生物学的サンプルを格納し配置する格納ユニット及び移動システム
【課題】多数の生物学的サンプルを格納し配置するための格納ユニットを提示する。
【解決手段】格納ユニット(1)が開示され、水平なメインフットプリント(2)と、中間壁(4)により相互に分離され周辺フレーム(5)により囲まれる多数の格納コパートメント(3)を有する。中間壁(4)及び周辺フレーム(5)はメインフットプリント(2)に垂直に配置され、格納コンパートメント(3)は第1の開口(6)と第2の開口(7)の両方を有する。格納コンパートメント(3)は、バイオプシーカセット(8)の形状若しくはグラススライド(30)の形状に調整され、保持手段(9)を含み、保持手段(9)により第1の開口(6)又は第2の開口(7)を介して格納コンパートメント(3)の中に挿入される鉛直に立つバイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)が第1の開口(6)又は第2の開口(7)を介して落ちてしまうことが防がれる。
【解決手段】格納ユニット(1)が開示され、水平なメインフットプリント(2)と、中間壁(4)により相互に分離され周辺フレーム(5)により囲まれる多数の格納コパートメント(3)を有する。中間壁(4)及び周辺フレーム(5)はメインフットプリント(2)に垂直に配置され、格納コンパートメント(3)は第1の開口(6)と第2の開口(7)の両方を有する。格納コンパートメント(3)は、バイオプシーカセット(8)の形状若しくはグラススライド(30)の形状に調整され、保持手段(9)を含み、保持手段(9)により第1の開口(6)又は第2の開口(7)を介して格納コンパートメント(3)の中に挿入される鉛直に立つバイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)が第1の開口(6)又は第2の開口(7)を介して落ちてしまうことが防がれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2006年3月2日出願のスイス国特許出願第CH0332/06号の優先権を主張するものであり、その開示内容の全体は、あらゆる意図及び目的のために、明示的に参照されて本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、独立の請求項1のプレミアンブル部分に係る生物学的サンプルのための格納ユニットに関し、該格納ユニットは本質的に水平のメインフットプリント及び多重格納コンパートメントを有し、該多重格納コンパートメントは中間壁により相互に少なくとも部分的に分離され周辺フレームに囲まれ、中間壁及び周辺フレームはメインフットプリントに本質的に垂直に配置され、これら格納コンパートメントは第1の開口と第2の開口の両方を有する。更に、本発明は請求項16のプレミアンブル部分に係る移動システムに関し、該システムはデバイスを含み、該デバイスを利用して少なくとも2つの上記格納ユニットが一つの頂部の上に一つというように記録されて配置され得、相互の関係で置換され得る。
【0003】
更に、本発明は、多数の生物学的サンプルを格納し配置するため、生物学的サンプルのための格納ユニットの個々の格納コンパートメント内に配置されたバイオプシーカセット又はガラススライドに関する請求項22のプレミアンブルに係る利用に関する。個々の格納ユニットは本質的に水平のフットプリント及び多重格納コンパートメントを含み、該多重格納コンパートメントは中間壁により相互に少なくとも部分的に分離され周辺フレームに囲まれる。中間壁及び周辺フレームはメインフットプリントに本質的に垂直に配置される。更に、これら格納コンパートメントは第1の開口と第2の開口の両方を有する。
【背景技術】
【0004】
生物学的研究室では、特に、大学又は病院の病理学機関の研究室では、生物学的サンプル、例えば、バイオプシーにより獲得される組織サンプルは、カセット内の組織片として、又はガラススライド内の薄片として、格納されることが多い。そのようなカセット及びガラススライドの選択は、例えば“THRMO SHANDON”により提供される。これらのカセットは、通常、縦方向に閉じられた側壁と格子状に穴開けされた下方支持面とを有する平坦な立方形サンプルを含む。上方格納面には、通常、スナップクロージャを有するヒンジカバーが設けられ、該スナップクロージャはジョイント部を介してサンプルケージに接続し格子状に穴開けされている。これらのサンプルは、例えばパラフィンで通常埋め込まれており(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3など参照)、室温で、冷蔵庫内で(約4°Cで)、冷凍庫で(約−18°Cで)、固体CO2の環境のより低温で(約−80°Cで)、又は液体窒素の更なる低温で(約−196°Cで)、格納される。100万とはならなくとも何10万にも達する多数のこのようなサンプルでは、特定サンプルを見つけることが困難である。格納温度が低くなる程、このようにみつけることはより困難になる。液体窒素容器から一つのサンプルを正確に目標を定めて取り出すことは、通常不可能である。通常、多数のサンプルを含む容器は、所望のサンプルが選択され得るように窒素のタンクから引き出されなくてはならない。このことは、選択されない他のサンプルの完全性及び品質も多かれ少なかれ変動する時間浪費プロセスである。
【0005】
サンプルのジョイント格納は、通常、病理学の疑問のための問題を表すものではなく、“キャリーオーバー”による近隣サンプルの汚れは通常無視され得る。(特に室温における)このようなカセット及びガラススライドを格納し配置する容器の選択(特許文献4参照)も、“THRMO SHANDON”により提供される。凍結サンプルによるタンパク質研究に関する大学研究室及び製薬産業は、この点に関して全く異なる要求を有している。
【0006】
製薬研究にて、化学的若しくは生化学的化合物は、潜在的な製薬事業のために、日常的に試験される。この目的のために、多数のサンプルが短時間内に与えられなければならない。製薬研究の研究室では、微小管が利用され、該微小管は十分な量の特定物質を含む。莫大な数の微小管をできるだけ経済的に処理することができるために、微小管は“微小管クラスタラック”内にパックされている。ロボット処理のために、“SBSフットプリント”として言及されることの多いSBSスタンダード(SBS;生体分子スクリーニングのためのスタンダード)に係るマイクロプレートのフットプリントに対応するフットプリントを有するラックが、特に好ましい。一方で、このスタンダードは、ANSI(米国規格協会)によりANSI/SBS1−2004として正規化されている。96若しくは384の微小管を有する微小管クラスタラックは、例えば、商号REMP Tube Technology(登録商標)の下で、公知である。
【0007】
パラフィン内に埋め込まれた、固定サンプルの薄切片は、例えば、通常ガラススライドに貼付され、病理学の光学顕微鏡を用いて評価される。以下の表1は、最も一般的なガラススライド及び寸法の概説を与える。
【表1】
(テーブル:非特許文献1参照)
【0008】
本出願は、商号REMP Tube Technology(登録商標)の下で、96又は384微小管を有する微小管クラスタラックを分配する。サンプルチューブは少なくとも2つのラックにつき一つの頂部にもう一つを載せて配置され、更にサンプルチューブは下方ラックの対応配置のレセプタクルキャビティへのマニピュレータを用いて上方ラックから押されるという点で、これらは、本質的に他の先行技術のラック及び微小管と異なる。逆に言うと、この移転プロセスは、上方ラックの対応配置のレセプタクルキャビティへの下方キャビティからのマニピュレータを用いて、サンプルチューブを押すことによっても、実施され得る(例えば、特許文献5、若しくは特許文献6参照)。
【特許文献1】米国特許第5665398号
【特許文献2】米国特許第5968436号
【特許文献3】独国特許公開第4306310A1号
【特許文献4】欧州特許公開第1148372A2号
【特許文献5】欧州特許公開第0904841B1号
【特許文献6】米国特許第6827907B2号
【非特許文献1】Schermer,M.J.:マイクロアレイ検出における共焦スキャニング顕微鏡法:“DNAマイクロアレイ、実践的アプローチ”;Mark Schena(編集)、オックスフォード大学出版1999、17−42
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、多数の生物学的サンプルを格納し配置するための、前述のものに関する新しい格納ユニットを提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、独立の請求項1の特徴により達成され、実質的に水平なメインフットプリントと多数の格納コンパートメントを有する生物学的サンプルのための格納ユニットが開示される。これらの格納コンパートメントは、中間壁により相互に少なくとも部分的に分離され周辺フレームにより囲まれる。中間壁及び周辺フレームは、メインフットプリントに対して実質的に垂直に配置される。更に、格納コンパートメントは、第1の開口と第2の開口の両方を有する。格納コンパートメントは、バイオプシーカセットの形状、若しくはグラススライドの形状に調整され、保持手段を含み、該保持手段により、第1の開口及び/又は第2の開口を介して格納コンパートメントの中に挿入され実質的に鉛直に立つバイオプシーカセット若しくはガラススライドが、第1の開口及び/又は第2の開口を介して落ちてしまうことが防がれることを、本発明に係る格納ユニットは特徴とする。従属する請求項から、更なる好適で発明性のある特徴が生じている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る生物学的サンプルのための格納ユニットの長所には以下のような点がある。
【0012】
・生物学的サンプルを有するバイオプシーカセット若しくはガラススライドは、格納コンパートメントの中に自動的に挿入され得る。
・生物学的サンプルを有するバイオプシーカセット若しくはガラススライドは、格納コンパートメントから自動的に取り外され得る。
・生物学的サンプルを有するバイオプシーカセット若しくはガラススライドは、1つの格納コンパートメントから同一の格納ユニットの別の格納コンパートメントへ自動的に再配置され得る。
・生物学的サンプルを有するバイオプシーカセット若しくはガラススライドは、1つの格納コンパートメントから別の格納ユニットの別の格納コンパートメントへ自動的に再配置され得る。
・内部に又は表面に含まれる生物学的サンプルを有する個々のバイオプシーカセット及び個々のガラススライドは、他のサンプルに影響を与えることなく、個別にアドレス付けされ格納され自動的に提供され得る。
・内部に又は表面に含まれる生物学的サンプルを有するバイオプシーカセット及びガラススライドを自動的に格納して提供することは、実際に任意の温度で実施され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る格納ユニットの例示の形態を、模式的な図面に基づいて以下詳細に説明する。図面は本発明の範囲を限定するものではない。
【0014】
図1は、生物学的サンプルのための格納ユニット1を示し、該格納ユニット1はメインフットプリント2と多重格納コンパートメント3を有する。多重格納コンパートメント3は中間壁4によって互いに少なくとも部分的に分離され周辺フレーム5に囲まれる。中間壁4及び周辺フレーム5はメインフットプリント2に実質的に垂直に位置し、更に格納コンパートメント3は第1の開口6と第2の開口7を有する(図6及び図7参照)。格納コンパートメント3は、格納ユニット1内の全体高において、同一の、本質的に矩形断面プロフィールである。格納コンパートメント3は、バイオプシーカセット8の形状に調整され、該バイオプシーカセット8は、実質的に垂直に立つこれら格納コンパートメント3の中に第1の開口6若しくは第2の開口7を介して挿入され、面14の一方で立つ(図5C参照)。格納コンパートメント3は更に、保持手段9を含み、該保持手段9は片側面及び両側面クッション11として、実装される。保持手段9は、メインフットプリント2に対して実質的に垂直に位置し、摩擦固定を利用して、格納コンパートメント3内に挿入されるバイオプシーカセット8の支持表面12(図5A参照)又は鉛直表面13(図5B参照)に係合して実装される。この摩擦固定により、これらの実質的に垂直に挿入されるバイオプシーカセット8は、第1の開口6及び/又は第2の開口7を介して落ちることが防がれる(格納ユニット1のいずれにいずれの符号を付してもよい)。
【0015】
第1の実施形態によると、クッション11は、A1からA12の格納コンパートメントに示されるように、両側面に実装される。本発明に関連して、“両側面”は、“バイオプシーカセットに対して2方向に作用しそれらを圧する”ということを意味すると理解すべきである。これらのクッション11は、摩擦固定を利用して、格納コンパートメント3内に挿入されるバイオプシーカセット8の支持表面12に係合して実装され、これら格納コンパートメント3の中央に横切って走る縦方向軸16(A1〜A16の格納コンパートメント参照)上に位置する。(A7〜A12の)格納コンパートメントの列の両側面のクッション11は、これらの格納コンパートメント3を横切って走る2つの縦方向軸16上に位置する。格納ユニット1の安定性を向上するため、中央壁18を備えるのが好ましい。挿入されるバイオプシーカセット8には、ガイド薄板19による付加的なガイドが設けられる。これらのガイド薄板19は、メインフットプリント2に垂直であるのが好ましく、中央壁18、中間壁4、及び周辺フレーム5に、夫々位置するのが好ましい。これらのガイド薄板19は、支持壁から格納コンパートメント3の中に垂直に突起するのが好ましい。ガイド薄板19は、第1及び第2の開口6、7に向かって先細になり、挿入されるバイオプシーカセット8のための取り入れ口を形成するのが特に好ましい(図示せず)。
【0016】
第2の実施形態によると、クッション11は、B1からB12の格納コンパートメントに示されるように、片側面に実装される。本発明に関連して、“片側面”は、“バイオプシーカセットに対して1方向に作用しそれらを圧する”ということを意味すると理解すべきである。これらのクッション11は、摩擦固定を利用して、格納コンパートメント3内に挿入されるバイオプシーカセット8の鉛直表面13に係合して実装され、この格納コンパートメント3の中央に長手方向に走る横方向軸15上に位置する。
【0017】
図1に基づいて既に示したように、クッション11とガイド薄膜19の要素は、実際上任意で相互に選択されても及び/又は組み合わされてもよい。格納ユニット1のメインプリント2は、スタンダードマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントに、少なくとも概略対応するのが好ましい。
【0018】
図1に示す格納ユニット1内に、できるだけ多くのバイオプシーカセット8を収容するために、12個の格納コンパートメント3を有する2列夫々が実質的に垂直に立って配置され、メインフットプリント2に関して面14で立つバイオプシーカセット8が格納ユニット1の長手方向に対して横向きに配置される。このことにより、約9mmの間隔を為す選択された軸にて、格納ユニット1毎で全体で24個のカセット8ということになる。周辺フレーム5が狭ければ、この格納ユニット1内に更に2個のカセットが収容され得る。しかしながら、位置表示は相当により小さくなる、若しくは、消去されねばならない。
【0019】
図示するように、格納ユニット1は、方向付け補助として、2つの斜角コーナを有する。これらの方向付け補助は、一部若しくは全部、省かれてもよい。また、例えば、丸めコーナ、又は、ノッチ若しくは特別なレリーフ(図示せず)が施されたコーナによって、方向付け補助がなされてもよい。周辺フレームの外部表面にバーコードを付したり、例えば“RFIDタグ”などの無線周波数ラベルを付したりしてもよい。個別の、格納及び回収の識別コードを有するだけでなく、書き込み可能及び回収可能の付加的データメモリを含むRFIDタグは、特に好ましい。これらのRFIDタグへの機械的作用が懸念事項とならない格納ユニット1上若しくは内部の位置へ、これらRFIDタグを付することが好ましい。バーコードが、RFIDタグに対して選択的に又は付加的に用いられてもよく、1次元形態若しくは2次元形態で与えられてもよい。
【0020】
図2は、バイオプシーカセット8に適切な生物学的サンプルのための格納ユニット1の上面図を示す。該格納ユニット1では、実質的に垂直に立つバイオプシーカセット8がぎっしりとパックされ、格納ユニット1の長手方向に関して縦向きに配置される。この格納ユニット1も、メインフットプリント2及び多重格納コンパートメント3を含み、多重格納コンパートメント3は中間壁4によって互いに少なくとも部分的に分離され周辺フレーム5に囲まれる。中間壁4及び周辺フレーム5はメインフットプリント2に実質的に垂直に位置する。更に、これら格納コンパートメント3は第1の開口6と第2の開口7の両方を有する(図6及び図7参照)。格納コンパートメント3は、格納ユニット1内の全体高において、同一の、本質的に矩形断面プロフィールである。格納コンパートメント3は、バイオプシーカセット8の形状に調整され、該バイオプシーカセット8は、これら格納コンパートメント3の中に第1の開口6若しくは第2の開口7を介して挿入され、面14の一方で立つ(図5C参照)。格納コンパートメント3は更に、保持手段9を含み、該保持手段9は片側面及び両側面クッション11として、実装される。保持手段9は、メインフットプリント2に対して実質的に垂直に位置し、摩擦固定を利用して、格納コンパートメント3内に挿入されるバイオプシーカセット8の支持表面12(図5A参照)又は鉛直表面13(図5B参照)に係合して実装される。この摩擦固定により、これらの挿入されるバイオプシーカセット8は、第1の開口6及び/又は第2の開口7を介して落ちることが防がれる(格納ユニット1のいずれにいずれの符号を付してもよい)。クッション11は、片側面若しくは両側面として、実装されてもよい。
【0021】
格納コンパートメントA1、A8、B1、及びB8では、クッション11は周辺フレーム5に接して配置され、片側面で作用するように実装される。格納コンパートメントA2〜A7及びB2〜B7では、クッション11は中間壁4に接して配置され、両側面で作用するように配置される。格納コンパートメントC1〜C8及びD1〜D8では、クッション11は、周辺フレーム5若しくは中間壁4に接して配置され、夫々に応じて片側面で若しくは両側面で作用するように実装される。これらクッション11の全ては、摩擦固定を利用して、格納コンパートメント3内に挿入されるバイオプシーカセット8の支持表面12又は鉛直表面13に係合して実装される。これらの半分(格納コンパートメントA1〜A8及びB1〜B8参照)は、これら格納コンパートメント3の中央を横方向に走る横方向軸15に沿って配置される。他の半分(格納コンパートメントC1〜C8及びD1〜D8参照)は、これら格納コンパートメント3の中央を縦方向に走る縦方向軸16に沿って配置される。
【0022】
図示するように、中央壁の全て又は一部はクッション11により形成されてもよい。格納ユニット1の安定性を向上するために、強化された中央壁18(図示せず)を有してもよい。バイオプシーカセット8を非常に正確に配置せしめる、狭空間状況が存在するから、ガイド薄板19が省かれてもよい。図2に示す格納ユニット1内に、できるだけ多くのバイオプシーカセット8を収容するために、8個の格納コンパートメント3を有する4列夫々が配置され、メインフットプリント2に関して面14で立つバイオプシーカセット8が格納ユニット1の長手方向に対して縦向きに配置される。このことにより、約9mmの間隔を為す選択された軸にて、格納ユニット1毎で全体で32個のカセット8ということになる。周辺フレーム5が狭ければ、この格納ユニット1内に更に4個のカセットが収容され得る。しかしながら、位置表示は相当により小さくなる、若しくは、消去されねばならない。
【0023】
図3は、バイオプシーカセット8に適切な格納ユニット1の上面図を示す。該格納ユニット1では、実質的に垂直に立つバイオプシーカセット8が緩やかにパックされ、横向きに配置される。上述の2つの格納ユニット1と対照的に、挿入可能なバイオプシーカセット8の数は12個にまで減少され、より大きい体積を有するクッション11が利用される。更に、ガイド薄板19が省かれてもよい。格納ユニット1も、メインフットプリント2及び多重格納コンパートメント3を含み、多重格納コンパートメント3は中間壁4によって互いに少なくとも部分的に分離され周辺フレーム5に囲まれる。中間壁4及び周辺フレーム5も、メインフットプリント2に実質的に垂直に位置する。更に、格納コンパートメント3は第1の開口6と第2の開口7の両方を有する(図6及び図7参照)。格納コンパートメント3は、格納ユニット1内の全体高において、同一の、本質的に矩形断面プロフィールである。格納コンパートメント3は、バイオプシーカセット8の形状に調整され、該バイオプシーカセット8は、これら格納コンパートメント3の中に第1の開口6若しくは第2の開口7を介して挿入され、面14の一方で立つ(図5C参照)。この実施形態の目的は、挿入されるバイオプシーカセット8の寸法に対して、より大きい役割を果たす格納コンパートメント3を設けることである。更に、この実施形態の格納ユニット1により、バイオプシーカセット8の挿入は多少不正確となるが、これらバイオプシーカセット8は格納コンパートメント3内に確実に保持されることが保証される。格納ユニット1の安定性を向上するために、強化された中央壁8を有してもよい(図示せず)。
【0024】
片側面作用のクッション11が、格納コンパートメント1、10、11及び20内で周辺フレーム5に接して配置される。両側面作用のクッション11の全ては、中間壁の領域内に配置される。これらクッション11の全ては、摩擦固定を利用して、格納コンパートメント3内に挿入されるバイオプシーカセット8の支持表面12に係合して実装され、これら格納コンパートメント3に対して横方向に走る2本の縦方向軸16に沿って1列の格納コンパートメント(1〜10、及び、11〜20)で配置される。
【0025】
図4は、バイオプシーカセット8に適切な格納ユニット1の第2の上面図を示す。該格納ユニット1では、実質的に垂直に立つバイオプシーカセット8が緩やかにパックされ、横向きに配置される。図3と対照的に、クッション11は、断面が楕円でなく偏菱形として実装される。更に、クッションの最も顕著なポイントが、周辺フレーム5若しくは中央壁18から、格納コンパートメント3の長さの約4分の1の距離になるように、配置される。この構成により、挿入されるバイオプシーカセット8の寸法に対してより大きい役割を果たす格納コンパートメント3が設けられ得る。更に、この実施形態の格納ユニット1によっても、バイオプシーカセット8の挿入は多少不正確となるが、これらバイオプシーカセット8は格納コンパートメント3内に確実に保持されることが保証される。格納ユニット1の安定性を向上するために、強化された中央壁18(図示せず)を有してもよい。ここで中間壁4はクッション11により全面的に置き換えられており、このことにより、クッションのためのより大きいばね経路となっている。
【0026】
図3及び図4に示す格納コンパートメントの実施形態は挿入されたバイオプシーカセット8周囲により大きい空間を有するから、このタイプの格納ユニット1は、低温(−80°C)若しくは極低温(−196°C)を格納するのに特に適切である。このより大きい空間は、カセット周囲の媒体内の気体交換を向上し、これにより、該空間は、CO2冷却気体又は液体窒素により到達され更に冷却され得る。片側面若しくは両側面のクッション11は、実質的に格納コンパートメント3の全体高に渡って、同一の実効的な断面で延在するのが好ましく、第1の開口6及び第2の開口7の領域内で、開口として実装されるのが好ましい。これらクッションは更に通路を有してもよく、ネット状(図示せず)に実装されてもよい。
【0027】
図5A、図5B、図5Cは、先行技術からそれ自体周知の閉じられたバイオプシーカセットの図を示し、該バイオプシーカセットは、ポリプロピレンなどの射出成形プラスチックからなる。このカセットの内部は、通常、約30×25×5mmの寸法となる。図5Aは、バイオプシーカセット8のカバー27の支持表面12の上面図を示す。カバー27は多数のスロット33を有するが、そのうちの一部が図示されている。カバー27はヒンジ29を介してケージに接続し、該ケージ28の斜角面14aが右側に見られる。カバー上に形作られたタブ34により、カセットを手で開けることが容易になっている。タブが占拠していないバイオプシーカセット8のコーナでは、タブ34との共通レベルを画定するピン35が、配置される。
【0028】
図5Bは、バイオプシーカセット8のケージの鉛直表面13の図を示す。ヒンジ29及びピン35は、左側に示される。タブ34及び斜角前面14aは、右側に示される。カセット8の床36の線は、破線を用いて描かれている。
【0029】
図5Cは、バイオプシーカセット8のケージ28の斜角前面14aの図を示す。タブ34及びピン35は、カバー27の領域内に見られる。2次元バーコードが右側にプリントされている。カセットのカバー27(図示せず)と同じスロットパターンを含む床36のコースは、破線を利用して描かれている。
【0030】
図6は、スタンダードのマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントに対応するメインフットプリント2を有する登録されて相互に上下に位置する2つの格納ユニット1を介する垂直面を示す。バイオプシーカセット8は、この時点で正確に、上方格納ユニットから下方格納ユニットの中へ(メインフットプリント2に向かって)マニピュレータ23により少なくとも実質的に垂直に押し込まれている。マニピュレータ23は移動システム21のデバイス22の一部であり、このマニピュレータ23を利用して少なくとも2個の格納ユニット1が登録されて相互に上下に位置し相互に置き換えられ得る。図示される格納ユニット1は、共通の位置に配置され、そこにおいてこれら2個の格納ユニット1の相手方に対応する全ての格納コンパートメント3は、正確に交互に上下に位置される。これら2つの格納ユニット1の少なくとも一つは、上方格納ユニット1の任意の格納コンパートメント3が相互関係で正確に登録されて下方格納ユニット1の任意の格納コンパートメント3に割り当てられ得るように、デバイス22を利用して、交互関係で置き換えられ得る。これにより、好適な自動マニピュレータ23を特定の個別に選択された格納コンパートメント3の中に挿入し、その中に配置されたバイオプシーカセット8を第2の格納ユニット1の予め割り当てられた格納コンパートメント3の中に(メインフットプリント2に向かって)押し込むことが、容易となる。保持手段9と置換対象のバイオプシーカセット8との間の摩擦固定により生じる滑動抵抗によって、バイオプシーカセットが上方格納ユニット1から下方格納ユニット1へ移動した後も、バイオプシーカセットが落ちてしまうことがない。マニピュレータ23は、バイオプシーカセット8の前面の斜角面14aの形状に調整されるのが好ましく、バイオプシーカセット8の斜角面14a上での滑動を防ぐ摩擦増加コーティングを有してもよい(図5B参照)。
【0031】
図示するように、バイオプシーカセット8は、バイオプシーカセット8の前面の斜角面14aが上面となり適当な読み取りデバイスを利用して目測で若しくは自動的にこの方向から読み取りされ得るように、格納ユニット1の格納コンパートメント3内に実質的に垂直に挿入されるのが好ましい。RFIDタグが、バイオプシーカセット8の底部の終端スペース37内に収容されるのが好ましい。
【0032】
マニピュレータ23の図示する押し込み方向とは異なり、逆方向、例えば底部から上部へ(図示せず)動作してもよい。図6の例示に拘わらず、底部格納ユニットは、閉じられたフロア(図示せず)を有してもよく、バイオプシーカセット8のための収集ユニットとしてのみ利用されてもよい。従って、バイオプシーカセット8のため少なくとも一つの格納ユニット1を利用すれば十分に別の方法を実施可能である。即ち、その別の方法では、選択されたバイオプシーカセット8が、一つの格納ユニット1若しくは複数の格納ユニットから、バイオプシーカセット8のための収集ユニットへ、移動される。
【0033】
図7は、スタンダードのマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントから外れたメインフットプリント2を有する登録されて相互に上下に位置する2つの格納ユニットを介する垂直面を示す。バイオプシーカセット8は、この時点で正確に、上方格納ユニットから下方格納ユニットの中へ(メインフットプリント2から離れて)マニピュレータ23により少なくとも実質的に水平に押し込まれている。2つの格納ユニット1は、第2のフットプリント20の上に位置し、該第2のフットプリント20はメインフットプリント2に実質的に垂直に方向付けされている。ここで選択された図に拘わらず、これらの2つの格納ユニット1は、第2のフットプリント20と、スタンダードのマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントに対応するメインフットプリント2を有してもよい。
【0034】
マニピュレータ23は移動システム21のデバイス22の一部であり、このマニピュレータ23を利用して少なくとも2個の格納ユニット1が登録されて相互に上下に位置し相互に置き換えられ得る。図示される格納ユニット1は、共通の位置に配置され、そこにおいてこれら2個の格納ユニット1の相手方に対応しない格納コンパートメント3の一部は、正確に交互に上下に位置される。これら2つの格納ユニット1の少なくとも一つは、上方格納ユニット1の任意の格納コンパートメント3が相互関係で正確に登録されて下方格納ユニット1の任意の格納コンパートメント3に割り当てられるように、デバイス22を利用して、交互関係で置き換えられた。好適な自動マニピュレータ23が、特定の個別に選択された格納コンパートメント3の中に挿入され、その中に配置されたバイオプシーカセット8が別の格納ユニット1の予め割り当てられた格納コンパートメント3の中に(メインフットプリント2から離れて)押し込まれる。保持手段9と置換対象のバイオプシーカセット8との間の摩擦固定により生じる滑動抵抗によって、バイオプシーカセットが上方格納ユニット1から下方格納ユニット1へ移動した後も、バイオプシーカセットが落ちてしまうことがない。マニピュレータ23は、バイオプシーカセット8の背面の非斜角面14bの形状に調整されるのが好ましく、バイオプシーカセット8のこの面14b上での滑動を防ぐ摩擦増加コーティングを有してもよい。
【0035】
図示するように、バイオプシーカセット8は、バイオプシーカセット8の前面の斜角面14aが(メインフットプリント2から離れて)前面となり対応する読み取りデバイスを利用して目測で若しくは自動的にこの方向から読み取りされ得るように、格納ユニット1の格納コンパートメント3内に挿入されるのが好ましい。RFIDタグが、バイオプシーカセット8の底部の終端スペース37内に収容されるのが好ましい(図5B参照)。
【0036】
マニピュレータ23の図示する押し込み方向とは異なり、逆方向、例えば前面から背面へ(例えば、左から右へ、図示せず)動作してもよい。図7の例示に拘わらず、上方格納ユニットは、閉じられたフロア(図示せず)を有してもよく、バイオプシーカセット8のための収集ユニットとしてのみ利用されてもよい。
【0037】
図8は、ガラススライドに適切な格納ユニットの上面図を示す。ガラススライドは、ぎっしりと横向きにパックされ実質的に垂直に立ち(図8左部)、若しくは横方向に横たわる(図8右部)。これらの構成では、サンプル、即ち、例えば(病理学などからの)組織切片、(血液標本などの)細胞標本、若しくは(細胞培養などからの)細胞層が位置する目的キャリアの表面が、如何に立ち若しくは横たわるかは、原則的に重要ではない。いずれの場合も、ガラススライド30のサンプル領域は機械的に引っ張られないことが保証される。
【0038】
生物学的サンプルのためのこの格納ユニット1は、実質的に水平なメインフットプリント2と多重格納コンパートメント3を有し、該多重格納コンパートメント3は中間壁4により相互に少なくとも部分的に分離されており、周辺フレーム5に囲まれている。中間壁4及び周辺フレーム5は、メインフットプリント2に実質的に直交する。更に、これら格納コンパートメント3は、第1の開口6と第2の開口7の両方を有する。格納コンパートメント3は、ガラススライド30の形状に調整され、第1の開口6及び/又は第2の開口7を介して格納コンパートメント3の中に挿入されるガラススライド30が第1の開口6及び/又は第2の開口7を介して落ちてしまうことを防ぐ保持手段を含む。格納コンパートメント3は、実質的に矩形断面を有するのが好ましく、メインフットプリント2との関係で、長手端31に接して立って、若しくは表面32に横たわって、生物学的サンプルのための一つのガラススライドを夫々受けるように実装されているのが好ましい。
【0039】
保持手段9は、片側面の、及び両側面の薄板10を含むグループから、選択されるのが好ましい。本発明との関連において、“片側面”は、“一つのスライドに対して作用しそれらを圧する”ということを意味すると理解すべきである。“両側面”は、“2つのスライドに対して作用しそれらを圧する”ということを意味すると理解すべきである。保持手段9(ここでは薄板10)は、メインフットプリント2に実質的に垂直に走ってもよく(図8左部参照)、メインフットプリント2に実質的に平行に走ってもよい(図8右部参照)。
【0040】
メインフットプリント2に実質的に垂直に位置する薄板10は、格納コンパートメント3の中に実質的に垂直に挿入されるガラススライド30の表面32上に摩擦固定を利用して係合するように、実装される。この挿入されたグラススライド30は、この摩擦固定により、第1の開口6及び/又は第2の開口7(格納ユニット1のどちらの側がいずれの符号を付されてもよい)を介して落ちることが、防がれる。これら薄板10は、周辺フレーム5(図示せず。)、若しくは、メインフットプリント2に直交して延在するガイド薄板19が、始端となる。これらガイド薄板19は、中間壁4の機能を担い、従って格納コンパートメント3を相互に少なくとも部分的に分離する。薄板10は、グラススライド30のサンプル領域に到達しない程度で、十分に広く実装されるのが好ましい。薄板10は、グラススライド30に突き当たりガイド薄板19を弾力的に押しやり、これにより、グラススライド30はそれらの格納コンパートメント2内で確固として保持される。格納コンパートメント3の稠密なパッキングによって、好適には長手端31に接して実質的に垂直に立つ24若しくはそれ以上迄のグラススライド30が、単体の格納ユニット1に配置され得る。
【0041】
メインフットプリント2に実質的に平行に配置される薄板10は、格納コンパートメント3の中に挿入されるグラススライド30の表面32上を一部占めるように実装される。これらの挿入されたグラススライド30は、この部分的な接触により、第1の開口6及び/又は第2の開口7(格納ユニット1のどちらの側がいずれの符号を付されてもよい)を介して落ちることが、防がれる。薄板10は、この中間壁4の上部及び底部に接して形状付けられ若しくは(図示しないが、溶接若しくは接着により)それらに添付され、更にこれらの中間壁4を超えて両側に突出する(図10参照)。周辺フレーム5に配置される上部及び下部の薄板10は、中間壁4に添付される対応の薄板と同じ高さであるのが好ましい。しかしながら、薄板10は、グラススライド30のサンプル領域に到達しない程度で、十分に広く実装されるのが好ましい。薄板10はワンピースで実装され、格納コンパートメント3の一部長さを超えて延在するのが好ましい(図8参照)。しかしながら、それらは分割されてもよい(図示せず)。薄板10の別の構成では、格納コンパートメント3の逆側に配置される(図示せず)。例示の構成と別の構成の組合せであってもよい。水平の構成により、格納ユニット1内に4つまでのグラススライド30を格納できる。
【0042】
図9は、スタンダードのマイクロプレートのSPSスタンダードフットプリントに対応するメインフットプリント2を有する登録されて相互に上下に位置する3つの格納ユニットを介する垂直面を示す。1つの実質的に鉛直に立っているガラススライド30は、上方格納ユニットから中央格納ユニットの中へ(メインフットプリント2に向かって)第1のマニピュレータ23により正確に押し込まれ、1つのグラススライドは、同時に正確に下方格納ユニットから中央格納ユニットの中へ(メインフットプリント22から離れて)第2のマニピュレータ23により押し込まれる。
【0043】
マニピュレータ23は、移動システム21のデバイス22の一部であり、該移動システム21を利用して、少なくとも2つの格納ユニット1が登録されて相互に上下に配置され、相互の関係で置き換えられ得る。図示される格納ユニット1は、互いに対応するこれら2つの格納ユニット1の全ての格納コンパートメント3が相互に上下に正確に配置されている共通の位置内に、位置付けされる。上方格納ユニット1の任意の格納コンパートメント3は下方格納ユニット1の別の任意の格納コンパートメント3と直接に関連付けされて登録されて割り当てられるように、これら2つの格納ユニット1の少なくとも一方はデバイス22を利用して他方との関係で置換可能である。これにより、好適な自動マニピュレータ23を特定の個別に選択された格納コンパートメント3の中に挿入し、その中に配置されたガラススライド30を第2の格納ユニット1の予め割り当てられた格納コンパートメント3の中に(メインフットプリント2に向かって)押し込むことが、容易となる。保持手段9とガラススライド30との間の摩擦固定により生じる滑動抵抗によって、ガラススライドが上方格納ユニット1から下方格納ユニット1へ移動した後も、ガラススライドが落ちてしまうことがない。マニピュレータ23は、実質的に垂直に立つガラススライド30の形状に調整されるのが好ましく、更にガラススライド30の長手端31上での滑動を防ぐ摩擦増加コーティングを有してもよい。
【0044】
図9に示すように、ガラススライド30は、相互に(最小限でも)距離を保つように、格納ユニット1の格納コンパートメント3の中に挿入されて長手端31に接して実質的に垂直に立つのが好ましい。(例えば、バーコードマーキングの形態の)識別子24は、上方の長手端31に沿って、及び/又は、狭い側面上に配置されるグリップ領域38のこれら長手端の近位の領域内に(図8参照)、付され、これらは対応する読み取りデバイスを利用して目測で若しくは自動的に読み取られ得る。RFIDタグ39は、ガラススライド30のグリップ領域38内に添付されるのが好ましい(図8参照)。
【0045】
マニピュレータ23の第1の押し込み方向とは異なり、逆方向、例えば底部から上部へ動作してもよい。図9の例示に拘わらず、1つのみの格納ユニット1と収集ユニットとが利用されてもよく、収集ユニットは、上部若しくは底部に位置し、格納ユニット1から遠位の側面に閉じられたフロア(図示せず)を有し、ガラススライド30のための収集ユニットとしてのみ利用されてもよい。従って、ガラススライド30のため少なくとも一つの格納ユニット1を利用すれば十分に別の方法を実施可能である。即ち、その別の方法では、選択されたガラススライド30が、一つの格納ユニット1若しくは複数の格納ユニットから、ガラススライド30のための収集ユニットへ、移動される。
【0046】
図9に拘わらず、図7に示す構成に対応して、登録されて相互に上下に配置された2つの格納ユニット1は、付加的に又は選択的に、スタンダードマイクロプレートのSPS標準フットプリントから外れるメインフットプリント2を備えてもよい。これらの別の格納ユニット1はこの第2のフットプリント20上に立ち、メインフットプリント2に実質的に直交する方向とされる。好適な自動マニピュレータ23は、特定の個別に選択された格納コンパートメント3の中に挿入され、その中に配置されたガラススライド30を別の格納ユニット1の予め割り当てられた格納コンパートメント3の中に(メインフットプリント2から離れて)押しやる。保持手段9と置き換えられるガラススライド30との間の摩擦固定により生じる滑動抵抗により、移動された後でも、このガラススライド30がこの格納ユニット1から落ちることがない。マニピュレータ23の図示された押す方向ではなく、例えば左から右など(図示せず)、反対の方向であってもよい。上方格納ユニットは、閉じられたフロア若しくはカバー(図示せず)を有して、ガラススライド30のための収集ユニットとしてのみ利用されてもよい。
【0047】
図10は、3つの格納ユニット1を介する垂直面を示す。該格納ユニット1は登録されて相互に上下に配置され、スタンダードのマイクロプレートのSPSスタンダードフットプリントに対応するメインフットプリント2を有する。ここで、1つの実質的に水平に横たわるガラススライド30は、上方格納ユニットから中央格納ユニットの中へ(メインフットプリント2に向かって)垂直に第1のマニピュレータ23により押し込まれ、1つのグラススライドは、下方格納ユニットから中央格納ユニットの中へ(メインフットプリント22から離れて)第2のマニピュレータ23により押し込まれる。
【0048】
実質的に水平に横たわるスライド30が押されて移動する際、スライド30は、スライド10が最初に位置する格納ユニット1の最も側の薄板10に対して押しやられる。これらの薄板10は、もとの格納コンパートメント3の第1の開口6を圧縮するものであってもよい。しかしながら、これらの薄板10は、スライド30が上に存在し、もとの格納コンパートメント3の第2の開口を圧縮するものであってもよい。スライド30が更に動く際、これらの薄板はスライド30により弾力的に変形し、薄板10は弾力的に変形に従い、例えば摩擦固定で2つの長手端(図9参照)を一時的に押しやる。スライド30はこの滑動抵抗に対してマニピュレータ23により更に押しやられ、次の格納ユニット1の格納コンパートメント3を限定する薄板10も弾力的に変形に従い、摩擦固定でスライド30を一時的に押しやる。スライド30が上部から底部まで運ばれるのならば、スライド30は、変形されたばかりの薄板の影響範囲を離れると直ぐに、新しい格納ユニット1の支持薄板10上に落ちる。スライド30が底部から上部まで運ばれるのならば、スライド30は、上部に接する新しい格納コンパートメント3を圧縮する薄板10にまで更に動かされる。ここで、スライド30は、変形されたばかりの薄板の影響範囲を離れ、直ぐに該スライド30は実質的に垂直方向のもとの位置の中に跳ね返る。マニピュレータ23が下げられてもよく、そうすると、底部から上部へ運ばれたスライド30はスライド30を支持する新しい格納ユニット1の薄板10の上に横たわることになる。
【0049】
移動されるスライド30は、薄板10の滑動摩擦に抗して一方の格納ユニット1から他方の格納ユニットへ移動経路の少なくとも一部を動かされることになる。この滑動抵抗により、とりわけ上部から底部へ押しやられるスライド30を注意深く配置できる。マニピュレータ23は凹部39を有し、これにより、スライド30のサンプルは引っ張られることがない。マニピュレータ23は、スライド30の滑動抵抗を増し及び/又はスライド30に柔らかく弾力的に当たるために、押面40上にコーティングを有してもよい。
【0050】
1つの格納ユニット1から第2の格納ユニット1若しくは収集ユニットへバイオプシーカセット8を移動するための好適な移動システムはデバイス22を含むのが好ましく、該デバイス22を利用して、少なくとも2つの格納ユニット1、若しくは少なくとも1つの格納ユニット1及び1つの収集ユニットが、登録されて相互に上下に配置されてもよく、相互に関係で置き換えられてもよい。この移動システム21は、更にマニピュレータ23を含むのが好ましく、該マニピュレータ23を利用して、個別の格納コンパートメント3の中に挿入されるバイオプシーカセット8、若しくは個別の格納コンパートメント3n中に挿入されるグラススライド30が、1つの格納ユニット1から別の格納ユニット1若しくは収集ユニットの中へ押し込まれてもよい。
【0051】
第1の好適な移動システムでは、デバイス22は、相互に上下に位置する実質的に水平な複数面内に、少なくとも2つの格納ユニット1、若しくは少なくとも1つの格納ユニット1及び1つの収集ユニットを配置するための、デバイス22が実装される。更に、バイオプシーカセット8若しくはガラススライド30を、メインフットプリント2に対して実質的に垂直に押しやるための、若しくはメインフットプリント2から離して実質的に垂直に押し込むための、マニピュレータ23が実装される。
【0052】
第2の好適な移動システムでは、デバイス22は、相互に上下に位置する実質的に水平な複数面内に、少なくとも2つの格納ユニット1、若しくは少なくとも1つの格納ユニット1及び1つの収集ユニットを配置するための、デバイス22が実装される。更に、バイオプシーカセット8若しくはガラススライド30を、メインフットプリント2に対して実質的に水平に押しやるための、若しくはメインフットプリント2から離して実質的に水平に押し込むための、マニピュレータ23が実装される。
【0053】
この移動システム21は、更に、請求項1乃至請求項15のうちの一つに係る多数の格納ユニット1を格納するためのウエアハウスユニット25と、ロボット26とを含むのが好ましく、該ロボット26を利用して、この格納ユニット1はウエアハウスユニット25から取り外され得、及び/又はこのウエアハウスユニット25内に格納され得る。支持面17を有する保持装置27のアレイを含むウエアハウスユニット25が特に好ましく、これら保持装置27の支持面17は、メインフットプリント2、若しくは格納ユニット1の第2のフットプリント20に突き当たるように実装される。
【0054】
本発明に係る格納ユニット1及び、バイオプシーカセット8若しくはグラススライド30は、少なくとも一つの識別子24を含み、一意的な識別及び追跡のために該識別子としてRFIDタグ及びバーコードから選択される。本発明に係る格納ユニット1は、注入モールド方法で作成され、ポリカーボネート(PC)などを含むポリマ若しくは多重ポリマを含むのが好ましい。
【0055】
生物学的サンプルのための本発明に係る格納ユニット1の個別格納コンパートメント3内に配置されるバイオプシーカセット8若しくはガラススライド30を利用することには、多数の生物学的サンプルを格納し提供するという目的がある。個々の格納ユニット1は、メインフットプリント2及び多重格納コンパートメント3を含み、該格納コンパートメント3は、中間壁4により相互に少なくとも部分的に分離され、周辺フレーム5により囲まれる。更に、中間壁4及び周辺フレーム5はメインフットプリント2に実質的に垂直に配置され、これら格納コンパートメント3は第1の開口6及び第2の開口7の両方を有する。本発明に係る格納コンパートメント3は、バイオプシーカセット8若しくはガラススライド30の形状に調整される。本発明を用いることにより、バイオプシーカセット8若しくはガラススライド30は、第1の開口6若しくは第2の開口7を介して格納コンパートメント3の中に挿入され、該格納コンパートメント3は、挿入されたバイオプシーカセット8若しくはガラススライド30が第1の開口及び/又は第2の開口を介して落ちてしまうことを防ぐ保持手段9を有する。
【0056】
これらの格納ユニット1を自動操作し収容するために、格納ユニット1はメインフットプリント1を有するのが好ましく、該メインフットプリント1はスタンダードマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントに、少なくとも概略対応する。一つ又は複数のこれらのバイオプシーカセット8若しくはガラススライド30が、第1の格納ユニット1の対応する格納コンパートメント3から機械的に且つ自動的に取り外され、第2の格納ユニット1若しくは収集ユニットの選択された格納コンパートメント3の中に挿入されてもよい。2つのこれらの格納ユニット1が登録されて相互に上下に配置され、移動システム21のデバイス22を利用して相互に入れ替えられ、バイオプシーカセット8若しくはガラススライド30が、この移動システム21のマニピュレータ23を利用して上方格納ユニット1から下方に横たわる格納ユニット1若しくは収集ユニットの中に垂直に押しやられることが、好ましい。
【0057】
図示される薄板10、クッション11、及びガイド得スタイ19の組合せ及び変形は、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】バイオプシーカセットに適切な格納ユニットの上面図を示す。実質的に垂直に立つバイオプシーカセットは、横方向に位置してぎっしりとパックされる。
【図2】バイオプシーカセットに適切な格納ユニットの上面図を示す。実質的に垂直に立つバイオプシーカセットは、縦方向に位置してぎっしりとパックされる。
【図3】バイオプシーカセットに適切な格納ユニットの第1の上面図を示す。実質的に垂直に立つバイオプシーカセットは、横方向に位置して緩やかにパックされる。
【図4】バイオプシーカセットに適切な格納ユニットの第2の上面図を示す。実質的に垂直に立つバイオプシーカセットは、横方向に位置して緩やかにパックされる。
【図5A】先行技術からそれ自体周知の閉じられたバイオプシーカセットの図であって、バイオプシーカセットの支持表面の上面を示す。
【図5B】先行技術からそれ自体周知の閉じられたバイオプシーカセットの図であって、バイオプシーカセットのケージの垂直表面の図を示す。
【図5C】先行技術からそれ自体周知の閉じられたバイオプシーカセットの図であって、バイオプシーカセットのケージの前面の図を示す。
【図6】スタンダードのマイクロプレートのSPSスタンダードフットプリントを有する登録されて相互に上下に位置する2つの格納ユニットを介する垂直面を示す。バイオプシーカセットは、上方格納ユニットから下方格納ユニットへ垂直に押し込まれる。
【図7】登録されて相互に上下に位置する2つの格納ユニットを介する垂直面を示す。バイオプシーカセットは、上方格納ユニットから下方格納ユニットへ水平に押し込まれる。
【図8】ガラススライドに適切な格納ユニットの上面図を示す。ガラススライドは、ぎっしりと横向きにパックされ実質的に垂直に立ち、若しくは横方向に横たわる。
【図9】スタンダードのマイクロプレートのSPSスタンダードフットプリントを有する登録されて相互に上下に位置する3つの格納ユニットを介する垂直面を示す。立っているガラススライドは、上方格納ユニットから中央格納ユニットへ、下方格納ユニットから中央格納ユニットへ垂直に押し込まれる。
【図10】スタンダードのマイクロプレートのSPSスタンダードフットプリントを有する登録されて相互に上下に位置する3つの格納ユニットを介する垂直面を示す。横たわっているガラススライドは、上方格納ユニットから中央格納ユニットへ、下方格納ユニットから中央格納ユニットへ垂直に押し込まれる。
【符号の説明】
【0059】
1 格納ユニット、
2 メインフットプリント、
3 格納コンパートメント、
4 中間壁、
5 周辺フレーム、
6 第1の開口、
7 第2の開口、
8 バイオプシーカセット、
9 保持手段、
10 薄板、
11 クッション、
12 支持表面、
13 鉛直表面、
14 面(14a、14b)、
15 横方向軸、
16 縦方向軸、
17 支持面、
18 中央壁、
19 ガイド薄板、
20 第2のフットプリント、
21 システム、
22 デバイス、
23 マニピュレータ、
24 識別子、
25 ウエアハウスユニット、
26 ロボット、
27 カバー、
28 ケージ、
29 ヒンジ、
30 ガラススライド、
31 長手端、
32 表面、
33 スロット、
34 タブ、
35 ピン、
36 フロア、
37 終端スペース、
38 グリップ領域、
39 凹部、
40 押面。
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2006年3月2日出願のスイス国特許出願第CH0332/06号の優先権を主張するものであり、その開示内容の全体は、あらゆる意図及び目的のために、明示的に参照されて本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、独立の請求項1のプレミアンブル部分に係る生物学的サンプルのための格納ユニットに関し、該格納ユニットは本質的に水平のメインフットプリント及び多重格納コンパートメントを有し、該多重格納コンパートメントは中間壁により相互に少なくとも部分的に分離され周辺フレームに囲まれ、中間壁及び周辺フレームはメインフットプリントに本質的に垂直に配置され、これら格納コンパートメントは第1の開口と第2の開口の両方を有する。更に、本発明は請求項16のプレミアンブル部分に係る移動システムに関し、該システムはデバイスを含み、該デバイスを利用して少なくとも2つの上記格納ユニットが一つの頂部の上に一つというように記録されて配置され得、相互の関係で置換され得る。
【0003】
更に、本発明は、多数の生物学的サンプルを格納し配置するため、生物学的サンプルのための格納ユニットの個々の格納コンパートメント内に配置されたバイオプシーカセット又はガラススライドに関する請求項22のプレミアンブルに係る利用に関する。個々の格納ユニットは本質的に水平のフットプリント及び多重格納コンパートメントを含み、該多重格納コンパートメントは中間壁により相互に少なくとも部分的に分離され周辺フレームに囲まれる。中間壁及び周辺フレームはメインフットプリントに本質的に垂直に配置される。更に、これら格納コンパートメントは第1の開口と第2の開口の両方を有する。
【背景技術】
【0004】
生物学的研究室では、特に、大学又は病院の病理学機関の研究室では、生物学的サンプル、例えば、バイオプシーにより獲得される組織サンプルは、カセット内の組織片として、又はガラススライド内の薄片として、格納されることが多い。そのようなカセット及びガラススライドの選択は、例えば“THRMO SHANDON”により提供される。これらのカセットは、通常、縦方向に閉じられた側壁と格子状に穴開けされた下方支持面とを有する平坦な立方形サンプルを含む。上方格納面には、通常、スナップクロージャを有するヒンジカバーが設けられ、該スナップクロージャはジョイント部を介してサンプルケージに接続し格子状に穴開けされている。これらのサンプルは、例えばパラフィンで通常埋め込まれており(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3など参照)、室温で、冷蔵庫内で(約4°Cで)、冷凍庫で(約−18°Cで)、固体CO2の環境のより低温で(約−80°Cで)、又は液体窒素の更なる低温で(約−196°Cで)、格納される。100万とはならなくとも何10万にも達する多数のこのようなサンプルでは、特定サンプルを見つけることが困難である。格納温度が低くなる程、このようにみつけることはより困難になる。液体窒素容器から一つのサンプルを正確に目標を定めて取り出すことは、通常不可能である。通常、多数のサンプルを含む容器は、所望のサンプルが選択され得るように窒素のタンクから引き出されなくてはならない。このことは、選択されない他のサンプルの完全性及び品質も多かれ少なかれ変動する時間浪費プロセスである。
【0005】
サンプルのジョイント格納は、通常、病理学の疑問のための問題を表すものではなく、“キャリーオーバー”による近隣サンプルの汚れは通常無視され得る。(特に室温における)このようなカセット及びガラススライドを格納し配置する容器の選択(特許文献4参照)も、“THRMO SHANDON”により提供される。凍結サンプルによるタンパク質研究に関する大学研究室及び製薬産業は、この点に関して全く異なる要求を有している。
【0006】
製薬研究にて、化学的若しくは生化学的化合物は、潜在的な製薬事業のために、日常的に試験される。この目的のために、多数のサンプルが短時間内に与えられなければならない。製薬研究の研究室では、微小管が利用され、該微小管は十分な量の特定物質を含む。莫大な数の微小管をできるだけ経済的に処理することができるために、微小管は“微小管クラスタラック”内にパックされている。ロボット処理のために、“SBSフットプリント”として言及されることの多いSBSスタンダード(SBS;生体分子スクリーニングのためのスタンダード)に係るマイクロプレートのフットプリントに対応するフットプリントを有するラックが、特に好ましい。一方で、このスタンダードは、ANSI(米国規格協会)によりANSI/SBS1−2004として正規化されている。96若しくは384の微小管を有する微小管クラスタラックは、例えば、商号REMP Tube Technology(登録商標)の下で、公知である。
【0007】
パラフィン内に埋め込まれた、固定サンプルの薄切片は、例えば、通常ガラススライドに貼付され、病理学の光学顕微鏡を用いて評価される。以下の表1は、最も一般的なガラススライド及び寸法の概説を与える。
【表1】
(テーブル:非特許文献1参照)
【0008】
本出願は、商号REMP Tube Technology(登録商標)の下で、96又は384微小管を有する微小管クラスタラックを分配する。サンプルチューブは少なくとも2つのラックにつき一つの頂部にもう一つを載せて配置され、更にサンプルチューブは下方ラックの対応配置のレセプタクルキャビティへのマニピュレータを用いて上方ラックから押されるという点で、これらは、本質的に他の先行技術のラック及び微小管と異なる。逆に言うと、この移転プロセスは、上方ラックの対応配置のレセプタクルキャビティへの下方キャビティからのマニピュレータを用いて、サンプルチューブを押すことによっても、実施され得る(例えば、特許文献5、若しくは特許文献6参照)。
【特許文献1】米国特許第5665398号
【特許文献2】米国特許第5968436号
【特許文献3】独国特許公開第4306310A1号
【特許文献4】欧州特許公開第1148372A2号
【特許文献5】欧州特許公開第0904841B1号
【特許文献6】米国特許第6827907B2号
【非特許文献1】Schermer,M.J.:マイクロアレイ検出における共焦スキャニング顕微鏡法:“DNAマイクロアレイ、実践的アプローチ”;Mark Schena(編集)、オックスフォード大学出版1999、17−42
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、多数の生物学的サンプルを格納し配置するための、前述のものに関する新しい格納ユニットを提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、独立の請求項1の特徴により達成され、実質的に水平なメインフットプリントと多数の格納コンパートメントを有する生物学的サンプルのための格納ユニットが開示される。これらの格納コンパートメントは、中間壁により相互に少なくとも部分的に分離され周辺フレームにより囲まれる。中間壁及び周辺フレームは、メインフットプリントに対して実質的に垂直に配置される。更に、格納コンパートメントは、第1の開口と第2の開口の両方を有する。格納コンパートメントは、バイオプシーカセットの形状、若しくはグラススライドの形状に調整され、保持手段を含み、該保持手段により、第1の開口及び/又は第2の開口を介して格納コンパートメントの中に挿入され実質的に鉛直に立つバイオプシーカセット若しくはガラススライドが、第1の開口及び/又は第2の開口を介して落ちてしまうことが防がれることを、本発明に係る格納ユニットは特徴とする。従属する請求項から、更なる好適で発明性のある特徴が生じている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る生物学的サンプルのための格納ユニットの長所には以下のような点がある。
【0012】
・生物学的サンプルを有するバイオプシーカセット若しくはガラススライドは、格納コンパートメントの中に自動的に挿入され得る。
・生物学的サンプルを有するバイオプシーカセット若しくはガラススライドは、格納コンパートメントから自動的に取り外され得る。
・生物学的サンプルを有するバイオプシーカセット若しくはガラススライドは、1つの格納コンパートメントから同一の格納ユニットの別の格納コンパートメントへ自動的に再配置され得る。
・生物学的サンプルを有するバイオプシーカセット若しくはガラススライドは、1つの格納コンパートメントから別の格納ユニットの別の格納コンパートメントへ自動的に再配置され得る。
・内部に又は表面に含まれる生物学的サンプルを有する個々のバイオプシーカセット及び個々のガラススライドは、他のサンプルに影響を与えることなく、個別にアドレス付けされ格納され自動的に提供され得る。
・内部に又は表面に含まれる生物学的サンプルを有するバイオプシーカセット及びガラススライドを自動的に格納して提供することは、実際に任意の温度で実施され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る格納ユニットの例示の形態を、模式的な図面に基づいて以下詳細に説明する。図面は本発明の範囲を限定するものではない。
【0014】
図1は、生物学的サンプルのための格納ユニット1を示し、該格納ユニット1はメインフットプリント2と多重格納コンパートメント3を有する。多重格納コンパートメント3は中間壁4によって互いに少なくとも部分的に分離され周辺フレーム5に囲まれる。中間壁4及び周辺フレーム5はメインフットプリント2に実質的に垂直に位置し、更に格納コンパートメント3は第1の開口6と第2の開口7を有する(図6及び図7参照)。格納コンパートメント3は、格納ユニット1内の全体高において、同一の、本質的に矩形断面プロフィールである。格納コンパートメント3は、バイオプシーカセット8の形状に調整され、該バイオプシーカセット8は、実質的に垂直に立つこれら格納コンパートメント3の中に第1の開口6若しくは第2の開口7を介して挿入され、面14の一方で立つ(図5C参照)。格納コンパートメント3は更に、保持手段9を含み、該保持手段9は片側面及び両側面クッション11として、実装される。保持手段9は、メインフットプリント2に対して実質的に垂直に位置し、摩擦固定を利用して、格納コンパートメント3内に挿入されるバイオプシーカセット8の支持表面12(図5A参照)又は鉛直表面13(図5B参照)に係合して実装される。この摩擦固定により、これらの実質的に垂直に挿入されるバイオプシーカセット8は、第1の開口6及び/又は第2の開口7を介して落ちることが防がれる(格納ユニット1のいずれにいずれの符号を付してもよい)。
【0015】
第1の実施形態によると、クッション11は、A1からA12の格納コンパートメントに示されるように、両側面に実装される。本発明に関連して、“両側面”は、“バイオプシーカセットに対して2方向に作用しそれらを圧する”ということを意味すると理解すべきである。これらのクッション11は、摩擦固定を利用して、格納コンパートメント3内に挿入されるバイオプシーカセット8の支持表面12に係合して実装され、これら格納コンパートメント3の中央に横切って走る縦方向軸16(A1〜A16の格納コンパートメント参照)上に位置する。(A7〜A12の)格納コンパートメントの列の両側面のクッション11は、これらの格納コンパートメント3を横切って走る2つの縦方向軸16上に位置する。格納ユニット1の安定性を向上するため、中央壁18を備えるのが好ましい。挿入されるバイオプシーカセット8には、ガイド薄板19による付加的なガイドが設けられる。これらのガイド薄板19は、メインフットプリント2に垂直であるのが好ましく、中央壁18、中間壁4、及び周辺フレーム5に、夫々位置するのが好ましい。これらのガイド薄板19は、支持壁から格納コンパートメント3の中に垂直に突起するのが好ましい。ガイド薄板19は、第1及び第2の開口6、7に向かって先細になり、挿入されるバイオプシーカセット8のための取り入れ口を形成するのが特に好ましい(図示せず)。
【0016】
第2の実施形態によると、クッション11は、B1からB12の格納コンパートメントに示されるように、片側面に実装される。本発明に関連して、“片側面”は、“バイオプシーカセットに対して1方向に作用しそれらを圧する”ということを意味すると理解すべきである。これらのクッション11は、摩擦固定を利用して、格納コンパートメント3内に挿入されるバイオプシーカセット8の鉛直表面13に係合して実装され、この格納コンパートメント3の中央に長手方向に走る横方向軸15上に位置する。
【0017】
図1に基づいて既に示したように、クッション11とガイド薄膜19の要素は、実際上任意で相互に選択されても及び/又は組み合わされてもよい。格納ユニット1のメインプリント2は、スタンダードマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントに、少なくとも概略対応するのが好ましい。
【0018】
図1に示す格納ユニット1内に、できるだけ多くのバイオプシーカセット8を収容するために、12個の格納コンパートメント3を有する2列夫々が実質的に垂直に立って配置され、メインフットプリント2に関して面14で立つバイオプシーカセット8が格納ユニット1の長手方向に対して横向きに配置される。このことにより、約9mmの間隔を為す選択された軸にて、格納ユニット1毎で全体で24個のカセット8ということになる。周辺フレーム5が狭ければ、この格納ユニット1内に更に2個のカセットが収容され得る。しかしながら、位置表示は相当により小さくなる、若しくは、消去されねばならない。
【0019】
図示するように、格納ユニット1は、方向付け補助として、2つの斜角コーナを有する。これらの方向付け補助は、一部若しくは全部、省かれてもよい。また、例えば、丸めコーナ、又は、ノッチ若しくは特別なレリーフ(図示せず)が施されたコーナによって、方向付け補助がなされてもよい。周辺フレームの外部表面にバーコードを付したり、例えば“RFIDタグ”などの無線周波数ラベルを付したりしてもよい。個別の、格納及び回収の識別コードを有するだけでなく、書き込み可能及び回収可能の付加的データメモリを含むRFIDタグは、特に好ましい。これらのRFIDタグへの機械的作用が懸念事項とならない格納ユニット1上若しくは内部の位置へ、これらRFIDタグを付することが好ましい。バーコードが、RFIDタグに対して選択的に又は付加的に用いられてもよく、1次元形態若しくは2次元形態で与えられてもよい。
【0020】
図2は、バイオプシーカセット8に適切な生物学的サンプルのための格納ユニット1の上面図を示す。該格納ユニット1では、実質的に垂直に立つバイオプシーカセット8がぎっしりとパックされ、格納ユニット1の長手方向に関して縦向きに配置される。この格納ユニット1も、メインフットプリント2及び多重格納コンパートメント3を含み、多重格納コンパートメント3は中間壁4によって互いに少なくとも部分的に分離され周辺フレーム5に囲まれる。中間壁4及び周辺フレーム5はメインフットプリント2に実質的に垂直に位置する。更に、これら格納コンパートメント3は第1の開口6と第2の開口7の両方を有する(図6及び図7参照)。格納コンパートメント3は、格納ユニット1内の全体高において、同一の、本質的に矩形断面プロフィールである。格納コンパートメント3は、バイオプシーカセット8の形状に調整され、該バイオプシーカセット8は、これら格納コンパートメント3の中に第1の開口6若しくは第2の開口7を介して挿入され、面14の一方で立つ(図5C参照)。格納コンパートメント3は更に、保持手段9を含み、該保持手段9は片側面及び両側面クッション11として、実装される。保持手段9は、メインフットプリント2に対して実質的に垂直に位置し、摩擦固定を利用して、格納コンパートメント3内に挿入されるバイオプシーカセット8の支持表面12(図5A参照)又は鉛直表面13(図5B参照)に係合して実装される。この摩擦固定により、これらの挿入されるバイオプシーカセット8は、第1の開口6及び/又は第2の開口7を介して落ちることが防がれる(格納ユニット1のいずれにいずれの符号を付してもよい)。クッション11は、片側面若しくは両側面として、実装されてもよい。
【0021】
格納コンパートメントA1、A8、B1、及びB8では、クッション11は周辺フレーム5に接して配置され、片側面で作用するように実装される。格納コンパートメントA2〜A7及びB2〜B7では、クッション11は中間壁4に接して配置され、両側面で作用するように配置される。格納コンパートメントC1〜C8及びD1〜D8では、クッション11は、周辺フレーム5若しくは中間壁4に接して配置され、夫々に応じて片側面で若しくは両側面で作用するように実装される。これらクッション11の全ては、摩擦固定を利用して、格納コンパートメント3内に挿入されるバイオプシーカセット8の支持表面12又は鉛直表面13に係合して実装される。これらの半分(格納コンパートメントA1〜A8及びB1〜B8参照)は、これら格納コンパートメント3の中央を横方向に走る横方向軸15に沿って配置される。他の半分(格納コンパートメントC1〜C8及びD1〜D8参照)は、これら格納コンパートメント3の中央を縦方向に走る縦方向軸16に沿って配置される。
【0022】
図示するように、中央壁の全て又は一部はクッション11により形成されてもよい。格納ユニット1の安定性を向上するために、強化された中央壁18(図示せず)を有してもよい。バイオプシーカセット8を非常に正確に配置せしめる、狭空間状況が存在するから、ガイド薄板19が省かれてもよい。図2に示す格納ユニット1内に、できるだけ多くのバイオプシーカセット8を収容するために、8個の格納コンパートメント3を有する4列夫々が配置され、メインフットプリント2に関して面14で立つバイオプシーカセット8が格納ユニット1の長手方向に対して縦向きに配置される。このことにより、約9mmの間隔を為す選択された軸にて、格納ユニット1毎で全体で32個のカセット8ということになる。周辺フレーム5が狭ければ、この格納ユニット1内に更に4個のカセットが収容され得る。しかしながら、位置表示は相当により小さくなる、若しくは、消去されねばならない。
【0023】
図3は、バイオプシーカセット8に適切な格納ユニット1の上面図を示す。該格納ユニット1では、実質的に垂直に立つバイオプシーカセット8が緩やかにパックされ、横向きに配置される。上述の2つの格納ユニット1と対照的に、挿入可能なバイオプシーカセット8の数は12個にまで減少され、より大きい体積を有するクッション11が利用される。更に、ガイド薄板19が省かれてもよい。格納ユニット1も、メインフットプリント2及び多重格納コンパートメント3を含み、多重格納コンパートメント3は中間壁4によって互いに少なくとも部分的に分離され周辺フレーム5に囲まれる。中間壁4及び周辺フレーム5も、メインフットプリント2に実質的に垂直に位置する。更に、格納コンパートメント3は第1の開口6と第2の開口7の両方を有する(図6及び図7参照)。格納コンパートメント3は、格納ユニット1内の全体高において、同一の、本質的に矩形断面プロフィールである。格納コンパートメント3は、バイオプシーカセット8の形状に調整され、該バイオプシーカセット8は、これら格納コンパートメント3の中に第1の開口6若しくは第2の開口7を介して挿入され、面14の一方で立つ(図5C参照)。この実施形態の目的は、挿入されるバイオプシーカセット8の寸法に対して、より大きい役割を果たす格納コンパートメント3を設けることである。更に、この実施形態の格納ユニット1により、バイオプシーカセット8の挿入は多少不正確となるが、これらバイオプシーカセット8は格納コンパートメント3内に確実に保持されることが保証される。格納ユニット1の安定性を向上するために、強化された中央壁8を有してもよい(図示せず)。
【0024】
片側面作用のクッション11が、格納コンパートメント1、10、11及び20内で周辺フレーム5に接して配置される。両側面作用のクッション11の全ては、中間壁の領域内に配置される。これらクッション11の全ては、摩擦固定を利用して、格納コンパートメント3内に挿入されるバイオプシーカセット8の支持表面12に係合して実装され、これら格納コンパートメント3に対して横方向に走る2本の縦方向軸16に沿って1列の格納コンパートメント(1〜10、及び、11〜20)で配置される。
【0025】
図4は、バイオプシーカセット8に適切な格納ユニット1の第2の上面図を示す。該格納ユニット1では、実質的に垂直に立つバイオプシーカセット8が緩やかにパックされ、横向きに配置される。図3と対照的に、クッション11は、断面が楕円でなく偏菱形として実装される。更に、クッションの最も顕著なポイントが、周辺フレーム5若しくは中央壁18から、格納コンパートメント3の長さの約4分の1の距離になるように、配置される。この構成により、挿入されるバイオプシーカセット8の寸法に対してより大きい役割を果たす格納コンパートメント3が設けられ得る。更に、この実施形態の格納ユニット1によっても、バイオプシーカセット8の挿入は多少不正確となるが、これらバイオプシーカセット8は格納コンパートメント3内に確実に保持されることが保証される。格納ユニット1の安定性を向上するために、強化された中央壁18(図示せず)を有してもよい。ここで中間壁4はクッション11により全面的に置き換えられており、このことにより、クッションのためのより大きいばね経路となっている。
【0026】
図3及び図4に示す格納コンパートメントの実施形態は挿入されたバイオプシーカセット8周囲により大きい空間を有するから、このタイプの格納ユニット1は、低温(−80°C)若しくは極低温(−196°C)を格納するのに特に適切である。このより大きい空間は、カセット周囲の媒体内の気体交換を向上し、これにより、該空間は、CO2冷却気体又は液体窒素により到達され更に冷却され得る。片側面若しくは両側面のクッション11は、実質的に格納コンパートメント3の全体高に渡って、同一の実効的な断面で延在するのが好ましく、第1の開口6及び第2の開口7の領域内で、開口として実装されるのが好ましい。これらクッションは更に通路を有してもよく、ネット状(図示せず)に実装されてもよい。
【0027】
図5A、図5B、図5Cは、先行技術からそれ自体周知の閉じられたバイオプシーカセットの図を示し、該バイオプシーカセットは、ポリプロピレンなどの射出成形プラスチックからなる。このカセットの内部は、通常、約30×25×5mmの寸法となる。図5Aは、バイオプシーカセット8のカバー27の支持表面12の上面図を示す。カバー27は多数のスロット33を有するが、そのうちの一部が図示されている。カバー27はヒンジ29を介してケージに接続し、該ケージ28の斜角面14aが右側に見られる。カバー上に形作られたタブ34により、カセットを手で開けることが容易になっている。タブが占拠していないバイオプシーカセット8のコーナでは、タブ34との共通レベルを画定するピン35が、配置される。
【0028】
図5Bは、バイオプシーカセット8のケージの鉛直表面13の図を示す。ヒンジ29及びピン35は、左側に示される。タブ34及び斜角前面14aは、右側に示される。カセット8の床36の線は、破線を用いて描かれている。
【0029】
図5Cは、バイオプシーカセット8のケージ28の斜角前面14aの図を示す。タブ34及びピン35は、カバー27の領域内に見られる。2次元バーコードが右側にプリントされている。カセットのカバー27(図示せず)と同じスロットパターンを含む床36のコースは、破線を利用して描かれている。
【0030】
図6は、スタンダードのマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントに対応するメインフットプリント2を有する登録されて相互に上下に位置する2つの格納ユニット1を介する垂直面を示す。バイオプシーカセット8は、この時点で正確に、上方格納ユニットから下方格納ユニットの中へ(メインフットプリント2に向かって)マニピュレータ23により少なくとも実質的に垂直に押し込まれている。マニピュレータ23は移動システム21のデバイス22の一部であり、このマニピュレータ23を利用して少なくとも2個の格納ユニット1が登録されて相互に上下に位置し相互に置き換えられ得る。図示される格納ユニット1は、共通の位置に配置され、そこにおいてこれら2個の格納ユニット1の相手方に対応する全ての格納コンパートメント3は、正確に交互に上下に位置される。これら2つの格納ユニット1の少なくとも一つは、上方格納ユニット1の任意の格納コンパートメント3が相互関係で正確に登録されて下方格納ユニット1の任意の格納コンパートメント3に割り当てられ得るように、デバイス22を利用して、交互関係で置き換えられ得る。これにより、好適な自動マニピュレータ23を特定の個別に選択された格納コンパートメント3の中に挿入し、その中に配置されたバイオプシーカセット8を第2の格納ユニット1の予め割り当てられた格納コンパートメント3の中に(メインフットプリント2に向かって)押し込むことが、容易となる。保持手段9と置換対象のバイオプシーカセット8との間の摩擦固定により生じる滑動抵抗によって、バイオプシーカセットが上方格納ユニット1から下方格納ユニット1へ移動した後も、バイオプシーカセットが落ちてしまうことがない。マニピュレータ23は、バイオプシーカセット8の前面の斜角面14aの形状に調整されるのが好ましく、バイオプシーカセット8の斜角面14a上での滑動を防ぐ摩擦増加コーティングを有してもよい(図5B参照)。
【0031】
図示するように、バイオプシーカセット8は、バイオプシーカセット8の前面の斜角面14aが上面となり適当な読み取りデバイスを利用して目測で若しくは自動的にこの方向から読み取りされ得るように、格納ユニット1の格納コンパートメント3内に実質的に垂直に挿入されるのが好ましい。RFIDタグが、バイオプシーカセット8の底部の終端スペース37内に収容されるのが好ましい。
【0032】
マニピュレータ23の図示する押し込み方向とは異なり、逆方向、例えば底部から上部へ(図示せず)動作してもよい。図6の例示に拘わらず、底部格納ユニットは、閉じられたフロア(図示せず)を有してもよく、バイオプシーカセット8のための収集ユニットとしてのみ利用されてもよい。従って、バイオプシーカセット8のため少なくとも一つの格納ユニット1を利用すれば十分に別の方法を実施可能である。即ち、その別の方法では、選択されたバイオプシーカセット8が、一つの格納ユニット1若しくは複数の格納ユニットから、バイオプシーカセット8のための収集ユニットへ、移動される。
【0033】
図7は、スタンダードのマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントから外れたメインフットプリント2を有する登録されて相互に上下に位置する2つの格納ユニットを介する垂直面を示す。バイオプシーカセット8は、この時点で正確に、上方格納ユニットから下方格納ユニットの中へ(メインフットプリント2から離れて)マニピュレータ23により少なくとも実質的に水平に押し込まれている。2つの格納ユニット1は、第2のフットプリント20の上に位置し、該第2のフットプリント20はメインフットプリント2に実質的に垂直に方向付けされている。ここで選択された図に拘わらず、これらの2つの格納ユニット1は、第2のフットプリント20と、スタンダードのマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントに対応するメインフットプリント2を有してもよい。
【0034】
マニピュレータ23は移動システム21のデバイス22の一部であり、このマニピュレータ23を利用して少なくとも2個の格納ユニット1が登録されて相互に上下に位置し相互に置き換えられ得る。図示される格納ユニット1は、共通の位置に配置され、そこにおいてこれら2個の格納ユニット1の相手方に対応しない格納コンパートメント3の一部は、正確に交互に上下に位置される。これら2つの格納ユニット1の少なくとも一つは、上方格納ユニット1の任意の格納コンパートメント3が相互関係で正確に登録されて下方格納ユニット1の任意の格納コンパートメント3に割り当てられるように、デバイス22を利用して、交互関係で置き換えられた。好適な自動マニピュレータ23が、特定の個別に選択された格納コンパートメント3の中に挿入され、その中に配置されたバイオプシーカセット8が別の格納ユニット1の予め割り当てられた格納コンパートメント3の中に(メインフットプリント2から離れて)押し込まれる。保持手段9と置換対象のバイオプシーカセット8との間の摩擦固定により生じる滑動抵抗によって、バイオプシーカセットが上方格納ユニット1から下方格納ユニット1へ移動した後も、バイオプシーカセットが落ちてしまうことがない。マニピュレータ23は、バイオプシーカセット8の背面の非斜角面14bの形状に調整されるのが好ましく、バイオプシーカセット8のこの面14b上での滑動を防ぐ摩擦増加コーティングを有してもよい。
【0035】
図示するように、バイオプシーカセット8は、バイオプシーカセット8の前面の斜角面14aが(メインフットプリント2から離れて)前面となり対応する読み取りデバイスを利用して目測で若しくは自動的にこの方向から読み取りされ得るように、格納ユニット1の格納コンパートメント3内に挿入されるのが好ましい。RFIDタグが、バイオプシーカセット8の底部の終端スペース37内に収容されるのが好ましい(図5B参照)。
【0036】
マニピュレータ23の図示する押し込み方向とは異なり、逆方向、例えば前面から背面へ(例えば、左から右へ、図示せず)動作してもよい。図7の例示に拘わらず、上方格納ユニットは、閉じられたフロア(図示せず)を有してもよく、バイオプシーカセット8のための収集ユニットとしてのみ利用されてもよい。
【0037】
図8は、ガラススライドに適切な格納ユニットの上面図を示す。ガラススライドは、ぎっしりと横向きにパックされ実質的に垂直に立ち(図8左部)、若しくは横方向に横たわる(図8右部)。これらの構成では、サンプル、即ち、例えば(病理学などからの)組織切片、(血液標本などの)細胞標本、若しくは(細胞培養などからの)細胞層が位置する目的キャリアの表面が、如何に立ち若しくは横たわるかは、原則的に重要ではない。いずれの場合も、ガラススライド30のサンプル領域は機械的に引っ張られないことが保証される。
【0038】
生物学的サンプルのためのこの格納ユニット1は、実質的に水平なメインフットプリント2と多重格納コンパートメント3を有し、該多重格納コンパートメント3は中間壁4により相互に少なくとも部分的に分離されており、周辺フレーム5に囲まれている。中間壁4及び周辺フレーム5は、メインフットプリント2に実質的に直交する。更に、これら格納コンパートメント3は、第1の開口6と第2の開口7の両方を有する。格納コンパートメント3は、ガラススライド30の形状に調整され、第1の開口6及び/又は第2の開口7を介して格納コンパートメント3の中に挿入されるガラススライド30が第1の開口6及び/又は第2の開口7を介して落ちてしまうことを防ぐ保持手段を含む。格納コンパートメント3は、実質的に矩形断面を有するのが好ましく、メインフットプリント2との関係で、長手端31に接して立って、若しくは表面32に横たわって、生物学的サンプルのための一つのガラススライドを夫々受けるように実装されているのが好ましい。
【0039】
保持手段9は、片側面の、及び両側面の薄板10を含むグループから、選択されるのが好ましい。本発明との関連において、“片側面”は、“一つのスライドに対して作用しそれらを圧する”ということを意味すると理解すべきである。“両側面”は、“2つのスライドに対して作用しそれらを圧する”ということを意味すると理解すべきである。保持手段9(ここでは薄板10)は、メインフットプリント2に実質的に垂直に走ってもよく(図8左部参照)、メインフットプリント2に実質的に平行に走ってもよい(図8右部参照)。
【0040】
メインフットプリント2に実質的に垂直に位置する薄板10は、格納コンパートメント3の中に実質的に垂直に挿入されるガラススライド30の表面32上に摩擦固定を利用して係合するように、実装される。この挿入されたグラススライド30は、この摩擦固定により、第1の開口6及び/又は第2の開口7(格納ユニット1のどちらの側がいずれの符号を付されてもよい)を介して落ちることが、防がれる。これら薄板10は、周辺フレーム5(図示せず。)、若しくは、メインフットプリント2に直交して延在するガイド薄板19が、始端となる。これらガイド薄板19は、中間壁4の機能を担い、従って格納コンパートメント3を相互に少なくとも部分的に分離する。薄板10は、グラススライド30のサンプル領域に到達しない程度で、十分に広く実装されるのが好ましい。薄板10は、グラススライド30に突き当たりガイド薄板19を弾力的に押しやり、これにより、グラススライド30はそれらの格納コンパートメント2内で確固として保持される。格納コンパートメント3の稠密なパッキングによって、好適には長手端31に接して実質的に垂直に立つ24若しくはそれ以上迄のグラススライド30が、単体の格納ユニット1に配置され得る。
【0041】
メインフットプリント2に実質的に平行に配置される薄板10は、格納コンパートメント3の中に挿入されるグラススライド30の表面32上を一部占めるように実装される。これらの挿入されたグラススライド30は、この部分的な接触により、第1の開口6及び/又は第2の開口7(格納ユニット1のどちらの側がいずれの符号を付されてもよい)を介して落ちることが、防がれる。薄板10は、この中間壁4の上部及び底部に接して形状付けられ若しくは(図示しないが、溶接若しくは接着により)それらに添付され、更にこれらの中間壁4を超えて両側に突出する(図10参照)。周辺フレーム5に配置される上部及び下部の薄板10は、中間壁4に添付される対応の薄板と同じ高さであるのが好ましい。しかしながら、薄板10は、グラススライド30のサンプル領域に到達しない程度で、十分に広く実装されるのが好ましい。薄板10はワンピースで実装され、格納コンパートメント3の一部長さを超えて延在するのが好ましい(図8参照)。しかしながら、それらは分割されてもよい(図示せず)。薄板10の別の構成では、格納コンパートメント3の逆側に配置される(図示せず)。例示の構成と別の構成の組合せであってもよい。水平の構成により、格納ユニット1内に4つまでのグラススライド30を格納できる。
【0042】
図9は、スタンダードのマイクロプレートのSPSスタンダードフットプリントに対応するメインフットプリント2を有する登録されて相互に上下に位置する3つの格納ユニットを介する垂直面を示す。1つの実質的に鉛直に立っているガラススライド30は、上方格納ユニットから中央格納ユニットの中へ(メインフットプリント2に向かって)第1のマニピュレータ23により正確に押し込まれ、1つのグラススライドは、同時に正確に下方格納ユニットから中央格納ユニットの中へ(メインフットプリント22から離れて)第2のマニピュレータ23により押し込まれる。
【0043】
マニピュレータ23は、移動システム21のデバイス22の一部であり、該移動システム21を利用して、少なくとも2つの格納ユニット1が登録されて相互に上下に配置され、相互の関係で置き換えられ得る。図示される格納ユニット1は、互いに対応するこれら2つの格納ユニット1の全ての格納コンパートメント3が相互に上下に正確に配置されている共通の位置内に、位置付けされる。上方格納ユニット1の任意の格納コンパートメント3は下方格納ユニット1の別の任意の格納コンパートメント3と直接に関連付けされて登録されて割り当てられるように、これら2つの格納ユニット1の少なくとも一方はデバイス22を利用して他方との関係で置換可能である。これにより、好適な自動マニピュレータ23を特定の個別に選択された格納コンパートメント3の中に挿入し、その中に配置されたガラススライド30を第2の格納ユニット1の予め割り当てられた格納コンパートメント3の中に(メインフットプリント2に向かって)押し込むことが、容易となる。保持手段9とガラススライド30との間の摩擦固定により生じる滑動抵抗によって、ガラススライドが上方格納ユニット1から下方格納ユニット1へ移動した後も、ガラススライドが落ちてしまうことがない。マニピュレータ23は、実質的に垂直に立つガラススライド30の形状に調整されるのが好ましく、更にガラススライド30の長手端31上での滑動を防ぐ摩擦増加コーティングを有してもよい。
【0044】
図9に示すように、ガラススライド30は、相互に(最小限でも)距離を保つように、格納ユニット1の格納コンパートメント3の中に挿入されて長手端31に接して実質的に垂直に立つのが好ましい。(例えば、バーコードマーキングの形態の)識別子24は、上方の長手端31に沿って、及び/又は、狭い側面上に配置されるグリップ領域38のこれら長手端の近位の領域内に(図8参照)、付され、これらは対応する読み取りデバイスを利用して目測で若しくは自動的に読み取られ得る。RFIDタグ39は、ガラススライド30のグリップ領域38内に添付されるのが好ましい(図8参照)。
【0045】
マニピュレータ23の第1の押し込み方向とは異なり、逆方向、例えば底部から上部へ動作してもよい。図9の例示に拘わらず、1つのみの格納ユニット1と収集ユニットとが利用されてもよく、収集ユニットは、上部若しくは底部に位置し、格納ユニット1から遠位の側面に閉じられたフロア(図示せず)を有し、ガラススライド30のための収集ユニットとしてのみ利用されてもよい。従って、ガラススライド30のため少なくとも一つの格納ユニット1を利用すれば十分に別の方法を実施可能である。即ち、その別の方法では、選択されたガラススライド30が、一つの格納ユニット1若しくは複数の格納ユニットから、ガラススライド30のための収集ユニットへ、移動される。
【0046】
図9に拘わらず、図7に示す構成に対応して、登録されて相互に上下に配置された2つの格納ユニット1は、付加的に又は選択的に、スタンダードマイクロプレートのSPS標準フットプリントから外れるメインフットプリント2を備えてもよい。これらの別の格納ユニット1はこの第2のフットプリント20上に立ち、メインフットプリント2に実質的に直交する方向とされる。好適な自動マニピュレータ23は、特定の個別に選択された格納コンパートメント3の中に挿入され、その中に配置されたガラススライド30を別の格納ユニット1の予め割り当てられた格納コンパートメント3の中に(メインフットプリント2から離れて)押しやる。保持手段9と置き換えられるガラススライド30との間の摩擦固定により生じる滑動抵抗により、移動された後でも、このガラススライド30がこの格納ユニット1から落ちることがない。マニピュレータ23の図示された押す方向ではなく、例えば左から右など(図示せず)、反対の方向であってもよい。上方格納ユニットは、閉じられたフロア若しくはカバー(図示せず)を有して、ガラススライド30のための収集ユニットとしてのみ利用されてもよい。
【0047】
図10は、3つの格納ユニット1を介する垂直面を示す。該格納ユニット1は登録されて相互に上下に配置され、スタンダードのマイクロプレートのSPSスタンダードフットプリントに対応するメインフットプリント2を有する。ここで、1つの実質的に水平に横たわるガラススライド30は、上方格納ユニットから中央格納ユニットの中へ(メインフットプリント2に向かって)垂直に第1のマニピュレータ23により押し込まれ、1つのグラススライドは、下方格納ユニットから中央格納ユニットの中へ(メインフットプリント22から離れて)第2のマニピュレータ23により押し込まれる。
【0048】
実質的に水平に横たわるスライド30が押されて移動する際、スライド30は、スライド10が最初に位置する格納ユニット1の最も側の薄板10に対して押しやられる。これらの薄板10は、もとの格納コンパートメント3の第1の開口6を圧縮するものであってもよい。しかしながら、これらの薄板10は、スライド30が上に存在し、もとの格納コンパートメント3の第2の開口を圧縮するものであってもよい。スライド30が更に動く際、これらの薄板はスライド30により弾力的に変形し、薄板10は弾力的に変形に従い、例えば摩擦固定で2つの長手端(図9参照)を一時的に押しやる。スライド30はこの滑動抵抗に対してマニピュレータ23により更に押しやられ、次の格納ユニット1の格納コンパートメント3を限定する薄板10も弾力的に変形に従い、摩擦固定でスライド30を一時的に押しやる。スライド30が上部から底部まで運ばれるのならば、スライド30は、変形されたばかりの薄板の影響範囲を離れると直ぐに、新しい格納ユニット1の支持薄板10上に落ちる。スライド30が底部から上部まで運ばれるのならば、スライド30は、上部に接する新しい格納コンパートメント3を圧縮する薄板10にまで更に動かされる。ここで、スライド30は、変形されたばかりの薄板の影響範囲を離れ、直ぐに該スライド30は実質的に垂直方向のもとの位置の中に跳ね返る。マニピュレータ23が下げられてもよく、そうすると、底部から上部へ運ばれたスライド30はスライド30を支持する新しい格納ユニット1の薄板10の上に横たわることになる。
【0049】
移動されるスライド30は、薄板10の滑動摩擦に抗して一方の格納ユニット1から他方の格納ユニットへ移動経路の少なくとも一部を動かされることになる。この滑動抵抗により、とりわけ上部から底部へ押しやられるスライド30を注意深く配置できる。マニピュレータ23は凹部39を有し、これにより、スライド30のサンプルは引っ張られることがない。マニピュレータ23は、スライド30の滑動抵抗を増し及び/又はスライド30に柔らかく弾力的に当たるために、押面40上にコーティングを有してもよい。
【0050】
1つの格納ユニット1から第2の格納ユニット1若しくは収集ユニットへバイオプシーカセット8を移動するための好適な移動システムはデバイス22を含むのが好ましく、該デバイス22を利用して、少なくとも2つの格納ユニット1、若しくは少なくとも1つの格納ユニット1及び1つの収集ユニットが、登録されて相互に上下に配置されてもよく、相互に関係で置き換えられてもよい。この移動システム21は、更にマニピュレータ23を含むのが好ましく、該マニピュレータ23を利用して、個別の格納コンパートメント3の中に挿入されるバイオプシーカセット8、若しくは個別の格納コンパートメント3n中に挿入されるグラススライド30が、1つの格納ユニット1から別の格納ユニット1若しくは収集ユニットの中へ押し込まれてもよい。
【0051】
第1の好適な移動システムでは、デバイス22は、相互に上下に位置する実質的に水平な複数面内に、少なくとも2つの格納ユニット1、若しくは少なくとも1つの格納ユニット1及び1つの収集ユニットを配置するための、デバイス22が実装される。更に、バイオプシーカセット8若しくはガラススライド30を、メインフットプリント2に対して実質的に垂直に押しやるための、若しくはメインフットプリント2から離して実質的に垂直に押し込むための、マニピュレータ23が実装される。
【0052】
第2の好適な移動システムでは、デバイス22は、相互に上下に位置する実質的に水平な複数面内に、少なくとも2つの格納ユニット1、若しくは少なくとも1つの格納ユニット1及び1つの収集ユニットを配置するための、デバイス22が実装される。更に、バイオプシーカセット8若しくはガラススライド30を、メインフットプリント2に対して実質的に水平に押しやるための、若しくはメインフットプリント2から離して実質的に水平に押し込むための、マニピュレータ23が実装される。
【0053】
この移動システム21は、更に、請求項1乃至請求項15のうちの一つに係る多数の格納ユニット1を格納するためのウエアハウスユニット25と、ロボット26とを含むのが好ましく、該ロボット26を利用して、この格納ユニット1はウエアハウスユニット25から取り外され得、及び/又はこのウエアハウスユニット25内に格納され得る。支持面17を有する保持装置27のアレイを含むウエアハウスユニット25が特に好ましく、これら保持装置27の支持面17は、メインフットプリント2、若しくは格納ユニット1の第2のフットプリント20に突き当たるように実装される。
【0054】
本発明に係る格納ユニット1及び、バイオプシーカセット8若しくはグラススライド30は、少なくとも一つの識別子24を含み、一意的な識別及び追跡のために該識別子としてRFIDタグ及びバーコードから選択される。本発明に係る格納ユニット1は、注入モールド方法で作成され、ポリカーボネート(PC)などを含むポリマ若しくは多重ポリマを含むのが好ましい。
【0055】
生物学的サンプルのための本発明に係る格納ユニット1の個別格納コンパートメント3内に配置されるバイオプシーカセット8若しくはガラススライド30を利用することには、多数の生物学的サンプルを格納し提供するという目的がある。個々の格納ユニット1は、メインフットプリント2及び多重格納コンパートメント3を含み、該格納コンパートメント3は、中間壁4により相互に少なくとも部分的に分離され、周辺フレーム5により囲まれる。更に、中間壁4及び周辺フレーム5はメインフットプリント2に実質的に垂直に配置され、これら格納コンパートメント3は第1の開口6及び第2の開口7の両方を有する。本発明に係る格納コンパートメント3は、バイオプシーカセット8若しくはガラススライド30の形状に調整される。本発明を用いることにより、バイオプシーカセット8若しくはガラススライド30は、第1の開口6若しくは第2の開口7を介して格納コンパートメント3の中に挿入され、該格納コンパートメント3は、挿入されたバイオプシーカセット8若しくはガラススライド30が第1の開口及び/又は第2の開口を介して落ちてしまうことを防ぐ保持手段9を有する。
【0056】
これらの格納ユニット1を自動操作し収容するために、格納ユニット1はメインフットプリント1を有するのが好ましく、該メインフットプリント1はスタンダードマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントに、少なくとも概略対応する。一つ又は複数のこれらのバイオプシーカセット8若しくはガラススライド30が、第1の格納ユニット1の対応する格納コンパートメント3から機械的に且つ自動的に取り外され、第2の格納ユニット1若しくは収集ユニットの選択された格納コンパートメント3の中に挿入されてもよい。2つのこれらの格納ユニット1が登録されて相互に上下に配置され、移動システム21のデバイス22を利用して相互に入れ替えられ、バイオプシーカセット8若しくはガラススライド30が、この移動システム21のマニピュレータ23を利用して上方格納ユニット1から下方に横たわる格納ユニット1若しくは収集ユニットの中に垂直に押しやられることが、好ましい。
【0057】
図示される薄板10、クッション11、及びガイド得スタイ19の組合せ及び変形は、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】バイオプシーカセットに適切な格納ユニットの上面図を示す。実質的に垂直に立つバイオプシーカセットは、横方向に位置してぎっしりとパックされる。
【図2】バイオプシーカセットに適切な格納ユニットの上面図を示す。実質的に垂直に立つバイオプシーカセットは、縦方向に位置してぎっしりとパックされる。
【図3】バイオプシーカセットに適切な格納ユニットの第1の上面図を示す。実質的に垂直に立つバイオプシーカセットは、横方向に位置して緩やかにパックされる。
【図4】バイオプシーカセットに適切な格納ユニットの第2の上面図を示す。実質的に垂直に立つバイオプシーカセットは、横方向に位置して緩やかにパックされる。
【図5A】先行技術からそれ自体周知の閉じられたバイオプシーカセットの図であって、バイオプシーカセットの支持表面の上面を示す。
【図5B】先行技術からそれ自体周知の閉じられたバイオプシーカセットの図であって、バイオプシーカセットのケージの垂直表面の図を示す。
【図5C】先行技術からそれ自体周知の閉じられたバイオプシーカセットの図であって、バイオプシーカセットのケージの前面の図を示す。
【図6】スタンダードのマイクロプレートのSPSスタンダードフットプリントを有する登録されて相互に上下に位置する2つの格納ユニットを介する垂直面を示す。バイオプシーカセットは、上方格納ユニットから下方格納ユニットへ垂直に押し込まれる。
【図7】登録されて相互に上下に位置する2つの格納ユニットを介する垂直面を示す。バイオプシーカセットは、上方格納ユニットから下方格納ユニットへ水平に押し込まれる。
【図8】ガラススライドに適切な格納ユニットの上面図を示す。ガラススライドは、ぎっしりと横向きにパックされ実質的に垂直に立ち、若しくは横方向に横たわる。
【図9】スタンダードのマイクロプレートのSPSスタンダードフットプリントを有する登録されて相互に上下に位置する3つの格納ユニットを介する垂直面を示す。立っているガラススライドは、上方格納ユニットから中央格納ユニットへ、下方格納ユニットから中央格納ユニットへ垂直に押し込まれる。
【図10】スタンダードのマイクロプレートのSPSスタンダードフットプリントを有する登録されて相互に上下に位置する3つの格納ユニットを介する垂直面を示す。横たわっているガラススライドは、上方格納ユニットから中央格納ユニットへ、下方格納ユニットから中央格納ユニットへ垂直に押し込まれる。
【符号の説明】
【0059】
1 格納ユニット、
2 メインフットプリント、
3 格納コンパートメント、
4 中間壁、
5 周辺フレーム、
6 第1の開口、
7 第2の開口、
8 バイオプシーカセット、
9 保持手段、
10 薄板、
11 クッション、
12 支持表面、
13 鉛直表面、
14 面(14a、14b)、
15 横方向軸、
16 縦方向軸、
17 支持面、
18 中央壁、
19 ガイド薄板、
20 第2のフットプリント、
21 システム、
22 デバイス、
23 マニピュレータ、
24 識別子、
25 ウエアハウスユニット、
26 ロボット、
27 カバー、
28 ケージ、
29 ヒンジ、
30 ガラススライド、
31 長手端、
32 表面、
33 スロット、
34 タブ、
35 ピン、
36 フロア、
37 終端スペース、
38 グリップ領域、
39 凹部、
40 押面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に水平なメインフットプリント(2)と、
中間壁(4)により相互に少なくとも部分的に分離され周辺フレーム(5)により囲まれる多数の格納コンパートメント(3)を有し、
上記中間壁(4)及び上記周辺フレーム(5)はメインフットプリント(2)に対して実質的に垂直に配置され、上記格納コンパートメント(3)は第1の開口(6)と第2の開口(7)の両方を有する、生物学的サンプルのための格納ユニット(1)であって、
格納コンパートメント(3)は、バイオプシーカセット(8)の形状、若しくはグラススライド(30)の形状に調整され、保持手段(9)を含み、
該保持手段(9)により、上記第1の開口(6)及び/又は上記第2の開口(7)を介して格納コンパートメント(3)の中に挿入される実質的に鉛直に立つバイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)が、上記第1の開口(6)及び/又は上記第2の開口(7)を介して落ちてしまうことが防がれることを特徴とする生物学的サンプルのための格納ユニット(1)。
【請求項2】
上記格納コンパートメント(3)が実質的に矩形断面を有し、
生物学的サンプルのための、メインフットプリント(2)に対して、前面(14)で立つ1つのバイオプシーカセット(8)若しくは長手端(31)で立つ1つのガラススライド(30)を、受けるように各々実装されることを特徴とする請求項1に記載の格納ユニット(1)。
【請求項3】
上記格納コンパートメント(3)が実質的に矩形断面を有し、
生物学的サンプルのための、メインフットプリント(2)に対して、支持表面(1)で横たわる1つのバイオプシーカセット(8)若しくは表面(32)で横たわる1つのガラススライド(30)を、受けるように各々実装されることを特徴とする請求項1に記載の格納ユニット(1)。
【請求項4】
片側面及び両側面の薄板(10)、及び片側面及び両側面のクッション(11)を含むグループから、保持手段(9)が選択されることを特徴とする請求項1に記載の格納ユニット(1)。
【請求項5】
摩擦固定を利用して、格納コンパートメント(3)内に挿入されるバイオプシーカセット(8)の支持表面(12)若しくは別の鉛直表面(13)上に係合するように実装される、メインフットプリント(2)に対して実質的に垂直に走る薄板(10)を含むことを特徴とする請求項4に記載の格納ユニット(1)。
【請求項6】
摩擦固定を利用して、格納コンパートメント(3)内に挿入されるガラススライド(30)の表面(32)上に係合するように実装される、メインフットプリント(2)に対して実質的に垂直に走る薄板(10)を含むことを特徴とする請求項4に記載の格納ユニット(1)。
【請求項7】
格納コンパートメント(3)内に挿入されるガラススライド(30)の表面(32)が部分的に接して存在するように実装される、メインフットプリント(2)に対して実質的に平行に走る薄板(10)を含むことを特徴とする請求項4に記載の格納ユニット(1)。
【請求項8】
摩擦固定を利用して、格納コンパートメント(3)内に挿入されるバイオプシーカセット(8)の支持表面(12)若しくは別の鉛直表面(13)上に係合するように実装されるクッション(11)を含むことを特徴とする請求項4に記載の格納ユニット(1)。
【請求項9】
格納コンパートメント(3)の実質的に全体高に渡って実質的に同一の実効的な断面を有するように、クッション(11)が延在することを特徴とする請求項8に記載の格納ユニット(1)。
【請求項10】
クッション(11)が、片側面として若しくは両側面として実装され、これら格納コンパートメント(3)の中央を横切って走る縦方向軸(16)上に格納コンパートメント(3)の列内に配置されることを特徴とする請求項8に記載の格納ユニット(1)。
【請求項11】
クッション(11)が、片側面として若しくは両側面として実装され、これら格納コンパートメント(3)の中央を横切って走る横方向軸(15)上に格納コンパートメント(3)の列内に配置されることを特徴とする請求項8に記載の格納ユニット(1)。
【請求項12】
格納コンパートメント(3)の列の両側面のクッション(11)が、これら格納コンパートメント(3)に横方向に走る2つの縦方向軸上に配置されることを特徴とする請求項10又は11に記載の格納ユニット(1)。
【請求項13】
メインフットプリント(2)に対して垂直に走るガイド薄板(19)を含む中央壁(18)を含み、該ガイド薄板(19)は格納コンパートメント(3)の中に突出し中央壁(18)の両側に接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の格納ユニット(1)。
【請求項14】
メインフットプリントがスタンダードマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントに少なくとも概略対応することを特徴とする請求項1に記載の格納ユニット(1)。
【請求項15】
メインフットプリント(2)と共に少なくとも約90°の角度を囲む少なくとも1つの第2のフットプリントを含むことを特徴とする請求項1に記載の格納ユニット(1)。
【請求項16】
デバイス(22)を含む移動システム(21)であって、
該デバイス(22)を利用して、請求項1に係る少なくとも2つの格納ユニット(1)が、又は、少なくとも1つの格納ユニット(1)及び1つの収集ユニットが、登録されて相互に上下に配置され得、更に相互に入れ代わり得る移動システム(21)において、
更に、マニピュレータ(23)を含み、該マニピュレータ(23)を利用して、個別の格納コンパートメント(3)の中に挿入されるバイオプシーカセット(8)、若しくは、個別の格納コンパートメント(3)の中に挿入されるガラススライド(30)が、1つの格納ユニット(1)から別の格納ユニット(1)若しくは収集ユニットの中へ押し込まれ得ることを特徴とする移動システム(21)。
【請求項17】
少なくとも2つの格納ユニット(1)を、又は、少なくとも1つの格納ユニット(1)及び1つの収集ユニットを、相互に上下に横たわる実質的に水平の平面に配置するために、上記デバイス(22)が実装され、バイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)をメインフットプリント(2)に向かって、若しくはメインフットプリント(29から離して、実質的に鉛直に押しやるために、このマニピュレータ(23)が実装されることを特徴とする請求項16に記載の移動システム(21)。
【請求項18】
少なくとも2つの格納ユニット(1)を、又は、少なくとも1つの格納ユニット(1)及び1つの収集ユニットを、相互に上下に横たわる実質的に鉛直の平面に配置するために、上記デバイス(22)が実装され、バイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)をメインフットプリント(2)に向かって、若しくはメインフットプリント(29から離して、実質的に水平に押しやるために、このマニピュレータ(23)が実装されることを特徴とする請求項16に記載の移動システム(21)。
【請求項19】
移動システムが、請求項1に係る複数の格納ユニット(1)を格納するためのウエアハウスユニット(25)とロボット(26)を含み、該ロボット(26)を利用して、この格納ユニット(1)がウエアハウスユニット(25)から取り外され得、及び/又は、このウエアハウスユニット(25)内に格納され得ることを特徴とする請求項18に記載の移動システム(21)。
【請求項20】
ウエアハウスユニット(25)が支持面(17)を有する保持装置(27)のアレイを含み、これら保持装置の支持面(17)が、メインフットプリント(2)が若しくは格納ユニット(1)の第2のフットプリント(20)が突き当たるように、実装されることを特徴とする請求項19に記載の移動システム(21)。
【請求項21】
格納ユニット(1)及びバイオプシーカセット(8)、又はガラススライド(30)が、少なくとも1つの識別子(24)を含み、該識別子(24)はRFIDとバーコードから選択されることを特徴とする請求項16乃至請求項20のうちのいずれか一に記載の移動システム(21)。
【請求項22】
多数の生物学的サンプルを格納し提供するための、生物学的サンプルのための格納ユニット(1)の個別格納コンパートメント(3)内に配置されるバイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)の利用であって、
個々の格納ユニット(1)は実質的に水平のメインフットプリント(2)と多数の格納コンパートメント(3)を含み、該格納コンパートメント(3)は中間壁(4)により少なくとも部分的に相互に分離され周辺フレーム(5)により囲まれ、
中間壁(4)及び周辺フレーム(5)はメインフットプリント(2)に実質的に垂直に配置され、これら格納コンパートメント(3)は第1の開口(6)及び第2の開口(7)の両方を有し、
格納コンパートメント(3)は、バイオプシーカセット(8)の形状に、若しくはガラススライド(30)の形状に調整され、1つのバイオプシーカセット(8)若しくは1つのガラススライド(30)が第1の開口(6)若しくは第2の開口(7)を介してこの格納コンパートメント(3)の中に挿入され、
該格納コンパートメント(3)は、実質的に鉛直に立つ格納位置にある挿入されたバイオプシーカセット(8)若しくは挿入されたガラススライド(30)が、第1の開口(6)及び/又は第2の開口(7)から落ちることを防ぐ保持手段(9)を含むことを特徴とするバイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)の利用。
【請求項23】
格納ユニット(1)がスタンダードマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントを有し、
1つ又は複数のこれらバイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)が、第1の格納ユニット(1)の対応する格納コンパートメント(3)から除去され、第2の格納ユニット(1)若しくは収集ユニットの選択された格納コンパートメント(3)の中に挿入されることを特徴とする請求項22に記載の利用。
【請求項24】
2つの格納ユニットが登録されて相互に上下に配置され移動システム(21)のデバイスを利用して相互に入れ替えられ、
バイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)が、この移動システム(21)のマニピュレータ(23)を利用して、上方格納ユニット(1)から下方に横たわる格納ユニット(1)若しくは収集ユニットの中に垂直に押し込まれることを特徴とする請求項23に記載の利用。
【請求項1】
実質的に水平なメインフットプリント(2)と、
中間壁(4)により相互に少なくとも部分的に分離され周辺フレーム(5)により囲まれる多数の格納コンパートメント(3)を有し、
上記中間壁(4)及び上記周辺フレーム(5)はメインフットプリント(2)に対して実質的に垂直に配置され、上記格納コンパートメント(3)は第1の開口(6)と第2の開口(7)の両方を有する、生物学的サンプルのための格納ユニット(1)であって、
格納コンパートメント(3)は、バイオプシーカセット(8)の形状、若しくはグラススライド(30)の形状に調整され、保持手段(9)を含み、
該保持手段(9)により、上記第1の開口(6)及び/又は上記第2の開口(7)を介して格納コンパートメント(3)の中に挿入される実質的に鉛直に立つバイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)が、上記第1の開口(6)及び/又は上記第2の開口(7)を介して落ちてしまうことが防がれることを特徴とする生物学的サンプルのための格納ユニット(1)。
【請求項2】
上記格納コンパートメント(3)が実質的に矩形断面を有し、
生物学的サンプルのための、メインフットプリント(2)に対して、前面(14)で立つ1つのバイオプシーカセット(8)若しくは長手端(31)で立つ1つのガラススライド(30)を、受けるように各々実装されることを特徴とする請求項1に記載の格納ユニット(1)。
【請求項3】
上記格納コンパートメント(3)が実質的に矩形断面を有し、
生物学的サンプルのための、メインフットプリント(2)に対して、支持表面(1)で横たわる1つのバイオプシーカセット(8)若しくは表面(32)で横たわる1つのガラススライド(30)を、受けるように各々実装されることを特徴とする請求項1に記載の格納ユニット(1)。
【請求項4】
片側面及び両側面の薄板(10)、及び片側面及び両側面のクッション(11)を含むグループから、保持手段(9)が選択されることを特徴とする請求項1に記載の格納ユニット(1)。
【請求項5】
摩擦固定を利用して、格納コンパートメント(3)内に挿入されるバイオプシーカセット(8)の支持表面(12)若しくは別の鉛直表面(13)上に係合するように実装される、メインフットプリント(2)に対して実質的に垂直に走る薄板(10)を含むことを特徴とする請求項4に記載の格納ユニット(1)。
【請求項6】
摩擦固定を利用して、格納コンパートメント(3)内に挿入されるガラススライド(30)の表面(32)上に係合するように実装される、メインフットプリント(2)に対して実質的に垂直に走る薄板(10)を含むことを特徴とする請求項4に記載の格納ユニット(1)。
【請求項7】
格納コンパートメント(3)内に挿入されるガラススライド(30)の表面(32)が部分的に接して存在するように実装される、メインフットプリント(2)に対して実質的に平行に走る薄板(10)を含むことを特徴とする請求項4に記載の格納ユニット(1)。
【請求項8】
摩擦固定を利用して、格納コンパートメント(3)内に挿入されるバイオプシーカセット(8)の支持表面(12)若しくは別の鉛直表面(13)上に係合するように実装されるクッション(11)を含むことを特徴とする請求項4に記載の格納ユニット(1)。
【請求項9】
格納コンパートメント(3)の実質的に全体高に渡って実質的に同一の実効的な断面を有するように、クッション(11)が延在することを特徴とする請求項8に記載の格納ユニット(1)。
【請求項10】
クッション(11)が、片側面として若しくは両側面として実装され、これら格納コンパートメント(3)の中央を横切って走る縦方向軸(16)上に格納コンパートメント(3)の列内に配置されることを特徴とする請求項8に記載の格納ユニット(1)。
【請求項11】
クッション(11)が、片側面として若しくは両側面として実装され、これら格納コンパートメント(3)の中央を横切って走る横方向軸(15)上に格納コンパートメント(3)の列内に配置されることを特徴とする請求項8に記載の格納ユニット(1)。
【請求項12】
格納コンパートメント(3)の列の両側面のクッション(11)が、これら格納コンパートメント(3)に横方向に走る2つの縦方向軸上に配置されることを特徴とする請求項10又は11に記載の格納ユニット(1)。
【請求項13】
メインフットプリント(2)に対して垂直に走るガイド薄板(19)を含む中央壁(18)を含み、該ガイド薄板(19)は格納コンパートメント(3)の中に突出し中央壁(18)の両側に接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の格納ユニット(1)。
【請求項14】
メインフットプリントがスタンダードマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントに少なくとも概略対応することを特徴とする請求項1に記載の格納ユニット(1)。
【請求項15】
メインフットプリント(2)と共に少なくとも約90°の角度を囲む少なくとも1つの第2のフットプリントを含むことを特徴とする請求項1に記載の格納ユニット(1)。
【請求項16】
デバイス(22)を含む移動システム(21)であって、
該デバイス(22)を利用して、請求項1に係る少なくとも2つの格納ユニット(1)が、又は、少なくとも1つの格納ユニット(1)及び1つの収集ユニットが、登録されて相互に上下に配置され得、更に相互に入れ代わり得る移動システム(21)において、
更に、マニピュレータ(23)を含み、該マニピュレータ(23)を利用して、個別の格納コンパートメント(3)の中に挿入されるバイオプシーカセット(8)、若しくは、個別の格納コンパートメント(3)の中に挿入されるガラススライド(30)が、1つの格納ユニット(1)から別の格納ユニット(1)若しくは収集ユニットの中へ押し込まれ得ることを特徴とする移動システム(21)。
【請求項17】
少なくとも2つの格納ユニット(1)を、又は、少なくとも1つの格納ユニット(1)及び1つの収集ユニットを、相互に上下に横たわる実質的に水平の平面に配置するために、上記デバイス(22)が実装され、バイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)をメインフットプリント(2)に向かって、若しくはメインフットプリント(29から離して、実質的に鉛直に押しやるために、このマニピュレータ(23)が実装されることを特徴とする請求項16に記載の移動システム(21)。
【請求項18】
少なくとも2つの格納ユニット(1)を、又は、少なくとも1つの格納ユニット(1)及び1つの収集ユニットを、相互に上下に横たわる実質的に鉛直の平面に配置するために、上記デバイス(22)が実装され、バイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)をメインフットプリント(2)に向かって、若しくはメインフットプリント(29から離して、実質的に水平に押しやるために、このマニピュレータ(23)が実装されることを特徴とする請求項16に記載の移動システム(21)。
【請求項19】
移動システムが、請求項1に係る複数の格納ユニット(1)を格納するためのウエアハウスユニット(25)とロボット(26)を含み、該ロボット(26)を利用して、この格納ユニット(1)がウエアハウスユニット(25)から取り外され得、及び/又は、このウエアハウスユニット(25)内に格納され得ることを特徴とする請求項18に記載の移動システム(21)。
【請求項20】
ウエアハウスユニット(25)が支持面(17)を有する保持装置(27)のアレイを含み、これら保持装置の支持面(17)が、メインフットプリント(2)が若しくは格納ユニット(1)の第2のフットプリント(20)が突き当たるように、実装されることを特徴とする請求項19に記載の移動システム(21)。
【請求項21】
格納ユニット(1)及びバイオプシーカセット(8)、又はガラススライド(30)が、少なくとも1つの識別子(24)を含み、該識別子(24)はRFIDとバーコードから選択されることを特徴とする請求項16乃至請求項20のうちのいずれか一に記載の移動システム(21)。
【請求項22】
多数の生物学的サンプルを格納し提供するための、生物学的サンプルのための格納ユニット(1)の個別格納コンパートメント(3)内に配置されるバイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)の利用であって、
個々の格納ユニット(1)は実質的に水平のメインフットプリント(2)と多数の格納コンパートメント(3)を含み、該格納コンパートメント(3)は中間壁(4)により少なくとも部分的に相互に分離され周辺フレーム(5)により囲まれ、
中間壁(4)及び周辺フレーム(5)はメインフットプリント(2)に実質的に垂直に配置され、これら格納コンパートメント(3)は第1の開口(6)及び第2の開口(7)の両方を有し、
格納コンパートメント(3)は、バイオプシーカセット(8)の形状に、若しくはガラススライド(30)の形状に調整され、1つのバイオプシーカセット(8)若しくは1つのガラススライド(30)が第1の開口(6)若しくは第2の開口(7)を介してこの格納コンパートメント(3)の中に挿入され、
該格納コンパートメント(3)は、実質的に鉛直に立つ格納位置にある挿入されたバイオプシーカセット(8)若しくは挿入されたガラススライド(30)が、第1の開口(6)及び/又は第2の開口(7)から落ちることを防ぐ保持手段(9)を含むことを特徴とするバイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)の利用。
【請求項23】
格納ユニット(1)がスタンダードマイクロプレートのSBSスタンダードフットプリントを有し、
1つ又は複数のこれらバイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)が、第1の格納ユニット(1)の対応する格納コンパートメント(3)から除去され、第2の格納ユニット(1)若しくは収集ユニットの選択された格納コンパートメント(3)の中に挿入されることを特徴とする請求項22に記載の利用。
【請求項24】
2つの格納ユニットが登録されて相互に上下に配置され移動システム(21)のデバイスを利用して相互に入れ替えられ、
バイオプシーカセット(8)若しくはガラススライド(30)が、この移動システム(21)のマニピュレータ(23)を利用して、上方格納ユニット(1)から下方に横たわる格納ユニット(1)若しくは収集ユニットの中に垂直に押し込まれることを特徴とする請求項23に記載の利用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−228971(P2007−228971A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−52390(P2007−52390)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(501442699)テカン・トレーディング・アクチェンゲゼルシャフト (26)
【氏名又は名称原語表記】TECAN Trading AG
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52390(P2007−52390)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(501442699)テカン・トレーディング・アクチェンゲゼルシャフト (26)
【氏名又は名称原語表記】TECAN Trading AG
【Fターム(参考)】
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