生物学的生育プレート上における生物学的作用物質のカウント
本発明は、生物学的生育プレートまたは同様の培地上の生物学的作用物質をカウントする技術に関する。生物学的作用物質のカウンティングを自動化するために、生物学的生育プレートを生物学的スキャニングユニットに挿入する。生物学的生育プレートを挿入すると、生物学的スキャニングユニットはプレートの画像を生成する。次に細菌コロニー数などの画像中に出現する生物学的作用物質の量をスキャニングユニットによって、またはデスクトップコンピューター、ワークステーションなどの外部計算機によって実施される画像処理および分析ルーチンを使用してカウントし、またはそうでない場合は判定できる。それを使用して、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善できる、多様なカウントルールについて本明細書で述べられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的生育プレートの分析のための生物学的スキャニングシステム、および食物サンプル、試験室サンプルなどの中の細菌またはその他の生物学的作用物質の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学的安全性は、現代社会における最重要の懸案事項である。食物またはその他の材料への生物学的混入の試験は、食品開発者および配給業者にとって重要になってきており、必須要件であることが多い。生物学的試験はまた、医療患者から採取された血液サンプル、実験目的で開発された試験室サンプル、およびその他のタイプの生物学的サンプルなどの試験室サンプル中の細菌またはその他の作用物質を同定するのに使用される。様々な技術および装置を利用して生物学的試験を改善し、生物学的試験過程を能率化して標準化できる。
【0003】
多種多様な生物学的生育プレートが開発されている。一例としてミネソタ州セントポールの3M社(3M Company(St.Paul,Minnesota))(以下「3M」)によって、生物学的生育プレートが開発されている。具体的には生物学的生育プレートが、商品名ペトリフィルム(PETRIFILM)プレートの下に3Mによって市販される。生物学的生育プレートを利用して、例えば好気性細菌、大腸菌(E.coli)、大腸菌群、腸内細菌、酵母、カビ、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、リステリア(Listeria)、カンピロバクター(Campylobacter)などをはじめとする、一般に食物混入に関与する細菌またはその他の生物学的作用物質の迅速な生育および検出を容易にすることができる。ペトリフィルム(PETRIFILM)プレートまたはその他の生育培地の使用は、食物サンプルの細菌試験を単純化できる。
【0004】
生物学的生育プレートを使用して、細菌の存在を計数または同定でき、是正措置が実施でき(食物試験の場合)、または妥当な診断ができる(医療用途の場合)。その他の用途では、生物学的生育プレートを使用して、例えば実験目的で、試験室サンプル中の細菌またはその他の生物学的作用物質を迅速に生育させてもよい。
【0005】
生物学的スキャニングユニットは、生物学的生育プレート上の細菌コロニー、または特定の生物学的作用物質の量などをスキャニングまたはカウントするのに使用される装置を指す。例えば食物サンプルまたは試験室サンプルを生物学的生育プレートの上に置くことができ、次にプレートをインキュベーションチャンバーに挿入できる。インキュベーション後、生物学的生育プレートを生物学的スキャニングユニットに入れて、細菌生育の自動化された検出および計数ができる。このようにして生物学的スキャニングユニットは、生物学的生育プレート上の細菌またはその他の生物学的作用物質の検出および計数を自動化し、それによって人的過誤を低減することで、生物学的試験プロセスを改善する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、およそ生物学的生育プレートまたは同様の培地上の生物学的作用物質をカウントする技術に向けたものである。生物学的生育プレートを生物学的スキャニングユニットに挿入して、生物学的作用物質をカウントする。生物学的生育プレートを挿入すると、生物学的スキャニングユニットはプレートの画像を生成する。次に細菌コロニー数などの画像中に出現する生物学的作用物質の量を生物学的スキャニングユニット内で、またはデスクトップコンピューター、ワークステーションなどの外部計算機によって実施される画像処理および分析ルーチンを使用してカウントし、または別のやり方で判定できる。本発明に従って、それを使用して、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善できる、多様なカウントルールについて述べられる。
【0007】
一実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、生物学的生育培地に付随する背景色の値が範囲内であるかどうか判定するステップと、背景色の値が範囲外であれば追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てるステップを含む方法を提供する。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、生物学的生育培地上の生物学的作用物質の第1のカウントを同定するステップと、第1のカウントで同定された1つ以上の生物学的作用物質が第1のカウントで同定された1つ以上のその他の生物学的作用物質に近接近であると判定された場合、第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップとを含む方法を提供する。
【0009】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定するステップと、生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定するステップと、第1の数が閾値未満の場合、生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の生物学的作用物質を第2の数から除外するステップを含む方法を提供する。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップを含む方法を提供する。方法はまた、内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数が第1の閾値を超え、内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数が第2の閾値未満の場合、周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数に含めるように変更するステップを含む。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定するステップと、生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定するステップと、第2の数が係数と第1の数を乗じたものを超える場合、追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てるステップを含む方法を提供する。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、プロセッサー内で実行されると、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、生物学的生育培地に付随する背景色の値が範囲内であるかどうか判定し、背景色の値が範囲外であれば追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てるコンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体を提供する。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、プロセッサー内で実行されると、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、生物学的生育培地上の生物学的作用物質の第1のカウントを同定し、第1のカウントで同定された1つ以上の生物学的作用物質が、第1のカウントで同定された1つ以上のその他の生物学的作用物質と近接近であると判定された場合、第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するコンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体を提供する。
【0014】
別の実施形態では、本発明は、プロセッサー内で実行されると、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、第1の数が閾値未満の場合、生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の生物学的作用物質を第2の数から除外するコンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体を提供する。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、プロセッサー内で実行されると、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数が第1の閾値を超え、内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数が第2の閾値未満の場合、周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数に含めるように変更するコンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体を提供する。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、プロセッサー内で実行されると、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、第2の数が係数と第1の数を乗じたものを超える場合、追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てるコンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体を提供する。
【0017】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、画像を受信して、生物学的生育培地に付随する背景色の値が範囲内であるかどうか判定し、背景色の値が範囲外であれば追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てる、プロセッサーとを含むシステム提供する。
【0018】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、画像を受信し、生物学的生育培地上の生物学的作用物質の第1のカウントを同定し、第1のカウントで同定された1つ以上の生物学的作用物質が、第1のカウントで同定された1つ以上のその他の生物学的作用物質と近接近であると判定された場合、第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するプロセッサーとを含む、システムを提供する。
【0019】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、第1の数が閾値未満の場合、生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の生物学的作用物質を第2の数から除外するプロセッサーとを含むシステムを提供する。
【0020】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数が第1の閾値を超え、内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数が第2の閾値未満の場合、周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数に含めるように変更するプロセッサーとを含むシステムを提供する。
【0021】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、第2の数が係数と第1の数を乗じたものを超える場合、追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てるプロセッサーとを含むシステムを提供する。
【0022】
本発明の様々な態様は、いくつかの利点を提供するかもしれない。例えば本発明は、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善するかもしれない。特にここで述べるルールは、さもなければ生育プレート上の作用物質の自動化されたカウントの精度を損なうことができる、一般に起きる問題に対処するかもしれない。
【0023】
さらに本発明は、画像形成装置中で低コストの光学素子を使えるようにすることで、生物学的システムのコストを低下させるかもしれない。例えばここで述べる1つ以上のカウントルールは、画像形成装置の光学的欠陥を補償するかもしれない。したがって場合によってはカウントルールは、画像形成装置中でより低コストの光学素子を使えるようにすることで、生物学的スキャニングシステムのシステムコストを低下できる。
【0024】
これらおよびその他の実施形態の追加的詳細を下の添付図および説明で述べる。その他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、そして特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、生物学的生育プレートまたは同様の培地上の生物学的作用物質をカウントする技術に向けたものである。それらを使用して、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善することができる、多様なカウントルールについては以下に詳細に述べられる。カウントルールは典型的にコンピューター実行可能なソフトウェア命令として格納され、生物学的スキャニングシステム中のプロセッサーによって実行される。代案としてはルールは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または様々なハードウェア構成要素などのハードウェア中に実装されてもよい。ここで述べる様々なルールは、スキャニングされる生育培地次第で、個々に、またはあらゆる組み合わせで適用してもよい。いずれの場合もここで述べる1つ以上のルールを適用することで、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善できる。
【0026】
図1は、ここで述べられるカウントルールを履行できる、例示的な生物学的スキャニングシステム10の斜視図である。図1で示すように、生物学的スキャニングシステム10は、開いて生物学的生育プレート(図1には示さず)を受け入れる引き出し14を有するスキャニングユニット12を含む。引き出し14は、スキャニングおよび分析のために、生物学的生育プレートをスキャニングユニット12内に移動する。画像形成装置およびプロセッサーは、スキャニングユニット12内に存在する。生物学的生育プレートが引き出し14を通じてスキャニングユニット12に挿入されると、画像形成装置が生育プレート上に1つ以上の画像を生成する。次に画像分析を通じて生育培地上の生物学的作用物質の数をカウントするプロセッサーに、画像を送る。具体的には、以下で詳細に述べるように、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善するのに使用できる、スキャニングユニット12内のプロセッサーが、1つ以上のカウントルールを呼び出す。
【0027】
生物学的スキャニングシステム10はまた、スキャニングユニット12上に配置されたディスプレイ画面16を含んで、生物学的生育プレート分析の進捗状況または結果を使用者に表示してもよい。代案としては、またはさらに、ディスプレイ画面16は、スキャニングシステム10によってスキャニングされた生育プレートの画像を使用者に提示してもよい。表示される画像は、光学的に拡大またはデジタル的に拡大されてもよい。取り付け台18は、生物学的スキャニングシステム10による画像キャプチャーに続いて、それを通して生育プレートが排出できる排出スロット20を画定する。換言すれば、生物学的スキャニングシステム10は、その中でスキャニングユニット12が取り付け台18に取り付けられる二部デザインを有してもよい。二部デザインは例示の目的で図1で描写され、ここで述べる本発明に必要とされる、またはそれを制限することは意図されない。
【0028】
スキャニングユニット12は、生物学的生育プレートをスキャニングして、画像を生成するための画像形成装置を収納する。画像形成装置は、通常、生物学的生育プレートのフロントおよび/またはバック照明を提供する照明システムとの組み合わせで作動する、ラインスキャナーまたはエリアスキャナーの形態であってもよい。さらにスキャニングユニット12は、例えば生育プレート上の生物学的作用物質の数または量を判定するために、スキャニングされた画像の分析を実施する処理ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを収納してもよい。例えば引き出し14を通じた生物学的生育プレートの提示の際に、プレートをスキャニングのために光学プラテンに隣接して配置してもよい。ここでも本発明に従って、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善するために、スキャニングユニット12内のプロセッサーによって様々なカウントルールを適用できる。
【0029】
生育プレートのスキャニングに続いて引き出し14が開けられると、生育プレートは、排出スロット20を通じた排出のために、取り付け台18の中に下向きに落ちてもよい。そのためには取り付け台18は、排出スロット20を通じてスキャニングユニット12から生育プレートを排出するコンベヤーを収納してもよい。換言すれば、生物学的生育プレートが引き出し14に挿入され、スキャニングユニット12中に移動してスキャニングされた後に、生物学的生育プレートが取り付け台18の中に下向きに落ちて、そこで移動ベルトなどの水平コンベヤーがスロット20を通じて培地を排出する。
【0030】
図2は、ここで述べるカウントルールを履行できる別の生物学的スキャニングシステム20の斜視図である。生物学的スキャニングシステム20は、スキャニングユニット21によって生成された画像の画像分析を実施する、外部コンピューター22に接続するスキャニングユニット21を含む。換言すればシステム10(図1)がプロセッサーをスキャニングユニット12の内部に組み入れるのに対し、システム20(図2)は、例えば外部コンピューター22内にあるものなどのスキャニングユニット21にとって外部にあるプロセッサーを利用する。例えば外部コンピューター22は、生物学的生育プレート24の画像分析のためのソフトウェアを実行するマイクロプロセッサーを含んでもよい。外部コンピューター22としては、パーソナルコンピューター(PC)、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、ハンドヘルドコンピューター、ワークステーションなどが挙げられる。例えばソフトウェアプログラムを外部コンピューター22にロードして、生物学的スキャニングシステム20によって生成された生物学的生育プレート24の画像の画像分析を容易にすることができる。
【0031】
スキャニングユニット21は、インターフェース25を通じて外部コンピューター22に接続される。インターフェース25は、例えばユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス2(USB2)インターフェース、IEEE 1394ファイアワイヤインターフェース、スモールコンピューターシステムインターフェース(SCSI)インターフェース、アドバンステクノロジーアタッチメント(ATA)インターフェース、シリアルATAインターフェース、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)インターフェース、従来のシリアルまたはパラレルインターフェースなどを含んでもよい。
【0032】
図示するように、生物学的スキャニングシステム20は、生物学的生育プレート24を受け入れるようにデザインされる。具体的には、スキャニングユニット21は、生物学的生育プレート24を受け入れるための投入スロット28を画定するハウジング26を含む。ガイド機構23がハウジング26上に形成されて、スキャニングユニット21への生物学的生育プレート24の挿入を助けてもよい。スキャニングユニット21はまた、生育プレート24の画像形成に続いて、それを通して生育プレート24が排出される排出スロット(図示せず)を含む。スキャニングユニット21はまた、ディスプレイ画面(図示せず)などのその他の徴群を含んで、生物学的生育プレートの分析の進捗状況または結果を使用者に表示してもよい。
【0033】
スキャニングユニット21は、関心のある生物学的生育プレート24の1つ以上の画像を生成するための二次元モノクロカメラなどの画像形成装置を収納する。さらにスキャニングユニット21は、画像形成中に、生物学的生育プレート24の前後を照明するための様々な照明器を収納してもよい。照明器は生物学的生育プレート24を1つ以上の色で照明でき、生育プレート24の1つ以上の画像が生成されて、次に分析されて生育プレート24上の細菌カウントを判定できる。具体的には、スキャニングユニット21は、画像分析を実施するためのプロセッサーを含む外部コンピューター22に、画像を通信する。
【0034】
生育プレート24は、生育プレート24上に細菌またはその他の作用物質が発現する、生育領域27を含んでもよい。生育領域27は、平坦面または窪んだウェルであってもよい。生育プレート24内で試験された所定のサンプルが、細菌コロニーカウントの観点から許容可能であるかどうかの判定は、単位領域あたりの細菌コロニー数に左右される。したがってスキャニングユニット21によって生成された画像を使用して、プレート24の単位面積あたりの細菌コロニー量を定量化できる。所望ならばまた、個々のコロニーのサイズを要因の一つとして分析に含めてもよい。生育領域27内の生物学的生育プレート24の表面は、1つ以上のタイプの細菌の迅速な生育を容易にするようにデザインされた1つ以上の生育促進作用物質、またはその他の生物学的作用物質を含有してもよい。場合によっては、生物学的生育プレート24は、スキャニングユニット21への挿入に先だってインキュベートされる。
【0035】
生育プレート24は、生育プレート24を同定するのに使用される、バーコードまたはその他のタイプの識別マーキングなどの印29もまた含んでもよい。RFIDタグ、二次元光学検出可能コードなどもまた、印として使用してもよい。いずれの場合も印29は、生育プレー24の上で生育され試験される細菌または生物学的作用物質のタイプを同定してもよい。スキャニングユニット21は、生育プレート24をスキャニングユニット21中の第1の位置に引き寄せて印29の画像を生成し、次に生育プレート24を第2の位置に引き寄せて生育領域27の画像を生成するようにデザインできる。このようにして、印29および生育領域27の画像を生物学的スキャニングシステム20によって生成できる。代案としては、印29および生育領域27双方の単一画像をキャプチャーしてもよい。どちらの場合も印29のスキャニングは使用されるプレートタイプの同定を容易にでき、自動化された様式で1つ以上の望ましいカウントルールが適用できるようになる。
【0036】
一例として生育プレート24は、商品名ペトリフィルム(PETRIFILM)プレートの下に3Mによって販売される、生物学的生育プレートを含んでもよい。生育プレート24を利用して、例えば好気性細菌、大腸菌(E.coli)、大腸菌群、腸内細菌、酵母、カビ,黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、リステリア、カンピロバクター(Campylobacter)などの一般に食物混入に関与する細菌またはその他の生物学的作用物質の迅速な生育、および検出を容易にすることができる。生育プレートは概して、生物学的生育および細菌検出および計数のために一般に使用される、1タイプの生育培地である。しかし本発明は、多種多様なその他のタイプの生育培地を使用して応用してもよい。
【0037】
生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善するために、本発明の様々な態様は、画像処理中に適用できるルールを確立する。換言すれば以下に詳細に述べられるルールは、システム10またはシステム20中で実行されるカウントアルゴリズムの一部を形成できる。スキャニングされる生育培地のタイプ、および遭遇するかもしれない問題次第で、異なるルールを個々にまたはあらゆる組み合わせで使用してもよい。例えば下で概要を述べるように、いくつかのルールは、特定のタイプの生育プレートに適するかもしれない。ルールが適用される順序もまた、結果に影響するかもしれない。いずれにしても1つ以上のカウントルールの適用は、生育プレートなどの生育培地のような生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善することによって、システム10またはシステム20などの生物学的スキャニングシステムを改善できる。
【0038】
図3は、システム10(図1)またはシステム20(図2)に対応してもよい、生物学的スキャニングシステム30のブロックダイアグラムである。生物学的スキャニングシステム30は、生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置32を含み、画像をプロセッサー34に提供する。プロセッサー34はメモリ36に接続する。メモリ36は、画像形成装置32によって生成された画像の画像分析を容易にする、様々なプロセッサー実行可能ソフトウェア命令を保存する。具体的には、メモリ36は画像分析中に適用されて、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善する、1つ以上のカウントルール37格納する。出力装置38は、プロセッサー34によって判定された結果を受信して、結果を使用者に提供する。
【0039】
一例として画像形成装置32は、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を生成する二次元モノクロカメラを含んでもよい。様々な照明器(図示せず)を使用して、生物学的生育プレートの前後を照明してもよい。例えば照明器は生物学的生育プレートを1つ以上の色で照明でき、画像形成装置32によって生育プレートの1つ以上の画像が生成できる。画像はプロセッサー34に提供され、またメモリ36に格納されてもよい。いずれの場合も画像は、生育プレート上の細菌カウントを判定するために、カウントルール37を適用して分析される。画像形成装置32の解像度は、センチメートルあたりおよそ155ピクセルであってもよい。この場合、画像中の1センチメートルの線は155ピクセルの長さであり、各ピクセルはおよそ6.45×10EE−3の長さである。
【0040】
画像形成装置32のコストを低下させることが望ましい。高品質レンズなどの高コスト光学素子は画像形成を改善できるが、このような素子は、システム30のコストを法外なレベルに押し上げることができる。システム30における改善を達成するために、1つ以上のカウントルール37が代案の機構を提供してもよい。例えば1つ以上のカウントルール37が画像形成装置32における光学的欠陥を補償してもよい。したがって場合によっては、カウントルール37は、画像形成装置32中でより低コストの光学素子を使用できるようにすることで、システム30のコストを低下できる。
【0041】
プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを実行する、汎用マイクロプロセッサーを含んでもよい。代案としてはプロセッサー34は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはその他の特別にデザインされたプロセッサーを含んでもよい。いずれの場合もプロセッサー34は様々なカウントルール37を実行して、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善する。
【0042】
メモリ36は、プロセッサー34によって適用されるプロセッサー実行可能ソフトウェア命令を格納する、コンピューター可読媒体の一例である。一例としてメモリ36は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去可能プログラム可能読取専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリなどを含んでもよい。下で述べるようなカウントルール37は、メモリ36に格納され、画像分析に使用されるより大きなソフトウェアプログラムの一部を形成してもよい。
【0043】
出力装置38は、典型的に、結果を使用者に通信するのに使用されるディスプレイ画面を含む。しかし出力装置38はまた、プリンターなどのその他のタイプの装置を含むこともできる。出力装置38は、スキャニングユニット12(図1)のディスプレイ16などの生物学的スキャニングユニットの一部を形成してもよく、または外部コンピューター22(図2)のディスプレイ画面などのスキャニングユニットにとって外部にあってもよい。
【0044】
図4は、自動化された生物学的生育プレート分析プロセスを図示するフローダイヤグラムである。図4で示すように、プロセッサー34は、生育プレートの1つ以上の画像を受信する(41)。プロセッサー34は、メモリ36から様々なソフトウェアルーチンを呼び出して、生育プレート上の生物学的作用物質をカウントする。例えば細菌コロニーは、細菌コロニーが変色して生育培地上に発現する、色の違いによって同定してもよい(42)。プロセッサー34によって実行されるソフトウェアによって、インキュベーション中にコロニーが生育する生育領域の色変化に基づいて、生育プレート上の生物学的生育領域の同定、および細菌コロニーの自動化されたカウントができるようになる。
【0045】
本発明に基づいて、プロセッサー34は1つ以上のルールを適用して、生育培地上の生物学的作用物質のカウントの精度を改善する(43)。以下の説明で、多様なルールについて述べられる。ルールは、分析される生育プレートタイプ次第で、個々に適用してもよく、またはルールの様々な組み合わせで使用してもよい。ルールは、メモリ36から個々に呼び出されてもよく、またはより大きな画像分析ソフトウェアプログラムのサブルーチンを形成してもよい。下で述べるルールは、ルール1、2A、2B、3A、3B、4、5、および6として標識される。しかしこの表記法はルールの考察を助けるために提供され、ルールの適用の順序を暗示するものでは決してない。ルールは個々に適用してもよく、またはルールの様々な組を適用してもよい。ルールの組を使用する場合、スキャニングされるプレートタイプに基づいて、ルールを適用する順序を選択してもよい。ルールの適用のために選択される順序は、最終結果に影響するかもしれない。ルールの様々なサブセットもまた、あらゆる順序で適用してよく、ルールのサブセットのために選択される順序もまた、最終結果に影響するかもしれない。
【0046】
図5は、生育領域52と、例えばプレート50を特定のタイプの生育プレート、サンプル希釈度、サンプルタイプまたは出所として識別するための印54とを含む、例示的な生育プレート50を図示する。同様に図6は、生育領域62および印64を含む例示的な生育プレート60を図示する。図示されるように、生育プレート50の生育領域52に付随する背景色または濃淡は、生育プレート60の生育領域62のそれとは異なる。生育プレート50の生育領域52に付随する背景色が、画定された色範囲に含まれない場合、生育プレート50に関して問題が存在するかもしれない。ここで述べるルール1に従って、生育プレートの色を同定して色範囲と比較できる。生育プレートの色が範囲外であれば、技術者による再検査のために生育プレートにフラグを立てることができる。
【0047】
図7は、ルール1を図示するフローダイヤグラムである。図示するように、プロセッサー34はメモリ36に格納されているソフトウェアを呼び出して、生育プレートの色の値を同定する(71)。具体的にはプロセッサー34は、プレートの色調を画定する1つ以上の数値として、生育プレートの色を定量化してもよい。例えば色調は、赤、緑、および青の値、または色相、彩度、および明度の値を画定する3つの数で特性決定されてもよい。生育プレートの1つ以上の色の値が、ルール1の範囲外であれば(72)、例えばプレートの色調が許容可能として確立された色調の範囲内でなければ、その生育プレートには追加的再検査のためにフラグが立てられる(73)。例えばフラグが立てられた生育プレートは、生育プレートの色が問題を示唆するかどうかを判定するために、技術者の再検査を必要とするかもしれない。このようにしてルール1は、プレートの色に基づいて、潜在的に欠陥のある生育プレートの同定を自動化する。ルール1の色範囲は、概して使用する生育プレートのタイプに特異的であり、概して生育プレートが許容可能であることを示唆する色範囲として確立される。色調の値は、1つ以上の数値がある色範囲および色の値を画定するのに使用できる。
【0048】
図8は、生育領域82および印84を含む、例示的な生育プレート80を図示する。図8はまた、四角形の領域が同定されたコロニーであり、円形の領域が同定されたガスのあるコロニーであることを示唆する説明文も提供する。いくつかの生育プレートでは、ガスのあるコロニーは、計数できる生物学的コロニーの確認されたタイプを示唆するのに対し、ガスのないコロニーはコロニーが計数される、またはされないかもしれないことを示唆する。
【0049】
生育プレートの1つの問題は、1つのコロニーが分裂して、生育プレート上に概して2つ以上の相異なるマークとして発現することである。この場合、2つ以上の相異なるマークは、細菌カウントの目的では、概して同一コロニーを示唆する。しかし自動化されたシステムは、各マーキングを相異なるコロニーとしてカウントするかもしれない。ガスはコロニーの外周内、上または下で生成し、それはコロニーに影響してそれを分裂させることができるので、ガスを含むコロニーで、この問題はより優勢になることが多い。
【0050】
この問題を低減するために、ルール2Aおよび2Bが、生育プレート上で生育した単一コロニーからおそらく分裂したコロニーを同定するための代案の技術を提供する。一般に生育プレートが限られた数のコロニーを含み、2つ以上のコロニーが非常に接近している場合、2つのコロニーが生育プレート上で生育した単一コロニーから分裂した可能性が高いので、非常に接近している2つ以上のコロニーを単一コロニーとしてカウントすることが望ましいかもしれない。例えば85A、85B、および85Cとして同定されたコロニーの組は、このようなルールを適用する有望な候補であってもよい。
【0051】
図9は、ルール2Aを図示するフローダイヤグラムである。プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プレートカウント、すなわちプレート上で同定された作用物質の最初の数が、ルール2の閾値を超える場合(91の「いいえ」の枝分かれ)、プレートカウントには何ら変化が起きない。しかしプレートカウントがルール2の閾値未満の場合(91の「はい」の枝分かれ)、変化が起きるかもしれない。例えばルール2の閾値はおよそ20であってもよいが、この値は様々な実装のためにあらゆる値であることができる。不正確なカウントは、総カウント数が比較的低い場合にカウントの百分率により劇的な影響を及ぼすので、一般に最初のカウント数が比較的小さい場合に、ステップ(92〜94)を呼び出すことが最も望ましい。
【0052】
プレートカウントが、ルール2の閾値(91の「はい」の枝分かれ)未満の場合、プロセッサー34は、1つのコロニーが別のコロニーの画定された距離D2内であるかどうかを判定する(92)。そうである場合(92の「はい」の枝分かれ)、プロセッサーは、互いに画定された距離D2内の2つのコロニーに、1つのカウントのみが帰するものとする(73)。距離D2は絶対距離によって、または画像中のピクセルによって画定されてもよい。例えば距離D2は、2つのピクセルの中心から中心へのおよそ18ピクセルの幅として画定されてもよい。2つのコロニーが互いに、例えば中心から中心への距離がD2内である場合(93)、これらの2つのコロニーは1つのコロニーとしてカウントされる。
【0053】
換言すれば、比較的少数のコロニーを有する生育プレート上で、2つのコロニーが互いに非常に接近している場合、2つのコロニーが生育プレート上で生育した単一コロニーから分裂した可能性が高いので、これらの2つのコロニーは単一コロニーとしてカウントされる。プロセッサー34は、生育プレート上の各コロニーを検討して、各コロニーについて、所定のコロニーの距離D2内の隣接したコロニーを有するかどうか判定する。検討するコロニーがなくなると、ルール2Aのプロセスは終了する(94の「いいえ」の枝分かれ)。したがって3個以上のコロニーが相互距離D2内である場合、3個以上のコロニーが1つのコロニーとしてカウントされる。
【0054】
図10は、ルール2Aのわずかなバリエーションであるルール2Bを図示するフローダイヤグラムである。ルール2Aおよび2Bは、概して同様の問題を解決する代案であり、例えば最初のカウント中の2つ以上のコロニーを単一コロニーとしてカウントしなくてはならない場合を同定する。どちらの場合も、プロセッサー34は第1のカウントを生成し、次に単一コロニーとしてカウントしなくてはならない第1のカウント中の2つ以上のコロニーが同定されると、第1のカウントを低減して第2のカウントを生成する。異なるルールで異なる閾値を使用することもできるが、同一のルール2の閾値X2が図9および10で使用される。
【0055】
ここでもプロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プレートカウント、すなわちプレート上で同定された作用物質の最初の数がルール2の閾値を超えれば(101の「いいえ」の枝分かれ)、プレートカウントには何ら変化が起きない。しかしプレートカウントがルール2の閾値未満の場合(101の「はい」の枝分かれ)、変化が起きるかもしれない。
【0056】
具体的には、プレートカウントがルール2の閾値未満の場合(101の「はい」の枝分かれ)、プロセッサー34は、2つのコロニーが重なるかどうか判定する(102)。例えばプロセッサー34は、典型的に直径がおよそ0.2〜0.3センチメートルである各コロニーに付随する領域を取り囲む同定マークを画定してもよい(コロニーマークは示されるコロニーサイズに比例していてもよい)。2つの異なる領域の2つの同定マークが重なる場合(102の「はい」の枝分かれ)、プロセッサー34は、重なる2つのコロニーに1つのカウントのみが帰するものとする(103)。換言すれば、比較的少数のコロニーを有する生育プレート上で、2つのコロニーが互いに非常に接近している場合、2つのコロニーが生育プレート上で生育した単一コロニーから分裂した可能性が高いので、これらの2つのコロニーは単一コロニーとしてカウントされる。プロセッサー34は、生育プレート上の各コロニーを検討して、各コロニーについて、所定のコロニーに重なる隣接したコロニーがあるかどうかを判定する。検討するコロニーがなくなると、ルール2Bのプロセスは終了する(104の「いいえ」の枝分かれ)。
【0057】
図11は、生育領域112および印114を含む例示的な生育プレート110を図示する。図11はまた、円形の領域がコロニーであり、比較的大きな不規則な形がスプレッダー(spreader)コロニー(「液化コロニー」とも称される)であることを示唆する説明文も提供する。図11で図示されるような生育プレートの1つの問題は、1つ以上のコロニーがスプレッダーコロニーから発現するかもしれないことである。この場合、スプレッダーコロニーに比較的近いコロニーは、実際はスプレッダーコロニーの一部であり分離した相異なるコロニーでないかもしれない。しかし自動化されたシステムは、スプレッダーコロニーおよびスプレッダーコロニーから発現する様々なコロニーを含めて、各マーキングを分離したコロニーとしてカウントするかもしれない。
【0058】
この問題を低減するために、ルール3Aおよび3Bが、スプレッダーコロニーからおそらく分裂したコロニーを同定するための代案の技術を提供する。ルール3Aおよび3Bは、上で同定されたルール2Aおよび2Bと非常に類似しているが、スプレッダーコロニーが同定された場合に特異的である。一般に生育プレートが限られた数のコロニーを含み、1つ以上のコロニーが比較的大きなスプレッダーコロニーに非常に近い場合、スプレッダーコロニーに非常に近い2つ以上のコロニーをスプレッダーコロニーの一部として含めることが望ましいかもしれない。例えば115Aおよび115Bとして同定されたスプレッダーコロニーは、このようなルールを適用する有望な候補であってもよい。異なるルールで異なる閾値を使用することもできるが、同一のルール3の閾値X3が図12および13で使用される。
【0059】
図12はルール3A図示するフローダイヤグラムである。プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プレートカウント、すなわちプレート上で同定された作用物質の最初の数が、ルール3の閾値を超える場合(121の「いいえ」の枝分かれ)、プレートカウントには何ら変化が起きない。しかしプレートカウントがルール3の閾値未満の場合(121の「はい」の枝分かれ)、変化が起きるかもしれない。例えばルール3の閾値はおよそ150であってもよいが、この値は様々な実装のためにあらゆる値であることができる。不正確なカウントは、総カウント数が比較的低い場合にカウントの百分率により劇的な影響を及ぼすので、一般に最初のカウント数が閾値未満である場合に、ステップ(122〜123)を呼び出すことが最も望ましい。
【0060】
プレートカウントが、ルール3の閾値未満の場合(121の「はい」の枝分かれ)、プロセッサー34は、スプレッダーコロニーが同定されたどうかを判定する(122)。例えばスプレッダーコロニーは、形状、サイズおよび/または色に基づいて同定してもよい。特にスプレッダーコロニーは、概して比較的大きく不規則な形状を有し、その他のコロニーとはわずかに異なる色で発現するかもしれない。1つ以上のスプレッダーコロニーが同定された場合、次にプロセッサー34は、スプレッダーコロニーの画定された距離内の(D3)あらゆるコロニーをカウントから除外する。距離D3は絶対距離によって画定されてもよく、または画像中のピクセルによって画定されてもよい。例えば距離D3はおよそ0.065cmであってもよく、それはシステム30中のおよそ10ピクセルの幅に対応してもよい。いずれの場合もスプレッダーコロニーの距離D3内のあらゆるコロニーは、カウントから除外され、スプレッダーコロニーの一部であるとされる。
【0061】
図13は、ルール3Aのわずかなバリエーションであるルール3Bを図示するフローダイヤグラムである。ルール3Aおよび3Bは、概して同様の問題を解決する代案であり、例えば最初のカウント中のコロニーをスプレッダーコロニーの一部としてカウントしなくてはならない場合を同定する。どちらの場合も、プロセッサー34は第1のカウントを生成し、次にスプレッダーコロニーと、スプレッダーコロニーの一部としてカウントされるべき別のコロニーが同定されると、第1のカウントを低減して第2のカウントを生成する。
【0062】
プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プレートカウント、すなわちプレート上で同定された作用物質の最初の数がルール3の閾値を超えれば(131の「いいえ」の枝分かれ)、プレートカウントには何ら変化が起きない。しかしプレートカウントがルール3の閾値未満の場合(131の「はい」の枝分かれ)、変化が起きるかもしれない。
【0063】
具体的には、プレートカウントがルール3の閾値未満の場合(131の「はい」の枝分かれ)、プロセッサー34は、スプレッダーコロニーが同定されたかどうか判定する(132)。ここでもスプレッダーコロニーは、形状、サイズおよび/または色に基づいて同定してもよい。1つ以上のスプレッダーコロニーが同定された場合、次にプロセッサー34は、スプレッダーコロニーと重なるあらゆるコロニーをカウントから除外する(133)。例えばプロセッサー34は、スプレッダーコロニーに付随する領域を取り囲む、比較的大きな同定マークを画定してもよい。さらにプロセッサー34は、その他のコロニーに付随する領域を取り囲む同定マークを画定してもよい。スプレッダーコロニーに付随する同定マークが、あらゆるその他のコロニーの同定マークと重なる場合、スプレッダーコロニーと重なるその他のコロニーはカウントから除外される。この場合、スプレッダーコロニーに重なるその他のコロニーは、スプレッダーコロニーの一部とされる。
【0064】
図14は、生育領域142および印144を含む、例示的な生育プレート140を図示する。図14はまた、四角形の領域が同定されたコロニーであり、円形の領域が同定されたガスのあるコロニーであることを示唆する説明文も提供する。異なる濃淡が「青色コロニー」から「赤色」コロニーを識別する。もちろん赤色および青色は例示的であり、同様の生育プレートはあらゆるその他の色を使用できる。一般に第1の色が1つのタイプのコロニーに対応し、第2の色が別のタイプのコロニーに対応してもよい。場合によっては1つの色が一般的コロニーを同定して、別の色がより特異的なコロニーを同定してもよい。例えば赤色が大腸菌群コロニーを同定し、青色が特異的なタイプの大腸菌群である、大腸菌(E.coli)コロニーを同定してもよい。ガスのあるコロニーは、例えば政府規制に従って、計数できる生物学的コロニーの確認されたタイプを示唆するかもしれないのに対し、ガスのないコロニーはコロニーが確実に計数される、またはされないかもしれないことを示唆するかもしれない。
【0065】
生育プレート分析の1つの問題は、画像形成アーチファクトが生育プレートの画像に不規則さを引き起こす場合があることである。画像形成装置において、低価格レンズなどの比較的低価格の光学素子が使用されると、この問題が顕著となることがある。しかし一方で、生物学的スキャニングシステムにおけるコストをコントロールすることが望ましく、高コストの光学素子によってコストが相当に増大する場合がある。したがってより高コストの光学素子の使用よりも良いオプションは、より低コストの光学素子に付随する問題を同定し、克服できる画像分析ルールおよび技術の開発かもしれない。
【0066】
生育プレート140は、生育領域142の中心部分147に比較的少数のコロニーを含む。しかし生育領域142の周辺部149により多数のコロニーが存在する。統計学的には、コロニーが均一に分布することが期待される。したがって生育領域142の内部よりも周辺部149にはるかにより多数のコロニーが存在する場合、問題が同定されるかもしれない。この現象は、画像形成装置32の光学的欠陥に起因するかもしれない。以下の説明で、内部147は概して生育領域142の最内部のおよそ75%を指し、一方周辺部149は生育領域142の最外周のおよそ25%を指す。しかしその他の実施形態では、周辺部および内部は異なって配分されてもよい。
【0067】
図15は、図14で図示される問題に対処するルール4を図示するフローダイヤグラムである。図15は、色「赤」および「青」に関して述べられるが、ルールは、より一般的にあらゆる第1および第2の色に適用してもよい。
【0068】
プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プロセッサー34は、例えば内部147などの生物学的生育プレート内部の赤色カウント(R内部)数を同定する(151)。さらにプロセッサー34は、生物学的生育プレート内部の青色カウント(B内部)数を同定する(152)。生物学的生育プレート内部の赤色カウント(R内部)数が、ルール4の閾値(X4)未満の場合(153の「はい」の枝分かれ)、プロセッサーは、例えば周辺部149などの生育プレート外面縁の画定された距離D4内のあらゆる小さな面積の赤色コロニーをカウントしない(154)。同様に生物学的生育プレート内部の青色カウント(B内部)数が、ルール4の閾値(X4)未満の場合(155の「はい」の枝分かれ)、プロセッサーは、例えば周辺部149などの生育プレート外面縁の画定された距離D4内のあらゆる小さな面積の青色コロニーをカウントしない(154)。
【0069】
小さな面積のコロニーとは、概して画定された閾値未満の画定された面積または直径を有するコロニーを指す。小さな面積のコロニーは、絶対測定サイズと比較して画定されても、または画像中のピクセルによって画定されてもよい。一例として、小さな面積のコロニーは、およそ20ピクセルより小さいサイズを有するコロニーである。距離D4は、は絶対距離によって、または画像中のピクセルによって画定されてもよい。例えば距離D4は、およそ5ピクセルの幅として画定されてもよい。
【0070】
図16は、生育領域162および印164を含む例示的な生育プレート160を図示する。図16はまた、四角形の領域が同定されたコロニーであり、円形の領域が同定されたガスのあるコロニーであることを示唆する説明文も提供する。異なる濃淡が「青色コロニー」から「赤色」コロニーを識別する。しかしここでも赤色および青色は例示的であり、同様の生育プレートはあらゆるその他の色を使用できる。一般に第1の色が1つのタイプのコロニーに対応し、第2の色が別のタイプのコロニーに対応してもよい。場合によっては1つの色が一般的コロニーを同定して、別の色がより特異的なコロニーを同定してもよい。例えば赤色が大腸菌群コロニーを同定し、青色が特異的なタイプの大腸菌群である、大腸菌(E.coli)コロニーを同定してもよい。ガスのあるコロニーは、例えば政府規制に従って、計数できる生物学的コロニーの確認されたタイプを示唆するかもしれないのに対し、ガスのないコロニーはコロニーが確実に計数される、またはされないかもしれないことを示唆するかもしれない。
【0071】
生育プレート分析の1つの問題は、生育プレートが、生育指標の不均一なトリガ(化学反応)を示すかもしれないことである。統計学的には、コロニーが均一に分布することが期待される。はるかに高い百分率の赤色コロニーが1つの領域で発現し、はるかに高い百分率の青色コロニーが別の領域で発現する場合、問題が同定されるかもしれない。この場合、例えば赤色コロニーがより一般的な細菌生育の存在を同定し、青色コロニーがより特異的なタイプの細菌生育を同定する場合、青色コロニーは赤色コロニーとしてカウントされてもよい。不均一な分布では、青色コロニーの存在は、特異的なタイプの細菌生育の指標として信頼性がより低いが、典型的に、なおもより一般的な細菌の存在を示唆する。したがって自動化された細菌コロニーカウントでは、特に比較的低い細菌カウントを有するプレートにおいて不均一な分布が同定される場合、青色コロニーを赤色コロニーとしてカウントすることが望ましいかもしれない。
【0072】
例えば生育プレート160(図16)では、内部167に6つの赤色コロニーが存在し、内部167に1つのガスのある赤色コロニーが存在する。内部167に青色コロニーまたはガスのある青色コロニーは存在しない。対照的に周辺部169は3個の青色コロニー、1つのガスのある青色コロニー、および1つの赤色コロニーを含む。この場合、不均一な分布のために青色コロニーおよびガスのある青色コロニーは、赤色コロニーとしてカウントされてもよい(ここでガスのある青色は、ガスのある赤色として最適にカウントされる)。内部167は概して生育領域162の最内部のおよそ75%を指し、一方周辺部169は生育領域162の最外周のおよそ25%を指す。しかしその他の実施形態では、周辺部および内部は異なって配分されてもよい。
【0073】
図17は、図16で図示される問題に対処するルール5を図示するフローダイヤグラムである。図17は、色「赤」および「青」に関して述べられるが、ルールは、より一般的にあらゆる第1および第2の色に適用してもよい。
【0074】
プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プロセッサー34は、例えば内部167などの生物学的生育プレート内部の赤色カウント(R内部)数を同定する(171)。さらにプロセッサー34は、生物学的生育プレート内部の青色カウント(B内部)数を同定する(172)。またプロセッサー34は、例えば内部169などの生物学的生育プレート周辺部の赤色カウント(R周辺部)数を同定し(173)、生物学的生育プレート周辺部の青色カウント(B周辺部)数を同定する(174)。
【0075】
内部の赤色カウント(R内部)数が第1のルール5の閾値(X5)を超え、内部の青色カウント(B内部)数が第2のルール5の閾値(Y5)未満の場合(175の「はい」の枝分かれ)、プロセッサー34はプレート周辺部の青色カウント(B周辺部)を赤色カウントに変更する(176)。換言すれば、可能な統計を拒む程度まで不均一な分布が同定される場合、周辺部の青色コロニーは赤色コロニーとしてカウントされる。一例として、第1のルール5の閾値(X5)はおよそ5であってもよく、第2のルール5の閾値(Y5)はおよそ2であってもよいが、これらの数は、所望の実装に従って異なって選択されてもよい。
【0076】
図18は、生育領域182および印184を含む例示的な生育プレート180を図示する。図18はまた、四角形領域がコロニーであることを示唆する説明文も提供する。
【0077】
ここでも生育プレート分析の1つの問題は、生育プレートが、生育指標の不均一なトリガリング(化学反応)を示すかもしれないことである。統計学的には、コロニーが均一に分布することが期待される。別の領域よりもはるかに高い百分率のコロニーが1つの領域で発現する場合、問題が同定されるかもしれない。この場合、技術者による追加的検査のために、生育プレートにフラグを立てることが望ましいかもしれない。
【0078】
生育プレート180(図18)は、例えば内部187に4個のコロニーが存在し、対照的に周辺部189は15個のコロニーを含む。この場合、コロニーの分布は可能な統計を拒むので、技術者による追加的検査のために、生育プレートにフラグを立てることが望ましいかもしれない。
【0079】
図19は、図18で図示される問題に対処するルール6を図示するフローダイヤグラムである。プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プロセッサー34は生育領域にわたって最初のカウントを行い、プレートカウントがルール6の閾値(X6)を超えるかどうか判定する(191)。一例として、ルール6の閾値(X6)は、およそ5であってもよいが、その他の値をその他の実装で使用することもできる。
【0080】
プレートカウントがルール6の閾値(X6)を超える場合(191の「はい」の枝分かれ)、プロセッサー34は、例えば内部187などの生物学的生育プレート内部のカウント(C内部)数を同定する(192)。またプロセッサー34は、例えば周辺部189などの生物学的生育プレート周辺部のカウント(C周辺部)数を同定する(193)。周辺部のカウント(C周辺部)数が、係数(F)によって乗じた内部のカウント(C内部)数を超える場合(194の「はい」の枝分かれ)、生育プレートには追加的再検査のためにフラグが立てられる(195)。例えばひとたびフラグが立つと、フラグが立った生育プレートで手動再検査が実施されるべきであると技術者に通報されてもよい。
【0081】
内部および周辺部のサイズは、異なる実装で異なってもよい。さらに使用される係数(F)は、内部および周辺部の画定されたサイズに左右されてもよい。一例として、周辺部は、生育プレートの生育領域の最外面のおよそ25%を含み、内部は生育プレートの生育領域のおよそ75%を含む。この場合、係数(F)はおよそ1.5であってもよいが、その他の係数もまた使用してよい。係数(F)は典型的に1を超える値であり、周辺部における不均衡な数のカウントを示唆する。
【0082】
スキャニングされる生育培地次第で、ここで述べられる様々なルールを個々に適用してもよく、またはあらゆる組み合わせを適用してもよい。一例として、多様なペトリフィルム(PETRIFILM)プレートが、現在3Mによって販売される。これらとしては、好気性カウント(AC)プレート、大腸菌群カウント(CC)カウントプレート、および大腸菌(E.coli)カウント(EC)プレートが挙げられる。異なるルールの組を適用してAC、CC、およびECプレートを分析してもよい。さらに所定のプレート上の印内でプレートタイプを同定することで、生物学的スキャニングシステムにおいて、正しいルールの適用を自動化してもよい。
【0083】
ACプレートでは、ルール1の適用とそれに続くルール3Aまたはルール3Bの適用とそれに続くルール6の適用によって、改善されたカウント結果が得られるかもしれない。CCプレートでは、ルール1の適用とそれに続くルール2Aまたはルール2Bの適用とそれに続くルール4の適用によって、改善されたカウント結果が得られるかもしれない。ECプレートでは、ルール1の適用とそれに続くルール2Aまたはルール2Bの適用とそれに続くルール4の適用とそれに続くルール5の適用によって、改善されたカウント結果が得られるかもしれない。しかしこれらの例は例示的であり、様々なその他のルールの組の多分異なる順序での適用は、その他の実施形態では有用かもしれない。
【0084】
いくつかの生物学的スキャニングシステムの実施形態について述べられている。具体的には、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善するために、生物学的スキャニングシステムにおいて使用できる、多様なカウントルールについて述べられている。
【0085】
多くの技術が、ソフトウェアによって履行されると述べられている。この場合、コンピューター可読媒体が、上述のルールの1つ以上を具現するプロセッサー実行可能な命令を格納する。例えばコンピューター可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去可能プログラム可能読取専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリなどを含んでもよい。コンピューター可読媒体はまた、ソフトウェアをカスタマにデリバリするのに使用されるCD−ROMなどの不揮発性メモリを含んでもよい。またコンピューター可読媒体は、例えばインターネットなどのネットワーク経由でソフトウェアをデリバリするための電磁搬送波を含んでもよい。
【0086】
しかし同一技術がハードウェア内に実装されてもよい。ハードウェア実装の例としては、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特別にデザインされたハードウェアコンポーネント、またはそれらのあらゆる組み合わせ内の実装が挙げられる。さらにハードウェア、ソフトウェアまたはファームウェア内で、ここで述べられる1つ以上の技術を部分的に実行してもよい。
【0087】
いずれの場合も本発明の範囲と精神を逸脱することなく様々な修正を行ってもよい。例えばここで述べられる1つ以上のルールをその他のルール有りまたは無しで使用してもよく、所望の実装次第で様々なルールのサブセットをあらゆる順序で適用してもよい。これらおよびその他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に従ってカウント技術を実行できる生物学的スキャニングシステムの斜視図である。
【図2】ここで述べるような画像分析を実施する外部コンピューターと接続するスキャニングユニットを含む、別の例示的な生物学的スキャニングシステムの斜視図である。
【図3】図1または図2のどちらかで図示されるシステムに対応してもよい、生物学的スキャニングシステムのブロックダイアグラムである。
【図4】自動化された生物学的生育プレート分析のプロセスを示す、フローダイヤグラムである。
【図5】生じることができる1つの問題をひとまとめにして図示する、例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図6】生じることができる1つの問題をひとまとめにして図示する、例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図7】図5および6で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール1を図示するフローダイヤグラムである。
【図8】生じることができる1つの問題を図示する、例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図9】図8で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよいルール2Aを図示するフローダイヤグラムである。
【図10】図8で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール2Bを図示するフローダイヤグラムである。
【図11】生じることができる1つの問題を図示する例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図12】図11で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール3Aを図示するフローダイヤグラムである。
【図13】図11で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール3Bを図示するフローダイヤグラムである。
【図14】生じることができる1つの問題を図示する例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図15】図14で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール4を図示するフローダイヤグラムである。
【図16】生じることができる1つの問題を図示する例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図17】図16で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール5を図示するフローダイヤグラムである。
【図18】生じることができる1つの問題を図示する例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図19】図18で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール6を図示するフローダイヤグラムである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的生育プレートの分析のための生物学的スキャニングシステム、および食物サンプル、試験室サンプルなどの中の細菌またはその他の生物学的作用物質の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学的安全性は、現代社会における最重要の懸案事項である。食物またはその他の材料への生物学的混入の試験は、食品開発者および配給業者にとって重要になってきており、必須要件であることが多い。生物学的試験はまた、医療患者から採取された血液サンプル、実験目的で開発された試験室サンプル、およびその他のタイプの生物学的サンプルなどの試験室サンプル中の細菌またはその他の作用物質を同定するのに使用される。様々な技術および装置を利用して生物学的試験を改善し、生物学的試験過程を能率化して標準化できる。
【0003】
多種多様な生物学的生育プレートが開発されている。一例としてミネソタ州セントポールの3M社(3M Company(St.Paul,Minnesota))(以下「3M」)によって、生物学的生育プレートが開発されている。具体的には生物学的生育プレートが、商品名ペトリフィルム(PETRIFILM)プレートの下に3Mによって市販される。生物学的生育プレートを利用して、例えば好気性細菌、大腸菌(E.coli)、大腸菌群、腸内細菌、酵母、カビ、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、リステリア(Listeria)、カンピロバクター(Campylobacter)などをはじめとする、一般に食物混入に関与する細菌またはその他の生物学的作用物質の迅速な生育および検出を容易にすることができる。ペトリフィルム(PETRIFILM)プレートまたはその他の生育培地の使用は、食物サンプルの細菌試験を単純化できる。
【0004】
生物学的生育プレートを使用して、細菌の存在を計数または同定でき、是正措置が実施でき(食物試験の場合)、または妥当な診断ができる(医療用途の場合)。その他の用途では、生物学的生育プレートを使用して、例えば実験目的で、試験室サンプル中の細菌またはその他の生物学的作用物質を迅速に生育させてもよい。
【0005】
生物学的スキャニングユニットは、生物学的生育プレート上の細菌コロニー、または特定の生物学的作用物質の量などをスキャニングまたはカウントするのに使用される装置を指す。例えば食物サンプルまたは試験室サンプルを生物学的生育プレートの上に置くことができ、次にプレートをインキュベーションチャンバーに挿入できる。インキュベーション後、生物学的生育プレートを生物学的スキャニングユニットに入れて、細菌生育の自動化された検出および計数ができる。このようにして生物学的スキャニングユニットは、生物学的生育プレート上の細菌またはその他の生物学的作用物質の検出および計数を自動化し、それによって人的過誤を低減することで、生物学的試験プロセスを改善する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、およそ生物学的生育プレートまたは同様の培地上の生物学的作用物質をカウントする技術に向けたものである。生物学的生育プレートを生物学的スキャニングユニットに挿入して、生物学的作用物質をカウントする。生物学的生育プレートを挿入すると、生物学的スキャニングユニットはプレートの画像を生成する。次に細菌コロニー数などの画像中に出現する生物学的作用物質の量を生物学的スキャニングユニット内で、またはデスクトップコンピューター、ワークステーションなどの外部計算機によって実施される画像処理および分析ルーチンを使用してカウントし、または別のやり方で判定できる。本発明に従って、それを使用して、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善できる、多様なカウントルールについて述べられる。
【0007】
一実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、生物学的生育培地に付随する背景色の値が範囲内であるかどうか判定するステップと、背景色の値が範囲外であれば追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てるステップを含む方法を提供する。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、生物学的生育培地上の生物学的作用物質の第1のカウントを同定するステップと、第1のカウントで同定された1つ以上の生物学的作用物質が第1のカウントで同定された1つ以上のその他の生物学的作用物質に近接近であると判定された場合、第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップとを含む方法を提供する。
【0009】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定するステップと、生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定するステップと、第1の数が閾値未満の場合、生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の生物学的作用物質を第2の数から除外するステップを含む方法を提供する。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップを含む方法を提供する。方法はまた、内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数が第1の閾値を超え、内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数が第2の閾値未満の場合、周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数に含めるように変更するステップを含む。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定するステップと、生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定するステップと、第2の数が係数と第1の数を乗じたものを超える場合、追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てるステップを含む方法を提供する。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、プロセッサー内で実行されると、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、生物学的生育培地に付随する背景色の値が範囲内であるかどうか判定し、背景色の値が範囲外であれば追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てるコンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体を提供する。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、プロセッサー内で実行されると、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、生物学的生育培地上の生物学的作用物質の第1のカウントを同定し、第1のカウントで同定された1つ以上の生物学的作用物質が、第1のカウントで同定された1つ以上のその他の生物学的作用物質と近接近であると判定された場合、第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するコンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体を提供する。
【0014】
別の実施形態では、本発明は、プロセッサー内で実行されると、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、第1の数が閾値未満の場合、生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の生物学的作用物質を第2の数から除外するコンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体を提供する。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、プロセッサー内で実行されると、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数が第1の閾値を超え、内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数が第2の閾値未満の場合、周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数に含めるように変更するコンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体を提供する。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、プロセッサー内で実行されると、生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、第2の数が係数と第1の数を乗じたものを超える場合、追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てるコンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体を提供する。
【0017】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、画像を受信して、生物学的生育培地に付随する背景色の値が範囲内であるかどうか判定し、背景色の値が範囲外であれば追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てる、プロセッサーとを含むシステム提供する。
【0018】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、画像を受信し、生物学的生育培地上の生物学的作用物質の第1のカウントを同定し、第1のカウントで同定された1つ以上の生物学的作用物質が、第1のカウントで同定された1つ以上のその他の生物学的作用物質と近接近であると判定された場合、第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するプロセッサーとを含む、システムを提供する。
【0019】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、第1の数が閾値未満の場合、生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の生物学的作用物質を第2の数から除外するプロセッサーとを含むシステムを提供する。
【0020】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数が第1の閾値を超え、内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数が第2の閾値未満の場合、周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数に含めるように変更するプロセッサーとを含むシステムを提供する。
【0021】
別の実施形態では、本発明は、生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、第2の数が係数と第1の数を乗じたものを超える場合、追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てるプロセッサーとを含むシステムを提供する。
【0022】
本発明の様々な態様は、いくつかの利点を提供するかもしれない。例えば本発明は、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善するかもしれない。特にここで述べるルールは、さもなければ生育プレート上の作用物質の自動化されたカウントの精度を損なうことができる、一般に起きる問題に対処するかもしれない。
【0023】
さらに本発明は、画像形成装置中で低コストの光学素子を使えるようにすることで、生物学的システムのコストを低下させるかもしれない。例えばここで述べる1つ以上のカウントルールは、画像形成装置の光学的欠陥を補償するかもしれない。したがって場合によってはカウントルールは、画像形成装置中でより低コストの光学素子を使えるようにすることで、生物学的スキャニングシステムのシステムコストを低下できる。
【0024】
これらおよびその他の実施形態の追加的詳細を下の添付図および説明で述べる。その他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、そして特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、生物学的生育プレートまたは同様の培地上の生物学的作用物質をカウントする技術に向けたものである。それらを使用して、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善することができる、多様なカウントルールについては以下に詳細に述べられる。カウントルールは典型的にコンピューター実行可能なソフトウェア命令として格納され、生物学的スキャニングシステム中のプロセッサーによって実行される。代案としてはルールは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または様々なハードウェア構成要素などのハードウェア中に実装されてもよい。ここで述べる様々なルールは、スキャニングされる生育培地次第で、個々に、またはあらゆる組み合わせで適用してもよい。いずれの場合もここで述べる1つ以上のルールを適用することで、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善できる。
【0026】
図1は、ここで述べられるカウントルールを履行できる、例示的な生物学的スキャニングシステム10の斜視図である。図1で示すように、生物学的スキャニングシステム10は、開いて生物学的生育プレート(図1には示さず)を受け入れる引き出し14を有するスキャニングユニット12を含む。引き出し14は、スキャニングおよび分析のために、生物学的生育プレートをスキャニングユニット12内に移動する。画像形成装置およびプロセッサーは、スキャニングユニット12内に存在する。生物学的生育プレートが引き出し14を通じてスキャニングユニット12に挿入されると、画像形成装置が生育プレート上に1つ以上の画像を生成する。次に画像分析を通じて生育培地上の生物学的作用物質の数をカウントするプロセッサーに、画像を送る。具体的には、以下で詳細に述べるように、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善するのに使用できる、スキャニングユニット12内のプロセッサーが、1つ以上のカウントルールを呼び出す。
【0027】
生物学的スキャニングシステム10はまた、スキャニングユニット12上に配置されたディスプレイ画面16を含んで、生物学的生育プレート分析の進捗状況または結果を使用者に表示してもよい。代案としては、またはさらに、ディスプレイ画面16は、スキャニングシステム10によってスキャニングされた生育プレートの画像を使用者に提示してもよい。表示される画像は、光学的に拡大またはデジタル的に拡大されてもよい。取り付け台18は、生物学的スキャニングシステム10による画像キャプチャーに続いて、それを通して生育プレートが排出できる排出スロット20を画定する。換言すれば、生物学的スキャニングシステム10は、その中でスキャニングユニット12が取り付け台18に取り付けられる二部デザインを有してもよい。二部デザインは例示の目的で図1で描写され、ここで述べる本発明に必要とされる、またはそれを制限することは意図されない。
【0028】
スキャニングユニット12は、生物学的生育プレートをスキャニングして、画像を生成するための画像形成装置を収納する。画像形成装置は、通常、生物学的生育プレートのフロントおよび/またはバック照明を提供する照明システムとの組み合わせで作動する、ラインスキャナーまたはエリアスキャナーの形態であってもよい。さらにスキャニングユニット12は、例えば生育プレート上の生物学的作用物質の数または量を判定するために、スキャニングされた画像の分析を実施する処理ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを収納してもよい。例えば引き出し14を通じた生物学的生育プレートの提示の際に、プレートをスキャニングのために光学プラテンに隣接して配置してもよい。ここでも本発明に従って、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善するために、スキャニングユニット12内のプロセッサーによって様々なカウントルールを適用できる。
【0029】
生育プレートのスキャニングに続いて引き出し14が開けられると、生育プレートは、排出スロット20を通じた排出のために、取り付け台18の中に下向きに落ちてもよい。そのためには取り付け台18は、排出スロット20を通じてスキャニングユニット12から生育プレートを排出するコンベヤーを収納してもよい。換言すれば、生物学的生育プレートが引き出し14に挿入され、スキャニングユニット12中に移動してスキャニングされた後に、生物学的生育プレートが取り付け台18の中に下向きに落ちて、そこで移動ベルトなどの水平コンベヤーがスロット20を通じて培地を排出する。
【0030】
図2は、ここで述べるカウントルールを履行できる別の生物学的スキャニングシステム20の斜視図である。生物学的スキャニングシステム20は、スキャニングユニット21によって生成された画像の画像分析を実施する、外部コンピューター22に接続するスキャニングユニット21を含む。換言すればシステム10(図1)がプロセッサーをスキャニングユニット12の内部に組み入れるのに対し、システム20(図2)は、例えば外部コンピューター22内にあるものなどのスキャニングユニット21にとって外部にあるプロセッサーを利用する。例えば外部コンピューター22は、生物学的生育プレート24の画像分析のためのソフトウェアを実行するマイクロプロセッサーを含んでもよい。外部コンピューター22としては、パーソナルコンピューター(PC)、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、ハンドヘルドコンピューター、ワークステーションなどが挙げられる。例えばソフトウェアプログラムを外部コンピューター22にロードして、生物学的スキャニングシステム20によって生成された生物学的生育プレート24の画像の画像分析を容易にすることができる。
【0031】
スキャニングユニット21は、インターフェース25を通じて外部コンピューター22に接続される。インターフェース25は、例えばユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス2(USB2)インターフェース、IEEE 1394ファイアワイヤインターフェース、スモールコンピューターシステムインターフェース(SCSI)インターフェース、アドバンステクノロジーアタッチメント(ATA)インターフェース、シリアルATAインターフェース、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)インターフェース、従来のシリアルまたはパラレルインターフェースなどを含んでもよい。
【0032】
図示するように、生物学的スキャニングシステム20は、生物学的生育プレート24を受け入れるようにデザインされる。具体的には、スキャニングユニット21は、生物学的生育プレート24を受け入れるための投入スロット28を画定するハウジング26を含む。ガイド機構23がハウジング26上に形成されて、スキャニングユニット21への生物学的生育プレート24の挿入を助けてもよい。スキャニングユニット21はまた、生育プレート24の画像形成に続いて、それを通して生育プレート24が排出される排出スロット(図示せず)を含む。スキャニングユニット21はまた、ディスプレイ画面(図示せず)などのその他の徴群を含んで、生物学的生育プレートの分析の進捗状況または結果を使用者に表示してもよい。
【0033】
スキャニングユニット21は、関心のある生物学的生育プレート24の1つ以上の画像を生成するための二次元モノクロカメラなどの画像形成装置を収納する。さらにスキャニングユニット21は、画像形成中に、生物学的生育プレート24の前後を照明するための様々な照明器を収納してもよい。照明器は生物学的生育プレート24を1つ以上の色で照明でき、生育プレート24の1つ以上の画像が生成されて、次に分析されて生育プレート24上の細菌カウントを判定できる。具体的には、スキャニングユニット21は、画像分析を実施するためのプロセッサーを含む外部コンピューター22に、画像を通信する。
【0034】
生育プレート24は、生育プレート24上に細菌またはその他の作用物質が発現する、生育領域27を含んでもよい。生育領域27は、平坦面または窪んだウェルであってもよい。生育プレート24内で試験された所定のサンプルが、細菌コロニーカウントの観点から許容可能であるかどうかの判定は、単位領域あたりの細菌コロニー数に左右される。したがってスキャニングユニット21によって生成された画像を使用して、プレート24の単位面積あたりの細菌コロニー量を定量化できる。所望ならばまた、個々のコロニーのサイズを要因の一つとして分析に含めてもよい。生育領域27内の生物学的生育プレート24の表面は、1つ以上のタイプの細菌の迅速な生育を容易にするようにデザインされた1つ以上の生育促進作用物質、またはその他の生物学的作用物質を含有してもよい。場合によっては、生物学的生育プレート24は、スキャニングユニット21への挿入に先だってインキュベートされる。
【0035】
生育プレート24は、生育プレート24を同定するのに使用される、バーコードまたはその他のタイプの識別マーキングなどの印29もまた含んでもよい。RFIDタグ、二次元光学検出可能コードなどもまた、印として使用してもよい。いずれの場合も印29は、生育プレー24の上で生育され試験される細菌または生物学的作用物質のタイプを同定してもよい。スキャニングユニット21は、生育プレート24をスキャニングユニット21中の第1の位置に引き寄せて印29の画像を生成し、次に生育プレート24を第2の位置に引き寄せて生育領域27の画像を生成するようにデザインできる。このようにして、印29および生育領域27の画像を生物学的スキャニングシステム20によって生成できる。代案としては、印29および生育領域27双方の単一画像をキャプチャーしてもよい。どちらの場合も印29のスキャニングは使用されるプレートタイプの同定を容易にでき、自動化された様式で1つ以上の望ましいカウントルールが適用できるようになる。
【0036】
一例として生育プレート24は、商品名ペトリフィルム(PETRIFILM)プレートの下に3Mによって販売される、生物学的生育プレートを含んでもよい。生育プレート24を利用して、例えば好気性細菌、大腸菌(E.coli)、大腸菌群、腸内細菌、酵母、カビ,黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、リステリア、カンピロバクター(Campylobacter)などの一般に食物混入に関与する細菌またはその他の生物学的作用物質の迅速な生育、および検出を容易にすることができる。生育プレートは概して、生物学的生育および細菌検出および計数のために一般に使用される、1タイプの生育培地である。しかし本発明は、多種多様なその他のタイプの生育培地を使用して応用してもよい。
【0037】
生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善するために、本発明の様々な態様は、画像処理中に適用できるルールを確立する。換言すれば以下に詳細に述べられるルールは、システム10またはシステム20中で実行されるカウントアルゴリズムの一部を形成できる。スキャニングされる生育培地のタイプ、および遭遇するかもしれない問題次第で、異なるルールを個々にまたはあらゆる組み合わせで使用してもよい。例えば下で概要を述べるように、いくつかのルールは、特定のタイプの生育プレートに適するかもしれない。ルールが適用される順序もまた、結果に影響するかもしれない。いずれにしても1つ以上のカウントルールの適用は、生育プレートなどの生育培地のような生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善することによって、システム10またはシステム20などの生物学的スキャニングシステムを改善できる。
【0038】
図3は、システム10(図1)またはシステム20(図2)に対応してもよい、生物学的スキャニングシステム30のブロックダイアグラムである。生物学的スキャニングシステム30は、生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置32を含み、画像をプロセッサー34に提供する。プロセッサー34はメモリ36に接続する。メモリ36は、画像形成装置32によって生成された画像の画像分析を容易にする、様々なプロセッサー実行可能ソフトウェア命令を保存する。具体的には、メモリ36は画像分析中に適用されて、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善する、1つ以上のカウントルール37格納する。出力装置38は、プロセッサー34によって判定された結果を受信して、結果を使用者に提供する。
【0039】
一例として画像形成装置32は、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を生成する二次元モノクロカメラを含んでもよい。様々な照明器(図示せず)を使用して、生物学的生育プレートの前後を照明してもよい。例えば照明器は生物学的生育プレートを1つ以上の色で照明でき、画像形成装置32によって生育プレートの1つ以上の画像が生成できる。画像はプロセッサー34に提供され、またメモリ36に格納されてもよい。いずれの場合も画像は、生育プレート上の細菌カウントを判定するために、カウントルール37を適用して分析される。画像形成装置32の解像度は、センチメートルあたりおよそ155ピクセルであってもよい。この場合、画像中の1センチメートルの線は155ピクセルの長さであり、各ピクセルはおよそ6.45×10EE−3の長さである。
【0040】
画像形成装置32のコストを低下させることが望ましい。高品質レンズなどの高コスト光学素子は画像形成を改善できるが、このような素子は、システム30のコストを法外なレベルに押し上げることができる。システム30における改善を達成するために、1つ以上のカウントルール37が代案の機構を提供してもよい。例えば1つ以上のカウントルール37が画像形成装置32における光学的欠陥を補償してもよい。したがって場合によっては、カウントルール37は、画像形成装置32中でより低コストの光学素子を使用できるようにすることで、システム30のコストを低下できる。
【0041】
プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを実行する、汎用マイクロプロセッサーを含んでもよい。代案としてはプロセッサー34は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはその他の特別にデザインされたプロセッサーを含んでもよい。いずれの場合もプロセッサー34は様々なカウントルール37を実行して、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善する。
【0042】
メモリ36は、プロセッサー34によって適用されるプロセッサー実行可能ソフトウェア命令を格納する、コンピューター可読媒体の一例である。一例としてメモリ36は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去可能プログラム可能読取専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリなどを含んでもよい。下で述べるようなカウントルール37は、メモリ36に格納され、画像分析に使用されるより大きなソフトウェアプログラムの一部を形成してもよい。
【0043】
出力装置38は、典型的に、結果を使用者に通信するのに使用されるディスプレイ画面を含む。しかし出力装置38はまた、プリンターなどのその他のタイプの装置を含むこともできる。出力装置38は、スキャニングユニット12(図1)のディスプレイ16などの生物学的スキャニングユニットの一部を形成してもよく、または外部コンピューター22(図2)のディスプレイ画面などのスキャニングユニットにとって外部にあってもよい。
【0044】
図4は、自動化された生物学的生育プレート分析プロセスを図示するフローダイヤグラムである。図4で示すように、プロセッサー34は、生育プレートの1つ以上の画像を受信する(41)。プロセッサー34は、メモリ36から様々なソフトウェアルーチンを呼び出して、生育プレート上の生物学的作用物質をカウントする。例えば細菌コロニーは、細菌コロニーが変色して生育培地上に発現する、色の違いによって同定してもよい(42)。プロセッサー34によって実行されるソフトウェアによって、インキュベーション中にコロニーが生育する生育領域の色変化に基づいて、生育プレート上の生物学的生育領域の同定、および細菌コロニーの自動化されたカウントができるようになる。
【0045】
本発明に基づいて、プロセッサー34は1つ以上のルールを適用して、生育培地上の生物学的作用物質のカウントの精度を改善する(43)。以下の説明で、多様なルールについて述べられる。ルールは、分析される生育プレートタイプ次第で、個々に適用してもよく、またはルールの様々な組み合わせで使用してもよい。ルールは、メモリ36から個々に呼び出されてもよく、またはより大きな画像分析ソフトウェアプログラムのサブルーチンを形成してもよい。下で述べるルールは、ルール1、2A、2B、3A、3B、4、5、および6として標識される。しかしこの表記法はルールの考察を助けるために提供され、ルールの適用の順序を暗示するものでは決してない。ルールは個々に適用してもよく、またはルールの様々な組を適用してもよい。ルールの組を使用する場合、スキャニングされるプレートタイプに基づいて、ルールを適用する順序を選択してもよい。ルールの適用のために選択される順序は、最終結果に影響するかもしれない。ルールの様々なサブセットもまた、あらゆる順序で適用してよく、ルールのサブセットのために選択される順序もまた、最終結果に影響するかもしれない。
【0046】
図5は、生育領域52と、例えばプレート50を特定のタイプの生育プレート、サンプル希釈度、サンプルタイプまたは出所として識別するための印54とを含む、例示的な生育プレート50を図示する。同様に図6は、生育領域62および印64を含む例示的な生育プレート60を図示する。図示されるように、生育プレート50の生育領域52に付随する背景色または濃淡は、生育プレート60の生育領域62のそれとは異なる。生育プレート50の生育領域52に付随する背景色が、画定された色範囲に含まれない場合、生育プレート50に関して問題が存在するかもしれない。ここで述べるルール1に従って、生育プレートの色を同定して色範囲と比較できる。生育プレートの色が範囲外であれば、技術者による再検査のために生育プレートにフラグを立てることができる。
【0047】
図7は、ルール1を図示するフローダイヤグラムである。図示するように、プロセッサー34はメモリ36に格納されているソフトウェアを呼び出して、生育プレートの色の値を同定する(71)。具体的にはプロセッサー34は、プレートの色調を画定する1つ以上の数値として、生育プレートの色を定量化してもよい。例えば色調は、赤、緑、および青の値、または色相、彩度、および明度の値を画定する3つの数で特性決定されてもよい。生育プレートの1つ以上の色の値が、ルール1の範囲外であれば(72)、例えばプレートの色調が許容可能として確立された色調の範囲内でなければ、その生育プレートには追加的再検査のためにフラグが立てられる(73)。例えばフラグが立てられた生育プレートは、生育プレートの色が問題を示唆するかどうかを判定するために、技術者の再検査を必要とするかもしれない。このようにしてルール1は、プレートの色に基づいて、潜在的に欠陥のある生育プレートの同定を自動化する。ルール1の色範囲は、概して使用する生育プレートのタイプに特異的であり、概して生育プレートが許容可能であることを示唆する色範囲として確立される。色調の値は、1つ以上の数値がある色範囲および色の値を画定するのに使用できる。
【0048】
図8は、生育領域82および印84を含む、例示的な生育プレート80を図示する。図8はまた、四角形の領域が同定されたコロニーであり、円形の領域が同定されたガスのあるコロニーであることを示唆する説明文も提供する。いくつかの生育プレートでは、ガスのあるコロニーは、計数できる生物学的コロニーの確認されたタイプを示唆するのに対し、ガスのないコロニーはコロニーが計数される、またはされないかもしれないことを示唆する。
【0049】
生育プレートの1つの問題は、1つのコロニーが分裂して、生育プレート上に概して2つ以上の相異なるマークとして発現することである。この場合、2つ以上の相異なるマークは、細菌カウントの目的では、概して同一コロニーを示唆する。しかし自動化されたシステムは、各マーキングを相異なるコロニーとしてカウントするかもしれない。ガスはコロニーの外周内、上または下で生成し、それはコロニーに影響してそれを分裂させることができるので、ガスを含むコロニーで、この問題はより優勢になることが多い。
【0050】
この問題を低減するために、ルール2Aおよび2Bが、生育プレート上で生育した単一コロニーからおそらく分裂したコロニーを同定するための代案の技術を提供する。一般に生育プレートが限られた数のコロニーを含み、2つ以上のコロニーが非常に接近している場合、2つのコロニーが生育プレート上で生育した単一コロニーから分裂した可能性が高いので、非常に接近している2つ以上のコロニーを単一コロニーとしてカウントすることが望ましいかもしれない。例えば85A、85B、および85Cとして同定されたコロニーの組は、このようなルールを適用する有望な候補であってもよい。
【0051】
図9は、ルール2Aを図示するフローダイヤグラムである。プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プレートカウント、すなわちプレート上で同定された作用物質の最初の数が、ルール2の閾値を超える場合(91の「いいえ」の枝分かれ)、プレートカウントには何ら変化が起きない。しかしプレートカウントがルール2の閾値未満の場合(91の「はい」の枝分かれ)、変化が起きるかもしれない。例えばルール2の閾値はおよそ20であってもよいが、この値は様々な実装のためにあらゆる値であることができる。不正確なカウントは、総カウント数が比較的低い場合にカウントの百分率により劇的な影響を及ぼすので、一般に最初のカウント数が比較的小さい場合に、ステップ(92〜94)を呼び出すことが最も望ましい。
【0052】
プレートカウントが、ルール2の閾値(91の「はい」の枝分かれ)未満の場合、プロセッサー34は、1つのコロニーが別のコロニーの画定された距離D2内であるかどうかを判定する(92)。そうである場合(92の「はい」の枝分かれ)、プロセッサーは、互いに画定された距離D2内の2つのコロニーに、1つのカウントのみが帰するものとする(73)。距離D2は絶対距離によって、または画像中のピクセルによって画定されてもよい。例えば距離D2は、2つのピクセルの中心から中心へのおよそ18ピクセルの幅として画定されてもよい。2つのコロニーが互いに、例えば中心から中心への距離がD2内である場合(93)、これらの2つのコロニーは1つのコロニーとしてカウントされる。
【0053】
換言すれば、比較的少数のコロニーを有する生育プレート上で、2つのコロニーが互いに非常に接近している場合、2つのコロニーが生育プレート上で生育した単一コロニーから分裂した可能性が高いので、これらの2つのコロニーは単一コロニーとしてカウントされる。プロセッサー34は、生育プレート上の各コロニーを検討して、各コロニーについて、所定のコロニーの距離D2内の隣接したコロニーを有するかどうか判定する。検討するコロニーがなくなると、ルール2Aのプロセスは終了する(94の「いいえ」の枝分かれ)。したがって3個以上のコロニーが相互距離D2内である場合、3個以上のコロニーが1つのコロニーとしてカウントされる。
【0054】
図10は、ルール2Aのわずかなバリエーションであるルール2Bを図示するフローダイヤグラムである。ルール2Aおよび2Bは、概して同様の問題を解決する代案であり、例えば最初のカウント中の2つ以上のコロニーを単一コロニーとしてカウントしなくてはならない場合を同定する。どちらの場合も、プロセッサー34は第1のカウントを生成し、次に単一コロニーとしてカウントしなくてはならない第1のカウント中の2つ以上のコロニーが同定されると、第1のカウントを低減して第2のカウントを生成する。異なるルールで異なる閾値を使用することもできるが、同一のルール2の閾値X2が図9および10で使用される。
【0055】
ここでもプロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プレートカウント、すなわちプレート上で同定された作用物質の最初の数がルール2の閾値を超えれば(101の「いいえ」の枝分かれ)、プレートカウントには何ら変化が起きない。しかしプレートカウントがルール2の閾値未満の場合(101の「はい」の枝分かれ)、変化が起きるかもしれない。
【0056】
具体的には、プレートカウントがルール2の閾値未満の場合(101の「はい」の枝分かれ)、プロセッサー34は、2つのコロニーが重なるかどうか判定する(102)。例えばプロセッサー34は、典型的に直径がおよそ0.2〜0.3センチメートルである各コロニーに付随する領域を取り囲む同定マークを画定してもよい(コロニーマークは示されるコロニーサイズに比例していてもよい)。2つの異なる領域の2つの同定マークが重なる場合(102の「はい」の枝分かれ)、プロセッサー34は、重なる2つのコロニーに1つのカウントのみが帰するものとする(103)。換言すれば、比較的少数のコロニーを有する生育プレート上で、2つのコロニーが互いに非常に接近している場合、2つのコロニーが生育プレート上で生育した単一コロニーから分裂した可能性が高いので、これらの2つのコロニーは単一コロニーとしてカウントされる。プロセッサー34は、生育プレート上の各コロニーを検討して、各コロニーについて、所定のコロニーに重なる隣接したコロニーがあるかどうかを判定する。検討するコロニーがなくなると、ルール2Bのプロセスは終了する(104の「いいえ」の枝分かれ)。
【0057】
図11は、生育領域112および印114を含む例示的な生育プレート110を図示する。図11はまた、円形の領域がコロニーであり、比較的大きな不規則な形がスプレッダー(spreader)コロニー(「液化コロニー」とも称される)であることを示唆する説明文も提供する。図11で図示されるような生育プレートの1つの問題は、1つ以上のコロニーがスプレッダーコロニーから発現するかもしれないことである。この場合、スプレッダーコロニーに比較的近いコロニーは、実際はスプレッダーコロニーの一部であり分離した相異なるコロニーでないかもしれない。しかし自動化されたシステムは、スプレッダーコロニーおよびスプレッダーコロニーから発現する様々なコロニーを含めて、各マーキングを分離したコロニーとしてカウントするかもしれない。
【0058】
この問題を低減するために、ルール3Aおよび3Bが、スプレッダーコロニーからおそらく分裂したコロニーを同定するための代案の技術を提供する。ルール3Aおよび3Bは、上で同定されたルール2Aおよび2Bと非常に類似しているが、スプレッダーコロニーが同定された場合に特異的である。一般に生育プレートが限られた数のコロニーを含み、1つ以上のコロニーが比較的大きなスプレッダーコロニーに非常に近い場合、スプレッダーコロニーに非常に近い2つ以上のコロニーをスプレッダーコロニーの一部として含めることが望ましいかもしれない。例えば115Aおよび115Bとして同定されたスプレッダーコロニーは、このようなルールを適用する有望な候補であってもよい。異なるルールで異なる閾値を使用することもできるが、同一のルール3の閾値X3が図12および13で使用される。
【0059】
図12はルール3A図示するフローダイヤグラムである。プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プレートカウント、すなわちプレート上で同定された作用物質の最初の数が、ルール3の閾値を超える場合(121の「いいえ」の枝分かれ)、プレートカウントには何ら変化が起きない。しかしプレートカウントがルール3の閾値未満の場合(121の「はい」の枝分かれ)、変化が起きるかもしれない。例えばルール3の閾値はおよそ150であってもよいが、この値は様々な実装のためにあらゆる値であることができる。不正確なカウントは、総カウント数が比較的低い場合にカウントの百分率により劇的な影響を及ぼすので、一般に最初のカウント数が閾値未満である場合に、ステップ(122〜123)を呼び出すことが最も望ましい。
【0060】
プレートカウントが、ルール3の閾値未満の場合(121の「はい」の枝分かれ)、プロセッサー34は、スプレッダーコロニーが同定されたどうかを判定する(122)。例えばスプレッダーコロニーは、形状、サイズおよび/または色に基づいて同定してもよい。特にスプレッダーコロニーは、概して比較的大きく不規則な形状を有し、その他のコロニーとはわずかに異なる色で発現するかもしれない。1つ以上のスプレッダーコロニーが同定された場合、次にプロセッサー34は、スプレッダーコロニーの画定された距離内の(D3)あらゆるコロニーをカウントから除外する。距離D3は絶対距離によって画定されてもよく、または画像中のピクセルによって画定されてもよい。例えば距離D3はおよそ0.065cmであってもよく、それはシステム30中のおよそ10ピクセルの幅に対応してもよい。いずれの場合もスプレッダーコロニーの距離D3内のあらゆるコロニーは、カウントから除外され、スプレッダーコロニーの一部であるとされる。
【0061】
図13は、ルール3Aのわずかなバリエーションであるルール3Bを図示するフローダイヤグラムである。ルール3Aおよび3Bは、概して同様の問題を解決する代案であり、例えば最初のカウント中のコロニーをスプレッダーコロニーの一部としてカウントしなくてはならない場合を同定する。どちらの場合も、プロセッサー34は第1のカウントを生成し、次にスプレッダーコロニーと、スプレッダーコロニーの一部としてカウントされるべき別のコロニーが同定されると、第1のカウントを低減して第2のカウントを生成する。
【0062】
プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プレートカウント、すなわちプレート上で同定された作用物質の最初の数がルール3の閾値を超えれば(131の「いいえ」の枝分かれ)、プレートカウントには何ら変化が起きない。しかしプレートカウントがルール3の閾値未満の場合(131の「はい」の枝分かれ)、変化が起きるかもしれない。
【0063】
具体的には、プレートカウントがルール3の閾値未満の場合(131の「はい」の枝分かれ)、プロセッサー34は、スプレッダーコロニーが同定されたかどうか判定する(132)。ここでもスプレッダーコロニーは、形状、サイズおよび/または色に基づいて同定してもよい。1つ以上のスプレッダーコロニーが同定された場合、次にプロセッサー34は、スプレッダーコロニーと重なるあらゆるコロニーをカウントから除外する(133)。例えばプロセッサー34は、スプレッダーコロニーに付随する領域を取り囲む、比較的大きな同定マークを画定してもよい。さらにプロセッサー34は、その他のコロニーに付随する領域を取り囲む同定マークを画定してもよい。スプレッダーコロニーに付随する同定マークが、あらゆるその他のコロニーの同定マークと重なる場合、スプレッダーコロニーと重なるその他のコロニーはカウントから除外される。この場合、スプレッダーコロニーに重なるその他のコロニーは、スプレッダーコロニーの一部とされる。
【0064】
図14は、生育領域142および印144を含む、例示的な生育プレート140を図示する。図14はまた、四角形の領域が同定されたコロニーであり、円形の領域が同定されたガスのあるコロニーであることを示唆する説明文も提供する。異なる濃淡が「青色コロニー」から「赤色」コロニーを識別する。もちろん赤色および青色は例示的であり、同様の生育プレートはあらゆるその他の色を使用できる。一般に第1の色が1つのタイプのコロニーに対応し、第2の色が別のタイプのコロニーに対応してもよい。場合によっては1つの色が一般的コロニーを同定して、別の色がより特異的なコロニーを同定してもよい。例えば赤色が大腸菌群コロニーを同定し、青色が特異的なタイプの大腸菌群である、大腸菌(E.coli)コロニーを同定してもよい。ガスのあるコロニーは、例えば政府規制に従って、計数できる生物学的コロニーの確認されたタイプを示唆するかもしれないのに対し、ガスのないコロニーはコロニーが確実に計数される、またはされないかもしれないことを示唆するかもしれない。
【0065】
生育プレート分析の1つの問題は、画像形成アーチファクトが生育プレートの画像に不規則さを引き起こす場合があることである。画像形成装置において、低価格レンズなどの比較的低価格の光学素子が使用されると、この問題が顕著となることがある。しかし一方で、生物学的スキャニングシステムにおけるコストをコントロールすることが望ましく、高コストの光学素子によってコストが相当に増大する場合がある。したがってより高コストの光学素子の使用よりも良いオプションは、より低コストの光学素子に付随する問題を同定し、克服できる画像分析ルールおよび技術の開発かもしれない。
【0066】
生育プレート140は、生育領域142の中心部分147に比較的少数のコロニーを含む。しかし生育領域142の周辺部149により多数のコロニーが存在する。統計学的には、コロニーが均一に分布することが期待される。したがって生育領域142の内部よりも周辺部149にはるかにより多数のコロニーが存在する場合、問題が同定されるかもしれない。この現象は、画像形成装置32の光学的欠陥に起因するかもしれない。以下の説明で、内部147は概して生育領域142の最内部のおよそ75%を指し、一方周辺部149は生育領域142の最外周のおよそ25%を指す。しかしその他の実施形態では、周辺部および内部は異なって配分されてもよい。
【0067】
図15は、図14で図示される問題に対処するルール4を図示するフローダイヤグラムである。図15は、色「赤」および「青」に関して述べられるが、ルールは、より一般的にあらゆる第1および第2の色に適用してもよい。
【0068】
プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プロセッサー34は、例えば内部147などの生物学的生育プレート内部の赤色カウント(R内部)数を同定する(151)。さらにプロセッサー34は、生物学的生育プレート内部の青色カウント(B内部)数を同定する(152)。生物学的生育プレート内部の赤色カウント(R内部)数が、ルール4の閾値(X4)未満の場合(153の「はい」の枝分かれ)、プロセッサーは、例えば周辺部149などの生育プレート外面縁の画定された距離D4内のあらゆる小さな面積の赤色コロニーをカウントしない(154)。同様に生物学的生育プレート内部の青色カウント(B内部)数が、ルール4の閾値(X4)未満の場合(155の「はい」の枝分かれ)、プロセッサーは、例えば周辺部149などの生育プレート外面縁の画定された距離D4内のあらゆる小さな面積の青色コロニーをカウントしない(154)。
【0069】
小さな面積のコロニーとは、概して画定された閾値未満の画定された面積または直径を有するコロニーを指す。小さな面積のコロニーは、絶対測定サイズと比較して画定されても、または画像中のピクセルによって画定されてもよい。一例として、小さな面積のコロニーは、およそ20ピクセルより小さいサイズを有するコロニーである。距離D4は、は絶対距離によって、または画像中のピクセルによって画定されてもよい。例えば距離D4は、およそ5ピクセルの幅として画定されてもよい。
【0070】
図16は、生育領域162および印164を含む例示的な生育プレート160を図示する。図16はまた、四角形の領域が同定されたコロニーであり、円形の領域が同定されたガスのあるコロニーであることを示唆する説明文も提供する。異なる濃淡が「青色コロニー」から「赤色」コロニーを識別する。しかしここでも赤色および青色は例示的であり、同様の生育プレートはあらゆるその他の色を使用できる。一般に第1の色が1つのタイプのコロニーに対応し、第2の色が別のタイプのコロニーに対応してもよい。場合によっては1つの色が一般的コロニーを同定して、別の色がより特異的なコロニーを同定してもよい。例えば赤色が大腸菌群コロニーを同定し、青色が特異的なタイプの大腸菌群である、大腸菌(E.coli)コロニーを同定してもよい。ガスのあるコロニーは、例えば政府規制に従って、計数できる生物学的コロニーの確認されたタイプを示唆するかもしれないのに対し、ガスのないコロニーはコロニーが確実に計数される、またはされないかもしれないことを示唆するかもしれない。
【0071】
生育プレート分析の1つの問題は、生育プレートが、生育指標の不均一なトリガ(化学反応)を示すかもしれないことである。統計学的には、コロニーが均一に分布することが期待される。はるかに高い百分率の赤色コロニーが1つの領域で発現し、はるかに高い百分率の青色コロニーが別の領域で発現する場合、問題が同定されるかもしれない。この場合、例えば赤色コロニーがより一般的な細菌生育の存在を同定し、青色コロニーがより特異的なタイプの細菌生育を同定する場合、青色コロニーは赤色コロニーとしてカウントされてもよい。不均一な分布では、青色コロニーの存在は、特異的なタイプの細菌生育の指標として信頼性がより低いが、典型的に、なおもより一般的な細菌の存在を示唆する。したがって自動化された細菌コロニーカウントでは、特に比較的低い細菌カウントを有するプレートにおいて不均一な分布が同定される場合、青色コロニーを赤色コロニーとしてカウントすることが望ましいかもしれない。
【0072】
例えば生育プレート160(図16)では、内部167に6つの赤色コロニーが存在し、内部167に1つのガスのある赤色コロニーが存在する。内部167に青色コロニーまたはガスのある青色コロニーは存在しない。対照的に周辺部169は3個の青色コロニー、1つのガスのある青色コロニー、および1つの赤色コロニーを含む。この場合、不均一な分布のために青色コロニーおよびガスのある青色コロニーは、赤色コロニーとしてカウントされてもよい(ここでガスのある青色は、ガスのある赤色として最適にカウントされる)。内部167は概して生育領域162の最内部のおよそ75%を指し、一方周辺部169は生育領域162の最外周のおよそ25%を指す。しかしその他の実施形態では、周辺部および内部は異なって配分されてもよい。
【0073】
図17は、図16で図示される問題に対処するルール5を図示するフローダイヤグラムである。図17は、色「赤」および「青」に関して述べられるが、ルールは、より一般的にあらゆる第1および第2の色に適用してもよい。
【0074】
プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プロセッサー34は、例えば内部167などの生物学的生育プレート内部の赤色カウント(R内部)数を同定する(171)。さらにプロセッサー34は、生物学的生育プレート内部の青色カウント(B内部)数を同定する(172)。またプロセッサー34は、例えば内部169などの生物学的生育プレート周辺部の赤色カウント(R周辺部)数を同定し(173)、生物学的生育プレート周辺部の青色カウント(B周辺部)数を同定する(174)。
【0075】
内部の赤色カウント(R内部)数が第1のルール5の閾値(X5)を超え、内部の青色カウント(B内部)数が第2のルール5の閾値(Y5)未満の場合(175の「はい」の枝分かれ)、プロセッサー34はプレート周辺部の青色カウント(B周辺部)を赤色カウントに変更する(176)。換言すれば、可能な統計を拒む程度まで不均一な分布が同定される場合、周辺部の青色コロニーは赤色コロニーとしてカウントされる。一例として、第1のルール5の閾値(X5)はおよそ5であってもよく、第2のルール5の閾値(Y5)はおよそ2であってもよいが、これらの数は、所望の実装に従って異なって選択されてもよい。
【0076】
図18は、生育領域182および印184を含む例示的な生育プレート180を図示する。図18はまた、四角形領域がコロニーであることを示唆する説明文も提供する。
【0077】
ここでも生育プレート分析の1つの問題は、生育プレートが、生育指標の不均一なトリガリング(化学反応)を示すかもしれないことである。統計学的には、コロニーが均一に分布することが期待される。別の領域よりもはるかに高い百分率のコロニーが1つの領域で発現する場合、問題が同定されるかもしれない。この場合、技術者による追加的検査のために、生育プレートにフラグを立てることが望ましいかもしれない。
【0078】
生育プレート180(図18)は、例えば内部187に4個のコロニーが存在し、対照的に周辺部189は15個のコロニーを含む。この場合、コロニーの分布は可能な統計を拒むので、技術者による追加的検査のために、生育プレートにフラグを立てることが望ましいかもしれない。
【0079】
図19は、図18で図示される問題に対処するルール6を図示するフローダイヤグラムである。プロセッサー34は、メモリ36に格納されるソフトウェアを呼び出して、生物学的生育プレートの1つ以上の画像を分析し、プレート上の生物学的作用物質の数をカウントする。プロセッサー34は生育領域にわたって最初のカウントを行い、プレートカウントがルール6の閾値(X6)を超えるかどうか判定する(191)。一例として、ルール6の閾値(X6)は、およそ5であってもよいが、その他の値をその他の実装で使用することもできる。
【0080】
プレートカウントがルール6の閾値(X6)を超える場合(191の「はい」の枝分かれ)、プロセッサー34は、例えば内部187などの生物学的生育プレート内部のカウント(C内部)数を同定する(192)。またプロセッサー34は、例えば周辺部189などの生物学的生育プレート周辺部のカウント(C周辺部)数を同定する(193)。周辺部のカウント(C周辺部)数が、係数(F)によって乗じた内部のカウント(C内部)数を超える場合(194の「はい」の枝分かれ)、生育プレートには追加的再検査のためにフラグが立てられる(195)。例えばひとたびフラグが立つと、フラグが立った生育プレートで手動再検査が実施されるべきであると技術者に通報されてもよい。
【0081】
内部および周辺部のサイズは、異なる実装で異なってもよい。さらに使用される係数(F)は、内部および周辺部の画定されたサイズに左右されてもよい。一例として、周辺部は、生育プレートの生育領域の最外面のおよそ25%を含み、内部は生育プレートの生育領域のおよそ75%を含む。この場合、係数(F)はおよそ1.5であってもよいが、その他の係数もまた使用してよい。係数(F)は典型的に1を超える値であり、周辺部における不均衡な数のカウントを示唆する。
【0082】
スキャニングされる生育培地次第で、ここで述べられる様々なルールを個々に適用してもよく、またはあらゆる組み合わせを適用してもよい。一例として、多様なペトリフィルム(PETRIFILM)プレートが、現在3Mによって販売される。これらとしては、好気性カウント(AC)プレート、大腸菌群カウント(CC)カウントプレート、および大腸菌(E.coli)カウント(EC)プレートが挙げられる。異なるルールの組を適用してAC、CC、およびECプレートを分析してもよい。さらに所定のプレート上の印内でプレートタイプを同定することで、生物学的スキャニングシステムにおいて、正しいルールの適用を自動化してもよい。
【0083】
ACプレートでは、ルール1の適用とそれに続くルール3Aまたはルール3Bの適用とそれに続くルール6の適用によって、改善されたカウント結果が得られるかもしれない。CCプレートでは、ルール1の適用とそれに続くルール2Aまたはルール2Bの適用とそれに続くルール4の適用によって、改善されたカウント結果が得られるかもしれない。ECプレートでは、ルール1の適用とそれに続くルール2Aまたはルール2Bの適用とそれに続くルール4の適用とそれに続くルール5の適用によって、改善されたカウント結果が得られるかもしれない。しかしこれらの例は例示的であり、様々なその他のルールの組の多分異なる順序での適用は、その他の実施形態では有用かもしれない。
【0084】
いくつかの生物学的スキャニングシステムの実施形態について述べられている。具体的には、生物学的生育プレート上の生物学的作用物質の自動化されたカウントの精度を改善するために、生物学的スキャニングシステムにおいて使用できる、多様なカウントルールについて述べられている。
【0085】
多くの技術が、ソフトウェアによって履行されると述べられている。この場合、コンピューター可読媒体が、上述のルールの1つ以上を具現するプロセッサー実行可能な命令を格納する。例えばコンピューター可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去可能プログラム可能読取専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリなどを含んでもよい。コンピューター可読媒体はまた、ソフトウェアをカスタマにデリバリするのに使用されるCD−ROMなどの不揮発性メモリを含んでもよい。またコンピューター可読媒体は、例えばインターネットなどのネットワーク経由でソフトウェアをデリバリするための電磁搬送波を含んでもよい。
【0086】
しかし同一技術がハードウェア内に実装されてもよい。ハードウェア実装の例としては、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特別にデザインされたハードウェアコンポーネント、またはそれらのあらゆる組み合わせ内の実装が挙げられる。さらにハードウェア、ソフトウェアまたはファームウェア内で、ここで述べられる1つ以上の技術を部分的に実行してもよい。
【0087】
いずれの場合も本発明の範囲と精神を逸脱することなく様々な修正を行ってもよい。例えばここで述べられる1つ以上のルールをその他のルール有りまたは無しで使用してもよく、所望の実装次第で様々なルールのサブセットをあらゆる順序で適用してもよい。これらおよびその他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に従ってカウント技術を実行できる生物学的スキャニングシステムの斜視図である。
【図2】ここで述べるような画像分析を実施する外部コンピューターと接続するスキャニングユニットを含む、別の例示的な生物学的スキャニングシステムの斜視図である。
【図3】図1または図2のどちらかで図示されるシステムに対応してもよい、生物学的スキャニングシステムのブロックダイアグラムである。
【図4】自動化された生物学的生育プレート分析のプロセスを示す、フローダイヤグラムである。
【図5】生じることができる1つの問題をひとまとめにして図示する、例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図6】生じることができる1つの問題をひとまとめにして図示する、例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図7】図5および6で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール1を図示するフローダイヤグラムである。
【図8】生じることができる1つの問題を図示する、例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図9】図8で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよいルール2Aを図示するフローダイヤグラムである。
【図10】図8で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール2Bを図示するフローダイヤグラムである。
【図11】生じることができる1つの問題を図示する例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図12】図11で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール3Aを図示するフローダイヤグラムである。
【図13】図11で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール3Bを図示するフローダイヤグラムである。
【図14】生じることができる1つの問題を図示する例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図15】図14で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール4を図示するフローダイヤグラムである。
【図16】生じることができる1つの問題を図示する例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図17】図16で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール5を図示するフローダイヤグラムである。
【図18】生じることができる1つの問題を図示する例示的な生育培地のダイヤグラムである。
【図19】図18で図示される問題に対処するために、自動化された生物学的生育プレート分析プロセス中に使用してもよい、ルール6を図示するフローダイヤグラムである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、
前記生物学的生育培地に付随する背景色の値が範囲内であるかどうかを判定するステップと、
前記背景色の値が範囲外であれば追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記生物学的生育培地が生育プレートであり、追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるステップが、技術者による再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記背景色の値が前記生物学的生育培地の色調を画定する1つ以上の数を含み、前記範囲が色調範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、
前記生物学的生育培地上の生物学的作用物質の第1のカウントを同定するステップと、
前記第1のカウント中の同定された1つ以上の生物学的作用物質が、前記第1のカウント中の同定された1つ以上のその他の生物学的作用物質と近接近にあると判定された場合、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップと、
を含む方法。
【請求項5】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、画定された相互距離内にある2つ以上の細菌コロニーに、1つのカウントのみが帰するものとするステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記2つ以上の細菌コロニーに付随する一組の同定マークが重なる場合、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、2つ以上の細菌コロニーに1つのカウントのみが帰するものとするステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上のスプレッダーコロニーを同定するステップをさらに含み、
前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、前記スプレッダーコロニーの1つの画定された距離内の細菌コロニーを前記第2のカウントから除外するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上のスプレッダーコロニーを同定するステップをさらに含み、
前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、前記スプレッダーコロニーの所定の1つの同定マークと重なる同定マークを有する細菌コロニーを前記第2のカウントから除外するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のカウントが閾値未満であるかどうかを判定するステップと、
前記第1のカウントが閾値未満である場合にのみ前記第1のカウントを低減して前記第2のカウントを生成するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、
前記生物学的生育培地の内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地の周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定するステップと、
前記第1の数が閾値未満である場合、前記生育培地の生育領域縁からの画定された距離内の1つ以上の生物学的作用物質を前記第2の数から除外するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記縁からの画定された距離内の前記1つ以上の生物学的作用物質が閾値面積より小さい面積を画定する場合のみ、前記第1の数が閾値未満である場合、前記生育培地の生育領域縁からの前記画定された距離内の前記1つ以上の生物学的作用物質を前記第2の数から除外するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質として前記第1の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の第3の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質として前記第2の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の第4の数を同定するステップと、
前記第1のカラー生物学的作用物質の第1の数が閾値未満であり、前記画定された距離内の前記1つ以上の第1のカラー生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の第1のカラー生物学的作用物質を第1のカラー生物学的作用物質の前記第2の数から除外するステップと、
前記第2のカラー生物学的作用物質の前記第3の数が閾値未満であり、前記画定された距離内の前記1つ以上の第2のカラー生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の第2のカラー生物学的作用物質を第2のカラー生物学的作用物質の前記第4の数から除外するステップと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、前記第1の色が赤を含み、前記第2の色が青を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、
前記生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、
前記内部に付随する前記第1のカラー生物学的作用物質の数が第1の閾値を超え、前記内部に付随する前記第2のカラー生物学的作用物質の数が第2の閾値未満である場合、前記周辺部に付随する前記第2のカラー生物学的作用物質の数を前記周辺部に付随する前記第1のカラー生物学的作用物質の数に含めるように変更するステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、前記第1の色が赤を含み、前記第2の色が青を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、
前記生物学的生育培地の内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地の周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定するステップと、
前記第2の数が係数と前記第1の数を乗じたものを超える場合、追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるステップと、
を含む方法。
【請求項20】
前記係数がおよそ1.5である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記生物学的生育培地がペトリ皿であり、前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるステップが、技術者による再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
プロセッサー内で実行すると、
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、
前記生物学的生育培地に付随する背景色の値が範囲内であるかどうかを判定し、
前記背景色の値が範囲外であれば追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てる、
コンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体。
【請求項24】
前記生物学的生育培地が生育プレートであり、前記背景色の値が範囲外であれば、前記命令が技術者による再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てる、請求項23に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項25】
前記背景色の値が前記生物学的生育培地の色調を画定する1つ以上の数を含み、前記範囲が色調範囲である、請求項23に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項26】
プロセッサー内で実行すると、
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、
前記生物学的生育培地上の生物学的作用物質の第1のカウントを同定し、
前記第1のカウントで同定された1つ以上の生物学的作用物質が、前記第1のカウントで同定された1つ以上のその他の生物学的作用物質と近接近であると判定された場合、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するコンピューター可読命令、
を含む、コンピューター可読媒体。
【請求項27】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含む、請求項26に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項28】
前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、画定された相互距離内の2つ以上の細菌コロニーに1つのカウントのみが帰するものとするステップを含む、請求項27に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項29】
前記2つ以上の細菌コロニーに付随する一組の同定マークが重なる場合、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、2つ以上の細菌コロニーに1つのカウントのみが帰するものとするステップを含む、請求項27に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項30】
実行されると、前記命令が、1つ以上のスプレッダーコロニーを同定し、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、前記スプレッダーコロニーの1つの画定された距離内の細菌コロニーを前記第2のカウントから除外するステップを含む、請求項27に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項31】
実行されると、前記命令が、1つ以上のスプレッダーコロニーを同定し、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、前記スプレッダーコロニーの所定の1つの同定マークと重なる同定マークを有する細菌コロニーを前記第2のカウントから除外するステップを含む、請求項27に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項32】
実行されると、前記命令が、第1のカウントが閾値未満であるかどうか判定し、前記第1のカウントが閾値未満である場合にのみ前記第1のカウントを低減して前記第2のカウントを生成する、請求項26に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項33】
プロセッサー中で実行されると、
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、
前記生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、
前記第1の数が閾値未満の場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の生物学的作用物質を前記第2の数から除外する、
コンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体。
【請求項34】
実行されると、前記命令が、前記縁から画定された距離内の前記1つ以上の生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合にのみ、前記第1の数が閾値未満の場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の前記1つ以上の生物学的作用物質を前記第2の数から除外する、請求項33に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項35】
実行されると、前記命令が、
前記生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質として前記第1の数を同定し、
前記生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の第3の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質として前記第2の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の第4の数を同定し、
前記第1のカラー生物学的作用物質の前記第1の数が閾値未満であり、前記画定された距離内の前記1つ以上の第1のカラー生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の第1のカラー生物学的作用物質を第1のカラー生物学的作用物質の前記第2の数から除外し、
前記第2のカラー生物学的作用物質の前記第3の数が閾値未満であり、前記画定された距離内の1つ以上の第2のカラー生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の第2のカラー生物学的作用物質を第2のカラー生物学的作用物質の前記第4の数から除外する、
請求項33に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項36】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、前記第1の色が赤を含み、前記第2の色が青を含む、請求項35に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項37】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項35に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項38】
プロセッサー中で実行すると、
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、
前記生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、
前記生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、
前記内部に付随する前記第1のカラー生物学的作用物質の数が第1の閾値を超え、前記内部に付随する前記第2のカラー生物学的作用物質の数が第2の閾値未満である場合、前記周辺部に付随する前記第2のカラー生物学的作用物質の数を前記周辺部に付随する前記第1のカラー生物学的作用物質の数に含めるように変更する、
コンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体。
【請求項39】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、前記第1の色が赤を含み、前記第2の色が青を含む、請求項38に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項40】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項38に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項41】
プロセッサー中で実行すると、
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、
前記生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、
前記第2の数が係数と前記第1の数を乗じたものを超える場合、追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てる、
コンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体。
【請求項42】
前記係数がおよそ1.5である、請求項41に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項43】
前記生物学的生育培地がペトリ皿であり、前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、実行されると、前記命令が、第1の数が係数と前記第2の数を乗じたものを超える場合、技術者による再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てる、請求項41に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項44】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項41に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項45】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、
前記画像を受信し、前記生物学的生育培地に付随する背景色の値が範囲内であるかどうかを判定し、前記背景色の値が範囲外であれば追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるプロセッサーと、
を含むシステム。
【請求項46】
前記背景色の値が前記生物学的生育培地の色調を画定する1つ以上の数を含み、前記範囲が色調範囲である、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、
前記画像を受信し、前記生物学的生育培地上の生物学的作用物質の第1のカウントを同定し、前記第1のカウントで同定された1つ以上の生物学的作用物質が、前記第1のカウントで同定された1つ以上のその他の生物学的作用物質と近接近であると判定された場合、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するプロセッサーと、
を含むシステム。
【請求項48】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含む、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記プロセッサーが、画定された相互距離内の2つ以上の細菌コロニーに1つのカウントのみが帰するものとすることで、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成する、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記プロセッサーが、2つ以上の細菌コロニーに付随する一組の同定マークが重なる場合、前記2つ以上の細菌コロニーに1つのカウントのみが帰するものとすることで、前記第1のカウントを低減して前記第2のカウントを生成する、請求項48に記載のシステム。
【請求項51】
前記プロセッサーが1つ以上のスプレッダーコロニーを同定し、前記プロセッサーが前記スプレッダーコロニーの1つの画定された距離内の細菌コロニーを前記第2のカウントから除外することで、前記第1のカウントを低減して前記第2のカウントを生成する、請求項48に記載のシステム。
【請求項52】
前記プロセッサーが1つ以上のスプレッダーコロニーを同定し、前記プロセッサーが前記スプレッダーコロニーの所定の1つの同定マークと重なる同定マークを有する細菌コロニーを前記第2のカウントから除外することで、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成する、請求項48に記載のシステム。
【請求項53】
前記プロセッサーが、前記第1のカウントが閾値未満であるかどうかを判定し、前記第1のカウントが閾値未満である場合にのみ、前記第1のカウントを低減して前記第2のカウントを生成する、請求項47に記載のシステム。
【請求項54】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、
前記画像を受信し、前記生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、前記生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、前記第1の数が閾値未満の場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の生物学的作用物質を前記第2の数から除外するプロセッサーと、
を含むシステム。
【請求項55】
前記プロセッサーが、前記縁から画定された距離内の前記1つ以上の生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合にのみ、前記第1の数が閾値未満の場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の前記1つ以上の生物学的作用物質を前記第2の数から除外する、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記プロセッサーが、
前記生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質として前記第1の数を同定し、
前記生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の第3の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質として前記第2の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の第4の数を同定し、
前記第1のカラー生物学的作用物質の前記第1の数が閾値未満であり、前記画定された距離内の前記1つ以上の第1のカラー生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の第1のカラー生物学的作用物質を前記第1のカラー生物学的作用物質の前記第2の数から除外し、
前記第2のカラー生物学的作用物質の前記第3の数が閾値未満であり、前記画定された距離内の前記1つ以上の第2のカラー生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の第2のカラー生物学的作用物質を第2のカラー生物学的作用物質の前記第4の数から除外する、
請求項54に記載のシステム。
【請求項57】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項54に記載のシステム。
【請求項58】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、
前記画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、前記生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、前記生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、前記生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、前記内部に付随する前記第1のカラー生物学的作用物質の数が第1の閾値を超え、前記内部に付随する前記第2のカラー生物学的作用物質の数が第2の閾値未満である場合、前記周辺部に付随する前記第2のカラー生物学的作用物質の数を前記周辺部に付随する前記第1のカラー生物学的作用物質の数に含めるように変更するプロセッサーと、
を含むシステム。
【請求項59】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、前記第1の色が赤色を含み、前記第2の色が青色を含み、前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、
前記画像を受信し、前記生物学的生育培地の内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、前記生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、前記第2の数が係数と前記第1の数を乗じたものを超える場合、追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てるプロセッサーと、
を含むシステム。
【請求項61】
前記係数がおよそ1.5であり、前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項60に記載のシステム。
【請求項1】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、
前記生物学的生育培地に付随する背景色の値が範囲内であるかどうかを判定するステップと、
前記背景色の値が範囲外であれば追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記生物学的生育培地が生育プレートであり、追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるステップが、技術者による再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記背景色の値が前記生物学的生育培地の色調を画定する1つ以上の数を含み、前記範囲が色調範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、
前記生物学的生育培地上の生物学的作用物質の第1のカウントを同定するステップと、
前記第1のカウント中の同定された1つ以上の生物学的作用物質が、前記第1のカウント中の同定された1つ以上のその他の生物学的作用物質と近接近にあると判定された場合、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップと、
を含む方法。
【請求項5】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、画定された相互距離内にある2つ以上の細菌コロニーに、1つのカウントのみが帰するものとするステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記2つ以上の細菌コロニーに付随する一組の同定マークが重なる場合、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、2つ以上の細菌コロニーに1つのカウントのみが帰するものとするステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上のスプレッダーコロニーを同定するステップをさらに含み、
前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、前記スプレッダーコロニーの1つの画定された距離内の細菌コロニーを前記第2のカウントから除外するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上のスプレッダーコロニーを同定するステップをさらに含み、
前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、前記スプレッダーコロニーの所定の1つの同定マークと重なる同定マークを有する細菌コロニーを前記第2のカウントから除外するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のカウントが閾値未満であるかどうかを判定するステップと、
前記第1のカウントが閾値未満である場合にのみ前記第1のカウントを低減して前記第2のカウントを生成するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、
前記生物学的生育培地の内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地の周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定するステップと、
前記第1の数が閾値未満である場合、前記生育培地の生育領域縁からの画定された距離内の1つ以上の生物学的作用物質を前記第2の数から除外するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記縁からの画定された距離内の前記1つ以上の生物学的作用物質が閾値面積より小さい面積を画定する場合のみ、前記第1の数が閾値未満である場合、前記生育培地の生育領域縁からの前記画定された距離内の前記1つ以上の生物学的作用物質を前記第2の数から除外するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質として前記第1の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の第3の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質として前記第2の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の第4の数を同定するステップと、
前記第1のカラー生物学的作用物質の第1の数が閾値未満であり、前記画定された距離内の前記1つ以上の第1のカラー生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の第1のカラー生物学的作用物質を第1のカラー生物学的作用物質の前記第2の数から除外するステップと、
前記第2のカラー生物学的作用物質の前記第3の数が閾値未満であり、前記画定された距離内の前記1つ以上の第2のカラー生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の第2のカラー生物学的作用物質を第2のカラー生物学的作用物質の前記第4の数から除外するステップと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、前記第1の色が赤を含み、前記第2の色が青を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、
前記生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定するステップと、
前記内部に付随する前記第1のカラー生物学的作用物質の数が第1の閾値を超え、前記内部に付随する前記第2のカラー生物学的作用物質の数が第2の閾値未満である場合、前記周辺部に付随する前記第2のカラー生物学的作用物質の数を前記周辺部に付随する前記第1のカラー生物学的作用物質の数に含めるように変更するステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、前記第1の色が赤を含み、前記第2の色が青を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信するステップと、
前記生物学的生育培地の内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定するステップと、
前記生物学的生育培地の周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定するステップと、
前記第2の数が係数と前記第1の数を乗じたものを超える場合、追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるステップと、
を含む方法。
【請求項20】
前記係数がおよそ1.5である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記生物学的生育培地がペトリ皿であり、前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるステップが、技術者による再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
プロセッサー内で実行すると、
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、
前記生物学的生育培地に付随する背景色の値が範囲内であるかどうかを判定し、
前記背景色の値が範囲外であれば追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てる、
コンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体。
【請求項24】
前記生物学的生育培地が生育プレートであり、前記背景色の値が範囲外であれば、前記命令が技術者による再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てる、請求項23に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項25】
前記背景色の値が前記生物学的生育培地の色調を画定する1つ以上の数を含み、前記範囲が色調範囲である、請求項23に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項26】
プロセッサー内で実行すると、
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、
前記生物学的生育培地上の生物学的作用物質の第1のカウントを同定し、
前記第1のカウントで同定された1つ以上の生物学的作用物質が、前記第1のカウントで同定された1つ以上のその他の生物学的作用物質と近接近であると判定された場合、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するコンピューター可読命令、
を含む、コンピューター可読媒体。
【請求項27】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含む、請求項26に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項28】
前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、画定された相互距離内の2つ以上の細菌コロニーに1つのカウントのみが帰するものとするステップを含む、請求項27に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項29】
前記2つ以上の細菌コロニーに付随する一組の同定マークが重なる場合、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、2つ以上の細菌コロニーに1つのカウントのみが帰するものとするステップを含む、請求項27に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項30】
実行されると、前記命令が、1つ以上のスプレッダーコロニーを同定し、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、前記スプレッダーコロニーの1つの画定された距離内の細菌コロニーを前記第2のカウントから除外するステップを含む、請求項27に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項31】
実行されると、前記命令が、1つ以上のスプレッダーコロニーを同定し、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するステップが、前記スプレッダーコロニーの所定の1つの同定マークと重なる同定マークを有する細菌コロニーを前記第2のカウントから除外するステップを含む、請求項27に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項32】
実行されると、前記命令が、第1のカウントが閾値未満であるかどうか判定し、前記第1のカウントが閾値未満である場合にのみ前記第1のカウントを低減して前記第2のカウントを生成する、請求項26に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項33】
プロセッサー中で実行されると、
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、
前記生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、
前記第1の数が閾値未満の場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の生物学的作用物質を前記第2の数から除外する、
コンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体。
【請求項34】
実行されると、前記命令が、前記縁から画定された距離内の前記1つ以上の生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合にのみ、前記第1の数が閾値未満の場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の前記1つ以上の生物学的作用物質を前記第2の数から除外する、請求項33に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項35】
実行されると、前記命令が、
前記生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質として前記第1の数を同定し、
前記生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の第3の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質として前記第2の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の第4の数を同定し、
前記第1のカラー生物学的作用物質の前記第1の数が閾値未満であり、前記画定された距離内の前記1つ以上の第1のカラー生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の第1のカラー生物学的作用物質を第1のカラー生物学的作用物質の前記第2の数から除外し、
前記第2のカラー生物学的作用物質の前記第3の数が閾値未満であり、前記画定された距離内の1つ以上の第2のカラー生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の第2のカラー生物学的作用物質を第2のカラー生物学的作用物質の前記第4の数から除外する、
請求項33に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項36】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、前記第1の色が赤を含み、前記第2の色が青を含む、請求項35に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項37】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項35に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項38】
プロセッサー中で実行すると、
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、
前記生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、
前記生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、
前記内部に付随する前記第1のカラー生物学的作用物質の数が第1の閾値を超え、前記内部に付随する前記第2のカラー生物学的作用物質の数が第2の閾値未満である場合、前記周辺部に付随する前記第2のカラー生物学的作用物質の数を前記周辺部に付随する前記第1のカラー生物学的作用物質の数に含めるように変更する、
コンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体。
【請求項39】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、前記第1の色が赤を含み、前記第2の色が青を含む、請求項38に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項40】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項38に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項41】
プロセッサー中で実行すると、
生物学的生育培地の1つ以上の画像を受信し、
前記生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、
前記第2の数が係数と前記第1の数を乗じたものを超える場合、追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てる、
コンピューター可読命令を含む、コンピューター可読媒体。
【請求項42】
前記係数がおよそ1.5である、請求項41に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項43】
前記生物学的生育培地がペトリ皿であり、前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、実行されると、前記命令が、第1の数が係数と前記第2の数を乗じたものを超える場合、技術者による再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てる、請求項41に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項44】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項41に記載のコンピューター可読媒体。
【請求項45】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、
前記画像を受信し、前記生物学的生育培地に付随する背景色の値が範囲内であるかどうかを判定し、前記背景色の値が範囲外であれば追加的再検査のために前記生物学的生育培地にフラグを立てるプロセッサーと、
を含むシステム。
【請求項46】
前記背景色の値が前記生物学的生育培地の色調を画定する1つ以上の数を含み、前記範囲が色調範囲である、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、
前記画像を受信し、前記生物学的生育培地上の生物学的作用物質の第1のカウントを同定し、前記第1のカウントで同定された1つ以上の生物学的作用物質が、前記第1のカウントで同定された1つ以上のその他の生物学的作用物質と近接近であると判定された場合、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成するプロセッサーと、
を含むシステム。
【請求項48】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含む、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記プロセッサーが、画定された相互距離内の2つ以上の細菌コロニーに1つのカウントのみが帰するものとすることで、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成する、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記プロセッサーが、2つ以上の細菌コロニーに付随する一組の同定マークが重なる場合、前記2つ以上の細菌コロニーに1つのカウントのみが帰するものとすることで、前記第1のカウントを低減して前記第2のカウントを生成する、請求項48に記載のシステム。
【請求項51】
前記プロセッサーが1つ以上のスプレッダーコロニーを同定し、前記プロセッサーが前記スプレッダーコロニーの1つの画定された距離内の細菌コロニーを前記第2のカウントから除外することで、前記第1のカウントを低減して前記第2のカウントを生成する、請求項48に記載のシステム。
【請求項52】
前記プロセッサーが1つ以上のスプレッダーコロニーを同定し、前記プロセッサーが前記スプレッダーコロニーの所定の1つの同定マークと重なる同定マークを有する細菌コロニーを前記第2のカウントから除外することで、前記第1のカウントを低減して第2のカウントを生成する、請求項48に記載のシステム。
【請求項53】
前記プロセッサーが、前記第1のカウントが閾値未満であるかどうかを判定し、前記第1のカウントが閾値未満である場合にのみ、前記第1のカウントを低減して前記第2のカウントを生成する、請求項47に記載のシステム。
【請求項54】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、
前記画像を受信し、前記生物学的生育培地内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、前記生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、前記第1の数が閾値未満の場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の生物学的作用物質を前記第2の数から除外するプロセッサーと、
を含むシステム。
【請求項55】
前記プロセッサーが、前記縁から画定された距離内の前記1つ以上の生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合にのみ、前記第1の数が閾値未満の場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の前記1つ以上の生物学的作用物質を前記第2の数から除外する、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記プロセッサーが、
前記生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質として前記第1の数を同定し、
前記生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の第3の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質として前記第2の数を同定し、
前記生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の第4の数を同定し、
前記第1のカラー生物学的作用物質の前記第1の数が閾値未満であり、前記画定された距離内の前記1つ以上の第1のカラー生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の第1のカラー生物学的作用物質を前記第1のカラー生物学的作用物質の前記第2の数から除外し、
前記第2のカラー生物学的作用物質の前記第3の数が閾値未満であり、前記画定された距離内の前記1つ以上の第2のカラー生物学的作用物質が閾値面積よりも小さい面積を画定する場合、前記生育培地の生育領域の縁から画定された距離内の1つ以上の第2のカラー生物学的作用物質を第2のカラー生物学的作用物質の前記第4の数から除外する、
請求項54に記載のシステム。
【請求項57】
前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項54に記載のシステム。
【請求項58】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、
前記画像を受信し、生物学的生育培地内部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、前記生物学的生育培地内部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、前記生物学的生育培地周辺部に付随する第1のカラー生物学的作用物質の数を同定し、前記生物学的生育培地周辺部に付随する第2のカラー生物学的作用物質の数を同定し、前記内部に付随する前記第1のカラー生物学的作用物質の数が第1の閾値を超え、前記内部に付随する前記第2のカラー生物学的作用物質の数が第2の閾値未満である場合、前記周辺部に付随する前記第2のカラー生物学的作用物質の数を前記周辺部に付随する前記第1のカラー生物学的作用物質の数に含めるように変更するプロセッサーと、
を含むシステム。
【請求項59】
前記生物学的作用物質が細菌コロニーを含み、前記第1の色が赤色を含み、前記第2の色が青色を含み、前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
生物学的生育培地の1つ以上の画像を生成する画像形成装置と、
前記画像を受信し、前記生物学的生育培地の内部に付随する生物学的作用物質の第1の数を同定し、前記生物学的生育培地周辺部に付随する生物学的作用物質の第2の数を同定し、前記第2の数が係数と前記第1の数を乗じたものを超える場合、追加的再検査のために生物学的生育培地にフラグを立てるプロセッサーと、
を含むシステム。
【請求項61】
前記係数がおよそ1.5であり、前記内部が前記生育培地の生育領域のおよそ75%を構成し、前記周辺部が前記生育培地の生育領域のおよそ25%を構成する、請求項60に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2007−533296(P2007−533296A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525375(P2006−525375)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/028130
【国際公開番号】WO2005/062744
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/028130
【国際公開番号】WO2005/062744
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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