説明

画像再生装置

【課題】 画像中の人物の顔領域を表示部に所望の拡大表示率で拡大表示した際の、表示部の表示領域に対する顔領域の比率でもって、画像中の他の人物の顔領域または他画像中における人物の顔領域を表示部に表示することができる画像再生装置を提供する。
【解決手段】 画像を表示する表示部8と、前記画像中の人物の顔領域を前記表示部に拡大表示する際の、拡大表示率を操作する拡大操作手段と、前記拡大操作手段によって指示された拡大表示率で拡大表示された前記顔領域の、前記表示部における表示領域に対する比率を算出する算出手段と、前記算出手段で算出された前記比率を記憶する記憶手段12と、前記画像中の他の人物の顔領域、または前記画像とは異なる他画像中における人物の顔領域を、前記記憶手段に記憶された前記比率を用いて前記表示部に拡大表示せしめる制御手段4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を再生表示する画像再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像中の複数の人物の顔をそれぞれ顔領域データとして切り出し、切り出した顔領域データの解像度を表示パネルの表示解像度に合わせて変換し、変換された解像度を有する顔領域データのそれぞれを表示パネルに順次拡大表示する画像生成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−261711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の画像生成装置においては、ユーザーにより任意で設定された拡大表示率で人物の顔領域を表示パネルに拡大表示した際の、表示パネルの表示領域に対する比率で、画像中の他の人物の顔領域または他の画像中における人物の顔領域を表示パネルに拡大表示することができない。
【0005】
本発明の目的は、画像中の人物の顔領域を表示部に所望の拡大表示率で拡大表示した際の、表示部の表示領域に対する顔領域の比率でもって、画像中の他の人物の顔領域または他画像中における人物の顔領域を表示部に表示することができる画像再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下のような解決手段により上記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施の形態に対応する符号を付して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
本発明の画像再生装置は、画像を表示する表示部(8)と、前記画像中の人物の顔領域を前記表示部に拡大表示する際の、拡大表示率を操作する拡大操作手段(4)と、前記拡大操作手段(4)によって指示された拡大表示率で拡大表示された前記顔領域の、前記表示部(8)における表示領域に対する比率を算出する算出手段(4)と、前記算出手段(4)で算出された前記比率を記憶する記憶手段(12)と、前記画像中の他の人物の顔領域、または前記画像とは異なる他画像中における人物の顔領域を、前記記憶手段(12)に記憶された前記比率を用いて前記表示部(8)に拡大表示せしめる制御手段(4)とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像再生装置によれば、画像中の人物の顔領域を表示部に所望の拡大表示率で拡大表示した際の、表示部の表示領域に対する比率でもって、画像中の他の人物の顔領域または他画像中における人物の顔領域を表示部に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態に係る画像再生装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る画像再生装置において画像中の人物の顔領域を拡大表示する際の処理について説明するためのフローチャートである。
【図3】実施の形態に係る画像表示部の表示例を示す図である。
【図4】初期拡大表示率を算出する方法について説明するための図である。
【図5】実施の形態に係る画像表示部の表示例を示す図である。
【図6】実施の形態に係る画像表示部の表示例を示す図である。
【図7】実施の形態に係る画像再生装置において画像中の人物の顔領域を任意の拡大表示率で拡大表示する際の処理について説明するためのフローチャートである。
【図8】実施の形態に係る画像表示部の表示例を示す図である。
【図9】実施の形態に係る画像表示部の表示例を示す図である。
【図10】拡大調整量を算出する方法について説明するための図である。
【図11】移動調整量を算出する方法について説明するための図である。
【図12】実施の形態に係る画像再生装置において画像中の他の人物の顔領域を拡大表示する際の処理について説明するためのフローチャートである。
【図13】実施の形態に係る画像表示部の表示例を示す図である。
【図14】実施の形態に係る画像表示部の表示例を示す図である。
【図15】実施の形態に係る画像表示部の表示例を示す図である。
【図16】実施の形態に係る画像表示部の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る画像再生装置について説明する。図1は、実施の形態に係る画像再生装置2のシステム構成を示すブロック図である。この画像再生装置2は、パソコン(PC)、デジタルカメラ、携帯電話、プロジェクタ装置などその他、画像再生機能を有する装置のことである。図1に示すように、画像再生装置2は、制御部4、記録媒体6、画像表示部8、操作部10、調整量記憶部12を備えて構成されている。
【0011】
制御部4は、CPU等により構成されており、画像再生装置2の各部を統括的に制御する。記録媒体6は、画像再生装置2に設けられた記録媒体差込口(図示せず)に着脱可能に装着される可搬性を有する記録媒体であり、記録媒体6には、複数の画像データが記録されている。画像表示部8は、記録媒体6に記録されている画像データに基づく画像を表示する。操作部10は、電源をオン/オフする電源ボタン、画像表示部8に表示されている画像中の人物の顔領域を自動的に抽出して拡大表示させるための顔拡大表示モードに表示モードを移行するための顔拡大ボタン、画像表示部8に表示されている画像を任意の拡大表示率で拡大表示させるための拡大ボタン、画像表示部8に表示されている画像を任意の縮小表示率で縮小表示させるための縮小ボタン、画像表示部8に表示されている人物の顔領域を画像表示部8の表示領域に対して移動させるための顔移動キー(十字操作キー)、設定した任意の拡大表示率および顔領域の移動位置で設定値を決定させるための決定キー(OKキー)等を含んで構成されている。調整量記憶部12は、画像表示部8に任意の拡大表示率で表示された画像の、画像表示部8の表示領域に対する比率である拡大調整量、及び画像表示部8に表示されている画像中の人物の顔領域の、画像表示部8の表示領域に対する中心位置の移動量である移動調整量を記憶する。
【0012】
次に、図2に示すフローチャートを参照して、実施の形態に係る画像再生装置2において、画像表示部8に表示されている画像中の人物の顔領域を拡大表示する際の処理について説明する。
【0013】
まず、制御部4は、記録媒体6に記録されている画像データに基づく画像が画像表示部8に表示されている状態で、ユーザーにより顔拡大ボタンが押下されたか否かを判別する(ステップS10)。顔拡大ボタンが押下されたと判別された場合には(ステップS10、Yes)、制御部4は、画像中の人物の顔領域を検出し、検出結果に基づいて顔検出情報リストを作成する(ステップS11)。例えば、図3に示すように、画像表示部8に画像20が表示されている場合において、周知の顔認識処理等により画像20中の人物の顔部分を含む顔領域22a〜22fを検出する。そして、検出された顔領域22a〜22fの画像表示部8の表示領域に対する大きさや位置等の情報を含む顔検出情報リストを作成する。なお、図3において、画像表示部8の表示領域内の右下部に表示されている画像24は、画像20の縮小画像であり、その機能については後述する。
【0014】
次に、制御部4は、ステップS11において作成された顔検出情報リストの中に、顔領域の情報があるか否かを判別する(ステップS12)。即ち、画像表示部8に表示されている画像の中に人物の顔が含まれているか否かを判別する。例えば、画像表示部8に表示されている画像が風景を写したものであって人物を写したものでない場合には、画像中に人物の顔が含まれていないため、顔検出情報リストの中の顔領域の情報は0であり、制御部4は、顔領域の情報がないと判別する(ステップS12、No)。制御部4は、顔領域の情報がないと判別した場合には(ステップS12、No)、画像表示部8に表示されている画像の拡大表示を行うことなく、処理を終了する。
【0015】
一方、図3に示すように、画像表示部8に表示されている画像20が人物を写したものである場合には、画像20中に人物の顔が含まれているため、制御部4は、顔検出情報リストの中に顔領域22a〜22fの情報があると判別する(ステップS12、Yes)。そして、顔領域22a〜22fの情報があると判別された場合には(ステップS12、Yes)、制御部4は、顔領域22a〜22fが画像表示部8の表示領域8に対して傾きを持っているか否かを判別する(ステップS13)。例えば、顔領域22e内の人物の顔の傾き量は、画像表示部8の表示領域8に対して0でない(傾いている)。したがって、制御部4は、顔領域22eは画像表示部8の表示領域に対して傾きを持つと判別し(ステップS13、Yes)、周知の傾き検出処理等を用いて、画像表示部8の表示領域に対する顔領域22eの傾き量を検出し、検出結果に基づいて周知の画像回転処理等により画像表示部8の表示領域に対する顔領域22eの傾き量を0とするために、顔領域22eに対して局所的な回転処理を行う(ステップS14)。なお、画像表示部8の表示領域に対して、顔領域22a〜22d,22f内の人物の顔の傾き量は略0であるため、制御部4は、画像表示部8の表示領域に対して顔領域22a〜22d,22fの傾きがないと判別する(ステップS13、No)。
【0016】
画像表示部8の表示領域に対する顔領域の傾き量を0とする回転処理が行われた後(ステップS14)、または、画像表示部8の表示領域に対して顔領域の傾きがないと判別された場合(ステップS13、No)には、画像表示部8の表示領域に対する顔領域の初期拡大表示率を算出する(ステップS15)。
【0017】
具体的には、図4に示すように、画像表示部8の表示領域の横方向における長さをaa、縦方向における長さをbbとし、顔領域(図4では顔領域22a)の横方向における長さをa、縦方向における長さをbとしたとき、H=aa/aとV=bb/bとを比較する。V≦Hの場合には、顔領域22aの初期拡大表示率をVとし、V>Hの場合には、顔領域22aの初期拡大表示率をHとする。この実施の形態では、顔領域22aの初期拡大表示率は、V>HであるためHである。このように、初期拡大表示率は、個々の顔領域22a〜22fにより異なり、顔領域22a〜22f毎に算出される。
【0018】
次に、制御部4は、ステップS15において算出された初期拡大表示率で顔領域を画像表示部8に拡大表示する(ステップS16)。図5は、顔領域22aの中心位置を画像表示部8の表示領域の中心位置に配置し、初期拡大表示率Hで画像表示部8に画像20の顔領域22aを拡大表示した状態を示す図である。なお、図5に示すように、画像20の縮小画像24上には、画像表示部8に拡大表示されている顔領域22aの縮小画像を囲む枠26aが表示されている。枠26aは画像表示部8の表示領域を示しており、ユーザーは、枠26aを視認することにより、画像20の中の何れの領域が拡大表示されているかを容易に判別することができる。
【0019】
また、図6は、顔領域22eの初期拡大表示率で画像表示部8に画像20の顔領域22eを拡大表示した状態を示す図である。図6に示すように、制御部4は、回転処理がなされた顔領域22eの中心位置を画像表示部8の表示領域の中心位置に配置し、顔領域22eを拡大表示する。図6においても、図5と同様に、縮小画像24上には、画像表示部8に拡大表示されている顔領域22eの縮小画像を囲む枠26bが表示されている。
【0020】
なお、画像20のように複数の人物の顔領域が存在する場合には、予め設定された順序で(例えば、画面左側から順に)各顔領域を画像表示部8に順次拡大表示する。この場合には、ユーザーによる操作指示により、または所定時間間隔で次の顔領域を画像表示部8に拡大表示する。
【0021】
次に、図7に示すフローチャートを参照して、実施の形態に係る画像再生装置2において、画像表示部8に拡大表示されている顔領域を任意の拡大表示率で拡大表示する際の処理について説明する。
【0022】
まず、制御部4は、画像表示部8に顔領域が拡大表示されているときに(ステップS20、Yes)、ユーザーにより拡大ボタンが押下されると(ステップS21、Yes)、任意の拡大表示率で画像表示部8に拡大表示されている顔領域を更に拡大表示する(ステップS22)。例えば、図5に示すように画像20の顔領域22aが初期拡大表示率で画像表示部8に拡大表示されているときに、ユーザーにより拡大ボタンが一回押下されると、図8に示すように拡大表示率を図5の状態よりも更に所定拡大率だけ上げて顔領域22aを更に拡大表示する。図8に示す状態でユーザーにより更に拡大ボタンが一回押下されると、制御部4は、拡大表示率を図8の状態よりも更に所定拡大率だけ上げて顔領域22aを更に拡大表示する(不図示)。このように、ユーザーにより拡大ボタンが押下される毎に、制御部4は、所定割合ずつ(所定拡大率ずつ)顔領域22aの拡大率を上げながら拡大表示を行う。一方、ユーザーにより縮小ボタンが押下される毎に、制御部4は、所定割合ずつ(所定縮小率ずつ)顔領域22aの縮小率を上げながら(拡大率を下げながら)縮小表示を行う。なお、いずれの場合においても、顔領域22aの中心位置を画像表示部8の表示領域の中心位置に配置する。
【0023】
ユーザーにより拡大ボタンが押下されていない場合(ステップS21、No)、またはステップS22においてユーザー指定された拡大表示率(任意の拡大表示率)で顔領域を拡大表示した後、制御部4は、ユーザーにより顔移動キーが押下されたか否かを判別する(ステップS23)。ユーザーにより顔移動キーが押下されると(ステップS23、Yes)、制御部4は、顔移動キーによる操作指示に基づいて、画像表示部8に表示されている顔領域の中心位置を画像表示部8の表示領域の中心位置から移動させて、中心位置を移動させた顔領域を画像表示部8に拡大表示する(ステップS24)。
【0024】
例えば、図8に示すように画像表示部8に任意の拡大表示率で顔領域22aが拡大表示されている状態で、ユーザーにより顔領域22aの中心位置を左下部に移動する指示がなされた場合には、制御部4は、図9に示すように、画像表示部8に表示される顔領域22aの中心位置を画像表示部8の表示領域の中心位置から左下部に移動させる。
【0025】
次に、制御部4は、ユーザーにより顔領域の設定(拡大率と中心位置)に関して決定する決定(OK)キーが操作されると、ステップS22において拡大表示した際の任意の拡大表示率である拡大調整量、及びステップS24において顔領域の中心位置を移動した際の移動量である移動調整量を算出し、算出された拡大調整量及び移動調整量を調整量記憶部12に記憶させる(ステップS25)。
【0026】
拡大調整量は、図10に示すように、初期拡大表示率により拡大表示された破線で示す領域R1から、任意の拡大表示率により一点鎖線で示す領域R2に更に拡大表示した場合において、領域R1の頂点P1と領域R2の頂点P2との距離αを検出することにより算出される。移動調整量は、図11に示すように、初期拡大表示率により拡大表示された領域R1の中心位置C1と、任意の拡大表示率により拡大表示された領域R2の中心位置C2との距離βを検出することにより算出される。制御部4は、算出された拡大調整量α及び移動調整量βを調整量記憶部12に記憶させる。
【0027】
次に、図12に示すフローチャートを参照して、実施の形態に係る画像再生装置2において、画像表示部8に画像中の他の人物の顔領域を拡大表示する際の処理について説明する。
【0028】
まず、制御部4は、ユーザーにより画像表示部8に表示されている画像20の顔領域22aから画像20の他の顔領域(例えば、顔領域22b)への移動指示がなされた場合には(ステップS30、Yes)、顔領域22aが任意の拡大表示率により画像表示部8に拡大表示されているか否かを判別する(ステップS31)。例えば図8または図9に示すように、顔領域22aが初期拡大表示率でなく、任意の拡大表示率により画像表示部8に拡大表示されている場合には(ステップS31、Yes)、制御部4は、調整量記憶部12から顔領域22aの拡大調整量を取得し、取得した拡大調整量に基づいて他の顔領域の拡大処理を行う(ステップS32)。具体的には、他の顔領域を、まず初期拡大表示率で拡大し、拡大調整量に基づく拡大表示率で更に拡大する。なお、画像表示部8の表示領域に対して他の顔領域の傾きがある場合には、ステップS32の処理を行う前に、図2に示すステップS14と同様の処理、即ち画像表示部8の表示領域に対する顔領域22eの傾き量を0とする回転処理を行う。
【0029】
ステップS31において任意の拡大表示率により画像表示部8に拡大表示されていない場合(ステップS31、No)、または、ステップS32における処理の後、制御部4は、顔領域22aの中心位置が移動されているか否かを判別する(ステップ33)。例えば図9に示すように、顔領域22aの中心位置が画像表示部8の表示領域の中心位置に配置されてなく、画像表示部8の表示領域の中心位置から移動させて拡大表示されている場合には(ステップS33、Yes)、制御部4は、調整量記憶部12から顔領域22aの移動調整量を取得し、取得した移動調整量に基づいて他の顔領域の中心位置を画像表示部8の表示領域の中心位置から移動させる処理を行う(ステップS34)。
【0030】
ステップS31において顔領域22aの中心位置が画像表示部8の表示領域の中心位置から移動されていない場合には(ステップS33、No)、または、ステップS34における処理の後、制御部4は、ステップS32による顔領域の拡大処理及びステップS24による顔領域の中心位置の移動処理がなされた後の他の顔領域(例えば、顔領域22b)を画像表示部8に拡大表示する(ステップS35)。即ち、図13に示すように、顔領域22bを、図9に示す顔領域22aと同様の拡大表示率で、かつ図9に示す顔領域22aの中心位置と同様の位置に中心位置を配置し、画像表示部8に表示する。
【0031】
このように、次の顔領域の拡大表示を指示する操作(例えば、「次の画像へ」ボタンを押下)するのみで、顔領域22aを拡大表示させた際の任意の拡大表示率や任意の中心位置移動量で、顔領域22b〜22fを画像表示部8に拡大表示させることができる。また、画像中の他の顔領域のみならず、画像20と異なる他の画像、例えば図14に示すような画像30中の人物の顔領域32a,32bについても、顔領域22aを拡大表示させた際の任意の拡大表示率や任意の中心位置移動量で、画像表示部8に拡大表示させることができる。図15は、画像30中の顔領域32aを、図9に示す顔領域22aと同様の拡大表示率で、かつ図9に示す顔領域22aの中心位置と同様の位置に中心位置を配置し、画像表示部8に拡大表示させた状態を示す図である。図15においても、画像30の縮小画像34上には、画像表示部8に拡大表示されている顔領域32aの縮小画像を囲む枠36が表示されている。
【0032】
この実施の形態に係る画像再生装置2によれば、顔領域の拡大調整量及び移動調整量を調整量記憶部12に記憶させることができるため、他の顔領域を、同様の拡大表示率(画像表示部8の表示領域に対する比率)で、かつ同様の位置に、拡大表示させることができる。また、拡大表示率は任意に変更可能であり、変更された拡大表示率に基づく拡大調整量を記憶することができるため、他の顔領域を、任意の拡大表示率で容易に拡大表示させることができる。また、人物の顔が画像表示部8の表示領域に対して傾いている場合においても、傾き量を検出し、検出結果に基づいて回転処理を施すことができるため、傾き補正された顔領域を画像表示部8に拡大表示させることができる。このように、同一の画像中や他の画像中の様々な大きさを有する顔領域のそれぞれを、画像表示部8の表示領域に対して同一の大きさかつ同一の位置に容易に(一度のボタン操作で)拡大表示(例えば、顔領域の一部、目の部分や鼻の部分のみを拡大表示)させることができるため、各顔領域の比較等を容易に行うことができる。
【0033】
なお、この実施の形態においては、記録媒体6に記録されている画像データに基づく画像中の人物の顔領域を拡大表示させているが、例えば画像再生機能を有し、かつ撮影機能を有するデジタルカメラ等において、撮像素子からの撮像信号に基づく画像であるスルー画像中の人物の顔領域についても本発明を適用することができる。
【0034】
なお、上記実施形態では、拡大表示させたい顔領域を含んだ画像を実際に再生表示している最中に、拡大操作(縮小操作)や中心位置の移動操作を行うことによって、顔領域の拡大表示率(縮小表示率)を設定するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。顔領域を含んだ画像を再生表示する前に、顔領域を拡大再生表示させる際の拡大率や中心位置(表示領域8に対する顔領域の中心位置)などを事前設定できるようにしておき、画像を再生表示した際にはその事前設定した設定値(拡大表示率、中心位置(中心シフト量))に基づいて、その画像内の顔領域の拡大再生表示を行うようにしても良い。
【0035】
図16(a),(b)はその一例を示すものである。画像表示部8にメニュー画面を呼び出して表示させ、そのメニューの中から図16(a)に示すような「顔領域表示設定メニュー画面」を選んで表示部8に表示させる。図16(a)に示す初期画面では、顔の形をしたキャラクタ画像220が、表示部8の表示画面と同等の縦横比(表示アスペクト比)を持つ表示エリア8´のほぼ中央部に初期表示される。また表示エリア8´の上部には、現在のメニュー内容を表示するメニュー内容表示エリア300が表示され、表示エリア8´の下部には、ユーザーに設定操作を促すメッセージを表示するメッセージ表示エリア400が表示される。図16(a)では、メッセージ表示エリア400に、拡大ボタン、縮小ボタンの操作に応じてキャラクタ画像220の拡大表示率を設定でき、且つ顔移動キーでキャラクタ画像220の中心位置を設定できる旨をユーザーに伝えるメッセージが表示されている。また表示エリア8´の左右には、表示エリア8´を、表示部8の表示画面と同等の縦横比(表示アスペクト比)にするための黒帯表示500が表示される。
【0036】
図16(a)の表示中に、ユーザーが拡大ボタンや顔移動キーなどを操作すると、それに応じてキャラクタ画像220の表示エリア8´に対する拡大率や中心位置がシフトする。図16(b)は、ユーザーが拡大ボタンを操作してキャラクタ画像220を拡大し、且つ顔移動キーを操作してキャラクタ画像220の中心位置をシフトさせた状態を示している。このときメッセージ表示エリア400には、この(図16(b)の)表示状態で顔領域に関する設定を完了させるならOKキーを押すことを促すメッセージが表示される。ここでユーザーがOKキーを操作すれば、図16(b)の表示状態での情報(顔領域の拡大率と中心位置)が記憶部12に記憶される。
【0037】
そして、顔領域を含んだ画像を表示しているときに顔拡大ボタンが操作されると、その画像の顔領域に対して、このメニュー画面で設定し記憶部12に記憶した情報(拡大率、中心位置)に基づいて、顔領域の画像が表示部8に表示されることになる。
【符号の説明】
【0038】
2…画像再生装置、4…制御部、6…記録媒体、8…画像表示部、10…操作部、12…調整量記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
前記画像中の人物の顔領域を前記表示部に拡大表示する際の、拡大表示率を操作する拡大操作手段と、
前記拡大操作手段によって指示された拡大表示率で拡大表示された前記顔領域の、前記表示部における表示領域に対する比率を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された前記比率を記憶する記憶手段と、
前記画像中の他の人物の顔領域、または前記画像とは異なる他画像中における人物の顔領域を、前記記憶手段に記憶された前記比率を用いて前記表示部に拡大表示せしめる制御手段と、
を備えることを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
前記比率は、前記拡大操作手段によって任意に変更可能であることを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
【請求項3】
前記拡大操作表示手段の操作をうけて前記表示部上で拡大表示された前記顔領域の、前記表示部の前記表示領域に対する位置を検出する検出手段を備え、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記位置に、前記画像中の他の人物の顔領域、または前記他画像中の人物の顔領域を拡大表示せしめることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像再生装置。
【請求項4】
前記顔領域の前記表示領域に対する傾き量を検出する傾き検出手段と、
前記傾き検出手段により検出された前記傾き量に基づいて、前記顔領域を前記表示領域に対して回転制御する回転手段とを備え、
前記制御手段は、前記回転手段により回転された前記顔領域を、前記表示領域に拡大表示せしめることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の画像再生装置。
【請求項5】
前記画像を前記表示部に表示する前に、前記比率と前記位置とを予め設定する事前設定手段を更に有し、
前記記憶手段は、前記事前設定手段で設定された前記比率と前記位置とを記憶することを特徴とする請求項3記載の画像再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−2626(P2011−2626A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145121(P2009−145121)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】