説明

画像処理システム、画像処理装置、制御方法、及びプログラム

【課題】スキャナに対する原稿の方向について、多少のズレや斜行が発生した場合、送信可否を判定した後、FAX送信を行う画像処理システム、画像処理装置、制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】原稿を読み取った際に、読取不可と見做されても原稿から得られたデータを送信可能とする原稿に対する位置を示すエラー除外情報を生成し、紙文書117の裏面の4隅に送信先情報及び当該エラー除外情報を含むQRコードを付しておき、FAX送信時に、QRコードが付された紙文書117の両面をスキャナ118で読取り、読取り得られた送信用画像ファイルの裏面に付されたQRコードを解析し、多少のズレや斜行が発生の発生によってQRコードの読取エラーが発生した場合、エラーが発生したQRコードの位置及びエラー除外情報に基づいて、送信可否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FAX送信する際に適切な送信用データを送信制御する画像処理システム、画像処理装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙出力された帳票に手書きでコメントを記入後、FAX装置にて帳票をスキャンして得られたデータを送信する際に、誤送信を防ぐ方法として、予め帳票に送信元のFAX番号をOCR用のフォントやバーコード等で印字し、送信時にこれらを読取り、読取ったFAX番号が適切であるか否かを判定することで、誤送信を防止する方法が考えられている。
【0003】
また、昨今、FAX装置に備えられたスキャナの紙搬送ローラー等の劣化に起因するようなスキャナに対する帳票のスキャン方向についての多少のズレ及び斜行が発生した場合でも、OCRエンジンの認識率向上によりFAX番号の認識に成功し、正常にデータが送信先へ送信されるようになった。
【0004】
しかしながら、重要な情報が帳票の端に書かれていた場合は、その文字が欠落した状態で帳票がスキャンされ、データが送信先へ送信されてしまうといった問題が生じているが、OCR認識の閾値を上げると、スキャナに対する帳票のスキャン方向について、多少ズレが発生していても問題無いデータもエラーとなり、結果としてOCR処理におけるエラー発生率が高くなり、再スキャンして、データを送信するというユーザオペレーションが増え、ユーザに負担がかかる。
【0005】
この問題に対して、FAX送信の有効領域外にFAX送信すべき内容が記述されている場合は、自動縮小することで、全ての印字領域をFAX送信する技術が開示されている(例えば、特許文献1ご参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−300334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、小さいフォントや細い罫線等で記述された文字などが縮小されることにより、FAX装置に於いてFAX受信し紙出力された媒体を受け取ったユーザが判別できなくなる可能性がある。
【0008】
また、自動縮小するための画像処理をFAX装置へ実装する必要があり、その分の開発及び運用コスト等がかかるといった問題が生じる。
【0009】
つまり、自動縮小せずに文字の欠落を抑制してFAX送信を行うには、FAX装置のOCR認識の閾値を上げることが考えられるが、前述した通り、スキャナに対する帳票のスキャン方向について、多少ズレが発生していても問題無いデータもエラーとなり、結果としてOCR処理におけるエラー発生率が高くなり、再スキャンして、データを送信するというユーザオペレーションが増え、ユーザに負担がかかる。
【0010】
本発明では、上記問題を解決するためになされたものであり、スキャナに対する帳票のスキャン方向について、多少のズレ及び斜行が発生した場合でも、問題と見做されないデータについては送信先へ送信することで、ユーザのFAX送信時の作業負担を軽減することが可能となる画像処理システム、画像処理装置、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための第1の発明は、原稿を読取りデータへ変換する読取部と前記読取部によって読取り変換されたデータを送信する送信部とデータの印刷を行う印刷部とを備えた画像処理装置と、前記データの解析を行う情報処理装置とを含む画像処理システムにおいて、前記情報処理装置は、前記読取部によって原稿を読み取った後、読取不可となっても前記原稿から得られたデータを前記送信部によって送信可能とする前記原稿に対する位置を示すエラー除外情報を作成するエラー除外情報作成手段と、前記読取部によって読み取られた原稿から得られたデータに対してそれぞれ異なる位置に前記エラー除外情報作成手段によって作成したエラー除外情報を付する配置手段と、前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を前記読取部によって読取ることで、前記原稿から前記エラー除外情報を読取る読取手段と、前記読取手段によって前記エラー除外情報が読取不可となった場合、読取可となった前記エラー除外情報と読取不可となった前記エラー除外情報の位置とから、前記原稿から得られるデータの前記送信部による送信可否を判定する送信可否判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するための第2の発明は、原稿を読取りデータへ変換する読取部と前記読取部によって読取り変換されたデータを送信する送信部とデータの印刷を行う印刷部とを備えた画像処理装置において、前記読取部によって原稿を読み取った際に、読取不可となっても前記原稿から得られたデータを前記送信部によって送信可能とする前記原稿に対する位置を示すエラー除外情報を作成するエラー除外情報作成手段と、前記読取部によって読み取られた原稿から得られたデータに対してそれぞれ異なる位置に前記エラー除外情報作成手段によって作成したエラー除外情報を付する配置手段と、前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を前記読取部によって読取ることで、前記原稿から前記エラー除外情報を読取る読取手段と、前記読取手段によって前記エラー除外情報が読取不可となった場合、読取可となった前記エラー除外情報と読取不可となった前記エラー除外情報の位置とから、前記原稿から得られるデータの前記送信部による送信可否を判定する送信可否判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するための第3の発明は、原稿を読取りデータへ変換する読取部と前記読取部によって読取り変換されたデータを送信する送信部とデータの印刷を行う印刷部とを備えた画像処理装置と、前記データの解析を行う情報処理装置とを含む画像処理システムの制御方法において、前記情報処理装置は、前記読取部によって原稿を読み取った際に、読取不可となっても前記原稿から得られたデータを前記送信部によって送信可能とする前記原稿に対する位置を示すエラー除外情報を作成するエラー除外情報作成ステップと、 前記読取部によって読み取られた原稿から得られたデータに対してそれぞれ異なる位置に前記エラー除外情報作成ステップによって作成したエラー除外情報を付する配置ステップと、前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を前記読取部によって読取ることで、前記原稿から前記エラー除外情報を読取る読取ステップと、前記読取ステップによって前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を読取り、前記エラー除外情報が読取不可となった場合、読取可となった前記エラー除外情報と読取不可となった前記エラー除外情報の位置とから、前記原稿から得られるデータの前記送信部による送信可否を判定する送信可否判定ステップと、を実行することを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するための第4の発明は、原稿を読取りデータへ変換する読取部と前記読取部によって読取り変換されたデータを送信する送信部とデータの印刷を行う印刷部とを備えた画像処理装置の制御方法において、前記読取部によって原稿を読み取った際に、読取不可となっても前記原稿から得られたデータを前記送信部によって送信可能とする前記原稿に対する位置を示すエラー除外情報を作成するエラー除外情報作成ステップと、前記読取部によって読み取られた原稿から得られたデータに対してそれぞれ異なる位置に前記エラー除外情報作成ステップによって作成したエラー除外情報を付する配置ステップと、前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を前記読取部によって読取ることで、前記原稿から前記エラー除外情報を読取る読取ステップと、前記読取ステップによって前記エラー除外情報が読取不可となった場合、読取可となった前記エラー除外情報と読取不可となった前記エラー除外情報の位置とから、前記原稿から得られるデータの前記送信部による送信可否を判定する送信可否判定ステップと、 を実行することを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するための第5の発明は、 原稿を読取りデータへ変換する読取部と前記読取部によって読取り変換されたデータを送信する送信部とデータの印刷を行う印刷部とを備えた画像処理装置と、前記データの解析を行う情報処理装置とを含む画像処理において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、前記読取部によって原稿を読み取った際に、読取不可となっても前記原稿から得られたデータを前記送信部によって送信可能とする前記原稿に対する位置を示すエラー除外情報を作成するエラー除外情報作成手段と、前記読取部によって読み取られた原稿から得られたデータに対してそれぞれ異なる位置に前記エラー除外情報作成手段によって作成したエラー除外情報を付する配置手段と、前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を前記読取部によって読取ることで、前記原稿から前記エラー除外情報を読取る読取手段と、前記読取手段によって前記エラー除外情報が読取不可となった場合、読取可となった前記エラー除外情報と読取不可となった前記エラー除外情報の位置とから、前記原稿から得られるデータの前記送信部による送信可否を判定する送信可否判定手段と、して機能させることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するための第6の発明は、原稿を読取りデータへ変換する読取部と前記読取部によって読取り変換されたデータを送信する送信部とデータの印刷を行う印刷部とを備えた画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記読取部によって原稿を読み取った際に、読取不可となっても前記原稿から得られたデータを前記送信部によって送信可能とする前記原稿に対する位置を示すエラー除外情報を作成するエラー除外情報作成手段と、前記読取部によって読み取られた原稿から得られたデータに対してそれぞれ異なる位置に前記エラー除外情報作成手段によって作成したエラー除外情報を付する配置手段と、前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を前記読取部によって読取ることで、前記原稿から前記エラー除外情報を読取る読取手段と、前記読取手段によって前記エラー除外情報が読取不可となった場合、読取可となった前記エラー除外情報と読取不可となった前記エラー除外情報の位置とから、前記原稿から得られるデータの前記送信部による送信可否を判定する送信可否判定手段と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、FAX送信時にスキャンされた帳票に対するOCR処理の結果、スキャナに対する帳票の方向について、多少のズレや斜行が発生した場合でも、多少のズレや斜行が発生した位置に応じて送信可否を判定した結果に基づいてFAX送信を行うことで、ユーザのFAX送信時の作業負担を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示すと共に、FAX受信時の流れを示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示すと共に、FAX送信時の流れを示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係るFAXサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に於いて、FAX受信の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に於いて、FAX送信の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に於いて、FAX送信時におけるFAX送信可否の判定処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に於いて、スキャナに対する帳票の方向について、多少のズレや斜行が発生した場合でも、送信しても良い例を説明するための説明図である。
【図9】本発明の実施形態に於いて、スキャナに対する帳票の方向について、多少のズレや斜行が発生した場合、送信して悪い例を説明するための説明図である。
【図10】本発明の実施形態に於いて、帳票の送信面にQRコードを印字するパターン例を示すことを説明するための説明図である。
【図11】本発明の実施形態に於いて、帳票に印字されるQRコードに含まれる情報を説明するための説明図である。
【図12】本発明の実施形態に於いて、帳票に対するQRコードの印字位置を記憶するテーブルの構成を示す構成図である。
【図13】本発明の実施形態に於いて、OCR認識エラーとなったQRコードの位置に応じて、エラーとすべきか否かを判定するための情報を記憶するファイルの構成を示す構成図である。
【図14】本発明の実施形態に於いて、QRコードのOCR認識結果を記憶するファイルの構成を示すと共に、4箇所に印字されたQRコードのOCR認識が成功した例を示す構成図である。
【図15】本発明の実施形態に於いて、QRコードのOCR認識結果を記憶するファイルの構成を示すと共に、上段には、右上及び左上に印字されたQRコードのOCR認識がエラーとなった例を示しており、下段には、右下及び左下に印字されたQRコードのOCR認識がエラーとなった例を示す構成図である。
【図16】本発明の実施形態に於いて、FAX受信した画像ファイルの格納(記憶)先等を示す属性ファイルの構成を示す構成図である。
【図17】本発明の実施形態に於いて、FAX送信した画像ファイルの格納(記憶)先等を示す属性ファイルの構成を示す図である。
【図18】本発明の実施形態に於いて、代理店からFAX送信されたデータであるか否かを判定するための代理店情報を記憶するためのテーブルの構成を示す構成図である。
【図19】本発明の実施形態に於いて、FAX送信時の送信用データの裏面に印字する際に利用するテンプレートのイメージを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明が実施される具体的な例として、保険の契約等の申込書を代理店からFAX受信し、FAX受信した申込書に対して受領印を押下して受領通知として、または不備があった場合は、FAX受信した申込書に対して不備内容を手書きでコメントして不備通知として、申込書をFAX返信する業務を例に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理システムの概略的な構成を示す図であり、代理店からのFAX受信時のデータの流れを示している。尚、図1のネットワーク上に接続される各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0021】
この画像処理システムでは、代理店からFAX送信されたFAXデータ100を複合機102のFAX受信部104で受信して電子データに変換を行った後、送信元FAX番号と受信し変換を行った電子データを記憶した画像ファイルのファイル名(記憶先を含む)を記述したテキストファイル(以下、受信属性ファイル。図16参照)と画像ファイル(以下、受信画像ファイル)と、をFAX受信データ送信部106によって、LANアダプタ304とFAXサーバ108のLANアダプタ204とを介して、FAXサーバ108のFAX受信データ保存フォルダ110に送信する。
【0022】
FAXサーバ108において常時起動している印刷アプリケーション112は、FAX受信データ保存フォルダ110に受信属性ファイル及び受信画像ファイルが格納(記憶)されたことを検知した時点で(OSからのイベント通知等のよって検知)、送信された受信属性ファイルから送信元FAX番号1601を読取り、送信元FAX番号1601が代理店マスタ114に登録されているFAX番号1802か否かをチェックする。
【0023】
送信元FAX番号1601が登録されていなかった場合は、受信面のみをプリンタドライバ116を介して複合機102に印刷する。送信元FAX番号1601が登録されている場合は、代理店マスタ114から受信した送信元FAX番号1601に該当するFAX番号1802に対応する代理店名1801を取得し、表面に受信画像ファイルに記憶された情報を、裏面に送信元FAX番号1601、代理店名1801、及びQRコード(QRコードの含まれる情報は、図11参照)を4箇所(出力する用紙の4隅に印字されるように)に配置して、プリンタドライバ116を経由で、複合機102にて用紙(紙文書117)に印刷する(QRコードが配置された紙文書117については、図10参照)。
【0024】
尚、QRコードの配置位置については、紙文書117に対してそれぞれ異なる位置に2つ以上のQRコードを配置すればよく、必ず読取りが成功しなければならない箇所等の用途を考慮して配置しても良い。
【0025】
例えば、紙文書117の読取開始位置からの距離がそれぞれ異なる位置にQRコードをそれぞれ配置しても良いし、紙文書117の読取開始位置からの距離が同じ位置にQRコードをそれぞれ配置しても良い。
【0026】
更に、紙文書117の読取開始位置からの距離がそれぞれ異なる位置にQRコードをそれぞれ配置しつつ、紙文書117の読取開始位置からの距離が同じ位置にQRコードをそれぞれ配置しても良い。
【0027】
図2は、本発明の実施形態に係る画像処理システムの概略的な構成を示す図であり、代理店からのFAX受信時のデータの流れを示している。尚、図2のネットワーク上に接続される各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0028】
この画像処理システムでは、図1に示す複合機102にて印刷された紙文書117に対して、受領通知のために人手によって受領印を押下、あるいはコメントを手書きで記入し、記入済みの紙文書117の両面を複合機102のスキャナ118で読取り、入力処理部120において電子データに変換して生成した画像ファイル(以下、送信画像ファイル)を、LANアダプタ304とFAXサーバ108のLANアダプタ204とを介して、FAXサーバ108に備えられた送信予約フォルダ121に送信する。
【0029】
FAXサーバ108において常時起動しているQRコード認識アプリケーション122は、送信予約フォルダ121を定期的に監視し、送信画像ファイルが格納(記憶)されたことを検知した時点で、送信画像ファイルの裏面に配置されたQRコードを認識し、認識した結果を記憶したQRコード認識結果一覧(図14及び図15参照)をQRコード認識結果出力フォルダ124に出力する。
【0030】
そして、常時起動しているQRコード認識結果判定アプリケーション126は、QRコード認識結果出力フォルダ124を定期的に監視し、QRコード認識結果一覧が出力されたことを検知した時点で、QRコード認識結果一覧を読み込み、送信可能か否かを判定し、送信可能と判定した場合は、送信フォルダ128に送信画像ファイルを移動させると共に、送信画像ファイルのファイル名(記憶先を含む)及び送信先FAX番号を記述したテキストファイル(以下、送信属性ファイル。図17参照)を送信フォルダ128に格納(記憶)する。
【0031】
この時、送信画像ファイルの裏面のデータは削除する。送信不可の場合は、エラーフォルダ130に送信画像ファイルを移動する。FAXサーバ108において常時起動しているFAX送信アプリケーション132は、送信フォルダ128を定期的に監視し、送信属性ファイルが格納(記憶)された事を検知した時点で、送信属性ファイルに記述されている送信対象複合機1703に、送信属性ファイルに記述されている送信画像ファイル1702に記載されている記憶先の送信画像ファイルを取得し、FAXドライバ134を介して、複合機102からFAX送信する。
【0032】
図3は、FAXサーバ108のハードウェアの概略構成を示すブロック図である。図に示すようにFAXサーバ108は、CPU201、RAM202、ROM203、LANアダプタ204、ビデオアダプタ205、キーボード206、マウス207等のポインティングデバイス、ハードディスク208、及び記憶媒体209を備え、これらがシステムバス200を介して互いに接続されており、相互に制御信号を送受信している。
【0033】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM202にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである
【0034】
ROM203あるいはハードディスク208には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やOSや各種アプリケーションの保存の他にFAX受信データ及びFAX送信データ、FAXデータを管理する管理情報、QRコード認識処理に必要な情報が記憶されている。
【0035】
LANアダプタ204は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0036】
また、ビデオアダプタ205は、不図示のディスプレイ等の表示機への接続を可能としており、キーボード206やマウス207等のポイントデバイスからの入力を受付、FAXサーバ108に対して指示命令等を実行する。
【0037】
記憶媒体209は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HDD)やフロッピーディスク(登録商標 FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュメモリ等の外部メモリを表わしている。
【0038】
図4は、複合機102のハードウェアの概略構成を示すブロック図である。図に示すように、複合機102は、FAXサーバ108と同様にシステムバス300、CPU301、RAM302、ROM303、LANアダプタ304、及びハードディスク308を有している。尚、FAXサーバ108と同様な機能を有しているため説明は、省略する。
【0039】
また、複合機102は、液晶パネル&I/F305、通信回線I/F306、スキャンエンジン307、及びプリントエンジン309を有している。
【0040】
液晶パネル&I/F305は、タッチパネルを含み、表示機能及びデータ入力機能を有しており、通信回線I/F306は、電話回線とのインターフェイスを司る。
【0041】
スキャンエンジン307は、帳票等の原稿を光学的に読取り、デジタル画像データに変換して入力し、プリントエンジン309は、スキャンエンジン307から入力されたデータ及び外部から受信したFAXデータ等を紙に印刷する。
【0042】
複合機102のハードディスク308には、システムプログラム等の他に、FAXサーバ108へFAXデータを送信するための送信プログラムが記憶されている。また、FAXデータを送信するための管理情報等も記憶されている。
【0043】
尚、CPU301、RAM302、ROM303、LANアダプタ304、液晶パネル&I/F305、通信回線I/F306、スキャンエンジン307、ハードディスク308及びプリントエンジン309は、システムバス300を介して接続されており、相互に制御信号の送受信を行っている。
【0044】
図5には、本発明の実施形態に係る画像処理システムにおけるFAX受信時の処理を示すフローチャートが示されている。尚、本フローチャートにおけるステップS500からステップS503、ステップS519、及びステップS520の各処理は、CPU301の制御の下、処理が実行され、ステップS504からステップS518の各処理は、CPU201の制御の下、実行されている。
【0045】
代理店からFAX受信するデータの内容としては、送信状(申込書番号の一覧が書かれている)と必要事項が記入された申込書が複数枚のものが存在している。実際の業務としては、この受信した申込書に不備が無ければ、送信状に受領印を押して、代理店にこの送信状を返信する。一方、申込書に不備があった場合は、送信状のコメント欄にコメントを手書きで記述し、代理店にこの送信状を返信する。
【0046】
ステップS500では、FAX受信部104において、FAXデータ100を受信し、ステップS501では、FAX受信部104において、ステップS500で受信したFAXデータ100を電子データに変換を行って受信画像ファイルを生成し、S502では、FAX受信部104において、送信元FAX番号及び受信画像ファイルのファイル名(記憶先を含む)を記憶した受信属性ファイルを生成する。
【0047】
次にステップS503では、FAX受信データ送信部106によって、複合機102に予め宛先が登録されているFAXサーバ108へ、ステップS501において生成した受信画像ファイルとステップS502において生成した受信属性ファイルとを送信する。
【0048】
ステップS504では、FAXサーバ108は、S503において複合機102から送信された受信画像ファイル及び受信属性ファイルを、LANアダプタ204を介して受信し、S505では、ステップS504において受信した受信画像ファイル及び受信属性ファイルをFAX受信データ保存フォルダ110に格納(記憶)する。尚、受信画像ファイルは、受信対象ファイル1602に記憶されている領域へ記憶する。
【0049】
ステップS506では、印刷アプリケーション112によって、受信画像ファイル及び受信属性ファイルがFAX受信データ保存フォルダ110に格納(記憶)されたことを検知した時点で(OSからのイベント通知等によって検知)受信属性ファイルを読み込み、送信元FAX番号1601を取得する。
【0050】
ステップS507では、ステップS506において取得した送信元FAX番号1601と代理店マスタ(図18参照)に登録されているFAX番号1802とを比較して、一致するFAX番号1802が存在する場合は、ステップS508へ処理を進め、一致するFAX番号1802が存在しない場合は、ステップS514へ処理を進める。
【0051】
ステップS508では、ステップS506で取得した受信属性ファイルの受信対象ファイル1602に記載された記憶先情報に基づいて、全ページ分の受信画像ファイルを表面画像データとしてFAX受信データ保存フォルダ110から取得する。次にS509では、裏面テンプレートイメージ1900(図19参照)を取得する。
【0052】
ステップS510では、ステップS506で取得した送信元FAX番号1601に該当するFAX番号1802に対応する代理店名1801を代理店マスタから取得し、ステップS511では、裏面画像データを生成する。具体的には、ステップS509において取得した裏面テンプレートイメージ1900の代理店名欄1901に代理店名1801をFAX番号欄1902に送信元FAX番号1601をオーバレイ(合成)する。尚。オーバーレイ後イメージ1903に、オーバーレイ後のイメージを示している。
【0053】
更に、裏面テンプレートイメージ1900には、QRコード1906からQRコード1909に示すようにQRコードをオーバーレイする。尚、QRコードに含まれる情報としては、図11に示す各項目が含まれている。
【0054】
それぞれの項目について以下に説明する。図11に示すMYPOS1101の項目は、送信状の送信方向に対するQRコードの印字位置に応じた値が記憶されている。この値は、図12に示すQRコード印字位置テーブルに記憶されている位置情報1201に対する値1202が設定される。尚、QRコード印字位置テーブルには、送信状の送信方向に対するQRコードの印字位置を右上とした場合、「0001」を示す値を、左下とした場合、「0010」を示す値が記憶されている。
【0055】
具体的には、例えば、送信状の送信方向に対して右上に印字されるQRコードについては、MYPOS1101に「0001」を設定する。また、送信状の送信方向に対して左上に印字されるQRコードについては、MYPOS1101に「0010」を設定する。
【0056】
図11に示すNOERR1102の項目には、送信状の裏面に印字されたQRコード1906からQRコード1909の読取エラーが発生しても送信状を送付しても問題無い位置情報を設定する。
【0057】
本例では、FAX受信した申込書に対して返信する際に、送信状の送信方向に対して上端に印字されたヘッダ情報が欠けても問題ないので、送信状の送信方向に対して右上と左上が欠けても問題無い。
【0058】
したがって、全てのQRコード(QRコード1906からQRコード1909)にQRコードエラー除外情報テーブル(図13参照)のエラー除外情報1301として右上及び左上を示す値1302の「0011」を設定する。
【0059】
尚、QRコードエラー除外情報テーブルには、送信上の裏面に印字されたQRコードの読取エラーが発生した場合でも、問題としない位置情報が設定されている。
【0060】
例えば、QRコード1906(左上に印字)の読取エラーが発生したとしても、問題としない場合は、QRコードエラー除外情報テーブルのエラー除外情報1301の左上を示す値1302は、「0010」であるため、NOERR1102の項目には、「0010」を設定する。
【0061】
また、QRコード1906及びQRコード1908(左上及び左下に印字)の読取エラーが発生したとしても、問題としない場合は、QRコードエラー除外情報テーブルのエラー除外情報1301の左上及び左下を示す値1302は、「1010」であるため、NOERR1102の項目には、「1010」を設定する。
【0062】
図11に示すFAXNO1103には、送信状を送信する送信先のFAX番号を設定しており、ステップS506で取得した送信元FAX番号を設定している。
【0063】
前述に於いて、送信状のヘッダ情報に着目しているが、帳票等の送信を行うに当たり、帳票等の種別を自動的に認識し、イメージが欠けても問題無い位置を動的に切り替えて印字する運用も可能である。
【0064】
この場合、QRコード印字位置テーブル及びQRコードエラー除外情報テーブルに、帳票を一意に識別するための情報を追加し、ステップS502において、受信属性ファイルへ受信したFAXデータ100の種別(帳票を一意に識別するための情報)を含めて、FAXサーバ108へ送信した後、受信属性ファイルに含まれるFAXデータ100の種別に関する情報をQRコードに含めるような態様を取っても良い。
【0065】
ステップS512では、予め出力用にFAXサーバ108に作成された複合機102における印刷方法の設定を両面印刷に変更する。具体的にはプリンタの各種設定を保持するDEVMODEの設定を変更する。
【0066】
ステップS513では、ステップS508で取得した表面画像データとステップS511で生成した裏面画像データを合わせて出力する。具体的には表面と裏面の画像データをOS経由でプリンタドライバ116に対して出力することを意味する。
【0067】
ステップS514では、全ページ分の受信画像ファイルを表面画像データとしてFAX受信データ保存フォルダ110から取得する。そして、ステップS515では、予め出力用にFAXサーバ108に作成された複合機102における印刷方法の設定を片面印刷に変更する。具体的にはプリンタの各種設定を保持するDEVMODEの設定を変更する。
【0068】
ステップS516では、ステップS514において取得した表面画像データを出力する。具体的には表面画像データをOS経由でプリンタドライバ116に対して出力することを意味する。
【0069】
ステップS517では、プリンタドライバ116によって、ステップS513あるいはステップS516において出力指示された画像データに基づいて、片面設定あるいは両面設定のPDL(Page Description Language)が生成され、ステップS518では、プリンタドライバ116によって、ステップS518において生成されたPDLを印刷データとして複合機102へ送信する。
【0070】
S519では、複合機102にてステップS518において送信された印刷データを受信し、S520では、ステップS519において受信した印刷データを複合機102から紙文書117として印刷出力する。
【0071】
尚、ステップS506からステップS516までの各処理ステップは、印刷アプリケーション112において実行されている。
【0072】
その後、出力された紙文書117は、人手によりFAX受信した申込書の入力を行った後、出力された紙文書から送信状だけを取り出し、送信状のFAX受信面に受領印の押印やコメントを記入後、この記入済みの送信状を代理店へFAX返信する。
【0073】
図6には、受領印の押印及びコメント記入済の送信状を代理店へFAX送信する処理を示すフローチャートが示されている。尚、本フローチャートにおけるステップS600からステップS602、及びステップS614の各処理は、CPU301の制御の下、処理が実行され、ステップS604からステップS613の各処理は、CPU201の制御の下、実行されている。
【0074】
ステップS600では、複合機102のスキャナ118によって紙文書117の両面をスキャンして、次のステップS601では、入力処理部120によって、ステップS600においてスキャンして得られた電子データを送信画像ファイルとして生成し、S603では、入力処理部120によって、LANアダプタ304を介して、送信画像ファイルをFAXサーバ108へ送信し、ステップS603では、送信された送信画像ファイルを受信して、ステップS604では、受信した送信画像ファイルを送信予約フォルダ121へ格納(記憶)する。
【0075】
ステップS605では、QRコード認識アプリケーション122によって、送信予約フォルダ121を定期的に監視し、送信画像ファイルが存在するか否かを判定し、存在する場合は、ステップS606へ処理を進める。
【0076】
ステップS606では、QRコード認識アプリケーション122は、送信予約フォルダ121から送信画像ファイルを取得し、次のステップS607では、送信画像ファイルの代理店へのFAX送信可否を判定する。尚、詳細な処理内容については、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0077】
ステップS608では、FAX送信アプリケーション132によって、送信フォルダ128を定期的に監視し、送信属性ファイルが格納(記憶)されたか否かを判定し、格納(記憶)されたと判定した場合は、ステップS609へ処理を進める。
【0078】
ステップS609では、FAX送信アプリケーション132によって、送信フォルダ128に記憶された送信属性ファイルの送信画像ファイル1702に記憶された記憶先情報に基づいて、送信画像ファイルを取得する。
【0079】
次のステップS610では、FAX送信アプリケーション132は、送信属性ファイルに記述されている送信対象複合機1703に記憶された複合機102のFAX番号1701を指定し、FAX送信用データを生成する。
【0080】
具体的にはFAXドライバ134の各種送信先設定を保持するDEVMODEと中間ファイルの設定を変更し、送信画像ファイルをOS経由でFAXドライバ134に対して出力することを意味する。
【0081】
その後、ステップS611では、FAXドライバ134によって、ステップS610で生成されたFAX送信用データからPDLが生成され、ステップS612では、FAXドライバ134によって、ステップS611で生成したPDLをFAXデータとして複合機102に送信する。
【0082】
ステップS613では、プログラムの終了命令があった場合は、プログラムを終了し、プログラムの終了命令が無い場合は、ステップS605へ処理を戻す。
【0083】
ステップS614では、ステップS612において送信されたFAXデータを受信する。
【0084】
尚、本例では裏面に印字されたQRコードを認識し、表面をFAX送信するが、表面にQRコードが同様の仕様で印字されている帳票であれば表面のQRコードを認識し、表面をFAX送信する運用も可能である。
【0085】
図7には、裏面画像データに配置されたQRコードをOCR認識して、FAX送信の可否を判定する処理を示すフローチャートである。尚、本フローチャートにおける各処理は、CPU201の制御の下、処理が実行されている。
【0086】
ステップS700では、QRコード認識アプリケーション122によって、図6に示すステップS606において取得した送信画像ファイルの裏面画像データに配置された全てのQRコードを解析し、ステップS701では、QRコード認識アプリケーション122によって、解析した結果をQRコード認識結果一覧(図14あるいは図15参照)としてQRコード認識結果出力フォルダ124に格納(記憶)する。
【0087】
例えば、全てのQRコードにMYPOS1101に0001、NOERR1102に0011、FAXNO1103に0334551111が設定されていることを想定すると、全てのQRコードを解析した結果、読取エラーが発生しない場合、図14に示すQRコード認識結果一覧が作成され、送信状の送信方向に対して右上に配置されたQRコード1907(図19参照)を解析した場合、QRコード認識結果一覧の情報1401の右上のQRコードのNOERRに対応する値1402にNOERR1102の0011が記憶され、情報1401の右上のQRコードのFAXNO値に対応する値1402にFAXNO1103の0334551111が記憶される。
【0088】
また、読取エラーが発生した場合は、図15に示すQRコード認識結果一覧が作成され、送信状の送信方向に対して右上に配置されたQRコード1907(図19参照)が読み取れない場合は、図15の上段に示すQRコード認識結果一覧の情報1501の右上のQRコードのNOERRに対応する値1502にエラーが発生した旨を示す情報を記憶し、情報1501の右上のQRコードのFAXNO値に対応する値1502に同様にエラーが発生した旨を示す情報を記憶する。
【0089】
つまり、解析を行ったQRコードの位置に応じて、読取エラーが発生しない場合は、QRコード認識結果一覧の情報及び値に、QRコードに含まれるNOERR1102及びFAXNO1103に記憶されている情報を記憶し、読取エラーが発生している場合は、QRコード認識結果一覧の情報及び値にエラーが発生した旨を示す情報を記憶する。
【0090】
次にステップS702では、QRコード認識結果判定アプリケーション126によって、QRコード認識結果出力フォルダ124に格納(記憶)されたQRコード認識結果一覧の値(図14に示す値1402、図15に示す値1502)を参照することで、読取可となったQRコードが1つでも存在するか否かを判定し、読取可となったQRコードが存在する場合は、ステップS704へ処理を進め、存在しない場合は、ステップS710へ処理を進める。
【0091】
ステップS704では、QRコード認識結果判定アプリケーション126によって、QRコード認識結果一覧に記憶された情報(図14に示す情報1401、図15に示す情報1501)及び値(値(図14に示す値1402、図15に示す値1502)に記憶されたFAX番号及びエラー除外情報が全て同一か否かの判定を行う。但し、エラーが発生した旨を示す情報については、当判定の対象から除く。
【0092】
ステップS705では、QRコード認識結果判定アプリケーション126によって、ステップS704において全て同一であると判定した場合は、ステップS706へ処理を進め、全て同一であると判定しない場合は、ステップS710へ処理を進める。
【0093】
ステップS706では、QRコード認識結果判定アプリケーション126によって、ステップS705におけるFAX番号及びエラー除外情報を確定情報として決定する。
【0094】
ステップS707では、QRコード認識結果判定アプリケーション126によって、送信可能か否かを判定し、送信可能であると判定した場合は、ステップS708へ処理を進め、送信可能であると判定しない場合は、ステップS710へ処理を進める。
【0095】
本ステップにおける送信可能か否かの判定方法は、QRコード認識結果一覧に記憶された情報(図14に示す情報1401、図15に示す情報1501)及び値(図14に示す値1402、図15に示す値1502)を用いて、読取エラーが発生しているQRコードの位置を特定し、特定されたQRコードが、QRコードに含まれるNOERR1102に設定されたエラー除外情報を満たすか否かを判定する。
【0096】
例えば、図15の上段に示すQRコード認識結果一覧であれば、右上及び左上のQRコードが読取エラーとなっているが、右下あるいは左下のQRコードの情報1501のNOERRの値1502に0011が設定されており、この0011は、右上及び左上のQRコードの読取エラーが発生した場合でも、送信を行う旨(図13に示すQRコードエラー除外情報テーブルのエラー除外情報1301の右上及び左上に対応する値1302を参照)を示しており、本ステップでは、送信可能と判定される(図8参照)。
【0097】
図15の下段に示すQRコード認識結果一覧であれば、右下及び左下のQRコードが読取エラーとなり、右上あるいは左上のQRコードの情報1501のNOERRの値1502に0011が設定されており、この0011は、右上及び左上のQRコードの読取エラーが発生した場合でも、送信を行う旨(図13に示すQRコードエラー除外情報テーブルのエラー除外情報1301の右上及び左上に対応する値1302を参照)を示しており、本例では、右下及び左下のQRコードが読取エラーとなっているため、本ステップでは、送信不可と判定される(図9参照)。
【0098】
ステップS708では、QRコード認識結果判定アプリケーション126によって、ステップS706において確定されたFAX番号が代理店マスタの1802に存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合は、ステップS709へ処理を進め、存在すると判定しない場合は、ステップS710へ処理を進める。
【0099】
ステップS709では、QRコード認識結果判定アプリケーション126によって、送信予約フォルダ121に記憶された送信画像ファイルを送信フォルダ128に移動させ、更に送信属性ファイルを送信フォルダ128に作成する。
【0100】
このとき、FAX番号1701にはS706において確定したFAX番号を、送信画像ファイル1702には、送信フォルダ128に移動させた送信画像ファイル名(記憶先を含む)を、送信対象複合機には予め定義された送信対象複合機名を記憶する。
【0101】
本件では、送信対象複合機については固定であるが、このタイミングで複数の送信対象となる複合機のジョブ状況を確認し、負荷の少ない複合機を動的に記述する運用でも構わない。
【0102】
ステップS710では、送信予約フォルダ121内の送信画像ファイルをエラーフォルダ130に移動する。
【0103】
本発明によれば、FAX送信時にスキャンされた帳票に対するOCR処理の結果、スキャナに対する帳票の方向について、多少のズレや斜行が発生した場合でも、多少のズレや斜行が発生した位置に応じて送信可否を判定した結果に基づいてFAX送信を行うことで、ユーザのFAX送信時の作業負担を軽減することが可能となる。
【0104】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。また、本発明におけるプログラムは、各処理方法をコンピュータが実行可能(読取可能)なプログラムであり、本発明の記憶媒体は、各処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。
【0105】
なお、本発明におけるプログラムは、各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0106】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読取り実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0107】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0108】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0109】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータで稼働しているOS等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0110】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0111】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0112】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステム、あるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0113】
102 複合機
108 FAXサーバ
200 システムバス
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 LANアダプタ
205 ビデオアダプタ
206 キーボード
207 マウス
208 ハードディスク
209 記憶媒体
300 システムバス
301 CPU
302 RAM
303 ROM
304 LANアダプタ
305 液晶パネル&I/F
306 通信回線I/F
307 スキャンエンジン
308 ハードディスク
309 プリントエンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読取りデータへ変換する読取部と前記読取部によって読取り変換されたデータを送信する送信部とデータの印刷を行う印刷部とを備えた画像処理装置と、前記データの解析を行う情報処理装置とを含む画像処理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記読取部によって原稿を読み取った後、読取不可となっても前記原稿から得られたデータを前記送信部によって送信可能とする前記原稿に対する位置を示すエラー除外情報を作成するエラー除外情報作成手段と、
前記読取部によって読み取られた原稿から得られたデータに対してそれぞれ異なる位置に前記エラー除外情報作成手段によって作成したエラー除外情報を付する配置手段と、
前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を前記読取部によって読取ることで、前記原稿から前記エラー除外情報を読取る読取手段と、
前記読取手段によって前記エラー除外情報が読取不可となった場合、読取可となった前記エラー除外情報と読取不可となった前記エラー除外情報の位置とから、前記原稿から得られるデータの前記送信部による送信可否を判定する送信可否判定手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記配置手段は、原稿の読取開始位置からの距離がそれぞれ異なる位置に前記原稿から得られたデータに対してエラー除外情報を配置することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記配置手段は、原稿の読取開始位置からの距離が同じ位置に前記原稿から得られたデータに対してエラー除外情報を配置することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記配置手段は、原稿の4隅に前記原稿から得られたデータに対してエラー除外情報を配置することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記配置手段は、原稿から得られたデータに対して前記原稿の裏面にエラー除外情報を配置することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項6】
原稿を読取りデータへ変換する読取部と前記読取部によって読取り変換されたデータを送信する送信部とデータの印刷を行う印刷部とを備えた画像処理装置において、
前記読取部によって原稿を読み取った際に、読取不可となっても前記原稿から得られたデータを前記送信部によって送信可能とする前記原稿に対する位置を示すエラー除外情報を作成するエラー除外情報作成手段と、
前記読取部によって読み取られた原稿から得られたデータに対してそれぞれ異なる位置に前記エラー除外情報作成手段によって作成したエラー除外情報を付する配置手段と、
前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を前記読取部によって読取ることで、前記原稿から前記エラー除外情報を読取る読取手段と、
前記読取手段によって前記エラー除外情報が読取不可となった場合、読取可となった前記エラー除外情報と読取不可となった前記エラー除外情報の位置とから、前記原稿から得られるデータの前記送信部による送信可否を判定する送信可否判定手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
原稿を読取りデータへ変換する読取部と前記読取部によって読取り変換されたデータを送信する送信部とデータの印刷を行う印刷部とを備えた画像処理装置と、前記データの解析を行う情報処理装置とを含む画像処理システムの制御方法において、
前記情報処理装置は、
前記読取部によって原稿を読み取った際に、読取不可となっても前記原稿から得られたデータを前記送信部によって送信可能とする前記原稿に対する位置を示すエラー除外情報を作成するエラー除外情報作成ステップと、
前記読取部によって読み取られた原稿から得られたデータに対してそれぞれ異なる位置に前記エラー除外情報作成ステップによって作成したエラー除外情報を付する配置ステップと、
前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を前記読取部によって読取ることで、前記原稿から前記エラー除外情報を読取る読取ステップと、
前記読取ステップによって前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を読取り、前記エラー除外情報が読取不可となった場合、読取可となった前記エラー除外情報と読取不可となった前記エラー除外情報の位置とから、前記原稿から得られるデータの前記送信部による送信可否を判定する送信可否判定ステップと、
を実行することを特徴とする画像処理システムの制御方法。
【請求項8】
原稿を読取りデータへ変換する読取部と前記読取部によって読取り変換されたデータを送信する送信部とデータの印刷を行う印刷部とを備えた画像処理装置の制御方法において、
前記読取部によって原稿を読み取った際に、読取不可となっても前記原稿から得られたデータを前記送信部によって送信可能とする前記原稿に対する位置を示すエラー除外情報を作成するエラー除外情報作成ステップと、
前記読取部によって読み取られた原稿から得られたデータに対してそれぞれ異なる位置に前記エラー除外情報作成ステップによって作成したエラー除外情報を付する配置ステップと、
前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を前記読取部によって読取ることで、前記原稿から前記エラー除外情報を読取る読取ステップと、
前記読取ステップによって前記エラー除外情報が読取不可となった場合、読取可となった前記エラー除外情報と読取不可となった前記エラー除外情報の位置とから、前記原稿から得られるデータの前記送信部による送信可否を判定する送信可否判定ステップと、
を実行することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
原稿を読取りデータへ変換する読取部と前記読取部によって読取り変換されたデータを送信する送信部とデータの印刷を行う印刷部とを備えた画像処理装置と、前記データの解析を行う情報処理装置とを含む画像処理において実行されるプログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記読取部によって原稿を読み取った際に、読取不可となっても前記原稿から得られたデータを前記送信部によって送信可能とする前記原稿に対する位置を示すエラー除外情報を作成するエラー除外情報作成手段と、
前記読取部によって読み取られた原稿から得られたデータに対してそれぞれ異なる位置に前記エラー除外情報作成手段によって作成したエラー除外情報を付する配置手段と、
前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を前記読取部によって読取ることで、前記原稿から前記エラー除外情報を読取る読取手段と、
前記読取手段によって前記エラー除外情報が読取不可となった場合、読取可となった前記エラー除外情報と読取不可となった前記エラー除外情報の位置とから、前記原稿から得られるデータの前記送信部による送信可否を判定する送信可否判定手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
原稿を読取りデータへ変換する読取部と前記読取部によって読取り変換されたデータを送信する送信部とデータの印刷を行う印刷部とを備えた画像処理装置において実行されるプログラムであって、
前記読取部によって原稿を読み取った際に、読取不可となっても前記原稿から得られたデータを前記送信部によって送信可能とする前記原稿に対する位置を示すエラー除外情報を作成するエラー除外情報作成手段と、
前記読取部によって読み取られた原稿から得られたデータに対してそれぞれ異なる位置に前記エラー除外情報作成手段によって作成したエラー除外情報を付する配置手段と、
前記印刷部によって印刷された前記エラー除外情報が付された原稿を前記読取部によって読取ることで、前記原稿から前記エラー除外情報を読取る読取手段と、
前記読取手段によって前記エラー除外情報が読取不可となった場合、読取可となった前記エラー除外情報と読取不可となった前記エラー除外情報の位置とから、前記原稿から得られるデータの前記送信部による送信可否を判定する送信可否判定手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−105148(P2012−105148A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253035(P2010−253035)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.コンパクトフラッシュ
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】