説明

画像再生装置及び画像再生方法

【課題】 各画像間の関連性に基づいて、お互いの画像間の関連性に応じた視覚効果を与えながらスライドショーの再生を行うことにより、画像間の関連性を把握しやすくすると共に、ユーザにとって面白みのある画像再生装置を提供する。
【解決手段】画像データの入力を行う画像入力部101、画像特徴量の抽出を行う画像特徴抽出部102、画像パケットを蓄積する画像蓄積部103、音楽データの入力を行う音楽入力部104、音楽データから音楽の特徴量を抽出する音楽特徴抽出部105、音楽パケットを蓄積する音楽蓄積部106、ユーザがメニュー操作を行うメニュー入力部107、メニュー入力部107から入力された条件に合わせてスライドショーの作成を行うスライドショー生成部108、スライドショーの表示を行う画面の表示部109、画像に含まれるメタ情報から画像間の関連度を算出する関連度解析部112、及びシナリオ解析部113を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル写真の記録、再生を行う画像再生装置に関するものであり、特に、複数のデジタル写真を連続的に表示するスライドショー機能を有する画像再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、静止画を連続的に再生する方法として、一定時間間隔毎に逐次表示していくスライドショーという表示方法があり、例えば、フォトシネマ、ムービーシェーカー等のPCソフト、カメラ付携帯電話機等で実現されている。
【0003】
ここで、スライドショーとは、スライド映写機と同様に一定時間間隔、或いはユーザの指示等のトリガーによって表示するデジタル静止画を切り替えていく、いわゆるデジタルな紙芝居である。また、近年においてはアプリケーションによってはBGMを付加したりデジタル静止画の切り替えの際にフェード、ワイプ、回転等のトランジションを付加し、よりエンターテインメント性を向上させたものもある。
【0004】
そして、従来のスライドショー装置の一例として、CD−ROMを用いて連続再生するものがある(例えば、特許文献1参照)。図16は、この特許文献1に記載された従来のスライドショー装置1600の構成図である。
【0005】
このスライドショー装置1600においては、CD−ROM1606をCD−ROM読取り部1605にセットして、入力指示部1602によりスライドショー実行プログラム1606aの起動指示を行う。演算制御部1601がスライドショー実行プログラム1606aを読み込み、スライドショー実行部として機能するようになる。演算制御部1601は、スライドショーの実行の際、まず、順序テーブル1606bを読み込み、順序テーブル1606bに定義された順番に画像ファイルを、画像ファイル群1606cから抽出して表示部1603に表示させる。尚、ハードディスク1604は必要に応じて各種データを保存するものである。
【特許文献1】特開2001-103415号公報(第3〜5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、画像ファイルを順序テーブルに従って再生するだけなので、ユーザから見て面白み、意外性に欠けるという課題を有している。特に画像数が増大し、類似した画像が多く蓄積された場合、このような課題はさらに重大になる。例えば、スポーツ観戦や結婚式等の同一イベントで複数の人が同じような画像を撮影した場合、これらをただ順序テーブルに従って再生するだけでは、退屈さを感じる。
【0007】
また、近年においてはデジタルカメラや携帯電話機等を用いたデジタル写真の利用が普及して、個人の持つデジタル画像は増加しており、ユーザが撮影した大量の画像が記憶されている。そして、これらの画像は類似又は関連画像を多く含み、このように、ユーザが撮影して端末機器に蓄積された大量・類似・関連のデジタル画像をどのように利用、選択するかが課題となっている。
【0008】
さらに、従来のスライドショー再生装置においては、スライドショー装置間の画像を用いたコミュニケーションについては考慮されておらず、近年のネットワーク化に対応するようなスライドショーの提供を行うことも課題となっている。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するためのものであり、撮影された複数の画像を用いて、画像間の関連性を把握しつつ、娯楽性のある画像再生を行う画像再生装置を提供することを目的としている。また、静止画を用いて他の撮影者とのコミュニケーションの実現を可能とする画像再生装置を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明の画像再生装置は、画像データを用いて再生を行う画像再生装置であって、前記画像データから画像特徴量を抽出する画像特徴抽出手段と、前記画像データに関連する画像情報と前記画像特徴量とに基づき、他の画像との類似性を示す情報である関連度を解析する関連度解析手段と、前記関連度に基づいて前記画像データを用いたスライドショーの再生を行うスライドショー生成手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る画像再生装置のスライドショー生成手段は、前記関連度に基づいて前記再生を行う画像の集まりである画像群を選択する画像選択部と、前記関連度に基づいて前記画像群の再生時の視覚効果を決定する視覚効果決定部と、前記関連度に基づいて前記画像群に含まれる画像の再生順序であるシナリオを生成するシナリオ生成部とを備え、選択された前記画像群を、決定された前記視覚効果を用いて前記シナリオの順番に再生することを特徴とする。
【0012】
これらの構成により、大量・類似した画像データを用いてスライドショーの再生を行う場合においても、画像特徴抽出手段において画像特徴量を抽出して、前記画像特徴量と画像情報を用いて解析された関連度に基づいて、画像選択部において画像選択をしたり、視覚効果決定部においてスライドショー再生時の視覚効果を決定したり、シナリオ生成部においてシナリオを生成できるために、画像間の関連性を把握しやすくすると共に、ユーザにとって面白みのあるスライドショー再生を行うことが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る画像再生装置の視覚効果決定部は、前記視覚効果として、画面を1以上の小画面に分割して表示する分割表示、前記画像データの表示時間、前記画像データの動かし方を決定することを特徴とする。また、視覚効果決定部は、前記関連度に応じ、前記画像データ間の再生時において前記分割表示を行うように決定することを特徴とする。
【0014】
これらの構成により、視覚効果決定部は、関連度の弱い画像間の再生時には分割表示を行う等の視覚効果を与えることを決定するために、関連度に基づいたスライドショー生成を行うことを可能とする。
【0015】
また、本発明に係る画像再生装置の画像選択部は、前記関連度に基づいて、全体の画像群から一部の画像の集合をサブセットとして選択し、前記関連度解析手段は、当該サブセット内の画像間の関連度を解析することを特徴とする。また、前記画像選択部は、前記関連度として撮影時刻が近接した画像データの集合を前記サブセットとして選択することを特徴とする。
【0016】
これらの構成により、画像選択部は、全体の画像群の中から一部の画像群をサブセットといて選択して、このサブセット内の画像群の関連度を解析するために、撮影時刻が近い等の関連度の近い画像データを用いてスライドショーの再生を適切に行うことが可能となる。
【0017】
また、本発明に係る画像再生装置の画像選択部は、M,Nを1以上の整数とした場合、M系列の画像群からN系列の画像群を選択し、前記視覚効果決定部は、画面をN個のウインドウに分割し、前記N系列の画像を分割表示すると決定することを特徴とする。また、前記M系列は撮影者により分けられていることを特徴とする。
【0018】
これらの構成により、系列毎に分けられた他の撮影者により撮影された画像データを用いて関連度に基づく分割表示等を行いながらスライドショーの再生表示を行うことが可能となる。
【0019】
また、本発明に係る画像再生装置の画像選択部は、Lを1以上の整数とした場合、L番目に選択された画像群の前記画像情報又は前記関連度の少なくとも1部に基づいて、L+1番目の画像群を選択することを特徴とする。
【0020】
この構成により、画像選択部は、1つ前に選択された画像群の画像情報又は関連度の少なくとも1部に基づいて次にスライドショーの再生を行う画像群を選択するため、ユーザにとっては記憶の想起と意外性の両面で面白みを感じるスライドショー生成を実現することが可能となる。
【0021】
尚、前記目的を達成するために、本発明は、前記画像再生装置の特徴的な構成手段をステップとする画像再生方法としたり、それらのステップを全て含むプログラムとして実現することもできる。そして、そのプログラムは、画像再生装置が備えるROM等に格納しておくだけでなく、CD−ROM等の記録媒体や通信ネットワークを介して流通させることもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の画像再生装置によれば、関連性のある複数の画像を、画像間の関連性の強さに応じて、例えば関連度の弱い画像間は分割表示する、あるいは関連度の強い連写の場合は分割表示する等の視覚効果を与えながらスライドショーの再生をすることができる。このため、画像間の関連性を把握しやすくすると共に、ユーザにとって面白みのある画像再生を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る画像再生装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
(実施の形態1)
本実施の形態1に係る画像再生装置は、画像間の関連度を抽出して、この関連度に基づいて視覚効果を与えながらスライドショーの再生を行うことを特徴としている。尚、スライドショーとは、デジタル写真は画像蓄積部から、音楽は音楽蓄積部からそれぞれ読み出し、音楽にあわせて画像を再生するものである。単にデジタル写真を順次表示するものではなく、音楽に合わせ、画像に対してパン、ズーム、拡大、縮小、色変化といった動きのある視覚効果を与えることで、躍動感を演出する。他の視覚効果としては画像切り替え時のフェードイン、スライドイン、ワイプといったトランジションの効果や、キューブ、円柱に画像を貼り付ける、あるいは画像に光を当てて反射の様子を描画するといった3Dの効果がある。尚、本実施の形態1に係る画像再生装置は、画像間の関連度を用いて画像を分割して表示するが、これも視覚効果の一例である。
【0025】
また、本発明に係る画像再生装置に用いる画像データとしては、主にデジタルスチルカメラや携帯電話機で撮影したデジタル写真であるが、動画、CG等でもよい。また画像はデジタルスチルカメラによる撮影で得たものに限る必要はなく、市販コンテンツ、Webからのダウンロード、放送番組等ソースは特に問わず、画像データはJPEG、ビットマップ等であるが、特に形式は問わない。また、音楽データはAAC、MP3等のウェーブ形式、MIDI等のデータ形式等どちらでもよく、特に形式は問わない。
【0026】
図1は、本実施の形態1における画像再生装置100のブロック構成図である。
画像入力部101は画像データの入力が行われる処理部である。
【0027】
画像特徴抽出部102は、画像データの解析を行って画像から画像特徴量の抽出を行う処理部である。また、画像特徴抽出部102において抽出された画像特徴量を画像ID及び画像データからなるデータに付与して画像パケット110を生成する。
【0028】
画像蓄積部103は、生成された画像パケット110を蓄積するデータベースである。
音楽入力部104は音楽データの入力が行われる処理部である。
【0029】
音楽特徴抽出部105は、音楽データから音楽の特徴量を抽出する。また、音楽特徴抽出部105において抽出された音楽特徴量を音楽ID及び音楽データからなるデータに付与して音楽パケット111を生成する。
【0030】
音楽蓄積部106は、生成された音楽パケット111を蓄積するデータベースである。
メニュー入力部107は、ユーザがスライドショー生成のためのメニュー操作を行うためのキーボード等のインターフェースである。このメニュー操作には、「フォーマル」、「パーティー」、「旅行」等のスタイルの選択が含まれる。
【0031】
スライドショー生成部108は、メニュー入力部107から入力された条件に合わせてスライドショーの作成を行う。
【0032】
表示部109は、スライドショー生成部108において作成され、シナリオ解析部において解析後のスライドショーを画面に表示する。
【0033】
関連度解析部112は、画像蓄積部103から画像を読み出し、画像に含まれているメタ情報から画像間の関連度を算出する。
【0034】
シナリオ解析部113は、スライドショー生成部108において画像間の関連度に基づいて生成されたシナリオを解析して、シナリオとして作成されているスライドショーの時間における画像IDや視覚効果を解析する。
【0035】
また、図1において、画像パケット110、音楽パケット111の画像蓄積部103及び音楽蓄積部106への蓄積は次の様に行われる。
【0036】
画像データは、画像入力部101から入力され、画像特徴抽出部102において画像特徴量の抽出が行われる。そして、画像特徴抽出部102において画像ID20、撮影者ID21、カメラ情報22、抽出結果である被写体情報203、物理特徴量24、元の画像データ25を画像パケット110の形にして、画像蓄積部103に蓄積する。
【0037】
また、音楽データは音楽入力部104から入力され、音楽特徴抽出部105で特徴抽出が行われる。そして、音楽特徴抽出部105は、音楽ID30、抽出結果であるリズム情報31、音楽感性情報32、元の音楽データ33を音楽パケット111の形にして、音楽蓄積部106に蓄積する。
【0038】
次に、スライドショー生成の流れをユーザ操作の視点から説明する。
最初に、ユーザはメニュー入力部107でスタイルを選択する。ここでスタイルとはスライドショー全体の雰囲気を決めるものであり、「フォーマル」、「パーティ」、「旅行」といった言葉で提示される。ここで、スタイルが「フォーマル」であれば落ち着いた視覚効果(動き)を、「旅行」であれば軽やかな視覚効果を主流とすることで、イメージにあったスライドショーの再生がなされる。
【0039】
次に、ユーザは、スライドショーを要求する画像の選択を行う。画像はユーザがおおまかに指定するものであり、例えば画像の入ったフォルダを指定すると、スライドショー生成部108はそのフォルダから適切な画像を選ぶ。音楽はスタイルに合わせ、リズム情報、音楽感性情報に基づいて、自動的に選択される。例えばスタイルで「フォーマル」を選び、画像フォルダは披露宴の写真の入ったものを指定する。音楽は「フォーマル」のイメージに合ったもの、例えばクラシックが選択される。もちろん画像、音楽ともユーザが細かく指定してもよい。スライドショー生成部108はメニュー入力部107からの指示に従ってスライドショーのシナリオを生成し、シナリオ解析部113がシナリオを解読して、表示部109に再生、表示する。尚、ユーザは画像選択を行ってからスタイル選択を行うことも考えられるため、画像選択とスタイル選択の手順は逆にしても構わない。
【0040】
図2は、本実施の形態1における画像特徴抽出部102において抽出されたデータを含む画像パケット110のデータ構成図である。
【0041】
画像パケット110には、画像のユニークな番号である画像ID200、撮影者毎に付与されるIDである撮影者ID201、カメラで所得した情報であるカメラ情報202、被写体の情報である被写体情報203、画像内の輝度、色などを元にした物理情報である物理特徴情報204、及び画像の実体データとなる画像データ205が含まれる。
【0042】
カメラ情報202には、撮影時刻(図2では2004年6月30日)、撮影場所(東経135度10分20秒、北緯33度33分40秒)、焦点距離(3m)、絞り値(f5.6)等の物理的な撮影条件が含まれる。
【0043】
被写体情報203には写真内の人物数(1人)、人物名(Aさん)、位置(画像内での顔の中心座標)、大きさ(顔の外接長方形の左上と右下の座標値)などが含まれる。
【0044】
物理特徴情報204には、例えば画像を複数の領域にわけての各領域内の平均輝度、平均色、中心周波数等が含まれる。そして、例えば平均輝度は、256階調の場合は0以上255以下で表される数値、平均色はRGB表示(256段階の場合、(204,0,0)は赤色、(183,65,14)は赤錆色を示す)、中心周波数は領域内の輝度分布のx,y方向の空間周波数成分の中心値である。
【0045】
そして、図中の矢印において示すように、画像ID200、撮影者ID201、カメラ情報202、及び画像データ205は画像入力部101から取得される情報であり、被写体情報203及び物理特徴情報204は画像特徴抽出部102から取得される情報である。
【0046】
また、画像データ205以外の付加情報である画像ID200、撮影者ID201、カメラ情報202、被写体情報203、及び物理特徴情報204はメタ情報206となる。
【0047】
図3は、本実施の形態1における音楽特徴抽出部105において抽出された抽出情報を含む音楽パケット111のデータ構成図である。
【0048】
この音楽パケット111は、楽曲毎に固有の識別番号となる音楽ID300、リズム情報301、音楽感性情報302、音楽の実体データとなる音楽データ303を含む。
【0049】
リズム情報301は音楽の早さを示すテンポ、リズム等である。音楽感性情報302は音楽データから抽出した感性を示すものである。音楽の感性は度合いをスコア化(数値化)して、激しさと暖かさで表現される。図3の音楽感性情報302でスコアの最大を50とした場合、激しさ=-40、暖かさ=-40は、「かなり静的かつ冷たい」ことを示す。
【0050】
そして、スライドショー生成に先立ち、予め画像特徴量の抽出を行う必要があるが、図4は、本実施の形態1に係る画像再生装置100の画像特徴抽出部102における被写体情報抽出の動作手順を示すフローチャートである。
【0051】
最初に、画像特徴抽出部102は画像入力部101から画像の入力を受け付ける(S401)。
【0052】
そして、画像特徴抽出部102は、人物の検出処理を行って人物が検出されるか否かを判定する(S402)。人物が検出される場合においては(S402でY)、さらに人物の特定ができるか否かの判定を行う(S403)。人物特定は登録した人物画像との比較により行う。登録された画像と類似性が高い場合に特定できる可能性が高く、特定できた場合は人物名を付与する。そして、人物が特定できる場合においては(S403でY)、人物名を付与して(S404)、人物が特定できない場合においては(S403でN)、単に人物ありと判断する(S405)。
【0053】
そして、画像特徴抽出部102は、これらの判定結果を画像パケット110の被写体情報203に書き込むと共に、画像蓄積部103に記録する(S407)。尚、人数、位置は人物検出時に同時に行えばよい。また、人物検出において、人物が検出されない場合においては(S402でN)、人物が撮影されていない画像と判断されるため(S406)、被写体情報203を書き込む必要はない。
【0054】
図5は、本実施の形態1に係る画像再生装置100の画像特徴抽出部102における物理量抽出の動作手順を示すフローチャートである。
【0055】
最初に、画像特徴抽出部102は、画像入力部101からの画像の入力を受け付ける(S501)。
【0056】
次に、画像特徴抽出部102は、画像を複数の領域に分割する(S502)。この分割処理は予め決まったパターンで行うが、おおまかな解析をした後に分割パターンを決めてもよい。
【0057】
次に、画像特徴抽出部102は、分割された領域毎に輝度情報、色情報、周波数情報を抽出して(S503)、物理特徴量を算出し、画像パケット110の物理特徴情報204に書き込み(S504)、この画像パケット110を画像蓄積部103に記録する。尚、図4及び図5に示す被写体情報と物理特徴量の抽出はどのような順番で行ってもよい。
【0058】
図6は、本発明に係る画像再生装置において、各画像間の関連度算出対象となる一組であるサブセットの説明図である。尚、図6においては、縦に系列、横に時間軸を示し、撮影された画像を時間軸上にa1,a2,..の様に図示されている。
【0059】
そして、本実施の形態1の説明において、系列とは撮影者を意味し、A系列はAさん、B系列はBさん、C系列はCさん、D系列はDさんが撮影した画像となる。つまり、本実施の形態1の説明においては、画像群は撮影者毎にA,B,C,Dの4系列に分かれ、各画像は時間に沿って撮影されている。
【0060】
また、図6においては、Aさんが撮影したA系列はa1,a2,a3が隣接した時間に撮影され、少し時間を置いてa4,a5が撮影されている。Bさんが撮影したB系列ではa2,a3に近い時間にb1,b2が撮影され、少し時間を置いてa4に近い時間にb3が撮影されている。C,D系列も見方は同様である。
【0061】
そして、関連度解析部112は、時間的に近い各系列のセットをサブセットとして自動検出する。本図においては点線で囲む部分がサブセットとなり、a1,a2,b1,c1,c2,d1がサブセット1、a2,a3,b1,b2,c2,d2がサブセット2、a4,a5,b3,c3,d3,d4がサブセット3に含まれる画像となる。尚、サブセットを作成するための時間とは、例えば結婚式においては数分オーダであり、旅行等においては日時オーダとなる等、撮影対象となるイベントの種類に応じて異なるようにすることが可能である。
【0062】
図7は、本実施の形態1に係る画像再生装置100が備える関連度解析部112の動作手順を示すフローチャートである。
【0063】
最初に、関連度解析部112は、画像蓄積部103からまず比較すべき2枚の画像を取得すると(S701)、各画像ごとの関連度を抽出する。本発明において、関連度は、基本的には2枚の画像を比較して算出される。
【0064】
次に、関連度解析部112は、時刻等、各種の類似度から各評価値の算出を行い、評価値は大きいほど関連度が高いと判断する。評価値の算出の対象と類似度になるのは、時刻(S702)、場所(S703)、被写体(S704)、物理特徴(S705)である。時刻、場所は一致すれば最高点(例えば100点)であり、離れるにつれて評価値を下げる。時刻については年月日の全ての類似度だけでなく、一部の情報である月日、時間だけの類似度を評価してもよい。尚、場所情報は、携帯電話機に備えられているGPS等を用いて取得することができる。時間情報は電波等を用いてデジタル画像の撮影を行う各端末の時間が一致していることが必要となる。また、被写体、物理情報については、時刻ほど明確に絶対的な数値が出るものではないので、評価値は0から最高点までがある程度分布するように調整する。被写体情報では画像内のオブジェクトの類似度が、物理情報では色・輝度分布といったレイアウト的な類似度が評価される。
【0065】
そして、関連度解析部112は、これらの評価値を重み付け加算する(S706)。重み付けの係数は固定値でもいいが、目的によってダイナミックに変えてもよい。例えば披露宴などのイベントであれば、時刻、被写体を重視する。また、一般的には、重み付けの重みは時刻、場所、被写体、物理量の順となる。
【0066】
最後に、関連度解析部112は、重み付け加算後の評価値が予め設定された閾値より大きいか否かの判定を行い(S707)、関連度の閾値に比較した大・小を判定する。この場合、関連度解析部112は、閾値より大きい場合には(S707でY)、関連度が強いと判定し(S709)、閾値より小さい場合においては(S707でN)、関連度が弱いと判定し(S708)、一連の関連度解析部112の動作を終了する。尚、本図の説明において関連度は大・小という2つの区分を用いているが、これに限定されるものではなくもっと細かく点数により区分を行っても構わない。
【0067】
また、関連度の保存方法であるが、本実施の形態1では関連度解析部112が一連の処理の流れの中で算出しているので、ソフトウェアで一時的にダイナミックに保持するが、都度計算するのは非効率であるので、画像登録時に算出して、メタ情報206内に保管してもよい。この場合、全ての画像との関連度を残すのは効率が悪いので、例えば関連度の高い上位10枚について、画像IDと評価値を画像パケット110内のメタ情報206に残せばよい(図2では図示せず)。
【0068】
さらに、全ての画像との関連度の算出をするのが理想であるが、計算コストを押さえるため、時刻で1次スクリーニングして、ある程度近いものに範囲を絞った上で詳細な評価値を出すのが好ましい。ここで時刻の近いものとは年月日が近いものに限らず、月日が近いものでもよい。こうすれば異なる年の同月日の画像が関連度が高いと評価され、並べて画面上に分割表示等されることで、記憶の想起に有効となり、ユーザのスライドショー再生時の娯楽性を向上させることが可能となる。
【0069】
また、本図の説明において、関連度を求めるために、2枚の画像の比較について述べた
が、複数の場合は以下の様に考えて、スライドショーのシナリオ生成に利用することが可能となる。例えば、3枚の画像a,b,cにおいて、aとb、bとc、cとaの2枚の間では関連度を評価済みとする。関連度の閾値は10として、これより大きければ関連度大とする。
(1)a,bの関連度20、b,cの関連度30、c,aの関連度50の場合:この場合には、画像セット(a,b,c)を関連度の高いグループとして扱う。
(2)a,bの関連度20、b,cの関連度30、c,aの関連度1の場合:この場合には、画像セット(a,b)(b,c)を関連度の高いグループとして扱う、さらに(a,b,c)を関連度の高いグループとして扱ってもよい。
(3)a,bの関連度20、b,cの関連度5、c,aの関連度1の場合:この場合には、画像セット(a,b)を関連度の高いグループとして扱う。
【0070】
図8は、本実施の形態1に係る画像再生装置100のスライドショー生成部108の動作手順を示すフローチャートである。尚、スライドショー生成及び再生時の動作手順は大きく「画像所得、関連度解析」、「スライドショー生成」、「スライドショー再生」の3つに分かれる。
【0071】
最初に、スライドショー生成部108は、画像蓄積部103からA,B,C,D系列の画像を取得する(S801)。
【0072】
そして、スライドショー生成部108は、A,B,C,D各系列からサブセット検出を行う(S802)。
【0073】
次に、スライドショー生成部108は、画像間の関連度を調べる(S803)。ここでは関連度が強いか否かの判定を行う。
【0074】
そして、スライドショー生成部108は、メニュー入力部107を介してユーザから入力指示されるスタイルに応じて視覚効果を付与するが、ここで関連度が弱いと判定される場合においては(S803でN)、関連度の弱い画像用の視覚効果(S804)、関連度が強いと判定される場合においては(S803でY)、関連度の強い画像用の視覚効果を付与する(S805)。尚、本実施の形態の説明において、関連度が強いとは撮影日時、撮影場所、撮影者、被写体情報、輝度情報、色情報が類似しているということであり、関連度が弱いとは、撮影日時、撮影場所、撮影者、被写体情報、輝度情報、色情報が類似していないということである。また、視覚効果には、関連度に応じて、画面の分割方法、画像の表示時間、画像の動かし方に差をつける。これに関しては後述の図10及び図11において説明する。
【0075】
また、スライドショー生成部108は、以上の処理を決められた長さシナリオが生成されたか否かの判定を行い(S807)、決められた長さまでシナリオが生成されていない場合においては(S807でN)、S801からS806までのステップを繰り返し、決められた長さまでシナリオが生成されている場合においては(S807でY)、シナリオの形でシナリオ解析部113に出力し、シナリオ解析部113で解読して、表示部109に出力することでスライドショー再生を行う(S808)。尚、シナリオとは画像と視覚効果を時間に沿って記述したものである。
【0076】
図14は、本発明の画像再生装置のスライドショー生成部108において画像間の関連度に基づいて作成されるシナリオのデータ構成例1400を示す参考図である。本図に示すように、シナリオ1400には、例えば、関連度に基づいて(1)再生時間(2)画像の割り当て(3)視覚効果(例えば、派手にするにはズーム、おとなしめにするには静止)(4)BGMが記述されている。
【0077】
続いて、披露宴のシーンを想定した具体的なスライドショー生成について、図9〜図11を用いて説明する。
【0078】
図9は、画像撮影の様子を示すタイムチャート図である。本図に示す様に、本実施の形態の説明においては、披露宴は大きく4つの区間「開始前」、「ケーキ入刀」、「歓談」、「キャンドルサービス」の順で進行するものとする。
【0079】
そして、本実施の形態1においては、4人の撮影者が画像を撮影し、それぞれの画像群をA,B,C,D系列とする。ここでは「区間1」の開始前にA系列ではa1,a2の2枚が、B,C,D系列ではb1,c1,c1の各1枚が撮影され、また、「区間2」のケーキ入刀と「区間4」のキャンドルサービスでは短時間に大量の画像が撮影され、「区間3」の歓談では開始前と同様に離散的に撮影されている。
【0080】
また、本図においては、サブセットを点線で示している。例えば、関連度解析部112は、撮影時間に基づいて、時間の近いものをサブセットとすることで、自動でサブセットの検出が可能である。また、本発明においては、歓談時の様な離散的な、つまり撮影頻度の低い場合に備え、ある程度の枚数が集まればそれをサブセットとする。
【0081】
図10及び図11は、画像撮影の様子を示すタイムチャート図と、このタイムチャート図に対応するマルチ画面での画像再生の様子を示す画面イメージ図である。また、図10は、最初の「区間1」及び「区間2」に対応する画面イメージ図を示し、図11は、「区間3」及び「区間4」に対応する画面イメージ図を示している。
【0082】
まず、図10に示すように、「区間1」の開始前においては、会場の様子、参加者などが撮影されているので、被写体に大きな差があり、また時間もばらつくので、関連度は低いと評価される。その結果、画面が4分割され、そこに4枚の画像が表示される。ここではなるべく撮影時間が近いものを4枚並べる。原則、左上にA系列、右上にB系列、左下にC系列、右下にD系列の画像を表示するが、これに限る必要はない。視覚効果も静かなものを付与し、単に画像を切り替えるだけでもよい。
【0083】
次に、図10に示す「区間2」のケーキ入刀になると、全ての系列で、新郎新婦がケーキに入刀するシーンを少しずつ違う角度から撮影される。このため、被写体の類似度が高くなり、また時間間隔も狭いので、撮影時刻の類似度も高くなる。その結果、この「区間2」で撮影された画像間の関連度は高いと評価される。そこで、開始前の「区間1」と差をつけて、派手な演出をして画面にスライド表示する。
【0084】
また、本実施の形態1においては、まず画面を4画面から1画面に切り替え、画面一杯にa3,a4,a5を順に表示し、その後、再び4画面に分割して、a3,b2,c2,d2等、ほぼ同じ時間に撮影された画像を4枚同時に表示する。これにより、大きな画面でのスライドショー再生時のインパクトを与えると共に、画面分割によって同一シーンをマルチアングルで撮影したような効果を出すことができる。また、視覚効果もズーム、パンなどの動きのあるものを付与する。
【0085】
次に、図11に示す歓談の「区間3」に入る。この「区間3」においては、開始前同様、被写体に大きな差があり撮影時間も離散的なので、関連度は低いと評価される。その結果、画面が4分割され、そこに4枚の画像をなるべく撮影時間が近いもの選んで並べて表示する。視覚効果は静かなものを付与し、単に画像を切り替えるだけでもよい。
【0086】
最後に、図11に示すキャンドルサービスの「区間4」ではケーキ入刀の「区間2」と同じく、類似した被写体が撮影されているので、関連度は高いと評価される。画面分割については、例えばキャンドルサービスと視覚効果の順番を入れ替えて、最初に4枚表示、次にa10,b8,c7,d7を画面全体に表示する。視覚効果も派手なものを使用する。
【0087】
尚、ここでのポイントは「開始前、歓談」の区間と「ケーキ入刀、キャンドルサービス」の区間で視覚効果に差をつけ、後者が目立つようにすることであり、演出は必ずしも上記した通りである必要はない。また、画像の表示時間も後者を長めにした方がよい。また、携帯カメラに備えられている連写機能を用いて撮影された画像間は撮影時間がほぼ同じであるために関連度が高く、これら画像を目立つように表示したり、分割表示したりできる。
【0088】
次に、撮影者が1人の場合におけるスライドショー生成について、図12を用いて説明する。図12は、系列が1つの場合の画像撮影とマルチ画面での再生の様子を示す参考図である。尚、図10及び図11と同様に披露宴をモデルとして説明するが、本図では披露宴は大きく2つの区間「開始前」及び「ケーキ入刀」の順で開催されるものとする。
【0089】
そして、開始の「区間1」ではa1,a2の2枚、ケーキ入刀の「区間2」ではa3,a4,a5,a6,a7の5枚が撮影される。ケーキ入刀の「区間2」では短時間に大量の画像が撮影され、開始前の「区間1」では離散的に撮影される。また、本図においてサブセットを点線で示す。
【0090】
次に、スライドショー生成について説明すると、まず開始前の「区間1」では会場の様子、参加者などが撮影されており、被写体に大きな差があるので、関連性は低いと評価される。その結果、画面が4分割され、そこに4枚の画像が表示されるが、ここでは画像が2枚しかないので一部は重複して表示される。また、無理に画面を4分割する必要はなく、画面を2分割してもよい。視覚効果は静かなものを付与し、単に画像を切り替えるだけでもよい。また、BGMも同様に穏やかな音楽が自動的に選択される。
【0091】
次に、ケーキ入刀の「区間2」になると、新郎新婦がケーキに入刀するシーンを連続的に撮影するので、被写体の類似度が高くなり、また時間間隔も狭いので、撮影時刻の類似度も高くなる。そのため、ここで撮影された画像間の関連性は高いと評価される。そこで開始前と差をつけ、派手な演出をして表示する。ここではまず画面全体にa3,a4,a5,a6を順次表示し、その後a4,a5,a6,a7の4枚を分割表示する。これにより、本実施の形態1に係る画像再生装置100においては、連続したシーンをマルチアングルで撮影したような効果を出すことができる。視覚効果もズーム、パンなどの動きのあるものを付与する。また、BGMも同様に激しい種類の音楽が自動的に選択される。
【0092】
以上のように、本発明にかかる画像再生装置においては、1人で撮影した場合においても、4人で撮影した場合と同様に「開始前」と「ケーキ入刀」で視覚効果に差をつけ、後者が目立つように再生することが可能となる。
【0093】
図13は、本実施の形態1に係る画像再生装置100の画面に表示されるスライドショー再生時の画像表示例を示す参考図である。
【0094】
図13(a)は、上述した結婚式の分割画面(Aさんの撮影画像、Bさんの撮影画像、Cさんの撮影画像、Dさんの撮影画像)、及び代表画像の逐次表示を切り替えながらスライドショーを再生するものである。このように表示することで、関連度の高い関連画像を比較表示することができ、また、大量・類似のデジタル画像を用いた画面表示におけるバリエーションを増やすことが可能となる。
【0095】
図13(b)は、ゴールシーンの分割画面である。このように、同一のゴールシーン(ネット裏、左から、客席の様子、撮影者の視点)を分割表示する。この場合においては、時刻や場所等に基づく関連度を用いることにより、他者の視点からの画像をスライドショーとして再生することが可能となる。また、ネットワーク等を介したコミュニケーションにより他者から関連度の高い画像を取得して、これらの画像を用いたスライドショーを再生することにより、メッセージ性を有し、より娯楽性を高めたスライドショー再生を行うことができる。
【0096】
図13(c)は、奈良町の今昔(50年前、10年前、少し違う場所、今)を示す分割画面である。この場合においては、場所に基づく関連度を用いることにより、同じ場所の違う時期の映像をスライドショーとして再生することが可能となる。
【0097】
以上の説明のように、本実施の形態1に係る画像再生装置100においては、関連度解析部112において画像間の関連度を抽出し、スライドショー生成部108は、この関連度に基づいて視覚効果等を与えたスライドショーのシナリオの生成を行う。従って、本発明に係る画像再生装置においては、撮影された大量・類似のデジタル画像を用いて、関連度の弱い画像は分割表示し、関連度の強い画像間は1画面表示される等、ユーザにとって画像間の関連性を把握しながら、また面白みのあるスライドショー再生が実現することが可能となる。
【0098】
また、ネットワークを介して他者の有する画像から関連度の近い画像を取得してスライドショーとして再生することにより、他者の視点からの画像を用いたスライドショーを実現することが可能となる。
【0099】
尚、本実施の形態1に係る画像再生装置100では、系列として撮影者で分ける場合を示したが、そうである必要はなく、撮影年で分ければ、分割された画面に各年の同一時期の画像を表示することができる。
【0100】
また、画面の分割数も4である必要はなく、画像の系列数、表示する画面の大きさで選べばよい。また、分割数と系列数は一致する必要はない。
【0101】
また、本実施の形態1においては、画像を蓄積した後の動作を述べたが、撮影者がお互いに画像を送りあいながらスライドショーを生成してもよい。例えば、サッカー会場で、違う席に座った人同士で撮った画像を送りあえば、ゴールシーンにおいて異なる角度からのシーンを並べて比較表示できる。また、上述した披露宴のスライドショー再生においても、式参加と閲覧がリアルタイムで行える。画像の送受信に関して補足すれば、最近の携帯電話では高性能のデジタルカメラが内蔵されており、また携帯電話モジュール自体も安価になっているので、撮影と通信機能の融合した機器は容易に提供可能である。
【0102】
さらに、画像パケット110に含まれるメタ情報206は図2に示したものに限る必要はない。イベント名、人物以外の任意のオブジェクトの情報などもよく、自動抽出が困難あれば手動で付与してもよい。これらを元にすると例えばコレクションしたアイテムの関連度が高い場合は関連付けて表示することも可能となる。
【0103】
また、本実施の形態1では、複数の画面として、物理的に1つの画面を複数のウインドウに分割する場合を示したが、物理的に異なるものでよい。この場合の大画面表示とは、複数の表示装置にそれぞれ画像の一部を表示して、全体で大きな一枚の画像に見える様にすればよい。
【0104】
また、関連度の弱い画像は分割表示し、関連度の強い画像間は1画面表示される例を中心に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、要は関連度の大小に応じて変化をつけることが重要であり、例えば関連度が高いと判断される連写の場合、画面を分割して表示する、1画面で高速に切り替えて動画的に見せるなどの方法も有効である。
【0105】
また、スライドショー再生として静止画の場合についてのみ述べたが、本願は静止画に限定するものではなく、動画は静止画の集合であるので動画においても同様の関連度を抽出して関連する画像を再生することも考え得る。
【0106】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る画像再生装置の説明を行う。本実施の形態2では、L番目の画像セットを元にL+1番目の画像セットを選ぶ画像セットの選択に特徴がある。また、本実施の形態2に係る画像再生装置の機能構成は上述した実施の形態1と同じであるために、その詳細な説明を省略する。
【0107】
図15は、本発明の実施の形態2に係る画像再生装置のスライドショー生成部108のスライドショー生成及び再生時の動作手順を示すフローチャートである。また、本実施の形態2の画像再生装置においては、既に画像間の関連度が算出され、現時点でスライドされている画像の関連度に類似している画像を次に再生するものである。
【0108】
最初に、スライドショー生成部108は、画像蓄積部103から画像セットを選択し(S1501)、関連度を調べ、その結果に応じて視覚効果を付与する。
【0109】
次に、選択された画像のメタ情報206を元に、次の画像セットを選択する処理を行う(S1502)。尚、この選択処理は通常1回行われるものである。
【0110】
例えば、画像セットとして2枚の場合を例にあげる。最初の画像をa1,a2とすると、これらのメタ情報206は以下とする。
【0111】
a1:時刻=2004/06/20、場所=東京、人物=Aさん
a2:時刻=2004/06/21、場所=大阪、人物=Bさん
次に、スライドショー生成部は、このメタ情報206を組み合わせ、または一部を変えたもので次の画像を検索する。次に、選ばれた画像をb1及びb2とすると、これらのメタ情報206は以下となる。
【0112】
b1:時刻=2004/06/22、場所=東京、人物=Aさん
b2:時刻=2004/06/20、場所=東京、人物=Bさん
b1はa1のメタ情報206のうち時刻を変更、b2はメタ情報206として時刻と場所はa1から、人物はa2から現時点で再生されている画像と関連しているものとして抽出されたものである。
【0113】
そして、スライドショー生成部108は、画像間の関連度を調べる(S1503)。ここでは関連度が強いか否かの判定を行う。
【0114】
そして、スライドショー生成部108は、メニュー入力部107を介してユーザから入力指示されるスタイルに応じて視覚効果を付与するが、ここで関連度が弱いと判定される場合においては(S1503でN)、関連度の弱い画像用の視覚効果(S1504)、関連度が強いと判定される場合においては(S1503でY)、関連度の強い画像用の視覚効果を付与する(S1505)。
【0115】
次に、スライドショー生成部108は、以上の処理を決められた長さシナリオが生成されたか否かの判定を行い(S1507)、決められた長さまでシナリオが生成されていない場合においては(S1507でN)、S1501からS1506までのステップを繰り返し、決められた長さまでシナリオが生成されている場合においては(S1507でY)、シナリオの形でシナリオ解析部113に出力し、シナリオ解析部113で解読して、表示部109に出力することでスライドショーの再生を行う(S1508)。
【0116】
以上のように、本実施の形態2に係る画像再生装置100においては、メタ情報206を用いて、これにより何らかの関連性を持つ画像が次々に検索される。また一部変更の要素があるので、スライドショー再生中に再生される次の画像が、予期しない思わぬ画像に飛ぶこともある。即ち、画像間の連想により次の画像セットを選択するために、時々変異が起こる連想ゲーム的な画像の表示が実現し、ユーザにとっては記憶の想起と意外性の両面で面白みを感じるスライドショー生成を実現することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明に係る画像再生装置は、画像の再生機能を有するデジタルカメラ、携帯電話機、カーナビ、DVDレコーダ、PDA等の装置として用いることができ、また、本発明に係る画像再生方法はPCでのデジタル写真の閲覧ソフトとして有用となる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】実施の形態1における画像再生装置のブロック構成図
【図2】実施の形態1における画像特徴抽出部において抽出されたデータを含む画像パケットのデータ構成図
【図3】実施の形態1における音楽特徴抽出部において抽出された抽出情報を含む音楽パケットのデータ構成図
【図4】実施の形態1に係る画像再生装置の画像特徴抽出部における被写体情報抽出の動作手順を示すフローチャート
【図5】実施の形態1に係る画像再生装置の画像特徴抽出部における物理量抽出の動作手順を示すフローチャート
【図6】本発明に係る画像再生装置において、各画像間の関連度算出対象となる一組であるサブセットの説明図
【図7】実施の形態1に係る画像再生装置が備える関連度解析部の動作手順を示すフローチャート
【図8】実施の形態1に係る画像再生装置のスライドショー生成部の動作手順を示すフローチャート
【図9】画像撮影の様子を示すタイムチャート図
【図10】最初の「区間1」及び「区間2」に対応する画面イメージ図
【図11】「区間3」及び「区間4」に対応する画面イメージ図
【図12】系列が1つの場合の画像撮影とマルチ画面での再生の様子を示す参考図
【図13】実施の形態1に係る画像再生装置の画面に表示されるスライドショー再生時の画像表示例を示す参考図
【図14】発明の画像再生装置のスライドショー生成部において画像間の関連度に基づいて作成されるシナリオのデータ構成例を示す参考図
【図15】実施の形態2に係る画像再生装置のスライドショー生成部のスライドショー生成及び再生時の動作手順を示すフローチャート
【図16】従来のスライドショー装置の構成図
【符号の説明】
【0119】
101 画像入力部
102 画像特徴抽出部
103 画像蓄積部
104 音楽入力部
105 音楽特徴抽出部
106 音楽蓄積部
107 メニュー入力部
108 スライドショー生成部
109 表示部
110 画像パケット
111 音楽パケット
112 関連度解析部
113 シナリオ解析部
200 画像ID
201 撮影者ID
202 カメラ情報
203 被写体情報
204 物理特徴情報
205 画像データ
206 メタ情報
300 音楽ID
301 リズム情報
302 音楽感性情報
303 音楽データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを用いて再生を行う画像再生装置であって、
前記画像データから画像特徴量を抽出する画像特徴抽出手段と、
前記画像データに関連する画像情報と前記画像特徴量とに基づき、他の画像との類似性を示す情報である関連度を解析する関連度解析手段と、
前記関連度に基づいて前記画像データを用いたスライドショーの再生を行うスライドショー生成手段とを備える
ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
前記スライドショー生成手段は、前記関連度に基づいて前記再生を行う画像の集まりである画像群を選択する画像選択部と、前記関連度に基づいて前記画像群の再生時の視覚効果を決定する視覚効果決定部と、前記関連度に基づいて前記画像群に含まれる画像の再生順序であるシナリオを生成するシナリオ生成部とを備え、
選択された前記画像群を、決定された前記視覚効果を用いて前記シナリオの順番に再生する
ことを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
【請求項3】
前記画像情報には、前記画像データを撮影した撮影時刻、撮影場所、及び撮影者のうち少なくとも1つの情報が含まれる
ことを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
【請求項4】
前記画像特徴量には、前記画像データに含まれる被写体に関する被写体情報及び物理情報である物理特徴量が含まれ、
前記画像特徴抽出手段は、前記被写体情報及び前記物理特徴量を抽出する
ことを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
【請求項5】
前記物理特徴量には、前記画像データの輝度に関する輝度情報、色に関する色情報、及び周波数情報のうちの少なくとも1つが含まれ、
前記被写体情報には、被写体の人数、被写体の人物名、被写体の位置、及び被写体の大きさのうちの少なくとも1つが含まれる
ことを特徴とする請求項4記載の画像再生装置。
【請求項6】
前記視覚効果決定部は、前記視覚効果として、画面を1以上の小画面に分割して表示する分割表示、前記画像データの表示時間、前記画像データの動かし方を決定する
ことを特徴とする請求項2記載の画像再生装置。
【請求項7】
前記視覚効果決定部は、前記関連度に応じ、前記画像データ間の再生時において前記分割表示を行うように決定する
ことを特徴とする請求項6記載の画像再生装置。
【請求項8】
前記視覚効果決定部は、前記関連度が高い画像データの再生時には、前記表示時間を長い時間、前記画像データを大きく表示、又は遅く動かすように前記視覚効果を決定する
ことを特徴とする請求項6記載の画像再生装置。
【請求項9】
前記画像再生装置は、さらに、
音楽データから音楽特徴量を抽出する音楽特徴抽出手段を備え、
前記視覚効果決定部は、前記関連度及び前記音楽特徴量に基づいて前記視覚効果を決定する
ことを特徴とする請求項2記載の画像再生装置。
【請求項10】
前記関連度解析手段は、前記撮影時刻、前記撮影場所、前記撮影者、前記被写体情報、前記物理特徴情報の重み付けを決定する重み付け決定部を備え、
前記関連度解析手段は、前記重み付け決定部により重み付けされた後の値を用いて前記関連度を解析する
ことを特徴とする請求項3記載の画像再生装置。
【請求項11】
前記画像選択部は、前記関連度に基づいて、全体の画像群から一部の画像の集合をサブセットとして選択し、
前記関連度解析手段は、当該サブセット内の画像間の関連度を解析する
ことを特徴とする請求項2記載の画像再生装置。
【請求項12】
前記画像選択部は、前記関連度として撮影時刻が近接した画像データの集合を前記サブセットとして選択する
ことを特徴とする請求項11記載の画像再生装置。
【請求項13】
前記画像選択部は、M,Nを1以上の整数とした場合、M系列の画像群からN系列の画像群を選択し、
前記視覚効果決定部は、画面をN個のウインドウに分割し、前記N系列の画像を分割表示すると決定する
ことを特徴とする請求項2記載の画像再生装置。
【請求項14】
前記M系列は撮影者により分けられている
ことを特徴とする請求項13記載の画像再生装置。
【請求項15】
前記視覚効果決定部は、前記M系列が1系列である場合においては、前記画像データの撮影場所、撮影時刻の一部または組み合わせにより前記ウインドウを分割すると決定する
ことを特徴とする請求項13記載の画像再生装置。
【請求項16】
前記M系列は撮影機器により分けられている
ことを特徴とする請求項13記載の画像再生装置。
【請求項17】
前記画像選択部は、Lを1以上の整数とした場合、L番目に選択された画像群の前記画像情報又は前記関連度の少なくとも1部に基づいて、L+1番目の画像群を選択する
ことを特徴とする請求項2記載の画像再生装置。
【請求項18】
前記画像選択手段は、前記L番目に選択された前記画像群の前記画像情報又は前記関連度の少なくとも1部を変更した画像情報又は関連度を有する画像群を前記L+1番目の画像群として選択する
ことを特徴とする請求項17記載の画像再生装置。
【請求項19】
前記画像再生装置は、さらに、
前記シナリオを解析するシナリオ解析手段と、
前記スライドショー生成手段で生成されたスライドショーの再生表示を行う表示手段とを備える
ことを特徴とする請求項2記載の画像再生装置。
【請求項20】
画像データを用いて再生を行う画像再生装置に用いる画像再生方法であって、
前記画像データから画像特徴量を抽出する画像特徴抽出ステップと、
前記画像データに関連する画像情報と前記画像特徴量とに基づき、他の画像との類似性を示す情報である関連度を解析する関連度解析ステップと、
前記関連度に基づいて前記画像データを用いたスライドショーの再生を行うスライドショー生成ステップとを含む
ことを特徴とする画像再生方法。
【請求項21】
前記スライドショー生成ステップには、さらに、前記関連度に基づいて前記再生を行う画像の集まりである画像群を選択する画像選択ステップと、前記関連度に基づいて前記画像群の再生時の視覚効果を決定する視覚効果決定ステップと、前記関連度に基づいて前記画像群に含まれる画像の再生順序であるシナリオを生成するシナリオ生成ステップとを含み、
前記スライドショー生成ステップにおいては、選択された前記画像群を、決定された前記視覚効果を用いて前記シナリオの順番に再生する
ことを特徴とする請求項20記載の画像再生方法。
【請求項22】
画像データを用いて再生を行う画像再生方法に用いるプログラムであって、
前記画像データから画像特徴量を抽出する画像特徴抽出ステップと、
前記画像データに関連する画像情報と前記画像特徴量とに基づき、他の画像との類似性を示す情報である関連度を解析する関連度解析ステップと、
前記関連度に基づいて前記画像データを用いたスライドショーの再生を行うスライドショー生成ステップとを含む
ことを特徴とするプログラム。
【請求項23】
前記スライドショー生成ステップには、さらに、前記関連度に基づいて前記再生を行う画像の集まりである画像群を選択する画像選択ステップと、前記関連度に基づいて前記画像群の再生時の視覚効果を決定する視覚効果決定ステップと、前記関連度に基づいて前記画像群に含まれる画像の再生順序であるシナリオを生成するシナリオ生成ステップとを含み、
前記スライドショー生成ステップにおいては、選択された前記画像群を、決定された前記視覚効果を用いて前記シナリオの順番に再生する
ことを特徴とする請求項22記載のプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−140559(P2006−140559A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326070(P2004−326070)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】