田植機
【課題】散布装置での繰り出し作動を制御するために監視すべき対象を工夫して、圃場に散布される薬剤の総散布量が少なくなるように制限し易くする。
【解決手段】横送り駆動部、及び縦送り駆動部を内装する駆動ケース14を備え、駆動ケース14の左右方向の端部から縦送り駆動軸36を突出させて縦送りアーム38を設け、往復横移動する苗のせ台20側に備えた縦送り装置21の被動アーム41を縦送りアーム38で駆動するように構成し、縦送りアーム38が作動したことを検知する縦送り検知センサ50を備え、その縦送り検知センサ50の作動に基づいて散布装置の作動を制御するように構成した。
【解決手段】横送り駆動部、及び縦送り駆動部を内装する駆動ケース14を備え、駆動ケース14の左右方向の端部から縦送り駆動軸36を突出させて縦送りアーム38を設け、往復横移動する苗のせ台20側に備えた縦送り装置21の被動アーム41を縦送りアーム38で駆動するように構成し、縦送りアーム38が作動したことを検知する縦送り検知センサ50を備え、その縦送り検知センサ50の作動に基づいて散布装置の作動を制御するように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗のせ台を往復横送り作動させる横送り装置、及び前記苗のせ台上の苗を所定量ずつ苗取り出し口側へ送り出す縦送り装置を備えた苗植付け装置と、その苗植付け装置の作動に同調して駆動される散布装置とを備えた田植機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように、苗植付け装置の作動に同調して駆動される散布装置を備えた田植機としては、従来より下記[1]に記載のものが知られている。
[1] 走行機体から苗植付け装置への動力伝達用に機体下腹部に配備されている伝動軸に、磁性金属板からなる回転検出体を取り付けるとともに、その回転検出体の回転を近接スイッチで検出するように構成した回転検出機構を備え、その回転検出機構による前記伝動軸が回転しているか否かの検出情報に基づいて、薬剤繰り出し用の目皿駆動用のステッピングモータの作動を制御するようにしたもの(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−304793号公報(段落番号「0056」、「0066」、図1及び図12)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、走行機体から苗植付け装置への動力伝達用の伝動軸の回転を検出して、散布装置による薬剤の繰り出し動作を制御する構造のものでは、伝動軸が駆動されている間は、常時薬剤の散布が行われるものであるため、圃場に散布される薬剤の総散布量を制限したい場合、一度に散布される薬剤の散布量そのものを微量に制限することが困難である。このため、全体の散布量を少なくするように制限し難いという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、散布装置での繰り出し作動を制御するために監視すべき対象を工夫して、圃場に散布される薬剤の総散布量が少なくなるように制限し易くした田植機を提供することにある。
また、別の目的として、その薬剤散布の監視に用いるセンサを、メンテナンス作業の妨げにならずに監視し易い位置に配設した田植機を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明による田植機では、下記の技術手段を講じたものである。
〔解決手段1〕
本発明は、苗のせ台を往復横送り作動させる横送り装置、及び前記苗のせ台上の苗を所定量ずつ苗取り出し口側へ送り出す縦送り装置を備えた苗植付け装置と、その苗植付け装置の作動に同調して駆動される散布装置とを備えた田植機であって、
前記横送り装置の横送り駆動部、及び前記縦送り装置の縦送り駆動部を内装する駆動ケースを備え、前記駆動ケースの左右方向の端部から縦送り装置の縦送り駆動軸を突出させて縦送りアームを設け、往復横移動する苗のせ台側に備えた前記縦送り装置の被動アームを前記縦送りアームで駆動するように構成し、
前記縦送りアームが作動したことを検知する縦送り検知センサを備え、その縦送り検知センサの作動に基づいて前記散布装置の作動を制御するように構成してあることを特徴とする。
【0007】
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、散布装置の散布量を決定するにあたり、苗植付け装置が作動しているのか否かではなく、縦送り装置の作動状況を監視して、その縦送り装置の作動状況に対応させて散布を行うので、縦送りアームの複数回の作動毎に一度の散布を行うように制御するなど、散布形態に基づいて散布装置の作動を制御して、散布装置の一度の散布量を特に微量に制限する必要もなく、圃場に対する散布量を適切に設定することができる利点がある。
【0008】
〔解決手段2〕
解決手段2にかかる発明では、前記駆動ケースの前記縦送りアームが備えられた側の端部に、前記横送り駆動部の変速用ギヤをケース外部から交換可能な外部開放部、及びその外部開放部を閉塞可能な開閉カバーを設け、
前記縦送り検知センサを、側面視で前記外部開放部から外れた位置に設けてあることを特徴とする。
【0009】
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、縦送り装置の作動状況を監視するには、縦送りアームなどの縦送り駆動部で駆動される部品の作動位置を検出できるようにセンサを配設する必要があるが、このセンサの配設位置を、横送り駆動部の変速用ギヤを外部から交換可能な外部開放部から側面視で外れた位置に設けてあるので、変速用ギヤの交換などのメンテナンスを支障なく行い易いという利点がある。
【0010】
〔解決手段3〕
解決手段3にかかる発明では、前記縦送りアームを、前記縦送り駆動軸の往復回転に伴って往復揺動作動するように構成された往復駆動式とし、前記縦送り検知センサは、前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置を検知するように配設されていることを特徴とする。
【0011】
〔解決手段3にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、縦送りアームの往復ストロークの端部位置では、揺動方向を反転する縦送りアームの作動が一旦停止するので、往復ストロークの中間位置で揺動作動中の縦送りアームの位置を検出する場合に比べて、縦送りアームの位置検出をより確実に行い易いものであり、確実な検出を行い易いという利点がある。
【0012】
〔解決手段4〕
解決手段4にかかる発明では、前記縦送り検知センサは、前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置のうち、待機時間の長い方の端部で前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置を検知するように配設されていることを特徴とする。
【0013】
〔解決手段4にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、縦送りアームの往復ストロークの端部位置のうちでも、待機時間の長い方の端部で縦送りアームの位置を検知するものであるから、さらに確実に縦送りアームの位置を検出し易いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】乗用型田植機の全体側面図である。
【図2】乗用型田植機の全体平面図である。
【図3】苗植付け装置を示す側面図である。
【図4】苗植付け装置の駆動系を示す部分断面図である。
【図5】縦送り装置と検出装置との位置関係を示す側面図である。
【図6】横送り駆動部と検出装置との位置関係を示す説明図である。
【図7】横送り駆動部と縦送り駆動部との位置関係を示す断面図である。
【図8】ロッド支持体の取付構造を示す部位の断面図である。
【図9】マーカの格納状態を示す説明図である。
【図10】エンジンボンネットの内部を示す側面図である。
【図11】エンジンの停止線の支持構造を示す断面図である。
【図12】エンジンボンネットの吸着用マグネットを示す断面図である。
【図13】隣接マーカを示し、(a)は側面視での説明図、(b)は一部切り欠き正面図である。
【図14】座席支持台の内部におけるホーンの取付構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した田植機の一例である乗用型田植機の実施形態を図面の記載に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、乗用型田植機は、操向操作自在な左右一対の前輪1及び左右一対の後輪2を備えた走行機体3の前部側に、エンジン4及びミッションケース5を備え、走行機体3の中央部にステアリングハンドル6等を装備した操縦部7と運転座席8とを備えて構成され、又、走行機体3の左右両側に予備苗のせ台9が配設されている。
走行機体3の後方には、リフトシリンダ10の操作により、リンク機構11を介して昇降操作自在に苗植付け装置12が連結され、その苗植付け装置12の後方に、散布装置の一例であるところの、粉粒状の除草剤等の薬剤を散布する薬剤散布装置13が備えられている。図2に示すように、苗植付け装置12は4条植型式に構成されている。ミッションケース5には、操縦部7に装備した変速レバー7aを操作することにより変速操作される静油圧式の無段変速装置(図示せず)が備えられている。
【0016】
前記薬剤散布装置13は、薬剤を貯留する貯留部としての貯留ホッパー24と、その貯留ホッパー24の下部に位置して貯留される薬剤を繰り出す繰出し手段としての繰出し機構25と、繰り出されて落下供給される薬剤を拡散させる回転式の拡散手段としての拡散放出機構26と、繰出し機構25の作動を制御するための制御装置としての電気制御ユニット27とを備えて構成されている。
この薬剤散布装置13は、苗植付け装置12の後述する植付け伝動ケース16に対して散布装置支持フレーム28を介して着脱可能に装備されている。
前記電気制御ユニット27には、後述する縦送り検知センサ50で検出される縦送り装置21の送り作動が設定回数行われたことを検出する毎に、繰出し機構25により所定量の薬剤を拡散放出機構26側に送り出して、薬剤を圃場に拡散放出するように、繰出し機構25及び拡散放出機構26の作動を制御する制御装置(図示せず)が備えられている。
【0017】
〔苗植付け装置〕
図1及び図2に示すように、苗植付け装置12は、1個のフィードケース14(駆動ケースに相当する)に連結された機体左右方向に延びる支持フレーム15,15に、後部側の植付け爪駆動機構17に動力を伝える2個の植付け伝動ケース16が後向きに片持ち状に連結されている。植付け伝動ケース16の後部の左右両側部に植付アーム18が植付け爪駆動機構17により上下に揺動自在に支持され、植付アーム18に植付爪22が備えられており、苗植付け装置12の下部には接地フロート19が支持されている。
又、苗植付け装置12には、苗のせ台20が左右に一定ストロークで往復横送り駆動自在に備えられており、苗のせ台20がストロークエンドに達する毎に、載置された苗を所定量だけ下方に送るベルト式の縦送り装置21が苗のせ台20に備えられている。
【0018】
そして、フィードケース14に伝達される動力が植付け伝動ケース16に伝達されて、植付アーム18が駆動される一方、フィードケース14に伝達される動力により苗のせ台20が往復横送り駆動されて、苗のせ台20の下部から上下に揺動運動する植付アーム18が、その先端部に備えられた植付爪22により1株ずつ苗を取り出して圃場に植え付けるのであり、苗のせ台20が往復横送りのストロークエンドに達すると、フィードケース14に伝達される動力により縦送り装置21の縦送りベルト21aが駆動されて、苗のせ台20に載置された苗が下方に送られる構成となっている。
【0019】
詳述すると、図4乃至図7に示すように、フィードケース14は、左右に分割可能なアルミダイカスト製で、その前部には、リンク機構11の後下端から後方に向けて延設された支軸30の軸受け部30aや、入力軸31を前方に向けて突出させた状態で支持するための軸受け部31aなどが一体形成されている。
【0020】
このフィードケース14内には、前記入力軸31に伝達された動力を、フィードケース14内において、前記入力軸31の端部に設けたベベルギヤ31b及び中継軸32に相対回動自在に遊嵌させたベベルギヤ32aを介して植付クラッチ33に伝達し、植付クラッチ33の入り操作に伴って左右向きの中継軸32に動力が伝達されるように構成してある。
前記中継軸32に伝えられた動力は、中継軸32と一体回動する出力スプロケット32bからチェーン式伝動機構42を介して後述する植付け爪22の駆動系と、後述する苗のせ台20を横送りする横送り装置としての横送り駆動軸34や、前記縦送り装置21の縦送りベルト21aを駆動するための縦送りアーム38の駆動系とに分配供給されるように構成してある。
【0021】
図4に示すように、中継軸32と一体回動する出力スプロケット32bからチェーン式伝動機構42を介して伝達される動力は、第1伝動軸44に対して相対回動自在に遊嵌された入力スプロケット44aに伝達され、その入力スプロケット44aの左右両側に設けた少数条クラッチ44b,44bを介して、各少数条クラッチ44b,44bの各別の入り操作に伴って、左右の第1伝動軸44,44のそれぞれに対して各別に駆動力を伝達するように構成してある。
【0022】
第1伝動軸44に伝達された動力は、左右の第1伝動軸44の各横外端部に一組のベベルギヤ44c,45aを介して連動連結された前後向きの第2伝動軸45に分配供給され、各第2伝動軸45から、それらの各後端部に一組のベベルギヤ45b,46aを介して連動連結された左右向きの出力軸46に伝達され、それらの各出力軸46から、左右両端部に連動連結された植付アーム18に伝達されるように構成されている。
つまり、各植付アーム18は、分配供給された動力が、第1伝動軸44や第2伝動軸45などを介して伝達されることで、一定周期ごとに苗のせ台20の苗取出口20aから苗のせ台20に載置された苗を所定量ずつ取り出して圃場に植え付ける植え付け動作を行うように構成されている。
【0023】
前記中継軸32に伝えられた回転動力は、図4乃至図7に示すように、フィードケース14の一端側に外装された一組の変速用ギヤ43を介して横送り駆動軸34にも伝達されるように構成してある。つまり、前記一組みの変速用ギヤ43は、中継軸32の一端側に設けられた変速出力ギヤ43aと、前記横送り駆動軸34の一端側に設けられた変速入力ギヤ43bとの咬合作動で動力が伝達されるように構成してあり、これらの変速用ギヤ43及び横送り駆動軸34が横送り駆動部を構成している。
そして、前記変速出力ギヤ43aと変速入力ギヤ43bとのギヤ比を変更するように変速出力ギヤ43aと変速入力ギヤ43bとを交換することで、横送り駆動軸34の回転速度を変更して、苗のせ台20の横送り速度を適宜の減速された速度に変更可能であるように構成してあり、植付アーム18での苗取り量を変更可能に構成してある。
【0024】
前記変速出力ギヤ43aと変速入力ギヤ43bとで構成される変速用ギヤ43は、前記フィードケース14の一端側で板金製の開閉カバー47によって覆われており、この開閉カバー47の内部空間が、前記横送り駆動部の変速用ギヤ43をケース外部から交換可能な外部開放部Sを構成し、前記開閉カバー47が着脱されることで、前記外部開放部Sを閉塞可能に構成している。
【0025】
前記横送り駆動軸34は、前記変速用ギヤ43が設けられた側とは反対側へ延出されてフィードケース14の外部に突出する延出部に無端螺旋溝34aが刻設されていて、その無端螺旋溝34aに係合するコマ部材(図示せず)を収容した移動体35を左右方向に往復移動させることで、この移動体35に連結された苗のせ台20を左右方向に一定ストロークで往復駆動させるように構成されている。
【0026】
前記横送り駆動軸34には、図4及び図7に示すように、横送り駆動軸34と一体回転する操作片34bが設けられ、前記縦送り駆動軸36には、前記操作片34bによって操作される被操作片36aが一体に設けられている。
前記縦送り駆動軸36に設けられた被操作片36aは、図7に示すように、その遊端部がフィードケース14の内面側へに向けて付勢されるように、つるまきバネ37が縦送り駆動軸36に外嵌して装着されている。前記横送り駆動軸34に装備された操作片34bが、フィードケース14内で、縦送り駆動軸36に装備された被操作片36aをつるまきバネ37の付勢力に抗して、フィードケース14から離れる側に揺動操作するように、前記操作片34bの回転軌跡に対する被操作片36aの相対位置を設定して配設してある。
【0027】
これによって、フィードケース14内で駆動回転する横送り駆動軸34に装備された操作片34bが縦送り駆動軸36に装備された被操作片36aをつるまきバネ37の付勢に抗して、フィードケース14から離れる側に揺動操作することにより、縦送り駆動軸36が往復回動操作される。つまり、前記横送り駆動軸34に装備された操作片34b、縦送り駆動軸36に装備された被操作片36a、及びつるまきバネ37によって縦送り駆動軸36を往復回動させる縦送り駆動部が構成されている。
そして、縦送り駆動軸36の往復回動に連動して、縦送り駆動軸36の左右両端部に装備された縦送りアーム38のいずれかが、苗のせ台20が左右の各ストローク端に到達するたびに苗のせ台20に装備された被動アーム41を蹴り上げて、苗のせ台20に装備された複数の縦送りベルト21aを間欠駆動させることで、苗のせ台20が左右の各ストローク端に到達するごとに苗のせ台20に載置された苗を所定ピッチで縦送りするように構成されている。つまり、前記縦送り駆動部、縦送りアーム38、被動アーム41、及び縦送りベルト21aによって縦送り装置21が構成されている。
【0028】
図7に示すように、フィードケース14には、つるまきバネ37の付勢作用でフィードケース14側に復帰揺動する被操作片36aを受け止める樹脂製の弾性体39が着脱可能に装備されており、これによって、つるまきバネ37の付勢作用で復帰揺動する被操作片36aをフィードケース14で直に受け止める場合に発生する衝撃音を無くすことができるとともに、弾性体39の交換も可能に構成されている。
【0029】
図4乃至図6に示すように、前記縦送りアーム38は縦送り駆動軸36の往復回転に伴って往復揺動作動するように、縦送り駆動軸36の軸芯p1周りで往復駆動式に構成されていて、前記被動アーム41を蹴り上げる蹴り上げ部38aと、この蹴り上げ部38aと一体に揺動作動するように縦送り駆動軸36を挟んで反対側に延出された板状の検出アーム部38bとで構成されている。
この縦送りアーム38の往復ストロークRSのうちで、図5に仮想線で示すように、検出アーム部38bが往復ストロークRSの下端部に位置する箇所に対応させて、縦送り検知センサ50を設けてある。
【0030】
前記縦送り検知センサ50は、不接触式の近接センサによって構成され、磁性体からなる検出アーム部38bが近接したことを検出して縦送り駆動軸36の作動を検出するように構成されている。
そして、前記縦送り検知センサ50による縦送り駆動軸36の作動検出情報は、前記薬剤散布装置13に備えた電気制御ユニット27によって予め設定された所定回数だけカウントされ、縦送り駆動軸36の作動回数が所定回数に達すると前記電気制御ユニット27の指令に基づいて繰り出し機構25が作動され、所定量の薬剤が繰り出されるように制御される。
【0031】
前記縦送り検知センサ50は、図5に示すように、前記横送り駆動部の変速用ギヤ43が設けられる外部開放部Sを覆う開閉カバー47を取り外して、変速用ギヤ43を交換する際に、側面視で前記外部開放部Sから外れた位置に存在するように設けてあり、変速用ギヤ43を横送り駆動軸34や中継軸32の軸芯方向に沿って着脱する際に、縦送り検知センサ50が変速用ギヤ43の着脱操作を妨げる位置から外れて位置するようにフィードケース14の横側部に配設してある。
【0032】
前記苗のせ台20の下端部側を案内する摺動板23は、図5及び図8に示すように、支持ロッド23aを介して、植付け伝動ケース16に支持されている。
前記支持ロッド23aは、植付け伝動ケース16の横側部に固定ボルト48aを用いて連結固定された金属製のロッド支持体48に挿通された状態で固定してある。このロッド支持体48は、前記植付け伝動ケース16とは別部品としてロストワックス製法により予め鋳造されたものであり、植付け伝動ケース16に対して板状部材を溶接固定して構成されるものではないので、ロッド支持体48の製造、ならびに組み付け工程を簡素化する上で有効である。また、予め鋳造品として構成することにより、板状部材を溶接して構成する場合よりも錆にも強い製品を得やすい点でも有利である。
【0033】
〔その他〕
図9はマーカ51の格納構造を示す。
このマーカ51は、苗植付け装置12の左右両側に装備させてあり、車体前後方向に沿う前後向き軸芯p2周りで上下揺動可能に構成されている。
このマーカ51は、基端側から遊端側に亘る一連の長い棒状のバネ鋼からなるマーカアーム52と、そのマーカアーム52の遊端側に装着された回転マーカ53と、前記マーカアーム52の基端側部分に装着された補強アーム54とを備え、前記マーカアーム52が水平横外方へ突出するマーカ作用姿勢となる側へ付勢バネ55で揺動付勢されている。
【0034】
したがって、操作ワイヤ56が緩められたマーカ作用姿勢では、図9に仮想線で示されているように水平姿勢となって、回転マーカ53が圃場に接して回転しながらマーキングを行い、前記操作ワイヤ56が付勢バネ55を伸長させながら引っ張られると、図9に実線で示されているようにマーカ51が持ち上げられて格納姿勢となる。
【0035】
このマーカ51の格納姿勢は、固定金具57によって2段階に位置変更可能に構成してある。
つまり、前記固定金具57は、図9に示すように、苗植え付け装置12側の固定支柱12Bへの取付部57aの他に、第1係合部57bと第2係合部57cとを形成するように、2段に屈曲形成された棒状部材で構成してある。
したがって、図9に実線で示すようにマーカ51が固定金具57の第1係合部57bに係合した状態では、前記回転マーカ53の中心が前記前後向き軸芯p2の直上近くに位置するが、図9に仮想線で示したように、マーカ51が固定金具57の第2係合部57cに係合した状態では、前記回転マーカ53の中心が前記前後向き軸芯p2の直上よりも機体内方側に位置し、前記回転マーカ53の横外方側の端部が摺動板ガード23bの外側縁上の鉛直線yよりも機体内方側に入り込むように位置する。
【0036】
図10及び図11に示すようにエンジンボンネット60の内部には、エンジン4の停止線4aを、クランクケースに固定の支持部材61に対して、スポンジ材からなる固定部材62によって固定してある。この固定部材62には、図11に上面側にスリット62aが形成してあって、停止線4aをスリット62aに嵌め込むことで簡単に弾性的に挟持した固定状態とすることができ、スリット62aから外すことで固定解除できるように構成してある。
【0037】
図10及び図12に示すようにエンジンボンネット60は、下端側をマグネット63によって下端側のフェンダ64に固定してある。
前記エンジンボンネット60は合成樹脂製材料で構成してあり、上端側を図示しない揺動支点周りで揺動自在に取り付けてあり、下端側にマグネット63がボルト63a及びナット63bで固定してある。
前記フェンダ64は板金製材料で構成してあり、フェンダ64の上面側と前記マグネット63との間の吸磁力でエンジンボンネット60の下端側をガタツキなく固定できるように構成してある。このようにマグネット63がフェンダ64側にではなくエンジンボンネット60側に設けてあることにより、前記マグネット63の存在箇所に雨水や泥水が溜まって錆が発生し易くなるような事態を避けやすくなる。
【0038】
図1,2、及び図13に示すように、機体前部に設けられる隣接マーカ65は、機体横外方へ延出された腕部66の先端側に、球継ぎ手67を介して取り付けてある。したがって、腕部66に対して隣接マーカ65を上下にスライドさせての位置変更のみならず、左右方向の腕部66の中心線pLを回動中心として下端側を前後方向に位置変更させるように姿勢変更すること、及び、前記球継ぎ手67の球中心p3を中心としての前後及び上下を含む姿勢変更を行うことが可能で、前記中心線pLの方向を前後及び上下に姿勢変更できるように構成されている。
これによって、隣接マーカ65の下端の位置を任意の方向に向けて位置変更し易くなる。
【0039】
図1及び図14に示すように運転座席8を支持する座席支持台8Aの内部には、座席支持台8Aに覆われた箇所に、苗植付け装置12における苗切れを検出する苗切れ検出センサ(図示せず)で、苗切れが検出されたときに警報音を鳴らすための警報用のホーン68を配設してある。
この警報用のホーン68は、運転座席8を支持する座席支持台8Aの内側向きの横側壁箇所に支持ステー68aを介して支持されている。
【0040】
〔別実施形態の1〕
実施の形態では、縦送り検知センサ50を、縦送りアーム38の検出アーム部38bの往復ストロークRSの下端部で縦送りアーム38の検出アーム部38bの位置を検出するように構成したものを示したが、これに限らず、例えば、縦送りアーム38の検出アーム部38bの往復ストロークRSの中間位置で検出アーム部38bの位置を検出したり、縦送りアーム38の検出アーム部38bの往復ストロークRSにおける上端部で縦送りアーム38の検出アーム部38bの位置を検出するように構成してもよい。
【0041】
この検出アーム部38bが往復ストロークRSにおける上端部に位置している状態は、縦送り駆動軸36の被操作片36aが、横送り駆動軸34の操作片34bによって操作されていない状態、つまり、図7に実線で示すように弾性体39に接当した状態である。
この状態は、横送り駆動軸34の操作片34bの回転軌跡のうちで、操作片34bが被操作片36aに接当して被操作片36aを作動させる範囲を除く残りの全範囲に相当するものであり、この残りの全範囲は、前記操作片34bが被操作片36aに接当して被操作片36aを作動させる範囲よりも遙かに大きいので、縦送りアーム38の検出アーム部38bが停止している時間も最も長い箇所である。
したがって、この往復ストロークRSにおける上端部で縦送りアーム38の検出アーム部38bの位置を検出すれば、最も検出ミスを少なくし易いものである。
その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成すればよい。
【0042】
〔別実施形態の2〕
実施の形態では、横送り駆動部の変速用ギヤ43を設けるにあたり、横送り駆動軸34や中継軸32の一端側をフィードケース14の外側に延出して、フィードケース14に変速用ギヤ43を装着可能な外部開放部Sを形成し、その外部開放部Sを開閉カバー47で覆う状態と、開閉カバー47を外して変速用ギヤ43の着脱が可能な状態とに切り換えられるようにした構造のものを示したが、これに限らず、例えば、横送り駆動軸34や中継軸32の一端側で前記変速用ギヤ43を設ける部位をも含めてフィードケース14の内部に形成し、フィードケース14の一端側に開口、及び開口を閉塞する開閉蓋を設けて、その開閉蓋を開けることによって前記変速用ギヤ43の着脱を行えるように構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成すればよい。
【0043】
〔別実施形態の3〕
実施の形態では、縦送り検知センサ50を無接触式の近接センサによって構成したが、これに限らず、接触式のセンサを用いて構成してもよい。
【0044】
〔別実施形態の4〕
実施の形態では、縦送り検知センサ50で検出される縦送り装置21の送り作動が設定回数行われたことを検出する毎に、繰出し機構25により所定量の薬剤を拡散放出機構26側に送り出して、薬剤を圃場に拡散放出するように、繰出し機構25及び拡散放出機構26の作動を制御するものを示したが、前記設定回数は、予め設定された一定の複数の設定回数であるものに限らず、設定回数が規則的に変化する、あるいは不規則に変化するように設定された回数毎に散布するように設定されたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、散布装置として薬剤の散布のみを行うもの、薬剤と肥料との散布を行うもの、あるいは、肥料のみを散布するものなど、田植機で用いられる粉粒体として適宜の散布対象を選択して用いることができる。また、乗用型田植機に限らず歩行型田植機であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
12 苗植付け装置
13 散布装置
14 駆動ケース
16 植付け伝動ケース
20 苗のせ台
21 縦送り装置
36 縦送り駆動軸
38 縦送りアーム
41 被動アーム
43 変速用ギヤ
47 開閉カバー
50 縦送り検知センサ
S 外部開放部
RS 往復ストローク
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗のせ台を往復横送り作動させる横送り装置、及び前記苗のせ台上の苗を所定量ずつ苗取り出し口側へ送り出す縦送り装置を備えた苗植付け装置と、その苗植付け装置の作動に同調して駆動される散布装置とを備えた田植機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように、苗植付け装置の作動に同調して駆動される散布装置を備えた田植機としては、従来より下記[1]に記載のものが知られている。
[1] 走行機体から苗植付け装置への動力伝達用に機体下腹部に配備されている伝動軸に、磁性金属板からなる回転検出体を取り付けるとともに、その回転検出体の回転を近接スイッチで検出するように構成した回転検出機構を備え、その回転検出機構による前記伝動軸が回転しているか否かの検出情報に基づいて、薬剤繰り出し用の目皿駆動用のステッピングモータの作動を制御するようにしたもの(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−304793号公報(段落番号「0056」、「0066」、図1及び図12)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、走行機体から苗植付け装置への動力伝達用の伝動軸の回転を検出して、散布装置による薬剤の繰り出し動作を制御する構造のものでは、伝動軸が駆動されている間は、常時薬剤の散布が行われるものであるため、圃場に散布される薬剤の総散布量を制限したい場合、一度に散布される薬剤の散布量そのものを微量に制限することが困難である。このため、全体の散布量を少なくするように制限し難いという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、散布装置での繰り出し作動を制御するために監視すべき対象を工夫して、圃場に散布される薬剤の総散布量が少なくなるように制限し易くした田植機を提供することにある。
また、別の目的として、その薬剤散布の監視に用いるセンサを、メンテナンス作業の妨げにならずに監視し易い位置に配設した田植機を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明による田植機では、下記の技術手段を講じたものである。
〔解決手段1〕
本発明は、苗のせ台を往復横送り作動させる横送り装置、及び前記苗のせ台上の苗を所定量ずつ苗取り出し口側へ送り出す縦送り装置を備えた苗植付け装置と、その苗植付け装置の作動に同調して駆動される散布装置とを備えた田植機であって、
前記横送り装置の横送り駆動部、及び前記縦送り装置の縦送り駆動部を内装する駆動ケースを備え、前記駆動ケースの左右方向の端部から縦送り装置の縦送り駆動軸を突出させて縦送りアームを設け、往復横移動する苗のせ台側に備えた前記縦送り装置の被動アームを前記縦送りアームで駆動するように構成し、
前記縦送りアームが作動したことを検知する縦送り検知センサを備え、その縦送り検知センサの作動に基づいて前記散布装置の作動を制御するように構成してあることを特徴とする。
【0007】
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、散布装置の散布量を決定するにあたり、苗植付け装置が作動しているのか否かではなく、縦送り装置の作動状況を監視して、その縦送り装置の作動状況に対応させて散布を行うので、縦送りアームの複数回の作動毎に一度の散布を行うように制御するなど、散布形態に基づいて散布装置の作動を制御して、散布装置の一度の散布量を特に微量に制限する必要もなく、圃場に対する散布量を適切に設定することができる利点がある。
【0008】
〔解決手段2〕
解決手段2にかかる発明では、前記駆動ケースの前記縦送りアームが備えられた側の端部に、前記横送り駆動部の変速用ギヤをケース外部から交換可能な外部開放部、及びその外部開放部を閉塞可能な開閉カバーを設け、
前記縦送り検知センサを、側面視で前記外部開放部から外れた位置に設けてあることを特徴とする。
【0009】
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、縦送り装置の作動状況を監視するには、縦送りアームなどの縦送り駆動部で駆動される部品の作動位置を検出できるようにセンサを配設する必要があるが、このセンサの配設位置を、横送り駆動部の変速用ギヤを外部から交換可能な外部開放部から側面視で外れた位置に設けてあるので、変速用ギヤの交換などのメンテナンスを支障なく行い易いという利点がある。
【0010】
〔解決手段3〕
解決手段3にかかる発明では、前記縦送りアームを、前記縦送り駆動軸の往復回転に伴って往復揺動作動するように構成された往復駆動式とし、前記縦送り検知センサは、前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置を検知するように配設されていることを特徴とする。
【0011】
〔解決手段3にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、縦送りアームの往復ストロークの端部位置では、揺動方向を反転する縦送りアームの作動が一旦停止するので、往復ストロークの中間位置で揺動作動中の縦送りアームの位置を検出する場合に比べて、縦送りアームの位置検出をより確実に行い易いものであり、確実な検出を行い易いという利点がある。
【0012】
〔解決手段4〕
解決手段4にかかる発明では、前記縦送り検知センサは、前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置のうち、待機時間の長い方の端部で前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置を検知するように配設されていることを特徴とする。
【0013】
〔解決手段4にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段によれば、縦送りアームの往復ストロークの端部位置のうちでも、待機時間の長い方の端部で縦送りアームの位置を検知するものであるから、さらに確実に縦送りアームの位置を検出し易いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】乗用型田植機の全体側面図である。
【図2】乗用型田植機の全体平面図である。
【図3】苗植付け装置を示す側面図である。
【図4】苗植付け装置の駆動系を示す部分断面図である。
【図5】縦送り装置と検出装置との位置関係を示す側面図である。
【図6】横送り駆動部と検出装置との位置関係を示す説明図である。
【図7】横送り駆動部と縦送り駆動部との位置関係を示す断面図である。
【図8】ロッド支持体の取付構造を示す部位の断面図である。
【図9】マーカの格納状態を示す説明図である。
【図10】エンジンボンネットの内部を示す側面図である。
【図11】エンジンの停止線の支持構造を示す断面図である。
【図12】エンジンボンネットの吸着用マグネットを示す断面図である。
【図13】隣接マーカを示し、(a)は側面視での説明図、(b)は一部切り欠き正面図である。
【図14】座席支持台の内部におけるホーンの取付構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した田植機の一例である乗用型田植機の実施形態を図面の記載に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、乗用型田植機は、操向操作自在な左右一対の前輪1及び左右一対の後輪2を備えた走行機体3の前部側に、エンジン4及びミッションケース5を備え、走行機体3の中央部にステアリングハンドル6等を装備した操縦部7と運転座席8とを備えて構成され、又、走行機体3の左右両側に予備苗のせ台9が配設されている。
走行機体3の後方には、リフトシリンダ10の操作により、リンク機構11を介して昇降操作自在に苗植付け装置12が連結され、その苗植付け装置12の後方に、散布装置の一例であるところの、粉粒状の除草剤等の薬剤を散布する薬剤散布装置13が備えられている。図2に示すように、苗植付け装置12は4条植型式に構成されている。ミッションケース5には、操縦部7に装備した変速レバー7aを操作することにより変速操作される静油圧式の無段変速装置(図示せず)が備えられている。
【0016】
前記薬剤散布装置13は、薬剤を貯留する貯留部としての貯留ホッパー24と、その貯留ホッパー24の下部に位置して貯留される薬剤を繰り出す繰出し手段としての繰出し機構25と、繰り出されて落下供給される薬剤を拡散させる回転式の拡散手段としての拡散放出機構26と、繰出し機構25の作動を制御するための制御装置としての電気制御ユニット27とを備えて構成されている。
この薬剤散布装置13は、苗植付け装置12の後述する植付け伝動ケース16に対して散布装置支持フレーム28を介して着脱可能に装備されている。
前記電気制御ユニット27には、後述する縦送り検知センサ50で検出される縦送り装置21の送り作動が設定回数行われたことを検出する毎に、繰出し機構25により所定量の薬剤を拡散放出機構26側に送り出して、薬剤を圃場に拡散放出するように、繰出し機構25及び拡散放出機構26の作動を制御する制御装置(図示せず)が備えられている。
【0017】
〔苗植付け装置〕
図1及び図2に示すように、苗植付け装置12は、1個のフィードケース14(駆動ケースに相当する)に連結された機体左右方向に延びる支持フレーム15,15に、後部側の植付け爪駆動機構17に動力を伝える2個の植付け伝動ケース16が後向きに片持ち状に連結されている。植付け伝動ケース16の後部の左右両側部に植付アーム18が植付け爪駆動機構17により上下に揺動自在に支持され、植付アーム18に植付爪22が備えられており、苗植付け装置12の下部には接地フロート19が支持されている。
又、苗植付け装置12には、苗のせ台20が左右に一定ストロークで往復横送り駆動自在に備えられており、苗のせ台20がストロークエンドに達する毎に、載置された苗を所定量だけ下方に送るベルト式の縦送り装置21が苗のせ台20に備えられている。
【0018】
そして、フィードケース14に伝達される動力が植付け伝動ケース16に伝達されて、植付アーム18が駆動される一方、フィードケース14に伝達される動力により苗のせ台20が往復横送り駆動されて、苗のせ台20の下部から上下に揺動運動する植付アーム18が、その先端部に備えられた植付爪22により1株ずつ苗を取り出して圃場に植え付けるのであり、苗のせ台20が往復横送りのストロークエンドに達すると、フィードケース14に伝達される動力により縦送り装置21の縦送りベルト21aが駆動されて、苗のせ台20に載置された苗が下方に送られる構成となっている。
【0019】
詳述すると、図4乃至図7に示すように、フィードケース14は、左右に分割可能なアルミダイカスト製で、その前部には、リンク機構11の後下端から後方に向けて延設された支軸30の軸受け部30aや、入力軸31を前方に向けて突出させた状態で支持するための軸受け部31aなどが一体形成されている。
【0020】
このフィードケース14内には、前記入力軸31に伝達された動力を、フィードケース14内において、前記入力軸31の端部に設けたベベルギヤ31b及び中継軸32に相対回動自在に遊嵌させたベベルギヤ32aを介して植付クラッチ33に伝達し、植付クラッチ33の入り操作に伴って左右向きの中継軸32に動力が伝達されるように構成してある。
前記中継軸32に伝えられた動力は、中継軸32と一体回動する出力スプロケット32bからチェーン式伝動機構42を介して後述する植付け爪22の駆動系と、後述する苗のせ台20を横送りする横送り装置としての横送り駆動軸34や、前記縦送り装置21の縦送りベルト21aを駆動するための縦送りアーム38の駆動系とに分配供給されるように構成してある。
【0021】
図4に示すように、中継軸32と一体回動する出力スプロケット32bからチェーン式伝動機構42を介して伝達される動力は、第1伝動軸44に対して相対回動自在に遊嵌された入力スプロケット44aに伝達され、その入力スプロケット44aの左右両側に設けた少数条クラッチ44b,44bを介して、各少数条クラッチ44b,44bの各別の入り操作に伴って、左右の第1伝動軸44,44のそれぞれに対して各別に駆動力を伝達するように構成してある。
【0022】
第1伝動軸44に伝達された動力は、左右の第1伝動軸44の各横外端部に一組のベベルギヤ44c,45aを介して連動連結された前後向きの第2伝動軸45に分配供給され、各第2伝動軸45から、それらの各後端部に一組のベベルギヤ45b,46aを介して連動連結された左右向きの出力軸46に伝達され、それらの各出力軸46から、左右両端部に連動連結された植付アーム18に伝達されるように構成されている。
つまり、各植付アーム18は、分配供給された動力が、第1伝動軸44や第2伝動軸45などを介して伝達されることで、一定周期ごとに苗のせ台20の苗取出口20aから苗のせ台20に載置された苗を所定量ずつ取り出して圃場に植え付ける植え付け動作を行うように構成されている。
【0023】
前記中継軸32に伝えられた回転動力は、図4乃至図7に示すように、フィードケース14の一端側に外装された一組の変速用ギヤ43を介して横送り駆動軸34にも伝達されるように構成してある。つまり、前記一組みの変速用ギヤ43は、中継軸32の一端側に設けられた変速出力ギヤ43aと、前記横送り駆動軸34の一端側に設けられた変速入力ギヤ43bとの咬合作動で動力が伝達されるように構成してあり、これらの変速用ギヤ43及び横送り駆動軸34が横送り駆動部を構成している。
そして、前記変速出力ギヤ43aと変速入力ギヤ43bとのギヤ比を変更するように変速出力ギヤ43aと変速入力ギヤ43bとを交換することで、横送り駆動軸34の回転速度を変更して、苗のせ台20の横送り速度を適宜の減速された速度に変更可能であるように構成してあり、植付アーム18での苗取り量を変更可能に構成してある。
【0024】
前記変速出力ギヤ43aと変速入力ギヤ43bとで構成される変速用ギヤ43は、前記フィードケース14の一端側で板金製の開閉カバー47によって覆われており、この開閉カバー47の内部空間が、前記横送り駆動部の変速用ギヤ43をケース外部から交換可能な外部開放部Sを構成し、前記開閉カバー47が着脱されることで、前記外部開放部Sを閉塞可能に構成している。
【0025】
前記横送り駆動軸34は、前記変速用ギヤ43が設けられた側とは反対側へ延出されてフィードケース14の外部に突出する延出部に無端螺旋溝34aが刻設されていて、その無端螺旋溝34aに係合するコマ部材(図示せず)を収容した移動体35を左右方向に往復移動させることで、この移動体35に連結された苗のせ台20を左右方向に一定ストロークで往復駆動させるように構成されている。
【0026】
前記横送り駆動軸34には、図4及び図7に示すように、横送り駆動軸34と一体回転する操作片34bが設けられ、前記縦送り駆動軸36には、前記操作片34bによって操作される被操作片36aが一体に設けられている。
前記縦送り駆動軸36に設けられた被操作片36aは、図7に示すように、その遊端部がフィードケース14の内面側へに向けて付勢されるように、つるまきバネ37が縦送り駆動軸36に外嵌して装着されている。前記横送り駆動軸34に装備された操作片34bが、フィードケース14内で、縦送り駆動軸36に装備された被操作片36aをつるまきバネ37の付勢力に抗して、フィードケース14から離れる側に揺動操作するように、前記操作片34bの回転軌跡に対する被操作片36aの相対位置を設定して配設してある。
【0027】
これによって、フィードケース14内で駆動回転する横送り駆動軸34に装備された操作片34bが縦送り駆動軸36に装備された被操作片36aをつるまきバネ37の付勢に抗して、フィードケース14から離れる側に揺動操作することにより、縦送り駆動軸36が往復回動操作される。つまり、前記横送り駆動軸34に装備された操作片34b、縦送り駆動軸36に装備された被操作片36a、及びつるまきバネ37によって縦送り駆動軸36を往復回動させる縦送り駆動部が構成されている。
そして、縦送り駆動軸36の往復回動に連動して、縦送り駆動軸36の左右両端部に装備された縦送りアーム38のいずれかが、苗のせ台20が左右の各ストローク端に到達するたびに苗のせ台20に装備された被動アーム41を蹴り上げて、苗のせ台20に装備された複数の縦送りベルト21aを間欠駆動させることで、苗のせ台20が左右の各ストローク端に到達するごとに苗のせ台20に載置された苗を所定ピッチで縦送りするように構成されている。つまり、前記縦送り駆動部、縦送りアーム38、被動アーム41、及び縦送りベルト21aによって縦送り装置21が構成されている。
【0028】
図7に示すように、フィードケース14には、つるまきバネ37の付勢作用でフィードケース14側に復帰揺動する被操作片36aを受け止める樹脂製の弾性体39が着脱可能に装備されており、これによって、つるまきバネ37の付勢作用で復帰揺動する被操作片36aをフィードケース14で直に受け止める場合に発生する衝撃音を無くすことができるとともに、弾性体39の交換も可能に構成されている。
【0029】
図4乃至図6に示すように、前記縦送りアーム38は縦送り駆動軸36の往復回転に伴って往復揺動作動するように、縦送り駆動軸36の軸芯p1周りで往復駆動式に構成されていて、前記被動アーム41を蹴り上げる蹴り上げ部38aと、この蹴り上げ部38aと一体に揺動作動するように縦送り駆動軸36を挟んで反対側に延出された板状の検出アーム部38bとで構成されている。
この縦送りアーム38の往復ストロークRSのうちで、図5に仮想線で示すように、検出アーム部38bが往復ストロークRSの下端部に位置する箇所に対応させて、縦送り検知センサ50を設けてある。
【0030】
前記縦送り検知センサ50は、不接触式の近接センサによって構成され、磁性体からなる検出アーム部38bが近接したことを検出して縦送り駆動軸36の作動を検出するように構成されている。
そして、前記縦送り検知センサ50による縦送り駆動軸36の作動検出情報は、前記薬剤散布装置13に備えた電気制御ユニット27によって予め設定された所定回数だけカウントされ、縦送り駆動軸36の作動回数が所定回数に達すると前記電気制御ユニット27の指令に基づいて繰り出し機構25が作動され、所定量の薬剤が繰り出されるように制御される。
【0031】
前記縦送り検知センサ50は、図5に示すように、前記横送り駆動部の変速用ギヤ43が設けられる外部開放部Sを覆う開閉カバー47を取り外して、変速用ギヤ43を交換する際に、側面視で前記外部開放部Sから外れた位置に存在するように設けてあり、変速用ギヤ43を横送り駆動軸34や中継軸32の軸芯方向に沿って着脱する際に、縦送り検知センサ50が変速用ギヤ43の着脱操作を妨げる位置から外れて位置するようにフィードケース14の横側部に配設してある。
【0032】
前記苗のせ台20の下端部側を案内する摺動板23は、図5及び図8に示すように、支持ロッド23aを介して、植付け伝動ケース16に支持されている。
前記支持ロッド23aは、植付け伝動ケース16の横側部に固定ボルト48aを用いて連結固定された金属製のロッド支持体48に挿通された状態で固定してある。このロッド支持体48は、前記植付け伝動ケース16とは別部品としてロストワックス製法により予め鋳造されたものであり、植付け伝動ケース16に対して板状部材を溶接固定して構成されるものではないので、ロッド支持体48の製造、ならびに組み付け工程を簡素化する上で有効である。また、予め鋳造品として構成することにより、板状部材を溶接して構成する場合よりも錆にも強い製品を得やすい点でも有利である。
【0033】
〔その他〕
図9はマーカ51の格納構造を示す。
このマーカ51は、苗植付け装置12の左右両側に装備させてあり、車体前後方向に沿う前後向き軸芯p2周りで上下揺動可能に構成されている。
このマーカ51は、基端側から遊端側に亘る一連の長い棒状のバネ鋼からなるマーカアーム52と、そのマーカアーム52の遊端側に装着された回転マーカ53と、前記マーカアーム52の基端側部分に装着された補強アーム54とを備え、前記マーカアーム52が水平横外方へ突出するマーカ作用姿勢となる側へ付勢バネ55で揺動付勢されている。
【0034】
したがって、操作ワイヤ56が緩められたマーカ作用姿勢では、図9に仮想線で示されているように水平姿勢となって、回転マーカ53が圃場に接して回転しながらマーキングを行い、前記操作ワイヤ56が付勢バネ55を伸長させながら引っ張られると、図9に実線で示されているようにマーカ51が持ち上げられて格納姿勢となる。
【0035】
このマーカ51の格納姿勢は、固定金具57によって2段階に位置変更可能に構成してある。
つまり、前記固定金具57は、図9に示すように、苗植え付け装置12側の固定支柱12Bへの取付部57aの他に、第1係合部57bと第2係合部57cとを形成するように、2段に屈曲形成された棒状部材で構成してある。
したがって、図9に実線で示すようにマーカ51が固定金具57の第1係合部57bに係合した状態では、前記回転マーカ53の中心が前記前後向き軸芯p2の直上近くに位置するが、図9に仮想線で示したように、マーカ51が固定金具57の第2係合部57cに係合した状態では、前記回転マーカ53の中心が前記前後向き軸芯p2の直上よりも機体内方側に位置し、前記回転マーカ53の横外方側の端部が摺動板ガード23bの外側縁上の鉛直線yよりも機体内方側に入り込むように位置する。
【0036】
図10及び図11に示すようにエンジンボンネット60の内部には、エンジン4の停止線4aを、クランクケースに固定の支持部材61に対して、スポンジ材からなる固定部材62によって固定してある。この固定部材62には、図11に上面側にスリット62aが形成してあって、停止線4aをスリット62aに嵌め込むことで簡単に弾性的に挟持した固定状態とすることができ、スリット62aから外すことで固定解除できるように構成してある。
【0037】
図10及び図12に示すようにエンジンボンネット60は、下端側をマグネット63によって下端側のフェンダ64に固定してある。
前記エンジンボンネット60は合成樹脂製材料で構成してあり、上端側を図示しない揺動支点周りで揺動自在に取り付けてあり、下端側にマグネット63がボルト63a及びナット63bで固定してある。
前記フェンダ64は板金製材料で構成してあり、フェンダ64の上面側と前記マグネット63との間の吸磁力でエンジンボンネット60の下端側をガタツキなく固定できるように構成してある。このようにマグネット63がフェンダ64側にではなくエンジンボンネット60側に設けてあることにより、前記マグネット63の存在箇所に雨水や泥水が溜まって錆が発生し易くなるような事態を避けやすくなる。
【0038】
図1,2、及び図13に示すように、機体前部に設けられる隣接マーカ65は、機体横外方へ延出された腕部66の先端側に、球継ぎ手67を介して取り付けてある。したがって、腕部66に対して隣接マーカ65を上下にスライドさせての位置変更のみならず、左右方向の腕部66の中心線pLを回動中心として下端側を前後方向に位置変更させるように姿勢変更すること、及び、前記球継ぎ手67の球中心p3を中心としての前後及び上下を含む姿勢変更を行うことが可能で、前記中心線pLの方向を前後及び上下に姿勢変更できるように構成されている。
これによって、隣接マーカ65の下端の位置を任意の方向に向けて位置変更し易くなる。
【0039】
図1及び図14に示すように運転座席8を支持する座席支持台8Aの内部には、座席支持台8Aに覆われた箇所に、苗植付け装置12における苗切れを検出する苗切れ検出センサ(図示せず)で、苗切れが検出されたときに警報音を鳴らすための警報用のホーン68を配設してある。
この警報用のホーン68は、運転座席8を支持する座席支持台8Aの内側向きの横側壁箇所に支持ステー68aを介して支持されている。
【0040】
〔別実施形態の1〕
実施の形態では、縦送り検知センサ50を、縦送りアーム38の検出アーム部38bの往復ストロークRSの下端部で縦送りアーム38の検出アーム部38bの位置を検出するように構成したものを示したが、これに限らず、例えば、縦送りアーム38の検出アーム部38bの往復ストロークRSの中間位置で検出アーム部38bの位置を検出したり、縦送りアーム38の検出アーム部38bの往復ストロークRSにおける上端部で縦送りアーム38の検出アーム部38bの位置を検出するように構成してもよい。
【0041】
この検出アーム部38bが往復ストロークRSにおける上端部に位置している状態は、縦送り駆動軸36の被操作片36aが、横送り駆動軸34の操作片34bによって操作されていない状態、つまり、図7に実線で示すように弾性体39に接当した状態である。
この状態は、横送り駆動軸34の操作片34bの回転軌跡のうちで、操作片34bが被操作片36aに接当して被操作片36aを作動させる範囲を除く残りの全範囲に相当するものであり、この残りの全範囲は、前記操作片34bが被操作片36aに接当して被操作片36aを作動させる範囲よりも遙かに大きいので、縦送りアーム38の検出アーム部38bが停止している時間も最も長い箇所である。
したがって、この往復ストロークRSにおける上端部で縦送りアーム38の検出アーム部38bの位置を検出すれば、最も検出ミスを少なくし易いものである。
その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成すればよい。
【0042】
〔別実施形態の2〕
実施の形態では、横送り駆動部の変速用ギヤ43を設けるにあたり、横送り駆動軸34や中継軸32の一端側をフィードケース14の外側に延出して、フィードケース14に変速用ギヤ43を装着可能な外部開放部Sを形成し、その外部開放部Sを開閉カバー47で覆う状態と、開閉カバー47を外して変速用ギヤ43の着脱が可能な状態とに切り換えられるようにした構造のものを示したが、これに限らず、例えば、横送り駆動軸34や中継軸32の一端側で前記変速用ギヤ43を設ける部位をも含めてフィードケース14の内部に形成し、フィードケース14の一端側に開口、及び開口を閉塞する開閉蓋を設けて、その開閉蓋を開けることによって前記変速用ギヤ43の着脱を行えるように構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成すればよい。
【0043】
〔別実施形態の3〕
実施の形態では、縦送り検知センサ50を無接触式の近接センサによって構成したが、これに限らず、接触式のセンサを用いて構成してもよい。
【0044】
〔別実施形態の4〕
実施の形態では、縦送り検知センサ50で検出される縦送り装置21の送り作動が設定回数行われたことを検出する毎に、繰出し機構25により所定量の薬剤を拡散放出機構26側に送り出して、薬剤を圃場に拡散放出するように、繰出し機構25及び拡散放出機構26の作動を制御するものを示したが、前記設定回数は、予め設定された一定の複数の設定回数であるものに限らず、設定回数が規則的に変化する、あるいは不規則に変化するように設定された回数毎に散布するように設定されたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、散布装置として薬剤の散布のみを行うもの、薬剤と肥料との散布を行うもの、あるいは、肥料のみを散布するものなど、田植機で用いられる粉粒体として適宜の散布対象を選択して用いることができる。また、乗用型田植機に限らず歩行型田植機であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
12 苗植付け装置
13 散布装置
14 駆動ケース
16 植付け伝動ケース
20 苗のせ台
21 縦送り装置
36 縦送り駆動軸
38 縦送りアーム
41 被動アーム
43 変速用ギヤ
47 開閉カバー
50 縦送り検知センサ
S 外部開放部
RS 往復ストローク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗のせ台を往復横送り作動させる横送り装置、及び前記苗のせ台上の苗を所定量ずつ苗取り出し口側へ送り出す縦送り装置を備えた苗植付け装置と、その苗植付け装置の作動に同調して駆動される散布装置とを備えた田植機であって、
前記横送り装置の横送り駆動部、及び前記縦送り装置の縦送り駆動部を内装する駆動ケースを備え、前記駆動ケースの左右方向の端部から縦送り装置の縦送り駆動軸を突出させて縦送りアームを設け、往復横移動する苗のせ台側に備えた前記縦送り装置の被動アームを前記縦送りアームで駆動するように構成し、
前記縦送りアームが作動したことを検知する縦送り検知センサを備え、その縦送り検知センサの作動に基づいて前記散布装置の作動を制御するように構成してあることを特徴とする田植機。
【請求項2】
前記駆動ケースの前記縦送りアームが備えられた側の端部に、前記横送り駆動部の変速用ギヤをケース外部から交換可能な外部開放部、及びその外部開放部を閉塞可能な開閉カバーを設け、
前記縦送り検知センサを、側面視で前記外部開放部から外れた位置に設けてある請求項1記載の田植機。
【請求項3】
前記縦送りアームを、前記縦送り駆動軸の往復回転に伴って往復揺動作動するように構成された往復駆動式とし、前記縦送り検知センサは、前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置を検知するように配設されている請求項1又は2記載の田植機。
【請求項4】
前記縦送り検知センサは、前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置のうち、待機時間の長い方の端部で前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置を検知するように配設されている請求項3記載の田植機。
【請求項1】
苗のせ台を往復横送り作動させる横送り装置、及び前記苗のせ台上の苗を所定量ずつ苗取り出し口側へ送り出す縦送り装置を備えた苗植付け装置と、その苗植付け装置の作動に同調して駆動される散布装置とを備えた田植機であって、
前記横送り装置の横送り駆動部、及び前記縦送り装置の縦送り駆動部を内装する駆動ケースを備え、前記駆動ケースの左右方向の端部から縦送り装置の縦送り駆動軸を突出させて縦送りアームを設け、往復横移動する苗のせ台側に備えた前記縦送り装置の被動アームを前記縦送りアームで駆動するように構成し、
前記縦送りアームが作動したことを検知する縦送り検知センサを備え、その縦送り検知センサの作動に基づいて前記散布装置の作動を制御するように構成してあることを特徴とする田植機。
【請求項2】
前記駆動ケースの前記縦送りアームが備えられた側の端部に、前記横送り駆動部の変速用ギヤをケース外部から交換可能な外部開放部、及びその外部開放部を閉塞可能な開閉カバーを設け、
前記縦送り検知センサを、側面視で前記外部開放部から外れた位置に設けてある請求項1記載の田植機。
【請求項3】
前記縦送りアームを、前記縦送り駆動軸の往復回転に伴って往復揺動作動するように構成された往復駆動式とし、前記縦送り検知センサは、前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置を検知するように配設されている請求項1又は2記載の田植機。
【請求項4】
前記縦送り検知センサは、前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置のうち、待機時間の長い方の端部で前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置を検知するように配設されている請求項3記載の田植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−69(P2013−69A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135532(P2011−135532)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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