説明

用紙供給装置及びこれを搭載した画像形成装置

【課題】用紙のサイズの誤検知を防止可能な用紙供給装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写紙のサイズを検出するサイズ検知装置(50)は、転写紙の幅合わせ部材(40)を立設させる案内部材(52)と、幅合わせ部材の摺動動作に連動する連動部材(60)と、連動部材に連結される検知端子(64)と、幅合わせ部材の摺動方向に沿って長尺状に形成されており、検知端子に接触されることにより転写紙のサイズが識別可能なパターン(72)を有する基板(70)と、検知端子の配置近傍位置にて基板を掴持する掴持部(80)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリ等に代表される画像形成装置に用いられる用紙供給装置及びこれを搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の用紙供給装置ではサイズ検知が行われている。詳しくは、この検知には、原稿サイズや用紙サイズの自動検知があり、前者の検知ではプラテンガラス上に原稿を配置させ、この原稿の位置を光学的に検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、後者の検知では、用紙の幅合わせ部材が用紙カセットや手差しトレイ上を摺動可能に構成されており、この幅合わせ部材の位置をリードスイッチ、或いは、プリント基板のパターンと接触子との接触位置で検出する技術が開示されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−115978号公報
【特許文献2】特開平5−11555号公報
【特許文献3】特開平8−258997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した用紙サイズの自動検知の構成では、幅合わせ部材がガイド部材に立設され、この幅合わせ部材がラックとともにガイド部材に対して摺動している。また、接触子はラックに連結されている。さらに、プリント基板は幅合わせ部材の摺動方向に沿って長尺状に形成される一方、この基板の隅部分のみがボルトでガイド部材に締結されている。
【0006】
ここで、用紙を載置したカセットが画像形成装置本体内に装着された場合には、その際の衝撃が幅合わせ部材に作用し、さらに、用紙重量も加わって幅合わせ部材をカセットの外側に向けて広げるように変形させる力が作用する。つまり、この力はガイド部材を上向き凸に曲げようとするモーメントを作用させるため、接触子はラックとともに上向き凸に変形するものの、基板は変形しないことから、接触子と基板とが離間して用紙サイズを誤検知し易くなるとの問題がある。
【0007】
このように、上記従来の技術では、幅合わせ部材の変形がプリント基板と接触子との接触に悪影響を与える点については依然として課題が残されている。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、用紙サイズの誤検知を防止可能な用紙供給装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための第1の発明は、底面に転写紙を載置する給紙部と、底面に対して摺動自在に支持されており、転写紙の側端部分に当接する転写紙の幅合わせ部材と、幅合わせ部材の摺動動作に連動して転写紙のサイズを検出するサイズ検知装置とを具備し、検知装置は、幅合わせ部材を立設させる案内部材と、幅合わせ部材の摺動動作に連動する連動部材と、連動部材に連結される検知端子と、幅合わせ部材の摺動方向に沿って長尺状に形成されており、検知端子に接触されることにより転写紙のサイズが識別可能なパターンを有する基板と、検知端子の配置近傍位置にて基板を掴持する掴持部とを備える。
【0009】
第1の発明によれば、転写紙のサイズを検出するサイズ検知装置を具備しており、この検知装置は、幅合わせ部材が立設されている案内部材を備え、幅合わせ部材及び連動部材を摺動させる。一方、検知装置は検知端子及び基板を備えており、この基板は、幅合わせ部材の摺動方向に沿って長尺状に形成され、転写紙のサイズを識別可能なパターンを有している。そして、このパターンは連動部材に連結された検知端子に接触されるが、当該基板において、検知端子の配置近傍位置は掴持部によって掴んだ状態で支持されている。
【0010】
よって、仮に、幅合わせ部材を給紙部の外側に向けて広げるように変形させる力が作用する結果、案内部材を上向き凸に曲げようとするモーメントが作用し、案内部材が上向き凸に変形したとしても、基板は掴持部に支持されているので、基板もまた上向き凸に変形する。すなわち、基板が幅合わせ部材の変形に追従して変形することから、検知端子と基板との離間が回避可能となる。このように、検知端子と基板との接触が安定する結果、転写紙のサイズの誤検知が防止される。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の構成において、掴持部は、案内部材から延設され、基板を掴持していることを特徴とする。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、掴持部は、幅合わせ部材を立設させる案内部材に設けられており、掴持部と案内部材とで基板を挟み込んでいるので、基板が幅合わせ部材の変形に追従して確実に変形可能となる。
【0012】
第3の発明は、第1の発明の構成において、掴持部は、連動部材から延設され、基板を掴持していることを特徴とする。
第3の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、掴持部は、幅合わせ部材の摺動動作に連動する連動部材に設けられており、掴持部と連動部材とで基板を挟み込んでいるので、基板が幅合わせ部材の変形に追従して確実に変形可能となる。しかも、連動部材には検知端子が連結されていることから、検知端子と基板との接触がより一層安定する。
【0013】
第4の発明は、第1の発明の構成において、掴持部は、検知端子から延設され、基板を掴持していることを特徴とする。
第4の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、掴持部は、基板のパターンに接触する検知端子に設けられており、掴持部と検知端子とで基板を挟み込んでいるので、基板が幅合わせ部材の変形に追従して確実に変形可能となる。
【0014】
第5の発明は、第1から第4の発明の用紙供給装置を搭載した画像形成装置であることを特徴とする。
第5の発明によれば、第1から第4の発明の作用に加えてさらに、転写紙のサイズの誤検知が防止されることにより、画像形成装置では画像形成の大きさと転写紙のサイズとの不一致が低減され、転写紙やトナー等の無駄が抑制される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、幅合わせ部材の変形が基板と検知端子との接触に悪影響を与えない用紙供給装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、画像形成装置の一例である複合機1が右前上方から示されており、操作者に相対する複合機1の正面と、この複合機1の右側面とが見えている。この複合機1は胴内排紙型の装置本体2を備え、この本体2の内側には排紙トレイ15が形成されている。
【0017】
本体2の上側には原稿送り装置8が搭載されており、複合機1を複写機やファクシミリ、ネットワークスキャナとして利用するときには、この送り装置8から原稿を搬送し、その画像面は光学式の画像読取部9にて光学的に読み取られる。
画像読取部9の手前側には操作表示部20が設置されている。この操作表示部20には、ユーザの各種操作に供される複数の操作キーやスイッチが配置され、各種情報を表示する表示画面21が設けられている。
【0018】
一方、本体2の下部にはフロントローディング式の用紙供給装置3が配置されている。詳しくは、この供給装置3には、本体2の高さ方向に沿って上下2段の用紙カセット(給紙部)4が備えられている。そして、各カセット4はいずれも本体2に対して着脱可能に構成される。なお、本体2の右側面には開閉式の手差しトレイ5が備えられている。
【0019】
複合機1の内部は図2に示されている。なお、図中に実線で示された矢印は用紙の搬送経路及びその搬送方向を表している。
同図に示されるように、各カセット4には画像形成前の各種の用紙(転写紙)Pが積層状態で収容され、この用紙はカセット4から1枚ずつ分離され、左方向に向けて送出される。
【0020】
供給装置3の左方には用紙搬送部6が配置され、カセット4から送出された用紙は本体2の左側面に沿って上方に向けて縦搬送される。また、手差しトレイ5から送出された用紙も本体2の右側から左方向に向けて搬送され、その後、上方に向けて縦搬送される。
この本体2の内部には、用紙搬送方向でみて下流側にレジストローラ7、画像形成部10及び転写部11が順番に配置されている。画像形成部10の右方には光学部14が備えられており、この光学部14からは画像形成部10の感光体ドラムに向けてレーザ光が照射される。
【0021】
また、用紙搬送方向でみて転写部11の下流側には、ローラ対40を有する定着部12、及び排出分岐部13が順番に配置され、片面印刷の場合には、定着部12から排出された用紙は排出分岐部13を経て排紙トレイ15に排出される。
一方、この排出分岐部13と用紙搬送部6との間には両面印刷用ユニット26が配置されており、このユニット26では定着部12から排出された用紙を用紙搬送部6に戻し、画像形成部10に向けて再び送出する。
【0022】
ここで、本実施例の用紙カセット4は、図3に示されるように、複合機1の正面側、つまり、カセット4の正面側には操作面30が設けられ、この操作面30の左右両端側には、複合機1の背面側に向けて延びる側面部34,36がそれぞれ形成されている。また、これら側面部34,36は複合機1の背面側にて端面部32で連結されており、これら操作面30、側面部34,36及び端面部32で区画された領域内に枚葉の用紙Pが積層された状態で収納され、用紙サイズが検知される。
【0023】
詳しくは、この用紙Pは、図4に示されるように、底面38の表側に載置され、この底面38において複合機1の正面側及び背面側の適宜位置には孔39がそれぞれ形成されている。これら孔39の間には左右方向に沿って摺動する幅合わせ部材41が配設されており、当該部材41が横ガイドに相当する。
これに対し、各孔39内には縦ガイドに相当する一対の幅合わせ部材40,42がそれぞれ配置されている。
【0024】
具体的には、図4の他、図5及び図6に示される如く、各幅合わせ部材40,42は断面視で略L字状に形成され、左右方向に沿って延びる壁面を有しており、この壁面が用紙の側端部分に当接されることにより用紙の位置が決定される。幅合わせ部材40は複合機1の背面側に配置され、幅合わせ部材42は複合機1の正面側に配置されている。また、幅合わせ部材42の手前側にはストッパ43が設けられており、このストッパ43を摘みながら幅合わせ部材42を複合機1の背面側に向けて底面38に対して摺動させると、幅合わせ部材40も複合機1の正面側に向けて同時に摺動される。
【0025】
これら幅合わせ部材40,42はサイズ検知装置50に立設されている。より詳しくは、この検知装置50は、複合機1の正面側から背面側に向けて延びる長尺状のガイド部材(案内部材)52を有し、底面38の裏側に配置されている。幅合わせ部材40の下方位置において、ガイド部材52の裏側にはラック(連動部材)60が配置され、これら幅合わせ部材40とラック60とはボルトで締結されている。ラック60は幅合わせ部材40の摺動方向に沿って形成された歯を有し、このラック60は支持部53を介してガイド部材52に摺動自在に支持されている。
【0026】
また、幅合わせ部材42の下方位置において、ガイド部材52の裏側には幅合わせ部材42にボルトで締結されたラック62が配置されており、このラック62もまた幅合わせ部材42の摺動方向に沿って形成された歯を有し、ガイド部材52に摺動自在に支持されている。
そして、ラック60,62の各歯はガイド部材52の内側に向けて対峙し、これら各歯は、ガイド部材52の裏側にて回転自在に支持されたピニオン54にそれぞれ噛合されている。これにより幅合わせ部材40は幅合わせ部材42の摺動に伴って摺動可能となる。
【0027】
一方、図5に示されるように、ラック60の裏側には導電性の接触子(検知端子)64が連結されている。この接触子64はラック60に連結される固定部及びさらに下方に向けて延びる弾性片を有し、この弾性片がプリント基板(基板)70に接触可能に構成されている。
具体的には、この基板70はラック60の裏側に配置され、幅合わせ部材40の摺動方向に沿って長尺状に形成されている(図6)。また、基板70の対角線上の隅部分は2本のボルト71が基板70の裏側から表側に向けて挿入され、基板70はボルト71を介してガイド部材52に締結される。
【0028】
この基板70の表側には、用紙サイズを識別可能な識別パターンが形成されている。詳しくは、このパターンは銅箔等の導電体をエッチング等の処理にて形成されており、幅合わせ部材40の摺動動作に連動して接触子64の弾性片に接触されることにより、所定のパターンが閉成されて導通し、用紙の幅方向サイズが検知される。
【0029】
ここで、本実施例の検知装置50では、接触子64の配置近傍位置にて基板70を掴持している。
具体的には、本実施例では、ガイド部材52に爪状部(掴持部)80が形成されている(図5,6)。この爪状部80は、ガイド部材52の裏側から下方に向けて延びる垂直部82と、この垂直部82に連なり、ガイド部材52の内側に向けて延びる水平部84とから構成されており、この水平部84が基板70の周縁の略中央位置にて基板70を掴持している。
【0030】
そして、この複合機1では、カセット4やトレイ5から用紙が1枚ずつ分離して送出され、この用紙は用紙搬送部6を介してレジストローラ7に到達する。このローラ7は、用紙の斜め送りを矯正しつつ、画像形成部10で形成されるトナー画像とのタイミングを計りながら、用紙を転写部11へと送出する。
また、図示しないコントローラからの画像データに基づき、複合機1では光学部14によるレーザ光の照射が制御される。これにより、画像形成部10においてドラム上に原稿画像の静電潜像が作られ、続いてこの潜像からドラム上にトナー画像が形成され、用紙に転写される。
【0031】
その後、用紙は未定着トナー画像を担持した状態で定着部12に向けて送られ、トナー画像を定着する。次いで、定着部12から排出された用紙は排出分岐部13を通ってトレイ15に排出される。
この片面印刷に対し、両面印刷を行う場合には、定着部12から排出された用紙はトレイ15に排出される直前にてユニット26側に引き戻され、この用紙は用紙搬送部6に合流し、再び転写部11に向けて送られる。そして、この場合には、用紙の未だ印刷がされていない面にトナー画像が転写される。
【0032】
ところで、上述の爪状部80は、ガイド部材52からではなく、ラック60から延設されていても良い。
詳しくは、図7及び図8に示される如く、本実施例の幅合わせ部材40,42も上記実施例と同様に複合機1の背面側と正面側とに配置され、サイズ検知装置50に立設されている。
【0033】
また、幅合わせ部材40の下方位置において、ガイド部材52の裏側にはラック60が配置され、図9や図10に示されるように、ラック60の端部に形成された孔61にボルトを挿入することにより、幅合わせ部材40とラック60とが締結される。そして、上記実施例と同様に、幅合わせ部材40は幅合わせ部材42の摺動に伴って摺動可能に構成されている。
【0034】
ラック60の裏側には導電性の接触子64が連結される。この接触子64はラック60に連結される固定部66と、固定部66に連なり下方に向けて延びる弾性片68とを有しており、固定部66がラック60の孔61を有する上記端部に固定され、弾性片68が基板70に接触可能に構成されている。この基板70もまた上記実施例と同様に、ラック60の裏側に配置され、幅合わせ部材40の摺動方向に沿って長尺状に形成されている。また、基板70は、その対角線上の隅部分に形成された孔73にボルト71を挿入することにより、ガイド部材52に締結されている。
【0035】
この基板70の表側にも上記実施例と同様に識別パターン(パターン)72が形成されており、接触子64の弾性片68に接触されることにより、一のパターンと他のパターンとが電気的に接続され、その接続されるパターンの組み合わせに応じて用紙の幅方向サイズが検知される。
ここで、本実施例では、ラック60の上記端部において、接触子64の固定部66の近傍位置に爪状部80が形成されている。本実施例の爪状部80は、ラック60の周縁から下方に向けて延びる垂直部82と、この垂直部82に連なり、ガイド部材52の内側に向けて延びる水平部84とから構成されており(図9)、この水平部84が基板70を掴持している。
【0036】
そして、カセット4を複合機1の正面側に向けて引き出すと、底面38が外部に開けられ、底面38上に新たな用紙P、或いは別の種類の用紙を載置する。当該別の種類の用紙を載置した場合には、ストッパ43を摘みながら幅合わせ部材42を摺動させ、その壁面を用紙の側端部分に当接すると、幅合わせ部材40の壁面も用紙の側端部分に当接する。
【0037】
同時に、ラック60は幅合わせ部材40の摺動動作に連動し、接触子64も基板70上を移動し、幅合わせ部材40の位置に応じたパターン72を閉成する。これにより当該用紙の幅方向サイズが検知され、その結果は上記コントローラに向けて出力される。
一方、上述の爪状部80は、ガイド部材52やラック60からではなく、接触子64から延設されていても良い。
【0038】
すなわち、図11及び図12に示されたラック60は上記実施例と同様に、その端部に形成された孔61にボルトを挿入することにより、幅合わせ部材40とラック60とが締結される。また、長尺状の基板70も上記実施例と同様に、その対角線上の隅部分に形成された孔73にボルト71を挿入することにより、ガイド部材52に締結される。
【0039】
しかしながら、本実施例では、基板70の周縁を抱え込むように構成された接触子64が設けられている。
詳しくは、この接触子64は、基板70に対峙する天面を有し、この天面の中央部分に下方に向けて延びる弾性片68を有している。また、天面の両端には下方に向けて延びる垂直部82,82が形成され、これら垂直部82には弾性片68に向けて延びる水平部84,84が形成されており、これら水平部84が基板70を掴持している。
【0040】
そして、上述した天面と垂直部82との交差部分が下方に向けて凹部をなし、溝状の固定部66,66が形成されている。より具体的には、ラック60の孔61を有する端部には下方に向けて凸部をなす係合凸部69,69が形成されており(図11)、これら係合凸部69が固定部66に嵌合されることにより、接触子64がラック60に連結される。
【0041】
なお、本実施例の場合にも、ラック60が幅合わせ部材40の摺動動作に連動すると、接触子64も基板70上を移動し、幅合わせ部材40の位置に応じたパターン72を閉成するので、用紙の幅方向サイズが検知される。
以上のように、各実施例によれば、用紙の幅方向サイズを検出するサイズ検知装置50を具備しており、検知装置50は、幅合わせ部材40が立設されるガイド部材52を備え、幅合わせ部材40及びラック60を摺動させる。
【0042】
一方、検知装置50は導電性の接触子64及び基板70を備えている。この基板70は、幅合わせ部材40の摺動方向に沿って長尺状に形成されており、この基板70の隅部分のみがボルト71でガイド部材52に締結され、また、上記サイズが識別可能なパターン72を有している。このパターン72はラック60に連結された接触子64に接触されるが、当該基板70において、接触子64の配置近傍位置は爪状部80によって掴んだ状態で支持されている。
【0043】
よって、仮に、幅合わせ部材40をカセット4の外側に向けて広げるように変形させる力が作用する結果、ガイド部材52を上向き凸に曲げようとするモーメントが作用し、このガイド部材52の縦軸線が上向き凸に撓んだとしても、基板70は爪状部80に支持されているので、基板70の縦軸線もまた上向き凸に撓む。すなわち、基板70が幅合わせ部材40の変形に追従して変形することから、接触子64と基板70との離間が回避可能となる。
このように、幅合わせ部材40の変形が基板70と接触子64との接触に悪影響を与えず、基板70と接触子64との接触が安定する結果、用紙の幅方向サイズの誤検知が防止され、そのサイズを正確に検知可能となる。
【0044】
また、第1実施例のように、爪状部80は、幅合わせ部材40を立設させるガイド部材52に設けられており(特に図5,6)、爪状部80の水平部84とガイド部材52とで基板70を挟み込んでいるので、基板70が幅合わせ部材40の変形に追従して確実に変形可能となる。
【0045】
さらに、第2実施例のように、爪状部80は、幅合わせ部材40の摺動動作に連動するラック60に設けられており(図7〜10)、その水平部84とラック60とで基板70を挟み込んでいるので、基板70が幅合わせ部材40の変形に追従して確実に変形可能となる。
しかも、このラック60には接触子64が連結されていることから、基板70と接触子64との接触がより一層安定する。
【0046】
さらにまた、第3実施例のように、爪状部80は、基板70のパターン72に接触する接触子64に設けられており(図11,12)、その水平部84,84と接触子64とで基板70を挟み込んでいるので、基板70が幅合わせ部材40の変形に追従して確実に変形可能となる。
【0047】
また、基板70と接触子64との接触不良が回避され、用紙の幅方向サイズの誤検知が防止される結果、複合機1では画像形成の大きさと用紙のサイズとの不一致に基づくミスプリントが低減され、用紙やトナー等の無駄が抑制される。
本発明は、上記各実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。例えば各実施例の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
【0048】
また、上記実施例では、カセット4にサイズ検知装置50を設けた例が示されているが、本発明は例えば手差しトレイ5にも適用可能である。つまり、仮にトレイ5上に幅合わせ部材が設けられている場合には、載置される用紙の幅がトレイ5の幅に略等しい大きさになると、その用紙重量によって幅合わせ部材をトレイ5の外側に向けて広げる力が作用し得るからである。
さらに、本発明は一対の幅合わせ部材の構成に必ずしも限定されるものではなく、また、上記実施例では画像形成装置として複合機に具現化した例を示しているが、本発明は複写機やネットワーク用の多機能周辺機器(MFP)の他、プリンタ、ファクシミリやスキャナ等自体にも当然に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】第1実施例における複合機の斜視図である。
【図2】図1の複合機を概略的に示した垂直断面正面図である。
【図3】図1の用紙カセットの斜視図である。
【図4】図1の用紙カセットの斜視図である。
【図5】図4の幅合わせ部材の部分正面図及び断面図である。
【図6】図4の幅合わせ部材及びサイズ検知装置を見上げた斜視図である。
【図7】第2実施例における幅合わせ部材の部分正面図及び断面図である。
【図8】図7の幅合わせ部材及びサイズ検知装置を見上げた斜視図である。
【図9】図8の検知装置における主要部の斜視図及び分解斜視図である。
【図10】図8の検知装置における主要部の斜視図及び分解斜視図である。
【図11】第3実施例におけるサイズ検知装置の主要部の分解斜視図である。
【図12】図11の検知装置における主要部の斜視図及び分解斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 複合機(画像形成装置)
3 用紙供給装置
4 用紙カセット(給紙部)
38 底面
40 幅合わせ部材
50 サイズ検知装置
52 ガイド部材(案内部材)
60 ラック(連動部材)
64 接触子(検知端子)
70 プリント基板(基板)
72 識別パターン(パターン)
80 爪状部(掴持部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に転写紙を載置する給紙部と、
前記底面に対して摺動自在に支持されており、前記転写紙の側端部分に当接する該転写紙の幅合わせ部材と、
該幅合わせ部材の摺動動作に連動して前記転写紙のサイズを検出するサイズ検知装置とを具備し、
該検知装置は、
前記幅合わせ部材を立設させる案内部材と、
前記幅合わせ部材の摺動動作に連動する連動部材と、
該連動部材に連結される検知端子と、
前記幅合わせ部材の摺動方向に沿って長尺状に形成されており、前記検知端子に接触されることにより前記転写紙のサイズが識別可能なパターンを有する基板と、
前記検知端子の配置近傍位置にて前記基板を掴持する掴持部と
を備えることを特徴とする用紙供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の用紙供給装置であって、
前記掴持部は、前記案内部材から延設され、前記基板を掴持していることを特徴とする用紙供給装置。
【請求項3】
請求項1に記載の用紙供給装置であって、
前記掴持部は、前記連動部材から延設され、前記基板を掴持していることを特徴とする用紙供給装置。
【請求項4】
請求項1に記載の用紙供給装置であって、
前記掴持部は、前記検知端子から延設され、前記基板を掴持していることを特徴とする用紙供給装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の用紙供給装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−308275(P2008−308275A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157008(P2007−157008)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】