説明

生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルム、生体液試験シート及び生体液試験装置

【課題】
生体液に対する耐汚染性に優れ、呈色前または後の呈色試験紙とのコントラストが高く、任意の微細な形状に好適に加工することができる生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルム、及び該白色ポリプロピレンフィルムを用いてなる生体液試験シート、及び該生体液試験シートを用いてなる生体液試験装置を提供する
【解決手段】
フィルムの表裏に貫通した実質的に無核の孔を有し、β晶分率が40%以上のポリプロピレンを主成分とする、白色度が50%以上、光学濃度が0.6以上、面内角度45度で交わる4方向の破断強度の差が30%以下であり、牛胎児血清に接触した際の白色度及び光学濃度の変化率が20%以下である生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルム、該白色ポリプロピレンフィルムを用いてなる生体液試験シート及び生体液試験装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルム、生体液試験用シート及び生体液試験装置に関するものである。詳しくは、生体液に対する耐汚染性に優れ、呈色前または後の試験紙とのコントラストが高く、任意の微細な形状に好適に加工することができる生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルム、及び該白色ポリプロピレンフィルムを用いてなる生体液試験シート、及び該生体液試験シートを用いてなる生体液試験装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、健康意識の高まりや、病院と家庭とで血圧等に差が現れる場合があることによる治療薬の過剰投与等の問題、日常的な体調、生体液の状態のモニタリングにより適切なタイミングで薬剤を投与することができること等から、日常の血糖値の変動を患者自身が測定、記録する自己血糖値測定のような、日常的に簡易に生体液をモニタすることが推奨されている。このような生体液のモニタ装置としては、例えば、生体液と反応して呈色する試薬層を含む試験部材に光を照射し、反射光強度により血糖値を測定する装置などがある(特許文献1参照)。このような測定装置では、試験紙に検体を導入し、試薬と検体の反応による呈色の程度を、検体の導入側とは反対側から測定するチップが用いられる(特許文献2参照)。しかし、このような呈色試験により検体中の成分または成分量を測定する場合、試験紙への検体の均一な導入が必要となり、呈色の程度に斑があると測定誤差を生ずることがあるほか、特定成分の濃度によっては呈色の程度が低く、正確な色調の検出が困難となり、定量化に当たっての信頼性が低いという問題を有していた。中でも、検体の導入側とは反対側から測定するチップにおいては、呈色斑が起こりやすい他、試験紙以外の部分が生体液により変色すると、コントラストが低くなり、呈色の程度の検出が困難になるという課題があった。また、呈色の程度の検出については、例えば、呈色した試験紙にカラーフィルターを重ね、得られた色調により色濃度を確認する手法(特許文献3参照)があるほか、支持体として光を透過するが水は透過しないシートを重ねる手法(特許文献4参照)があるが、呈色斑の検出や試験紙以外の部分の変色を防止するものではなく、呈色の程度の検出を容易とするようなものではなかった。
【特許文献1】特開2002−168862号公報(請求項1〜3)
【特許文献2】特開2000−230904号公報(請求項1)
【特許文献3】特開平3−115819号公報(請求項2)
【特許文献4】特開平2−29986号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、生体液に対する耐汚染性に優れ、呈色前または後の試験紙とのコントラストが高く、任意の微細な形状に好適に加工することができる生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルム、及び該白色ポリプロピレンフィルムを用いてなる生体液試験シート、及び該生体液試験シートを用いてなる生体液試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記問題点を解決するために、主として、以下の構成を有する。すなわち、本発明は、表裏に貫通した実質的に無核の孔を有するシートであって、β晶分率が40%以上のポリプロピレンを主成分とする生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムである。
【0005】
また、白色度が50%以上、光学濃度が0.6以上、面内角度45度で交わる4方向の破断強度の差が30%以下であり、生体液に接触した際の白色度及び光学濃度の変化率が20%以下である生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムである。
【0006】
また、ガーレー透気度が1000sec/100cc以下である生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムである。
【0007】
また、面内角度45度で交わる4方向の破断強度の和が100〜600MPaである生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムである。
【0008】
また、呈色試験紙と、平均対角長1〜500μm以下の穴を少なくとも一つ設けた該生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムを配する生体液試験シートである。
【0009】
また、該生体液試験シートを用いてなる生体液試験装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下に説明するとおり、生体液試験シートとして優れた特性を有する白色ポリプロピレンフィルム及び生体液試験用として優れた特性を有する生体液試験シートを提供することができる。
(1)白色度、光学濃度が高く、生体液に接触した際の白色度及び光学濃度の変化率が低いことにより、呈色試験紙とのコントラストを高く保つことができ、高い検出感度を付与することができる。
(2)面内の破断強度のバランスが一定範囲内にあり、一定範囲の強度を有することにより、加工時に、目的の形状に従った微細な加工を好適に施すことができ、使用時や加工時のフィルムの破壊を防ぐことができる。
(3)貫通孔を有し、高い透気度を有することにより、検体の呈色試験紙への導入の阻害を防ぐことができる。
(4)実質的に無核の孔を有することにより、粒子の脱落による試験紙の汚染を防ぐことができる。
(5)煩雑な製造工程を必要とせず、安価なシートを提供することができる。
(6)検出範囲を微細な範囲に限定することにより、呈色試験紙の必要サイズを小さくすることができ、検体の必要量を低減することができ、呈色の斑による検出誤差を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルム及び生体液試験シートを得る最良の形態、並びに本発明のシートの生体液試験装置への適用における形態について説明する。
【0012】
本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムは、表裏に貫通した実質的に無核の孔を有することが、フィルムから脱落した粒子による試験紙の汚染防止及び生体液の試験紙への円滑な導入のために必要である。孔が表裏に貫通していない場合、呈色試験紙に生体液を導入する際に、内部の圧力が高くなることにより、試験紙を呈色させるために十分な量の生体液の導入が困難となり、呈色を阻害するおそれがある。また、孔が核を有するものである場合、フィルムの製造時や加工時に貫通した孔から核となっている粒子が脱落して工程汚れの原因となるおそれがあるほか、生体液試験シートの成形や使用の際に粒子が脱落し、試験紙を汚染して正確な色調の検出が困難となるおそれがある。
【0013】
ここで、表裏に貫通したとは、層状に重なった、孔が、連結部分を有することによって一方の表面から反対の表面まで連続していることを指し、フィルムの表面より流動パラフィン(一級)を1ml滴下して1時間静置した後に、フィルムの内部を流動パラフィンが通過することによって孔が埋まり、滴下部のJIS Z8120に規定された光学濃度が低下することにより確認することができる。
【0014】
また、実質的に無核の孔を有するとは、フィルムの断面を、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡を用いて8000倍に拡大観察して撮影した断面写真を用いて、1000μm当たりに存在する全ての境界線を有する単独の気泡である孔の数と、該単独気泡の内部に、サンプルに付着した塵以外の、孔の核となる円形や多角形などの形状の独立した粒状物が存在する孔の数を数え、核を有する孔数を全孔数で割った値が、5%以下である場合に、実質的に無核の孔を有するとした。なお、フィルムの断面観察においては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ10箇所の断面写真計10枚を使用した。
【0015】
孔を有するポリプロピレンフィルムを製造する方法としては、糸状にしたポリプロピレンを織る若しくは編むことによりフィルムを得る方法、繊維状のポリプロピレンを用いて不織布とすることによりフィルムを得る方法、口金より押し出したポリプロピレンを一軸若しくは二軸に延伸してフィルムを得る方法があるが、本発明の目的を達成するには、口金より押し出したポリプロピレンを二軸に延伸してフィルムを得ることが好ましい。また、口金より押し出したポリプロピレンを二軸に延伸する方法としては、逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法、チューブラー延伸法があるが、経済性および均一に孔を形成する観点から、逐次もしくは同時二軸延伸法が好ましい。
【0016】
また、ポリプロピレンフィルム中に孔を形成する方法としては、ポリプロピレンと溶媒を混合して押し出し、延伸の前若しくは後に、押し出されたシート中に含まれる溶媒を抽出することにより孔を形成する方法、ポリプロピレン中にポリプロピレンと相溶しない樹脂または粒子などを添加し、延伸時にポリプロピレンとの界面において発生する剥離を利用して孔を形成する方法、ポリプロピレン中に高密度、高弾性回復率の弾性構造を作り、延伸により該弾性構造を変形させて孔を形成する方法、ポリプロピレンの結晶多形より、β晶からα晶への結晶転移を利用して孔を形成する方法などがあるが、経済性および孔に核を作らない観点から、β晶からα晶への結晶転移を利用する方法により孔を形成することが好ましい。
【0017】
本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムは、β晶分率が40%以上のポリプロピレンを主成分とすることが、効率的な貫通孔の形成及び空気の透過性と生体液不透過性の両立のために必要である。β晶分率が40%以上のポリプロピレンを主成分とすることにより、多数の貫通孔の形成によって透気性を発現し、生体液を導入する際に生ずる内圧を解放することができるほか、ポリプロピレンが疎水性であることによって生体液の透過を防ぎ、色調の検出の阻害を防止することができる。より好ましくはβ晶分率が45%以上であり、50%以上であることが貫通孔の形成量の観点から特に好ましい。β晶分率が40%未満では孔の形成が不十分となるおそれがある。β晶分率の上限は、本発明の効果を発現する限りにおいて特に限定されないが、フィルムの強度や孔の巨大化を防止する観点から、95%以下であることが好ましい。
【0018】
また、ポリプロピレンを主成分とするとは、本発明のフィルムを構成する成分の85%以上、より好ましくは90%以上がポリプロピレンよりなることを言う。本発明の白色ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂としては、ホモのポリプロピレンもしくは、プロピレンにプロピレン以外の第2成分、例えばエチレン又はα−オレフィンとして、ブテン、ヘキセン、オクテンなどを1〜15重量%ランダムまたはブロックに共重合させたものなどを用いることができる。また、上記ポリプロピレン樹脂には、他の成分として、メタロセン触媒法による直鎖状低密度ポリエチレン(m−LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレン−エタクリレート(EEA)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)などのエチレン−α−オレフィンコポリマー、イソプレンゴム(IR)、スチレン系共重合体として、スチレン−ブタジエンラバー(SBR)、水添スチレンブタジエンラバー(HSBR)、スチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)などのエラストマー成分を共重合または添加することができる。ポリプロピレン樹脂にエラストマー成分を共重合または添加する場合、共重合量または添加量は0.1〜15重量%であることが、加工性及び孔の均一性の向上のために好ましい。共重合量および添加量が0.1重量%未満では添加効果を発現することができず、15重量%を越えると分散不良が起こり、ゲル状の突起が形成されたり、加工性の悪化や、加工時や使用時における孔の変形や閉孔が起こるおそれがある。
【0019】
ここで、本発明における白色ポリプロピレンフィルムのβ晶分率とは、本発明の白色ポリプロピレンフィルムを、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、走査型差動熱量計(DSC)により、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で280℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温した際に、再度の昇温において、140℃以上160℃未満の範囲にピークを持つポリプロピレン由来のβ晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−1)と、160℃以上にピークを持つβ晶以外のポリプロピレンに由来する結晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−2)から、下記式:
β晶分率(%)= {ΔHu−1/(ΔHu−1+ΔHu−2)}×100。
により求めたものである。
【0020】
本発明の白色ポリプロピレンフィルムにおいて、β晶分率を40%以上とするための方法としては、β晶核剤を添加する、結晶化速度を遅くするなどの方法があるが、β晶を安定して形成させるために、β晶核剤を添加することが好ましい。
【0021】
本発明の白色ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレンに好ましく添加できるβ晶核剤としては、例えば、1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、フタル酸マグネシウムなどに代表されるカルボン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩;N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミドなどに代表されるアミド系化合物;ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムなどに代表される芳香族スルホン酸化合物;二または三塩基カルボン酸のジもしくはトリエステル類;テトラオキサスピロ化合物類;イミドカルボン酸誘導体;フタロシアニンブルーなどに代表されるフタロシアニン系顔料;キナクリドン、キナクリドンキノンなどに代表されるキナクリドン系顔料;有機二塩基である成分Aと周期律表第IIA族金属の酸化物、水酸化物または塩である成分Bとからなる二成分系化合物などが挙げられるが、これらに限定されるわけではなく、1種類のみを用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。本発明の白色ポリプロピレンシートを構成するポリプロピレンに添加するβ晶核剤としては、上記のなかでは特に下記化学式で表され、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミドなどに代表されるアミド系化合物、
−NHCO−R−CONH−R
[ここで、式中のRは、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジカルボン酸残基または炭素数6〜28の芳香族ジカルボン酸残基を表し、R、Rは同一または異なる炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。]
−CONH−R−NHCO−R
[ここで、式中のRは、炭素数1〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族ジアミン残基、炭素数4〜28の飽和もしくは不飽和の脂環族ジアミン残基または炭素数6〜12の複素環式ジアミン残基または炭素数6〜28の芳香族ジアミン残基を表し、R、Rは同一または異なる炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基またはこれらの誘導体である。]
有機二塩基である成分Aと周期律表第IIA族金属の酸化物、水酸化物または塩である成分Bとからなる二成分系化合物が、得られる白色ポリプロピレンシートの透過性を向上できることから、特に好ましい。
【0022】
かかる特に好ましいβ晶核剤もしくはβ晶核剤添加ポリプロピレンの具体例としては、新日本理化(株)社製β晶核剤“エヌジェスター”(タイプ名:NU100など)、SUNOCO Chemicals製β晶核剤添加ポリプロピレン“Bepol”(タイプ名:B−022−SPなど)などが挙げられる。
【0023】
β晶核剤の添加量は、用いるβ晶核剤のβ晶生成能にもよるが、ポリプロピレン全量に対して0.001〜10重量%であることが好ましい。より好ましくは0.005〜8重量%、さらに好ましくは0.01〜5重量%である。β晶核剤の添加量が0.001重量%未満であると、フィルムのβ晶分率が不十分となる場合があるほか、透過性能に劣る場合がある。β晶核剤の添加量が10重量%を超えると、添加量を増やしても、得られる白色ポリプロピレンフィルムのβ晶分率が向上せず、経済性に劣るほか、核剤自体の分散性が悪化してβ晶分率が低下する場合がある。
【0024】
本発明のポリプロピレンのアイソタクチックインデックス(II)は90%以上、より好ましくは95%以上であることが、製膜安定性、フィルムの強度の観点から好ましい。また、該ポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は230℃、2.16kgの条件において、1〜20g/10分であることが、押出成形性及び微細な孔の均一な形成の観点から好ましい。
【0025】
本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムは、フィルムの白色度が50%以上であることが、呈色の検出精度の観点から必要である。より好ましくは、55%以上、特に好ましくは60%以上であることが呈色の検出精度をより高くする観点から好ましい。白色度が50%未満では、呈色試験紙とのコントラストが不十分となるおそれがあり、検出精度が低下する場合がある。ここで、白色ポリプロピレンフィルムの白色度とは、JIS Z−8722に準じた光学条件により、色の三刺激値であるX値、Y値、Z値を測定し、下記式:
白色度(%)=4×0.847×Z値−3×Y値
により求められた白色度を言う。
【0026】
また、本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムは、検出精度の低下を防ぐ観点から、牛胎児血清に接触した際の接触した側とは反対表面の白色度の変化率が20%以下であることが必要である。より好ましくは15%以下、さらに好ましくは12%以下、特に好ましくは8%以下であることが、高い検出精度を保つために好ましい。白色度の変化率が20%を越える場合、試験時に生体液に接触した後の呈色試験紙とのコントラストが低くなり、検出精度が低くなるおそれがあるほか、接触後の白色度の予想が困難となるために、検出器が白色ポリプロピレンフィルムの色調を検出してしまい、検出精度を低下させるおそれがある。ここで、生体液に接触した際の接触した側とは反対表面の白色度とは、白色ポリプロピレンフィルムの一方の表面に牛胎児血清を塗布し、牛胎児血清を塗布した側とは反対の表面を光の入射する側として測定した白色度を言う。また、白色度の変化率とは、牛胎児血清に接触する前及び後の白色ポリプロピレンフィルムについて上記の通り白色度を測定し、下記式:
白色度の変化率(%)=(接触前の白色度−接触後の白色度)/接触前の白色度×100
により求められた変化率を言う。
【0027】
本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムは、光学濃度が0.6以上であることが、呈色の検出精度の観点から必要である。より好ましくは光学濃度が0.65以上であり、特に好ましくは0.7以上であることが、検出感度の向上の観点から好ましい。光学濃度が0.6未満では、検出対象とする部位以外の部位における呈色試験紙の色調を検出器がノイズとして拾ってしまい、検出感度が低下するおそれがある。
【0028】
また、本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムは、検出精度の低下を防ぐ観点から、牛胎児血清に接触した際の光学濃度の変化率が20%以下であることが必要である。より好ましくは15%以下、さらに好ましくは12%以下、特に好ましくは8%以下であることが、高い検出精度を保つために好ましい。光学濃度の変化率が20%を越える場合、試験時に生体液に接触した後のノイズ量が接触前のノイズ量よりも大きく増加し、接触後の検出精度が低下し、呈色の程度を正しく検出することが困難となる。
【0029】
ここで、牛胎児血清に接触した際の光学濃度とは、白色ポリプロピレンフィルムの一方の表面に牛胎児血清を塗布し、牛胎児血清を塗布した側とは反対の表面を検出器側として測定した光学濃度を言う。また、光学濃度の変化率とは、牛胎児血清に接触する前及び後の白色ポリプロピレンフィルムについて上記の通り光学濃度を測定し、下記式:
光学濃度の変化率(%)=(接触前の光学濃度−接触後の光学濃度)/接触前の光学濃度×100
により求められた変化率を言う。
【0030】
本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムは、面内角度45度で交わる4方向の破断強度の差が30%以下であることが、微細加工性の観点から必要である。より好ましくは破断強度の差が25%以下であり、20%以下であることが、強度のバランスの観点からさらに好ましい。破断強度の差が30%を越える場合には、微細加工時に破断強度の弱い方向にフィルムが裂け、目的の形状に加工することが困難となるおそれがある。また、微細加工性の観点からは、加工後のフィルムにおいて、加工部分における裂開や加工屑の発生が確認されないことが好ましい。ここで、面内角度45度で交わる4方向とは、ポリプロピレンフィルムの長手方向を0度とし、長手方向に直行する幅方向の2方向からなる面において、0度、45度、90度、135度にあたる方向であり、破断強度の差が30%を越えるとは、4方向についてそれぞれ破断強度を測定し、下記式:
差値(%)=(最大値−最小値)/最大値×100
により、最大値と最小値の差を最大値と比較して求められた値を言う。
【0031】
また、本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムは、面内角度45度で交わる4方向の破断強度の和が100〜600MPaであることが、加工時や使用時のフィルムの破断防止や成形性、追従性の観点から好ましい。より好ましくは120〜550MPaであり、さらに好ましくは150〜500MPaであり、200〜500MPaであることが、使用時の破断防止等の観点から好ましい。破断強度の和が100MPa未満では、微細加工時や使用時に容易に破断して、成形性が不良となる場合があり、600MPa以上では柔軟性に欠け、呈色試験紙や生体液試験装置への追従性が不良となる場合がある。
【0032】
本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムは、生体液を呈色試験紙に円滑に導入するため、ガーレー透気度が1000sec/100cc以下であることが好ましい。より好ましくは800sec/100cc以下であり、700sec/100ccであることが特に好ましい。ガーレー透気度が1000sec/100ccを越える場合には、呈色試験紙への生体液の導入を阻害する場合がある。ここで、ガーレー透気度とは、JIS P8117に準じてガーレー式によって測定された、空気100ccが試験片を通過するのに要する時間(秒)を指す。
【0033】
次に、本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムの製造方法について、一例を説明するが、本発明はかかる例のみに限定されるものではない。
【0034】
本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムにおいては、結晶核剤を0.001〜10重量%含有するポリプロピレン樹脂を、180〜300℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金にて押出成形し、溶融シートを得る。この溶融シートを表面温度90〜130℃、より好ましくは100〜130℃に保たれたドラム上に押出して密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製する。冷却固化は、ドラム上への押出のみによって行っても、熱風を吹き付けながら行ってもよい。熱風を吹き付けながら行なう場合、熱風の温度は、ドラム温度と同じもしくはドラム温度よりも10〜30℃高い温度とすることが、フィルムの熱風が接触する面の冷却速度をドラムと接触している面と同等とするために好ましい。この時、ドラム温度が高いことによりβ晶を安定して形成することができることにより、二軸延伸後に高い空隙率を有するフィルムを得ることができる。次に、フィルム内部に孔を形成するために、該未延伸積層シートを80〜160℃に加熱したロール群または内部に複数のロールを配したオーブンに導き、フィルム温度を80〜150℃にした後、表面温度を80〜140℃に保たれたハードクロムメッキした金属ロールとゴムロールの一対のニップロール(延伸ロール)と、表面温度を30〜130℃に保たれたハードクロムメッキした金属ロールとゴムロールの一対のニップロール(冷却ロール)間に通し、延伸ロールと冷却ロールの周速差で長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に3〜7倍、より好ましくは4〜7倍延伸し、30〜130℃のロール群で冷却または熱処理する。続いて、長手方向に延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、110〜190℃に加熱した雰囲気中(シート温度:90〜165℃)で長手方向に垂直な方向(幅方向)に5〜12倍に延伸する。その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は15倍〜84倍、製膜安定性と生産性の両立の観点からは25〜50倍であることが好ましい。面積倍率が15倍未満であると、孔の形成が不十分となり、本発明のフィルムの特性が得られない、また、面積倍率が84倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる傾向がある。
【0035】
このようにして得られた二軸延伸フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて140〜170℃で1〜30秒間の熱処理を行い、その後均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取ることにより、本発明の白色ポリプロピレンフィルムを得ることができる。なお、上記熱処理工程中では、必要に応じて横方向あるいは縦方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。また、二軸延伸は逐次二軸延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また二軸延伸後に縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。
【0036】
また、本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムは、強度の向上、生体液に対する耐汚染性の向上等の観点から、積層構造とすることもできる。積層構造とする場合、スキン層の積層方法として、押出機(a)と押出機(b)を有する複合製膜装置において、それぞれ樹脂構成や添加剤、β晶分率等の異なるポリプロピレン樹脂を、180〜300℃に加熱された押出機(a)及び押出機(b)に供給して溶融し、それぞれTダイ複合口金内に導入し、押出機(b)のポリマーが押出機(a)のポリマーの一方の表層(片面)あるいは両方の表層(両面)にくるように積層してシート状に共押出成形し、溶融積層シートを得る。この溶融積層シートを、表面温度90〜130℃に保たれたドラム上で密着冷却固化し、未延伸積層フィルムを作製する。
【0037】
また、他のスキン層の積層方法として、縦延伸したフィルム上に押出ラミネートした後に横延伸をすることもできる。
【0038】
本発明の生体液試験用シートは、呈色試験紙と、本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムよりなるものである。ここで、呈色試験紙と白色ポリプロピレンフィルムよりなるシートを得る方法としては、本発明の目的を阻害しない範囲であればどのような方法でも良いが、例えば、呈色試験紙と白色ポリプロピレンフィルムを接着剤や粘着層の熱融着などにより接着する方法、呈色試験紙と白色ポリプロピレンフィルムを重ね合わせる方法などの方法により、呈色試験紙と白色ポリプロピレンフィルムを一体として用いることができる。但し、接着剤や粘着層の熱融着による場合には、本発明の白色ポリプロピレンシートの透気性を阻害しないために、微細なドット状に接着剤等を配する点接着や、透気性を有する接着剤を用いることが好ましい。
【0039】
また、本発明の生体液試験用シートに用いる呈色試験紙は、生体液中の特定成分に反応して特定の色調に呈色する一種類の呈色試験紙のみを用いても、同一の生体液中の異なる成分に反応してそれぞれ異なる色調に呈色する複数の呈色試験紙を並べて用いても良い。複数の呈色試験紙を並べて用いる場合、白色ポリプロピレンフィルムの各呈色試験紙に接する部分に、それぞれ少なくとも一つの穴を設けることにより、検出時の混色などの問題を防ぎ、各呈色試験紙の呈色の程度を正確に検出することができる。
【0040】
また、生体液試験用シートには、本発明の目的を阻害しない範囲において、呈色試験紙の検体側に生体液の展開層を設けることもできる。
【0041】
本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムを生体液試験用シートに用いる場合、平均対角長1〜500μmの穴を少なくとも一つ設けることが、呈色試験紙と白色ポリプロピレンフィルムとのコントラストによる検出精度の向上の観点から好ましい。より好ましくは平均対角長が1〜450μmであり、さらに好ましくは5〜400μmであり、10〜400μmであることが、呈色斑の検出防止と検出感度の両立の観点から特に好ましい。平均対角長が500μmを越える場合には、検出対象となる範囲が大きくなり、呈色試験紙の呈色斑を検出しやすくなり、検出感度が低下する場合があり、1μm未満の場合には、検出対象となる範囲が過度に狭くなり、色調の検出が困難となる。ここで、平均対角長とは、フィルムに設けた穴について、中央を通る4本の対角線を、対角線間の角度が45度となるように引いて測長して、その対角線の長さを平均した値をいう。
【0042】
生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムに設ける穴の形状としては、検出器の構造などに応じてどのような形状としても良いが、例えば、円形、楕円形、三角形や四角形、五角形等の多角形、星形等の形状の穴を設けることができる。
【0043】
また、白色ポリプロピレンフィルムに設ける穴の位置及び個数は、生体液試験装置の形状や検出器の生体液試験用シートに対する位置、呈色試験紙の形状、検体の呈色試験紙への展開性、一回の測定で用いる呈色試験紙の種類に応じて定められたものであればどのような位置及び個数でも良いが、検出精度の観点からは、穴の個数については単一の呈色試験紙を用いる場合には一つ、複数の呈色試験紙を用いる場合には呈色試験紙毎に一つであることが好ましく、穴を設ける位置については、呈色試験紙へ検体を導入する位置とポリプロピレンフィルムに設けられた穴と検出器が直線で結ばれるような位置に設けることが最も好ましいが、用いる呈色試験紙の種類や数、検体の展開性によっては、呈色試験紙の、献体を導入する位置から一定の距離離れた位置に設けることが好ましい場合がある。
【0044】
本発明の生体液試験用シートに用いられる呈色試験紙とは、生体液を吸収しうる担体に、生体液の特定成分に反応し、該成分の量によって特定の色調に呈色する試薬を担持させたものである。
【0045】
本発明の生体液試験用シートの測定対象とする検体としては、例えば、血液、尿、リンパ液、汗、唾液、胆汁、涙液、髄液、羊水、腹水、乳汁などの生体液またはその希釈液、濃縮液などを対象とすることができる。また、測定目的とする成分としては、例えば、血液や尿中の血糖値の指標となるブドウ糖や尿中の潜血の指標となるヘモグロビンの他、蛋白、コレステロール、尿酸、クレアチニン、アルコールや、ナトリウム等の無機イオンなどを対象とすることができる。
【0046】
ここで、生体液を吸収しうる担体には、生体液の吸収性の観点から、不織布、織布、物理的穿孔や延伸を伴うまたは伴わない方法によりシート中に孔を形成させた多孔質シート、メンブランフィルター、濾紙などを用いることが好ましい。また、担体は、目的成分の担体中への展開及び試薬の担持の観点から、最少細孔径が目的成分を透過しうる程度のものであることが好ましく、最大細孔径が検体の目的成分以外の成分が浸み出さない程度のものであることが好ましい。例えば、目的が血糖値の測定など、血清中の特定成分の測定である場合には、血清の透過性と血球の浸み出しによる感度低下、試薬の流出を防ぐ観点から、0.05〜2.0μmの細孔径を有する担体を用いることが好ましい。また、担体には、生体液の吸収性の観点から、親水性を有する材料若しくは親水化処理された材料を用いることが好ましい。
【0047】
担体に担持させる、生体液の成分に反応し、成分の量により特定の色調に呈色する試薬は、生体液中の目的成分に反応する物であればどのような物でも良いが、例えば、血糖値の測定を目的とする場合には、グルコースオキシターゼとペルオキシターゼに4−アミノアンチビリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジンのような発色剤を加えたものなどを用いることができる。また、その他血液成分の測定を目的とする場合には、測定成分に応じて、例えば、アスコルビン酸オキシターゼ、アルコールオキシターゼ、コレステロールオキシターゼなど、血液成分に反応するものに前記のような発色剤を加えたものなどを用いることができる。また、尿中のヘモグロビンの検出を目的とする場合には、ヒドロペルオキシドにトリジン、ベンジジンまたはベンジジン誘導体、2,7−ジアミノフルオレン等の発色剤を加えたものなどを用いることができる。その他、測定目的成分に応じて、該成分に反応する試薬に発色剤を加えたものを用いることができる。また、このような試薬には、リン酸緩衝液などの緩衝剤が含まれていても良い。
【0048】
このような試薬を担体に担持させる方法としては、どのような方法を用いても良いが、例えば、試薬を含有する液に担体を含浸した後乾燥させる方法、試薬を含有する液を担体にスプレーした後乾燥させる方法、試薬を含有する液を担体に塗布した後乾燥させる方法などの方法により行うことができる。
【0049】
本発明の生体液試験装置は、本発明の生体液試験用シートを、目的とする特定成分の量を検出するための構成要素として少なくとも一つ含有するものである。
【0050】
本発明の生体液試験用シートを用いる方法としてはどのようなものであっても良いが、衛生性などの観点から、少なくとも本発明の生体液試験用シート、検体の導入部、固定用部分を有してなる、生体液試験用シートに直接手を触れることなく用いることができる付け替え可能な測定器具とし、検出器を有する本体部分に固定して用いるような生体液試験装置とし、生体液試験シートを用いてなる測定部分は一度使用する毎に付け替える、使い捨て用の測定器具とすることが好ましい。また、本発明の生体液試験装置は、一種類の生体液試験用シートを有してなる、特定の検体や成分について測定しうる生体液試験装置とすることも、それぞれ反応する成分の異なる試薬を担持させた呈色試験紙を用いた複数の生体液試験用シートを組み合わせてなる、一度の測定で複数の検体や成分について測定しうる生体液試験装置とすることができる。
[特性の測定方法および評価方法]
本発明の特性値は、次の評価方法、評価基準により求められる。
【0051】
(1)融解熱量及びβ晶分率
融解熱量は、ポリプロピレン樹脂およびポリプロピレンフィルムをセイコー電子工業(株)製走査型差動熱量計RDC220(DSC)を用い、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で280℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、140℃以上160℃未満の範囲にピークを持つポリプロピレン由来のβ晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−1)と、160℃以上にピークを持つβ晶以外のポリプロピレン由来の結晶の融解によって1個以上現れる吸熱ピークの融解熱量(ΔHu−2)を測定する。β晶分率は、下記式:
β晶分率(%)= {ΔHu−1/(ΔHu−1+ΔHu−2)}×100
にて求めた。
【0052】
(2)融点
融点は、ポリプロプレンフィルムを、セイコー電子工業(株)製走査型差動熱量計RDC220(DSC)を用いて、プラスチックの転移熱測定方法(JIS K7122)に準拠して、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で280℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、樹脂の融解に伴う吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)とした。
【0053】
(3)白色度及び白色度変化率
白色度は、分光式色差計SE−2000型(日本電色工業(株)製)を用いて、JIS Z−8722に準じた光学条件により、色の三刺激値であるX値、Y値、Z値を測定し、下記式:
白色度(%)=4×0.847×Z値−3×Y値
により求めた
また、白色度の変化率は、未処理の白色ポリプロピレンフィルムの白色度を接触前の白色度、白色ポリプロピレンフィルムの一方の表面にライフ テクノロジーズ(LIFE TECHNOLOGIES)社製の牛胎児血清5mlを塗布し、8番のメタバーを用いてA4サイズに広げ、15分間静置後に、表面を(株)旭小津製のハイゼガーゼで拭き取り、牛胎児血清を塗布した側とは反対の表面を光の入射する側として測定した白色度を接触後の白色度とし、下記式:
変化率(%)=(接触前の白色度−接触後の白色度)/接触前の白色度
により求めた。
【0054】
(4)光学濃度及び光学濃度変化率
光学濃度計(Macbeth TR−927)にてフィルムの光学濃度を測定し、下記のように判定した。
【0055】
○:0.6以上。
【0056】
×:0.6未満。
【0057】
また、光学濃度の変化率は、未処理の白色ポリプロピレンフィルムの光学濃度を接触前の光学濃度、白色ポリプロピレンフィルムの一方の表面にライフ テクノロジーズ(LIFE TECHNOLOGIES)社製の牛胎児血清5mlを塗布し、8番のメタバーを用いてA4サイズに広げ、15分間静置後に、表面を(株)旭小津製のハイゼガーゼで拭き取り、牛胎児血清を塗布した側とは反対の表面を検出器側として測定した光学濃度を接触後の光学濃度とし、下記式:
変化率(%)=(接触前の光学濃度−接触後の光学濃度)/接触前の光学濃度
により求めた。
【0058】
(5)核含有の有無
核含有の有無は、フィルムをミクロトームで幅方向に切削して得られたフィルム断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)S−2100A形((株)日立製作所製)を用いて8000倍に拡大して観察することにより求めた。核含有は、互いに異なる1000μmの範囲について、境界線を有する単独の気泡である孔のうち、孔の核となる円形や多角形などの形状の独立した粒状物が存在する孔を、有核の孔とし、独立した粒状物が存在しない孔を無核の孔として、下記式:
核含有率(%)=有核の孔の個数/全孔数×100
により核含有率を求め、下記のように判定した。
【0059】
◎:1%未満
○:1%以上5%以下
×:5%超過
(6)破断強度及び破断強度差値
破断強度及び弾性率は、オリエンテック社製テンシロン(引っ張り試験機)を用いて、25℃において測定した。測定は、引っ張り速度300mm/min、幅10mm、試料長50mmとして、フィルムの長手方向を0度とし、0度、45度、90度、135度に当たる方向について、破断強度をそれぞれ10点測定することにより求めた。また、破断強度の和は、4方向について求めた破断強度を足して求めた。また、破断強度の差値は、4方向について求めた破断強度より、下記式:
差値(%)=(最大値−最小値)/最大値×100
により求めた。
【0060】
(7)コントラスト
コントラストは、疑似試験紙として既知の波長を有する黄色の厚紙を用い、該厚紙と白色プロピレンフィルムを重ねたサンプルについて、4.0×3.5cmの寸法に切り出し、日立製作所(株)製分光光度計U−3410を用いて、分解能2nm以下、走査速度120nm/min、ゲイン3、respons Mediumの条件で、白色ポリプロピレンフィルムの側から光線を入射して反射強度を測定し、厚紙の波長域における厚紙とサンプルの反射強度から、下記式:
コントラスト(%)=(厚紙の反射率−サンプルの反射率)/厚紙の反射率×100
より求め、下記のように判定した。
【0061】
◎:80%以上
○:60%以上80%未満
×:60%未満
【実施例】
【0062】
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、WF−836DG3、MFR:7g/10分、II:96.5%)99.9重量%に、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.1重量%添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、フィルムの長手方向に5倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、145℃に加熱した雰囲気中でフィルムの幅方向に7倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=35倍)、フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて160℃で横方向3%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。得られたフィルムは、無核で、高い白色度及び光学濃度を有し、白色度及び光学濃度の変化率が低く、破断強度のバランスに優れ、高いコントラストを有しており、生体液試験用の目的に適していた。
【0064】
(実施例2)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、タイプ:FS2011C、MFR:1.3g/10分、II:96%)96.95重量%と、ポリプロピレン樹脂(サンアロマー(株)製、タイプ:HMS−PP PF−814、MFR:3g/10分)3重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.05重量%添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度110℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、フィルムの長手方向に6倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でフィルムの幅方向に9倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=54倍)、フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向10%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。得られたフィルムは、無核で高い白色度及び光学濃度を有し、白色度及び光学濃度の変化率が低く、破断強度のバランスが良好であり、高いコントラストを有しており、生体液試験用の目的に適していた。
【0065】
(実施例3)
ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製、タイプ:F107BV、MFR:7g/10分、II:97%)12重量%と、ポリプロピレン樹脂(サンアロマー(株)製、タイプ:HMS−PP PF−814、MFR:3g/10分)3重量%と、β晶核剤として、SUNOCO社製“Bepol”(タイプ:B−022−SP、MI:1.8g/10分)85重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度125℃に加熱されたキャストドラム上に密着させ、非ドラム面側より130℃の温風を吹き付けて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。該未延伸フィルムを100℃に加熱保持されたロールに導いて予熱後、フィルムの長手方向に6倍延伸し、50℃のロールで冷却した。続いて、延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、155℃に加熱した雰囲気中でフィルムの幅方向に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=48倍)、フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて160℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。得られたフィルムは、無核で良好な白色度及び光学濃度を有し、白色度及び光学濃度の変化率が低く、破断強度のバランスが良好であり、良好なコントラストを有しており、生体液試験用の目的に適していた。
【0066】
(実施例4)
ポリプロピレン樹脂(出光石油化学(株)製、タイプ:F200ST1、MFR:1.3g/10分、II:97%)99.9重量%に、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.1重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥し、樹脂Aを得た。次に、ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、FS2016、MFR:2g/10分、II:96.5%)99.8重量%に、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)0.05重量%と平均粒径2.5μmのポリメチルメタクリレートの架橋粒子(日本触媒(株)製、タイプMA−1002)0.15重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥し、樹脂Bを得た。次に、樹脂Aを200℃に加熱された押出機Aに、樹脂Bを260℃に加熱された押出機Bに供給して溶融し、β晶ポリプロピレン樹脂Aとポリプロピレン樹脂Bの積層比がA:B=9:1となるようにTダイ口金内でA/B2層に積層して、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。該未延伸フィルムを110℃に加熱保持されたロールに導いて予熱後、フィルムの長手方向に4倍延伸し、80℃のロールで冷却した。続いて、延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でフィルムの幅方向に7倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=28倍)、フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向7%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。得られたフィルムは、表層に僅かに核を有する孔があるものの、実質的に無核であり、高い白色度及び光学濃度を有し、白色度及び光学濃度の変化率が低く、破断強度のバランスが良好であり、高いコントラストを有しており、生体液試験用の目的に適していた。
【0067】
(実施例5)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、タイプ:FS2016、MFR:2.1g/10分、II:96%)26.95重量%と、ポリプロピレン樹脂(サンアロマー(株)製、タイプ:HMS−PP PF−814、MFR:3g/10分)3重量%と、β晶核剤として、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、NU−100)を0.05重量%と、SUNOCO社製“Bepol”(タイプ:B022−SP、MI:1.8g/10分)70重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃でガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを280℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。該未延伸フィルムを140℃に加熱保持されたオーブンに導いて予熱後、フィルムの長手方向に6倍延伸し、80℃のロールで冷却した。続いて、延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でフィルムの幅方向に10倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=60倍)、フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて150℃で横方向10%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。得られたフィルムは、破断強度のバランスがやや劣るものの、無核で良好な白色度及び光学濃度を有し、白色度及び光学濃度の変化率が低く、良好なコントラストを有しており、生体液試験用の目的に適していた。
【0068】
(比較例1)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、タイプ:FS2011C、MFR:1.3g/10分、II:96%)90重量%と、β晶核剤として、SUNOCO社製“Bepol”(タイプ:B−022−SP、MI:1.8g/10分)10重量%添加混合し、二軸押出機に供給して300℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットした後、100℃で2時間乾燥した。次に、該β晶ポリプロピレンを200℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度100℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたロールに導いて予熱後、フィルムの長手方向に4倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でフィルムの幅方向に7倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=28倍)、フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向5%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。得られたフィルムは、無核で、破断強度のバランスが良好であり、白色度及び光学濃度の変化率が低いものの、β晶分率が低く、白色度及び光学濃度が低く、コントラストが不良であり、透気度が低く、生体液試験用の目的に適していなかった。
【0069】
(比較例2)
白色ポリプロピレンフィルムとして、セルガード2500(セルガード(株)製)を用いた。該フィルムの特性を表1に示す。フィルムは、無核で、白色度及び光学濃度の変化率が低いものの、白色度及び光学濃度が低く、破断強度のバランスが悪く、コントラストが不良であり、生体液試験用の目的に適していなかった。
【0070】
(比較例3)
ポリプロピレン樹脂(サンアロマー(株)製、PM671A、MFR:7g/10分、II:96%)99.5重量%に、炭酸カルシウム(商品名:スターピゴット15A、白石カルシウム社製、平均粒子径0.15μm)0.5重量%を添加混合し、二軸押出機に供給して280℃で溶融混合した後、ガット状に押出し、20℃の水槽に通して冷却してチップカッターで3mm長にカットし、100℃で2時間乾燥した。次に、該ポリプロピレンを280℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度120℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。該未延伸フィルムを120℃に加熱保持されたロールに導いて予熱後、フィルムの長手方向に4倍延伸し、40℃のロールで冷却した。続いて、延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、135℃に加熱した雰囲気中でフィルムの幅方向に10倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=40倍)、フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて150℃で横方向8%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。得られたフィルムは、白色度及び光学濃度が高く、白色度及び光学濃度の変化率が低いものの、孔に核を有しており、透気度が低く、縦横の強度のバランスが不良であり、製膜時に粒子の脱落が発生し、工程汚れと試験紙の汚染のおそれがあり、生体液試験用の目的に適していなかった。
【0071】
(比較例4)
ポリプロピレン樹脂(住友化学(株)製、WF−836DG3、MFR:7g/10分、II:96.5%)を280℃に加熱された押出機に供給して溶融し、Tダイ口金内を通してシート状に押出成形し、表面温度60℃に加熱されたキャストドラム上に密着させて冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。該未延伸フィルムを140℃に加熱保持されたロールに導いて予熱後、フィルムの長手方向に5倍延伸し、100℃のロールで冷却した。続いて、延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、160℃に加熱した雰囲気中でフィルムの幅方向に8倍延伸後(面積倍率:縦延伸倍率×横延伸倍率=40倍)、フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内にて155℃で横方向8%の弛緩熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却してポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。得られたフィルムは、縦横のバランスが悪く、孔を有さず、白色度及び光学濃度が低く、白色度及び光学濃度の変化率が高く、生体液試験用の目的に適していなかった。
【0072】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルムは、生体液に対する耐汚染性に優れ、呈色前または後の呈色試験紙とのコントラストが高く、任意の微細な形状に好適に加工することができる。また、本発明の生体液試験シートは、本発明の白色ポリプロピレンフィルムを用いてなるものであり、高いコントラストと任意の形状の検出窓を有することにより、生体液試験における検出感度を向上させることができ、呈色試験紙の必要サイズを小さくすることができることにより、少ない検体量で目的成分の量を検出することができる。また、本発明の生体液試験装置は、本発明の生体液試験シートを用いることにより、検出感度が高く、少ない検体量、小さい呈色試験紙サイズで検出が可能であり、低コスト、小型化を図ることができる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの表裏に貫通した実質的に無核の孔を有し、β晶分率が40%以上のポリプロピレンを主成分とする、白色度が50%以上、光学濃度が0.6以上、面内角度45度で交わる4方向の破断強度の差が30%以下であり、牛胎児血清に接触した際の接触した側とは反対側表面の白色度及び光学濃度の変化率が20%以下であることを特徴とする生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルム。
【請求項2】
ガーレー透気度が1000sec/100cc以下であることを特徴とする請求項1に記載の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルム。
【請求項3】
面内角度45度で交わる4方向の破断強度の和が100〜600MPaであることを特徴とする、請求項1または2に記載の生体液試験シート用白色ポリプロピレンフィルム。
【請求項4】
呈色試験紙と、平均対角長1〜500μmの穴を少なくとも1つ設けた請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムからなることを特徴とする生体液試験シート。
【請求項5】
請求項4に記載の生体液試験シートを用いてなる生体液試験装置。



【公開番号】特開2006−208202(P2006−208202A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−20931(P2005−20931)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】