説明

用紙加工装置

【課題】上回転刃と下回転刃とを摺り合わせて用紙を搬送方向に裁断する第1スリッター及び第2スリッターと、各スリッター移動機構と、を有する裁断装置部を搬送方向に並べ、各裁断装置部が、搬送方向の上流側の裁断装置部のスリッターと下流側の裁断装置部のスリッターとによる裁断によって裁ち屑を発生させるようになっている用紙加工装置において、裁ち屑がジャムする危険性を低減する。
【解決手段】各裁断装置部4A〜4Dの各スリッター72、74の位置が所定の設定位置となるようにスリッター移動機構を制御するスリッター位置制御手段を備え、スリッター位置制御手段は、上記搬送方向Yにおける、より下流側の裁断装置部による裁断によって裁ち屑が発生するように、裁ち屑記憶手段における裁ち屑発生パターンに基づいて、搬送方向に直交する方向における各スリッターの位置を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙を搬送しながら用紙に加工を施す用紙加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図22は、従来の用紙加工装置1の加工態様を示す平面略図である。矢印Yは、搬送方向を示している。この装置1では、用紙を搬送方向に裁断する裁断装置部が、搬送方向に並べて、4台設けられており、且つ、各裁断装置部4A〜4Dには、2台のスリッター72、74が設けられている。そして、実線A〜Hに沿って裁断を行うために、各裁断装置部4A〜4Dの2台のスリッター72、74は、図22に示されるように配置されている。
【0003】
更に、この装置では、発生した裁ち屑CW1〜CW4を下方へ排除する裁ち屑排除装置部が、2台設けられており、且つ、各裁ち屑排除装置部3A、3Bには、2台のガイド部材31、32が設けられている。そして、各裁ち屑排除装置部3A、3Bの2台のガイド部材31、32は、4片の裁ち屑CW1〜CW4を排除するために、図22に示されるように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−55765号公報
【特許文献2】特開2007−319969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図22の用紙加工装置1では、第1及び第4裁ち屑CW1、CW4が、裁断装置部4Cを通過したところで発生するため、4台の裁断装置部からなる裁断処理領域W1において、それぞれ、矢印W11、W41で示されるように、2Lだけ搬送される。したがって、第1及び第4裁ち屑CW1、CW4は、長い距離を搬送されることとなるため、ジャムする危険性が高い。
【0006】
また、図22の用紙加工装置1では、第1及び第4裁ち屑CW1、CW4が、下流側の裁ち屑排除装置部3Bによって排除される。すなわち、長い距離を搬送されて来た第1及び第4裁ち屑CW1、CW4は、他の裁ち屑よりも下流で排除される。したがって、2台の裁ち屑排除装置部からなる裁ち屑排除領域W2において、第1及び第4裁ち屑CW1、CW4がジャムする危険性が、高い。
【0007】
本発明は、裁ち屑がジャムする危険性を、低減することができる、用紙加工装置を、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、用紙を搬送しながら用紙に加工を施す用紙加工装置において、
用紙を搬送方向に裁断する裁断装置部を、搬送方向に並べて、3台以上備えており、
各裁断装置部は、上回転刃と下回転刃とを摺り合わせて用紙を搬送方向に裁断するスリッターと、スリッターを、上記搬送方向に対する直交方向の任意の位置に移動させる、スリッター移動機構と、を有しており、
搬送方向の上流側の裁断装置部のスリッターと下流側の裁断装置部のスリッターとによる裁断によって、裁ち屑を発生させるようになっており、
発生する裁ち屑の発生パターンを予め記憶する、裁ち屑記憶手段を、備えており、
各裁断装置部のスリッターの位置を所定の設定位置とするように、スリッター移動機構を制御する、スリッター位置制御手段を、備えており、
スリッター位置制御手段は、上記搬送方向の、より下流側の裁断装置部による裁断によって、裁ち屑が発生するように、裁ち屑記憶手段の上記発生パターンに基づいて、各裁断装置部のスリッターの上記直交方向における位置を設定するようになっている、
ことを特徴としている。
【0009】
本発明は、更に、次の構成(a)〜(g)を採用するのが好ましい。
【0010】
(a)スリッター位置制御手段は、搬送方向の下流から1番目の裁断装置部のスリッターの位置を、裁ち屑の辺を裁断する位置に設定するようになっている。
【0011】
(b)本発明又は上記構成(a)において、
スリッターが、上記直交方向において、一方側に位置する第1スリッターと他方側に位置する第2スリッターと、であり、
第1スリッターと第2スリッターとは、上記直交方向における両回転刃の位置関係が逆となっており、
スリッター移動機構は、第1スリッター及び第2スリッターのそれぞれを、上記直交方向の任意の位置に移動させるようになっており、
スリッター位置制御手段は、裁ち屑の上記発生パターンが少なくとも第1及び第2裁ち屑が発生するパターンである場合に、搬送方向の下流から1番目の裁断装置部において、第1スリッターを第1裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッターを第2裁ち屑の辺を裁断する位置に、設定するようになっている。
【0012】
(c)上記構成(b)において、
裁断装置部が4台以上であり、
スリッター位置制御手段は、裁ち屑の上記発生パターンが第1〜第4裁ち屑が上記直交方向に順に並んで且つ成果片と交互に発生するパターンである場合に、少なくとも、
(i)搬送方向の下流から1番目の裁断装置部において、第1スリッターを第a裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッターを第b裁ち屑の辺を裁断する位置に、
(ii)搬送方向の下流から2番目の裁断装置部において、第1スリッターを第c裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッターを第d裁ち屑の辺を裁断する位置に、
設定するようになっており、
a〜dは、1〜4の任意の整数であり且つ互いに異なる整数であり、a<bであり、c<dである。
【0013】
(d)上記構成(b)において、
裁断装置部が3台であり、
スリッター位置制御手段は、裁ち屑の上記発生パターンが第1〜第3裁ち屑が上記直交方向に順に並んで且つ成果片と交互に発生するパターンである場合に、少なくとも、
(i)搬送方向の下流から1番目の裁断装置部において、第1スリッターを第a裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッターを第b裁ち屑の辺を裁断する位置に、
(ii)搬送方向の下流から2番目の裁断装置部において、第1スリッターを第c裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッターを第d裁ち屑の辺を裁断する位置に、
設定するようになっており、
a〜dは、1〜3の任意の整数であり且つ同じ整数を2個のみ含んでおり、a<bであり、c<dである。
【0014】
(e)上記構成(b)において、
裁断装置部が4台以上であり、
スリッター位置制御手段は、裁ち屑の上記発生パターンが第1〜第3裁ち屑が上記直交方向に順に並んで且つ成果片と交互に発生するパターンである場合に、少なくとも、
(i)搬送方向の下流から1番目の裁断装置部において、第1スリッターを第a裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッターを第b裁ち屑の辺を裁断する位置に、
(ii)搬送方向の下流から2番目の裁断装置部において、第1スリッター又は第2スリッターを第c裁ち屑の辺を裁断する位置に、
設定するようになっており、
a〜cは、1〜3の任意の整数であり且つ互いに異なる整数であり、a<bである。
【0015】
(f)上記構成(c)〜(e)のいずれか1つにおいて、
スリッター位置制御手段は、裁ち屑を発生させる、上流側の裁断装置部のスリッターと下流側の裁断装置部のスリッターとの組み合わせにおいて、両者の上回転刃が発生する裁ち屑に対して下回転刃より外側に位置することとなる組み合わせを、設定しないようになっている。
【0016】
(g)上記構成(b)〜(f)のいずれか1つにおいて、
裁ち屑を下方に排除する裁ち屑排除装置部を、搬送方向の最下流の裁断装置部より下流に、搬送方向に並べて、2台以上備えており、
各裁ち屑排除装置部は、裁ち屑を下向きに案内するガイド部材と、ガイド部材を、上記直交方向の任意の位置に移動させる、ガイド部材移動機構と、を有しており、
ガイド部材が、上記直交方向において、一方側に位置する第1ガイド部材と他方側に位置する第2ガイド部材と、であり、
ガイド部材移動機構は、第1及び第2ガイド部材のそれぞれを、上記直交方向の任意の位置に移動させるようになっており、
各裁ち屑排除装置部の第1及び第2ガイド部材の位置を所定の設定位置とするように、ガイド部材移動機構を制御する、ガイド部材位置制御手段を、備えており、
ガイド部材位置制御手段は、最上流で発生した裁ち屑を最上流の裁ち屑排除装置部によって排除するように、裁ち屑記憶手段の上記発生パターンに基づいて、各裁ち屑排除装置部における第1及び第2ガイド部材の上記直交方向における位置を設定するようになっている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、裁ち屑を搬送方向のできるだけ下流で発生させるので、裁断処理を行う領域において、発生した裁ち屑の搬送距離を、できるだけ短くできる。したがって、裁ち屑がジャムする危険性を、低減することができる。
【0018】
上記構成(a)によれば、最下流の裁断装置部を必ず用いて裁ち屑の辺の裁断を行うので、少なくとも1個の裁ち屑を確実に最下流で発生させることができる。よって、本発明の上記効果を実現できる。
【0019】
上記構成(b)によれば、少なくとも2個の裁ち屑が発生する場合において、最下流の裁断装置部を必ず用いて2個の裁ち屑の辺の裁断を行うので、少なくとも2個の裁ち屑を確実に最下流で発生させることができる。よって、本発明の上記効果を実現できる。
【0020】
上記構成(c)によれば、4個の裁ち屑が発生する場合において、最下流の裁断装置部を用いて2個の裁ち屑を発生させ、下流から2番目の裁断装置部を用いて別の2個の裁ち屑を発生させることができるので、4個の裁ち屑をできるだけ下流で発生させることができる。よって、本発明の上記効果を実現できる。
【0021】
上記構成(d)又は(e)によれば、3個の裁ち屑が発生する場合において、最下流の裁断装置部を用いて2個の裁ち屑を発生させ、下流から2番目の裁断装置部を用いて別の1個の裁ち屑を発生させることができるので、3個の裁ち屑をできるだけ下流で発生させることができる。よって、本発明の上記効果を実現できる。
【0022】
上記構成(f)によれば、搬送経路の上方で裁ち屑が発生するのを防止でき、すなわち、搬送経路の下方で裁ち屑を発生させたり、搬送経路の上方から下方に傾いた状態で裁ち屑を発生させたりできるので、裁ち屑排除装置部のガイド部材によって、裁ち屑を容易に排除できる。
【0023】
上記構成(g)によれば、裁断処理を行う領域の最上流で発生した裁ち屑をできるだけ早く排除できるので、上記領域を過ぎて搬送される裁ち屑がジャムする危険性を、低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の用紙加工装置の全体を示す縦断面略図である。
【図2】裁断ユニットの正面図である。
【図3】図2の斜視部分図である。
【図4】図2の裁断ユニットのスリッターを示す正面略図である。
【図5】ユニット受容部を搬送方向下流側から見た正面図である。
【図6】第1裁ち屑排除装置部を搬送方向下流側から見た正面図である。
【図7】図6の斜視部分図である。
【図8】第1実施形態の加工態様の一例を示す平面略図である。
【図9】裁ち屑を発生させるスリッターの組み合わせを示す断面略図である。
【図10】第1実施形態の加工態様の変形例の一例を示す平面略図である。
【図11】第2実施形態の加工態様の一例を示す平面略図である。
【図12】第2実施形態の加工態様の変形例の一例を示す平面略図である。
【図13】第2実施形態の加工態様の変形例の別の例を示す平面略図である。
【図14】第3実施形態の加工態様の一例を示す平面略図である。
【図15】第4実施形態の加工態様の一例を示す平面略図である。
【図16】第5実施形態の加工態様の一例を示す平面略図である。
【図17】第6実施形態の加工態様の一例を示す平面略図である。
【図18】図4の裁断ユニットの変形例を示す正面略図である。
【図19】別の実施形態の加工態様の一例を示す平面略図である。
【図20】別の実施形態の加工態様の別の例を示す平面略図である。
【図21】別の実施形態の加工態様の更に別の例を示す平面略図である。
【図22】第1実施形態と比較するための従来例の加工態様を示す平面略図である。
【図23】第2実施形態と比較するための従来例の加工態様を示す平面略図である。
【図24】第3実施形態と比較するための従来例の加工態様を示す平面略図である。
【図25】第4実施形態と比較するための従来例の加工態様を示す平面略図である。
【図26】第5実施形態と比較するための従来例の加工態様を示す平面略図である。
【図27】第6実施形態と比較するための従来例の加工態様を示す平面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
(全体構成)
図1は本発明の用紙加工装置の全体を示す縦断面略図である。用紙加工装置1は、装置本体10の両端に、給紙トレイからなる給紙部11と排紙トレイからなる排紙部12とを備えている。給紙部11から排紙部12へは、多数個の、対のローラ21からなる搬送手段2によって、搬送経路20が構成されている。矢印Yは、搬送方向を示している。そして、搬送経路20上には、給紙部11側から、少なくとも、第4裁断装置部4D、第3裁断装置部4C、第2裁断装置部4B、第1裁断装置部4A、第1裁ち屑排除装置部3A、及び第2裁ち屑排除装置部3Bが設けられている。これらは全て装置本体10に支持されている。また、これらの手段には、駆動手段(図示せず)が連結されている。
【0026】
また、用紙加工装置1は、装置全体の作動を制御する制御部6を装置本体10内に備えている。制御部6は、所定の制御手段、例えばスリッター位置制御手段及びガイド部材位置制御手段、を実行するCPUを、備えている。制御部6には、操作パネル(図示せず)、記憶部(図示せず)、搬送手段駆動機構(図示せず)、スリッター移動機構、及びガイド部材移動機構等が、接続されている。更に、用紙加工装置1は、用紙の裁断によって発生する裁ち屑を収容するためのゴミ箱81を、第1及び第2裁ち屑排除装置部3A、3Bの下方に且つ装置本体10内の底部に、有している。
【0027】
上記記憶部は、用紙の加工情報を記憶するようになっている。加工情報には、例えば、用紙に対する裁断パターンがあり、また、裁断に伴って発生する裁ち屑の発生パターンがある。加工情報は、記憶部に予め記憶させておいてもよく、又は、加工作業を行う毎に操作パネルから入力して記憶部に記憶させてもよい。
【0028】
(裁断装置部)
第1裁断装置部4Aは、当該裁断を行うユニットとして構成された裁断ユニット70Aと、装置本体10に設けられており、裁断ユニット70Aを着脱自在に受容する、ユニット受容部9と、からなっている。
【0029】
図2は、裁断ユニット70Aの正面図である。図3は、図2の斜視部分図である。図3中の矢印Yは、搬送方向を示している。図2は、搬送方向下流側から見た図である。図3中の矢印Xは、搬送方向に対する直交方向を示しており、ここでは、矢印Xの一方側を「左」とし他方側を「右」とする。ユニット70Aは、頂板701と2枚の側板702、703と底フレーム704とで構成されたケース部700と、ケース部700内に支持された、第1スリッター72及び第2スリッター74と、で構成されている。図2において、第1スリッター72は左側に位置しており、第2スリッター74は右側に位置している。頂板701上には、2個の取っ手7011が付いている。2枚の側板702、703は、頂板701の両側から鉛直下方に向けて設けられている。両側板702、703間には、2本のねじ軸705、719と、2本の平行な上ガイド軸706、707と、2本の平行な下ガイド軸708、709と、2本の平行な且つ上下に配された回転軸710、711と、が渡設されている。
【0030】
図4は、図2の裁断ユニット70Aのスリッターを示す正面略図である。第2スリッター74は、上回転刃7141と下回転刃7151を上下から擦り合わせて用紙を裁断するように、構成されている。第2スリッター74では、上回転刃7141が下回転刃7151の右側に位置している。図3に示されるように、第2スリッター74は、上回転刃7141を保有する上体714と、下回転刃7151を保有する下体715と、からなっている。そして、上体714は、螺合部7050を通るねじ軸705の回転に伴って、2本の上ガイド軸706、707に沿って移動できるようになっており、下体715は、上体714と共に2本の下ガイド軸708、709に沿って移動できるようになっており、これにより、「スリッター移動機構」が構成されている。また、上体714の上回転刃7141は、上の回転軸710の回転によって回転するようになっている。下体715の下回転刃7151は、下の回転軸711の回転によって回転するようになっている。
【0031】
第1スリッター72は、第2スリッター74と同じ構成を有しているが、左右対称的に設けられている。第1スリッター72では、上回転刃7141が下回転刃7151の左側に位置している。上体714は、螺合部7190を通るねじ軸719の回転に伴って、2本の上ガイド軸706、707に沿って移動できるようになっており、下体715は、上体714と共に2本の下ガイド軸708、709に沿って移動できるようになっており、これにより、「スリッター移動機構」が構成されている。また、上体714の上回転刃7141は、上の回転軸710の回転によって回転するようになっている。下体715の下回転刃7151は、下の回転軸711の回転によって回転するようになっている。
【0032】
また、ユニット70Aは、通過する用紙100を下方から支持するピン718を、用紙100の幅方向の中央と両側との3箇所に、備えている。ピン718は、搬送方向に向けて延びており、基端7181を支点として水平面上を揺動可能となっており、外力が加わっていない時は搬送方向に向いた状態を維持するようになっている。したがって、ピン718は、第1及び第2スリッター72、74に当接すると、避けるようになっている。
【0033】
更に、ねじ軸705の側板702から外側に突出した端部には、ギヤ7051が設けられている。また、ねじ軸719の側板703から外側に突出した端部には、ギヤ7191が設けられている。また、2本の回転軸710、711の側板702から外側に突出した端部には、ギヤ7101、7111が設けられている。両ギヤ7101、7111は連結しており、したがって、2本の回転軸710、711は同時に逆回転するようになっている。
【0034】
図5は、ユニット受容部9を搬送方向下流側から見た正面図である。ユニット受容部9は、2つの側板91、92と下フレーム93とで構成された枠体90に、第1駆動部94、第2駆動部95、及び、第3駆動部96を備えて構成されている。
【0035】
第1駆動部94は、側板91の上部に設けられており、側板91の内側に位置するギヤ941と、側板91の外側に位置してギヤ941を回転駆動するモータ942とからなっている。
【0036】
第2駆動部95は、側板92の上部に設けられており、側板92の内側に位置するギヤ951と、側板92の外側に位置してギヤ951を回転駆動するモータ952とからなっている。なお、第1駆動部94と第2駆動部95とは、対称的に設けられている。
【0037】
第3駆動部96は、側板91の下部に設けられており、側板91の内側に且つ下フレーム93の上方に位置するギヤ961と、側板91の内側に且つ下フレーム93の下方に位置するモータ962と、側板91の外側に位置してモータ962の駆動力をギヤ961に伝達するギヤ963、964、965、966、プーリー967、968と、からなっている。
【0038】
第3駆動部96のギヤ961は、第1駆動部94のギヤ941よりも、側板91の内側に突出している。
【0039】
そして、第1裁断装置部4Aにおいては、ユニット70Aがユニット受容部9に受容されると、図5に示されるように、ギヤ7051がギヤ941に連結し、ギヤ7111がギヤ961に連結し、ギヤ7191がギヤ951に連結する。
【0040】
第2裁断装置部4B、第3裁断装置部4C、及び第4裁断装置部4Dも、第1裁断装置部4Aと同じ構成を有している。
【0041】
(裁ち屑排除装置部)
図6は、第1裁ち屑排除装置部3Aを搬送方向下流側から見た正面図である。図7は、図6の斜視部分図である。第1裁ち屑排除装置部3Aは、2枚の側板301、302と底フレーム303とからなるケース部30と、ケース部30内に支持された、第1ガイド部材31及び第2ガイド部材32と、で構成されている。図6において、第1ガイド部材31は左側に位置しており、第2ガイド部材32は右側に位置している。両側板301、302間には、2本のねじ軸331、332(移動手段)と、1本のガイド軸333と、1対のローラ21と、が渡設されている。
【0042】
図7に示されるように、第2ガイド部材32は、ガイド体34と支持体35とからなっている。ガイド体34は、搬送経路20を上下に横切って設けられており、搬送されて来る裁ち屑の先端に対向する曲部341を有している。なお、搬送経路20は、一対のローラ21の間の高さ位置に構成されている。曲部341は、当接して来る裁ち屑の先端の向きを下方へと向けるように曲がっており、搬送経路20の少し上から搬送経路20の下方に延びている。ガイド体34には、支持体35が連結して一体となっている。そして、第2ガイド部材32は、支持体35の螺合部351を通るねじ軸332の回転に伴って、支持体35の側壁352を貫通するガイド軸333に沿って移動できるようになっており、これにより、「ガイド部材移動機構」が構成されている。なお、ねじ軸332は、ガイド体34及び支持体35の側壁352を貫通している。また、ねじ軸331は支持体35の側壁352を貫通している。
【0043】
第1ガイド部材31は、第2ガイド部材32と同じ構成を有しているが、左右対称的に設けられている。第1ガイド部材31は、支持体35の螺合部351を通るねじ軸331の回転に伴って、支持体35の側壁352を貫通するガイド軸333に沿って移動できるようになっており、これにより、「ガイド部材移動機構」が構成されている。なお、ねじ軸331は、支持体35の側壁352を貫通している。また、ねじ軸332は、ガイド体34及び支持体35の側壁352を貫通している。
【0044】
第1裁ち屑排除装置部3Aにおいて、ねじ軸331の側板301から外側に突出した端部には、ギヤ361が設けられており、また、ねじ軸332の側板302から外側に突出した端部には、ギヤ362が設けられている。また、側板301の外側の上部にはモータ371が設けられており、側板302の外側の上部にはモータ372が設けられている。モータ371は、ギヤ363及びギヤ361を介して、ねじ軸331を回転させるようになっている。モータ372は、ギヤ364及びギヤ362を介して、ねじ軸332を回転させるようになっている。
【0045】
(作動)
次に、上記構成の用紙加工装置1の作動について、図8を参照しながら説明する。
【0046】
(1)裁ち屑パターンの設定
図8は、本実施形態の加工態様の一例を示す平面略図である。図8において、裁断パターンは、実線A〜Hに沿って裁断して5個の成果片P1〜P5を得るパターンであり、裁ち屑の発生パターンは、第1〜第4裁ち屑CW1〜CW4が左右方向に順に並んで且つ成果片P1〜P5と交互に発生するパターンである。第1裁ち屑CW1は、実線A、Bに沿った裁断によって発生するものであり、すなわち、両辺A、Bを有している。同様に、第2裁ち屑CW2は、両辺C、Dを有しており、第3裁ち屑CW3は、両辺E、Fを有しており、第4裁ち屑CW4は、両辺G、Hを有している。なお、第1〜第4裁断装置部4A〜4Dは等間隔で配置されており、その間隔はLとする。
【0047】
まず、用紙100に対する裁断パターンを操作パネルから入力する。これにより、裁ち屑の発生パターンが記憶部に記憶される。
【0048】
(2)スリッター及びガイド部材の配置
次に、作動開始スイッチを押す。これにより、制御部6のスリッター位置制御手段及びガイド部材位置制御手段が、記憶部に記憶されている裁ち屑の発生パターンに基づいて、作動して、スリッター移動機構及びガイド部材移動機構が制御され、以下に説明するように、スリッター及びガイド部材が所定の設定位置に配置される。
【0049】
スリッター位置制御手段は、裁ち屑が搬送方向のできるだけ下流で発生するように、第1〜第4裁断装置部4A〜4Dの第1及び第2スリッター72、74の位置を設定する。すなわち、スリッター位置制御手段は、図8に示される裁ち屑の発生パターンに基づいて、
(i)第1裁断装置部4Aにおいて、第1スリッター72を第a裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第b裁ち屑の辺を裁断する位置に、
(ii)第2裁断装置部4Bにおいて、第1スリッター72を第c裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第d裁ち屑の辺を裁断する位置に、
(iii)第3裁断装置部4Cにおいて、第1スリッター72を第e裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第f裁ち屑の辺を裁断する位置に、
(iv)第4裁断装置部4Dにおいて、第1スリッター72を第g裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第h裁ち屑の辺を裁断する位置に、
設定する。但し、a〜dは、1〜4の任意の整数であり且つ互いに異なる整数であり、e〜hは、1〜4の任意の整数であり且つ互いに異なる整数であり、a<bであり、c<dであり、e<fであり、g<hである。
【0050】
更に、スリッター位置制御手段は、裁ち屑を発生させる、上流側の裁断装置部の第1又は第2スリッター72、74と下流側の裁断装置部の第1又は第2スリッター72、74との組み合わせにおいて、両者の上回転刃7141が発生する裁ち屑に対して下回転刃7151より外側に位置することとなる組み合わせを、設定しないようになっている。具体的には、図9の(D)に示されるように、発生する裁ち屑CWに対して、第1スリッター72が左側に位置し且つ第2スリッター74が右側に位置する組み合わせは、設定されない。設定される組み合わせは、図9の(A)、(B)、及び(C)である。図9の(A)では、発生する裁ち屑CWに対して、第2スリッター74が左側に位置し且つ第1スリッター72が右側に位置している。図9の(B)では、発生する裁ち屑CWに対して、第2スリッター74が両側に位置している。図9の(C)では、発生する裁ち屑CWに対して、第1スリッター72が両側に位置している。すなわち、図9の(A)は、両スリッターの上回転刃7141が発生する裁ち屑に対して下回転刃7151より内側に位置することとなる組み合わせであり、図9の(B)及び(C)は、一方のスリッターの上回転刃7141が発生する裁ち屑に対して下回転刃7151より内側に位置し、且つ、他方のスリッターの上回転刃7141が発生する裁ち屑に対して下回転刃7151より外側に位置する、組み合わせである。
【0051】
そして、図8のパターンでは、上記(i)〜(iv)において、具体的に、a=2、b=3、c=1、d=4、e=2、f=3、g=1、h=4に設定されている。
【0052】
したがって、スリッター位置制御手段は、
(i)第1裁断装置部4Aにおいて、第1スリッター72を第2裁ち屑CW2の右辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第3裁ち屑CW3の左辺を裁断する位置に、
(ii)第2裁断装置部4Bにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の右辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第4裁ち屑CW4の左辺を裁断する位置に、
(iii)第3裁断装置部4Cにおいて、第1スリッター72を第2裁ち屑CW2の左辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第3裁ち屑CW3の右辺を裁断する位置に、
(iv)第4裁断装置部4Dにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の左辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第4裁ち屑CW4の右辺を裁断する位置に、
設定する。なお、上記(i)〜(iv)においては、上記右辺を「左辺」に、且つ、上記左辺を「右辺」に、変更してもよい。
【0053】
この設定によれば、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2は、図9の(C)の場合となり、第3及び第4裁ち屑CW3、CW4は、図9の(B)の場合となる。
【0054】
また、ガイド部材位置制御手段は、第1〜第4裁断装置部4A〜4Dからなる裁断処理領域W1において最上流で発生した裁ち屑を、最上流の裁ち屑排除装置部によって排除するように、第1及び第2裁ち屑排除装置部3A、3Bの第1及び第2ガイド部材31、32の左右方向における位置を設定するようになっている。
【0055】
そして、図8のパターンでは、第1及び第4裁ち屑CW1、CW4が最上流(ここでは第2裁断装置部4B)で発生しているので、ガイド部材位置制御手段は、
(v)第1裁ち屑排除装置部3Aにおいて、第1ガイド部材31を第1裁ち屑CW1を排除する位置に、且つ、第2ガイド部材32を第4裁ち屑CW4を排除する位置に、
(vi)第2裁ち屑排除装置部3Bにおいて、第1ガイド部材31を第2裁ち屑CW2を排除する位置に、且つ、第2ガイド部材32を第3裁ち屑CW3を排除する位置に、
設定する。
【0056】
(加工作動)
次に、給紙部11に載置された用紙100の束から、用紙100が一枚ずつ搬送経路20に送り出される。そして、用紙100は、まず、第4裁断装置部4Dへ搬送される。第4裁断装置部4Dに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74によって、実線A、Hに沿って即ち搬送方向に、裁断され、次の第3裁断装置部4Cへ搬送される。
【0057】
第3裁断装置部4Cに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74によって、実線C、Fに沿って即ち搬送方向に、裁断され、次の第2裁断装置部4Bへ搬送される。
【0058】
第2裁断装置部4Bに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74によって、実線B、Gに沿って即ち搬送方向に、裁断される。これにより、第1及び第4裁ち屑CW1、CW4が発生する。第1及び第4裁ち屑CW1、CW4を含む用紙100は、次の第1裁断装置部4Aへ搬送される。
【0059】
第1裁断装置部4Aに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74によって、実線D、Eに沿って即ち搬送方向に、裁断される。これにより、第2及び第3裁ち屑CW2、CW3が発生する。第1〜第4裁ち屑CW1〜CW4を含む用紙100は、次の第1裁ち屑排除装置部3A、更には第2裁ち屑排除装置部3Bへ搬送される。
【0060】
第1裁ち屑排除装置部3Aでは、第1ガイド部材31によって第1裁ち屑CW1が排除されるとともに第2ガイド部材32によって第4裁ち屑CW4が排除される。次いで、第2裁ち屑排除装置部3Bでは、第1ガイド部材31によって第2裁ち屑CW2が排除されるとともに第2ガイド部材32によって第3裁ち屑CW3が排除される。
【0061】
こうして、用紙100から第1〜第4裁ち屑CW1〜CW4が排除された5個の成果片P1〜P5が、得られる。
【0062】
(効果)
上記のような制御を行う本実施形態の用紙加工装置1によれば、次のような効果を発揮できる。
【0063】
(1)第1〜第4裁断装置部4A〜4Dの第1及び第2スリッター72、74が、図8に示されるように配置されるので、第2及び第3裁ち屑CW2、CW3は、下流から1番目の第1裁断装置部4Aを通過したところで発生し、第1及び第4裁ち屑CW1、CW4は、下流から2番目の第2裁断装置部4Bを通過したところで発生する。すなわち、第1〜第4裁ち屑CW1〜CW4は、4台の裁断装置部による裁断処理領域W1において、できるだけ下流で発生する。そのため、裁断処理領域W1において発生した全ての裁ち屑が搬送される距離の総和は、図8において2本の矢印W11、W41で示されるように、1L+1L=2Lである。これに対して、従来の一例である図22に示される場合には、2本の矢印W11、W41で示されるように、2L+2L=4Lである。したがって、本実施形態によれば、発生した裁ち屑の搬送距離をできるだけ短くできるので、裁ち屑が裁断処理領域W1を搬送されている間にジャムする危険性を、低減することができる。
【0064】
(2)第1及び第2裁ち屑CW1、CW2は、図9の(C)に示されるように、右辺側が下になるように傾いた状態で発生する。また、第3及び第4裁ち屑CW3、CW4は、図9の(B)に示されるように、左辺側が下になるように傾いた状態で発生する。それ故、第1〜第4裁ち屑CW1〜CW4は、少なくともその一部が搬送経路20より下方に位置しているので、第1及び第2ガイド部材31、32によって、搬送経路20より下方に案内されやすい。したがって、本実施形態によれば、第1〜第4裁ち屑CW1〜CW4を確実に下方に排除できる。
【0065】
(3)第1及び第4裁ち屑CW1、CW4は、第2裁断装置部4Bを通過したところで発生するので、第2及び第3裁ち屑CW2、CW3より先に発生する。ところで、先に発生した裁ち屑は、後に発生した裁ち屑よりも、裁断処理領域W1において長い距離を搬送されるので、更に下流の処理領域においては、できるだけ早く処理されるのが、好ましい。そして、本実施形態においては、第1及び第4裁ち屑CW1、CW4が、第1裁ち屑排除装置部3Aによって、第2及び第3裁ち屑CW2、CW3より先に排除される。したがって、本実施形態によれば、裁ち屑排除処理領域W2において裁ち屑がジャムする危険性を、低減することができる。これに対して、従来の一例である図22に示される場合には、長い距離を搬送されて来た第1及び第4裁ち屑CW1、CW4は、下流の第2裁ち屑排除装置部3Bで排除されるので、裁ち屑排除処理領域W2においてジャムする危険性が高い。
【0066】
(変形例)
(1)スリッター位置制御手段による設定において、a〜hの整数は、上述した場合に限るものではなく、表1に示される場合を採用できる。上述した図8の設定は、表1の「場合22」に該当する。なお、表1に示される場合においても、裁ち屑を排除しやすくするために、上流のスリッターと下流のスリッターの組み合わせは、図9の(A)〜(C)となるようにするのが好ましい。
【0067】
【表1】

【0068】
(2)スリッター位置制御手段による設定において、裁ち屑を発生させるスリッターの組み合わせは、図9の(A)の場合となるようにするのが、好ましい。図9の(A)の場合には、裁ち屑CWは、搬送経路20より下方に位置しているので、第1及び第2ガイド部材31、32によって、下向きに、より案内されやすい。そのために、スリッター位置制御手段は、例えば図10に示される配置を設定できる。すなわち、スリッター位置制御手段は、表1の「場合19」において、
(i)第1裁断装置部4Aにおいて、第1スリッター72を第2裁ち屑CW2の右辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第3裁ち屑CW3の左辺を裁断する位置に、
(ii)第2裁断装置部4Bにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の右辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第4裁ち屑CW4の左辺を裁断する位置に、
(iii)第3裁断装置部4Cにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の左辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第2裁ち屑CW2の左辺を裁断する位置に、
(iv)第4裁断装置部4Dにおいて、第1スリッター72を第3裁ち屑CW3の右辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第4裁ち屑CW4の右辺を裁断する位置に、
設定してもよい。これによれば、第2及び第3裁ち屑CW2、CW3が、図9の(A)の場合となる。
【0069】
なお、図9の(A)の場合が得られる設定は、表1において、次の場合に可能である。
・a=2であり、f又はh=2である場合。
・a=3であり、f又はh=3である場合。
・c=2であり、f又はh=2である場合。
・c=3であり、f又はh=3である場合。
【0070】
[第2実施形態]
本実施形態は、第1実施形態に比して、裁ち屑の発生パターンが異なり、且つ、裁断装置部が3台である点が異なるだけである。
【0071】
本実施形態においては、図11に示されるように、裁断パターンは、実線A〜Fに沿って裁断して4個の成果片P1〜P4を得るパターンであり、裁ち屑の発生パターンは、第1〜第3裁ち屑CW1〜CW3が左右方向に順に並んで且つ成果片P1〜P4と交互に発生するパターンである。
【0072】
スリッター位置制御手段は、裁ち屑が搬送方向のできるだけ下流で発生するように、第1〜第3裁断装置部4A〜4Cの第1及び第2スリッター72、74の位置を設定する。すなわち、スリッター位置制御手段は、図11に示される裁ち屑の発生パターンに基づいて、少なくとも、
(i)第1裁断装置部4Aにおいて、第1スリッター72を第a裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第b裁ち屑の辺を裁断する位置に、
(ii)第2裁断装置部4Bにおいて、第1スリッター72を第c裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第d裁ち屑の辺を裁断する位置に、
設定する。但し、a〜dは、1〜3の任意の整数であり且つ同じ整数を2個のみ含んでおり、a<bであり、c<dである。
【0073】
更に、スリッター位置制御手段は、第1実施形態と同様に、裁ち屑を発生させる、上流側の裁断装置部の第1又は第2スリッター72、74と下流側の裁断装置部の第1又は第2スリッター72、74との組み合わせにおいて、両者の上回転刃7141が発生する裁ち屑に対して下回転刃7151より外側に位置することとなる組み合わせを、設定しないようになっている。具体的には、設定される組み合わせは、図9の(A)、(B)、及び(C)である。
【0074】
そして、図11のパターンでは、上記(i)、(ii)において、具体的に、a=1、b=2、c=2、d=3に設定されている。
【0075】
したがって、スリッター位置制御手段は、
(i)第1裁断装置部4Aにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の右辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第2裁ち屑CW2の左辺を裁断する位置に、
(ii)第2裁断装置部4Bにおいて、第1スリッター72を第2裁ち屑CW2の右辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第3裁ち屑CW3の左辺を裁断する位置に、
(iii)第3裁断装置部4Cにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の左辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第3裁ち屑CW3の右辺を裁断する位置に、
設定する。
【0076】
この設定によれば、第1裁ち屑CW1は図9の(C)の場合となり、第2裁ち屑CW2は図9の(A)の場合となり、第3裁ち屑CW3は図9の(B)の場合となる。
【0077】
また、ガイド部材位置制御手段は、裁断処理領域W1において最上流で発生した裁ち屑を、最上流の裁ち屑排除装置部によって排除するように、第1及び第2裁ち屑排除装置部3A、3Bの第1及び第2ガイド部材31、32の左右方向における位置を設定するようになっている。
【0078】
そして、図11のパターンでは、第3裁ち屑CW3が最上流(ここでは第2裁断装置部4B)で発生するので、ガイド部材位置制御手段は、
(iv)第1裁ち屑排除装置部3Aにおいて、第1ガイド部材31を第1裁ち屑CW1を排除する位置に、且つ、第2ガイド部材32を第3裁ち屑CW3を排除する位置に、
(v)第2裁ち屑排除装置部3Bにおいて、第1ガイド部材31を待機位置に、且つ、第2ガイド部材32を第2裁ち屑CW2を排除する位置に、
設定する。なお、上記(v)においては、第2ガイド部材32を待機位置に、且つ、第1ガイド部材31を第2裁ち屑CW2を排除する位置に、設定してもよい。また、上記(iv)において、第1ガイド部材31を第2裁ち屑CW2を排除する位置に設定するとともに、上記(v)において、第1又は第2ガイド部材31、32を第1裁ち屑CW1を排除する位置に設定してもよい。
【0079】
本実施形態においては、用紙100は、次のように加工される。
【0080】
用紙100は、まず、第3裁断装置部4Cへ搬送される。第3裁断装置部4Cに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74によって、実線A、Fに沿って即ち搬送方向に、裁断され、次の第2裁断装置部4Bへ搬送される。
【0081】
第2裁断装置部4Bに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74によって、実線D、Eに沿って即ち搬送方向に、裁断される。これにより、第3裁ち屑CW3が発生する。第3裁ち屑CW3を含む用紙100は、次の第1裁断装置部4Aへ搬送される。
【0082】
第1裁断装置部4Aに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74によって、実線B、Cに沿って即ち搬送方向に、裁断される。これにより、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2が発生する。そして、第1〜第3裁ち屑CW1〜CW3を含む用紙100は、次の第1裁ち屑排除装置部3A、更には第2裁ち屑排除装置部3Bへ搬送される。
【0083】
第1裁ち屑排除装置部3Aでは、第1ガイド部材31によって第1裁ち屑CW1が排除され、第2ガイド部材32によって第3裁ち屑CW3が排除される。次いで、第2裁ち屑排除装置部3Bでは、第2ガイド部材32によって第2裁ち屑CW2が排除される。
【0084】
こうして、用紙100から第1〜第3裁ち屑CW1〜CW3が排除された4個の成果片P1〜P4が、得られる。
【0085】
上記のような制御を行う本実施形態の用紙加工装置1によれば、次のような効果を発揮できる。
【0086】
(1)第1〜第3裁断装置部4A〜4Cの第1及び第2スリッター72、74が、図11に示されるように配置されるので、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2は、下流から1番目の第1裁断装置部4Aを通過したところで発生し、第3裁ち屑CW3は、下流から2番目の第2裁断装置部4Bを通過したところで発生する。すなわち、第1〜第3裁ち屑CW1〜CW3は、3台の裁断装置部による裁断処理領域W1において、できるだけ下流で発生する。そのため、裁断処理領域W1において発生した全ての裁ち屑が搬送される距離の総和は、図11において矢印W31で示されるように、1Lである。これに対して、従来の一例である図23に示される場合には、矢印W11、W21、W31で示されるように、1L+2L+1L=4Lである。したがって、本実施形態によれば、発生した裁ち屑の搬送距離をできるだけ短くできるので、裁ち屑が裁断処理領域W1を搬送されている間にジャムする危険性を、低減することができる。
【0087】
(2)第1裁ち屑CW1は、図9の(C)に示されるように、右辺側が下になるように傾いた状態で発生する。第2裁ち屑CW2は、図9の(A)に示されように、搬送経路20の下方で発生する。第3裁ち屑CW3は、図9の(B)に示されるように、左辺側が下になるように傾いた状態で発生する。それ故、第1〜第3裁ち屑CW1〜CW3は、少なくともその一部が搬送経路20より下方に位置しているので、第1及び第2ガイド部材31、32によって、搬送経路20より下方に案内されやすい。したがって、本実施形態によれば、第1〜第3裁ち屑CW1〜CW3を確実に下方に排除できる。
【0088】
(3)第3裁ち屑CW3は、第2裁断装置部4Bを通過したところで発生するので、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2より先に発生する。ところで、先に発生した裁ち屑は、後に発生した裁ち屑よりも、裁断処理領域W1において長く搬送されるので、更に下流の処理領域においては、できるだけ早く処理されるのが、好ましい。そして、本実施形態においては、第3裁ち屑CW3が、第1裁ち屑排除装置部3Aによって、早く排除される。したがって、本実施形態によれば、裁ち屑排除処理領域W2において裁ち屑がジャムする危険性を、低減することができる。これに対して、従来の一例である図23に示される場合には、長い距離を搬送されて来た第2裁ち屑CW2は、下流の第2裁ち屑排除装置部3Bで排除されるので、裁ち屑排除処理領域W2においてジャムする危険性が高い。
【0089】
(変形例)
(1)スリッター位置制御手段による設定において、a〜dの整数は、上述した場合に限るものではなく、表2に示される場合を採用できる。上述した図11の設定は、表2の「場合2」に該当する。なお、表2に示される場合においても、裁ち屑を排除しやすくするために、上流のスリッターと下流のスリッターの組み合わせは、図9の(A)〜(C)となるようにするのが好ましい。
【0090】
【表2】

【0091】
(2)裁断装置部が4台の場合には、図12に示されるように、第1〜第3裁断装置部4A〜4Cにおける第1及び第2スリッター72、74を、図11の場合と同じ位置に設定し、第4裁断装置部4Dの第1及び第2スリッター72、74を待機位置に設定すればよい。なお、裁断装置部が4台以上の場合も、同様である。
【0092】
(3)裁断装置部が4台の場合には、図13に示されるように、第1〜第4裁断装置部4A〜4Dにおける第1及び第2スリッター72、74の位置を、次のように設定してもよい。
(i)第1裁断装置部4Aにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の右辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第2裁ち屑CW2の左辺を裁断する位置に、
(ii)第2裁断装置部4Bにおいて、第1スリッター72を待機位置に、且つ、第2スリッター74を第3裁ち屑CW3の左辺を裁断する位置に、
(iii)第3裁断装置部4Cにおいて、第1スリッター72を待機位置に、且つ、第2スリッター74を第3裁ち屑CW3の右辺を裁断する位置に、
(iv)第4裁断装置部4Dにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の左辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第2裁ち屑CW2の右辺を裁断する位置に、
設定する。なお、上記(ii)〜(iv)においては、第2裁断装置部4Bにおいて、少なくとも一方のスリッターを第3裁ち屑CW3の辺を裁断する位置に設定し、第2〜第4裁断装置部4B〜4Dにおいて、各スリッターを下流の裁断装置部のスリッターとの組み合わせで裁ち屑が発生するように適切に配置するとともに、裁断に関与しないスリッターを待機位置に設定してもよい。裁断装置部が4台以上の場合も、同様である。
【0093】
[第3実施形態]
本実施形態は、第1実施形態に比して、裁ち屑の発生パターンが異なるだけである。
【0094】
本実施形態においては、図14に示されるように、裁断パターンは、実線A〜Dに沿って裁断して3個の成果片P1〜P3を得るパターンであり、裁ち屑の発生パターンは、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2が発生するパターンである。
【0095】
本実施形態においては、スリッター位置制御手段は、裁ち屑が搬送方向のできるだけ下流で発生するように、
(i)第1裁断装置部4Aにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の右辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第2裁ち屑CW2の左辺を裁断する位置に、
(ii)第2裁断装置部4Bにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の左辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を第2裁ち屑CW2の右辺を裁断する位置に、
(iii)第3裁断装置部4Cにおいて、第1及び第2スリッター72、74を共に待機位置に、
(iv)第4裁断装置部4Dにおいて、第1及び第2スリッター72、74を共に待機位置に、
設定する。なお、上記(i)及び(ii)においては、上記右辺を「左辺」に、且つ、上記左辺を「右辺」に、変更してもよい。
【0096】
この設定によれば、第1裁ち屑CW1は、図9の(C)の場合となり、第2裁ち屑CW2は、図9の(B)の場合となる。
【0097】
本実施形態においては、更に、ガイド部材位置制御手段は、裁断処理領域W1において発生した裁ち屑を、最上流の裁ち屑排除装置部によって排除するように、
(v)第1裁ち屑排除装置部3Aにおいて、第1ガイド部材31を第1裁ち屑CW1を排除する位置に、且つ、第2ガイド部材32を第2裁ち屑CW2を排除する位置に、
(vi)第2裁ち屑排除装置部3Bにおいて、第1及び第2ガイド部材31、32を共に待機位置に、
設定する。
【0098】
本実施形態においては、用紙100は、次のように加工される。
【0099】
用紙100は、まず、第4裁断装置部4Dへ搬送される。第4裁断装置部4Dに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74が待機位置にあるので、裁断されることなく、そのまま、次の第3裁断装置部4Cへ搬送される。
【0100】
第3裁断装置部4Cに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74が待機位置にあるので、裁断されることなく、そのまま、次の第2裁断装置部4Bへ搬送される。
【0101】
第2裁断装置部4Bに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74によって、実線A、Dに沿って即ち搬送方向に、裁断され、次の第1裁断装置部4Aへ搬送される。
【0102】
第1裁断装置部4Aに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74によって、実線B、Cに沿って即ち搬送方向に、裁断される。これにより、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2が発生する。そして、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2を含む用紙100は、次の第1裁ち屑排除装置部3A、更には第2裁ち屑排除装置部3Bへ搬送される。
【0103】
第1裁ち屑排除装置部3Aでは、第1ガイド部材31によって第1裁ち屑CW1が排除され、第2ガイド部材32によって第2裁ち屑CW2が排除される。そして、3個の成果片P1〜P3のみが、第2裁ち屑排除装置部3Bを通過する。
【0104】
こうして、用紙100から第1及び第2裁ち屑CW1、CW2が排除された3個の成果片P1〜P3が、得られる。
【0105】
上記のような制御を行う本実施形態の用紙加工装置1によれば、次のような効果を発揮できる。
【0106】
(1)第1〜第4裁断装置部4A〜4Dの第1及び第2スリッター72、74が、図14に示されるように配置されるので、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2は、下流から1番目の第1裁断装置部4Aを通過したところで発生する。すなわち、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2は、4台の裁断装置部による裁断処理領域W1において、できるだけ下流で発生する。そのため、裁断処理領域W1において発生した全ての裁ち屑が搬送される距離の総和は、図14に示されるように、0である。これに対して、従来の一例である図24に示される場合には、矢印W11、W21で示されるように、2L+2L=4Lである。したがって、本実施形態によれば、発生した裁ち屑の搬送距離をできるだけ短くできるので、裁ち屑が裁断処理領域W1を搬送されている間にジャムする危険性を、低減することができる。
【0107】
(2)第1裁ち屑CW1は、図9の(C)に示されるように、右辺側が下になるように傾いた状態で発生する。また、第2裁ち屑CW2は、図9の(B)に示されるように、左辺側が下になるように傾いた状態で発生する。それ故、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2は、一部が搬送経路20より下方に位置しているので、第1及び第2ガイド部材31、32によって、搬送経路20より下方に案内されやすい。したがって、本実施形態によれば、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2を確実に下方に排除できる。
【0108】
(3)第1及び第2裁ち屑CW1、CW2は、最上流にある第1裁ち屑排除装置部3Aによって、早く排除される。したがって、本実施形態によれば、裁ち屑排除処理領域W2において裁ち屑がジャムする危険性を、低減することができる。これに対して、従来の一例である図24に示される場合には、長い距離を搬送されて来た第1及び第2裁ち屑CW1、CW2は、下流の第2裁ち屑排除装置部3Bで排除されるので、裁ち屑排除処理領域W2においてジャムする危険性が高い。
【0109】
[第4実施形態]
本実施形態は、第1実施形態に比して、裁ち屑の発生パターンが異なるだけである。
【0110】
本実施形態においては、図15に示されるように、裁断パターンは、実線A、Bに沿って裁断して2個の成果片P1、P2を得るパターンであり、裁ち屑の発生パターンは、第1裁ち屑CW1のみが発生するパターンである。
【0111】
本実施形態においては、スリッター位置制御手段は、裁ち屑が搬送方向のできるだけ下流で発生するように、
(i)第1裁断装置部4Aにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の右辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を待機位置に、
(ii)第2裁断装置部4Bにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の左辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を待機位置に、
(iii)第3裁断装置部4Cにおいて、第1及び第2スリッター72、74を共に待機位置に、
(iv)第4裁断装置部4Dにおいて、第1及び第2スリッター72、74を共に待機位置に、
設定する。なお、上記(i)及び(ii)においては、上記右辺を「左辺」に、且つ、上記左辺を「右辺」に、変更してもよい。また、上記(i)及び/又は上記(ii)においては、第1スリッター72を待機位置に設定し、且つ、第2スリッター74を裁断する位置に設定してもよい。
【0112】
この設定によれば、第1裁ち屑CW1は、図9の(C)の場合となる。
【0113】
本実施形態においては、更に、ガイド部材位置制御手段は、裁断処理領域W1において発生した裁ち屑を、最上流の裁ち屑排除装置部によって排除するように、
(v)第1裁ち屑排除装置部3Aにおいて、第1ガイド部材31を第1裁ち屑CW1を排除する位置に、且つ、第2ガイド部材32を待機位置に、
(vi)第2裁ち屑排除装置部3Bにおいて、第1及び第2ガイド部材31、32を共に待機位置に、
設定する。なお、上記(v)においては、第2ガイド部材32を第1裁ち屑CW1を排除する位置に、且つ、第1ガイド部材31を待機位置に設定してもよい。
【0114】
本実施形態においては、用紙100は、次のように加工される。
【0115】
用紙100は、まず、第4裁断装置部4Dへ搬送される。第4裁断装置部4Dに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74が待機位置にあるので、裁断されることなく、そのまま、次の第3裁断装置部4Cへ搬送される。
【0116】
第3裁断装置部4Cに搬送された用紙100は、第1及び第2スリッター72、74が待機位置にあるので、裁断されることなく、そのまま、次の第2裁断装置部4Bへ搬送される。
【0117】
第2裁断装置部4Bに搬送された用紙100は、第1スリッター72によって、実線Aに沿って即ち搬送方向に、裁断され、次の第1裁断装置部4Aへ搬送される。
【0118】
第1裁断装置部4Aに搬送された用紙100は、第1スリッター72によって、実線Bに沿って即ち搬送方向に、裁断される。これにより、第1裁ち屑CW1が発生する。そして、第1裁ち屑CW1を含む用紙100は、次の第1裁ち屑排除装置部3A、更には第2裁ち屑排除装置部3Bへ搬送される。
【0119】
第1裁ち屑排除装置部3Aでは、第1ガイド部材31によって、第1裁ち屑CW1が排除される。そして、2個の成果片P1、P2のみが、第2裁ち屑排除装置部3Bを通過する。
【0120】
こうして、用紙100から第1裁ち屑CW1が排除された2個の成果片P1、P2が、得られる。
【0121】
上記のような制御を行う本実施形態の用紙加工装置1によれば、次のような効果を発揮できる。
【0122】
(1)第1〜第4裁断装置部4A〜4Dの第1及び第2スリッター72、74が、図15に示されるように配置されるので、第1裁ち屑CW1は、下流から1番目の第1裁断装置部4Aを通過したところで発生する。すなわち、第1裁ち屑CW1は、4台の裁断装置部による裁断処理領域W1において、できるだけ下流で発生する。そのため、裁断処理領域W1において発生した全ての裁ち屑が搬送される距離の総和は、0である。これに対して、従来の一例である図25では、矢印W11に示されるように、2Lである。したがって、本実施形態によれば、発生した裁ち屑の搬送距離をできるだけ短くできるので、裁ち屑が裁断処理領域W1を搬送されている間にジャムする危険性を、低減することができる。
【0123】
(2)第1裁ち屑CW1は、図9の(C)に示されるように、右辺側が下になるように傾いた状態で発生する。それ故、第1裁ち屑CW1は、一部が搬送経路20より下方に位置しているので、第1ガイド部材31によって、搬送経路20より下方に案内されやすい。したがって、本実施形態によれば、第1裁ち屑CW1を確実に下方に排除できる。
【0124】
(3)第1裁ち屑CW1は、最上流にある第1裁ち屑排除装置部3Aによって、早く排除される。したがって、本実施形態によれば、裁ち屑排除処理領域W2において裁ち屑がジャムする危険性を、低減することができる。これに対して、従来の一例である図25に示される場合には、長い距離を搬送されて来た第1裁ち屑CW1は、下流の第2裁ち屑排除装置部3Bで排除されるので、裁ち屑排除処理領域W2においてジャムする危険性が高い。
【0125】
(変形例)
スリッター位置制御手段は、裁ち屑が搬送方向のできるだけ下流で発生するように、且つ、第1裁ち屑CW1が図9の(A)の状態で発生するように、
(i)第1裁断装置部4Aにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の右辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を待機位置に、
(ii)第2裁断装置部4Bにおいて、第1スリッター72を待機位置に、且つ、第2スリッター74を第1裁ち屑CW1の左辺を裁断する位置に、
(iii)第3裁断装置部4Cにおいて、第1及び第2スリッター72、74を共に待機位置に、
(iv)第4裁断装置部4Dにおいて、第1及び第2スリッター72、74を共に待機位置に、
設定してもよい。なお、上記(i)において、第1スリッター72を待機位置に、且つ、第2スリッター74を第1裁ち屑CW1の左辺を裁断する位置に、設定し、且つ、上記(ii)において、第1裁ち屑CW1の右辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッター74を待機位置に、設定してもよい。
【0126】
[第5実施形態]
本実施形態は、第3実施形態に比して、裁断装置部のスリッターが1個である点が異なるだけである。ここでは、第1スリッター72のみを有する裁断装置部を用いている。
【0127】
本実施形態においては、図16に示されるように、裁断パターンは、実線A〜Dに沿って裁断して3個の成果片P1〜P3を得るパターンであり、裁ち屑の発生パターンは、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2が発生するパターンである。
【0128】
本実施形態においては、スリッター位置制御手段は、裁ち屑が搬送方向のできるだけ下流で発生するように、
(i)第1裁断装置部4Aにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の右辺を裁断する位置に、
(ii)第2裁断装置部4Bにおいて、第1スリッター72を第2裁ち屑CW2の右辺を裁断する位置に、
(iii)第3裁断装置部4Cにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の左辺を裁断する位置に、
(iv)第4裁断装置部4Dにおいて、第1スリッター72を第2裁ち屑CW2の左辺を裁断する位置に、
設定する。なお、上記(i)〜(iv)においては、上記右辺を「左辺」に、且つ、上記左辺を「右辺」に、変更してもよい。また、上記(i)〜(iv)においては、第1裁ち屑CW1を「第2裁ち屑CW2」に、且つ、第2裁ち屑CW2を「第1裁ち屑CW1」に、変更してもよい。
【0129】
この設定によれば、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2は、図9の(C)の場合となる。
【0130】
本実施形態においては、更に、ガイド部材位置制御手段は、裁断処理領域W1において最上流で発生した裁ち屑を、最上流の裁ち屑排除装置部によって排除するように、
(v)第1裁ち屑排除装置部3Aにおいて、第1ガイド部材31を第1裁ち屑CW1を排除する位置に、且つ、第2ガイド部材32を第2裁ち屑CW2を排除する位置に、
(vi)第2裁ち屑排除装置部3Bにおいて、第1及び第2ガイド部材31、32を共に待機位置に、
設定する。
【0131】
本実施形態においては、用紙100は、次のように加工される。
【0132】
用紙100は、まず、第4裁断装置部4Dへ搬送される。第4裁断装置部4Dに搬送された用紙100は、第1スリッター72によって、実線Cに沿って即ち搬送方向に、裁断され、次の第3裁断装置部4Cへ搬送される。
【0133】
第3裁断装置部4Cに搬送された用紙100は、第1スリッター72によって、実線Aに沿って即ち搬送方向に、裁断され、次の第2裁断装置部4Bへ搬送される。
【0134】
第2裁断装置部4Bに搬送された用紙100は、第1スリッター72によって、実線Dに沿って即ち搬送方向に、裁断される。これにより、第2裁ち屑CW2が発生する。そして、第2裁ち屑CW2を含む用紙100は、次の第1裁断装置部4Aへ搬送される。
【0135】
第1裁断装置部4Aに搬送された用紙100は、第1スリッター72によって、実線Bに沿って即ち搬送方向に、裁断される。これにより、第1裁ち屑CW1が発生する。そして、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2を含む用紙100は、次の第1裁ち屑排除装置部3A、更には第2裁ち屑排除装置部3Bへ搬送される。
【0136】
第1裁ち屑排除装置部3Aでは、第1ガイド部材31によって第1裁ち屑CW1が排除され、第2ガイド部材32によって第2裁ち屑CW2が排除される。そして、3個の成果片P1〜P3のみが、第2裁ち屑排除装置部3Bを通過する。
【0137】
こうして、用紙100から第1及び第2裁ち屑CW1、CW2が排除された3個の成果片P1〜P3が、得られる。
【0138】
上記のような制御を行う本実施形態の用紙加工装置1によれば、次のような効果を発揮できる。
【0139】
(1)第1〜第4裁断装置部4A〜4Dの第1スリッター72が、図16に示されるように配置されるので、第1裁ち屑CW1は、下流から1番目の第1裁断装置部4Aを通過したところで発生し、また、第2裁ち屑CW2は、下流から2番目の第2裁断装置部4Bを通過したところで発生する。すなわち、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2は、4台の裁断装置部による裁断処理領域W1において、できるだけ下流で発生する。そのため、裁断処理領域W1において発生した全ての裁ち屑が搬送される距離の総和は、図16において矢印W21で示されるように、1Lである。これに対して、従来の一例である図26に示される場合には、矢印W21で示されるように、2Lである。したがって、本実施形態によれば、発生した裁ち屑の搬送距離をできるだけ短くできるので、裁ち屑が裁断処理領域W1を搬送されている間にジャムする危険性を、低減することができる。
【0140】
(2)第1及び第2裁ち屑CW1、CW2は、図9の(C)に示されるように、右辺側が下になるように傾いた状態で発生する。それ故、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2は、一部が搬送経路20より下方に位置しているので、第1及び第2ガイド部材31、32によって、搬送経路20より下方に案内されやすい。したがって、本実施形態によれば、第1及び第2裁ち屑CW1、CW2を確実に下方に排除できる。
【0141】
(3)最上流で発生した第2裁ち屑CW2は、第1裁ち屑CW1と共に、最上流にある第1裁ち屑排除装置部3Aによって、早く排除される。したがって、本実施形態によれば、裁ち屑排除処理領域W2において裁ち屑がジャムする危険性を、低減することができる。これに対して、従来の一例である図26に示される場合には、長い距離を搬送されて来た第2裁ち屑CW2は、下流の第2裁ち屑排除装置部3Bで排除されるので、裁ち屑排除処理領域W2においてジャムする危険性が高い。
【0142】
(変形例)
裁断装置部としては、第2スリッター74のみを有するものを用いてもよい。
【0143】
[第6実施形態]
本実施形態は、第4実施形態に比して、裁断装置部のスリッターが1個である点が異なるだけである。ここでは、第1スリッター72のみを有していることとする。
【0144】
本実施形態においては、図17に示されるように、裁断パターンは、実線A、Bに沿って裁断して2個の成果片P1、P2を得るパターンであり、裁ち屑の発生パターンは、第1裁ち屑CW1のみが発生するパターンである。
【0145】
本実施形態においては、スリッター位置制御手段は、裁ち屑が搬送方向のできるだけ下流で発生するように、
(i)第1裁断装置部4Aにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の右辺を裁断する位置に、
(ii)第2裁断装置部4Bにおいて、第1スリッター72を第1裁ち屑CW1の左辺を裁断する位置に、
(iii)第3裁断装置部4Cにおいて、第1スリッター72を待機位置に、
(iv)第4裁断装置部4Dにおいて、第1スリッター72を待機位置に、
設定する。なお、上記(i)及び(ii)においては、上記右辺を「左辺」に、且つ、上記左辺を「右辺」に、変更してもよい。
【0146】
この設定によれば、第1裁ち屑CW1は、図9の(C)の場合となる。
【0147】
本実施形態においては、更に、ガイド部材位置制御手段は、裁断処理領域W1において発生した裁ち屑を、最上流の裁ち屑排除装置部によって排除するように、
(v)第1裁ち屑排除装置部3Aにおいて、第1ガイド部材31を第1裁ち屑CW1を排除する位置に、且つ、第2ガイド部材32を待機位置に、
(vi)第2裁ち屑排除装置部3Bにおいて、第1及び第2ガイド部材31、32を共に待機位置に、
設定する。なお、上記(v)においては、第1ガイド部材31を待機位置に、且つ、第2ガイド部材32を第1裁ち屑CW1を排除する位置に、設定してもよい。
【0148】
本実施形態においては、用紙100は、次のように加工される。
【0149】
用紙100は、まず、第4裁断装置部4Dへ搬送される。第4裁断装置部4Dに搬送された用紙100は、第1スリッター72が待機位置にあるので、裁断されることなく、そのまま、次の第3裁断装置部4Cへ搬送される。
【0150】
第3裁断装置部4Cに搬送された用紙100は、第1スリッター72が待機位置にあるので、裁断されることなく、そのまま、次の第2裁断装置部4Bへ搬送される。
【0151】
第2裁断装置部4Bに搬送された用紙100は、第1スリッター72によって、実線Aに沿って即ち搬送方向に、裁断され、次の第1裁断装置部4Aへ搬送される。
【0152】
第1裁断装置部4Aに搬送された用紙100は、第1スリッター72によって、実線Bに沿って即ち搬送方向に、裁断される。これにより、第1裁ち屑CW1が発生する。そして、第1裁ち屑CW1を含む用紙100は、次の第1裁ち屑排除装置部3A、更には第2裁ち屑排除装置部3Bへ搬送される。
【0153】
第1裁ち屑排除装置部3Aでは、第1ガイド部材31によって、第1裁ち屑CW1が排除される。そして、2個の成果片P1、P2のみが、第2裁ち屑排除装置部3Bを通過する。
【0154】
こうして、用紙100から第1裁ち屑CW1が排除された2個の成果片P1、P2が、得られる。
【0155】
上記のような制御を行う本実施形態によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)第1〜第4裁断装置部4A〜4Dの第1スリッター72が、図17に示されるように配置されるので、第1裁ち屑CW1は、下流から1番目の第1裁断装置部4Aを通過したところで発生する。すなわち、第1裁ち屑CW1は、4台の裁断装置部による裁断処理領域W1において、できるだけ下流で発生する。そのため、裁断処理領域W1において発生した全ての裁ち屑が搬送される距離の総和は、図17に示されるように、0である。これに対して、従来の一例である図27に示される場合には、矢印W11で示されるように、2Lである。したがって、本実施形態によれば、発生した裁ち屑の搬送距離をできるだけ短くできるので、裁ち屑が裁断処理領域W1を搬送されている間にジャムする危険性を、低減することができる。
【0156】
(2)第1裁ち屑CW1は、図9の(C)に示されるように、右辺側が下になるように傾いた状態で発生する。それ故、第1裁ち屑CW1は、一部が搬送経路20より下方に位置しているので、第1ガイド部材31によって、搬送経路20より下方に案内されやすい。したがって、本実施形態によれば、第1裁ち屑CW1を確実に下方に排除できる。
【0157】
(3)第1裁ち屑CW1は、最上流にある第1裁ち屑排除装置部3Aによって、早く排除される。したがって、本実施形態によれば、裁ち屑排除処理領域W2において裁ち屑がジャムする危険性を、低減することができる。これに対して、従来の一例である図27に示される場合には、長い距離を搬送されて来た第1裁ち屑CW1は、下流の第2裁ち屑排除装置部3Bで排除されるので、裁ち屑排除処理領域W2においてジャムする危険性が高い。
【0158】
(変形例)
裁断装置部としては、第2スリッター74のみを有するものを用いてもよい。
【0159】
[他の実施形態]
(1)図18に示されるように、裁断装置部として、図4に示される裁断装置部とは左右のスリッターが逆であるものを、用いてもよい。図18においては、左側に第2スリッター74が位置しており、右側に第1スリッター72が位置している。
【0160】
(2)裁断装置部を5台以上備えてもよい。また、裁ち屑排除装置部を3台以上備えてもよい。このような場合において、裁ち屑の発生パターンが図8の場合と同じである場合には、搬送方向の下流から1番目及び2番目の裁断装置部の第1及び第2スリッターを、第1実施形態の場合と同じ配置に設定し、3番目以降の裁断装置部の第1及び第2スリッターを、1番目及び2番目の裁断装置部の第1及び第2スリッターとの組み合わせで裁ち屑が発生するように適切に配置するとともに、裁断に関与しないスリッターを待機位置に設定すればよい。
【0161】
例えば、図19に示される用紙加工装置1は、第1及び第2スリッター72、74を有する5台の裁断装置部4A〜4Eを備え、且つ、第1及び第2ガイド部材31、32を有する3台の裁ち屑排除装置部3A〜3Cを備えている。図19の装置1において、裁ち屑の発生パターンが図8の場合と同じである場合には、各裁断装置部4A〜4Eの第1及び第2スリッター72、74及び各裁ち屑排除装置部3A〜3Cの第1及び第2ガイド部材31、32の配置は、次のように設定してもよい。
(2-1)第1及び第2裁断装置部4A、4Bの第1及び第2スリッター72、74を第1実施形態の第1及び第2裁断装置部4A、4Bと同様の位置に設定する。
(2-2)第3裁断装置部4Cの第1及び第2スリッター72、74を共に待機位置に設定し、第4及び第5裁断装置部4D、4Eの第1及び第2スリッター72、74を第1実施形態の第3及び第4裁断装置部4C、4Dと同様の位置に設定する。又は、図20に示されるように、第3〜第5裁断装置部4C〜4Eの第1及び第2スリッター72、74を用いて、第1実施形態の第3及び第4裁断装置部4C、4Dの第1及び第2スリッター72、74の配置を実現する。
(2-3) 裁ち屑排除処理領域W2では、裁ち屑を早く排除するのが好ましいので、第1及び第2裁ち屑排除装置部3A、3Bの第1及び第2ガイド部材31、32を第1実施形態の第1及び第2裁ち屑排除装置部3A、3Bと同様の位置に設定し、第3裁ち屑排除装置部3Cの第1及び第2ガイド部材31、32を共に待機位置に設定する。
【0162】
(3)図21に示されるように、用紙加工装置1は、第1及び第2スリッター72、74を有する6台の裁断装置部4A〜4Fを備え、また、第1及び第2ガイド部材31、32を有する3台の裁ち屑排除装置部3A〜3Cを備えてもよい。図21に示されるように、裁断パターンが、実線A〜Lに沿って裁断して7個の成果片P1〜P7を得るパターンであり、裁ち屑の発生パターンが、第1〜第6裁ち屑CW1〜CW6を左右方向に順に並んで且つ成果片P1〜P7と交互に発生するパターンである場合には、裁断装置部4A〜4Fの第1及び第2スリッター72、74と、裁ち屑排除装置部3A〜3Cの第1及び第2ガイド部材31、32と、の配置は、第1実施形態の「場合22」と類似した配置とすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明の用紙加工装置は、発生した裁ち屑がジャムする危険性を、低減できるので、産業上の利用価値が大なるものである。
【符号の説明】
【0164】
1 用紙加工装置 3A、3B 第1、第2裁ち屑排除装置部 31、32 第1、第2ガイド部材 4A〜4F 第1〜第6裁断装置部 72、74 第1、第2スリッター CW1〜CW6 第1〜第6裁ち屑

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送しながら用紙に加工を施す用紙加工装置において、
用紙を搬送方向に裁断する裁断装置部を、搬送方向に並べて、3台以上備えており、
各裁断装置部は、上回転刃と下回転刃とを摺り合わせて用紙を搬送方向に裁断するスリッターと、スリッターを、上記搬送方向に対する直交方向の任意の位置に移動させる、スリッター移動機構と、を有しており、
搬送方向の上流側の裁断装置部のスリッターと下流側の裁断装置部のスリッターとによる裁断によって、裁ち屑を発生させるようになっており、
発生する裁ち屑の発生パターンを予め記憶する、裁ち屑記憶手段を、備えており、
各裁断装置部のスリッターの位置を所定の設定位置とするように、スリッター移動機構を制御する、スリッター位置制御手段を、備えており、
スリッター位置制御手段は、上記搬送方向の、より下流側の裁断装置部による裁断によって、裁ち屑が発生するように、裁ち屑記憶手段の上記発生パターンに基づいて、各裁断装置部のスリッターの上記直交方向における位置を設定するようになっている、
ことを特徴とする用紙加工装置。
【請求項2】
スリッター位置制御手段は、搬送方向の下流から1番目の裁断装置部のスリッターの位置を、裁ち屑の辺を裁断する位置に設定するようになっている、
請求項1記載の用紙加工装置。
【請求項3】
スリッターが、上記直交方向において、一方側に位置する第1スリッターと他方側に位置する第2スリッターと、であり、
第1スリッターと第2スリッターとは、上記直交方向における両回転刃の位置関係が逆となっており、
スリッター移動機構は、第1スリッター及び第2スリッターのそれぞれを、上記直交方向の任意の位置に移動させるようになっており、
スリッター位置制御手段は、裁ち屑の上記発生パターンが少なくとも第1及び第2裁ち屑が発生するパターンである場合に、搬送方向の下流から1番目の裁断装置部において、第1スリッターを第1裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッターを第2裁ち屑の辺を裁断する位置に、設定するようになっている、
請求項1又は2に記載の用紙加工装置。
【請求項4】
裁断装置部が4台以上であり、
スリッター位置制御手段は、裁ち屑の上記発生パターンが第1〜第4裁ち屑が上記直交方向に順に並んで且つ成果片と交互に発生するパターンである場合に、少なくとも、
(i)搬送方向の下流から1番目の裁断装置部において、第1スリッターを第a裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッターを第b裁ち屑の辺を裁断する位置に、
(ii)搬送方向の下流から2番目の裁断装置部において、第1スリッターを第c裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッターを第d裁ち屑の辺を裁断する位置に、
設定するようになっており、
a〜dは、1〜4の任意の整数であり且つ互いに異なる整数であり、a<bであり、c<dである、
請求項3記載の用紙加工装置。
【請求項5】
裁断装置部が3台であり、
スリッター位置制御手段は、裁ち屑の上記発生パターンが第1〜第3裁ち屑が上記直交方向に順に並んで且つ成果片と交互に発生するパターンである場合に、少なくとも、
(i)搬送方向の下流から1番目の裁断装置部において、第1スリッターを第a裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッターを第b裁ち屑の辺を裁断する位置に、
(ii)搬送方向の下流から2番目の裁断装置部において、第1スリッターを第c裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッターを第d裁ち屑の辺を裁断する位置に、
設定するようになっており、
a〜dは、1〜3の任意の整数であり且つ同じ整数を2個のみ含んでおり、a<bであり、c<dである、
請求項3記載の用紙加工装置。
【請求項6】
裁断装置部が4台以上であり、
スリッター位置制御手段は、裁ち屑の上記発生パターンが第1〜第3裁ち屑が上記直交方向に順に並んで且つ成果片と交互に発生するパターンである場合に、少なくとも、
(i)搬送方向の下流から1番目の裁断装置部において、第1スリッターを第a裁ち屑の辺を裁断する位置に、且つ、第2スリッターを第b裁ち屑の辺を裁断する位置に、
(ii)搬送方向の下流から2番目の裁断装置部において、第1スリッター又は第2スリッターを第c裁ち屑の辺を裁断する位置に、
設定するようになっており、
a〜cは、1〜3の任意の整数であり且つ互いに異なる整数であり、a<bである、
請求項3記載の用紙加工装置。
【請求項7】
スリッター位置制御手段は、裁ち屑を発生させる、上流側の裁断装置部のスリッターと下流側の裁断装置部のスリッターとの組み合わせにおいて、両者の上回転刃が発生する裁ち屑に対して下回転刃より外側に位置することとなる組み合わせを、設定しないようになっている、
請求項4〜6のいずれか一項に記載の用紙加工装置。
【請求項8】
裁ち屑を下方に排除する裁ち屑排除装置部を、搬送方向の最下流の裁断装置部より下流に、搬送方向に並べて、2台以上備えており、
各裁ち屑排除装置部は、裁ち屑を下向きに案内するガイド部材と、ガイド部材を、上記直交方向の任意の位置に移動させる、ガイド部材移動機構と、を有しており、
ガイド部材が、上記直交方向において、一方側に位置する第1ガイド部材と他方側に位置する第2ガイド部材と、であり、
ガイド部材移動機構は、第1及び第2ガイド部材のそれぞれを、上記直交方向の任意の位置に移動させるようになっており、
各裁ち屑排除装置部の第1及び第2ガイド部材の位置を所定の設定位置とするように、ガイド部材移動機構を制御する、ガイド部材位置制御手段を、備えており、
ガイド部材位置制御手段は、最上流で発生した裁ち屑を最上流の裁ち屑排除装置部によって排除するように、裁ち屑記憶手段の上記発生パターンに基づいて、各裁ち屑排除装置部における第1及び第2ガイド部材の上記直交方向における位置を設定するようになっている、
請求項3〜7のいずれか一項に記載の用紙加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−91278(P2012−91278A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240929(P2010−240929)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(390002129)デュプロ精工株式会社 (351)
【Fターム(参考)】