説明

生物学的サンプルにおける蛍光検出のための装置および方法

標本に起因するのではなく光学系に起因する発光の不均一性が、特殊な光学素子を使用することによって補正される、生物学的サンプルの蛍光検出のための装置および方法。この装置は、光源(105)を備え、この光源は、二色性ビームスプリッタ(110)を照射し、この二色性ビームスプリッタは、第一の光学素子(130)を通して、サンプル(122)のトレイを備えるサンプル領域(120)へと励起光を反射させる。この発光は、第一の光学素子(130)およびビームスプリッタ(110)を通り、検出器(125)へと再指向される。第一の光学素子(130)は、この発光を平行化し、そしてこの発光の不均一性を低下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本発明の教示は、生物学的サンプルにおける蛍光検出のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
(序文)
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、サンプル中の二本鎖デオキシリボ核酸(DNA)の量を増幅させる(amplify)かまたは増加させる(multiplying)ためのプロセスである。PCRプロセスの性能をモニターするために、インサイチュで測定がなされ得る。測定技術の1つは、顕微鏡使用法である。顕微鏡使用法は、DNAの存在下で蛍光を発する色素に基づいて、サンプルのDNA内容物中の目的の特徴を空間的に分離するために使用され得る。しかし、顕微鏡システムは、一度にサンプルの1つの視野の深さのみを観察することに制限されており、濃度測定のような定量的測定を行うには不適切である。
【0003】
別の測定技術は、蛍光定量法である。蛍光定量法は、生物学的サンプルから蛍光をスペクトル的に分離して濃度のような定量的測定を提供するために、マイクロ容量蛍光計(スペクトフルオロメーター)を利用する。蛍光計は、サンプルを照射し得、DNAの存在下で蛍光を発する色素を利用する。色素から発せられる蛍光の光は、光学デバイスを通る光を平行化させることなく、そして検出器上のサンプルからの光を焦点合わせすることなく、光学デバイスおよび検出器を使用して、定量的に測定され得る。
【0004】
高スループットシステムは、例えば、マイクロウェルトレイまたはマイクロカードにおいて、平行した複数のサンプルのDNA増幅を提供し得る。アッセイは、診断アッセイ(例えば、HIVスクリーニング)のような目的の複数のDNA標的配列を提供し得る。これらのアッセイは、平行して熱的にサイクルされる複数のサンプルのそれぞれにおいて、複数のスペクトル的に識別可能な種(例えば、異なる蛍光色素)を提供し得る。
【0005】
しかし、サンプルまたは光源から発せられる光は、代表的に、空間的不均一性を含む。これらの空間的不均一性は、回折または発光の不規則性によって引き起こされ得る。不均一性は、種々の特徴を分離すること、またはサンプル中の所定の材料の濃度を正確に決定することを困難にし得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、空間的不均一性によって遭遇する問題を解決し得るシステムを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要旨)
種々の実施形態に従って、本発明の教示は、生物学的サンプルをモニタリングするための蛍光定量法のための光学デバイスを提供し、このデバイスは、以下:サンプル領域に指向される励起光を調整するための、第一のフィルタ;第一の光軸に沿って位置決めされるビームスプリッタであって、該第一の光軸は、該励起光の光軸であり、そして該ビームスプリッタは、第二の光軸に沿って位置決めされ、該第二の光軸は、発光の光軸である、ビームスプリッタ;および該第二の光軸に沿って位置決めされた第一の光学素子であって、該第一の光学素子は、該放射光が該ビームスプリッタに衝突する前に、該放射光を平行化し、そして該放射光の不均一性を低下させる、第一の光学素子、を備える。
【0008】
種々の実施形態に従って、本発明の教示は、生物学的サンプルをモニタリングするための蛍光定量法を提供し、この方法は、サンプルトレイおよび複数のウェルを備える、サンプル領域を提供する工程であって、該ウェルの各々が、サンプルを含む、工程、励起光を調整するための第一のフィルタを提供する工程;ならびに該サンプルの放射光の不均一性を低下させるための第一の光学素子を提供する工程であって、その結果、検出器に衝突する放射光が、類似の材料体積、類似の材料濃度、および類似の色素を有する異なるウェル内のサンプルについて均一になる、工程、を包含する。
【0009】
上記の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方が、単に例示的かつ説明的であり、特許請求される本発明を制限しないことが理解されるべきである。
【0010】
添付の図面(本明細書中に組み込まれ、本明細書の一部を構成する)は、本発明のいくつかの実施形態を示し、説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(種々の実施形態の説明)
ここで、本発明のいくつかの実施形態に対して詳細に参照する。本発明の実施形態の例は、添付の図面に示される。可能である場合、同じ参照番号が、同じ部分または類似の部分を参照するために、図面全体をとおして使用される。
【0012】
用語「光源」は、本明細書中で使用される場合、蛍光照射を生じる励起を提供し得る発光の供給源をいう。光源としては、白色光、ハロゲンランプ、レーザー、固体レーザー、レーザーダイオード、マイクロワイヤレーザー、ダイオード固体レーザー(DSSL)、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)、LED、リン被覆LED、有機LED(OLED)、薄膜エレクトロルミネセンスデバイス(TFELD)、リン光OLED(PHOLED)、無機−有機LED、量子ドット技術を使用するLED、LEDアレイ、LEDのアンサンブル、LEDを使用するフラッドライドシステム、および/または白色LED、白熱電球、アーク灯、ガス灯、および蛍光管が挙げられ得るが、これらに限定されない。光源は、高放射度(例えば、レーザー)、または低放射度(例えば、LED)を有し得る。上記の異なる型のLEDは、中程度から高程度の放射度を有し得る。
【0013】
用語「検出器」は、本明細書中で使用される場合、光を検出し得る任意の構成要素、その一部、または構成要素のシステムをいい、これには、電荷結合素子(CCD)、裏面薄冷却(back−side thin−side)CCD、前面照射CCD、CCDアレイ、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ、光電子増倍管(PMT)、PMTアレイ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、CMOSアレイ、電荷注入デバイス(CID)、CIDアレイなどが挙げられる。検出器は、データの保存、相関付け、および/または操作のためのデータ収集デバイス(例えば、コンピューター、または他の信号処理システム)に情報を中継するために適合され得る。
【0014】
用語「サンプル容量(sample volume)」は、本明細書中で使用される場合、サンプルに対して閉じ込めを提供する任意の構造(例えば、サンプル領域またはチャンバ)中のサンプルをいう。サンプル容量は、励起光に対する入口および蛍光に対する出口を提供するために、開き得るかまたは透明であり得る。透明性は、ガラス、プラスチック、溶融シリカなどを含み得る。さらに、サンプル領域は、ウェル、管、バイアル、キュベット、トレイ、マルチウェルトレイ、マイクロカード、マイクロスライド、キャピラリー、エッチングされたチャネルプレート、成型チャネルプレート、エンボスチャネルプレートなどを含む任意の形状をとり得る。サンプル領域は、列(row)、アレイ、アセンブリなどにグループ化される複数のサンプル領域の組み合わせの一部であり得る。マルチチャンバアレイは、12個、24個、36個、48個、96個、192個、384個、またはそれ以上のサンプルチャンバを含み得る。例示的なサンプルチャンバは、SBSマイクロタイター形式でマルチウェルトレイに成形され得る。
【0015】
用語「サンプル」は、本明細書中で使用される場合、励起光によって励起されて蛍光を発し得る成分を伴う溶液中の任意の生物学的物質または化学的物質をいう。サンプルは、増幅および/または配列決定されるべき一種以上の核酸配列を含み得る。サンプルは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および他の反応(例えば、リガーゼ連鎖反応、抗体結合反応、オリゴヌクレオチドライゲーション反応アッセイ、およびハイブリダイゼーションアッセイ)のための反応剤を含み得る。サンプルは、サーマルサイクルに供され得る。
【0016】
用語「空間的に識別可能な種」は、本明細書中で使用される場合、少なくともスペクトル的に識別可能であるかまたはスペクトル的に別個の異なる色を提供するために使用され得る蛍光色素をいう。いくつかの色素が、色素化学の分野の当業者に明らかである。1つ以上の色が、各色素について収集されて、検出される色素(単数または複数)の同定を提供し得る。色素は、ヌクレオチドの色素標識フラグメントであり得る。色素は、ヌクレオチドのフラグメントによって誘発されるマーカーであり得る。色素は、検出可能なマーカー(例えば、それぞれの色素およびクエンチャー対)との会合(例えば、結合または反応)によるサンプルの成分の同定を提供し得る。それぞれの同定可能な成分は、色素の蛍光によって明確に同定され得る。色素は、通常消光され得、サンプル中の特定の標的成分の存在下で非消光になり得る。蛍光色素は、それぞれ、例えば異なる、励起波長範囲および放射波長範囲を示すように選択され得る。色素は、成分を定量するために測定され得る。色素は、リアルタイムで検出されて、反応全体で同定可能な成分についての情報を提供し得る。所望の励起は長および放射波長を有する色素の例としては、5−FAMTM、SYBR Green、TETTM、VICTM、JOE、TAMRA、NED、ROX、CY3、Texas Red、CY5などが挙げられ得る。本発明の教示は、少なくとも赤色色素、緑色色素、および青色色素に適用される。
【0017】
種々の実施形態に従って、PCRの特定の段階にあるサンプル中のDNAは、励起波長に近い波長のみがサンプルに衝突し得るように光源からの光を濾波することによって分析され得る。さらなる改善は、特定の色素のピーク放射波長に近い波長のみが検出器に達するように、サンプルから放射される光を濾波することによって達成され得る。
【0018】
種々の実施形態に従って、本発明の教示は、少なくとも1つの光学デバイスを提供し得、ここで、各々の光学デバイスが、PCRの種々の段階にあるサンプル中のDNAの正確な分析を提供するために、特定のビームスプリッタおよびフィルタの特定のセット(例えば、励起フィルタおよび放射フィルタ)を備える。フィルタのセットのうちの励起フィルタはまた、所定の色素の励起波長に近い光源から受容される光の波長が通過し得るように選択され得る。励起フィルタは、励起波長より長いおよび/または短い光の波長を遮断するように形成され得る。同様に、フィルタのセットのうちの放射フィルタは、放射波長に近い光を通過させ得るが、放射波長より長いおよび/または短い波長を遮断し得るように選択され得る。
【0019】
種々の実施形態に従って、本発明の教示は、各々の色素についての独特の光学デバイスを提供し得る。これは、ただ1つの光学デバイスが複数の色素について使用される場合よりも、より良い感度を可能にする。各色素についての独特の光学デバイスによって、共通の光学デバイスが全ての色素に使用される場合よりも、励起波長および放射波長が、より近くなり得る。例えば、各々の色素についての独特の励起フィルタおよび放射フィルタによって、共通の励起フィルタが複数の放射フィルタで共有される場合よりも、励起ビームおよび放射ビームの波長が、より近くなり得る。励起ビームの光の波長をサンプルの励起波長に近づければ近づけるほど、蛍光放射の強度は強くなる。また、励起波長が放射波長に近づけば近づくほど、蛍光放射の強度は、強くなる。放射強度がより高いと、より少量の濃度の蛍光材料が検出され得、従って、デバイスが、改善された全体的な感度を有し得る。さらに、各々の光学デバイスに独特なビームスプリッタを使用することは、励起波長および放射波長の両方において光のさらなる濾波を加え得、間違った波長での望ましくないノイズを減少させ得る。さらに、ピーク励起波長および/またはピーク放射波長に近い独特の励起フィルタおよび/または放射フィルタを、別々にまたは光ブロッカーとともに使用することは、温度変化から生じ得る誤りを減少させる。
【0020】
種々の実施形態に従って、図1に示されるように、蛍光定量デバイス100は、光源105、光学デバイス110、可動プラットフォーム115、サンプル領域120、検出器125、焦点レンズ130、光ブロッカー135、およびモータ140を備え得る。これらの構成要素の一般的な配置の1つの例は、ここで、記載される。
【0021】
光源105は、ソースビーム107を発し、これは、光学デバイス110の1つによって受容される。説明を簡単にするために、図1は、可動プラットフォーム115上の1つの光学デバイスを示す。しかし、多数の光学デバイスが、可動プラットフォーム115上に設置され得る。モータ140はまた、ステム145を備える可動プラットフォーム115に取り付けられる。モータ140は、ソースビーム107の経路内に光学デバイス110の1つを置くために、可動プラットフォーム115を移動させるために使用される。モータ140はまた、可動プラットフォーム115を移動させて、光ブロッカー135を置き、ソースビーム107がサンプル領域120に達することを妨げ得る。
【0022】
光学デバイス110は、ソースビーム107を受容し、一部を励起ビーム121として焦点レンズ130を通してサンプル領域120に方向付け、サンプル122のアレイに衝突する。励起ビーム121によって、サンプル122中の1つ以上の色素が、放射ビーム123の形態の光の蛍光を発し、光を放射する。
【0023】
放射ビーム123は、光学デバイス110によって受容され、次いで、光学デバイス110によって検出器125に向けられる。検出器125は、サンプル122中のDNAの濃度の代表的な情報を含むデータ信号を生成する。
【0024】
種々の実施形態に従って、光源は、長期間にわたって、改善された照射波長均一性、光出力均一性、および最小の出力低下を提供するために使用されるLEDであり得る。さらに、LEDは、比較的低い温度で作動し、外部冷却をほとんどまたは全く必要としない。いくつかの実施形態において、光源105から発する光のサイズは、できるだけ小さく調整されて、サンプル122上に向けられるエネルギー密度を最大化し得る。
【0025】
種々の実施形態に従って、図2に示されるように、光学デバイス210は、整列ピン233、ビームスプリッタ245、励起フィルタ250、および放射フィルタ260を備え得る。
【0026】
種々の実施形態に従って、整列ピン233は、光学デバイス210が可動プラットフォーム115上に正確に設置され得、従って、デバイス100が光学デバイス110を容易に交換し得ることを確実にする。異なる光学デバイスは、除去されて、デバイス100について機器ケース(図示せず)のアクセスハッチを通して置換され得る。例えば、いくつかの実施形態において、可動プラットフォームに取り付けられる1つ以上の光学デバイス110は、特定の色素に基づいてDNAの濃度を測定するように調整され得る。しかし、他の色素が使用される場合、整列ピン233によって、デバイス100が、これらの他の色素に調整される他の光学デバイスを容易に使用することを可能にする。光学デバイス110は、可動プラットフォーム115から除去され得;次いで、新たな光学デバイス(例えば、光学デバイス210)は、適切な位置合わせを確実にするために、整列ピン233を使用して可動プラットフォーム115上に設置され得る。
【0027】
光学デバイス210を整列するプロセスは、整列ピン233を可動プラットフォーム115内の1つ以上のセットの孔(図2には示されない)内に位置付ける工程を包含し得る。光学デバイス210が適切に配置されることを確実にするために、既知の特徴的な励起波長および放射波長を有する蛍光標的(例えば、DNAに曝露される色素)は、サンプル領域120内に配置され得る。次いで、光学デバイス210および/または可動プラットフォーム115は、例えば、小さな増分で移動させられ得、その結果、検出器125は、蛍光標的から発せられる光の最大量を検出する。次いで、光学デバイス210および/または可動プラットフォーム115の位置が記録される。このプロセスは、光学デバイスおよび蛍光標的の任意の組み合わせについて繰り返され得る。あるいは、光学デバイス210は、参照鏡(図示せず)および1つ以上のオートコリメーターを使用して整列され得る。
【0028】
従って、整列ピン233が、デバイス100において光学デバイス110を設置および整列することを補助する。以前のデバイスは、デバイスの連続した再配置および分解を必要とした。これらの以前のデバイスはまた、光学デバイスを整列させ、このデバイスを再び組み立てるための機械的ゲージまたは特別な道具を必要とした。対照的に、各々の光学デバイス110についての最適な整列位置は、整列ピン233を使用して知られ得、そして光学デバイス110は、再整列を必要とすることなく、容易にかつ迅速に置換され得る。
【0029】
種々の実施形態に従って、励起フィルタ250は、ソースビーム107の1つ以上の波長を選択的に通すように使用され得る。励起フィルタ250は、光学デバイス210に取り付けられ得る。励起フィルタ250を通過する波長は、PCRの特定の段階でDNAに曝露される特定の色素の励起波長よりも短い波長を遮断するように選択され得る。いくつかの実施形態において、励起フィルタ250は、PCRの特定の段階のDNAに曝露される特定の色素の励起波長よりも短い波長を遮断し得る。従って、励起フィルタ250は、励起ビーム121が特定の色素の特徴的な励起波長に近くなることを確実にし得る。
【0030】
種々の実施形態に従って、光学デバイス210は、放射フィルタ260を備え得る。放射フィルタ260は、放射ビーム123が検出器125に達する前に、放射ビーム123を受容するように光学デバイス210に配置され得る。放射フィルタ260は、PCRの特定の段階のDNAに曝露される特定の色素の励起波長を有する光を遮断し、放射波長の波長およびより長い波長が通過し得るように構成され得る。従って、放射フィルタ260は、検出器125に達する放射ビーム123が色素の特徴的な放射波長に近いことを確実にし得る。
【0031】
種々の実施形態に従って、ビームスプリッタ245は、45°に配置された二色反射器または非二色反射器であり得る。しかし、用途に依存して、ビームスプリッタ245は、45°以外の角度で配置され得る。種々の実施形態に従って、ビームスプリッタ245は、PCRの特定の段階のDNAに曝露される特定の色素の励起波長よりも短い光の波長を伝達するように選択され得る。ビームスプリッタ245はまた、PCRの特定の段階のDNAに曝露される特定の色素の励起波長である波長またはそれより長い波長を反射するように選択され得る。例えば、ビームスプリッタ245は、特徴的な波長よりも短い波長を反射し得る。種々の実施形態に従って、ビームスプリッタ245は、50−50部分銀化鏡(partly silvered mirror)であり得る。
【0032】
種々の実施形態に従って、図3Aおよび3Bに示されるように、可動プラットフォームは、円形移動および/または側方移動を提供するように構成され得る。図3Aは、ターレットアセンブリまたは回転コンベヤー式(carrousel)アセンブリのような回転可能な可動プラットフォーム315を示す。回転可能可動プラットフォーム315は、光源305からの光を受容するように異なる光学デバイス310a、310b、310cおよび310dを移動させ、光がサンプルに達することを妨げるように光ブロッカー330を配置するように、回転され得る。回転可能な可動プラットフォーム315は、一般に、回転し得、複数の付属物を収容し得る限り、ほぼ円形である得るか、または円の任意の一部であり得る。例えば、回転可能な可動プラットフォーム315は、複数の光学デバイスおよび光ブロッカーを収容し得、光源305からの光を受容するようにこれらの付属物を位置付けるように回転され得る。
【0033】
図3Bは、線形可動プラットフォーム365を示す。線形可動プラットフォーム365は、光源305からの光を受容するように異なる光学デバイス310a、310b、310cおよび310dを位置付け、光がサンプルに到達するのを遮断するための光ブロッカー335を位置付けるように線形移動され得る。線形移動可能なプラットフォーム365は、複数の付属物を収容し得、光源305からの光を受容するように付属物を位置付けるように線形に移動し得る限り、任意の形状(例えば、矩形)であり得る。
【0034】
種々の実施形態に従って、可動プラットフォーム315および365はまた、付属物の整列ピン(例えば、光学デバイス210の整列ピン233)を受容するように設計される、正確な整列ピンホール375を備え得る。図3Aおよび3Bに示されるように、正確な整列ピンホール375は、可動プラットフォーム315および365に形成される孔であり得、光学デバイス310a〜310dおよび光ブロッカー335の正確な整列ピンを受容し得る。
【0035】
ここで、図1に戻って参照して、サンプル領域120は、1つ以上のサンプル122を保持するための位置を提供する。例えば、サンプル領域120は、サンプル122の1つ以上のバイアルを保持するトレイまたはブラケットとして構成され得る。
【0036】
サンプル122は、DNAの1つ以上の「シード(seed)」サンプルを保持するために使用される成分の水性懸濁液であり得る。サンプル122の水性懸濁液は、選択されたDNAプラマー鎖、DNAエレメント、酵素、および他の化学物質を備える。PCRプロセスの間、サンプル122は、サーマルサイクルされ、これによってDNAサンプルがそれ自体で複製する。
【0037】
種々の実施形態に従って、検出器125は、サンプル122から発せられる光(例えば、放射ビーム123)を検出する。種々の実施形態に従って、検出器125は、サンプル122から発する光に基づくサンプル122中に存在するDNAの量または濃度を示す信号を生成する。例えば、検出器125は、信号を生成するための1つ以上の処理デバイスを備え得る。種々の実施形態に従って、検出器125は、信号を生成する処理デバイスに接続され得る。
【0038】
種々の実施形態に従って、レンズ130は、サンプル領域120上に光(励起ビーム107)の焦点を合わせるのを補助するようにデバイス100内に必要に応じて含まれ得る。レンズ130は、公知の材料から構築され得、サンプル領域120上に光の焦点を合わせるように種々の屈折特性を有し得る。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、レンズ130のためにフレネルレンズを使用する。
【0039】
種々の実施形態に従って、サンプル領域が光源105によって照射される場合に、光ブロッカー135によって、デバイス100が制御され得る。光ブロッカー135は、いくつかの色素が、例えば、光源またはPCRからの温度の変化に曝露される場合にスペクトル的に不安定になるので、有用であり得る。特に、色素のピーク励起波長およびピーク放射波長は、色素が温度変化に曝露される場合に「ドリフト」または減弱され得る。以前のデバイスにおいて、光源は、安定化するためのウォームアップ時間を必要とした。この安定化時間の間、サンプルをフォトブリーチし得る。フォトブリーチは、色素からの放射スペクトルを減弱化し、DNAの不正確な濃度の感知を検出器に生じ得る。
【0040】
種々の実施形態に従って、光ブロッカー135は、光源105が連続的にオンであり得るようにデバイス100で使用され得る。別々の機械的シャッターまたは電気的シャッターを使用するよりもむしろ、デバイス100は、可動プラットフォーム115に取り付けられる光ブロッカー135(例えば、遮断プレート)を備え得る。従って、モータ140はまた、光ブロッカー135が、光源135からの光を遮断するように、可動プラットフォーム115を位置付けるために使用され得る。
【0041】
種々の実施形態に従って、モータ140は、ソースビーム107の経路内に光学デバイス110を置くように種々の位置に可動プラットフォーム115を移動させる。図1に示されるように、モータ140は、直接駆動ステッパーモーターであり得る。種々の実施形態に従って、図3Aに示されるように、モータ140は、取り付け孔340内に取り付けられるステム145によって可動なプラットフォーム115に取り付けられ得る。操作の間に、モータ140は、異なる光学デバイス310a〜310dまたは光ブロッカー335をソースビームの光学経路内におよび光学経路外に位置付けるために、回転可能可動プラットフォーム315を回転させる。
【0042】
種々の実施形態に従って、モータ140は、線形移動を提供する任意のモータであり得る。例えば、図3Bに示されるように、モータ140は、可動プラットフォーム365を線形移動させ得る。説明を容易にするために、図3Aおよび3Bに示される実施形態は、4つの光学デバイスを備える。しかし、可動プラットフォーム115、315、および365のいくつかの実施形態は、多数の光学デバイスを収容し得る。
【0043】
種々の実施形態に従って、図4に示される光学システム400が存在し、これは、光源405、光学デバイス410(点線によって囲まれる特徴として一般的に示される)、サンプル領域420、および検出器425を備える。光源405、サンプル領域420、および検出器425は、本明細書中に記載されるもののいずれかであり得る。種々の実施形態に従って、光学デバイス410は、本明細書中に記載される構造(例えば、励起フィルタ450、ビームスプリッタ445、および放射フィルタ460)に類似の構造を有する光学デバイスを備え得る。光学システム400はまた、光学デバイス410に含まれ得るかまたは含まれ得ない、第1の光学要素424および第2の光学要素424’を備え得る。
【0044】
種々の実施形態に従って、第1の光学要素424は、複数の開口部を備えるマスク(例えば、フレネルマスク)を備え得る。各開口部は、サンプル領域420内のサンプルから発せられる光の不均一性を減少させるために調節され得、これは、サンプルウェル421を備え得る。例えば、開口部の配置(例えば、開口部のサイズおよび/または形状)が調節され得る。一般的に、開口部は、類似の容積および類似の濃度のサンプルを有し、類似の色素を使用するウェルからの光が、類似の光信号(例えば、類似の相対応答)を有するマスクを通るように、調節され得る。このように、検出器425に達する信号は、反応の正確な表示である。
【0045】
例えば、サンプル領域の第1のウェルおよび第2のウェルが、サンプル材料の類似の容積および濃度を含み得、類似の色素を使用し得るものの、検出器に達する第1のウェルおよび第2のウェルの各々からの光は、類似でなくてもよい。種々の実施形態において、フレネルマスクの第1の開口部および第2の開口部は、サンプル領域420の第1のウェルおよび第2のウェルの各々に隣接して配置され得る。第1の開口部および第2の開口部の配置は、検出器に達する第1のウェルおよび第2のウェルからの光の不均一性を減少させ得るように調節され得る。
【0046】
種々の実施形態によれば、第一の光学素子424は、複数のレンズを備え得、これらの複数のレンズの各々は、独特の開口数(NA)を有する。これらのレンズのNAは、これらのレンズの位置と同様に、サンプル領域420のウェル内のサンプルから発せられる光の不均一性を低下させるように調節され得る。いくつかの実施形態において、これらのレンズは、独特のNAを有するように成型され得る。一般に、NAは、類似の体積および類似のサンプル材料濃度を有して類似の色素を使用するウェルからの光が、類似の光信号を有するマスクを通過するように、調節され得る。従って、検出器425に達する信号は、その反応の正確な表現であり得る。
【0047】
種々の実施形態によれば、この光学系は、さらなるフィルタ429(例えば、濃度フィルタ)をさらに備え得、このフィルタは、発せられるサンプル光の透過を変化させ得る。例えば、さらなるフィルタ429は、サンプル領域420のウェルの位置に基づいて、透過を変化させ得る。
【0048】
種々の実施形態によれば、光学系410は、第二の光学素子424’をさらに備え得る。第二の光学素子424’は、フレネルマスク、濃度フィルタ、または所定のNAを有するレンズを備え得る。第二の光学素子424’を備えることによって、光源410からの光の不均一性を低下させることが補助される。第二の光学素子424’は、光がサンプル領域420に達する前に、光源405からの光の不均一性を低下させるように位置決めされ得る。
【0049】
種々の実施形態によれば、光学素子424および424’の調節の型は、種々の技術のいずれかを使用して、別々にかまたは組み合わせてかのいずれかで、決定され得る。例示的な技術としては、連続光線追跡モデル、不連続光線追跡モデル、放射測定式、サンプル空間に達する光の実験的測定、および検出器に達する光の実験的測定が挙げられる。
【0050】
種々の実施形態によれば、光は、光源405から発せられ、そして励起フィルタ421を通過し、そして必要に応じて、第二の光学素子424’を通過し、その後、ビームスプリッタ445に衝突する。ビームスプリッタ445に衝突する光の一部が、サンプル領域420内のサンプルに指向され、このサンプル領域において、この光は、これらのサンプルを発光させる。これらのサンプルから発せられる光は、第一の光学素子424を通過し、そして必要に応じて、さらなるフィルタ429を通過する。この光は、フィルタ427を通して指向され、そして検出器425によって検出される。
【0051】
図5aは、光学系が本明細書中に記載されるような光学素子を使用しない場合の、例示的な空間応答プロフィールを図示する。図5aに見られ得るように、サンプルの光は、種々の強度の多数の帯域を含む。種々の実施形態において、これらの様々な帯域は、サンプル領域420中のサンプルから発せられる光および/または光源405から発せられる光の不均一性に対応する。図5bは、光学系が本明細書中に記載されるような光学素子を使用する場合の、例示的な空間応答プロフィールを図示する。図5bに見られ得るように、サンプルの光は、これらの光学素子が使用される場合、比較的均一である。
【0052】
種々の実施形態に従って、デバイス100の作動が、図6を参照してここで記載される。図6に示されるように、本発明のいくつかの実施形態は、光源605(例えば、照射ランプまたはLED)を、定常状態温度まで温めることによって、作動する。モータ640は、可動プラットフォーム615に取り付けられた光ブロッカー635を、光源ビーム607がサンプル領域620に達することをブロックするように、位置決めする。光ブロッカー635は、光源605がオンにされる前、またはサンプル622がサンプル領域620に配置される前に、光源ビーム607の前方に位置決めされ得る。次いで、サンプル622が、温度制御器627を使用して温度サイクリングされ、PCRプロセスを開始する。PCRの間の目的の適切な時点で、モータ640は、複数の光学デバイス610の第一のものが光源ビーム607を受容するように位置決めするように、可動プラットフォーム615を移動させる。赤外(IR)ホットミラーフィルタ(hot mirror filter)641が、必要に応じて、光源605と光学デバイス610との間に配置され得る。さらに、光学素子(図示せず)が、光源ビーム607を受光するように位置決めされ得る。
【0053】
光源ビーム607は、IRホットミラーフィルタ641を通り、そして励起フィルタ650によって受光される。この光源ビームは、ビームスプリッタ645から反射し、そしてサンプル領域620へと指向される。光学素子655および/またはさらなるフィルタ(図示せず)が、ビームスプリッタ645とサンプル領域620との間に配置され得る。さらに、複数のサンプルが、サンプル領域657に保持され得、このサンプル領域は、必要に応じて、各サンプル622に位置決めされたウェルレンズ659を備え得る。ウェルレンズ659は、光をサンプル622に集束させるように働く。PCRの適切な時点でDNAに曝露される特定の色素の励起波長より短い、光源605によって発せられる光の波長は、励起フィルタ650によってブロックされ、そして/またはビームスプリッタ645を透過する。サンプル622に衝突する光は、図6において、塗りつぶされた矢じりを有する実線で示され、そして励起ビームと称され得る。
【0054】
次いで、励起ビームは、サンプル622内でDNAに曝露される色素に発光させるか、または蛍光を発光させる。サンプル622から発せられる光(図6において、斜線付きの矢じりを有する破線として示される)は、ウェルレンズ659、光学素子レンズ655、ビームスプリッタ645、および放射フィルタ660を透過する。サンプル622から発せられる望ましくない波長の光は、ビームスプリッタ645によって反射されるか、または放射フィルタ660によってブロックされる。ビームスプリッタ645および放射フィルタ660を透過する発光の部分は、検出器625(例えば、カメラまたはCCDカメラ)によって受光される。この透過光は、図6において、影のない矢じりを有する破線で示され、そして放射ビームと称され得る。
【0055】
種々の実施形態によれば、サンプル622を保持するサンプル領域657は、バイアルを備え得、これらのバイアルは、代表的に、プラスチックのユニタリトレイに円錐形に形成される。このプラスチックトレイは、複数のサンプルを保持するために、複数のバイアルを含み得、例えば、12×8のアレイの96個のバイアルを含み得る。これらのトレイは、サンプル調製のために、このシステムから取り外され得る。これらのバイアルのためのキャップを有する、プラスチックのユニタリカバーが、これらのバイアル上に載せられるか、またはこれらのバイアルに取り付けられて、汚染または蒸発による損失を防止し得る。他のシステム(例えば、サンプル表面の頂部の油であり、この場合、キャップは必要とされない)が、この機能のために使用され得る。キャップが使用される場合、これらのキャップは、この器具によって使用される光に対して透過性であり得るか、またはサンプルから上向きに面して凸状であり得る。プラテン(図示せず)が、必要に応じて、バイアルキャップを覆って載せられ得るか、またはキャップが使用されない場合、バイアルを直接覆い得る。このプラテン(これは、金属から作製され得る)は、これらのバイアルと整列する穴のアレイを有し得る。各穴は、バイアルの頂部直径とおよそ同じ直径である直径を有し得る。キャップが存在する場合、このプラテンの温度は、フィルムヒータ、またはこのプラテンを加熱するための他のデバイスによって維持され得る。このプラテンを加熱することによって、これらのバイアル内でのDNA複製を妨害することなく、キャップの下での凝縮を防止することが補助される。例えば、このプラテンは、サーマルサイクルが達する最高サンプル温度よりわずかに高い温度に保持され得る。
【0056】
種々の実施形態によれば、本教示は、サンプル領域657への励起ビームの衝突、および複数のサンプル622からの蛍光画像の生成を提供する。このことは、検出器625が、PCRの特定の段階におけるサンプル中のDNAを表すデータ信号を生成することを可能にする。
【0057】
PCRにおける次の目的の適切な時点において、検出器625が、光源ビーム607を受光する第一の光学デバイス610から生じるデータ信号を生成した後に、モータ640は、可動プラットフォーム615を移動させて、複数の光学デバイス610のうちの別のもの(図示せず)を、光源ビーム607を受光するように位置決めする。複数の光学デバイスの他のものは、光源ビーム607を受光し、そして上に詳述されたプロセスが繰り返される。上記プロセスは、PCRの目的の各適切な時点について、繰り返され得る。
【0058】
目的の色素の色が測定された後に、可動プラットフォーム615は、光ブロッカー635が光源ビーム607をブロックするように位置決めするように、移動され得る。次いで、サンプル622は、これらのサンプルを次の検出のために準備するためにか、または全ての望ましい検出が完了するまで、温度サイクリングされ得る。
【0059】
本発明の他の実施形態は、本明細書中に開示された本発明の仕様および実施を考慮することにより、当業者に明らかである。本明細書および実施例は、例示のみとみなされ、本発明の真の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって示されることが、意図される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、代表的な蛍光定量システムを示す。
【図2】図2は、代表的な光学デバイスを示す。
【図3A】図3Aは、本発明の教示の種々の実施形態に従う、代表的な可動プラットフォームを示す。
【図3B】図3Bは、本発明の教示の種々の実施形態に従う、代表的な可動プラットフォームを示す。
【図4】図4は、本発明の教示の種々の実施形態に従う、別の代表的な蛍光定量システムを示す。
【図5A】図5Aは、例示的な空間応答プロフィールを示す。
【図5B】図5Bは、別の例示的な空間応答プロフィールを示す。
【図6】図6は、本発明の種々の実施形態に従う、代表的な蛍光定量システムの操作を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的サンプルをモニタリングするための、蛍光定量法のための光学デバイスであって、該デバイスは、以下:
サンプル領域に指向される励起光を調整するための、第一のフィルタ;
第一の光軸に沿って位置決めされるビームスプリッタであって、該第一の光軸は、該励起光の光軸であり、そして該ビームスプリッタは、第二の光軸に沿って位置決めされ、該第二の光軸は、発光の光軸である、ビームスプリッタ;および
該第二の光軸に沿って位置決めされた第一の光学素子であって、該第一の光学素子は、該発光が該ビームスプリッタに衝突する前に、該発光を平行化し、そして該発光の不均一性を低下させる、第一の光学素子、
を備える、光学デバイス。
【請求項2】
前記サンプル領域における複数のウェルをさらに備え、前記第一の光学素子は、検出器に衝突する発光の一部が均一になるように、該発光を調整し、該発光の該一部が、該複数のウェルにおけるウェルのセットから発せられ、該複数のウェルにおける該ウェルのセットは、類似の材料体積、類似の材料濃度、および類似の色素を有する、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項3】
前記発光を調整するための第二のフィルタをさらに備え、前記第一のフィルタは、前記励起光を調整して、励起のための第一の波長範囲を生成し、そして該第二のフィルタは、前記発光を調整して、第二の波長範囲を生成する、請求項2に記載の光学デバイス。
【請求項4】
前記第一の光学素子が、複数の開口部を備えるフレネルマスクを備え、そして該開口部のうちの少なくとも1つが、前記発光の一部の不均一性を低下させるために提供されている、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項5】
前記フレネルマスクが、前記サンプル領域の近くに位置決めされ、該サンプル領域が、複数のウェルを備え、そして該フレネルマスクの前記複数の開口部の各々が、対応するウェルの近くに位置決めされ、該複数のウェルの各々から発する発光の不均一性を低下させる、請求項4に記載の光学デバイス。
【請求項6】
前記第一の光学素子が、複数のレンズを備え、そして該第一の光学素子が、複数のウェルを備える前記サンプル領域の近くに位置決めされ、そしてさらに、該複数のレンズの各々が、対応するウェルの近くにあり、そして該複数のレンズの各々の開口数が、該対応するウェルの位置に依存する、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項7】
前記第一の光学素子が、濃度フィルタを備え、そして該第一の光学素子が、複数のウェルを備える前記サンプル領域の近くに位置決めされ、そしてさらに、該濃度フィルタを通る透過率が、該サンプル領域におけるウェルに対する該濃度フィルタの位置に従って変動する、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項8】
前記第一の光学素子が、連続光線追跡モデル、不連続光線追跡モデル、放射測定式、および画像センサに達する発光の実験的測定のうちの少なくとも1つに従って、前記発光の不均一性を低下させるように調節される、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項9】
第二の光学素子をさらに備え、該第二の光学素子は、前記発光が前記ビームスプリッタに衝突する前に、該発光を平行化し、そして該発光の不均一性を低下するように位置決めされている、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項10】
前記第二の光学素子が、連続光線追跡モデル、不連続光線追跡モデル、放射測定式、および前記サンプル領域に達する励起光の実験的測定のうちの少なくとも1つに従って、前記発光の不均一性を低下させるように調節される、請求項9に記載の光学デバイス。
【請求項11】
前記サンプル領域における複数のウェルをさらに備え、
前記第二の光学素子が、該サンプル領域に衝突する励起光が均一になるように、該励起光を調整し、そして
前記第一の光学素子が、検出器に衝突する励起光の一部が均一になるように、前記発光を調整し、発光の一部が、該複数のウェルのうちのウェルのセットから発せられ、該複数のウェルのうちの該ウェルのセットが、類似の材料体積、類所の材料濃度、および類似の色素を有する、
請求項9に記載の光学デバイス。
【請求項12】
生物学的サンプルをモニタリングするための蛍光定量方法であって、
サンプルトレイおよび複数のウェルを備える、サンプル領域を提供する工程であって、該ウェルの各々が、サンプルを含む、工程;
励起光を調整するための第一のフィルタを提供する工程;ならびに
該サンプルの発光の不均一性を低下させるための第一の光学素子を提供する工程であって、その結果、検出器に衝突する発光が、類似の材料体積、類似の材料濃度、および類似の色素を有する異なるウェル内のサンプルについて均一になる、工程、
を包含する、方法。
【請求項13】
前記発光を調整するための第二のフィルタを提供する工程をさらに包含し、
前記第一のフィルタは、励起のための第一の波長範囲を提供し、そして該第二のフィルタは、発光のための第二の波長範囲を提供する、請求項12に記載の蛍光定量方法。
【請求項14】
前記第一の光学素子が、複数の開口部を有するフレネルマスクを備える、請求項12に記載の蛍光定量方法。
【請求項15】
前記フレネルマスクの開口部を前記ウェルの近くに位置決めする工程であって、その結果、該開口部が、該ウェル内のサンプルから生成される発光の不均一性を低下させる工程をさらに包含する、請求項14に記載の蛍光定量方法。
【請求項16】
前記第一の光学素子が、複数のレンズを備え、該複数のレンズの各々が、対応するウェルの近くにあり、各レンズが、特定のレンズが近接する対応するウェルの位置に基づいて調節される開口数を有する、請求項12に記載の蛍光定量方法。
【請求項17】
前記第一の光学素子が、濃度フィルタを備え、該濃度フィルタを通る透過率が、前記ウェルに対する該濃度フィルタの位置に従って変動する、請求項12に記載の蛍光定量方法。
【請求項18】
前記励起光の不均一性を低下させるための第二の光学素子を提供する工程をさらに包含する、請求項12に記載の蛍光定量方法。
【請求項19】
前記第一の光学素子が、連続光線追跡モデル、不連続光線追跡モデル、放射測定式、および画像センサに達する発光の実験的測定のうちの少なくとも1つに従って、前記発光の不均一性を低下させるように調節される、請求項12に記載の蛍光定量方法。
【請求項20】
前記第二の光学デバイスが、連続光線追跡モデル、不連続光線追跡モデル、放射測定式、および前記サンプルトレイに達する励起光の実験的測定のうちの少なくとも1つに従って、前記励起光の不均一性を低下させるように調節される、請求項18に記載の蛍光定量方法。
【請求項21】
蛍光定量法によって、生物学的サンプル中の分光学的に区別可能な種の濃度を決定するための装置であって、該デバイスは、以下:
プラットフォーム上に配置された複数の光学デバイスの各々1つを移動させて、サンプルの方へと指向されて光源から発せられた光源ビームを受光させるための手段;
該光源ビームの光の複数の波長をブロックするための手段;
該サンプルがDNAおよび少なくとも1種の色素を含有する場合、該サンプルから発せられる光の複数の波長をブロックするための手段;ならびに
複数のデータ信号を発生させるための手段であって、各データ信号は、該サンプル中のDNAの濃度を表し、該複数の光学デバイスのうちの各1つが該光源ビームを受光する場合に、データ信号が発生する、手段、
を備える、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−518109(P2007−518109A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549678(P2006−549678)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/001485
【国際公開番号】WO2005/068976
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(500069057)アプレラ コーポレイション (120)
【住所又は居所原語表記】850 Lincoln Centre Drive Foster City CALIFORNIA 94404 U.S.A.
【Fターム(参考)】