説明

用紙向き検出装置及び用紙向き検出方法

【課題】折り畳まれたり綴じられたりした用紙をその向きを揃えて重ねる場合に、逆向きとなった用紙を人手によらずに検出する。
【解決手段】複数の紙片部が重ね合わされて構成され、複数の紙片部間を開放していない第1の辺部と、第1の辺部と対向し、複数の紙片部のうち少なくとも一部の紙片部間を開放している第2の辺部とを有する複数の用紙を表裏から挟み込むV字型の押さえ部材10a,10bと、押さえ部材10a,10bに挟み込まれた複数の用紙に対して、複数の用紙のうち所定の向きに重ね合わされた用紙の第1の辺部側から押さえ部材10a,10bによって挟み込まれた領域に空気を吹き付けるエアー供給器61及びエアー供給ノズル62とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳まれたり綴じられたりした用紙をその向きを揃えて重ねる場合に、逆向きとなった用紙を検出する用紙向き検出装置及び用紙向き検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、クレジットカードや携帯電話の利用明細書は、所定の用紙に利用明細情報が印字され、封筒に封入されて利用者に発送されている。また、利用明細書を発送するクレジットカード会社や携帯電話会社においては、広告情報が掲載されたチラシを利用明細書とともに封筒に封入して利用者に発送することも行われている。
【0003】
このように封筒に封入される利用明細書やチラシは、その大きさが封入される封筒よりも大きいため、折り畳まれた状態で封筒に封入されることになるが、利用者が封筒からこれらを取り出した際に、利用明細書に印字された利用明細情報や、チラシに掲載された広告情報を見やすくするために、その向きを揃えておく必要がある。また、利用明細書においては、窓開き封筒に封入され、その一部となる宛先情報が印字された領域が封筒の窓部から表出するようにする場合は、封入される利用明細書の向きが正しくないと、宛先情報が封筒の窓部から表出せず、利用明細書が利用者に届かなくなってしまう等といった不具合が生じる。
【0004】
また、広告情報が掲載された複数の印刷物が封筒に封入されてなるダイレクトメールやビジネスメールにおいても、その送付先において印刷物を封筒から取り出した際に広告情報を見やすくするために、印刷物の向きを揃えておく必要がある。
【0005】
上述したような複数の印刷物を1つの封筒に同封する場合は、同封される複数の印刷物がフィーダから1枚ずつフィードされて順次重ね合わされ、封筒に封入される。そのため、印刷物を1枚ずつフィードするフィーダのそれぞれには、フィードされる印刷物が折り畳まれた状態で供給されることになる。この際、同一種類の印刷物は、情報が印字されて折り畳まれた後、複数毎が重ね合わされてフィーダに供給されることになるが、折り畳まれた印刷物が複数毎重ね合わされると、折り部によって傾きが生じてしまうため、その向きが所定枚数毎に互い違いとなるように重ね合わされてフィーダに供給されることになる。そのため、重ね合わされた印刷物が実際にフィーダにかけられる前に作業者が印刷物の向きを揃える作業を行い、それにより、1つの封筒に封入される印刷物の向きが揃えられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したように、その向きが所定枚数毎に互い違いとなるように重ね合わされた印刷物が、実際にフィーダにかけられる前に作業者によってその向きが揃えられる場合は、印刷物の向きを揃える作業が人手による作業であるため、向きが揃っていない印刷物が存在してしまう虞れがある。そのため、印刷物の向きを揃えた際に、向きが揃っていない印刷物があるかどうかを作業者が目視で確認することが行われているが、これも人手による作業であるため、見落としが生じてしまう虞れがある。
【0007】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、折り畳まれたり綴じられたりした用紙をその向きを揃えて重ねる場合に、逆向きとなった用紙を人手によらずに検出することができる用紙向き検出装置及び用紙向き検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、
複数の紙片部が重ね合わされて構成され、前記複数の紙片部間を開放していない第1の辺部と、前記第1の辺部と対向し、前記複数の紙片部のうち少なくとも一部の紙片部間を開放している第2の辺部とを有する複数の用紙が、所定の向きになるように重ね合わされた場合に、前記重ね合わされた複数の用紙の中から前記所定の向きに対して前記第1の辺部と前記第2の辺部とが逆になるように逆向きに重ね合わされた用紙を検出する用紙向き検出装置であって、
前記重ね合わされた複数の用紙を表裏から挟み込む一対の押さえ部材と、
前記一対の押さえ部材に挟み込まれた前記複数の用紙に対して、該複数の用紙のうち所定の向きに重ね合わされた用紙の前記第1の辺部側から前記押さえ部材によって挟み込まれた領域に空気を吹き付ける空気吹付手段とを有し、
前記一対の押さえ部材はそれぞれ、前記複数の用紙面に平行に、かつ、前記空気吹付手段からの空気の吹き付け方向に直交する方向に並んだ2つの平板部から構成され、該2つの平板部の当該2つの平板部が並ぶ方向外側の領域が前記複数の用紙に接し、当該2つの平板部が並ぶ方向内側の領域が前記複数の用紙との間に空隙を有するように前記複数の用紙の挟み込む面に対して傾斜して配置されている。
【0009】
上記のように構成された本発明においては、重ね合わされた複数の用紙が一対の押さえ部材によって表裏から挟み込まれた状態で、この複数の用紙に対して、複数の用紙のうち所定の向きに重ね合わされた用紙の第1の辺部側から押さえ部材によって挟み込まれた領域に空気が吹き付けられると、所定の向きに重ね合わされた用紙においては、空気が吹き付けられる側が、用紙を構成する複数の紙片部間が開放されていない第1の辺部となっているため、空気が用紙の表裏を通って反対側に抜け、吹き付けられた空気によって空気が吹き付けられる側とは反対側に飛び出すことはない。一方、所定の向きとは逆向きに重ね合わされた用紙においては、空気が吹き付けられる側が、用紙を構成する複数の紙片部のうち少なくとも一部の紙片部間が開放された第2の辺部となっているため、吹き付けられた空気が、開放された紙片部間に入り込んで複数の紙片部間が開放されていない第1の辺部に突き当たり、それにより、吹き付けられた空気によって空気が吹き付けられる側とは反対側に飛び出す。
【0010】
これにより、重ね合わされた複数の用紙のうち、所定の方向とは逆向きに重ね合わされた用紙のみが、空気が吹き付けられる側とは反対側に飛び出すこととなり、折り畳まれたり綴じられたりした用紙をその向きを揃えて重ねる場合に、逆向きとなった用紙を検出することができる。またこの際、複数の用紙を表裏から挟み込む一対の押さえ部材のそれぞれが、複数の用紙面に平行に、かつ、空気吹付手段からの空気の吹き付け方向に直交する方向に並んだ2つの平板部から構成され、2つの平板部のうち2つの平板部が並ぶ方向外側の領域が複数の用紙に接し、2つの平板部が並ぶ方向内側の領域が複数の用紙との間に空隙を有するように複数の用紙の挟み込む面に対して傾斜して配置されているので、この押さえ部材によって複数の用紙に局所的に圧力が加わることがなく、それにより、複数の用紙間に過度の摩擦が生じず、また、空気吹付手段から複数の用紙に空気が吹き付けられた際、2つの平板部が並ぶ方向内側と複数の用紙との間の空隙にて複数の用紙が広がり、それにより、所定の向きとは逆向きに重ね合わされた用紙と所定の向きに重ね合わされた用紙とがその領域で離れることになり、所定の向きとは逆向きに重ね合わされた用紙が空気吹付手段から吹き付けられた空気によって空気が吹き付けられる側とは反対側に飛び出しやすくなる。
【0011】
また、一対の押さえ部材に挟み込まれた複数の用紙の一方の表出面のうち押さえ部材によって挟み込まれる領域以外の一部に当接する当接面に対して、一対の押さえ部材に挟み込まれた複数の用紙を押し付ければ、空気吹付手段から吹き付けられた空気によって空気が吹き付けられる側とは反対側に飛び出した用紙が、空気吹付手段から空気が吹き付けられない状態となった後に重力等によって元の状態に戻ってしまう可能性を低減することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明においては、重ね合わされた複数の用紙を表裏から挟み込む一対の押さえ部材と、一対の押さえ部材に挟み込まれた複数の用紙に対して、複数の用紙のうち所定の向きに重ね合わされた用紙の複数の紙片部間を開放していない第1の辺部側から押さえ部材によって挟み込まれた領域に空気を吹き付ける空気吹付手段とを有し、一対の押さえ部材がそれぞれ2つの平板部から構成され、この2つの平板部の2つの平板部が並ぶ方向外側の領域が複数の用紙に接し、2つの平板部が並ぶ方向内側の領域が複数の用紙との間に空隙を有するように複数の用紙の挟み込む面に対して傾斜して配置されている構成としたため、空気吹付手段から複数の用紙が重ね合わされた紙束に空気が吹き付けられた場合、複数の用紙のうち、所定の方向とは逆向きに重ね合わされた用紙のみが、空気が吹き付けられる側とは反対側に飛び出すこととなり、折り畳まれたり綴じられたりした用紙をその向きを揃えて重ねる場合に、逆向きとなった用紙を人手によらずに検出することができ、さらにその際、所定の方向とは逆向きに重ね合わされた用紙を飛び出しやすくすることができる。
【0013】
また、一対の押さえ部材に挟み込まれた複数の用紙の一方の表出面のうち押さえ部材によって挟み込まれる領域以外の一部に当接する当接面と、当接面に対向して設けられ、一対の押さえ部材に挟み込まれた複数の用紙を当接面に対して押し付ける押し付け部材とを有するものにおいては、空気吹付手段から吹き付けられた空気によって飛び出した用紙が、空気吹付手段から空気が吹き付けられない状態となった後に重力等によって元の状態に戻ってしまう可能性を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の用紙向き検出装置の実施の一形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図である。また、図2は、図1に示したエアー供給ノズル62の詳細な構造を示す図である。
【0016】
本形態は図1に示すように、重ね合わされた複数枚の用紙が載置される載置台30と、載置台30上にて互いに対向して配置された2つの端面支え部材20a,20bと、載置台30上にて2つの端面支え部材20a,20bを結ぶ線と直交する方向にて互いに対向して配置された2つの押さえ部材10a,10bと、載置台30上に載置された複数の用紙に対して空気を吹き付ける空気吹付手段を構成するエアー供給器61及びエアー供給ノズル62と、載置台30の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域に載置された用紙がエアー供給ノズル62から吹き付けられる空気によって持ち上げられて上方に飛び出した場合にその旨を検出する光学センサ51と、用紙が持ち上げられた旨が光学センサ51にて検出された場合に点灯するパトライト52と、光学センサ51における検出結果に基づいてパトライト52を点灯させる制御器53とから構成されている。
【0017】
端面支え部材20a,20bは、互いに重ね合わされ、載置台30の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域に載置された複数の用紙の端面を支えるものであって、コの字型を有し、コの字型の1つの面が、重ね合わされた複数の用紙の一方の表出面の一部に当接する当接面21a,21bとなる。また、当接面21a,21bに対向する面には、当接面21a,21bに当接した紙束を当接面21a,21bに対して弾性力によって押し付ける押し付け部材である押し付けばね22a,22bが取り付けられている。なお、押し付け部材としては、当接面21a,21bに当接した紙束を当接面21a,21bに対して弾性力によって押し付ける押し付けばね22a,22bではなく、空気圧やモータ等を利用することも考えられる。この端面支え部材20a,20bは、載置台30上に載置される用紙の大きさに合わせて互いの間隔を調節できるように移動自在に構成されている。
【0018】
押さえ部材10a,10bはそれぞれ、2つの端面支え部材20a,20bを結ぶ方向に並んだ2つの平板部11a,12a及び11b,12bから構成されている。この平板部11aと平板部12a、並びに平板部11bと平板部12bは、互いに連結しており、連結部分が2つの押さえ部材10a,10bが離れる方向に突出したV字形状となっている。このような平板部11a,12aの角度は、支持板15aに取り付けられた角度調節部14aによって調節され、また、平板部11b,12bの角度は、支持板15bに取り付けられた角度調節部14bによって調節されている。この角度調節部14a,14bを用いることにより、載置台30の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域に載置された複数の用紙の種類等に応じて、平板部11a,12a及び11b,12bの角度を調節することができる。また、2つの押さえ部材10a,10bのうち一方の押さえ部材10aは、載置台30に取り付けられた調節用ハンドル13を回すことによって、押さえ部材10bとの間隔が調節可能となっている。
【0019】
載置台30には、2つの押さえ部材10a,10bが対向する領域に表裏貫通した穴部31が形成されている。
【0020】
光学センサ51は、一対のセンサからなり、一方から照射された光が他方にて受光されているかどうかによって一対のセンサ間に物体が存在するかどうかを検出するものであって、載置台30の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域に用紙が載置された状態ではセンサ間に用紙が存在せず、載置台30の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域に載置された用紙がエアー供給ノズル62から吹き付けられる空気によって持ち上げられた場合にその用紙がセンサ間に存在するような位置に配置されている。
【0021】
エアー供給ノズル62は、エアー供給器61から供給された空気を排出するものであって、載置台30の穴部31に対向する領域に配置されており、それにより、エアー供給器61から供給された空気を載置台30の穴部31が形成された領域に対して吹き付ける。そして、載置台30の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域に載置された用紙の重ね合わせ方向に支持軸63によって穴部31に対向しながら移動可能に構成されている。また、図2に示すように、エアー供給ノズル62はその先端部が複数のエアー吹出口64からなり、複数のエアー吹出口64は、載置台30の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域に載置された用紙の重ね合わせ方向に直交する方向に配列されている。
【0022】
以下に、上記のように構成された用紙向き検出装置1を用いて、所定の向きに重ね合わされた複数の用紙の中から所定の向きとは逆向きに重ね合わされた用紙を検出する際の動作について説明する。
【0023】
まず、上記のように構成された用紙向き検出装置1にて向きを検出可能な用紙について説明する。
【0024】
図3は、図1に示した用紙向き検出装置1にて向きを検出可能な用紙の一例を示す図であり、(a)は外観図、(b)は積層構造を示す図である。
【0025】
図1に示した用紙向き検出装置1にて向きを検出可能な用紙としては、例えば、図3に示すように、折り部41cを介して2つの紙片部41a,41bが連続してなる紙片41と、折り部42cを介して2つの紙片部42a,42bが連続してなる紙片42と、折り部43cを介して2つの紙片部43a,43bが連続してなる紙片43とが、折り部41c〜43cにて粘着剤44によって互いに貼着されて綴じられ、折り部41c〜43cにて折り畳まれて構成されたチラシ40が挙げられる。このチラシ40は、上述したような構成によって、複数の紙片部41a,41b,42a,42b,43a,43bが重ね合わされて構成され、折り部41c〜43c側の辺部が第1の辺部となって紙片部41a,41b,42a,42b,43a,43b間が開放されておらず、かつ、紙片部41a,41b,42a,42b,43a,43bの折り部41c〜43cに対向する辺部が第2の辺部となって紙片部41a,41b,42a,42b,43a,43b間が開放されている。
【0026】
このように構成されたチラシ40は、互いに貼着された紙片41〜43が折り部41c〜43cにてそれぞれ折り畳まれ、それぞれの折り部41c〜43cが重なり合うように所定の向きで重ね合わされて図1に示した用紙向き検出装置1の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域に載置されることになる。
【0027】
図4は、図1に示した用紙向き検出装置1の載置台30上に図3に示した構成を有するチラシが載置された状態の一例を示す図であり、(a)は外観図、(b)は端面支え部材20a側から見た図である。
【0028】
図4に示すように、図3に示したものと同様の構成のチラシ40−1〜40−8は、所定の向きに重ね合わされ、粘着剤44によって綴じられた折り部41c〜43c側の辺部が載置台30に当接するように、用紙向き検出装置1の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域に載置される。この際、調節用ハンドル13を回すことにより、2枚の平板部11a,12aからなる押さえ部材10aを移動させ、用紙向き検出装置1の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域に載置されたチラシ40−1〜40−8を、一対の押さえ部材10a,10bによって表裏から挟み込むようにする。すなわち、押さえ部材10a,10bをそれぞれ構成する平板部11a,12a、並びに11b,12bは、チラシ40−1〜40−8の面に平行に並べられていることになる。押さえ部材10a,10bは、互いに連結した平板部11aと平板部12a、並びに平板部11bと平板部12bが、連結部分が2つの押さえ部材10a,10bが離れる方向に突出したV字形状となっているため、平板部11a,11b,12a,12bは、チラシ40−1,40−8に当接する面に対して傾斜した状態となり、押さえ部材10a,10bの2つの端面支え部材20a,20bを結ぶ方向、すなわち、平板部11a,12a、並びに平板部11b,12bが並ぶ方向外側の領域がチラシ40−1,40−8にそれぞれ接し、平板部11a,12a、並びに平板部11b,12bが並ぶ方向内側の領域がチラシ40−1,40−8との間に空隙を有するようになる。また、押さえ部材10a,10bによって表裏から挟み込まれたチラシ40−1〜40−8は、チラシ40−1の一部が端面支え部材20a,20bの当接面21a,21bに当接し、重ね合わされたチラシ40−1〜40−8が押し付けばね22a,22bによって当接面21a,21bに押し付けられる。この際、光学センサ51を構成する一対のセンサ間にはチラシ40−1〜40−8が存在していないため、光学センサ51においてはチラシ40−1〜40−8が検出されていない状態となっている。また、載置台30の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域には穴部31が形成されているため、この領域に載置されたチラシ40−1〜40−8はそれぞれの一部が穴部31から表出することになる。なお、本例においては、説明を簡単にするために8つのチラシ40−1〜40−8が重ね合わされて用紙向き検出装置1の載置台30上に載置された場合を例に挙げて説明しているが、実際にはこれよりも多くのチラシが重ね合わされて用紙向き検出装置1の載置台30上に載置されることになる。
【0029】
次に、上述したように所定の向きに重ね合わされたチラシ40−1〜40−8が用紙向き検出装置1の載置台30上に載置された状態において逆向きに重ね合わされたチラシを検出する際の動作について説明する。
【0030】
図5は、図1に示した用紙向き検出装置1の載置台30上に所定の向きで重ね合わされて載置されたチラシの中から逆向きに重ね合わされたチラシを検出する際の動作を説明するための図であり、(a)は所定の向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズル62から空気が吹き付けられた状態を示す図、(b)は逆向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズル62から空気が吹き付けられた状態を示す図である。なお、本例においては、図3に示したものと同様の構成を有する8枚のチラシ40−1〜40−8が重ね合わされ、そのうち、チラシ40−1〜40−3,40−5〜40−8が所定の向きに、また、チラシ40−4のみがそれとは逆向きに重ね合わされたものとする。
【0031】
8枚のチラシ40−1〜40−8を、これらが重ね合わされた状態で、所定の向きに重ね合わされたチラシ40−1〜40−3,40−5〜40−8の折り部41c〜43c側の辺部が載置台30に当接するように用紙向き検出装置1の載置台30上に載置し、空気吹付手段であるエアー供給器61及びエアー供給ノズル62を駆動させると、エアー供給器61からエアー供給ノズル62に空気が送られてエアー供給ノズル62のエアー吹出口64から空気が排出されるとともに、エアー供給ノズル62が押さえ部材10b側から押さえ部材10a側に支持軸63によって移動しはじめる。
【0032】
エアー供給ノズル62は、載置台30の穴部31に対向する領域に配置されているため、エアー供給器61から供給された空気は載置台30の穴部31が形成された領域に対して吹き付けられるが、穴部31には、載置台30上に載置されたチラシ40−1〜40−8が表出しているため、エアー供給器61から供給された空気は穴部31を介してチラシ40−1〜40−8に吹き付けられる。そのため、押さえ部材10a,10bをそれぞれ構成する平板部11a,12a、並びに11b,12bは、エアー供給ノズル62からの空気の吹き付け方向に直交する方向に並べられていることになる。また、エアー供給ノズル62は、初期状態として、押さえ部材10b側に配置されており、また、エアー供給ノズル62を構成する複数のエアー吹出口64が、載置台30上に載置されたチラシ40−1〜40−8の重ね合わせ方向に直交する方向に配列されているため、エアー供給ノズル62から排出された空気は、載置台30上に載置されたチラシ40−1〜40−8のうち、まず、押さえ部材10bに接しているチラシ40−1に吹き付けられ、その後、エアー供給ノズル62の移動に伴ってチラシ40−2〜40−8に1枚ずつ吹き付けられていくことになる。
【0033】
エアー供給ノズル62から排出された空気が、載置台30上に載置されたチラシ40−1〜40−8のうち、所定の向きに重ね合わされたチラシ40−1に吹き付けられると、図5(a)に示すように、エアー供給ノズル62によって空気が吹き付けられる側が、複数の紙片部41a,41b、42a,42b,43a,43b間が開放されていないため、エアー供給ノズル62によって吹き付けられた空気がチラシ40−1の表裏を通って載置台30とは反対側に抜け、それにより、エアー供給ノズル62から吹き付けられた空気によってチラシ40−1が持ち上げられて空気が吹き付けられる側とは反対側に飛び出すことはない。これは、所定の向きに重ね合わされたチラシ40−2,40−3,40−5〜40−8についても同様である。
【0034】
一方、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたチラシ40−4においては、図5(b)に示すように、エアー供給ノズル62によって空気が吹き付けられる側が、複数の紙片部41a,41b、42a,42b,43a,43b間が開放された状態となっているため、エアー供給ノズル62によって吹き付けられた空気が、開放された複数の紙片部41a,41b、42a,42b,43a,43b間に入り込んで折り部43c及び紙片41〜43が粘着剤44によって貼着された部分に突き当たり、それにより、エアー供給ノズル62から吹き付けられた空気によってチラシ40−4が持ち上げられて空気が吹き付けられる側とは反対側に飛び出す。エアー供給ノズル62から吹き付けられた空気によって持ち上げられたチラシ40−4は、重ね合わされたチラシ40−1〜40−8が一対の押さえ部材10a,10bによって挟み込まれているため、エアー供給ノズル62からチラシ40−4に空気が吹き付けられなくなった後も、載置台30に接するような元の状態に戻ることはないが、重ね合わされたチラシ40−1〜40−8が押し付けばね22a,22bによって端面支え部材20a,20bの当接面21a,21bに押し付けられることによって、エアー供給ノズル62から吹き付けられた空気によって持ち上げられたチラシ40−4が、エアー供給ノズル62から空気が吹き付けられなくなった後に、載置台30に接するような元の状態に戻ってしまう可能性をさらに低減することができる。
【0035】
このようにしてエアー供給ノズル62から吹き付けられた空気によってチラシ40−4が持ち上げられると、光学センサ51を構成する一対のセンサのうち一方から照射された光がチラシ40−4によって遮られ、他方のセンサにて受光されなくなる。
【0036】
すると、その旨が制御器53に通知され、制御器53の制御によってパトライト52が点灯し、載置台30上に載置されたチラシ40−1〜40−8の中に、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたチラシが存在する旨が示され、載置台30から持ち上げられたチラシ40−4がチラシ40−1〜40−8の中から一旦抜き取られ、正しい向きとされてチラシ40−1〜40−3,40−5〜40−8の中に戻される。
【0037】
なお、上述したようなチラシ40−1〜40−8を載置台30の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域に載置して、チラシ40−1〜40−8を押さえ部材10a,10bによって表裏から挟み込み、押さえ部材10a,10bに挟み込まれたチラシ40−1〜40−8に対して穴部31を介してエアー供給ノズル62から空気を吹き付ける処理を、制御部(不図示)による制御によって自動化して行うことも考えられる。その場合、チラシ40−1〜40−8が載置台30の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域に載置されたことが検知されると、押さえ部材10aが押さえ部材10bに向かう方向に移動して押さえ部材10a,10bによってチラシ40−1〜40−8を表裏から挟み込み、その後、押さえ部材10a,10bによってチラシ40−1〜40−8が表裏から挟み込まれた旨が検知されると、上述したようにエアー供給器61及びエアー供給ノズル62が駆動し、エアー供給器61からエアー供給ノズル62に空気が送られてエアー供給ノズル62のエアー吹出口64から空気が排出され、チラシ40−1〜40−8に対して空気が吹き付けられる構成とすることが考えられる。
【0038】
ここで、押さえ部材10a,10bの形状によって生じる作用について説明する。
【0039】
図6は、図1に示した用紙向き検出装置1の押さえ部材10a,10bの形状によって生じる作用を説明するための図である。
【0040】
上述したように、押さえ部材10a,10bが、互いに連結した平板部11aと平板部12a、並びに平板部11bと平板部12bが、連結部分が2つの押さえ部材10a,10bが離れる方向に突出したV字形状となっているため、載置台30の端面支え部材20a,20bと押さえ部材10a,10bによって囲まれた領域にチラシ40−1〜40−8が載置されると、平板部11a,12a、並びに平板部11b,12bが並ぶ方向外側の領域がチラシ40−1,40−8にそれぞれ接し、平板部11a,12a、並びに平板部11b,12bが並ぶ方向内側の領域がチラシ40−1,40−8との間に空隙を有するようになる。
【0041】
そして、載置台30に形成された穴部31は、2つの押さえ部材10a,10bが対向する領域に形成されているため、エアー供給ノズル62のエアー吹出口64から排出された空気は、チラシ40−1〜40−8の2つの押さえ部材10a,10bによって挟み込まれた領域に吹き付けられることになる。
【0042】
すると、図6に示すように、チラシ40−1〜40−8のうち、2つの押さえ部材10a,10bによって挟み込まれた領域が、チラシ40−1,40−8と押さえ部材10a,10bとの間の空隙にて押さえ部材10a,10bに沿うように広がり、エアー供給ノズル62から空気が吹き付けられているチラシ40−4とそれに面して重ね合わされたチラシ40−3,40−5とが互いに離れ、それにより、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたチラシ40−4がエアー供給ノズル62から吹き付けられた空気によって持ち上がりやすくなる。
【0043】
なお、上述した実施の形態においては、図1に示した用紙向き検出装置1の載置台30に載置されることにより向きを検出可能な用紙として、図3に示したような、折り部41cを介して2つの紙片部41a,41bが連続してなる紙片41と、折り部42cを介して2つの紙片部42a,42bが連続してなる紙片42と、折り部43cを介して2つの紙片部43a,43bが連続してなる紙片43とが、折り部41c〜43cにて粘着剤44によって互いに貼着されて綴じられ、折り部41c〜43cにて折り畳まれて構成されたチラシ40を例に挙げて説明したが、折り部にて折り畳まれただけの用紙であってもよい。以下に、そのような用紙の例を示す。
【0044】
図7は、図1に示した用紙向き検出装置1にて向きを検出可能な用紙の他の例を示す図であり、(a)は外観図、(b)は積層構造を示す図である。
【0045】
図1に示した用紙向き検出装置1の載置台30に載置されることにより向きを検出可能な用紙としては、図3に示したものの他に、例えば、図7に示すように、3つの紙片部141〜143が折り部144a,144bを介して連続して構成されたチラシ140が挙げられる。このチラシ140は、折り部144a,144bにて折り畳まれることによって、3つの紙片部141〜143が重ね合わされて構成され、折り部144a側の辺部が第1の辺部となって紙片部141〜143間が開放されておらず、かつ、紙片部141の折り部144aに対向する辺部及び折り部144b側が第2の辺部となって紙片部141と紙片部142,143との間が開放されている。
【0046】
このように構成されたチラシ140は、折り部144a,144bにてそれぞれ折り畳まれ、折り部144a,144bがそれぞれ重なり合うように所定の向きで重ね合わされて図1に示した用紙向き検出装置1の載置台30上に載置されることになる。
【0047】
図8は、図1に示した用紙向き検出装置1の載置台30上に図7に示した構成を有するチラシが載置された状態の一例を示す図であり、端面支え部材20a側から見た図である。
【0048】
図8に示すように、図7に示したものと同様の構成のチラシ140−1〜140−8は、所定の向きに重ね合わされ、折り部144a側の辺部が載置台30に当接するように用紙向き検出装置1の載置台30上に載置され、押さえ部材10a,10bによって挟み込まれる。この際、光学センサ51を構成する一対のセンサ間にはチラシ140−1〜140−8が存在していないため、光学センサ51においてはチラシ140−1〜140−8が検出されていない状態となっている。なお、本例においても、説明を簡単にするために8つのチラシ140−1〜140−8が重ね合わされて用紙向き検出装置1の載置台30上に載置された場合を例に挙げて説明しているが、実際にはこれよりも多くのチラシが重ね合わされて用紙向き検出装置1の載置台30上に載置されることになる。
【0049】
以下に、上述したように所定の向きに重ね合わされたチラシ140−1〜140−8が用紙向き検出装置1の載置台30上に載置された状態において逆向きに重ね合わされたチラシを検出する際の動作について説明する。
【0050】
図9は、図1に示した用紙向き検出装置1の載置台30上に所定の向きで重ね合わされて載置されたチラシの中から逆向きに重ね合わされたチラシを検出する際の動作を説明するための図であり、(a)は所定の向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズル62から空気が吹き付けられた状態を示す図、(b)は逆向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズル62から空気が吹き付けられた状態を示す図である。なお、本例においては、図7に示したものと同様の構成を有する8枚のチラシ140−1〜140−8が重ね合わされ、そのうち、チラシ140−1〜140−3,140−5〜140−8が所定の向きに、また、チラシ140−4のみがそれとは逆向きに重ね合わされたものとする。
【0051】
8枚のチラシ140−1〜140−8を、これらが重ね合わされた状態で、所定の向きに重ね合わされたチラシ140−1〜140−3,140−5〜140−8の折り部141a側の辺部が載置台30に当接するように用紙向き検出装置1の載置台30上に載置し、空気吹付手段であるエアー供給器61及びエアー供給ノズル62を駆動させると、エアー供給器61からエアー供給ノズル62に空気が送られてエアー供給ノズル62のエアー吹出口64から空気が排出されるとともに、エアー供給ノズル62が押さえ部材10b側から押さえ部材10a側に支持軸43によって移動しはじめる。
【0052】
エアー供給ノズル62は、載置台30の穴部31に対向する領域に配置されているため、エアー供給器61から供給された空気は載置台30の穴部31が形成された領域に対して吹き付けられるが、穴部31には、載置台30上に載置されたチラシ140−1〜140−8が表出しているため、エアー供給器61から供給された空気は穴部31を介してチラシ140−1〜140−8に吹き付けられる。また、エアー供給ノズル62は、初期状態として、押さえ部材10b側に配置されており、また、エアー供給ノズル62を構成する複数のエアー吹出口64が、載置台30上に載置されたチラシ140−1〜140−8の重ね合わせ方向に直交する方向に配列されているため、エアー供給ノズル62から排出された空気は、載置台30上に載置されたチラシ140−1〜140−8のうち、まず、押さえ部材10bに接しているチラシ140−1に吹き付けられ、その後、エアー供給ノズル62の移動に伴ってチラシ140−2〜140−8に1枚ずつ吹き付けられていくことになる。
【0053】
エアー供給ノズル62から排出された空気が、載置台30上に載置されたチラシ140−1〜140−8のうち、所定の向きに重ね合わされたチラシ140−1に吹き付けられると、図9(a)に示すように、エアー供給ノズル62によって空気が吹き付けられる側が、複数の紙片部141〜143間が開放されていないため、エアー供給ノズル62によって吹き付けられた空気がチラシ140−1の表裏を通って載置台30とは反対側に抜け、それにより、エアー供給ノズル62から吹き付けられた空気によってチラシ140−1が持ち上げられることはない。これは、所定の向きに重ね合わされたチラシ140−2,140−3,140−5〜140−8についても同様である。
【0054】
一方、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたチラシ140−4においては、図9(b)に示すように、エアー供給ノズル62によって空気が吹き付けられる側が、紙片部141と紙片部142,143との間が開放された状態となっているため、エアー供給ノズル62によって吹き付けられた空気が、開放された紙片部141と紙片部143との間に入り込んで折り部144aに突き当たり、それにより、エアー供給ノズル62から吹き付けられた空気によってチラシ140−4が持ち上げられる。
【0055】
このように持ち上げられたチラシ140−4は、図6に示したものと同様にして持ち上がり、その旨が光学センサ51にて検出され、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたことが検出されることになる。
【0056】
なお、本形態においては、複数の用紙が重ね合わされた紙束を挟み込む一対の押さえ部材10a,10bが、2枚の平板部11a,12a、並びに11b,12bが互いに連結してV字型となったものを例に挙げて説明したが、重ね合わされた用紙が載置台30上に載置された場合に、用紙面に平行に、かつ、エアー供給ノズル62からの空気の吹き付け方向に直交する方向に並んだ2つの平板部から構成され、この2つの平板部が並ぶ方向外側の領域が用紙に接し、2つの平板部が並ぶ方向内側の領域が用紙との間に空隙を有するように複数の用紙の挟み込む面に対して傾斜して配置されるものでれば、丸みを有するものや、2枚の平板部が連結せず、ハの字型のもの等であってもよい。ただし、2枚の平板部が互いに連結したものの方が、エアー供給ノズル62から排出された空気が一対の押さえ部材の外側に漏れることがなく、それにより、所定の向きとは逆向きに重ね合わされた用紙が持ち上がりやすくすることができる。
【0057】
また、押さえ部材10a,10bの上端部を互いに離れる方向に広げることにより、重ね合わされた複数枚の用紙を、載置台30の押さえ部材10a,10bと端面支え部材20a,20bとで囲まれる領域に載置しやすくすることも考えられる。
【0058】
また、本形態においては、エアー供給ノズル62が、図2に示したように、載置台30上に載置されたチラシの重ね合わせ方向に直交する方向に配列された複数のエアー吹出口64を先端部に有するものであるが、載置台30上に載置されたチラシの重ね合わせ方向に直交する方向を長手方向とする長手形状の吹出口を1つだけ有するものであってもよく、また、その形状が長手形状でないものであってもよい。ただし、載置台30上に収容されたチラシの重ね合わせ方向に直交する方向に複数のエアー吹出口64が配列されたものや、載置台30上に載置されたチラシの重ね合わせ方向に直交する方向を長手方向とする長手形状の吹出口を1つだけ有するものである場合は、載置台30上に載置されたチラシと平行にチラシの1枚ずつにスポット的に多くの空気を順次吹き付けることができるため、エアー供給ノズル62から吹き付けられた空気によってチラシを持ち上がりやすくすることができる。
【0059】
また、本形態においては、載置台30上に載置されたチラシに対して載置台30の穴部31を介して空気を吹き付けるエアー供給ノズル62が、支持軸63によってチラシの重ね合わせ方向に穴部31に対向しながら移動する構成としているが、エアー供給ノズル62を固定するとともに載置台30をチラシの重ね合わせ方向に移動させることによりエアー供給ノズル62と載置台30との相対位置を変化させ、エアー供給ノズル62から排出された空気が吹き付けられるチラシを変えていく構成とすることも考えられる。また、エアー供給ノズル62と載置台30とを固定し、エアー供給ノズル62を載置台30の穴部31の全体に対して一度に空気を吹き付ける構成とすることも考えられる。
【0060】
また、図1に示した用紙向き検出装置1にてその向きが検出される用紙としては、図3や図7に示した構成を有するチラシに限らず、複数の紙片部が重ね合わされて構成され、複数の紙片部間を開放していない第1の辺部と、第1の辺部と対向し、複数の紙片部のうち少なくとも一部の紙片部間を開放している第2の辺部とを有するものであれば、例えば、第1の辺部がステープル留めされたものや、第2の辺部に折り部を有し、その折り部にて折り畳まれる紙片部の長さが短いもの等、様々なものを適用することができる。例えば、第1の辺部あるいはその他の辺部に、マージナルパンチのような小さな径を有する孔が数個形成されているものであってもよい。また、複数の紙片間が開放されていない第1の辺部に隣接する2つの辺部が、複数の紙片間が開放されていない封筒形状のものや、複数の紙片間が開放されていない第1の辺部に隣接する1つの辺部が、複数の紙片間が開放されていないものにおいても、図1に示した用紙向き検出装置1にてその向きを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の用紙向き検出装置の実施の一形態を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た図である。
【図2】図1に示したエアー供給ノズルの詳細な構造を示す図である。
【図3】図1に示した用紙向き検出装置にて向きを検出可能な用紙の一例を示す図であり、(a)は外観図、(b)は積層構造を示す図である。
【図4】図1に示した用紙向き検出装置の載置台上に図3に示した構成を有するチラシが載置された状態の一例を示す図であり、(a)は外観図、(b)は端面支え部材側から見た図である。
【図5】図1に示した用紙向き検出装置の載置台上に所定の向きで重ね合わされて載置されたチラシの中から逆向きに重ね合わされたチラシを検出する際の動作を説明するための図であり、(a)は所定の向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズルから空気が吹き付けられた状態を示す図、(b)は逆向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズルから空気が吹き付けられた状態を示す図である。
【図6】図1に示した用紙向き検出装置の押さえ部材の形状によって生じる作用を説明するための図である。
【図7】図1に示した用紙向き検出装置にて向きを検出可能な用紙の他の例を示す図であり、(a)は外観図、(b)は積層構造を示す図である。
【図8】図1に示した用紙向き検出装置の載置台上に図7に示した構成を有するチラシが載置された状態の一例を示す図である。
【図9】図1に示した用紙向き検出装置の載置台上に所定の向きで重ね合わされて載置されたチラシの中から逆向きに重ね合わされたチラシを検出する際の動作を説明するための図であり、(a)は所定の向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズルから空気が吹き付けられた状態を示す図、(b)は逆向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズルから空気が吹き付けられた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 用紙向き検出装置
10a,10b 押さえ部材
11a,11b,12a,12b 平板部
13 調節用ハンドル
14a,14b 角度調節部
15a,15b 支持板
20a,20b 端面支え部材
21a,21b 当接面
22a,22b 押し付けばね
30 載置台
40,40−1〜40−8,140,140−1〜140−8 チラシ
41〜43 紙片
41a,41b,42a,42b,43a,43b,141〜143 紙片部
41c,42c,43c,144a,144b 折り部
44 粘着剤
51 光学センサ
52 パトライト
53 制御器
61 エアー供給器
62 エアー供給ノズル
63 支持軸
64 エアー吹出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の紙片部が重ね合わされて構成され、前記複数の紙片部間を開放していない第1の辺部と、前記第1の辺部と対向し、前記複数の紙片部のうち少なくとも一部の紙片部間を開放している第2の辺部とを有する複数の用紙が、所定の向きになるように重ね合わされた場合に、前記重ね合わされた複数の用紙の中から前記所定の向きに対して前記第1の辺部と前記第2の辺部とが逆になるように逆向きに重ね合わされた用紙を検出する用紙向き検出装置であって、
前記重ね合わされた複数の用紙を表裏から挟み込む一対の押さえ部材と、
前記一対の押さえ部材に挟み込まれた前記複数の用紙に対して、該複数の用紙のうち所定の向きに重ね合わされた用紙の前記第1の辺部側から前記押さえ部材によって挟み込まれた領域に空気を吹き付ける空気吹付手段とを有し、
前記一対の押さえ部材はそれぞれ、前記複数の用紙面に平行に、かつ、前記空気吹付手段からの空気の吹き付け方向に直交する方向に並んだ2つの平板部から構成され、該2つの平板部の当該2つの平板部が並ぶ方向外側の領域が前記複数の用紙に接し、当該2つの平板部が並ぶ方向内側の領域が前記複数の用紙との間に空隙を有するように前記複数の用紙の挟み込む面に対して傾斜して配置されている用紙向き検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の用紙向き検出装置において、
前記一対の押さえ部材に挟み込まれた前記複数の用紙の一方の表出面のうち前記押さえ部材によって挟み込まれる領域以外の一部に当接する当接面と、
前記当接面に対向して設けられ、前記一対の押さえ部材に挟み込まれた前記複数の用紙を前記当接面に対して押し付ける押し付け部材とを有することを特徴とする用紙向き検出装置。
【請求項3】
複数の紙片部が重ね合わされて構成され、前記複数の紙片部間を開放していない第1の辺部と、前記第1の辺部と対向し、前記複数の紙片部のうち少なくとも一部の紙片部間を開放している第2の辺部とを有する複数の用紙が、所定の向きになるように重ね合わされた場合に、前記重ね合わされた複数の用紙の中から前記所定の向きに対して前記第1の辺部と前記第2の辺部とが逆になるように逆向きに重ね合わされた用紙を検出する用紙向き検出方法であって、
所定方向に並んだ2つの平板部からそれぞれが構成される一対の押さえ部材によって、前記複数の用紙を表裏から挟み込む処理と、
前記一対の押さえ部材に挟み込まれた前記複数の用紙に対して、該複数の用紙のうち所定の向きに重ね合わされた用紙の前記第1の辺部側から前記押さえ部材によって挟み込まれた領域に空気を吹き付ける処理と、
前記吹き付けられた空気によって該空気が吹き付けられる側とは反対側に飛び出した用紙を検出する処理とを有し、
前記一対の押さえ部材によって前記複数の用紙を表裏から挟み込む処理は、前記2つの平板部の並び方向を、前記複数の用紙面に平行に、かつ、前記複数の用紙に対して空気が吹き付けられる方向に直交する方向とし、前記2つの平板部のうち該2つの平板部が並ぶ方向外側の領域が前記複数の用紙に接し、前記2つの平板部が並ぶ方向内側の領域が前記複数の用紙との間に空隙を有するように行う用紙向き検出方法。
【請求項4】
請求項3に記載の用紙向き検出方法において、
前記一対の押さえ部材に挟み込まれた前記複数の用紙の一方の表出面のうち前記押さえ部材によって挟み込まれる領域以外の一部に当接する当接面に対して、前記一対の押さえ部材に挟み込まれた前記複数の用紙を押し付けることを特徴とする用紙向き検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−168970(P2008−168970A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2261(P2007−2261)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】