説明

田植機

【課題】整地装置の作業中において、急な整地用回転体の押し上げがあった場合であっても、当該整地用回転体の破損を防止することができる田植機を提供する。
【解決手段】田植機1は、整地装置100を備え、整地装置100は、整地用回転体111の回転支軸112を植付部40に対して昇降(回動)可能に支持するための支持リンク機構140と、整地用回転体111を昇降操作するための整地装置操作部120と、支持リンク機構140と整地装置操作部120とを連結すると共に、整地用回転体111の昇降(回動)を上昇側へのみ許容するための連結許容機構150と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植機の技術に関し、より詳細には田植機の整地装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行部の後方に植付部を配置し、当該植付部の前部に整地装置を昇降可能に連結している田植機は、公知となっている。例えば、特許文献1に示す田植機において、整地装置は、回転駆動する回転支軸に装着される整地用回転体と、当該回転支軸と植付部との間に介設される補強ステーと、当該整地用回転体の高さ(作業)位置を昇降操作する操作レバーを有する操作部と、を備える。
【0003】
このような構成によって、田植機は、操作部の操作レバーの昇降操作によって整地用回転体の高さ(作業)位置を設定して、整地装置の整地作業を開始する。そして、田植機が作業走行中に整地装置に石や異物が衝突し、整地装置の整地用回転体に対して前後方向から外力があたえられた場合であっても、当該整地用回転体は補強ステーにより支持されているので、当該整地用用回転体がたわんで破損することを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−228598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような田植機において、下方から上方へ向けての外力があたえられた場合、例えば枕地が固かったり上方へ膨らんでいたりして整地用回転体の急な押し上げがあった場合に、当該整地用回転体は操作部の昇降操作に拠らなければ作業を行っている(設定された)高さ位置から上昇しないように構成されているため、当該整地用回転体が破損するおそれがあった。
【0006】
本発明は以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、整地装置の作業中において、急な整地用回転体の押し上げがあった場合であっても、当該整地用回転体の破損を防止することができる田植機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、機体の走行部の後方に当該機体に対して昇降可能に連結される植付部と、前記植付部の前部に昇降可能に連結され、左右方向に延設される整地用回転体が回転駆動可能に設けられる整地装置と、を備える田植機であって、前記整地装置は、前記整地用回転体の回転支軸を前記植付部に対して回動可能に支持するための支持リンク機構と、前記整地用回転体を昇降操作するための操作部と、前記支持リンク機構と前記操作部とを連結すると共に、前記整地用回転体の回動を上昇側へのみ許容するための連結許容機構と、を備えるものである。
【0009】
請求項2においては、前記連結許容機構は、前記支持リンク機構において前記植付部の植付フレームの左右方向に延設されて回転自在に支持される回転軸から突設される回動アームと、前記操作部の操作レバーに設けられて当該操作レバーの上方回動時に前記回動アームに当接可能に配置される当接部材と、前記回動アームと前記当接部材とが当接する方向に付勢する弾性部材と、を備えるものである。
【0010】
請求項3においては、前記回転軸と前記操作レバーの回動軸とは同一軸心上に配置され、前記弾性部材はねじりバネにより構成して当該操作レバーの回動軸上に設けられるものである。
【0011】
請求項4においては、前記支持リンク機構は、前記回転軸に固設したアームに一端が回動自在に連結されて他端が前記整地用回転体の回転支軸に回転自在に支持される上下リンクを備え、前記上下リンクは、前記走行部の後車輪の後方であって前記植付部のフロートの前方に配置され、前記上下リンク前面の前記整地用回転体の上方に防泥板が配設されるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
請求項1においては、整地装置の作業中において、急な整地用回転体の押し上げがあった場合に、操作部による整地用回転体の上昇操作に拠らずに当該整地用回転体を上昇させることができるので、当該整地用回転体の破損を防止することができる。
【0014】
請求項2においては、操作部の操作レバーの回動操作によって、整地用回転体を昇降可能とすることができ、整地用回転体の昇降(回動)と操作レバーの回動とを同期させることができる。また、整地用回転体に押し上げ方向への力がかかった場合に、操作レバーに無理な力がかかって破損することを防止することができる。
【0015】
請求項3においては、連結許容機構をコンパクトに形成することができる。
【0016】
請求項4においては、後車輪から巻き上げられた泥が後方に配置されるフロート上に載ることを防止することができる。また、防泥板により防いだ泥が当該防泥板の下方、即ち整地用回転体又は当該整地用回転体の前方に落ちて、その落ちた泥を当該整地用回転体により整地することができる。つまり、植付部による植付に対する泥の影響を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る田植機の全体側面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る田植機の全体平面図。
【図3】本発明の一実施形態に係る田植機の植付部の正面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る田植機の植付部への動力伝達構造を示す図。
【図5】本発明の一実施形態に係る田植機の整地装置の斜視図。
【図6】本発明の一実施形態に係る田植機の整地装置の整地装置操作部及び連結許容機構の斜視図。
【図7】本発明の一実施形態に係る田植機の整地装置の整地装置操作部及び連結許容機構の側面図。
【図8】本発明の一実施形態に係る田植機の整地装置の整地装置操作部及び連結許容機構の正面図。
【図9】本発明の一実施形態に係る田植機の整地装置の整地装置操作部及び連結許容機構の平面図。
【図10】本発明の一実施形態に係る田植機の整地装置の整地装置操作部及び連結許容機構の底面図。
【図11】本発明の一実施形態に係る田植機の整地装置の整地装置操作部及び連結許容機構が整地部を下降させた状態を示す側面図。
【図12】整地部が連結許容機構により作業位置から上昇した状態の本発明の一実施形態に係る田植機の整地装置の整地装置操作部及び連結許容機構を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本発明の一実施形態に係る田植機1の全体構成について説明する。なお、本実施形態においては、田植機は八条植えの田植機とするが、これは特に限定するものではなく、例えば六条植えや十条植えの田植機であってもよい。
【0019】
図1及び図2に示すように、田植機1は、走行部10と植付部40とを有し、走行部10により走行しながら、植付部40により苗を圃場に植え付けることができるように構成される。植付部40は、走行部10の後方に配置されて、この走行部10の後部に昇降機構30を介して昇降可能に連結される。
【0020】
昇降機構30は、走行部10と植付部40との間に設けられる。具体的には、走行部10後部にトップリンク31とロワリンク32の前部が支持され、トップリンク31とロワリンク32の後部に植付部40の前部が支持される。昇降用シリンダがロワリンク32と走行部10との間に連結される。そして、この昇降用シリンダの伸縮動作によって、植付部40が走行部10に対して上下方向に回動可能、即ち昇降可能とされる。
【0021】
走行部10においては、エンジン14が車体フレーム11の前部に設けられて、ボンネット15により被覆される。ミッションケース20が車体フレーム11の前部に支持されて、エンジン14の後方に配置される。
【0022】
走行部10においては、フロントアクスルケース6が車体フレーム11の前部に支持され、前車輪12が当該フロントアクスルケース6の左右両側に取り付けられる。リアアクスルケース7が車体フレーム11の後部に支持され、後車輪13が当該リアアクスルケース7の左右両側に取り付けられる。
【0023】
走行部10においては、予備苗載台17が車体フレーム11の前部の左右両側から立設された各取付フレーム16に取り付けられて、ボンネット15の左右両側方に配置される。そして、予備苗が予備苗載台17に載置されて、植付部40への苗補給が可能とされる。
【0024】
走行部10においては、車体フレーム11の前後中途部に運転操作部60が設けられる。運転操作部60の前部には、ダッシュボード61が配置され、ダッシュボード61の左右中央部には、操向ハンドル64が配置され、操向ハンドル64の後方には、運転席62が配置され、運転席62の下方には、一部を乗降用ステップとする車体カバー63が配置される。運転操作部60においては、主変速レバー65やクロスレバー66や変速ペダル67を含む複数の操作具が配置され、これらの操作具によって、走行部10及び植付部40に対して適宜の操作を行うことが可能とされる。
【0025】
植付部40においては、植付ミッションケース50が植付フレーム49の下部中央付近に支持されて、伝動軸51が当該植付ミッションケース50から左右両側方に延設される。四つの植付伝動ケース46がそれぞれ伝動軸51から後方に延設されて、左右方向に適宜の間隔をとって配置される(図4参照)。
【0026】
ロータリケース44が各植付伝動ケース46の後端部左右両側に回動自在に支持される。ロータリケース44は植付条数と同数、即ち本実施形態では八つ備えられる。そして、二つの植付爪45が、ロータリケース44の回転支点を挟むように、このロータリケース44の長手方向両側にそれぞれ取り付けられる。
【0027】
苗載台41が植付伝動ケース46の上方に前高後低の傾斜状態で配置される。図3に示すように、苗載台41は、植付フレーム49の後部に上ガイドレール51a及び下ガイドレール51bを介して左右方向に往復動可能に取り付けられる。苗載台41は、横送り機構52により左右往復横送り可能とされる。
【0028】
横送り機構52は、横送り軸52aと、滑子受け52bと、を備える(図3及び図4参照)。横送り軸52aは、植付ミッションケース50から右方向に突設され、その先端が軸受けを介して植付フレーム49に回転自在に支持される。横送り軸52aの左右中途部外周面には、ネジ状の溝(ネジ溝)が形成される。滑子受け52bは、前記ネジ溝に外嵌されるとともに、苗載台41の左右中央下部前側に取り付けられた苗台アーム41aに固設される。
【0029】
複数条(8条)の苗マット載置部を備える苗載台41は、それぞれの下端側が一つのロータリケース44と対向するように、左右方向に並べられる。そして、苗マットが各苗載台41に載置されて、ロータリケース44の回転時に植付爪45により1株の苗が当該苗載台41上の苗マットから切り取り可能とされる。
【0030】
図2に示すように、各植付条に対して二つの苗縦送りベルト47が苗載台41に設けられる。苗縦送りベルト47は、苗載台41が左右往復横送りのストローク端に到達するごとに、縦送り機構53により苗載台41上の苗マットを下方へ向かって縦送りするように作動可能とされる。
【0031】
縦送り機構53は、縦送り軸53aを備え(図3及び図4参照)、縦送り軸53aは、植付ミッションケース50から左方向に突設され、その先端が軸受けを介して植付フレーム49に回転自在に支持される。縦送り軸53aは、前記横送り軸52aと同軸上に相対回転不能に連結され、その外周には、軸心に対して垂直に突出する二つの突出部53b・53bが左右方向に適宜な間隔を開けて設けられる。
【0032】
植付部40においては、圃場面を整地する複数のフロート42と、荒れた枕地を整地する整地装置100と、がそれぞれ上下動自在となるように植付フレーム49に支持されている。また、圃場に線引きを行う左右の線引きマーカ48が植付フレーム49の左右両側に回動可能に支持される。
なお、整地装置100の詳細な説明については、後述する。
【0033】
このような田植機1においては、エンジン14の動力がミッションケース20に伝達され、ミッションケース20の内部にある図示せぬ変速機構を介して左右の前車輪12と左右の後車輪13とにそれぞれ伝達されて、前車輪12及び後車輪13が回転作動するように構成される。これにより、走行部10が前進または後進走行可能とされる。
【0034】
また、エンジン14の動力がミッションケース20から図4に示す株間変速ケース54に伝達され、更に、伝動軸や植付ミッションケース50などを介して各ロータリケース44に伝達されて、このロータリケース44が回転作動するように構成される。これにより、ロータリケース44の回転作動にともなって、二つの植付爪45が交互に苗を苗載台41上の苗マットから取り出して圃場に植付可能とされる。
【0035】
また、エンジン14の動力が植付ミッションケース50から横送り機構52に伝達されて、横送り軸52aが回動作動するように構成される。これにより、横送り軸52aの回転作動にともなって滑子受け52bがネジ溝に沿って左右に摺動して、この滑子受け52bとともに苗載台41が左右方向に摺動することとなる。
【0036】
また、エンジン14の動力が植付ミッションケース50から縦送り機構53に伝達されて、縦送り軸53aが回動作動するように構成される。これにより、苗載台41が左右の苗台端位置に到達すると、縦送り軸53aの回転作動にともなって突出部53b・53bが苗縦送りベルト47の作動部位47a(図3参照)を押し込み、苗縦送りベルト47が作動する。こうして、苗載台41上の苗マットが縦送りされて、植付爪45に対して適切な位置に移動することとなる。
【0037】
ここで、エンジン14からロータリケース44、横送り機構52及び縦送り機構53に動力を伝達するための動力伝達機構は、図4に示す植付クラッチ55を含み、植付クラッチ55の断接に応じて、エンジン14の動力がロータリケース44、横送り機構52及び縦送り機構53に伝達され、または、伝達されないように構成される。
【0038】
次に、整地装置100について詳細に説明する。
【0039】
整地装置100は、荒れた枕地を整地するための装置である。整地装置100は、図5に示すように、整地部110と、整地装置操作部120と、支持リンク機構140と、連結許容機構150と、を備える。
【0040】
整地部110は、図5に示すように、整地用回転体111と、回転支軸112と、回転体伝動部113と、を備える。
【0041】
整地用回転体111は、回転駆動されることにより泥の塊等を砕き均すためのものである。整地用回転体111は、図5に示すように、複数の回転体本体部114が、左右方向に延設された回転支軸112に嵌合される。回転体本体部114は、側面視略星型に構成され、中央部に側面視で略矩形状に開口された回転体開口部118が左右方向に貫通して形成される。回転体本体部114の中央部からは外側へ向けて複数の回転体アーム115が延出され、各回転体アーム115の先端に鋸歯状の回転体整地板116が形成される。
【0042】
回転支軸112は、図5に示すように、左右方向に延設された回転軸である。回転支軸112は、支持リンク機構140に回転自在に支持される。回転支軸112は、側面視で整地用回転体111の回転体開口部118と略同一形状であって、当該回転体開口部118の内径よりも若干小さく形成される。回転支軸112は、回転体開口部118を左右方向へ向けて貫通して、当該回転体開口部118に嵌合される。回転支軸112は、整地用回転体111と一体的に回転可能に支持している。
【0043】
回転体伝動部113は、図5に示すように、回転支軸112にエンジン14の動力を伝達するものである。回転体伝動部113は、リアアクスルケース7に配設された図示せぬ伝動機構部に伝動シャフト117を介して連結される。そして、エンジン14の動力が前記伝動機構部及び伝動シャフト117を介して回転体伝動部113に伝達されると、回転支軸112が軸心の左回り(図5における反時計回り)に回転し、当該回転支軸112と一体的に整地用回転体111が回転駆動するように構成される。
【0044】
以上のような構成によって、整地部110は、整地用回転体111が枕地に接地された状態で、エンジン14の動力が回転体伝動部113を介して回転支軸112に伝達されると、当該回転支軸112と一体的に整地用回転体111が回転駆動し、当該整地用回転体111に接地されていた枕地を整地することができる。
【0045】
支持リンク機構140は、整地部110を植付部40に対して昇降(回動)可能に支持するためのものである。支持リンク機構140は、図5に示すように、上回転軸141と、第二アーム142と、上下リンク143と、を備える。
【0046】
上回転軸141は、図5に示すように、左右方向に延設された回転軸である。上回転軸141は、支持リンク機構140の上部に配設される。上回転軸141の左右の両端部は、植付部40の植付フレーム49から前方に突設された第一アーム144・144に回転自在に支持される。また、上回転軸141の左右中途部は後述するレバー回動位置保持部124によっても回転自在に支持される。上回転軸141の左右中途部右寄りには、操作レバー基部122の回転軸用筒部130と後述するねじりバネ152とが回転自在に外嵌される。更に、回転軸用筒部130の両側の上回転軸141には、後述する略「コ」の字状に構成された当接部153が固設される。
【0047】
第二アーム142は、図5に示すように、上回転軸141の左右の両端部に配設される。第二アーム142は、その基端が上回転軸141に固定され、その先端が上斜め前方へ向けて延出される。第二アーム142は、上回転軸141と一体的に回動するように構成される。
【0048】
上下リンク143は、図5に示すように、概ね上下方向に延設された軸である。上下リンク143の上端は、第二アーム142の先端に回動自在に支持され、当該上下リンク143が当該第二アーム142の回動に応じて昇降するように構成される。上下リンク143の下端には、回転支軸支持部145が配設される。回転支軸支持部145には、回転支軸112が当該回転支軸支持部145に対して回転自在に支持される。上下リンク143の長手方向の中央下部には、補助アーム146が配設される。補助アーム146は、その先端が上下リンク143に回動自在に支持され、その後端が下斜め後方へ向けて延出される。補助アーム146の後端は、植付部40の植付フレーム49に回動自在に支持される。補助アーム146は、前記第二アーム142と平行リンクを構成し、上下リンク143の昇降に応じて回動し、整地部110が平行に昇降できるように構成している。また、上下リンク143には、防泥板147が配設される。
【0049】
防泥板147は、図5に示すように、上下方向に細長い略平板状部材である。防泥板147は、その板面を略前後方向へ向けて配置される。防泥板147の上部は、後方へ向けて曲折される。防泥板147の上端には、下方へ向けて切り欠いて形成された防泥板切り欠き部148が形成される。防泥板147は、上下リンク143前面であって、整地部110の整地用回転体111の上方に配置される。また、防泥板147は、植付部40のフロート42の前方に配置される。防泥板147の防泥板切り欠き部148内には、上下リンク143が上下方向に挿通されている。つまり、防泥板147の上部の後方へ向けて曲折された部分は、側面視で上下リンク143を前後方向に跨ぐように形成される。換言すれば、上下リンク143の下端にて支持されている整地用回転体111は、上方を防泥板147によって覆われる。また、図2及び図3に示すように、防泥板147は、走行部10の後車輪13の後方、つまり、後車輪13と植付部40のフロート42とを結んだ直線上に配置される。これによって、防泥板147は、走行により回転される後車輪13からはね上げられた泥がその後方に配置されたフロート42上に載ることを防止することができる。また、防泥板147は、その取り付け角度によって当該防泥板147によって防いだ泥を整地用回転体111又は当該整地用回転体111の前方に落とすように構成される。これによって、防泥板147から落ちた泥を整地用回転体111によって整地することができる。つまり、植付部40による植付に対する泥の影響を防止することができる。
【0050】
以上のような構成によって、支持リンク機構140は、上回転軸141が軸心の左回り(図5における反時計回り)に回転すると、第二アーム142を介して上下リンク143が下降し、当該上下リンク143に支持された整地部110が下降するように構成される。
一方、上回転軸141が軸心の右回り(図5における時計回り)に回転すると、第二アーム142を介して上下リンク143が上昇し、当該上下リンク143に支持された整地部110が上昇するように構成される。
なお、上下リンク143が昇降する場合には、支持リンク機構140及び整地部110の自重によって当該整地部110を鉛直下方へ荷重をかけながら昇降することとなる。
【0051】
整地装置操作部120は、整地部110を昇降操作するためのものである。整地装置操作部120は、図6から図10に示すように、操作レバー121と、操作レバー基部122と、第一操作用バネ123と、レバー回動位置保持部124と、第二操作用バネ125と、を備える。
なお、図6から図10では、整地部110が初期位置(整地作業を行わない状態において配置される最も上部の位置)に保持された場合の整地装置操作部120を示したものである。以下、特に説明が無ければ、整地部110が初期位置に保持された状態の整地装置操作部120を想定して説明する。
また、図8から図10では、説明の便宜上、第二操作用バネ125の図示を省略している。
【0052】
操作レバー121は、作業者が握って上下操作して整地部110を昇降するための細長い筒状部材である。操作レバー121は、図6から図10に示すように、基端から先端にかけて複数箇所が曲折しながら上斜め前方へ向けて延出される。操作レバー121の先端には、作業者が握って操作するための把持部128が配設される。操作レバー121の基端には、操作レバー基部122が配設される。操作レバー121は、操作レバー基部122を介して支持リンク機構140の上回転軸141に、上下方向に回動自在に支持される。そして、操作レバー121は、下方へ向けて回動操作すれば、支持リンク機構140を介して整地部110が下降し、上方へ向けて回動操作すれば、整地部110が上昇するように構成される。
操作レバー121の長手方向の中央下部には、係合板129が配設される。係合板129は、略矩形状の平板状部材である。係合板129は、その板面が操作レバー121の下斜め前方へ向けられた面に固定され、右側(レバー回動位置保持部124側)が側方へ突出される。
【0053】
操作レバー基部122は、図6から図10に示すように、回転軸用筒部130と、基部アーム部131と、レバー用保持部材132と、を備える。
【0054】
回転軸用筒部130は、図6から図10に示すように、細長い筒状部材である。回転軸用筒部130には、支持リンク機構140の上回転軸141が挿入される。回転軸用筒部130は、上回転軸141に対して回転自在に支持される。
【0055】
基部アーム部131は、図6及び図7に示すように、アーム形状の平板状部材である。基部アーム部131は、その板面を左右方向へ向けた状態で、回転軸用筒部130から下斜め前方へ向けて延出される。図6に示すように、基部アーム部131の先端には、左右方向に貫通した基部先端孔135が形成され、後述する第二操作用バネ125の一端が掛止される。基部アーム部131の基端は、回転軸用筒部130に固定される。基部アーム部131は、回転軸用筒部130と一体的に回転するように構成される。
【0056】
レバー用保持部材132は、操作レバー121の左右回動をガイドするものであり、図6から図10に示すように、板材を「コ」字状に曲げた部材である。レバー用保持部材132は、その長手方向を上斜め前方向として、右側(レバー回動位置保持部124側)が開放され、基端が回転軸用筒部130に固定される。レバー用保持部材132は、回転軸用筒部130と一体的に回転するように構成される。レバー用保持部材132には、側方から操作レバー121の基端側が挿入される。なお、レバー用保持部材132の上下幅は、操作レバー121の外径よりも大きく形成される。そして、レバー用保持部材132に操作レバー121が挿入された状態で、レバー支持ピン136が上下方向に貫通されて、操作レバー121は、レバー用保持部材132に対して左右回動自在に支持される。
【0057】
第一操作用バネ123は、付勢力を付与する弾性部材である。第一操作用バネ123は、図6から図8,及び図10に示すように、本体部分がレバー用保持部材132のレバー支持ピン136に巻装される。また、第一操作用バネ123の本体部分から延設される一端が操作レバー121に係合され、他端が基部アーム部131に掛止される。こうして、第一操作用バネ123は、操作レバー121をレバー回動位置保持部124側(右側)へ回動するように付勢している。つまり、操作レバー121の係合板129が係合部133に係合する方向に付勢している。
【0058】
レバー回動位置保持部124は、図6から図10に示すように、作業者により操作された操作レバー121の(回動)操作位置を保持するためのものである。レバー回動位置保持部124は、操作レバー121及び操作レバー基部122に隣接して、これらの右方に配置される。レバー回動位置保持部124は、略平板状部材の端部を左方へ向けて適宜に折り曲げて形成される。図6及び図7に示すように、レバー回動位置保持部124の前下部には、上下方向に貫通した前下部孔134が形成され、第二操作用バネ125の他端が掛止される。レバー回動位置保持部124の後部は、植付部40の植付フレーム49に固定される。
【0059】
また、レバー回動位置保持部124には、図6から図10に示すように、操作レバー121の係合板129を係合するための複数の係合部133が形成される。複数の係合部133は、レバー回動位置保持部124の前側面に上下方向に渡って並設される。各係合部133は、レバー回動位置保持部124の前側面が右方へ向けて切り欠いて形成される。各係合部133は、その上下方向の切り欠き幅が操作レバー121の係合板129の板幅(上下方向の幅)よりも若干大きく形成され、係合板129が係合可能に構成される。
なお、図6に示すように、整地部110が初期位置に保持された場合には、操作レバー121の係合板129は、複数の係合部133のうち最上部に形成された係合部133に係合されている。そして、操作レバー121を一旦左方へ回動して、係合板129と係合部133との係合を解除して、下方へ向けて回動操作して、適宜高さの位置の係合部133に係合板129を係合させると、換言すれば、当該操作レバー121の(回動)操作位置(整地部110の高さ)を調整すると、その(回動)操作位置(整地部110の高さ)を保持するように構成される(図11及び図12参照)。
【0060】
第二操作用バネ125は、付勢力を付与する弾性部材である。第二操作用バネ125は、図6及び図7に示すように、レバー回動位置保持部124の前下部と、操作レバー基部122の基部アーム部131の先端との間に介設される。より詳細には、第二操作用バネ125の一端がレバー回動位置保持部124の前下部孔134に連結され、他端が操作レバー基部122の基部アーム部131の基部先端孔135に連結される。そして、第二操作用バネ125は、レバー回動位置保持部124の前下部と、操作レバー基部122の基部アーム部131の先端とを近接する方向へ向けて付勢している。つまり、整地部110を上昇させる方向に付勢して、操作レバー121による上昇操作が軽い力で行えるように補助している。
【0061】
次に、連結許容機構150について説明する。
【0062】
連結許容機構150は、支持リンク機構140と整地装置操作部120とを連結すると共に、整地部110の昇降(回動)を上昇側へのみ許容するためのものである。連結許容機構150は、図6から図10に示すように、当接部材151と、ねじりバネ152と、を備える。
【0063】
当接部材151は、細長い平板状部材が複数回曲折され、図9に示すように、平面視で略コの字状に形成される。より詳細には、当接部材151は、図6から図10に示すように、当接部153と、足部154・154と、を備える。当接部153は、細長い平板状部材であって、その板面を上斜め前方へ向けて配置される。足部154は、細長い略平板状部材であって、当接部153の左右の端部から後方へ向けて上下幅を広げながら延出される。左右の足部154の後端は、支持リンク機構140の上回転軸141に固定される。当接部材151は、上回転軸141と一体的に回動するように構成される。また、左右の足部154の間には、操作レバー基部122の回転軸用筒部130が介設される。当接部材151の当接部153は、操作レバー基部122のレバー用保持部材132の先端よりも後方に位置するように形成される。そして、図7に示すように、当接部材151の当接部153は、操作レバー基部122のレバー用保持部材132の上面に当接されている。
【0064】
ねじりバネ152は、付勢力を付与する弾性部材である。ねじりバネ152は、図6から図10に示すように、本体部155が操作レバー基部122の回転軸用筒部130に巻装される。換言すれば、ねじりバネ152は、操作レバー121の回動軸である操作レバー基部122の回転軸用筒部130と同一軸心上であって、当該回転軸用筒部130を介して上回転軸141上に配置される。このような構成によって、連結許容機構150をコンパクトに形成することができる。
【0065】
そして、ねじりバネ152の本体部155から延出される一端156は、操作レバー基部122のレバー用保持部材132に下方から当接される。より詳細には、ねじりバネ152の本体部155から延出される一端156は、レバー用保持部材132の下側面にて、当該レバー用保持部材132の下側面の形状に沿って曲折されて、当該下側面に当接されている。また、ねじりバネ152の本体部155から延出される他端157は、当接部材151の左側の足部154に上方から当接される。より詳細には、ねじりバネ152の本体部155から延出される他端157は、当接部材151の左側足部154の先端付近にて、当該左側の足部154の上側面の形状に沿って曲折されて、当該上側面に当接されている。ねじりバネ152は、当接部材151と(レバー用保持部材132を介して)操作レバー基部122とを当接する方向へ向けて付勢している。
【0066】
次に、図11を用いて、整地装置操作部120により整地部110を下降操作した場合の当該整地装置操作部120,連結許容機構150,及び支持リンク機構140(上回転軸141)の構成について説明する。
【0067】
通常の植付作業時や非作業時では、操作レバー121は、初期位置に保持されている。枕地の植付作業時には、枕地は旋回走行により荒らされているため整地部110を下降させて整地しながら植付作業を行う。この場合に、植付部40を下降させた状態で、先ず、係合板129が最上部に形成された係合部133に係合された状態の操作レバー121を左方向へ向けて回動させる。操作レバー121は、第一操作用バネ123の付勢力に抗って左方向へ向けて回動し、係合板129がレバー回動位置保持部124の係合部133から離間して係合が解除される。
【0068】
次に、操作レバー121を下方へ向けて回動させる(図11における矢印A)。かかる場合、連結許容機構150の当接部材151は、整地部110の自重によりレバー用保持部材132と当接しており、上回転軸141が軸心の左回り(図11における反時計回り)に回動する。
【0069】
次に、整地部110が圃場面に到達すると(接地すると)操作レバー121はそれ以上下方へ回動することができないので、当該操作レバー121を右方へ向けて回動させ、その高さ位置に形成された係合部133に係合板129を係合させる。かかる場合、第一操作用バネ123によって操作レバー121(係合板129)が係合部133に係合する方向(右方向)へ向けて付勢されているため、その位置が保持される。但し、接地した位置がその他の圃場面よりも高い場合には、操作レバー121を更に下降させた位置で係合部133に係合板129を係合させる。
【0070】
次に、図11を用いて、非作業時に、整地装置操作部120により整地部110を上昇操作した場合の当該整地装置操作部120,連結許容機構150,及び支持リンク機構140(上回転軸141)の構成について説明する。
【0071】
前記高さ(作業)位置に保持された整地部110を初期位置へ上昇させる場合に、先ず、係合板129が係合部133に係合された状態の操作レバー121を左方向へ向けて回動させる。操作レバー121は、第一操作用バネ123の付勢力に抗って左方向へ向けて回動し、係合板129がレバー回動位置保持部124の係合部133から離間して係合が解除される。
【0072】
次に、操作レバー121を上方へ向けて回動させる(図11における矢印B)。かかる場合、操作レバー121の基部アーム部131の先端とレバー回動位置保持部124との間に第二操作用バネ125が介装されているため、第二操作用バネ125の付勢力により補助されて、操作レバー121による整地部110の上昇操作は、軽い力で行うことができる。
【0073】
次に、操作レバー121を初期位置まで上方へ回動させたならば、当該操作レバー121を右方へ向けて回動させ、最上部に形成された係合部133に係合板129を係合させる。かかる場合、第一操作用バネ123によって操作レバー121(係合板129)が係合部133に係合する方向(右方向)へ向けて付勢され、係合状態が維持される。
【0074】
次に、図12を用いて、整地部110の昇降を上昇側へのみ許容する場合の連結許容機構150,整地装置操作部120,及び支持リンク機構140の構成について説明する。
なお、以下の説明では、整地装置100の整地部110が任意の高さ(作業)位置にて作業している(保持されている)場合において、整地部110が硬い上方へ凸状に膨らんでいる枕地を通過する場合を一例とするが、かかる場合に限定するものではなく、耕盤やその他障害物等に当接した場合にも整地部110の昇降は上昇側へのみ許容される。
【0075】
任意の高さ(作業)位置にて作業している整地部110が前記膨らんでいる硬い枕地を通過する場合、当該整地部110が上方へ向けて押圧される。そして、整地部110の上方への押圧力は、支持リンク機構140の上下リンク143及び第二アーム142を介して上回転軸141へ伝達される。つまり、上回転軸141には、軸心の右回り(図12における時計回り)へ回動するように押圧力が伝達される。そして、その伝達された押圧力は、上回転軸141を介して連結許容機構150(より詳細には、連結許容機構150の当接部材151)に伝達される。
【0076】
そして、連結許容機構150の当接部材151は、ねじりバネ152の付勢力に抗して上方へ回動する。こうして、整地部110は硬い枕地に当接した際に上方へ逃げることができるため、整地部110が破損することはないのである。
この硬い枕地の上端を通過すると、ねじりバネ152の付勢力により、当接部材151は下方へ回動され、整地部110は硬い枕地の形状に沿って下降し、当接部材151がレバー用保持部材132に当接するまで下降する。つまり、操作レバー121で設定した高さ(係合板129がレバー回動位置保持部124の係合部133に係合されて操作位置)に整地部110が保持されることになる。このように、当接部材151は、ねじりバネ152により下方へ回動するように付勢されているため、勢いよく凸部等に当接した場合でも上方へバウンドすることもなく、凸部を通過した後は速やかに下降することになるのである。
【0077】
なお、当接部材151が上方へ向けて回動しようとする力が、支持リンク機構140及び整地部110の自重と、ねじりバネ152の付勢力とによって、整地部110(整地用回転体111)に対して下方へかけられている荷重よりも小さい場合には、ねじりバネ152の付勢力に抗うことができず、当該当接部材151は上方へ向けて回動することができない。つまり、当接部材151とレバー用保持部材132との当接は維持されて、整地部110は上昇することはない。
【0078】
以上のように、田植機1は、
機体の走行部10の後方に当該機体に対して昇降可能に連結される植付部40と、
前記植付部40の前部に昇降可能に連結され、左右方向に延設される整地用回転体111が回転駆動可能に設けられる整地装置100と、
を備える田植機であって、
前記整地装置100は、
前記整地用回転体111の回転支軸112を前記植付部40に対して昇降(回動)可能に支持するための支持リンク機構140と、
前記整地用回転体111を昇降操作するための整地装置操作部120と、
前記支持リンク機構140と前記整地装置操作部120とを連結すると共に、前記整地用回転体111の昇降(回動)を上昇側へのみ許容するための連結許容機構150と、を備えるものである。
【0079】
このような構成によって、整地装置100の作業中において、急な整地部110の押し上げがあった場合に、整地装置操作部120による整地部110の上昇操作に拠らずに整地部110を上昇させることができるので、整地部110(より詳細には、整地用回転体111)の破損を防止することができる。また、アスファルト路面等で整地用回転体111を下げた状態での当該整地用回転体111の破損を防止することができる。
【0080】
前記連結許容機構150は、
前記支持リンク機構140において前記植付部40の植付フレーム49の左右方向に延設されて回転自在に支持される上回転軸141から突設される操作レバー基部122(回動アーム)と、
前記整地装置操作部120の操作レバー121に設けられて当該操作レバー121の上方回動時に前記操作レバー基部122(回動アーム)に当接可能に配置される当接部材151と、
前記操作レバー基部122(回動アーム)と前記当接部材151とが当接する方向に付勢するねじりバネ152(弾性部材)と、を備えるものである。
【0081】
このような構成によって、整地装置操作部120の操作レバー121の上下方向へ向けての回動操作によって、整地用回転体111を昇降可能とすることができ、整地用回転体111の昇降(回動)と操作レバー121の回動とを同期させることができる。また、整地用回転体111に押し上げ方向への力がかかった場合に、操作レバー121に無理な力がかかって破損することを防止することができる。
【0082】
また、このような構成によって、ねじりバネ152は、上回転軸141,第二アーム142,及び上下リンク143を介して整地部110(整地用回転体111)を下降する方向へ向けて付勢して、整地部110(整地用回転体111)を下降する方向へ荷重をかけている。すなわち、整地部110(整地用回転体111)は、支持リンク機構140及び整地部110の自重と、ねじりバネ152の付勢力とによって、下方へ荷重がかけられている。つまり、整地部110(整地用回転体111)が枕地に接地した場合の枕地への荷重は、支持リンク機構140及び整地部110の自重と、ねじりバネ152の付勢力とに応じて決定される。従って、ねじりバネ152の付勢力(荷重)を変更することによって、整地部110(整地用回転体111)の枕地への接地荷重を変更することができるため、枕地条件や植付条件などの変化に応じてねじりバネ152の付勢力(荷重)を変更させることができる。つまり、整地用回転体111の枕地への接地荷重を、最適な荷重とすることができる。
【0083】
さらに、田植機1においては、前記上回転軸141と前記操作レバー121の操作レバー基部122の回転軸用筒部130とは同一軸心上に配置され、前記弾性部材はねじりバネ152により構成して当該操作レバー121の操作レバー基部122の回転軸用筒部130上に設けられるものである。
【0084】
このような構成によって、連結許容機構150をコンパクトに形成することができる。
【0085】
さらに、田植機1においては、
前記支持リンク機構140は、
前記上回転軸141に固設した第二アーム142に一端が回動自在に連結されて他端が前記整地用回転体111の回転支軸112に回転自在に支持される上下リンク143を備え、
前記上下リンク143は、
前記走行部10の後車輪13の後方であって前記植付部40のフロート42の前方に配置され、前記上下リンク143前面の前記整地用回転体111の上方に防泥板147が配設されるものである。
【0086】
このような構成によって、後車輪13から巻き上げられた泥が後方に配置されるフロート42上に載ることを防止することができる。また、防泥板147により防いだ泥が当該防泥板147の下方、即ち整地用回転体111又は当該整地用回転体111の前方に落ちて、その落ちた泥を当該整地用回転体111により整地することができる。つまり、植付部40による植付に対する泥の影響を防止することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 田植機
40 植付部
49 植付フレーム
111 整地用回転体
112 回転支軸
120 整地装置操作部
121 操作レバー
122 操作レバー基部
140 支持リンク機構
141 上回転軸
142 第二アーム
143 上下リンク
150 連結許容機構
151 当接部材
152 ねじりバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の走行部の後方に当該機体に対して昇降可能に連結される植付部と、
前記植付部の前部に昇降可能に連結され、左右方向に延設される整地用回転体が回転駆動可能に設けられる整地装置と、
を備える田植機であって、
前記整地装置は、
前記整地用回転体の回転支軸を前記植付部に対して回動可能に支持するための支持リンク機構と、
前記整地用回転体を昇降操作するための操作部と、
前記支持リンク機構と前記操作部とを連結すると共に、前記整地用回転体の回動を上昇側へのみ許容するための連結許容機構と、を備える、
ことを特徴とする田植機。
【請求項2】
前記連結許容機構は、
前記支持リンク機構において前記植付部の植付フレームの左右方向に延設されて回転自在に支持される回転軸から突設される回動アームと、
前記操作部の操作レバーに設けられて当該操作レバーの上方回動時に前記回動アームに当接可能に配置される当接部材と、
前記回動アームと前記当接部材とが当接する方向に付勢する弾性部材と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の田植機。
【請求項3】
前記回転軸と前記操作レバーの回動軸とは同一軸心上に配置され、前記弾性部材はねじりバネにより構成して当該操作レバーの回動軸上に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の田植機。
【請求項4】
前記支持リンク機構は、
前記回転軸に固設したアームに一端が回動自在に連結されて他端が前記整地用回転体の回転支軸に回転自在に支持される上下リンクを備え、
前記上下リンクは、
前記走行部の後車輪の後方であって前記植付部のフロートの前方に配置され、前記上下リンク前面の前記整地用回転体の上方に防泥板が配設される、
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の田植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−228190(P2012−228190A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97266(P2011−97266)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】