説明

生体組織補填体の検査方法

【課題】 生体組織補填体の出荷時における簡易な測定により、十分に活性を備えた生体組織補填体を出荷することを可能にする。
【解決手段】 生体組織補填材に細胞を付着させて培養された生体組織補填体内における細胞数、アルカリフォスファターゼの活性およびオステオカルシンの産生量をそれぞれ測定するステップS21,S31,S41と、測定された細胞数、アルカリフォスファターゼの活性およびオステオカルシンの産生量が所定値以上または陽性であるか否かを判断するステップS22,S32,S42と、細胞数が所定値以上であり、アルカリフォスファターゼの活性が所定値以上または陽性であり、かつ、オステオカルシンの産生量が陽性である場合に培養終了を判断するステップS5とを備える生体組織補填体の検査方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生体組織補填体の検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
培養されている生体組織、例えば、間葉系幹細胞が骨芽細胞に分化しているか否かを示す指標として、従来、骨芽細胞が分泌するアルカリフォスファターゼおよびオステオカルシンが用いられている(例えば、非特許文献1参照。)。
アルカリフォスファターゼの活性は、間葉系幹細胞が骨芽細胞に分化する過程において経時的に上昇していくが、ある時点でピークを迎え、その後減少していくことが知られている。一方、オステオカルシンは、骨芽細胞が産生すると考えられており、その産生量は、アルカリフォスファターゼに遅れて増加する。
【非特許文献1】吉川隆章、生体材料、vol.19、27-33、2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
その発生の時期の相違から、アルカリフォスファターゼの量が減少しても、オステオカルシンの量が増加していることがあり、一概にアルカリフォスファターゼの量のみによって骨芽細胞への十分な分化を判断することは困難である。また、オステオカルシンの量が十分に多い場合においても、細胞のいくつかが大量のオステオカルシンを産生しているに過ぎない場合もあり、生体組織補填体として十分な活性を備えているか否かを判断することが困難であった。
【0004】
アルカリフォスファターゼの量およびオステオカルシンの量の変化を長時間にわたり経時的に測定していき、その変化の推移から、十分に活性を備えた生体組織補填体として最適な状態となる時点を推定して出荷することも考えられる。しかし、検査に要する時間、サンプル作製などの検査に要する費用を考慮すると現実的な手段ではない。
【0005】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、生体組織補填体の出荷時における簡易な測定により、十分に活性を備えた生体組織補填体を出荷することを可能にする生体組織補填体の検査方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、生体組織補填材に細胞を付着させて培養された生体組織補填体内における細胞数、アルカリフォスファターゼの活性およびオステオカルシンの産生量をそれぞれ測定するステップと、測定された細胞数、アルカリフォスファターゼの活性およびオステオカルシンの産生量が所定値以上または陽性であるか否かを判断するステップと、細胞数が所定値以上であり、アルカリフォスファターゼの活性が所定値以上または陽性であり、かつ、オステオカルシンの産生量が陽性である場合に培養終了を判断するステップとを備える生体組織補填体の検査方法を提供する。
【0007】
本発明によれば、アルカリフォスファターゼの活性に加えて細胞数が測定され、さらにオステオカルシンの産生量が測定され、それらがそれぞれ所定値を超えたこと、あるいは活性あるいは産生量が陽性であることを条件として培養を終了することが判断される。その結果、少ない数の細胞が大量のアルカリフォスファターゼを分泌しているような場合や、アルカリフォスファターゼの活性は低いが、オステオカルシンの産生量が十分に多い場合には、細胞の活性が十分であると判断することができ、しかも、十分な数の細胞が存在しているために、補填後に十分な生体組織形成作用を生じ得る生体組織補填体を出荷することが可能となる。
【0008】
アルカリフォスファターゼの活性あるいはオステオカルシンの産生量が陽性であるとは、2回の検査を行い、活性あるいは産生量が増加していることを示す。アルカリフォスファターゼの活性やオステオカルシンの産生量は個人差が大きく、規定値を設けることが困難な場合があるが、そのような場合においても、活性あるいは産生量の増加傾向を見ることにより、出荷判断を行うことが可能となる。
また、アルカリフォスファターゼの活性あるいはオステオカルシンの産生量を長時間にわたり経時的な測定を行うことなく、出荷時等に短時間に判断することができるので、検査のコストや手間を省くことが可能となる。
【0009】
上記発明においては、前記細胞数の測定を3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム ブロマイド(MTT)法、WST−1法あるいはWST−8法によるホルマザンの検出により行うこととしてもよい。
また、上記発明においては、アルカリフォスファターゼの活性の測定を、生体組織補填体中のアルカリフォスファターゼをp−ニトロフェニルリン酸基質法によるp−ニトロフェノールの検出により行うこととしてもよい。
また、アルカリフォスファターゼの活性の測定が、EIA法による培地上清中のアルカリフォスファターゼに対して行われることとしてもよい。
さらに、オステオカルシンの産生量の測定がEIA法により行われることとしてもよい。
【0010】
また、上記発明においては、Hoechst33258を利用した測定法によりDNA量を測定し、測定されたアルカリフォスファターゼの活性およびオステオカルシンの産生量をDNA量で補正することが好ましい。
このようにすることで、単位DNA量当たりのアルカリフォスファターゼの活性またはオステオカルシンの産生量を用いて評価することが可能となり、例えば、生体組織補填体の形状に基づくアルカリフォスファターゼの活性およびオステオカルシンの産生量のバラツキが評価に与える影響を抑制することができる。
【0011】
また、上記発明においては、細胞数、アルカリフォスファターゼの活性、オステオカルシンの産生量およびDNA量の測定に際し、検量用のサンプルに、細胞の付着していない生体組織補填材を導入することが好ましい。
生体組織補填体における細胞数、アルカリフォスファターゼの活性、オステオカルシンの産生量およびDNA量の測定条件と、検量用のサンプルにおける細胞数、アルカリフォスファターゼの活性、オステオカルシンの産生量およびDNA量の測定条件とを一致させることで、生体組織補填材の存在の有無による測定値と検量線との誤差を低減することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、生体組織補填体の出荷時における簡易な測定により、十分に活性を備えた生体組織補填体を出荷することできるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る生体組織補填体の検査方法について、図1の参照して説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体の検査方法は、例えば、骨髄間葉系幹細胞をリン酸カルシウム多孔体のような生体組織補填材に付着させて所定期間培養した培養骨の検査方法である。
【0014】
この検査方法は、図1に示されるように、生体組織補填体のDNA量を測定するステップS1と、生細胞数を判定するステップS2と、アルカリフォスファターゼ(以下、ALPと言う。)の活性を判定するステップS3と、オステオカルシン(以下、OCと言う。)の産生量を判定するステップS4と、上記ステップS2〜S4が所定の条件を満たしている場合に移植可能であると判定するステップS5とを直列に備えている。
【0015】
DNA量の測定ステップS1は、例えば、Hoechst33258を利用して行われる。
生細胞数を判定するステップS2は、生細胞数を測定するステップS21と、生細胞数が所定数(例えば、10個)以上であるか否かを判断するステップS22と、所定数より少ない場合に、測定が1回目の場合には培養を継続させ(ステップS23)、測定が2回目である場合には、移植できないと判定するステップS24,S25とを備えている。
生細胞数の測定ステップS21は、例えば、MTT法、WST−1法またはWST−8法を用いて行われる。
【0016】
ALP活性を判定するステップS3は、ALP活性を測定するステップS31と、DNA量で補正したALP活性が所定値(例えば、0.6units/μgDNA)以上であるか否かを判断するステップS32と、所定値より小さい場合に、測定が1回目の場合には培養を継続させ(ステップS33)、測定が2回目である場合には、移植できないと判定するステップS34,S35とを備えている。
ALP活性の測定ステップS31は、例えば、ニトロフェニルリン酸基質法またはサンドイッチ酵素免疫測定法(EIA法)により行われる。
【0017】
OC産生量を判定するステップS4は、OC産生量を測定するステップS41と、OC産生量が陽性であるか否かを判断するステップS42と、所定値より小さい場合に、測定が1回目の場合には培養を継続させ(ステップS43)、測定が2回目である場合には、移植できないと判定するステップS44,S45とを備えている。
OC産生量の測定ステップS41は、例えば、サンドイッチ酵素免疫測定法(EIA法)により行われる。
【0018】
また、本実施形態においては、これらのDNA量、細胞数、ALP活性およびOC産生量の測定において検量線法を用いる際に、検量用サンプルに、細胞を導入していない上記と同一の生体組織補填材を加えて測定する。
【0019】
このように構成される本実施形態に係る生体組織補填体の検査方法によれば、ALP活性のみならずOC産生量および細胞数に基づいて生体組織補填材が移植可能であるか否かが判断される。したがって、生体組織補填体の出荷時における簡易な測定により、十分に活性を備えた生体組織補填体を出荷することが可能となる。
【0020】
また、本実施形態に係る生体組織補填体の検査方法によれば、検量用サンプルに細胞を導入していない生体組織補填材を加えて測定するので、各検査法において生じた物質が生体組織補填材に吸収されるために検量線と実際の生体組織補填体に対する測定結果との間に生ずる誤差を低減することができる。その結果、正確な測定値を得ることができるという利点がある。
【0021】
また、オステオカルシンについては生体組織補填材に吸着してしまうために、その産生量の測定値を正確に出すことができない不都合がある。本実施形態に係る検査方法によれば、コントロールとして、例えば、骨分化前の細胞を用意し、分化前の細胞とOC産生量を比較し、分化前の細胞よりも多ければ陽性とすることで、絶対量ではなく相対量として判断することができる。その結果、OC産生量を出荷判定の基準とすることができる。
【0022】
さらに、本実施形態に係る生体組織補填体の検査方法によれば、ALP活性の判定ステップS32において、ALP活性をDNA量によって補正した値を用いて判定しているので、単位DNA量当たりのALP活性を判断することができ、例えば、生体組織補填体の形状のバラツキによる影響を抑制することができるという利点がある。
【0023】
なお、本実施形態においては、ALP活性の判定ステップS32において、ALP活性が所定値、例えば、0.6units/μgDNA以上の場合に十分なALP活性があると判定しているが、これに代えて、OC産生量の判定ステップS42と同様に、ALP活性が、コントロールに対して陽性であるか否かにより判定することにしてもよい。
【0024】
以下に、本実施形態に係る生細胞数、ALP活性、OC産生量およびDNA量の測定方法の具体的な手順について説明する。
<WST−8法による生体組織補填材内の生細胞数測定方法>
A 材料
材料として、以下のものを用意する。
1.培養骨調製時(βリン酸三カルシウム(β−TCP)多孔体への播種時)に使用する間葉系幹細胞(未分化または分化後)
2.間葉系幹細胞培養培地[Dulbecco's Modified Eagle Medium(DMEM) +10%Fetal Bovine Serum(FBS) + 50μg/ml gentamicin + 250ng/ml amphotercin B +
10ng/ml
basic Fibroblast Growth Factor(bFGF) + 50μg/ml L-ascorbic acid phosphate
magnesium salt n-hydrate(Asc-P)]、骨分化培地[DMEM + 10%FBS + 50μg/ml gentamicin + 250ng/ml amphotercin B +
50μg/ml
Asc-P + 10mmol/l
β-glycerophosphate(GP) + 10-7mol/l dexamethasone(DEX)]、0.05% trypsin-0.53mmol/l Ethylene
Diamine Tetraacetic Acid solution(トリプシン溶液)、Dulbecco's Phosphate-Buffered
Saline(PBS),0.4% trypan blue
solution(トリパンブルー溶液)
3.各種ピペット、6,12,96ウェル組織培養用マイクロプレート、15ml遠心チューブ、TATAI式血球計数盤、ピンセット
4.同仁化学研究所製のCell Counting Kit-8(CCK-8)
5.β−TCP多孔体ブロック5mm×5mm×5mm
6.プレートミキサー[OPM-103、アズワン株式会社製]、遠心分離機(5200,株式会社久保田製作所製)、マイクロプレートリーダ(Synergy HT, Bio-Tek社製)
【0025】
B 方法
(1)検量線作成
1.培養骨調製時に使用する間葉系幹細胞を培地に懸濁し、細胞密度が2.0×10cell/mlになるように細胞懸濁液を調製する。
2.培地2mlずつを10mlピペットで6枚の6ウェルマイクロプレートの全てのウェルに分注する(プレートにそれぞれNo.1−1,1−2,2−1,2−2,3,4と記す。)
3.プレートNo.1−1,2−1,3の3つのウェルに1.で調製した細胞懸濁液をそれぞれ2mlずつ5mlピペットで分注する。
4.3.で細胞懸濁液を分注されたウェルを1000μlマイクロピペットでピペッティングした後、細胞懸濁液2mlずつを同じプレートの他のウェルに5mlピペットで分注する。
5.4.でプレートNo.1−1,2−1で細胞懸濁液を分注されたウェルを1000μlマイクロピペットでピペッティングした後、細胞懸濁液2mlずつをプレートNo.1−2,2−2の3つのウェルに5mlピペットで分注する。
6.5.で細胞懸濁液を分注されたウェルを1000μlマイクロピペットでピペッティングした後、細胞懸濁液2mlずつを同じプレートの他のウェルに5mlピペットで分注する。
7.全てのプレートをCOインキュベータに入れ、24時間培養する。
8.プレートNo.1−1,1−2,2−1,2−2,4を取り出し、CCK−8 200μlずつを1000μlマイクロピペットで分注する。
9.プレートNo.2−1,2−2の全てのウェルとNO.4の3つのウェルにβ−TCP多孔体ブロックを1個ずつピンセットで入れる。
10.プレートNo.1−1,1−2,2−1,2−2,4をCOインキュベータに入れ、2時間培養する。
11.プレートNo.3を取り出し、全てのウェルから培地をパスツールピペットで吸引する。
12.PBS2mlずつを10mlピペットでプレートNo.3の全てのウェルに分注し、洗浄する。
13.全てのウェルからPBSをパスツールピペットで吸引する。
14.トリプシン溶液500μlずつを1000μlマイクロピペットで全てのウェルに分注する。
15.プレートNo.3をCOインキュベータに入れ、3分間培養する。
16.プレートNo.3を取り出し、培地500μlずつを100μlマイクロピペットで96ウェルマイクロプレートに分注する。
17.全てのウェルを1000μlマイクロピペットでピペッティングして接着していた細胞を剥がした後、細胞懸濁液50μlずつを100μlマイクロピペットで96ウェルマイクロプレートに分注する。
18.96ウェルマイクロプレートの細胞懸濁液を入れた全てのウェルにトリパンブルー液50μlずつを100μlマイクロピペットで分注する。
19.細胞懸濁液とトリパンブルー液を入れたウェルを100μlマイクロピペットでピペッティングした後、TATAI式血球計数盤を使用して細胞懸濁液中の細胞数を計数する。
20.プレートNo.1−1,1−2,2−1,2−2,4を取り出し、冷蔵庫に10分間入れ、反応を停止させる。
21.ウェルに入っている全てのβ−TCP多孔体ブロックをスパーテルで粉々にする。
22.全てのプレートをプレートミキサーに載せ、プレートミキサーを10分間使用して形成されたホルマザンを溶解させる。
23.β−TCP多孔体ブロックの入っていない全てのウェルから上清100μlずつを100μlマイクロピペットで96ウェルマイクロプレートに分注する。
24.β−TCP多孔体ブロックの入った全てのウェルから上清を1000μlマイクロピペットで15ml遠心チューブに全て分注する。
25.遠心分離機に全ての遠心チューブを入れ、遠心分離を行う(2500rpm、3分間)。
26.全ての遠心チューブから上清100μlずつを100μlマイクロピペットで23.の96ウェルマイクロプレートに分注する。
27.マイクロプレートリーダに26.の96ウェルマイクロプレートを置き、吸光度(450nm)を測定する。
28.27.で得られた吸光度と、19.で得られた生細胞数とから、β−TCP多孔体ブロックを入れた場合と入れない場合の両方について検量線を作成する。
【0026】
(2)β−TCP多孔体ブロックに播種した細胞の生細胞数測定
1.調製した培養骨を12ウェルマイクロプレートのウェルにピンセットで入れる。
2.1.培養骨の入ったウェルに培地2mlずつを5mlピペットで分注する。
3.2.の培養骨と培地を入れたウェルにCCK−8 200μlずつを1000μlマイクロピペットで分注する。
4.プレートをCOインキュベータに入れ、2時間培養する。
5.プレートを取り出し、冷蔵庫に10分間入れ、反応を停止させる。
6.ウェルに入っている培養骨をスパーテルで粉々にする。
7.プレートをプレーミキサーに載せ、プレートミキサーを10分間使用して形成されたホルマザンを溶解させる。
8.ウェルから上清を1000μlマイクロピペットで遠心チューブに全て分注する。
9.遠心分離機に全ての遠心チューブを入れ、遠心分離を行う(2500rpm,3分間)。
10.遠心チューブから上清100μlずつ1000μlマイクロピペットで(1)−23.の96ウェルマイクロプレートに分注する。
11.マイクロプレートリーダに10.の96ウェルマイクロプレートを置き、吸光度(450nm)を測定する。
12.得られた吸光度を検量線に照らし合わせ、β−TCP多孔体ブロック内に存在した生細胞数を算定する。
【0027】
<MTT法による生体組織補填材内の生細胞数測定方法>
A 材料
材料として、以下のものを用意する。
1.培養骨調製時(β−TCP多孔体ブロックへの播種時)に使用する間葉系幹細胞(未分化または分化後)
2.間葉系幹細胞培養培地[DMEM +10%FBS + 50μg/ml gentamicin + 250ng/ml amphotercin B +
10ng/ml
bFGF + 50μg/ml
Asc-P]、骨分化培地[DMEM + 10%FBS + 50μg/ml gentamicin + 250ng/ml amphotercin B +
50μg/ml
Asc-P + 10mmol/l
GP + 10-7mol/l DEX]、トリプシン溶液、PBS,トリパンブルー溶液
3.各種ピペット、6,12,96ウェル組織培養用マイクロプレート、15ml遠心チューブ、TATAI式血球計数盤、ピンセット
4.MTT溶液(MTT100mgを20mlPBS中に溶かして5mg/mlに調製し、ろ過滅菌したもの)、MTT抽出液(dimethyl sulfoxide)
5.β−TCP多孔体ブロック5mm×5mm×5mm
6.プレートミキサー[OPM-103、アズワン株式会社製]、遠心分離機(5200,株式会社久保田製作所製)、マイクロプレートリーダ(Synergy HT, Bio-Tek社製)
【0028】
B 方法
(1)検量線作成
1.培養骨調製時に使用する間葉系幹細胞を培地に懸濁し、細胞密度が2.0×10cell/mlになるように細胞懸濁液を調製する。
2.培地2mlずつを10mlピペットで6枚の6ウェルマイクロプレートの全てのウェルに分注する(プレートにそれぞれNo.1−1,1−2,2−1,2−2,3,4と記す。)
3.プレートNo.1−1,2−1,3の3つのウェルに1.で調製した細胞懸濁液をそれぞれ2mlずつ5mlピペットで分注する。
4.3.で細胞懸濁液を分注されたウェルを1000μlマイクロピペットでピペッティングした後、細胞懸濁液2mlずつを同じプレートの他のウェルに5mlピペットで分注する。
5.4.でプレートNo.1−1,2−1で細胞懸濁液を分注されたウェルを1000μlマイクロピペットでピペッティングした後、細胞懸濁液2mlずつをプレートNo.1−2,2−2の3つのウェルに5mlピペットで分注する。
6.5.で細胞懸濁液を分注されたウェルを1000μlマイクロピペットでピペッティングした後、細胞懸濁液2mlずつを同じプレートの他のウェルに5mlピペットで分注する。
7.全てのプレートをCOインキュベータに入れ、24時間培養する。
8.プレートNo.1−1,1−2,2−1,2−2,4を取り出し、MTT溶液200μlずつを1000μlマイクロピペットで分注する。
9.プレートNo.2−1,2−2の全てのウェルとNO.4の3つのウェルにβ−TCP多孔体ブロックを1個ずつピンセットで入れる。
10.プレートNo.1−1,1−2,2−1,2−2,4をCOインキュベータに入れ、4時間培養する。
11.プレートNo.3を取り出し、全てのウェルから培地をパスツールピペットで吸引する。
12.PBS2mlずつを10mlピペットでプレートNo.3の全てのウェルに分注し、洗浄する。
13.全てのウェルからPBSをパスツールピペットで吸引する。
14.トリプシン溶液500μlずつを1000μlマイクロピペットで全てのウェルに分注する。
15.プレートNo.3をCOインキュベータに入れ、3分間培養する。
16.プレートNo.3を取り出し、培地500μlずつを100μlマイクロピペットで96ウェルマイクロプレートに分注する。
17.全てのウェルを1000μlマイクロピペットでピペッティングして接着していた細胞を剥がした後、細胞懸濁液50μlずつを100μlマイクロピペットで96ウェルマイクロプレートに分注する。
18.96ウェルマイクロプレートの細胞懸濁液を入れた全てのウェルにトリパンブルー液50μlずつを100μlマイクロピペットで分注する。
19.細胞懸濁液とトリパンブルー液を入れたウェルを100μlマイクロピペットでピペッティングした後、TATAI式血球計数盤を使用して細胞懸濁液中の細胞数を計数する。
20.プレートNo.1−1,1−2,2−1,2−2,4を取り出し、全てのウェルから培地をパスツールピペットで吸引する。
21.全てのウェルにMTT抽出液2mlずつを1000μlマイクロピペットで分注する。
22.ウェルに入っている全てのβ−TCP多孔体ブロックをスパーテルで粉々にする。
23.全てのプレートをプレートミキサーに載せ、プレートミキサーを10分間使用して形成されたホルマザンを溶解させる。
24.β−TCP多孔体ブロックの入っていない全てのウェルから上清100μlずつを100μlマイクロピペットで96ウェルマイクロプレートに分注する。
25.β−TCP多孔体ブロックの入った全てのウェルから上清を1000μlマイクロピペットで15ml遠心チューブに全て分注する。
26.遠心分離機に全ての遠心チューブを入れ、遠心分離を行う(2500rpm、3分間)。
27.全ての遠心チューブから上清100μlずつを100μlマイクロピペットで24.の96ウェルマイクロプレートに分注する。
28.マイクロプレートリーダに27.の96ウェルマイクロプレートを置き、吸光度(540nm)を測定する。
29.28.で得られた吸光度と、19.で得られた生細胞数とから、β−TCP多孔体ブロックを入れた場合と入れない場合の両方について検量線を作成する。
【0029】
(2)β−TCP多孔体ブロックに播種した細胞の生細胞数測定
1.調製した培養骨を12ウェルマイクロプレートのウェルにピンセットで入れる。
2.1.培養骨の入ったウェルに培地2mlずつを5mlピペットで分注する。
3.2.の培養骨と培地を入れたウェルにMTT溶液200μlずつを1000μlマイクロピペットで分注する。
4.プレートをCOインキュベータに入れ、4時間培養する。
5.プレートを取り出し、全てのウェルから培地をパスツールピペットで吸引する。
6.ウェルにMTT抽出液2mlずつを1000μlマイクロピペットで分注する。
7.ウェルに入っている培養骨をスパーテルで粉々にする。
8.プレートをプレーミキサーに載せ、プレートミキサーを10分間使用して形成されたホルマザンを溶解させる。
9.ウェルから上清を1000μlマイクロピペットで遠心チューブに全て分注する。
10.遠心分離機に全ての遠心チューブを入れ、遠心分離を行う(2500rpm,3分間)。
11.遠心チューブから上清100μlずつ1000μlマイクロピペットで(1)−24.の96ウェルマイクロプレートに分注する。
11.マイクロプレートリーダに11.の96ウェルマイクロプレートを置き、吸光度(540nm)を測定する。
12.得られた吸光度を検量線に照らし合わせ、β−TCP多孔体ブロック内に存在した生細胞数を算定する。
【0030】
<ニトロフェニルリン酸基質法による生体組織補填材内のALP活性測定方法>
A 材料
材料として、以下のものを用意する。
1.培養骨調製時(β−TCP多孔体ブロックへの播種時)に使用する間葉系幹細胞(未分化または分化後)
2.間葉系幹細胞培養培地[DMEM +10%FBS + 50μg/ml gentamicin + 250ng/ml amphotercin B +
10ng/ml
bFGF + 50μg/ml
Asc-P]、骨分化培地[DMEM + 10%FBS + 50μg/ml gentamicin + 250ng/ml amphotercin B +
50μg/ml
Asc-P + 10mmol/l
GP + 10-7mol/l DEX]、トリプシン溶液、PBS,トリパンブルー溶液
3.各種ピペット、8連マイクロピペット、6,12,96ウェル組織培養用マイクロプレート、15ml遠心チューブ、TATAI式血球計数盤、ピンセット、セルスクレイパー、1.5ml遠心チューブ、ホモジナイザー
4.和光純薬工業社製のラボアッセイALP、ALP
Lysis Buffer(2mmol/l塩化マグネシウム-0.05%Triton X-100溶液)
5.β−TCP多孔体ブロック5mm×5mm×5mm
6.プレートミキサー[OPM-103、アズワン株式会社製]、遠心分離機(5200,株式会社久保田製作所製)、冷却遠心分離機、マイクロプレートリーダ(Synergy HT, Bio-Tek社製)
【0031】
B 方法
(1)検量線作成
1.ラボアッセイALPのキットに含まれる標準液(0.5mMp-ニトロフェノール溶液)をPBSで希釈し、検量線用の標準液希釈系(×1,2,4,8)を作成する。
2.ラボアッセイALPのキットに含まれる基質錠(p-ニトロフェニルリン酸二ナトリウム)を基質溶解液(2mM塩化マグネシウム含有0.1M炭酸塩緩衝液、pH9.8)に溶解し、基質緩衝液(6.7mMp-ニトロフェニルリン酸二ナトリウム)を作成する。
3.基質緩衝液100μlずつを8連マイクロピペットで96ウェルマイクロプレートに分注する。
4.各標準液20μlずつを100μlマイクロピペットで96ウェルマイクロプレートに分注した基質緩衝液中に分注する。
5.96ウェルマイクロプレートをCOインキュベータに入れ、15分間放置する。
6.96ウェルマイクロプレートを取り出し、反応停止液(0.2mmol/l水酸化ナトリウム)80μlずつを8連マイクロピペットでマイクロプレートに添加する。
7.プレートミキサーを用いて96ウェルマイクロプレートを1分間攪拌する。
8.マイクロプレートリーダに7.の96ウェルマイクロプレートを置き、吸光度(405nm)を測定する。
【0032】
(2)β−TCP多孔体ブロックに播種した細胞のALP活性測定
1.ラボアッセイALPのキットに含まれる基質錠(p-ニトロフェニルリン酸二ナトリウム)を基質溶解液(2mM塩化マグネシウム含有0.1M炭酸塩緩衝液、pH9.8)に溶解し、基質緩衝液(6.7mMp-ニトロフェニルリン酸二ナトリウム)を作成する。
2.基質緩衝液100μlずつを8連マイクロピペットで96ウェルマイクロプレートに分注する。
3.調製した培養骨およびβ−TCP多孔体ブロック単体を12ウェルマイクロプレートのウェルにピンセットで入れる。
4.3.の培養骨およびβ−TCP多孔体ブロックの入ったウェルにPBS2mlずつを5mlピペットで分注し、培養骨を洗浄する。
5.PBSをパスツールピペットで吸引する。
6.培養骨およびβ−TCP多孔体ブロックを1.5ml遠心チューブにピンセットで移し、ALP Lysis Buffer 500μlを1000μlマイクロピペットで分注する。
7.培養骨およびβ−TCP多孔体ブロックをホモジナイザーで粉々にする。
8.得られたサンプルを3回凍結融解する。
9.サンプルを1000μlマイクロピペットでピペッティングした後、冷却遠心分離機に1.5ml遠心チューブを入れ、遠心分離を行う(10000rpm,2分間)。
10.1.5ml遠心チューブから上清全てを1000μlマイクロピペットで1.5ml遠心チューブに分注する。
11.1.5ml遠心チューブを冷却遠心分離機に入れ、遠心分離を行う(10000rpm,2分間)。
12.1.5ml遠心チューブから上清20μlを1000μlマイクロピペットで96ウェルマイクロプレートに分注した基質緩衝液中に分注する。
13.96ウェルマイクロプレートをCOインキュベータに入れ、15分間放置する。
14.96ウェルマイクロプレートを取り出し、反応停止液(0.2mmol/l水酸化ナトリウム)80μlずつを8連マイクロピペットでマイクロプレートに添加する。
15.プレートミキサーを用いて96ウェルマイクロプレートを1分間攪拌する。
16.マイクロプレートリーダに15.の96ウェルマイクロプレートを置き、吸光度(405nm)を測定する。
【0033】
<サンドイッチ酵素免疫測定法による生体組織補填材内のOC産生量測定方法>
A 材料
材料として、以下のものを用意する。
1.培養骨調製時(β−TCP多孔体ブロックへの播種時)に使用する間葉系幹細胞(未分化または分化後)
2.間葉系幹細胞培養培地[DMEM +10%FBS + 50μg/ml gentamicin + 250ng/ml amphotercin B +
10ng/ml
bFGF + 50μg/ml
Asc-P]、骨分化培地[DMEM + 10%FBS + 50μg/ml gentamicin + 250ng/ml amphotercin B +
50μg/ml
Asc-P + 10mmol/l
GP + 10-7mol/l DEX]、トリプシン溶液、PBS,トリパンブルー溶液
3.各種ピペット、8連マイクロピペット、6,12,96ウェル組織培養用マイクロプレート、15ml遠心チューブ、TATAI式血球計数盤、ピンセット、セルスクレイパー、1.5ml遠心チューブ、ホモジナイザー
4.タカラバイオ社製のGla-Type Osteocalcin(Gla-OC)EIA Kit(Precoated), ALP Lysis Buffer(2mmol/l塩化マグネシウム-0.05%Triton X-100溶液)
5.β−TCP多孔体ブロック5mm×5mm×5mm
6.プレートミキサー[OPM-103、アズワン株式会社製]、遠心分離機(5200,株式会社久保田製作所製)、冷却遠心分離機、マイクロプレートリーダ(Synergy HT, Bio-Tek社製)
【0034】
B 方法
(1)検量線作成
1.Gla-OC
EIA Kitに含まれる標準液(Gla型オステオカルシン)を検体希釈液で希釈し、検量線用の標準液希釈系(×1,2,4,8)を作成する。
2.1.の標準液100μlずつを8連マイクロピペットでGla-OC EIA Kitに含まれる抗OCモノクローナル抗体プレートに2連で、5分以内に分注する。
3.2.のプレートを室温で2時間放置する。
4.プレートのウェル内の溶液を廃棄する。
5.プレートのウェルにPBS100μlずつを8連マイクロピペットで分注する。
6.プレートのウェル内のPBSを廃棄する。以下、5.6.の操作を合計3回行い、ウェル内を洗浄する。
7.プレートのウェルにペルオキシダーゼ標識抗OCモノクローナル抗体100μlずつを8連マイクロピペットで分注する。
8.7.のプレートを室温で1時間放置する。
9.プレートのウェル内の溶液を廃棄する。
10.5.6.の操作を合計3回行い、ウェル内を洗浄する。
11.プレートのウェルに基質液(3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン:TMBZ)100μlずつを8連マイクロピペットで分注する。
12.11.のプレートを室温で15分間放置する。
13.プレートのウェルに反応停止液(1N硫酸)100μlずつを8連マイクロピペットで分注する。
14.マイクロプレートリーダにプレートを置き、吸光度(450nm)を測定する。
【0035】
(2)β−TCP多孔体ブロックに播種した細胞のOC産生量の測定
1.調製した培養骨およびβ−TCP多孔体ブロック単体を12ウェルマイクロプレートのウェルにピンセットで入れる。
2.1.の培養骨およびβ−TCP多孔体ブロックの入ったウェルにPBS2mlずつを5mlピペットで分注し、培養骨を洗浄する。
3.PBSをパスツールピペットで吸引する。
4.培養骨およびβ−TCP多孔体ブロックを1.5ml遠心チューブにピンセットで移し、ALP Lysis Buffer 500μlを1000μlマイクロピペットで分注する。
5.培養骨およびβ−TCP多孔体ブロックをホモジナイザーで粉々にする。
6.得られたサンプルを3回凍結融解する。
7.サンプルを1000μlマイクロピペットでピペッティングした後、冷却遠心分離機に1.5ml遠心チューブを入れ、遠心分離を行う(10000rpm,2分間)。
8.1.5ml遠心チューブから上清全てを1000μlマイクロピペットで1.5ml遠心チューブに分注する。
9.1.5ml遠心チューブを冷却遠心分離機に入れ、遠心分離を行う(10000rpm,2分間)。
10.1.5ml遠心チューブから上清250μlを96ウェルマイクロプレートに分注し、8連マイクロピペットで100μlずつGla-OC EIA Kitに含まれる抗OCモノクローナル抗体プレートに2連で、5分以内に分注する。
11.10.のプレートを室温で2時間放置する。
12.プレートのウェル内の溶液を廃棄する。
13.プレートのウェルにPBS100μlずつを8連マイクロピペットで分注する。
14.プレートのウェル内のPBSを廃棄する。以下、13.14.の操作を合計3回行い、ウェル内を洗浄する。
15.プレートのウェルにペルオキシダーゼ標識抗OCモノクローナル抗体100μlずつを8連マイクロピペットで分注する。
16.15.のプレートを室温で1時間放置する。
17.プレートのウェル内の溶液を廃棄する。
18.13.14.の操作を合計3回行い、ウェル内を洗浄する。
19.プレートのウェルに基質液(3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン:TMBZ)100μlずつを8連マイクロピペットで分注する。
20.19.のプレートを室温で15分間放置する。
21.プレートのウェルに反応停止液(1N硫酸)100μlずつを8連マイクロピペットで分注する。
22.マイクロプレートリーダにプレートを置き、吸光度(450nm)を測定する。
【0036】
<Hoechst33258を利用した生体組織補填材内のDNA量測定方法>
A 材料
材料として、以下のものを用意する。
1.培養骨調製時(β−TCP多孔体ブロックへの播種時)に使用する間葉系幹細胞(未分化または分化後)
2.間葉系幹細胞培養培地[DMEM +10%FBS + 50μg/ml gentamicin + 250ng/ml amphotercin B +
10ng/ml
bFGF + 50μg/ml
Asc-P]、骨分化培地[DMEM + 10%FBS + 50μg/ml gentamicin + 250ng/ml amphotercin B +
50μg/ml
Asc-P + 10mmol/l
GP + 10-7mol/l DEX]、トリプシン溶液、PBS,トリパンブルー溶液
3.各種ピペット、8連マイクロピペット、6,12,96ウェル組織培養用マイクロプレート、15ml遠心チューブ、TATAI式血球計数盤、ピンセット、セルスクレイパー、1.5ml遠心チューブ
4.バイオラッド社製のFluorescent DNA Quantitation Kit
5.β−TCP多孔体ブロック5mm×5mm×5mm
6.プレートミキサー[OPM-103、アズワン株式会社製]、遠心分離機(5200,株式会社久保田製作所製)、マイクロプレートリーダ(Synergy HT, Bio-Tek社製)
【0037】
B 方法
(1)検量線作成
1.Fluorescent
DNA Quantitation Kitに含まれる標準液をPBSで希釈し、検量線用の標準液希釈系(100,10μg/μl)を作成する。
2.96ウェルマイクロプレートにHoechst33258(2μg/ml)200μlずつを8連マイクロピペットで添加する。
3.1.の標準液を10μl、100μlマイクロピペットで、2.のプレートに1000,500,200,100,560,20ngになるように3連で分注する。
4.プレートミキサーで1分間攪拌する。
5.4.より5分以上経過後、マイクロプレートリーダにプレートを置き、excitation filter 360nm/emission filter 460nmの蛍光を測定する。
【0038】
(2)β−TCP多孔体ブロックに播種した細胞のDNA量測定
1.96ウェルマイクロプレートにHoechst33258(2μg/ml)200μlずつを8連マイクロピペットで添加する。
2.ALP活性測定、OC産生量測定で用いた試料5μlを10μlマイクロピペットで3連で分注する。
3.プレートミキサーで1分間攪拌する。
4.3.より5分以上経過後、マイクロプレートリーダにプレートを置き、excitation filter 360nm/emission filter 460nmの蛍光を測定する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る生体組織補填体の検査方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
S1 DNA量測定ステップ
S22,S32,S42 判断ステップ
S21 細胞数測定ステップ
S31 ALP活性測定ステップ
S41 OC産生量測定ステップ
S5 培養終了判断ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織補填材に細胞を付着させて培養された生体組織補填体内における細胞数、アルカリフォスファターゼの活性およびオステオカルシンの産生量をそれぞれ測定するステップと、
測定された細胞数、アルカリフォスファターゼの活性およびオステオカルシンの産生量が所定値以上または陽性であるか否かを判断するステップと、
細胞数が所定値以上であり、アルカリフォスファターゼの活性が所定値以上または陽性であり、かつ、オステオカルシンの産生量が陽性である場合に培養終了を判断するステップとを備える生体組織補填体の検査方法。
【請求項2】
前記細胞数の測定を3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム ブロマイド(MTT)法、WST−1法あるいはWST−8法によるホルマザンの検出により行う請求項1に記載の生体組織補填体の検査方法。
【請求項3】
アルカリフォスファターゼの活性の測定を、生体組織補填体中のアルカリフォスファターゼをp−ニトロフェニルリン酸基質法によるp−ニトロフェノールの検出により行う請求項1または請求項2に記載の生体組織補填体の検査方法。
【請求項4】
アルカリフォスファターゼの活性の測定が、EIA法による培地上清中のアルカリフォスファターゼに対して行われる請求項1または請求項2に記載の生体組織補填体の検査方法。
【請求項5】
オステオカルシンの産生量の測定がEIA法により行われる請求項1から請求項4のいずれかに記載の生体組織補填体の検査方法。
【請求項6】
Hoechst33258を利用した測定法によりDNA量を測定し、測定されたアルカリフォスファターゼの活性およびオステオカルシンの産生量をDNA量で補正する請求項1から請求項5のいずれかに記載の生体組織補填体の検査方法。
【請求項7】
細胞数、アルカリフォスファターゼの活性、オステオカルシンの産生量およびDNA量の測定に際し、検量用のサンプルに、細胞の付着していない生体組織補填材を導入する請求項1から請求項6のいずれかに記載の生体組織補填体の検査方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−204173(P2006−204173A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−19949(P2005−19949)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】