説明

画像データ出力装置及びプログラム

【課題】出力サイズが所定のサイズよりも大きい画像データを分割して複数の出力対象の媒体に出力できる画像データ出力装置及びプログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】画像データを出力するときの出力サイズが所定のサイズよりも大きいか否かを判定する判定手段と、出力サイズが所定のサイズよりも大きい場合に、画像データを複数の領域に分割し、分割したそれぞれの領域の画像データを、所定のサイズ以下のサイズの複数の出力対象の媒体に出力する出力制御手段とを備えることにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データ出力装置及びプログラムに係り、特に外部機器から受信した印刷要求に基づいて印刷を行う画像データ出力装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラで撮影した画像をプリントするにあたって、PC(Personal Computer)を介さずに、デジタルカメラとプリンタとを直接接続して画像の印刷(プリント)が可能な、いわゆるダイレクトプリントシステムが知られている。ダイレクトプリントシステムは、直接接続して印刷するための通信規格に対応しているデジタルカメラとプリンタをUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等で接続し、デジタルカメラ側からの操作によって所望する画像を簡単にプリントすることができる。
【0003】
ダイレクトプリントシステムは、デジタルカメラ側から用紙サイズなどの印刷設定を指定できるほか、縮小した画像の一覧を印刷するインデックスプリント機能,複数の画像を一枚の用紙に印刷する集約機能,同一画像を複数枚印刷する複数枚プリント機能,画像に日付を入れる日付入りプリント機能など、多彩な機能を利用可能である。
【0004】
特許文献1には、デジタルカメラとプリンタとのダイレクトプリントシステムについて記載されている。特許文献1のダイレクトプリントシステムは、デジタルカメラとプリンタとが所定の手順を踏むことでダイレクトプリントが可能となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、各社共通のダイレクトプリントに係る通信フォーマットを提案するものであるが、出力仕様が限定されており、この出力仕様に基づいてダイレクトプリントシステムを構築している。したがって、特許文献1のダイレクトプリントシステムは、出力仕様が限定されているため、各社共通のダイレクトプリントに係る通信フォーマットの規格に含まれていない拡大連写機能を標準で利用できなかった。
【0006】
なお、拡大連写機能とは画像を複数枚の用紙(例えばA4サイズ)に跨らせて分割描画することで、1枚の用紙で印刷可能な最大用紙サイズ(例えばA4サイズ)よりも大きな用紙サイズ(例えばA3サイズ)の印刷を可能とするものである。ユーザは、拡大連写機能により印刷された用紙(例えばA4サイズ)をつなぎ合わせることで、1枚の用紙で印刷可能な最大用紙サイズ(例えばA4サイズ)よりも大きな用紙サイズ(例えばA3サイズ)の印刷を行う。
【0007】
従来のダイレクトプリントシステムは、プリンタからデジタルカメラに印刷可能な用紙サイズを含む印刷能力情報を通知し、その印刷能力情報に含まれる用紙サイズを指定用紙サイズとした印刷要求がデジタルカメラからプリンタに送信される。プリンタからデジタルカメラに通知される印刷能力情報には、印刷可能な用紙サイズとして、そのプリンタで印刷可能な用紙サイズもしくは現在、給紙トレイにセットされている用紙サイズしか含まれない。したがって、従来のダイレクトプリントシステムは、1枚の用紙で印刷可能な最大用紙サイズよりも大きな用紙サイズの印刷を行うことができず、拡大連写機能を利用できないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、出力サイズが所定のサイズよりも大きい画像データを分割して複数の出力対象の媒体に出力できる画像データ出力装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の画像データ出力装置は、画像データを出力するときの出力サイズが所定のサイズよりも大きいか否かを判定する判定手段と、前記出力サイズが前記所定のサイズよりも大きい場合に、前記画像データを複数の領域に分割し、分割したそれぞれの領域の画像データを、前記所定のサイズ以下のサイズの複数の出力対象の媒体に出力する出力制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、出力サイズが所定のサイズよりも大きい画像データを分割して複数の出力対象の媒体に出力できる画像データ出力装置及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明によるダイレクトプリントシステムの一実施例の構成図である。
【図2】複合機の一例の外観斜視図である。
【図3】複合機の一例のハードウェア構成図である。
【図4】複合機及びデジタルカメラの一例の機能ブロック図である。
【図5】複合機とデジタルカメラとがダイレクトプリント時に行う一般的な処理手順を表した一例のシーケンス図である。
【図6】デジタルカメラから複合機に送信されるジョブ情報の一例の構成図である。
【図7】複合機からデジタルカメラに送信される印刷能力情報の一例の構成図である。
【図8】ジョブ情報を受信した複合機の処理手順を表した一例のフローチャートである。
【図9】分割描画する用紙サイズを決定する処理手順を表した一例のフローチャートである。
【図10】複数枚の用紙に分割描画された画像のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。なお、本実施例では外部機器の一例としてデジタルカメラ、画像処理装置の一例として複合機(MFP)を例に説明する。
【0014】
(全体構成)
図1は、本発明によるダイレクトプリントシステムの一実施例の構成図である。図1のダイレクトプリントシステムは複合機1及びデジタルカメラ2を有する構成である。複合機1及びデジタルカメラ2は、ダイレクトプリント(直接接続して印刷するための通信規格)に対応している。
【0015】
複合機1とデジタルカメラ2とは、例えばUSBポートを介しUSBケーブル3で直接接続されている。デジタルカメラ2は、撮影した画像をUSBケーブル3経由で複合機1にプリント(ダイレクトプリント)させる。
【0016】
(複合機1の概要及び構成)
図2は複合機の一例の外観斜視図である。複合機1は、例えばプリント機能,スキャナ機能,コピー機能,ファクシミリ(FAX)機能等を有する。複合機1は、転写紙などの媒体(用紙)に画像を形成する画像形成部7の上部に、原稿から画像を読み取る画像読取部8を配設した構成である。また、画像読取部8の外面にはユーザに対する表示とユーザからの機能設定等の各種の入力を許容する操作パネルPが設けられている。さらに、操作パネルPの下部には、記憶媒体Mに記憶されているプログラムコードや画像データ等を読み取ったり、記憶媒体Mに対してプログラムコードや画像データ等を書き込んだりする外部メディア入出力装置9が、記憶媒体Mの挿入を許容する挿入口を外部に露出させて設けられている。
【0017】
図3は、複合機の一例のハードウェア構成図である。複合機1は、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとに大別されている。例えば前述した画像形成部7及び画像読取部8は画像処理ユニット部Aに属する。操作パネルP及び外部メディア入出力装置9は情報処理ユニット部Bに属する。
【0018】
画像形成部7及び画像読取部8を備える画像処理ユニット部Aは、画像処理ユニット部Aにおける画像処理全般の制御を行う画像処理制御ユニット10を備えている。画像処理制御ユニット10には、画像形成部7を制御する印刷制御ユニット11と、画像読取部8を制御する画像読取制御ユニット12とが接続されている。印刷制御ユニット11は画像処理制御ユニット10の制御により画像形成部7に対して印刷指示を出力し、画像形成部7に転写紙などの媒体に画像を形成して出力させる。
【0019】
画像読取制御ユニット12は、画像処理制御ユニット10の制御により画像読取部8を駆動し、原稿の表面に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子(CCD等)に集光して読み取り、A/D変換してRGB各8bitのデジタルの画像データを生成する。
【0020】
画像処理制御ユニット10は、メインプロセッサであるCPU13と、画像読取部8から読み込んだ画像データを画像形成部7による作像に供すべく一旦格納しておくメモリデバイス(例えばSDRAM等)14と、制御プログラム等を記憶したROM15と、システムログ/システム設定/ログ情報等を記録しておく電源OFF時にもデータの保持が可能なNVRAM16とをバス接続したマイクロコンピュータ構成である。
【0021】
また、画像処理制御ユニット10には、多量の画像データの蓄積やジョブ履歴等の記憶装置となるHDD(Hard Disk Drive)17と、装置内部に設けられた集線装置であるHUB19を介して、画像処理ユニット部AをLANに接続するためのLAN制御部18と、FAX制御を行うFAX制御ユニット20とが接続されている。
【0022】
FAX制御ユニット20は、公衆電話網に通じる構内交換器(PBX)22に接続されており、遠隔のファクシミリと交信することができる。また、画像処理制御ユニット10には、表示制御ユニット23及び操作入力制御ユニット24が接続されている。表示制御ユニット23は、画像処理制御ユニット10のコントロールによって制御パネルI/F25に接続された通信ケーブル26を介して情報処理ユニット部Bに画像表示制御信号を出力し、情報処理ユニット部Bの操作パネルPに対して画像表示の制御を行う。
【0023】
操作入力制御ユニット24は、情報処理ユニット部Bの操作パネルPからのユーザによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を画像処理制御ユニット10のコントロールによって、制御パネルI/F25に接続された通信ケーブル26を介して取得する。画像処理ユニット部Aは情報処理ユニット部Bの操作パネルPを、通信ケーブル26を介して直接モニタすることができる構成になっている。即ち、画像処理ユニット部Aの表示制御ユニット23及び操作入力制御ユニット24は、操作パネルPに接続されているものとして動作している。
【0024】
情報処理ユニット部Bは、一般にパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に用いられる汎用のOSによって制御される。情報処理ユニット部Bは、メインプロセッサであるCPU31を有している。CPU31にはCPU31の作業用領域となるRAMや起動プログラム等を記憶したROMで構成されるメモリユニット32と、OSやアプリケーションプログラムを記憶するHDD等の記憶装置34に対するデータの入出力を制御する記憶装置制御ユニット35とが、バス接続されている。
【0025】
また、CPU31には、情報処理ユニット部Bを、HUB19を介してLANに接続するためのLAN制御部33が接続されている。LAN制御部33に割り当てられるネットワークアドレスであるIPアドレスは、前述した画像処理ユニット部AのLAN制御部18に割り当てられるIPアドレスと異なるものである。
【0026】
即ち、複合機1には、2つのIPアドレスが割り当てられていることになる。画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部BとはLANに接続されていることになり、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとの間において、データ交換が可能な構成になっている。さらに、CPU31には、操作パネルPを制御する表示制御ユニット36及び操作入力制御ユニット37が接続されている。入出力デバイス制御ユニット42は、記憶媒体Mやその他のメディアを読み込む外部メディア入出力装置9及び各種インターフェース43からの入出力を制御する。各種インターフェース43はネットワークインターフェース及びUSBインターフェースを備えている。
【0027】
(複合機1及びデジタルカメラ2の機能ブロック)
図4は、複合機及びデジタルカメラの一例の機能ブロック図である。なお、図4の機能ブロック図は本実施例の説明に不要な部分を省略している。図4の複合機1は、通信部101,通信制御部102,分割描画制御部103,印刷命令解析部104,出力設定制御部105,画像出力部106,給紙部107を有する構成である。図4のデジタルカメラ2は、通信部201,画像記憶部202を有する構成である。
【0028】
複合機1とデジタルカメラ2とは、双方の通信部101,201で接続される。通信部201は複合機1の通信部101に印刷要求を送信する。また、通信部201は複合機1の通信部101からの要求に基づき、画像記憶部202に記憶された画像データを複合機1の通信部101に送信する。通信部101はデジタルカメラ2の通信部201に要求することで、通信部201から画像データを受信する。通信制御部102は通信部101を制御する。
【0029】
印刷命令解析部104は、デジタルカメラ2の通信部201から通信部101が受信した印刷要求(印刷命令)を解析する。出力設定制御部105は指定された印刷設定(出力設定)に基づき、画像データから画像出力部106に適したビットマップイメージを生成する。画像出力部106は給紙部107から供給された用紙に、生成されたビットマップイメージの画像を印刷する。
【0030】
分割描画制御部103は、デジタルカメラ2の通信部201及び複合機1の通信部101を介して後述の印刷能力情報の要求があると、自機において1枚の用紙で印刷可能な用紙サイズのうち最大の用紙サイズ(最大用紙サイズ)よりも大きな用紙サイズを印刷可能な用紙サイズとした印刷能力情報をデジタルカメラ2へ通知する。
【0031】
分割描画制御部103は、デジタルカメラ2の通信部201及び複合機1の通信部101を介して、最大用紙サイズよりも大きな用紙サイズを指定用紙サイズとした印刷要求を受信すると、1枚の用紙で印刷可能な用紙サイズを組み合わせた複数枚の用紙にて最大用紙サイズよりも大きな用紙サイズを形成し、複数枚の用紙に画像を分割描画するように出力設定制御部105,画像出力部106及び給紙部107を制御することで、最大用紙サイズよりも大きな用紙サイズを指定用紙サイズとして印刷することができる。
【0032】
本発明によるダイレクトプリントシステムは、デジタルカメラ2が複合機1に対してダイレクトプリント方式で画像をプリントする際、拡大連写機能を利用できるようにしたものである。デジタルカメラ2は複合機1とUSBケーブル3を介して接続される。デジタルカメラ2は、撮影した画像(デジタル画像)を複合機1で印刷するために、ダイレクトプリント形式で印刷要求を行う。以下、印刷要求に係るジョブは印刷ジョブと呼ぶ。
【0033】
(ダイレクトプリント・シーケンス)
図5は複合機とデジタルカメラとがダイレクトプリント時に行う一般的な処理手順を表した一例のシーケンス図である。複合機1とデジタルカメラ2とが接続されると、複合機1とデジタルカメラ2とはステップS501、S502において、相互にプリントサービスの交換を行う。
【0034】
その後、デジタルカメラ2はステップS503において、複合機1に印刷能力情報の要求を行う。ステップS504に進み、複合機1はデジタルカメラ2に印刷能力情報を通知する。この印刷能力情報とは、例えば印刷品質や用紙サイズ、インデックスプリント(インデックス印刷)の可否や1ページ内に描画する画像のレイアウトの情報等である。デジタルカメラ2は、通知された印刷能力情報に基づいて、ダイレクトプリントのユーザインターフェース(UI)画面を構成する。
【0035】
ステップS505において、ユーザはデジタルカメラ2のユーザインターフェース画面を操作し、出力したい撮影した画像を1つ以上選択、また出力条件等を設定し、出力の指示を行う。
【0036】
ステップS506に進み、デジタルカメラ2は図6に示すようなジョブ情報を複合機1に送信する。図6は、デジタルカメラから複合機に送信されるジョブ情報の一例の構成図である。ジョブ情報には、印刷品質601と、出力を行う用紙サイズ602と、日付の有無603と、レイアウト情報604と、出力したい画像のID(画像ID)605とが含まれる。ジョブ情報には、更に画像の補正処理の有無等の情報が含まれることもある。
【0037】
複合機1は、そのジョブ情報を解析し、出力条件を設定し、またジョブ情報に含まれる画像IDを参照する。複合機1は、ステップS507、S508で、ジョブ情報に含まれていた画像IDの画像をデジタルカメラ2に要求し、ジョブ情報に含まれていた画像IDの画像をデジタルカメラ2から取得する。ステップS507及びS508の処理はジョブ情報に含まれていた画像IDの数だけ繰り返し行われる。複合機1は、デジタルカメラ2から取得した画像のデコード処理と描画を行い、用紙に印刷する。
【0038】
なお、ステップS504において、複合機1からデジタルカメラ2に通知される印刷能力情報は図7に示すようなものである。図7は複合機からデジタルカメラに送信される印刷能力情報の一例の構成図である。印刷能力情報には、印刷品質701と、出力可能な用紙サイズ702と、出力可能なレイアウト情報703とが含まれる。
【0039】
例えば従来の複合機では、自機において1枚の用紙で出力可能な用紙サイズのうち最大の用紙サイズ(最大用紙サイズ)がA4サイズである場合、印刷能力情報に含まれる出力可能な用紙サイズ702としてA4サイズ以下の用紙サイズが設定される。従って、従来のダイレクトプリントシステムでは、複合機1において1枚の用紙で出力可能な最大用紙サイズよりも大きい用紙サイズを指定して印刷要求を行うことができず、複合機1の拡大連写機能を利用することができなかった。
【0040】
一方、本発明による複合機1では、自機において1枚の用紙で出力可能な最大用紙サイズがA4サイズである場合、自機において1枚の用紙で出力可能な用紙サイズ(例えばA4サイズ)を複数枚、組み合わせることで可能となる最大用紙サイズよりも大きい用紙サイズ(例えばA3サイズやA2サイズ)が、印刷能力情報に含まれる出力可能な用紙サイズ702として設定される。
【0041】
このように、本発明によるダイレクトプリントシステムでは、複合機1からデジタルカメラ2に通知される印刷能力情報に、複合機1において1枚の用紙で出力可能な最大用紙サイズよりも大きい用紙サイズが出力可能な用紙サイズとして含まれる。従って、デジタルカメラ2は、複合機1において1枚の用紙で出力可能な最大用紙サイズよりも大きい用紙サイズを指定して印刷要求を行うことができ、複合機1の拡大連写機能を利用することができる。
【0042】
本発明による複合機1はステップS506において、デジタルカメラ2からジョブ情報を受信すると、図8に示す手順で処理を行う。図8は、ジョブ情報を受信した複合機の処理手順を表した一例のフローチャートである。
【0043】
デジタルカメラ2からジョブ情報を受信すると、ステップS801に進み、複合機1の印刷命令解析部104は受信したジョブ情報を解析する。ステップS802に進み、分割描画制御部103はデジタルカメラ2から指定された出力を行う用紙サイズが、自機において1枚の用紙で印刷可能な最大用紙サイズよりも大きな用紙サイズであるか否かを判定する。
【0044】
デジタルカメラ2から指定された出力を行う用紙サイズが、自機において1枚の用紙で印刷可能な最大用紙サイズよりも大きな用紙サイズでなければ、分割描画制御部103はステップS803に進み、通常印刷を選択する。ステップS804に進み、画像出力部106はジョブ情報に含まれていた画像IDの画像をデジタルカメラ2から取得し、画像のデコード処理と描画を行い、ジョブ情報に含まれていた出力を行う用紙サイズの用紙に印刷する。
【0045】
デジタルカメラ2から指定された出力を行う用紙サイズが、自機において1枚の用紙で印刷可能な最大用紙サイズよりも大きな用紙サイズであれば、分割描画制御部103はステップS805に進み、拡大連写機能による印刷を選択する。分割描画制御部103はデジタルカメラ2からのジョブ情報に含まれていた画像IDの画像を、何枚の用紙に分割するか(分割枚数)を決定する。
【0046】
ステップS806に進み、分割描画制御部103は出力設定制御部105,画像出力部106及び給紙部107を制御し、デジタルカメラ2からのジョブ情報に含まれていた画像IDの画像を分割枚数に応じて領域分割し、分割枚数の用紙に分割描画するように画像のデコード処理と描画を行う。
【0047】
したがって、複合機1は1枚の用紙で印刷可能な用紙サイズを組み合わせた複数枚の用紙にて、ジョブ情報に含まれていた自機の最大用紙サイズよりも大きな用紙サイズである出力を行う用紙サイズの用紙を形成し、画像を印刷できる。
【0048】
ステップS805において、分割描画制御部103は分割描画する用紙サイズを図9に示す手順で決定する。図9は、分割描画する用紙サイズを決定する処理手順を表した一例のフローチャートである。
【0049】
ステップS901に進み、分割描画制御部103はジョブ情報に含まれていた出力を行う用紙サイズを整数分割した場合の用紙サイズをリストアップする。分割描画制御部103は自機において1枚の用紙で印刷可能な最大用紙サイズだけでなく、自機において1枚の用紙で印刷可能な他の用紙サイズもリストアップする。例えば最大用紙サイズがA4サイズの複合機1は、出力を行う用紙サイズとしてA3サイズを指定された場合、A4サイズ,A5サイズ,A6サイズ等がリストアップされる。
【0050】
ステップS902に進み、分割描画制御部103はリストアップされた用紙サイズを大きいものから順番に、用紙サイズの候補として選択する。ステップS903に進み、分割描画制御部103は候補として選択された用紙サイズが給紙トレイにセットされているか否かを判定する。
【0051】
候補として選択された用紙サイズが給紙トレイにセットされていれば、分割描画制御部103はステップS906に進み、候補として選択された用紙サイズの用紙が用紙切れか否か、言い換えれば候補として選択された用紙サイズの用紙が給紙トレイにセットされているかを判定する。用紙切れでなければ、分割描画制御部103はステップS907に進み、ステップS902で候補として選択された用紙サイズを分割描画する用紙サイズに決定する。
【0052】
ステップS903において、候補として選択された用紙サイズが給紙トレイにセットされていないとき、及びステップS906において、候補として選択された用紙サイズの用紙が用紙切れであるとき、分割描画制御部103はステップS902に戻り、用紙サイズの次の候補を選択し、処理を続ける。
【0053】
ステップS902において、用紙サイズの次の候補が無くなると、分割描画制御部103はステップS904に進み、ステップS901でリストアップされた用紙サイズのうち最大のものを、分割描画する用紙サイズに決定する。なお、ステップS904で決定された分割描画する用紙サイズの用紙は給紙トレイにセットされていないため、複合機1は操作パネルP等で、ユーザに対して用紙のセットを促す通知を行う。
【0054】
ステップS904又はS907に続いてステップS905に進み、分割描画制御部103は出力設定制御部105,画像出力部106及び給紙部107を制御し、決定した分割描画する用紙サイズの用紙に、デジタルカメラ2からのジョブ情報に含まれていた画像IDの画像を分割描画するように画像のデコード処理と描画を行う。
【0055】
複合機1はリストアップされた用紙サイズを大きいものから順番に、用紙サイズの候補として選択するため、最小の枚数でジョブ情報に含まれていた画像IDの画像を分割描画できる。また、現在の給紙トレイの状態を加味することで、複合機1は用紙サイズ又は用紙が無いことにより印刷が行われないことを未然に防ぐことができる。
【0056】
図10は複数枚の用紙に分割描画された画像のイメージ図である。図10(a)は最大用紙サイズがA3サイズの複合機1において、A2サイズの画像をA3サイズの用紙2枚に分割描画した例である。また、図10(b)は最大用紙サイズがA3サイズの複合機1において、A2サイズの画像をA3サイズの用紙1枚とA4サイズの用紙2枚とに分割描画した例である。
【0057】
図10(a)の他、最大用紙サイズがA3サイズの複合機1は、A2サイズの画像をA4サイズの用紙4枚又はA5サイズの用紙8枚に分割描画できる。図10(a)は単一の用紙サイズを用いて分割描画する例を表している。
【0058】
図10(b)の他、最大用紙サイズがA3サイズの複合機1は、A2サイズの画像をA4サイズの用紙2枚とA5サイズの用紙4枚とに分割描画することや、A2サイズの画像をA3サイズの用紙1枚とA4サイズの用紙1枚と、A5サイズの用紙2枚とに分割描画することもできる。図10(b)は、複数種類の用紙サイズを用いて分割描画する例を表している。
【0059】
図10(b)の例は、例えば当初、A3サイズの用紙2枚で分割描写することを決定したが、A3サイズの用紙を1枚印刷したときにA3サイズの用紙が用紙切れとなった場合等に、A4サイズの用紙2枚で代替するものである。この場合、複合機1は1つの画像を分割描写する際に、分割単位で図9のフローチャートに示す処理手順を行う。
【0060】
本発明によるダイレクトプリントシステムでは、複合機1において1枚の用紙で印刷可能な用紙サイズよりも大きな用紙サイズ(複合機1で扱える用紙サイズの倍数に相当する用紙サイズ)を印刷能力情報に含ませてデジタルカメラ2へ通知する。印刷能力情報を受信したデジタルカメラ2は、複合機1において1枚の用紙で印刷可能な用紙サイズよりも大きな用紙サイズを指定して印刷要求を行える状態となる。
【0061】
複合機1において1枚の用紙で印刷可能な用紙サイズよりも大きな用紙サイズを指定した印刷要求をデジタルカメラ2から受信すると、複合機1はデジタルカメラ2から指定された用紙サイズを複数枚の用紙で実現する。したがって、本発明によるダイレクトプリントシステムは、各社共通のダイレクトプリントに係る通信フォーマットの規格より高機能な印刷環境を提供できる。
【0062】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 複合機
2 デジタルカメラ
3 USBケーブル
7 画像形成部
8 画像読取部
9 外部メディア入出力装置
101 通信部
102 通信制御部
103 分割描画制御部
104 印刷命令解析部
105 出力設定制御部
106 画像出力部
107 給紙部
201 通信部
202 画像記憶部
P 操作パネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0064】
【特許文献1】特開2004−64740号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを出力するときの出力サイズが所定のサイズよりも大きいか否かを判定する判定手段と、
前記出力サイズが前記所定のサイズよりも大きい場合に、前記画像データを複数の領域に分割し、分割したそれぞれの領域の画像データを、前記所定のサイズ以下のサイズの複数の出力対象の媒体に出力する出力制御手段と
を備えることを特徴とする画像データ出力装置。
【請求項2】
前記出力制御手段は、
前記出力サイズが前記所定のサイズ以下である場合に、前記出力サイズで出力することの出来る前記出力対象の媒体に前記画像データを出力すること
を特徴とする請求項1に記載の画像データ出力装置。
【請求項3】
前記出力サイズが前記所定のサイズよりも大きい場合に、前記出力対象の媒体のサイズに応じて、前記画像データを分割する分割サイズを決定する決定手段を備え、
前記出力制御手段は、前記分割サイズに基づいて前記画像データを複数の領域に分割すること
を特徴とする請求項1または2に記載の画像データ出力装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記出力対象の媒体のサイズに応じて、複数の異なる分割サイズを決定し、
前記出力制御手段は、前記複数の異なる分割サイズのそれぞれに基づいて前記画像データを複数の領域に分割すること
を特徴とする請求項1または2に記載の画像データ出力装置。
【請求項5】
前記出力制御手段は、
前記出力サイズが前記所定のサイズ以下であり、かつ前記出力サイズに対応する前記出力対象の媒体を前記装置が備えていない場合に、出力することの出来る前記出力対象の媒体のサイズに応じて前記画像データを分割すること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像データ出力装置。
【請求項6】
出力する画像データおよび当該画像データを出力するときの出力サイズを指定した出力要求を受け付ける受付手段を備えること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像データ出力装置。
【請求項7】
前記画像データの出力は印刷出力であり、
前記出力対象の媒体のサイズは、印刷出力対象の用紙のサイズであり、
前記所定のサイズは、自身が備える用紙のうち最も大きいサイズであること
を特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像データ出力装置。
【請求項8】
コンピュータを、
画像データを出力するときの出力サイズが所定のサイズよりも大きいか否かを判定する判定手段、
前記出力サイズが前記所定のサイズよりも大きい場合に、前記画像データを複数の領域に分割し、分割したそれぞれの領域の画像データを、前記所定のサイズ以下のサイズの複数の出力対象の媒体に出力する出力制御手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−227937(P2012−227937A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134672(P2012−134672)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2008−117500(P2008−117500)の分割
【原出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】