説明

用量形態洗剤製品

【解決手段】用量形態洗剤製品を製造する方法が、(a)水溶性の合成プラスチックフィルムを、ポーチを規定する型穴状に形成することによって、開口ポーチを与える工程と、(b)粒子状の第1洗剤組成物をポーチ内に入れる工程と、(c)粒子状の第1洗剤組成物の上面に凹部を形成する工程と、(d)該凹部内に、予め成形され、形状を保持し、粒子状の第1洗剤成分から露出するように配置される少なくともほぼ平らな表面を有する第2保形洗剤成分を入れる工程と、(e)水溶性フィルムをポーチの口を覆い、予め成形した洗剤製品の露出面と接触するように水溶性フィルムで密閉する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用量形態洗剤製品(dosage form detergent products)、即ち、少なくとも1種の洗剤成分の予め定められた総量を含んでおり、衣類洗濯機又は自動食器洗い機に加えられて、その洗剤成分の総量を洗浄プロセスに供給することを目的とした洗剤製品に関する。本発明は、より詳細には、洗剤組成物が水溶性エンベロープ(envelope)内に与えられている用量形態製品に関する。
【背景技術】
【0002】
種々のタイプの用量形態洗剤製品がここ数年普及している。というのも、これらは、「製造時の(manufactured)」形態で家庭用洗濯機又は食器洗い機に加えられて、所要量の洗剤成分を与えることができるからである。これにより、洗剤組成物が、自由流動粉末として箱に、又は液体としてボトルに与えられる場合のように、その量を別個に測定する必要が無くなる。
【0003】
このような用量形態の例には、家庭用自動衣類洗濯機又は家庭用自動食器洗い機用に製剤されたタブレットがある。更なる製品の例には、ポリビニルアルコールなどの水溶性フィルム材料のエンベロープ内に、洗剤組成物が密封されているサシェ(sachets)の形態がある。両タイプの用量形態において、洗剤製剤は、粒子状の洗剤組成物の「本体」と、予め形成された別個の挿入物とを含んでよい。タブレットの場合、粒子状洗剤組成物の本体は、一般に粒子状物質をタブレット形態に圧縮し、同時にそのタブレット体に凹部を作ることによって、形成される。予め形成された挿入物は、タブレット体の凹部に配置(そして凹部に接合)される。挿入物自身は、圧縮された粒子状物質からなる(例えば、球形又は「ひし形(lozenge)」に圧縮されている)か、或いは、その代わりにゲル又は固化した溶解物の形態であってもよい。このようなタブレットの例は、圧縮された粒子状挿入物を開示している欧州特許出願公開第0976819(A)号と、ゲル又は固化した溶解物の形態の挿入物を開示している欧州特許出願公開第0960187(A)号とに記載されている。
【0004】
挿入物と組み合わせた洗剤製剤を含む水溶性サシェは、例えば国際公開第2005/121302(A)号(Reckitt Benckiser)に記載されている。このようなサシェは、水溶性の熱可塑性プラスチック材料(例えばポリビニルアルコール)を、凹部を有する型穴(「ポケット」)状に熱成形し、成形されたフィルムの凹部に挿入物を配置してから熱成形体を粒子状洗剤組成物で満たし、その後、水溶性フィルムの形態の「蓋」を用いて袋の口を密閉することによって、製造される。
【0005】
国際公開第2009/056861(A)号(Reckitt Benckiser)は、類似した主題に関連しており、ポリビニルアルコールフィルムをポケット状に熱成形する上で重大な問題があることを開示している。つまり、フィルムが延伸されることで、熱成形された直後に、フィルムが型から離れて縮み始める点についてである。このことは、型穴に凹部がある場合に特に問題となる。というのも、フィルムに成形された対応する凹部の輪郭を維持することが難しいからである。国際公開第2009/056861号に提案された解決策は、より厚いフィルムを使用することである。しかし、衣類洗濯機のドロー(draw)に加えられる場合、フィルムが厚いほど溶解する時間がかかり、溶解の問題をもたらすことがある。
【0006】
更なる発展は、(水溶性の熱可塑性プラスチック材料で形成された)サシェの形態の用量形態製品を開示している国際公開第2008/087424号(Reckitt Benckiser)に開示されている。このサシェは、固められていない粒子状組成物とゲルとを互いに直接接触させて包んでいる。これらの用量形態製品は家庭用食器洗い機用であり、ポーチ(pouch)の形に水溶性フィルムのシートを形成し、ポーチに粒子状組成物を導入した後、粒子状組成物をずらしてそこに窪みを形成する工程が続くプロセスによって、形成され得る。その後、ゲル又はゲル前駆体が、粒子状組成物の窪みに導入され、上側フィルムがポーチの口を密閉する。国際公開第2008/087424号に記載された用量要素の実施形態では、1又は複数の有効洗浄剤を含む更なる成分が、ゲル又はゲル前駆体に存在してもよい。このような更なる成分は、例えば、「ピル」等の固形化した形態にされてもよい。
【0007】
上述の発展にも係らず、用量形態洗剤製品とその製造方法を改善する必要性が残っている。本発明は、この必要性に取り組むものである。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の態様によると、用量形態洗剤製品を製造する方法であって、
(a)水溶性の合成熱可塑性プラスチックフィルムを、開口ポーチを規定する型穴状に形成することによって、そのポーチを作る工程と、
(b)粒子状の第1洗剤組成物をポーチ内に導入する工程と、
(c)粒子状の第1洗剤組成物の上面に凹部を形成する工程と、
(d)予め成形され(pre-formed)、形状を保持している(shape-retaining)第2洗剤成分を、粒子状の第1洗剤成分から少なくともほぼ平坦な面が露出するように配置されるように、凹部に入れる工程と、
(e)水溶性フィルムを予め成形された洗剤製品の露出面に配置して、ポーチの口を密閉する工程と、
を含む方法が提供される。
【0009】
本発明は、水溶性エンベロープ内に与えられる2つ(即ち、第1及び第2)の洗剤成分を具える洗剤用量形態の便利な製造方法を提供する。より詳細には、本発明は、(上記工程(c)において)粒子状の第1洗剤組成物に形成された凹部に、第2成分の場所を提供する。この凹部を与えることで、国際公開第2005/121302号及び国際公開第2009/056861号(上記参照)に開示されたような、凹部を形成した穴を有する型を使用することなく、第2成分を適切な場所に配置できる。要するに、その結果、本方法の工程(c)において粒子状の第1洗剤組成物に形成される凹部によって、予め型穴に凹部を形成する必要がなくなり、フィルムに形成された凹部の輪郭を維持することに関する問題が避けられる。特に、(本プロセスの工程(e)において)密閉フィルムに加えられる延伸の程度は、先行技術の構成の場合のようにポーチに成型凹部を形成する場合よりも小さい。このことは、第2の洗剤成分がポーチの口よりも上方に突出するような本発明の好ましい実施形態の場合についても当てはまる。延伸を小さくする程、フィルムが「引き戻される(pull-back)」性向は小さくなる(成型凹部を有する先行技術のポーチと比較して、収縮は問題にならない)。これらの理由によって、本発明は、国際公開第2005/121302(A)号及び国際公開第2009/056861(A)号の手法よりも薄いフィルムを用いることができるので、より急速に溶解するという利点を有する。本発明はまた、国際公開第2008/087424号の手法に対して、大きな利点を提供する。それは、密閉フィルムが、予め成形された第2の洗剤成分の少なくともほぼ平坦な面に亘って配置されることで、包装、輸送及び他の取扱い作業等の作業中に表面とシールとの間に第1洗剤成分の粒子が入ろうとすると抵抗があることである。この特徴によって、透明な密閉フィルムにより製造された用量形態製品の美的外観を保つことができる。というのも、粒子状の第1洗剤成分が、フィルムと第2洗剤成分の少なくともほぼ平坦な表面との間に入ること、そして後者の外観を損なわせることとが抑制され、これらは双方とも、粒子状の第1洗剤成分が第2洗剤成分の少なくともほぼ平坦な表面上に現れて、後者の周縁部の境界(definition)が壊れることにより生ずるからである。
【0010】
本発明は、丈夫な(robust)構造を有しており、取扱い作業の間、形状を保持できる用量形態洗剤製品の製造を可能とする。この特性、即ち丈夫な構造は、用量形態洗剤製品が平底(又は、実質的に平底)のサシェであり得るという実用上の観点から重要である。平底のサシェは、形状を保持し、家庭用食器洗い機の一般的な投剤部分(dispense compartment)に配置されるのに理想としては適している。
【0011】
用語「少なくともほぼ平坦な(at least substantially planar)」は、表面の平面性からのずれが、フィルムが接しない表面領域を与える程ではないことを意味する。故に、例えば、表面の凸性(convexity)は、フィルムと接触しない外側領域がその表面に存在するほど大きくはない。故に、例えば、直径が16mmの円盤の場合、その面は、半径が30mm未満の凸性を有してはいけないことが分かっている。
【0012】
予め成形した洗剤成分は、1つの少なくともほぼ平坦な表面を有し得るが、本発明の用量形態洗剤製品を製造し易くするために、互いに平行である2つの表面を有することがより好ましい。これによって、本発明の方法の工程(d)中に粒子状の第1洗剤成分に形成された凹部に、予め成形した洗剤成分を「どちらを上としても(either way up)」配置できる。
【0013】
予め成形した洗剤成分の少なくともほぼ平坦な表面は、大抵の場合、その成分の主表面であろう。
【0014】
本発明の特に好ましい実施形態では、密閉フィルムは、そのフィルムが配置される少なくともほぼ平坦な表面の境界を示す縁部に接するように配置される。フィルムと境界縁部のこのような接触は、フィルムの下へ第1粒子状組成物が移動するのを阻止するのに役立つ。予め成形した洗剤成分は、少なくともほぼ平坦な表面の周りに面取縁部を有してもよく、この場合、フィルムは面取ちび部の少なくとも内縁部(即ち、少なくともほぼ平坦な表面の境界を規定する縁部)と接していることが好ましい。
【0015】
予め成形した洗剤成分の断面は、例えば、円形又は多角形(例えば三角形、正方形、矩形等)であってよい。予め成形した洗剤成分の断面は、その厚さの初めから終わりまで均一な、又は実質的に均一であることが好ましい。本発明の好ましい実施形態では、予め成形した洗剤成分は円盤であるが、例えばその代わりに、立方形構造であってもよい。故に、少なくともほぼ平坦な表面の周りに面取縁部を有する予め成形した洗剤成分は、本質的に均一な断面であると見なされ得る。この断面は、例えば、円形又は三角形、正方形、矩形等の多角形であってよい。
【0016】
予め成形した本体は、好ましくは、圧縮された粒子状物質であってよいが、その代わりに、ゲル又は固化した溶解物製であって、予め成形された保形本体("shape-retaining, pre-formed body")であってもよい。第2洗剤成分は、圧縮した粒子状物質からなる(即ち、凹部には、例えばゲル又は固化した溶解物等の他の物質製の第2洗剤成分がない)ことが特に好ましい。
【0017】
本発明の方法の好ましい実施において、凹部が形成される工程(c)は、それと同時に、プロセスの工程(b)においてポーチに加えられた粒子状の第1洗剤組成物の本体を圧縮することを含んでいる。この凹部形成を伴う粉末の同時圧縮は、パンチ工具によって達成されてよい。パンチ工具は、凹部を形成する突起を有しており、該突起は、粉末を圧縮する工具の面に取り囲まれている。
【0018】
第1粒子状組成物が圧縮された用量形態洗剤製品は、本発明の重要な特徴を独自に形成する。従って、本発明の第2の態様は、
(i)水溶性フィルムのポーチと、前記ポーチの口に亘って設けられる水溶性フィルムのシールとからなる水溶性エンベロープと、
(ii)前記ポーチに与えられ、前記シールに隣接する表面に凹部が形成されている圧縮された粒子状の第1洗剤組成物と、
(iii)前記圧縮された第1洗剤組成物の前記凹部に設けられる第2洗剤成分と、
を具え、
前記第2洗剤成分は、予め成形された保形体であり、シールの下面と接触する少なくともほぼ平坦な表面を有する用量形態洗剤製品を提供する。
【0019】
本発明の第2の態様で用いる予め成形した洗剤成分は、第1の態様について前述したものであってよい。
【0020】
第1粒子状洗剤組成物が圧縮されることが特に好ましいが、本発明の方法が用いられて、粒子状の第1組成物に凹部が与えられているが圧縮されていない用量形態洗剤製品が製造される可能性は排除されない。
【0021】
本発明による用量形態洗剤製品は、例えば、家庭用洗濯又は食器洗い作業用であり得る。
【0022】
好ましい製造プロセスでは、粒子状の第1洗剤組成物に形成される凹部は、第2洗剤成分の厚さと同等か、それ未満である深さを有する。好ましくは、凹部の深さは、第2洗剤成分の厚さ未満であり、このことによって後者の少なくとも平らな表面が、粒子状の洗剤成分の表面よりも上に位置する。
【0023】
好ましい用量形態洗剤製品において、予め成形した洗剤成分の少なくともほぼ平坦な表面は、密閉フィルムの下面と相対的に接触するように促され、密閉フィルムと第2洗剤成分の間に粒子状の第1洗剤成分が移動することを阻止するのに役立つ。このことは、例えば、密閉フィルムとして用いられるフィルムよりも低いモジュラス(例えば、係数100%の値で測定した)を有するフィルムからポーチを製造することによって、達成できる。言い換えれば、開口ポーチの製造に用いるフィルムは、上側フィルムに用いるものよりも「伸縮性」がある。この組合せにより、ポーチを形成するフィルムは、上側フィルムの下面に対して第2洗剤成分を押し付けることができ、このことが、第2洗剤成分を適所に保持するのに役立ち、そして第2洗剤成分と上側フィルムの下面との間に粒子状物質が進入することを抑えるという利点を提供する。
【0024】
第1洗剤組成物の圧縮は、係数が異なるフィルムを用いるという上述の好ましい特徴と併せて、最終製品の保形能を向上させ、第2洗剤成分と上方フィルムの間への粒子状物質の不要な侵入を阻止するのに役立つ。これらの利益は、圧縮プロセスが第1洗剤組成物の内部で粒子の移動を阻止する助力となることで得られることは当然理解できるであろう。しかし、同様の効果は、例えば、粉末の粒度分布(granulometry)、又は「粘着性のある(sticky)」粒子の取込みによって粒子が互いに幾らか凝集するような第1洗剤組成物を用いることによっても得られる。
【0025】
しかしながら、本発明の用量形態洗剤製品の製造において用いられる圧縮圧力は、製品の外側フィルムが除去されても「形状を保持する」ような塊に、粒子状の第1洗剤組成物が圧縮されるほど高くすべきではないことに留意すべきである。故に、本発明による用量形態洗剤製品では、粒子状の第1洗剤成分は、外側フィルムが除去されると、「保形タブレット」としてではなく、自由流動粉末として有効に留まる。
【0026】
粒子状の第1洗剤成分は、以下の実施例2の手法に従って用量形態洗剤製品を製造するのに用いられる場合、結果として生じる製品が(実施例2において詳述する試験によって判定される)少なくとも4.5N、より好ましくは少なくとも6Nの強度を有するようなものであるのが好ましい。実施例2の試験は、本明細書にて「本願明細書で規定の試験」と称される。
【0027】
大抵の場合、第1粒子状洗剤組成物の重量は、少なくとも第2洗剤組成物の重量である(好ましくはそれを超える)。故に、例えば、第1粒子状洗剤組成物の第2洗剤組成物に対する重量比は、少なくとも5:1、より好ましくは9:1乃至40:1であってよい。通常、第2洗剤成分の重量は、0.4乃至5gであり、例えば0.7乃至1.6gである。第1粒子状洗剤成分の量は、それに従って計算されてよい。本発明による製品の典型的な、しかし非限定の例は、家庭用の自動食器洗い機で使用され、14gの第1粒子状洗剤組成物と、1gの第2洗剤組成物とを含む。
【0028】
第1粒子状洗剤成分及び第2洗剤成分の組成は、用量形態製品の使用目的によって決定されるであろうが、各々は、概ね、ビルダー(例えばSTP、又は、ゼオライト、クエン酸塩若しくはMGDA等の他の種類のビルダー)、界面活性剤、アルカリ源(source of alkalinity)、漂白剤、漂白活性化剤、抗被膜(anti-filming)ポリマー、酵素、柔軟クレー(softening clay)、衣類柔軟剤、衣類仕上げ剤、潤滑剤、染料又は香料の少なくとも1つを含んでいる。第2洗剤成分は、第1粒子状洗剤成分1とは異なる色であり、従って視覚的に区別できることが特に好ましい。ある実施形態では、用量形態製品は、家庭用衣類洗濯機に用いることができ、この場合、粒子状の第1洗剤成分及び第2洗剤成分は、界面活性剤、特に25°Cで固体である界面活性剤と、低温漂白活性化剤と、柔軟クレーと、香料を有する物質とを含んでよい。または、用量形態製品は、家庭用自動食器洗い機に用いることができ、この場合、粒子状の第1洗剤成分及び第2成分は夫々、ビルダー、界面活性剤、漂白活性化剤、又は染料の少なくとも1つを含んでよい。好適な成分の例として、TAED、ポリアクリル酸ポリマー、25°Cで固体である非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0029】
本発明の用量形態製品は、第1洗剤成分と第2洗剤成分との間で、ある種の成分が分離する結果として性能が向上するものであってよいことは当然理解できるであろう。
【0030】
第2洗剤成分は、第1粒子状洗剤組成物よりもゆっくりと溶解し、家庭用衣料洗濯機又は食器洗い機の洗浄サイクルにおいて、比較的遅れて供給される成分を含んでよい。
【0031】
本発明の幾つかの実施形態において、第1粒子状洗剤成分は、カプセル剤を含んでよい。
【0032】
本発明の第1の態様の方法における工程(a)及び工程(e)に用いられる水溶性フィルムは、同じであっても異なっていてもよく、各々は、概ね25μm乃至80μmの範囲の厚さを有する。フィルムは、10°Cの温度で2分以内に水に完全に溶解することが好ましい。フィルムは、ポリビニルアルコールであることが特に好ましい。
【0033】
本発明のプロセスの工程(e)においてシールに用いられる水溶性フィルムは、ブローフィルムであることが特に好ましい。というのも、このフィルムはキャストフィルムよりも伸びない傾向にあり、最終的な用量形態製品において、(第1組成物に対する)第2組成物の側方への移動を低減するのに役立つからである。工程(a)において用いられるフィルムは、キャストフィルムであることが好ましい。
【0034】
例として、ポーチを形成する方法の工程(a)において用いられるフィルムは、Monosol M8630(30μmのキャストフィルム)であってよく、工程(e)においてシールを形成するために用いられるフィルムは、Monosol L711(30μmのブローフィルム)であってよい。製造者のデータによると、M8630フィルムは、10°Cで6秒以内に水で分解し、20秒以内に溶解する。L711フィルムについて対応する数字は、12秒及び120秒である。
【0035】
用量形態製品を製造する本発明の第1の態様の方法における工程(a)は、真空熱成形プロセスを含んでよく、このプロセスにおいて、水溶性の合成熱可塑性プラスチックフィルムは加熱されて、真空によって(好ましくは、底が平らである)型穴内に引き込まれる。真空熱成形は、本発明の有利な実施形態を表わしているが、他の可能性もある。真空熱成形は好ましい技術であるが、熱量が低い程良い。というのも、熱量が低いことは、(例えばサシェの形態の)最終用量形態製品がその形状を保持する能力を支援するからである。例えば、フィルムは、予めフィルムを加熱することなく、適切な高レベルの真空を作用させて型穴に引き込まれてもよい。本発明のプロセスの工程(a)を達成するのに利用できる技術の更なる例は、国際公開第2009/056861号に記載されている。
【0036】
本プロセスの次の工程において、粒子状の第1洗剤組成物がポーチ内に導入され、その粒子状組成物の上面に、第2洗剤成分を収容する凹部が形成される。前述のように、これは、凹部を形成するための突起を有するパンチ工具を用いて達成されてよく、当該突起は、粉末を圧縮する工具の面によって取り囲まれている。理想的には、粉末に接触する工具の表面は、粒子状組成物による表面への接着を軽減するように処理されている。このことは、挿入物、特にエラストマで作られた挿入物と、及び/又は、特別な非粘着表面及び滑面とを用いることでなされてよい。この段階でもたらされる圧縮の程度は十分であるべきで、第2洗剤成分を凹部に導入するのに少なくとも十分な長さで、凹部の壁が変わらずに存在するように粉末は圧縮される。しかしながら、圧縮の程度は、ポーチから取り外された場合に粉末が形を保つ程、又は溶解特性が著しく損なわれる程、高い必要はない。
【0037】
製造プロセスの次の工程において、(例えば、熱融着によって、或いは、密閉フィルム、及び/又は密閉フィルムが結合されるべき開口ポーチの領域(例えば、開口ポーチ周囲のフランジ)への水分塗布によって)密閉フィルムがポーチの口を密閉する。その後、用量形態洗剤製品を型から取り外すことができる。
【0038】
本発明の幾つかの実施形態では、本プロセスの工程(e)において用いられる密閉フィルムを貫くかそれに孔を開けることが望ましいであろう。このことが、第2成分に対する粒子状の第1洗剤成分の移動を少なくする助けとなる。本発明のこの実施形態は、粒子状の第1洗剤成分が圧縮される場合に特に有用である。
【0039】
本発明の方法は、水平ベッド型(horizontal bed)製造機(例えば、Harro Hofliger社製)、又はドラムベースの(drum based)機械(例えば、Cloud社製)で達成することができる。
【0040】
本発明は、添付の図面を参照して、例示の目的でのみ更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明によって製造された用量形態洗剤製品のある実施形態を示す図である。
【図2】図2は、図1に示された用量形態製品の製造工程を示す図である。
【図3】図3は、図1に示された用量形態製品の製造工程を示す図である。
【図4】図4は、図1に示された用量形態製品の製造工程を示す図である。
【図5】図5は、図1に示された用量形態製品の製造工程を示す図である。
【図6】図6は、図1に示された用量形態製品の製造工程を示す図である。
【図7】図7は、図1に示された用量形態製品の製造工程を示す図である。
【図8】図8は、図1に示された用量形態製品の製造工程を示す図である。
【図9】図9は、図1に示された用量形態製品の製造工程を示す図である。
【図10】図10は、図1に示された用量形態製品の製造工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1に示すように、本発明による用量形態製品は、圧縮された粒子状物質(1)と、粒子状物質(2)の圧縮中に形成された凹部(4)内に存在する挿入物(3)とを具えるサシェ(1)の形態である。挿入物(3)は、最上部に平面(3a)を有する円盤の形態である。サシェ(1)の壁は、一方は、熱成形された水溶性フィルム材料のポーチ(5)、他方は、ポーチ(2)の上縁部周りに一体的に形成されるフランジ(7)に接着する水溶性フィルム材料の閉塞要素(「蓋」)(6)からなる。
【0043】
更に、図1に示すように、閉塞フィルム(6)は、挿入物(3)の表面(3a)に亘って引き伸ばされ、その表面の境界縁部と接触している。このような配置により、粒子状物質(2)から閉塞フィルム(6)と表面(3a)の間への粒子の移動が抑えられるので、先に詳述した利点がもたらされる。
【0044】
ポーチ(5)及び閉塞要素(6)を形成するのに使用されるフィルム材料は、同じであっても異なってもよい。これらのフィルム材料は、ポリビニルアルコールとされて、必要な水溶解度が与えられてよい。概して、水溶性フィルムの厚さは、25μm乃至80μmの範囲にあるだろう。しかし、ポーチ(5)と閉塞要素(6)に異なるフィルム厚さを用いてもよい。例示の目的で、ポーチ(5)は、38μmの厚さを有するMonosol M8630フィルムから形成され、閉塞要素(6)は、Monosol L711フィルム(35μmの厚さ)から形成されてよい。
【0045】
閉塞要素(6)は、フランジ(7)に、2つのフィルムを一緒に熱融着することによって、又は接着剤を使用することによって、接着されてよい。
【0046】
ポーチ(5)及び閉塞要素(6)を形成するのに用いられる水溶性フィルム材料は、(必ずというわけではないが)通常、双方ともサシェ(1)の中身が目に見えるように透明である。フィルムの一方又は双方が、無色であっても有色であってもよい。フィルムが透明である場合、挿入物(3)は、可視効果のために粒子状物質(2)に対する対比色にされてよい。
【0047】
挿入物(3)は、圧縮された粒子状物質から形成されることが好ましい。しかしながら、挿入物(3)が異なる形態をとり得ることは当然理解されるはずである。故に、挿入物(3)は例えば、円盤以外の圧縮された粒子状物質であってもよい。よって、挿入物(3)は、例えば、2つの平行で平らな表面を有するような他の任意の形状であってもよい。挿入物は、例えば、立方体又は「ひし形」状(即ち、長さが幅又は深さの何れかよりも幾分大きく、好ましくは端が丸みを帯びた形態)であってもよい。
【0048】
第2の組成物は(特に、圧縮された粒子状物質の挿入物、又はゲル若しくは固化した溶解物の挿入物の形態である場合)、家庭用衣料洗濯機又は食器洗い機の洗浄サイクルにおいて、第1の洗剤組成物よりもゆっくり溶解し、比較的遅く供給される成分を含むことができる。
【0049】
図2乃至図10を参照して、サシェ(1)の製造工程を説明する。簡単にするために、図2乃至図10は1つのサシェのみの製造を示すが、複数のサシェが大量生産中に同時に形成されることは当然理解できるであろう。大量生産には、水平ベッド型、又はドラムベースの機械を用いることができる。
【0050】
図2に示すように、(ポーチ(5)を形成するための)水溶性の熱可塑性プラスチックフィルム(5')の予熱された長さは、真空型穴(11)が形成された型(10)の口を覆うように与えられる。型(10)は、真空が作用する開口(12)を有する。真空を作用させると、フィルム(5')は、型穴(11)内に吸い込まれ、前述のフランジ(6)を具えるポーチ(5)の構造を形成する(図3参照)。
【0051】
図4に示される次の工程において、必要量の粒子状物質(2)が、先の段階において形成された開口ポーチ内に導入される。概して、加えられる粒子状物質(2)の量は、ポーチの容積の60%乃至80%の範囲内である。この段階では、粒子状組成物(2)は比較的ほぐれているが、次の製造段階(図5に示す)において、パンチ(13)によって圧縮される。パンチ(13)は板状体(14)を有し、その底面の中心に略円筒形の突起(15)が形成されている。パンチ(13)は粒子状物質(2)とくっつかないことが好ましいので、付着を軽減するように処理/修正されてよい。この目的のためにタブレット製造者に周知の技術を使用することができ、(特にエラストマで作られた)挿入物、並びに特別な非粘着表面及び滑面の使用を挙げることができる。
【0052】
図5は、初期の上方位置にあるパンチ(13)を示しており、図6は、粒子状物質(2)が圧縮され、凹部(4)が形成されるように、パンチ(13)が下降した状態を示している。パンチ(13)が及ぼす圧縮力は、最大30kN、より好ましくは最大10kNとしてよい。しかしながら、どのような圧縮圧力であっても、型から取り外した場合に形を保つ程度に十分な一体強度を有する程度にまで、又は溶解特性が著しく損なわれる程度にまで、粉末が圧縮されることは想定されない。圧縮力は、挿入物(3)を加えるのに少なくとも十分な長さで、凹部の壁が変わらずに存在するように粉末が圧縮される大きさにされるべきである。
【0053】
図7は、圧縮後、及びパンチ(13)の上昇後の粒子状物質(2)を示している。
【0054】
ここで、型(10)は、パンチ(13)から比較的離れているので、図8に示すように、挿入物(3)が、前述の圧縮手順(図6及び図7)中に形成された凹部(4)に導入され得る。
【0055】
続いて、(最終的に閉塞要素(6)を形成する)水溶性のプラスチックフィルム(6')の長さは、ポーチ(5)の口とフランジ(7)の双方を覆うことが可能な範囲である。フィルム(6')は、フランジ(7)と接触し、フランジ(7)に密着してサシェ(1)を形成する。密着は、フィルム(6')に熱を加えることによって、又は蒸気を軽く当てることによって達成されて、厚さが増してよい。この段階で、真空が解除されて、サシェ(1)が型(10)から解放されてよい。ドラムベースの機械の場合、サシェ(1)は、ドラムが回転すると、型から簡単に落ちる。代わりに、又は加えて、サシェ(1)の上面に真空が作用して、型(10)からの解放が支援されてよい。
【0056】
一旦真空が解除されると、圧力の均一化(evening)がある。というのも、密閉フィルムは程度は異なるが延伸されており、異なる弾性特性を有することがあるからである。実際、第1フィルムは型を満たすように延伸されているので、密閉フィルム以上に引き戻されて、密閉フィルムに曲面を形成させ、挿入物(3)は側面から見てシールよりも上に隆起した輪郭(profile)で位置する。
【0057】
サシェ(1)の製造が、単一のシートであるフィルム(5')及びフィルム(6')を用いて、かなり概略して示されていることは当然のことである。しかし、大量製造のために、サシェを同時に形成する製造装置が使用されることは当然であろう。この製造装置は、連続ウェブ(continuous web)の動作長さ(running length)に沿って、そして、その幅に亘ってサシェを同時に形成し、続いて個々のサシェに切断されて最終製品が製造される。
【0058】
本発明は更に、以下の非限定的な例によって説明される。
【0059】
<実施例1>
Monosol M8630フィルム(30μm)を少し加熱し、34×34mm×14.5mmの深さの型の口に亘って伸ばした。
【0060】
真空を作用させてフィルムを型穴内に引き込んだ。用いたフィルムの面積は、フィルムを穴でポケットの形態に成型し、ポケットの上部周りに5mmの縁を持たせるのに十分であった。
【0061】
真空を維持しながら、成型プロセスによって形成したポケットの体積の90%乃至100%を満たすように、以下の組成の粉末14gを加えた。
STP 50%
珪酸塩溶液 1.5%
SKS6HDD 1%
炭酸ナトリウム 12%
硫酸ナトリウム 6.2%
過炭酸塩 15%
TAED 3%
プロテアーゼ 2%
アミラーゼ 1%
ベンゾトリアゾール 0.1%
非イオン 3%
抗被膜ポリマー 4%
グリーンビーズ 1%
香料 0.2%
【0062】
直径19.8mm、高さ3mmの円筒状突起を有する上側パンチを、軽い圧縮力(<5kN)で粉末上に押し付けて、粉末中に深さ3mmの窪みを作った。
【0063】
以下の組成物を圧縮して、直径16mm、厚さ7.2mmの、そしてほぼ平らであるが僅かに凸状の面(曲率半径=30mm)を有する1gの円盤状タブレットを調製し、窪みに導入した。
STP 99%
染料 0.6%
潤滑剤 0.4%
【0064】
ポケット周りの縁の上面を湿らせ、密閉フィルムMonosol L711(30μm)をポーチの口に置き、縁の周りに押し付けてシールを形成した。真空を解除し、型からサシェを取り外した。
【0065】
真空を解除するとすぐに、より丸みを帯びた外観に変形したが、その後は変形せず、フィルムは粉末及び核錠(coretab)をそのまま保持していた。
【0066】
前述のように製造したサシェを、Bosch社の自動食器洗い機(SGS43T72GB/06モデル)において、35°Cのクイックサイクルで動かして評価した。サンプルサシェの溶解特性を1分の時間間隔で測定した。結果を以下の表に示す。サシェは9分間で完全に溶解したことは注目すべきである。
【表1】

【0067】
説明として、2分後の重さ1.86グラムは、タブレットと、粉末の残りの「塊」の重さを表している。3分後にタブレットのかけらのみが残った。
【0068】
<実施例2>
この実施例は、サシェの外観及び完全性(integrity)(強度試験によって測定した)に、様々なグレードのトリポリリン酸ナトリウムの使用が及ぼす影響を実証する。以下の一般的な組成の一連の洗剤サシェ粉末(A乃至C)を調製し、トリポリリン酸ナトリウム(STP)の個々のグレードについて互いに異ならせた。
STP 53.5%
炭酸ナトリウム 10.1%
硫酸ナトリウム 7.8%
過炭酸ナトリウム 16.1%
TAED 3.2%
酵素 2.5%
非イオン性C10EO8 3.2%
ベンゾトリアゾール 0.1%
亜鉛塩 0.1%
珪酸ナトリウム溶液 3.2%
染料/香料 0.3%
【0069】
用いたSTPのグレードは、以下の通りであった。
【表2】

【0070】
直径16mm、厚さ5mmの円盤の形態であるタブレット1gを、以下の組成から調製した。
Acusol 587G 49.8%
粒状珪酸ナトリウム2.65比 50%
染料 0.2%
【0071】
以下に詳述するように識別される下側フィルム及び上側フィルムを用いてサシェを調製した。
(a)下側フィルムはポリビニルアルコールキャストフィルムであり、厚さ38μm、10.3N/mm(1500psiに相当)にて係数100%(ASTM D882、ISO 527)を有した。
(b)上側フィルムはポリビニルアルコールブローフィルムであり、厚さ30μm、縦方向(Machine Direction)で33.78N/mm(4900psi)、横方向(Transverse Direction)で22.75N/mm(3300psi)にて係数(ASTM D882、ISO 527)を有した。
【0072】
以下の手順でサシェを調製した。
1.下側フィルムを、穴の寸法が36mm×33mm×16.5mmの深さを有する型の上に置いた。
2.フィルムを、2000Wのヘアドライヤー(75°C乃至80°Cの温度)を用いて、フィルムから5cm乃至10cmの位置から3秒乃至5秒間加熱した。
3.軟化したフィルムを、真空を作用させて型穴に引き込んだ。
4.14gのサシェ粉末(必要に応じてA、B又はC)を、引き込まれたフィルムによって形成されたポーチ内に導入した。
5.粉末を、深さ3mm、直径17mmの円筒状突起を有する上側パンチを用いて、1.0kN乃至1.4kNの力で押し、粉末中に窪みを作った。
6.その後、最上部に平面を有するタブレットを、突起によって作られた窪みに導入した。
7.その後、上側フィルムを型の上に置いた。
8.上側フィルムと下側フィルムを、それらの周縁部周りにて140°Cで2秒乃至3秒間、互いに密着させた。
9.サシェを型から解放し、縁部をトリミングした。
【0073】
サシェの強度を、2枚の平板を取り付けたInstron 5544装置を用いて、サシェを横倒しにして「エンド−トゥ−エンド(end-to-end)」破壊試験で、33×15mmの側面に沿って20mm/分の試験速度で測り、測定した。結果を以下のテーブル1に示す。
【表3】

【0074】
<実施例3>
サシェを、実施例2において記載したものと同じ手順、そしてサンプルCに用いたものと同じSTPで調製した。
【0075】
予め圧縮したタブレットは実施例2で用いたものと同じ組成であったが、この実施例のために2つの形状を試験した。試験したタブレットは、以下の形状を有する円盤であった。
Y−平面を有する16mm直径の円盤
Z−僅かに凸状の面(曲率半径=30mm)を有する16mm直径の円盤
【0076】
タブレットYを包含する10個のサシェを、垂直590mm×75mm直径の管に連続的に落として、深さ210mmのプラスチック袋に入れ、梱包作業中に袋に落下するサシェをシミュレーションした。その後、粉末が核錠の一部を覆っていたかを見るために、サシェを視覚的に確認した。この手順を、タブレットYを包含する10個のサシェの更なる群で繰り返した。
【0077】
タブレットYを含むサシェについて記載したような上述の手順を、タブレットZを含むサシェについて繰り返した。
【0078】
結果を以下のテーブル2に示す。テーブル2は、タブレットY及びタブレットZの夫々について、2つの試験の要約として挙げている。
【表4】

【0079】
見て分かるように、フィルムがタブレットの縁と接触している平らなタブレットが好ましい。というのも、粉末が核錠の上面を覆う傾向がより低いからである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用量形態洗剤製品を製造する方法であって、
(a)水溶性の合成プラスチックフィルムを、開口したポーチを規定する型穴状に形成することによって、ポーチを作る工程と、
(b)粒子状の第1洗剤組成物をポーチに入れる工程と、
(c)粒子状の第1洗剤組成物の上面に凹部を形成する工程と、
(d)予め成形されて形状を保持し、粒子状の第1洗剤成分から露出するように配置される少なくともほぼ平らな表面を有する第2洗剤成分を、凹部に入れる工程と、
(e)ポーチの口を覆い、予め成形した洗剤製品の露出面と接するように水溶性フィルムで密閉する工程と、
を有する方法。
【請求項2】
結果として生じる用量形態洗剤成分において、密閉フィルムが、第2洗剤成分の少なくともほぼ平らな表面の境界を示す縁部と接触している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
予め成形した第2洗剤成分は、円形又は多角形の断面を有する、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
予め成形した第2洗剤成分は、その深さの初めから終わりまで均一な断面、又は実質的に均一な断面である、請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
工程(a)は、真空熱成形プロセスによって達成される、請求項1乃至4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
工程(c)において、粒子状の第1洗剤組成物は圧縮される、請求項1乃至5の何れかに記載の方法。
【請求項7】
工程(e)の後に、密閉フィルムには孔が開けられる、請求項1乃至6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
工程(a)において使用されるフィルムは、工程(e)において使用されるフィルムよりも低いモジュラス値を有する、請求項1乃至7の何れかに記載の方法。
【請求項9】
工程(a)において使用される水溶性の合成プラスチックフィルムは、キャストフィルムである、請求項1乃至8の何れかに記載の方法。
【請求項10】
工程(e)においてシールとして使用される水溶性フィルムはブローフィルムである、請求項1乃至9の何れかに記載の方法。
【請求項11】
工程(a)及び工程(e)において使用される合成プラスチックフィルムは、25μm乃至80μmの厚さを有する、請求項1乃至10の何れかに記載の方法。
【請求項12】
工程(a)及び工程(e)において使用される合成フィルムは、ポリビニルアルコールを含む、請求項1乃至11の何れかに記載の方法。
【請求項13】
第2洗剤成分は、凹部の深さと同じか、それを超える厚さを有する、請求項1乃至12の何れかに記載の方法。
【請求項14】
製造された用量形態製品は、平らな底、又は実質的に平らな底を有する、請求項1乃至13の何れかに記載の方法。
【請求項15】
第1粒子状洗剤成分は、本願明細書で規定の試験に従って用量形態洗剤製品を製造するのに用いられる場合、結果として生じる用量形態洗剤製品が4.5Nを超える強度を有するようにされる、請求項1乃至14の何れかに記載の方法。
【請求項16】
上記強度は6Nを超える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
製造された用量形態洗剤製品は、衣類洗濯用である、請求項1乃至16の何れかに記載の方法。
【請求項18】
製造された用量形態洗剤製品は、自動食器洗い機用である、請求項1乃至16の何れかに記載の方法。
【請求項19】
(i)水溶性フィルムのポーチと、ポーチの口に亘って設けられる水溶性フィルムのシールとからなる水溶性エンベロープと、
(ii)ポーチに与えられる圧縮された粒子状の第1洗剤組成物であって、シールに隣接する第1洗剤組成物の表面に凹部が形成されている第1洗剤組成物と、
(iii)圧縮された第1組成物の凹部に与えられる第2洗剤成分と、
を具え、
第2洗剤成分は、予め成形された保形体であり、シールの下面と接触する少なくともほぼ平らな表面を有する用量形態洗剤製品。
【請求項20】
密閉フィルムが、第2洗剤成分の少なくともほぼ平らな表面の境界を示す縁部と接触している、請求項19に記載の製品。
【請求項21】
予め成形した第2洗剤成分は、その深さの初めから終わりまで円形又は多角形の断面でを有する、請求項19又は請求項20に記載の製品。
【請求項22】
予め成形した第2洗剤成分は円盤である、請求項21に記載の製品。
【請求項23】
少なくともほぼ平らな表面は、密閉フィルムと相対的に接触するように促される、請求項19乃至22の何れかに記載の製品。
【請求項24】
第2洗剤成分は、凹部の深さと同等か、それを超える厚さを有する、請求項19乃至23の何れかに記載の製品。
【請求項25】
製造された用量形態製品は、平らな底、又は実質的に平らな底を有する、請求項19乃至24の何れかに記載の製品。
【請求項26】
第1粒子状洗剤成分は、本願明細書に規定の試験に従って用量形態洗剤製品を製造するのに用いられる場合、結果として生じる用量形態洗剤製品が4.5Nを超える強度を有するようにされる、請求項19乃至25の何れかに記載の製品。
【請求項27】
上記強度は6Nを超える、請求項26に記載の製品。
【請求項28】
第1洗剤成分及び第2洗剤成分は、衣類洗濯用に調合される、請求項19乃至27の何れかに記載の用量形態洗剤製品。
【請求項29】
第1洗剤成分及び第2洗剤成分は、自動食器洗い機用に調合される、請求項19乃至27の何れかに記載の用量形態洗剤製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−501120(P2013−501120A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523376(P2012−523376)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001450
【国際公開番号】WO2011/015810
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(512030131)ロバート マクブライド エルティーディー (1)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT McBRIDE LTD
【Fターム(参考)】