説明

生体適合性材料の表面浄化方法とそれに用いる洗浄装置。

【課題】生体適合性材料の表面から生体物を洗浄することで、その再使用や清浄化を行えるようにすることを目的とする。
【解決手段】生体適合性材料の表面浄化方法は、リン酸系生体適合化合物の耐熱温度未満に加熱したアルカリ水溶液からなる洗浄液中に浸漬させた後、当該表面を酸素雰囲気中に暴露しながら、紫外線を照射することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸系生体適合化合物が表面に存在する生体適合性材料の表面浄化方法とそれに用いる洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種、生体適合性材料としては、特許文献1、2及び非特許文献1、2などに示されるものなどが広く周知であるが、生体との親和性を有さしめるために、リン酸化合物を表面に有している。
それ故に、目的内での使用では、生体との結合性に富むことで所期する機能を果しえるものである。非特許文献3には、リン酸化合物の表面洗浄化方法として界面活性剤を用いている。リン酸化合物の表面に吸着する界面活性剤などはリン酸化合物の生体との結合性を低減するなどの機能阻害をしてしまう。また、タンパク質をはじめとする生体物質を表面から脱離させることができない。そのため新たな洗浄方法が求められていた。
しかし、目的使用後の再使用や、保管中に感染した生体適合性材料の浄化は不可能とされ、すべて廃棄することとされていた。
【特許文献1】特開2007-171163
【特許文献2】再公表特許国際公開番号WO2006/025358, H18/3/9
【非特許文献1】Biomaterials, 27(33),5748-5754, 2006 /8/14, A.Monkawa, T.Ikoma, S.Yunoki, T.Yoshioka, J.Tanaka,D.Chakarov, B.Kasemo
【非特許文献2】Key Engineering Materials, 361-363 1119-1122 2008 Yoshioka T, Ikoma T, Monkawa A, Tonegawa T, Chakarov D, Kasemo B, Hanagata N, Tanaka J
【非特許文献3】Analyst, 127, 360-367 2002 Langford J, Pavey KD, Olliff CJ, Cragg PJ, Hanlon GW, Paul F, Rees GD
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような実情に鑑み、生体適合性材料の表面から生体物を洗浄することで、その再使用や清浄化を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明1の生体適合性材料の表面浄化方法は、リン酸系生体適合化合物の耐熱温度未満に加熱したアルカリ水溶液からなる洗浄液中に浸漬させることと、生体適合性材料をオゾン雰囲気中に暴露する工程とからない、この両工程のいずれかを他方に先行させて処理することを特徴とする。
【0005】
発明2は、 発明1の生体適合性材料の表面浄化方法において、前記洗浄液が、過酸化水素/アンモニア/水の混合溶液であることを特徴とする。
【0006】
発明3は、 発明1または2の生体適合性材料の表面浄化方法において、その生体適合性材料は、導電性基板上にリン酸カルシウムを成膜した生体センサーであることを特徴とする。
【0007】
発明4は、 発明1から3のいずれかに記載の表面浄化方法に用いる洗浄装置であって、前記洗浄液を貯留し、加熱する洗浄槽と、前記生体適合性材料をオゾン雰囲気中に暴露するオゾン暴露手段とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
発明1により、リン酸系生体親和化合物から生体物質(タンパク質・DNA・細胞外マトリックス・細胞など)の除去が可能であることを知見するに及びそれを利用して、生体適合性材料の表面浄化方法を提供するにいたったものである。
この発明により、従来は不可能とされていた生体センサーなどの再利用や、汚染されたインプラントなどの洗浄浄化が可能となり、従来は破棄されるべきものとされていた各種の生体適合性材料を再利用できる可能性を明らかにしたものである。
これにより、現存するそして今後も開発されるであろう各種の生体適合性材料に廃棄量を減少すると共に貴重な資源の再利用を生体材料の世界においても可能にした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明が対象にするリン酸系生体親和化合物としては、リン酸カルシウム、アパタイトなどが一般に知られているが、その他にも、各種のものが従来周知であり、これらも以下の作用を発揮させるものであれば同様に本発明の方法と装置とを適用できるものである。
また、リン酸系生体親和性化合物を基材表面に配置する方法としては、従来より各種のものが知られている。
下記実施例に掲げた電気泳動堆積法以外の成膜法、例えばレーザーアブレーション法(上記文献3)やスパッター法により得られた薄膜あるいはその他の方法で得られた薄膜であっても、また、基材にリン酸系生体親和化合物を含有するものであっても本発明は適用可能である。
【0010】
本発明における洗浄液の役割は、H+HO→-OH+−OH+HOといった反応により水酸基ラジカルを発生させたり、-OH+H→HOO+HOといったヒドロペルオキシドラジカルを発生させたりすることで、タンパク質等の内部に存在するアミド結合などの弱い結合を切断またはリン酸系生体親和化合物表面との結合を切断する。
そして、タンパク質等の内部に存在するアミド結合などの弱い結合を切断する作用は、洗浄液の温度を0℃以上から100℃以下、好ましくは30℃以上から80℃以下、より好ましくは40℃以上から70℃以下にするのが効果的である。
この温度未満であるとラジカル発生が不十分でありタンパク質等の結合切断が進まず、これを超えるとリン酸系生体親和化合物薄膜のはく離などの欠点が生じる。
また、洗浄液としては、実施例に示すような、過酸化水素/アンモニア/水の混合液の他、生体物質の分子内に存在する弱い結合の切断作用を及ぼす液体であれば利用可能である。
【0011】
さらに、本発明では、前記洗浄液による洗浄の後に、UVオゾン処理を施すことにより、前記生体物質を、酸素分子の解離反応を促進させ(O→O(P)+O(P))、三重項基底酸素原子と酸素分子を反応させオゾンを発生(O(P)+O→O)させ、最終的にオゾンから酸素ラジカルを発生(O→O+O(D)させて、タンパク質等の内部に存在するアミド結合などの弱い結合を切断またはリン酸系生体親和化合物表面との結合を切断して処理するものである。
当該処理において、洗浄物と接触する酸素の濃度は特に限定されることはないが、30Vol%以下から、好ましくは10Vol%から30Vol%、より好ましくは15Vol%から25Vol%とするのが適切である。
当該範囲よりも低い濃度では、酸素ラジカルの発生が生じなくなり、これを超える高い濃度では発火などの危険性が生じる。
また、紫外線の周波数として、一般に紫外線と認識されている170nmから270nmの範囲のものをさすが、特に周波数が185nmと254nmの併用が好ましく、これ以外の波長範囲であると十分な酸素ラジカルの発生が起きなくなる。
UVの185nmを照射することでチャンバー内にある大気中の酸素が分解され、さらに254nmのUVを照射することでオゾンが発生し、オキシラジカルを形成する。
なお、オゾン雰囲気中への暴露と、洗浄液への浸漬は、以下の実施例とは逆の順序とすることによっても、同様な効果が得られるものである。
【0012】
以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明を具体的に説明する。尚、本発明は以下の実施例の実に限定されるものではない。
【実施例1】
【0013】
湿式合成法(室温)で作製した低結晶性水酸アパタイトナノ結晶をエタノール中に溶媒置換させ、水晶振動子用の金センサー表面に100V/cmにて1分間直流電圧を印加し、超音波により余剰の水酸アパタイトナノ結晶を除去して作製したナノセンサー(以下このセンサーを試料1と記す)の原子間力顕微鏡像を図1に示す。
図1(a)は、5μm×5μmの面積の表面高さ像であり、この範囲のRMS値 は3.5nmであった。また、図1 (b)、1μm×1μmの面積の表面高さ像であり、この範囲のRMS値 は4.0nmであった。
【0014】
試料1を収束イオンビーム(FIB)法により断面試料を作成してEELS及びEDXにて分析した結果を図2に示す。低結晶性の水酸アパタイトに含まれるカルシウムが金表面に約20nm程度成膜されていることが明らかであった。
【0015】
試料1表面に、24.5度にて1mg/mlのフィブリノーゲン/リン酸緩衝液(PBS)を流し、1時間吸着させた。その後、70℃に加熱した過酸化水素/アンモニア/水(5:1:1)に、前記試料1を10分間浸漬させ、窒素ガスにより乾燥させた。
さらにUVオゾン((185nm、254nm)を10分間行った。この処理(表2No.1)を10回行った際のD−fプロットを図3に示す。
複合処理により吸着量(Δf:Δfn=3/3)・消散エネルギー(ΔD)の再現性があった。
【0016】
1mg/mlのフィブリノーゲン/リン酸緩衝液(PBS)を24.5度にて試料1表面に流し、1時間吸着させた。その後、70℃に加熱した過酸化水素/アンモニア/水に使用済みナノセンサーを10分間浸漬(表2No.2)させた。この処理を10回行った際のD−fプロットを図4に、その測定値を表1(b)に示す。単一の処理では吸着量(Δf:Δfn=3/3)が減少した。
【0017】
1mg/mlのフィブリノーゲン/リン酸緩衝液(PBS)を24.5度にて試料1表面に流し、1時間吸着させた。その後、UVオゾン((185、254nm)処理(表2 No.3)を10分間行った。この処理を10回行った際のD−fプロットを図5に示す。単一の処理では吸着量(Δf:Δfn=3/3)が減少した。
また、洗浄処理及びフィブリノーゲン吸着表面に対する接触角測定結果を図6に示す。0回目と1回目では濡れ性が変化したものの、1回目以降は変化しなかった。(●) APM/UV法、(▲)APM法、(■) UV法
【0018】
原子間力顕微鏡(島津製作所:SPM−9500)により、試料1のナノセンサーの5μm×5μm範囲の面積をダイナミックモードにて計測し、同面積のRMS値を算出した結果を図7に示す。
試料1のナノセンサーにフィブリノーゲン(1mg/ml、PBS)を流し、70℃に加熱した過酸化水素/アンモニア/水(5:1:1)およびUVオゾン(185nm、254nm)処理(表2No.1)を10分間行った、1回処理(a)のRMS値は7.3nm、5回処理(b)のRMS値は6.3nm、10回処理(c)のRMS値は6.6nmと処理回数により、表面粗さは殆ど変化しなかった。
【0019】
細胞培養溶液(αMEM)にウシ血清(FBS)を10%混合した溶液を37.5度にて試料1表面に流し、1時間吸着させた。その後、70℃に加熱した過酸化水素/アンモニア/水(5:1:1)に使用済みナノセンサーを10分間浸漬させ、さらにUVオゾン処理(185nm、254nm)を105分間(表2No.4)行った。この処理を3回行った際のD−fプロットを図8に示す。
複合処理により吸着量(Δf:Δfn=3/3)・消散エネルギー(ΔD)の再現性があった。
【0020】
10%FBS/αMEM培地を37.5度にて試料1表面に流してナノセンサーを30分間安定させた後、骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1:9×10cells/mL)を同培地に混合し流した際の水晶振動子マイクロバランス法の測定結果を図9に示す。細胞を流した2時間後には、―4.8Hzの周波数変化(Δf:Δfn=3/3)および+0.7の消散エネルギー変化(ΔD:10−8)が観測された。これにより、細胞が水酸アパタイトナノセンサー表面に接着したことが分かった。
【0021】
図9の条件にて接着させた細胞の形態を原子間力顕微鏡(島津製作所:SPM−9500)により、(a、b)35μm×35μm、(c、d)3μm×3μmの範囲をダイナミックモードにて計測した結果を図10に示す。(a、c)は高さ像を、(b、d)は位相像を示す。細胞は仮足を延ばして水酸アパタイトナノセンサー表面に接着していた。また、ナノセンサー表面に線維状タンパク質を介して細胞が接着していることが明らかであった。
【0022】
前記図9の条件にて細胞を接着させたナノセンサーを、70℃に加熱した過酸化水素/アンモニア/水(5:1:1)に10分間浸漬させ、さらにUVオゾン(185nm、254nm)処理を105分間(表2No.5)行った。その表面を原子間力顕微鏡(島津製作所:SPM−9500)により、3μm×3μmの範囲をダイナミックモードにて観察した結果を図11に示す。洗浄処理により、ナノセンサー表面が洗浄されていることが明らかであった。表面粗さ(RMS値)は洗浄により初期の値(RMS=7.6nm)となった。
【0023】
リン酸緩衝溶液(PBS)にウシ血清(FBS)を10%混合した溶液を37.5度にて試料1表面に流し、1時間吸着させた。その後、70℃に加熱した過酸化水素/アンモニア/水(5:1:1)に使用済みナノセンサーを10分間浸漬させ、さらにUVオゾン処理(185nm、254nm)を10分間(表2No.6)行った。この処理を3回行った際のD−fプロットを図12に示す。
複合処理により吸着量(Δf:Δfn=3/3)・消散エネルギー(ΔD)の再現性が悪かった。
【0024】
リン酸緩衝溶液(PBS)にウシ血清(FBS)を10%混合した溶液を37.5度にて試料1表面に流し、1時間吸着させた。その後、70℃に加熱した過酸化水素/アンモニア/水(5:1:1)に使用済みナノセンサーを30分間浸漬させ、さらにUVオゾン処理(185nm、254nm)を20分間(表2No.7)行った。この処理を3回行った際のD−fプロットを図13に示す。
複合処理により吸着量(Δf:Δfn=3/3)・消散エネルギー(ΔD)の再現性があった。
【0025】
表1は、1mg/mlのフィブリノーゲン/リン酸緩衝液(PBS)をナノセンサーに流し、吸着挙動を試料1にて計測し、その洗浄処理における処理回数によるフィブリノーゲンの吸着特性(a)過酸化水素/アンモニア/水及びUVオゾン処理、(b)過酸化水素/アンモニア/水処理、(c)UVオゾン処理の測定値を示す。
【0026】
【表1】

【0027】
前記各洗浄処理をまとめると下表2のとおりである。
【0028】
【表2】

【実施例2】
【0029】
本実施例は、前記本発明の方法を実施するために使用した洗浄装置を図14に例示する。
(10)は、液洗浄構造であって、アルカリ液洗浄槽(11)中の底部に、液攪拌機構(13)と液加熱ヒータ(14)を配置し、かご状の洗浄物入れ(12)を前記洗浄槽(11)内に出し入れして、前記洗浄槽内で加熱、攪拌されている洗浄液中に、前記洗浄物(S)を浸漬できるようにしてある。
なお、洗浄物入れ(12)の前記洗浄槽(11)への出し入れは、クレーンなどを用いて吊り下げて行う。
(20)は、UVオゾン処理装置で、前記液洗浄構造(10)にて、洗浄された洗浄物(S)にUVオゾン処理する装置である。
ベルトコンベア(22)により、入口から出口に至る間洗浄物(S)を移動するようにしてあるトンネルチャンバー(21)と、このチャンバーの天井に配置した紫外灯(23)と、酸素源(30)からの空気または酸素を前記チャンバー内に供給する酸素(空気)供給口(24)により構成してある。
つまり、酸素源(30)とは具体的には、供給量調整装置(レギュレータ)が付属した酸素ボンベ、空気ボンベもしくは空気供給ポンプのことである。
このようにして、酸素存在下の環境において紫外線を照射することで、オゾンを発生さるとともに、前記チャンバー(21)に入った洗浄物(S)にオゾン環境下で紫外線を照射するようにしてある。
洗浄物(S)への、紫外線照射時間は、前記コンベア(22)の移動速度により、また、チャンバー(21)内の酸素濃度は、酸素源(30)からの供給量により、また、紫外線の波長や強度は、前記紫外灯(23)の種類と同時に点灯する数量および照度により調整できるようにしてある。
なお、酸素源(30)に代わりオゾン発生装置を用いた場合は、チャンバー内への紫外線照射装置の設置は必ずしも必要ではない。
【比較例1】
【0030】
界面活性剤によりリン酸化合物表面に吸着したタンパク質が脱着するかを検討した結果を図15に示す。リン酸緩衝(PBS)溶液にウシ血清(FBS)を10%混合した溶液を試料1表面に流し、1時間吸着させた。試料1表面に吸着したFBSを洗浄するためPBS溶液を流し30分間安定させた。さらに界面活性剤であるドデシルデカン硫酸(SDS)を2wt%混合したPBSを流してさらに30分館安定させた。(a):PBS溶液を流してセンサーを安定化させた領域、(b)PBS溶液に混合したFBS溶液を流した領域、(c)PBS溶液を流した領域、(d)PBS溶液に混合したSDS溶液を流した領域。
この結果、10%FBSを流した場合、周波数変化が−76.5Hzであった((b)領域)。PBSを流すこと((c)領域)で+22.5Hzと吸着したタンパク質の一部が脱着していることが分かった。さらにSDS溶液を流すこと((d)領域)で吸着したFBSは脱着しないことが明らかとなった。また、表面に吸着したFBS層の粘弾性がSDSを流すことで高くなっていることが分かった。
【0031】
図3は表3、図4は表4、図5は表5、図8は表6、図9は表7、図13は表8、図15は表9の測定データに基づき作成したグラフである。
【0032】
[表3-1]
[表3-2]
[表3-3]
[表3-4]
[表3-5]
[表3-6]
[表3-7]
[表3-8]
[表3-9]
[表3-10]
[表3-11]
[表3-12]
[表3-13]
[表3-14]
[表3-15]
[表3-16]
[表3-17]
[表3-18]
[表3-19]
[表3-20]
[表3-21]
[表3-22]
[表3-23]
[表3-24]
[表3-25]
[表3-26]
【0033】
[表4-1]
[表4-2]
[表4-3]
[表4-4]
[表4-5]
[表4-6]
[表4-7]
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[表4-9]
[表4-10]
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[表4-12]
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[表4-29]
[表4-30]
[表4-31]
[表4-32]
[表4-33]
[表4-34]
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[表4-36]
[表4-37]
[表4-38]
[表4-39]
[表4-40]
[表4-41]
[表4-42]
[表4-43]
[表4-44]
[表4-45]
[表4-46]
【0034】
[表5-1]
[表5-2]
[表5-3]
[表5-4]
[表5-5]
[表5-6]
[表5-7]
[表5-8]
[表5-9]
[表5-10]
[表5-11]
[表5-12]
[表5-13]
[表5-14]
[表5-15]
[表5-16]
[表5-17]
[表5-18]
[表5-19]
[表5-20]
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[表5-22]
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[表5-24]
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[表5-26]
[表5-27]
[表5-28]
[表5-29]
[表5-30]
[表5-31]
[表5-32]
【0035】
[表8-1]
[表8-2]
[表8-3]
[表8-4]
[表8-5]
[表8-6]
[表8-7]
[表8-8]
[表8-9]
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[表8-18]
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[表8-20]
[表8-21]
【0036】
[表9-1]
[表9-2]
[表9-3]
[表9-4]
[表9-5]
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[表9-7]
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[表9-16]
[表9-17]
[表9-18]
【0037】
[表12-1]
[表12-2]
[表12-3]
[表12-4]
[表12-5]
[表12-6]
[表12-7]
[表12-8]
[表12-9]
[表12-10]
[表12-11]
[表12-12]
[表12-13]
[表12-14]
[表12-15]
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[表12-17]
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[表12-19]
[表12-20]
[表12-21]
[表12-22]
[表12-23]
[表12-24]
[表12-25]
[表12-26]
【0038】
[表13-1]
[表13-2]
[表13-3]
[表13-4]
[表13-5]
[表13-6]
[表13-7]
[表13-8]
[表13-9]
[表13-10]
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[表13-24]
[表13-25]
[表13-26]
[表13-27]
【産業上の利用可能性】
【0039】
本洗浄化方法は、リン酸系生体適合化合物が被覆されている人工歯根・骨プレートさらに人工骨である多孔体・緻密体・顆粒体・微粒子などや歯磨材料の表面洗浄方法として有用である。また、着色した歯(エナメル質・象牙質・セメント質)の洗浄方法としても利用できる。一方、環境浄化・各種吸着担体などに応用可能なリン酸系生体適合化合物の再利用方法や、チャイナボーンを代表とする骨材料を含む陶器などの洗浄方法にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】電気泳動堆積法と超音波法で作製したリン酸カルシウムナノセンサーの原子間力顕微鏡象
【図2】透過型電子顕微鏡によるナノセンサー断面のアパタイト層の構造
【図3】熱した過酸化水素/アンモニア/水混合溶媒とUVオゾンの複合処理による繰り返し試験の結果。
【図4】70℃に加熱した過酸化水素/アンモニア/水の混合溶媒のみで処理した繰り返し試験の結果
【図5】UVオゾン処理のみで処理した繰り返し試験の結果。
【図6】熱した過酸化水素/アンモニア/水の混合溶媒及びUVオゾン処理による接触角による濡れ性変化
【図7】熱した過酸化水素/アンモニア/水の混合溶媒及びUVオゾン処理による原子間力顕微鏡を用いた表面粗さ変化
【図8】10%FBS/αMEM培地のQCM−Dによる繰り返し試験結果(熱した過酸化水素/アンモニア/水の混合溶媒(15分)及びUVオゾン処理)
【図9】10%FBS/αMEM培地を流した後、骨芽細胞用細胞(MC3T3−E1、90,000個/cm)を流した際のQCM−Dの測定結果。
【図10】細胞の形態と仮足の原子間力顕微鏡象
【図11】細胞を吸着させた後に熱した過酸化水素/アンモニア/水の混合溶媒(15分)及びUVオゾン処理(10分)したリン酸カルシウムセンサーの原子間力顕微鏡象
【図12】10%FBS/PBS溶液を流した後、PBSで洗浄を行い、さらに2wt%SDS/PBS溶液を流して吸着したFBSタンパク質の脱離(剥離)をQCM−Dにより観察した結果
【図13】10%FBS/PBSのQCM−Dによる繰り返し試験結果(熱した過酸化水素/アンモニア/水の混合溶媒(30分)及びUVオゾン処理(20分))
【図14】洗浄装置の実施例を示す縦断正面模式図
【図15】10%FBS/PBSの吸着及び2wt%のSDSを用いた洗浄の繰り返し試験結果
【符号の説明】
【0041】
(10) 液洗浄構造
(11) アルカリ液洗浄槽
(12) 洗浄物入れ
(13) 液攪拌機構
(14) 液加熱ヒータ
(20) UVオゾン処理装置
(21) トンネルチャンバー
(22) ベルトコンベア
(23) 紫外灯
(24) 酸素(空気)供給口
(30) 酸素源(空気または酸素)
(S) 洗浄物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸系生体適合化合物が表面に存在する生体適合性材料の表面浄化方法であって、前記リン酸系生体適合化合物の耐熱温度未満に加熱したアルカリ水溶液からなる洗浄液中に浸漬させる工程と、生体適合性材料をオゾン雰囲気中に暴露する工程とからない、この両工程のいずれかを他方に先行させて処理することを特徴とする生体適合性材料の表面浄化方法。
【請求項2】
請求項1に記載の生体適合性材料の表面浄化方法において、前記洗浄液が、過酸化水素/アンモニア/水の混合溶液であることを特徴とする生体適合性材料の表面浄化方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生体適合性材料の表面浄化方法において、その生体適合性材料は、導電性基板上にリン酸系生体適合化合物を成膜した生体センサーであることを特徴とする生体適合性材料の表面浄化方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の表面浄化方法に用いる洗浄装置であって、前記洗浄液を貯留し、加熱する洗浄槽と、前記生体適合性材料をオゾン雰囲気中に暴露するオゾン暴露手段とからなることを特徴とする浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−68875(P2010−68875A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237148(P2008−237148)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】