説明

生体適合性組織片およびその利用

本発明は、生体の臓器または組織の損傷などの処置において、自己化するような組織片を提供することに関する。従来は細胞を含ませることが必要であると考えられていた移植のための組織片の代わりに、生体分子と支持体とを含む生体適合性組織片を用いると、上述のような自己化する性質を具備することを予想外に発見したことにより上記課題を解決した。したがって、本発明は、生体適合性組織片であって、A)生体分子;およびB)支持体、を含む、生体適合性組織片を提供する。本発明はまた、A)粗面を有する第一層;およびB)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着される、生体適合性組織支持体を提供する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体適合性組織片であって、
A)生体分子;および
B)支持体、
を含む、生体適合性組織片。
【請求項2】
前記生体分子は、タンパク質を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項3】
前記生体分子は、細胞生理活性物質を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項4】
前記生体分子は、細胞接着分子を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項5】
前記生体分子は、細胞外マトリクスを含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項6】
前記生体分子は、細胞接着性タンパク質を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項7】
前記生体分子は、インテグリンを含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項8】
前記生体分子は、コラーゲンおよびラミニンからなる群より選択される、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項9】
前記生体分子は、繊維形成コラーゲンまたは基底膜コラーゲンを含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項10】
前記生体分子は、繊維形成コラーゲンおよび基底膜コラーゲンを含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項11】
前記生体分子は、コラーゲンI型またはIV型を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項12】
前記生体分子は、コラーゲンおよびサイトカインを含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項13】
前記支持体は、膜状である、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項14】
前記支持体は、管状である、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項15】
前記支持体は、弁状である、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項16】
前記支持体は、生分解性ポリマーを含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項17】
前記支持体は、ポリグリコール酸(PGA)、ポリL乳酸(PLA)およびポリカプロラクタム(PCLA)からなる群より選択される少なくとも1成分を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項18】
前記支持体は、グリコール酸と乳酸との比率が約90:約10〜約80:約20であるPLGAを含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項19】
前記支持体は、細胞接着分子を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項20】
前記支持体は、タンパク質を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項21】
前記支持体は、メッシュ状およびスポンジ状である、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項22】
前記支持体は、少なくとも約0.2mm〜約1.0mm厚である、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項23】
前記支持体は、少なくとも約20N以上の強度を有する、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項24】
前記支持体は、少なくとも約50N以上の強度を有する、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項25】
前記支持体は、前記生体分子でコーティングされている、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項26】
前記支持体は、隙間を有し、該隙間が前記生体分子で埋められている、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項27】
前記生体分子および前記支持体は、架橋可能な分子を含み、該架橋可能な分子は、該支持体と該生体分子との間で架橋処理されている、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項28】
前記支持体は、前記生体分子と同じ物質を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項29】
さらに、細胞が付着した、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項30】
体内への移植用である、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項31】
前記体内における移植されるべき部位は、心臓弁、血管、心膜、心臓隔壁、心内導管、心外導管、硬膜、皮膚、骨、軟部組織および気管からなる群より選択される、請求項30に記載の生体適合性組織片。
【請求項32】
滅菌されている、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項33】
免疫抑制剤をさらに含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項34】
さらなる医薬成分をさらに含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項35】
前記生体適合性組織片は、前記移植を目的とする生体に由来する、請求項30に記載の生体適合性組織片。
【請求項36】
請求項1に記載の生体適合性組織片を含む、医薬。
【請求項37】
請求項1に記載の生体適合性組織片および該組織片の使用法を示した指示書を含む、医薬キットであって、該指示書には、所定の部位に該組織片を投与することが記載される、医薬キット。
【請求項38】
前記所定の部位は、血管内皮、血管平滑筋、弾性線維、骨格筋、心筋、骨芽細胞、神経細胞および膠原線維からなる群より選択される、請求項37に記載の医薬キット。
【請求項39】
前記指示書には、前記生体適合性組織片を、移植を目的とする臓器または組織の少なくとも一部が残存するように移植することが記載される、請求項37に記載の医薬キット。
【請求項40】
体内における損傷部位を処置する方法であって、
A)該損傷部位の一部または全部に、
A−1)生体分子;および
A−2)支持体、
を含む、生体適合性組織片を移植する工程、
を包含する、方法。
【請求項41】
前記移植工程において、前記生体適合性組織片は、前記損傷部位が属する臓器または組織の少なくとも一部が残存するように移植される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
細胞生理活性物質を投与する工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記細胞生理活性物質は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、multi−CSF(IL−3)、白血病抑制因子(LIF)、c−kitリガンド(SCF)、免疫グロブリンファミリーのメンバー、CD2、CD4、CD8、CD44、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン、フィブロネクチン、ラミニン、シンデカン、アグリカン、インテグリンファミリーのメンバー、インテグリンα鎖、インテグリンβ鎖、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、セレクチン、カドヘリン、ICM1、ICAM2、VCAM1、血小板由来増殖因子(PDGF)、表皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、肝細胞増殖因子(HGF)および血管内皮増殖因子(VEGF)ならびにそれらに関連するポリペプチドおよびペプチドからなる群より選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
免疫反応を抑制する処置を行う工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
体内における臓器または組織を強化する方法であって、
A)該臓器または組織の一部または全部に、
A−1)生体分子;および
A−2)支持体、
を含む、生体適合性組織片を移植する工程、
を包含する、方法。
【請求項46】
臓器または組織を生産または再生する方法であって、
A)目的とする臓器または組織を含む生体において、該臓器または組織の一部または全部に、
A−1)生体分子;および
A−2)支持体、
を含む、生体適合性組織片を移植する工程;ならびに
B)該臓器または組織を該生体内で培養する工程、
を包含する、方法。
【請求項47】
請求項1に記載の生体適合性組織片の、体内における損傷部位を処置するための使用。
【請求項48】
請求項1に記載の生体適合性組織片の、体内における臓器または組織を強化するための使用。
【請求項49】
請求項1に記載の生体適合性組織片の、体内における損傷部位を処置するための医薬を製造するための使用。
【請求項50】
請求項1に記載の生体適合性組織片の、体内における臓器または組織を強化するための医薬を製造するための使用。
【請求項51】
生体適合性組織支持体であって、
A)粗面を有する第一層;および
B)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着される、支持体。
【請求項52】
前記第一層は、編物である、請求項51に記載の支持体。
【請求項53】
前記第二層は、織物である、請求項51に記載の支持体。
【請求項54】
前記粗面は、細胞が入り込むに充分なスペースを有する、請求項51に記載の支持体。
【請求項55】
前記封着は、生体吸収性高分子を融着することにより達成される、請求項51に記載の支持体。
【請求項56】
前記第二層は、通気性が実質的に遮断される、請求項51に記載の支持体。
【請求項57】
前記支持体の強度は、少なくとも100Nである、請求項51に記載の支持体。
【請求項58】
前記支持体の通気性は、10ml/cm/sec以下である、請求項51に記載の支持体。
【請求項59】
前記第一層は、生体分解性材料を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項60】
前記第一層は、ポリグリコール酸(PGA)、ポリL乳酸(PLA)およびポリカプロラクタム(PCLA)ならびにそれらの共重合体からなる群より選択される少なくとも1成分を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項61】
前記第一層は、グリコール酸と乳酸との比率が約90:約10〜約80:約20であるPLGAを含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項62】
前記第一層は、ポリグリコール酸を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項63】
前記第二層は、生体分解性材料を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項64】
前記第二層は、ポリグリコール酸(PGA)、ポリL乳酸(PLA)およびポリカプロラクタム(PCLA)ならびにそれらの共重合体からなる群より選択される少なくとも1成分を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項65】
前記第二層は、グリコール酸と乳酸との比率が約90:約10〜約80:約20であるPLGAを含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項66】
前記第二層は、ポリL乳酸を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項67】
前記第二層は、織物であり、前記第一層は編物である、請求項51に記載の支持体。
【請求項68】
前記第二層は、ポリL乳酸の織物であり、前記第一層は、ポリグリコール酸の編物である、請求項51に記載の支持体。
【請求項69】
前記接着は、C)前記第一層と前記第二層とを封着する中間層による、支持体。
【請求項70】
前記中間層は、合成生体吸収性ポリマーである、請求項69に記載の支持体。
【請求項71】
前記中間層は、乳酸(ラクチド)、グリコリドおよびε−カプロラクタムからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーのホモポリマーまたはそれらの2つ以上を含むコポリマーを含む、請求項69に記載の支持体。
【請求項72】
前記中間層を構成する材料は、前記第二層および前記第一層の両方の融点よりも低い融点を有する、請求項69に記載の支持体。
【請求項73】
前記第一層は、複数の編物層を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項74】
前記第二層は、複数の織物層を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項75】
前記第一層に、生体分子が配置される、請求項51に記載の支持体。
【請求項76】
前記生体分子は、細胞外マトリクスである、請求項75に記載の支持体。
【請求項77】
前記生体分子は、コラーゲンおよびラミニンからなる群より選択される細胞外マトリクスを含む、請求項75に記載の支持体。
【請求項78】
前記生体分子は、マイクロスポンジに含ませて第一層に配置される、請求項75に記載の支持体。
【請求項79】
前記生体分子は、前記支持体と架橋処理されている、請求項75に記載の支持体。
【請求項80】
請求項51に記載の支持体を含む、医薬。
【請求項81】
細胞をさらに含む、請求項80に記載の医薬。
【請求項82】
体内への移植用途に使用される、請求項80に記載の医薬。
【請求項83】
前記体内における移植されるべき部位は、心臓弁、血管、心膜、心臓隔壁、心内導管、心外導管、硬膜、皮膚、骨、軟部組織および気管からなる群より選択される、請求項80に記載の医薬。
【請求項84】
前記生体分子は、前記移植を目的とする生体に由来する、請求項80に記載の医薬。
【請求項85】
A)粗面を有する第一層;および
B)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着される、生体適合性組織支持体を製造する方法であって、
該第一層と該第二層とを接着する工程、
を包含する、方法。
【請求項86】
前記接着は、C)該第一層と該第二層とを封着する中間層により達成され、前記接着は、
a)該第一層と該第二層との間に該中間層を提供する工程;
b)該第一層と該第二層とが融解せず、該中間層が融解する条件に該第一層、該第二層および該中間層を配置する工程;および
c)該第一層、該第二層および該中間層を所望の形状に保持しながら該中間層が固化する条件に配置する工程、
を包含する、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記融解する条件は、温度による違いを利用し、前記第一層および前記第二層の両方の融点より前記中間層の融点が低い、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記第二層は、ポリL乳酸の織物であり、前記第一層は、ポリグリコール酸の編物であり、前記中間層は、乳酸(ラクチド)、グリコリドおよびε−カプロラクタムからなる群より選択される少なくとも1つのホモモノマーのポリマーまたはそれらの2つ以上を含むコポリマーを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
前記温度は、前記中間層の融点よりも高く、前記第一層および前記第二層のそれぞれの融点よりも低い、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記支持体は、さらに生体分子を含み、前記生体分子を前記第一層に付着させる工程をさらに包含する、請求項86に記載の方法。
【請求項91】
前記付着は、架橋処理を包含する、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記生体分子はコラーゲンであり、前記付着は、コラーゲン架橋処理を包含する、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記中間層は、ガラス上にキャストした後風乾してフィルムを作成することによって製造される、請求項86に記載の方法。
【請求項94】
前記b)工程は、少なくとも約0.1g/cmの重りで上から圧力をかけることを包含する、請求項86に記載の方法。
【請求項95】
前記b)工程は、少なくとも約0.5g/cmの重りで上から圧力をかけることを包含する、請求項86に記載の方法。
【請求項96】
体内における損傷部位を処置する方法であって、
A)該損傷部位の一部または全部に、
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着される、生体適合性組織支持体を移植する工程、
を包含する、方法。
【請求項97】
体内における臓器または組織を強化する方法であって、
A)該臓器または組織の一部または全部に、
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着される、生体適合性組織支持体を移植する工程、
を包含する、方法。
【請求項98】
臓器または組織を生産または再生する方法であって、
A)目的とする臓器または組織を含む生体において、該臓器または組織の一部または全部に、
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着される、生体適合性組織支持体を移植する工程;ならびに
B)該臓器または組織を該生体内で培養する工程、
を包含する、方法。
【請求項99】
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着される、生体適合性組織支持体の、体内における損傷部位を処置するための使用。
【請求項100】
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着される、生体適合性組織支持体の、体内における臓器または組織を強化するための使用。
【請求項101】
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着される、生体適合性組織支持体の、体内における損傷部位を処置するための医薬を製造するための使用。
【請求項102】
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着される、生体適合性組織支持体の、体内における臓器または組織を強化するための医薬を製造するための使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体適合性組織片であって、
A)生体分子;および
B)支持体、
を含み、該生体分子がコラーゲンI型である、生体適合性組織片。
【請求項11】
前記生体分子は、さらにコラーゲンIV型を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項12】
前記生体分子は、さらにサイトカインを含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項13】
前記支持体は、膜状である、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項14】
前記支持体は、管状である、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項15】
前記支持体は、弁状である、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項16】
前記支持体は、生分解性ポリマーを含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項17】
前記支持体は、ポリグリコール酸(PGA)、ポリL乳酸(PLA)およびポリカプロラクタム(PCLA)からなる群より選択される少なくとも1成分を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項18】
前記支持体は、グリコール酸と乳酸との比率が約90:約10〜約80:約20であるPLGAを含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項19】
前記支持体は、細胞接着分子を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項20】
前記支持体は、タンパク質を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項21】
前記支持体は、メッシュ状およびスポンジ状である、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項22】
前記支持体は、少なくとも約0.2mm〜約1.0mm厚である、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項23】
前記支持体は、少なくとも約20N以上の強度を有する、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項24】
前記支持体は、少なくとも約50N以上の強度を有する、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項25】
前記支持体は、前記生体分子でコーティングされている、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項26】
前記支持体は、隙間を有し、該隙間が前記生体分子で埋められている、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項27】
前記生体分子および前記支持体は、架橋可能な分子を含み、該架橋可能な分子は、該支持体と該生体分子との間で架橋処理されている、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項28】
前記支持体は、前記生体分子と同じ物質を含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項29】
さらに、細胞が付着した、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項30】
体内への移植用である、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項31】
前記体内における移植されるべき部位は、心臓弁、血管、心膜、心臓隔壁、心内導管、心外導管、硬膜、皮膚、骨、軟部組織および気管からなる群より選択される、請求項30に記載の生体適合性組織片。
【請求項32】
滅菌されている、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項33】
免疫抑制剤をさらに含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項34】
さらなる医薬成分をさらに含む、請求項1に記載の生体適合性組織片。
【請求項35】
前記生体適合性組織片は、前記移植を目的とする生体に由来する、請求項30に記載の生体適合性組織片。
【請求項36】
請求項1に記載の生体適合性組織片を含む、医薬。
【請求項37】
請求項1に記載の生体適合性組織片および該組織片の使用法を示した指示書を含む、医薬キットであって、該指示書には、所定の部位に該組織片を投与することが記載される、医薬キット。
【請求項38】
前記所定の部位は、血管内皮、血管平滑筋、弾性線維、骨格筋、心筋、骨芽細胞、神経細胞および膠原線維からなる群より選択される、請求項37に記載の医薬キット。
【請求項39】
前記指示書には、前記生体適合性組織片を、移植を目的とする臓器または組織の少なくとも一部が残存するように移植することが記載される、請求項37に記載の医薬キット。
【請求項40】
体内における損傷部位を処置する方法であって、
A)該損傷部位の一部または全部に、
A−1)生体分子;および
A−2)支持体、
を含み、該生体分子がコラーゲンI型である、生体適合性組織片を移植する工程、
を包含する、方法。
【請求項41】
前記移植工程において、前記生体適合性組織片は、前記損傷部位が属する臓器または組織の少なくとも一部が残存するように移植される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
細胞生理活性物質を投与する工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記細胞生理活性物質は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、multi−CSF(IL−3)、白血病抑制因子(LIF)、c−kitリガンド(SCF)、免疫グロブリンファミリーのメンバー、CD2、CD4、CD8、CD44、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン、フィブロネクチン、ラミニン、シンデカン、アグリカン、インテグリンファミリーのメンバー、インテグリンα鎖、インテグリンβ鎖、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、セレクチン、カドヘリン、ICM1、ICAM2、VCAM1、血小板由来増殖因子(PDGF)、表皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、肝細胞増殖因子(HGF)および血管内皮増殖因子(VEGF)ならびにそれらに関連するポリペプチドおよびペプチドからなる群より選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
免疫反応を抑制する処置を行う工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
体内における臓器または組織を強化する方法であって、
A)該臓器または組織の一部または全部に、
A−1)生体分子;および
A−2)支持体、
を含み、該生体分子がコラーゲンI型である、生体適合性組織片を移植する工程、
を包含する、方法。
【請求項46】
臓器または組織を生産または再生する方法であって、
A)目的とする臓器または組織を含む生体において、該臓器または組織の一部または全部に、
A−1)生体分子;および
A−2)支持体、
を含み、該生体分子がコラーゲンI型である、生体適合性組織片を移植する工程;ならびに
B)該臓器または組織を該生体内で培養する工程、
を包含する、方法。
【請求項47】
請求項1に記載の生体適合性組織片の、体内における損傷部位を処置するための使用。
【請求項48】
請求項1に記載の生体適合性組織片の、体内における臓器または組織を強化するための使用。
【請求項49】
請求項1に記載の生体適合性組織片の、体内における損傷部位を処置するための医薬を製造するための使用。
【請求項50】
請求項1に記載の生体適合性組織片の、体内における臓器または組織を強化するための医薬を製造するための使用。
【請求項51】
生体適合性組織支持体であって、
A)粗面を有する第一層;および
B)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着され、該第一層が編物であり、該第二層が織物である、生体適合性組織支持体。
【請求項54】
前記粗面は、細胞が入り込むに充分なスペースを有する、請求項51に記載の支持体。
【請求項55】
前記封着は、生体吸収性高分子を融着することにより達成される、請求項51に記載の支持体。
【請求項56】
前記第二層は、通気性が実質的に遮断される、請求項51に記載の支持体。
【請求項57】
前記支持体の強度は、少なくとも100Nである、請求項51に記載の支持体。
【請求項58】
前記支持体の通気性は、10ml/cm/sec以下である、請求項51に記載の支持体。
【請求項59】
前記第一層は、生体分解性材料を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項60】
前記第一層は、ポリグリコール酸(PGA)、ポリL乳酸(PLA)およびポリカプロラクタム(PCLA)ならびにそれらの共重合体からなる群より選択される少なくとも1成分を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項61】
前記第一層は、グリコール酸と乳酸との比率が約90:約10〜約80:約20であるPLGAを含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項62】
前記第一層は、ポリグリコール酸を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項63】
前記第二層は、生体分解性材料を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項64】
前記第二層は、ポリグリコール酸(PGA)、ポリL乳酸(PLA)およびポリカプロラクタム(PCLA)ならびにそれらの共重合体からなる群より選択される少なくとも1成分を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項65】
前記第二層は、グリコール酸と乳酸との比率が約90:約10〜約80:約20であるPLGAを含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項66】
前記第二層は、ポリL乳酸を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項68】
前記第二層は、ポリL乳酸の織物であり、前記第一層は、ポリグリコール酸の編物である、請求項51に記載の支持体。
【請求項69】
前記接着は、C)前記第一層と前記第二層とを封着する中間層による、支持体。
【請求項70】
前記中間層は、合成生体吸収性ポリマーである、請求項69に記載の支持体。
【請求項71】
前記中間層は、乳酸(ラクチド)、グリコリドおよびε−カプロラクタムからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーのホモポリマーまたはそれらの2つ以上を含むコポリマーを含む、請求項69に記載の支持体。
【請求項72】
前記中間層を構成する材料は、前記第二層および前記第一層の両方の融点よりも低い融点を有する、請求項69に記載の支持体。
【請求項73】
前記第一層は、複数の編物層を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項74】
前記第二層は、複数の織物層を含む、請求項51に記載の支持体。
【請求項75】
前記第一層に、生体分子が配置される、請求項51に記載の支持体。
【請求項76】
前記生体分子は、細胞外マトリクスである、請求項75に記載の支持体。
【請求項77】
前記生体分子は、コラーゲンおよびラミニンからなる群より選択される細胞外マトリクスを含む、請求項75に記載の支持体。
【請求項78】
前記生体分子は、マイクロスポンジに含ませて第一層に配置される、請求項75に記載の支持体。
【請求項79】
前記生体分子は、前記支持体と架橋処理されている、請求項75に記載の支持体。
【請求項80】
請求項51に記載の支持体を含む、医薬。
【請求項81】
細胞をさらに含む、請求項80に記載の医薬。
【請求項82】
体内への移植用途に使用される、請求項80に記載の医薬。
【請求項83】
前記体内における移植されるべき部位は、心臓弁、血管、心膜、心臓隔壁、心内導管、心外導管、硬膜、皮膚、骨、軟部組織および気管からなる群より選択される、請求項80に記載の医薬。
【請求項84】
前記生体分子は、前記移植を目的とする生体に由来する、請求項80に記載の医薬。
【請求項85】
A)粗面を有する第一層;および
B)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着され、該第一層が編物であり、該第二層が織物である、生体適合性組織支持体を製造する方法であって、
該第一層と該第二層とを接着する工程、
を包含する、方法。
【請求項86】
前記接着は、C)該第一層と該第二層とを封着する中間層により達成され、前記接着は、
a)該第一層と該第二層との間に該中間層を提供する工程;
b)該第一層と該第二層とが融解せず、該中間層が融解する条件に該第一層、該第二層および該中間層を配置する工程;および
c)該第一層、該第二層および該中間層を所望の形状に保持しながら該中間層が固化する条件に配置する工程、
を包含する、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記融解する条件は、温度による違いを利用し、前記第一層および前記第二層の両方の融点より前記中間層の融点が低い、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記第二層は、ポリL乳酸の織物であり、前記第一層は、ポリグリコール酸の編物であり、前記中間層は、乳酸(ラクチド)、グリコリドおよびε−カプロラクタムからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーのホモポリマーまたはそれらの2つ以上を含むコポリマーを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
前記温度は、前記中間層の融点よりも高く、前記第一層および前記第二層のそれぞれの融点よりも低い、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記支持体は、さらに生体分子を含み、前記生体分子を前記第一層に付着させる工程をさらに包含する、請求項86に記載の方法。
【請求項91】
前記付着は、架橋処理を包含する、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記生体分子はコラーゲンであり、前記付着は、コラーゲン架橋処理を包含する、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記中間層は、ガラス上にキャストした後風乾してフィルムを作成することによって製造される、請求項86に記載の方法。
【請求項94】
前記b)工程は、少なくとも約0.1g/cmの重りで上から圧力をかけることを包含する、請求項86に記載の方法。
【請求項95】
前記b)工程は、少なくとも約0.5g/cmの重りで上から圧力をかけることを包含する、請求項86に記載の方法。
【請求項96】
体内における損傷部位を処置する方法であって、
A)該損傷部位の一部または全部に、
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着され、該第一層が編物であり、該第二層が織物である、生体適合性組織支持体を移植する工程、
を包含する、方法。
【請求項97】
体内における臓器または組織を強化する方法であって、
A)該臓器または組織の一部または全部に、
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着され、該第一層が編物であり、該第二層が織物である、生体適合性組織支持体を移植する工程、
を包含する、方法。
【請求項98】
臓器または組織を生産または再生する方法であって、
A)目的とする臓器または組織を含む生体において、該臓器または組織の一部または全部に、
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着され、該第一層が編物であり、該第二層が織物である、生体適合性組織支持体を移植する工程;ならびに
B)該臓器または組織を該生体内で培養する工程、
を包含する、方法。
【請求項99】
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着され、該第一層が編物であり、該第二層が織物である、生体適合性組織支持体の、体内における損傷部位を処置するための使用。
【請求項100】
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着され、該第一層が編物であり、該第二層が織物である、生体適合性組織支持体の、体内における臓器または組織を強化するための使用。
【請求項101】
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着され、該第一層が編物であり、該第二層が織物である、生体適合性組織支持体の、体内における損傷部位を処置するための医薬を製造するための使用。
【請求項102】
A−1)粗面を有する第一層;および
A−2)生体内衝撃に耐え得る強度を有する第二層、
を含み、該第一層と該第二層とが少なくとも1点で接着され、該第一層が編物であり、該第二層が織物である、生体適合性組織支持体の、体内における臓器または組織を強化するための医薬を製造するための使用。

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

image rotate

【図28】
image rotate

【図29B】
image rotate

【図29C】
image rotate

【図39】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図55】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図16A】
image rotate

【図16B】
image rotate

【図20B】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22A】
image rotate

【図22B】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27A】
image rotate

【図27B】
image rotate

【図29A】
image rotate

【図29D】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図54】
image rotate

【図56】
image rotate


【公表番号】特表2006−508773(P2006−508773A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−570735(P2004−570735)
【出願日】平成15年12月5日(2003.12.5)
【国際出願番号】PCT/JP2003/015641
【国際公開番号】WO2004/050133
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(502100138)株式会社カルディオ (13)
【Fターム(参考)】