説明

用紙処理装置

【課題】搬送方向に沿って切断された複数の連続紙を所望のサイズに切断した用紙をその搬送路毎に仕分ける用紙処理装置を得る。
【解決手段】スリッタ部20によって、連続紙Pの搬送方向に沿って該連続紙Pが切断されるが、本実施形態では、スリッタ部20の下流側に、搬送される連続紙Pの上流側から下流側へ向かって外側へ向かうように斜めに配置された送出しローラ(送出し手段)112をそれぞれ設け、センタスリッタ36によって切断された連続紙Pを互いに離間する方向へ送り出すようにしている。これにより、第1切断手段によって切断された各連続紙A、Bを所定の搬送路へ搬送し、所望のサイズに切断した用紙を案内部材114、116毎に仕分けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される連続紙を切断する用紙処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大量の高速印刷には、従来より、ロール紙等の形態で大量の用紙を取り扱うことのできる連続紙が用いられている。この連続紙処理システムでは、連続紙供給装置から印刷機やプリンタ装置(輪転機やデジタルプリンタを含む)を経由し、あるいは印刷済でロール状に巻き付けられた連続紙の供給装置と後処理機を組み合わせることで、目的に合わせた印刷物に対するカット紙への切断加工、製本や綴じ、差し込みや封入封緘等の後処理を行うことができる。
【0003】
連続紙の切断加工を行う切断部では、連続紙の長さ方向(搬送方向)及び幅方向(搬送方向に直交する方向)で該連続紙をカットし、所定の用紙サイズに合わせる処理が行われる。そして、連続紙の搬送方向の切断部の下流側には、パージと呼ばれる廃棄用紙収容箱が設けられており、切断部で切断された不要なカット片(不要部)が収容される。一方、印刷ジョブ中のカット紙(用紙)は、切断部の下流の後処理機へ搬送され、又は用途毎に用紙搬送経路を切替えて所定のスタッカへ案内される。
【0004】
連続紙に掛かるこれらの処理には、連続紙を高速で搬送しながら必要なサイズに切断し、必要な処理部に搬送することが求められる。
【0005】
このため、連続紙の搬送方向に沿った切断は、搬送面上に歯面を突出させたスリッタによって行う方法が一般的である。一方、用紙の搬送方向と直交する方向(用紙の幅方向)の切断には、CADやファクシミリ等比較的低速の用紙切断機構で用いられるような用紙を停止した状態で任意のサイズに容易に対応できる移動カッタ型ではなく、決められた用紙全幅にカッタ歯を持ち、軸状に配置された該カッタ歯を回転させることで、用紙全幅を大凡同時に切断できるロータリカッタが使用されることが多い(例えば、特許文献1)。
【0006】
上記連続紙処理システムにおいても、少部数のオンデマンドでの印刷物発行など、特にDM印刷や請求書等では、大量ではあるが各々異なるものを高速に処理するバリアブルな後処理機の要求が高まっている。
【0007】
このなかには、用紙サイズの異なる帳票を一括して処理したいという要求もあるが、連続紙処理システムは、その用紙の形態から、用紙サイズの切替がカット紙に比較して容易でなく、高速性を維持しながら、多様な印刷出力に対応して、バリアブルに用紙切断を高速で行うのは困難であった。
【0008】
例えば、異なる帳票フォームをまとめて処理することができず、頻繁な用紙サイズ変更に伴って各ジョブ間に必要なセットアップ作業が、大幅なトータル性能の低下の要因となるばかりでなく、用紙のかけ替えやセットアップによって、無駄な用紙の消費に繋がっていた。
【0009】
特にバリアブルに用紙を切断した場合、高速で連続的に任意の各種サイズが送られてくるため、切断後の用紙サイズ毎の折り畳み、綴じ込み、製本等の後処理の為に、正確な仕分けが必要であるが、現状では異なる用紙サイズが混在する用紙を高速性を維持したまま正確に仕分けすることができないため、サイズが変更になった場合は一旦処理を中断し、設定変更や用紙掛け替えする必要があった。
【0010】
連続紙を搬送する方向や該連続紙の幅方向でバリアブルな位置に切断された場合、仕分け部分もバリアブルに制御する必要がある他、仕分け部分で用紙詰まりが発生すると、用紙除去や掛け替えに加えて、ジャムページを含む未後処理の印刷済ページの編集を含めた再印刷(リカバリ)が必要となるため、トータル性能の低下だけでなく、ページ抜けや重複等の致命的な誤出力となってしまうために、仕分け部分には用紙サイズ変更時に、仕分け用フラッパの境界部分に対し、切断された用紙端の間に大きなマージン距離が必要であるが、これを確保することが容易でなかった。
【特許文献1】特開昭61−152392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、搬送方向に沿って切断された複数の連続紙を所望のサイズに切断した用紙をその搬送路毎に仕分ける用紙処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、用紙処理装置において、搬送される連続紙を搬送方向に沿って切断し該連続紙の幅を変える1以上の第1切断手段と、前記第1切断手段で切断された連続紙を幅方向に沿って切断し所望サイズの用紙とする第2切断手段と、を備え、前記第1切断手段と前記第2切断手段の間に位置し、第1切断手段によって切断された連続紙同士を互いに離間する方向へ送り出す送出し手段と、前記第2切断手段の前記連続紙搬送方向下流側に、切断された連続紙の幅方向に沿って設けられ、前記送出し手段に送り出され該第2切断手段で切断された用紙を該連続紙の搬送方向下流側へそれぞれ案内する複数の案内手段と、前記案内手段を移動させ、前記用紙が搬送される搬送路を切り替える案内方向切替手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の用紙処理装置において、切断された連続紙の幅方向に沿って前記案内手段を移動させる移動手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の用紙処理装置において、搬送される連続紙の幅方向の中央側に位置する前記第1切断手段の位置に前記案内手段同士の境界部の位置を合わせる位置合わせ手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の用紙処理装置において、前記位置合わせ手段が、搬送される連続紙の幅方向の中央側に位置する前記第1切断手段と前記案内手段が位置合わせして取付けられる支持体であることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の用紙処理装置において、前記案内手段が、搬送される連続紙の幅方向の両端側に配置され用紙を案内する固定案内板と、前記固定案内板と固定案内板の間を移動して、前記用紙を案内する案内面の大きさを前記固定案内板と協働して変える一対の移動案内板と、を備え、前記位置合わせ手段が、搬送される連続紙の幅方向の中央側に位置する前記第1切断手段の位置に前記移動案内板同士の境界部を位置合わせすることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の用紙処理装置において、前記案内手段が、搬送される連続紙の幅方向に沿って設けられ傾倒可能に支持された複数の案内片と、搬送される連続紙の幅方向に沿って移動して任意の前記案内片の下部を支持して前記案内片を支持する数で前記案内面の大きさを変える支持部材と、を含んで構成され、前記位置合わせ手段が、搬送される連続紙の幅方向の中央側に位置する前記第1切断手段の位置に前記支持部材の端部を位置合わせすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、第1切断手段によって切断された各連続紙を互いに重ならないよう離間させ、それぞれ対応する案内手段へ案内することができる。そして、案内方向切替手段によって各案内手段をそれぞれ移動させ、第1切断手段及び第2切断手段によって切断された各用紙を所定の搬送路へ案内することで、所望のサイズに切断した用紙を搬送路毎に仕分けることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、第1切断手段で切断される連続紙の切断位置に合わせて案内手段同士の境界部の位置を合わせることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、第2切断手段によって切断された各用紙を所定の搬送路へ確実に案内することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、第1切断手段で切断される切断位置と案内手段同士の境界部の位置を、常に一致させることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、一対の移動案内板を前記固定案内板と固定案内板の間で移動させることで案内面の大きさを変えることができ、第1切断手段で切断される連続紙の切断位置に合わせて移動案内板同士の境界部の位置を合わせることができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、支持部材を移動させ案内片の下部を支持することで、案内面の大きさを変えることができ、第1切断手段で切断される連続紙の切断位置に合わせて支持部材の端部の位置を合わせることで、案内面同士の境界部の位置を該切断位置に合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本実施の形態に係る用紙処理装置10が適用された用紙処理システム12の全体構成図である。用紙処理装置10は用紙処理システム12の一部を構成し、搬送される連続紙Pを所定のサイズに切断する装置である。
【0026】
用紙処理システム12の、連続紙Pの搬送方向の上流側(以下、単に「上流側」という場合もある)には、あらかじめロール状に巻かれた連続紙Pを順次巻き出す連続紙供給装置14が設けられている。
【0027】
この連続紙供給装置14の、連続紙Pの搬送方向の下流側(以下、単に「下流側」という場合もある)には、用紙バッファー機構16が配設されており、上下に交互に配設されたローラ18に連続紙Pが巻掛けられた状態で、該連続紙Pが搬送される。
【0028】
用紙バッファー機構16の下方に位置するローラ18は、上下に移動可能としており、これにより、連続紙Pに掛かる張力を調整して、連続紙Pが引っ張られて切れたり、或いは、連続紙Pが弛んで折れ曲がったりする不具合を防止する。
【0029】
この用紙バッファー機構16の下流側に、本実施の形態に係る用紙処理装置10が配設されており、連続紙Pを所定のサイズに切断する。なお、ここでは、搬送される連続紙Pの上部に配置されているが、搬送される連続紙Pの下部に配置してもよい。また、図示はしないが、用紙バッファー機構16と用紙処理装置10の間に、画像形成可能な印刷装置を配設し画像形成が成された連続紙Pを用紙処理装置10によって所定のサイズに切断するようにしてもよい。
<用紙処理装置>
ここで、用紙処理装置10について説明する。
【0030】
図1〜図3(A)、(B)に示すように、用紙処理装置10には、その上流側に、連続紙Pの搬送方向に沿って該連続紙Pを切断するスリッタ部(第1切断手段)20が設けられている。スリッタ部20の下流側には、連続紙Pの搬送方向と直交する方向(連続紙Pの幅方向)に沿って該連続紙Pを切断するカッタ部(第2切断手段)22が配設されている。
(スリッタ部)
スリッタ部20は、図2及び図3に示すように、用紙処理装置10の枠体30内の上流側に、搬送される連続紙Pの幅方向に沿って配設されたスリッタ32、34、36によって構成されており、各スリッタ32、34、36は、略円板状を成し、連続紙Pの搬送面から刃部を突出させている。なお、搬送面には連続紙Pの搬送方向に沿って複数の搬送ローラが配設されているが、図示を省略する。
【0031】
説明の便宜上、搬送される連続紙Pの幅方向の両端側に配設されたスリッタ32、34をサイドスリッタ32、34といい、連続紙Pの幅方向の中央部に配設されたスリッタ36をセンタスリッタ36という。なお、ここでは、スリッタを3つ設けたが、センタスリッタ36のみであっても良いし、センタスリッタ36を2つ設けても良い。
【0032】
枠体30の上流側に位置する支持板30Aには、搬送される連続紙Pの両端側に、一対の軸支板38、40が連続紙Pの搬送方向に沿って延出している。また、軸支板38と軸支板40の間には一対の軸支板42が配置されているが、この軸支板42は後述するカッタ部22の支持体44に設けられており、詳細については後述する。
【0033】
また、軸支板38、42、40にはシャフト46が貫通しており、軸支板38、42、40に対して回転可能とされている。軸支板38と軸支板38の間及び軸支板40と軸支板40の間には、シャフト46に固定されたサイドスリッタ32、34がそれぞれ設けられており、軸支板42と軸支板42の間には、シャフト46に回り止めされた(後述する)センタスリッタ36が設けられている。
【0034】
シャフト46の一端部には、プーリ48が設けられており、プーリ48には、駆動ベルト50が巻掛けられている。この駆動ベルト50は、枠体30に設けられた駆動モータ52に連結されたプーリ54に巻掛けられており、駆動モータ52からの駆動力は、該プーリ54、駆動ベルト50及びプーリ48を介してシャフト46に伝達される。このシャフト46の回転により、サイドスリッタ32、34及びセンタスリッタ36がそれぞれ回転することとなる。
【0035】
そして、サイドスリッタ32、34によって、連続紙Pの幅方向の両端部が切り落とされる。この切り落とされた領域は、図4に示す不要部56として廃棄用紙収容箱58(図1参照)へ収容され、センタスリッタ36によって、連続紙Pはその幅方向で連続紙A、B(ここでは2つ)に分割され、カッタ部22側へ搬送される。
【0036】
なお、ここでは、不要部56を、カッタ部22の上流側で廃棄用紙収容箱58へ収容されるようにしたが、カッタ部22の下流側で不要部56が廃棄用紙収容箱58へ収容されるようにしてもよい。カッタ部22の上流側で収容される不要部56は連続しているが、カッタ部22の下流側で収容される不要部56はチップ状となる。
【0037】
また、図示はしないが、シャフト46(図2参照)は複数本で構成されており、電磁式のカップリング47(図5参照)によって互いに連結されている。このカップリング47は用紙処理システム12を制御する制御部88(図5参照)に接続され、導通状態の場合、該カップリング47を介してシャフト同士を連結するが、非導通状態では、シャフト同士を非連結状態にして、駆動モータ52からの駆動力が伝達されないようにする。
【0038】
一方、サイドスリッタ34は、搬送される連続紙Pの搬送面に対して退避可能に設けられており、制御部88に接続されたソレノイド35(図5参照)によって退避可能とされている。
【0039】
具体的には、ソレノイド35がOFFの状態では、サイドスリッタ34は切断状態とされ下方(搬送される連続紙Pの搬送面側)に位置し、カップリング47が導通状態になると搬送される連続紙Pを切断するが、カップリング47が非導通状態になり、ソレノイド35がONになると、サイドスリッタ34は上方へ移動し、搬送される連続紙Pとの間に隙間を設けて非切断状態とされる。
【0040】
例えば、連続紙Pのセンタスリッタ36の切断位置から一端部側までが全て不要部56となる場合(図14参照)など、サイドスリッタ34による連続紙Pの切断が不要とされる場合があり、この場合、サイドスリッタ34は非切断状態とされる。
【0041】
但し、連続紙Pの両端部は必ず切断する場合は、連続紙Pのセンタスリッタ36の切断位置から一端部側までが全て不要部56となる場合であったとしても、必ずしもサイドスリッタ34を非切断状態とする必要はない。この場合、サイドスリッタ34を上下移動させるソレノイド35などの装置は不要となる。
【0042】
また、ここでは、サイドスリッタ34のみを切断状態或いは非切断状態に切替可能としたが、全てのスリッタを切断状態或いは非切断状態に切替可能としても良い。
【0043】
さらに、ここでは、シャフト46を複数本で構成し、電磁式のカップリング47によって互いに連結可能としたが、サイドスリッタ32、34及びセンタスリッタ36毎にモータ等の駆動手段を設け、各々独立させた状態で駆動させるようにしてもよい。
(カッタ部)
図2及び図3に示すように、カッタ部22には、枠状を成す支持体44が設けられており、搬送される連続紙Pの幅方向に沿って互いに対面して設けられた一対の支持板44A、44Bと、この支持板44A、44Bの両端部を連結する支持板44C、44Dと、を備えている。
【0044】
支持板44C、44Dには1本のシャフト60が貫通し、枠体30の側壁30Bに固定されている。一例として、この支持板44C、44Dはシャフト60が貫通する軸孔62部分がその上下方向で分割可能となっており、軸孔62の下部側でシャフト60を支持させた後、支持板44C、44Dの軸孔62の上部側を下部側に固定させる。
【0045】
一方、カッタ部22は、連続紙Pの幅方向に沿って、複数の切断部64、66(本実施形態では2つ)を備えている。この切断部64、66は、同じ長さを有する略円筒状を成しており、切断部64、66の外周面の軸方向に沿って刃部64A、66Aがそれぞれ形成されている。
【0046】
この刃部64A、66Aは軸方向に沿って若干傾斜しているが、これは連続紙Pの切断時に刃部64A、66Aが作用する負荷を低減するためであり、ここでは分かりやすくするため傾斜角度を実際よりも大きくしている。
【0047】
この切断部64、66が、それぞれシャフト60に挿通されている。そして、図6に示すように(図6はカッタ部22のシャフト60回りを示す横断面図である)、このシャフト60に配設されたベアリング68、70を介して、切断部64、66はシャフト60に対してそれぞれ回転可能とされている。また、切断部64、66の外側には、小径部72、74がそれぞれ設けられており、小径部72、74の端部にはそれぞれプーリ76、78が設けられている。
【0048】
ここで、プーリ76、78は支持板44Bの外側に配置するため、小径部72、74を支持板44C、44Dに軸支させる。このため、支持板44C、44Dの軸孔62には、ベアリング80を設け、該ベアリング80を介して、軸孔62に対して切断部64、66をそれぞれ回転可能としている。
【0049】
また、図2及び図3に示すように、プーリ76には、駆動ベルト82が巻掛けられており、該駆動ベルト82は、支持板44Cに設けられた駆動モータ84に連結されたプーリ86に巻掛けられ、駆動モータ84からの駆動力が、該プーリ86、駆動ベルト82及びプーリ76を介して切断部64に伝達される。
【0050】
駆動モータ84は用紙処理システム12を制御する制御部88(図5参照)に接続されており、該制御部88からの指示に従って駆動する。そして、駆動モータ84が駆動すると、プーリ86、駆動ベルト82及びプーリ76を介して、切断部64が回転することとなる。この回転によって、切断部64の下部で搬送される連続紙Pが切断部64の刃部64Aによって切断される。
【0051】
一方、プーリ78には、駆動ベルト90が巻掛けられており、該駆動ベルト90は、支持板44Dに設けられた駆動モータ100に連結されたプーリ102に巻掛けられ、駆動モータ100からの駆動力が、該プーリ102、駆動ベルト90及びプーリ78を介して切断部66に伝達される。
【0052】
駆動モータ100は、駆動モータ84と同様、用紙処理システム12の制御部88に接続されており、該制御部88からの指示に従って駆動する。そして、駆動モータ100が駆動すると、プーリ102、駆動ベルト90及びプーリ78を介して、切断部66が回転することとなる。この回転によって、連続紙Pが切断部66の刃部66Aによって切断される。
【0053】
つまり、この切断部64、66には、該切断部64、66をそれぞれ駆動させる駆動モータ84、100が個々に設けられ、切断部64、66を独立させた状態で回転可能としている。なお、駆動モータ84、100は互いに同期させることも可能であり、切断部64、66を一体にした状態で搬送される連続紙Pの全幅を切断することも可能である。
【0054】
一方、支持体44は、搬送される連続紙Pの幅方向に沿って移動可能に設けられている。具体的には、支持板44Bの外面には、連結部(図示省略)が設けられており、該連結部と搬送される連続紙Pの幅方向に沿って配置された駆動ベルト104とは、互いに連結されている。
【0055】
この駆動ベルト104は連続紙Pの幅方向の両端部に配置されたプーリ106、108に巻掛けられており、プーリ106に連結されたステッピングモータ110を駆動させると、該プーリ106、108を介して駆動ベルト104の連結部が、搬送される連続紙Pの幅方向に沿って所定量移動する(図7(A)、(B)参照)。
【0056】
そして、該連結部を介して、支持体44が、搬送される連続紙Pの幅方向に沿って移動する。ここで、ステッピングモータ110は用紙処理システム12の制御部88(図5参照)に接続されており、該制御部88からの指示に従って駆動する。
【0057】
ここで、制御部88からの指示によって連続紙Pに不要部56を構成し、不要部56の領域内で支持体44を移動させる。つまり、連続紙Pにおいて、不要部56が通過する間に、支持体44は移動する。不要部56は廃棄用紙収容箱58(図1参照)へ収容されることとなるが、スリッタ部20の上流側で印字などする場合、該不要部56では、制御部88からの指示によって印字がなされず白紙の状態となる。
【0058】
なお、ここでは支持体44を移動させるために、プーリ106、108及び駆動ベルト104を用いたが、支持体44を移動させることができればよいため、特に限定するものではない。例えば、プーリ106、108及び駆動ベルト104に代えてスプロケットとチェーンを用いてもよいし、また、ピニオン及びラックを用いた機構などでもよい。
【0059】
一方、支持板44Aの外面中央には、一対の軸支板42が、連続紙Pの搬送方向に沿って延出している。この軸支板42にスリッタ部20のセンタスリッタ36が回転可能に軸支されている。このため、支持体44が移動すると、軸支板42を介してセンタスリッタ36の位置も変わることとなる。
【0060】
したがって、最初にスリッタ部20のセンタスリッタ36の位置とカッタ部22の切断部64と切断部66の境界部Pの位置を合わせておくと、センタスリッタ36の位置と、切断部64と切断部66の境界部Pの位置とは常に一致することとなる。
【0061】
ここで、センタスリッタ36のシャフト46の外周面には、図示しない溝部がシャフト46の軸方向に沿って形成されており、センタスリッタ36には該溝部と嵌合する突起が形成されている。シャフト46の回転時には、溝部及び突起を介してセンタスリッタ36がシャフト46と一体に回転し、センタスリッタ36の移動時には、突起が溝部内を移動して、センタスリッタ36がシャフト46の軸方向でその位置を変えることが可能となる。
【0062】
また、軸支板42の外側には、スリッタ部20の下流側に、搬送される連続紙Pの上流側から下流側へ向かって外側へ向かうように斜めに配置された送出しローラ(送出し手段)112がそれぞれ配設されており、センタスリッタ36によって切断された連続紙Pに接触して、該連続紙Pを互いに離間する方向へ向かって送り出すようにしている。この送出しローラ112も支持体44と一体に設けられ、支持体44の移動に伴って移動するようになっている。
【0063】
以上のように、用紙処理装置10のスリッタ部20及びカッタ部22によって、所定サイズに切断された用紙a、bは、該用紙処理装置10の下流側に配設された用紙案内装置24によって、用紙スタック26、28等へそれぞれ案内される。
<用紙案内装置>
図2〜図4に示すように、用紙案内装置24には、スリッタ部20によってその幅方向で分割された各用紙a、bに対応させて、案内部材114、116が配設されており、スリッタ部20及びカッタ部22で所定のサイズに切断された用紙a、bを、下流側に配設された用紙スタック26、28等へそれぞれ案内する。
【0064】
案内部材114、116は、板状に形成されており、案内部材114、116の、用紙a、bの搬送方向の上流側は、下方へ向かって傾斜し、搬送された用紙a、bの先端部が引っ掛からないようにしている。また、案内部材114、116の、用紙a、bの搬送方向の下流側には、案内部材114、116の幅方向(搬送される連続紙Pの幅方向)に沿って軸部118がそれぞれ設けられている。
【0065】
この軸部118には軸孔120が貫通しており、軸孔120には、図示しない軸支板に固定された1本のシャフト122が挿通され、該シャフト122に対して案内部材114、116が回転可能となっている。この案内部材114、116の自由端側の側端面からは、押圧片124、126が案内部材114、116の幅方向に沿って張り出している。
【0066】
案内部材114、116の軸部118側には、ラック115、117がそれぞれ設けられており、該ラック115、117には、それぞれピニオン119、121が噛み合っている。このピニオン119、121はそれぞれ駆動モータ123、125に連結されており、該駆動モータ123、125が駆動すると、ピニオン119、121が回転し、該ピニオン119、121によってラック115、117を介して案内部材114、116が、搬送される用紙a、bの幅方向に沿って可動する。
【0067】
この駆動モータ123、125は、用紙処理システム12の制御部88(図5参照)に接続されており、該制御部88からの指示に従って駆動する。駆動モータ123、125を同期させ、案内部材114と案内部材116を常に同じ速度で移動させるようにすることで、案内部材114の端面と案内部材116の端面は常に当った状態となり、案内部材114と案内部材116の間には隙間が生じないようにすることができる。そして、案内部材114及び案内部材116の移動により、案内部材114と案内部材116の境界部Qをセンタスリッタ36の位置に合わせることができる。
【0068】
なお、ここでは、案内部材114及び案内部材116に、それぞれ移動手段(ラック115、117、ピニオン119、121及び駆動モータ123、125)を設けたが、案内部材114と案内部材116は常に一緒に移動するため、プーリ及びベルトなどの動力伝達手段を用いて案内部材114(又は案内部材116)を介して、案内部材114及び案内部材116を移動させるようにしてもよい。
【0069】
一方、案内部材114、116の自由端側の側端面から張り出した押圧片124、126の上面には、ソレノイド128、129のプランジャー130、131の先端部が当たる。このソレノイド128、129は用紙処理システム12の制御部88(図5参照)にそれぞれ接続されており、該制御部88からの指示に従って駆動する。
【0070】
案内部材114(又は案内部材116)は図示しない付勢手段によって、その自由端側が上方へ向かって付勢されており、ソレノイド128(又はソレノイド129)がOFFの状態では、案内部材114(又は案内部材116)は水平に維持され、搬送された用紙a(又は用紙b)を水平に案内する。
【0071】
一方、ソレノイド128(又はソレノイド129)をONにすると、プランジャー130(又はプランジャー131)が上方へ移動し、付勢手段の付勢力によって、シャフト122を中心に案内部材114(又は案内部材116)の自由端側が跳ね上げられる。これにより、搬送された用紙a(又は用紙b)は下方へ向かって案内されることとなる。
【0072】
用紙によっては、切断後、製本や綴じ等を行う場合もあるため、用紙処理装置10の下流側に、これらの後処理装置を配設する場合もあり、該後処理装置へ案内するか、用紙スタック26、28に収容するかによって用紙a、bの搬送路が選択される。なお、用紙を後処理装置へ案内するに当って、一旦用紙スタックに収納する場合もある。
【0073】
また、ここでは、ソレノイド128、129を用いたが、案内部材114、116の傾きを変えることができればよいため、これに限るものではない。例えば、図示はしないが、偏心カムを用いて該偏心カムの回転角度によって案内部材114、116の傾きを変えるようにしてもよい。
【0074】
ところで、本実施形態では、用紙処理装置10と用紙案内装置24を別々に設けたが、図8及び図9(A)、(B)に示すように、用紙案内装置24を用紙処理装置10の枠体30内に設けても良い。この場合、案内部材114、116の幅方向に沿ってそれぞれ設けられた軸孔120を貫通するシャフト122を支持体44の支持板44C、44Dに固定する。
【0075】
また、支持板44C、44Dには円弧状の貫通孔117を貫通させ、案内部材114、116の側端面から張り出す押圧片124、126を貫通させる。そして、この押圧片124、126の先端部に、支持板44C、44Dにそれぞれ設けられたソレノイド128、129のプランジャー130、131の先端部を当てる。ここで、案内部材114と案内部材116の境界部Qの位置は、カッタ部22の切断部64と切断部66の境界部Pと一致するようにしている。
【0076】
このように、用紙案内装置24を用紙処理装置10の枠体30内に設けた場合、支持体44の移動によって該用紙案内装置24も移動することとなる。このため、ここでは、図2で示す案内部材114及び案内部材116を移動させるラック115、117、ピニオン119、121及び駆動モータ123、125が不要となる。
【0077】
以上のような用紙案内装置24では、案内部材114、116の幅寸法を一定にして、搬送される連続紙Pの幅方向で用紙案内装置24ごと移動させ、案内部材114と案内部材116の境界部Qの位置を変えるようにしたが、案内部材114、116の幅寸法を可変させるようにしてもよい。
【0078】
例えば、一例として、図10及び図11に示すような構成が挙げられる。図10及び図11に示す案内部材132、134では、板状に形成された固定案内板136、138と移動案内板140、142が備えられ、移動案内板140、142の移動によって、案内部材132と案内部材134の境界部Qを設定することとなる。
【0079】
具体的には、移動案内板140、142の上面外側に、用紙a、bの搬送方向に沿って、移動案内板140、142の上面よりも一段下がって形成された滑面140A、142Aを設ける。この滑面140A、142Aを覆うようにして、固定案内板136、138を設け、固定案内板136、138の下面に沿って、該滑面140A、142Aを移動可能とする。
【0080】
固定案内板136、138の上面(案内面)と移動案内板140、142の上面(案内面)とは略面一となるように形成し、固定案内板136の上面及び移動案内板140の上面で用紙aを案内し、固定案内板138の上面及び移動案内板142の上面で用紙bを案内する。
【0081】
固定案内板136、138及び移動案内板140、142の、用紙a、bの搬送方向の下流側には、案内部材132、134の幅方向に沿って軸部144をそれぞれ設け、この軸部144には軸孔146を貫通させ、図示しない支持部に固定された1本のシャフト148を挿通させて、該シャフト148に対して固定案内板136、138及び移動案内板140、142を回転可能とする。
【0082】
固定案内板136、138の自由端側の側端面からは、押圧片150、152を案内部材132、134の幅方向に沿って張り出させ、該押圧片150、152の先端部に、ソレノイド154、155のプランジャー156、157の先端部を当てる。移動案内板140、142は図示しない付勢手段によって、その自由端側が上方へ向かって付勢されるようにし、移動案内板140、142の滑面140A、142Aを介して、固定案内板136、138を上方へ向かって付勢させる。
【0083】
ソレノイド154(又はソレノイド155)がOFFの状態では、案内部材132(又は案内部材134)は水平に維持され、搬送された用紙a(又は用紙b)を水平に案内するが、ソレノイド154(又はソレノイド155)をONにすると、プランジャー156(又はプランジャー157)が上方へ移動し、付勢手段の付勢力によって、案内部材132(又は案内部材134)の自由端側が跳ね上げられ、搬送された用紙a(又は用紙b)は下方へ向かって案内される。
【0084】
一方、移動案内板140、142の軸部144側には、ラック158、160がそれぞれ設けられており、該ラック158、160には、それぞれピニオン162、164が噛み合っている。このピニオン162、164はそれぞれ駆動モータ166、168に連結されており、該駆動モータ166、168が駆動すると、ピニオン162、164が回転し、該ピニオン162、164によってラック158、160を介して移動案内板140が、搬送される用紙a、bの幅方向に沿って移動する。
【0085】
この駆動モータ166、168を同期させ、移動案内板140と移動案内板142を常に同じ速度で移動させるようにすることで、移動案内板140の端面と移動案内板142の端面は常に当った状態となり、移動案内板140と移動案内板142の間には隙間が生じないようにすることができる。
【0086】
そして、移動案内板140及び移動案内板142の移動により、案内部材132、134の幅寸法を可変にすると共に、案内部材132と案内部材134の境界部Qをセンタスリッタ36の位置に合わせることができる。
【0087】
なお、ここでは、移動案内板140及び移動案内板142に、それぞれ移動手段(ラック158、160、ピニオン162、164及び駆動モータ166、168)を設けたが、移動案内板140と移動案内板142は常に一緒に移動するため、プーリ及びベルトなどの動力伝達手段を用いて、移動案内板140(又は移動案内板142)を介して移動案内板140及び移動案内板142を移動させるようにしてもよい。
【0088】
また、これ以外にも、図12(A)、(B)に示すように、案内部材170を複数の案内片172で構成し、複数の案内片172を支持してこれらの傾きを変えるようにしても良い。具体的には、各案内片172の、用紙a、bの搬送方向の下流側に軸部174を設け、この軸部174に軸孔176を貫通させる。そして、図示しない支持部に固定された1本のシャフト178を各案内片172の軸孔176へ挿通し、該シャフト178に対して各案内片172をそれぞれ回転可能とする。
【0089】
また、軸部174の下面側には、案内部材170の幅方向に沿って嵌合溝180を形成する。この嵌合溝180には、嵌合リブ(支持部材)182を嵌合可能とする。この嵌合リブ182が嵌合溝180に嵌合された状態で、嵌合リブ182が嵌合している案内片172同士が一体となり、案内部171が形成されることとなる。なお、嵌合リブ182が嵌合していない案内片172同士は、案内部173を形成する。
【0090】
嵌合リブ182の基部には、嵌合リブ182と直交する操作片184を設ける。この操作片184にラック186を形成し、該ラック186には駆動モータ188が連結されたピニオン190を噛み合わせる。駆動モータ188が駆動することで、ピニオン190が回転し、ラック186を介して、操作片184が移動する。これによって、嵌合リブ182が案内片172の嵌合溝180を移動していく。
【0091】
一方、操作片184の下部には、円柱状の偏心カム192の外周面を当てる。この偏心カム192にはステッピングモータ194を連結させ、該ステッピングモータ194の駆動によって、所定角度回転させる。この偏心カム192の回転により、偏心カム192の外周面に当る操作片184の高さが変わる。
【0092】
嵌合リブ182と嵌合溝180の間には、遊びが設けられており、シャフト178を中心に嵌合リブ182の高さを昇降させることで、嵌合溝180が該遊び分嵌合リブ182に対して傾倒し、案内部171の傾きを変える。
【0093】
ここで、嵌合リブ182が嵌合している案内片172で構成された案内部171と嵌合リブ182が嵌合していない案内片172で構成された案内部173とで案内部材170は分けられるため、カッタ部22の切断部64と切断部66の境界部Pの位置に合わせて、嵌合リブ182を移動させることで、該境界部Pと案内部171と案内部173の境界部Qを一致させるようにする。
【0094】
次に、この用紙処理装置10の作用について説明する。
【0095】
図1に示すように、連続紙供給装置14から供給された連続紙Pは、用紙バッファー機構16へ搬送され、連続紙Pに掛かる張力を調整しながら、用紙処理装置10へ搬送される。用紙処理装置10では、用紙処理装置10では、搬送される連続紙Pのサイズに合わせて、スリッタ部20及びカッタ部22で該連続紙Pが所望のサイズに切断される。
【0096】
まず、図4に示すように、スリッタ部20によって、連続紙Pの搬送方向に沿って該連続紙Pが切断されるが、本実施形態では、スリッタ部20の下流側に、搬送される連続紙Pの上流側から下流側へ向かって外側へ向かうように斜めに配置された送出しローラ(送出し手段)112をそれぞれ設け、センタスリッタ36によって切断された連続紙Pを互いに離間する方向へ向かって送り出すようにしている。
【0097】
これにより、センタスリッタ36によって切断された連続紙Aと連続紙Bは、互いに重ならないようして、カッタ部22へ搬送される。つまり、第1切断手段によって切断された各連続紙A、Bを所定の搬送路へ搬送し、所望のサイズに切断した用紙を案内部材114、116毎に仕分けることができる。そして、この案内部材114、116によって、搬送される用紙a、bの搬送路を切替え、用紙a、bをそれぞれ用紙スタック26、28へ案内する。
【0098】
一方、図4に示すように、搬送される連続紙Pの幅方向で2枚の連続紙A、Bが得られる場合、用紙aと用紙bの長さが同じであれば、連続紙Pの全幅をカッタ部22で切断しても問題はないが、図13に示すように、用紙aと用紙bの長さが異なった場合、連続紙Pの全幅をカッタ部22で切断させることができない。
【0099】
このため、カッタ部22では、連続紙Pの幅方向に沿って、複数の切断部64、66を備え、該切断部64、66をそれぞれ駆動させる駆動モータ84、100を個々に設け、切断部64、66を独立させた状態で回転可能としている。そして、制御部88(図5参照)からの指示によって、図2に示す駆動モータ84、100をそれぞれ所定の回転速度で回転させ、切断部64、66を個々に回転させる。
【0100】
これにより、連続紙Aは切断部64によってその幅方向に沿って切断され、連続紙Bは切断部66によってその幅方向に沿って切断される。つまり、搬送される連続紙A、Bで所望の用紙サイズ(用紙a、b)が異なるにも拘わらず、1つの切断装置で連続紙A、Bは連続的に切断される。
【0101】
例えば、顧客毎に要求する情報量に差があったり、異なる帳票フォームをまとめて処理したりする等、異なるサイズの用紙を、後処理機を複雑にすることなく、ジョブ間の用紙セットアップなどによるトータル性能の低下や、連続紙A、Bのかけ替えやセットアップに伴う、連続紙A、Bの無駄な消費を防ぐことができる。
【0102】
また、連続紙A、Bにおいて、ここでは、その幅方向の寸法を略同じにしたが、図13に示すように、連続紙A、Bの幅方向の寸法を変えることもできる。この場合、センタスリッタ36の位置を変えることとなるが、図2に示すセンタスリッタ36を支持する軸支板42が設けられた支持体44を移動させる。
【0103】
制御部88(図5参照)からは、ステッピングモータ110を所定角度分回転させる指示がなされる。これにより、ステッピングモータ110が所定角度分回転し、駆動ベルト104及び連結部を介して、支持体44が、搬送される連続紙Pの幅方向に沿って移動する。
【0104】
これに伴って、カッタ部22においては、切断部64と切断部66の境界部Pの位置がずれると共に、センタスリッタ36の位置がずれる。このように、センタスリッタ36を支持体44と一体に設けることで、センタスリッタ36の位置と、切断部64と切断部66の境界部Pの位置を常に一致させる。
【0105】
ここで、支持体44の移動に関して、制御部88からの指示によって連続紙Pに不要部56を構成し、該不要部56が通過する間に、支持体44を移動させるようにすることで、用紙処理装置10を停止させる必要が無い。なお、支持体44とは別に案内部材114、116を設けた場合は、該案内部材114、116も不要部56が通過する間に移動させる。
【0106】
図8に示すように、用紙案内装置24を支持体44に設けることで、案内部材114と案内部材116の境界部Qの位置を、カッタ部22の切断部64と切断部66の境界部Pの位置及びセンタスリッタ36の位置に合わせることができる。
【0107】
したがって、センタスリッタ36によって切断された連続紙A、Bをそれぞれカッタ部22で用紙a、bに切断し、該用紙a、bを案内部材114、116によって所定の搬送路へ確実に案内することができる。
【0108】
このように、スリッタ部20、カッタ部22及び用紙案内装置24を支持体44に設け、該支持体44を、搬送される連続紙Pの幅方向に沿って移動可能とすることで、スリッタ部20、カッタ部22及び用紙案内装置24は、支持体44を介して常に一緒に移動することとなる。
【0109】
このため、センタスリッタ36の位置と、カッタ部22の切断部64と切断部66の境界部Pの位置及び案内部材114と案内部材116の境界部Qの位置は常に一致する。これにより、センタスリッタ36によって切断された連続紙A、Bをそれぞれカッタ部22で用紙a、bに切断し、該用紙a、bを所定の搬送路へ確実に案内することができる。
【0110】
ここで、この送出しローラ112を支持体44と一体に設けることで、センタスリッタ36の位置と、送出しローラ112間の中心の位置を常に一致させることができる。
【0111】
ところで、用紙サイズによっては、図14に示すように、連続紙B側では所定の用紙サイズが得られない場合など、連続紙Pの幅方向で1枚しか用紙が取れない場合も生じる。この場合、スリッタ部20では使用するスリッタを2つにして、サイドスリッタ32とセンタスリッタ36を使用する。
【0112】
具体的には、制御部88(図5参照)によってカップリング47(図5参照)が非導通状態となり、ソレノイド35(図5参照)がONとなって、サイドスリッタ34が上方へ移動し非切断状態となる。このとき、図8で示すカッタ部22では、駆動モータ84と駆動モータ100を同期させ、切断部64と切断部66が一体となった状態で搬送される連続紙Pを切断する(図14参照)。
【0113】
なお、ここでは、カッタ部22において、連続紙Pの幅方向に沿って、複数の切断部64、66を備え、切断部64、66を独立させた状態で回転可能としたが、この切断部64、66は必ずしも独立して回転させる必要はない。
【0114】
上記の形態はあくまでも一実施例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】用紙処理システムの構成を示す全体図である。
【図2】本実施の形態に係る用紙処理装置及び用紙案内装置を示す斜視図である。
【図3】本実施の形態に係る用紙処理装置を示す、(A)は平面図であり、(B)は正面図である。
【図4】本実施の形態に係る用紙処理装置の作用を説明する説明図である。
【図5】本実施の形態に係る用紙処理装置及び用紙案内装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態に係る用紙処理装置のカット部の構成を示す横断面図である。
【図7】(A)、(B)は、本実施の形態に係る用紙処理装置の作用を説明する平面図である。
【図8】本実施の形態に係る用紙処理装置及び用紙案内装置の第1変形例を示す斜視図である。
【図9】本実施の形態に係る用紙処理装置及び用紙案内装置の第1変形例を示す、(A)は平面図であり、(B)は正面図である。
【図10】本実施の形態に係る用紙処理装置及び用紙案内装置の第2変形例を示す斜視図である。
【図11】本実施の形態に係る用紙案内装置の第2変形例を示す斜視図である。
【図12】(A)、(B)は、本実施の形態に係る用紙案内装置の第3変形例を示す斜視図である。
【図13】本実施の形態に係る用紙処理装置の作用を説明する説明図である。
【図14】本実施の形態に係る用紙処理装置の作用を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0116】
10 用紙処理装置
20 スリッタ部(第1切断手段)
22 カッタ部(第2切断手段)
24 用紙案内装置(案内手段)
44 支持体(位置合わせ手段)
56 不要部
64 切断部(第2切断部材)
66 切断部(第2切断部材)
76 プーリ(駆動手段)
78 プーリ(駆動手段)
82 駆動ベルト(駆動手段)
84 駆動モータ(駆動手段)
86 プーリ(駆動手段)
88 制御部
90 駆動ベルト(駆動手段)
100 駆動モータ(駆動手段)
102 プーリ(駆動手段)
104 駆動ベルト(移動手段)
106 プーリ(移動手段)
108 プーリ(移動手段)
110 ステッピングモータ(移動手段)
112 送出しローラ(送出手段)
114 案内部材
115 ラック(案内方向切替手段)
116 案内部材
117 ラック(案内方向切替手段)
119 ピニオン(案内方向切替手段)
121 ピニオン(案内方向切替手段)
123 駆動モータ(案内方向切替手段)
125 駆動モータ(案内方向切替手段)
128 ソレノイド(案内方向切替手段)
129 ソレノイド(案内方向切替手段)
132 案内部材
134 案内部材
136 固定案内板(案内手段)
138 固定案内板(案内手段)
140 移動案内板(案内手段)
142 移動案内板(案内手段)
154 ソレノイド(案内方向切替手段)
155 ソレノイド(案内方向切替手段)
158 ラック(案内方向切替手段)
160 ラック(案内方向切替手段)
162 ピニオン(案内方向切替手段)
164 ピニオン(案内方向切替手段)
166 駆動モータ(案内方向切替手段)
168 駆動モータ(案内方向切替手段)
170 案内部材(案内手段)
171 案内部(案内手段)
172 案内片(案内手段)
173 案内部(案内手段)
182 嵌合リブ(支持部材、案内手段)
186 ラック(案内方向切替手段)
188 駆動モータ(案内方向切替手段)
190 ピニオン(案内方向切替手段)
192 偏心カム(案内方向切替手段)
194 ステッピングモータ(案内方向切替手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される連続紙を搬送方向に沿って切断し該連続紙の幅を変える1以上の第1切断手段と、前記第1切断手段で切断された連続紙を幅方向に沿って切断し所望サイズの用紙とする第2切断手段と、を備え、
前記第1切断手段と前記第2切断手段の間に位置し、第1切断手段によって切断された連続紙同士を互いに離間する方向へ送り出す送出し手段と、
前記第2切断手段の前記連続紙搬送方向下流側に、切断された連続紙の幅方向に沿って設けられ、前記送出し手段に送り出され該第2切断手段で切断された用紙を該連続紙の搬送方向下流側へそれぞれ案内する複数の案内手段と、
前記案内手段を移動させ、前記用紙が搬送される搬送路を切り替える案内方向切替手段と、
を有することを特徴とする用紙処理装置。
【請求項2】
切断された連続紙の幅方向に沿って前記案内手段を移動させる移動手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の用紙処理装置。
【請求項3】
搬送される連続紙の幅方向の中央側に位置する前記第1切断手段の位置に前記案内手段同士の境界部の位置を合わせる位置合わせ手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の用紙処理装置。
【請求項4】
前記位置合わせ手段が、搬送される連続紙の幅方向の中央側に位置する前記第1切断手段と前記案内手段が位置合わせして取付けられる支持体であることを特徴とする請求項3に記載の用紙処理装置。
【請求項5】
前記案内手段が、搬送される連続紙の幅方向の両端側に配置され用紙を案内する固定案内板と、前記固定案内板と固定案内板の間を移動して、前記用紙を案内する案内面の大きさを前記固定案内板と協働して変える一対の移動案内板と、を備え、
前記位置合わせ手段が、搬送される連続紙の幅方向の中央側に位置する前記第1切断手段の位置に前記移動案内板同士の境界部を位置合わせすることを特徴とする請求項3に記載の用紙処理装置。
【請求項6】
前記案内手段が、搬送される連続紙の幅方向に沿って設けられ傾倒可能に支持された複数の案内片と、搬送される連続紙の幅方向に沿って移動して任意の前記案内片の下部を支持して前記案内片を支持する数で前記案内面の大きさを変える支持部材と、を含んで構成され、
前記位置合わせ手段が、搬送される連続紙の幅方向の中央側に位置する前記第1切断手段の位置に前記支持部材の端部を位置合わせすることを特徴とする請求項3に記載の用紙処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−155001(P2009−155001A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332919(P2007−332919)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】