説明

用紙ロールを使用する機器

【課題】従来よりも簡易な機構で埃や汚れが発生する過酷な環境下でも部品点数が少なく半永久的に正確に用紙残巻数検出を行うことが可能な用紙ロールを使用する機器(印刷機又は複写機若しくは券売機など)を提供する。
【解決手段】用紙ロールを使用する機器(印刷機又は複写機若しくは券売機など)は、用紙ロールを積載可能な回転軸、その用紙ロールの巻数に応じて移動する可動部及び磁石を備え、可動部に磁石を配置し、磁石の移動量を磁気センサで検知することにより積載された用紙巻数を検知する用紙残巻数検出機構を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙残巻数検出を行う用紙ロールを使用する機器に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機(又は複写機)等の印刷可能な機器に搭載された給紙トレイにおいて、給紙トレイ内の用紙が完全に無くなることにより、連続複写時又は連続印刷時に動作が途中で停止するのを防ぐために、検出機構によって給紙トレイ内の用紙の残量を検出し予め使用者に報知するものがある。給紙トレイを使用する機器以外にも、給紙ロールを使用する機器において、同様に給紙ロールの残巻数を検出する機能の要求がある。用紙残枚数検出機構にはフォトセンサを用いて用紙の残量を検出するもの(例えば、特許文献1参照)や、給紙台を移動又は傾動させるためのモータの回転数をカウントし用紙の残量を検出するもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。また、リードスイッチを用いて、給紙トレイ内の用紙残量を大まかに検出する機構もある(例えば、特許文献3参照)。さらに、用紙残枚数検出機構に適用可能な物体の移動又は傾斜を検出する位置検出装置を開示した文献もある(例えば、特許文献4参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−336352号公報
【特許文献2】特開平6−100200号公報
【特許文献3】特開平5−097278号公報
【特許文献4】特開2004−348173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているような埃やチリなどの影響を受けやすいフォトセンサを用いた用紙残枚数検出機構や用紙有無検出機構では、印刷機(又は複写機)等で使用されるインクや紙から発生する粉塵の影響がある。このため、検出精度の低下や、誤検出を起すことが問題となっている。また、フォトセンサは外乱光の影響を受け検出精度が下がる。このため、正確な用紙枚数の検出を行うには機構部を遮光する必要があり、機構部が複雑になることも問題視されている。
【0005】
一方、特許文献2に記載されているような給紙台を移動又は傾動させるためのモータの回転数をカウントする方法を用いた用紙残枚数検出機構では、モータの回転を瞬間的に停止させることが現実的には不可能であり若干のオーバーランがある。このため、正確には用紙残枚数検出を行えないことが問題視されている。また、給紙台を移動又は傾動させるためのモータの回転数をカウントする方法は、部品点数が増え、機構部が複雑になることが問題視されている。
【0006】
また、特許文献3に記載されているリードスイッチを用いた用紙残枚数検出機構では、大まかに用紙残量を検出できるが、正確に用紙枚数を検出することは不可能である。さらには、リードスイッチは信頼性に欠けることが問題視されている。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来よりも簡易な機構で埃や汚れが発生する過酷な環境下でも部品点数が少なく半永久的に正確に用紙残巻数検出を行うことが可能な用紙ロールを使用する機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明の用紙ロール(69)を使用する機器(印刷機又は複写機若しくは券売機等)は、用紙ロールを積載可能な回転軸(66)と、前記用紙ロールの巻数に応じて移動する可動部(68)と、前記可動部に配置された磁石(61)と、前記磁石による磁束密度を検知する磁束検知手段(62、63)と、前記磁束検知手段による検知結果に対応して前記用紙ロールの残巻数を検出する用紙残巻数検出手段(67)とを備えたことを特徴とする。
【0009】
なお、特許請求の範囲の構成要素と対応する実施形態中の図中符号等を()で示した。ただし、特許請求の範囲に記載した構成要素は上記()部の実施形態の構成要素に限定されるものではない。
【0010】
以上の構成により、用紙ロールを使用する機器は、用紙ロールを積載可能な回転軸とその用紙ロールの巻数に応じて移動する可動部とを有し、可動部に磁石を配置し、磁石の移動量を磁気センサで検知することにより、積載された用紙ロール巻数を検知する用紙残巻数検出手段を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、用紙ロールを使用する機器は、従来よりも簡易な機構で埃や汚れが発生する過酷な環境下でも部品点数が少なく半永久的に正確に用紙ロール残巻数検出を行うことが可能となる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を適用できる実施形態を詳細に説明する。なお、各図面において同様の機能を有する箇所には同一の符号を付し、説明の重複は省略する。
【0013】
[実施形態1]
本実施形態1の印刷機(又は複写機)を、図1〜図8に基づいて説明する。用紙残巻数検出機構(用紙残巻数検出手段)を具備した給紙ロールを用いた機器(印刷機又は複写機など)は、種々な形状の磁石と、種々な磁気センサとを用いて構成できる。
【0014】
<装置構成>
図1は、本実施形態3における、積載された用紙巻数を磁石と磁気センサによって検知する用紙残巻数検出機構を具備した印刷機(又は複写機、券売機)の給紙部の概略構成を示す側断面図である。図2は、用紙残巻数検出機構を具備した印刷機(又は複写機、券売機等)の給紙部の磁石と磁気センサ部を拡大した正面断面図である。
【0015】
図中符号61はN極S極をそれぞれ単極着磁した直方体磁石である。着磁方向は第1のホールセンサ62、第2のホールセンサ63の感磁面に対して垂直方向(Z方向)である。磁気センサ(磁束検知手段)として、62は第1のホールセンサ、63は第2のホールセンサである。ホールセンサは、直接マイコン等に入力できる信号を出力するので使いやすく、磁石との組み合わせで位置センサや回転センサ等の非接触スイッチとして広く応用可能であり、種々の製品が周知である。64、65は印刷機(又は複写機、券売機等)に備えられた給紙ローラである。66は用紙ロールの回転軸である。67はホールセンサを実装するための印刷機(又は複写機、券売機等)本体に備えられた基板である。68は用紙ロールに圧接する圧接部材である。69は用紙ロールである。611は圧接部材を紙に圧接させるためのばねである。612は磁石を圧接部材68に配置するための支持部材である。
【0016】
用紙ロールの回転軸66に用紙ロール69が装着される。用紙ロール69を印刷機(又は複写機、券売機)本体の用紙ロールの回転軸66に装着すると、印刷機(又は複写機、券売機)本体の給紙部に備えられた図示しない被動機構を介してばね611が圧接部材68を押動して、圧接部材68が用紙ロール69に圧接する。この際、ばね611は押し上げ(又は押し下げ)レバーのようなもので代替してもよいことは言うまでもない。
【0017】
次いで、印刷機(又は複写機)本体からの給紙信号により、給紙ローラ64,65が回転し、用紙が送り出される。用紙が送り出され、用紙巻数が減少すると、圧接部材68が用紙ロール69に所定の圧力で圧接するように再びばね611に押動される。
【0018】
圧接部材68には直方体磁石61が配置され、直方体磁石61に対向するように印刷機(又は複写機、券売機)本体に図示しない保持部にホールセンサ用基板67が配置され、第1のホールセンサ62と第2のホールセンサ63がホールセンサ用基板67上に所定の間隔で配置される。ここで、ホールセンサ用基板67が給紙ロール側に配置されてもよいことは言うまでもない。圧接部材68の押動に対応した磁石61の移動に伴い第1のホールセンサ62と第2のホールセンサ63を貫く磁束密度が変化する。その磁束密度をホールセンサによって検知し、2つのホールセンサの出力電圧の差の値からその値に対応した用紙残量を用紙残巻数(用紙残枚数)検出機構の回路によって検出する。この際、圧接部材68の押動に対応して、磁石が第1のホールセンサ62と第2のホールセンサ63を結ぶ直線に平行な直線上を移動するように、磁石を配置するのが好ましい。
【0019】
図4は、用紙残巻数検出機構に用いる2個のホールセンサの回路構成例を示す。用紙残巻数検出機構は、2個のホールセンサ62,63の駆動・処理回路を備えている。
【0020】
第1のホールセンサ62は、正極入力端子Aと、正極出力端子Bと、負極入力端子Cと、負極出力端子Dとからなる。また、第2のホールセンサ63は、正極入力端子Eと、正極出力端子Fと、負極入力端子Gと、負極出力端子Hとからなる。
【0021】
第1のホールセンサ62の正極入力端子Aと、第2のホールセンサ63の正極入力端子Eとを接続し、第1のホールセンサ62の負極入力端子Cと、第2のホールセンサ63の負極入力端子Gとを接続して駆動回路の入力端子とする。
【0022】
第1のホールセンサ62の正極出力端子Bと負極出力端子Dは、差動信号処理回路21の第1の差動増幅器21aに接続され、第2のホールセンサ63の正極出力端子Fと負極出力端子Hは、差動信号処理回路21の第2の差動増幅器21bに接続される。第1の差動増幅器21aの出力端子と第2の差動増幅器21bの出力端子とは、第3の差動増幅器21cの入力端子に接続される。
【0023】
このような駆動・処理回路によって、第1のホールセンサ62のホール出力電圧Vaと第2のホールセンサ63のホール出力電圧Vbの差分値(Va−Vb)である出力値Vcが、第3の差動増幅器21cの出力端子から出力される。その第3の差動増幅器21cの出力端子の出力値Vcは、直方体磁石61の位置(即ち用紙残量)に対応したものになる。
【0024】
2個のホールセンサの出力電圧の差分値(Va−Vb)以外にも、差を和で割った値(Va−Vb)/(Va+Vb)でも同様に直方体磁石61の位置(即ち用紙残量)に対応したものになる。本方式では、磁石やホールセンサの温度特性をキャンセルでき、さらに磁石61の位置を高精度に検出することができる。
【0025】
本構成では、第1のホールセンサ62と第2のホールセンサ63の入力端子を並列に接続しているが、これは特に並列接続に限定されるものではない。また、使用するホールセンサの特性により、定電圧駆動か定電流駆動かを使い分けることができる。また、差動増幅器21a〜21cについても、より高精度な計装アンプを用いてもよいことは言うまでもない。また、ホールセンサの出力端子とグラウンドの間にコンデンサを入力したり、ホールセンサの出力電圧を平均化することにより、磁石の位置を高精度に検出することが可能になる。
【0026】
また、より高精度に用紙残巻数検出を行うために、紙厚情報を入力可能な入力装置等の情報入力機構か、又は用紙の紙厚情報を検知する紙厚検知機構を備えていてもよい。紙厚検知機構は、例えば、回転軸66に装着された用紙ロール69の用紙が、給紙ローラ64、65により送りだされる前の2個のホールセンサの差分出力電圧値Vc1と、回転軸66が一回転して送り出された後の2個のホールセンサの差分出力電圧値Vc2の差を計算する事により、用紙1巻が送り出された時の差分出力電圧変化分(Vc1−Vc2)(紙厚情報)を求める。送り出された後の2個のホールセンサの差分出力電圧値Vc2と用紙残量がゼロの場合のVc0から、Vc2−Vc0を(Vc1−Vc2)で割ることにより用紙残量を算出が可能な演算装置を、用紙残巻数検出機構が備えていてもよい。また、情報入力機構又は紙厚検知機構から取得した紙厚情報Δを用いて、Vc2−Vc0をΔで割ることでも、同様の効果を発揮できる。
【0027】
以上より、従来の方法よりも簡易な機構で埃や汚れが発生する過酷な環境下でも部品点数が少なく半永久的に正確に用紙残巻数検出を行うことが可能な給紙装置を用いた印刷機(又は複写機)を提供することが可能となる。
【0028】
また、用紙残巻数検出機構の構成部品として、上記以外の以下の構成としてもよい。図3(a)〜(f)は、磁石の変形例を示す。磁石として、直方体(立方体)31、四角柱32、三角柱33のような多角柱や、三角錐34、四角錐35のような多角錐や、円柱(楕円柱)36など様々な形状の磁石が適応可能である。
【0029】
磁気センサとして、ホールセンサ62,63の代わりに、磁気抵抗効果素子や、磁気インピーダンス素子、その他様々な磁気センサを用いることも可能である。
【0030】
磁気センサとしては、磁気増幅を行うための磁性体チップを用いていないホールセンサや、GaAs、InAs、InSbなどの化合物半導体からなるホールセンサ、又は、Si、GeなどのIV族半導体からなるホールセンサを用いることができる。当然、これら材料を複数個組み合わせたものでも構わない。
【0031】
また、磁気センサは、複数のセンサを1つのパッケージに一体に封入して構成することができる。1つのパッケージに封入することで、位置精度を向上させることが可能になる。
【0032】
本実施形態では、磁石を可動部に設置し、磁気センサを固定部(可動部ではない場所)に配置した構成を紹介したが、当然、磁気センサを可動部に配置し、磁石を固定部に配置しても同様の機能を有することができる。
【0033】
実施形態1では、機器の例として印刷機(または複写機)を挙げているが、自動券売機やATMなど他の機器で使用できることは当然であり、巻数検出を行う機器であれば、上記実施形態を適用できることは言うまでもない。
【0034】
<実施例1>
以下、本実施形態1の用紙残巻数検出機構の実施例1について説明する。
【0035】
実施例1は、広い温度範囲において、直方体磁石61が2個のホールセンサ間を結ぶ直線に平行な直線上を、圧接部材68の移動に伴い、用紙1巻あたり100μmずつ平行移動する場合で、最大300巻から0巻まで正確に用紙残巻数検出を行う場合について示す。図1、図2における各構成部品のパラメータの最適値の設計例を説明する。なお、今回は広い温度範囲での用紙残巻数検出を考えているので、ホールセンサと磁石の周囲温度変化による特性の変化を抑えるために、特許文献4に記載されている信号処理方法を用いる。
【0036】
図1、図2において、直方体磁石表面からホールセンサ感磁面までの距離d=31.0mm、第1のホールセンサ62と第2のホールセンサ63のピッチP=40.0mm、直方体磁石の長さL=58.0mm、直方体磁石の幅W=20.0mm、直方体磁石の厚み(着磁方向)t=20.0mmとする。Y軸方向の原点を第1のホールセンサ62と第2のホールセンサ63を結ぶ線分の中点と定義し、用紙残量が300巻の時は直方体磁石61の磁極の中心はY=−15.0mmの位置に移動し、用紙残量が0巻の時は直方体磁石61の磁極の中心はY=15.0mmの位置に移動するよう配置する。
【0037】
図5は、実施例1における直方体磁石61の移動距離に対する磁束密度の変化の磁気シミュレーション結果を示す。磁気シミュレーションの前提として、直方体磁石61の残留磁束密度Brを1300mT(一般的なネオジム焼結磁石の値)として行った。
【0038】
図5(a)は直方体磁石61の移動距離に対する第1のホールセンサ62の位置での磁束密度変化50、図5(b)は磁石の移動距離に対する第2のホールセンサ63の位置での磁束密度変化51、図5(c)は磁石の移動距離に対する第1のホールセンサ62の位置での磁束密度B1から第2のホールセンサ63の位置での磁束密度B2を引いた差磁束密度(B1−B2)を、双方の磁束密度を足した和磁束密度(B1+B2)で割った値の変化52と理想直線53を表している。ここで、図5(c)に記載した理想直線53は、直方体磁石61の移動距離が+15.0mmにおける2個のホールセンサ62,63の位置での磁束密度の差分値(B1−B2)を、磁束密度の和(B1+B2)で割った値と、直方体磁石61の移動距離が−15.0mmにおける2個のホールセンサ62,63の磁束密度の差分値(B1−B2)を、磁束密度の和(B1+B2)で割った値とを結んだ直線とした。
【0039】
この結果より、第1のホールセンサ62の位置での磁束密度B1から第2のホールセンサ63の位置での磁束密度B2を引いた差磁束密度(B1−B2)を、双方の磁束密度を足した和磁束密度(B1+B2)で割った値は直方体磁石61の移動距離に対して線形に近い出力特性を持つことが分かる。
【0040】
ホールセンサの出力電圧は磁束密度の大きさに比例するので、第1のホールセンサ62の出力電圧V1と、第2のホールセンサ63の出力電圧V2との差分値(V1−V2)を、双方の出力電圧の加算値(V1+V2)で割った値も、直方体磁石61の移動距離に対して線形に近い出力特性を持つことになることは言うまでもない。
【0041】
図6は、直方体磁石61の移動距離が+15.0mmにおける2個のホールセンサ62、63の位置での磁束密度の差分値(B1−B2)を、磁束密度の和(B1+B2)で割った値と、直方体磁石61の移動距離が−15.0mmにおける2個のホールセンサ62,63の磁束密度の差分値(B1−B2)を、磁束密度の和(B1+B2)で割った値とを結んだ直線を理想直線53として、理想直線53と図5(c)に示した磁気シミュレーション結果のズレから換算した直方体磁石61の移動距離検出における誤差を示した図である。
【0042】
図6に示す結果より、直方体磁石61の移動距離検出における誤差は最大でも25μm程度であり、用紙1巻あたり100μmずつ平行移動する場合では、用紙残量を正確に検出できることがわかる。
【0043】
実施例1において、直方体磁石61を圧接部材68ではなく、用紙が送り出された場合に圧接部材と連動して移動するその他のもの(可動部)に配置して同様のことを行ってもよいことは言うまでもない。
【0044】
<実施例2>
以下、本実施形態1の用紙残巻数検出機構の実施例2について説明する。
【0045】
実施例2は、広い温度範囲において、直方体磁石61が2個のホールセンサ間を結ぶ直線に平行な直線上を、圧接部材68の移動に伴い、用紙1巻あたり100μmずつ平行移動する場合で、用紙残量が20巻までは用紙残巻数検出をおこなわず、20巻から0巻まで正確に用紙残巻数検出を行う場合について示す。なお、広い温度範囲での用紙残巻数検出を考えているので、ホールセンサと磁石の周囲温度変化による特性の変化を抑えるために、特許文献4に記載されている信号処理方法を用いる。
【0046】
図1、図2において、直方体磁石表面からホールセンサ感磁面までの距離d=1.5mm、第1のホールセンサ62と第2のホールセンサ63のピッチP=0.8mm、直方体磁石の長さL=1.8mm、直方体磁石の幅W=0.8mm、直方体磁石の厚み(着磁方向)t=0.8mmとする。Y軸方向の原点を第1のホールセンサ62と第2のホールセンサ63を結ぶ線分の中点とし、用紙残量が20巻の時は直方体磁石61の磁極の中心はY=−1.0mmの位置に移動し、用紙残量が0巻の時は直方体磁石61の磁極の中心はY=1.0mmの位置に移動するように配置する。
【0047】
図7は、実施例2における直方体磁石61の移動距離に対する磁束密度の変化の磁気シミュレーション結果を示す。磁気シミュレーションの前提として、直方体磁石61の残留磁束密度Brを1300mT(一般的なネオジム焼結磁石の値)として行った。
【0048】
図7(a)は直方体磁石61の移動距離に対する第1のホールセンサ62の位置での磁束密度変化70、図7(b)は磁石の移動距離に対する第2のホールセンサ63の位置での磁束密度変化71、図7(c)は磁石の移動距離に対する第1のホールセンサ62の位置での磁束密度B1から第2のホールセンサ63の位置での磁束密度B2を引いた差磁束密度(B1−B2)を、双方の磁束密度を足した和磁束密度(B1+B2)で割った値の変化72と理想直線73を表している。ここで、図7(c)に記載した理想直線73は、直方体磁石61の移動距離が+1.0mmにおける2個のホールセンサ62,63の位置での磁束密度の差分値(B1−B2)を、磁束密度の和(B1+B2)で割った値と、直方体磁石61の移動距離が−1.0mmにおける2個のホールセンサ62,63の磁束密度の差分値(B1−B2)を、磁束密度の和(B1+B2)で割った値とを結んだ直線とした。
【0049】
この結果より、第1のホールセンサ62の位置での磁束密度B1から第2のホールセンサ63の位置での磁束密度B2を引いた差磁束密度(B1−B2)を、双方の磁束密度を足した和磁束密度(B1+B2)で割った値は、直方体磁石61の移動距離に対して線形に近い出力特性を持つことが分かる。
【0050】
ホールセンサの出力電圧は磁束密度の大きさに比例するので、第1のホールセンサ62の出力電圧V1と、第2のホールセンサ63の出力電圧V2との差分値(V1−V2)を、双方の出力電圧の加算値(V1+V2)で割った値も、直方体磁石61の移動距離に対して線形に近い出力特性を持つことになることは言うまでもない。
【0051】
図8は、直方体磁石61の移動距離が+1.0mmにおける2個のホールセンサ62、63の位置での磁束密度の差分値(B1−B2)を、磁束密度の和(B1+B2)で割った値と、直方体磁石61の移動距離が−1.0mmにおける2個のホールセンサ62,63の磁束密度の差分値(B1−B2)を、磁束密度の和(B1+B2)で割った値とを結んだ直線を理想直線73として、理想直線73と図7(c)に示した磁気シミュレーション結果のズレから換算した直方体磁石61の移動距離検出における誤差を示した図である。
【0052】
図8に示す結果より、直方体磁石61の移動距離検出における誤差は最大でも9μm程度であり、用紙1巻あたり100μmずつ平行移動する場合では、用紙残量を正確に検出できることがわかる。
【0053】
このように、正確な用紙残巻数検出したい巻数が少量の場合、用紙残巻数検出機構は小型で実現できることが分かる。
【0054】
実施例2において、直方体磁石61を圧接部材68ではなく、用紙が送り出された場合に給紙台と連動して移動するその他のもの(可動部)に配置して同様のことを行ってもよいことは言うまでもない。
【0055】
[実施形態2]
本実施形態2は、実施形態1の変形であって基本的な構成は実施形態1に準じる。以下では、上述の実施形態1と同様な構成については説明を省略し、本実施形態2における上述の実施形態1との相違点についてのみ説明する。
【0056】
本実施形態2の機器(印刷機又は複写機など)を、図9〜図13に基づいて説明する。用紙残巻数検出機構を具備した給紙ロールを用いた機器(印刷機又は複写機など)は、種々な形状の磁石と、種々な磁気センサとを用いて構成できる。
【0057】
<装置構成>
図9は、本実施形態2における、積載された用紙巻数を磁石と磁気センサによって検知する用紙残巻数検出機構を具備した、給紙ロールを用いた機器(印刷機又は複写機など)の給紙部の概略構成を示す側断面図である。図10は、用紙残巻数検出機構を具備した給紙ロールを用いた機器(印刷機又は複写機など)の給紙部の磁石と磁気センサ部を拡大した正面断面図である。
【0058】
図中符号91はN極S極をそれぞれ単極着磁した直方体磁石である。着磁方向はホールセンサ92の感磁面に対して水平方向(Y方向)である。磁気センサ(磁束検知手段)として、92はホールセンサである。94、95は機器(印刷機又は複写機など)本体に備えられた給紙ローラである。96は用紙ロールの回転軸である。97はホールセンサを実装するための印刷機(又は複写機、券売機等)本体に備えられた基板である。98は用紙ロールに圧接する圧接部材である。99は用紙ロールである。911は圧接部材を紙に圧接させるためのばねである。912は磁石を圧接部材98に配置するための支持部材である。
【0059】
用紙ロールの回転軸96に用紙ロール99が装着される。用紙ロール99を印刷機(又は複写機、券売機)本体の用紙ロールの回転軸96に装着すると、印刷機(又は複写機、券売機)本体の給紙部に備えられた図示しない被動機構を介してばね911が圧接部材98を押動して、圧接部材98が用紙ロール99に圧接する。この際、ばね911は押し上げ(又は押し下げ)レバーのようなもので代替してもよいことは言うまでもない。
【0060】
次いで、印刷機(又は複写機)本体からの給紙信号により、給紙ローラ94、95が回転し、用紙が送り出される。用紙が送り出され、用紙巻数が減少すると、圧接部材98が用紙ロール99に所定の圧力で圧接するように再びばね911に押動される。
【0061】
圧接部材98には直方体磁石91が配置され、直方体磁石91に対向するように機器本体の図示しない保持部にホールセンサ用基板97が配置され、第1のホールセンサ92がホールセンサ用基板97上に配置される。ここで、ホールセンサ用基板97が給紙ロール側に配置されてもよいことは言うまでもない。圧接部材98の押動に対応した磁石の移動に伴いホールセンサ92を貫く磁束密度が変化する。その磁束密度をホールセンサによって検知し、その電圧の値からその値に対応した用紙残量を用紙残巻数検出機構の回路によって検出する。この際、圧接部材98の押動に対応して、直方体磁石91がホールセンサ92の感磁面に平行な直線上を移動するように直方体磁石91を配置するのが好ましい。
【0062】
また、より高精度に用紙残巻数検出を行うために、紙厚情報を入力可能な入力装置等の情報入力機構か、又は用紙の紙厚情報を検知する紙厚検知機構を備えていてもよい。紙厚検知機構は、例えば、回転軸96に装着された用紙ロール99の用紙がが、給紙ローラ94、95により送りだされる前のホールセンサの出力電圧値V1と、送り出された後のホールセンサの出力電圧値V2の差を計算する事により、用紙1巻が送り出された時の出力電圧変化分(V1−V2)(紙厚情報)を求める。情報入力機構又は紙厚検知機構から取得した紙厚情報Δ(紙厚検知機構の信号では、(V1−V2)の値)と、送り出された後のホールセンサの出力電圧値V2と用紙残量がゼロの場合のV0から、V2−V0をΔで割って用紙残量を算出が可能な演算装置を、用紙残巻数検出機構が備えていてもよい。
【0063】
以上より、従来の方法よりも簡易な機構で埃や汚れが発生する過酷な環境下でも部品点数が少なく半永久的に正確に用紙残巻数検出を行うことが可能な給紙装置を用いた機器(印刷機又は複写機など)を提供することが可能となる。
【0064】
また、用紙残巻数検出機構の構成部品として、上記以外の以下の構成としてもよい。図11(a)〜(f)は、磁石の変形例を示す。磁石として、直方体(立方体)201、四角柱202、三角柱203のような多角柱や、三角錐204、四角錐205のような多角錐や、円柱(楕円柱)206など様々な形状の磁石が適応可能である。
【0065】
磁気センサとして、ホールセンサ92の代わりに、磁気抵抗効果素子や、磁気インピーダンス素子、その他様々な磁気センサを用いることも可能である。
【0066】
磁気センサとしては、磁気増幅を行うための磁性体チップを用いていないホールセンサや、GaAs、InAs、InSbなどの化合物半導体からなるホールセンサ、又は、Si、GeなどのIV族半導体からなるホールセンサを用いることができる。当然、これら材料を複数個組み合わせたものでも構わない。
【0067】
本実施形態では、磁石を可動部に設置し、磁気センサを固定部(可動部ではない場所)に配置した構成を紹介したが、当然、磁気センサを可動部に配置し、磁石を固定部に配置しても同様の機能を有することができる。
【0068】
実施形態2では、機器の例として印刷機(または複写機)を挙げているが、自動券売機やATMなど他の機器で使用できることは当然であり、巻数検出を行う機器であれば、上記実施形態を適用できることは言うまでもない。
【0069】
<実施例3>
以下、本実施形態2の用紙残巻数検出機構の実施例3について説明する。
【0070】
実施例3は直方体磁石91が、ホールセンサ92の感磁面に平行な直線上を、圧接部材98の移動に伴い、用紙1巻あたり100μmずつ平行移動する場合で、用紙残量が20巻までは用紙残巻数検出をおこなわず、20巻から0巻まで正確に用紙残巻数検出を行う場合について示す。
【0071】
図9、図10において、直方体磁石表面からホールセンサ感磁面までの距離d=2.2mm、直方体磁石の長さL=6.0mm、直方体磁石の幅W=4.0mm、直方体磁石の厚み(着磁方向)t=4.0mmとする。Y軸方向の原点をホールセンサ92の位置とし、用紙残量が20巻の時は直方体磁石61の磁極の切り替わり点915はY=−1.0mmの位置に移動し、用紙残量が0巻の時は直方体磁石91の磁極の中心はY=1.0mmの位置に移動するように配置する。
【0072】
図12は、実施例3における直方体磁石91の移動距離に対するホールセンサ92の位置での磁束密度の変化の磁気シミュレーション結果81を示す。磁気シミュレーションの前提として、直方体磁石91の残留磁束密度Brを1300mT(一般的なネオジム焼結磁石の値)として行った。
【0073】
この結果より、ホールセンサ92の位置での磁束密度Bの値は、直方体磁石91の移動距離に対して線形に近い出力特性を持つことが分かる。
【0074】
ホールセンサの出力電圧は磁束密度の大きさに比例するので、ホールセンサ92の出力電圧Vの値も、直方体磁石91の移動距離に対して線形に近い出力特性を持つことになることは言うまでもない。
【0075】
図13は、直方体磁石91の移動距離が+1.0mmにおけるホールセンサ92磁束密度と、直方体磁石91の移動距離が−1.0mmにおけるホールセンサ92の磁束密度を結んだ直線を理想直線82として、理想直線82と図12に示した磁気シミュレーション結果81のズレから換算した直方体磁石91の移動距離検出における誤差を示した図である。
【0076】
図13に示す結果より、直方体磁石91の移動距離検出における誤差は最大でも1μm以下であり、用紙1巻あたり100μmずつ平行移動する場合では、用紙残量を正確に検出できることがわかる。
【0077】
このように、正確な用紙残巻数検出したい巻数が少量の場合、用紙残巻数検出機構は小型で実現できることが分かる。
【0078】
また、実施例3において、直方体磁石91を圧接部材98ではなく、用紙が送り出された場合に圧接部材と連動して移動するその他のもの(可動部)に配置して同様のことを行ってもよいことは言うまでもない。
【0079】
[実施形態の効果]
以上説明したように本実施形態1、2によれば、第1の態様として、用紙ロール(69)を使用する機器(印刷機又は複写機若しくは券売機等)は、用紙ロールを積載可能な回転軸(66)と、用紙ロールの巻数に応じて移動する可動部(68)と、可動部に配置された磁石(61)と、磁石による磁束密度を検知する磁束検知手段(62、63)と、磁束検知手段による検知結果に対応して用紙ロールの残巻数を検出する用紙残巻数検出手段(67)とを備えたことを特徴とする。
【0080】
以上の構成により、用紙ロールを使用する機器は、用紙ロールを積載可能な回転軸とその用紙ロールの巻数に応じて移動する可動部とを有し、可動部に磁石を配置し、磁石の移動量を磁気センサで検知することにより、積載された用紙ロール巻数を検知する用紙残巻数検出手段を備える。
【0081】
ここで、第2の態様として、第1の態様に記載の用紙ロールを使用する機器において、上記可動部の移動に応じて上記磁石が上記磁束検知手段に平行な直線上を移動することを特徴とすることができる(図2)。
【0082】
また、第3の態様として、第1又は第2の態様に記載の用紙ロールを使用する機器において、上記用紙の紙厚情報を検知する紙厚検知手段をさらに備え、上記用紙残巻数検出手段は上記紙厚検知手段によって検知された上記紙厚情報と上記磁束検知手段による検知結果とに基づいて上記残巻数を検出することを特徴とすることができる。
【0083】
また、第4の態様として、第3の態様に記載の用紙ロールを使用する機器において、上記紙厚検知手段は上記磁束検知手段による検知結果の変化量に対応して上記紙厚情報を検知することを特徴とすることができる。
【0084】
また、第5の態様として、第3の態様に記載の用紙ロールを使用する機器において、上記紙厚検知手段に替えて、上記用紙の紙厚情報を入力可能な情報入力手段をさらに備え、上記用紙残巻数検出手段は上記情報入力手段によって入力された上記紙厚情報と上記磁束検知手段による検知結果とに基づいて上記残巻数を検出することを特徴とすることができる。
【0085】
また、第6態様として、第1乃至第5の態様のいずれかに記載の用紙ロールを使用する機器において、上記磁束検知手段はホールセンサであることを特徴とすることができる。
【0086】
また、第7の態様として、第1乃至第5の態様のいずれかに記載の用紙ロールを使用する機器において、上記磁束検知手段は磁気抵抗効果を利用したセンサであることを特徴とすることができる。
【0087】
また、第8の態様として、第1乃至第7の態様のいずれかに記載の機器において、前記機器は印刷機、複写機、または券売機であることを特徴とすることができる。
【0088】
[他の実施形態]
実施形態1と実施形態2以外にも、磁石の着磁方向や極数、及び、センサの配置等細かな点を変更・修正して、さらに高精度に用紙残枚数検出を行うことが可能であり、本発明はそれらを包含するものである。当然、給紙ロールの構造や給紙の機構についても変更・修正が可能である。
【0089】
上述の実施形態は本発明の例示のために説明したが、上述の実施形態の他にも変形が可能である。その変形が特許請求の範囲で述べられている本発明の技術思想に基づく限り、その変形は本発明の技術的範囲内となる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明を適用できる実施形態1の、磁石と磁気センサによって積載された用紙巻数を検知する用紙残巻数検出機構を具備した用紙ロールを用いた機器(印刷機又は複写機若しくは券売機など)の給紙部の概略構成側断面図である。
【図2】用紙残巻数検出機構を具備した用紙ロールを用いた機器(印刷機又は複写機若しくは券売機など)の給紙部の磁石と磁気センサ部の拡大正面断面図である。
【図3】本発明を適用できる実施形態1の、磁石形状の例を示す説明図であり、(a)は直方体磁石、(b)は四角柱磁石、(c)は三角柱磁石、(d)は三角錐磁石、(e)は四角錐磁石、(f)は楕円柱磁石をそれぞれ示す説明図である。
【図4】用紙残巻数検出機構に用いる2個のホールセンサの回路構成例を示す図である。
【図5】実施例1における直方体磁石の移動距離に対する磁束密度の変化の磁気シミュレーション結果を示す図であり、(a)は磁石の移動距離に対する第1のホールセンサの位置での磁束密度変化、(b)は磁石の移動距離に対する第2のホールセンサの位置での磁束密度変化、(c)は磁石の移動距離に対する第1のホールセンサの位置での磁束密度B1から第2のホールセンサの位置での磁束密度B2を引いた差磁束密度(B1−B2)を、双方の磁束密度を足した和磁束密度(B1+B2)で割った値の変化をそれぞれ示す図である。
【図6】実施例1において、理想直線と、図5に示した磁気シミュレーション結果のズレとから換算した、直方体磁石の移動距離に対する、給紙台に配置された磁石の位置検出誤差を示す説明図である。
【図7】実施例2における直方体磁石の移動距離に対する磁束密度の変化の磁気シミュレーション結果を示す図であり、(a)は磁石の移動距離に対する第1のホールセンサの位置での磁束密度変化、(b)は磁石の移動距離に対する第2のホールセンサの位置での磁束密度変化、(c)は磁石の移動距離に対する第1のホールセンサ62の位置での磁束密度B1から第2のホールセンサ63の位置での磁束密度B2を引いた差磁束密度(B1−B2)を、双方の磁束密度を足した和磁束密度(B1+B2)で割った値の変化をそれぞれ示す図である。
【図8】実施例2において、理想直線と、図7に示した磁気シミュレーション結果のズレとから換算した、直方体磁石の移動距離に対する、給紙台に配置された磁石の位置検出誤差を示す説明図である。
【図9】本発明を適用できる実施形態2の、磁石と磁気センサによって積載された用紙巻数を検知する用紙残巻数検出機構を具備した給紙ロールを用いた機器(印刷機又は複写機など)の給紙部の概略構成側断面図である。
【図10】用紙残巻数検出機構を具備した給紙ロールを用いた機器(印刷機又は複写機など)の給紙部の磁石と磁気センサ部の拡大正面断面図である。
【図11】本発明を適用できる実施形態2の、磁石形状の例を示す説明図であり、(a)は直方体磁石、(b)は四角柱磁石、(c)は三角柱磁石、(d)は三角錐磁石、(e)は四角錐磁石、(f)は楕円柱磁石をそれぞれ示す説明図である。
【図12】実施例3における直方体磁石の移動距離に対する磁束密度の変化の磁気シミュレーション結果であり、磁石の移動距離に対するホールセンサの位置での磁束密度変化を示す図である。
【図13】実施例3において、理想直線と、図12に示した磁気シミュレーション結果のズレとから換算した、直方体磁石の移動距離に対する、給紙台に配置された磁石の位置検出誤差を示す説明図である。
【符号の説明】
【0091】
61、91 直方体磁石
62 第1のホールセンサ
63 第2のホールセンサ
64、65、94、95 給紙ローラ
66、96 用紙ロールの回転軸
17、97 先端部材
68、98 圧接部材
62、92 ホールセンサ
69、99 用紙ロール
67、97 ホールセンサ用基板
114、914、612 支持部材
915 磁極面
21 差動信号処理回路
21a、21b、21c 差動増幅器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙ロールを積載可能な回転軸と、
前記用紙ロールの巻数に応じて移動する可動部と、
前記可動部に配置された磁石と、
前記磁石による磁束密度を検知する磁束検知手段と、
前記磁束検知手段による検知結果に対応して前記用紙ロールの残巻数を検出する用紙残巻数検出手段と
を備えたことを特徴とする用紙ロールを使用する機器。
【請求項2】
前記可動部の移動に応じて前記磁石が前記磁束検知手段に平行な直線上を移動する
ことを特徴とする請求項1に記載の用紙ロールを使用する機器。
【請求項3】
前記用紙の紙厚情報を検知する紙厚検知手段をさらに備え、
前記用紙残巻数検出手段は前記紙厚検知手段によって検知された前記紙厚情報と前記磁束検知手段による検知結果とに基づいて前記残巻数を検出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙ロールを使用する機器。
【請求項4】
前記紙厚検知手段は前記磁束検知手段による検知結果の変化量に対応して前記紙厚情報を検知する
ことを特徴とする請求項3に記載の用紙ロールを使用する機器。
【請求項5】
前記紙厚検知手段に替えて、前記用紙の紙厚情報を入力可能な情報入力手段をさらに備え、
前記用紙残巻数検出手段は前記情報入力手段によって入力された前記紙厚情報と前記磁束検知手段による検知結果とに基づいて前記残巻数を検出する
ことを特徴とする請求項3に記載の用紙ロールを使用する機器。
【請求項6】
前記磁束検知手段はホールセンサである
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の用紙ロールを使用する機器。
【請求項7】
前記磁束検知手段は磁気抵抗効果を利用したセンサである
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の用紙ロールを使用する機器。
【請求項8】
前記機器は印刷機、複写機、または券売機であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の用紙ロールを使用する機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−302444(P2007−302444A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134399(P2006−134399)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】