説明

用紙処理装置

【課題】連続紙の搬送を停止することなく、連続紙を加工する用紙処理装置を提供すること。
【解決手段】連続紙Pの搬送経路上に設けられたドラム160の外周面160Aに巻き付けられた連続紙Pが、幅方向Wに移動すると共に連続紙Pを切断する切断機210と、切断機210を連続紙Pの搬送速度と同等の速度で搬送方向Eに回転移動させるコントローラ250に制御された駆動モータ162と、を備える用紙処理装置150であれば、連続紙Pの搬送を停止することなく、連続紙Pを加工することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大量の高速印刷には、ロール状に巻き取られた連続紙が用いられている。この連続紙の処理システムとしては、連続紙を供給装置から印刷機やプリンタ装置(輪転機やデジタルプリンタを含む)に供給し、印刷された連続紙を用紙処理装置へ搬送して所定の用紙サイズに切断する方式や、印刷機やプリンタ装置で印刷された連続紙を一旦ロール状に巻いた後で、巻いた連続紙を用紙処理装置に供給(搬送)して所定の用紙サイズに切断する方式などがある。
【0003】
連続紙の切断加工を行う用紙処理装置では、連続紙を搬送方向及び幅方向(搬送方向に直交する方向)で切断して所定の用紙サイズにしている。連続紙の切断加工には、連続紙を高速で搬送しながら所定の用紙サイズに切断することが求められるため、連続紙の搬送方向に沿った切断をスリッタで行い、連続紙の幅方向の切断をロータリ式カッタで行う装置(例えば、特許文献1など)がある。しかし、ロータリ式カッタは連続紙を全幅で切断するため、連続紙を幅方向に部分的に切断する場合には使用することができない。このため、連続紙を幅方向に部分的に切断する場合には、連続紙の搬送を一時停止させて連続紙の幅方向の端からスリッタを入れる必要がある。
【特許文献1】特開平08−067378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、連続紙の搬送を停止することなく、連続紙を加工する用紙処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の用紙処理装置は、連続紙の搬送経路上に設けられ、前記連続紙の搬送方向と交差する方向に移動すると共に、前記連続紙を加工する連続紙加工手段と、前記連続紙加工手段を前記連続紙の搬送速度と同等の速度で前記連続紙の搬送方向に移動させる移動手段と、を備える。
【0006】
本発明の請求項2に記載の用紙処理装置は、前記連続紙の搬送経路上に設けられ、内部に前記連続紙加工手段を収容すると共に、外周面に前記連続紙が巻き掛けられる筒体と、前記筒体の外周面に形成され、前記連続紙の搬送方向と交差する方向に延び、前記筒体に巻き掛けられる前記連続紙の幅よりも前記筒体の軸方向に沿った長さが長い開口と、を有し、前記連続紙加工手段は、前記連続紙を加工する加工具と、前記開口を通して前記加工具を前記外周面の外側へ押し出すと共に前記開口の延在方向に沿って前記加工具を移動させる押出移動手段と、を有し、前記移動手段は、前記筒体を回転させる駆動手段と、前記連続紙の搬送速度を検出する検出手段と、前記筒体の周速度が前記連続紙の搬送速度と同等の速度となるように前記駆動手段を制御する制御手段と、を有する。
【0007】
本発明の請求項3に記載の用紙処理装置は、前記筒体の外周面に前記連続紙を吸着させるための吸着手段を有する。
【0008】
本発明の請求項4に記載の用紙処理装置は、搬送される前記連続紙に前記搬送方向の切り込みを形成する切込み形成部材を有する。
【0009】
本発明の請求項5に記載の用紙処理装置は、前記加工具は、前記連続紙を切断するための切断刃、前記連続紙に穴を開けるための穴開刃、及び前記連続紙に折り目線を形成するための折り目具の何れかである。
【0010】
本発明の請求項6に記載の用紙処理装置は、前記連続紙の搬送経路上に前記加工具として、前記切断刃、前記穴開刃、及び前記折り目具を有し、前記連続紙の加工情報に基づいて、前記切断刃、前記穴開刃、及び前記折り目具の何れを使用するか選択する。
【0011】
本発明の請求項7に記載の用紙処理装置は、前記連続紙に接触して前記連続紙の搬送速度と同等の速度で移動する調帯部材が、前記連続紙を挟んで前記連続紙加工手段の反対側に設けられる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明は、本構成を有していない場合と比較して、連続紙の搬送を停止することなく、連続紙を加工することができる。
【0013】
請求項2の発明は、本構成を有していない場合と比較して、連続紙加工手段の搬送方向の移動速度と、連続紙の搬送速度との速度差を抑えることができる。
【0014】
請求項3の発明は、本構成を有していない場合と比較して、連続紙を加工するときの連続紙のズレを抑えることができる。
【0015】
請求項4の発明は、本構成を有していない場合と比較して、連続紙の搬送を停止することなく、所望のサイズに用紙を切断することができる。
【0016】
請求項5の発明は、本構成を有していない場合と比較して、連続紙を切断、連続紙に穴開け、又は連続紙に折り目線を形成することができる。
【0017】
請求項6の発明は、本構成を有していない場合と比較して、加工情報に基づいて連続紙を自由に加工することができる。
【0018】
請求項8の発明は、本構成を有していない場合と比較して、連続紙を加工する加工具を受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の一実施形態としての第1実施形態を詳細に説明する。図1は、第1実施形態の用紙処理装置150が適用された用紙処理システム12の全体構成図である。なお、用紙処理装置150は搬送される連続紙Pに所望の加工を施す装置である。
【0020】
用紙処理システム12の、連続紙Pの搬送方向(矢印E方向)の上流側(以下、単に「上流側」という場合もある)には、ロール状に巻かれた連続紙Pを順次巻き出す連続紙供給装置14が設けられている。
【0021】
この連続紙供給装置14の、連続紙Pの搬送方向Eの下流側(以下、単に「下流側」という場合もある)には、用紙バッファー機構16が配設されており、上下に交互に配設されたローラ18に連続紙Pが巻掛けられた状態で、連続紙Pが搬送される。
【0022】
用紙バッファー機構16の下方に位置するローラ18は、上下に移動可能とされている。これにより、連続紙Pに掛かる張力が調整されて、連続紙Pが引っ張られて切れたり、或いは、連続紙Pが弛んで折れ曲がったりする不具合が防止される。
【0023】
この用紙バッファー機構16の下流側には、詳細を後述する用紙処理装置150が配設されており、搬送される連続紙Pに所望の加工を施すようになっている。なお、用紙処理装置150が連続紙Pに施す加工の一つが連続紙Pを切断する切断加工である。このため連続紙Pを所望の用紙サイズに切断することができる。
【0024】
用紙処理装置150の下流側には、切断された用紙P’を夫々用紙スタック26や用紙スタック28等へ案内する用紙案内装置24が設けられている。また、用紙処理装置150と用紙案内装置24との間には、連続紙Pの切断時に不要部が出た場合に、この不要部を収容する廃棄用紙収容箱(図示省略)が設けられている。これにより、連続紙Pの切断時に出る不要部は廃棄用紙収容箱に収容され、切断された用紙P’は用紙案内装置24で用紙スタック26や用紙スタック28へと案内される。なお、本実施形態では、用紙スタックを2つ設ける構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、用紙スタックを3つ以上設ける構成としてもよい。
【0025】
<用紙処理装置>
次に、用紙処理装置150について詳細に説明する。図1及び図2に示されるように、用紙処理装置150は、連続紙Pの搬送経路上に筒体としてのドラム160を備えている。このドラム160には、両端が軸板で支持された回転軸164が貫通している。この回転軸164を駆動手段としての駆動モータ162の駆動力(回転力)によって回転させることでドラム160が回転するようになっている。また、ドラム160には、ドラム160よりも搬送方向Eの上流側に設けられた挟持搬送ローラ30から送り出された連続紙Pが外周面160Aに巻き掛けられて、搬送方向Eの下流側に搬送されるようになっている。
【0026】
詳細は後述するが、連続紙Pを切断加工するための切断機210、連続紙Pに折り目線を形成(加工)するための折り目線形成機220、連続紙Pにパンチ穴を開ける(加工する)ためのパンチング機230、及び連続紙Pにミシン目を形成(加工)するためのミシン目形成機240が、回転軸164に設置された状態でドラム160の内部に収容されている。
【0027】
また、ドラム160の外周面160Aには、ドラム160の回転軸方向(連続紙Pの搬送方向と直交する方向)に沿って延びるスリット166が周方向(ドラム160の周方向)に間隔を開けて設けられている。このスリット166は、搬送方向と直交する方向の長さ(スリットの幅)が、連続紙Pの幅方向の長さ(連続紙Pの幅)よりも長く設定されている。なお、本実施形態では、スリット166がドラム160の周方向に等間隔で4つ(以下、スリット166A、166B、166C及び166Dとして示す)設けられている。図1〜図3に示されるように、前述したスリット166Aの幅は、切断機210の切断刃212(詳細後述)を通すことができる大きさになっており、スリット166Bの幅は、折り目線形成機220の折り目具222(詳細後述)を通すことができる大きさになっており、スリット166Cの幅は、パンチング機230のパンチ穴開刃232(詳細後述)を通すことができる大きさになっており、スリット166Dの幅は、ミシン目形成機240のミシン目刃242(詳細後述)を通すことができる大きさになっている。
【0028】
(切断機)
図4及び図5に示されるように、切断機210は、ドラム160の回転軸方向に沿って延びる台形ねじ213を備えている。この台形ねじ213は、一端部213Aがドラム160内に設けられ回転軸164に固定されたベアリング214によって回転可能に支持されている。また、台形ねじ213の他端部213Bがドラム160の内部に設けられ回転軸164に固定された回転移動モータ215に連結されている。この回転移動モータ215が駆動(回転)することにより台形ねじ213も回転するようになっている。また、台形ねじ213の雄ねじ部213Cには、この雄ねじ部213Cに対応した雌ねじ部216Aが形成された支持ブロック216が螺合している。この支持ブロック216の基台には、台形ねじ213と平行に配置され両端部が回転軸に固定された円柱状のガイドバー217が貫通している。このため、回転移動モータ215を駆動させると、台形ねじ213が回転し、支持ブロック216がガイドバー217に沿って移動する。なお、支持ブロック216の移動方向は、台形ねじ213の回転方向によって切り替わる。
【0029】
支持ブロック216には、ソレノイド218が設けられている。このソレノイド218は、図示しないソレノイドコイルと、このソレノイドコイルの中心を往復移動する鉄心218Aと、を備えている。ソレノイド218(ソレノイドコイル)は通電すると、鉄心218Aをソレノイドコイル内から押し出すようになっている(ON状態)。なお、鉄心218Aが押し出される方向は、スリット166Aに向かう方向となっている。図4及び図5では、ソレノイド218の通電状態(ON状態)を二点鎖線、通電していない状態(OFF状態)を実線で示している。
【0030】
鉄心218Aの先端部には、前述した切断刃212を回転自在に支持する一対のアーム部219Aを有する支持部材219が取り付けられている。ここで、切断刃212は、円盤状とされ、周縁部(刃先)212Aが鋭利な形状(尖った形状)となっている。また、切断刃212の中心には、中心軸方向両側に突出する軸部212Bが形成されている。切断刃212は、一対のアーム部219Aによって両面から挟み込まれ、軸部212Bが各アーム部219Aに形成された貫通穴(図示省略)に挿入されている。図5に示されるように、一方のアーム部219Aの外壁面(図5では上面)には、回転モータ212Cが設けられており、この回転モータ212Cの回転力が伝達ベルト212Dを介して切断刃212の軸部212Bに伝達されるようになっている。これにより、切断刃212を回転させながら連続紙Pに押し付けられるようになる。
【0031】
図4に示されるように、回転移動モータ215、ソレノイド218及び回転モータ212Cはコントローラ250によって制御されている。このコントローラ250は、ドラム160よりも搬送方向の上流側に設けられた後述する読取センサ180で連続紙Pに印刷されたバーコード185から読み取った連続紙Pの加工情報に基づいて、回転移動モータ215の回転速度(すなわち、支持ブロック216(切断刃212)の移動速度)及び回転量(すなわち、支持ブロック216(切断刃212)の移動量)を制御するとともに、ソレノイド218のON/OFF、及び回転モータ212CのON/OFFを制御している。このため、切断機210で連続紙Pを全幅切断する場合には、ソレノイド218を作動させて切断刃212をスリット166Aから外部へ押し出した状態で、回転モータ212Cを駆動させて切断刃212を回転させ、それから、切断機210の回転移動モータ215を駆動させて切断刃212をガイドバー217に沿って移動させることで、連続紙Pが幅方向Wに切断される(図3参照)。
【0032】
また、コントローラ250は、ドラム160と読取センサ180との間に設けられた後述する光学式センサ260で検出した連続紙Pに設けられた目印Mの検出時間(目印Mを検出してから次の目印Mを検出するまでの時間)から連続紙Pの搬送速度を算出し、連続紙Pの搬送速度とドラム160の外周面160Aの周速度とが同等となるように駆動モータ162の回転速度を制御(本実施形態では電圧制御)している。
【0033】
また、折り目線形成機220、パンチング機230、及びミシン目形成機240は、切断機210の切断刃212を夫々折り目具222、パンチ穴開刃232、及びミシン目刃242に取り替えたものである。このため、折り目具222、パンチ穴開刃232、及びミシン目刃242以外の構成の説明を省略する。
【0034】
折り目具222は、切断刃212と同じ円盤形状(軸部212B含む)であり、周縁部が丸みを帯びている。このため、折り目具222を連続紙Pに押し付けて連続紙Pの幅方向に移動させた場合、折り目具222の周縁部に沿った筋が連続紙Pに形成される。この筋目(溝)が連続紙Pを折る際の目印となると共に、折り曲げ時のガイドとなる。
【0035】
パンチ穴開刃232は、切断刃212と同じ円盤形状(軸部212B含む)であり、周縁部に筒状の突起が周方向に間隔を開けて複数形成されている。この筒状の突起の先端は鋭利な刃先となっており、この刃先を連続紙Pに押し付けることで、連続紙Pに筒状の突起の断面形状と同じ形状の穴が形成される。このため、パンチ穴開刃232を連続紙Pに押し付けて連続紙Pの幅方向に移動させた場合、連続紙Pに幅方向に沿って複数の穴が形成される。
【0036】
ミシン目刃242は、切断刃212と同じ円盤形状(軸部212B含む)であり、周縁部に針状の突起が周方向に間隔を開けて複数形成されている。この針状の突起を連続紙Pに押し付けることで、連続紙Pに針状の突起の断面形状と同じ形状の穴が形成される。このため、ミシン目刃242を連続紙Pに押し付けて連続紙Pの幅方向に移動させた場合、連続紙Pに幅方向に沿って複数の穴が形成される。
【0037】
なお、前述の折り目線形成機220、パンチング機230、及びミシン目形成機240は、図2に示されるように、切断機210と同様に何れもコントローラ250によって制御されている。コントローラ250は、連続紙Pの加工情報(読取センサ180で読み取った情報)に基づいて使用する加工具を有する加工機を選択するようになっている。
【0038】
図2に示されるように、ドラム160よりも搬送方向の上流側には、連続紙Pの幅方向Wの両端部に印刷されたバーコード185(連続紙Pの加工情報が記録されたバーコード、詳細については後述する)を読み取る読取センサ180が設けられている。この読取センサ180はコントローラ250に接続されており、バーコード185から読み取った加工情報をコントローラ250に逐次送信している。
【0039】
また、ドラム160と読取センサ180との間には、光学式センサ260が配置されている。この光学式センサ260は、前述のバーコード185と同様に連続紙Pの幅方向Wの両端部に搬送方向に一定間隔毎に設けられた目印M(例えば、穴、印字など)を検出しコントローラ250に逐次送信している(図8参照)。
【0040】
また、ドラム160の外方には支持部材としてのプラテンベルト装置310が設けられている。このプラテンベルト装置310は、回転ローラ312と、従動ローラ314と、回転ローラ312と従動ローラ314とに巻き掛けられ連続紙Pよりも幅が広いプラテンベルト316とを備えている。この回転ローラ312は、ベルトモータ318に接続されており、ベルトモータ318からの駆動力(回転力)を受けてプラテンベルト316を回転させるようになっている。なお、このプラテンベルト316の回転方向は連続紙Pの搬送方向である。また、ベルトモータ318は、コントローラ250によって連続紙Pの搬送速度とプラテンベルト316の周速度とが同等となるように回転速度が制御されている。
【0041】
プラテンベルト装置310の後方には、回転ローラ312と従動ローラ314とを回転自在に支持する移動装置320が設けられている。この移動装置320は、プラテンベルト装置310をドラム160に近づける方向(Z方向)と、離間する方向(Z’方向)とに移動させられるようになっている。このプラテンベルト装置310を移動させる機構は、プラテンベルト装置310を移動させるための駆動源となるソレノイド(図示省略)と、ソレノイドで押し出されるプラテンベルト装置310をZ方向からZ’方向へガイドするスライドレール(図示省略)によって構成されている。図2に示されるように、移動装置320でプラテンベルト装置310をZ方向に移動させた場合、プラテンベルト316の表面316Aがドラム160の外周面160Aに押し付けられる。このとき、外周面160Aとプラテンベルト316との間に連続紙Pが挟み込まれる。ここで、前述したように、プラテンベルト316の周速度が連続紙Pの搬送速度と同等の速度となるようにコントローラ250によって制御されているため、連続紙Pの搬送が妨げられることがない。このプラテンベルト316は、切断刃212、折り目具222、パンチ穴開刃232、及びミシン目刃242を連続紙Pに押し付けた際に、連続紙Pの裏面(外周面160Aと接触しない側の面)を適度な力(プラテンベルト316が撓むため適度な力となる)で支持する。これにより、連続紙Pに効果的に加工を施すことができるようになる。つまり、連続紙Pを確実に切断したり、確実に穴を開けたり、確実に折り目線を形成したりすることができるようになる(すなわち加工精度が向上する)。
【0042】
また、プラテンベルト装置310を使用しないときは、移動装置320がプラテンベルト装置310をZ’方向に移動させる。なお、プラテンベルト装置310を離間させるタイミングは、コントローラ250によって決定されている。
【0043】
また、図2及び図3に示されるように、プラテンベルト装置310よりも搬送方向Eの下流側には、搬送方向Eに刃先360Aを向けた円盤状のスリッタ360(切込み形成部材)が後述する移動装置362によって回転自在に支持されている。このスリッタ360は、使用時には、ドラム160の外周面160Aに刃先360Aが接触してドラム160の回転方向と反対方向に回転するようになっている。これにより、外周面160Aに巻き付けられた連続紙Pは、スリッタ360によって搬送方向Eに沿って切断される。また、スリッタ360の後方には、移動装置362が設けられている。この移動装置362は、スリッタ360をドラム160に近づける方向(Y方向)と、離間する方向(Y’方向)とに移動させられるようになっている。このスリッタ360をY方向からY’方向へ移動させる機構は、スリッタ360を移動させるための駆動源となるソレノイド(図示省略)と、ソレノイドで押し出されるスリッタ360をY方向からY’方向へガイドするスライドレール(図示省略)によって構成されている。また、移動装置362は、スリッタ360を搬送方向Eと直交する方向にも移動させられるようになっている。このスリッタ360を搬送方向Eと直交する方向へ移動させる機構は、移動装置362を固定したベルト(図示省略)と、このベルトを巻き掛けた一対のプーリ(図示省略)と、一方のプーリを回転させるモータ(図示省略)と、移動装置362を搬送方向Eと直交する方向へガイドするガイドレール(図示省略)とによって構成されている。なお、スリッタ360を離間させるタイミングは、コントローラ250によって決定されている。
【0044】
図2に示されるように、スリッタ360よりも搬送方向の下流側には、ドラム160の外周面160Aに巻き付けられた用紙P’を剥離するための断面形状が略三角形の剥離ガイド370が設けられている。この剥離ガイド370の先端370Aは、ドラム160の外周面160Aに接触しており、切断刃212で連続紙Pが幅方向に切断された用紙P’の端部(搬送方向の前端部)をドラム160の外周面160Aから剥離するようになっている。また、剥離ガイド370の先端370Aから傾斜して延びる傾斜面370Bは剥離された用紙P’を挟持搬送ローラ32へとガイドするガイド面となっている。
【0045】
この剥離ガイド370で剥離された用紙P’は、挟持搬送ローラ32によって挟持搬送されて用紙案内装置24へと案内される。また、剥離ガイド370よりも搬送方向の上流側には、剥離ガイド370で用紙P’を剥離した際に、用紙P’が搬送経路上から外れるのを阻止するためのストッパ372が設けられている。これにより、外周面160Aから剥離された用紙P’は、搬送経路上から外れることなく挟持搬送ローラ32に搬送される。
【0046】
また、用紙処理装置150には、ドラム160の内圧を外部よりも低圧(本実施形態では、大気圧よりも負圧)にするバキューム装置390が設けられている。このバキューム装置390は、回転軸164の内部を通る吸引路392を介してドラム160の内部の空気を吸引して負圧にするようになっている。また、ドラム160の外周面160Aには、微細な穴(図示省略)が複数形成されている。このため、バキューム装置390でドラム160内を負圧にすると、外周面に形成された微細な穴を介して外部から内部への空気の流れが生じる。つまり、ドラム160は外部の空気を内部へと微細な穴を介して吸引するようになる。従って、内部が負圧状態のドラム160の外周面160Aに連続紙Pを巻き掛けると、連続紙Pは外周面160Aに吸着される。これにより、連続紙Pをドラム160の外周面160Aに巻き掛けるときなどに、連続紙Pが幅方向にずれて巻き掛けられることが抑制される。つまり、連続紙Pの幅方向への蛇行搬送が抑制される。また、バキューム装置390は、コントローラ250によって吸引力(ドラム160内と外部との差圧)が制御されている。このコントローラ250は、連続紙Pの加工時には吸引力を高め、非加工時には、剥離ガイド370で用紙P’を剥離可能な程度となるように吸引力を低下させるように制御している。これにより、加工時に連続紙Pが幅方向Wにずれ難くなり、さらに剥離ガイド370による用紙P’の剥離が効果的に行われるようになる
【0047】
次に、前述したバーコード185の一例について説明する。なお、このバーコード185は、連続紙Pの切断指示(切断情報)が記録されたバーコードである。図8に示されるバーコード185には、搬送方向Eの上流側から下流側へ向かって、「0−3−12.5」と記録されている。ここで、「0」はAブロックの情報であり、「3」はBブロックの情報である。また、「12.5」はCブロックの情報である。
【0048】
バーコード185が示す内容は、(A−0)が連続紙Pの搬送方向Eの切断制御情報であり、(B−3)が連続紙Pを幅方向Wに沿って切断する情報であり、(C)が指定端から12.5inchの範囲を示す情報である。これらが、連続紙Pの搬送方向E及び幅方向Wの切断位置を示す情報である。
【0049】
なお、本例では、12.5の後に記号が何も付されていないが、A、B、C等のアルファベットが付されていた場合、これはDブロックの情報であり、用紙の搬送先(用紙スタック26、28等)を示す。また、(D−C)は、パージ、いわゆる廃棄処理することを意味し、連続紙切り抜き時、切断時などに出る不要部が廃棄用紙収容箱(図示省略)へ案内される。
【0050】
また、図8に示されるバーコード185は連続紙Pを切断する加工情報を記録しているが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、バーコードは連続紙Pに折り目線を形成する、パンチ穴を開ける、及びミシン目を形成する加工情報を記録していてもよい。
【0051】
次に、この用紙処理装置150の作用について説明する。図1に示されるように、連続紙供給装置14から供給された連続紙Pは、用紙バッファー機構16へ搬送され、連続紙Pに掛かる張力を調整しながら、用紙処理装置150へ搬送される。用紙処理装置150では、まず、読取センサ180によって連続紙Pの幅方向Wの両端部に印刷されたバーコード185から加工情報が読み取られ、この加工情報がコントローラ250に送信される。また、光学式センサ260によって連続紙Pの幅方向Wの両端部に設けられた目印Mが検出されコントローラ250に送信される。そして、ドラム160が回転し、連続紙Pの先端部側がドラム160の外周面160Aに巻き付けられる。このときバキューム装置390が作動する。このため、ドラム160内が外部よりも負圧となって外周面160Aに連続紙Pが吸着される。なお、以下には、図9に示されるような仮想線A〜Eに沿って連続紙Pを切断する場合について説明する。
【0052】
まず、コントローラ250は、図9に示される仮想線Aで連続紙Pを切断するために、移動装置362を用いてスリッタ360の刃先360Aが仮想線Aと重なるように幅方向Wの位置を調整する。次に、スリッタ360の刃先を連続紙Pに押し付けるとともに搬送方向に対して逆方向に回転させる。この押し付け状態を仮想線Eの位置まで行うことで仮想線Aに沿った切断がなされる。
【0053】
次に、コントローラ250は、図9に示される仮想線Bで連続紙Pを切断するために、切断機210の切断刃212の周縁部212Aが仮想線Bと重なるようにドラム160の回転速度を調整する。そして、周縁部212Aと仮想線Bとが重なった後は、ドラム160の外周面160Aの周速度が連続紙Pの搬送速度と同等となるようにドラム160の回転速度を調整する。次に、図6に示されるように、切断刃212をスリット166から外部へ押し出すと共に回転させ、連続紙Pの幅方向端部(図6では下端部40)から仮想線Bに沿って(本実施形態では幅方向Wに沿って)移動させる。この切断刃212の仮想線Bに沿った移動を仮想線Aに重なる位置まで行うことで、連続紙Pが仮想線Bに沿って切断される。このときコントローラ250は、切断刃212が機能すると同時にバキューム装置390による吸引力を高め、プラテンベルト装置310をZ方向に移動させて連続紙Pを外周面160Aとプラテンベルト316との間で挟み込むと共にプラテンベルト316の表面310Aの周速度を連続紙Pの搬送速度となるように制御する。これにより、連続紙Pの搬送が停止することなく、連続紙Pがずれることなく、連続紙Pが仮想線Bに沿って正確に切断されて用紙P’1が形成される。
【0054】
次に、コントローラ250は、図9に示される仮想線Cで連続紙Pを切断するために、切断機210の切断刃212の周縁部212Aが仮想線Cと重なるようにドラム160の回転速度を調整する。このとき、コントローラ250はバキューム装置390による吸引力を低めに設定し、プラテンベルト装置310をZ’方向に移動させてドラム160の外周面160Aからプラテンベルト316を離間させている。そして、周縁部212Aと仮想線Cとが重なった後は、ドラム160の外周面160Aの周速度が連続紙Pの搬送速度と同等となるようにドラム160の回転速度を調整する。次に、図6及び図7に示されるように、切断刃212をスリット166から外周面160Aから外側へ押し出すと共に回転させ、連続紙Pの幅方向端部(図6では上端部42)から仮想線Cに沿って(本実施形態では幅方向Wに沿って)移動させる。この切断刃212の仮想線Cに沿った移動を仮想線Aに重なる位置まで行うことで、連続紙Pが仮想線Cに沿って切断される。このときコントローラ250は切断刃212が機能すると同時にバキューム装置390による吸引力を高め、プラテンベルト装置310をZ方向に移動させて連続紙Pを外周面160Aとプラテンベルト316との間で挟み込むと共にプラテンベルト316の周速度を連続紙Pの搬送速度となるように制御している。これにより、連続紙Pの搬送が停止することなく、連続紙Pの搬送が停止することなく、連続紙Pがずれることなく、連続紙Pが仮想線Cに沿って正確に切断されて用紙P’2が形成される。
【0055】
同様にして、コントローラ250は、連続紙Pを仮想線Dで切断するために切断機210、ドラム160の回転、プラテンベルト装置310及びバキューム装置390を制御する。これにより、連続紙Pがずれることなく仮想線Dに沿って正確に切断されて用紙P’3が形成される。
【0056】
そして、コントローラ250は、連続紙Pを仮想線Eで切断(連続紙Pの幅方向端部40から幅方向端部42へ切断)するように切断機210、ドラム160の回転、プラテンベルト装置310及びバキューム装置390を制御する。これにより、連続紙Pの搬送が停止することなく、連続紙Pがずれることなく仮想線Eに沿って正確に切断されて、用紙P’4(図では、上の用紙)、用紙P’5(図では、下の用紙)が形成される。また、スリッタ360の刃先360Aが仮想線Eに到達したとき、スリッタ360がドラム160から離間する。つまり、スリッタ360はコントローラ250に制御された移動装置320によってZ’方向に移動させられる。
【0057】
仮想線Eを切断した後、コントローラ250は、バキューム装置390による吸引力を低めに設定し、プラテンベルト装置310をZ’方向に移動させてドラム160の外周面160Aからプラテンベルト316を離間させる。そして、読取センサ180から次の加工情報が送信されるまでの間、ドラム160の周速度を連続紙Pの搬送速度と同等となるように制御する。
【0058】
なお、バーコード185や、搬送速度を検出用の目印が形成される連続紙Pの幅方向端部分は、用紙処理装置150内に固定されたスリッタ(図示省略)によって搬送方向に沿って切断され、不要部分として廃棄用紙収容箱へと搬送される。ここで、図9に示される連続紙Pの幅方向端部40、42は、固定されたスリッタによって切断される部分を示した仮想線である。
【0059】
また、第1実施形態では、図9に示される仮想線A〜Eに沿って連続紙Pを切断したが、例えば、仮想線Aに沿って折り目線を形成しても良く、仮想線Bに沿ってパンチ穴を複数形成してもよく、仮想線Cに沿ってミシン目を形成してもよい。
【0060】
また、第1実施形態は、連続紙Pを図9に示されるような形状に加工可能な構成としたが、連続紙Pを図10に示されるような形状に加工する場合には、スリッタ360を複数設ければよい。図10に示されるような形状に連続紙Pを加工する場合には、仮想線A、仮想線B、仮想線C、仮想線D、仮想線E、仮想線F、仮想線Gの順で切断することで、用紙P’1、P’2、P’3、P’4、P’5、P’6が形成される。
【0061】
前述の実施形態では印刷済みの連続紙Pを用紙処理装置150で加工する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、用紙バッファー機構16と用紙処理装置150との間に画像形成可能な印刷装置などを配設し、この印刷装置で印刷しながら連続紙Pを用紙処理装置150で加工する構成としてもよい。
【0062】
また、前述の実施形態では、円盤状の切断刃212を回転させ、連続紙Pの幅方向に移動させることで連続紙Pを幅方向に切断する構成としているが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、切断刃の形状は連続紙Pを搬送方向Eと交差する方向に切断することができればどのような形状でもよく、例えば、複数の板状切断刃を連続紙Pに連続して打ち込んで、連続紙Pを切断する構成としてもよい。もちろん、折り目具222、パンチ穴開刃232及びミシン目刃242においても同様で、連続紙Pに対して搬送方向Eと交差する方向に所望の加工を施すことができればどのような形状としてもよく、複数の板状折り目具(又は、棒状パンチ穴刃、又は板状ミシン目刃)を連続紙Pに連続して打ち込んで、連続紙Pを加工する構成としてもよい。
【0063】
さらに、前述の実施形態では、バキューム装置390でドラム160内を外部よりも負圧にして外周面160Aに連続紙Pを吸着させる構成としているが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、ドラム160の外周面160Aの極性と、連続紙Pの極性とを反転させて、外周面160Aに連続紙Pを静電的に吸着させてもよい。この場合、ドラム160の外周面の極性を設定するドラム用帯電装置と、連続紙Pの極性を設定する紙用帯電装置とを用紙処理装置に設ける必要がある。
【0064】
またさらに、前述の実施形態では、ドラム160の内部に切断機210、折り目線形成機220、パンチング機230、及びミシン目形成機240を収容する構成としたが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、これら加工機のうちの少なくとも一つを収容する構成としてもよい。
【0065】
そして、前述の実施形態では、切断刃212、折り目具222、パンチ穴開刃232及びミシン目刃242を搬送方向Eと交差する方向に移動させるために回転移動モータ215、台形ねじ213、ベアリング214、支持ブロック216及びガイドバー217からなるスライド機構を用いる構成としたが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、切断刃212、折り目具222、パンチ穴開刃232及びミシン目刃242を搬送方向Eと交差する方向に移動させることができればどのような機構を用いてもよいものとする。なお、機構の一例として、図11(切断機210を示す)に示されるように、一対のプーリ402にベルト404を巻き掛け、このベルト404上に支持ブロック406(支持ブロック216に対応)を固定し、ガイドバー408(ガイドバー217に対応)で支持ブロック406の移動方向をガイドし、一対のプーリ402の何れかに接続された回転移動モータ410(回転移動モータ215に対応)からの駆動力(回転力)でベルト404を回転させて支持ブロック406に支持された切断刃212(折り目具222、パンチ穴開刃232、又はミシン目刃242)を搬送方向Eと交差する方向に移動させる構成としてもよい。
【0066】
また、前述の実施形態では、コントローラ250で回転するドラム160の周速度と、連続紙Pの搬送速度とが同等の速度となるようにドラム160の回転速度を制御する構成としたが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、図12に示されるように、連続紙Pの搬送経路上を移動する箱状の移動体422内に切断機210、折り目線形成機220、パンチング機230、及びミシン目形成機240を収容し、この移動体422の搬送方向への移動速度を搬送される連続紙Pの搬送速度と同等の速度として、各種加工具で連続紙Pに所望の加工を施す構成としてもよい。なお、図12に示される用紙処理装置420では、用紙処理装置420に連続紙Pの搬送方向Eに沿って延びる台形ねじ424が設けられており、この台形ねじ424の雄ねじに移動体422に形成された雌ねじが螺合している。また、台形ねじ424は、一端部が用紙処理装置420の内壁に固定されたモータ426に連結され、他端部が用紙処理装置420の内壁に固定されたベアリング428によって回転自在に支持されている。さらに、台形ねじ422の下側には、台形ねじ422に対して平行にガイドレール430に設けられ、このガイドレール430によって移動体422が摺動可能に支持されている。これにより、モータ426が回転して台形ねじ424が回転すると、移動体422がガイドレール430に沿って搬送方向Eに移動する。なお、プラテンベルト装置310も移動装置320によって移動体422と共に、搬送方向Eに移動するようになっている。
【0067】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の用紙処理装置を適用した用紙処理システムの構成を示す全体図である。
【図2】第1実施形態の用紙処理装置の構成を示す説明図である。
【図3】第1実施形態の連続紙に切断加工を施す際の用紙処理装置の動作を説明する説明図である。
【図4】第1実施形態の用紙処理装置の切断機を示す平面図である。
【図5】第1実施形態の用紙処理装置の切断機を示す部分断面側面図である。
【図6】第1実施形態の用紙処理装置で連続紙を切断する動作を説明するためのドラムの平面図である。
【図7】第1実施形態の用紙処理装置で連続紙を切断する動作を説明するためのドラムの側面図である。
【図8】連続紙に印刷されるバーコード及び目印の説明図である。
【図9】第1実施形態の用紙処理装置で加工する連続紙の加工情報を示す図である。
【図10】第1実施形態の用紙処理装置の一変形例で加工可能な連続紙の加工情報を示す図である。
【図11】第1実施形態の用紙処理装置の切断機の変形例を示す平面図である。
【図12】第1実施形態の用紙処理装置の他の変形例の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0069】
150 用紙処理装置
160 ドラム(筒体)
160A 外周面(筒体の外周面)
162 駆動モータ(駆動手段)
166 スリット(開口)
180 読取センサ(検出手段)
210 切断機(連続紙加工手段)
212 切断刃
220 折り目線形成機(連続紙加工手段)
222 折り目具
230 パンチング機(連続紙加工手段)
232 パンチ穴開刃
240 ミシン目形成機(連続紙加工手段)
240 ミシン目刃
250 コントローラ(制御手段)
310 プラテンベルト装置(支持部材)
360 スリッタ(切り込み部材)
390 バキューム装置(吸着手段)
420 用紙処理装置
E 搬送方向(連続紙の搬送方向)
W 幅方向(連続紙の幅方向)
P 連続紙
P’ 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続紙の搬送経路上に設けられ、前記連続紙の搬送方向と交差する方向に移動すると共に、前記連続紙を加工する連続紙加工手段と、
前記連続紙加工手段を前記連続紙の搬送速度と同等の速度で前記連続紙の搬送方向に移動させる移動手段と、
を備える用紙処理装置。
【請求項2】
前記連続紙の搬送経路上に設けられ、内部に前記連続紙加工手段を収容すると共に、外周面に前記連続紙が巻き掛けられる筒体と、
前記筒体の外周面に形成され、前記連続紙の搬送方向と交差する方向に延び、前記筒体に巻き掛けられる前記連続紙の幅よりも前記筒体の軸方向に沿った長さが長い開口と、を有し、
前記連続紙加工手段は、前記連続紙を加工する加工具と、前記開口を通して前記加工具を前記外周面の外側へ押し出すと共に前記開口の延在方向に沿って前記加工具を移動させる押出移動手段と、を有し、
前記移動手段は、前記筒体を回転させる駆動手段と、前記連続紙の搬送速度を検出する検出手段と、前記筒体の周速度が前記連続紙の搬送速度と同等の速度となるように前記駆動手段を制御する制御手段と、を有する請求項1に記載の用紙処理装置。
【請求項3】
前記筒体の外周面に前記連続紙を吸着させるための吸着手段を有する請求項2に記載の用紙処理装置。
【請求項4】
搬送される前記連続紙に前記搬送方向の切り込みを形成する切込み形成部材を有する請求項2又は請求項3に記載の用紙処理装置。
【請求項5】
前記加工具は、前記連続紙を切断するための切断刃、前記連続紙に穴を開けるための穴開刃、及び前記連続紙に折り目線を形成するための折り目具の何れかである請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の用紙処理装置。
【請求項6】
前記連続紙の搬送経路上に前記加工具として、前記切断刃、前記穴開刃、及び前記折り目具を有し、
前記連続紙の加工情報に基づいて、前記切断刃、前記穴開刃、及び前記折り目具の何れを使用するか選択する請求項5に記載の用紙処理装置。
【請求項7】
前記連続紙に接触して前記連続紙の搬送速度と同等の速度で移動する調帯部材が、前記連続紙を挟んで前記連続紙加工手段の反対側に設けられる請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の用紙処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−298500(P2009−298500A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−151972(P2008−151972)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】