説明

画像処理プログラムおよび画像処理装置

【課題】
汎用の画像読取装置を用いた場合であっても、任意の形状の小紙片類の画像化を容易に行うことのできる画像処理プログラムおよび画像処理装置を提供する。
【解決手段】
画像取得部100が取得した画像を、前処理部101で複製して複製画像を生成し、生成した複製画像を2値化する。そして、2値化した複製画像中の図形の輪郭線を輪郭抽出処理部102で抽出し、抽出された輪郭線に基づいて、画像切出処理部104が、画像取得部100が取得した画像から部分画像を切出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理プログラムおよび画像処理装置に関し、特に、小紙片等の比較的小さな原稿を読み取って得た画像に対して処理を施す画像処理プログラムおよび画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ等の情報処理装置の性能向上や普及状況に伴い、様々な情報が、情報処理装置により取り扱い可能な形態で用いられている。
【0003】
このような情報には、キーボード等の入力装置から人手により入力されたものや、スキャナ等の画像読取装置で原稿を読み取って得られた画像、録音された音声等がある。
【0004】
また、画像読取装置には、定型の原稿はもちろんのこと、名刺やカード等に対応した自動原稿送り装置を設けた原稿読取装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−86988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、画像読取装置での読取対象となる原稿は、一般的な大きさの定型のものや、名刺やカード等の小紙片類がある。また、小紙片類には、その形状が矩形ではない、任意の形状のものがあり、これらを読取対象とする場合も生じる。
【0007】
しかしながら、小紙片類は、画像読取装置の原稿台に載置したとしても、画像読取装置が有する原稿サイズの自動検知機能が有効に機能しない場合もあり、また、形状が矩形で無い場合には、名刺やカード等に対応した自動原稿送り装置を利用することも困難であった。
【0008】
そこで、本発明は、汎用の画像読取装置を用いた場合であっても、任意の形状の小紙片類の画像化を容易に行うことのできる画像処理プログラムおよび画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明は、任意の方向に並べられた小紙片類に基づいて生成された画像を処理する画像処理プログラムであって、前記画像を複製した複製画像を生成し、該生成した複製画像を2値画像に変換する複製処理と、前記複製画像中の図形の輪郭線を抽出する輪郭抽出処理と、前記輪郭抽出処理で抽出された輪郭線に基づいて前記画像から部分画像を切り出す画像切出処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明は、任意の方向に並べられた小紙片類に基づいて生成された画像を処理する画像処理装置であって、前記画像を複製した複製画像を生成し、該生成した複製画像を2値画像に変換する複製手段と、前記複製手段で生成され2値画像に変換された複製画像中の図形の輪郭線を抽出する輪郭抽出手段と、前記輪郭抽出手段で抽出された輪郭線に基づいて前記画像から部分画像を切り出す画像切出手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、任意の形状の小紙片類の画像化を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】画像処理装置と画像読取装置の接続例を示した図である。
【図2】画像処理装置1の構成例を示した図である。
【図3】画像処理装置1の機能的な構成の例を示すブロック図である。
【図4】画像処理装置1が処理対象とする画像を説明するための図である。
【図5】輪郭抽出処理部102の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】輪郭線抽出処理を説明するための図である。
【図7】輪郭線抽出処理を説明するための図である。
【図8】実施例2における前処理部101の処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る画像処理プログラムおよび画像処理装置の一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、画像処理装置と画像読取装置の接続例を示した図である。同図に示すように、画像処理装置1は、画像読取装置2と接続されている。この接続は、画像読取装置2が原稿を読み取って生成した画像を、画像処理装置1に渡すことができればよく、USB(Universal Serial Bus)等によるローカル接続や、LAN(Local Area Network)等によるネットワーク接続を利用することができる。
【0015】
なお、画像処理装置1は、必ずしも画像読取装置2と接続される必要は無く、画像読取装置2で生成された画像を、記憶媒体等を介して、画像処理装置1に入力するようにしてもよい。
【0016】
次に、画像処理装置1の構成について説明する。画像処理装置1は、汎用のコンピュータ等の情報処理装置を画像処理プログラムにしたがって動作させることで実現されるものであり、その構成は、例えば、図2に示すようなものとなる。
【0017】
図2に示すように、画像処理装置1は、演算部10と記憶部11、一時記憶部12、画像読取装置接続部13、記憶装置接続部14、記憶装置15、入力装置接続部16、入力装置17、表示装置接続部18、表示装置19を有している。
【0018】
演算部10は、演算処理を行うもので、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサに相当する。記憶部11は、情報等を記憶するもので、例えば、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ(Nonvolatile Memory)等のメモリに相当する。一時記憶部12は、情報等を一時的に記憶するもので、例えば、RAM(Random Access Memory)等のメモリに相当する。画像読取装置接続部13は、画像読取装置2を接続するインタフェイスとなるもので、例えば、USBのインタフェイス、LANインタフェイス等である。記憶装置接続部14は、記憶装置15を接続するためのインタフェイスであり、記憶装置15は、情報等を記憶するもので、例えば、磁気ディスクに相当する。入力装置接続部16は、入力装置17を接続するためのインタフェイスであり、入力装置17は、情報等を入力するもので、キーボードやポインティングデバイス等に相当するものである。表示装置接続部18は、表示装置19を接続するためのインタフェイスであり、表示装置20は、情報等を表示するもので、モニタディスプレイ等に相当するものである。
【0019】
続いて、画像処理装置1の機能的な構成について説明する。図3は、画像処理装置1の機能的な構成の例を示すブロック図である。
【0020】
同図に示すように、画像処理装置1は、画像取得部100と、前処理部101、輪郭抽出処理部102、結合処理部103、画像切出処理部104、変換処理部105の各機能部を有している。これら各機能部は、コンピュータ等の情報処理装置を画像処理プログラムにしたがって動作させることで実現される。この画像処理プログラムは、記録媒体に記録して配布したり、ネットワーク等を利用した通信により配信することが可能なものである。
【0021】
画像取得部100は、処理対象となる画像を画像読取装置2から取得する。
【0022】
前処理部101は、画像取得部100が取得した画像を複製する。
【0023】
輪郭抽出処理部102は、前処理部101が複製した画像から、当該画像中の輪郭線を抽出する。
【0024】
結合処理部103は、輪郭抽出処理部102が抽出した輪郭線に囲まれた図形の面積が予め定めた下限値よりも小さく、かつ、予め定めた範囲内に別の輪郭線に囲まれた図形が存在する場合には、これらを結合する。なお、結合処理部103は、結合により当該部分の面積が予め定めた上限値よりも大きくなる場合は、結合を行わない。
【0025】
画像切出処理部104は、前処理部101が複製した画像の元となる元画像、つまり、画像取得部100が取得した画像から、輪郭抽出処理部102が抽出した輪郭線にしたがって、部分画像を切り出す。なお、結合処理部103が結合処理を行った図形に対しては、結合した図形の輪郭線にしたがって、部分画像を切り出す。
【0026】
変換処理部105は、画像切出処理部104が切り出した部分画像を、予め指定された形式に変換し、その結果をファイルとして記憶装置15に保存する。
【0027】
なお、画像切出処理部104が切り出した部分画像が任意の形状であるのに対して、一般的な画像ファイルでは、矩形の形状の画像を保存するものである。このため、変換処理部105は、画像切出処理部104が切り出した部分画像が含まれる大きさであり、予め設定されている色(背景色)の矩形画像と画像切出処理部104が切り出した部分画像を合成して保存する。また、透過色を指定することのできる画像ファイルとして保存する場合には、矩形画像の色を透過色に指定して保存するようにしてもよい。
【0028】
次に、画像処理装置1の各機能部による処理の詳細を、画像処理装置1による画像処理の流れとともに説明する。
【0029】
最初に、画像処理装置1が処理対象とする画像について説明する。画像処理装置1が処理対象とする画像は、小紙片類を読み取ることで生成される画像である。この画像は、例えば、図4(a)に示すように、画像読取装置2の原稿台20の上に、小紙片類3−1、小紙片類3−2等の複数の小紙片類を並べた状態で、画像読取装置2を動作させることで得られるものである。このとき、小紙片類3−1、小紙片類3−2等は、その向きを任意のまま並べることができる。ただし、複数の小紙片類が重なることが無いように留意する必要がある。なお、小紙片類3−1、小紙片類3−2等の小紙片類は、名刺、カード等はもちろんのこと、雑誌や新聞の切り抜き等、任意の形状のものを対象とすることができる。
【0030】
また、画像読取装置2を動作させる際には、原稿台20の上に小紙片類3−1、小紙片類3−2等の複数の小紙片類を並べ、さらに、その上から黒色または類似する色のシート等を重ねる必要がある。
【0031】
これにより、画像読取装置2で生成された画像は、図4(b)に示すように、黒色等を背景とした複数の名刺が含まれる画像となり、この画像が画像取得部100により取得されることとなる。
【0032】
なお、画像処理装置1が処理対象とする画像は、必ずしも、画像読取装置2で生成された画像である必要は無く、例えば、黒色等の台上に並べられた小紙片類を、ディジタルカメラ等で撮影することで生成された画像であってもよい。
【0033】
続いて、画像取得部100が取得した画像に対して、前処理部101が、前処理を施す。前処理部101が施す前処理は、画像取得部100が取得した画像の複製であり、前処理部101が複製した画像は、輪郭抽出部102等の処理に用いられる。なお、以下では、便宜上、画像取得部100が取得した画像を元画像と称し、前処理部101が複製した画像を複製画像と称する。
【0034】
次に、前処理部101が複製した複製画像に対して、輪郭抽出処理部102が、小紙片類の輪郭線を抽出するための処理を施す。図5は、輪郭抽出処理部102の処理の流れを示すフローチャートである。
【0035】
輪郭抽出処理部102は、処理を開始すると、最初に、複製画像を2値化し(ステップ201)、各画素が1ビットで表現される2値画像に、複製画像を変換する。
【0036】
続いて、輪郭抽出処理部102は、2値化した複製画像から外枠を除去する外枠除去処理を行う(ステップ202)。外枠とは、画像読取装置2の枠消し機能により生じる白枠(図4(b)参照)であり、外枠除去処理は、この白枠の各画素を、黒画素に変換するものである。
【0037】
次に、輪郭抽出処理部102は、外枠除去処理が施された複製画像から、名刺等の輪郭線、つまり、白画素の塊の輪郭線を抽出する(ステップ203)。ここで、輪郭線抽出処理について説明する。図6および図7は、輪郭線抽出処理を説明するための図である。ここでは、輪郭線抽出処理を施す複製画像は、図6(a)に示す8×8画素のもので、白画素の塊が1つ存在するものとする。なお、図6および図7中の斜線を施した正方形は黒画素を示し、他の正方形は、白画素を示す。また、正方形内に円を描画しているものは、輪郭線として抽出された画素を示すものである。
【0038】
輪郭線抽出処理では、輪郭抽出処理部102は、まず、ラスタスキャンによる白画素の有無の確認、つまり、図6(a)中の左上の画素P11から画素P12の方向に順に画素P18まで白画素の有無を確認し、画素P18までに白画素が無ければ、次段の画素P21から、同様に白画素の有無を確認する。その結果、画素P25が白画素であるので、この画素P25を始点として、輪郭線の追跡を開始する。
【0039】
輪郭線の追跡では、処理対象の画素の周りの8画素を反時計方向に順に確認する。処理対象が画素P25である場合には、その周りの8画素のうち、直前に処理対象であった画素P24から反時計方向に隣接する画素P34を始点として白画素の確認を行う(図6(b)参照)。そして、最初に白画素であることが確認された画素、この場合、画素P34を輪郭線の進行方向とする。
【0040】
続いて、画素P34を処理対象として、その周りの8画素のうち、直前に処理対象であった画素P25から反時計方向に隣接する画素P24を始点として白画素の確認を行う(図6(c)参照)。この場合、画素P24、画素P23、画素P33、画素P43の順に白画素であるか否かの確認を行い、最初に白画素であることが確認された画素P43を輪郭線の進行方向とする。
【0041】
そして、同様の処理を行い、画素P43における輪郭線の進行方向を画素P52(図6(d)参照)、画素P52における輪郭線の進行方向を画素P62(図6(e)参照)、画素P62における輪郭線の進行方向を画素P73(図7(a)参照)、画素P73における輪郭線の進行方向を画素P74(図7(b)参照)、といったように、輪郭線の追跡を行い、輪郭線の進行方向として特定した画素が始点であった画素P25となった場合に、輪郭線の追跡を終了する(図7(c)参照)。
【0042】
輪郭線の追跡が終了すると、輪郭抽出処理部102は、別の白画素の塊の有無を確認するため(図7(c)では存在しない)、始点とした画素P25の次の画素からラスタスキャンを再開する。ただし、図7(c)に示した例では、画素P25の次の画素である画素P26は、輪郭線として確認済みであるため、画素P27からラスタスキャンを再開する。
【0043】
そして、全ての白画素の塊について、輪郭線の追跡を行うと、輪郭抽出処理部102は、ノイズ除去処理を行う(ステップ204)。ノイズ除去処理は、白画素の塊の大きさ、つまり、輪郭線に囲まれた画素の大きさが、予め定めた一定の大きさ以下である場合に、これをノイズとして除去する処理であり、除去した画素は、以後、黒画素(背景)として処理される。このノイズ除去処理が終了すると、輪郭抽出処理部102による輪郭の抽出処理が終了する。
【0044】
次に、輪郭抽出処理部102が抽出した輪郭線に基づいて、結合処理部103が結合処理を行う。結合処理は、輪郭抽出処理部102が抽出した輪郭線に囲まれた図形の面積が予め定めた下限値よりも小さい場合に、当該図形を最も距離が近い別の輪郭線に囲まれた図形と結合する。なお、結合処理部103は、結合により、その結合結果となる図形の面積が予め定めた上限値よりも大きくなる場合は、結合を行わない。これらの上限値や下限値は、処理対象である名刺やカード等の面積に応じて決定される値である。また、抽出した輪郭線に囲まれた図形の面積が予め定めた下限値よりも小さい場合でも、別の輪郭線に囲まれた図形が予め定めた範囲内に存在しない場合にも結合は行わない。
【0045】
なお、当然のことではあるが、結合処理は、予備的な処理であり、画像取得部100が取得した画像の質が一定以上である場合などでは、輪郭抽出処理部102が抽出した輪郭線に囲まれた図形の面積が予め定めた下限値よりも小さくなる可能性が低くなる。したがって、結合処理部103を省略することも可能である。
【0046】
続いて、輪郭抽出処理部102が抽出した輪郭線に囲まれた図形と結合処理部103が結合した図形を対象として、画像切出処理部104が、元画像から当該図形を部分画像として切り出す。
【0047】
そして、変換処理部105が、画像切出処理部105が切り出した部分画像を、指定された色の背景画像と合成し、指定された画像ファイルの形式に変換してその結果を記憶装置15に保存する。このとき、指定された画像ファイルの形式が透過色を指定できるものであれば、背景画像の色を透過色として指定することもできる。
【実施例2】
【0048】
実施例1では、画像読取装置2の原稿台20の上に小紙片類3−1、小紙片類3−2等の複数の小紙片類を並べ、さらに、その上から黒色または類似する色のシート等を重ねて生成した画像等から、部分画像を切り出す場合を説明した。この方法では、小紙片類3−1等が、名刺や新聞の切抜き等、背景色が白色または白色に類似する色の場合に、部分画像を切り出すことができたが、背景色(少なくとも縁部分)が赤色や青色等の画像の2値化に際して黒色に変換される色である場合には、正確な切り出しを行うことができない可能性がある。
【0049】
そこで、実施例2では、背景色が白色または白色に類似する色ではない小紙片類を読み取った画像から、部分画像を切り出す場合の例を説明する。なお、ここでは、実施例1と異なる部分のみ説明する。
【0050】
背景色が白色または白色に類似する色ではない小紙片類、または、このような小紙片類が背景色が白色または白色に類似する色の小紙片類と混在するものを画像読取装置2の原稿台20の上に並べて画像を生成する場合には、並べた小紙片類のいずれの背景色でもない色のシート等を重ねて画像読取装置2を動作させて画像を生成する。また、この画像を生成する前後に、小紙片類を並べずに、同じ色のシート等のみを原稿台20の上に載置して画像読取装置2を動作させて画像を生成する。
【0051】
そして、前処理部101は、まず、シート等のみから生成した画像からシート等の色を検出する。続いて、小紙片類を含む画像から複製画像を2つ生成し、これら2つの複製画像を、それぞれ、2値化する。
【0052】
このとき、一方の複製画像は、検出したシート等の色を示す各画素を黒画素に変換した後に、外枠除去処理を行って、2値画像に変換する。
【0053】
また、他方の複製画像は、検出したシート等の色を示す各画素を白画素に変換した後に、2値画像に変換し、さらに、2値画像の白と黒を反転させた画像に変換する。
【0054】
例えば、図8(a)に示すように、画像読取装置2の原稿台20の上に、背景色が白色または白色に類似する色の小紙片類3−3と背景色が黒色または黒色に類似する色の小紙片類3−3を並べて画像を生成した場合、検出したシート等の色を示す各画素を黒画素に変換した後に外枠除去処理を行って2値画像に変換した画像は、図8(b)に示すようになる。また、検出したシート等の色を示す各画素を白画素に変換した後に2値画像に変換した画像は、図8(c)に示すようになり、これを白黒反転させた画像は、図8(d)に示すようになる。
【0055】
これにより、小紙片類の背景色がどのような色であっても、2つの2値画像のいずれかが正確な輪郭線を示すこととなる。
【0056】
輪郭抽出処理部102と、結合処理部103は、それぞれ、前処理部101が変換した2つの2値画像のそれぞれに対して、実施例1の場合と同様の処理を行う。
【0057】
画像切出処理部104は、輪郭抽出処理部102が抽出した輪郭線に囲まれた図形と結合処理部103が結合した図形を切出し対象として元画像から部分画像の切出しを行うが、この際に、2つの複製画像のそれぞれの図形のうち、同じ座標を含む図形の大きさを比較し、その面積が大きい方の図形にしたがって、元画像から部分画像の切出しを行う。これは、図8(b)と図8(d)を比較すれば明らかなように、面積が大きい方の図形が正しい輪郭線が抽出された画像だからである。
【0058】
変換処理部105は、、画像切出処理部105が切り出した部分画像を、指定された色の背景画像と合成し、指定された画像ファイルの形式に変換してその結果を記憶装置15に保存する。
【0059】
なお、ここでは、小紙片類を原稿台20の上に並べて、並べた小紙片類のいずれの背景色でもない色のシート等を重ねて画像読取装置2を動作させて画像を生成し、その前後に、小紙片類を並べずに、同じ色のシート等のみを原稿台20の上に載置して画像読取装置2を動作させて画像を生成するものとして説明したが、原稿台20の特定の位置に小紙片類を並べないようにして、生成した画像の当該位置に対応する部分からシート等の色を検出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 画像処理装置
2 画像読取装置
3−1、3−2、3−3、3−4 小紙片類
10 演算部
11 記憶部
12 一時記憶部
13 画像読取装置接続部
14 記憶装置接続部
15 記憶装置
16 入力装置接続部
17 入力装置
18 表示装置接続部
19 表示装置
20 原稿台
100 画像取得部
101 前処理部
102 輪郭抽出処理部
103 結合処理部
104 画像切出処理部
105 変換処理部
P11〜P74 画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の方向に並べられた小紙片類に基づいて生成された画像を処理する画像処理プログラムであって、
前記画像を複製した複製画像を生成し、該生成した複製画像を2値画像に変換する複製処理と、
前記複製画像中の図形の輪郭線を抽出する輪郭抽出処理と、
前記輪郭抽出処理で抽出された輪郭線に基づいて前記画像から部分画像を切り出す画像切出処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項2】
任意の方向に並べられた小紙片類に基づいて生成された画像を処理する画像処理装置であって、
前記画像を複製した複製画像を生成し、該生成した複製画像を2値画像に変換する複製手段と、
前記複製手段で生成され2値画像に変換された複製画像中の図形の輪郭線を抽出する輪郭抽出手段と、
前記輪郭抽出手段で抽出された輪郭線に基づいて前記画像から部分画像を切り出す画像切出手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−90177(P2013−90177A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229493(P2011−229493)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(508344305)株式会社 下田オー・エー・システム (3)
【Fターム(参考)】