説明

用紙後処理装置

【課題】装置本体の上方及び前方からジャム処理を行うことができ、ジャム処理の作業性を向上させた用紙後処理装置を提供する。
【解決手段】レジストローラ対3に対して、搬送下ガイド5、レジストローラ対3を構成する従動ローラ3bを支持する従動ローラユニット81、天面カバー16の下面側に付設された押圧バネ82及び突起部材83、従動ローラユニット81に接触配置された第1リンク部材84及び第2リンク部材85から構成される圧接解除機構80を設け、搬送下ガイド5を揺動させるか、天面カバー16を開放することによってレジストローラ対3の圧接が解除されるよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置によって画像が形成された用紙等に、ステープル処理等の後処理を行う用紙後処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタ等の画像形成装置によって画像が形成された用紙に、パンチ穴形成装置で穴を空けるパンチ穴形成処理や、画像形成後の用紙を複数枚スタックして、スタックされた用紙束をまとめてステープルで綴じるステープル処理等を実行可能な用紙後処理装置が知られており、比較的多量の用紙についてステープル処理等の後処理を行う際には、上述のような用紙後処理装置が利用されている。
【0003】
このような用紙後処理装置では、本体内部にパンチ穴形成装置やステープル処理装置が配設されており、複写機等の画像形成装置の用紙排出側に対向する側面には、画像形成された用紙を受け入れる用紙搬入口が設けられ、他方の側面に後処理が施された用紙が排出される排出トレイが設けられている。また、本体内部には、用紙搬入口から各装置を介して排出トレイへと続く用紙搬送経路が設けられており、この用紙搬送経路に沿って複数の搬送ローラ対が配設されており、この搬送ローラ対により用紙がパンチ穴形成装置やステープル処理装置へと搬送されるようになっている。
【0004】
ここで、上記のように構成された用紙後処理装置では、用紙が用紙搬送路内で詰まり用紙ジャムを発生することがある。そのため、用紙搬送経路に配設されるいずれかの搬送ローラ対の駆動側ローラの回転軸に、ユーザが操作することができるハンドルを付設し、このハンドルを操作し駆動ローラを回転させて、用紙を上流又は下流側へと搬送させることにより、容易にジャム処理を行うことができるよう構成された用紙後処理装置が知られている。
【0005】
ところで、パンチ穴形成装置の上流側近傍に配設させる搬送ローラ対は、用紙のレジストレーション補正を行うレジストローラ対として機能させるため、厚紙の搬送時にもニップ部に用紙を確実に突き当ててレジストレーション補正を行うことができるように、ローラ間の圧接力が他の搬送ローラ対比べて強めに設定されている。そのため、用紙がレジストローラ対に挟持された状態で用紙ジャムが発生した場合には、レジストローラ対以外の搬送ローラ対をハンドルによって回転させてジャム処理を行う際には、レジストローラ対の圧接を解除しなければ用紙を搬送することができなかった。
【0006】
そこで、上記のように用紙が搬送ローラ対に挟持された状態で紙詰まりを生じた場合でも容易にジャム処理を行うことができる用紙後処理装置が提案されており、例えば特許文献1には、用紙後処理装置の上部にリンク部材によって排出トレイを回動可能に取り付け、上入口ローラ及び上給紙ローラが支持された用紙案内部材と排出トレイとを連結リンクによって連結し、排出トレイを開放する方向に回動させると入口ローラ対及び給紙ローラ対の圧接が解除されるよう構成された用紙後処理装置が開示されている。これによれば、用紙ジャムが発生した場合には、排出トレイを回動するだけで容易に中に詰まった用紙を除去することができる。
【特許文献1】特開平2006−264985号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の用紙後処理装置では、排出トレイを回動して開放することによって、入口ローラ及び給紙ローラの圧接を解除することができ、用紙搬送経路に詰まった用紙を容易に除去することができるよう構成されているが、この構成では、用紙後処理装置の上方からしかジャム処理を行うことができず、使用者の個々の体型や身体の状況によっては、ジャム処理作業が困難となることがあった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、装置本体の上方及び前方からジャム処理を行うことができ、ジャム処理の作業性を向上させた用紙後処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、装置本体側面に用紙を受け入れる用紙搬入口が設けられ、該用紙搬入口の用紙搬送方向下流側近傍には、駆動ローラと該駆動ローラに圧接される従動ローラから構成された搬送ローラ対が配設されており、画像形成装置によって画像が形成された用紙を前記用紙搬入口から受け入れて、所定の後処理を施す用紙後処理装置において、装置本体内には、前記従動ローラの前記駆動ローラへの圧接を解除することができる圧接解除機構が設けられており、該圧接解除機構は装置本体の上面側及び前面側のどちらからでも操作可能に構成されていることを特徴としている。
【0010】
また本発明は、上記構成の用紙後処理装置において、前記従動ローラを収容し、その装置前側の端部に用紙搬送方向と略平行に設けられた揺動軸により、前記駆動ローラに圧接される圧接位置と前記駆動ローラから離間する解除位置とに揺動可能に配設された従動ローラユニットと、該従動ローラユニットを前記圧接位置方向に付勢する第1付勢手段とが設けられており、前記圧接解除機構は、前記従動ローラユニットの下方に設けられ、装置奥側の端部に用紙搬送方向と略平行に設けられた揺動軸により、装置前面側から下方へと揺動可能に配設された搬送下ガイドと、該搬送下ガイドの揺動に応じて前記従動ローラユニットを前記圧接位置と解除位置とに揺動させる第1リンク部材とから成る第1圧接解除機構と、装置本体上面に開閉可能に支持されるとともに裏面に当接部材が突設された天面カバーと、該天面カバーの開閉に応じて前記当接部材が当接又は離間することにより前記従動ローラユニットを前記圧接位置と解除位置とに揺動させる第2リンク部材と、該第2リンク部材を前記従動ローラユニットが前記解除位置に配置される方向に付勢する第2付勢手段とから成る第2圧接解除機構と、から構成されることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記構成の用紙後処理装置において、前記圧接解除機構は、前記従動ローラに挿通され、前記従動ローラを前記駆動ローラに対して離接させる方向に移動可能に支持された従動ローラ回転軸と、バネ部材を介して前記従動ローラ回転軸に当接するように配設されるボタン部材と、該ボタン部材に対向する方向に突出する突起部が設けられ、該突起部が前記ボタン部材を押圧して、前記従動ローラ回転軸に前記バネ部材の付勢力を作用させる圧接位置と、前記突出部が前記ボタン部材から離間され、前記従動ローラ回転軸に前記バネ部材の付勢力を作用させない解除位置とに移動可能な突起付きレバーと、から構成されていることを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記構成の用紙後処理装置において、前記突起付きレバーは、装置本体上面に開閉可能に支持された天面カバーの下面に設けられた支持部によって、装置本体に対して前後方向に摺動可能に支持されており、装置本体前面に開放可能に構成された前面カバー及び前記天面カバーが閉鎖されている状態では、前記前面カバー内面が前記突起付きレバーの前端部に当接することにより前記突起付きレバーが前記圧接位置に配置され、前記天面カバーの開放により、若しくは前記前面カバーの開放及び前記突起付きレバーの摺動により、前記突起付きレバーが前記解除位置に配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の構成によれば、搬送ローラ対に圧接解除機構を設けて、この圧接解除機構を用紙後処理装置の前面側及び上面側のどちらからでも操作可能に構成することによって、用紙後処理装置の前方及び上方のどちらからでもジャム処理を行うことができるため、使用者は個々の体型や身体の状況に応じて、前方若しくは上方から作業を行い易い位置を選択することができるため、ジャム処理の作業性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の用紙後処置装置において、装置前方からジャム処理を行う場合には、搬送下ガイドの先端部を下方へと揺動させることにより、第1リンク部材を揺動させて従動ローラユニットを解除位置に配置することができ、また、装置上方からジャム処理を行う場合には、天面カバーの開放により当接部材を離間させることにより、第2リンク部材を揺動させて従動ローラユニットを解除位置に配置することができるため、簡単な構成の圧接解除機構を用いて用紙後処理装置の前方及び上方のどちらからでもジャム処理を行うことができる。
【0015】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1の構成の用紙後処置装置において、装置前方及び上方のどちらからジャム処理を行う場合であっても、突起付きレバーを突出部がボタン部材から離間する解除位置に移動させることにより、従動ローラ回転軸に付勢バネの付勢力を作用させないようにして、搬送ローラ対の圧接を解除することができるため、簡単な構成の圧接解除機構を用いて用紙後処理装置の前方及び上方のどちらからでもジャム処理を行うことができる。
【0016】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第3の構成の用紙後処置装置において、突起付きレバーを天面カバーに設けられた支持部材によって支持することにより、天面カバーが開放されると自動的に突起付きレバーが、突出部がボタン部材から離間する解除位置に移動されるため、ジャム処理の作業性を更に向上させることができる。また、前面カバー及び天面カバーを閉鎖すると自動的に突起付きレバーが、突起部がボタン部材を押圧して従動ローラ回転軸に付勢バネの付勢力を作用させる圧接位置に摺動されるため、搬送ローラ対の圧接を解除したままの状態になることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。先ず、図1〜図7を参照して本発明に係る用紙後処理装置の構成について説明する。図1は用紙後処理装置の内部構成を示す概略図であり、図2は図1に示す内部構成の上部拡大図である。図3は本発明に係る用紙後処理装置に配設された処理トレイの斜視図であり、図4は処理トレイに備えられた駆動系を示す斜視図である。図5は用紙後処理装置の全体斜視図であり、図6は前面カバーが開放された状態を示す全体斜視図、図7は天面カバーが開放された状態を示す全体斜視図である。
【0018】
図1に示すように、用紙後処理装置1には、画像形成装置100に対向する側面(図1において右側面)の上部に、画像が形成された用紙を受け入れる用紙搬入口2が設けられている。また、用紙搬入口2の近傍には、駆動ローラ3aとこの駆動ローラ3aに圧接される従動ローラ3bから構成され、搬入された用紙のレジストレーション補正を行うレジストローラ対3が配設されており、用紙搬入口2には、搬入される用紙をレジストローラ対3のニップ部へと案内するための搬送上ガイド4及び搬送下ガイド5が設けられている。
【0019】
そして、用紙後処理装置1の内部には、搬入された用紙に対してパンチ処理を行うパンチ穴形成装置6及び搬入された用紙を複数枚スタックして、スタックされた用紙束をまとめてステープルで綴じるステープル処理装置7が備えられており、前記用紙搬入口2が設けられた側面と対向する側面(図1において左側面)には、用紙の排出に適した位置に昇降可能なメイントレイ8及び用紙後処理装置1の上部に固定されたサブトレイ9が設けられ、それぞれのトレイへと用紙を排出する排出ローラ対10,11が配設されている。
【0020】
パンチ穴形成装置6は、レジストローラ対3の用紙搬送方向下流側に配置されており、パンチ穴形成装置6の下流側には、用紙のカールを矯正するためデカーラユニット12が配設されている。更に、その下流側には搬送される用紙を一旦退避させる退避ドラム13が配設されており、この退避ドラム13の周囲には用紙の搬送方向をサブトレイ9側とステープル処理装置7側とのいずれかに切り替える分岐ガイド14が備えられている。
【0021】
デカーラユニット12は、用紙搬送路に沿って並設された2対のデカーラローラ対21,22を備えている。これらのデカーラローラ対21,22は、図2に示すように、硬度の高い材質、例えば、金属や合成樹脂で形成された駆動ローラ21a,22aと、駆動ローラ21a,22aよりも大径となるように、例えばスポンジ状の発泡ゴムで形成された従動ローラ21b,22bとから構成され、駆動ローラ21a,22aに対して従動ローラ21b,22bが所定の力で圧接されて、駆動ローラ21a,22aが従動ローラ21b,22bに食い込むようになっている。
【0022】
そして、用紙搬送方向上流側に配置されたデカーラローラ対21は、駆動ローラ21aが用紙搬送路の下側に配置され、用紙搬送路の上側に配置された従動ローラ21bが、駆動ローラ21aに上方から圧接されている。一方、下流側に配置されたデカーラローラ対22は、上流側のデカーラローラ対21とは逆に、駆動ローラ22aが用紙搬送路の上側に配置され、用紙搬送路の下側に配置された従動ローラ22bが、駆動ローラ22aに下方から圧接されている。
【0023】
これによって、上流側のデカーラローラ対21では、上方に配置された従動ローラ21bに駆動ローラ21aが下方から食い込んでいるため、この当接部を通過する用紙は、下方に湾曲したカール付けがなされ、下流側のデカーラローラ対22では、逆に上方に湾曲したカール付けがなされる。これによって、デカーラユニット12に搬送される前に、上方にカールしている用紙は上流側のデカーラローラ対21によってカールが矯正され、また、下方にカールしている用紙は下流側のデカーラローラ対22によってカールが補正されることとなる。
【0024】
退避ドラム13は、ステープル処理を行う用紙束が2部以上ある場合に、ステープル処理後に排出される用紙束と、用紙後処理装置1へと新たに搬入されてくる次の用紙束の1枚目の用紙とが交錯しないように、この搬入された用紙束の1枚目を退避ドラム13に巻き付けた状態にして一旦退避させておき、2枚目の用紙と共にステープル処理装置7に導入することが可能な構成とされている。なお、退避ドラム13は、排出ローラ対11から用紙を排出する際に排出ローラ対11へ向けて用紙を搬送できるよう回転可能に構成されている。
【0025】
ステープル処理装置7は、ステープラ30及び処理トレイ40等から構成されている。処理トレイ40上には、所定サイズ(ここではA4サイズ)以下の用紙が搬入される第1搬入口31と、所定サイズよりも大サイズの用紙が搬入される第2搬入口32が設けられており、第1及び第2搬入口31,32の近傍には、搬入される用紙を処理トレイ40方向に叩いてトレイ面に沿わせるための叩き部材33,34が配設され、その下方には処理トレイ40上の用紙をトレイ面に沿って押さえる押さえローラ35,36が配設されている。
【0026】
図3に示すように、処理トレイ40は、幅方向両端に設けられた側板41a,41bと、これらの側板41a,41bの間に設けられ、両側板41を連結する連結板42から構成されており、両側板41の上端部近傍には後述する第1ベルト52及び第2ベルト72が掛け回される支持軸43が、用紙束の搬送方向と直交するように側板41a,41bに軸架されている。
【0027】
また、両側板41の間には幅方向略中央部に、処理トレイ40に積載される用紙を支持する支持板44a,44bが設けられている。なお、これらの支持板44a,44bは垂直に又は傾斜するように設けられており、積載された用紙が自重によって支持板44a,44bに沿って滑り落ち、後述する用紙束搬送部材53に当接して用紙の先端が揃った状態で処理トレイ40上に積載されるよう構成されている。
【0028】
また更に、処理トレイ40には、処理トレイ40上に積載された用紙束を搬送する用紙束搬送手段50、積載された用紙を幅方向に整合する幅方向整合手段60、及び積載された用紙の後端を整合する束後端整合手段70が設けられている。
【0029】
図4に示すように、用紙束搬送手段50は、用紙束の搬送方向に直交するように側板41aに回転自在に軸支された回転軸51と、この回転軸51と支持軸43とに掛け回された無端状の第1ベルト52と、第1ベルト52に取り付けられた用紙束搬送部材53と、回転軸51に駆動接続された駆動モータ54とから構成されている。なお、第1ベルト52は、支持板44に合わせて垂直又は傾斜するように設けられており、駆動モータ54を正逆に回転させることによって、用紙束搬送部材53が支持板44に沿って、上下に移動するようになっている。
【0030】
幅方向整合手段60は、支持板44の左右に配設された断面L字状のサイドカーソル61a,61bと、両側板41a,41bの間に用紙束の搬送方向と直交するように軸架された、サイドカーソル61a,61bをガイドするガイドシャフト62と、サイドカーソル61a,61bを用紙束の幅方向に移動させるための駆動モータ63a,63bと、これらの駆動モータ63a,63bからの駆動力をサイドカーソル61a,61bに伝達するラック64a,64bから構成されている。
【0031】
束後端整合手段70は、用紙束の搬送方向に直交するように側板41a,41bに回転自在に軸支された回転軸71と、この回転軸71と支持軸43とに掛け回された無端状の第2ベルト72と、第2ベルト72に取り付けられた、第2ベルト72上に直立する脚部73aと、脚部73aの先端にその長手方向の略中央部が結合された頭部73bとから成る後端整合部材73と、回転軸71に駆動接続された駆動モータ74とから構成されている。
【0032】
なお、第2ベルト72は、第1ベルト52と同様に支持板44に合わせて垂直又は傾斜するように設けられており、駆動モータ74を正逆に回転させることによって、後端整合部材73が支持板44に沿って、上下に移動するようになっており、後端整合部材73の脚部73aによって用紙の後端を押圧して用紙束を整合するようになっている。また、用紙の後端を押圧する際や後処理後の用紙束を排出する際に、頭部73bによって用紙の後端の浮き上がりが防止されるようになっている。
【0033】
続いて、用紙後処理装置1の動作について説明する。画像形成処理がされた用紙が搬入されると、パンチ穴形成が指示されている場合には、パンチ穴形成装置6によって搬送される用紙の所定位置にパンチ穴が形成され、パンチ穴形成が指示されていない場合はそのままパンチ穴形成装置6を通過し、デカーラユニット12を経て退避ドラム13へと搬送される。そして、ステープル処理が指示されていない場合は、退避ドラム13によって搬送され分岐ガイド14によって排出ローラ対11へと案内されて、サブトレイ9に排出される。
【0034】
一方、ステープル処理が指示されている場合は、用紙は分岐ガイド14によってステープル処理装置7へと案内され、第1又は第2搬入口31,32より処理トレイ40上に搬入される。処理トレイ40へと用紙が搬入されると、所定のタイミングに、叩き部材33,34及び押さえローラ35,36が駆動され、これにより用紙が処理トレイ40方向に付勢されながら、支持板44a,44bに沿うように処理トレイ40に受け入れられる。
【0035】
次いで、受け入れられた用紙の先端が用紙束搬送部材53によって支持された後、束後端整合手段70の駆動モータ74が駆動されて第2ベルト72が正転および逆転され、これに伴って後端整合部材73は支持板44a,44bの傾斜方向に沿って上下に移動して、用紙の後端が揃えられる。また、この後端揃えと同時に、幅方向整合手段60の駆動モータ63a,63bを駆動し、支持板44a,44bの左右に配設されたサイドカーソル61a,61bを用紙サイズ幅方向の位置まで移動する。このサイドカーソル61a,61bの移動により、用紙束の幅方向の両端が揃えられる。
【0036】
その後、サイドカーソル61a,61bは、用紙の受け入れ幅まで広がるとともに、後端整合部材73が、処理トレイ40の支持板44上に積載された用紙から、離れた待機位置に移動する。このような動作が所定枚数の用紙の受け入れが終了するまで用紙が1枚受け入れられる毎に行われ、これにより、受け入れられた用紙の後端及び幅方向端を整合することができるため、用紙束を整合性よくスタックすることができる。
【0037】
そして、全ての用紙が受け入れられると、用紙束搬送手段50は用紙束をステープラ30まで下降させた後、ステープル処理前に上述した束後端整合手段70による後端整合動作、及び、幅方向整合手段60による幅方向端整合動作を複数回、好ましくは5回程度繰り返し行う。これにより、処理トレイ40上に受け入れられる用紙同士の摩擦によって生じる静電気等の影響により、用紙がスタックされる毎に行われる後端整合動作及び幅方向端整合動作では用紙束の整合が不十分な場合でも、ステープル処理前に整合動作を複数回行うことにより確実に用紙束を整合させた状態で端綴じ処理を行うことができる。
【0038】
複数回の整合動作によって用紙束を整合した後、用紙束の先端をステープル部30aに挿入し、ステープル部30aで用紙束のステープル処理が行われる。ステープル部30aで用紙束のステープル処理を行った後、用紙束搬送手段50は処理トレイ40に沿って用紙束を上方へと搬送し、用紙束は排出ローラ対10によりメイントレイ8に排出される。
【0039】
なお、上記の実施形態においては、ステープル処理を行わない用紙はサブトレイ9に排出し、ステープル処理を行った用紙束をメイントレイ8上に排出する構成としたが、これは、例えば、ユーザの操作によって、ステープル処理を行っていない用紙をメイントレイ8に排出することができるよう構成することも可能である。
【0040】
また、本実施形態のように用紙が支持される支持板44が直立又は傾斜するように設けられている場合には、処理トレイ40上に積載された用紙の搬送方向の整合は、束後端整合手段70によって用紙束の後端を整合する代わりに、用紙束をステープラ30まで下降させる前に、用紙束搬送手段50の第1ベルト52を正転および逆転させ、用紙束搬送部材53を支持板44a,44bの傾斜方向に沿って上下に移動させて、用紙の前端を整合することも可能である。
【0041】
このように用紙束搬送手段50によって、処理トレイ40上に積載される用紙束の前端を整合することにより、束後端整合手段70を用いることなく用紙束の搬送方向の整合を行うことができる。また、処理トレイ40上に積載された用紙束の前端を整合するので、用紙束の後端が不揃いであってもよく、幅方向の寸法は同一であるが搬送方向の寸法が異なるような用紙を混載した場合でも、確実に用紙束の前端を整合させた状態で端綴じ処理を行うことができる。
【0042】
また、上記のように構成された用紙後処理装置1では、用紙が用紙搬送路内や処理トレイ40上で紙詰まりを生じることがあるため、図5に示すように、装置本体の前面には前面カバー15が、上面には天面カバー16が設けられ、前面カバー15は図示しない回動軸を中心として、図6に示すように装置前方へと開放可能に構成されており、天面カバー16は回動軸16a(図2参照)を中心として、図7に示すように装置上方へと開放可能に構成されている。
【0043】
そして、前面カバー15を開放することによって、処理トレイ40が引き出し可能となり、処理トレイ40上で用紙が詰まった場合には、把手部45を用いて処理トレイ40を引き出すことによって容易にジャム処理を行うことができる。また、デカーラユニット12の前方側にはデカーラローラ対21,22を回転操作することができるハンドル部材12aが付設されており、用紙がデカーラローラ対21,22に挟持された状態で紙詰まりを生じた場合には、ハンドル部材12aを用いて用紙を下流側へと搬送させて、サブトレイ9に排出するか、処理トレイ40へと搬送することにより容易にジャム処理を行うことができる。
【0044】
また、退避ドラム13及び排出ローラ対11を構成する一方の排出ローラ11aは、天面カバー16によって回動可能に軸支されており、天面カバー16を開放することによって、退避ドラム13及び排出ローラ11aが上方へと持ち上げられて用紙搬送路が露出するようになる。これにより、詰まった用紙を視認することができるため、容易にジャム処理を行うことができる。
【0045】
ここで、レジストローラ対3は、厚紙の搬送時にもニップ部に用紙を確実に突き当ててレジストレーション補正を行うことができるように、ローラ間の圧接力が強めに設定されている。そのため、用紙がレジストローラ対3に挟持された状態で紙詰まりを生じた場合には、ハンドル部材12aを用いてデカーラローラ対21,22を回転させても、レジストローラ対3の圧接力により用紙を搬送することができない。また、天面カバー16を開放して直接用紙を引き出そうとすると、用紙がレジストローラ対3に挟持されているため、用紙が破損するおそれがある。そこで、本発明に係る用紙後処理装置1は、レジストローラ対3の圧接を解除することができる圧接解除機構80を備えたことを特徴としている。
【0046】
以下、図8及び図9に基づき図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態の圧接解除機構80の構成について説明する。図8は第1実施形態に係る圧接解除機構の斜視図であり、左下方向が用紙後処理装置の前方側として図示している。図9は第1実施形態に係る圧接解除機構の断面図であり、右側が用紙後処理装置の前方側として図示している。なお、図8においては、天面カバー及び押圧バネを除外して図示している。
【0047】
図8及び図9に示すように、本実施形態に係る圧接解除機構80は、用紙搬入口2に設けられた搬送下ガイド5、レジストローラ対3を構成する従動ローラ3bを支持する従動ローラユニット81、天面カバー16の下面側に付設された押圧バネ82及び当接部材83、従動ローラユニット81に接触配置された第1リンク部材84及び第2リンク部材85、第2リンク部材85を時計回りに付勢するねじりコイルバネ87から構成されている。
【0048】
搬送下ガイド5は上述したように、用紙後処理装置1に搬入された用紙をレジストローラ対3のニップ部へと案内するものであり、その上面の用紙搬送方向上流側は搬入される用紙を受け入れ易くするため、図2に示すように、用紙搬入口2に近づくにつれて搬送上ガイド4との間隔が大きくなるようなテーパ状に形成されている。そして、搬送下ガイド5はその後端部に用紙搬送方向と平行となるように軸通された揺動軸5aによって、用紙後処理装置1内に揺動可能に支持されており、図6及び図9に示すように、その前端部が内側板17の前方側に突出するよう構成されている。
【0049】
従動ローラユニット81は直方体形状に形成された筐体81aを有しており、この筐体81aの内部に従動ローラ回転軸3cを軸支している。また、筐体81aの下面には、従動ローラ3bが配置される部分に開口が設けられ、この開口を通して従動ローラ3bが駆動ローラ3aに当接するようになっている。更に、筐体81a内には、従動ローラ回転軸3cを駆動ローラ3a側へと付勢する付勢バネ81bが配設されている。そして、従動ローラユニット81は、その前端部に用紙搬送方向と平行となるように軸通された揺動軸81cによって、用紙後処理装置1内に揺動可能に支持されている。
【0050】
押圧バネ82は、天面カバー16の下面側に従動ローラユニット81の後端部近傍に対向するように配設されており、図9に示すように、天面カバー16が閉鎖されている状態では、この押圧バネ82によって従動ローラユニット81が下方に揺動するように付勢され、従動ローラユニット81は従動ローラ3bが所定の圧接力で駆動ローラ3aに圧接する位置(以下、圧接位置という)に配置されるようになっている。そして、突起部材83は、天面カバー16の下面側に従動ローラユニット81の後端部よりも若干後方側に配置されている。
【0051】
第1リンク部材84及び第2リンク部材85の上端部には、それぞれ傾斜面84a,85aが形成されており、第1リンク部材84及び第2リンク部材85は、この傾斜面84a,85aが従動ローラユニット81の後端部下面に当接するように配設されている。また、第1リンク部材84の下端部には前方側へと延びる当接部84bが、第2リンク部材85の下端部には後方側へと延びる当接部85bがそれぞれ一体形成されている。
【0052】
そして、第1リンク部材84及び第2リンク部材85は、それぞれに用紙搬送方向と平行となるように設けられた回動軸84c,85cによって用紙後処理装置1内に回動可能に支持されており、第1リンク部材84は、図示しないねじりコイルバネにより図9において反時計方向に付勢され、当接部84bの上面が搬送下ガイド5の後端部下面に当接するようになっており、第2リンク部材85は、ねじりコイルバネ87により図9において時計方向に付勢され、天面カバー16が閉鎖されている状態では、突起部材83が当接部85bの上面に当接し、第2リンク部材85の回動は図9に示す位置で規制されている。
【0053】
続いて、図10及び図11を参照して、用紙がレジストローラ対3に挟持された状態で紙詰まりを生じた際のジャム処理について説明する。図10及び図11はレジストローラ対の圧接を解除した状態を示す圧接解除機構の断面図であり、図10は搬送下ガイドを操作して圧接を解除した状態、図11は天面カバーを開放して圧接を解除した状態を図示している。なお、図10及び図11においては、図9と同様に右側が用紙後処理装置の前方側として図示している。
【0054】
先ず、用紙後処理装置1の前方からジャム処理を行う場合について説明する。前方からジャム処理を行う場合には、図6に示すように、前面カバー15を開放した後、搬送下ガイド5の前端を下方へと押し下げ、図10に示すように、搬送下ガイド5を、揺動軸5aを中心として下方へと揺動させる。ここで、内側板17には図示しない係止部材が設けられており、搬送下ガイド5を図10に示す位置に係止することができるようになっている。搬送下ガイド5が揺動すると、その下面に当接している第1リンク部材84の当接部84bが押し下げられるため、第1リンク部材84は回動軸84cを中心として時計方向に回動されることとなる。
【0055】
そして、第1リンク部材84が回動すると、従動ローラユニット81の後端部が傾斜面84aによってせり上げられ、従動ローラユニット81が、押圧バネ82の付勢力に抗して揺動軸81cを中心として上方へと揺動され、従動ローラ3bが駆動ローラ3aから離間する位置(以下、解除位置という)に移動する。これによって、従動ローラユニット81に支持されている従動ローラ3bが上方へと持ち上げられ、レジストローラ対3の圧接が解除され、駆動ローラ3aから従動ローラ3bが離間されるため、デカーラユニット12に付設されたハンドル部材12aを用いて用紙を搬送させることができるようになり、用紙をサブトレイ9に排出するか、処理トレイ40へと搬送することにより容易にジャム処理を行うことができる。
【0056】
次いで、用紙後処理装置1の上方からジャム処理を行う場合について説明する。上方からジャム処理を行う場合には、図7に示すように、天面カバー16を開放する。天面カバー16が開放されると、天面カバー16に付設された押圧バネ82が持ち上げられるため、従動ローラユニット81を下方へと揺動させる付勢力が解除される。また、天面カバー16が開放されると、同時に当接部材83が持ち上げられ第2リンク部材85の回動規制が解除されるため、第2リンク部材85がねじりコイルバネ87の付勢力によって回動軸85cを中心として時計方向に回動することとなる。
【0057】
そして、第2リンク部材85が回動すると、従動ローラユニット81の後端部が傾斜面85aによってせり上げられ、揺動軸81cを中心として上方へと揺動される。これによって、従動ローラユニット81は圧接位置から解除位置に移動し、従動ローラユニット81に支持されている従動ローラ3bが上方へと持ち上げられ、レジストローラ対3の圧接が解除され、駆動ローラ3aから従動ローラ3bが離間されるため、用紙が破損することなく引き出すことができ、容易にジャム処理を行うことができる。
【0058】
以上のように、レジストローラ対3に圧接解除機構80を設けて、用紙後処理装置1の前方及び上方のどちらからでも、ジャム処理を行うことができるよう構成したことにより、使用者が個々の体型や身体の状況に応じて、用紙後処理装置1の前方若しくは上方のどちらか作業を行い易い位置からジャム処理を行うことができるため、ジャム処理の作業性を向上させることができる。
【0059】
次に、図12〜図15を参照して第2実施形態の構成及びジャム処理について説明する。図12は第2実施形態に係る圧接解除機構の斜視図であり、左下方向が用紙後処理装置の前方側として図示している。図13は第2実施形態に係る圧接解除機構の断面図である。図14及び図15はレジストローラ対の圧接を解除した状態を示す第2実施形態の圧接解除機構の断面図であり、図14は突起付きレバーを操作して圧接を解除した状態、図15は天面カバーを開放して圧接を解除した状態を図示している。なお、図12においては、天面カバーを除外して図示し、図13〜図15においては、右側が用紙後処理装置の前方側として図示している。また、第1実施形態の図8及び図9と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
図12及び図13に示すように、本実施形態に係る圧接解除機構80は、従動ローラユニット81と、天面カバー16の下面側に摺動可能に支持された突起付きレバー86から構成されている。本実施形態では、筐体81a上面の付勢バネ81bと対向する位置には矩形状の開口部81dが設けられており、この開口部81dには筐体81aに対して上下方向に摺動可能に構成されたボタン部材81eが設けられており、このボタン部材81eの下面に付勢バネ81bの上端部が固着されている。
【0061】
突起付きレバー86は、天面カバー16の下面に設けられた支持部16bによって前後方向に摺動可能に支持されている。また、突起付きレバー86には、下方へ突出する突起部86aが設けられている。そして、図13に示すように、前面カバー15が閉鎖されている状態では、突起付きレバー86の前端部86bが前面カバー15の内面に当接して、最も後方側に位置づけられるようになっており、この時、突起付きレバー86は圧接位置に配置され、突起部86aによってボタン部材81eを下方へと押し込み、従動ローラ3bを付勢バネ81bの付勢力によって駆動ローラ3aに圧接するよう構成されている。
【0062】
本実施形態において、レジストローラ対3に挟持された状態で紙詰まりを生じた用紙をジャム処理するには、用紙後処理装置1の前方からジャム処理を行う場合には、図6に示すように、前面カバー15を開放した後、図14に示すように、突起付きレバー86を前方側へと摺動させる。突起付きレバー86が摺動されると、ボタン部材81eが突起部86aによって押し込まれなくなるため、ボタン部材81eは付勢バネ81bの付勢力によって上方へと押し出されるようになり、従動ローラ回転軸3cに付勢バネ81bの付勢力が作用しなくなり、レジストローラ対3の圧接が解除することができる。
【0063】
また、用紙後処理装置1の上方からジャム処理を行う場合には、図7に示すように、天面カバー16を開放すると、図15に示すように、天面カバー16に支持された突起付きレバー86が持ち上げられて解除位置に移動し、ボタン部材81eが突起部86aによって押し込まれなくなるため、ボタン部材81eは付勢バネ81bの付勢力によって上方へと押し出されるようになり、従動ローラ回転軸3cに付勢バネ81bの付勢力が作用しなくなり、レジストローラ対3の圧接が解除することができる。
【0064】
また、本実施形態の圧接解除機構80では、前面カバー15を開放し突起付きレバー86を前方へと摺動させて解除位置に移動し、レジストローラ対3の圧接を解除した場合でも、前面カバー15を閉鎖すると、突起付きレバー86の前端部86bに前面カバー15の内面が当接し、自動的に後方側へと押し込まれるよう構成されているため、レジストローラ対3の圧接を解除したままの状態になることが防止される。
【0065】
次に、図16を参照して第3実施形態の構成について説明する。図16は第3実施形態に係る圧接解除機構の断面図であり、右側が用紙後処理装置の前方側として図示している。なお、第1実施形態の図8及び図9と第2実施形態の図12及び図13と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では突起付きレバー86が筐体81aに対して前後方向に摺動可能に支持され、ボタン部材81eは筐体内部に上下方向に摺動可能に配設されている。
【0066】
本実施形態において、レジストローラ対3に挟持された状態で紙詰まりを生じた用紙をジャム処理するには、用紙後処理装置1の前方からジャム処理を行う場合には、突起付きレバー86を操作することにより、第2実施形態と同様にレジストローラ対3の圧接を解除することができ、用紙後処理装置1の上方からジャム処理を行う場合には、天面カバー16を開放することにより、第1実施形態と同様にレジストローラ対3の圧接を解除することができる。
【0067】
その他、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、例えば、上記実施形態においては、用紙後処理装置1の前方側からジャム処理を行う場合には、前面カバー15を開放した後、搬送下ガイド5又は突起付きレバー86を操作することによって、レジストローラ対3の圧接を解除するよう構成しているが、これはバネ等の付勢部材を配設することにより、前面カバー15が開放されると自動的にレジストローラ対3の圧接が解除されるように構成することも可能である。
【0068】
また、上記実施形態においては、天面カバー16を開放すると自動的にレジストローラ対3の圧接が解除されるよう構成されているが、これは突起部材83又は突起付きレバー86を支持する支持部16bを用紙後処理装置1本体に設けて、天面カバー16を開放した後、突起部材83又は支持部16bを操作することによってレジストローラ対3の圧接が解除されるように構成することも可能である。更に、上記実施形態においては、レジストローラ対3に圧接解除機構80を設けたが、これはレジストレーション機能を有しない通常の搬送ローラ対に圧接解除機構80を設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置によって画像が形成された用紙等に、ステープル処理等の後処理を行う用紙後処理装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】は、本発明に係る用紙後処理装置の構成を示す概略図である。
【図2】は、本発明に係る用紙後処理装置の上部の拡大図である。
【図3】は、本発明に係る用紙後処理装置に配設された処理トレイの斜視図である。
【図4】は、図3に示す処理トレイに備えられた駆動系を示す斜視図である。
【図5】は、本発明に係る用紙後処理装置の全体斜視図である。
【図6】は、本発明に係る用紙後処理装置の前面カバーが開放された状態を示す全体斜視図である。
【図7】は、本発明に係る用紙後処理装置の天面カバーが開放された状態を示す全体斜視図である。
【図8】は、第1実施形態に係る圧接解除機構の斜視図である。
【図9】は、第1実施形態に係る圧接解除機構の断面図である。
【図10】は、搬送下ガイドを操作して圧接を解除した状態を示す、第1実施形態に係る圧接解除機構の断面図である。
【図11】は、天面カバーを開放して圧接を解除した状態を示す、第1実施形態に係る圧接解除機構の断面図である。
【図12】は、第2実施形態に係る圧接解除機構の斜視図である。
【図13】は、第2実施形態に係る圧接解除機構の断面図である。
【図14】は、突起付きレバーを操作して圧接を解除した状態を示す、第2実施形態に係る圧接解除機構の断面図である。
【図15】は、天面カバーを開放して圧接を解除した状態を示す、第2実施形態に係る圧接解除機構の断面図である。
【図16】は、第3実施形態に係る圧接解除機構の断面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 用紙後処理装置
3 レジストローラ対(搬送ローラ対)
3a 駆動ローラ
3b 従動ローラ
3c 従動ローラ回転軸
4 搬送上ガイド
5 搬送下ガイド
5a 揺動軸
15 前面カバー
16 天面カバー
16a 回動軸
16b 支持部
17 内側板
80 圧接解除機構
81 従動ローラユニット
81a 筐体
81b 付勢バネ(バネ部材)
81c 揺動軸
81d 開口部
81e ボタン部材
82 押圧バネ(第1付勢手段)
83 当接部材
84 第1リンク部材
85 第2リンク部材
86 突起付きレバー
87 ねじりコイルバネ(第2付勢手段)
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体側面に用紙を受け入れる用紙搬入口が設けられ、該用紙搬入口の用紙搬送方向下流側近傍には、駆動ローラと該駆動ローラに圧接される従動ローラから構成された搬送ローラ対が配設されており、
画像形成装置によって画像が形成された用紙を前記用紙搬入口から受け入れて、所定の後処理を施す用紙後処理装置において、
装置本体内には、前記従動ローラの前記駆動ローラへの圧接を解除することができる圧接解除機構が設けられており、該圧接解除機構は装置本体の上面側及び前面側のどちらからでも操作可能に構成されていることを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項2】
前記従動ローラを収容し、その装置前側の端部に用紙搬送方向と略平行に設けられた揺動軸により、前記従動ローラが前記駆動ローラに圧接される圧接位置と前記従動ローラが前記駆動ローラから離間する解除位置とに揺動可能に配設された従動ローラユニットと、該従動ローラユニットを前記圧接位置方向に付勢する第1付勢手段とが設けられており、
前記圧接解除機構は、前記従動ローラユニットの下方に設けられ、装置奥側の端部に用紙搬送方向と略平行に設けられた揺動軸により、装置前面側から下方へと揺動可能に配設された搬送下ガイドと、該搬送下ガイドの揺動に応じて前記従動ローラユニットを前記圧接位置と解除位置とに揺動させる第1リンク部材と、から成る第1圧接解除機構と、
装置本体上面に開閉可能に支持されるとともに裏面に当接部材が突設された天面カバーと、該天面カバーの開閉に応じて前記当接部材が当接又は離間することにより前記従動ローラユニットを前記圧接位置と解除位置とに揺動させる第2リンク部材と、該第2リンク部材を前記従動ローラユニットが前記解除位置に配置される方向に付勢する第2付勢手段とから成る第2圧接解除機構と、から構成されることを特徴とする請求項1に記載の用紙後処理装置。
【請求項3】
前記圧接解除機構は、
前記従動ローラに挿通され、前記従動ローラを前記駆動ローラに対して離接させる方向に移動可能に支持された従動ローラ回転軸と、
バネ部材を介して前記従動ローラ回転軸に当接するように配設されるボタン部材と、
該ボタン部材に対向する方向に突出する突起部が設けられ、該突起部が前記ボタン部材を押圧して、前記従動ローラ回転軸に前記バネ部材の付勢力を作用させる圧接位置と、前記突出部が前記ボタン部材から離間され、前記従動ローラ回転軸に前記バネ部材の付勢力を作用させない解除位置とに移動可能な突起付きレバーと、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の用紙後処理装置。
【請求項4】
前記突起付きレバーは、装置本体上面に開閉可能に支持された天面カバーの下面に設けられた支持部によって、装置本体に対して前後方向に摺動可能に支持されており、
装置本体前面に開放可能に構成された前面カバー及び前記天面カバーが閉鎖されている状態では、前記前面カバー内面が前記突起付きレバーの前端部に当接することにより前記突起付きレバーが前記圧接位置に配置され、前記天面カバーの開放により、若しくは前記前面カバーの開放及び前記突起付きレバーの摺動により、前記突起付きレバーが前記解除位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載の用紙後処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−162708(P2008−162708A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−350858(P2006−350858)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】