説明

生体試料の観察方法

【課題】生細胞、生体組織および小動物等の生体試料を定量的に観察する場合に、定量性を維持したまま長時間あるいは長期間観察する。
【解決手段】生体試料から発する発光または蛍光を観察する観察方法であって、前回取得した画像データを参照する参照工程S301と、前回取得した前記画像データの輝度が飽和しているか否か判断する輝度判断工程S302と、前記輝度判断工程において輝度が飽和していると判断された場合に、前回1回で取得した前記画像データの露光を複数回に分ける露光分割工程S303と、前記複数回に分けた回数だけ画像を取得する画像取得工程S304と、前記複数回に分けて取得した前記画像を1つの画像に積算する積算工程S306とを備えた生体試料の観察方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体試料の観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、細胞生物学、分子生物学などの研究分野では、緑色蛍光タンパク質(GFP)や生物発光酵素であるルシフェラーゼ遺伝子を発現のレポーターとして働かせ、細胞内の特定部位や機能蛋白質に蛍光標識や発光標識を付して生体細胞を観察する必要性が高まっている。また、小動物など生体試料の内部の様子を生きたままの状態(in vivo)で、光を使って体外計測する手法も、医学研究等にとって重要となってきている。
【0003】
一般に、例えば蛍光タンパクを導入した生細胞を蛍光観察する場合、蛍光タンパクの発現状態や細胞の活性状態に応じて蛍光画像の輝度は刻々と変化する。例えば培養初期では低かった細胞の輝度が、蛍光タンパクの発現に伴って高輝度になる場合や、逆に蛍光タンパクの発現量が減少し輝度が低下する場合、更には輝度の上昇と低下が繰り返される場合等、観察対象によって変化のパターンは様々である。これらは発光標識を付した生細胞を用いて生物学的活性を発光観察する場合や、蛍光タンパクを用いて小動物などの生体試料を蛍光観察し、腫瘍の位置や大きさを解析する場合においても同様である。これらの観察において、定量的な評価に利用できる安定した画像を経時的に撮影することが重要である。
【0004】
安定した画像を経時的に撮影する技術として、励起光の照射によって細胞から発せられた蛍光の画像を、所定の時間間隔をおいて時系列的に撮像系で取得するにあたり、蛍光強度の飽和を防ぐために、先に取得した蛍光画像を用いて後に取得する蛍光画像の撮影の露出光量を設定すること(例えば、特許文献1。)および視野毎に撮像済みの細胞画像の輝度値に基づいて次回撮像時の露出条件を設定し、輝度が飽和しないようにすること(例えば、特許文献2。)が知られている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−214924号公報
【特許文献2】特開2006−317406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の方法は、観察の途中で露光時間などの観察条件を変更して最適な輝度値が得られるようにしている。しかしながら、観察条件を変更した時点で定量性が失われやすいという不都合があり、特に長期間の観察において定量性を維持したい場合、露光時間や照明光量などの観察条件を途中ですることは望ましくない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、生細胞、生体組織および小動物等の生体試料を定量的に観察する場合に、定量性を維持したまま長時間あるいは長期間観察する観察方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、生体試料から発する発光または蛍光を観察する観察方法であって、前回取得した画像データを参照する参照工程と、前回取得した前記画像データの輝度が飽和しているか否か判断する輝度判断工程と、前記輝度判断工程において輝度が飽和していると判断された場合に、前回1回で取得した前記画像データの露光を複数回に分ける露光分割工程と、前記複数回に分けた回数だけ画像を取得する画像取得工程と、前記複数回に分けて取得した前記画像を1つの画像に積算する積算工程とを備えた生体試料の観察方法を提供する。
本発明によれば、複数図に分けて取得した画像を1つの画像に積算することによって生体試料を定量的に観察することができる。
【0009】
本発明は、生体試料から発する発光または蛍光を観察する観察方法であって、過去に取得した画像データの撮影条件を参照する参照工程と、前記撮影条件で画像取得する画像取得工程と、取得した前記画像と前記過去の画像データとの比較を行う比較工程と、前記比較によって撮影開始から撮影終了時点まで有効な輝度値の範囲内で撮影を行うことができるか否かを判断する輝度判断工程と、前記判断によって有効な輝度値の範囲内で撮影を行うことができないと判断された場合に撮影条件を調整する調整工程とを備えた生体試料の観察方法を提供する。
本発明によれば、過去のデータを利用して生体試料を定量的に観察することができる。
【0010】
本発明は、生体試料から発する発光または蛍光を観察する観察方法であって、複数の観察条件で画像取得する画像取得工程と、取得された前記画像の解析結果が適切な輝度値の範囲であるか否かを判断する輝度判断工程と、前記判断工程において適切な輝度値の範囲外であると判断された場合に、不適切な輝度値のデータについて複数取得した別の解析データを用いて補間する補間工程とを備えた生体試料の観察方法を提供する。
本発明によれば、複数の条件で画像を取得することにより生体試料を定量的に観察することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、生細胞、生体組織および小動物等の生体試料を定量的に観察する場合に、定量性を維持したまま長時間あるいは長期間観察することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る生体試料の観察方法について図面を参照して説明する。
本発明に係る第1の実施形態は、蛍光タンパクで標識した腫瘍細胞を皮下に導入した生きた実験小動物において、その腫瘍の成長を蛍光観察する生体試料の観察方法である。図1は同軸照明を用いた観察装置の概略構成例、図2は斜照明を用いた観察装置の概略構成例である。
図1に示されるように、光源108から射出された光は、フィルタ109で蛍光タンパクを励起する波長の光のみを透過され、ダイクロイックミラー103で反射され、対物光学系104を通してステージ106上の標本105に照射される。標本105で発せられた蛍光は、対物光学系104を逆に進み、ダイクロイックミラー103を透過して、フィルタ102で不要な光がカットされて、CCDカメラ101で検出される。CCDカメラ101で検出された光は、コントローラ107に送られ画像化される。
【0013】
コントローラは一般的なPC等のコンピュータであり、CCDカメラ101の撮影条件の制御、取得画像の画像化と表示、光源108の光量などの制御などをしている。また、画像処理や画像間演算機能も可能である。そして、フィルタ102,109、ダイクロイックミラー103が複数備えてられており電動で交換可能になっている場合はその制御も行う。さらには、対物光学系104にズーム機能がある場合や、ステージ106が電動式になっている場合もその制御も行う。
【0014】
図2に示されるように、光源207から射出された光は、フィルタ208で蛍光タンパクを励起する波長の光のみを透過され、ファイバ209を通してステージ205上の標本204に照射される。標本で発せられた蛍光は、対物光学系203を進み、フィルタ202で不要な光がカットされて、CCDカメラ201で検出される。CCDカメラ201で検出された光は、コントローラ206に送られ画像化される。また、コントローラ206は、図1のコントローラと同じ機能を有する。
【0015】
本実施形態の観察対象は、例えば皮下に腫瘍細胞を導入したマウスであり、腫瘍細胞は緑色蛍光タンパク質(GFP)で標識されているとする。腫瘍は数日〜数週間という期間で成長するので、1回の観察は短時間であっても長期間に渡って観察が必要である。通常定量性を求める場合、励起光の光量やCCDカメラの撮影条件など観察条件を一定にして観察を進めるが、腫瘍の成長によっては取得した画像の輝度が飽和する程度腫瘍が成長してしまう場合もある。
【0016】
ここで、本実施形態での観察する手順としては次のようになる。1回の観察の手順について図3を用いて説明する。まず、例えばイソフルランを用いた気化麻酔等(図示せず)によりマウスに麻酔をかける。マウスをステージ上に載せて、腫瘍がある部分を含むマウスの画像を取得するために励起側のフィルタおよび検出側のフィルタおよびダイクロイックミラーなどについて、蛍光を観察するために必要な設定を行う。
【0017】
続いて、前回の取得画像を参照して(S301)、各画素の輝度が飽和していないかどうか確認する(S302)。飽和している画素がない場合は同じ撮影条件で撮影する(S304)。初回の撮影の場合は前回画像がないので今後の腫瘍の成長を考量した所望の条件で撮影する。飽和している画素がある場合、前回の取得画像の露光時間に対して、例えば今回の画像取得時の露光時間を1/2、撮影回数を2倍にした条件等に調整し(S303)、撮影する(S304)。次に撮像回数が1回か否かについて判断する(S305)。この場合1回の観察で複数の画像が取得されることになるため、取得した画像を積算(画像間演算で全画像の足し算)し1つの画像にする(S306)。なお、CCDカメラが8ビットカメラであった場合、輝度値としては255という数値が飽和値であり、画像を積算した後飽和してしまっては意味がないため、9ビット以上の画素値の画像、例えば16ビットの画像として扱う必要がある。
【0018】
このようにすれば、実質的には露光時間などの観察条件を変えずに観察しているのと同じこととなる。上記の1回の観察の手順を実験期間の間繰り返すことで、定量性が維持された飽和しない画像を取得することが可能となる。
上記実施形態では、飽和している画素があるか調べる場合、CCDカメラの特性上発生するホワイトノイズを飽和していると判断し、むやみに撮影回数が増えてしまうことがないよう、前回取得した画像に対し平均化フィルタやメディアンフィルタなどの画像処理を施した後、飽和した画素があるか調査してもよい。
【0019】
上記実施形態では、飽和しているということを判断するときに、予め指定した輝度値または、輝度値の最大値に対する予め指定した割合の輝度値(例えば8ビット画像ならば255が最大値であるので、220という数値や、輝度の最大値の90%)などを指定し、その値を越えたときに飽和していると判断してもよい。また、このとき1つの画素のみでなく、画像全体の予め指定した割合の複数の画素を用いて判断してもよい。
上記実施形態では、小動物の蛍光観察を例として用いたが、生細胞や生体組織などを蛍光観察や発光観察する場合、小動物の発光観察などに適用してもよい。
【0020】
本発明に係る第2の実施形態は、ルシフェラーゼで標識した生細胞について発光観察する生体試料の観察方法である。図4は第2の実施形態に係る観察装置の概略構成例である。
細胞を培養しながら観察するためには生体内を真似た環境を用いる必要があり、図4に示されるように、標本410はステージ404上のインキュベータ403内に配置される。標本410は通常シャーレに入っており、ステージ404およびインキュベータ403には観察用の穴(図示せず)が開いている。
【0021】
発光観察の場合、標本410で発せられた光は、対物光学系405を進み、フィルタ406で不要な光がカットされて、CCDカメラ407で検出される。CCDカメラ407で検出された光は、コントローラ411に送られ画像化される。なお単色の発光観察の場合、フィルタ406は配置しないこととしてもよい。
ルシフェラーゼで標識すると同時に蛍光タンパクや蛍光色素で標識する場合は、蛍光観察を行うこととしてもよい。蛍光観察の場合、光源409から射出された光は、フィルタ408で蛍光タンパク等を励起する波長の光のみを透過され、ステージ404上のインキュベータ403内の標本410に照射される。標本410で発せられた光は、対物光学系405を進み、フィルタ406で不要な光がカットされて、CCDカメラ407で検出される。CCDカメラ407で検出された光は、コントローラ411に送られて画像化される。
【0022】
コントローラは一般的なPC等のコンピュータであり、CCDカメラ407の撮影条件の制御、取得画像の画像化と表示および光源409の光量などの制御等を行う。また、画像処理や画像解析も可能であり、画像解析の結果データを観察条件と共に保持しておくこともできる。フィルタ406,408は複数備えてられており電動で交換可能になっている場合は複数のフィルタの制御を行うこともできる。さらに、対物光学系405にズーム機能がある場合や、ステージ404が電動式になっている場合についてもその制御を行う。
これら装置の一部または全体を、外部からの光を遮断するチャンバー等の遮光装置内に配置することによって、外部の光の影響を受けることなく精度よく安定して微弱光を検出することができる。例えば、図4の暗箱402と蓋401により標本を遮光された状態に置くことができる。
【0023】
発光観察について以下に説明する。
発光試料からの発光量は極めて少ないため、鮮明な画像を撮るために露出時間が長くなる傾向にある。また、生細胞を培養しながら経時的に観察したい場合は、数十時間に及んで観察を行うことがある。例えCCDカメラの撮影条件などの観察条件を一定にして観察を進めたとしても、細胞の変化によって取得した画像の輝度が飽和する程度変化してしまう場合がある。このように、輝度値が飽和状態となった場合、あるいは輝度値がほぼ無い状態になって変化がわからなくなった場合は、実験の一部が無駄になる恐れがある。
【0024】
微弱な発光の発光試料を観察する手順について図5を用いて説明する。
まず、標本を装置に設置した後、標本の種類や培養の条件に応じて、コントローラで保持している過去の解析データから同じ条件または近い条件の解析データを指定する(S501)。これにより、過去の解析データから例えば輝度値の最大値および最小値、最大値となる時期、最小値となる時期、あるいは1回の撮影での輝度の変化量等を予測することができる。
【0025】
続いて、その解析データと同じ撮影条件で、最初に1回標本の画像を取得する(S502)。撮影された画像の輝度値とコントローラで保持している過去の解析データから、1回目の条件で今後の撮影を続けた場合、輝度値が飽和あるいは無くなる恐れがないか判断する。輝度値が飽和すると判断される場合(S503)は露光時間を短くし(S506)、輝度値が無くなると判断された場合(S504)は、露光時間を長くする(S506)。そして、再度撮影する(S502)。
これらの撮影と条件確認とを繰り返し、以後撮影を続けた場合にも支障がないと判断された時点で、その観察条件で長時間の撮影を開始する(S507)。このようにすることで、輝度値が飽和状態または輝度値が無い状態になることなく、長時間の観察をすることができる。
【0026】
上記実施形態では、解析データを保持する際、同じ観察条件がある場合は、以前の解析データと新しい解析データの2つを保持し、輝度値の判断に用いることとしてもよい。また、以前の解析データと新しい解析データの2つを用いて例えば正規化する等により新たなデータを作り保持することとしてもよい。
上記実施形態では、生細胞の発光観察を例として用いたが、生細胞の生体組織あるいは小動物等について蛍光観察および発光観察する場合に適用することとしてもよい。
【0027】
本発明に係る第3の実施形態は、図6,7に示されるように、第1の実施形態に係る観察手順の変形例である。以下に腫瘍の輝度変化を経時的に解析する場合について説明する。
本実施形態では、同じ観察対象を同じ観察位置で、複数の観察条件で撮影する。例えば3パターンの露光時間を決めておき、その露光時間で全撮影をする。
【0028】
この複数の露光時間の決定方法としては、CCDカメラに自動露光設定機能があればその機能を使用してもよい。自動露光設定機能がない場合は、画像を撮影しながら、輝度値が飽和しない撮影条件を探す(S701)こととする。このようにして探し出された撮影条件から他の撮影条件について設定する(S702)。例えば、今後の腫瘍の成長を見越して、半分の露光時間を最も長時間の露光時間をExp1とし、続いてその半分の露光時間をExp2、さらに半分の露光時間をExp3とする。ここでは露光時間を半分ずつにすることとしたが、撮影条件の決定方法はこの限りではない。
【0029】
これらの撮影条件に従い画像を撮影し、パターン毎に時系列に従って保持しておく(S703)。すべての実験が終了した(S704)後、パターン毎に時系列に沿って画像解析する(S705)。画像解析の結果データで輝度値が飽和している画像や輝度値が無くなっている画像あれば(S706)、その画像と同時刻に他のパターンで取得した画像を用いて解析データを補間する(S707)。なお、CCDカメラが例えば8ビットカメラであった場合、画像の輝度値としては255という数値が飽和値であり、解析データを補間するときに計算できなくなることを防ぐために、9ビット以上の画素値の画像または解析データ、例えば16ビットの画像として扱う必要がある。
【0030】
補間方法について、図6を用いて説明する。例えば上記のように露光時間を3パターンとして腫瘍の成長を観察した場合、腫瘍位置の輝度の変化を同じ解析方法で3パターンの画像それぞれで解析する。続いて、例えばExp1のある時刻t1以降で輝度値が飽和していた場合、Exp1の輝度値が飽和していない時間帯t0〜t1のデータと同じ時間帯のExp2の解析データとの相関、例えば比を算出し、時刻t1以降の解析はExp2データに対して算出された比を正規化して使用する。さらにExp2の解析データでも時刻t2以降で輝度値が飽和した時はExp3の解析データを使用する。
【0031】
本実施形態では補間方法を説明するため、Exp1の解析データを中心に説明したが、すべて飽和していない解析データであるExp3データをそのまま画像解析の結果として用いてもよい。その場合、Exp1やExp2の解析データは、輝度が低い時点での補足データとして、実験全体を補うことができる。
このようにすれば、定量性を損なうことなく、画像を解析することができる。
【0032】
上記実施形態では、小動物の蛍光観察を例として用いたが、生細胞および生体組織等を蛍光観察、発光観察、および小動物の発光観察等に適用することとしてもよい。
また、上記3つの実施形態について説明したが、これらを組み合わせて使用することとしてもよい。蛍光観察および発光観察の装置構成についてはこれらに限られず、一般的な顕微鏡を用いてもよく、上記実施形態のコントローラ部を構成の一部として備えることで同様の制御を行うことや同様の機能を備えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1および第3の実施形態に係る観察装置の全体構成図(同軸照明)である。
【図2】本発明の第1および第3の実施形態に係る観察装置の全体構成図(斜照明)である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る観察の手順を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る観察装置の全体構成図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る観察の手順を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るデータの解析方法を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る観察の手順を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
S301 参照工程
S302 輝度判断工程
S303 露光分割工程
S304 画像取得工程
S306 積算工程


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料から発する発光または蛍光を観察する観察方法であって、
前回取得した画像データを参照する参照工程と、
前回取得した前記画像データの輝度が飽和しているか否か判断する輝度判断工程と、
前記輝度判断工程において輝度が飽和していると判断された場合に、前回1回で取得した前記画像データの露光を複数回に分ける露光分割工程と、
前記複数回に分けた回数だけ画像を取得する画像取得工程と、
前記複数回に分けて取得した前記画像を1つの画像に積算する積算工程とを備えた生体試料の観察方法。
【請求項2】
生体試料から発する発光または蛍光を観察する観察方法であって、
過去に取得した画像データの撮影条件を参照する参照工程と、
前記撮影条件で画像取得する画像取得工程と、
取得した前記画像と前記過去の画像データとの比較を行う比較工程と、
前記比較によって撮影開始から撮影終了時点まで有効な輝度値の範囲内で撮影を行うことができるか否かを判断する輝度判断工程と、
前記判断によって有効な輝度値の範囲内で撮影を行うことができないと判断された場合に撮影条件を調整する調整工程とを備えた生体試料の観察方法。
【請求項3】
生体試料から発する発光または蛍光を観察する観察方法であって、
複数の観察条件で画像取得する画像取得工程と、
取得された前記画像の解析結果が適切な輝度値の範囲であるか否かを判断する輝度判断工程と、
前記判断工程において適切な輝度値の範囲外であると判断された場合に、不適切な輝度値のデータについて複数取得した別の解析データを用いて補間する補間工程とを備えた生体試料の観察方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−150829(P2009−150829A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330423(P2007−330423)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】