説明

田七根抽出物を有効成分として含有する関節炎予防及び治療用組成物

【課題】本発明は、田七根抽出物を有効成分として含有する関節炎の予防及び治療用組成物に関する。
【解決手段】本発明の田七根抽出物は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)の遊離を抑制し、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させるため、関節炎予防及び治療のための医薬品又は健康食品に効果的に利用することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田七根抽出物を有効成分として含有する関節炎予防及び治療用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
関節炎と関連した疾患は、全世界人口の約12%が苦しんでいる代表的な退行性で難治性の疾患である。韓国においても約200万人以上の人々がそのような疾患に苦しんでいる。
【0003】
関節炎は、身体の筋骨格及び結合組織における炎症性変化に起因して筋骨格系に現れる症状を総称する用語である。前記疾患は、関節、骨、軟骨組織又は脊髄に影響を与え、たびたび永久的な組織損傷、奇形、退化及び障害を起こす慢性炎症であることを特徴とする(Hofbause, LC, Heufelder, AE:The role of osteoprotegerin and receptor activator of nuclear factor kappaB ligand in the pathogenesis and treatment of rheumatoid arthritis, Arthritis and Rheumatism 44:253-259, 2001)。
関節炎は、退行性関節炎(骨関節炎)、リューマチ様関節炎、関節外リューマチ又はコラーゲン疾患に分類される。
【0004】
関節炎と関連するすべての疾患のうち、最も一般的な退行性関節炎は、関節軟骨がすり減っていくことにより、局所的な退行性変化(degeneration)により進行する。前記疾患の原因は、明らかではないが、老衰現象や過多な体重が理由であると言われている。第一に、関節軟骨の退行性変化が現れる。退行性変化は、関節軟骨から始まり、軟骨細胞が壊死し、軟骨の基質がカテプシンB、カテプシンD、コラゲナーゼなどにより破壊される。プロテオグリカン及びコラーゲンの生成が破壊程度に追い付かず、外力に対する軟骨の適応能力がだんだん減少し、その結果、軟骨下骨組織に微細骨折などの所見がみられる。疾患が進行すると、軟骨下骨の硬化、関節周辺に骨の過剰形成、関節の変形などが見受けられる。そして、軟骨の表面が荒くなり、関節膜で取り囲まれた関節腔中に炎症反応が反復的に現れるようになり、反復的な疼痛、関節の強直感、関節の漸進的な運動障害などを起こすようになる。
【0005】
リューマチ様関節炎は、全身性慢性炎症性疾患であり、病的症状が主に可動関節に対称的に現れる。また、当該疾患は、兔疫体系の異常により発生する自己免疫疾患として知られている。しかし、未だその原因は正確に明らかにされていない。リューマチ様関節炎は、関節の構造的奇形を起こす、軟骨破壊及び骨侵食を引き起こす持続的な炎症性滑膜炎であることを特徴とする。リューマチ様関節炎と関連した症状には、関節浮腫、関節圧痛、炎症、早朝硬直及び関節を曲げる際の疼痛が含まれる。関節炎が進行するにしたがって、骨侵食や、関節破壊を始めとする構造的損傷が発生するようになる(Firestein, GS:Evolving concept of rheumatoid arthritis. Nature 423:356-361, 2003)。また、リューマチ様関節炎にかかった患者には、自己免疫過程と関連した脈管炎に起因する皮膚、腎臓、心臓、肺、中枢神経系及び目の損傷を始めとする各種臓器の損傷のような他の臨床的症状に悩まされる。
【0006】
関節炎と関連した他の症状には、赤血球沈降速度の加速及び血清C−反応性蛋白質(CRP)又は可溶性IL−2受容体(IL−2r)濃度の増加が含まれる。赤血球沈降速度は、活性リューマチ性関節炎にかかったほぼ全ての患者において加速する。これらの患者においては、血清C−反応性蛋白質の濃度もやはり増加する。これは、疾患活性度及び進行性関節損傷の可能性と関連がある。また、活性リューマチ性関節炎にかかった患者の血清及び滑液において、T細胞活性化の産物である可溶性IL−2rの濃度が増加する(Udagawa, N., Kotake, S., Kamatani, N., Takahashi, N., and Suda, T:The molecular mechanism of osteoclastogenesis in rheumatoid arthritis. Athritis Research 4:281-289, 2002)。
【0007】
リューマチ様関節炎の進行や持続には、一般的にTh1タイプのCD4+T細胞が重要な役割を果たすと考えられている。すなわち、CD4+Tリンパ球は、インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)及びIL−17などの可溶性物質とCD69などの細胞表面物質による信号伝達により、マクロファージ細胞及び滑膜細胞を刺激して、炎症性サイトカイン(TNF−α、IFN−γ、GM−CSF、IL−2、IL−6)とマトリクスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase)を分泌させる。このように分泌されたサイトカインは、滑膜の増殖を刺激し、パンヌス(pannus)を形成し、マトリクスメタロプロテアーゼと共に軟骨破壊を起こす。また、活性化したCD4+T細胞は、CD40L、CD28及びa1b2インテグリンなどによる細胞表面接触によりB細胞の活性化を引き起こし、リウマトイド因子を含む抗体を生産する。CD4+T細胞が活性化すると、表面にオステオプロテゲリン(osteoprotegerin)リガンドを発現し、破骨細胞生成(osteoclastogenesis)を刺激し、骨の破壊に決定的な役割を果たす(Kong YY, Feige U, Sarosi I., et al.:Activated T cells regulate bone loss and joint destruction in adjuvant arthritis through osteprotegerin ligand. Nature 402, 304-309, 1999)。活性化したマクロファージ細胞及び繊維芽細胞は、VEGF、FGFなどの物質を分泌して、新しい血管の形成を促進する。滑膜内の活性化した血管内皮細胞は、IL−8などのケモカインを分泌し、接着分子(adhesion molecule)の発現を誘導し、炎症性細胞の浸潤を早め、炎症反応の増幅サイクルをなす。また、リューマチ様関節炎は、T−リンパ球と抗原提示細胞との間の抗原−非特異性細胞間相互作用に関連するT細胞媒介の自己免疫疾患であると考えられている。一般的に、T細胞の反応の大きさは、T細胞表面分子とそのリガンドとの間の相互作用により誘導される同時刺激(stimuli)反応により決定される。主な同時刺激信号は、T細胞表面受容体であるCD28及びCTLA4と、例えば抗原提示細胞上のB7−関連分子、すなわちCD80(B7−1)及びCD86(B7−2)などのリガンドと、の間の相互作用により提供される(Linsley, P. and Ledbetter, J.:The role of the CD28 receptor during T cell responses to antigen. Ann. Rev. Immunol. 11:191-212, 1993)。同時刺激がないときのT細胞活性化は、免疫システムが刺激に対して反応しないことを示す無力性(anergic)T細胞反応を招く[Schwartz, R. H. :Costimulation of T lymphocytes:the role of CD28, CTLA-4, and B7/BB1 in interleukin-2 production and immunotherapy. Cell 71:1065-1068, 1992]。
【0008】
現在まで関節炎は根治が不可能であり、今まで開発された治療剤は、痛みを緩和し、炎症を抑制し、または、その機能をできる限り維持するものにしかすぎない。また、そのような治療剤は、長期間にわたって投与され、そのような薬の長期服用は、胃腸系、中枢神経系、造血器官、腎臓、肝臓などに副作用を誘発する(Langenegger T, Michel BA.:Drug treatment for rheumatoid arthritis. Clin Orthop. 366:22-30, 1999)。
【0009】
以上説明したように、関節炎と関連した疾患は、慢性炎症性疾患とT細胞媒介の免疫システム疾患として認められるため、そのような疾患を治療するために、サイトカインの遊離を抑制し、かつ活性化したT細胞だけを選択的に死滅させる薬剤の開発が緊急に必要とされている。
【0010】
本発明者らは、植物(herb)薬剤から、サイトカインの遊離を抑制し、かつ活性化したT細胞だけを選択的に死滅する物質を見出すべく鋭意努力した。そして、本発明者らは、田七根抽出物がサイトカインの遊離を抑制及び活性化したT細胞の死滅を可能とすることを確認し、本発明を完成するに至った。
【発明の開示】
【技術的解決手段】
【0011】
本発明の目的は、田七根抽出物を有効成分として含有する関節炎予防及び治療用組成物を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
上記のような課題を解決すべく、本発明は、田七根抽出物を有効成分として含有する関節炎予防及び治療用組成物を提供する。
【0013】
本発明の組成物は、関節炎予防及び治療用薬学的組成物及び健康食品用組成物を含む。
【0014】
本発明の田七根抽出物は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)の遊離を抑制し、活性化したT細胞を選択的に死滅させるため、改善された健康食品の製造又は関節炎予防及び治療用薬剤の開発に効果的に利用することが可能である。
【0015】
田七根(Panax notoginseng(Burk.) F. H. Chen)は、ウコギ科の多年生草本であり、人参より小さく、葉が7枚であり、根は、小さい細鼓形態をしていて、主に中国南西部の雲南、四川などで栽培される。前記植物は、3本の枝にそれぞれ7枚の葉がつくことから三七、又はその形態が高麗人参と類似しているので、三七人参とも呼ばれる。根は3〜8%のサポニンを含有するが、その主成分は、ジンセノサイド(ginsenoside)Rb1、Rg1及びReと、ノトジンセノサイド(notoginsenoside)R1、R2、Fa及びFcなどであり、少量のジンセノサイドR2、b2、d、e、cがさらに含有される。R0は含有されていないか、又は極めて少量含有されている。精油の組成成分は、人参より少ない。精油はオレアノール酸を含有する。その根は、止血作用及び強心作用を有する。動物実験で、心臓動脈の血流量を増加させ、心筋の酸素消費量を低減し、血液内の脂質とコレステロール含量を低減する効能があることが確認された。また、田七根は、消炎、鎮痛及び止血機能を有し、肝炎をはじめとする多くの炎症疾患だけでなく、外傷、切傷などにより生じた出血及び内出血の治療にも有効である。傷への直接塗布又は経口投与のいずれも同じ効果を有する。
【0016】
本発明の田七根抽出物は、田七根を水、アルコール又は水とアルコールとの混合溶媒で抽出する。このとき、前記アルコールは、エタノールが好ましい。
【0017】
上記溶媒を使用する従来の冷浸(cold precipitation)、温浸(hot precipitation)、加熱などの従来の抽出方法を用いることができる。
【0018】
本発明の田七根抽出物は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)の遊離を抑制するため、健康食品又は関節炎予防及び治療用薬剤の製造に利用することが可能である。
【0019】
本発明の田七根抽出物が腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)の遊離の抑制に及ぼす影響を調べるために、ヒト単核細胞株(human monocytic cell line)であるTHP−1細胞を用いてリポポリサッカライド(lipopolysaccharide, LPS)及び2又は10μL/mL濃度の本発明の田七根抽出物で処理した。その後、細胞培養液中の腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)の遊離量を酵素免疫測定法(ELISA)で測定した。その結果、10μL/mL濃度の本発明の田七根抽出物で処理した場合、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)の遊離量を顕著に低減した(実験例1参照)。
【0020】
本発明の田七根抽出物は、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させる能力を有することから、関節炎予防及び治療のための健康食品又は医薬品の製造に用いることができる。
【0021】
本発明の田七根抽出物が、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させるかを確認するために、5週齢の雌性マウスのリンパ節を摘出して、単(single)細胞を準備した。当該細胞を培養し、その時、T細胞だけを活性化させた。活性化したT−リンパ球の細胞死を測定した。その結果、5μL/mL以上の高濃度の本発明の田七根抽出物で処理したとき、活性化したT細胞だけが死滅した(非活性化したT細胞は依然として生きていた。)。(実験例2参照)。
【0022】
また、本発明の田七根抽出物は、II型コラーゲン誘導関節炎を発病させた動物において関節炎の病的進行を抑制する。
【0023】
本発明の田七根抽出物の関節炎治療効果を調べるために、コラーゲン懸濁液をマウスの尾根部の皮下内に注射して関節炎を発病させた。関節炎が発病したマウスに本発明の田七根抽出物を経口投与し、観察した。その結果、経口投与後9日目から関節炎の病的進行が顕著に抑制された(実験例3参照)。
【0024】
本発明の組成物は、前記田七根抽出物に加えて、前記田七根抽出物と類似する又は同じ機能を示する1種又はそれ以上の有効成分を含有することができる。
【0025】
更に本発明の組成物は、前記田七根抽出物に加えて、前記田七根抽出物と異なる機能を示する有効成分を1種又はそれ以上含有することができる。
【0026】
本発明の組成物は、投与のために、前述したような有効成分以外に、薬剤学的に許容可能な担体を少なくとも1種更に含有することができる。薬剤学的に許容可能な担体は、食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、デキストローズ溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びこれらの混合物(1種又はそれ以上の成分)よりなる群から選択することができる。必要に応じて、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤(fungistats)などの、他の添加剤を含有させることができる。また、本発明の組成物は、一般的に使用される希釈剤、分散剤(disintegrating agents)、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤と混合することによって、ピル、カプセル、顆粒、錠剤、並びに、水溶液、懸濁液、乳濁液などの注液可能な溶液などとして製剤化することができる。ひいては、本発明の組成物は、この技術分野における当業者に公知の一般的な方法、又はRemington's Pharmaceutical Science(最新版)、 Mack Publishing Company, Easton PAに開示されている方法を用いて、各疾患及び含有する成分に応じて、異なる形態で製剤化することができる。関節炎予防又は治療の薬剤効能を増進させるために、カルシウム又はビタミンD3を添加することができる。
【0027】
本発明の組成物の投与方法は、治療の目的によって異なり、経口投与又は非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内又は局部的注射)がよい。投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、排泄率及び疾患の重症度に応じて決定する。本発明の田七根抽出物の有効投与量は、0.1〜10mg/kgであり、好ましくは0.1〜3mg/kgである。投与回数は一日1回又は好ましくは一日数回であってもよい。
【0028】
本発明の田七根抽出物がマウスにおいて急性毒性を有するか否かを確認するため、マウスに経口投与して急性毒性試験を行った。その結果、LD50値はマウスにおいて少なくとも2g/kg以上であり、この抽出物が安全な物質であると判断される。
【0029】
本発明の組成物は、関節炎予防及び治療のために、単独で、又は手術、放射線治療、ホルモン治療、化学治療及び生物学的反応調節剤を用いた方法と併用して、使用することができる。
【0030】
本発明の組成物は、関節炎に起因する疾患の改善を目的として健康食品に添加することが可能である。本発明の田七根抽出物を食品添加物として使用する場合、前記田七根抽出物をそのまま添加したり、他の食品又は食品成分と共に使うことができ、通常の方法により適宜に使うことが可能である。有効成分の混合比は、使用目的(予防、健康促進又は疾患治療)に応じて適宜に決定することが可能である。一般的に、本発明の田七根抽出物は、食品又は飲料に100重量%以下、好ましくは50重量%以下の量で添加される。しかし、健康及び衛生の目的又は健康調節を目的とする長期間の投与の場合には、食品又は飲料へ添加する組成物の量は、前記範囲以下であってもよく、しかしながら、前記組成物はヒトに対して安全であるため、前記範囲以上の量で添加してもよい。
【0031】
本発明の抽出物に適用可能な前記食品の種類には特別な制限がない。前記物質を添加できる食品の例には、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディ類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、スープ、飲料、お茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤、及びその他の通常の健康食品がある。
【0032】
本発明の健康促進飲料組成物は、通常の飲料と同様に、色々な香味剤又は天然炭水化物などを追加成分として含有することができる。天然炭水化物は、例えばブドウ糖及び果糖などの単糖類、マルトース及びシュークロスなどの二糖類、並びにデキストリン、シクロデキストリンなどの多糖類、キシリトール、ソルビトール及びエリトリトールなどの糖アルコールである。甘味剤としては、タウマチン及びステビア抽出物などの天然甘味剤、並びにサッカリン及びアスファルタムなどの合成甘味剤を用いることができる。前記天然炭水化物は、一般的に本発明の組成物100mL当たり約0.1〜20g添加するのが好ましく、更に好ましくは、組成物100mL当たり約1〜10gの天然炭水化物を添加するのがよい。
【0033】
さらに、本発明の組成物は、種々の栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使われる炭酸化剤などを含有することができる。また、本発明の組成物は、天然果物ジュース、果物ジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含有することができる。これらの成分は、単独で、又は混合して使用することができる。このとき、混合比は一般的に重要ではないが、本発明の組成物100重量部当たり0.05〜50重量部が好ましい。
【発明の形態】
【0034】
実施例
以下、実施例において、本発明の現時点で好ましい実施の形態を説明する。
【0035】
しかしながら、当業者であれば、本開示を考慮し、本発明の思想及び範囲内において、種々の修正及び改善をなすことができる。
【0036】
実施例1:田七根抽出物の製造
栽培された田七根を、卸売りの薬草店から乾燥したものを購入した。
【0037】
<1−1>田七根粗抽出物の製造
<1−1−1>田七根−アルコール粗抽出物
田七根を1〜2cmの大きさの切片に切断した。その切片を流水で洗浄して、不純物を除去した。上記切片を粉末に粉砕した。田七根粉末200gを3Lフラスコに入れ、エタノール2,000mLを用いて78.5℃で還流攪拌させた。4時間で、加熱による抽出を3回繰り返した。抽出液をろ過し、40℃以下で回転式真空濃縮蒸発器(vacuum rotary evaporator)を使用して減圧下で真空濃縮させ、田七根粉末2.7gを含有する田七根粗抽出物を得た(RF1M)(収率:1.35%)。
【0038】
<1−1−2>田七根−水粗抽出物
抽出溶媒としてエタノールの代わりに水を使用したことを除いて、前記<1−1−1>の抽出方法と同様に抽出した。
【0039】
<1−1−3>田七根−混合溶媒粗抽出物
抽出溶媒としてエタノールの代わりに水25%とエタノール75%との混合溶媒を使用したことを除いて、前記<1−1−1>の抽出方法と同様に抽出した。
【0040】
<1−2>田七根粗抽出物の分離
上記<1−1−1>で得られた粗抽出物(FF1M)を、常温で溶媒であるノマルブタノール(n-butanol)500mLで分画用漏斗を使用して3回繰り返して溶媒分画し、分画を得た(RF1MB)。
【0041】
このRF1MB分画から、カラムクロマトグラフィーを用いてRF1MB4分画を分離した。前記RF1MB4分画に対して再度カラムクロマトグラフィーを行い、田七根抽出物の最終分画を得た(RF1MB4b)。
本発明に係る田七根抽出物の抽出・分離方法を図1に示す。
【0042】
本発明の実験例では、田七根抽出物の最終抽出物(RF1MB4b)を濃縮し、凍結乾燥した。乾燥した分画は、水で希釈し、試験管内試験及び動物実験に用いた。
【0043】
実験例1:本発明の田七根抽出物によるTNF−αの遊離抑制
本発明の田七根抽出物がヒト単核細胞株(human monocytic cell line)であるTHP−1細胞から遊離されるサイトカインであるTNF−αの遊離を抑制するか否かを調べるために、下記のような実験を行った。
【0044】
<1−1>細胞の選別及び培養
下記の細胞を使用して本発明の田七根抽出物がTNF−aの遊離に及ぼす影響を評価した。
【0045】
ヒトから由来した細胞株であるTHP−1細胞(ATCC No.TIB-202)をATCC(Rockville, USA)から購入し、RPMI 1640(Gibco, BRL, USA)に10%FBS(fetal bovine serum)を添加した培地で培養した。
【0046】
<1−2>TNF−αの定量
本発明の田七根抽出物がTNF−αの遊離に及ぼす影響を調べるために、前記<1−1>で用意した細胞を用いてTNF−αの遊離量を酵素免疫測定法(ELISA)で測定した。
【0047】
96ウェルプレートに5×105個/mLとなるように細胞を分株し、リポ多糖(LPS)を添加して、TNF−αが遊離されるように、細胞を活性化させた。
【0048】
LPSと共に、実験群を、田七根抽出物(RF1MB4b)を2又は10μL/mLの濃度で処理した。処理後、細胞培養液内で遊離したTNF−αの量を酵素免疫測定法(ELISA)で測定した。
結果を図2に示す。
【0049】
図2に示されたように、低濃度(2μL/mL)の本発明の田七根抽出物(RF1MB4b)で処理した場合には、田七根抽出物を処理しない対照群と比較して、TNF−αの遊離量が若干の差異があった。しかし、高濃度(10μL/mL)の本発明の田七根抽出物(RF1MB4b)で処理した場合は、対照群に比べてTNF−αの遊離量が顕著に抑低減した。
【0050】
したがって、上記の結果から、本発明の田七根抽出物がTNF−αの遊離を抑制することが分かる。
【0051】
実験例2:本発明の田七根抽出物による活性化したT細胞の選択的細胞死滅
本発明の田七根抽出物が、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させることができるかを確認するために、次のような実験を行った。
【0052】
<2−1>T細胞の分離及び活性化
5週齢の雌性マウスのリンパ節を摘出し、滅菌した注射器の終端で潰して、細胞を抽出した。細胞濾過器(Falcon, NJ USA)を通過させた細胞をPBSで洗浄した後、2×106個/mLで培養液に入れた。培養液は、RPMI 1640(Gibco, BRL, USA)にFBS(fetal bovine serum)を10%添加して使用した。
【0053】
T細胞だけを活性化するために、上記培養液にコンカナバリンA(concanavalin A)を5μg/mL添加した後、48時間培養した。細胞を培養してから48時間後、メチル−アルファ(α)−ジ−マンノピラノサイド(methyl-α-D-mannopyranoside)(Sigma, Germany)10mg/mLを上記培養液に入れ、30分間培養させた。その後、上記細胞をPBSで3回洗浄し、ヒトインターロイキン−2(hIL-2, R&D, MN, USA)100ユニット/mLを補充した培養液に入れ、更に48時間培養し、培養の間は細胞密度を2×106個/mLに維持した(Lenardo MJ. et al. : Interleukin-2 programs mouse alpha beta T lymphocytes for apoptosis. Nature. 353(6347):858-61. 1991)。
【0054】
<2−2>活性化したT細胞の選択的細胞死測定
活性化したT細胞の濃度を1×106個/mLに調整して、96ウェルプレート(Falcon、USA)に200μLずつ入れた。このとき、ヒトインターロイキン−2(hIL−2)100unit/mLを各ウェルに入れた。
【0055】
対照群には、田七根抽出物を添加しないものを使用し、実験群には、前記実施例で製造した田七根抽出物の最終分画(RF1MB4b)を異なる濃度(5μg/mL、10μg/mL、20μg/mL)で入れ、24時間培養した。
【0056】
対照群として、活性化しない細胞は、次のように準備した。
脾臓から単細胞を抽出して細胞密度を2×106個/mLに調整し、96ウェルプレートに200μLずつ分株した。そこに田七根抽出物を入れ、24時間培養した。24時間の培養後、上記細胞を流管(flow tube)に移した後、そこにプロピジウムアイオダイド(PI)を入れた。幼細胞分析機(FACSCaliver)(Becton Dickinson, France)のセルクエストプログラム(CellQuest program)を使用して生存細胞数を20秒間カウントした。
【0057】
細胞死の計算は、(1−F抽出物処理細胞数/未処理細胞数)×100で計算した。全候補薬物を上記数式で評価し、活性化したT細胞の細胞死率は高く、活性化しない悲感作(naive)T細胞の細胞死率は低い薬物を選択した(Sabapathy K, Hu Y, Kallunki T, Schreiber M, David JP, Jochum W, Wagner EF, Karin M. : JNK2 is required for efficient T-cell activation and apoptosis but not for normal lymphocyte development. Curr Biol. 11;9(3):116-25. 1999)。
結果を図3に示す。
【0058】
図3に示されたように、5μL/mL以上の高濃度の本発明の田七根抽出物で処理した場合、非活性化したT細胞の死滅には影響を与えず、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させた。
【0059】
したがって、本発明の田七根抽出物は、濃度に応じて活性化したT細胞を選択的に死滅させることが確認された。
【0060】
実験例3: II型コラーゲン誘導関節炎を発病させた実験動物における、本発明の田七根抽出物による関節炎病的進行抑制
本発明の田七根抽出物がII型コラーゲン誘導関節炎実験動物において関節炎病的進行を抑制するか否かを確認するために、次のような実験を行った。
【0061】
<3−1>実験動物の関節炎誘導
II型コラーゲン誘導関節炎を発病させた実験動物を作るために、5〜6週齢の雄性DBA1マウスを日本のSCI社から購入し、マウスは、温度21℃、湿度40%の条件下で飼育した。
【0062】
牛のII型コラーゲン(日本国、コンドレックス社)を0.05%酢酸に2mg/mLの濃度に溶解した後、上記II型コラーゲンを、同量の完全アジュバント(日本国、コンドレックス社)と混ぜた。氷で冷却しながら、3mL注射器に連結したT−連結機を用いて、上記混合物を均質な懸濁液にした。懸濁液が正しく作られたことを確認した後、マウスの尾根部をアルコール綿を用いて消毒し、尾根部の皮下内にコラーゲン懸濁液100μLを注射した。
【0063】
<3−2>本発明の田七根抽出物(RF1MB4b)の経口投与
前記実施例で製造した田七根抽出物(RF1MB4b)を水に溶かし、2.5mg/mL溶液を得た。上記溶液を、0.25uMフィルタを用いてろ過した。
【0064】
前記ろ液を0.2mg/mLに希釈し、1mL注射器に連結したゾンデ(sonde)を経て、毎日1回ずつマウスの口に直接0.05mg/250μL/匹投与した。
【0065】
<3−3>関節炎の進行:目視観察及び測定
本発明の田七根抽出物(RF1MB4b)の関節炎治療効果を調べるために、コラーゲン懸濁液を注射して、関節炎が発病した関節炎疾患を発病させた実験動物に、前記実施例で製造した田七根抽出物(RF1MB4b)を前記<3−2>と同様の方法で投与した。
【0066】
コラーゲン懸濁液を注射したマウスの関節炎の発病は、注射日から30日頃から発生した。関節炎病変の目視観察は、参考文献に基づいて次のようなスコアを使用して実施した。
【0067】
0:腫脹(swelling)及び発赤(flair)が無い、1:関節の軽微な発赤及び腫脹、2:関節の目立つ発赤及び腫脹、3:指関節を含んだ程度の激しい発赤及び腫脹、4:関節の全部位に非常に激しい腫脹。
【0068】
したがって、関節病変の最高スコアは、マウス一匹当たり、左右の前後の指をあわせて16であり、1つの脚当たり、スコアは、4が最高スコアである(Courtenay JS, Dallman MJ, Dayan AD, et al.:Immunisation against heterologous type II collagen induces arthritis in mice. Nature 283:666-668, 1980)。
【0069】
本発明の田七根抽出物をII型コラーゲン誘導関節炎を発病した実験動物に経口投与した後、関節炎の進行抑制効果の結果を図4及び図5に示した。
【0070】
図4は、II型コラーゲン誘導関節炎を発病した実験動物における本発明の田七根抽出物による関節炎進行抑制効果を、関節炎指数で示すものであって、図5は、II型コラーゲン誘導関節炎を発病した実験動物における本発明の田七根抽出物による関節炎進行抑制効果を示す写真である。
【0071】
図4に示されるように、本発明の田七根抽出物をII型コラーゲン誘導関節炎を発病したマウスに経口投与した場合、対照群に比べて9日目から関節炎の病的進行が顕著に抑制された。
【0072】
また、図5に示されるように、田七根抽出物を含まない対照群と田七根抽出物を含む実験群を、II型コラーゲン誘導関節炎を発病したマウスに経口投与して観察した結果、21
日が経過した後、顕著な差異が現れた。対照群を投与したマウスは、関節の全部位に腫脹が非常に激しいことが分かり、実験群を投与したマウスは、関節の軽微な発赤と腫脹が現れることを確認した。
【0073】
したがって、本発明の田七根抽出物が関節炎の進行を効果的に抑制することが分かる。
【0074】
実験例4:田七根抽出物による急性毒性試験
本発明の田七根抽出物は、食品原料に分類されているので、安全性に問題がないものと判断される。しかし、治療剤として臨床的に活用するために、下記のような方法で急性毒性実験を行った。
【0075】
急性毒性試験に、6週齢のSPFマウスを使用した。前記実施例で製造した田七根抽出物(RF1MB4b)を蒸留水に懸濁させ、2、1及び0.5g/kgの容量で実験群当たり5匹のマウスに1回経口投与した。
【0076】
試験物質の投与後、動物の死、臨床症状及び体重変化を観察し、血液の血液学的検査及び血液生化学的検査を実施し、剖検して目視で腹腔臓器と胸腔臓器の異常有無を観察した。
【0077】
その結果、本発明の田七根抽出物を投与した全ての動物において特記すべき臨床症状がなく、体重変化もなく、死んだ動物もいなかった。また、血液の血液学的検査、血液生化学検査及び剖検所見でも、毒性変化は観察されなかった。
【0078】
この実験結果から、本発明の田七根抽出物(RF1MB4b)は、マウスにおいて2g/kgまで毒性変化が認められず、経口投与最小致死量LD50値は2g/kg以上と安全な物質であると判断される。
【0079】
製剤例1:薬学的製剤の製造
<1−1>散剤の製造
田七根抽出物 2g
乳糖 1g
前記の成分を混合し、気密袋に充填して、散剤を製造した。
【0080】
<1−2>錠剤の製造
田七根抽出物 100mg
とうもろこし澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記の成分を混合した後、従来の錠剤の製造方法により打錠して、錠剤を製造した。
【0081】
<1−3>カプセル剤の製造
田七根抽出物 100mg
とうもろこし澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
前記の成分を混合した後、従来のカプセル剤の製造方法によりゼラチンカプセルに充填して、カプセル剤を製造した。
【0082】
製剤例2:食品の製造
本発明の田七根抽出物を含む食品を次のように製造した。
<2−1>調味料の製造
本発明の田七根抽出物20〜95重量%を使用して健康増進用調味料を製造した。
【0083】
<2−2>トマトケチャップ及びソースの製造
本発明の田七根抽出物0.2〜1.0重量%を原液のトマトケチャップ又はソースに添加して、健康増進用トマトケチャップ又はソースを製造した。
【0084】
<2−3>小麦粉食品の製造
本発明の田七根抽出物0.5〜5.0重量%を小麦粉に添加し、てパン、ケーキ、クッキー、クラッカー及び麺類を製造して、健康増進用小麦粉食品を製造した。
【0085】
<2−4>スープ及び肉汁(gravies)の製造
本発明の田七根抽出物0.1〜5.0重量%をスープ及び肉汁に添加して、健康増進用肉加工製品、麺類のスープ及び肉汁を製造した。
【0086】
<2−5>グラウンドビーフ(ground beef)の製造
本発明の田七根抽出物10重量%をグラウンドビーフに添加して、健康増進用グラウンドビーフを製造した。
【0087】
<2−6>乳製品(dairy products)の製造
本発明の田七根抽出物5〜10重量%を牛乳に添加し、バター及びアイスクリームなどの健康増進用乳製品を製造した。
【0088】
<2−7>禅食の製造
玄米、大麦、餅米及び鳩麦を従来の方法でゼラチン化させて(gelatinizated)、乾燥させた。上記乾燥混合物を焙煎して粉砕し、粒度60メッシュの粉末を得た。
【0089】
黒豆、黒胡麻及び荏胡麻を従来の方法で蒸して乾燥させた。上記乾燥混合物を焙煎して粉砕し、粒度60メッシュの粉末を得た。
【0090】
本発明の田七根抽出物を減圧下、真空濃縮器で濃縮し、ついで熱風乾燥器を用いて噴霧して乾燥した。上記乾燥物を粉砕器で粉砕し、粒度60メッシュの粉末を得た。
【0091】
上記のように製造した穀物類、種実類及び田七根抽出物の乾燥粉末を次の割合で混合した。
【0092】
穀物類(玄米30重量%、鳩麦15重量%、大麦20重量%)、
種実類(荏胡麻7重量%、黒豆8重量%、黒胡麻7重量%)、
田七根抽出物の乾燥粉末(3重量%)、
霊芝(0.5重量%)、
地黄(0.5重量%)
【0093】
製剤例3:飲料の製造
<1−1>炭酸飲料の製造
砂糖5〜10%、クエン酸0.05〜0.3%、カラメル0.005〜0.02%及びビタミンC0.1〜1%を混合し、79〜94%の精製水を混合してシロップを作った。前記シロップを85〜98℃で20〜180秒間殺菌し、冷却水と1:4の割合で混合した。その後、炭酸ガスを0.5〜0.82%上記混合物に注入し、本発明の田七根抽出物を含有する炭酸飲料を製造した。
【0094】
<1−2>健康飲料の製造
液状果糖0.5%、オリゴ糖2%、砂糖2%、食塩0.5%及び水75%を、田七根抽出物と均質に配合して、殺菌を行った。上記混合物を、ガラス瓶又はPETボトルなどの小さな容器に入れ、健康飲料を製造した。
【0095】
<1−3>野菜ジュースの製造
本発明の田七根抽出物5gをトマト又はニンジンジュース1,000mLに加えて、健康野菜ジュースを製造した。
【0096】
<1−4>果物ジュースの製造
本発明の田七根抽出物1gをリンゴ又はブドウジュース1,000mLに加えて、健康増果物ジュースを製造した。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上説明したように、本発明の田七根抽出物は、TNF−αの遊離を抑制し、活性化したT細胞だけを選択的に死滅させる活性を有する。
【0098】
したがって、本発明の田七根抽出物は、関節炎予防及び治療のための健康食品又は医薬品の製造に効果的に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る田七根抽出物の抽出・分離方法を示す図である。
【図2】本発明の田七根抽出物が腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)の遊離抑制に及ぼす効果を示す図である。
【図3】本発明の田七根抽出物による活性化したT細胞の選択的細胞死を示す図である。
【図4】II型コラーゲン誘導関節炎を発病させた動物を用いて実験した関節炎の病的進行に対する、本発明の田七根抽出物による抑制効果を、関節炎指数で示す図である。
【図5】II型コラーゲン誘導関節炎を発病させた動物を用いて実験した関節炎の病的進行に対する、本発明の田七根抽出物による抑制効果を、関節炎指数で示す写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
田七根抽出物を有効成分として含有する関節炎予防及び治療用組成物。
【請求項2】
前記田七根抽出物が、水、アルコール、又は水とアルコールとの混合溶媒で抽出されたものである請求項1に記載の関節炎予防及び治療用組成物。
【請求項3】
前記アルコールがエタノールである請求項1に記載の関節炎予防及び治療用組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を含有する関節炎予防及び治療用薬学的組成物。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を含有する関節炎予防及び治療用健康食品用組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2007−504218(P2007−504218A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525282(P2006−525282)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002255
【国際公開番号】WO2005/023281
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(505152572)オスコテック株式会社 (5)
【Fターム(参考)】