説明

生体測定装置

【課題】ヘマトクリットを非観血で計測する。
【解決手段】生体測定装置は、身体の部位間の生体電気インピーダンス及びヘマトクリットを計測する計測部を備える。計測部は、第1の周波数で生体の組織と血液とを含むインピーダンスを測定して第1のインピーダンスZ1を出力し、第2の周波数で生体の組織と血液を含むインピーダンスを測定して第2のインピーダンスZ2を出力するインピーダンス演算部IPG1及びIPG2と、第1の時刻と第2の時刻における第1のインピーダンスの差分ΔZ、第1の時刻と第2の時刻における第2のインピーダンスの差分ΔZを解析する脈波解析部MS1及びMS2と、ΔZとΔZとに基づいてヘマトクリットを算出するヘマトクリット演算部245とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の血液の状態を示す指標を生成する生体測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘマトクリットは、血液中の血球の占める容積の割合を示す指標である。人工腎臓による透析を行うと、エリスロポエチンと呼ばれる腎臓で作られるホルモンが不足することから、貧血の傾向になる。このため、透析時にヘマトクリットを測定し、貧血の判断の指標に用いるのが通常である。
透析時には、人体と人口腎臓とを接続する血液経路にヘマトクリット測定装置を設け、ヘマトクリットを監視しながら、透析を行うことが多い。
このように人体の外部に取り出した血液を用いるヘマトクリット測定装置として、特許文献1には、取り出した血液について高周波のインピーダンスと低周波のインピーダンスとを各々測定し、それらの比に基づいてヘマトクリットを算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−133062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のヘマトクリット測定装置は、ヘマトクリットを測定するために血液を人体の外部に取り出す必要がある。このため、被験者に採血の苦痛を与えるものであり、家庭で手軽に測定することはできないといった問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、人体の外部に血液を取り出すことなくヘマトクリットを測定する装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の説明では、本発明の構成に実施形態の対応する構成に用いる符号を付すが、これは一例であって、本発明はこの対応付けに限定されるものではない。
上述した課題を解決するため、本発明に係る生体測定装置(1又は2)は、測定状態において生体の表面に接触する出力電極(220a及び220b)と入力電極(230a及び230b)とを備え、第1の周波数で前記生体の組織と血液とを含むインピーダンスを測定して第1のインピーダンス(Z1)を出力し、前記第1の周波数より高い第2の周波数で前記生体の組織と血液を含むインピーダンスを測定して第2のインピーダンス(Z2)を出力するインピーダンス測定部(IPG1及びIPG2、又はIPG)と、前記第1のインピーダンスの変動を解析して第1の変動量(ΔZ)として出力する第1解析部(MS1又はMS)と、前記第2のインピーダンスの変動を解析して第2の変動量(ΔZ)として出力する第2解析部(MS2又はMS)と、前記第1の変動量と前記第2の変動量との比に基づいて血液の成分を示す指標を生成する指標生成部(245又は246)と、を備える。
【0006】
この発明によれば、血液を人体から取り出すことなく、血液の成分を示す指標を生成することができる。これは、生体電気インピーダンスの変動量に注目しているからである。すなわち、生体電気インピーダンスは人体の表面から人体の部位間のインピーダンスを測定して得られるが、部位間には、組織と血液が存在する。そして、組織には脈動によって血液が周期的に流入する。したがって、組織に流入している血液量は変動する。一方、組織自体のインピーダンスは変化しない。そこで、生体電気インピーダンスの変動量に注目することによって、組織の影響を排除しているのである。また、血液は血漿と赤血球に大別でき、血漿と赤血球とではリアクタンス成分が異なる。よって、第1の周波数で測定した第1のインピーダンスの変動量(血液の成分に対応する変動量)と、第1の周波数より高い第2の周波数で測定した第2のインピーダンスの変動量(血液全体に対応する変動量)との比に基づいて、血液の成分を示す指標を算出することができるのである。そのような指標の一つとして、ヘマトクリットがある。
【0007】
生体測定装置の具体的な態様としては、前記インピーダンス測定部は、前記第1の周波数で前記第1のインピーダンスを測定する第1処理と、前記第2の周波数で前記第2のインピーダンスを測定する第2処理と同時に実行する第1態様と、両処理を異なる時間に実行する第2態様とがある。組織への血液の流入量は脈の周期毎に相違しうるから、第1態様によれば、より高い精度での計測が可能となる。一方、第2態様によれば、一つの解析部(MS)を第1解析部および第2解析部として用いる構成を採ることができるから、構成をより簡素とすることができる。
【0008】
第2態様において、前記第1解析部は、脈の1周期における前記第1のインピーダンスの最大値と最小値との差分である第1差分値を前記第1の変動量として出力し、前記第2解析部は、脈の1周期における前記第2のインピーダンスの最大値と最小値との差分である第2差分値を前記第2の変動量として出力するようにしてもよいし、前記第1解析部は、前記第1のインピーダンスを周波数解析し、脈に対応する最大のスペクトラムの大きさを前記第1の変動量として出力し、前記第2解析部は、前記第2のインピーダンスを周波数解析し、脈に対応する最大のスペクトラムの大きさを前記第2の変動量として出力するようにしてもよい。
【0009】
第1態様において、前記インピーダンス測定部は、前記第1の周波数の第1信号(S1)を発生する第1周波数発生部(211)と、前記第2の周波数の第2信号(S2)を発生する第2周波数発生部(212)と、前記第1信号と前記第2信号とを周波数多重して得た出力信号を前記出力電極に供給する周波数多重部(213)と、前記入力電極を介して得た入力信号から、前記第1の周波数を有する第3信号(S3)と前記第2の周波数を有する第4信号(S4)とを分離する周波数分離部(242)と、前記第3信号に基づいて前記第1のインピーダンスを出力する第1生成部(IPG1)と、前記第4信号に基づいて前記第2のインピーダンスを出力する第2生成部(IPG2)とを備えるようにしてもよい。この場合、周波数多重によって2つの周波数のインピーダンスが同時に測定される。
【0010】
第1態様において、周波数多重を行うか否かに関わらず、前記第1解析部は、第1の時刻における前記第1のインピーダンスと第2の時刻における前記第1のインピーダンスとの差分である第1差分値を前記第1の変動量として出力し、前記第2解析部は、前記第1の時刻における前記第2のインピーダンスと前記第2の時刻における前記第2のインピーダンスとの差分である第2差分値を前記第2の変動量として出力することが好ましい。この場合、第1のインピーダンスの変動量も第2のインピーダンスの変動量も共に第1の時刻から第2の時刻までの変動量となるから、より高い精度での計測が可能となる。
【0011】
また、この場合、前記第1のインピーダンスは脈に同期して変動し、前記第1の時刻は、脈の1周期において、前記第1のインピーダンスが最小となる時刻であり、前記第2の時刻は、脈の1周期において、前記第1のインピーダンスが最大となる時刻であることが好ましい。この場合には、血液によるインピーダンスの変動量を大きく捉えることができるので、SN比が向上し、高い精度で計測することが可能となる。
【0012】
また、この場合、又は第2形態において、前記第1解析部は前記第1差分値の平均値を前記第1の変動量として出力し、前記第2解析部は前記第2差分値の平均値を前記第2の変動量として出力することが好ましい。この場合、血液の成分を示す指標がインピーダンスの変動量の平均値に基づいて生成されるから、脈が突発的に変化しても、この変化による影響を抑制することができる。
【0013】
また、上述した生体測定装置において、前記第1の変動量をΔZ、前記第2の変動量をΔZ、前記指標としてのヘマトクリットをHctとしたとき、前記指標生成部は、Hct=1−(ΔZ/ΔZ)を演算して前記指標を生成するようにしてもよい。この場合はヘマトクリットを非観血で計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】血液の等価回路を示す回路図である。
【図2】血液のインピーダンスの周波数変化をリアクタンス成分とレジスタンス成分で表わしたグラフある。
【図3】組織と脈による血液の流入の関係を説明するための説明図である。
【図4】生体測定装置1及び2の構成を示すブロック図である。
【図5】計測部200の構成を示すブロック図である。
【図6】脈によって変動する生体電気インピーダンスの一例を示す波形図である。
【図7】計測部300の構成を示すブロック図である。
【図8】脈によって変動する生体電気インピーダンスの他の例を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<1.ヘマトクリットの算出原理>
本発明の実施形態の説明に先立ち、血液を外部に取り出すことなくヘマトクリットを算出する方法の原理について説明する。
図1に血液の等価回路を示す。血液は血漿Aと赤血球Bとに大別される。血漿Aは、血液から赤血球などを除いた電解質の部分である。これに対して赤血球Bはヘモグロビンなどを赤血球膜で覆って形成される。血漿Aは抵抗Reで表わすことができ、赤血球BはキャパシタンスCmと抵抗Riの直列で表わすことができる。
この等価回路によれば、周波数が低いとキャパシタンスCmのインピーダンスが大きくなり、血漿のみに電流が流れる。よって、血液のインピーダンスはレジスタンスReが支配的になる。その一方、周波数が高いと、キャパシタンスCmのインピーダンスが小さくなり、血漿と赤血球に電流が流れる。よって、血液のインピーダンスはレジスタンスReとRiの並列に近くなる。図2は、血液のインピーダンスの周波数変化をリアクタンス成分とレジスタンス成分で表わしたグラフある。
【0016】
ヘマトクリットは血液に占める赤血球の容積の比である。ここで、血液量Vb、血漿量Vp、赤血球量Vqとすれば、ヘマトクリットHctは以下に示す式1で与えられる。
Hct=Vq/Vb=(Vb−Vp)/Vb=1−Vp/Vb……式1
面積S、長さL及び体積Vbの血液において、抵抗率ρb及びインピーダンスZの関係は以下に示す式2で与えられる。
S×L=Vb=ρb・L/Z……式2
また、面積S、長さL及び体積Vpの血漿において、抵抗率ρp及びインピーダンスZの関係は以下に示す式3で与えられる。
S×L=Vp=ρp・L/Z……式3
式2及び式3を式1に代入し、赤血球の内液と血漿の抵抗率はほぼ等しいことを考慮すると、式4を得ることができる。
Hct=1−(ρp/ρb)(Z/Z)=1−(Z/Z)……式4
上述したように血漿のインピーダンスは低周波数で血液のインピーダンスを測定すれば求まり、血液のインピーダンスは高周波数で測定すれば求めることができる。よって、血液のインピーダンスを低周波数と高周波数とで測定すれば、式4よりヘマトクリットを算出することができる。
【0017】
しかしながら、血液のインピーダンスを測定するためには、採血によって体外に血液を取り出すか、電極を体内に差し込む必要がある。いずれの場合も痛みを伴う。また、ヘマトクリットは貧血の指標として用いられるが、採血すれば貧血の症状がより悪化するため好ましくない。
そこで、本発明は、非観血で血液の情報を把握するため、脈波に同期した生体電気インピーダンスの変動に着目する。生体電気インピーダンスは、例えば、足裏のつま先から踵に電流を流し、足裏の動脈が通っている部分に一対の電圧電極(入力電極)を配置し、電圧を観測する。
この場合、一対の電圧電極の間には、図3に示すように組織と血液が存在する。ここで、脈動があると、組織に血液が流入する。すなわち、図3(A)に示す状態から同図(B)に示す状態に変化する。図3(A)と図3(B)から明らかなように、血液の流入前後で組織の体積Vtや抵抗率ρtは変化しない。変化するのは、血液の体積が血液の流入によってΔVbだけ増加した点である。つまり、生体電気インピーダンスの変化分は血液量の変化分ΔVに対応するものである。
【0018】
図3において、面積S、長さL及び体積Vの対象において、抵抗率ρ及びインピーダンスZの関係は以下に示す式5で与えられる。
S×L=V=ρ・L/Z……式5
電極の位置は固定であるから、
S∝V∝ρ/Z=ρY
Y=V/ρ
となる。但し、Yはアドミタンスである。アドミタンスの変化量をΔYとすれば、
ΔY=(Vt/ρt+(Vb/ρb+ΔVb/ρb))−(Vt/ρt+Vb/ρb)
=ΔVb/ρb
よって、式6が成立する。
1/ΔZ=ΔVb/ρb
ΔZ=ρb/ΔVb……式6
【0019】
式6においてΔZは足裏の動脈が通っている部分の生体電気インピーダンスの変動量である。つまり、組織と血液との生体電気インピーダンスの変動量であるが、図3(A)及び(B)に示すように、変動量は血液のみに起因し、組織の成分はそこに反映されない。
よって、生体の部位間の生体電気インピーダンスの変動量を計測することによって、血液の生体電気インピーダンスの変動量のみを知ることができる。これは、式6からも明らかである。
【0020】
一方、ヘマトクリットHctは式4に示すように、高周波数における血液の生体電気インピーダンスZと低周波数における血液の生体電気インピーダンスZとの比に基づいて求めることができる。上述したように血液の生体電気インピーダンスは生体部位間の生体電気インピーダンスの変動量で求めることができる。
よって、低周波数における生体部位間の生体電気インピーダンスの変動量をΔZ、高周波数における生体部位間の生体電気インピーダンスの変動量をΔZとしたとき、ヘマトクリットHctは、以下に示す式7で与えられる。
Hct=1−(ΔZ/ΔZ)……式7
つまり、ヘマトクリットHctは、ΔZとΔZとの比に基づいて求めることができる。したがって、血液を体外にとり出さなくてもヘマトクリットHctを測定することが可能となる。
【0021】
<2.第1実施形態>
図4は、本発明の第1実施形態に係る生体測定装置1の構成を示すブロック図である。この生体測定装置1は、体重、体脂肪率、及びヘマトクリットといった生体の状態を測定するものである。
生体測定装置1は、体重を測定すると共に装置全体の動作を管理する管理部100と、被験者の各部位の生体電気インピーダンスやヘマトクリットを計測する計測部200とを備える。管理部100は、体重計110、第1記憶部120、第2記憶部130、音声処理部140、スピーカ145、入力部150、並びに表示部160を備える。これらの構成要素は、バスを介してCPU(Central Processing Unit)170と接続されている。CPU170は、装置全体を制御する制御中枢として機能する。なお、CPU170は図示せぬクロック信号発生回路からクロック信号の供給を受けて動作する。また、各構成要素には図示せぬ電源スイッチがオン状態になると、電源回路から電源が供給される。
【0022】
体重計110は、被験者の体重を測定して体重データを、バスを介してCPU170に出力する。第1記憶部120は、不揮発性のメモリであって、例えばROM(Read Only Memory)で構成される。第1記憶部120には、装置全体を制御する制御プログラムが記憶されている。CPU170は、制御プログラムに従って各部を制御する。
【0023】
第2記憶部130は、揮発性のメモリであり、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等によって構成される。第2記憶部130はCPU170の作業領域として機能し、CPU170が所定の演算を実行する際にデータを記憶する。また、音声処理部140は、CPU170の制御の下、音声データをDA変換して得た音声信号を増幅してスピーカ145に出力する。スピーカ145は増幅された音声信号を振動に変換して放音する。これによって、各種の情報を被験者に知らせることができる。
【0024】
入力部150は、各種のスイッチから構成され、被験者がスイッチを操作すると、身長、年齢、及び性別といった情報が入力される。表示部160は、体重、体脂肪、あるいはヘマトクリットといった測定結果、又は被験者に各種の情報の入力を促すメッセージを表示する機能を有する。表示部160は、例えば、液晶表示装置などで構成される。次に、計測部200は、CPU170の制御の下、生体電気インピーダンスなどを測定する。
【0025】
図5に示すように、計測部200は、第1信号S1を発生する低周波数信号発生部211と第2信号S2を発生する高周波数信号発生部212とを備える。第1信号S1と第2信号S2とは、共に正弦波の信号である。そして、第2信号S2の周波数f2は第1信号S1の周波数f1より高い。例えば、第1信号S1の周波数f1は5KHzであり、第2信号S2の周波数f2は20MHzである。低周波数と高周波数との設定は、ヘマトクリットが測定できるように選択される。この点については、後述する。
【0026】
加算部213は第1信号S1と第2信号S2とを加算する。加算部213には、2つの周波数の信号を多重する周波数多重の機能がある。加算部213の出力信号は、差動形式の信号を出力する増幅回路214を介して第1電流電極220a及び第2電流電極220bに供給される。
ここで、第1電流電極220a及び第2電流電極220bを介して出力される信号は、定電圧信号であるが、定電流信号としてもよい。ただし、実際には、20MHzの周波数成分を有する信号を定電流で駆動することは容易ではないので、定電圧で駆動することが好ましい。
【0027】
次に、計測部200は、第1電圧電極230a及び第2電圧電極230bと差動増幅回路241を備える。差動増幅回路241は、第1電圧電極230a及び第2電圧電極230bを介して供給される入力信号を増幅して出力信号を生成する。第1電流電極220a及び第2電流電極220bを介して生体に供給される出力信号は定電圧であるから、入力信号は電流の形式で与えられる。なお、この出力信号が定電流であれば、入力信号は電圧の形式で与えられる。
このように第1電流電極220a及び第2電流電極220bは一対の出力電極として機能し、第1電圧電極230a及び第2電圧電極230bは一対の入力電極として機能する。そして、出力電極から出力される信号の形式と、入力電極に入力される信号の形式とは、電流・電圧のいずれであってもよい。
【0028】
差動増幅回路241の出力信号は、周波数多重された信号となっている。周波数分離フィルタ242は、差動増幅回路241の出力信号を周波数分離するために用いられる。この周波数分離フィルタ242は、周波数f1を通過させ周波数f2を減衰させるローパスフィルタと周波数f2を通過させ周波数f1を減衰させるハイパスフィルタで構成してもよいし、あるいは、周波数f1の成分を抽出するバンドパスフィルタと周波数f2の成分を抽出するバンドパスフィルタとで構成してもよい。
周波数分離フィルタ242は、周波数f1に対応する第3信号S3と周波数f2に対応する第4信号S4とを出力する。両信号は、第1電圧電極230aと第2電圧電極230bとの間の電圧値を示す信号であり、第3信号S3は周波数f1に対応する電圧値を、第4信号S4は周波数f2に対応する電圧値を示す。
【0029】
また、計測部200は、基準抵抗215及び216と、差動増幅回路217、218及び243とを備える。基準抵抗215は、増幅回路214と第1電流電極220aとの間に介挿され、基準抵抗216は、第2電流電極220bと増幅回路214との間に介挿されている。差動増幅回路217は、基準抵抗215の両端から供給される入力信号を増幅して出力信号を生成し、差動増幅回路218は、基準抵抗216の両端から供給される入力信号を増幅して出力信号を生成する。これらの出力信号の位相は180度ずれており信号レベルが反転している。差動増幅回路243は、差動増幅回路217及び218から供給される信号の差分を出力信号として生成する。これにより、差動増幅回路243の出力信号の振幅を大きくすることができる。
【0030】
差動増幅回路243の出力信号は、周波数多重された信号となっている。周波数分離フィルタ244は、差動増幅回路243の出力信号を周波数分離するために用いられるものであり、その構成は周波数分離フィルタ242と同様である。周波数分離フィルタ244は、周波数f1に対応する第5信号S5と周波数f2に対応する第6信号S6とを出力する。両信号は、第1電圧電極230aと第2電圧電極230bとの間の電流値を示す信号であり、第5信号S5は周波数f1に対応する電流値を、第6信号S6は周波数f2に対応する電流値を示す。
【0031】
なお、増幅回路214と第1電流電極220aとの間と、第2電流電極220bと増幅回路214との間との両方に基準抵抗を介挿したのは、SN比を向上させて電流値の測定の精度を高めるためであり、その必要がなければ、いずれか一方のみに基準抵抗を介挿するようにしてもよい。この場合、差動増幅回路217及び218の一方は不要となる。
【0032】
計測部200では、インピーダンス演算部IPG1及びIPG2、脈波解析部MS1及びMS2、並びにヘマトクリット演算部245を含む演算部が、第3信号S3、第4信号S4、第5信号S5及び第6信号S6を用いて、ヘマトクリットHctを算出する。この演算部は、ハードウエアで構成されてもよいが、本実施形態ではDSP(Digital Signal Processor)とそのプログラムによって構成される。ヘマトクリットHctは周波数f1での生体電気インピーダンスと周波数f2での生体電気インピーダンスに基づいて生成される。
生体電気インピーダンスの測定には、どのような手法を用いてもよい。測定の手法はアナログ方式とデジタル方式に大別される。アナログ方式では、例えば、第3信号S3、第4信号S4、第5信号S5及び第6信号S6を各々全波整流し、その結果を平均化することによって、インピーダンスを算出する手法がある。また、他のアナログ方式としては、正弦波のピークを検出し、これに基づいてインピーダンスを算出する手法がある。いずれの手法においても、高周波数での信号処理に伴う歪が問題となる。
一方、デジタル方式には、アンダーサンプリングとDFT(Discrete Fourier Transform)とを組み合わせた手法の他に、高速サンプリングとDFTとを組み合わせた手法や、正弦波に同期したピーク検出の手法がある。高速サンプリングとDFTとを組み合わせた手法は、第4信号S4及び第6信号S6を周波数f2の2倍以上の周波数でサンプリングする必要があるため、超高速なAD変換回路が必要となる。一方、正弦波に同期したピーク検出では、正確にピークを検出する必要があるところ、高周波では正確なピーク検出が困難である。
そこで、本実施形態では、アンダーサンプリングとDFTとを組み合わせた手法を採用する。インピーダンス演算部IPG1及びIPG2は生体電気インピーダンスを演算により求める。
【0033】
生体電気インピーダンスは、短い時間で見ると脈に同期して変動する。インピーダンス演算部IPG1は、第3信号S3及び第5信号S5に基づいて、脈に同期して変動する周波数f1における生体電気インピーダンスZ1を算出する一方、インピーダンス演算部IPG2は、第4信号S4及び第6信号S6に基づいて、脈に同期して変動する周波数f2における生体電気インピーダンスZ2を算出する。図6に脈に同期して変化する生体電気インピーダンスZ1及びZ2の一例を示す。
【0034】
この図に示すように、低周波数f1における生体電気インピーダンスZ1は、Za1とZb1との合計で表わすことができる。生体電気インピーダンスを組織と血液とに大別して考えると、Za1は、組織の低周波数f1における生体電気インピーダンスであり、Zb1が血液の低周波数f1における生体電気インピーダンスである。一方、Za2は、組織の高周波数f2における生体電気インピーダンスであり、Zb2が血液の高周波数f2における生体電気インピーダンスである。また、Zb1は血液の中でも血漿に対応するインピーダンスを表しており、Zb2は、血漿と赤血球を含む血液全体のインピーダンスを表している。
【0035】
なお、Za1とZa2とが等しくないのは、組織を構成する細胞も、赤血球と同様に、キャパシタンスと抵抗の直列で表わされるからである。つまり、Z1は、脈動によって組織に流入した血液の量が最少のときの細胞外液(間質液)の生体電気インピーダンスであるのに対して、Z2は、脈動によって組織に流入した血液の量が最少のときの細胞外液および細胞(細胞内液)の生体電気インピーダンスであるから、Za2は細胞の分だけZa1よりも小さくなるのである。
【0036】
脈波解析部MS1及びMS2は、生体電気インピーダンスZ1及びZ2について、脈波の解析を実行して、Zb1とZb2とを各々特定する。具体的には、時刻t0におけるZ1(以下、Z1(t0)と表記する)及びZ2(以下、Z2(t0)と表記する)と、時刻t1におけるZ1(以下、Z1(t1)と表記する)及びZ2(以下、Z2(t1)と表記する)とを求める。この例では、脈波が最小となるタイミングをt0、脈波が最大となるタイミングをt1に選んでいる。このようにt0とt1を選定することによって、Zb1及びZb2を大きな振幅で取り出すことができる。これにより、SN比を向上させて測定の精度を高めることが可能となる。最小と最大のタイミングは、Z1とZ2とを1回の脈波分だけ記憶し、記憶内容を検索することによって特定することができる。なお、t0とt1のタイミングは必ずしも脈波の最小と最大のタイミングに一致しなくてもよい。
【0037】
脈波解析部MS1は、時刻t1におけるZ1(t1)と時刻t0におけるZ1(t0)との差分を第1差分値として算出し、これを第1の変動量ΔZとして出力する。また、脈波解析部MS2は、時刻t1におけるZ2(t1)と時刻t0におけるZ2(t0)との差分を第2差分値として算出し、これを第2の変動量ΔZとして出力する。
ΔZ=Z1(t1)−Z1(t0)
ΔZ=Z2(t1)−Z2(t0)
すなわち、脈波解析部MS1及びMS2は、生体電気インピーダンスZ1及びZ2の各々について、あるタイミング(t0)と他のタイミング(t1)における差分を各々算出する。ここで、ΔZは血液のインピーダンスに対応しており、ΔZは血漿のインピーダンスに対応している。
次に、ヘマトクリット演算部245は、上述した式7に示すようにHct=1−(ΔZ/ΔZ)を計算して、ヘマトクリットHctを演算している。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、血液を体外に取り出すことなく、ヘマトクリットHctを測定することが可能となる。
ところで、本実施形態では、周波数f1で生体電気インピーダンスZ1を測定する第1処理と、周波数f2で生体電気インピーダンスZ2を測定する第2処理とを同時に実行するため、構成が大規模になっている。しかし、第1処理と第2処理とを同時に実行しなくとも、ヘマトクリットHctを測定することは可能である。ここで、第1処理と第2処理とを異なる時間に実行することによって構成を簡素とした第2実施形態について以下に説明する。
【0039】
<3.第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る生体測定装置2の構成は、図4に示す通りである。ただし、この生体測定装置2は、計測部200に代えて計測部300を備える。計測部300が計測部200と異なる点は、図7に示すように、周波数分離フィルタ242及び244を備えない点と、加算部213及びヘマトクリット演算部245に代えて切換器219及びヘマトクリット演算部246を備える点と、インピーダンス演算部IPG1及びIPG2に代えてインピーダンス演算部IPGを備える点と、脈波解析部MS1及びMS2に代えて脈波解析部MSを備える点である。
【0040】
切換器219は、第1信号S1と第2信号S2とを時間T間隔で交互に切り換えて増幅回路214に供給する。つまり、本実施形態では、周波数f1及び周波数f2は同時に多重されることなく、時間的に分離される(時分割)。したがって、計測部300では、周波数f1で生体電気インピーダンスを測定する第1処理と、周波数f2で生体電気インピーダンスを測定する第2処理とが時間T間隔で交互に行われる。
【0041】
例えば、差動増幅回路241の出力信号S7は、周波数f1に対応する電圧値を示す信号と周波数f2に対応する電圧値を示す信号とが時間T間隔で切り換わる信号となり、差動増幅回路243の出力信号S8は、周波数f1に対応する電流値を示す信号と周波数f2に対応する電流値を示す信号とが時間T間隔で切り換わる信号となる。なお、時間Tは、脈の1周期以上であればよい。本実施形態では、人の安静時の脈拍数は一般に50拍以上90拍以下であることから、時間Tを0.8秒以上の固定長としているが、0.8秒以上や固定長に限るものではない。例えば、脈拍数を測定し、測定した脈拍数に基づいて、脈の1周期以上となるように時間Tを定めるようにしてもよい。あるいは、脈に同期して切り替えて切替器219を制御してもよい。
【0042】
計測部300では、インピーダンス演算部IPG、脈波解析部MS及びヘマトクリット演算部246を含む演算部が、第7信号S7及び第8信号S8を用いて、ヘマトクリットHctを算出する。この演算部は、ハードウエアで構成されてもよいが、第1実施形態と同様にDSPとそのプログラムによって構成される。また、この演算部における生体電気インピーダンスの測定には、原則として前述の任意の手法を用いることができるが、本実施形態では、第1実施形態と同様に、アンダーサンプリングとDFTとを組み合わせた手法を採用し、この手法により、インピーダンス演算部IPGが生体電気インピーダンスを測定する。
【0043】
インピーダンス演算部IPGは、第7信号S7及び第8信号S8に基づいて、生体電気インピーダンスを算出する。算出される生体電気インピーダンスの一例を図8に示す。この図に示すように、第1処理では、第7信号S7が周波数f1に対応する電圧値を示す信号となるから、脈に同期して変動する周波数f1における生体電気インピーダンスZ1が算出される。一方、第2処理では、第8信号S8が周波数f1に対応する電流値を示す信号となるから、第8信号S8が周波数f2に対応する電流値を示す信号となるから、脈に同期して変動する周波数f2における生体電気インピーダンスZ2が算出される。
【0044】
脈波解析部MSは、第1処理に係る時間Tにおいてインピーダンス演算部IPGに算出された生体電気インピーダンスZ1について、脈波の解析を実行して、第1の変動量ΔZを算出する一方、第2処理に係る時間Tにおいてインピーダンス演算部IPGに算出された生体電気インピーダンスZ2について、脈波の解析を実行して、第2の変動量ΔZを算出する。第1及び第2の変動量の算出方法としては、例えば、脈の1周期における生体電気インピーダンスの最大値と最小値との差分を求める第1の方法と、生体電気インピーダンスを周波数解析して脈に対応する最大のスペクトラムの大きさを求める第2の方法とがある。
【0045】
本実施形態では、第1の方法を採用しており、脈波解析部MSは、脈の1周期における生体電気インピーダンスZ1の最大値と最小値との差分(第1差分値)を算出し、これをΔZとして出力する一方、脈の1周期における生体電気インピーダンスZ2の最大値と最小値との差分(第2差分値)を算出し、これをΔZとして出力する。ただし、本実施形態では、図8に示すように、時間Tに複数周期の脈が含まれうる。この場合、脈波解析部MSは、第1処理に係る複数周期の各々について第1差分値ΔZL1、ΔZL2、…を求め、これらの第1差分値の平均値を算出してΔZとする一方、第2処理に係る複数周期の各々について第2差分値ΔZH1、ΔZH2、…を求め、これらの第2差分値の平均値を算出してΔZとする。
【0046】
一方、第2の方法を採用した場合には、脈波解析部MSは、生体電気インピーダンスZ1を周波数解析し、脈に対応する最大のスペクトラムの大きさを求め、これをΔZとして出力する一方、生体電気インピーダンスZ2を周波数解析し、脈に対応する最大のスペクトラムの大きさを求め、これをΔZとして出力する。脈波の周波数成分には、基本波成分のみならず高調波成分も含まれる。最大のスペクトラムは、基本波成分に対応する。なお、ノイズが混入することによる誤動作を防止するため、脈波解析部MSは、高周波数成分を減衰させる処理を実行することが好ましい。前述したように、人の安静時の脈拍数は一般に50拍以上90拍以下であるから、この処理では、0.8Hz程度から1.5Hz程度の周波数を通過させて他の周波数を減衰させることが好ましい。このような処理を経た信号に対して周波数解析を実行すると、ノイズを除去して、脈に対応する最大のスペクトラムの大きさを求めることが可能となる。
【0047】
ヘマトクリット演算部246は、ヘマトクリット演算部245と同様に、Hct=1−(ΔZ/ΔZ)を計算して、ヘマトクリットHctを演算する。ただし、本実施形態では、脈波解析部MSからΔZが出力されるタイミングと、ΔZが出力されるタイミングとが異なるため、ヘマトクリット演算部246は、ΔZまたはΔZを一時的に記憶するメモリを備えている。
このように、本実施形態によれば、血液を体外に取り出すことなく、ヘマトクリットHctを測定することが可能となる。
【0048】
<4.補足>
ところで、組織への血液の流入量は、脈の周期毎に相違しうる。したがって、ヘマトクリットHctを高い精度で測定するという観点では、周波数f1で生体電気インピーダンスZ1を測定する第1処理と、周波数f2で生体電気インピーダンスZ2を測定する第2処理とを異なる時間に実行する第2実施形態よりも、第1処理と第2処理とを同時に実行する第1実施形態の方が優れている。しかも、第1実施形態では、脈波解析部MS1が時刻t0におけるZ1と時刻t1におけるZ1との差分をΔZとして出力し、脈波解析部MS2が時刻t0におけるZ2と時刻t1におけるZ2との差分をΔZとして出力する。つまり、同一の時間におけるインピーダンスの変動量の比に基づく演算によってヘマトクリットHctが計測される。また、時刻t0は脈の1周期においてZ1(Z2)が最小となる時刻であり、時刻t1は脈の1周期においてZ1(Z2)が最大となる時刻であるから、SN比が向上する。よって、第1実施形態によれば、極めて高い精度での計測が可能となる。
【0049】
一方、第2実施形態によれば、第1差分値の平均値がΔZとなり、第2差分値の平均値がΔZとなるから、脈が突発的に変化しても、この変化による影響を抑制することができる。もちろん、第1実施形態を変形し、脈波解析部MS1が第1差分値の平均値を第1の変動量として出力し、脈波解析部MS2が第2差分値の平均値を第2の変動量として出力するようにしてもよい。
【0050】
なお、上述した各実施形態では、血液の成分を示す指標の一例としてヘマトクリットHctを取り上げたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、(ΔZ/ΔZ)といった指標であってもよい。ヘマトクリットHctや(ΔZ/ΔZ)は、貧血の程度を示す指標と捉えることができる。
また、体脂肪率などの生体の状態を計測する場合に、1つ周波数で生体電気インピーダンスを測定するのであれば、この周波数と低周波数f1とを一致させ、信号S3を積分して生体電気インピーダンスの平均値を求め、これを用いて体脂肪率などの生体の状態を示す指標をCPU170で生成してもよい。この場合は、構成を兼用できるので装置を簡素化できると共に、ヘマトクリットHctと体脂肪率などの生体の状態とを同時に測定することができる。
【符号の説明】
【0051】
1,2 生体測定装置
200,300 計測部
211 低周波数信号発生部
212 高周波数信号発生部
213 加算部
219 切換器
242 周波数分離フィルタ
IPG,IPG1,IPG2 インピーダンス演算部
MS,MS1,MS2 脈波解析部
245,246 ヘマトクリット演算部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定状態において生体の表面に接触する出力電極と入力電極とを備え、第1の周波数で前記生体の組織と血液とを含むインピーダンスを測定して第1のインピーダンスを出力し、前記第1の周波数より高い第2の周波数で前記生体の組織と血液を含むインピーダンスを測定して第2のインピーダンスを出力するインピーダンス測定部と、
前記第1のインピーダンスの変動を解析して第1の変動量として出力する第1解析部と、
前記第2のインピーダンスの変動を解析して第2の変動量として出力する第2解析部と、
前記第1の変動量と前記第2の変動量との比に基づいて血液の成分を示す指標を生成する指標生成部と、
を備えることを特徴とする生体測定装置。
【請求項2】
前記インピーダンス測定部は、前記第1の周波数で前記第1のインピーダンスを測定する第1処理と、前記第2の周波数で前記第2のインピーダンスを測定する第2処理とを異なる時間に実行することを特徴とする請求項1に記載の生体測定装置。
【請求項3】
前記第1解析部は、脈の1周期における前記第1のインピーダンスの最大値と最小値との差分である第1差分値を前記第1の変動量として出力し、
前記第2解析部は、脈の1周期における前記第2のインピーダンスの最大値と最小値との差分である第2差分値を前記第2の変動量として出力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の生体測定装置。
【請求項4】
前記第1解析部は、前記第1のインピーダンスを周波数解析し、脈に対応する最大のスペクトラムの大きさを前記第1の変動量として出力し、
前記第2解析部は、前記第2のインピーダンスを周波数解析し、脈に対応する最大のスペクトラムの大きさを前記第2の変動量として出力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の生体測定装置。
【請求項5】
前記インピーダンス測定部は、前記第1の周波数で前記第1のインピーダンスを測定する第1処理と、前記第2の周波数で前記第2のインピーダンスを測定する第2処理と同時に実行することを特徴とする請求項1に記載の生体測定装置。
【請求項6】
前記インピーダンス測定部は、
前記第1の周波数の第1信号を発生する第1周波数発生部と、
前記第2の周波数の第2信号を発生する第2周波数発生部と、
前記第1信号と前記第2信号とを周波数多重して得た出力信号を前記出力電極に供給する周波数多重部と、
前記入力電極を介して得た入力信号から、前記第1の周波数を有する第3信号と前記第2の周波数を有する第4信号とを分離する周波数分離部と、
前記第3信号に基づいて前記第1のインピーダンスを出力する第1生成部と、
前記第4信号に基づいて前記第2のインピーダンスを出力する第2生成部とを備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の生体測定装置。
【請求項7】
前記第1解析部は、第1の時刻における前記第1のインピーダンスと第2の時刻における前記第1のインピーダンスとの差分である第1差分値を前記第1の変動量として出力し、
前記第2解析部は、前記第1の時刻における前記第2のインピーダンスと前記第2の時刻における前記第2のインピーダンスとの差分である第2差分値を前記第2の変動量として出力する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の生体測定装置。
【請求項8】
前記第1のインピーダンスは脈に同期して変動し、
前記第1の時刻は、脈の1周期において、前記第1のインピーダンスが最小となる時刻であり、
前記第2の時刻は、脈の1周期において、前記第1のインピーダンスが最大となる時刻である、
ことを特徴とする請求項7に記載の生体測定装置。
【請求項9】
前記第1解析部は前記第1差分値の平均値を前記第1の変動量として出力し、前記第2解析部は前記第2差分値の平均値を前記第2の変動量として出力する、ことを特徴とする請求項3又は8に記載の生体測定装置。
【請求項10】
前記第1の変動量をΔZ、前記第2の変動量をΔZ、前記指標としてのヘマトクリットをHctとしたとき、前記指標生成部は、
Hct=1−(ΔZ/ΔZ
を演算して前記指標を生成することを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の生体測定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−78443(P2011−78443A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230632(P2009−230632)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】