説明

画像信号出力装置

【課題】どのような画像表示装置を用いた場合でも残像を低減させることができる画像信号出力装置を提供する。
【解決手段】録画装置等の画像信号出力装置1は、画像表示装置2の種類を特定するための情報を画像表示装置2から取得し、取得した情報から画像表示装置2の種類を特定し、画像表示装置2が表示する画像に発生する残像を打ち消すための補正が必要であるか否かを判定する。残像対策を施していない液晶を用いた装置等、画像表示装置2が補正を必要とする場合は、画像信号出力装置1は、過去の画像に起因して人間の視覚に認識される残像を打ち消すように、補正部3で過去の画像に基づいて画像信号を補正し、補正した画像信号を画像表示装置へ出力する。これにより、残像対策が施されていない画像表示装置を用いた場合であっても、残像が低減された動画像が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン受像機等の画像表示装置に画像を表示させるために、画像表示装置に対して画像信号を出力する録画装置又はチューナ装置等の画像信号出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像表示装置は、表示素子としてCRT(陰極線管)又はPDP(プラズマディスプレイパネル)等のインパルス型の表示素子を用いたものと、液晶又はEL(エレクトロルミネッセンス)素子等のホールド型の表示素子を用いたものとに分けられる。インパルス型の画像表示装置では、画像が表示される点灯期間と画像が表示されない消灯期間とが交互に繰り返される。またホールド型の画像表示装置は、一フレームの画像を表示した状態を、次のフレームの画像を表示するまで保持している。人間の視覚は、実際に画面に表示された輝度の変化が数フレーム程度の期間で時間積分された輝度を認識するので、ホールド型の画像表示装置では、インパルス型の画像表示装置に比べて、動画像を表示した場合に人間の視覚で認識される残像がより多くなるという問題がある。
【0003】
そこで、ホールド型の画像表示装置における残像を低減する技術が開発されている。例えば、画像の表示を120Hzの周波数で切り替えることにより、一つの画像がホールドされている時間を短くし、残像を低減する技術が開発されている。また特許文献1には、一フレームの画像から複数のサブフレームの画像を生成し、サブフレーム単位で残像低減のための補正を行う技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−173573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のような、画像表示装置での残像を低減する技術は開発されてはいるものの、全てのホールド型の画像表示装置に残像対策が施されているわけではない。残像対策を施されていないホールド型の画像表示装置は既に広く普及しており、このような画像表示装置を用いて表示される動画像には依然として残像が多いという問題がある。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、残像低減のための画像補正を画像信号出力装置で行い、補正後の画像信号を画像信号出力装置から画像表示装置へ出力することにより、どのような画像表示装置を用いた場合でも残像を低減させることができる画像信号出力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像信号出力装置は、外部の画像表示装置に対して、複数画面分の画像に対応する画像信号を順次出力する画像信号出力装置において、過去の画像に起因する残像を外部の画像表示装置で打ち消すことができるように、過去の画面に係る画像信号に応じて一画面分の画像信号を補正する補正手段と、該補正手段が補正した画像信号を、外部の画像表示装置へ出力する手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、画像表示装置に対して画像信号を出力する画像信号出力装置は、過去の画像に起因して人間の視覚に認識される残像を打ち消すように、画像信号を補正し、補正した画像信号を画像表示装置へ出力する。画像表示装置が動画を表示する際には、過去のフレームの画像が打ち消されて使用者に認識され、動画像に発生する残像が低減される。
【0008】
本発明に係る画像信号出力装置は、外部の画像表示装置に対して、複数画面分の画像に対応する画像信号を順次出力する画像信号出力装置において、画像表示装置の種類に関連付けて、各画像表示装置で残像を打ち消すための画像信号の補正が必要であるか否かに関する情報を記憶する手段と、外部の画像表示装置から、該画像表示装置の種類を特定するための情報を取得する手段と、該手段が取得した情報により特定した画像表示装置の種類に関連付けて記憶している情報に基づいて、前記外部の画像表示装置で残像を打ち消すための画像信号の補正が必要であるか否かを判定する手段と、前記外部の画像表示装置で残像を打ち消すための画像信号の補正が必要である場合に、過去の画像に起因する残像を打ち消すように、過去の画面に係る画像信号に応じて一画面分の画像信号を補正する補正手段と、該補正手段が補正した画像信号を、前記外部の画像表示装置へ出力する手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、画像表示装置に対して画像信号を出力する画像信号出力装置は、接続された画像表示装置から画像表示装置の種類を特定するための情報を取得し、取得した情報から画像表示装置の種類を特定し、画像表示装置が表示する画像に発生する残像を打ち消すための補正が必要であるか否かを判定し、残像を打ち消すための補正が必要である場合に、残像を打ち消すように画像信号を補正し、補正した画像信号を出力する。これにより、画像表示装置が表示する動画像に発生する残像が低減される。
【0010】
本発明に係る画像信号出力装置は、前記外部の画像表示装置で残像を打ち消すための画像信号の補正が不必要である場合に、前記補正手段による補正を行わずに、画像信号を前記外部の画像表示装置へ出力する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0011】
また本発明においては、画像表示装置の種類を特定できない場合、及び画像表示装置で残像を打ち消すための補正が必要でない場合は、画像信号出力装置は、補正を行わずに画像信号を画像表示装置へ出力する。これにより、画質を悪化させずに画像表示装置に画像を表示させる。
【0012】
本発明に係る画像信号出力装置は、前記補正手段は、画面単位で画像信号を記憶する手段と、該手段が記憶してある一画面分過去の画像信号と一画面分の画像信号との差分を計算する手段と、前記差分を所定の減衰率で減衰させる手段と、減衰後の前記差分を前記一画面分の画像信号から差し引くことによって、前記一画面分の画像信号を補正する手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また本発明においては、画像信号出力装置は、一画面分過去の画像信号から一画面分の画像信号を差し引いた差分を計算し、所定の減衰率で減衰させた差分を一画面分の画像信号から差し引くことによって、画像信号を補正する。画像表示装置が表示する画像は、過去の画像が重なって知覚される部分を予め差し引いてある画像となるので、使用者には、過去のフレームの画像が打ち消されて認識され、動画像の残像が低減される。
【0014】
本発明に係る画像信号出力装置は、前記補正手段は、前記差分に含まれる成分の内、視覚に認識され易い画像上の部分に対応する成分を強調する手段を更に有することを特徴とする。
【0015】
また本発明においては、画像信号出力装置は、差分の成分の内、視覚に認識され易く残像が発生しやすい画像上の部分に対応する成分を強調し、前記成分を強調した差分を一画面分の画像信号から差し引くことによって、画像信号を補正する。使用者には、視覚に認識され易く残像の原因となる部分が優先的に打ち消されて認識され、効果的に動画像の残像が低減される。
【発明の効果】
【0016】
本発明にあっては、残像対策が施されていない画像表示装置が画像信号出力装置に接続されている場合であっても、画像表示装置は、残像が低減された動画像を表示することができる。従って、本発明の画像表示装置は、残像対策が施されていないホールド型の画像表示装置等、どのような画像表示装置が接続されたとしても、画像表示装置に残像が低減された動画像を表示させることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の画像信号出力装置1の外観を示す概念図である。本発明の画像信号出力装置1は、放送の受信及び録画が可能な録画装置である。画像信号出力装置1には、テレビジョン受像機である画像表示装置2が接続されており、画像信号出力装置1は、画像表示装置2に対して画像信号を出力し、画像表示装置2は、画像信号出力装置1からの画像信号に基づいて画像を表示する。
【0018】
図2は、画像信号出力装置1及び画像表示装置2の内部構成を示すブロック図である。画像信号出力装置1は、演算を行う演算部、演算に伴う情報を記憶するRAM、演算に必要なプログラムを記憶するROM等からなり、画像信号出力装置1の各部の動作を制御する制御部11を備える。また画像信号出力装置1は、画像信号出力装置1に必要な画像処理及び音声処理を行う処理部12を備える。処理部12には、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスクを受け入れ、光ディスクに対してデータを読み書きする光ディスクドライブ19と、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクに対してデータを読み書きするHDD(ハードディスクドライブ)18とが接続されている。また処理部12には、地上波放送、衛星放送又は有線放送等の放送を受信し、放送データの復調を行うチューナ17が接続されている。処理部12は、チューナ17が復調した放送データをエンコードする処理を行い、光ディスクドライブ19及びHDD18は処理部12がエンコードしたデータを記録する。また処理部12は、光ディスクドライブ19及びHDD18が読み出したデータ、並びにチューナ17からの放送データをエンコードしたデータをデコードして画像信号及び音声信号を生成する処理を行う。
【0019】
また処理部12には、処理部12が生成した画像信号を補正する補正部3が接続されており、処理部12及び補正部3には、HDMI(High Definition Multimedia Interface)の規格に従ったデータを送信するHDMI送信部13を備えている。HDMI送信部13は、処理部12が生成した画像信号及び音声信号並びに補正部3が補正した画像信号をHDMIの規格に従ったデータにエンコードし、エンコードにより生成したHDMIのデータを送信する処理を行う。HDMI送信部13には、更にHDMIの規格に従って構成された通信ケーブルであるHDMIケーブルが接続されるHDMI端子14が接続されており、HDMI端子14は更に制御部11に接続されている。HDMI端子14を介して、HDMI送信部13はHDMIのデータを送信し、制御部11はCEC(Consumer Electronics Control)の規格に従った制御データを送受信する。HDMI端子14及びHDMIケーブルは、HDMIのデータとCECのデータとを互いに分離して送信する構成となっている。
【0020】
画像信号出力装置1では、録画時には、チューナ17は放送を受信して放送データを復調し、処理部12は放送データをエンコードし、エンコードしたデータをHDD18がハードディスクに記録するか、又は光ディスクドライブ19が光ディスクに記録する。また録画された番組を使用者が視聴するときには、HDD18又は光ディスクドライブ19が読み出したデータを処理部12がデコードして画像信号及び音声信号を生成し、HDMI送信部13は、画像信号及び音声信号をHDMIのデータにエンコードし、HDMI端子14を介してHDMIのデータを画像表示装置2へ送信する。また放送されている番組を使用者が視聴するときには、チューナ17は放送を受信して放送データを復調し、処理部12は放送データをエンコードし、更にデコードして画像信号及び音声信号を生成し、HDMI送信部13は、画像信号及び音声信号をHDMIのデータにエンコードし、HDMI端子14を介してHDMIのデータを画像表示装置2へ送信する。
【0021】
また制御部11には、使用者が操作する図示しないリモコン(リモートコントローラ)からの信号を受信するリモコン受信部16が接続されている。リモコン受信部16は、使用者が操作するリモコンから送信された情報を受信することにより、使用者からの各種の指示を受け付け、制御部11は、受け付けた指示に従った処理を実行する。更に制御部11には、不揮発性の半導体メモリ等で構成された不揮発性の記憶部15が接続されている。記憶部15は、複数種類の画像表示装置に係る情報を記憶している。
【0022】
画像表示装置2は、演算を行う演算部、演算に伴う情報を記憶するRAM、演算に必要なプログラムを記憶するROM等からなり、画像表示装置2の各部の動作を制御する制御部21を備える。また画像表示装置2は、HDMIの規格に従ったデータを受信するHDMI受信部23を備え、HDMI受信部23及び制御部21にはHDMI端子24が接続されている。HDMI端子24は、画像信号出力装置1のHDMI端子14とHDMIケーブルで互いに接続されている。HDMI端子24は、画像信号出力装置1から送信されたデータの内、CECのデータを制御部21へ入力し、HDMIのデータをHDMI受信部23へ入力する。HDMI受信部23は、HDMIに従ったデータを受信し、受信したデータを画像信号及び音声信号へデコードする。
【0023】
また画像表示装置2は、画像表示装置2に必要な画像処理及び音声処理を行う処理部22を備え、処理部22は、HDMI受信部23に接続されている。また処理部22には、液晶ディスプレイパネル又はPDP等の画像を表示する表示部26とスピーカ又は音声出力端子等を含み、音声を出力する音声出力部27とが接続されている。HDMI受信部23は、受信したデータをデコードした画像信号及び音声信号を処理部22へ入力し、処理部22は、画像信号に基づいて表示部26に画像を表示させ、音声信号に基づいて音声出力部27に音声を出力させる。このようにして、画像表示装置2は、HDMIのデータ形式で画像信号出力装置1から送信された画像信号及び音声信号を受信し、受信した画像信号及び音声信号に基づいて画像及び音声を出力する。画像信号出力装置1は、時間的に連続した複数フレーム分の画像信号を順次出力し、画像表示装置2は、画像信号に基づいて順次画像を表示することによって、動画像を表示部26で表示する。
【0024】
更に制御部21には、不揮発性の半導体メモリ等で構成された不揮発性の記憶部25が接続されている。記憶部25は、画像表示装置2のメーカ名又は型番等、画像表示装置2自身に係る情報を記憶している。
【0025】
次に、補正部3について説明する。画像表示装置2の表示部26が液晶パネル又はELパネル等のホールド型の表示素子を用いて構成されている場合は、画像表示装置2が表示する動画像には残像が発生する。補正部3は、残像を打ち消すように画像信号を補正する処理を行う。
【0026】
図3は、画像表示装置2が表示する動画像の例を示す模式図であり、背景が静止した状態で均一な物体が左右に移動する画像を示す。図3(a)は、1フレーム目の画像を示し、図3(b)は2フレーム目の画像を示している。図3(a)に示す画像と図3(b)に示す画像とでは、物体の画面上の位置が異なっている。図3(c)は、1フレーム目の画像と2フレーム目の画像とが連続して表示された場合に使用者に認識される画像を示す。図3(c)中に示した残像部分は、図3(a)に示す1フレーム目の画像と図3(b)に示す2フレーム目の画像とが異なっている部分であり、この部分に残像が発生する。このような残像は、過去から現在までの複数フレームの画像が時間積分されて人間の視覚に知覚されることに起因しているので、過去のフレームの画像の影響を打ち消すように現在のフレームの画像を補正することにより、残像を軽減することが可能となる。
【0027】
図4は、補正部3の内部構成例を示すブロック図である。補正部3は、処理部12から画像信号を入力され、補正した画像信号をHDMI送信部13へ出力する。補正部3には、連続した複数フレームの画像に対応する画像信号が順次入力される。補正部3は、一フレーム分の画像信号を記憶するフレームメモリ31を備えている。フレームメモリ31には、フレーム単位で画像信号が順次入力され、フレームメモリ31は、一フレーム分の画像信号が入力された場合に、既に記憶している一フレーム分の画像信号を出力し、入力された一フレーム分の画像信号を記憶する。即ち、補正部3に一フレーム分の画像信号が入力された場合には、フレームメモリ31からは一フレーム分過去の画像信号が出力される。
【0028】
また補正部3は減算器32を備え、減算器32は、補正部3に入力された一フレーム分の画像信号を、フレームメモリ31から出力された一フレーム分過去の画像信号から減算する。この減算器32の減算により、一フレーム分過去の画像信号から一フレーム分の画像信号を差し引いた差分信号が計算される。減算器32には、減衰器33に接続されており、減衰器33は、所定の減衰率1/Gで、減算器32が計算した差分信号を減衰させる処理を行う。減衰率1/Gの値は、例えば1/2とする。また減衰器33は、抽出部34に接続されており、抽出部34は、減衰器33が減衰させた差分信号から、人間の視覚に認識され易い画像上の部分に対応する所定の成分を抽出し、抽出した成分を強調する処理を行う。更に抽出部34は、減算器35に接続されており、減算器35は、抽出部34により所定の成分が強調された差分信号を一フレーム分の画像信号から減算する処理を行う。減算器35による処理結果が、補正部3で補正した画像信号となる。補正部3は、補正後の画像信号をHDMI送信部13へ出力する。なお、補正部3は、減衰器33と抽出部34との処理順が逆の構成であってもよい。
【0029】
補正部3で補正した画像信号が画像表示装置2へ送信されることにより、画像表示装置2は、補正部3で補正した画像信号に基づいた画像を表示することになる。前述したように、人間の視覚には複数フレームの画像が時間積分されて知覚されるので、動画像が表示される場合は、使用者は、過去のフレームの画像、特に一フレーム過去の画像が現在のフレームの画像に重なった画像を認識することになる。補正部3は、一フレーム分過去の画像信号から現在のフレーム分の画像信号を差し引いた差分信号を、現在のフレーム分の画像信号から差し引くことによって画像信号を補正するので、画像表示装置2が表示する一フレームの画像は、一フレーム過去の画像が重なって知覚される部分を予め差し引いてある画像となる。従って、過去のフレームの画像が現在のフレームの画像に重なって知覚されても、使用者には、過去のフレームの画像が打ち消されて認識され、この結果、動画像に発生する残像が低減される。
【0030】
図5は、抽出部34の内部構成例を示すブロック図である。図5(a)は第1の構成例を示し、図5(b)は第2の構成例を示す。図5(a)に示した構成例では、抽出部34は、LPF(ローパスフィルタ)411及びコアリング部412を備える。LPF411は、減衰器33からの差分信号から、所定の基準周波数以下の低周波数成分を抽出し、コアリング部412は、信号の成分の内、強度が所定の閾値以下である成分を除去するコアリングの処理を行う。抽出部34は、LPF411及びコアリング部412により低周波数成分が強調された差分信号を出力する。画像信号の低周波数成分は、画像上での低空間周波数成分に対応し、低空間周波数成分は人間の視覚に認識され易い。このため、画像上での低空間周波数成分は残像の原因となる。抽出部34により低周波数成分が強調された差分信号を用いて画像信号を補正することにより、過去のフレームの画像が現在のフレームの画像に重なって知覚される部分の内、人間の視覚に認識され易く残像の原因となる部分が優先的に打ち消されて認識され、効果的に動画像における残像を低減することができる。またコアリング部412で差分信号のコアリングを行うことにより、低周波成分を強調すると共に、ノイズ等に起因する微小な信号を除去し、過剰な補正を回避する。
【0031】
図5(b)に示した構成例では、抽出部34は、LPF421、BPF(バンドパスフィルタ)423及びHPF(ハイパスフィルタ)425を並列に備え、減衰器33からの差分信号をLPF421、BPF423及びHPF425に入力する。LPF421は所定の低周波数以下の低周波数成分を差分信号から抽出し、BPF423は所定の低周波数から高周波数までの中間周波数成分を差分信号から抽出し、HPF425は所定の高周波数以上の高周波数成分を差分信号から抽出する。LPF421には増幅器422が接続されており、増幅器422は抽出された低周波数成分を増幅率K1で増幅する。またBPF423には増幅器424が接続されており、増幅器424は抽出された中間周波数成分を増幅率K2で増幅する。またHPF425には増幅器426が接続されており、増幅器426は抽出された高周波数成分を増幅率K3で増幅する。増幅器422、424及び426には、加算器427が接続されており、加算器427は、増幅器422、424及び426が増幅した信号を加算することにより、各周波数成分が夫々の増幅率で強調された差分信号を生成する。抽出部34は、加算器427の加算結果である差分信号を出力する。図5(b)に示した抽出部34の例では、低周波数成分を増幅する増幅率K1を他の増幅率よりも大きくする等、差分信号の各周波数成分に重み付けをすることができ、より視覚に認識され易い残像の成分を優先的に低減することができる。
【0032】
図6は、補正部3及び抽出部34の他の構成例を示すブロック図である。図6(a)は、補正部3の他の構成例を示し、図6(b)及び(c)は、図6(a)に示す補正部3における抽出部34の構成例を示す。図6(a)に示した補正部3の構成例では、処理部12からの画像信号を抽出部34にも入力する構成となっている。図6(b)に示した抽出部34の構成例では、抽出部34は、処理部12からの画像信号を入力されるエッジ検出部431と、減衰器33からの差分信号を入力される増幅器432とを備えている。エッジ検出部431は、一フレーム分の画像信号から、当該画像信号に基づいた画像上のエッジ部分に含まれる画素に対応する成分を検出する処理を行い、検出した成分を示す情報を増幅器432へ入力する。増幅器432は、エッジ検出部431からの情報に従って、減衰器33からの差分信号の内、画像上のエッジ部分に含まれる画素に対応する成分を増幅率Kで増幅する。抽出部34は、増幅器432によりエッジ部分に対応する成分が強調された差分信号を出力する。画像上のエッジ部分は、人間の視覚に認識され易いので、エッジ部分に対応する成分を強調した差分信号を用いて画像信号を補正することにより、効果的に動画像における残像を低減することができる。
【0033】
図6(c)に示した抽出部34の構成例では、抽出部34は、処理部12からの画像信号を入力される字幕検出部441と、減衰器33からの差分信号を入力される増幅器442とを備えている。字幕検出部441は、一フレーム分の画像信号から、当該画像信号に基づいた画像上の字幕部分に含まれる画素に対応する成分を検出する。画像上の字幕部分は、輝度が非常に大きく、しかも色差がほぼ0の白色となっている。従って、字幕検出部441は、輝度が最大値に近い所定の閾値以上であり、しかも色差が0に近い所定の閾値以下である画素を検出することにより、画像上の字幕部分に含まれる画素に対応する成分を検出する。字幕検出部441は、更に、検出した成分を示す情報を増幅器442へ入力する。増幅器442は、字幕検出部441からの情報に従って、減衰器33からの差分信号の内、画像上の字幕部分に含まれる画素に対応する成分を増幅率Kで増幅する。抽出部34は、増幅器442により字幕部分に対応する成分が強調された差分信号を出力する。画像上の字幕部分は人間の視覚に認識され易くなっており、特に、字幕が時間経過に従って画像上を移動するテロップの部分は、非常に残像が発生しやすい。従って、字幕部分に対応する成分を強調した差分信号を用いて画像信号を補正することにより、効果的に動画像における残像を低減することができる。
【0034】
図7は、補正部3の更に他の構成例を示すブロック図である。図7(a)に示した構成例では、補正部3は、補正後の画像信号をHDMI送信部13へ出力すると共に、フレームメモリ31へ入力する構成となっている。減算器32は、補正部3に入力された一フレーム分の画像信号を、フレームメモリ31から出力された一フレーム分過去の補正後の画像信号から減算する。画像表示装置2は、補正後の画像信号に基づいた画像を表示するので、補正部3は、実際に表示された過去の画像に係る画像信号に応じて現在の画像信号を補正することとなる。従って、この構成の補正部3を備えた画像信号出力装置は、実際に画像表示装置2に表示された過去のフレームの画像が現在のフレームの画像に重なって視覚に認識されることを打ち消し、効果的に動画像の残像を低減することができる。
【0035】
図7(b)に示した構成例では、補正部3は、演算部36を備え、補正部3に入力された一フレーム分の画像信号とフレームメモリ31から出力された画像信号とが演算部36に入力され、演算部36の出力が抽出部34へ入力される構成となっている。フレームメモリ31は、複数フレーム分の画像信号を記憶することが可能となっており、演算部36は、補正部3に入力された一フレーム分の画像信号とフレームメモリ31から出力された複数フレーム分の画像信号との加減算を行い、演算結果を抽出部34へ入力する。例えば、現在のフレームの画像をX(0)、過去のフレームの画像をX(−1),X(−2),…とし、現在のフレームに重なって認識される残像がa(0)X(0)+a(−1)X(−1)+a(−2)X(−2)+…で表されるとする。ここで、a(0),a(−1),a(−2),…は、所定の実数である。このとき、現在及び過去のフレームに係る画像信号をY(0),Y(−1),Y(−2),…とすれば、a(0)Y(0)+a(−1)Y(−1)+a(−2)Y(−2)+…を計算して現在のフレームに係る画像信号から差し引くことにより、残像を打ち消すことができる。このように、演算部36は、複数フレーム分の画像信号の線形演算を行うことにより、残像を打ち消すための信号を計算する処理を行う。この構成の補正部3を備えた画像信号出力装置は、過去の複数フレームの画像に起因する残像を低減することができる。
【0036】
なお、抽出部34の内部構成は、図5及び図6に説明しているが、これらの構成に限るものではない。例えば、抽出部34の内部構成は、図5(a)、図5(b)、図6(b)及び図6(c)の内の複数の構成内容を組み合わせた構成であってもよい。
【0037】
次に、以上の構成でなる画像信号出力装置1の動作を説明する。画像信号出力装置1の記憶部15は、複数種類の画像表示装置に係る情報を記憶しており、画像表示装置2の記憶部25は、画像表示装置2に係る情報を記憶している。画像信号出力装置1は、記憶部15の記憶内容に従って、画像信号の補正が必要であるか否かを判定する処理を行う。
【0038】
図8は、記憶部15での記憶内容の例を示す概念図である。市販されている画像表示装置の夫々について、そのメーカ名、型番、表示素子の種類、及び残像対策の有無を示す情報が互いに関連付けられたテーブルが記憶されている。表示素子がCRT又はPDP等のインパルス型の表示素子である場合は、残像対策は不必要であるので、残像対策の有無を示す情報は関連付けられていない。また画像表示装置2の記憶部25は、画像表示装置2の種類を特定するための情報として、画像表示装置2のメーカ名及び型番を示す情報を記憶している。なお、画像表示装置に係る情報は、画像表示装置2の種類を特定できる情報であれば、メーカ名及び型番以外の情報であってもよい。
【0039】
記憶部15が記憶するテーブルは、画像信号出力装置1の製造時に記憶部15に記憶される。なお、画像信号出力装置1の販売時に付属したCD−ROM等の光ディスクにテーブルが記憶されており、画像信号出力装置1は、光ディスクドライブ19で光ディスクからテーブルを読み出し、記憶部15にテーブルを記憶させる形態であってもよい。また画像信号出力装置1が販売された以後に販売された画像表示装置に係る情報は、順次配布される。例えば、画像表示装置に係る追加の情報が記録された光ディスクが配布されてもよく、インターネット等の通信ネットワーク経由で追加の情報がダウンロードされてもよい。また、放送波を用いて追加の情報が送信され、画像信号出力装置1は、チューナ17で受信した放送波から追加の情報を取得して記憶部15に記憶させる形態であってもよい。
【0040】
図9は、画像信号出力装置1が画像信号の出力を開始する処理の手順を示すフローチャートである。画像信号出力装置1は、使用者がリモコンを操作することによる開始指示をリモコン受信部16で受け付け、画像信号を画像表示装置2へ出力する処理を開始する。まず、制御部11は、画像表示装置2の種類を特定するための情報の要求を、CECのデータとして、HDMI端子14を介して画像表示装置2へ送信する(S1)。画像表示装置2は、画像表示装置2の種類を特定するための情報の要求をHDMI端子24で受信し、制御部21は、画像表示装置2の種類を特定するためのメーカ名及び型番を示す情報を記憶部25から読み出し、読み出した情報を、CECのデータとして、HDMI端子24を介して画像信号出力装置1へ送信する。
【0041】
画像信号出力装置1は、画像表示装置2から送信された情報をHDMI端子14で受信する(S2)。制御部11は、次に、記憶部15で記憶してあるテーブルを参照し、画像表示装置2から受信した情報が、記憶部15で記憶してあるテーブルに含まれる情報であるか否かを判定する(S3)。テーブルに情報が記録されている画像表示装置の種類を特定する情報を受信した場合は、画像信号出力装置1は、画像表示装置2の種類を特定することが可能となる。またテーブルに情報が記録されていない画像表示装置の種類を特定する情報、又はエラー信号等、テーブルに含まれない情報を受信した場合は、画像信号出力装置1は、画像表示装置2の種類を特定することができない。即ち、ステップS3により、画像信号出力装置1は、画像表示装置2の種類を特定することができるか否かを判定する。
【0042】
ステップS3で、画像表示装置2から受信した情報が記憶部15で記憶してあるテーブルに含まれるメーカ名及び型番を示す情報である場合は(S3:YES)、制御部11は、受信した情報にテーブル中で関連付けられている表示素子の種類を示す情報は、液晶又はEL等のホールド型の表示素子を示しているか否かを判定する(S4)。表示素子の種類を示す情報がホールド型の表示素子を示している場合は(S4:YES)、制御部11は、受信した情報に記憶部15のテーブル中で関連付けられている残像対策の有無を示す情報は、残像対策ありを示しているか否かを判定する(S5)。ステップS4及びステップS5により、画像信号出力装置1は、画像表示装置2が残像を打ち消すための画像信号の補正が必要であるか否かを判定する。表示素子がインパルス型であるか、又は表示素子がホールド型であっても残像対策が施されている場合は、画像信号の補正は不必要であり、表示素子がホールド型で残像対策が施されていない場合は、画像信号の補正が必要となる。
【0043】
ステップS5で、残像対策の有無を示す情報が残像対策なしを示している場合(S5:NO)、制御部11は、処理部12に画像信号を補正部3へ入力させることにより、画像信号の補正及び補正した画像信号の出力を開始する(S6)。これ以降、処理部12は、画像信号を補正部3へ入力し、音声信号をHDMI送信部13へ入力し、補正部3は補正した画像信号をHDMI送信部13へ入力する。HDMI送信部13は、補正後の画像信号及び音声信号をHDMIの規格に従ったデータにエンコードし、エンコードにより生成したHDMIのデータを、HDMI端子14を介して画像表示装置2へ送信する。画像表示装置2は、補正された画像信号に基づいた画像を表示部26で表示し、残像が低減された画像が表示される。
【0044】
ステップS3で、受信した情報が記憶部15で記憶してあるテーブルに含まれる情報ではない場合(S3:NO)、ステップS4で、表示素子の種類を示す情報がインパルス型の表示素子を示している場合(S4:NO)、又はステップS5で、残像対策の有無を示す情報が残像対策ありを示している場合(S5:YES)は、制御部11は、補正を行わずに画像信号の出力を開始する(S7)。ステップS7では、制御部11は、処理部12に、補正部3を経由させずにHDMI送信部13へ画像信号を直接入力させることにより、補正を行わずに画像信号の出力を開始する。これ以降、処理部12は、画像信号及び音声信号をHDMI送信部13へ入力し、HDMI送信部13は、補正されていない画像信号及び音声信号をHDMIの規格に従ったデータにエンコードし、エンコードにより生成したHDMIのデータを、HDMI端子14を介して画像表示装置2へ送信する。画像表示装置2は、補正されていない画像信号に基づいた画像を表示部26で表示する。画像信号出力装置1は、以上で画像信号の出力を開始する処理を終了する。
【0045】
以上詳述した如く、本発明の画像信号出力装置1は、過去のフレームに係る画像信号に応じた成分を現在のフレームに係る画像信号から差し引くことにより、過去の画像に起因して人間の視覚に認識される残像を打ち消すように、画像信号を補正し、補正した画像信号を画像表示装置2へ出力する。補正の際には、一フレームの画像に過去の画像が重なって知覚される部分を予め差し引いた一フレーム分の画像を表すように、画像信号を補正する。画像表示装置2は、補正された画像信号に基づいた画像を表示するので、動画を表示する際には過去のフレームの画像が打ち消されて使用者に認識され、この結果、動画像に発生する残像が低減される。このように、残像対策が施されていない画像表示装置2が本発明の画像信号出力装置1に接続されている場合であっても、画像表示装置2は、残像が低減された動画像を表示することができる。従って、本発明の画像信号出力装置1は、残像対策が施されていないホールド型の画像表示装置等、どのような画像表示装置が接続されたとしても、画像表示装置に残像が低減された動画像を表示させることができる。
【0046】
また本発明の画像信号出力装置1は、接続された画像表示装置2から画像表示装置2の種類を特定するための情報を取得し、取得した情報から画像表示装置2の種類を特定し、画像表示装置が表示する画像に発生する残像を打ち消すための補正が必要であるか否かを判定する。画像表示装置2が残像対策の施されていないホールド型の画像表示装置である場合、即ち残像を打ち消すための補正が必要である場合は、画像信号出力装置1は、残像を打ち消すように、過去の画像信号に応じて画像信号を補正する。また画像表示装置2の種類を特定できない場合、及び画像表示装置2で残像を打ち消すための補正が必要でない場合は、画像信号出力装置1は、補正を行わずに画像信号を画像表示装置2へ出力する。画像信号を補正することにより画像表示装置2が表示する画像の画質は悪化するので、画像表示装置2自身で残像を低減できる場合は、画像信号の補正は行わないことが望ましい。本発明の画像信号出力装置1は、インパルス型の画像表示装置又は残像対策が施されているホールド型の画像表示装置等、画像表示装置2が画像信号の補正を必要としない場合に、補正を行わずに画像信号を出力することにより、画質を悪化させずに画像表示装置2に画像を表示させることができる。
【0047】
なお、本実施の形態においては、画像表示装置2の種類を特定できない場合は画像信号の補正を行わない形態を示しているが、これに限るものではなく、画像信号出力装置1は、画像表示装置2の種類を特定できない場合でも画像信号の補正を行うことができる形態であってもよい。例えば、画像表示装置2の種類を特定できない場合に補正の有無を切換可能としておき、表示された画像を確認した使用者からの指示により、画像信号の補正を行うべきか否かを決定するようにしてもよい。
【0048】
また本実施の形態においては、一フレームの画像に対応する画像信号に対する処理を行う形態を示したが、画像信号出力装置1は、これに限るものではなく、一フィールドの画像に対応する画像信号に対する処理を行うことにより、画像信号を補正する形態であってもよい。また本実施の形態においては、画像信号出力装置1が行うべき処理を各ハードウェアにより実行する形態を示したが、本発明の画像信号出力装置1は、処理の一部又は全部をソフトウェアにより実行する形態であってもよい。
【0049】
また本実施の形態においては、画像信号出力装置1は録画装置であるとしたが、これに限るものではない。本発明の画像信号出力装置1は、画像信号を出力して外部の画像表示装置2に画像を表示させる機器であればよく、チューナ装置、セットトップボックス、光ディスクのプレーヤ、又はAVアンプ等であってもよい。また画像表示装置2は、テレビジョン受像機に限るものではなく、その他の表示装置であってもよい。また本実施の形態においては、データを機器間で送受信するためのインタフェースとしてHDMIを用いた形態を示したが、本発明は、画像信号と制御データとを個別に送受信できるフォーマットであれば、その他のインタフェースを用いた形態であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の画像信号出力装置の外観を示す概念図である。
【図2】画像信号出力装置及び画像表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】画像表示装置が表示する動画像の例を示す模式図である。
【図4】補正部の内部構成例を示すブロック図である。
【図5】抽出部の内部構成例を示すブロック図である。
【図6】補正部及び抽出部の他の構成例を示すブロック図である。
【図7】補正部の更に他の構成例を示すブロック図である。
【図8】記憶部での記憶内容の例を示す概念図である。
【図9】画像信号出力装置が画像信号の出力を開始する処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1 画像信号出力装置
11 制御部
12 処理部
13 HDMI送信部
15 記憶部
2 画像表示装置
3 補正部
31 フレームメモリ
32、35 減算器
34 抽出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の画像表示装置に対して、複数画面分の画像に対応する画像信号を順次出力する画像信号出力装置において、
過去の画像に起因する残像を外部の画像表示装置で打ち消すことができるように、過去の画面に係る画像信号に応じて一画面分の画像信号を補正する補正手段と、
該補正手段が補正した画像信号を、外部の画像表示装置へ出力する手段と
を備えることを特徴とする画像信号出力装置。
【請求項2】
外部の画像表示装置に対して、複数画面分の画像に対応する画像信号を順次出力する画像信号出力装置において、
画像表示装置の種類に関連付けて、各画像表示装置で残像を打ち消すための画像信号の補正が必要であるか否かに関する情報を記憶する手段と、
外部の画像表示装置から、該画像表示装置の種類を特定するための情報を取得する手段と、
該手段が取得した情報により特定した画像表示装置の種類に関連付けて記憶している情報に基づいて、前記外部の画像表示装置で残像を打ち消すための画像信号の補正が必要であるか否かを判定する手段と、
前記外部の画像表示装置で残像を打ち消すための画像信号の補正が必要である場合に、過去の画像に起因する残像を打ち消すように、過去の画面に係る画像信号に応じて一画面分の画像信号を補正する補正手段と、
該補正手段が補正した画像信号を、前記外部の画像表示装置へ出力する手段と
を備えることを特徴とする画像信号出力装置。
【請求項3】
前記外部の画像表示装置で残像を打ち消すための画像信号の補正が不必要である場合に、前記補正手段による補正を行わずに、画像信号を前記外部の画像表示装置へ出力する手段と
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の画像信号出力装置。
【請求項4】
前記補正手段は、
画面単位で画像信号を記憶する手段と、
該手段が記憶してある一画面分過去の画像信号と一画面分の画像信号との差分を計算する手段と、
前記差分を所定の減衰率で減衰させる手段と、
減衰後の前記差分を前記一画面分の画像信号から差し引くことによって、前記一画面分の画像信号を補正する手段と
を有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の画像信号出力装置。
【請求項5】
前記補正手段は、
前記差分に含まれる成分の内、視覚に認識され易い画像上の部分に対応する成分を強調する手段を更に有すること
を特徴とする請求項4に記載の画像信号出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−19922(P2010−19922A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178240(P2008−178240)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】