。なお、測定部10は、第2のモードが設定された時からの経過時間を測定してもよく、経過時間が例えば2時間を示した時に、第2のモードを自動的に解除してもよい。
【0114】
図21は、図19の告知部70の動作例を表すフローチャートを示す。図21の例では、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、例えば測定部10でサンプリングされた脈拍数を読み出し、読み出した脈拍数を被検査体に告知する(ステップS51、ステップS52)。図20のステップS43で、例えば10秒毎に脈拍数が保存される場合、図21のステップS51、ステップS52において、告知部70は、10秒毎に脈拍数を更新し、現在の脈拍数を例えば図16(A)等で示されるように表示することができる。なお、告知部70の形態は、図16(A)等に限定されず、現在の脈拍数を例えば音声等で出力してもよい。
【0115】
図21の例では、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、例えば測定部10でサンプリングされた脈拍数に相当する運動強度がゾーン内のどこに位置するのかを被検査体に告知する(ステップS53)。第2の実測値の単位として、脈拍数を用いることもできるが、図19、図21の例では、第2の実測値の単位として、運動強度を用いている。第2の実測値の単位として、運動強度を用いる場合、告知部70は、例えば変換部50を介して、測定部10でサンプリングされた脈拍数を運動強度(第2の実測値)に変換することができる。運動強度に関するゾーンの単位として、脈拍数を用いることもできるが、図19、図21の例では、運動強度に関するゾーンの単位として、運動強度そのものを用いている。言い換えれば、例えば設定部20のメモリーに、図14に示すような脈拍数のゾーンを設定することもできるが、運動強度のゾーンを用いている。図21の例では、告知部70は、例えば設定部20から読み出された運動強度のゾーンの上限値及び下限値、並びに、測定部10でサンプリングされた脈拍数に相当する運動強度(第2の実測値)を式4に代入して、運動強度に関するゾーン内の現在の位置を得ることができる。告知部70は、現在の位置を例えば図16(A)等で示されるように表示することができる。
【0116】
図21の例では、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、例えば判定部80及び設定部20を介して、運動強度のゾーンの下限値が第1の閾値(例えば、運動強度40[%])よりも小さいか否かを判定する(ステップS54)。即ち、告知部70は、運動強度のゾーンの下限値(目標値)が第1のモードで補正されたか否かを判定することができる。運動強度のゾーンの下限値が第1の閾値よりも小さく、補正された場合、例えば図17(C)に示すように、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、例えば判定部80を介して、運動強度のゾーンを4つの領域(合格領域、グッド領域、ベター領域、ベスト領域)に分割する(ステップS55)。運動強度のゾーンの下限値が第1の閾値以上であり、補正されていなかった場合、告知部70は、例えば判定部80を介して、運動強度のゾーンを3つの領域に分割する(ステップS56)。運動強度のゾーンの下限値が補正されていなかった場合、例えば図17(C)に示すような合格領域が存在しないので、第1の領域(運動強度40[%]〜70[%])を3つの領域(グッド領域、ベター領域、ベスト領域)に分割することができる。
【0117】
図21の例では、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、例えば判定部80を介して、測定部10でサンプリングされた脈拍数に相当する運動強度(第2の実測値)が複数の領域のどの領域に属するのか判定し、判定結果を被検査体に告知する(ステップS57)。告知部70は、判定結果を例えば図18(B)等で示されるように表示することができる。判定結果が合格領域を示す場合、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、「もう少し運動ペースを上げるとグッド領域に入ります。」等の支援を音声等で実施してもよい。判定結果がどの領域も示さない場合、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、「適正な運動ペースではありません。」等の警告を音声等で実施してもよい。警告は、アラーム音等の音声の出力でもよく、赤色等の発光の出力でもよく、振動の出力でもよい。
【0118】
2.5 変形例
図19の例において、設定部20のメモリーに、図4に示すように脈拍数のゾーンが設定されていると仮定すれば、図19の告知部70は、測定部10でサンプリングされた脈拍数そのものを第2の実測値として取り扱ってもよい。即ち、図19の告知部70を変形し、例えば設定部20から読み出された脈拍数のゾーンの上限値及び下限値、並びに、測定部10でサンプリングされた脈拍数(第2の実測値)を式4に代入して、運動強度に関するゾーン内の現在の位置を得てもよい。このように、告知部70が取り扱う単位は、脈拍数でもよく、運動強度でもよい。
【0119】
3 電子機器
脈拍計等の生体情報測定装置は、時計、携帯電話、ページャー、パーソナルコンピューター等の電子機器に組み込まれてもよく、又は電子機器と組み合わせてもよい。生体情報測定装置の一部、例えば図2の補正部30、変換部50、比較部60、図19の判定部80等は、例えば生体情報検出器を組み込む電子機器のMPU(Micro Processing Unit)で構成してもよい。
【0120】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0121】
10 測定部、 20 設定部、 30 補正部、 40 入力部、 50 変換部、
60 比較部、 70 告知部(第1の告知部、第2の告知部)、 80 判定部、
150 リストバンド
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報測定装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば人間が散歩をする時の運動強度は、心拍数(広義には、生体情報)を用いて表すことができる。このような運動強度は、例えばカルボーネン法等の評価式によって評価することができる。心拍数は、通常、脈拍数(広義には、生体情報)と一致するので、心拍数の代わりに脈拍数を用いることができる。言い換えれば、生体情報測定装置の一例として脈拍数を測定する脈拍計は、心拍計と呼ばれることがある。また、心拍数又は脈拍数の代わりに、例えば酸素摂取量、血中乳酸濃度等の生体情報に基づき運動強度を評価してもよい。言い換えれば、運動強度に換算可能な生体情報として、例えば酸素摂取量、血中乳酸濃度等を用いてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3421738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、運動時の心拍数(広義には、運動強度)が適正な心拍数の範囲(広義には、ゾーン)内であるか否かをユーザー(広義には、被検査体)に告知する装置を開示する。特許文献1は、心拍数を用いているが、例えば、心拍数の上昇率、心拍数の下降率等の実際の運動能力には個人差が大きいという問題がある。従って、同じ年齢(広義には、生体情報パラメーター)を前提とする場合であっても、特許文献1の請求項1の[数1]に示されるような固定の評価式では、適正な心拍数の範囲を設定することは困難である。例えば、適正な心拍数の範囲の下限値(広義には、目標値)が高く設定されてしまう場合、運動時の心拍数が適切な心拍数の範囲に到達し難い。このような状況では、運動に対する動機付けができない。
【0005】
本発明の幾つかの態様によれば、運動に対する動機付けができる生体情報測定装置を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、運動強度に関する目標値を設定する設定部と、
運動強度に換算可能な生体情報を測定する測定部と、
第1の運動期間内に前記測定部にて測定された生体情報により求められる運動強度に関する第1の実測値に基づいて、前記目標値を補正する補正部と、を含むことを特徴とする生体情報測定装置に関係する。
【0007】
本発明の一態様によれば、運動強度に関する目標値は、第1の運動期間内の運動強度に関する第1の実測値に基づいて補正される。このように、第1の運動期間内の第1の実測値(即ち、第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力)が考慮されている。被検査体の実際の運動能力として、例えば、第1の運動期間内の脈拍数を考慮することが可能になり、運動に対する動機付けができる。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記補正部は、既知の生体情報パラメーターに基づいて、前記第1の実測値を取得してもよい。
【0009】
このように、既知の生体情報パラメーターに基づいて、第1の実測値をより正確に得ることができる。なお、既知の生体情報パラメーターに基づいて、目標値をより正確に得てもよく、本発明の一態様では、前記設定部は、既知の生体情報パラメーターに基づいて、前記目標値を取得してもよい。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記第1の実測値が第1の閾値よりも小さい場合、前記補正部は、前記目標値を前記第1の実測値に補正してもよい。
【0011】
このように、目標値として第1の実測値を用いることにより、第1の運動期間後の運動時の生体情報は、容易に目標値に到達できる。従って、運動に対する動機付けができる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記第1の実測値が、前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以下である場合、前記補正部は、前記目標値を前記第2の閾値に補正してもよい。
【0013】
このように、目標値として第2の閾値を用いることにより、目標値が低く設定されることを防止することができる。
【0014】
また、本発明の一態様では、生体情報測定装置は、前記第1の運動期間内の理想の運動ペース及び現在のペースの少なくとも一方を被検査体に告知する第1の告知部をさらに含んでもよい。
【0015】
このように、第1の運動期間内の理想の運動ペース及び現在の運動ペースの少なくとも一方を提示することにより、被検査体は、理想の運動ペースを守ったり、現在のペースを理想の運動ペースに近づけることができる。その結果、生体情報測定装置は、第1の運動期間内の第1の実測値(即ち、第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力)をより正確に把握することができる。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であってもよく、
生体情報測定装置は、前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値に基づいて、前記ゾーン内の現在の位置を被検査体に告知する第2の告知部をさらに含んでもよい。
【0017】
このように、運動強度に関するゾーン内の現在の位置を提示することにより、被検査体は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の現在の運動強度の評価値を把握することができる。なお、生体情報測定装置が第1の告知部を含む場合、第2の告知部は、第1の告知部であってもよい。即ち、第1の告知部が運動ペース及び現在のペースの少なくとも一方を被検査体に告知するとともに、現在の位置も被検査体に告知してもよい。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であってもよく、
前記ゾーンは、前記第1の閾値から前記ゾーンの上限値までの第1の領域を有してもよく、
前記第1の領域は、複数の副領域に分割されてもよく、
前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が前記第1の領域の前記複数の副領域の何れか1つに属するのかを前記被検査体に告知する告知部をさらに含んでもよい。
【0019】
このように、運動強度に関するゾーン内の第1の領域における1つの副領域であるか否かを提示することにより、被検査体は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の現在の運動強度を把握することができる。
【0020】
また、本発明の一態様では、前記複数の副領域の前記何れか1つは、前記複数の副領域の中で前記運動強度が最も高い副領域であってもよい。
【0021】
このように、複数の副領域の中で運動強度が最も高い副領域であるか否かを提示することにより、被検査体は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の現在の運動強度が高いレベルであるか否かを把握することができる。
【0022】
また、本発明の一態様では、前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であってもよく、
前記ゾーンは、前記第1の閾値から前記ゾーンの上限値までの第1の領域と前記第2の閾値又は前記第1の実測値から前記第1の閾値までの第2の領域とに分割されてもよく、
生体情報測定装置は、前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が前記第1の領域又は前記第2の領域の何れか一方に属するのかを前記被検査体に告知する告知部をさらに含んでもよい。
【0023】
このように、被検査体は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の現在の運動強度を評価することが可能となり、被検査体は、例えば、第2の領域から第1の領域に変わるように、運動ペースを増加させることができる。なお、告知部は、上記第1の告知部及び上記第2の告知部の少なくとも一方の機能を実施してもよい。
【0024】
また、本発明の一態様では、前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であってもよく、
前記ゾーンは、前記第1の閾値から前記ゾーンの上限値までの第1の領域と前記第1の実測値から前記第1の閾値までの第2の領域とに分割されてもよく、
生体情報測定装置は、は、前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が前記第1の領域又は前記第2の領域の何れか一方に属するのかを前記被検査体に告知する告知部をさらに含んでもよい。
【0025】
このように、被検査体は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の現在の運動強度を評価することが可能となり、被検査体は、例えば、第2の領域から第1の領域に変わるように、運動ペースを増加させることができる。
【0026】
また、本発明の一態様では、前記測定部は、前記生体情報として、脈拍数又は心拍数を測定してもよく、
前記補正部は、前記第1の運動期間内に前記測定部にて測定された脈拍数又は心拍数により求められる前記第1の実測値に基づいて、前記目標値を補正してもよい。
【0027】
このように、生体情報として脈拍数又は心拍数を用いることができる。運動に対する動機付けができる生体情報測定装置(脈拍計又は心拍計)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態の生体情報測定装置の構成例。
【図2】図1の生体情報測定装置の具体的な構成例。
【図3】年齢と安静時の脈拍数との対応例。
【図4】図1の生体情報測定装置の他の具体的な構成例。
【図5】図2又は図4の測定部の動作例を表すフローチャート。
【図6】6分間歩行中の脈拍数の変化例。
【図7】図4の設定部の動作例を表すフローチャート。
【図8】年齢に基づく脈拍数の目標値の設定例。
【図9】図4の補正部の動作例を表すフローチャート。
【図10】第1の実測値に基づく脈拍数の目標値の設定例。
【図11】図2の具体的な構成例の変形例。
【図12】図4の具体的な構成例の変形例。
【図13】図13(A)、図13(B)、図13(C)は、第1の実測値に基づく脈拍数の目標値の他の設定例。
【図14】第1の実測値に基づくゾーンの設定例。
【図15】本実施形態の生体情報測定装置の他の構成例。
【図16】図16(A)、図16(B)は、運動強度に関するゾーン内の現在の位置の告知例。
【図17】図17(A)、図17(B)、図17(C)、図17(D)は、運動強度に関するゾーンの分割例。
【図18】図18(A)、図18(B)、図18(C)、図18(D)、図18(E)は、第2の実測値の告知例。
【図19】図15の生体情報測定装置の具体的な構成例。
【図20】図19の測定部の動作例を表すフローチャート。
【図21】図19の告知部の動作例を表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0030】
1. 第1のモード(第1の運動期間)
1.1 基本構成
図1は、本実施形態の生体情報測定装置の構成例を示す。図1の例は、第1の運動期間(広義には、第1のモード)に対応する構成例であり、第1の運動期間後の第2の運動期間内(広義には、第2のモード)に対応する構成例については、後述する。図1に示すように、生体情報測定装置は、測定部10、設定部20及び補正部30を含む。測定部10は、生体情報を測定する。生体情報は、例えば、脈拍数であり、脈拍数を測定する測定部10を含む生体情報測定装置は、脈拍計と呼ぶことができる。また、測定部10は、例えば特許文献1のように心拍数を測定してもよく、運動強度に換算可能な酸素摂取量、血中乳酸濃度等を測定してもよい。
【0031】
設定部20は、運動強度に関する目標値を設定する。目標値の単位は、運動強度そのものでもよく、測定部10によって測定される生体情報(例えば、脈拍数)でもよい。健康の維持や増進に向けた生活習慣改善のための散歩等の運動を行う際、運動強度が例えば40[%]〜70[%]の範囲にある場合、その運動は、有酸素運動であることが知られている。従って、設定部20は、例えば運動強度の範囲が40[%]〜70[%]であるゾーンの下限値(40[%])を目標値として設定することができる。
【0032】
また、運動強度は、カルボーネン法等の評価式によって、運動強度に換算可能な生体情報で表すこともできるので、設定部20は、ゾーンの下限値(例えば、40[%])に相当する脈拍数(例えば、111[bpm])を目標値として設定してもよい。さらに、運動強度に関する目標値は、有酸素運動以外の運動を対象としてもよく、また、運動強度に関する目標値は、ゾーンの上限値であってもよく、ゾーンそのものでもよい。
【0033】
補正部30は、第1の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第1の実測値に基づいて、目標値(例えば、111[bpm]=40[%])を補正する。第1の実測値の単位は、運動強度そのものでもよく、測定部10によって測定される生体情報(例えば、脈拍数)でもよい。例えば6分間、被検査体(例えば、ユーザーA)に歩行させ、その運動期間中の脈拍数を測定する。第1の運動期間内の生体情報が、例えば108[bpm]である場合、第1の実測値は、例えば108[bpm]である。また、108[bpm]に相当する運動強度が、例えば37[%]である場合、第1の実測値は、例えば37[%](=108[bpm])でもよい。補正部30は、第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力(例えば、108[bpm]=37%)を考慮して、目標値(例えば、111[bpm]=40[%])を補正することができる。
【0034】
ユーザーAにとって、例えば108[bpm]の脈拍数に到達し易い一方、当初の目標値である111[bpm]には到達し難い場合もある。言い換えれば、被検査体の運動が、当初の目標値である111[bpm]に厳密に到達していなくとも、健康の維持や増進に向けた生活習慣改善という目的に合致していれば、例えば108[bpm]の脈拍数に相当する運動を「合格」とみなすことができる。このような場合、運動に対する動機付けができる生体情報測定装置(狭義には、脈拍計)をユーザーAに提供することができる。
【0035】
具体的には、第1の実測値(例えば、108[bpm]=37%)が第1の閾値(例えば、111[bpm]=40[%])よりも小さい場合、補正部30は、目標値(例えば、111[bpm]=40[%])を第1の実測値(例えば、108[bpm]=37%)に補正することができる。第1の閾値は、例えば目標値であり、第1の閾値の単位は、運動強度そのものでもよく、測定部10によって測定される生体情報(例えば、脈拍数)でもよい。例えば、目標値が111[bpm]であり、第1の閾値が40[%]であってもよい。目標値として第1の実測値を用いることにより、第1の運動期間後の第2の運動期間内の運動時の生体情報は、容易に目標値に到達できる。従って、運動に対する動機付けができる。
【0036】
また、ユーザーBの第1の運動期間内の生体情報が、例えば89[bpm]である場合、第1の実測値は、例えば89[bpm]である。第1の実測値(例えば、89[bpm]=20%)が第2の閾値(例えば、100[bpm]=30%)以下である場合、補正部30は、目標値(例えば、111[bpm]=40[%])を第2の閾値(例えば、100[bpm]=30%)に補正してもよい。第2の閾値は、例えば第1の閾値より小さく設定することができ、第2の閾値の単位は、運動強度そのものでもよく、測定部10によって測定される生体情報(例えば、脈拍数)でもよい。目標値として第2の閾値を用いることにより、目標値が低く設定されることを防止することができる。言い換えれば、ユーザーBにとって、例えば89[bpm]の脈拍数に到達し易い場合であっても、健康の維持や増進に向けた生活習慣改善という目的に合致していなければ、「不合格」とみなすことができる。但し、当初の目標値である111[bpm](=40[%])に達することで「合格」とする場合と比べて、第2の閾値(例えば、100[bpm]=30%)に達することで「合格」とすることで、ユーザーBに関して、運動に対する動機付けができる。
【0037】
図1の例では、測定部10、設定部20及び補正部30で生体情報測定装置が構成されているが、測定部10、設定部20及び補正部30は、例えばゲートアレイ等のASICで構成することができる。また、測定部10、設定部20及び補正部30の全部又は一部をコンピューター(広義には、処理部及び記憶部を含む装置)で構成してもよい。処理部は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)である。記憶部は、処理部(狭義には、測定部10、設定部20及び補正部30の全部又は一部)のワーク領域となるものであり、記憶部は、例えば、メモリー、HDD(ハードディスクドライブ)等である。生体情報測定装置は、例えば、プログラム、データ等を格納する情報記憶媒体(コンピューターにより読み取り可能な媒体)を有することができ、情報記憶媒体は、例えば、メモリーカード、光ディスク等である。処理部は、情報記憶媒体又は記憶部に格納されるプログラムに基づいて、種々の処理を行うことができる。即ち、情報記憶媒体又は記憶部には、測定部10、設定部20及び補正部30の全部又は一部として、コンピューターを機能させるためのプログラムが記憶されてもよい。
【0038】
1.2 第1の構成例
図2は、図1の生体情報測定装置の具体的な構成例を示す。図2の例では、生体情報測定装置が脈拍計であるが、生体情報測定装置の具体的な構成例は、図2に限定されない。また、上述した構成例と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図2に示すように、生体情報測定装置は、入力部40、変換部50及び比較部60をさらに含むことができる。入力部40は、例えば、操作ボタン、タッチパネル等である。変換部50及び比較部60は、測定部10、設定部20及び補正部30と同様に、例えばゲートアレイ等のASICで構成することができる。また、変換部50及び比較部60の全部又は一部の機能を測定部10、設定部20及び補正部30の少なくとも1つで実現してもよい。
【0040】
図2の例では、既知の生体情報パラメーターとして、例えば年齢が入力部40に入力される。変換部50は、測定部10からの脈拍数を運動強度に変換する。変換部50は、脈拍数と運動強度との間の換算式を有してもよく、脈拍数と運動強度との間の換算結果を格納するLUT(ルックアップテーブル)を有してもよい。換算式は、例えばカルボーネン法等の評価式を用いることができ、カルボーネン法は、以下の式1で表すことができる。
【0041】
【数1】
【0042】
式1において、Sは、運動強度[%]を示し、HRAVEは、運動時の脈拍数[bpm]を示し、HRRESTは、安静時の脈拍数[bpm]を示し、HRMAXは、最大脈拍数[bpm]を示す。
【0043】
図3は、年齢と安静時の脈拍数との対応例を示す。図3に示すように、安静時の脈拍数HRRESTは、例えば、年齢から求めることができる。例えば、年齢が20[才]であれば、安静時の脈拍数HRRESTは、70[bpm]に設定することができる。また、年齢が60[才]であれば、安静時の脈拍数HRRESTは、62[bpm]に設定することができる。なお、安静時の脈拍数HRRESTは、測定部10によって測定してもよく、年齢に関係なく一定値を用いてもよい。
【0044】
最大脈拍数HRMAXも、例えば、年齢から求めるが、年齢に関係なく一定値を用いてもよい。最大脈拍数HRMAXを測定部10によって測定することは困難であるので、最大脈拍数HRMAXは、以下の式2で表すことができる。
【0045】
【数2】
【0046】
式2において、AGEは、年齢[才]を示し、例えば、年齢が20[才]であれば、最大脈拍数HRMAXは、200[bpm]に設定することができる。また、年齢が60[才]であれば、最大脈拍数HRMAXは、160[bpm]に設定することができる。
【0047】
図2の例では、変換部50は、測定部10からの脈拍数及び入力部40からの年齢に基づき、例えば式1、式2及び図3に示すような対応式を用いて、運動強度を得ることができる。変換部50において得られた運動強度は、第1の実測値(第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力)である。入力部40からの年齢を考慮することにより、生体情報測定装置(狭義には、補正部30、より狭義には、変換部50)は、第1の実測値をより正確に得ることができる。
【0048】
図2の例では、運動強度の目標値として、例えば40[%]が設定部20に予め設定されている。目標値(例えば、運動強度=40[%])は、例えばメモリーに保持することができ、目標値を記憶するメモリー等の記憶部を設定部20と呼ぶこともできる。目標値(例えば、運動強度=40[%])がゾーンの下限値である場合、他の目標値として、ゾーンの上限値(例えば、運動強度=70[%])が設定部20に予め設定されてもよい。
【0049】
図2の例では、運動強度の第1の閾値として、例えば40[%]が設定部20に予め設定され、運動強度の第2の閾値として、例えば30[%]が設定部20に予め設定されている。比較部60は、第1の実測値(第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力)と第1の閾値(例えば、運動強度=40[%])及び第2の閾値(例えば、運動強度=30[%])の少なくとも一方を比較することができる。
【0050】
補正部30は、比較部60の比較結果に基づき、目標値(例えば、運動強度=40[%])を補正する。第1の実測値が第1の閾値よりも小さい場合、補正部30は、目標値を第1の実測値(補正用の運動強度)に補正する。第1の実測値が第2の閾値以下である場合、補正部30は、目標値を第2の閾値(補正用の運動強度)に補正する。なお、第1の実測値が第1の閾値以上である場合、補正部30は、目標値を維持することができる。
【0051】
1.3 第2の構成例
図4は、図1の生体情報測定装置の他の具体的な構成例を示す。上述した構成例と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。図2の例では、運動強度の目標値が設定部20に予め設定され、運動強度の目標値そのものがメモリーに記憶されていた。図4の例では、脈拍数の目標値がメモリーに記憶されている。
【0052】
図4の例では、変換部50は、設定部20からの運動強度の目標値(例えば、40[%])を脈拍数の目標値に変換する。上述した式1は、以下の式3に変形することができる。
【0053】
【数3】
【0054】
式3において、HRSは、脈拍数の目標値[bpm]であり、式1のHRAVEに対応する。運動強度の目標値として、S=40[%]を式3に代入すると、運動強度=40[%]に相当する脈拍数の目標値HRSを得ることができる。例えば、年齢が41[才]である場合、脈拍数の目標値HRSは、111[bmp]である。入力部40からの年齢を考慮することにより、生体情報測定装置(狭義には、設定部20、より狭義には、変換部50)は、脈拍数の目標値(例えば、111[bmp])をより正確に得ることができる。図4の例では、目標値(例えば、脈拍数=111[bpm])は、例えばメモリーに保持することができる。
【0055】
また、図2の例では、補正部30が、目標値(例えば、運動強度=40[%])を直接に補正していた。図4の例では、目標値の単位が脈拍数であるので、補正部30は、変換部50を介して、目標値(例えば、脈拍数=111[bpm])を補正する。図4の例では、第1の実測値(第1の運動期間中の運動強度)が第1の閾値(例えば、運動強度=40[%])よりも小さい場合、変換部50は、第1の実測値を脈拍数に変換する。補正部30は、メモリーに保持されている脈拍数の目標値を第1の実測値に相当する脈拍数(変換部50において得られた補正用の脈拍数)に補正する。また、第1の実測値が第2の閾値(例えば、運動強度=30[%])以下である場合、変換部50は、第2の閾値を脈拍数に変換する。補正部30は、メモリーに保持されている脈拍数の目標値を第2の閾値に相当する脈拍数(変換部50において得られた補正用の脈拍数)に補正する。
【0056】
さらに、図4に示すように、生体情報測定装置は、告知部70を含むことができる。なお、図2の第1の構成例が、告知部70を含んでもよい。告知部70(第1の告知部に相当)は、第1の運動期間内の理想の運動ペースを被検査体に告知することができる。第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力をより正確に把握するために、生体情報測定装置は、例えば6分間、例えば2[Hz]の運動ペースで、被検査体に歩行させる。例えば、告知部70は、「ピッ」というペース音を1秒当たり2回鳴らすことができる。被検査体は、ペース音に合わせて、1秒当たり2歩前進することで、理想の運動状態を形成することができる。告知部70は、例えば、スピーカーであるが、LED、バイブレーター等でもよい。告知部70は、1秒当たり2回発光してもよく、1秒当たり2回振動してよい。
【0057】
また、告知部70は、第1の運動期間内の現在の運動ペースを被検査体に告知してもよい。この場合、告知部70は、例えば実際の歩数に合わせて、音、光等を出力することができる。実際の運動ペースを把握することで、被検査体は、自発的に、実際の運動ペースを理想の運動ペース(例えば、2[Hz])に一致させることができる。歩数は、例えば加速度センサーで測定することでき、例えば測定部10が歩数を測定してもよい。このように、生体情報測定装置は、第1の運動期間内の理想の運動ペース及び現在のペースの少なくとも一方を被検査体に告知することができる。
【0058】
1.4 動作例
図5は、図2又は図4の測定部10の動作例を表すフローチャートを示す。先ず、測定部10が第1のモードを実施する前に、被検査体は、例えば6分間の歩行を準備する。具体的には、被検査体は、6分間の歩行の前に安静を保ち、第1のモードの設定を準備する。なお、第1のモードが設定される前に、被検査体は、入力部40を操作して、年齢を生体情報測定装置に入力する。年齢が入力部40に入力されると同時に第1のモードが設定されてもよく、第1のモードを設定するための専用の操作ボタン等が押されると同時に第1のモードが設定されてもよい。例えば入力部40が専用の操作ボタン等を有することができる。
【0059】
図5の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、第1のモードが設定されたか否か判定する(ステップS11)。第1のモードが設定されていない場合、測定部10は、再びステップS11を実施する。第1のモードが設定された場合、測定部10は、第1のモードを実施する。測定部10は、第1のモードとして、第1のモードが設定された時からの経過時間を測定する。
【0060】
被検査体は、生体情報測定装置を第1のモードに設定した後、6分間歩行する。理想の運動状態が2[Hz]の運動ペースである場合、被検査体は、6分間、1秒当たり2歩の前進を継続する。生体情報測定装置が告知部70を含む場合、第1のモードが設定されると同時に告知部70は、6分間、「ピッ」というペース音を1秒当たり2回の発鳴を継続することができる。また、告知部70は、6分間、実際の歩数に基づき、「現在の運動ペースは2Hzです。」、「このペースを守って下さい。」、「現在の運動ペースは1.9Hzです。」、「早く歩いて下さい。」、「現在の運動ペースは2.5Hzです。」、「遅く歩いて下さい。」等の現在の運動ペース(理想の運動ペースとの対比を行う現在の運動ペースを含む)を被検査体に告知することができる。
【0061】
図6は、6分間歩行中の脈拍数の変化例を示す。図6の例では、第1のモードが設定された時、即ち、経過時間が0[min]の時、脈拍数は、安静時の脈拍数を示す。なお、経過時間が0[min]を示す時の安静時の脈拍数(測定値)は、図3で示すような年齢から求める安静時の脈拍数(推定値)と異なってもよい。被検査体が歩行を開始すると、脈拍数は上昇し、その後、運動時の脈拍数は、定常状態を示す(図6参照)。定常状態である脈拍数は、被検査体の実際の運動能力に対応させることができる。脈拍数の上昇率には個人差があるので、例えば経過時間が3[min]〜6[min]である範囲を第1の運動期間に定めることができる。測定部10が第1の運動期間内の脈拍数を測定することにより、被検査体の実際の運動能力を評価することができる。なお、例えば経過時間が0[min]〜6[min]である範囲を第1の運動期間に定めてもよく、例えば測定部10が定常状態の有無を判断し、第1の運動期間内の定常状態における脈拍数を測定してもよい。
【0062】
図5の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、第1のモードが設定された時から3分が経過したか否か判定する(ステップS12)。経過時間が3[min]より小さい場合、測定部10は、再びステップS12を実施する。経過時間が3[min]以上である場合、測定部10は、脈拍数を所与の間隔でサンプリングする(ステップS13)。例えば、測定部10は、リアルタイムで脈拍数を測定し、例えば10秒毎に脈拍数を保存する。
【0063】
図5の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、第1のモードが設定された時から6分が経過したか否か判定する(ステップS14)。経過時間が6[min]より小さい場合、測定部10は、再びステップS13を実施する。経過時間が6[min]以上である場合、測定部10は、サンプリングを中止する。測定部10は、経過時間が3[min]〜6[min]である範囲で、例えば18(=3×6)個の脈拍数を保存することができる。
【0064】
図5の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、平均脈拍数を算出する(ステップS15)。測定部10は、例えば18個の脈拍数の平均値を求めることができ、第1の運動期間内の脈拍数(広義には、生体情報)として、この平均値を用いることができる。なお、測定部10は、平均脈拍数の代わりに、定常状態における1つの脈拍数を用いてもよい。
【0065】
図7は、図4の設定部20の動作例を表すフローチャートを示す。図7の例では、設定部20(広義には、生体情報測定装置)は、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])を読み出す(ステップS21)。その後、設定部20(広義には、生体情報測定装置)は、例えば変換部50及び入力部40を介して、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])を例えば年齢に基づき脈拍数(運動強度に関する目標値)に変換する(ステップS22)。設定部20(広義には、生体情報測定装置)は、脈拍数(運動強度に関する目標値)を例えばメモリーに設定する(ステップS23)。
【0066】
図8は、年齢に基づく脈拍数の目標値の設定例を示す。図8に示すように、脈拍数(運動強度に関する目標値)は、例えば、年齢から求めることができる。図8に示すような設定式は、例えば式1、式2及び図3に示すような対応式を用いて、求めることができる。例えば、ユーザーAの年齢が41[才]である場合、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])に相当する111[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される(ステップS23)。また、例えばユーザーBの年齢も41[才]である場合、111[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される(ステップS23)。例えば、ユーザーC及びDの年齢が35[才]である場合、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])に相当する114[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される(ステップS23)。
【0067】
図7の例では、設定部20(広義には、生体情報測定装置)は、例えば比較部60、補正部30及び変換部50を介して、メモリーに設定された脈拍数(運動強度に関する目標値)を補正する必要があるか否か判定する(ステップS24)。脈拍数(運動強度に関する目標値)を補正する必要がない場合、設定部20は、脈拍数(運動強度に関する目標値)を維持する。脈拍数(運動強度に関する目標値)を補正する必要がある場合、設定部20は、メモリーに設定された脈拍数(運動強度に関する目標値)を補正用の脈拍数に書き換える(ステップS25)。
【0068】
図9は、図4の補正部30の動作例を表すフローチャートを示す。図9の例では、補正部30(広義には、生体情報測定装置)は、例えば変換部50及び入力部40を介して、第1の運動期間内の脈拍数(広義には、生体情報)を例えば年齢に基づき運動強度(第1の実測値)に変換する(ステップS31)。補正部30(広義には、生体情報測定装置)は、例えば比較部60を介して、運動強度(第1の実測値)が第1の閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS32)。運動強度(第1の実測値)が第1の閾値よりも小さい場合、補正部30(広義には、生体情報測定装置)は、さらに、運動強度(第1の実測値)が第2の閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS33)。なお、第1の閾値及び第2の閾値は、例えば設定部20に設定されており、比較部60(広義には、補正部30)は、第1の閾値及び第2の閾値を読み出すことができる。
【0069】
運動強度(第1の実測値)が第1の閾値よりも小さく、且つ、運動強度(第1の実測値)が第2の閾値よりも大きい場合、補正部30(広義には、生体情報測定装置)は、例えば変換部50及び入力部40を介して、運動強度(第1の実測値)を例えば年齢に基づき脈拍数(補正用の脈拍数)に変換する(ステップS34)。運動強度(第1の実測値)が第2の閾値以下である場合、補正部30(広義には、生体情報測定装置)は、例えば変換部50及び入力部40を介して、第2の閾値を例えば年齢に基づき脈拍数(補正用の脈拍数)に変換する(ステップS35)。
【0070】
図9の例では、補正部30(広義には、生体情報測定装置)は、例えば変換部50を介して、脈拍数(目標値)の補正を例えば設定部20に指示する(ステップS36)。設定部20は、ステップS34又はステップS35で得られた補正用の脈拍数を用いて、メモリーに設定された脈拍数(目標値)を書き換える(図7のステップS25)。
【0071】
図10は、第1の実測値に基づく脈拍数の目標値の設定例を示す。図10の例では、例えば、41[才]のユーザーAの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数108[bpm]により求められる運動強度37[%])が第1の閾値より小さく第2の閾値よりも大きい場合、第1の実測値に相当する109[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される(図9のステップS34、ステップS36)。例えば、41[才]のユーザーBの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数89[bpm]により求められる運動強度20[%])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値に相当する100[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される(ステップS35、ステップS36)。
【0072】
図10の例では、例えば、35[才]のユーザーCの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数92[bpm]により求められる運動強度21[%])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値に相当する102[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される(図9のステップS35、ステップS36)。例えば、35[才]のユーザーDの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数120[bpm]により求められる運動強度45[%])が第1の閾値以上である場合、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])に相当する114[bpm]が、補正されることなく、そのまま使用される。
【0073】
1.5 変形例
図11は、図2の具体的な構成例の変形例を示す。上述した構成例と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。図2の例では、運動強度と第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方とが比較部60で比較されていた。図11の例では、比較部60は、運動強度の代わりに、第1の運動期間内の脈拍数そのものを用いる。
【0074】
図12は、図4の具体的な構成例の変形例を示す。上述した構成例と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。図4の例では、運動強度と第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方とが比較部60で比較されていた。図12の例では、比較部60は、運動強度の代わりに、第1の運動期間内の脈拍数そのものを用いる。
【0075】
図11の例及び図12の例では、第1の閾値の基準値である例えば40[%]が設定部20に予め設定され、第2の閾値の基準値である例えば30[%]が設定部20に予め設定されている。変換部50(広義には、生体情報測定装置)は、例えば設定部20及び入力部40を介して、予め設定されている基準値(例えば、40[%])を例えば年齢に基づき脈拍数(脈拍数の第1の閾値)に変換する。また、変換部50は、予め設定されている基準値(例えば、30[%])を例えば年齢に基づき脈拍数(脈拍数の第2の閾値)に変換する。
【0076】
図11の例及び図12の例では、比較部60は、第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数そのもの)と第1の閾値(例えば、運動強度=40[%]に相当する脈拍数)及び第2の閾値(例えば、運動強度=30[%]に相当する脈拍数)の少なくとも一方を比較することができる。
【0077】
図11の例では、補正部30は、変換部50を介して、目標値(例えば、運動強度=40[%])を補正する。図11の例では、第1の実測値が第1の閾値(例えば、運動強度=40[%]に相当する脈拍数)よりも小さい場合、変換部50は、第1の実測値を運動強度に変換する。補正部30は、メモリーに保持されている運動強度の目標値を第1の実測値(変換部50において得られた補正用の運動強度)に補正する。また、第1の実測値が第2の閾値(例えば、運動強度=30[%]に相当する脈拍数)以下である場合、変換部50は、第2の閾値を運動強度に変換する。補正部30は、メモリーに保持されている脈拍数の目標値を第2の閾値(変換部50において得られた補正用の運動強度)に補正する。
【0078】
図12の例では、補正部30は、比較部60の比較結果に基づき、目標値(例えば、運動強度=40[%]に相当する脈拍数)を補正する。第1の実測値が第1の閾値よりも小さい場合、補正部30は、目標値を第1の実測値(補正用の脈拍数)に補正する。第1の実測値が第2の閾値以下である場合、補正部30は、目標値を第2の閾値(補正用の脈拍数)に補正する。
【0079】
図13(A)、図13(B)、図13(C)は、第1の実測値に基づく脈拍数の目標値の他の設定例を示す。図13(A)は、図2に対応し、図13(B)は、図11に対応し、図13(C)は、図12に対応する。
【0080】
図13(A)の例では、例えば、41[才]のユーザーAの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数108[bpm]により求められる運動強度37[%])が第1の閾値より小さく第2の閾値よりも大きい場合、第1の実測値37[%]が、運動強度(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。例えば、41[才]のユーザーBの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数89[bpm]により求められる運動強度20[%])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値30[%]が、運動強度(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。
【0081】
図13(A)の例では、例えば、35[才]のユーザーCの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数92[bpm]により求められる運動強度21[%])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値30[%]が、運動強度(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。例えば、35[才]のユーザーDの第1の実測値(第1の運動期間内の脈拍数120[bpm]により求められる運動強度45[%])が第1の閾値以上である場合、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])が、補正されることなく、そのまま使用される。
【0082】
図13(B)の例では、例えば、41[才]のユーザーAの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数108[bpm])が第1の閾値より小さく第2の閾値よりも大きい場合、第1の実測値に相当する37[%]が、運動強度(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。例えば、41[才]のユーザーBの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数89[bpm])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値に相当する30[%]が、運動強度(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。
【0083】
図13(B)の例では、例えば、35[才]のユーザーCの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数92[bpm])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値に相当する30[%]が、運動強度(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。例えば、35[才]のユーザーDの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数120[bpm])が第1の閾値以上である場合、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])が、補正されることなく、そのまま使用される。
【0084】
図13(C)の例では、例えば、41[才]のユーザーAの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数108[bpm])が第1の閾値より小さく第2の閾値よりも大きい場合、第1の実測値108[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。例えば、41[才]のユーザーBの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数89[bpm])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値100[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。
【0085】
図13(C)の例では、例えば、35[才]のユーザーCの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数92[bpm])が第2の閾値以下である場合、第2の閾値に相当する102[bpm]が、脈拍数(運動強度に関する目標値)として、メモリーに設定される。例えば、35[才]のユーザーDの第1の実測値(運動強度に関係する第1の運動期間内の脈拍数120[bpm])が第1の閾値以上である場合、予め設定されている運動強度(例えば、40[%])に相当する114[bpm]が、補正されることなく、そのまま使用される。
【0086】
1.6 ゾーンの設定
図10、図13(A)、図13(B)、図13(C)に示すように、設定部20に設定される運動強度に関する目標値の単位は、運動強度そのものでもよく、運動強度に相当する脈拍数(広義には、測定部10によって測定される生体情報)でもよい。図2、図4、図11、図12において、運動強度の目的値としての40[%]又は脈拍数の目標値としての40[%]に相当する脈拍数が設定部20に予め設定されていた。
【0087】
しかしながら、上述の通り、運動強度の目標値に関して、例えば運動強度の範囲が40[%]〜70[%]であるゾーンの下限値(40[%])だけでなく、ゾーンの上限値(70[%])も、設定部20に予め設定することができる。同様に、心拍数の目標値に関して、ゾーンの下限値(40[%]に相当する脈拍数)だけでなく、ゾーンの上限値(70[%]に相当する脈拍数)を設定部20に予め設定することができる。
【0088】
図14は、第1の実測値に基づくゾーンの設定例を示す。図14は、図10に対応し、ゾーンの上限値を加えたものである。図14の例では、第1の実測値(第1の運動期間内の被検査体の実際の運動能力)に基づきゾーンの下限値を補正する場合であっても、ゾーンの上限値はそのまま使用することができる。即ち、41[才]のユーザーAのゾーンは、111[bpm]〜145[bpm]の範囲の代わりに109[bpm]〜145[bpm]の範囲を有するように補正される。41[才]のユーザーBのゾーンは、111[bpm]〜145[bpm]の範囲の代わりに100[bpm]〜145[bpm]の範囲を有するように補正される。35[才]のユーザーCのゾーンは、114[bpm]〜150[bpm]の範囲の代わりに102[bpm]〜150[bpm]の範囲を有するように補正される。35[才]のユーザーDのゾーンは、114[bpm]〜150[bpm]の範囲をそのまま有するように補正されない。
【0089】
2. 第2のモード(第1の運動期間後の第2の運動期間)
2.1 基本構成
図15は、本実施形態の生体情報測定装置の他の構成例を示す。図15の例は、第1の運動期間後の第2の運動期間(広義には、第2のモード)に対応する構成例である。設定部20に設定される運動強度に関する目標値は、図1に示されるように、補正部30により、必要に応じて、補正されている。また、上述した構成例と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0090】
第1のモードにおいて、運動強度に関する目標値は、第1の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第1の実測値を考慮して、設定されている。従って、第1の運動期間後、即ち、運動強度に関する目標値が適正に設定された後、第2のモードにおいて、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、ゾーン(目標値)との関係において、被検査体の散歩等の運動状態を適正に評価することができる。
【0091】
図15の例では、告知部70(第2の告知部に相当)は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値に基づいて、運動強度に関するゾーン内の現在の位置を被検査体に告知する。第2の実測値の単位は、運動強度そのものでもよく、測定部10によって測定される生体情報(例えば、脈拍数)でもよい。例えば30分間、被検査体(例えば、ユーザーA)に散歩させ、その運動期間中の脈拍数を測定する。第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報(散歩を開始してから例えば10分後の脈拍値)が、例えば123[bpm]である場合、第2の実測値は、例えば123[bpm]である。また、123[bpm]に相当する運動強度が、例えば50[%]である場合、第2の実測値は、例えば50[%](=123[bpm])でもよい。告知部70は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の被検査体の実際の運動能力(例えば、脈拍数123[bpm]=運動強度50%)を被検査体に告知することができる。
【0092】
2.2 告知例
図16(A)、図16(B)は、運動強度に関するゾーン内の現在の位置の告知例を示す。図16(A)、図16(B)は、告知部70の例として、例えば液晶ディスプレイ等の表示部を表している。また、図16(A)、図16(B)において、生体情報測定装置の外観例が示され、生体情報測定器は、生体情報測定器を被検査体(ユーザー)の腕(狭義には、手首)に取り付け可能なリストバンド150をさらに含むことができる。
【0093】
運動強度に関するゾーンが、例えば図14のユーザーAの脈拍数のゾーン(109[bpm]〜145[bmp]=37[%]〜70[%])である場合、告知部70は、第2の実測値(例えば123[bpm])が運動強度に関するゾーン内のどこに位置するのかユーザーAに告知することができる。図16(A)の例では、運動強度に関するゾーン内の現在の位置は、例えば以下の式4を用いて表されている。
【0094】
【数4】
【0095】
式4において、Yは、第2の実測値であり、ZMINは、ゾーンの下限値であり、ZMAXは、ゾーンの上限値である。Xは、ゾーン内の位置を示す。また、YがZMAXを示す時にXが1を示すように、式4のXは、正規化されている。
【0096】
図16(A)の例では、現在の位置Xがバーレベル表示されている。図16(A)の例では、告知部70(表示部)の横方向のバーの長さが、運動強度に関するゾーン内の現在の位置X(=(123[bpm]−109[bpm])/(145[bmp]−109[bpm])=0.39)に対応する。被検査体は、バーの長さを知覚することより、第1の運動期間後の第2の運動期間内の被検査体の実際の運動能力を把握することができる。
【0097】
図16(B)の例では、運動強度に関するゾーン内の現在の位置がスコアリングされている。例えば第2の実測値がゾーンの下限値に一致する場合には、0[点]と表示することができる。また、例えば第2の実測値がゾーンの上限値に一致する場合には、100[点]と表示することができる。図16(B)の例では、第2の実測値(例えば123[bpm])が39[点]として、スコアリングされている。図16(B)の例では、スコアの値が、例えば式4で示される運動強度に関するゾーン内の現在の位置X(=0.39)に対応する。被検査体は、スコアの値を知覚することより、第1の運動期間後の第2の運動期間内の被検査体の実際の運動能力を把握することができる。
【0098】
告知部70の形態は、図16(A)、図16(B)に限定されず、運動強度に関するゾーン内の現在の位置を例えば音声等で出力してもよい。なお、図16(A)、図16(B)に示すように、告知部70は、第2の実測値(現在の脈拍数=123[bpm])を表示することができる。
【0099】
図17(A)、図17(B)、図17(C)、図17(D)は、運動強度に関するゾーンの分割例を示す。図17(A)、図17(C)は、例えば図14のユーザーAのゾーンに対応し、図17(B)、図17(D)は、例えば図14のユーザーBのゾーンに対応する。図17(A)の例では、生体情報測定装置は、第1の実測値(脈拍数109[bpm]=運動強度37[%]))に基づいて、運動強度に関するゾーン(運動強度37[%]〜70[%])を2つの領域(合格領域、グッド領域)を分割する。言い換えれば、運動強度に関する当初の第1の領域(運動強度40[%]〜70[%]:第1の閾値からゾーンの上限値まで)に、第1の閾値(運動強度40[%])に基づき第2の領域(運動強度37[%]〜40[%]:第1の実測値から第1の閾値まで)が加えられる。図17(B)の例では、生体情報測定装置は、第1の閾値(運動強度40[%])に基づいて、運動強度に関するゾーン(運動強度30[%]〜70[%])を2つの領域(合格領域(第2の領域:第2の閾値から前記第1の閾値まで)、グッド領域(第1の領域:第1の閾値からゾーンの上限値まで))に分割する。図17(A)、図17(B)のグッド領域に相当する当初の第1の領域(運動強度40[%]〜70[%])は、図17(C)、図17(D)に示すように、3つの領域(グッド領域、ベター領域、ベスト領域)に分割することができる。3つの領域は、当初の第1の領域内の第1の副領域、第2の副領域及び第3の副領域と呼ぶことができる。なお、第1の領域をあまり細かく分割する場合、運動時に例えば脈拍数(第2の実測値)をその分割された1つの副領域に入れることが難しくなるため、好ましくは、第1の領域を2〜3の副領域に分割する。
【0100】
このように、生体情報測定装置は、第1の閾値に基づいて、運動強度に関するゾーンを複数の領域に分割することができる。なお、例えば図14のユーザーDのゾーンのように、第1の実測値に基づいてゾーンの下限値が補正されない場合、生体情報測定装置は、運動強度に関するゾーン(運動強度40[%]〜70[%])そのものだけを用いてもよい。但し、図17(C)、図17(D)に示すように、ユーザーDのゾーンを複数の副領域、即ち3つの領域(グッド領域、ベター領域、ベスト領域)に分割してもよい。
【0101】
図18(A)、図18(B)、図18(C)、図18(D)、図18(E)は、第2の実測値の告知例を示す。告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が第1の領域又は第2の領域の何れか一方に属するのかを被検査体に告知することができる。また、第2の領域が存在しない場合、告知部70は、第2の実測値が第1の領域に属することを被検査体に告知する。なお、第1の領域が複数の副領域を含む場合、告知部70は、第2の実測値がどの副領域に属するのかを被検査体に告知してもよい。代替的に、告知部70は、第2の実測値が副領域の何れか1つ(例えば、複数の副領域の中で運動強度が最も高い副領域)に属するのかを被検査体に告知してもよい。
【0102】
図18(A)の例では、第2の実測値(例えば、脈拍数123[bmp]=運動強度50[%])が第1の閾値以上であり、且つゾーンの上限値以下であるので、例えば図17(A)のグッド領域(運動強度40[%]〜70[%])であることを示している。また、図18(B)の例では、第2の実測値(例えば、脈拍数100[bmp]=運動強度39[%])が第2の閾値又は第1の実測値以上であり、且つ第1の閾値未満であるので、例えば図17(A)の合格領域(運動強度37[%]〜40[%])であることを示している。合格領域は、当初のゾーンに追加された領域であるので、被検査体は、より高い領域に向けて、散歩等の運動ペースを増加させることができる。
【0103】
また、告知部70は、図18(C)に示すように、第2の実測値が複数の領域のどの領域に属するのかを被検査体に告知するとともに、運動強度に関するゾーン内の現在の位置の履歴も被検査体に告知することができる。或いは、告知部70は、第2の実測値が複数の領域のどの領域に属するのかを被検査体に告知するとともに、例えば図16(A)で示すような運動強度に関するゾーン内の現在の位置も被検査体に告知することができる。図18(C)の例では、ゾーンの上限値(例えば、脈拍数145[bmp]=運動強度70[%])及び下限値(例えば、脈拍数109[bmp]=運動強度37[%])が点線で示されている。また、図18(C)の例では、運動強度に関するゾーン内の現在の位置の履歴は、第2の実測値(脈拍数)が徐々に減少していることを示し、最近の現在の位置は、黒い縦方向のバーで描かれている。
【0104】
さらに、告知部70は、図18(D)、図18(E)に示すように、第2の実測値が例えば図17(C)、図17(D)に示されるようなベスト領域(広義には、複数の副領域の中の1つの副領域)に属するのかを被検査体に告知することができる。図18(D)の例では、第2の実測値(例えば、脈拍数139[bmp]=運動強度65[%])は、第1の閾値以上であり、かつゾーンの上限値以下であり、複数の副領域のうちの例えば図17(C)のベスト領域であることを示している。図18(E)の例では、第2の実測値(例えば、脈拍数128[bmp]=運動強度55[%])は、複数の副領域のうちの例えば図17(C)のベスト領域未満であるので、ベスト領域に入っていないことを被検査体に告知することができる。複数の副領域の中で運動強度が最も高い副領域に入っているか否かを提示することによって、被検査体は、より高い運動強度での運動を実施することができる。
【0105】
2.3 第1の構成例
図19は、図15の生体情報測定装置の具体的な構成例を示す。図19の例では、生体情報測定装置が脈拍計であるが、生体情報測定装置の具体的な構成例は、図19に限定されない。また、上述した構成例と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0106】
図19に示すように、生体情報測定装置は、入力部40、変換部50及び判定部80をさらに含むことができる。変換部50及び判定部80は、測定部10及び設定部20と同様に、例えばゲートアレイ等のASICで構成することができる。また、変換部50及び判定部80の全部又は一部の機能を測定部10、設定部20及び告知部70の少なくとも1つで実現してもよい。
【0107】
入力部40は、第1のモードと同様に機能する。第2のモードにおいて、生体情報測定装置は、第1のモードにおいて入力部40に入力された年齢を用いることができる。なお、第2のモードにおいて、既知の生体情報パラメーターとして、例えば年齢が入力部40に再度入力されてもよい。
【0108】
図19の例では、第2のモードにおいて、変換部50は、測定部10からの脈拍数及び入力部40からの年齢に基づき、例えば式1、式2及び図3に示すような対応式を用いて、運動強度を得ることができる。変換部50において得られた運動強度は、第2の実測値(第1の運動期間後の第2の運動期間内の被検査体の実際の運動能力)である。
【0109】
図19の例では、第1のモードと同様に、運動強度の第1の閾値として、例えば40[%]が設定部20に予め設定されている。また、第1のモードが実施された後、ゾーン(目標値)が、例えばメモリーに保持されている。図19の例では、第2のモードにおいて、判定部80は、第1の閾値に基づいて、運動強度に関するゾーンを複数の領域に分割し、第2の実測値が複数の領域のどの領域に属するのか判定することができる。
【0110】
図19の例では、第2のモードにおいて、告知部70は、判定部80の判較結果、即ち、第2の実測値(現在の運動強度)が複数の領域のどの領域に属するのかを被検査体に告知することができる。また、図19の例では、第2のモードにおいて、告知部70は、運動強度に関するゾーンを第2の実測値(現在の運動強度)に関連付けることにより、運動強度に関するゾーン内の現在の位置を被検査体に告知することができる。さらに、図19の例では、現在の脈拍数を被検査体に告知することができる。
【0111】
2.4 動作例
図20は、図19の測定部10の動作例を表すフローチャートを示す。図20の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、第2のモードが設定されたか否か判定する(ステップS41)。第2のモードが設定されていない場合、測定部10は、再びステップS41を実施する。例えば、第2のモードを設定するための専用の操作ボタン等が押されると同時に第2のモードを設定することができる。
【0112】
図20の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、第1のモードが実施されたか否か判定する(ステップS42)。第1のモードが実施されていない場合、被検査体は、例えば6分間の歩行を準備し、生体情報測定装置を第1のモードに設定する必要がある。第1のモードが実施されている場合、被検査体は、例えば30分間、散歩することができ、測定部10は、第2のモードにおいて、その運動期間中の脈拍数を測定することができる。被検査体は、何時間散歩してもよく、また、ジョギング等の好きな運動をしてもよい。なお、被検査体が生体情報測定装置を第2のモードに設定した後、告知部70は、「運動を開始して下さい。」等の催促を被検査体に告知してもよい。
【0113】
図20の例では、測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、脈拍数を所与の間隔でサンプリングする(ステップS43)。測定部10(広義には、生体情報測定装置)は、第2のモードが解除されたか否か判定する(ステップS44)。第2のモードが解除されていない場合、測定部10は、再びステップS43を実施する。例えば、測定部10は、リアルタイムで脈拍数を測定し、第2のモードが解除されるまでの間、例えば10秒毎に脈拍数を保存することができる。例えば、第2のモードを設定するための専用の操作ボタンが再度押されると同時に第2のモードを解除することができる。或いは、第2のモードを解除するための専用の解除操作ボタン等が押されると同時に第2のモードを解除することができる。なお、測定部10は、第2のモードが設定された時からの経過時間を測定してもよく、経過時間が例えば2時間を示した時に、第2のモードを自動的に解除してもよい。
【0114】
図21は、図19の告知部70の動作例を表すフローチャートを示す。図21の例では、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、例えば測定部10でサンプリングされた脈拍数を読み出し、読み出した脈拍数を被検査体に告知する(ステップS51、ステップS52)。図20のステップS43で、例えば10秒毎に脈拍数が保存される場合、図21のステップS51、ステップS52において、告知部70は、10秒毎に脈拍数を更新し、現在の脈拍数を例えば図16(A)等で示されるように表示することができる。なお、告知部70の形態は、図16(A)等に限定されず、現在の脈拍数を例えば音声等で出力してもよい。
【0115】
図21の例では、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、例えば測定部10でサンプリングされた脈拍数に相当する運動強度がゾーン内のどこに位置するのかを被検査体に告知する(ステップS53)。第2の実測値の単位として、脈拍数を用いることもできるが、図19、図21の例では、第2の実測値の単位として、運動強度を用いている。第2の実測値の単位として、運動強度を用いる場合、告知部70は、例えば変換部50を介して、測定部10でサンプリングされた脈拍数を運動強度(第2の実測値)に変換することができる。運動強度に関するゾーンの単位として、脈拍数を用いることもできるが、図19、図21の例では、運動強度に関するゾーンの単位として、運動強度そのものを用いている。言い換えれば、例えば設定部20のメモリーに、図14に示すような脈拍数のゾーンを設定することもできるが、運動強度のゾーンを用いている。図21の例では、告知部70は、例えば設定部20から読み出された運動強度のゾーンの上限値及び下限値、並びに、測定部10でサンプリングされた脈拍数に相当する運動強度(第2の実測値)を式4に代入して、運動強度に関するゾーン内の現在の位置を得ることができる。告知部70は、現在の位置を例えば図16(A)等で示されるように表示することができる。
【0116】
図21の例では、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、例えば判定部80及び設定部20を介して、運動強度のゾーンの下限値が第1の閾値(例えば、運動強度40[%])よりも小さいか否かを判定する(ステップS54)。即ち、告知部70は、運動強度のゾーンの下限値(目標値)が第1のモードで補正されたか否かを判定することができる。運動強度のゾーンの下限値が第1の閾値よりも小さく、補正された場合、例えば図17(C)に示すように、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、例えば判定部80を介して、運動強度のゾーンを4つの領域(合格領域、グッド領域、ベター領域、ベスト領域)に分割する(ステップS55)。運動強度のゾーンの下限値が第1の閾値以上であり、補正されていなかった場合、告知部70は、例えば判定部80を介して、運動強度のゾーンを3つの領域に分割する(ステップS56)。運動強度のゾーンの下限値が補正されていなかった場合、例えば図17(C)に示すような合格領域が存在しないので、第1の領域(運動強度40[%]〜70[%])を3つの領域(グッド領域、ベター領域、ベスト領域)に分割することができる。
【0117】
図21の例では、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、例えば判定部80を介して、測定部10でサンプリングされた脈拍数に相当する運動強度(第2の実測値)が複数の領域のどの領域に属するのか判定し、判定結果を被検査体に告知する(ステップS57)。告知部70は、判定結果を例えば図18(B)等で示されるように表示することができる。判定結果が合格領域を示す場合、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、「もう少し運動ペースを上げるとグッド領域に入ります。」等の支援を音声等で実施してもよい。判定結果がどの領域も示さない場合、告知部70(広義には、生体情報測定装置)は、「適正な運動ペースではありません。」等の警告を音声等で実施してもよい。警告は、アラーム音等の音声の出力でもよく、赤色等の発光の出力でもよく、振動の出力でもよい。
【0118】
2.5 変形例
図19の例において、設定部20のメモリーに、図4に示すように脈拍数のゾーンが設定されていると仮定すれば、図19の告知部70は、測定部10でサンプリングされた脈拍数そのものを第2の実測値として取り扱ってもよい。即ち、図19の告知部70を変形し、例えば設定部20から読み出された脈拍数のゾーンの上限値及び下限値、並びに、測定部10でサンプリングされた脈拍数(第2の実測値)を式4に代入して、運動強度に関するゾーン内の現在の位置を得てもよい。このように、告知部70が取り扱う単位は、脈拍数でもよく、運動強度でもよい。
【0119】
3 電子機器
脈拍計等の生体情報測定装置は、時計、携帯電話、ページャー、パーソナルコンピューター等の電子機器に組み込まれてもよく、又は電子機器と組み合わせてもよい。生体情報測定装置の一部、例えば図2の補正部30、変換部50、比較部60、図19の判定部80等は、例えば生体情報検出器を組み込む電子機器のMPU(Micro Processing Unit)で構成してもよい。
【0120】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0121】
10 測定部、 20 設定部、 30 補正部、 40 入力部、 50 変換部、
60 比較部、 70 告知部(第1の告知部、第2の告知部)、 80 判定部、
150 リストバンド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動強度に関する目標値を設定する設定部と、
運動強度に換算可能な生体情報を測定する測定部と、
第1の運動期間内に前記測定部にて測定された生体情報により求められる運動強度に関する第1の実測値に基づいて、前記目標値を補正する補正部と、を含むことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記補正部は、既知の生体情報パラメーターに基づいて、前記第1の実測値を取得することを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記第1の実測値が第1の閾値よりも小さい場合、前記補正部は、前記目標値を前記第1の実測値に補正することを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1の実測値が、前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以下である場合、前記補正部は、前記目標値を前記第2の閾値に補正することを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかにおいて、
前記第1の運動期間内の理想の運動ペース及び現在の運動ペースの少なくとも一方を被検査体に告知する第1の告知部をさらに含むことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかにおいて、
前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であり、
前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値に基づいて、前記ゾーン内の現在の位置を被検査体に告知する第2の告知部をさらに含むことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項7】
請求項3又は4において、
前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であり、
前記ゾーンは、前記第1の閾値から前記ゾーンの上限値までの第1の領域を有し、
前記第1の領域は、複数の副領域に分割され、
前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が前記第1の領域の前記複数の副領域の何れか1つに属するのかを前記被検査体に告知する告知部をさらに含むことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記複数の副領域の前記何れか1つは、前記複数の副領域の中で前記運動強度が最も高い副領域であることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項9】
請求項4において、
前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であり、
前記ゾーンは、前記第1の閾値から前記ゾーンの上限値までの第1の領域と前記第2の閾値又は前記第1の実測値から前記第1の閾値までの第2の領域とに分割され、
前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が前記第1の領域又は前記第2の領域の何れか一方に属するのかを前記被検査体に告知する告知部をさらに含むことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項10】
請求項3において、
前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であり、
前記ゾーンは、前記第1の閾値から前記ゾーンの上限値までの第1の領域と前記第1の実測値から前記第1の閾値までの第2の領域とに分割され、
前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が前記第1の領域又は前記第2の領域の何れか一方に属するのかを前記被検査体に告知する告知部をさらに含むことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項11】
請求項1乃至10において、
前記測定部は、前記生体情報として、脈拍数又は心拍数を測定し、
前記補正部は、前記第1の運動期間内に前記測定部にて測定された脈拍数又は心拍数により求められる前記第1の実測値に基づいて、前記目標値を補正することを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項1】
運動強度に関する目標値を設定する設定部と、
運動強度に換算可能な生体情報を測定する測定部と、
第1の運動期間内に前記測定部にて測定された生体情報により求められる運動強度に関する第1の実測値に基づいて、前記目標値を補正する補正部と、を含むことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記補正部は、既知の生体情報パラメーターに基づいて、前記第1の実測値を取得することを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記第1の実測値が第1の閾値よりも小さい場合、前記補正部は、前記目標値を前記第1の実測値に補正することを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1の実測値が、前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以下である場合、前記補正部は、前記目標値を前記第2の閾値に補正することを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかにおいて、
前記第1の運動期間内の理想の運動ペース及び現在の運動ペースの少なくとも一方を被検査体に告知する第1の告知部をさらに含むことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかにおいて、
前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であり、
前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値に基づいて、前記ゾーン内の現在の位置を被検査体に告知する第2の告知部をさらに含むことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項7】
請求項3又は4において、
前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であり、
前記ゾーンは、前記第1の閾値から前記ゾーンの上限値までの第1の領域を有し、
前記第1の領域は、複数の副領域に分割され、
前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が前記第1の領域の前記複数の副領域の何れか1つに属するのかを前記被検査体に告知する告知部をさらに含むことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記複数の副領域の前記何れか1つは、前記複数の副領域の中で前記運動強度が最も高い副領域であることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項9】
請求項4において、
前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であり、
前記ゾーンは、前記第1の閾値から前記ゾーンの上限値までの第1の領域と前記第2の閾値又は前記第1の実測値から前記第1の閾値までの第2の領域とに分割され、
前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が前記第1の領域又は前記第2の領域の何れか一方に属するのかを前記被検査体に告知する告知部をさらに含むことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項10】
請求項3において、
前記目標値は、運動強度に関するゾーンの下限値であり、
前記ゾーンは、前記第1の閾値から前記ゾーンの上限値までの第1の領域と前記第1の実測値から前記第1の閾値までの第2の領域とに分割され、
前記第1の運動期間後の第2の運動期間内の生体情報により求められる運動強度に関する第2の実測値が前記第1の領域又は前記第2の領域の何れか一方に属するのかを前記被検査体に告知する告知部をさらに含むことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項11】
請求項1乃至10において、
前記測定部は、前記生体情報として、脈拍数又は心拍数を測定し、
前記補正部は、前記第1の運動期間内に前記測定部にて測定された脈拍数又は心拍数により求められる前記第1の実測値に基づいて、前記目標値を補正することを特徴とする生体情報測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−172903(P2011−172903A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218337(P2010−218337)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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