説明

生育光線温熱器用伝熱体及びその製造方法、生育光線温熱器及びその製造方法

【課題】本発明は、真菌類の発生を抑制しつつ面状の発熱が可能な面状発熱体及びその製造方法を提供することを目的とする。特に生育光線を発生させる面状発熱体用電熱体及び面状発熱体を提供することを目的とする。
【解決手段】立方体又は直方体の面状発熱体用伝熱体であって、当該面状発熱体用伝熱体がグラフト重合された接着剤を固化させた組成物層2中にブラックシリカ1を分散配置したものであって、当該ブラックシリカ1はFeが略除去され、かつ0.5〜100.0mmに個片化されているものを主体とし、前記面状発熱体用伝熱体は熱を加えることにより6〜14μmの遠赤外波長を発生させる機能を有することを特徴とする生育光線温熱器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個片化されたブラックシリカを分散した生育光線温熱器用伝熱体及びその製造方法、生育光線温熱器及びその製造方法であって、特に6〜14μmの遠赤外波長を発生させる面状発明体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ブラックシリカを用いた遠赤外線による温浴が知られている。これは岩盤浴とも言われているが、室温40℃、湿度80%程度に設定された岩盤室内に、北海道上ノ国町神明地区に流れる天の川上流の山中から産出される天然鉱石を削り出した板状の岩盤を温熱器上に敷きつめた装置が用いられる。
【0003】
しかし、このような装置では、真菌類の増殖が問題視されている。すなわち、室内の高温・多湿環境は真菌類にとって好培養条件であり、岩盤浴中の人体より生じた汗等の排出物が真菌類にとっての栄養分となる。また従来の岩盤浴で使用されるブラックシリカは、300mm〜800mm位の比較的大面積の岩を温熱器の上に敷きつめる。岩は伝熱率が低く暖めることが困難であり、温熱器を80℃に熱しても岩の表面温度は40℃まで上がらないのが現状である。40℃未満では人体の体深部を暖めることはできない。
【0004】
他方、温熱器としては発熱線を内蔵した面状発熱体が従来から知られている。例えば特許文献1及び2などが挙げられる。これらはヒータ芯に抵抗線を巻き付けた発熱線を内蔵したポリエステルシート等によって構成される。このような面状発熱体を用いることにより効率よく面状加熱を行なうことができる。
【0005】
ここで生物にとって有効に働きかける波長は、6〜14μmのいわれる生育光線といういわれる波長である。生物がみずから発する生育光線と外から放射される生育光線とが共鳴し、水分子の活動が活性化され、クラスター(水分子の集団)が小さくなる。また生育光線によって体内の水分子が振動を起こすと、共鳴吸収により熱反応となり皮下深層に作用し、微細欠陥の拡張、欠陥循環の促進、組織の活性化、酵素の生成促進、代謝の促進などが行なわれることが知られている。また生育光線は水分子に働きかけるので、生物の生長のほか、食べ物、飲み物、空気中の水分にまで影響を及ぼすといわれる。上述の面状発熱体では、このような生育光線のみを発生させることができない。
【特許文献1】特開平5−89952
【特許文献2】特開平6−45055
【特許文献3】特開2004−353424
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、真菌類の発生を抑制しつつ面状の発熱が可能な生育光線温熱器及びその製造方法を提供することを目的とする。特に生育光線を発生させる生育光線温熱器用電熱体及び生育光線温熱器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために以下の構成を採用した。
(1)立方体又は直方体の生育光線温熱器用伝熱体であって、当該面状発熱体用伝熱体がグラフト重合された接着剤を固化させた組成物層中にブラックシリカを分散配置したものであって、当該ブラックシリカはFeが略除去され、かつ0.5〜100.0mmに個片
化されているものを主体とし、前記生育光線温熱器用伝熱体は熱を加えることにより6〜14μmの遠赤外波長を発生させる機能を有することを特徴とする生育光線温熱器用伝熱体である。
ブラックシリカの粒径については、個片化されたブラックシリカの最長及び最短長さのことである。僅かな量であれば0.5mmより小さな粉末状のものが存在しても、主体となっているブラックシリカが0.5〜100.0mmの範囲であれば本発明の範囲である。すなわち、かかる大きさは粉状ではなく、また現在岩盤浴などで使われている石状の大きなものでないことを意味する。0.5mmより小さいと加温しても十分な生育光線を生じない可能性がある。好ましくは1.0mm〜60.0mmである。さらに好ましくは2.0mm〜40.0mmである。
(2)前記個片化されたブラックシリカは、天然鉱石を破砕し、Feを除去されたことを特徴とする上記(1)記載の生育光線温熱器用伝熱体である。
(3)前記ブラックシリカが、ブラックシリカ全量中に70%〜90%のシリカを含むことを特徴とする上記(1)又は(2)記載の生育光線温熱器用伝熱体である。
(4)前記ブラックシリカが、ブラックシリカ全量中に5〜6%の炭素を含むことを特徴とする上記(3)記載の生育光線温熱器用伝熱体である。
(5)前記接着剤が、アクリルモノマーをグラフト重合したスチレンブロック共重合体であることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれか一に記載の生育光線温熱器用伝熱体である。
(6)前記接着剤が、さらにシランカップリング剤を配合したことを特徴とする上記(5)記載の生育光線温熱器用伝熱体である。
【0008】
(7)上記(1)ないし(6)のいずれか一に記載された生育光線温熱器用伝熱体の内部に絶縁層で被覆された発熱線を内蔵し、該発熱線が外部にあるコンセントとリード線で接続されていることを特徴とする生育光線温熱器である。
(8)断熱材の上に絶縁層で被覆された発熱線を載置し、該発熱線の上に上記(1)ないし(6)のいずれか一に記載された生育光線温熱器用伝熱体を積層し、前記発熱体が外部にあるコンセントとリード線で接続されていることを特徴とする生育光線温熱器である。(9)前記生育光線温熱器が、サーモスタッドに接続されたセンサーを内蔵していることを特徴とする上記(7)又は(8)記載の生育光線温熱器である。
(10)前記生育光線温熱器の生育光線温熱器用伝熱体の形状が、200〜600mm×200〜600mm×10〜200mmであることを特徴とする上記(7)ないし(9)のいずれか1項に記載された生育光線温熱器である。
【0009】
200mm未満では小さくなりすぎ、600mmを超えると重量が重くなり、携帯に不便となるからである。より好ましくは280mm〜300mm×280mm〜300mm×19mm〜20mmである。
(11)天然鉱物である黒鉛を0.5〜100.0mmの形状のブラックシリカに破砕する破砕工程と、磁石によりFeを除去するFe除去工程と、個片化されたブラックシリカを容器内に集積しグラフト重合された接着剤を容器内に流し込む接着剤充填工程と、乾燥固化する乾燥工程と、を有することを特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれか一に記載された生育光線温熱器用伝熱体の製造方法である。
(12)天然鉱物である黒鉛を0.5〜100.0mmの形状のブラックシリカに破砕する破砕工程と、磁石によりFeを除去するFe除去工程と、個片化されたブラックシリカを容器内に集積し、集積されたブラックシリカ中にリード線の接続され絶縁層で被覆された発熱線を配置する固定と、グラフト重合された接着剤を容器内に流し込む接着剤充填工程と、乾燥固化する乾燥工程と、を有することを特徴とする上記(7)、(9)又は(10)に記載の生育光線温熱器の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、真菌類の発生を抑制しつつ面状の発熱が可能な生育光線温熱器及びその製造方法を提供するという効果を奏する。特に生育光線を発生させる生育光線温熱器用電熱体及び生育光線温熱器を提供するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に図面に則して本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態は例示であり、本発明を以下のものに限定するものではない。
図1は、本発明に係る生育光線温熱器用伝熱体についての斜視図である。図1に示すように本実施形態は面状発熱用伝熱体3であって、かかる生育光線温熱器用伝熱体がグラフト重合された接着剤を固化させた組成物層2中にブラックシリカ1が分散配置されたものである。ブラックシリカ1は、天然鉱物である黒鉛を0.5〜100.0mmの形状のブラックシリカに破砕した後、磁石によりFeを除去したものである。個片化されたブラックシリカ1を図示しない容器内に集積した後、グラフト重合された接着剤を容器内に流し込み、乾燥固化することによって組成物層2を形成して分散されたブラックシリカ1を分散して固める。生育光線温熱器用伝熱体3の形状は、Xが300mm、Yが300mm、Zが20mmである。
【0012】
本発明で使用するブラックシリカは、ブラックシリカ全量中に70%〜90%のシリカを含むことが好ましい。70%〜90%含ませることにより生育光線の照射を充分に行なうことができる。また、ブラックシリカ全量中に5〜6%の炭素を含んでも良い。さらに残部には、二酸化鉄、アルミニウム、チタン、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム及び水分などが含まれていても良い。
【0013】
例えば、シリカ81.35%、炭素5.03%、二酸化鉄0.53%、アルミニウム6.35%、チタン1.18%、カルシウム0.02%、マグネシウム0.45%、ナトリウム0.08%、カリウム1.66%、水0.31%などが挙げられる。
【0014】
次にグラフト重合された接着剤について説明する。
ブラックシリカを分散固化するためにグラフト重合された接着剤を用いる理由は、他のタール、モルタルなど(例えば、特許文献3の実施の形態参照)では、真菌類の除菌、殺菌ができないからである。
接着剤としては、アクリルモノマーをグラフト重合したスチレンブロック共重合体であるのが好ましい。
【0015】
本発明に用いられるアクリルモノマーをグラフト重合したスチレンブロック共重合体に使用するスチレンブロック共重合体とは、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体等である。
【0016】
本発明に用いられるアクリルモノマーは、シランカップリング剤と反応し得る有機基を有するものであればよく、具体的にはアクリル酸およびアクリル酸エステル(例えば、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなど)、メタクリル酸およびメタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルなど)であって、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。また、前記アクリルモノマー以外にも、酢酸ビニル、アクリルニトリル、スチレン、ブタジエン、アクリル酸およびアクリル酸エステル(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチルなど)、メタクリル酸およびメタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等)などシランカップリング剤と反応し得る有機基をもたないアクリルモノマーを併用することもできる。
【0017】
本発明で使用するシランカップリング剤は、スチレンブロック共重合体にグラフト重合したアクリルモノマーと反応性を持つ官能基を有するものであればよく、例えばグラフト重合したアクリルモノマーがアクリル酸グリシジルの場合は、イソシアネートシラン、アミノシランなどが挙げられ、またアクリルモノマーがアクリル酸2−ヒドロキシエチルの場合はイソシアネートシランなどが挙げられる。具体的にはエポキシシラン(例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン)、アミノシラン(例えば、アミノメチルトリエトキシシラン、アミノメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランなど)、メルカプトシラン(例えばγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等)、イソシアネートシラン(例えば、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)であって、これらの群から選ばれる少なくとも1種以上を使用することができる。
これらのアクリルモノマーとシランカップリング剤の組み合わせは、目的とする硬化速度などの諸物性に応じ、1組または2組以上の組合せを選択して使用することができる。
【0018】
さらにアクリルモノマーをグラフト重合したスチレンブロック共重合体とは、アクリルモノマーを開始剤を用いてスチレンブロック共重合体にグラフト重合を行なう。本発明における開始剤は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等の過酸化物、硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル等のジアゾ化合物などからなる開始剤を使用することができる。
【0019】
開始剤の使用量は通常、上記グラフト前のスチレンブロック共重合体100重量部に対し好ましくは0.01〜5重量部の範囲で添加すればよい。反応温度および反応時間は使用する開始剤等によって異なるが、例えば、70〜110℃で、1〜24時間、窒素置換下で反応すればよい。グラフト反応の方法については特に限定するものではないが、たとえば、トルエン等のい有機溶剤の溶液中で行なうことができる。
スチレンブロック共重合体にグラフトさせるアクリルモノマーはスチレンブロック共重合体/アクリルモノマーの重量比が100/1から100/100であることが耐熱性の観点から好ましい。
【0020】
アクリルモノマーをグラフト重合したスチレンブロック共重合体にシランカップリング剤を配合した場合は、アクリルモノマー中の官能基とシランカップリング剤の有機官能基が化学反応する。反応温度および反応時間は、官能基の反応性によって異なるが、例えば、常温〜110℃で、1〜24時間、窒素置換下で反応すればよい。必要に応じて、反応促進のための触媒を添加することが可能である。
スチレンブロック共重合体/シランカップリング剤の重量比は100/0.1から100/50であることが好ましい。
【0021】
この他に接着付与樹脂、例えば石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、オレフィン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、およびこれらの変性樹脂等から一種以上を選択し適量を配合することもできる。必要に応じて安定剤、着色剤、触媒、充填剤等を添加することが可能である。
【0022】
次に本発明に係る生育光線温熱器について説明する。図1と同じ部位を示す要素には同じ符号を用いる。
図2及び図3は、本発明に係る生育光線温熱器の実施形態の一例を示す図である。図2は本実施形態の一部切欠平面図であり、図3はその断面図である。
図2に示すように発熱線4をグラフト紙などからなる絶縁体7によって挟持して面状の発熱体素子を形成する。かかる発熱体素子はリード線6に接結されているが、この接結部は、エポキシ樹脂にて防水及び絶縁がなされている。
【0023】
前記発熱体素子は、生育光線温熱器用伝熱体に内蔵されており、さらに発熱線4の一部がカシメ金具5,5で生育光線温熱器用伝熱体の内部に固定されている。
生育光線温熱器用伝熱体は、グラフト重合された接着剤を固化させた組成物層2中にブラックシリカ1が分散配置されたものである。このブラックシリカはFeが略除去され、かつ0.5〜10.0mmに個片化されているものが主体として分散されている。
【0024】
本実施形態に係る生育光線温熱器は、天然鉱物である黒鉛を0.5〜100.0mmの形状のブラックシリカに破砕した後、磁石によりFeを除去し、個片化されたブラックシリカ1を図示しない容器内に集積し、集積されたブラックシリカ1中にリード線6が接続され絶縁層7で被覆された発熱線4を配置し、グラフト重合された接着剤を容器内に流し込み乾燥固化することによって作成することができる。
生育光線温熱器の発熱部の形状は、300mm×300mm×20mmであり、発熱線に印加される電圧はAC/DC6V〜220V、さらに80℃の加熱最高温度を有する。
【0025】
図4は、他の実施形態の一例を示す断面図である。図1と同じ部位を示す要素には同じ符号を用いる。
図4に示すように発熱線4はグラフト紙などからなる絶縁層7で被覆されておりウレタンシート等の断熱材8の上に載置されている。発熱線4は図示しないコンセントとリード線で接続されている。
【0026】
生育光線温熱器用伝熱体3は、グラフト重合された接着剤を固化させた組成物層2中にブラックシリカ1が分散配置されたものである。このブラックシリカはFeが略除去され、かつ0.5〜100.0mmに個片化されているものが主体として分散されている。
生育光線温熱器用伝熱体3の形状は、300mm×300mm×20mmであり、発熱線に印加される電圧はAC/DC6V〜220V、さらに80℃の加熱最高温度を有する。
【0027】
図4に示す生育光線温熱器を作成し、室温下、発熱線4を80℃で加熱をしたところ、約10分程度、生育光線温熱器用伝熱体3の表面が40℃に加温された。
また生育光線温熱器用伝熱体3の表面からは生育光線が発生していることがわかった。表1は生育光線の放射効率を示したものである。
【0028】
【表1】

【0029】
上記結果より本実施の形態に係る生育光線温熱器からは生育光線が生じていることが分かった。
【0030】
次に本実施の形態に係る生育光線温熱器の使用態様の一例を示す。本実施の形態に係る生育光線温熱器は種々の方法に使用可能であり、その一例を示すものである。
まず本実施の形態に係る図4に示す生育光線温熱器を12体用意し床上に敷き詰める、それぞれコンセントを接続し発熱部が80℃になるように加温する。
さらに飲料水である免疫健体菌(創研株式会社製)を飲んだ後に、敷き詰められた生育光線温熱器の上に横臥する。この状態で10分ほど横になると体深温度(体の深部の温度)が37.2〜37.3度になった。かかる温度は体内細胞と腸内細胞の活性化に適切な温度であると言われている。
【0031】
このように体深温度を上昇させるのは生育光線温熱器の表面から生じる生育光線によるものである。生育光線により生体内(細胞)の水分子が振動すると、共鳴吸収により細胞が活性化され、体深温度が上昇する。体深温度が上昇すると、微細欠陥の拡張、血流循環促進、代謝障害の一掃、組織の賦活、酵素生成促進などの効能があると言われている。
上記使用を継続した際のNK細胞の細胞障害活性の測定結果を表2に示す。
【0032】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る生育光線温熱器用伝熱体の実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る生育光線温熱器の実施形態の一例を示す一部切欠平面図である。
【図3】本発明に係る生育光線温熱器の実施形態の一例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る生育光線温熱器の実施形態の他の一例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る生育光線温熱器の利用形態の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 ブラックシリカ
2 接着剤を固化させた組成物層
3 生育光線温熱器用伝熱体
4 発熱線
5 カシメ金具
6 リード線
7 絶縁体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立方体又は直方体の面状発熱体用伝熱体であって、当該面状発熱体用伝熱体がグラフト重合された接着剤を固化させた組成物層中にブラックシリカを分散配置したものであって、当該ブラックシリカはFeが略除去され、かつ0.5〜100.0mmに個片化されているものを主体とし、前記面状発熱体用伝熱体は熱を加えることにより6〜14μmの遠赤外波長を発生させる機能を有することを特徴とする生育光線温熱器用伝熱体。
【請求項2】
前記個片化されたブラックシリカは、天然鉱石を破砕し、Feを除去されたことを特徴とする請求項1記載の生育光線温熱器用伝熱体。
【請求項3】
前記ブラックシリカが、ブラックシリカ全量中に70%〜90%のシリカを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の生育光線温熱器用伝熱体。
【請求項4】
前記ブラックシリカが、ブラックシリカ全量中に5〜6%の炭素を含むことを特徴とする請求項3記載の生育光線温熱器用伝熱体。
【請求項5】
前記接着剤が、アクリルモノマーをグラフト重合したスチレンブロック共重合体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の生育光線温熱器用伝熱体。
【請求項6】
前記接着剤が、さらにシランカップリング剤を配合したことを特徴とする請求項5記載の生育光線温熱器用伝熱体。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載された生育光線温熱器用伝熱体の内部に絶縁層で被覆された発熱線を内蔵し、該発熱線が外部にあるコンセントとリード線で接続されていることを特徴とする生育光線温熱器。
【請求項8】
断熱材の上に絶縁層で被覆された発熱線を載置し、該発熱線の上に請求項1ないし6のいずれか1項に記載された面状発熱体用伝熱体を積層し、前記発熱体が外部にあるコンセントとリード線で接続されていることを特徴とする生育光線温熱器。
【請求項9】
前記面状発熱体が、サーモスタッドに接続されたセンサーを内蔵していることを特徴とする請求項7又は8記載の生育光線温熱器。
【請求項10】
前記面状発熱体の面状発熱体用伝熱体の形状が、200〜600mm×200〜600mm×10〜200mmであることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載された生育光線温熱器。
【請求項11】
天然鉱物である黒鉛を0.5〜100.0mmの形状のブラックシリカに破砕する破砕工程と、磁石によりFeを除去するFe除去工程と、個片化されたブラックシリカを容器内に集積しグラフト重合された接着剤を容器内に流し込む接着剤充填工程と、乾燥固化する乾燥工程と、を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載された生育光線温熱器用伝熱体の製造方法。
【請求項12】
天然鉱物である黒鉛を0.5〜100.0mmの形状のブラックシリカに破砕する破砕工程と、磁石によりFeを除去するFe除去工程と、個片化されたブラックシリカを容器内に集積し、集積されたブラックシリカ中にリード線の接続され絶縁層で被覆された発熱線を配置する固定と、グラフト重合された接着剤を容器内に流し込む接着剤充填工程と、乾燥固化する乾燥工程と、を有することを特徴とする請求項7、9又は10に記載の生育光線温熱器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−143727(P2008−143727A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−330118(P2006−330118)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(502080173)創研株式会社 (2)
【Fターム(参考)】